(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
集電板と、前記集電板に電気的活物質をコーティングすることで形成されたコーティング部と、前記集電板の外周部分に形成された、前記電気的活物質がコーティングされていない非コーティング部とを含む電極板を用意する段階、および、レーザ切断作業前にコーティング部と、非コーティング部の一部とに予めセラミック層を形成する段階、
前記非コーティング部の内側方向に連続波レーザビームを照射して、前記非コーティング部の一定の領域が切断されて形成されたラインである複数の切断部と、相互に離隔した一対の切断部間に前記非コーティング部から外側方向に延長されて前記端子に電気的に接続するタップとを形成することによって、前記切断部に沿って前記非コーティング部の厚さ方向に曲面部が形成され、前記曲面部の一部が前記セラミック層で覆われるようにする段階を含み、
前記切断部は、前記電極板の長手方向に沿った第1の切断部と、前記タップの対向する両側端部に位置する第2の切断部と、を含み、
前記曲面部の一部が前記セラミック層で覆われるようにする段階において、
前記第2の切断部に形成される前記曲面部は、セラミック層で覆われず、
前記第1の切断部に形成される前記曲面部は、セラミック層で覆われる、ことを特徴とする二次電池の製造方法。
前記集電板がアルミニウムまたはアルミニウム合金であり、前記連続波レーザビームのエネルギーは19cal/s乃至119cal/sであり、前記連続波レーザビームの移動速度は100mm/s乃至5000mm/sであることを特徴とする請求項6に記載の二次電池の製造方法。
前記集電板が銅または銅合金であり、前記連続波レーザビームのエネルギーは47cal/s乃至143cal/sであり、前記連続波レーザビームの移動速度は100mm/s乃至9000mm/sであることを特徴とする請求項6に記載の二次電池の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。
本発明の実施例は該当技術分野において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものであり、下記実施例は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が下記実施例に限定されるものではない。むしろ、これら実施例は本開示をより充実かつ完全になるようにし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0027】
また、以下の図面において、各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上で同一符号は同一な要素を示す。本明細書で用いられたように、‘および/または’という用語は該当記載された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0028】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施例を説明するために用いられ、本発明を限定しようとするものではない。本明細書に用いられたように、単数型は文脈上異なる場合を明白に指摘するものでない限り、複数型を含むことができる。また、本明細書で用いられる‘含む(comprise)’および/または‘含んでいる(comprising)’は言及された形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらの組み合わせが存在することを特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはこれらの組み合わせの存在または付加を排除するものではない。
【0029】
本明細書で第1、第2などの用語が多様な部材、部品、領域、層および/または部分を説明するために用いられるが、これら部材、部品、領域、層および/または部分は、前記用語によって限定されてはならないということは明らかであろう。前記用語は一つの部材、部品、領域、層または部分を他の領域、層または部分から区別する目的にのみ用いられる。したがって、以下に説明する第1部材、部品、領域、層または部分は、本発明の思想を外れなくても第2部材、部品、領域、層または部分を指称することができる。
【0030】
また、本明細書で用いられる“タップ”は“正極タップ”および/または“負極タップ”を含む概念である。正極タップは正極板の正極集電板から直接外側方向に延長して形成され、また、負極タップは負極板の負極集電板から直接外側方向に延長して形成されることができる。また、正極タップは正極板の正極集電板に別途溶接して外側方向に一定の長さ延長して形成され、負極タップは負極板の負極集電板に別途溶接して外側方向に一定の長さ延長して形成されることができる。このように、前記“タップ”は複合的な意味を有するので、いずれか一つの意味で縮小解釈してはいけない。
【0031】
図1は本発明の一実施例による二次電池を示した斜視図であり、
図2は
図1における2−2線に沿って切り取った二次電池を示した断面図であり、
図3は本発明の一実施例による二次電池を示した分解斜視図である。
【0032】
図1乃至
図3に示されているように、本発明の一実施例による二次電池100は電極組立体110、第1端子120、第2端子130、ケース140およびキャップ組立体150を含む。
【0033】
電極組立体110は薄い板型あるいは膜型に形成された第1電極板111、分離膜113、第2電極板112の積層体を巻き取るか重ねて形成する。ここで、第1電極板111は正極として動作することができ、第2電極板112は負極として動作することができる。もちろん、その逆も可能である。
【0034】
第1電極板111はアルミニウムまたはアルミニウム合金のような金属箔またはメッシュで形成された第1集電板111aと、第1集電板111aに遷移金属酸化物などの第1電気的活物質がコーティングされて形成された第1コーティング部111bと、第1電気的活物質がコーティングされない領域である第1非コーティング部111cと、第1非コーティング部111cの内側方向に形成された第1切断部111d(
