(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6692823
(24)【登録日】2020年4月17日
(45)【発行日】2020年5月13日
(54)【発明の名称】高コンダクタンスのプロセスキット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20200427BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
【請求項の数】14
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-534999(P2017-534999)
(86)(22)【出願日】2015年11月11日
(65)【公表番号】特表2018-502458(P2018-502458A)
(43)【公表日】2018年1月25日
(86)【国際出願番号】US2015060075
(87)【国際公開番号】WO2016109025
(87)【国際公開日】20160707
【審査請求日】2018年10月24日
(31)【優先権主張番号】14/586,153
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】チア ボニー ティー
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ チェン−ション
【審査官】
長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−283499(JP,A)
【文献】
特開2012−182496(JP,A)
【文献】
特開平06−013344(JP,A)
【文献】
特開平09−069400(JP,A)
【文献】
特開平04−033330(JP,A)
【文献】
特開2009−212454(JP,A)
【文献】
特表2013−503494(JP,A)
【文献】
特開2007−110135(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205、21/302、21/3065、21/31、
21/365、21/461、21/469、21/86、
H01J 37/30−37/36、
H05H 1/00− 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットであって、前記プロセスキットは、
上部シールドを備え、前記上部シールドは、
筒状の体積を画定する内部筒状ライナであって、前記筒状ライナの底部エッジが平面を画定する、内部筒状ライナと、
円形の内部頂面とを備え、前記円形の内部頂面の中心が、円形の開孔を含み、前記円形の内部頂面が、前記開孔から半径方向に外側へ延びる第1の部分を含み、前記第1の部分では、前記開孔からの距離が増大するにつれて、前記内部頂面から前記平面までの距離が増大し、前記円形の頂面が、前記第1の部分から半径方向に外側へ延びる第2の部分を含み、前記第2の部分では、前記内部頂面が、前記筒状ライナの内向きの表面の方へ平滑に湾曲して、前記内向きの表面と繋がり、更に、
下部シールドをさらに備え、前記下部シールドが、
環状のリングと、
前記環状のリングの頂面内の環状のチャネルであって、半径方向に外向きのライナと底部ライナとの間に円形に湾曲したライナ部分を含み、半径方向に外側へ突出するアンダーカット部分を含む環状のチャネルと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの前記頂面との間の第1の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第1の複数のスロットと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの底面との間の第2の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第2の複数のスロットとを備える、プロセスキット。
【請求項2】
前記上部シールドの前記円形の開孔内に配置されたガスディフューザーをさらに備え、前記ガスディフューザーが、
筒状の外面を画定する筒状のハウジングであって、前記筒状の外面および前記円形の開孔が環状の間隙を画定する、筒状のハウジングと、
前記ハウジングのうち前記筒状の体積から離れる方を向いている側に位置する筒状の内部空胴であって、プロセスガス供給部と流体連通するように適合された筒状の内部空胴と、
前記筒状の内部空胴および前記環状の間隙と連通する前記ハウジング内の複数の孔とを備える、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項3】
前記環状の間隙が、20対1〜40対1のアスペクト比を画定する、請求項2に記載のプロセスキット。
【請求項4】
前記環状の間隙の面積と前記複数の孔の総面積との比が、4対1〜15対1である、請求項2に記載のプロセスキット。
【請求項5】
前記上部シールドの前記筒状ライナの外向きの表面が、前記下部シールド内において前記半径方向に外向きのアンダーカット部分より上で、環状の間隙によって、前記環状のチャネルの半径方向に内向きの表面から分離される、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項6】
