(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ハウジング内に収容された発熱部品(例えば、回路基板に搭載された電子部品等の発熱部品)の温度上昇を防止するために、発熱部品の熱をハウジングへ伝達し、ハウジングへ伝達された熱をハウジングから外部環境へ放出する手段が採用されることがある。
【0003】
従来の、発熱部品の熱を発熱部品からハウジングへ伝達し、ハウジングから外部環境へ熱を放出する手段として、例えば、発熱部品と接触して発熱部品で発生した熱を受容するとともに凹部を備えた、基板に固定されている熱受容部品と、熱受容部品の凹部内に収容されたゲル状又は液状の熱伝導材と、凹部に収容された熱伝導材と接触する凸部及び熱受容部品と対応する箇所が外側へ膨出した膨出部を有するカバーと、を備えた発熱部品の放熱構造が提案されている(特許文献1)。
【0004】
また、ゲル状の熱伝導材について、安定した放熱性を確保するために、回路基板を収納したハウジングの空間内を、熱伝導率の高いゲル材で埋めることが提案されている(特許文献2)。
【0005】
一方で、近年、電子機器の高機能化等に伴い、電子部品の発熱量は、益々、増大している。また、特許文献1では、熱受容部品は、発熱部品で発生した熱を速やかに受容して発熱部品が過熱しない状態に保持可能な熱容量を有する大きさに形成される必要がある。従って、特許文献1では、電子部品の発熱量が増大すると、熱受容部品を大型化する必要があるので、熱受容部品が固定されている基板も大きくなってしまうという問題、ひいては、構造自体が大型化かつ重量化してしまうという問題があった。
【0006】
また、特許文献1では、カバーの、熱受容部品と対応する箇所に、凸部と膨出部を形成する必要があるので、カバー、ひいては、放熱構造が複雑化し、結果、放熱効率が抑制され、放熱構造の組み立て作業も煩雑化してしまうという問題があった。さらに、特許文献1では、熱受容部品の凹部とカバーの凸部について、精度よい位置関係が要求されるので、基板上における熱受容部品の位置の相違に応じて、カバーを変更しなければならず、部品点数が増大してしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献2のように、ハウジングの空間内を熱伝導率の高いゲル材で埋めると、コストが高くなり、また、ハウジングの所望箇所以外の領域にも熱が伝達されてしまうという問題や、やはり、構造が重量化してしまうという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記事情から、本発明は、小型化かつ軽量化できる発熱部品の放熱構造であり、さらに放熱構造を簡略化でき、放熱効率に優れ、組み立て作業の簡易な発熱部品の放熱構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の態様は、ハウジングと、前記ハウジング内に収容された基板と、該基板に搭載された発熱部品と、該発熱部品と熱的に接続された放熱部品と、を備え、前記ハウジングは、内側に突出し、前記放熱部品を収容する放熱部品収容部を備え、前記放熱部品は、前記ハウジングの外側から前記放熱部品収容部に取り付けられている発熱部品の放熱構造である。
【0011】
上記態様では、放熱部品がハウジングに取り付けられていることにより、放熱部品がハウジングと熱的に接続されている。一方で、上記態様では、放熱部品は、発熱部品の搭載された基板には、取り付けられていない。また、上記態様では、発熱部品の熱は、放熱部品へ伝達されて、該放熱部品から外部環境へ放出、及び/または発熱部品の熱は、放熱部品を介してハウジングへ伝達され、該ハウジングから外部環境へ放出される。
【0012】
本発明の態様は、前記ハウジング及び/または前記放熱部品が、前記発熱部品と前記放熱部品が熱的に接続された部位に対応する領域に、テーパー部と該テーパー部から延在した押し込み部とを有する発熱部品の放熱構造である。
【0013】
本発明の態様は、前記放熱部品収容部は、前記発熱部品を挿通する孔部を備える発熱部品の放熱構造である。
【0014】
本発明の態様は、前記放熱部品に、前記発熱部品を収容するための凹部が設けられている発熱部品の放熱構造である。
【0015】
本発明の態様は、前記凹部に、前記テーパー部と前記押し込み部が設けられている発熱部品の放熱構造である。
【0016】
本発明の態様は、前記放熱部品と前記発熱部品の間に熱伝導性材料が配置されている発熱部品の放熱構造である。
【0017】
