特許第6688780号(P6688780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6688780シリコーン系感圧接着剤、およびシリコーン系感圧接着層を有する積層体
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  • 特許6688780-シリコーン系感圧接着剤、およびシリコーン系感圧接着層を有する積層体 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688780
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】シリコーン系感圧接着剤、およびシリコーン系感圧接着層を有する積層体
(51)【国際特許分類】
   C09J 183/07 20060101AFI20200421BHJP
   C09J 183/06 20060101ALI20200421BHJP
   C09J 183/05 20060101ALI20200421BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20200421BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   C09J183/07
   C09J183/06
   C09J183/05
   C09J7/38
   C09J11/06
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-503357(P2017-503357)
(86)(22)【出願日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】JP2016001180
(87)【国際公開番号】WO2016139955
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2019年1月11日
(31)【優先権主張番号】特願2015-43148(P2015-43148)
(32)【優先日】2015年3月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】719000328
【氏名又は名称】ダウ・東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】日野 賢一
(72)【発明者】
【氏名】田中 尚子
(72)【発明者】
【氏名】中村 昭宏
【審査官】 上坊寺 宏枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−001448(JP,A)
【文献】 特開2008−156497(JP,A)
【文献】 特開平04−335083(JP,A)
【文献】 特開2002−285129(JP,A)
【文献】 特開2006−052384(JP,A)
【文献】 特開2007−045102(JP,A)
【文献】 特開2009−256542(JP,A)
【文献】 特開2011−119427(JP,A)
【文献】 特開2010−13632(JP,A)
【文献】 特開2005−325283(JP,A)
【文献】 特開平10−147758(JP,A)
【文献】 特開平7−331220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J1/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(A2)分子鎖末端がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖されているオルガノポリシロキサンと(A3)分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの混合物、または(A1)分子鎖末端の少なくとも25モル%がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン {(A)成分に含まれているアルケニル基の合計1モルに対して、本成分に含まれているケイ素原子結合水素原子が0.5モル以上、20モル以下となる量}、および
(C)ヒドロシリル化反応用触媒 (本組成物のヒドロシリル化反応を促進する量)
から少なくともなり、
(F)RSiO1/2単位(式中、Rはハロゲン置換もしくは非置換の一価炭化水素基である。)とSiO4/2単位から成り、SiO4/2単位に対するRSiO1/2単位のモル比が0.5以上、1.5以下であるオルガノポリシロキサンレジンを含有しないか、含有しても、(A)成分100質量部に対して10質量部以下である
シリコーン系感圧接着剤。
【請求項2】
(A2)成分が一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである、請求項1に記載のシリコーン系感圧接着剤。
【請求項3】
(A2)成分の含有量が(A)成分の5〜99質量%である、請求項1または2に記載のシリコーン系感圧接着剤。
【請求項4】
さらに、(D)ヒドロシリル化反応抑制剤を、(A)成分100質量部に対して、5質量部以下含有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシリコーン系感圧接着剤。
【請求項5】
さらに、(E)有機溶剤を、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、10〜3,000質量部含有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシリコーン系感圧接着剤。
【請求項6】
支持体と、その上の、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシリコーン系感圧接着剤をヒドロシリル化反応して形成された感圧接着層とから少なくともなる積層体。
【請求項7】
支持体がポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムである、請求項6に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーン系感圧接着剤、および該感圧接着剤を用いて形成した感圧接着層を有する積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯音楽プレイヤー、携帯型パソコン等の携帯可能な小型コンピュータの表示部を覆うためのカバーガラスやタッチパネルの製造プロセスでは、それらを一時的に保護するための保護フィルムが用いられる(特許文献1参照)。
【0003】
このような保護フィルムは、製造プロセスの移動の際には、カバーガラスやタッチパネル等の被着体に十分に粘着し、使用の際には、容易に剥離できる程度の粘着力が求められている。さらに、再剥離の際には、被着体に感圧接着層が移行しないことも求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−045102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、再剥離した際に被着体への移行が少ない感圧接着層を形成するシリコーン系感圧接着剤、および感圧接着層の移行が少ない積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシリコーン系感圧接着剤は、