前記内部頂面の前記第1の部分が、30インチ〜40インチの曲率半径を含む円形のプロファイルを画定する、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項7】
前記内部頂面の前記第2の部分が、0.9インチ〜2インチの曲率半径を画定する、請求項1に記載のプロセスキット。
【請求項8】
プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットであって、
プラズマ処理チャンバに対する上部シールド上の円形の開孔内に配置されるように構成されたガスディフューザーを備え、前記ガスディフューザーが、
筒状の外面を画定する筒状のハウジングであって、前記筒状の外面が、前記上部シールドの前記円形の開孔の直径より小さい直径を画定し、前記ガスディフューザーが前記円形の開孔内に配置されると環状の間隙を形成する、筒状のハウジングと、
前記ハウジングのうち前記筒状の体積から離れる方を向いている側に位置する筒状の内部空胴であって、プロセスガス供給部と流体連通するように適合された筒状の内部空胴と、
前記筒状の内部空胴および前記環状の間隙と連通する前記ハウジング内の複数の孔とを備え、
下部シールドをさらに備え、前記下部シールドが、
環状のリングと、
前記環状のリングの頂面内の環状のチャネルであって、半径方向に外向きのライナと底部ライナとの間に円形に湾曲したライナ部分を含み、半径方向に外側へ突出するアンダーカット部分を含む環状のチャネルと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの前記頂面との間の第1の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第1の複数のスロットと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの底面との間の第2の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第2の複数のスロットとを備える、プロセスキット。
【請求項9】
前記複数の孔が、前記ガスディフューザーの前記筒状の内部空胴の円周の周りに複数の列で配置され、前記複数の列がそれぞれ、前記筒状の内部空胴の長手方向に異なる位置に配置される、請求項8に記載のプロセスキット。
【請求項10】
プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットであって、
下部シールドを備え、前記下部シールドが、
環状のリングと、
前記環状のリングの頂面内の環状のチャネルであって、半径方向に外向きのライナと底部ライナとの間に円形に湾曲したライナ部分を含み、半径方向に外側へ突出するアンダーカット部分を含む環状のチャネルと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの前記頂面との間の第1の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第1の複数のスロットと、
前記アンダーカット部分と前記環状のリングの底面との間の第2の複数のスロットであって、前記環状のリングの円周の周りに配置された第2の複数のスロットとを備える、プロセスキット。
【請求項11】
前記環状のチャネルの前記円形に湾曲したライナ部分が、0.2インチ〜0.6インチの曲率半径を画定する、請求項10に記載のプロセスキット。
【請求項12】
前記第1の複数のスロットおよび前記第2の複数のスロットが、3対1〜6対1のアスペクト比を画定する、請求項10に記載のプロセスキット。
【請求項13】
前記第1の複数のスロットが、前記環状のリングの円周方向の位置にある第1のスロットと、前記円周方向の位置にある第2のスロットとを含み、前記第1のスロットおよび前記第2のスロットが、半径方向に異なる位置にあり、前記第2の複数のスロットが、前記環状のリングの円周方向の位置にある第3のスロットと、前記円周方向の位置にある第4のスロットとを含み、前記第3のスロットおよび前記第4のスロットが、半径方向に異なる位置にある、請求項10に記載のプロセスキット。
【請求項14】
前記第1の複数のスロットが、前記環状のリングの前記円周方向の位置にある第5のスロットをさらに含み、前記第5のスロットが、前記第1のスロットおよび前記第2のスロットとは半径方向に異なる位置にあり、前記第2の複数のスロットが、前記環状のリングの前記円周方向の位置にある第6のスロットをさらに含み、前記第6のスロットが、前記第3のスロットおよび前記第4のスロットとは半径方向に異なる位置にある、請求項13に記載のプロセスキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、集積回路を製造するプロセスにおけるプラズマ洗浄またはエッチングに関する。詳細には、本発明は、プラズマチャンバ向けのプロセスキットに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマチャンバは、集積回路の製造において、基板の表面からの汚染物質の除去および/または基板の表面のエッチングのために使用される。プラズマ洗浄またはエッチングのプロセスを実行するには、プラズマチャンバ内に集積回路を配置し、ポンプによりチャンバから空気の大部分を除去する。次いで、アルゴンなどのガスをチャンバ内へ注入することができる。注入されたガスに電磁エネルギー(たとえば、無線周波数)を印加して、ガスをプラズマ状態に励起する。プラズマはイオンを解放し、これらのイオンは基板の表面に衝突して、汚染物質および/または材料を基板から除去する。汚染物質および/または基板材料の原子または分子は、基板からエッチングされ、大部分はチャンバから排出される。しかし、汚染物質および/またはエッチングされた材料の一部は、チャンバの表面上に堆積することがある。
