【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、撮影角度を変化させながら物体を撮影することにより得られる複数の画像が、観察角度を変化させることにより順次再生される複数の回折画像として記録された表示体であって、前記観察角度の変化の大きさに対して、複数の回折画像が順次再生されることによって表現される前記物体の回転の角度の大きさがより大きい表示体が提供される。
【0008】
回折画像を表示する一般的な表示体は、表示面が平面又はそれに近い形状である。それ故、そのような表示体は、回折画像を視認可能な表示体の傾き角、即ち観察角度の範囲に制限がある。そのような制限のもとでは、動画によって表現される物体の回転の角度を大きくすることはできない。
【0009】
これに対し、上記の表示体では、観察角度の変化の大きさに対して、回折画像が順次再生されることによって表現される物体の回転の角度の大きさをより大きくしている。それ故、観察角度の変化が小さくても、動画において物体を大きく回転させることができる。従って、この表示体が表示する動画は、観察者へ強い印象を与え得る。例えば、観察者は、この動画はダイナミックに変化するという印象を受ける。
【0010】
前記観察角度の変化の大きさに対する、前記物体の回転の角度の大きさの比は、1.4乃至1.6の範囲内にあることが好ましい。この比を小さくすると、この表示体が表示する動画が観察者へ与える印象が弱くなる傾向にある。この比を過剰に大きくすると、観察角度を僅かに変えただけで動画において物体が大きく回転するため、動画を観察し辛くなる可能性がある。
【0011】
前記複数の回折画像が順次再生される前記観察角度の上限値と下限値との差、即ち、観察角度範囲は、40°乃至60°の範囲内にあることが好ましい。この観察角度範囲を小さくすると、動画における物体の回転を確認し辛くなる可能性がある。この観察角度範囲を大きくすると、明るい動画を表示することが難しくなるか、又は、観察角度の変化に応じた画像の変化の滑らかさが低下する可能性がある。
【0012】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の回折画像のうち、前記観察角度が第1値より小さい場合に再生される画像と、前記観察角度が前記第1値と比較してより大きい第2値を超える場合に再生される画像とは、前記観察角度が前記第1値乃至前記第2値の範囲内にある場合に再生される画像と比較してより暗い上記側面に係る表示体が提供される。
【0013】
比較的狭い観察角度範囲内で動画を表示するように設計されたホログラムは、上記角度範囲内の全域に亘って鮮明な画像を表示することができる。しかしながら、比較的広い観察角度範囲内で動画を表示するように設計されたホログラム、特には、画像の形状及び位置の少なくとも一方が照明又は観察方向の変化に応じて大きく変化するように設計されたホログラムは、以下に説明するように、それが表示する画像が観察者に不自然な印象を与える可能性がある。
【0014】
屋内では、通常、表示体の照明に使用する光源は、点光源ではなく、また、平行光線を射出するものでもない。即ち、通常、屋内では、表示体には様々な方向から光が入射する。それ故、或る方向から表示体を観察した場合、その方向から表示体を観察した場合に見えるべき画像(以下、正像という)と、他の方向から表示体を観察した場合に見えるべき1以上の画像(以下、ゴースト像という)とが部分的に重なって見える可能性がある。
【0015】
但し、実際には、表示体には、全方向から同じ強さの光が入射する訳ではない。通常、特定の方向から表示体へ入射する光が最大強度を示し、その方向からのズレが大きくなるほど入射光の強度は低下する。
【0016】
また、最大強度を示す入射光に対する回折光の回折角と、この入射光とは入射角が僅かに異なる入射光に対する回折光の回折角との差は、それら回折角が大きくなるのに伴って増大する。即ち、回折角が小さな回折光が表示する画像を観察する観察条件下では、入射角が僅かに異なる入射光に由来する正像及びゴースト像は、形状及び位置の相違が小さい。これに対し、回折角が大きな回折光が表示する画像を観察する観察条件下では、入射角が僅かに異なる入射光に由来する正像及びゴースト像は、形状及び位置の相違が大きい。
【0017】
それ故、上記の重なり合いが画像の鮮明さに及ぼす影響は、回折角が小さな回折光が表示する画像を観察する観察条件下では、知覚不可能な程度に小さい。これに対し、回折角が大きな回折光が表示する画像を観察する観察条件下では、上記の重なり合いに起因して、画像がぼやけて見えることがある。このような画像は、観察者に不自然な印象を与える。
【0018】
この問題は、例えば、照明又は観察方向の変化に応じた画像の形状及び位置の変化を小さくすることにより解消できる。しかしながら、この場合、動画によって表現される物体の回転の角度が小さくなる。
【0019】
或いは、この問題は、上述した物体の回転を知覚可能な観察角度の範囲を狭めることによっても解消できる。しかしながら、この場合、観察角度を僅かに変えただけで、この方向が上記範囲から外れる。即ち、観察角度を僅かに変えただけで、上述した物体の回転を知覚できなくなる。それ故、そのような構造を採用した表示体は、観察者に不自然な印象を与える。
【0020】
