(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る同軸ケーブルについて、図面を参照しながら説明する。
【0010】
(1)同軸ケーブルの使用箇所
先ず、本実施形態に係る同軸ケーブルが使用される箇所について、具体例を挙げて簡単に説明する。
【0011】
本実施形態に係る同軸ケーブルは、例えば、自動車溶接や部品組み立て等を行う製造ラインで利用される産業用ロボット(工作機械)またはこれに準ずる自動化装置において、カメラセンサの信号伝送用として用いられる。このような箇所に用いられる同軸ケーブルは、産業用ロボット等の構造や製造ラインのライン長に応じて、5m〜50mといった様々な長さのものが存在し得る。そのため、同軸ケーブルに対しては、信号伝送を確実に行うことができ、しかも長距離の信号伝送にも対応できるように、優れた電気特性を有していることが求められる。具体的には、同軸ケーブルは、静電容量が小さく、特性インピーダンスが高く、信号の減衰量が小さいことが求められる。
【0012】
その一方で、カメラセンサが産業用ロボット等の可動部に設置される場合もあることから、同軸ケーブルに対しては、可動部配線用に適したものであること、すなわち繰り返し屈曲や捻回を受ける条件下(例えば、同軸ケーブルのケーブル外径の3倍程度の曲げ半径での屈曲やケーブル外径の20倍程度の捻回長での捻回)であっても例えば30万回以上の高寿命化(耐屈曲・捻回)を満たすことが求められる。
【0013】
つまり、本実施形態に係る同軸ケーブルに対しては、長距離伝送に適した電気特性と、耐屈曲性・捻回性とを兼ね備えることが求められている。この要求に応えるために、本実施形態に係る同軸ケーブルは、以下に述べるように構成されている。
【0014】
(2)同軸ケーブルの概略構成
図1は、本実施形態に係る同軸ケーブルの構成例を模式的に示す断面図である。
図2は、本実施形態に係る同軸ケーブルにおけるシールド層の構成例を模式的に示す説明図である。
【0015】
(全体構成)
図1に示すように、本実施形態で例に挙げて説明する同軸ケーブル1は、大別すると、導体2と、導体2の側周を囲うように設けられた絶縁層3と、絶縁層3の側周を囲うように設けられたシールド層4と、シールド層4の側周を囲うように設けられたシース5と、を備えて構成されている。
【0016】
(導体)
導体2としては、例えば銅線または銅合金の素線を複数本撚り合せてなる集合撚り線を用いる。具体的には、長距離信号伝送、耐屈曲かつ耐捻回に対応できるように、直径が0.05mm〜0.08mmであり、伸びが5%以上、引張強度330MPa以上である素線からなる集合撚り線を用いることが考えられる。このような素線の具体例として、Cu−0.3mass%SnやCu−0.2mass%In―0.2mass%Sn等が挙げられる。
また、導体2の撚りピッチは、導体2の外径の10倍以上14倍以下であることが好ましい。撚りピッチを外径の10倍未満とすることによって、耐屈曲性は向上するが、捻回性が悪くなる。撚りピッチを外径の14倍超とすることによって、捻回性は向上するが、耐屈曲性は悪くなる。導体2の外径の10倍以上14倍以下とすることによって、耐屈曲性と捻回性とを両立させることができる。
【0017】
(絶縁層)
絶縁層3は、導体2を囲繞するように、絶縁性を有した樹脂材料によって形成された層である。
【0018】
ところで、本実施形態において、絶縁層3は、導体2の側に位置する側から、第1絶縁層3aと、第2絶縁層3bと、第3絶縁層3cと、の三層を有して構成されている。
【0019】
なお、第1絶縁層3a、第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cについては、詳細を後述する。
【0020】
(シールド層)
シールド層4は、伝送信号の漏えいや外部からの飛来ノイズ対策として設けられた層であり、例えばシールド構造のものである。すなわち、シールド層4は、例えば、銅箔糸または銅や銅合金からなる金属線が編組されてなる編組シールドで構成されたものである。
特に、シールド層4は、
図2に示すように、銅箔糸4aと銅合金からなる金属線4bと
が交差するように編組した編組シールドで構成することが好ましい。
【0021】
(シース)
また
図1において、シース5は、同軸ケーブル1の最外層を構成する外皮となる層である。シース5の形成材料としては、例えば、同軸ケーブル1を外力から保護できるように、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリウレタン(PU)樹脂等を用いることが考えられる。
【0022】
(3)同軸ケーブルの要部構成
次に、本実施形態に係る同軸ケーブル1の要部構成として、絶縁層3を構成する第1絶縁層3a、第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cについて説明する。