プラズマプロセスチャンバの中には、チャンバを通過するガスに対して曲がりくねった流路を形成する壁を有するライナを有するように設計されたものがある。プラズマプロセスチャンバのうちこれらのライナを形成する部分が、プロセスキットと呼ばれる。ライナの壁は、押しのけられた汚染物質および/または基板材料が逃げるための経路を提供しながら、チャンバ内にプラズマを閉じ込める。必然的に、押しのけられた材料の一部は、チャンバの壁上、特に押しのけられた材料が方向を変化させる角の位置に堆積する。最終的に、押しのけられた材料の蓄積のため、プロセスキットを構成する部分を洗浄または交換する必要がある。そうでなければ、押しのけられた材料の蓄積が、チップの歩留まりに影響を及ぼす粒子源となる可能性がある。
【0003】
図1は、プロセスキットを使用することができる従来のプラズマ処理チャンバ100の一実施形態の概略断面側面図である。プラズマ処理チャンバ100は、体積を画定するチャンバ壁104およびリッド102を含む。リッドは、アルゴンなどのプロセスガスを導入することができるポート106を含む。壁104は、基板126から除去された汚染物質および/または基板材料ならびにプロセス領域132から漏れたあらゆるプラズマを除去することができるポート108を含む。たとえば、ポート108は、そのような材料を体積から取り出すポンプ(たとえば、ターボポンプ)と連通することができる。プラズマ処理チャンバ100は、処理のために基板126を取り付けることができるペデスタル124を含む。ペデスタル124および基板126は、無線周波源128(たとえば、二重周波無線周波源)と電気的に連通することができる。ペデスタル124を通って無線周波源128によって伝送される電磁エネルギーは、基板126の上でプロセスガスをプラズマ130に励起する。プラズマ処理チャンバ100はまた、プロセス領域132の境界を画定するプロセスキットを含む。プロセスキットは、上部シールド110および下部シールド116を含む。
【0004】
上部シールド110は、頂部部分115および筒状ライナ114を含む。下部シールド116は、ペデスタル124から延びる水平部分118と、水平部分118から延びる垂直部分120とを含む。概して、下部シールド116は、絶縁材料によってペデスタル124から電気的に隔離される。上部シールド110および下部シールド116は、リッド内のポート106から壁104内のポート108への流体の流路を提供する開孔を含みかつ/または画定する。上部シールド110の頂部部分115は、頂面115の円周の周りに配置された複数の開孔112を含み、これらの開孔112は、プロセスガスがプロセス領域132に入ることを可能にする。上部シールド110の筒状ライナ114と下部シールド116の垂直部分120との間には、1つまたは複数の環状の開孔122が画定され、環状の開孔122は、基板126から除去された材料が逃げることを可能にする。矢印A〜Fは、プラズマプロセスチャンバに入るプロセスガスの流れならびにプラズマ処理チャンバ100から出る汚染物質および/または基板材料の流れを示す。矢印Aは、リッド102内のポート106から入るプロセスガスを示す。プロセスガスは、ポート106に接続された供給ライン、加圧缶などによって提供することができる。矢印Bによって示すように、ポート106から入った後、プロセスガスは、上部シールド110内の開孔112の方へ半径方向に外側へ進む。次いで、プロセスガスは、矢印Cの方向に開孔112を通過して、プロセス領域132に入る。プロセスチャンバ内で、プロセスガスは、無線周波源128からの電磁エネルギーによって着火され、プラズマを形成する。電磁エネルギーはまた、概して、基板126より上の領域内にプラズマ130を閉じ込める。プラズマからのイオンは、基板126の表面に衝突し、汚染物質および/または基板材料を基板126の表面から解放する。解放された汚染物質および/または基板材料は、矢印Dに示すように、上部シールド110の筒状ライナ114と下部シールド116の垂直部分120との間の環状の開孔122を通ってプロセス領域132を出る。次いで、解放された汚染物質および/または基板材料は、矢印Eの方向に下部シールドを通り過ぎることができ、次いで、矢印Fに示すように、壁104内のポート108を通ってプラズマ処理チャンバ100を出ることができる。上記で論じたように、ターボポンプなどのポンプが真空を提供することができ、真空により、汚染物質および/または基板材料がプラズマ処理チャンバ100から追い出される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
