(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1方向および第2方向に延長する正面と、前記正面の反対側に位置する背面と、前記正面および前記背面を接続する底面と、前記底面の反対側に位置する上面と、を有する基材と、前記正面に配置される第1配線と、前記背面に配置される第2配線と、前記第1配線と前記第2配線を電気的に接続するビアホールと、前記第2配線の一部を被覆する絶縁膜と、を備える基板と、
前記第1配線と電気的に接続され、前記第1配線上に載置される少なくとも1つの発光素子と、
前記発光素子の側面及び前記基板の正面を被覆する光反射性の被覆部材と、を備える発光装置であって、
前記基材は、前記背面と前記底面とに開口する複数の窪みを有し、
前記基板は、複数の前記窪みの内壁を被覆し、前記第2配線と電気的に接続される第3配線を備え、
複数の前記窪みは、正面視において前記ビアホールと離間しており、
前記背面から前記正面方向における複数の前記窪みの深さのそれぞれは、前記上面側よりも前記底面側で深く、
前記被覆部材は、前記底面側および前記上面側にそれぞれ位置し、前記第1方向に沿った2つの側面を有し、
前記底面側に位置する前記側面、および、前記上面側に位置する前記側面は、前記背面から前記正面方向において内側に傾斜している発光装置。
前記基材は前記正面と前記背面の間に位置する側面を備え、複数の前記窪みの少なくとも1つは前記背面と前記底面と前記側面とに開口する端部窪みである請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
前記第2配線の一部は前記絶縁膜から露出しており、前記絶縁膜から露出する第2配線は、前記第2方向に平行な基材の中心線に対して左右対称に位置している、請求項1から12のいずれか1項に記載の発光装置。
前記複数の窪みのそれぞれの内壁は、前記第1方向に垂直な断面視において、前記背面から前記正面に向かって前記底面と平行に延びる平行部と、前記平行部の前記正面側の端から、前記底面の前記正面側に向かって伸びる傾斜部とを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する発
光装置は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り
、本発明を以下のものに限定しない。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説
明を明確にするため、誇張していることがある。
【0009】
<実施形態1>
本発明の実施形態に係る発光装置1000を
図1Aから
図6に基づいて説明する。発光
装置1000は、基板10と、少なくとも1つの発光素子20と、被覆部材40と、を備
える。基板10は、基材11と、第1配線12と、第2配線13と、第3配線14と、ビ
アホール15と、を備える。基材11は、長手方向である第1方向と短手方向である第2
方向に延長する正面111と、正面の反対側に位置する背面112と、正面111と隣接
し正面111と直交する底面113と、底面113の反対側に位置する上面114と、を
有する。基材11は、更に複数の窪み16を有する。第1配線12は、基材11の正面1
11に配置される。第2配線13は、基材11の背面112に配置される。ビアホール1
5は、第1配線12と第2配線13を電気的に接続する。発光素子20は、第1配線12
と電気的に接続され、第1配線12上に載置される。被覆部材40は、光反射性を有し、
発光素子20の側面202及び基板の正面111を被覆する。複数の窪み16は、正面視
においてビアホール15と離間し、且つ、背面112と底面113とに開口する。第3配
線14は、複数の窪み16の内壁を被覆し、第2配線13と電気的に接続される。背面1
12から正面111方向における複数の窪み16の深さのそれぞれは、上面側の窪みの深
さW2よりも底面側の窪みの深さW1が深い。尚、本明細書において直交とは、90±3
°を意味する。
【0010】
発光装置1000は、複数の窪み16内に形成した半田等の接合部材によって実装基板
に固定することができる。複数の窪み内に接合部材が位置することができるので、窪みが
1つの場合よりも発光装置1000と実装基板との接合強度を向上させることができる。
図2Aに示すように、背面から正面方向(Z方向)における複数の窪みの深さのそれぞれ
が上面側よりも底面側で深いことで、背面から正面方向(Z方向)において、窪みの上面
側に位置する基材の厚みW5を窪みの底面側に位置する基材の厚みW6よりも厚くするこ
とができる。これにより、基材の強度低下を抑制することができる。また、底面側の窪み
の深さW1が深いことで、窪み内に形成される接合部材の体積が増加するので、発光装置
1000と実装基板との接合強度を向上させることができる。発光装置1000が、基材
11の背面112と、実装基板と、を対向させて実装する上面発光型(トップビュータイ
プ)でも、基材11の底面113と、実装基板と、を対向させて実装する側面発光型(サ
イドビュータイプ)でも、接合部材の体積が増加することで、実装基板との接合強度を向
上させることができる。尚、本明細書において、背面から正面方向をZ方向とも言う。
【0011】
発光装置1000と実装基板の接合強度は、特に側面発光型の場合に向上させることが
できる。Z方向における窪みの深さが上面側よりも底面側で深いことで、底面における窪
みの開口部の面積を大きくすることができる。実装基板と対向する底面における窪みの開
口部の面積が大きくなることで、底面に位置する接合部材の面積も大きくすることができ
る。これにより、実装基板と対向する面に位置する接合部材の面積を大きくすることがで
きるので発光装置1000と実装基板の接合強度を向上させることができる。
【0012】
図2Aに示すように、Z方向における窪み16の深さW1は、Z方向における基材の厚
みW3よりも浅い。つまり、窪み16は基材を貫通していない。基材を貫通する孔を形成
すると基材の強度が低下する。このため、基材を貫通しない窪みを設けることで基材の強
度低下を抑制することができる。Z方向における複数の窪みの深さそれぞれの最大は、基
材の厚みの0.4倍から0.8倍であることで好ましい。窪みの深さが基材の厚みの0.