【0023】
(第1絶縁層)
第1絶縁層3aは、集合撚り線からなる導体2の周囲に誘電率が低い非発泡樹脂材料を用いてチューブ押出しにより形成されている。このように、チューブ押出しにより第1絶縁層3aを形成することにより、第1絶縁層3aを構成する樹脂材料が導体2を構成する素線間の谷間部分を埋め込まない(非充実に形成される)ため、導体2と第1絶縁層3aとの間に部分的に隙間が生じる。
同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、第1絶縁層3aには、導体2よりも大きな引っ張り力(伸び)が加わる。しかし、導体2は、第1絶縁層3aと非充実に形成されているので、第1絶縁層3aとは独立して動くことができ、第1絶縁層3aから引っ張り力を受け難くなり、耐屈曲性や捻回性が向上する。
【0024】
第1絶縁層3aの形成材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)(ε=2.1)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)(ε=2.1)等を用いることが考えられる。
【0025】
(第2絶縁層)
第2絶縁層3bは、同軸ケーブル1の良好な電気特性を担保するために、誘電率がより低くなる、発泡度30%以上50%以下となる発泡絶縁樹脂材料で形成されている。また、第2絶縁層3bは、第1絶縁層3aに用いる樹脂材料よりも低融点の樹脂材料で形成され、第1絶縁層3aとは非接着に形成されている。
同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、第2絶縁層3bには、第1絶縁層3aよりも大きな引っ張り力が加わるが、第2絶縁層3bは、第1絶縁層3aと非接着に形成されているので、第1絶縁層3aは、第2絶縁層3bとは独立して動くことができ、第2絶縁層3bから引っ張り力を受け難くなり、同軸ケーブル1の耐屈曲性や捻回性が向上する。
【0026】
(第3絶縁層)
第3絶縁層3cは、同軸ケーブル1を曲げや捻じったときに生じるひずみによって、発泡絶縁樹脂からなる第2絶縁層3bが破断する等のダメージを防ぐ補強のために設けられる。この第3絶縁層3cは、第2絶縁層3bと同じ樹脂材料を用いて充実押出しにより形成され、第2絶縁層3bの表面に現れる発泡の孔を埋めると共に、第2絶縁層3bと一体化(接着)して補強する。例えば、第3絶縁層3cは、伸び300%以上、引張強さが25MPa以上、誘電率2.5以下となる非発泡絶縁樹脂層から形成されていることが好ましい。
このように第2絶縁層3bよりも外周側に位置する第3絶縁層3cの引張強さや伸びが大きければ、絶縁層3の機械的強度や伸びが外周側ほど大きくなるので、同軸ケーブル1が繰り返し屈曲・捻回を受けても絶縁層3に割れが生じ難くなる。つまり、外周側ほど機械的強度や伸びを大きくすることで、絶縁層3の伸び性や柔軟性等を充分に担保することができ、これにより同軸ケーブル1の耐屈曲性や捻回性を向上させることができる。
【0027】
上述した第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cの形成材料の組み合わせとしては、例えば、発泡ポリプロピレンと非発泡ポリプロピレン、または照射架橋発泡ポリエチレンと照射架橋ポリエチレンの組み合わせを用いることが考えられる。
【0028】
(三層構造の絶縁層)
以上のように、絶縁層3は、第1絶縁層3a、第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cの三層構造となっている。これにより、絶縁層3は、電気特性および耐屈曲性の相反する特性を両立させることができる。すなわち、良好な電気特性を維持しつつ、耐屈曲性や捻回性を向上させることができるのである。
【0029】
同軸ケーブル1を屈曲させた場合に、第3絶縁層3cには、第1、第2絶縁層3a、3bよりも大きな引っ張り力が加わる。ただし、その場合であっても、第3絶縁層3cが引張強さや伸びの大きい材料で形成されているので、その第3絶縁層3c、すなわち絶縁層3の外層側に割れが生じてしまうのを抑制することができる。
【0030】
また、第3絶縁層3cを引張強さや伸びが大きい材料で形成することで、その第3絶縁層3cには割れが生じ難くなるが、万が一第3絶縁層3cに割れが生じてしまった場合であっても、絶縁層3を第1絶縁層3a、第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cの三層構造とすることで、割れを第3絶縁層3cのみで止めることが可能となる。つまり、第2絶縁層3bが割れのストッパとして機能することになり、絶縁層3の全体に割れが入るのを抑制することができ、その結果として同軸ケーブル1の繰り返し屈曲・捻回に対する高寿命化を実現し得るようになる。