図4aおよび
図4b参照)と、第1切断部111dに沿って第1非コーティング部111cの厚さ方向に形成された第1曲面部111e(
図4aおよび
図4b参照)と、第1非コーティング部111cから外側方向に延長されて第1端子120に電気的に連結された第1タップ111fを含む。
【0035】
ここで、第1タップ111fは第1電極板111と第1端子120の間の電流通路になる。さらに、第1電極板111の切断部111d、曲面部111eおよび第1タップ111fは、以下で他の図面を利用してより詳細に説明する。
【0036】
第2電極板112は銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金のような金属箔またはメッシュで形成された第2集電板112aと、第2集電板112aに黒鉛または炭素などの第2電気的活物質がコーティングされて形成された第2コーティング部112bと、第2電気的活物質がコーティングされない領域である第2非コーティング部112cと、第2非コーティング部112cの内側方向に形成された第2切断部と、第2切断部に沿って第2非コーティング部112cの厚さ方向に形成された第2曲面部と、第2非コーティング部112cから外側方向に延長されて第2端子130に電気的に連結された第2タップ112fとを含む。
【0037】
ここで、第2タップ112fは第2電極板112と第2端子130の間の電流通路になる。さらに、第2非コーティング部112c、第2切断部、第2曲面部および第2タップ112fの外形は実質的に上述した第1非コーティング部111c、第1切断部111d、第1曲面部111eおよび第2タップ112fの外形と同一または類似であるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0038】
このような第1電極板111および第2電極板112は極性を異にして配置されることができる。
【0039】
分離膜113は第1電極板111と第2電極板112の間に位置して短絡を防止しリチウムイオンの移動を可能にする役割を果たし、ポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンとポリプロピレンの複合フイルムからなることができる。しかし、本発明にて前記分離膜の材質を限定するものではない。
【0040】
一方、このような電極組立体110が有する巻取軸は第1端子120が有する端子軸および第2端子130が有する端子軸にほぼ平行またはほぼ水平に形成される。ここで、巻取軸および端子軸は
図2および
図3で上下方向に形成された軸を意味し、巻取軸および端子軸がほぼ平行または水平であるというのは巻取軸および端子軸を長く伸ばしても互いに合わないか、または伸ばしすぎる場合互いに合う可能性があることを意味する。
【0041】
また、前述のように電極組立体110と第1端子120の間には第1タップ111fが介在し、電極組立体110と第2端子130の間には第2タップ112fが介在する。つまり、第1タップ111fは電極組立体110の上段から第1端子120に向かって延長して接続または溶接される。また、第2タップ112fは電極組立体110の上段から第2端子130に向かって延長して接続または溶接される。
【0042】
実質的に、第1タップ111fは前述のように第1電極板111のうち第1活物質がコーティングされない第1非コーティング部111c自体であるか、または第1非コーティング部111cに接続された別途部材でありうる。ここで、別途部材の材質はアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金およびその等価物の中から選択された一つでありうる。
【0043】
また、第2タップ112fは第2電極板112のうち第2活物質がコーティングされない第2非コーティング部112c自体であるか、または第2非コーティング部112cに接続された別途部材でありうる。ここで、別途部材の材質はニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金およびその等価物の中から選択された一つでありうる。
【0044】
このように、電極組立体110が有する巻取軸と端子120、130が有する端子軸が相互にほぼ平行または水平に形成されることによって、電解液注液方向と巻取軸方向も平行または水平に形成されて、電解液注入の際に電極組立体110の電解液含浸性が優れているだけでなく、過充電の際に内部ガスが安全ベント154に迅速に移動して安全ベント154を速やかに動作させる。
【0045】
また、電極組立体110が有するタップ111f、112f(非コーティング部自体または別途部材)が端子120、130に直接電気的に接続されて電気的経路が短くなることによって、二次電池100の内部抵抗が減少するだけでなく、部品数も減少する。
【0046】
このような電極組立体110は実質的に電解液と共にケース140に収容される。前記電解液はEC、PC、DEC、EMC、DMCのような有機溶媒にLiPF
6、LiBF
4のようなリチウム塩からなることができる。また、前記電解液は液体、固体またはゲル状でありうる。
【0047】
第1端子120は金属で形成され、第1電極板111と電気的に連結される。このような第1端子120は第1端子柱121、第1フランジ122および第1端子プレート123を含む。
【0048】
実質的に、第1端子柱121は第1フランジ122と一体に形成され、後述するキャッププレート151を貫通して上部に一定長さの突出および延長され、キャッププレート151の下部で第1タップ111fと電気的に連結される。つまり、第1端子柱121の下端に第1端子柱121がキャッププレート151から抜けないように相対的に広い第1フランジ122が形成され、このような第1フランジ122に上述した第1タップ111fが電気的に接続される。
【0049】