4倍よりも深いことで、窪み内に形成される接合部材の体積が増加するので発光装置と実
装基板の接合強度を向上させることができる。窪みの深さが基材の厚みの0.8倍よりも
浅いことで、基材の強度低下を抑制することができる。
【0013】
断面視において、窪み16は、背面112から底面113と平行方向(Z方向)に延び
る平行部161を備えていることが好ましい。平行部161を備えることで、背面におけ
る窪みの開口部の面積が同じでも窪みの体積を大きくすることができる。窪みの体積を大
きくすることで窪み内に形成できる半田等の接合部材の量を増やすことができるので、発
光装置1000と実装基板との接合強度を向上させることができる。尚、本明細書におい
て平行とは、±3°程度の傾斜を許容することを意味する。また、断面視において窪み1
6は、底面113から基材11の厚みが厚くなる方向に傾斜する傾斜部162を備える。
傾斜部162は直線でも、湾曲していてもよい。傾斜部162が直線であることで、先端
が尖ったドリルにより形成が容易になる。尚、傾斜部162における直線とは、3μm程
度の曲りやズレ等の変動は許容されることを意味する。
【0014】
図3Aに示すように、底面において、複数の窪み16のそれぞれで中央の深さW1が、
Z方向における窪みの深さの最大であることが好ましい。このようにすることで、底面に
おいて、X方向の窪みの端部で、Z方向における基材の厚みW8を厚くすることができる
ので基材の強度を向上させることができる。尚、本明細書で中央とは、5μm程度の変動
は許容されることを意味する。尚、実施形態1の変形例である
図3Bに示すように、底面
において、Z方向における窪み16の深さW7は略一定でもよい。換言すると、窪み16
の最深部が平坦な面でもよい。窪み16は、ドリルや、レーザー等の公知の方法で形成す
ることができる。底面において、中央の深さが最大である窪みは、先端が尖ったドリルに
より容易に形成することができる。また、ドリルを用いることで、最深部が略円錐形状で
あり、略円錐形状の底面の円形状から連続する略円柱形状を有する窪みを形成することが
できる。窪みの一部をダイシング等により切断することで、最深部が略半円柱形状であり
、略半円形状から連続する略半円柱形状を有する窪みを形成することができる。
【0015】
図4Aに示すように、背面において、複数の窪み16のそれぞれの形状が同一であるこ
とが好ましい。複数の窪みのそれぞれの形状が同一であることで、窪みの形状がそれぞれ
異なる場合よりも窪みの形成が容易になる。例えば、窪みをドリル工法により形成する場
合では、複数の窪みのそれぞれの形状が同一であれば、1つのドリルにより窪みを形成す
ることができる。尚、本明細書で同一とは、5μm程度の違いは許容されることを意味す
る。
【0016】
また、背面視における複数の窪みの開口部の面積は同じでもよいし、異なっていてもよ
い。例えば、
図4Bに示すように、背面視において基材の中央に位置する窪み16Cの開
口部の面積が、X+側に位置する窪み16L及びX−側に位置する窪み16Rのそれぞれ
の開口部の面積より大きくてもよい。尚、
図4B、
図4C等に示す背面視においては、発
光装置の中心からX軸上における右側をX+側とし、左側をX−側とする。基材の中央に
位置する窪み16Cの開口部の面積を大きくすることで、発光装置と実装基板との接合強
度を向上させることができる。また、X+側に位置する窪み16L及びX−側に位置する
窪み16Rの開口部の面積が小さいことで、第2配線13の面積を大きくしやすくなる。
第2配線13の面積が大きいことにより、発光装置の特性検査等でプローブ針を第2配線
に接触させる場合には検査が容易になる。また、
図4Cに示すように、背面視においてX
+側に位置する窪み16L及びX−側に位置する窪み16Rのそれぞれの開口部の面積が
基材の中央に位置する窪み16Cの開口部の面積よりも大きくてもよい。X+側に位置す
る窪み16L及びX−側に位置する窪み16Rのそれぞれの開口部の面積を大きくするこ
とで、発光装置と実装基板との接合強度を向上させることができる。また、背面視におい
てX+側に位置する窪み16L及びX−側に位置する窪み16Rの開口部の面積は略同一
のであることが好ましい。このようにすることで、X+側に位置する窪み16L内に形成
した接合部材と、X−側に位置する窪み16R内に形成した接合部材との偏りを抑制しや
すくなる。これにより、実装基板に発光装置が傾いて実装されることを抑制しやすくなる
。
【0017】
図3A、
図3Bに示すように、Z方向における複数の窪みの深さW1、W7は、同じで
もよいし、
図4Dに示すように、Z方向における複数の窪みの深さが異なっていてもよい
。例えば、
図4Dに示すように、底面視において基材の中央に位置する窪み16CのZ方
向における深さW1Cが、X+側に位置する窪み16LのZ方向における深さW1L及び
X−側に位置する窪み16RのZ方向における深さW1Rよりも深くてもよい。尚、
図4
D、4E、
図4Fに示す底面視においては、発光装置の中心からX軸上における左側がX
+側となり、右側がX−側となる。基材の中央に位置する窪み16Cの深さW1Cが深い
ことで、発光装置と実装基板との接合強度を向上させることができる。底面視においてX
+側に位置する窪み16LのZ方向における深さW1L及びX−側に位置する窪み16R
のZ方向における深さW1Rが、基材の中央に位置する窪み16Cの窪みW1Cよりも深
くてもよい。また、X+側に位置する窪み16LのZ方向における深さW1Lと、X−側
に位置する窪み16RのZ方向における深さW1Rは、略同一であることが好ましい。こ
のようにすることで、X+側に位置する窪み内に形成した接合部材と、X−側に位置する
窪み内に形成した接合部材との偏りが抑制しやすくなるので、実装基板に発光装置が傾い
て実装されることを抑制しやすくなる。
【0018】
図4Dに示すように、底面視において基材の中央に位置する窪み16CのX方向におけ
る幅D1C、X+側に位置する窪み16LのX方向における幅D1L及びX−側に位置す
る窪み16RのX方向における幅D1Rは略同一でもよいし、
図4E、
図4Fに示すよう
に、底面視において基材の中央に位置する窪み16CのX方向における幅D1C、X+側
に位置する窪み16LのX方向における幅D1L及び/又はX−側に位置する窪み16R
のX方向における幅D1Rは異なっていてよい。底面視において基材の中央に位置する窪
み16CのX方向における幅D1C、X+側に位置する窪み16LのX方向における幅D
1L及び/又はX−側に位置する窪み16RのX方向における幅D1Rが異なっている場
合でも、Z方向における複数の窪みの深さは、同じでもよいし、異なっていてもよい。ま
た、底面視においてX+側に位置する窪み16LのX方向における幅D1L及びX−側に
位置する窪み16RのX方向における幅D1Rは略同一のであることが好ましい。このよ
うにすることで、X+側に位置する窪み16L内に形成した接合部材と、X−側に位置す
る窪み16R内に形成した接合部材との偏りを抑制しやすくなる。これにより、実装基板
に発光装置が傾いて実装されることを抑制しやすくなる。
【0019】
背面において、複数の窪み16が第2方向(Y方向)に平行な基材の中心線に対して左
右対称に位置することが好ましい。このようにすることで、発光装置を実装基板に接合部
材を介して実装される際にセルフアライメントが効果的に働き、発光装置を実装範囲内に
精度よく実装することができる。
【0020】
背面において、複数の窪みのそれぞれの開口形状が略半円形状であることが好ましい。
開口形状が円形状である窪みはドリル加工により形成することができ、円形状の窪みの一
部をダイシング等により切断することで、背面において略半円形状の窪みを容易に形成す
ることができる。また、背面において、窪みの開口形状が角部のない略半円形状であるこ
とで窪みに係る応力が集中することを抑制できるので、基材が割れることを抑制すること
ができる。
【0021】
図1A、
図2A、
図2Bに示すように、発光装置1000は、透光性部材30を備えて
