特許第6696750号(P6696750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6696750
(24)【登録日】2020年4月27日
(45)【発行日】2020年5月20日
(54)【発明の名称】サーマルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20200511BHJP
   H01L 23/427 20060101ALI20200511BHJP
【FI】
   H05K7/20 F
   H01L23/46 B
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-186994(P2015-186994)
(22)【出願日】2015年9月24日
(65)【公開番号】特開2017-63097(P2017-63097A)
(43)【公開日】2017年3月30日
【審査請求日】2018年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】平澤 壮史
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕一
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡視
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−329616(JP,A)
【文献】 特開2012−060132(JP,A)
【文献】 特開2008−306063(JP,A)
【文献】 特開2010−080506(JP,A)
【文献】 特開2005−222443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H01L 23/427
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部と熱的に接続された第1のコネクタ部と、
冷却部と熱的に接続された第2のコネクタ部と、
前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とを熱的に接続する熱伝導部材と、を有し、
前記第1のコネクタ部に、突起状の熱接合部が複数設けられ、前記第2のコネクタ部に、突起状の熱接合部が設けられておらず
前記熱伝導部材が、前記第2のコネクタ部のハウジング内に収納され、前記熱伝導部材が、前記第1のコネクタ部のハウジング内に収納されておらず、
前記熱伝導部材が、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部が刺し貫き可能な部材であり、前記熱伝導部材に、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部が突き刺さった状態であり、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部が、ピンである、
または、
前記第2のコネクタ部に、突起状の熱接合部が複数設けられ、前記第1のコネクタ部に、突起状の熱接合部が設けられておらず、
前記熱伝導部材が、前記第1のコネクタ部のハウジング内に収納され、前記熱伝導部材が、前記第2のコネクタ部のハウジング内に収納されておらず、
前記熱伝導部材が、前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が刺し貫き可能な部材であり、前記熱伝導部材に、前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が突き刺さった状態であり、前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が、ピンである、
サーマルコネクタ。
【請求項2】
発熱部と熱的に接続された第1のコネクタ部と、
冷却部と熱的に接続された第2のコネクタ部と、
前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とを熱的に接続する熱伝導部材と、を有し、
前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部に、突起状の熱接合部が複数設けられ、
前記熱伝導部材が、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が刺し貫き可能な部材であり、前記熱伝導部材に、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が突き刺さった状態であり、前記第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と前記第2のコネクタ部の突起状の熱接合部が、ピンであるサーマルコネクタ。
【請求項3】
前記突起状の熱接合部が、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部のそれぞれに設けられ、前記第1のコネクタ部の前記突起状の熱接合部が、対向する前記第2のコネクタ部の前記突起状の熱接合部と当接しないようにオフセットして配置されている請求項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項4】
前記突起状の熱接合部が、先端側ほど細く形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項5】