(A)(A1)分子鎖末端の少なくとも25モル%がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、または(A2)分子鎖末端がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖されているオルガノポリシロキサンと(A3)分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの混合物 100質量部、
(B)一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン {(A)成分に含まれているアルケニル基の合計1モルに対して、本成分に含まれているケイ素原子結合水素原子が0.5モル以上、20モル以下となる量}、および
(C)ヒドロシリル化反応用触媒 (本組成物のヒドロシリル化反応を促進する量)
から少なくともなることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の積層体は、支持体と、その上の、上記のシリコーン系感圧接着剤のヒドロシリル化反応により形成された感圧接着層とからなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のシリコーン系感圧接着剤は、再剥離した際に被着体への移行が少ない感圧接着層を形成するという特徴があり、また、本発明の積層体は感圧接着層の移行が少ないという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の積層体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
はじめに、本発明のシリコーン系感圧接着剤について詳細に説明する。
(A)成分は、(A1)分子鎖末端の少なくとも25モル%がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、または(A2)分子鎖末端がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖されているオルガノポリシロキサンと(A3)分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンの混合物である。
【0011】
(A1)成分は、一分子中に少なくとも平均1個、好ましくは、少なくとも平均1.5個、または少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。これは、(A1)成分中のアルケニル基が上記下限以上であると、本感圧接着剤が短時間で十分に架橋するからである。(A1)成分中のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ペンテニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等の炭素数2〜12のアルケニル基が例示され、好ましくは、ビニル基、ヘキセニル基である。このアルケニル基の結合位置は限定されず、分子鎖末端のケイ素原子および/または分子鎖中のケイ素原子に結合していてもよい。(A1)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基である。
【0012】
(A1)成分の分子構造は直鎖状または一部分岐を有する直鎖状であり、その分子鎖末端基の少なくとも25モル%、好ましくは、50モル%、または100モル%がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基である。これは、分子鎖末端基が上記下限以上であると、得られる感圧接着層の移行が起こり難くなるからである。ケイ素原子結合加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基;イソプロペニルオキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアミノ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基等のアミド基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルケトオキシム基等のケトオキシム基;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子が例示される。その他の分子鎖末端の基としては、前記のアルキル基、アルケニル基、アリール基、およびアラルキル基が例示される。
【0013】
(A1)成分としては、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。
【0014】
このような(A1)成分の粘度は限定されないが、好ましくは、25℃における粘度が10,000mPa・sを超え、50,000mPa・s以上であり、または25℃において生ゴム状である。これは、(A1)成分の粘度が上記範囲の下限以上であると、塗膜の平滑性が向上するからである。なお、(A1)成分の25℃における粘度は、JIS K7117−1に準拠した回転粘度計によって測定することができる。また、(A1)成分が25℃において生ゴム状である場合、JIS K 6249に規定される方法に準じて測定された可塑度を有するものである。
【0015】
また、(A2)成分は、一分子中に少なくとも平均1個、好ましくは、少なくとも平均1.5個、または少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。これは、(A2)成分中のアルケニル基が上記下限以上であると、本感圧接着剤が短時間で十分に架橋するからである。(A2)成分の分子構造は直鎖状または一部分岐を有する直鎖状であり、分子鎖末端がケイ素原子結合ヒドロキシ基またはケイ素原子結合加水分解性基で封鎖されている。ケイ素原子結合加水分解性基としては、前記と同様の基が例示される。(A2)成分中のケイ素原子結合の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ペンテニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等の炭素数2〜12のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が例示される。
【0016】
このような(A2)成分としては、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジフェニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジフェニルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、および分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。
【0017】
このような(A2)成分の粘度は限定されないが、好ましくは、25℃における粘度が100mPa・s以上、200mPa・s以上、または500mPa・s以上である。一方、(A2)成分の粘度の上限は限定されず、25℃における粘度が10,000mPa・sを超え、50,000mPa・s以上であり、または25℃において生ゴム状であるもの、あるいは、25℃における粘度が10,000mPa・s以下、5000mPa・s以下、または3000mPa・s以下のものであってもよい。これは、(A2)成分の粘度が上記の下限以上であると、十分な粘着力が得られるからである。なお、(A2)成分の25℃における粘度は、JIS K7117−1に準拠した回転粘度計によって測定することができる。また、(A2)成分が25℃において生ゴム状である場合、その可塑度は、JIS K 6249に規定される方法に準じて測定することができる。