様々な例では、プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットは、上部シールドを含む。上部シールドは、筒状の体積を画定する内部筒状ライナを含み、筒状ライナの底部は、平面を画定する。上部シールドはまた、円形の内部頂面を含む。円形の内部頂面の中心は、円形の開孔を含む。円形の内部頂面はまた、開孔から半径方向に外側へ延びる第1の部分を含み、第1の部分では、開孔からの距離が増大するにつれて、内部頂面から平面までの距離が増大する。円形の内部頂面はまた、第1の部分から半径方向に外側へ延びる第2の部分を含み、第2の部分では、内部頂面は、筒状ライナの内向きの表面の方へ平滑に湾曲して、この表面と嵌合する。
【0006】
様々な例では、プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットは、プラズマ処理チャンバに対する上部シールド上の円形の開孔内に配置されるように構成されたガスディフューザーを含む。ガスディフューザーは、筒状の外面を画定する筒状のハウジングを含む。筒状の外面は、上部シールドの円形の開孔の直径より小さい直径を画定し、ガスディフューザーが円形の開孔内に配置されると環状の間隙を形成する。
【0007】
ガスディフューザーはまた、ハウジングのうち筒状の体積から離れる方を向いている側に筒状の内部空胴を含み、筒状の内部空胴は、プロセスガス供給部と流体連通するように適合される。ガスディフューザーはまた、筒状の内部空胴および環状の間隙と連通する複数の孔をハウジング内に含む。
【0008】
様々な例では、プラズマ処理チャンバ向けのプロセスキットは、下部シールドを含む。下部シールドは、環状のリングと、環状のリングの頂面内の環状のチャネルとを含む。環状のリングの半径方向に外向きのライナと底部ライナとの間には、円形に湾曲したライナ部分が含まれる。環状のチャネルはまた、半径方向に外側へ突出するアンダーカット部分を含む。下部シールドはまた、アンダーカット部分と環状のリングの頂面との間に第1の複数のスロットを含み、第1の複数のスロットは、環状のリングの円周の周りに配置される。下部シールドはまた、アンダーカット部分と環状のリングの底面との間に第2の複数のスロットを含み、第2の複数のスロットは、環状のリングの円周の周りに配置される。
【0009】
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を得ることができる。実施形態のいくつかを、添付の図面に示す。しかし、本開示は、他の等しく有効な実施形態にも適用し得るため、添付の図面は例示的な実施形態のみを示し、したがって本開示の範囲を限定すると解釈されるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】従来のプラズマプロセスチャンバの断面ブロック図である。
【
図2A】上部シールド、ディフューザー、および下部シールドを含む様々な態様によるプロセスキットの断面側面図である。
【
図2B】プラズマプロセスチャンバ内に設置された
図2Aのプロセスキットの断面図である。
【
図4】
図2Aに示す上部シールド内に設置された
図2Aのディフューザーの断面側面図である。
【
図5A】
図2Aに示す下部シールドの第1の部分の底面斜視図である。
【
図5B】
図2Aに示す下部シールドの第1の部分の側面図である。
【
図5C】
図2Aに示す下部シールドの第1の部分の断面側面図である。
【
図6A】
図2Aに示す下部シールドの第2の部分の上面斜視図である。
【
図6B】
図2Aに示す下部シールドの第2の部分の断面側面図である。
【
図7】
図2Aの下部シールドの一部分および上部シールドの一部分の断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするために、同一の参照番号を使用して、可能な場合、図に共通の同一の要素を指す。一実施形態の要素および特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態内に有益に組み込むことができることが企図される。
本明細書に記載するプロセスキットの態様は、プロセスキットの表面上の汚染物質の蓄積を低減させながら、より効率的なプラズマ処理を提供することができる。プロセスキットの表面上の汚染物質は、チャンバ内の基板を汚染してチップの歩留まりに影響を及ぼす粒子源となる可能性がある。
【0012】
図2Aは、プラズマ処理チャンバ内で使用するための様々な態様によるプロセスキット200の分解側面図である。
図2Bは、プラズマ処理チャンバ300内に配置されたプロセスキット200を示す。プロセスキット200は、ディフューザー202、上部シールド220、および下部シールド250、270の少なくとも1つまたは複数を含む。ディフューザー202は、上部シールド220内の開孔222内に位置し、それにより、プロセスガスは、