前記第1のコネクタ部及び前記第2のコネクタ部の断面が、円形であり、前記断面の周方向に沿って設けられている前記突起状の熱接合部を有する請求項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項6】
前記突起状の熱接合部が、前記第1のコネクタ部及び/又は前記第2のコネクタ部の底部に立設されている請求項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項7】
前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部の少なくとも一方が、ハウジングを有する請求項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項8】
前記突起状の熱接合部の先端部が、相手方のコネクタ部の前記底部に当接する請求項6に記載のサーマルコネクタ。
【請求項9】
前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部が、電気接続部を備える請求項1乃至8のいずれか1項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項10】
前記第1のコネクタ部と前記発熱部及び/又は前記第2のコネクタ部と前記冷却部が、可撓性を有する伝熱材を介して熱的に接続された請求項1乃至9のいずれか1項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項11】
前記第1のコネクタ部が、前記第2のコネクタ部と対向しない配置で前記第2のコネクタ部と熱的に接続される請求項1乃至7のいずれか1項に記載のサーマルコネクタ。
【請求項12】
前記ハウジング、前記突起状の熱接合部及び前記熱伝導部材のうちの少なくとも一つが、電気伝導性を有することを特徴とする請求項7に記載のサーマルコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱部と熱的に接続されたコネクタ部と、冷却部と熱的に接続されたコネクタ部とが熱的に接続されるサーマルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器や車両等に搭載された発熱体を冷却するにあたり、発熱体とフィン等の放熱部とを熱的に接続するサーマルコネクタを使用する場合がある。サーマルコネクタを介して発熱体から放熱部へ熱輸送することで、発熱体が冷却される。
【0003】
従来のサーマルコネクタとして、発熱体に装着された偏平ヒートパイプと、偏平ヒートパイプの長手方向に対して挿抜自在に接続される位置に配設された、偏平ヒートパイプを挿抜するための開口部を備えたサーマルコネクタが挙げられる(特許文献1)。
【0004】
一方で、電子機器や車両等に搭載された発熱体を冷却するにあたり、発熱体を有する発熱部と放熱手段を有する冷却部をそれぞれ組み上げて、発熱部または冷却部を設置した後に、発熱部と冷却部とを熱的に接合することが必要な場合がある。
【0005】
この場合、特許文献1のサーマルコネクタでは、偏平ヒートパイプを挿抜するための開口部が必要なので、開口部に高度な寸法精度が要求されるという問題、サーマルコネクタのコネクタ部における熱的接触部が、ヒートパイプと開口部内面との接触面積に限定されるので、コネクタ部で熱抵抗が生じやすいという問題、偏平ヒートパイプを開口部に挿抜するので、発熱体と放熱部との位置関係が制約されるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−223306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、高度な寸法精度を要することなく、熱抵抗の増大を防止し、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができるサーマルコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、発熱部と熱的に接続された第1のコネクタ部と、冷却部と熱的に接続された第2のコネクタ部と、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部とを熱的に接続する熱伝導部材と、を有し、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部の少なくとも一方に、突起状の熱接合部が複数設けられているサーマルコネクタである。
【0009】
本発明の態様は、前記突起状の熱接合部が、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部のそれぞれに設けられ、前記第1のコネクタ部の前記突起状の熱接合部が、対向する前記第2のコネクタ部の前記突起状の熱接合部と当接しないようにオフセットして配置されているサーマルコネクタである。
【0010】
つまり、上記態様では、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部の配置と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部の配置の関係について、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部を対向させた場合に、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部とは、相互に接触しない態様となっている。
【0011】