第1端子柱121および第1フランジ122はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、したがって、第1フランジ122にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1タップ111fが容易に電気的/機械的に接続される。
【0050】
第1端子プレート123はキャッププレート151の上に位置し、ホール123aを有する。また、このようなホール123aに第1端子柱121が結合して溶接される。例えば、レーザビームが上部に露出した第1端子柱121と第1端子プレート123の境界領域に提供されることによって、前記境界領域は相互間溶融した後、冷却されて溶接される。このような溶接領域は
図3で符号124に示している。
【0051】
また、第1端子プレート123はキャッププレート151と電気的に連結され、したがって、以下に説明するキャッププレート151およびケース140は第1端子120と同じ極性(例えば、正極)を有することができる。
【0052】
第2端子130は金属で形成され、第2電極板112と電気的に連結される。このような第2端子130は第2端子柱131、第2フランジ132および第2端子プレート133を含む。
【0053】
実質的に、第2端子柱131は第2フランジ132と一体に形成され、後述するキャッププレート151を貫通して上部に一定長さの突出および延長され、キャッププレート151の下部で第2タップ112fと電気的に連結される。つまり、第2端子柱131の下端に第2端子柱131がキャッププレート151から抜けないように相対的に広い第2フランジ132が形成され、このようなフランジ132に上述した第2タップ112fが電気的に接続される。
【0054】
このような第2端子柱131および第2フランジ132は銅または銅合金からなり、したがって、第2フランジ132に銅、銅合金、ニッケルまたはニッケル合金からなる第2タップ112fが容易に電気的/機械的に接続される。
【0055】
第2端子プレート133もキャッププレート151の上に位置し、ホール133aを有する。また、このようなホール133aに第2端子柱131が結合して溶接される。例えば、レーザビームが上部に露出した第2端子柱131と第2端子プレート133の境界領域に提供されることによって、前記境界領域は相互間溶融した後、冷却されて溶接される。このような溶接領域は、
図3において符号134で示している。
【0056】
ケース140はアルミニウム、アルミニウム合金またはニッケルがメッキされたスチールのような導電性金属で形成され、電極組立体110、第1端子120および第2端子130が挿入安着できる開口部が形成されたほぼ六面体形状からなる。
図2には、ケース140とキャップ組立体150が結合した状態で示されているので開口部は図示されていないが、キャップ組立体150の上部部分が実際に開放された部分である。一方、ケース140の内面は絶縁処理され、電極組立体110、第1端子120、第2端子130およびキャップ組立体150と絶縁されることができる。
【0057】
キャップ組立体150はケース140に結合する。キャップ組立体150は、具体的にキャッププレート151、シールガスケット152、キャップ153、安全ベント154、上部絶縁部材155および下部絶縁部材156を含む。
【0058】
キャッププレート151はケース140の開口を密封し、ケース140と同じ材質からなることができる。例えば、キャッププレート151は、レーザ溶接方式でケース140に結合することができる。ここで、キャッププレート151は、上述のように第1端子120と同一の極性を有することができるので、キャッププレート151およびケース140は、同一の極性を有することができる。
【0059】
シールガスケット152は絶縁性材質で第1端子柱121および第2端子柱131それぞれとキャッププレート151の間に形成され、第1端子柱121および第2端子柱131それぞれとキャッププレート151の間を密封する。このようなシールガスケット152は外部の水分が二次電池100の内部に浸透できないようにしたり、または二次電池100の内部に収容される電解液が外部へ流出できないようにする。
【0060】
キャップ153はキャッププレート151の電解液注入口151aを密封し、安全ベント154はキャッププレート151のベントホール151bに設けられ、設定された圧力で開放されるようにノッチ154aが形成される。
【0061】
上部絶縁部材155は第1端子柱121および第2端子柱131それぞれとキャッププレート151の間に形成される。また、上部絶縁部材155はキャッププレート151と密着する。さらに、上部絶縁部材155はシールガスケット152に密着することもできる。このような上部絶縁部材155は第1端子柱121または第2端子柱131とキャッププレート151とを絶縁させる。
【0062】
下部絶縁部材156は電極組立体110とキャッププレート151の間に形成され、不必要な短絡の発生を防止する。つまり、下部絶縁部材156は第1集電板111aとキャッププレート151の間の短絡、および/または第2集電板112aとキャッププレート151の間の短絡を防止する。
【0063】
図4aは本発明の一実施例による二次電池のうち、電極板の一部を示した平面図であり、
図4bは
図4aにおける4b−4b線に沿って切り取った断面図であり、
図4cは
図4aにおける4c−4c線に沿って切り取った断面図である。ここで、電極板は一例として上述した正極板であることもあるが、ここで説明している全ての特徴は負極板にも同様に適用されることができる。
【0064】
図4a乃至
図4cに示されているように、電極板111は集電板111aと、集電板111aに電気的活物質をコーティングすることで形成されたコーティング部111bと、集電板111aの外周部分に形成された、電気的活物質がコーティングされていない非コーティング部111cと、非コーティング部111cの内側方向に形成された切断部111dと、切断部111dと切断部111dとの間に形成されて端子に電気的に連結されるタップ111fと、切断部111dおよびタップ111fに沿って非コーティング部111cの厚さ方向に形成された曲面部111eを含む。