いてもよい。透光性部材30は、発光素子20上に位置することが好ましい。発光素子上
に透光性部材が位置することで、発光素子20を外部応力から保護することができる。被
覆部材40は、透光性部材30の側面を被覆することが好ましい。このようにすることで
、発光装置からの光を点光源に近づけることができる。発光装置を点光源に近づけること
により例えば、レンズ等の光学系による配光の調整が容易になる。
【0022】
発光素子20は、基板10と対向する載置面と、載置面の反対側に位置する光取り出し
面201を備える。
図2Aに示すように、発光素子をフリップチップ実装する場合は、発
光素子の正負電極が位置する面と、反対側の面を光取り出し面とする。透光性部材30は
導光部材50を介して、発光素子20に接合されてもよい。導光部材50は発光素子の光
取り出し面201と、透光性部材30の間のみに位置して発光素子20と被覆部材40を
接着してもよいし、発光素子の光取り出し面201から発光素子の側面202まで被覆し
て発光素子20と被覆部材40を接着してもよい。導光部材50は、被覆部材40よりも
発光素子20からの光の透過率が高い。このため、導光部材50が発光素子の側面202
まで被覆することで、発光素子20の側面から出射される光が導光部材50を通して発光
装置の外側に取り出しやすくなるので光取り出し効率を高めることができる。
【0023】
発光素子20が複数ある場合は、一方の発光素子と他方の発光素子のピーク波長が同じ
でも異なっていてもよい。一方の発光素子と他方の発光素子のピーク波長が異なる場合は
、発光のピーク波長が430nm以上490nm未満の範囲(青色領域の波長範囲)にあ
る発光素子と、発光のピーク波長が490nm以上570nm以下の範囲(緑色領域の波
長範囲)にある発光素子と、であることが好ましい。このようにすることで発光装置の演
色性を向上させることができる。
【0024】
図2A、
図2Bに示すように、透光性部材30は波長変換物質32を含有させてもよい
。波長変換物質32は、発光素子20が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次
光とは異なる波長の二次光を発する部材である。透光性部材30に波長変換物質32を含
有させることにより、発光素子20が発する一次光と、波長変換物質32が発する二次光
とが混色された混色光を出力することができる。例えば、発光素子20に青色LEDを、
波長変換物質32にYAG等の蛍光体を用いれば、青色LEDの青色光と、この青色光で
励起されて蛍光体が発する黄色光とを混合させて得られる白色光を出力する発光装置を構
成することができる。
【0025】
波長変換物質は透光性部材中に均一に分散させてもよいし、透光性部材30の上面より
も発光素子の近傍に波長変換物質を偏在させてもよい。このようにすることで、水分に弱
い波長変換物質32を使用しても透光性部材30の母材31が保護層としても機能を果た
すので波長変換物質32の劣化を抑制できる。また、
図2A、
図2Bに示すように、透光
性部材30が波長変換物質32を含有する層と、波長変換物質を実質的に含有しない層3
3と、を備えていてもよい。透光性部材30が波長変換物質32を含有する層上に、波長
変換物質を実質的に含有しない層33が位置することで、波長変換物質を実質的に含有し
ない層33が保護層としても機能を果たすので波長変換物質32の劣化を抑制できる。水
分に弱い波長変換物質32としては、例えばマンガン賦活フッ化物蛍光体が挙げられる。
マンガン賦活フッ化物系蛍光体は、スペクトル線幅の比較的狭い発光が得られ色再現性の
観点において好ましい部材である。
【0026】
図2Bに示すように、ビアホール15は基材11の正面111と背面112とを貫通す
る孔内に設けられる。ビアホール15は基材の貫通孔の表面を被覆する第4配線151と
第4配線151内に充填された充填部材152とを備える。充填部材152は、導電性で
も絶縁性でもよい。充填部材152には、樹脂材料を使用することが好ましい。一般的に
硬化前の樹脂材料は、硬化前の金属材料よりも流動性が高いので第4配線151内に充填
しやすい。このため、充填部材に樹脂材料を使用することで基板の製造が容易になる。充
填しやすい樹脂材料としては、例えばエポキシ樹脂が挙げられる。充填部材として樹脂材
料を用いる場合は、線膨張係数を下げるために添加部材を含有することが好ましい。この
ようにすることが、第4配線との線膨張係数の差が小さくなるので、発光素子からの熱に
よって第4配線と充填部材との間に隙間ができることを抑制できる。添加部材としては、
例えば酸化ケイ素が挙げられる。また、充填部材152に金属材料を使用した場合には、
放熱性を向上させることができる。
【0027】
図4Aに示すように、背面におけるビアホール15の面積は、背面における窪み16の
開口部の面積よりも小さい。このため、ビアホール15は基材11を貫通しているが、背
面における窪み16の開口部の面積よりも小さいので基材11の強度が低下することを抑
制することができる。
【0028】
図4Aに示すように、背面視においてビアホール15と隣り合うビアホールとの間に窪
み16が位置することが好ましい。換言すると、背面視においてビアホール15と隣り合
うビアホールと結ぶ直線上に窪み16が位置することが好ましい。このようにすることで
、発光素子からの熱がビアホール15から窪み16内に位置する第3配線14に効率的に
伝わることができる。第3配線14に伝わった熱は、接合部材を介して実装基板に伝わる
ので発光装置の放熱性が向上する。
【0029】
また、
図4Aに示すように、背面視において窪み16と隣り合う窪みとの間にビアホー
ル15が位置することが好ましい。換言すると、背面視において窪み16と隣り合う窪み
を結ぶ直線上にビアホール15が位置することが好ましい。このようにすることで、発光
素子からの熱がビアホール15から窪み内に位置する第3配線14に効率的に伝わること
ができる。これにより、発光装置の放熱性が向上する。
【0030】
図2Bに示すように、発光素子20は少なくとも半導体積層体23を含み、半導体積層
体23には正負電極21、22が設けられている。正負電極21、22は発光素子20の
同じ側の面に形成されており、発光素子20が基板10にフリップチップ実装されている
ことが好ましい。これにより、発光素子の正負電極に電気を供給するワイヤが不要になる
ので発光装置を小型化することができる。なお、本実施形態では発光素子20は素子基板
24を有するが、素子基板24は除去されていてもよい。発光素子20が基板10にフリ
ップチップ実装されている場合は、発光素子の正負電極21、22が導電性接着部材60
を介して第1配線12に接続されている。
【0031】
図2Bに示すように、発光装置1000が発光素子20を複数備えている場合は、複数
の発光素子は第1方向(X方向)に並んで設けられることが好ましい。このようにするこ
とで、発光装置1000の第2方向(Y方向)の幅を短くすることができるので発光装置
を薄型化することができる。尚、発光素子の数は、3つ以上でも、1つでもよい。
【0032】
図3C、
図4Aに示すように、基板10は、基材11と、第1配線12と、第2配線1
3と、を備えている。基材11は、長手方向である第1方向と短手方向である第2方向に
延長する正面111と、正面の反対側に位置する背面112と、正面111と隣接し正面
111と直交する底面113と、底面113の反対側に位置する上面114と、を有して
いる。
【0033】
図4Aに示すように、発光装置1000は、第2配線13の一部を被覆する絶縁膜18
を備えてもよい。絶縁膜18を備えることで、背面における絶縁性の確保及び短絡の防止
を図ることができる。また、基材から第2配線が剥がれることを防止することができる。
【0034】
図5Aに示すように、底面113側に位置する被覆部材40の長手方向の側面403は
、Z方向において発光装置1000の内側に傾斜していることが好ましい。このようにす
ることで、発光装置1000を実装基板に実装する時に、被覆部材40の側面403と実