本発明の態様は、前記突起状の熱接合部が、先端側ほど細く形成されているサーマルコネクタである。
【0012】
本発明の態様は、前記第1のコネクタ部及び前記第2のコネクタ部の断面が、円形であり、前記断面の周方向に沿って設けられている前記突起状の熱接合部を有するサーマルコネクタである。
【0013】
本発明の態様は、前記突起状の熱接合部が、前記第1のコネクタ部及び/又は前記第2のコネクタ部の底部に立設されているサーマルコネクタである。
【0014】
本発明の態様は、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部の少なくとも一方が、ハウジングを有するサーマルコネクタである。
【0015】
本発明の態様は、前記突起状の熱接合部の先端部が、相手方のコネクタ部の前記底部に当接するサーマルコネクタである。
【0016】
本発明の態様は、前記第1のコネクタ部と前記第2のコネクタ部が、電気接続部を備えるサーマルコネクタである。
【0017】
本発明の態様は、前記第1のコネクタ部と前記発熱部及び/又は前記第2のコネクタ部と前記冷却部が、可撓性を有する伝熱材を介して熱的に接続されたサーマルコネクタである。
【0018】
本発明の態様は、前記第1のコネクタ部が、前記第2のコネクタ部と対向しない配置で前記第2のコネクタ部と熱的に接続されるサーマルコネクタである。
【0019】
本発明の態様は、前記ハウジング、前記突起状の熱接合部及び前記熱伝導部材のうちの少なくとも一つが、電気伝導性を有することを特徴とするサーマルコネクタである。
【発明の効果】
【0020】
本発明の態様によれば、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部の少なくとも一方に複数設けられた突起状の熱接合部が、先端部だけでなく側面でも熱伝導部材と熱的に接続されるので、コネクタ部と熱伝導部材との接触面積が増大して、結果、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部との間の熱抵抗を低減できる。また、本発明の態様によれば、突起状の熱接合部が、熱伝導部材と熱的に接続されればよいので、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部とを熱的に接続するにあたり、高度な寸法精度を要せず、また、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができる。
【0021】
本発明の態様によれば、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部とを対向させても、突起状の熱接合部が、相手方の突起状の熱接合部と接触しないようにオフセットして配置されているので、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部ともに、円滑に熱伝導部材と熱的に接続できる。さらに、上記のように、オフセットして配置されていることにより、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部を同じ空間内に配置できるので、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部の側面と第2のコネクタ部の突起状の熱接合部の側面との距離が近くなり、また突起状の熱接合部の先端部だけでなく側面も熱伝導部材と接するため、第1のコネクタ部の突起状の熱接合部から第2のコネクタ部の突起状の熱接合部への熱移動をより円滑化できる。また、本発明の態様によれば、ハウジング、突起状の熱接合部及び熱伝導部材のうちの少なくとも一つが、電気伝導性を有するので、別途、電気接続部を備えなくても、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部間の通電が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態例に係るサーマルコネクタの説明図である。
図2】本発明の第1実施形態例に係るサーマルコネクタの熱接合された状態の説明図である。
図3】本発明の第1実施形態例に係るサーマルコネクタの説明図である。
図4】本発明の第2実施形態例に係るサーマルコネクタの説明図である。
図5】本発明の第3実施形態例に係るサーマルコネクタの説明図である。
図6】(a)図は、本発明の第4実施形態例に係るサーマルコネクタの側面図、(b)図は、本発明の第4実施形態例に係るサーマルコネクタの熱伝導部材の部位の正面図である。
図7】本発明の第5実施形態例に係るサーマルコネクタの説明図である。
図8】(a)図、(b)図は、本発明の第4実施形態例に係るサーマルコネクタの製造方法を説明する概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の第1実施形態例に係るサーマルコネクタについて、図面を用いながら説明する。
【0024】
図1に示すように、第1実施形態例に係るサーマルコネクタ1は、発熱部(図示せず)と熱的に接続された第1のコネクタ部11と、第1のコネクタ部11に対して熱的に接続される、冷却部(図示せず)と熱的に接続された第2のコネクタ部12と、第1のコネクタ部11から第2のコネクタ部12へ熱を伝導する熱伝導部材13と、を有している。
【0025】