本発明の態様は、前記発熱部品が、固定手段によって、前記放熱部品及び/または前記ハウジングに固定されている発熱部品の放熱構造である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の態様によれば、放熱部品がハウジングの放熱部品収容部に取り付けられていることにより、放熱構造を簡略化でき、ひいては、放熱効率に優れ、組み立て作業の簡易な発熱部品の放熱構造を得ることができる。また、本発明の態様によれば、放熱部品がハウジングに取り付けられているので、放熱部品からハウジングへ、円滑に熱が伝達される。また、本発明の態様によれば、放熱構造が簡略化されるので、部品点数を低減できる。また、本発明の態様によれば、放熱部品がハウジングに取り付けられていることにより、電子部品等の発熱部品の発熱量が増大しても、基板を大型化する必要はないので、発熱部品の放熱構造を小型化、軽量化できる。
【0019】
本発明の態様によれば、ハウジング及び/または放熱部品が、発熱部品と放熱部品が熱的に接続された部位に対応する領域に、テーパー部を有することにより、基板に搭載された発熱部品をハウジング及び/または放熱部品の所定位置に円滑に誘導できる。また、テーパー部から延在した押し込み部を有することにより、ハウジング及び/または放熱部品の所定位置に誘導された発熱部品とハウジング及び/または放熱部品との間の熱的接続性と固定性が向上して、放熱効率がさらに向上する。
【0020】
本発明の態様によれば、放熱部品に、発熱部品を収容するための凹部が形成されていることにより、発熱部品を放熱部品に簡易に熱的に接続でき、発熱部品から放熱部品への熱伝達性がさらに向上する。
【0021】
本発明の態様によれば、放熱部品と発熱部品の間に熱伝導性材料が配置されていることにより、発熱部品と放熱部品間の熱抵抗を低減でき、発熱部品から放熱部品へ、優れた熱伝達性が得られる。
【0022】
本発明の態様によれば、発熱部品が、固定手段によって、放熱部品及び/またはハウジングに固定されていることにより、発熱部品と放熱部品及び/またはハウジングとの間の熱的接続性がさらに向上して、さらに優れた放熱効率を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明の第1実施形態例に係る発熱部品の放熱構造を、図面を用いながら説明する。
図1に示すように、第1実施形態例に係る発熱部品の放熱構造1(以下、「放熱構造1」ということがある。)は、ハウジング11と、ハウジング11内に収容された基板14と、基板14に搭載された発熱部品15と、発熱部品15と熱的に接続された放熱部品16とを備えている。
【0025】
ハウジング11は、カバー部12と本体部13からなり、本体部13にカバー部12を取り付けることで、内部空間を有するハウジング11が形成される。ハウジング11の内部空間には、基板14(例えば、回路基板)が収容されている。
【0026】
基板14には、発熱部品15が搭載されている。放熱構造1では、発熱部品15は、導電性の金属部材である取り付け部材17を介して、基板14に実装されている。取り付け部材17の形状は、特に限定されないが、放熱構造1では、平板状または線状である。また、発熱部品15の基板14への実装手段は、特に限定されないが、放熱構造1では、取り付け部材17が、発熱部品15側から基板14を貫通し、基板14の裏面側にて留め具18で基板に固定されることで、発熱部品15は基板14に実装されている。
【0027】
発熱部品15としては、特に限定されないが、例えば、電界効果トランジスタ(FET)、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、発光ダイオード等の半導体素子といった電子部品を挙げることができる。
【0028】
発熱部品15と熱的に接続される放熱部品16の形状は、特に限定されず、放熱構造1では、放熱部品16は、側面の断面形状が略台形状の角柱または円柱であり、発熱部品15に対向した側に凹部20が形成されている。凹部20に発熱部品15が収容されることで、発熱部品15と放熱部品16とが、熱的に接続されている。凹部20の形状は、発熱部品15を収容できる形状であれば、特に限定されず、発熱部品15が凹部20と嵌合する形状等、発熱部品15の形状に対応した形状でもよく、発熱部品15の形状に対応しない形状でもよい。
【0029】
なお、放熱構造1では、凹部20の形状は、発熱部品15の形状に対応した形状であり、凹部20の内面と発熱部品15の外面との間に空隙が存在し、この空隙に、空気よりも熱伝導率の高い熱伝導性材料21(例えば、熱伝導ゲル、熱伝導シート等)が配置されている。また、
図1では、凹部20の内面と発熱部品15の外面との間の空隙は、上記熱伝導性材料21で充填されている。放熱構造1では、発熱部品15と放熱部品16との間に、熱伝導性材料21が配置されているので、発熱部品15と放熱部品16との間の熱抵抗が低減され、発熱部品15から放熱部品16へ、円滑に熱が伝達される。また、熱伝導性材料21は凹部20の内面と発熱部品15の外面との間の空隙に収容されているので、上記熱伝導性材料21によって、ハウジング11の所望箇所以外の領域に熱が伝達されるのを防止でき、また熱伝導性材料21の使用量を低減できる。