装基板との接触が抑えられ、発光装置1000の実装姿勢が安定しやすい。また、被覆部
材40が熱膨張した際、実装基板との接触による応力を抑えることもできる。上面114
側に位置する被覆部材40の長手方向の側面404は、Z方向において発光装置1000
の内側に傾斜していることが好ましい。このようにすることで、被覆部材40の側面と吸
着ノズル(コレット)との接触が抑えられ、発光装置1000の吸着時の被覆部材40の
損傷を抑制することができる。また、発光装置1000が照明ユニットなどに組み込まれ
た際、被覆部材40の側面404よりも基材11の上面114が優先的に周辺部材と接触
することで、被覆部材40に係る応力を抑制することができる。このように、底面113
側に位置する被覆部材40の長手方向の側面403及び上面114側に位置する被覆部材
40の長手方向の側面404は、背面から正面方向(Z方向)において発光装置1000
の内側に傾斜していることが好ましい。被覆部材40の傾斜角度θは、適宜選択できるが
、このような効果の奏しやすさ及び被覆部材40の強度の観点から、0.3°以上3°以
下であることが好ましく、0.5°以上2°以下であることがより好ましく、0.7°以
上1.5°以下であることがよりいっそう好ましい。
【0035】
図5A、
図5Bに示すように、発光装置1000の右側面と左側面は略同一の形状をし
ていることが好ましい。このようにすることで発光装置1000を小型化することができ
る。
【0036】
図6に示すように、被覆部材40の短手方向の側面405と基板10の短手方向の側面
105とが実質的に同一平面上にあることが好ましい。このようにすることで、長手方向
(X方向)の幅を短くすることができるので発光装置を小型化することができる。
【0037】
<実施形態2>
図7〜
図9Bに示す本発明の実施形態2に係る発光装置2000は、実施形態1に係る
発光装置1000と比較して、基板上に載置された発光素子の数、基材が備える窪み及び
ビアホールの数が相違する。窪み16の形状は実施形態1と同様である。
【0038】
図8Aに示すように、発光装置2000は、実施形態1と同様に、背面から正面方向に
おける窪みの深さが上面側よりも底面側で深いことで、窪みの上面側に位置する基材の厚
みを窪みの底面側に位置する基材の厚みよりも厚くすることができる。これにより、基材
の強度低下を抑制することができる。また、底面側の窪みが深いことで、窪み内に形成さ
れる接合部材の体積が増加するので、発光装置2000と実装基板との接合強度を向上さ
せることができる。
【0039】
図8Bに示すように、発光素子の数は1つでもよい。発光素子が1つであることで、発
光素子が複数ある場合よりも第1方向(X方向)の幅を短くすることができるので発光装
置を小型化できる。発光装置の第1方向(X方向)の幅が短くなることにより、窪みの数
も適宜変更してもよい。例えば、
図9Aに示すように、窪み16の数を2つにしてもよい
。尚、窪み16は1つでも、3つ以上でもよい。
【0040】
図9Bに示すように、背面視において窪み16と隣り合う窪みとの間に複数のビアホー
ル15が位置することが好ましい。換言すると、背面視において窪み16と隣り合う窪み
を結ぶ直線上に複数のビアホール15が位置することが好ましい。このようにすることで
、発光素子からの熱がビアホール15から窪み内に位置する第3配線14に効率的に伝わ
ることができる。これにより、発光装置の放熱性が向上する。
【0041】
<実施形態3>
図10〜
図14に示す本発明の実施形態3に係る発光装置3000は、実施形態1に係
る発光装置1000と比較して、形状の異なる窪み16を備える点で相違する。
【0042】
発光装置3000は発光装置1000と同様に、基板10と、少なくとも1つの発光素
子20と、被覆部材40と、を備える。基板10は、基材11と、第1配線12と、第2
配線13と、第3配線14と、ビアホール15と、を備える。基材11は、長手方向であ
る第1方向と短手方向である第2方向に延長する正面111と、正面の反対側に位置する
背面112と、正面111と隣接し正面111と直交する底面113と、底面113の反
対側に位置する上面114と、正面111と背面112の間に位置する側面115を備え
る。基材11は、更に複数の窪み16を有する。複数の窪み16は、背面112と底面1
13とに開口した中央窪み161と、背面112と底面113と側面115とに開口した
端部窪み162とを備える。第3配線14は、窪み16の内壁を被覆し、第2配線13と
電気的に接続される。
【0043】
図14に示すように、発光装置3000は、背面から正面方向における中央窪み161
及び/又は端部窪み162の深さが上面側よりも底面側で深いことで、中央窪み161及
び/又は端部窪み162の上面側に位置する基材の厚みを中央窪み161及び/又は端部
窪み162の底面側に位置する基材の厚みよりも厚くすることができる。これにより、基
材の強度低下を抑制することができる。また、底面側の中央窪み161及び/又は端部窪
み162が深いことで、中央窪み161及び/又は端部窪み162内に形成される接合部
材の体積が増加するので、発光装置3000と実装基板との接合強度を向上させることが
できる。尚、中央窪み161及び/又は端部窪み162は少なくとも1つあればよい。
【0044】
端部窪み162は、
図11〜
図14に示すように、基材の側面115にも開口している
。これにより、基材の側面115側にも接合部材が位置するので、更に発光装置3000
と実装基板との接合強度を向上させることができる。発光装置3000が基材11の底面
113と、実装基板と、を対向させて実装する側面発光型の場合には、特に端部窪み16
2を備えていることが好ましい。端部窪み162を備えていることで、基材の側面115
を固定することができるので、発光装置3000が実装基板上で傾斜したり、基材の背面
が実装基板と対向して立ち上がったりするマンハッタン現象の発生を抑制することができ
る。端部窪み162は少なくとも1つあればよいが、複数あることが好ましい。端部窪み
162が複数あることで、更に発光装置3000と実装基板との接合強度を向上させるこ
とができる。端部窪み162が複数ある場合には、背面視において端部窪みが基材の両端
に位置していることが好ましい。このようにすることで、更にマンハッタン現象の発生を
抑制することができる。
【0045】
背面視において、中央窪み161の形状が円形状の半分の略半円形状であり、端部窪み
162の形状が円形状の略4分の1の形状である場合には、中央窪み161と端部窪み1
62の円形状の直径は異なっていても、略同一でもよい。中央窪み161と端部窪み16
2の円形状の直径が略同一であれば、1つのドリルにより中央窪み161及び端部窪み1
62を形成することができるので好ましい。また、断面視において中央窪み161及び端
部窪み162が底面113から基材11の厚みが厚くなる方向に傾斜する傾斜部を備えて
いる場合には、中央窪み161の傾斜部と端部窪み162の傾斜部の角度は異なっていて
も、略同一でもよい。中央窪み161の傾斜部と端部窪み162の傾斜部の角度が略同一
であれば、1つのドリルにより中央窪み161及び端部窪み162を形成することができ
るので好ましい。
【0046】
図15、
図16に示すように、1つの透光性部材30が、複数の発光素子上に位置して
いてもよい。このようにすることで、正面視における透光性部材の面積を大きくすること
ができるので発光装置の光取り出し効率が向上する。また、発光装置の発光面が1つにな
ることで発光装置の輝度ムラを低減することができる。
【0047】
1つの透光性部材30が、複数の発光素子上に位置している場合には、各発光素子20
と透光性部材30とを接合する導光部材50は、繋がっていても、それぞれ離間していて
もよい。
図16に示すように、一方の発光素子と他方の発光素子の間を繋ぐように導光部
材が位置することが好ましい。このようにすることで、一方の発光素子と他方の発光素子
の間からも導光部材を介して発光素子の光を透光部材に導光することができるので、発光