第1のコネクタ部11は、第2のコネクタ部12と対向する側が開口した第1のハウジング14と、第1のハウジング14内に設置され、第1のハウジング14の開口部側に先端部が向くように設置された、突起状の熱接合部である第1の突起状の熱接合部16とを、備えている。つまり、第1の突起状の熱接合部16は、第1のハウジング14の底面に立設されている。第1の突起状の熱接合部16は、複数、設けられている。また、第1の突起状の熱接合部16の形状は、突起状であれば特に限定されないが、第1のハウジング14の底面側と比較して先端側ほど細い形状としてもよい。
【0026】
第2のコネクタ部12は、第1のコネクタ部11と対向する側が開口し、第1のハウジング14内に挿入可能な外形を有する第2のハウジング15と、第2のハウジング15内に設置され、第2のハウジング15の開口部側に先端部が向くように設置された、突起状の熱接合部である第2の突起状の熱接合部17とを、備えている。つまり、第2の突起状の熱接合部17は、第2のハウジング15の底面に立設されている。第2の突起状の熱接合部17は、複数、設けられている。また、第2の突起状の熱接合部17の形状は、突起状であれば特に限定されないが、第2のハウジング15の底面側と比較して先端側ほど細い形状としてもよい。
【0027】
第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17は、第1のハウジング14の開口部と第2のハウジング15の開口部を対向させて、第1のハウジング14内に第2のハウジング15が挿入される場合に、相互に、接触しないよう、オフセットして配置されている。
【0028】
第1のコネクタ部11及び第2のコネクタ部12の材質は、良好な熱伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、カーボン、カーボンナノチューブ、熱伝導性プラスチック及びこれらの複合材等を挙げることができる。
【0029】
熱伝導部材13は、収納部材18内に収納されている。収納部材18は、第1のコネクタ部11と対向する側及び第2のコネクタ部12と対向する側がいずれも開口し、第2のハウジング15内に挿入可能な外形を有している。また、熱伝導部材13は、第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が、刺し貫き可能な部材となっている。熱伝導部材13の具体例としては、ゴム状の熱伝導部材(例えば、サーマルシート等)や繊維状の熱伝導部材(例えば、メタルウール等)等の固体状の熱伝導部材、半練り状若しくはペースト状の熱伝導部材、ゲル状の熱伝導部材(例えば、サーモゲル)またはこれらの複合材等を挙げることができる。また、収納部材18の材質は、良好な熱伝導性を有するものであれば特に限定されず、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、セラミック、カーボン、カーボンナノチューブ、熱伝導性プラスチック及びこれらの複合材等を挙げることができる。また、突起状の熱接合部(第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17)、熱伝導部材13、ハウジング(第1のハウジング14と第2のハウジング15)のうち、少なくともいずれか一つを電気伝導性の材料(例えば、金属製の材料)とすることにより、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12間に通電経路を形成でき、電気的な接続も兼ねることが出来る。
【0030】
収納部材18内に収納された熱伝導部材13が、第2のハウジング15の開口部側から第2のコネクタ部12内へ挿入される。この際、第2の突起状の熱接合部17が熱伝導部材13を突き刺しながら、熱伝導部材13が第2のハウジング15内へ挿入されていく。熱伝導部材13が挿入された第2のコネクタ部12は、第1のハウジング14の開口部側から第1のコネクタ部11内へ挿入される。この際、第1の突起状の熱接合部16が熱伝導部材13を突き刺しながら、熱伝導部材13が挿入された第2のコネクタ部12が、第1のハウジング14内へ挿入されていく。従って、サーマルコネクタ1では、熱伝導部材13は、第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が突き刺さった状態となっている。また、第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17の突き刺さった熱伝導部材13は、第1のハウジング14内及び第2のハウジング15内に収納された状態となっている。
【0031】
図2に示すように、熱伝導部材13が第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17に突き刺されることにより、熱伝導部材13を介して第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が熱的に接続される。熱伝導部材13を介して第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が熱的に接続されることにより、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12が熱的に接続される。
【0032】