【0018】
また、(A3)成分は、一分子中に少なくとも平均1個、好ましくは、少なくとも平均1.5個、または少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。これは、(A3)成分中のアルケニル基が上記下限以上であると、本感圧接着剤が十分に架橋するからである。(A3)成分の分子構造は直鎖状または一部分岐を有する直鎖状であり、分子鎖末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖されている。(A3)成分中のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ペンテニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等の炭素数2〜12のアルケニル基が例示され、好ましくは、ビニル基、ヘキセニル基である。このアルケニル基の結合位置は限定されず、分子鎖末端のケイ素原子および/または分子鎖中のケイ素原子に結合していてもよい。(A3)成分中のアルケニル基以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基、ヒドロキシ基である。
【0019】
このような(A3)成分としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジフェニルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、および分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。
【0020】
このような(A3)成分の粘度は限定されないが、好ましくは、25℃における粘度が100mPa・s以上、10,000mPa・s以下であり、150mPa・s以上、5000mPa・s以下であり、または200mPa・s以上、3000mPa・s以下である。これは、(A3)成分の粘度が上記範囲の下限以上であると、十分な粘着力が得られるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、感圧接着層の移行が起こりにくなるからである。なお、(A3)成分の25℃における粘度は、JIS K7117−1に準拠した回転粘度計によって測定することができる。
【0021】
(A2)成分と(A3)成分の含有量は限定されないが、好ましくは、(A2)成分の含有量が(A)成分の5〜99質量%、10〜95質量%、または、30〜90質量%である。これは、(A2)成分の含有量が上記範囲の下限以上、上記範囲の上限以下であると、移行が起こりにくいからである。
【0022】
(B)成分は、本感圧接着剤の架橋剤であり、一分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンである。このケイ素原子結合水素原子の結合位置は限定されず、分子鎖末端のケイ素原子および/または分子鎖中のケイ素原子に結合していてもよい。(B)成分中の水素原子以外のケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基;アセトキシ基;イソプロペノキシ基が例示され、好ましくは、メチル基、フェニル基である。このような(B)成分の分子構造は限定されず、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、樹脂状が例示され、好ましくは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状である。
【0023】
(B)成分としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、式:RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式;RHSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、式:RHSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、式:RHSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位または式:HSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノポリシロキサンレジン、およびこれらのオルガノポリシロキサンの2種以上の混合物が例示される。上式中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数7〜12のアラルキル基である。
【0024】
また、(B)成分の粘度は限定されないが、好ましくは、25℃における動粘度が3〜50,000mm/sの範囲内である。これは、(B)成分の動粘度が上記範囲の下限以上であると、(B)成分の揮発性が低くなり、得られる感圧接着剤の組成が安定するからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、感圧接着層の移行が抑制されるからである。なお、(B)成分の25℃における動粘度は、JIS Z8803に準拠したウベローデ型粘度計によって測定することができる。
【0025】
(B)成分の含有量は、(A)成分に含まれているアルケニル基の合計1モルに対して、本成分に含まれているケイ素原子結合水素原子が0.5モル以上、20モル以下となる量であり、好ましくは、0.7モル以上、10モル以下となる量、または1モル以上、8モル以下となる量である。これは、(B)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、十分な機械的特性を有する感圧接着層を形成できるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、感圧接着層の移行が抑制されるからである。
【0026】
(C)成分は、本感圧接着剤のヒドロシリル化反応を促進するためのヒドロシリル化反応用触媒であり、白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒が例示され、好ましくは、白金系触媒である。この白金系触媒として、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のカルボニル錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のオレフィン錯体が例示され、特に、(A)成分との相溶性が良好であることから、白金のアルケニルシロキサン錯体であることが好ましい。この白金のアルケニルシロキサン錯体において、アルケニルシロキサンとしては、例えば、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラビニルジメチルジシロキサンが挙げられる。
【0027】
(C)成分の含有量は、本感圧接着剤のヒドロシリル化反応を促進する量であり、具体的には、(A)成分に対する本成分中の触媒金属が質量単位で0.1〜1,000ppmの範囲内となる量、または、1〜500ppmの範囲内となる量であることが好ましい。これは、(C)成分の含有量が、上記範囲の下限以上であると、本感圧接着剤のヒドロシリル化反応が促進されるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる感圧接着層に着色等の問題を生じにくいからである。