【0030】
放熱構造1では、放熱部品16は、ハウジング11のカバー部12に取り付けられている。放熱部品16がカバー部12に取り付けられることで、放熱部品16とハウジング11が熱的に接続されている。放熱部品16とハウジング11が熱的に接続されることで、発熱部品15から放熱部品16へ伝達された熱は、さらに、放熱部品16からハウジング11へ伝達され、ハウジング11から外部環境へ放出される。また、後述するように、放熱構造1では、放熱部品16の頂部25は露出しているので、発熱部品15から放熱部品16へ伝達された熱の一部は、放熱部品16から、直接、外部環境へ放出される。このように、発熱部品15の熱がハウジング11の外部環境へ放出されることで、発熱部品15の過熱や温度上昇が防止される。
【0031】
放熱部品16のカバー部12への取り付け手段は、特に限定されず、放熱構造1では、カバー部12に設けられた、内側へ陥入した窪み部である放熱部品収容部19に、放熱部品16が嵌め入れられることで、放熱部品16がカバー部12に取り付けられている。放熱部品収容部19は、ハウジング11の内部空間方向、すなわち、基板14方向へ陥入しているので、放熱部品16は、カバー部12の外面に載置されている態様となっている。上記から、放熱構造1では、放熱部品16の頂部25表面は、外部環境に露出している。
【0032】
また、放熱部品収容部19の底面には、放熱部品16の凹部20に対応した部位に、孔部24が形成されている。発熱部品15は、孔部24を介して、放熱部品16の凹部20へ挿入されることで、カバー部12の外面に載置されている放熱部品16の凹部20内に収容可能となっている。
【0033】
放熱部品収容部19の形状は、特に限定されないが、放熱構造1では、放熱部品収容部19は、放熱部品16の外形に対応した形状となっている。また、放熱部品16は、放熱部品収容部19に嵌合した状態、すなわち、放熱部品16の外面が放熱部品収容部19に直接接した状態で、カバー部12に取り付けられている。よって、放熱部品16からカバー部12へ、円滑に熱が伝達される。なお、
図1では、放熱部品16の頂部25に、フランジ22が設けられている。フランジ22の部位において、カバー部12の外面からカバー部12を貫通するねじ23を用いることで、放熱部品16はカバー部12の外面に固定されている。
【0034】
ハウジング11の材質としては、特に限定されず、例えば、優れた熱伝導性を有する材質、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属を挙げることができる。また、放熱部品16の材質としては、特に限定されず、例えば、優れた熱伝導性を有する材質、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属を挙げることができる。また、空気よりも熱伝導率の高いゲル材料21としては、例えば、シリコーンゲル等を挙げることができる。
【0035】
上記のように、放熱構造1では、放熱部品16は、カバー部12の放熱部品収容部19に取り付けられ、発熱部品15の実装された基板には取り付けられていない。すなわち、放熱部品16は、発熱部品15から受けた熱を、直接、カバー部12(ハウジング11)へ伝達できるので、放熱構造1を簡略化できる。本発明の態様によれば、上記のように、放熱構造1が簡略化されるので、優れた放熱効率を得ることができる。また、本発明の態様によれば、放熱部品16はカバー部12(ハウジング11)に取り付けられているので、放熱部品16からカバー部12(ハウジング11)へ、円滑に熱が伝達される。本発明の態様によれば、上記のように、放熱構造1が簡略化されるので、部品点数を低減でき、また、組み立て作業を簡易化できる。さらに、本発明の態様によれば、放熱部品16がカバー部12(ハウジング11)に取り付けられていることにより、発熱部品15の発熱量が増大しても、基板14を大型化する必要はないので、放熱構造1を小型化、軽量化できる。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造を、図面を用いながら説明する。なお、第1実施形態例に係る発熱部品の放熱構造と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0037】
図2に示すように、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造2(以下、「放熱構造2」ということがある。)は、放熱部品16の凹部20に、さらに、テーパー部30とテーパー部30から延在した押し込み部31が設けられている。テーパー部30は、凹部20の開口側端部に設けられ、凹部20の中央部(すなわち、凹部20の開口側端部と閉塞側端部の間)から閉塞側端部に、押し込み部31が設けられている。
