特許第6697775号(P6697775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6697775
(24)【登録日】2020年4月30日
(45)【発行日】2020年5月27日
(54)【発明の名称】炒め物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 5/10 20160101AFI20200518BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20200518BHJP
   A23L 27/00 20160101ALI20200518BHJP
   A23L 27/20 20160101ALI20200518BHJP
   A23D 9/00 20060101ALI20200518BHJP
   A23D 9/013 20060101ALI20200518BHJP
【FI】
   A23L5/10 Z
   A23L5/00 H
   A23L27/00 C
   A23L27/20 B
   A23D9/00 506
   A23D9/013
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-30735(P2016-30735)
(22)【出願日】2016年2月22日
(65)【公開番号】特開2017-147939(P2017-147939A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J−オイルミルズ
(72)【発明者】
【氏名】川原 雅典
(72)【発明者】
【氏名】山田 祐三
(72)【発明者】
【氏名】野上 竜一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹内 茂雄
【審査官】 井関 めぐみ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−121990(JP,A)
【文献】 特開昭54−120609(JP,A)
【文献】 特開昭54−110210(JP,A)
【文献】 特開平10−248488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/10
A23D 9/00
A23D 9/013
A23L 5/00
A23L 27/00
A23L 27/20
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炒め物の製造方法であって、
食材を炒める工程、および、
70℃以上160℃以下の温度で加熱処理して得られたレシチン含有油脂を含む油脂組成物を、炒める工程中および/または炒める工程後の前記食材に添加する工程
を含
前記レシチン含有油脂の加熱処理をする時間が、0.5時間以上240時間以下であり、前記レシチン含有油脂がレシチンを添加した食用油である、
前記製造方法。
【請求項2】
前記レシチン含有油脂の加熱処理後の400nmの吸光度から加熱処理前の400nmの吸光度を引いた値が0.1以上25以下である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記レシチン含有油脂のレシチン含有量が0.01質量%以上20質量%以下である請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記食材に対し、加熱処理前のレシチンが5ppm以上1000ppm以下になるように前記油脂組成物を添加する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
70℃以上160℃以下の温度で加熱処理して得られるレシチン含有油脂を含む油脂組成物を、炒める工程中および/または炒める工程後の食材に添加することを特徴とする、炒め物に香ばしさを付与する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香ばしさが付与された炒め物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店頭にならぶ炒飯等の炒め物は、調理してから時間を経過しているため、調理直後の風味が低下してしまうことが課題となっている。
【0003】
レシチンは大豆等の油脂を精製する際に副産物として抽出される。レシチンは離型性を有する乳化剤である。そのため、レシチンを油脂に配合することで、離型性を高めた炒め用の油脂組成物等を作ることができる(特許文献1、2)。
【0004】
一方、レシチンを含有する油脂を加工し、炒め物に添加することで、香ばしさを付与できることは、これまで報告されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−39021号公報
【特許文献2】特開2013−81475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、炒め物の香ばしさは保存とともに低下してしまう。そこで、本発明では、香ばしさが付与された炒め物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意研究の結果、加熱処理したレシチン含有油脂を炒め物に添加することで、炒め物に香ばしさを付与できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、炒め物の製造方法であって、
食材を炒める工程、および、
70℃以上160℃以下の温度で加熱処理して得られたレシチン含有油脂を含む油脂組成物を、炒める工程中および/または炒める工程後の前記食材に添加する工程
を含む、前記製造方法である。
【0009】
さらに、前記レシチン含有油脂の加熱処理する時間が、0.5時間以上240時間以下であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記レシチン含有油脂の加熱処理後の400nmの吸光度から加熱処理前の400nmの吸光度を引いた値が0.1以上25以下であることが好ましい。
【0011】
さらに、前記レシチン含有油脂のレシチン含有量が0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましい。
【0012】
さらに、前記レシチン含有油脂がレシチンを添加した食用油であることが好ましい。
【0013】
さらに、前記食材に対し、加熱処理前のレシチンが5ppm以上1000ppm以下になるように前記油脂組成物を添加することが好ましい。
【0014】