装置の輝度ムラを低減することができる。また、一方の発光素子と他方の発光素子の間に
位置する被覆部材の部分が減少するので、被覆部材が発光素子からの光で劣化を抑制する
ことができる。尚、導光部材としては被覆部材よりも発光素子からの光によって劣化しに
くい材料を用いることが好ましい。
【0048】
<実施形態4>
図17〜
図21に示す本発明の実施形態4に係る発光装置4000は、実施形態2に係
る発光装置2000と比較して、形状の異なる窪み16を備える点で相違する。
【0049】
図21に示すように、発光装置4000は、端部窪み162を備えている。背面から正
面方向における端部窪みの深さが上面側よりも底面側で深いことで、端部窪みの上面側に
位置する基材の厚みを窪みの底面側に位置する基材の厚みよりも厚くすることができる。
これにより、基材の強度低下を抑制することができる。また、底面側の端部窪みが深いこ
とで、端部窪み内に形成される接合部材の体積が増加するので、発光装置4000と実装
基板との接合強度を向上させることができる。
【0050】
端部窪み162は、
図18〜
図21に示すように、基材の側面115にも開口している
。これにより、基材の側面115側にも接合部材が位置するので、更に発光装置4000
と実装基板との接合強度を向上させることができる。
【0051】
<実施形態5>
図22に示す本発明の実施形態5に係る発光装置5000は、実施形態4に係る発光装
置4000と比較して、中央窪み161を備える点で相違する。
【0052】
発光装置5000は、中央窪み161及び端部窪み162を備えていることで接合部材
により固定できる箇所が増えるので発光装置と実装基板の接合強度を向上させることがで
きる。尚、背面から正面方向における中央窪み161及び/又は端部窪み162の深さが
上面側よりも底面側で深い。これにより、発光装置5000と実装基板との接合強度を向
上させることができる。
【0053】
<実施形態6>
図23に示す本発明の実施形態6に係る発光装置6000は、実施形態1に係る発光装
置1000と比較して、第2配線及び絶縁膜の形状と、発光装置の中央に窪み(中央窪み
)を備えていない点で相違する。
【0054】
発光装置6000の第2配線13は、背面視において2つの端部窪みの間に位置し、絶
縁膜18から露出する露出部131を備えている。露出部131は、底面113側を除い
て絶縁膜18に囲まれている。露出部131に接合部材を配置することで発光装置と実装
基板の接合強度を向上させることができる。背面視における露出部131の形状は四角形
状でも半球形状でも任意の形状でよい。背面視における露出部131の形状は絶縁膜の形
状を変更することにより容易に変更することができる。背面視における露出部131の形
状は、底面側に幅狭部132を備え、第2方向(Y方向)に延長した位置に幅広部133
を備えることが好ましい。幅狭となる部位を配置することにより、発光装置を実装する場
合に、接合部材に含まれるフラックスなどが、露出部131の表面に沿って、発光素子下
にまで浸入することを抑制することができる。また、絶縁膜18から露出した第2配線1
3の形状は第2方向(Y方向)に平行な基材の中心線に対して左右対称に位置することが
好ましい。このようにすることで、発光装置を実装基板に接合部材を介して実装される際
にセルフアライメントが効果的に働き、発光装置を実装範囲内に精度よく実装することが
できる。
【0055】
<実施形態7>
図24に示す本発明の実施形態7に係る発光装置7000は、実施形態4に係る発光装
置4000と比較して、第2配線及び絶縁膜の形状が相違する。
【0056】
発光装置7000の第2配線13は、発光装置6000と同様に背面視において2つの
端部窪みの間に位置し、絶縁膜18から露出する露出部131を備えている。露出部13
1は、底面113側を除いて絶縁膜18に囲まれている。露出部131に接合部材を配置
することで発光装置7000と実装基板の接合強度を向上させることができる。
【0057】
発光装置を実装する実装基板のランドパターンの形状は、特に限定されるものではなく
、略四角形状でも略円形状でもよい。例えば、
図25Aに示すように、実施形態1に係る
発光装置を実装する実装基板のランドパターンは、X方向において幅の広い幅広部W10
と幅の狭い幅狭部W9とを備えていてもよい。底面視において、窪みと重なる位置に幅狭
部W9が位置することで、発光装置を実装基板に実装する時のセルフアライメント性を高
めることができる。また、ランドパターンが幅広部W10を備えることで、底面視におけ
るランドパターンの面積を大きくすることができる。これにより、接合部材の厚みのバラ
つきを抑制することができる。また、実施形態1に係る発光装置のように、窪みの中央の
深さが、Z方向における窪みの深さの最大である発光装置を実装する実装基板のランドパ
ターンは、
図25Bに示すように、ランドパターンの中央におけるZ方向の長さW12が
、ランドパターンの端部におけるZ方向の長さW11よりも長いことが好ましい。このよ
うにすることで、発光装置を実装基板に実装する時のセルフアライメント性を高めること
ができる。また、
図25Cに示すように、ランドパターンは、幅広部W10と幅狭部W9
とを備え、且つ、ランドパターンの幅狭部において中央のZ方向における長さW14が、
ランドパターンの幅狭部の端部のZ方向における長さW13よりも長くしてもよい。この
ようにすることで、実施形態1に係る発光装置を実装基板に実装する時のセルフアライメ
ント性を高めることと、接合部材の厚みのバラつきを抑制することができる。
【0058】
また、実施形態4に係る発光装置のように発光装置の中心から離れるほどZ方向におけ
る窪みの深さが深くなる発光装置を実装する実装基板のランドパターンは、
図26Aに示
すように、発光装置の中心から遠い側のランドパターンのZ方向における長さW15が、
発光装置の中心から近い側のランドパターンのZ方向における長さW16よりも長いこと
が好ましい。このようにすることで、発光装置を実装基板に実装する時のセルフアライメ
ント性を高めることができる。また、
図26Bに示すように、ランドパターンは、X方向
において幅の広い幅広部W10と幅の狭い幅狭部W9とを備え、且つ、発光装置の中心か
ら遠い側のランドパターンの幅狭部の端部のZ方向の長さW17が、発光装置の中心から
近い側のランドパターンの幅狭部の端部のZ方向の長さW18よりも長いことが好ましい
。底面視において、端部窪みと重なる位置に幅狭部が位置することで、発光装置を実装基
板に実装する時のセルフアライメント性を高めることができる。また、ランドパターンが
幅広部を備えることで、底面視におけるランドパターンの面積を大きくすることができる
。これにより、接合部材の厚みのバラつきを抑制することができる。また、発光装置の中
心から遠い側のランドパターンの幅狭部の端部のZ方向の長さW17が、発光装置の中心
から近い側のランドパターンの幅狭部の端部のZ方向の長さW18よりも長いことで、発
光装置を実装基板に実装する時のセルフアライメント性を高めることができる。
【0059】
<実施形態8>
図27〜
図30に示す本発明の実施形態8に係る発光装置8000は、実施形態1に係
る発光装置1000と比較して、基板上に載置された発光素子の数、基材が備える窪み及
びビアホールの数、透光性部材の形状が相違する。窪み16の形状は実施形態1と同様で
ある。
【0060】
図28Aに示すように、発光装置8000は、実施形態1と同様に、背面から正面方向
における窪みの深さが上面側よりも底面側で深いことで、窪みの上面側に位置する基材の
厚みを窪みの底面側に位置する基材の厚みよりも厚くすることができる。これにより、基
材の強度低下を抑制することができる。また、底面側の窪みが深いことで、窪み内に形成
される接合部材の体積が増加するので、発光装置8000と実装基板との接合強度を向上
させることができる。
【0061】
図28Bに示すように、発光素子の数は3つでもよい。3つの発光素子のピーク波長は
同じでもよく、3つの発光素子のピーク波長がそれぞれ異なっていてもよく、2つの発光