【0038】
図3に示すように、放熱構造2では、押し込み部31は、凹部20となる貫通孔20’の側壁面に形成された切り込みの両端部を、内側へ折り曲げ加工して、折り曲げ部を形成することによって設けられている。押し込み部31から延在したテーパー部30は、上記折り曲げ部をテーパー状に加工することで形成されている。また、放熱部品16の貫通孔20’のうち、テーパー部30が形成されていない端部を蓋部32で閉塞することで、凹部20が形成される。
【0039】
凹部20の開口側端部にテーパー部30が形成されていることにより、基板14に実装された発熱部品15を凹部20の位置に円滑かつ確実に誘導できるので、発熱部品15と放熱部品16とを、円滑かつ確実に、熱的に接続できる。また、テーパー部30から押し込み部31が延在することにより、凹部20に挿入された発熱部品15は、テーパー部30及び押し込み部31と対向した凹部20の内面方向へ押し込まれて、放熱部品16と密接する。従って、発熱部品15と放熱部品16との間における熱的接続性と固定性が向上して、放熱効率がさらに向上する。
【0040】
なお、
図2に示すように、放熱構造2では、凹部20は発熱部品15と嵌合する形状であり、テーパー部30及び押し込み部31と対向した凹部20の内面と発熱部品15の外面との間には、熱伝導性材料21は配置されておらず、凹部20の閉塞側端部と発熱部品15の頂部との間に、熱伝導性材料21が充填されている。すなわち、放熱構造2では、テーパー部30及び押し込み部31と対向した凹部20の内面と発熱部品15の外面は、直接接した状態となっている。
【0041】
また、放熱構造2では、放熱構造1と同様に、放熱部品収容部19は、放熱部品16の外形に対応した形状であり、放熱部品16は、放熱部品収容部19に嵌合した状態でカバー部12に取り付けられている。放熱部品収容部19には、放熱構造1と同様に、発熱部品15を放熱部品16の凹部20へ挿入するための、孔部24が設けられている。一方で、放熱構造2では、放熱部品16の頂部にはフランジは設けられておらず、放熱部品16は、ねじ等の固定手段で、カバー部12に固定されてはいない。このように、本発明の発熱部品の放熱構造では、使用状況に応じて、放熱部品16は、ねじ等の固定手段を用いずに、カバー部12(ハウジング11)に取り付けられることもできる。
【0042】
次に、本発明の第3実施形態例に係る発熱部品の放熱構造を、図面を用いながら説明する。なお、第1、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0043】
図4に示すように、第3実施形態例に係る発熱部品の放熱構造3(以下、「放熱構造3」ということがある。)は、発熱部品15が、固定手段41によって、放熱部品16及びハウジング11のカバー部材12に固定されている。放熱構造3では、カバー部12の外面と放熱部品16との間に凹部40が形成され、凹部40に発熱部品15が収容されている。また、発熱部品15は、凹部40の内面(内側面)と直接接している。すなわち、発熱部品15は、放熱部品16及びカバー部12と直接接している。
【0044】
放熱構造3では、板状であるカバー部12は、その縁部が、ハウジング11内部に収容された基板14の方向へ折り曲げられることで、平面状の鉛直部42が形成されている。また、放熱部品16には、側面視略L字状の部位43が形成されている。カバー部12の平面状の鉛直部42外面と放熱部品16の側面視略L字状の部位43とから、凹部40が形成されている。側面視略L字状の部位43のうち、凹部40の閉塞側端部を形成する部位は、平面状の鉛直部42の基部、すなわち、カバー部12の折り曲げ部位の外面に取り付けられている。よって、放熱構造3でも、カバー部12(ハウジング11)の外面に放熱部品16が取り付けられている。つまり、放熱構造3では、カバー部12の縁部が内側へ陥入することで、平面状の鉛直部42が形成され、平面状の鉛直部42が、カバー部12(ハウジング11)の放熱部品収容部として機能する。
【0045】
本体部13は基板14よりも大きく設計されているのに対し、平面状の鉛直部42の形成されたカバー部12は、基板14よりも小さく設計され、カバー部12の平面状の鉛直部42外面と放熱部品16によって、発熱部品15は挟持されている。さらに、発熱部品15は、固定手段41(
図4では、ねじ)によって、カバー部12の平面状の鉛直部42外面と放熱部品16に固定(
図4では、ねじ止め)されている。従って、放熱構造3では、基板14が放熱構造3に固定されるときに、放熱部品16も放熱構造3に固定される。
【0046】
なお、放熱構造3では、凹部40の開口側端部にテーパー部30が設けられている。