また、本発明は、70℃以上160℃以下の温度で加熱処理して得られるレシチン含有油脂を含む油脂組成物を、炒める工程中および/または炒める工程後の食材に添加することを特徴とする、炒め物に香ばしさを付与する方法である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法により、炒め物に香ばしさを付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明において用いられるレシチンは、食品または食品添加物の分野で慣用的に用いられているレシチンを総称するものである。具体的には、大豆、菜種、コーン、ヒマワリ、パーム、落花生、米糠などを原料とした植物油精製時の副産物(例えば、脱ガム工程で発生する水和物)や卵黄などの粗原料から調製したペースト状レシチンや、この粗原料を溶剤で分別して得た分別レシチン、さらにこの粗原料を酵素処理して得た酵素分解レシチンなど、リン脂質を主成分とした混合物からなるレシチンである。好ましくはペースト状レシチンおよび分別レシチンから選ばれる1種または2種であり、より好ましくはペースト状レシチンである。
また、レシチンの原料は特に問わないが、好ましくは大豆または米糠由来のレシチンであり、より好ましくは大豆由来のレシチンである。
また、レシチンの酸価は10以上35以下が好ましく、10以上30以下がより好ましい。ここでいう酸価は、社団法人日本油化学会制定・基準油脂分析試験法(2.3.1−1996 酸価)に準じて測定されたものである。
【0017】
レシチン含有油脂の油脂としては、特に限定はなく、食用油として用いられるものであればよく、特に大豆油、菜種油、コーン油、パーム油とその分別油、及び、綿実油のいずれか1種または2種以上が好ましく、大豆油、菜種油、コーン油、及び、パーム油とその分別油のいずれか1種または2種以上がより好ましく、大豆油、菜種油、及び、パームオレインのいずれか1種または2種以上がさらに好ましく、大豆油が最も好ましい。
【0018】
本発明で使用される油脂には、レシチン含有油脂の他に、食用油として用いられるものを含んでいてもよい。食用油の種類には特に限定はないが、具体例として、大豆油、菜種油、パーム油、コーン油、紅花油、ヒマワリ油、綿実油、米油、パーム核油、ヤシ油などの植物油脂並びに牛脂、豚脂等の動物脂、並びにこれらに分別、水素添加、エステル交換等を施した加工油脂の単品又は、これらの2種以上を混合したものが挙げられる。
【0019】
また、レシチン含有油脂は、食用油にレシチンを添加した油脂でもよく、レシチンが残存するように精製した油脂でもよい。レシチンの含有量の調整のしやすさの点で、好ましくは食用油にレシチンを添加したものがよい。レシチンの含有量は0.01質量%以上20質量%以下が好ましく、0.05質量%以上12質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上10質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以上10質量%以下が最も好ましい。
【0020】
レシチン含有油脂の加熱処理の温度は70℃以上160℃以下であり、好ましくは80℃以上140℃以下であり、より好ましくは90℃以上140℃以下であり、さらに好ましくは105℃以上140℃以下である。
また、加熱処理の時間は、好ましくは0.5時間以上240時間以下であり、より好ましくは2.5時間以上120時間以下であり、さらに好ましくは2.5時間以上80時間以下であり、最も好ましくは3時間以上48時間以下である。
【0021】
また、レシチン含有油脂の加熱処理は、レシチン含有油脂の400nmの吸光度に基づいておこなうことが好ましい。レシチン含有油脂の400nmの吸光度は、通常の分光光度計での測定値、もしくはレシチン含有油脂に400nmの吸光度が0の液状油を加えて希釈油脂を調製し、前記希釈油脂の分光光度計での測定値に希釈倍率を乗じた値である。加熱処理後の400nmの吸光度から加熱処理前の400nmの吸光度を引いた値(加熱処理後の吸光度−加熱処理前の吸光度)が0.1以上25以下になるようにすることが好ましく、0.5以上20以下がより好ましく、1以上15以下がさらに好ましく、2以上12以下が最も好ましい。
【0022】
また、レシチン含有油脂の加熱方法は特に限定されず、通常油脂等の加熱に使用される方法を用いればよい。例えば、直火、電熱器、IHヒーター、オイルバス、蒸気、恒温槽などで加熱することができる。加熱時にレシチン含有油脂を撹拌することは必須ではないが、均一に加熱できるため撹拌することが好ましい。また、消泡を目的としてシリコーンを添加しても良い。
【0023】
また、レシチンの沈降防止のため、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルやショ糖脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
【0024】
本発明の油脂組成物の油脂含有量は、特に限定されないが、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上であり、さらに好ましくは80質量%以上である。特に上限はないが、レシチンと油脂の合計が100質量%以下である。前記油脂組成物は、レシチン含有油脂を加熱処理して得られる油脂を含有するが、レシチン含有油脂を加熱処理して得られる前記油脂の含有量は特に限定されず、100質量%であってもよい。
また、前記油脂組成物は、加熱処理前のレシチンが0.01質量%以上20質量%以下になるようにレシチン含有油脂を加熱処理して得られる前記油脂を含有することが好ましく、0.05質量%以上12質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上8質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以上5質量%以下が特に好ましい。
【0025】
本発明の炒めるとは、例えば、油脂を少量用いて食品を撹拌しながら加熱を行う調理方法である。通常、120℃〜240℃で加熱をおこなう。具体的な加熱方法としては、直火、電磁誘導加熱、スチーム加熱、マイクロ波加熱などが挙げられる。
【0026】
本発明の炒め物とは、食材を炒めたことによって得られる食品である。例えば、焼きそば、チンジャオロース、ホイコウロウ、八宝菜、炒飯、一般的な肉類、野菜類、魚介類の炒め物等、その他これらに関するものが挙げられる。
【0027】
本発明の食材とは、炒め物の材料を意味している。例えば、焼きそばの場合には、麺、肉、野菜等が前記食材に該当する。
【0028】