【0065】
集電板111aは箔またはメッシュ形態であり、前述のように、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金およびその等価物の中から選択されたいずれか一つでありうる。しかし、本発明は集電板111aの材質に限定されるものではない。このような集電板111aは厚さがほぼ6μm乃至12μmでありうる。厚さがほぼ6μmより小さい場合、電池製造工程のうち、巻取り、巻き出しまたは移送が難しく、また、外部衝撃によって破れたり容易に損傷することができる。厚さが12μmより大きい場合、集電効率はそれ以上増加せずに電池の厚さだけ大きくなることができる。
【0066】
コーティング部111bの厚さは集電板111aの厚さに比べて非常に大きく、これは電気的活物質である遷移金属酸化物、黒鉛、炭素およびその等価物の中から選択されたいずれか一つからなることができる。しかし、本発明はコーティング部111bの材質に限定されるものではない。このようなコーティング部111bは厚さが集電板111aの一表面からほぼ40μm乃至60μmでありうる。厚さがほぼ40μmより小さい場合、所望する電池容量を確保し難いこともある。また、厚さがほぼ60μmより大きい場合、これ以上電池容量は増加せずに電池の厚さだけ大きくなることができる。さらに、コーティング部111bは集電板111aを基準に両面に形成されるので、コーティング部111bの全体厚さはほぼ80μm乃至120μmでありうる。
【0067】
非コーティング部111cは電気的活物質がコーティングされず集電板111aが直接外側に露出した領域を意味する。このような非コーティング部111cは実質的に電極板111の一側の周りに形成される。また、非コーティング部111cはタップ111fを除いた領域の幅がほぼ0.1mm乃至10mmでありうる。非コーティング部111cの幅がほぼ0.1mmより小さいとレーザ切断が行われるロールツーロール装備の許容誤差範囲より小さくなるので、レーザ切断または裁断時にコーティング部111bまで切断される危険がある。レーザビームによってコーティング部111bが切断されると、コーティング部111bをなす電気的活物質(セラミック)がパーティクル形状に飛散されるために、ロールツーロール装備の汚染度が高くなるだけでなく、これを利用した二次電池の信頼性も低下する。また、非コーティング部111cの幅がほぼ10mmより大きい場合、非コーティング部111cの面積が不必要に大きくなって電池容量が相対的に減少することができる。
【0068】
切断部111dは平面から見て非コーティング部111cの内側方向に一定の深さに掘られた形状に形成される。実質的に、このような切断部111dは後述するが、連続波レーザビームによって非コーティング部111cのうち、一定の領域が切断されたラインを意味する。このような切断部111dは相互に離隔して複数個形成されることができる。
タップ111fは切断部111dのうち、相互に離隔された一対の切断部111dの間に非コーティング部111cから外側方向に一定の長さ延長されて端子に電気的に接続する領域である。このようなタップ111fは長さがほぼ5mm乃至30mmでありうる。この際、長さがほぼ5mmより小さい場合、多数のタップ111fを端子に電気的に接続しにくいことがあり、長さがほぼ30mmより大きい場合、電流の流れる経路が相対的に長くなることによって電気抵抗が大きくなることができる。
【0069】
曲面部111eは切断部111dおよびタップ111fの端部に沿って非コーティング部111cの厚さ方向および厚さ方向に直角な方向に形成される。具体的に、曲面部111eは非コーティング部111cに連続波レーザビームによって切断部111dが形成される際、非コーティング部111cが溶融して形成された一種のドロス(dross)でありうる。このように曲面部111eは非コーティング部111c(つまり、集電板111a自体)が連続波レーザビームによって溶融した後に冷却されて形成されたものであるため、表面張力によって断面形状はほぼ丸い形状でありうる。つまり、曲面部111eは切断部111d(つまり、集電板111a)の長手方向に対して垂直な断面の形状がほぼ円形および/または楕円形でありうる。ここで、曲面部111eは
図4bおよび
図4cでのように完璧な円形であることもあるが、製造工程上の特性により概して歪んだ円形または歪んだ楕円形でありうる。その他にも、曲面部111eは球面、楕円面などの曲線からなる面であることがあり、本発明は曲面部111eの形状に限定されるものではない。
【0070】
このような曲面部111eは非コーティング部111cが溶融した後に自然冷却されて形成されたものであるため、曲面部111eの表面は一定の曲率を有する丸い形状からなる。言い換えれば、前述のように本発明による曲面部111eは連続波レーザビームの熱によって瞬間的に溶融した後に冷却され、表面張力によって形成されることによって、曲面部111eの表面は一定の曲率を有するほぼ円形および/または楕円形に形成される。
【0071】
一方、上述した切断部111dおよび曲面部111eは平面から見たとき、少なくとも1回折り曲げられた形態でありうる。再度説明すれば、切断部111dおよび曲面部111eは平面形状がほぼ“∪”字形状であるが、本発明はこのような形状に限定されるものではない。ここで、タップ111fは対向される両側端部にだけ曲面部111eが形成され、上段には曲面部111eが形成されないことがある。もちろん、タップ111fは対向される両側端部だけでなく、上段にも曲面部111eが形成されることができる。
【0072】
タップ111fの上段が連続波レーザビームで切断されない電極板自体の端部の場合にはタップ111fの上段に曲面部111eが形成されず、電極板自体が連続波レーザビームで切断されてタップ111fの上段を形成する場合、タップ111fの上段に曲面部111eが形成される。
【0073】