【0028】
本感圧接着剤には、ヒドロシリル化反応の速度を調節するため、(D)ヒドロシリル化反応抑制剤を含有してもよい。この(D)成分としては、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等とエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のアルケニルシロキサン;その他、ベンゾトリアゾールが例示される。
【0029】
(D)成分の含有量は特に限定されないが、好ましくは、(A)成分100質量部に対して、5質量部以下、または、3質量部以下であり、一方、その下限は0.01質量部以上、または0.1質量部以上である。これは、(D)成分の含有量が上記範囲の下限以上であると、塗工液の使用可能時間を確保することができるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、通常の硬化温度で本接着剤を硬化できるからである。
【0030】
本感圧接着剤には、その塗工性を向上させるため(E)有機溶剤を含有してもよい。この有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘプタン、ヘキサン、オクタン、イソパラフィン等の脂肪族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤が例示される。
【0031】
(E)成分の含有量は限定されないが、好ましくは、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、10〜3,000質量部の範囲内、または30〜2,000質量部の範囲内である。これは、(E)成分の含有量が、上記範囲の下限以上であると、本感圧接着剤の塗工性を向上できるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる感圧接着層の膜厚をコントロールできるからである。
【0032】
本接着剤には、その粘着力を調整するため、(F)RSiO1/2単位(式中、Rはハロゲン置換もしくは非置換の一価炭化水素基である。)とSiO4/2単位から本質的に成り、SiO4/2単位に対するRSiO1/2単位のモル比が0.5以上、1.5以下であるオルガノポリシロキサンレジンを含有してもよい。
【0033】
(F)成分中、Rはハロゲン置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等の炭素数1〜12のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ペンテニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基等の炭素数2〜12のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素数6〜12のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等の炭素数6〜12のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示され、好ましくは、メチル基、ビニル基、フェニル基である。また、(F)成分はケイ素原子結合水酸基またはケイ素原子結合加水分解性基を有していてもよい。この加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜3のアルコキシ基;アセトキシ基;イソプロペノキシ基が例示される。
【0034】
(F)成分は、RSiO1/2単位とSiO4/2単位から本質的に成るが、他にRSiO2/2単位やRSiO3/2単位を有していてもよく、(F)成分中のRSiO1/2単位とSiO4/2単位の合計含有量が50質量%以上であることが好ましく、さらに80質量%以上であることが好ましく、特に、100質量%、すなわちこれらの2つの単位のみからなることが好ましい。
【0035】
(F)成分は、SiO4/2単位に対するRSiO1/2単位のモル比が、好ましくは、0.5〜1.5の範囲内、0.5〜1.0の範囲内、または0.6〜0.9の範囲内である。これは、このモル比が上記範囲の下限以上であると、得られる感圧接着層の粘着力が大きくなるからであり、一方、上記範囲の上限以下であると、得られる感圧接着層のタックが低下するからである。
【0036】
(F)成分の含有量は、好ましくは、(A)成分100質量部に対して、30質量部以下、または、10質量部以下である。これは、(F)成分の含有量が、上記範囲の上限以下であると、得られる感圧接着層の粘着力をコントロールできるからである。
【0037】
また、本感圧接着剤には、本発明の目的を損なわない限り、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン等の分子鎖両末端のみにケイ素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサン;トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の有機溶剤;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン;その他、酸化防止剤、顔料、安定剤を含有してもよい。
【0038】
次に、本発明の積層体を図1により詳細に説明する。
本発明の積層体は、支持体1と、その上の、前記のシリコーン系感圧接着剤をヒドロシリル化反応して形成された感圧接着層2とから少なくともなる。このような本発明の積層体は、例えば、粘着フィルムとして使用することができる。
【0039】
この支持体1としては、ガラス板、金属板、金属フォイル等の無機系支持体の他、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチレンアクリレート共重合体樹脂等のプラスチック板もしくはフィルムが例示され、その厚さは限定されないが、通常10〜3,000μmであることが好ましい。
【0040】
シリコーン系感圧接着層2との密着性を向上させるために、これらの支持体1の表面をプライマー処理、コロナ処理、エッチング処理、あるいはプラズマ処理してもよく、特に、プライマーとしてシリコーン粘着剤用プライマー組成物を用いることが好ましい。このようなシリコーン粘着剤用プライマー組成物としては、特開昭54−61242号公報、特開平3−28283号公報、あるいは特開2013−139509号公報で開示されるプライマー組成物を使用することができる。また、このようなシリコーン粘着剤用プライマー組成物は、例えば、ダウコーニング社製のDOW CORNING(R) 7499 PSA PRIMERとDOW CORNING(R) 7387 CROSSLINKERに白金系触媒を配合することにより調製することができる。
【0041】
なお、支持フィルム1にシリコーン系感圧接着剤を塗工する方法は限定されず、グラビアコート、オフセットコート、オフセットグラビア、ロールコート、リバースロールコート、エアナイフコート、カーテンコート、コンマコートが例示される。
【0042】
次に、シリコーン系感圧接着剤を室温もしくは加熱することによりヒドロシリル化反応させて、前記支持体上に感圧接着層を形成することができる。この加熱条件としては、60〜160℃で15秒〜5分とすることができる。
【0043】
本発明の積層体において、感圧接着層2の厚さは限定されないが、一般には、1〜1,000μmの範囲内、または5〜500μmの範囲内である。
【0044】