上記の表示体は、複数の回折画像のうち、観察角度が第1値より小さい場合に再生される画像と、観察角度が第1値と比較してより大きい第2値を超える場合に再生される画像とが、観察角度が第1値乃至第2値の範囲内にある場合に再生される画像と比較してより暗くなるように設計している。従って、例えば、観察角度を第1値乃至第2値の範囲内から第1値未満又は第2値超へ変化させた場合に、画像の明るさが低下する。
【0021】
画像が暗くなると、ゴースト像の明るさも低下し、ゴースト像が画像の鮮明さに及ぼす影響は小さくなる。また、画像が暗くなると、正像とゴースト像との重なり合いに起因したぼやけも知覚され難くなる。従って、この表示体は、観察者に不自然な印象を与えることなしに、比較的広い角度範囲内で動画を表示することが可能である。
【0022】
上記表示体は、前記観察角度が前記第1値より小さい第3値から前記第2値より大きい第4値までの範囲内で前記画像を表示し、前記第2値と前記第1値との差は25°乃至35°の範囲内にあり、前記第1値と前記第3値との差は5°乃至15°の範囲内にあり、前記第4値と前記第2値との差は5°乃至15°の範囲内にあることが好ましい。これら差が上記範囲内にある場合、観察者に不自然な印象を与えないことと、比較的広い角度範囲内で動画を表示することとを、特にバランスよく達成することができる。
【0023】
上記側面
に係る表示体の各々では、前記観察角度を第1観察角度範囲内で変化させた場合、及び、前記観察角度を前記第1観察角度範囲の上限値よりも大きな下限値を有する第2観察角度範囲内で変化させた場合の各々において、前記観察角度を前記第1観察角度範囲の上限値よりも大きな下限値を有し且つ前記第2観察角度範囲の下限値よりも小さな上限値を有する第3観察角度範囲内で変化させた場合と比較して、前記観察角度の変化量に対する再生される画像の数の比がより小さ
い。
【0024】
観察角度の変化量に対する再生される画像の数の比を大きくすると、観察角度の変化に応じた画像の変化は滑らかになる。一方、この比を小さくすると、観察角度の変化に応じた画像の変化の滑らかさは低下する。但し、動画の明るさは、この比が小さな観察角度範囲では、この比が大きな観察角度範囲と比較してより暗い。それ故、この比が小さな観察角度範囲では、観察角度の変化に応じた画像の変化の滑らかさが低いとしても、それが観察者に不自然な印象を与える可能性は小さい。
【0025】
また、上記の通り、画像を暗くすると、正像とゴースト像との重なり合いに起因したぼやけは知覚され難くなる。これと同様に、動画を暗くした場合も、正像とゴースト像との重なり合いに起因したぼやけは知覚され難くなる。従って、この点でも、この表示体は、観察者に不自然な印象を与えることなしに、比較的広い角度範囲内で動画を表示することが可能である。
【0026】
前記第1観察角度範囲の上限値と下限値との差は25°乃至35°の範囲内にあり、前記第2観察角度範囲の上限値と下限値との差は5°乃至15°の範囲内にあり、前記第3観察角度範囲の上限値と下限値との差は5°乃至15°の範囲内にあることが好ましい。これら差が上記範囲内にある場合、観察者に不自然な印象を与えないことと、比較的広い角度範囲内で動画を表示することとを、特にバランスよく達成することができる。
【0027】
本発明の更に他の側面によると、複数のサブ画素を各々が含んだ複数の画素を備え、前記複数の画素のうち、法線方向から照明光で照明した場合に回折光を射出するサブ画素を2以上含んだものの各々において、前記2以上のサブ画素は前記回折光を異なる射出角で射出する上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
【0028】
上記の表示体では、各画素が含んでいる1以上のサブ画素は、照明方向及び観察方向に対する表示体の傾きが或る角度である場合に観察者に知覚させるべき画像の一部(画像要素)に利用することができる。そして、この表示体は、或る画像を、複数の画素に亘って分布した或るサブ画素群で表示し、他の画像を、複数の画素に亘って分布した他のサブ画素群で表示するように設計され得る。
【0029】
なお、同一の画像を右眼と左眼とで知覚するように画素を設計すると、平面画像が表示される。また、同一の物体を異なる角度又は異なる位置から撮影した画像に相当する右眼用画像及び左眼用画像をそれぞれ右眼と左眼とで知覚するように画素を設計すると、両眼視差を利用した立体画像が表示される。
【0030】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の回折画像としてフルカラー画像を表示するように構成された上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
【0031】
上記の表示体には、モノクローム画像を表示する構成を採用することも、フルカラー画像を表示する構成を採用することも可能である。フルカラー画像を表示するには、例えば、各画素内に、赤色用サブ画素、緑色用サブ画素及び青色用サブ画素の組を観察角度毎に配置すればよい。
【0032】
本発明の更に他の側面によると、表面にレリーフ構造を有するレリーフ構造形成層と、前記表面を被覆した反射層とを具備し、前記レリーフ構造は、前記レリーフ構造形成層と前記反射層との界面又は前記反射層の表面に、前記複数の回折画像を再生する回折格子を形成した上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
【0033】