図3では、カバー部12の平面状の鉛直部42のうち、凹部40の開口側端部に対応する部位に、テーパー部30が設けられている。また、放熱構造3では、凹部40内には、熱伝導性材料は収容されていない。
【0047】
放熱構造3では、発熱部品15が、固定手段41によって、放熱部品16及びカバー部12(ハウジング11)と直接接した状態で固定されているので、発熱部品15と放熱部品16及びカバー部12(ハウジング11)との間の熱的接続性がさらに向上して、優れた放熱効率を得ることができる。
【0048】
次に、本発明の発熱部品の放熱構造で使用される放熱部品の他の実施形態例について説明する。ここでは、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造で使用される放熱部品について、他の実施形態例を、図面を用いながら説明する。なお、上記した第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造で使用される放熱部品(以下、「第1実施形態例に係る放熱部品」ということがある。)と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0049】
まず、上記放熱部品の他の実施形態例として、第2実施形態例に係る放熱部品について、図面を用いながら説明する。
【0050】
第1実施形態例に係る放熱部品16では、凹部20となる貫通孔20’の壁面に形成された切り込みの両端部を、内側へ垂直に折り曲げ加工して折り曲げ部を形成することによって、押し込み部31が設けられていたが、これに代えて、
図5に示すように、第2実施形態例に係る放熱部品56では、凹部20に切り込みを形成せずに、凹部20の内面(内側面)に、条材である押し込み部材を1本または複数本(
図5では、2本)取り付けることで押し込み部51が設けられている。
【0051】
放熱部品56では、押し込み部51から延在したテーパー部50は、上記押し込み部材の開口側端部をテーパー状に加工することで形成されている。また、放熱部品56の凹部20となる貫通孔20’のうち、テーパー部50が形成されていない端部を蓋部32で閉塞することで、凹部20が形成される。
【0052】
条材である押し込み部材の材質としては、特に限定されず、例えば、優れた熱伝導性を有する材質、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス等の金属を挙げることができる。
【0053】
条材である押し込み部材を用いた第2実施形態例に係る放熱部品56でも、第1実施形態例に係る放熱部品16と同様に、凹部20の開口側端部にテーパー部50が形成されていることにより、発熱部品(
図5では、図示せず)を凹部20の位置に円滑かつ確実に誘導できる。また、テーパー部50から押し込み部51が延在することにより、凹部20に挿入された発熱部品は、テーパー部50及び押し込み部51と対向した凹部20の内面方向へ押し込まれて、放熱部品56と密接する。
【0054】
次に、上記放熱部品の他の実施形態例として、第3実施形態例に係る放熱部品について、図面を用いながら説明する。なお、第1、第2実施形態例に係る放熱部品と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0055】
図6(a)に示すように、第3実施形態例に係る放熱部品66では、第1実施形態例に係る放熱部品16の凹部20の側壁面に、さらに、開口部62が設けられている。放熱部品66では、凹部20の側壁面のうち、押し込み部31の形成された側壁面に、開口部62(
図6(a)では複数の開口部62)が設けられている。なお、
図6(a)では、押し込み部31を形成するために設けられた凹部20の切り込みを境に、それぞれ、1つの側面視矩形状の開口部62が設けられている。
【0056】
第3実施形態例に係る放熱部品66でも、第1実施形態例に係る放熱部品16と同様に、凹部20の開口側端部にテーパー部30が形成されていることにより、発熱部品(
図6(a)では、図示せず)を凹部20の位置に円滑かつ確実に誘導できる。また、テーパー部30から押し込み部31が延在することにより、凹部20に挿入された発熱部品は、テーパー部30及び押し込み部31と対向した凹部20の内面方向へ押し込まれて、放熱部品66と密接する。
【0057】
また、凹部20の側壁面に開口部62が設けられていることにより、押し込み部31の形成された側壁面の可撓性が向上するので、発熱部品を凹部20の位置により円滑に誘導でき、また、発熱部品の凹部20への収容を容易化できる。さらに、凹部20の側壁面に開口部62が設けられていることにより、放熱部品66を軽量化できる。
【0058】