【0031】
(第1絶縁層のサイズ)
三層構造の絶縁層3において、第1絶縁層3aの厚さは、導体2の外径Dの0.2倍以上0.3倍以下が好ましい。
第1絶縁層3aの厚さが導体径Dの0.2倍未満であると、第1絶縁層3aの厚さが薄くなり過ぎるため、同軸ケーブル1を曲げたときに強度が弱く、第1絶縁層3aが割れてしまうおそれがある。第1絶縁層3aの厚さを導体径Dの0.2倍以上とすることで、十分な強度を確保することができる。
一方、第1絶縁層3aの厚さが導体径Dの0.3倍を超えると、第1絶縁層3aが厚くなり過ぎるため、硬すぎて柔軟性が悪くなり、同軸ケーブル1を曲げたときに第1絶縁層3aが割れてしまうおそれがある。第1絶縁層3aの厚さを導体径Dの0.3倍以下とすることで、柔軟性を確保することができる。
【0032】
(第2絶縁層のサイズ)
三層構造の絶縁層3において、第2絶縁層3bについては、その厚さは、同軸ケーブル1が所定の特性インピーダンス(50Ωまたは75Ω等)になるように導体2の導体径によって一義的に定まる。
【0033】
(第3絶縁層のサイズ)
三層構造の絶縁層3において、第3絶縁層3cについては、その厚さは、第2絶縁層3bの厚さの1倍以上1.5倍以下が好ましい。
第3絶縁層3cの厚さが第2絶縁層3bの厚さtの1倍未満であると、第3絶縁層3cが薄くなり過ぎて第2絶縁層3bの補強効果が小さくなり、耐屈曲性の低下を招いてしまうおそれがあるが、第3絶縁層3cの厚さを第2絶縁層3bの厚さtの1倍以上とすることで、耐屈曲性の低下を抑制することができる。
一方、第3絶縁層3cの厚さが第2絶縁層3bの厚さの1.5倍を超えると、第3絶縁層3cが厚くなり過ぎるため、電気特性の低下を招いてしまうおそれがあるが、第3絶縁層3cの厚さを第2絶縁層3bの厚さの1.5倍以下とすることで、良好な電気特性を維持することができる。
【0034】
(編組シールド)
シールド層4は、銅箔糸4aを一方向(例えば、時計方向)に、金属素線4bを反対方向(例えば、反時計方向)に螺旋状に巻いて、銅箔糸4aと金属素線4bとが交差するように編んだ編組シールドとすることが好ましい。
銅箔糸4aは、ポリエステル等の中心糸に銅箔に巻き付けたものであるから、金属素線4bと比較して、耐屈曲や捻回性に優れるものの、導体抵抗が高い。そこで、銅箔糸4aと金属素線4bとで編組シールドを構成することにより、同軸ケーブル1の耐屈曲や捻回性を向上させつつ、シールド層4の導体抵抗を下げることができる。したがって、同軸ケーブル1が長尺であっても、DC往復抵抗の規格を満足しつつ、耐屈曲や捻回性を向上させることができる。
また、銅箔糸4aは、金属素線4bと比較して、軟らかい。銅箔糸4aと金属素線4bとを交差させたことにより、同軸ケーブル1を屈曲や捻回させたときに、交差箇所において、銅箔糸4aが金属素線4bのクッション材となり、金属素線4bのキンクを防ぐことができる。したがって、同軸ケーブル1の耐屈曲や捻回性を向上させることができる。さらに、銅箔糸4aは、金属素線4bよりも太くすることが好ましい。これにより、同軸ケーブル1に印加された応力が、柔軟性や可撓性に優れた銅箔糸4aにより作用するため、同軸ケーブル1の耐屈曲や捻回性を向上させることができる。
【0035】
(4)本実施形態にかかる効果
本実施形態によれば、以下に示す1つまたは複数の効果を奏する。
【0036】
(a)本実施形態では、絶縁層3が第1絶縁層3a、第2絶縁層3bおよび第3絶縁層3cの三層構造となっており、第1絶縁層3aがチューブ押出しで形成され、第2絶絶縁層3bが誘電率が低い樹脂材料を発泡させて形成され、第3絶縁層3cが第2絶縁層3bと同じ樹脂材料で非発泡にて形成されている。そのため、絶縁層3は、電気特性および耐屈曲性の相反する特性を両立させることができる。したがって、本実施形態によれば、繰り返し屈曲・捻回を受ける条件下で同軸ケーブル1が用いられる場合であっても、その同軸ケーブル1について、良好な電気特性を維持しつつ、耐屈曲性および捻回性を向上させることができる。
【0037】
(b)本実施形態では、導体2と接する絶縁体である内側絶縁層3aが誘電率ε=2.3以下の材料で形成されている。このような誘電率とすることで、同軸ケーブル1について、優れた電気特性を確実に担保することができる。
【0038】
(c)本実施形態では、絶縁層3のうちで一番外周側に位置する第3絶縁層3cが伸び300%以上、引張強さ25MPa以上の材料で形成されている。このような引張強さとすることで、絶縁層3の外周側ほど機械的強度や伸びが大きくなり、絶縁層3の伸び性や柔軟性等を充分に担保することができるので、同軸ケーブル1の耐屈曲性および捻回性を向上させることができる。
【0039】