図1に示すように上部シールド110の周囲に沿って注入されるのではなく、上部シールド220の中央または中心においてディフューザー202および上部シールド220を通って注入される。上部シールド220および下部シールド250、270は丸い角を含み、丸い角は、プラズマによって除去された汚染物質および/または基板材料をプロセス領域246から平滑に誘導し、その結果、上部シールド220および下部シールド250、270の表面上のそのような汚染物質および/または基板材料の蓄積を最小にするのに役立つ。
【0013】
上部シールド220は、頂部232および筒状ライナ230を含む。頂部232の内面234および236ならびに筒状ライナ230の内面240は、プロセス領域246の境界を画定する。筒状ライナ230の底部242は、平面244(破線で示す)を画定する。頂部232は、頂部232の中心に位置する開孔222を含む。頂部232の内面234の内側部分が、開孔222から離れる方へ半径方向に延び、半径方向の距離がより大きくなった位置で、平面244からそれる。別の言い方をすると、平面244から内面234の内側部分までの距離(矢印dで示す)は、開孔222からの半径方向の距離が大きくなればなるほど大きくなる。様々な例では、内面234の内側部分は、円錐形のプロファイルを含むことができ、平面244から内面234の内側部分までの距離は、開孔222からの半径方向の距離に対して線形に増大する。様々な他の例では、内面234の内側部分は、湾曲したプロファイルを含むことができ、平面244から内面234の内側部分までの距離は、開孔222からの半径方向の距離に対して非線形に増大する。たとえば、
図2に示すように、内面234の内側部分は、円形のプロファイルを有することができる。たとえば、様々な態様では、上部シールド220の筒状ライナ230の直径は、約16インチであり、内面234の円形に湾曲した内側部分の曲率半径R
2は、約35インチである。別の例として、円形に湾曲した内面234の曲率半径R
2は、30インチ〜40インチとすることができる。頂部232の内面236の外側部分は、内面234から離れる方へ半径方向に延び、内側へ湾曲して、筒状ライナ230の内面240と交わる。いくつかの例では、内面236の外側部分は、1.1インチの曲率半径R
1を画定することができる。様々な他の例では、内面236の外側部分は、たとえば、0.9インチ〜2インチの曲率半径R
1を画定することができる。
【0014】
図3Aおよび
図3Bを次に参照すると、ディフューザー202は、上部シールド220の開孔222内に嵌るように構成することができる。ディフューザー202は、本体204およびガス注入ハウジング212を含む。本体204は、上部シールド220内の孔228と位置合わせすることができるねじ孔210を含むことができる。ねじ孔を通って上部シールド内の孔228内へキャップねじまたは他の締め具を配置して、ディフューザー202を上部シールド220に固定することができる。ガス注入ハウジング212は、第1の筒状の外壁215および第2の筒状の外壁214を含むことができる。第2の筒状の外壁214は、上部シールド220の内面234により近接して配置することができる。第1の筒状の外壁215は、第2の筒状の外壁214の直径D
1より大きい直径を画定することができる。たとえば、様々な例では、第1の筒状の外壁215は、1.060インチの直径を画定し、第2の筒状の外壁214は、1.030インチの直径D
1を画定する。ディフューザー202およびガス注入ハウジング212は、プラズマ処理チャンバに対するプロセスガス供給部と連通することができる筒状の内部空胴206を画定する。ガス注入ハウジング212内には、筒状の内部空胴206から第2の筒状の外壁214まで、ガス注入開孔208のアレイを配置することができる。
図3Aおよび
図3Bに示すように、ガス注入開孔208は、筒状の内部空胴206の円周の周りに、かつ/または筒状の内部空胴206に沿って、長手方向に異なる位置に配置することができる。
図3Aおよび
図3Bに示す例示的なディフューザー202では、長手方向に4列のガス注入開孔208が位置し、ガス注入開孔208の各列は、筒状の内部空胴206の円周の周りに配置された12個のガス注入開孔208を含む。様々な例では、ガス注入開孔208のそれぞれの直径は、0.030インチである。様々な他の例では、ガス注入開孔208のそれぞれの直径は、0.020インチ〜0.040インチである。様々な他の例では、ガス注入開孔208のそれぞれの直径は、0.010インチ〜0.050インチとすることができる。
【0015】
図4は、上部シールド220内に設置されたディフューザー202を示す。
図2も参照すると、上部シールド220は開孔222を含み、開孔222は、第1の直径を画定する第1の部分224と、第2の直径D
2を画定する第2の部分226とを含む。ディフューザー202が上部シールド220内に設置されたとき、ディフューザー202の本体204は、開孔222の第1の部分224内に位置し、ガス注入ハウジング212は、開孔222の第2の部分226内に位置する。開孔222の第2の部分226の直径D
2は、ディフューザー202の第1の筒状の外壁215の直径以上である。たとえば、上述したように、いくつかの例では、ディフューザー202の第1の筒状の外壁215の直径を1.060インチとすることができる。たとえば、開孔222の第2の部分226の直径D
2を1.060インチ〜1.065インチとすることができる。その結果、いくつかの例では、ディフューザー202は、上部シールド220の開孔222内にぴったりと嵌ることができる。