図1では、第1のコネクタ部11は、第1のヒートパイプ101を介して発熱部(図示せず)と熱的に接続されている。第2のコネクタ部12は、第1のヒートパイプ101とは別体である第2のヒートパイプ102を介して冷却部(図示せず)と熱的に接続されている。従って、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12を熱的に接続することにより、発熱部由来の熱を一方の端部で受熱した第1のヒートパイプ101は、一方の端部から他方の端部へ、さらに他方の端部から該他方の端部と熱的に接続された第1のコネクタ部11へ、発熱部由来の熱を輸送する。第1のコネクタ部11へ輸送された熱は、第1のコネクタ部11から第2のコネクタ部12へ、さらに第2のコネクタ部12から第2のコネクタ部12と熱的に接続された第2のヒートパイプ102の一方の端部へ伝えられる。第2のヒートパイプ102は、第2のヒートパイプ102の一方の端部へ伝えられた熱を、一方の端部から他方の端部へ、さらに他方の端部から該他方の端部と熱的に接続された冷却部へ輸送する。
【0033】
また、図3に示すように、第1のコネクタ部11は、可撓性を有する伝熱材100を介して、発熱部(図示せず)と熱的に接続されている第1のヒートパイプ(図示せず)と熱的に接続されてもよい。同様に、第2のコネクタ部12も、可撓性を有する伝熱材100を介して、冷却部(図示せず)と熱的に接続されている第2のヒートパイプ(図示せず)と熱的に接続されてもよい。可撓性を有する伝熱材100としては、例えば、銅線、アルミ線などの金属線、プラスチックなどの樹脂、カーボンナノチューブ、またはその撚線や編組線、板材、発泡材、繊維、集合体、これらと断熱材との組み合わせ等を挙げることができる。
【0034】
サーマルコネクタ1では、複数の第1の突起状の熱接合部16と複数の第2の突起状の熱接合部17が、熱伝導部材13を介して先端部だけでなく側面でも熱的に接続されるので、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12との熱伝導部材13を介した接触面積が増大し、結果、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12との間の熱抵抗を低減できる。また、サーマルコネクタ1では、第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が、熱伝導部材13に突き刺さればよいので、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12とを熱的に接続するにあたり、高度な寸法精度を要せず、また、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができる。さらに、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部12と熱伝導部材13が収納された収納部材18とが、いずれも別体となっているので、部品交換が容易である。
【0035】
次に、本発明の第2実施形態例に係るサーマルコネクタについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るサーマルコネクタ1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0036】
図4に示すように、第2実施形態例に係るサーマルコネクタ2では、熱伝導部材23が、冷却部(図示せず)と熱的に接続された第2のコネクタ部22の第2のハウジング25内に収納されている。サーマルコネクタ2では、第2のハウジング25の内面(すなわち、底面と側面)に熱伝導部材23が接触した状態で収納されている。従って、第2のコネクタ部22が第1のコネクタ部11内へ挿入されなくても、第2の突起状の熱接合部17間は、熱伝導部材23を介して熱的に接続されている。図4では、熱伝導部材23が第2のハウジング25内に充填されている。
【0037】
サーマルコネクタ2では、熱伝導部材23が収納された第2のハウジング25が、発熱部(図示せず)と熱的に接続された第1のコネクタ部11内へ挿入されることで、熱伝導部材23を介して第1の突起状の熱接合部16と第2の突起状の熱接合部17が熱的に接続され、結果、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部22が熱的に接続される。
【0038】
サーマルコネクタ2でも、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部22との熱伝導部材23を介した接触面積が増大するので、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部22との間の熱抵抗を低減できる。また、サーマルコネクタ2でも、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部22とを熱的に接続するにあたり、高度な寸法精度を要せず、また、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができる。さらに、サーマルコネクタ2では、熱伝導部材23が第2のハウジング25内へ収納されているので、部品点数を低減できる。
【0039】
さらに、サーマルコネクタ2では、第1のハウジング14内へ第2のコネクタ部22が挿入されると、第2の突起状の熱接合部17は、その先端が第1のハウジング14の底面に当接し、第1の突起状の熱接合部16は、その先端が第2のハウジング25の底面に当接する寸法となっている。従って、サーマルコネクタ2では、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部22との熱的な接続性が、さらに向上する。
【0040】