さらに、曲面部111eの厚さは集電板111a(つまり、非コーティング部111c)の厚さのほぼ1倍乃至4倍でありうる。曲面部111eの厚さは小さければ小さいほど良いが、製造工程上の特性により集電板111aの厚さの実質的に1倍より小さくすることは難しい。しかし、曲面部111eの厚さはレーザビームのエネルギーの強さおよびレーザビームの移動速度などを調整することによって、集電板111aの厚さのほぼ4倍より小さくすることができる。ここで、曲面部111eの厚さは前述のように、集電板111aの厚さ方向だけでなく、集電板111aの厚さ方向に直角な方向も意味する。
【0074】
具体的には、非コーティング部111cの厚さを超える曲面部111eの厚さはほぼ0μm乃至100μm、望ましくは15μm乃至35μm、さらに望ましくは20μm乃至30μmに形成することができる。前述のように、曲面部111eの厚さは小さければ小さいほど良いが、製造工程上の特性によりほぼ0μmより小さくすることは難しい。しかし、レーザビームのエネルギーの強さおよびレーザビームの移動速度などを調整することによって、曲面部111eの厚さはほぼ100μmより小さく制御されることができる。
【0075】
また、曲面部111eの厚さはコーティング部111bの厚さの0.1倍乃至0.8倍でありうる。ここで、コーティング部111bの厚さは集電板111aを中心に両側面に形成されたコーティング部111bの全体厚さを意味する。
【0076】
前述と同様に、製造工程上の特性により曲面部111eの厚さをコーティング部111bの厚さの0.1倍より小さくすることは難しい。しかし、曲面部111eの厚さはレーザビームのエネルギーの強さおよびレーザビームの移動速度などを調整することによって、コーティング部111bの厚さのほぼ0.8倍より小さくすることができる。
【0077】
さらに、曲面部111eの厚さは非コーティング部111cの幅の0.001倍乃至1.1倍でありうる。曲面部111eの厚さを非コーティング部111cの幅のほぼ0.001倍より小さくすることはレーザ切断が行われるロールツーロール装備の限界によって難しく、また、曲面部111eの厚さが非コーティング部111cの幅のほぼ1.1倍より大きければレーザ切断が行われるロールツーロール装備の誤差によって、レーザ切断または裁断時にコーティング部111bまで切断される危険がある。前述のように、レーザビームによってコーティング部111bが切断されると、コーティング部111bをなす電気的活物質(セラミック)がパーティクル形状に飛散されるために、ロールツーロール装備の汚染度を高めるだけでなく、これを利用した二次電池の信頼性も低下する。
【0078】
このようにして、本発明で電極板111の切断部111d、つまり、曲面部111eが均一な厚さおよび/または直径を有する円形、楕円形または溶接ビードと類似に形成されることによって、電極板111の曲面部111eが電極板111と電極板111とを隔離する分離膜を突き抜けないので短絡発生を抑制することになる。また、曲面部111eの表面はほぼ丸く形成されるため、曲面部111eが分離膜に直接接触しても曲面部111eは分離膜を破ったりまたは損傷したりしなくなる。
【0079】
さらに、本発明で電極板111の切断部111d、つまり、曲面部111eが集電板111aから溶融した後、表面張力を受けながら冷却して形成されたものであるため、集電板自体と曲面部の間の接合面積が相対的に大きく、よって、曲面部が外部衝撃によって集電板111aから容易に分離せず、したがって、電極組立体110の内部で金属異物が発生しない。
【0080】
図5aは本発明の他の実施例による二次電池のうち、電極板の一部を示した平面図であり、
図5bは
図5aにおける5b−5b線に沿って切り取った断面図であり、
図5cは
図5aにおける5c−5c線に沿って切り取った断面図である。
【0081】
図5a乃至
図5cに示されているように、電極板211は集電板111aと、集電板111aに活物質をコーティングして形成されたコーティング部111bと、集電板111aの周りに形成され活物質がコーティングされない非コーティング部111cと、非コーティング部111cの内側方向に形成された切断部111dと、切断部111dと切断部111dとの間に形成されて端子に電気的に連結されるタップ111fと、切断部111dおよびタップ111fに沿って非コーティング部111cの厚さ方向に形成された曲面部111eと、上述したコーティング部111b、非コーティング部111c、切断部111dおよび曲面部111eを覆うセラミック層212とを含む。
【0082】
特に、セラミック層212はコーティング部111bおよび非コーティング部111cだけでなく切断部111dに形成された曲面部111eを完全に覆うように形成されることによって、金属材質の曲面部111eが外部に露出せず、したがって、曲面部111eが分離膜を突き抜けても正極板と負極板の間の電気的な短絡現象が発生しなくなる。ただし、このようなセラミック層212はタップ111fおよびタップ111fの両側に形成された曲面部111eには形成されないことによって、タップ111fが端子に容易に電気的に接続できるようにする。
【0083】
このようなセラミック層212は、レーザ切断作業前にコーティング部111bおよび非コーティング部111cに予め形成され、非コーティング部111cのレーザ切断作業時ともに切断され、このとき、新しく形成される曲面部111eが既存のセラミック層212で完全に覆われるようになる。
【0084】
本発明の発明者らはレーザ切断作業の際、セラミック層212が曲面部111eを完全に覆う、予測できなかったメカニズムを正確に糾明することはできなかったが、恐らく次のようなメカニズムによってセラミック層212が曲面部111eを覆うと考えられる。つまり、金属材質の非コーティング部111cは溶融点がほぼ600℃乃至1000℃であるが、通常のセラミック層212は溶融点が2000℃よりはるかに高いので、レーザ切断作業時にセラミック層212は溶融しない。しかし、金属材質の非コーティング部111cの比重に比べて絶縁性があり、多孔性材質のセラミック層212の比重が相対的に小さいため、レーザ切断作業時に新しく生成された溶融した金属材質の曲面部111eの表面に絶縁性で多孔性材質のセラミック層212が浮遊し、以降、硬く冷却された曲面部111eの表面にセラミック層212が完全に付着して残存すると判断される。