なお、本発明の積層体は、上記のように支持体上に本感圧接着剤を直接塗工して積層体を作製したものでもよく、また、剥離フィルムや剥離紙に本感圧接着剤を塗工し、ヒドロシリル化反応により感圧接着層を形成した後、これを上記の支持体に貼り合わせる転写法により作製したものであってもよい。
【実施例】
【0045】
本発明のシリコーン系感圧接着剤および積層体を実施例、比較例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度および可塑度は25℃において測定した値である。また、粘着力および感圧接着層の移行を次のようにして測定した。
【0046】
[粘度]
粘度(mPa・s)は、JIS K7117−1に準拠した回転粘度計を使用して測定した値であり、動粘度(mm/s)は、JIS Z8803に準拠したウベローデ型粘度計によって測定した値である。
【0047】
[可塑度]
可塑度は、JIS K 6249に規定される方法に準じて測定された値(25℃、4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの値)で示した。
【0048】
[粘着力]
感圧接着フィルムを25mm幅に切断して感圧接着テープを作成し、ガラスの被着体に2kgfのゴムローラを用いて圧着させた。その後、室温下、24時間静置した。これを低速(300mm/分)の引張試験機を用いて、180°引き剥がし法により粘着力(gf/25mm)を測定した。
【0049】
[感圧接着層の移行]
感圧接着層を有する保護フィルムを3cm×4cmの大きさで2枚切り取り、厚さ1mmのガラス板の両面に2kgfのゴムローラを用いて圧着させた。これを70℃、相対湿度95%のオーブンに24時間保管した後、オーブンから取り出し、室温で冷却した。その後、両面の保護フィルムをはがし、LEDランプを備えた懐中電灯をガラス板の裏側から、斜め45度に光が当たるように照らし、目視にて感圧接着層の移行を観察する。さらに、卓上蛍光灯にて、ガラス板の裏側から、斜め45度に光が当たるように照らし、目視にて感圧接着層の移行を観察する。その評価は次のとおりである。
◎:懐中電灯および卓上蛍光灯で、いずれも曇りや異物がなく、感圧接着層の移行は認められない。
○:懐中電灯では、わずかに曇りがあるが、卓上蛍光灯では曇りや異物がなく、感圧接着層の移行は認められない。
×:懐中電灯および卓上蛍光灯で、いずれも曇りがあり、感圧接着層の移行が認められる。
【0050】
[プライマー処理ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムの調製]
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム{東レ株式会社製のルミラー(登録商標)}(以下、PETフィルム)にダウコーニング社製のDOW CORNING(R) 7499 PSA PRIMER(固形分22.6質量%) 100質量部、ダウコーニング社製のDOW CORNING(R) 7387 CROSSLINKER 1.4質量部、トルエン 500質量部、および白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記の7499の固形分に対して質量単位で100ppmとなる量)を添加、攪拌した後、マイヤバー(No.3)で塗工し、120℃のオーブンにて30秒で硬化させた。
【0051】
[実施例1]
分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.08質量%)の30質量%トルエン溶液 333.3質量部(生ゴムとして100質量部)、動粘度が33mm/sであり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.08質量%) 1.1質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.0質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムに対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0052】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0053】
[実施例2]
分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム1(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.08質量%)の30質量%トルエン溶液 170.4質量部(生ゴムとして51.1質量部)、および分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、一分子中少なくとも平均3個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム2(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.22質量%)の30質量%トルエン溶液 162.9質量部(生ゴムとして48.9質量部)を混合して、分子鎖末端の50モル%がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム混合物の30質量%トルエン溶液 333.3質量部(生ゴムとして100質量部)を調製した。次に、これに、動粘度が12.5mm/sであり、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.43質量%) 5.1質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム混合物中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.0質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム混合物に対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0054】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0055】
[実施例3]
分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.08質量%)の30質量%トルエン溶液 333.3質量部(生ゴムとして100質量部)、動粘度が12.5mm/sであり、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.43質量%) 2.8質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.3質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムに対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0056】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0057】
[実施例4]