【0016】
上記で論じたように、ディフューザー202の第2の筒状の外壁214の直径D
1は、第1の筒状の外壁215の直径より小さい。その結果、第2の筒状の外壁214の直径D
1もまた、開孔222の第2の部分226の直径D
2より小さい。第2の筒状の外壁214の直径D
1が開孔222の第2の部分226の直径D
2より小さい結果、上部シールド220とディフューザー202との間に環状の間隙232が生じる。たとえば、上述したように、第2の筒状の外壁214の直径D
1を1.030インチとすることができる。上部シールド220内の開孔222の第2の部分226の直径D
2が1.060インチである場合、その結果生じる環状の間隙232の幅を0.015インチとすることができる。環状の間隙232は、上部シールド220によって画定されたプロセス領域246と連通する。様々な例では、第2の筒状の外壁214の長さは約0.60インチである。その結果、環状の間隙232のアスペクト比(環状の間隙232の長さを環状の間隙232の幅で割った値として画定される)は、0.60インチを0.015インチで割った値、または30対1となるはずである。様々な例では、環状の間隙232のアスペクト比は、20対1〜40対1とすることができる。環状の間隙232はまた、ガス注入開孔208を介してディフューザー202内の筒状の内部空胴206と連通する。様々な例では、ガス注入開孔208は、第2の筒状の外壁214の長さのうち、第1の筒状の外壁215に最も近い3分の1の部分内で第2の筒状の外壁214から出るように、筒状の内部空胴206内に配置することができる。そのような配置では、プロセスガスは、矢印Gの方向にディフューザー202の筒状の内部空胴206内へ流れる。次いで、プロセスガスは、ガス注入開孔208を通って流れ(矢印Hで示す)、環状の間隙232に入る(矢印Iで示す)。次いで、プロセスガスは、環状の間隙232に沿って移動し、上部シールド220によって画定されたプロセス領域246に入る(矢印Jで示す)。プロセスガスは、環状のリングの形状でプロセス領域246に入る。様々な例では、プロセスガスは、層流の配置でプロセス領域246に入ることができる。48個のガス注入開孔208が位置し、各ガス注入開孔208の直径が0.030インチである上述した例示的な例では、ガス注入開孔208の総面積は0.017平方インチになるはずである。さらに、環状の間隙232の内径D
1が1.030インチであり、間隙が0.015インチである場合、環状の間隙232に対する総面積は約0.10インチになるはずである。したがって、環状の間隙232に対する総面積とガス注入開孔208の総面積との比は、ほぼ6対1である。様々な例では、環状の間隙232に対する総面積とガス注入開孔208の総面積との比は、4対1〜15対1とすることができる。大きいアスペクト比(たとえば、30対1)と総面積の比(たとえば、6対1)とを組み合わせた結果、筒状の内部空胴206からプロセス領域246内へ流れる際にプロセスガスの大幅な圧力降下を生じさせることができる。こうして圧力降下を大きくすることで、プロセスガスが層流としてプロセス領域246に入ることを確実にすることができる。
【0017】
図1および
図2を再び参照すると、プロセスガスが矢印Jの方向にプロセス領域246に入るとき、電磁エネルギーがプロセスガス(たとえば、アルゴン)を着火してプラズマ(たとえば、プラズマ130)にする。次いで、プラズマは、矢印Lの方向にプロセス領域246内で半径方向に外側へ広がることができる。上部シールド220のそれた内面234は、プラズマが半径方向に外側へ動くのを促進することができる。プラズマの大部分は、電磁エネルギーによって基板(たとえば、
図1の基板126)より上の領域内に閉じ込められる。プラズマからイオンによって除去された基板上の汚染物質および/または基板材料は、矢印Lの方向にさらに半径方向に外側へ動き、次いで、矢印Mで示すように、内面236の外側部分の内側へ湾曲した表面および上部シールド220の筒状ライナ230によって、下側方向に曲げられる。汚染物質および/または基板材料は、下部シールド250、270の方へ誘導される。内面236の外側部分の曲率半径を比較的大きくすることで、角が鋭い場合または曲率半径がより小さい場合と比較すると、汚染物質および/または基板材料の動きを促すことができる。別の言い方をすると、鋭い角または曲率半径が小さい角の場合、矢印Mの方向に流れる汚染物質および/または基板材料がその角で瞬間的に停滞することがある。そのような停滞により、汚染物質および/または基板材料が上部シールドの内面234、236、および240上に蓄積する可能性がある。
【0018】
図に示す例示的な下部シールド250、270では、下部シールドは、第2の部分270内に第1の部分250を含む。
図5Aおよび
図5Bは、下部シールドの第1の部分250を示し、
図6Aおよび