素子のピーク波長が同じで1つの発光素子のピーク波長が2つの発光素子のピーク波長と
異なっていてもよい。尚、本明細書において発光素子のピーク波長が同じとは、5nm程
度の変動は許容することを意味する。発光素子のピーク波長が異なる場合には、
図28B
に示すように、発光のピーク波長が430nm以上490nm未満の範囲(青色領域の波
長範囲)にある第1発光素子20Bと、発光のピーク波長が490nm以上570nm以
下の範囲(緑色領域の波長範囲)にある第2発光素子20Gと、を備えていることが好ま
しい。特に、第2発光素子20Gは、半値幅が40nm以下の発光素子を用いることが好
ましく、半値幅が30nm以下である発光素子を用いることがより好ましい。これにより
、緑色蛍光体を用いて緑色光を得る場合と比べ、緑色光が容易に鋭いピークを持つことが
できる。この結果、発光装置8000を備えた液晶表示装置は、高い色再現性を達成する
ことができる。
【0062】
第1発光素子20Bと第2発光素子20Gの配置は特に限定されないが、
図28Bに示
すように、左から順に青色発光素子である第1発光素子20Bと、緑色発光素子である第
2発光素子20Gと、青色発光素子である第1発光素子20Bと、が並んで配置されてい
ることが好ましい。第1発光素子20Bと第2発光素子20Gが交互に並んで配置される
ことで発光装置の混色性を向上させることができる。尚、左から順に第2発光素子と、第
1発光素子と、第2発光素子と、が並んで配置されてもよい。また、得ようとする発光特
性に応じて、第1発光素子20Bの個数の方が第2発光素子20Gの個数よりも多くても
よく、第2発光素子20Gの個数の方が第1発光素子20Bの個数よりも多くてもよく、
また第1発光素子20Bと第2発光素子20Gの個数が同じであってよい。発光素子の個
数を調整することで、任意の色調や光量を有する発光装置とすることができる。
【0063】
図28Bに示すように、1つの透光性部材30が第1発光素子20Bと第2発光素子2
0G上に位置する場合には、波長変換物質32は、第2発光素子20Gの緑色光を吸収し
て赤色光を発光することがほとんどないことが好ましい。すなわち、波長変換物質32は
緑色光を赤色光に実質的に変換しないことが好ましい。そして、波長変換物質32の緑色
光に対する反射率は、緑色光の波長の範囲で平均して70%以上であることが好ましい。
波長変換物質32を緑色光に対する反射率が高い、すなわち、緑色光を吸収することが少
ない蛍光体、すなわち緑色光を波長変換することが少ない蛍光体とすることにより、発光
装置の設計を容易にすることができる。
緑色光の吸収が大きい赤色蛍光体を使うと、第1発光素子20Bだけでなく、第2発光
素子20Gについても波長変換物質32による波長変換を考慮して発光装置の出力バラン
スを検討しなければない。一方、緑色光をほとんど波長変換しない波長変換物質32を用
いると、第1発光素子20Bの発光する青色の波長変換のみを考慮するだけで発光装置の
出力バランスを設計することができる。
【0064】
このような好ましい波長変換物質32として以下の赤色蛍光体を挙げることができる。
波長変換物質32はこれらの少なくとも1つ以上である。
第1の種類は、その組成が以下の一般式(I)で示される赤色蛍光体である。
A
2MF
6:Mn
4+ (I)
ただし、上記一般式(I)中、Aは、K、Li、Na、Rb、Cs及びNH
4+からな
る群から選ばれる少なくとも1種であり、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群
から選ばれる少なくとも1種の元素である。
【0065】
第4族元素はチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)及びハフニウム(Hf)である。
第14族元素は、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)及び鉛(Pb)
である。
第1の種類の赤色蛍光体の具体例として、K
2SiF
6:Mn
4+、K
2(Si,Ge
)F
6:Mn
4+、K
2TiF
6:Mn
4+を挙げることができる。
【0066】
第2の種類は、その組成が3.5MgO・0.5MgF
2・GeO
2:Mn
4+で表さ
れる赤色蛍光体または、その組成が以下の一般式(II)で示される赤色蛍光体である。
(x−a)MgO・a(Ma)O・b/2(Mb)
2O
3・yMgF
2・c(Mc)X
2・(1−d−e)GeO
2・d(Md)O
2・e(Me)
2O
3:Mn
4+ (I
I)
ただし、上記一般式(II)中、Maは、Ca,Sr,Ba,Znから選択された少な
くとも1種であり、Mbは、Sc,La,Luから選択された少なくとも1種であり、M
cは、Ca,Sr,Ba,Znから選択された少なくとも1種であり、Xは、F,Clか
ら選択された少なくとも1種であり、Mdは、Ti,Sn,Zrから選択された少なくと
も1種であり、Meは、B,Al,Ga,Inから選択された少なくとも1種である。ま
た、x、y、a、b、c、d、eについて、2≦x≦4、0<y≦2、0≦a≦1.5、
0≦b<1、0≦c≦2、0≦d≦0.5、0≦e<1である。
【0067】
発光装置8000は、発光素子が3つであることで、発光素子が1つである場合よりも
第1方向(X方向)の幅が長くなりやすい。このため、窪み及びビアホールの数を適宜変
更してもよい。例えば、
図30に示すように、窪み16及びビアホールの数を4つにして
もよい。
【0068】
図31に示すように、第1発光素子と、第2発光素子の上にそれぞれ1つの透光性部材
30が位置していてもよく、
図28Bに示すように、1つの透光性部材30が、複数の発
光素子上に位置していてもよい。
図31のように第1発光素子と、第2発光素子の上にそ
れぞれ1つの透光性部材30が位置している場合には、第1発光素子20B上に位置する
透光性部材30と、第2発光素子20G上に位置する透光性部材30に含有する波長変換
物質32の材料は同じでもよく、異なっていてもよい。例えば、波長変換物質32が、第
2発光素子20Gの緑色光を吸収して赤色光を発光することがほとんどない場合は、第1
発光素子20B上に位置する透光性部材30には赤色蛍光体である波長変換物質32を含
有し、第2発光素子20G上に位置する透光性部材30には赤色蛍光体である波長変換物
質32を含有しなくてもよい。このようにすることで、第1発光素子20Bの発光する青
色の波長変換のみを考慮するだけで発光装置の出力バランスを設計することができる。第
1発光素子と、第2発光素子の上にそれぞれ1つの透光性部材30が位置する場合には、
第1発光素子20B上に位置する透光性部材30と、第2発光素子20G上に位置する透
光性部材30との間には被覆部材が形成されている。
図28Bに示すように、1つの透光
性部材30が、複数の発光素子上に位置している場合は、正面視における透光性部材30
の面積を大きくすることができるので発光装置の光取り出し効率が向上する。また、発光
装置の発光面が1つになることで発光装置の輝度ムラを低減することができる。
【0069】
1つの透光性部材30が、複数の発光素子上に位置している場合には、各発光素子20
と透光性部材30とを接合する導光部材50は、繋がっていても、それぞれ離間していて
もよい。
図28Bに示すように、一方の発光素子と他方の発光素子の間を繋ぐように導光
部材50が位置することが好ましい。このようにすることで、一方の発光素子と他方の発
光素子の間からも導光部材を介して発光素子の光を透光部材に導光することができるので
、発光装置の輝度ムラを低減することができる。
【0070】
図28B、
図31に示すように、透光性部材30が波長変換物質32を含有する層と、
波長変換物質を実質的に含有しない層33と、を備えていてもよい。透光性部材30が波
長変換物質32を含有する層上に、波長変換物質を実質的に含有しない層33が位置する
ことで、波長変換物質を実質的に含有しない層33が保護層としても機能を果たすので波
長変換物質32の劣化を抑制できる。
図31に示すように第1発光素子と、第2発光素子