なお、第2実施形態例に係るサーマルコネクタ2の、熱伝導部材23が冷却部と熱的に接続された第2のコネクタ部22内に収納されている態様に代えて、熱伝導部材が発熱部と熱的に接続された第1のコネクタ部内に収納されている態様としてもよい。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態例に係るサーマルコネクタについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るサーマルコネクタ1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0042】
図5に示すように、第3実施形態例に係るサーマルコネクタ3では、第2のコネクタ部32に、第2の突起状の熱接合部は設けられておらず、すなわち、第2のハウジング35内には、第2の突起状の熱接合部は設置されずに、熱伝導部材33が第2のハウジング35内に収納されている。サーマルコネクタ3では、第2のハウジング35の内面(すなわち、底面と側面)に熱伝導部材33が接触した状態で収納されている。図5では、第2のハウジング35内に熱伝導部材33が充填された状態となっている。
【0043】
サーマルコネクタ3では、発熱部(図示せず)と熱的に接続された第1のコネクタ部11の第1のハウジング14内に、熱伝導部材33の収納された第2のハウジング35が挿入されることで、熱伝導部材33と第1の突起状の熱接合部16とが熱的に接続され、結果、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部32が熱的に接続される。
【0044】
サーマルコネクタ3では、第1のコネクタ部11は、可撓性を有する伝熱材100を介して、発熱部(図示せず)と熱的に接続されている第1のヒートパイプ(図示せず)と熱的に接続されている。また、第2のハウジング35に第2のヒートパイプ102の一方の端部が接触することで、第2のコネクタ部32と第2のヒートパイプ102の一方の端部が熱的に接続され、第2のヒートパイプ102の他方の端部が冷却部(図示せず)と熱的に接続されることで、第2のヒートパイプ102を介して第2のコネクタ部32と冷却部が熱的に接続されている。
【0045】
サーマルコネクタ3でも、熱伝導部材33を介して、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部32との接触面積が増大するので、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部32との間の熱抵抗を低減できる。また、サーマルコネクタ3でも、第1のコネクタ部11と第2のコネクタ部32とを熱的に接続するにあたり、高度な寸法精度を要せず、また、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができる。さらに、サーマルコネクタ3では、熱伝導部材33が第2のハウジング35内へ収納されているので、部品点数を低減できる。
【0046】
なお、上記第3実施形態例に係るサーマルコネクタ3では、熱伝導部材33が、第2のコネクタ部32の第2のハウジング35内に収納されていたが、これに代えて、第2のコネクタ部に第2の突起状の熱接合部が設けられ、第1のコネクタ部に第1の突起状の熱接合部が設けられずに、熱伝導部材が第1のコネクタ部の第1のハウジング内に収納されてもよい。
【0047】
次に、本発明の第4実施形態例に係るサーマルコネクタについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るサーマルコネクタ1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0048】
図6(a)に示すように、第4実施形態例に係るサーマルコネクタ4では、第1のコネクタ部41は、正面視における形状が円形であり、一方の端部側には、この円形の外周に沿って第1の突起状の熱接合部46が、複数、設けられている。従って、第1の突起状の熱接合部46は、第1のコネクタ部41の一方の端部において、環状に配列されている。また、第1のコネクタ部41の他方の端部側には、第1のヒートパイプ103の一方の端部が、はんだ接合等、公知の取り付け方法により取り付けられている。第1のヒートパイプ103は、第1のコネクタ部41と同じく、正面視における断面形状が円形であり、径方向の寸法が第1のコネクタ部41と同じである管材からなるコンテナを有している。第1のヒートパイプ103の他方の端部に発熱部(図示せず)が取り付けられることにより、第1のヒートパイプ103を介して、第1のコネクタ部41と発熱部が熱的に接続されている。
【0049】
また、サーマルコネクタ4では、第2のコネクタ部42は、正面視における形状が円形であり、一方の端部側には、この円形の外周に沿って第2の突起状の熱接合部47が、複数、設けられている。従って、第2の突起状の熱接合部47は、第2のコネクタ部42の一方の端部において、環状に配列されている。また、第2のコネクタ部42の他方の端部側には、第1のヒートパイプ103とは別体である第2のヒートパイプ104の一方の端部が、はんだ接合等、公知の取り付け方法により取り付けられている。第2のヒートパイプ104は、第2のコネクタ部42と同じく、正面視における断面形状が円形であり、径方向の寸法が第2のコネクタ部42と同じである管材からなるコンテナを有している。第2のヒートパイプ104の他方の端部に冷却部(図示せず)が取り付けられることにより、第2のヒートパイプ104を介して、第2のコネクタ部42と冷却部が熱的に接続されている。
【0050】