【0085】
ここで、セラミック層212の厚さは、ほぼ1μm乃至12μmに形成することが望ましく、具体的には2μm乃至10μmに形成することが望ましい。特に、セラミック層212の厚さがほぼ1μmより小さい場合、曲面部111eの一部表面がセラミック層212を通じて外部に露出できることも観察された。また、セラミック層212の厚さがほぼ12μmより大きい場合、レーザビームによる切断作業時に溶融した曲面部111eの表面にセラミック層212が浮遊せずに外部にそのまま脱落して除去され、よって、曲面部111eの表面にセラミック層212が残存しないことが観察された。
【0086】
したがって、セラミック層212が曲面部111eの表面に残存するように、セラミック層212の厚さはほぼ1μm乃至12μmに維持することが最も望ましい。また、このような範囲でセラミック層212の厚さを維持する場合、耐熱性に優れて、熱収縮を抑制することができる。
【0087】
一方、このようなセラミック層212は電気的に絶縁性であり多孔性の特性を有するAl
2O
3、MgO、TiO
2、Al(OH)
3、Mg(OH)
2、Ti(OH)
4またはこれらの組み合わせからなるが、これらに限定されない。
【0088】
セラミック層212をなすセラミック粒子の平均粒径はほぼ0.1μm乃至5μmであることができ、具体的には0.4μm乃至0.8μmであることができる。前記範囲内の平均粒径を有するセラミック粒子を用いる場合、均一なセラミック層212のコーティングが可能である。
【0089】
さらに、セラミック層212の空隙率は30体積%乃至55体積%であることができ、具体的には40体積%乃至55体積%であることができる。このようなセラミック層212が前記範囲内の空隙率を有する場合、イオン移動がより円滑となり、電池性能をより向上させることができる。
【0090】
また、このようなセラミック層212は負極板だけでなく、正極板にも同様に適用されることは当然である。
【0091】
図6aおよび
図6bは本発明の一実施例による二次電池のうち、タップと端子の間の接続方法を示した概略図である。
【0092】
図6aに示されているように、タップ111fは電極組立体110から延長され、タップ111fの長手方向は電極組立体110の長手方向または巻取軸方向と同じである。このようなタップ111fはレーザビームによって端子柱121の下段に備えられ、相対的に広く平らなフランジ122に直接溶接されることができる。もちろん、レーザビーム以外に抵抗溶接や超音波溶接も可能である。
【0093】
図6bに示されているように、タップ111fは端子120からほぼ直角方向に折り曲げられる。つまり、タップ111fはほぼ”¬”字形状に折り曲げられる。したがって、電極組立体110の巻取軸、端子120の端子軸およびタップ111fのタップ軸はほぼ平行または水平な状態となる。実質的に、端子120の端子軸およびタップ111fのタップ軸は相互連結されることができる。つまり、端子120の端子軸下段にタップ111fのタップ軸上段が連結されることができる。
【0094】
図7は本発明の他の実施例による二次電池のうち、タップと端子の間の接続方法を示した概略図である。
【0095】
図7に示されているように、タップ111fには相対的に厚さが厚いリード210が接続され、このようなリード210がレーザビームによって端子柱121の下段に備えられたフランジ122に直接溶接されることができる。実質的に、多数のタップ111fが端子120に直接接続される場合、それぞれのタップ111fが有する厚さが相対的に小さいため、多数のタップ111fが同時に端子120に接続されにくい。したがって、前述のように多数のタップ111fをまず、リード210にレーザビームや超音波エネルギーによって安定的に接続した後、一つのリード210が端子に接続されることによって、端子120と電極組立体110の相互電気的な連結の信頼性が向上する。
【0096】
図8は本発明のまた他の実施例による二次電池のうち、タップと端子の間の接続方法を示した概略図である。
【0097】
図8に示されているように、一つの端子120には二つの電極組立体110A、110Bが電気的に接続されることができる。もう少し具体的に説明すれば、端子120のうち、端子柱121の下部に備えられた平らなフランジ122に一対の電極組立体110A、110Bから延長されたタップ111fがそれぞれ電気的に接続されることができる。
【0098】
このとき、電極組立体110A、110Bからそれぞれ延長されたタップ111fの折り曲げ形態は端子120を中心に相互対称な形態であるか、または非対称な形態でありうる。
【0099】
このように、一つの端子120に少なくとも一対の電極組立体110A、110bがタップ111fを通じて直接接続されることによって、内部抵抗が小さながらも容量が大きい二次電池を容易に製造できる。
【0100】
図9は本発明による二次電池を利用したバッテリーモジュールの一例を示した斜視図である。
【0101】
図9に示されているように、多数の二次電池100が一列に配置され、このように一列に配置された二次電池100には多数のバスバー220が結合することによって、一つのバッテリーモジュール1000が完成できる。例えば、ある一つの二次電池100の第1端子120と、これと隣接した他の二次電池100の第2端子130がバスバー220に溶接されることによって、多数の二次電池100が直列に連結されたバッテリーモジュール1000を提供することができる。ここで、バスバー220はアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることができ、このとき、第1端子120の第1端子プレート123、第2端子130の第2端子プレート133もアルミニウムまたはアルミニウム合金からなることによって、バスバー220は第1端子120および第2端子130に容易に溶接されることができる。
【0102】