の上にそれぞれ1つの透光性部材30が位置している場合には、第1発光素子20B上に
位置する透光性部材30の波長変換物質を実質的に含有しない層33の厚みと、第2発光
素子20G上に位置する透光性部材30波長変換物質を実質的に含有しない層33の厚み
はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。また、第1発光素子と、第2発光素子の上にそ
れぞれ1つの透光性部材30が位置している場合には、第1発光素子20B上に位置する
透光性部材30の波長変換物質32を含有する層の厚みと、第2発光素子20G上に位置
する透光性部材30波長変換物質32を含有する層の厚みはそれぞれ同じでも異なってい
てもよい。尚、本明細書において厚みが同じとは、5μm程度の違いは許容されることを
意味する。
【0071】
以下、本発明の一実施形態に係る発光装置における各構成要素について説明する。
【0072】
(基板10)
基板10は、発光素子を載置する部材である。基板10は、少なくとも、基材11と、
第1配線12と、第2配線13と、第3配線14と、ビアホール15と、により構成され
る。
【0073】
(基材11)
基材11は、樹脂若しくは繊維強化樹脂、セラミックス、ガラスなどの絶縁性部材を用
いて構成することができる。樹脂若しくは繊維強化樹脂としては、エポキシ、ガラスエポ
キシ、ビスマレイミドトリアジン(BT)、ポリイミドなどが挙げられる。セラミックス
としては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム
、酸化チタン、窒化チタン、若しくはこれらの混合物などが挙げられる。これらの基材の
うち、特に発光素子の線膨張係数に近い物性を有する基材を使用することが好ましい。基
材の厚さの下限値は、適宜選択できるが、基材の強度の観点から、0.05mm以上であ
ることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。また、基材の厚さの上限
値は、発光装置の厚さ(奥行き)の観点から、0.5mm以下であることが好ましく、0
.4mm以下であることがより好ましい。
【0074】
(第1配線12、第2配線13、第3配線14)
第1配線は、基板の正面に配置され、発光素子と電気的に接続される。第2配線は、基
板の背面に配置され、ビアホールを介して第1配線と電気的に接続される。第3配線は、
窪みの内壁を被覆し、第2配線と電気的に接続される。第1配線、第2配線及び第3配線
は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジ
ウム、ロジウム、又はこれらの合金で形成することができる。これらの金属又は合金の単
層でも多層でもよい。特に、放熱性の観点においては銅又は銅合金が好ましい。また、第
1配線及び/又は第2配線の表層には、導電性接着部材の濡れ性及び/若しくは光反射性
などの観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金若しくはこれらの合金などの層
が設けられていてもよい。
【0075】
(ビアホール15)
ビアホール15は基材11の正面と背面とを貫通する孔内に設けられ、第1配線と前記
第2配線を電気的に接続する部材である。ビアホール15は基材の貫通孔の表面を被覆す
る第4配線151と、第4配線内151に充填された充填部材152と、によって構成さ
れる。第4配線151には、第1配線、第2配線及び第3配線と同様の導電性部材を用い
ることができる。充填部材152には、導電性の部材を用いても絶縁性の部材を用いても
よい。
【0076】
(絶縁膜18)
絶縁膜18は、背面における絶縁性の確保及び短絡の防止を図る部材である。絶縁膜は
、当該分野で使用されるもののいずれで形成されていてもよい。例えば、熱硬化性樹脂又
は熱可塑性樹脂等が挙げられる。
【0077】
(発光素子20)
発光素子20は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物半導体
等から構成される既知の半導体素子を適用できる。発光素子20としては、例えばLED
チップが挙げられる。発光素子20は、少なくとも半導体積層体23を備え、多くの場合
に素子基板24をさらに備える。発光素子の上面視形状は、矩形、特に正方形状又は一方
向に長い長方形状であることが好ましいが、その他の形状であってもよく、例えば六角形
状であれば発光効率を高めることもできる。発光素子の側面は、上面に対して、垂直であ
ってもよいし、内側又は外側に傾斜していてもよい。また、発光素子は、正負電極を有す
る。正負電極は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、
パラジウム、ニッケル又はこれらの合金で構成することができる。発光素子の発光ピーク
波長は、半導体材料やその混晶比によって、紫外域から赤外域まで選択することができる
。半導体材料としては、波長変換物質を効率良く励起できる短波長の光を発光可能な材料
である、窒化物半導体を用いることが好ましい。窒化物半導体は、主として一般式In
x
Al
yGa
1−x−yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)で表される。発光素子の発光ピ
ーク波長は、発光効率、並びに波長変換物質の励起及びその発光との混色関係等の観点か
ら、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好
ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。このほか、InAlG
aAs系半導体、InAlGaP系半導体、硫化亜鉛、セレン化亜鉛、炭化珪素などを用
いることもできる。発光素子の素子基板は、主として半導体積層体を構成する半導体の結
晶を成長可能な結晶成長用基板であるが、結晶成長用基板から分離した半導体素子構造に
接合させる接合用基板であってもよい。素子基板が透光性を有することで、フリップチッ
プ実装を採用しやすく、また光の取り出し効率を高めやすい。素子基板の母材としては、
サファイア、窒化ガリウム、窒化アルミニウム、シリコン、炭化珪素、ガリウム砒素、ガ
リウム燐、インジウム燐、硫化亜鉛、酸化亜鉛、セレン化亜鉛、ダイヤモンドなどが挙げ
られる。なかでも、サファイアが好ましい。素子基板の厚さは、適宜選択でき、例えば0
.02mm以上1mm以下であり、素子基板の強度及び/若しくは発光装置の厚さの観点
において、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましい。
【0078】
(透光性部材30)
透光性部材は発光素子上に設けられ、発光素子を保護する部材である。透光性部材は、
少なくとも以下のような母材により構成される。また、透光性部材は、以下のような波長
変換物質32を母材中に含有することで、波長変換物質として機能させることができる。
透光性部材が、波長変換物質を含有する層と、波長変換物質を実質的に含有しない層を備
えている場合も、各層の母材が以下のように構成される。尚、各層の母材は同じでも異な
っていてもよい。但し、透光性部材が波長変換物質を有することは必須ではない。また、
透光性部材は、波長変換物質と例えばアルミナなどの無機物との焼結体、又は波長変換物
質の板状結晶などを用いることもできる。
【0079】
(透光性部材の母材31)
透光性部材の母材31は、発光素子から発せられる光に対して透光性を有するものであ
ればよい。なお、「透光性」とは、発光素子の発光ピーク波長における光透過率が、好ま
しくは60%以上であること、より好ましくは70%以上であること、よりいっそう好ま
しくは80%以上であることを言う。透光性部材の母材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹
脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂を用