図6(b)に示すように、サーマルコネクタ4では、熱伝導部材43は、収納部材48内に収納されている。収納部材48は、第1のコネクタ部41と対向する側及び第2のコネクタ部42と対向する側が、いずれも開口した管材である。さらに、収納部材48は、正面視における形状が円形である。また、熱伝導部材43は、収納部材48内面に沿って設けられている。つまり、熱伝導部材43の正面視の形状は、中心部が中空であるリング状となっている。また、収納部材48内部及び開口部は、環状に配列されている第1の突起状の熱接合部46と環状に配列されている第2の突起状の熱接合部47が、いずれも、挿入可能な寸法となっている。
【0051】
従って、環状に配列されている第1の突起状の熱接合部46が、収納部材48の第1のコネクタ部41と対向する側の開口部から挿入され、収納部材48内面に沿って設けられた熱伝導部材43に突き刺さることにより、環状に配列されている第1の突起状の熱接合部46が熱伝導部材43と熱的に接続される。また、環状に配列されている第2の突起状の熱接合部47が、収納部材48の第2のコネクタ部42と対向する側の開口部から挿入され、収納部材48内面に沿って設けられた熱伝導部材43に突き刺さることにより、環状に配列されている第2の突起状の熱接合部47が熱伝導部材43と熱的に接続される。
【0052】
上記のようにして、熱伝導部材43を介して第1の突起状の熱接合部46と第2の突起状の熱接合部47が熱的に接続されることにより、第1のコネクタ部41と第2のコネクタ部42が熱的に接続される。サーマルコネクタ4でも、サーマルコネクタ1と同様に、第1のコネクタ部41と第2のコネクタ部42との間の熱抵抗を低減でき、第1のコネクタ部41と第2のコネクタ部42とを熱的に接続するにあたり、高度な寸法精度を要せず、また、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができる。
【0053】
次に、本発明の第5実施形態例に係るサーマルコネクタについて、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係るサーマルコネクタ1と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0054】
図7に示すように、第5実施形態例に係るサーマルコネクタ5では、第1のコネクタ部51と第2のコネクタ部52に、それぞれ、突起状の熱接合部からなるサーマルコネクタ部に加えて、さらに、電気コネクタ部が配置されている。サーマルコネクタ5では、第1のコネクタ部51の第1のハウジング54内には、複数の第1の突起状の熱接合部56からなる領域である第1のサーマルコネクタ部56’に加えて、さらに、複数の雄型のコネクタ端子58からなる領域である雄側電気コネクタ部58’が設けられている。
【0055】
また、第2のコネクタ部52の第2のハウジング55内には、複数の第2の突起状の熱接合部57からなる領域である第2のサーマルコネクタ部57’に加えて、さらに、複数の雌型のコネクタ端子59からなる領域である雌側電気コネクタ部59’が設けられている。雌型のコネクタ端子59は、第1のコネクタ部51と第2のコネクタ部52を対向させた位置において、雄型のコネクタ端子58と対応する位置に設けられている。
【0056】
さらに、サーマルコネクタ5では、第2のハウジング55内の第2のサーマルコネクタ部57’に熱伝導部材53が収納されている。従って、第2のコネクタ部52と第1のコネクタ部51が熱的に接続されなくても、第2の突起状の熱接合部57間は、熱伝導部材53を介して熱的に接続されている。
【0057】
サーマルコネクタ5では、第1のコネクタ部51と第2のコネクタ部52を、高度な寸法精度を要することなく熱抵抗を低減した熱的接続ができるとともに、第1のコネクタ部51と第2のコネクタ部32とを電気的にも接続できる。従って、サーマルコネクタ5は、電気コネクタとしての機能も有する。
【0058】
次に、突起状の熱接合部の製造方法の例について説明する。まず、第1実施形態例に係るサーマルコネクタの突起状の熱接合部の製造方法例について説明する。第1実施形態例に係るサーマルコネクタでは、突起状の熱接合部の材料となる板金を用意して、所定位置に短冊状に切り込みを複数入れる。切り込みで形成された短冊部を板金表面に対して直角方向に折り曲げることで、短冊状の突起と短冊形状の孔部を有する突起部材を形成する。上記と同様にして、短冊状の切り込みの位置を適宜変えた突起部材を作製し、相互に、突起位置と孔部位置の異なる複数の突起部材を用意する。短冊状の突起を他の突起部材の短冊形状の孔部に挿入して、突起位置と孔部位置の異なる突起部材を重ねることにより、複数の突起状の熱接合部を有する、積層された突起部材を作製する。この積層された突起部材をハウジングの底面に設置することにより、複数立設された突起状の熱接合部をコネクタ部に設けることができる。
【0059】
また、例えば、相手方のコネクタ部に対して、積層された突起部材の突起位置をハウジングの底面に沿ってずらすことにより、相手方のコネクタ部の突起状の熱接合部と対向させても、突起状の熱接合部をオフセットして配置することができる。
【0060】
次に、第4実施形態例に係るサーマルコネクタの突起状の熱接合部の製造方法例について説明する。図8(a)に示すように、第4実施形態例に係るサーマルコネクタでは、コネクタ部の材料となる矩形状の板金を用意し、該板金の1辺に複数の切り欠き部を形成することで、櫛状に突起が並んだ平板状の突起部材50を作製する。平板状の突起部材50の、切り欠き部の形成されていない対向する辺を突き合わせて接合し環状とすることで、図8(b)に示すように、環状に配列された突起状の熱接合部46、47を有するコネクタ部41、42を作製できる。