(d)本実施形態では、第1絶縁層3aの厚さが導体の導体径Dの0.2倍以上0.3倍以下に形成されているので、電気特性の低下を招いてしまうおそれを排除しつつ、耐屈曲性や捻回性の低下を抑制することができる。つまり、同軸ケーブル1について、良好な電気特性を維持しつつ、耐屈曲性や捻回性を向上させる上で、非常に好適なものとなる。
【0040】
(e)本実施形態では、第3絶縁層3cの厚さが第2絶縁層3bの厚さtの1倍以上1.5倍以下に形成されているので、耐屈曲性や捻回性の低下を招いてしまうおそれを排除しつつ、良好な電気特性を維持することができる。つまり、同軸ケーブル1について、良好な電気特性を維持しつつ、耐屈曲性や捻回性を向上させる上で、非常に好適なものとなる。
【0041】
<本発明の他の実施形態>
以上に、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0042】
例えば、上述した実施形態では、同軸ケーブル1が、産業用ロボット(工作機械)またはこれに準ずる自動化装置におけるカメラセンサの信号伝送用として用いられる場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはない。すなわち、本発明は、小スペースに配線されて高稼働率で繰り返し屈曲や捻回を受ける条件下で用いられる同軸ケーブルに適用して非常に有効なものであり、カメラセンサの信号伝送用以外の用途にも適用可能である。
【実施例】
【0043】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例の内容に限定されるものではない。
【0044】
本実施例では、24AWG(American wire gauge)相当の50/0.08mmの集合撚り線(撚りピッチ約8mm)からなる導体2を、チューブ押出しにより誘電率ε=2.1のFEPからなり厚さが0.15mmの第1絶縁層3aで被覆して、発泡度が40%となるように発泡させた発泡PPからなり厚さが0.5mmの第2絶縁層3bで被覆し、さらに、誘電率ε=2.26かつ(非発泡)PPからなり厚さが0.65mmの第3絶縁層3cで被覆し、外径が3.3mmの絶縁層3を構成した。そして、その絶縁層3を、外径0.11mmの銅箔糸と、外径0.08mmの金属素線とが交差するように編んだ編組シールド層4で被覆し、さらにその外周側に厚さ1.3mmのシース5を配して、外径6.5mmの同軸ケーブル1を構成した。導体2に用いた金属素線および編組シールド層4に用いた金属素線は、Cu−0.3mass%Snの合金を用いた。
【0045】
(屈曲試験)
上記構成の同軸ケーブル1について、屈曲試験を行った。
【0046】
屈曲試験は、
図3に示すように、試料となる同軸ケーブル1の下端に荷重W=5N(500gf)の錘を吊り下げ、同軸ケーブル1の左右に湾曲した形の曲げジグ43を取り付けた状態で、曲げジグ43に沿って左右方向に向けて屈曲角X=±90°の曲げを加えるように同軸ケーブル1を動かすことで行う。屈曲R(曲げ半径)は、同軸ケーブル1の外径の約3倍の19mmとした。屈曲速度は30回/分とし、屈曲回数は左右方向への1往復を1回としてカウントした。そして、同軸ケーブル1の屈曲を繰り返し、適宜回ごとにケーブル両端間で内部導体の導通を調べ、導通が失われていればそのときの回数を屈曲寿命として記録する。
【0047】
屈曲試験の結果、本実施例に係る同軸ケーブル1については、同軸ケーブルへの要求規格である60万回にわたって屈曲させても、導体2と編組シールド層4の破断が無いことを確認した。
【0048】
(捻回試験)
上記構成の同軸ケーブル1について、捻回試験を行った。
【0049】
捻回試験は、
図4に示すように、試料となる同軸ケーブル1の一箇所を回転しない固定チャック52に取り付け、それより上部側に同軸ケーブル1の外径の約20倍の距離(捻回長)d=130mmだけ隔てた別の箇所を回転チャック54に取り付ける。そして、同軸ケーブル1の下端に荷重W=5N(500gf)の錘を吊り下げておく。この状態で回転チャック54を回転させることにより、同軸ケーブル1の固定チャック52と回転チャック54との間の部分に対して±180度の捻りを加える。回転チャック54は、まず+180度回転して元に戻し、−180度回転して元に戻すというように、矢印5a,5b,5c,5dの順に動かして1サイクル(数えるときは1回)とする。捻回速度は、30回/分とし、捻回回数は各方向への1往復を1回としてカウントした。そして、同軸ケーブル1の捻回を繰り返し、適宜回ごとにケーブル両端間で内部導体の導通を調べ、導通が失われていればそのときの回数を捻回寿命として記録する。
【0050】
捻回試験の結果、本実施例に係る同軸ケーブル1については、同軸ケーブルへの要求規格である240万回にわたって捻回させても、導体2と編組シールド層4の破断が無いことを確認した。