次に、上記放熱部品の他の実施形態例として、第4実施形態例に係る放熱部品について、図面を用いながら説明する。なお、第1〜第3実施形態例に係る放熱部品と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0059】
図6(b)に示すように、第4実施形態例に係る放熱部品76では、凹部20にテーパー部及びテーパー部から延在した押し込み部は、いずれも設けられていない。また、凹部20の側壁面に側面視略逆U字状の開口部72(
図6(b)では1つ)が設けられている。凹部20の側壁面に側面視略逆U字状の開口部72が設けられていることに応じて、この側壁面には、側面視略矩形状の突出部73が形成されている。
【0060】
第4実施形態例に係る放熱部品76でも、発熱部品(
図6(b)では図示せず)を収容するための凹部20が設けられ、側面視略逆U字状の開口部72が設けられた凹部20の側壁面に側面視略矩形状の突出部73が形成されていることにより、発熱部品から放熱部品76へ優れた熱伝達性が得られる。また、凹部20の側壁面に開口部72が設けられていることにより、放熱部品76を軽量化できる。
【0061】
次に、上記放熱部品の他の実施形態例として、第5実施形態例に係る放熱部品について、図面を用いながら説明する。なお、第1〜第4実施形態例に係る放熱部品と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明する。
【0062】
第1実施形態例に係る放熱部品16の凹部20では、凹部20の中央部から閉塞側端部に押し込み部31が設けられていたが、これに代えて、
図6(c)に示すように、第5実施形態例に係る放熱部品86では、押し込み部81は、凹部20の開口側端部と閉塞側端部との間、すなわち、凹部20の中央部に設けられ、凹部20の閉塞側端部には設けられていない。また、第5実施形態例に係る放熱部品86では、第1実施形態例に係る放熱部品16と同様に、凹部20の開口側端部にテーパー部80が設けられている。また、第5実施形態例に係る放熱部品86では、テーパー部80と押し込み部81の設けられた凹部20の側壁面のうち、閉塞側端部に開口部82(
図6(c)では1つ)が設けられている。
図6(c)では、開口部82の形状は、側面視矩形状となっている。
【0063】
第5実施形態例に係る放熱部品86でも、第1実施形態例に係る放熱部品16と同様に、凹部20の開口側端部にテーパー部80が形成されているので、発熱部品(
図6(c)では、図示せず)を凹部20の位置に円滑かつ確実に誘導できる。また、テーパー部80から押し込み部81が延在することにより、凹部20に挿入された発熱部品は、テーパー部80及び押し込み部81と対向した凹部20の内面方向へ押し込まれて、放熱部品86と密接する。
【0064】
また、凹部20の側壁面に開口部82が設けられていることにより、押し込み部81の形成された側壁面の可撓性が向上するので、発熱部品を凹部20の位置により円滑に誘導でき、また、発熱部品の凹部20への収容を容易化できる。さらに、凹部20の側壁面に開口部82が設けられていることにより、放熱部品86を軽量化できる。
【0065】
次に、本発明の他の実施形態例について説明する。第1、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造では、放熱部品に凹部が形成され、該凹部に発熱部品が収容されていたが、これに代えて、凹部を設けていない放熱部品表面に発熱部品を接触させることで、発熱部品と放熱部品が熱的に接続されてもよい。
【0066】
また、第1実施形態例に係る発熱部品の放熱構造では、凹部の内面と発熱部品の外面との間は、空気よりも熱伝導率の高い熱伝導性材料で充填されていたが、これに代えて、上記熱伝導性材料で充填しなくてもよく、この場合、例えば、凹部の内面と発熱部品の外面との間に空隙が生じないように、凹部が発熱部品と嵌合する形状としてもよい。また、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造では、テーパー部及び押し込み部と対向した凹部の内面と発熱部品の外面との間には、熱伝導性材料は配置されていなかったが、必要に応じて、熱伝導性材料を配置してもよく、また、凹部の閉塞側端部と発熱部品の頂部との間には熱伝導性材料が配置されていたが、これに代えて、熱伝導性材料を配置しなくてもよい。
【0067】
第1、第2実施形態例に係る発熱部品の放熱構造では、発熱部品は、ねじ等の固定手段によって、放熱部品及び/またはハウジングに固定されていなかったが、必要に応じて、ねじ等の固定手段を用いて、放熱部品及び/またはハウジングに固定してもよい。
【0068】
また、第3実施形態例に係る発熱部品の放熱構造では、カバー部の平面状の鉛直部にテーパー部が設けられていたが、これに代えて、またはこれとともに、放熱部品のうち、凹部の開口側端部に対応する部位にテーパー部が設けられてもよい。