【0061】
また、例えば、相手方のコネクタ部に対して、突起状の熱接合部の位置をずらしてヒートパイプに取り付けることにより、相手方のコネクタ部の突起状の熱接合部と対向させても、突起状の熱接合部をオフセットして配置することができる。
【0062】
次に、本発明のサーマルコネクタのその他の実施形態例について説明する。上記各実施形態例では、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部が相互に対向した配置、すなわち、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部が直線上に配置された態様で、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部とが熱的に接続されていたが、これに代えて、第1のハウジング及び第2のハウジングの形状を適宜変更したり、収納部材の開口部の位置を適宜変更することにより、第1のコネクタ部が、第2のコネクタ部と対向しない配置、すなわち、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部が直線上に配置されていない態様で、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部とが熱的に接続されてもよい。第1のコネクタ部と第2のコネクタ部が直線上に配置されていない態様としては、例えば、互いの突起状の熱接合部が直交するような方向から第1のコネクタ部と第2のコネクタ部を接続しても良く、この態様により、伝熱方向を変えたり、位置公差を吸収したり、振動を吸収することにも利用できる。
【0063】
また、上記各実施形態例では、第2のハウジングは、第1のハウジング内に挿入可能な外形を有していたが、これに代えて、第1のハウジングが、第2のハウジング内に挿入可能な外形でもよい。また、第1のコネクタ部と第2のコネクタ部間の熱的接続性をより向上させるために、一方のコネクタ部のハウジングの外面が他方のコネクタ部のハウジングの内面と嵌合する形状としてもよい。
【0064】
また、第4の実施形態例に係るサーマルコネクタ4では、熱伝導部材43の正面視の形状は、中心部が中空のリング状となっていたが、これに代えて、中実、つまり、熱伝導部材43は収納部材48内に充填されてもよく、この場合、環状に配列された第1の突起状の熱接合部46及び環状に配列された第2の突起状の熱接合部47に加えて、さらに、環状に配列された第1の突起状の熱接合部46及び第2の突起状の熱接合部47の内側にも、第1の突起状の熱接合部46及び第2の突起状の熱接合部47を設けてもよい。
【0065】
第5実施形態例に係るサーマルコネクタ5では、第1のコネクタ部51は、複数の第1の突起状の熱接合部56からなる領域である第1のサーマルコネクタ部56’と複数の雄型のコネクタ端子58からなる領域である雄側電気コネクタ部58’が設けられていたが、これに代えて、第1の突起状の熱接合部56と雄型のコネクタ端子58が第1のハウジング54内に混在していてもよく、雄型のコネクタ端子58の一部または全部を雌型のコネクタ端子59としてもよい。同様に、第2のコネクタ部52は、複数の第2の突起状の熱接合部57からなる領域である第2のサーマルコネクタ部57’と複数の雌型のコネクタ端子59からなる領域である雌側電気コネクタ部59’が設けられていたが、これに代えて、第2の突起状の熱接合部57と雌型のコネクタ端子59が第2のハウジング55内に混在していてもよく、雌型のコネクタ端子59の一部または全部を雄型のコネクタ端子58としてもよい。
【0066】
第5実施形態例に係るサーマルコネクタ5では、第2のハウジング55内の第2のサーマルコネクタ部57’に熱伝導部材53が収納されていたが、これに代えて、第1のハウジング54内の第1のサーマルコネクタ部56’に熱伝導部材53が収納される態様としてもよい。
【0067】
また、上記各実施形態例では、ヒートパイプを介してまたはヒートパイプと可撓性を有する伝熱材を介して、コネクタ部と発熱部、コネクタ部と冷却部が、それぞれ、熱的に接続されていたが、これに代えて、ヒートパイプを用いずに可撓性を有する伝熱材を介して、コネクタ部と発熱部、コネクタ部と冷却部が、それぞれ、熱的に接続されてもよい。また、ヒートパイプに代えて、他の熱移動手段、例えば、可撓性を有さない伝熱材(例えば、銅等の金属棒)を用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明のサーマルコネクタは、高度な寸法精度を要することなく、熱抵抗の増大を防止でき、さらに、発熱部と冷却部との位置関係の自由度を向上させることができるので、広汎な分野で利用可能であり、例えば、電子機器や車両等において、発熱体を有する発熱部と放熱手段を有する冷却部を組み上げて、発熱部または冷却部を設置してから、発熱部と冷却部とを熱的に接合することが必要な分野や、狭い空間に発熱部と冷却部を設置する必要がある分野で、特に、利用価値が高い。
【符号の説明】
【0069】
1、2、3、4、5 サーマルコネクタ
11、41、51 第1のコネクタ部
12、22、32、42、52 第2のコネクタ部
13、23、33、43、53 熱伝導部材
14、54 第1のハウジング
15、25、35、55 第2のハウジング
16、46、56 第1の突起状の熱接合部
17、47、57 第2の突起状の熱接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8