図6Bは、下部シールドの第2の部分270を示す。第1の部分250は、リング状の本体252を含み、本体252は、円周の周りに配置された複数の締め孔254を含む。リング状の本体252の半径方向に内向きの面は、締め孔254間に配置された複数の外向きのアンダーカット260を含む。それぞれの外向きのアンダーカット260からリング状の本体252の頂面261まで、複数の上向きのスロット262が延びることができる。それぞれの外向きのアンダーカット260からリング状の本体252の底面259の方へ、複数の下向きのスロット258が延びることができる。たとえば、上向きのスロット262は、3つのスロット262a、262b、および262cを含むことができ、下向きのスロット258は、3つのスロット258a、258b、および258cを含むことができる。1組の3つのスロット262a、262b、および262cは、リング状の本体252上で、円周方向に同じ位置であるが半径方向に異なる位置に配置することができる。
図5A〜
図5Cに示す例示的なリング状の本体252では、スロット262aは、半径方向に最も外側寄りのスロットであり、スロット262bは、中間のスロットであり、スロット262cは、半径方向に最も内側寄りのスロットである。同様に、1組の3つのスロット258a、258b、および258cは、リング状の本体252上で、円周方向に同じ位置であるが半径方向に異なる位置に配置することができる。
図5A〜
図5Cに示す例示的なリング状の本体252では、スロット258aは、半径方向に最も外側寄りのスロットであり、スロット258bは、中間のスロットであり、スロット258cは、半径方向に最も内側寄りのスロットである。特定の例では、スロット258、262は、4.5対1のアスペクト比(外向きのアンダーカット260からリング状の本体252の外面までのスロットの長さを半径方向のスロットの幅で割った値として画定される)を画定することができる。たとえば、各スロットの長さを0.45インチとすることができ、各スロットの幅を0.10インチとすることができ、その結果、アスペクト比は4.5対1とすることができる。様々な他の例では、スロットに対するアスペクト比は、たとえば、3対1〜6対1とすることができる。様々な例では、リング状の本体252の底面259は、水平の底面264に対して角度αで配置することができ、それにより、底面259は、半径方向の距離が大きくなるにつれて高さが増大する。そのような角度αは、下部シールドの第2の部分270および
図2Bに示すブラケット312などの他の構造からのスロット258に対する隙間を提供することができる。外向きのアンダーカット260は、スロット258に対するアスペクト比が維持されるように、同様の角度を付けた表面を含むことができる。
【0019】
図6Aおよび
図6Bは、下部シールドの第2の部分270を示す。第2の部分270は、垂直ライナ部分274および水平ライナ部分280を含み、垂直ライナ部分274と水平ライナ部分280との間に湾曲ライナ部分276が位置する。湾曲ライナ部分276は、曲率半径R
3を画定する。特定の例では、曲率半径R
3を0.40インチとすることができる。様々な他の例では、曲率半径R
3を0.2インチ〜0.6インチとすることができる。第2の部分270はまた、締めフランジ272を含み、締めフランジ272の周りに複数のねじ孔278が配置される。水平ライナ部分280から締めフランジ272への遷移部は、垂直リップ282を含む。キャップねじなどの締め具が、第1の部分250のリング状の本体252内の締め孔254を通過し、締めフランジ272内のねじ孔278に係合して、第1の部分250および第2の部分270を締め合わせることができる。
【0020】
図7は、組み合された下部シールドの第1の部分250および第2の部分270を示す。
図7はまた、下部シールドの第1の部分250と係合された(たとえば、
図2Bに示すプラズマ処理チャンバ300内に係合される)上部シールド220の筒状ライナ230の底部部分を示す。
図7に示すように、上部シールド220の筒状ライナ230は、下部シールドの第1の部分250から分離することができ、それにより、筒状ライナ230の外向きの表面238と第1の部分250の内向きの上部表面268との間に環状の間隙271が形成される。環状の間隙271は、スロット262に類似のアスペクト比を有することができる。そのような環状の間隙は、下部シールド250、270の第1の部分250内のスロット262とともに、スロットとして機能することができる。別法として、筒状ライナ230の外向きの表面238は、下部シールドの第1の部分250の内向きの上部表面268に軽く接触することができ、または内向きの上部表面268から密接して隔置することができる。下部シールドの第1の部分250が第2の部分270と組み立てられたとき、第1の部分250の底面264は、締めフランジ272上に載置される。また、第1の部分250の内向きの下部表面266が、第2の部分270の垂直リップ282に隣接する。様々な例では、内向きの表面266は、垂直リップ282に接触する。様々な他の例では、環状の間隙によって内向きの表面266を垂直リップ282から分離することができる。第1の部分250および第2の部分270は、汚染物質および/または基板材料がプロセス領域246から逃れるための流路を生じさせる。
図7は、内面236の外側部分および上部シールド220の筒状ライナ230によって材料を下向きに変えた後のプロセス領域246からの汚染物質および/または基板材料の流れである矢印Mを示す。材料は、矢印Nで示すように、下部シールドの第2の部分270の垂直ライナ部分274、湾曲ライナ部分276、および水平ライナ部分280によって半径方向に外側へ向けられる。材料は、下部シールドの第1の部分250内の外向きのアンダーカット260に入る。次いで、材料は、矢印Oの方向に上向きのスロット262を通って流れ、また矢印Pの方向に下向きのスロット258へ流れる。