いることができる。ガラスでもよい。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂
は、耐熱性及び耐光性に優れ、好ましい。具体的なシリコーン樹脂としては、ジメチルシ
リコーン樹脂、フェニル−メチルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられ
る。透光性部材は、これらの母材のうちの1種を単層で、若しくはこれらの母材のうちの
2種以上を積層して構成することができる。なお、本明細書における「変性樹脂」は、ハ
イブリッド樹脂を含むものとする。
【0080】
透光性部材の母材は、上記樹脂若しくはガラス中に各種のフィラーを含有してもよい。
このフィラーとしては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛など
が挙げられる。フィラーは、これらのうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上
を組み合わせて用いることができる。特に、熱膨張係数の小さい酸化珪素が好ましい。ま
た、フィラーとして、ナノ粒子を用いることで、発光素子が発する光の散乱を増大させ、
波長変換物質の使用量を低減することもできる。なお、ナノ粒子とは、粒径が1nm以上
100nm以下の粒子とする。また、本明細書における「粒径」は、例えば、D
50で定
義される。
【0081】
(波長変換物質32)
波長変換物質は、発光素子が発する一次光の少なくとも一部を吸収して、一次光とは異
なる波長の二次光を発する。波長変換物質は、以下に示す具体例のうちの1種を単独で、
又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0082】
緑色発光する波長変換物質としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光
体(例えばY
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネッ
ト系蛍光体(例えばLu
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、テルビウム・アルミニウム
・ガーネット系蛍光体(例えばTb
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)系蛍光体、シリケ
ート系蛍光体(例えば(Ba,Sr)
2SiO
4:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(
例えばCa
8Mg(SiO
4)
4Cl
2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えばSi
6
−zAl
zO
zN
8−z:Eu(0<z<4.2))、SGS系蛍光体(例えばSrGa
2S
4:Eu)などが挙げられる。黄色発光の波長変換物質としては、αサイアロン系蛍
光体(例えばM
z(Si,Al)
12(O,N)
16(但し、0<z≦2であり、MはL
i、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素)などが挙げられる。このほ
か、上記緑色発光する波長変換物質の中には黄色発光の波長変換物質もある。また例えば
、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体は、Yの一部をGdで置換すること
で発光ピーク波長を長波長側にシフトさせることができ、黄色発光が可能である。また、
これらの中には、橙色発光が可能な波長変換物質もある。赤色発光する波長変換物質とし
ては、窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CASN又はSCASN)系蛍光体(例えば(
Sr,Ca)AlSiN
3:Eu)などが挙げられる。このほか、マンガン賦活フッ化物
系蛍光体(一般式(I)A
2[M
1−aMn
aF
6]で表される蛍光体である(但し、上
記一般式(I)中、Aは、K、Li、Na、Rb、Cs及びNH
4からなる群から選ばれ
る少なくとも1種であり、Mは、第4族元素及び第14族元素からなる群から選ばれる少
なくとも1種の元素であり、aは0<a<0.2を満たす))が挙げられる。このマンガ
ン賦活フッ化物系蛍光体の代表例としては、マンガン賦活フッ化珪酸カリウムの蛍光体(
例えばK
2SiF
6:Mn)がある。
【0083】
(被覆部材40)
光反射性の被覆部材は、上方への光取り出し効率の観点から、発光素子の発光ピーク波
長における光反射率が、70%以上であることが好ましく、80%以上であることがより
好ましく、90%以上であることがよりいっそう好ましい。さらに、被覆部材は、白色で
あることが好ましい。よって、被覆部材は、母材中に白色顔料を含有してなることが好ま
しい。被覆部材は、硬化前には液状の状態を経る。被覆部材は、トランスファ成形、射出
成形、圧縮成形、ポッティングなどにより形成することができる。
【0084】
(被覆部材の母材)
被覆部材の母材は、樹脂を用いることができ、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げら
れる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、
好ましい。具体的なシリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル−メチ
ルシリコーン樹脂、ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。また、被覆部材の母材は、
上述の透光性部材と同様のフィラーを含有してもよい。
【0085】
(白色顔料)
白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マ
グネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、酸化ケイ素のうちの1種を単独で、又はこれらのうちの2種以上を組み合わせて
用いることができる。白色顔料の形状は、適宜選択でき、不定形若しくは破砕状でもよい
が、流動性の観点では球状が好ましい。また、白色顔料の粒径は、例えば0.1μm以上
0.5μm以下程度が挙げられるが、光反射や被覆の効果を高めるためには小さい程好ま
しい。光反射性の被覆部材中の白色顔料の含有量は、適宜選択できるが、光反射性及び液
状時における粘度などの観点から、例えば10wt%以上80wt%以下が好ましく、2
0wt%以上70wt%以下がより好ましく、30wt%以上60wt%以下がよりいっ
そう好ましい。なお、「wt%」は、重量パーセントであり、光反射性の被覆部材の全重
量に対する当該材料の重量の比率を表す。
【0086】
(導光部材50)
導光部材は、発光素子と透光性部材を接着し、発光素子からの光を透光性部材に導光す
る部材である。導光部材の母材は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、アクリル樹脂、又はこれらの変性樹脂が挙げられる。なかでも、シ
リコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れ、好ましい。具体的な
シリコーン樹脂としては、ジメチルシリコーン樹脂、フェニル−メチルシリコーン樹脂、
ジフェニルシリコーン樹脂が挙げられる。また、導光部材の母材は、上述の透光性部材と
同様のフィラーを含有してもよい。また、導光部材は、省略することができる。
【0087】
(導電性接着部材60)
導電性接着部材とは、発光素子の電極と第1配線とを電気的に接続する部材である。導
電性接着部材としては、金、銀、銅などのバンプ、銀、金、銅、プラチナ、アルミニウム
、パラジウムなどの金属粉末と樹脂バインダを含む金属ペースト、錫−ビスマス系、錫−
銅系、錫−銀系、金−錫系などの半田、低融点金属などのろう材のうちのいずれか1つを
用いることができる。