図10は本発明の一実施例による二次電池のうち、電極板のタップ形成のためのレーザ切断システムを示した概略図である。ここで、レーザ切断システムは、例えば、空冷式である。
【0103】
図10に示されているように、レーザ切断システム300はレーザビームを発振するレーザ発振器310と、レーザビームのサイズを拡張するイクスペンダ320と、電極板111にレーザビームをスキャンおよび集束するスキャナー集束レンズ部330を含む。
【0104】
ここで、レーザビームはパルス波方式ではなく、連続波方式であり、このため、ダイオードまたは半導体ポンプ単一モード連続波レーザ発振器が用いられる。この他にも、通常の二酸化炭素、ヤグ、ヘリウムネオンなどの赤外線レーザ発振器が用いられるが、本発明はレーザ発振器の種類に限定されるものではない。
【0105】
一方、切断対象である電極板111は、例えば、ロールツーロール装備によって移動することができるが、本発明はこのようなロールツーロール装備に限定されるものではない。
【0106】
このようなレーザ切断システム300の用意以降には、集電板111aと、集電板111aに電気的活物質がコーティングされて形成されたコーティング部111bと、集電板の周りに形成され電気的活物質がコーティングされない非コーティング部111cからなる電極板111を用意する。
【0107】
次に、上述したレーザ切断システム300によって非コーティング部111cの内側方向に連続波レーザビームが照射されて多数の切断部111dが形成されることによって、切断部111dに沿って非コーティング部111cの厚さ方向に曲面部が形成されることにする。もちろん、このとき、多数の切断部111dの間には非コーティング部111cから外側方向に一定の長さが延長された多数のタップ111fが形成される。このような工程をノッチング工程ともいい、このときに形成されたタップをノッチングタップともいう。
【0108】
ここで、集電板がアルミニウムまたはアルミニウム合金の場合、連続波レーザビームのエネルギーはほぼ19cal/s(80W)乃至ほぼ119cal/s(500W)であり、連続波レーザビームの移動速度はほぼ100mm/s乃至ほぼ5000mm/sでありうる。もちろん、連続波レーザビームが移動する時、集電板を支持している支持部材も共に移動して両者が相対的に運動したり、または集電板を支持している支持部材は固定されていることができる。また、連続波レーザビームが動く代わりに、集電板を支持している支持部材が移動することができ、このとき、支持部材の移動速度はほぼ100mm/s乃至ほぼ3000mm/sであることもできる。
【0109】
ここで、レーザビームのエネルギーがほぼ19cal/sより小さい場合、非コーティング部の切断は行われず、また、レーザビームのエネルギーがほぼ119cal/sより大きいとしても切断品質がそれ以上向上しない。さらに、レーザビームの移動速度がほぼ100mm/sより小さい場合、切断時間が長すぎて量産性が低下し、また、レーザビームの移動速度がほぼ5000mm/sより大きい場合、レーザビームのエネルギー不足により切断がうまく行われないことがある。
【0110】
他の例として、集電板が銅または銅合金の場合、連続波レーザビームのエネルギーはほぼ47cal/s(200W)乃至ほぼ143cal/s(600W)であり、連続波レーザビームの移動速度はほぼ100mm/s乃至ほぼ9000mm/sでありうる。同様に、連続波レーザビームが移動するとき、集電板を支持している支持部材も共に移動して両者が相対的に運動したり、または集電板を支持している支持部材は固定されていることができる。また、連続波レーザビームが動く代わりに、集電板を支持している支持部材が移動することができ、このとき、支持部材の移動速度はほぼ100mm/s乃至ほぼ3000mm/sであることもできる。
【0111】
ここで、レーザビームのエネルギーがほぼ47cal/sより小さい場合、非コーティング部の切断は行われず、また、システムの特性により実質的にレーザビームのエネルギーがほぼ143cal/sより大きくなることは難しい。さらに、レーザビームの移動速度がほぼ100mm/sより小さい場合、エネルギーが蓄積されて切断または裁断品質が低下し(ドロスが多く生成される)、また、レーザビームの移動速度がほぼ9000mm/sより大きい場合、レーザビームのエネルギー不足により切断が行われないことがある。
【0112】
もちろん、レーザビームの出力はさらに増加できるが、この場合、現在技術としては本発明でのような空冷式レーザシステムではなく、水冷式レーザシステムを使用しなければならない。しかし、周知のように、電池の構成要素の大部分は水分および湿気に脆弱であるため、電池の製造工程中に水分および湿気は回避しなければならない対象であるので、水冷式レーザシステムを採択しにくい。
【0113】
ただし、本発明で水冷式レーザシステムを完全に排除するのではなく、水分および湿気問題を解決する場合、電池の製造工程でもレーザビームのエネルギーが相対的に大きい水冷式レーザシステムを利用することができる。
【0114】
さらに、上述した空冷式レーザシステムを利用したレーザビームのエネルギーの強さおよびレーザビームの移動速度は本発明の理解のための一例であり、水冷式レーザシステムでのようにレーザビームのエネルギーの強さが変更される場合、上述したレーザビームのエネルギーの強さおよびレーザビームの移動速度は当然変更することができる。
【0115】
一方、アルミニウム系の集電板に比べて銅系の集電板に対するレーザビームのエネルギーが大きい理由は、銅の溶融点、熱伝導率および反射率(IR波長基準)がアルミニウムの溶融点、熱伝導率および反射率より大きいためである。つまり、溶融点、熱伝導率および反射率が大きい材料であるほどレーザビームによる切断効率が減少するので、レーザビームのエネルギーも大きくならなければならない。
【0116】
また、上述したアルミニウム系または銅系の集電板に対するレーザビームの移動速度は上述したレーザビームの具体的エネルギー範囲により上述した移動速度範囲内で調整することができる。
【0117】