レリーフ構造形成層の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線若しくは電子線硬化性樹脂を使用する。熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂又はビニル樹脂を使用する。熱硬化性樹脂としては、例えば、反応性水酸基を有するアクリルポリオール若しくはポリエステルポリオールにポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン樹脂又はフェノール樹脂を使用する。紫外線又は電子線硬化性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂を使用できる。アクリル樹脂としては、例えば、エポキシアクリル、エポキシメタクリル、ウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレートを使用する。
【0034】
レリーフ構造形成層は、例えば、以下の方法より形成することができる。例えば、熱可塑性樹脂層に、レリーフ構造が設けられたスタンパを、熱を印加しながら押し当て、その後、熱可塑性樹脂層からスタンパを取り除く。或いは、紫外線硬化性樹脂からなる塗膜を形成し、これにスタンパを押し当てながら紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、その後、塗膜からスタンパを取り除く。或いは、熱硬化性樹脂からなる塗膜を形成し、これにスタンパを押し当てながら加熱して熱硬化性樹脂を硬化させ、その後、塗膜からスタンパを取り除く。レリーフ構造形成層の厚さは、例えば、1μm以上25μm以下とすることができる。
【0035】
反射層としては、例えば、アルミニウム、銀、金、及びそれらの合金などの金属材料からなる金属層を使用することができる。或いは、反射層として、レリーフ構造形成層とは屈折率が異なる誘電体層を使用してもよい。或いは、反射層として、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体、即ち、誘電体多層膜を使用してもよい。なお、誘電体多層膜が含む誘電体層のうち、レリーフ構造形成層と接触しているものの屈折率は、レリーフ構造形成層の屈折率とは異なっていることが望ましい。反射層は、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。誘電体層又は誘電体多層膜には、無機化合物又は有機化合物を使用できる。
【0036】
無機化合物としては、例えば、酸化物、硫化物、及び窒化物が挙げられる。酸化物としては、例えば、金属酸化物やシリコン酸化物(SiO)を用いることができる。窒化物としては、例えば、金属窒化物を用いることができる。硫化物としては、例えば、金属硫化物を用いることができる。金属酸化物としては、例えば、チタン酸化物(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、又はアルミナを用いることができる。硫化物としては、例えば、硫化亜鉛(ZnS)又は硫化アルミニウム(AlS)を用いることができる。窒化物としては、例えば、窒化カルシウム(CaN)を用いることができる。
【0037】
反射層は、レリーフ構造形成層の2つの主面のうち、レリーフ構造が形成された主面であるレリーフ構造面の一部又は全部を覆っている。反射層がレリーフ構造面の一部を覆っている場合、反射層の輪郭の形状に対応したパターンを表示することができる。反射層の輪郭が表示するパターンは、レリーフ構造が表示するパターンと関連したものとすることができる。
【0038】
反射層のレリーフ構造面側とは反対側の面には、反射保護層が設けられていてもよい。反射保護層を部分的に開口した層として形成し、この反射保護層をエッチングマスクとして用いて、反射層のうち反射保護層で覆われていない部分を選択的にエッチングすることで、レリーフ構造面を部分的に覆った反射層を得ることができる。
【0039】
反射保護層には、例えば、無機化合物、ポリマー、又はそれらの組み合わせを用いることができる。無機化合物としては、例えば、酸化物又は窒化物を用いることができる。酸化物は、例えば、シリコン酸化物(SiO)又はアルミナであり、窒化物は、例えば、窒化カルシウム(CaN)、窒化チタン(TiN)又は窒化アルミニウム(AlN)である。ポリマーは、例えば、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂である。
反射層の厚さは、例えば、10nm以上500nm以下とすることができる。
【0040】
本発明の更に他の側面によると、前記回折格子を構成する稜又は溝のピッチは、500nm乃至2000nmの範囲内にある上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
【0041】
本発明の更に他の側面によると、前記複数の画素の各々は、縦方向及び横方向の寸法の各々が、10μm乃至200μmの範囲内にあり、好ましくは50μm乃至100μmの範囲内にある上記側面の何れかに係る表示体が提供される。ここで、「縦方向」は、表示体が表示する画像の上下方向である。また、「横方向」は、表示体が表示する画像の左右方向である。
【0042】
本発明の更に他の側面によると、前記サブ画素の各々は、縦方向の寸法が0.5μm乃至50μm、横方向の寸法が50μm乃至0.5μmの範囲内にあり、面積が10μm
2乃至100μm
2の範囲内にある上記側面の何れかに係る表示体が提供される。
【0043】