分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.08質量%)の30質量%トルエン溶液 266.7質量部(生ゴムとして80質量部)、粘度が385mPa・sであり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.44質量%) 20質量部、動粘度が12.5mm/sであり、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.43質量%) 5.3質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムおよび上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が合計4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.0質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムと上記ジメチルポリシロキサンとの合計に対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0058】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0059】
[実施例5]
分子鎖両末端がジメチルヒドロキシシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.08質量%)の30質量%トルエン溶液 266.7質量部(生ゴムとして80質量部)、粘度が385mPa・sであり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.44質量%) 20質量部、動粘度が33mm/sであり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.08質量%) 1.0質量部、動粘度が12.5mm/sであり、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体2(ケイ素原子結合水素原子の含有量=0.43質量%) 2.6質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムおよび上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対して、上記ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1および2中のケイ素原子結合水素原子の合計が4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.0質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムと上記ジメチルポリシロキサンとの合計に対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0060】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0061】
[比較例1]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.22質量%)の30質量%トルエン溶液 294.6質量部(生ゴムとして88.4質量部)、粘度が385mPa・sであり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.44質量%) 11.6質量部、動粘度が33mm/sであり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.08質量%) 3質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムと上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基の合計1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が3.8モルとなる量)、(CH)SiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、そのモル比[(CH)SiO1/2単位のモル数/SiO4/2単位のモル数]が0.8であるメチルポリシロキサンレジンの74質量%キシレン溶液 34.9質量部(レジンとして25.8質量部)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.4質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムと上記ジメチルポリシロキサンとの合計に対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0062】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0063】
[比較例2]
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖され、一分子中に少なくとも平均1個のビニル基を有するジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム(可塑度=160、ビニル基の含有量=0.22質量%)の30質量%トルエン溶液 333.3質量部(生ゴムとして100質量部)、動粘度が33mm/sであり、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.08質量%) 3質量部(上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が4.0モルとなる量)、2−メチル−3−ブチン−2−オール 1.0質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴムに対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0064】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0065】
[比較例3]
粘度が40,700mPa・sであり、分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(ビニル基の含有量=0.09質量%) 100質量部、動粘度が58.3mm/sであり、トリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子の含有量=1.01質量%) 1.6質量部(上記ジメチルポリシロキサン中のビニル基1モルに対して、本成分中のケイ素原子結合水素原子が5.0モルとなる量)、1−エチニル−1−シクロヘキサノール 0.2質量部を加えて混合し、さらに、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(この錯体中の白金金属が上記ジメチルポリシロキサンに対して質量単位で50ppmとなる量)を混合して、シリコーン系感圧接着剤のトルエン溶液を調製した。
【0066】
次に、この溶液をアプリケーターによりプライマー処理PETフィルム上に塗工し、140℃、2分で硬化させ、厚さ30μmの感圧接着層を有する粘着フィルムを作製した。この粘着フィルムの粘着力および移行試験の結果を表1に示した。
【0067】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のシリコーン系感圧接着剤は、移行が少ない感圧接着層を形成することができるので、携帯電話、携帯音楽プレイヤー、携帯型パソコン等の携帯可能な小型コンピュータの表示部を覆うためのカバーガラスやタッチパネルの製造プロセスで用いる保護フィルムを作製するために好適である。
【符号の説明】
【0069】
1 支持体
2 感圧接着層
図1