さらに、レーザビームのスポットサイズはほぼ10μm乃至50μmでありうる。前述のように、集電板は厚さがほぼ6μm乃至12μmであるので、上述したレーザビームのスポットサイズによって集電板は均一な幅に切断されることができる。しかし、レーザビームのスポットサイズがほぼ10μmより小さければ加工深度も小さくなるので、切断工程が円滑に行われず、レーザビームのスポットサイズがほぼ50μmより大きければ不必要に切断領域が大きくなり、裁断品質が低下する。
【実施例1】
【0118】
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ8μm乃至12μmの負極板用銅集電板を使った。出力容量72cal/s(300W)のIR−CWレーザを使用し、ビームサイズ40μm、加工速度4000mm/sの加工条件に、上記で用意した負極板用銅集電板に裁断実験を行った。
図11a乃至
図11dは前記条件で裁断した銅集電板の表面および断面写真で、比較例1の実験結果である
図14aおよび
図14bの写真に比べて切断部の断面が均一なビード型切断面形状が得られることが分かる。
つまり、連続波レーザビームによって形成された切断部および曲面部の表面はほぼ丸くて、また、長手方向に対して垂直な断面の形状がほぼ円形または楕円形で形成されることによって(
図11d参照)、このような切断部および曲面部が分離膜を損傷しなくなる。
【実施例2】
【0119】
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ8μm乃至12μmの正極板用アルミニウム集電板を使った。出力容量19cal/s(80W)のIR−CWレーザを使用し、ビームサイズ40μm、加工速度1000mm/sの加工条件に、上記で用意した正極板用アルミニウム集電板に裁断実験を行った。
図12a乃至
図12cは前記条件で裁断したアルミニウム集電板の表面および断面写真で、比較例2の実験結果である
図15aおよび
図15bに比べて切断部の断面が概して均一なビード型切断面形状が得られることが分かる。ここで、
図12cでは切断部および曲面部の長手方向に沿った表面がデコボコがあるように見えるが、実質的にこのようなデコボコの表面も一定の曲率を有して丸く形成されることによって、このような切断部および曲面部が分離膜を突き抜けない。言い換えれば、切断部および曲面部の長手方向に沿う表面はほぼ“サイン波形またはコサイン波形”であるため、その表面が丸く形成されて分離膜を損傷させない。
【実施例3】
【0120】
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ8μm乃至12μmの負極板用銅集電板を使った。加工条件は、実施例1で加工速度だけ1000mm/sに変更した条件に、上記で用意した試片に裁断実験を行った。
図13a乃至
図13cは前記条件で裁断した負極集電板の表面および断面写真で実施例1と同様に切断部の断面が均一なビード型切断面形状に形成されることが分かる。
【0121】
[比較例1]
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ8μm乃至12μmの負極板用銅集電板を使った。出力容量19WのUVパルスレーザを使用し、パルス周波数100kHz、パルス幅10ns、パルスエネルギー0.19mJ、ビームサイズ30μm、加工速度1000mm/sの加工条件に、上記で用意した負極板用銅集電板に裁断実験を行った。
図14aおよび
図14bは上記条件で裁断した負極集電板の表面および断面写真から切断部の断面形状が鋭く尖ったバリ形態に形成されることが分かる。このようなバリは正極板と負極板の間に介在した分離膜を損傷したり破ることによって、正極板と負極板が短絡されることができる。さらに、このような鋭く尖ったバリは外部衝撃によって電極板から分離し、したがって、電極組立体の内部に金属異物が発生することもできる。
【0122】
[比較例2]
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ8μm乃至12μmの正極板用アルミニウム集電板を使った。出力容量8.5WのUVパルスレーザを使用し、パルス周波数100kHz、パルス幅40ns、パルスエネルギー0.085mJ、ビームサイズ30μm、加工速度1000mm/sの加工条件に、上記で用意した正極板用アルミニウム集電板に裁断実験を行った。
図15aおよび
図15bは前記条件で裁断したアルミニウム集電板の表面および断面写真で切断部の断面形状が鋭く尖ったバリ形態に形成されることが分かる。
【実施例4】
【0123】
被加工物は二次電池に使用される厚さがほぼ6μm乃至12μmの負極板用銅集電板であって、銅集電板の表面にコーティング部および非コーティング部が形成され、コーティング部および非コーティング部にセラミック層が形成されたものを使った。出力容量72cal/s(300W)のIR−CWレーザを使用し、ビームサイズ40μm、加工速度4000mm/sの加工条件に、上記で用意した負極板用銅集電板に裁断実験を行った。
図16a乃至
図16cは前記条件で裁断した銅集電板の表面写真で、ビード型切断面が形成されることが分かり、さらにビード型切断面がセラミック層で覆われていることが分かる。特に、
図16bに示されているように、予めセラミック層が形成されていた領域に形成されたビード型切断面はセラミック層で完全に覆われていることが分かる。また、
図16cに示されているように、予めセラミック層が形成されていない領域に形成されたビード型切断面はセラミックで覆われていないことが分かる。
【0124】
以上の説明は、本発明による二次電池およびその製造方法を実施するための一つの実施例に過ぎないものであって、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲において請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明の属する分野で通常の知識を有する者であれば、誰でも多様な変更実施が可能な範囲にまで本発明の技術的精神がいるとみなされる。