カラー表示を行う場合は、前記複数の画素の各々は、前記サブ画素の各々として、特定の角度で赤色を表示するサブ画素(サブ画素R)、先の特定の角度で緑色を表示するサブ画素(サブ画素G)、先の特定の角度で青色を表示するサブ画素(サブ画素B)を含むことができる。サブ画素R、サブ画素G、及びサブ画素Bの寸法の範囲は、上述した前記サブ画素の寸法の範囲と同様である。
【0044】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体を含んだ転写材層と、前記転写材層を剥離可能に支持した支持体とを具備した転写箔が提供される。
【0045】
一例によれば、転写材層は、互いに隣接した転写部及び非転写部を含んでいる。転写部は、転写材層のうち、物品へ転写される部分であって、上記の表示体を含んでいる。非転写部は、転写材層のうち、物品へ転写されずに残留する部分である。非転写部は、転写部と同様の層構成を有している。
【0046】
支持体は、例えば、樹脂フィルム又はシートである。支持体は、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの耐熱性に優れた材料からなる。支持体の転写材層を支持している主面には、例えばフッ素樹脂又はシリコーン樹脂を含んだ離型層が設けられていてもよい。支持体の厚さは、4μm以上50μm以下とすることができる。
【0047】
本発明の更に他の側面によると、前記転写材層は、前記表示体と前記支持体との間に介在した剥離保護層を更に含んだ上記側面に係る転写箔が提供される。
剥離保護層は、転写部の支持体からの剥離を容易にするとともに、剥離した転写部、即ち、表示体の表面を損傷及び劣化から保護する役割を果たす。剥離保護層は、例えば、光透過性を有している。剥離保護層は、例えば樹脂からなる。剥離保護層を構成している樹脂は、例えば、紫外線硬化した樹脂、熱硬化した樹脂、又は、熱可塑性樹脂である。この樹脂には、例えば、アクリル樹脂を用いることができる。剥離保護層の厚さは、例えば、0.5μm以上5μm以下とすることができる。
【0048】
本発明の更に他の側面によると、前記転写材層を被覆した接着層を更に具備した転写箔が提供される。
【0049】
接着層は、例えば熱可塑性樹脂からなる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、及びオレフィン樹脂が挙げられる。接着層の厚さは、例えば、0.5μm以上20μm以下とすることができる。
【0050】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体と、前記表示体の一方の主面に設けられた粘着層とを具備した粘着ラベルが提供される。
【0051】
粘着層は、感圧接着剤などの粘着剤からなる。粘着剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、又は、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコーン系若しくはポリイソブチル系粘着剤を使用する。
【0052】
粘着剤は、添加剤を更に含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、アルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン及びビニルモノマーなどの凝集成分;不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー及びアクリルニトリルなどの改質成分;重合開始剤;可塑剤;硬化剤;硬化促進剤;酸化防止;又はそれらの2つ以上を含んだ混合物を使用する。
【0053】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体と、前記表示体を支持した物品とを具備した表示体付き物品が提供される。
【0054】
物品は、どのような方法で表示体を支持していてもよい。例えば、表示体は、物品の表面に貼り付けられていてもよく、物品内に埋め込まれていてもよい。
【0055】
本発明の更に他の側面によると、前記物品は、プラスチック、金属、紙、又はそれらの複合体を含んだ上記側面に係る表示体付き物品が提供される。
【0056】
本発明の更に他の側面によると、前記物品は紙を含み、前記表示体は前記紙に漉き込まれ、前記紙は前記表示体の位置で開口している上記側面の何れかに係る表示体付き物品が提供される。
【0057】
本発明の更に他の側面によると、前記表示体付き物品は、紙幣、有価証券、証明書類、クレジットカード、パスポート及びID(identification)カードなどの個人認証媒体、内容物を包装した包装体である上記側面の何れかに係る表示体付き物品が提供される。
【0058】
本発明の更に他の側面によると、上記側面の何れかに係る表示体を製造するために使用するスタンパが提供される。
【0059】
本発明の更に他の側面によると、
上記側面に係るスタンパの製造方法であって、撮影角度を変化させながら物体を撮影することにより得られる複数の画像データの各々と、前記撮影角度に0より大きく且つ1未満の係数を乗じることにより得られる観察角度とを関連付けることと、前記観察角度と各々が関連付けられた前記複数の画像データから、描画パターンを生成することと、前記描画パターンに従ってレジスト膜への電子線描画を行い、レジストパターンを得ることとを含んだスタンパの製造方法が提供される。