【0021】
図2Bは、プラズマ処理チャンバ300内に配置されたプロセスキット200およびプラズマ処理チャンバ300を通るプロセスガスの流れを示す。プラズマ処理チャンバ300は、リッド302およびチャンバ壁304を含む。プロセスキット200のディフューザー202は、上部シールド220内に設置され、上部シールド220に取り付けられる。下部シールド250、270は、ブラケット312によってペデスタル310に取り付けられる。ペデスタル310は、上下(矢印Zの方向)に動くことができる。ペデスタル310を下側(上部シールド220から離れる方)へ動かすと、ペデスタル310上に支持された基板を上部シールド220より下に位置付け、ロボットによりペデスタル310から基板を移送することを可能にすることができる。ペデスタル310を上側(上部シールド220の方)へ動かすと、上部シールド220の筒状の壁230を下部シールドの第1の部分250に係合させ(
図7を参照して上記で論じた)、その結果、プロセス領域246を形成することができる。
【0022】
エッジリング314がペデスタルの頂面を取り囲み、この頂面上に部分的に載置することができる。エッジリング314は、プロセス領域246内のプラズマが基板全体にわたって延びることを確実にすることができる。ディフューザー202、上部シールド220、および下部シールド250、270は、ペデスタル310および無線周波源から接地される。エッジリング314は、石英または別の電気絶縁材料から形成することができる。様々な態様では、下部シールド250、270をペデスタルに取り付けるブラケット312もまた、プラスチック材料などの電気絶縁材料から形成することができる。様々な他の態様では、ブラケット312は、金属から形成することができ、ブラケット312とペデスタル312との間に絶縁材料を配置することができる。プラズマ処理チャンバ300内のブラケット316に、複数の接地リング318を取り付けることができる。たとえば、
図5Aを再び参照すると、接地リング318は、各接地リング318が下部シールドの第1の部分250内の締め孔254の1つと位置合わせされるように、円周方向に隔置することができる。ペデスタル310が上部シールド220の方へ持ち上げられたとき、接地リング318は、下部シールド250、270の第1の部分250の頂面261内に接触し、それによって、プラズマ処理チャンバ300の接地された上部シールド220およびリッド302に下部シールド250、270を電気的に結合する。接地リング318は、略輪状であり、矢印Zの方向に弾性的に変形可能である。その結果、接地リング318は、上部シールド220に対するペデスタル310および下部シールド250、270の位置範囲にわたって、下部シールドの第1の部分250内の締め具との接触を維持することができる。
【0023】
図2Bは、プラズマ処理チャンバ300に入り、プロセス領域246を通ってプラズマ処理チャンバ300から出るプロセスガス(たとえば、アルゴン)の流れを示す。プロセスガスは、リッド302内のポート308を通ってプラズマ処理チャンバ300に入る(矢印Gで示す)。ポート308は、プロセスガスが上部シールド220の中心でディフューザー202を通過してプロセス領域246に入るように(矢印Jで示す)、ディフューザー202と連通している。プロセス領域246では、プロセスガスは、電磁エネルギーによって着火され、プラズマになる。プラズマは、ペデスタル310上の基板から汚染物質および/または基板材料をエッチングする。エッチングされた汚染物質および/または基板材料(ならびに電磁場から漏れることのあるあらゆるプラズマ)は、矢印Lの方向に半径方向に外側へ流れる。次いで、エッチングされた材料は、矢印Mの方向に下部シールド250、270の方へ、上部シールド220によって下側へ曲げられる。下部シールド270の第2の部分は、矢印Nの方向に、エッチングされた材料を半径方向に外側へ誘導する。次いで、エッチングされた材料は、矢印OおよびPの方向に、それぞれ下部シールド250、270の第1の部分250内のスロット262および258を通過する。次いで、エッチングされた材料は、矢印Qの方向に、ポート306を通過してプラズマ処理チャンバ300から出ることができる。
【0024】
図2Aに示すプロセスキット200を使用するプラズマ処理チャンバの試験により、プラズマ処理効率の改善が実証される。たとえば、
図2Aに示すプロセスキット200のようなプロセスキットを使用するプラズマ処理チャンバは、所与の動作圧力(たとえば、0.007トル)で、プロセスガスならびに除去された汚染物質および/または基板材料の流れが約4倍増大することを示した。加えて、上部シールド220上の湾曲表面236および下部シールド250、270上の湾曲表面276は、上部シールド220および下部シールド250、270上の汚染物質および/または基板材料の蓄積が大幅に低減することを示し、その結果、プロセスキット200に必要とされる保守ステップが少なくなるはずである。