本発明の製造方法で使用する油脂組成物の添加する工程において、その添加方法は特に限定されない。また、前記油脂組成物を炒める工程中および/または炒める工程後の食材に添加するタイミングも特に限定されないが、好ましくは、炒める工程後である。なお、非加熱のレシチン含有油脂を炒め油として用いた場合には、本発明の効果は得られない。
【0029】
また、本発明の製造方法で使用する油脂組成物の炒め物中の含有量は、加熱処理前のレシチンが5ppm以上1000ppm以下であることが好ましく、10ppm以上500ppm以下であることがより好ましく、20ppm以上500ppm以下であることがさらに好ましい。
【0030】
また、本発明では、効果に影響のない範囲で通常食用として使用するものを添加できる。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
【0032】
実施に際しては、以下のものを使用した。
【0033】
<レシチン>
AY:レシチンAY(株式会社J−オイルミルズ社製;ペースト状レシチン、大豆由来、酸価 19.8)
FA:レシチンFA(株式会社J−オイルミルズ社製;ペースト状レシチン、大豆由来、酸価 23.7)
CL:レシチンCL(株式会社J−オイルミルズ社製;ペースト状レシチン、大豆由来、酸価 26.1)
BE:ベネコート(花王株式会社製;酵素分解レシチン、大豆由来)
SA:SLP−パウダーA(辻製油株式会社製;分別レシチン、大豆由来)
RL:ライスレシチンオイル(築野食品工業株式会社製;ペースト状レシチン、米糠由来)
<油脂>
大豆油(製品名:J 大豆白絞油NS、株式会社J−オイルミルズ社製)
菜種油(製品名:AJINOMOTO さらさらキャノーラ油、株式会社J−オイルミルズ社製)
コーン油(製品名:AJINOMOTO 胚芽の恵みコーン油、株式会社J−オイルミルズ社製)
綿実油(製品名:J 綿実油NS、株式会社J−オイルミルズ社製)
パームオレイン(ヨウ素価67、株式会社J−オイルミルズ社製)
<その他>
PGPR:ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(SYグリスター CR−ED、阪本薬品工業株式会社製)
SE:ショ糖エルカ酸エステル(リョートーシュガーエステル ER−290、三菱化学フーズ株式会社製)
【0034】
以下に、加熱処理したレシチン含有油脂の調製例を示す。
【0035】
<加熱処理の方法>
レシチン含有油脂を三口フラスコに加え、撹拌しながらオイルバスによる加熱をおこなった。所定温度になるまで加熱した後一定時間保温した。保温後、冷却して加熱処理レシチン含有油脂を得た。
【0036】
<吸光度の測定方法>
吸光度の測定には紫外可視分光光度計(UV−2450;株式会社島津製作所社製、1cmガラスセル)を用いた。ブランク測定には菜種油を用いた。調整例9−1の加熱処理レシチン含有油脂の吸光度は、菜種油で4倍に希釈してから測定し、その測定値を4倍して算出した。
【0037】
(加熱時間1)
表1に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表1に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。なお、調製例1−4のレシチン含有油脂の加熱処理後の吸光度(400nm)から加熱処理前の吸光度(400nm)を引いた値は0.952であった。
【0038】
【表1】
【0039】
(加熱処理時のレシチン濃度)
表2、3に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表2、3に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。また、調製例3−1のレシチン含有油脂の加熱処理後の吸光度(400nm)から加熱処理前の吸光度(400nm)を引いた値は3.787であった。
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
(加熱温度)
表4に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表4に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。
【0043】
【表4】
【0044】
(加熱時間2)
表5に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表5に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。また、各レシチン含有油脂の加熱処理前後の吸光度(400nm)を測定した。
【0045】
【表5】
【0046】
(ベース油脂)
表6に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油等に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表6に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。
【0047】
【表6】
【0048】
(レシチンの種類)
表7に示す濃度になるよう種々のレシチンを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表7に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。
【0049】
【表7】
【0050】
(乳化剤添加)
表8に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表8に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。加熱処理レシチン含有油脂に表8に記載の乳化剤を添加し、乳化剤配合加熱処理レシチン含有油脂を得た。
【0051】
【表8】
【0052】
(香ばしさの評価)
表9に示す濃度になるようレシチンAYを大豆油に添加し、レシチン含有油脂を調製した。各レシチン含有油脂を表9に示す条件で加熱し、加熱処理レシチン含有油脂を得た。また、各レシチン含有油脂の加熱処理前後の吸光度(400nm)を測定した。
得られた加熱処理レシチン含有油脂1部に対し、菜種油3部を加えて、添加油を調製した。
【0053】
【表9】
【0054】
炊飯した米飯100部に対し、酢(醸造酢、株式会社MIZKAN社製)3部添加し、よく混ぜ合わせて酢配合米飯を得た。その後下記の材料で炒めて炒飯を作った。炒め油として、菜種油もしくはレシチン含有油脂(レシチンAY(1.25質量%)含有菜種油:加熱処理していないもの)を使用した。調理した炒飯99部に対して添加油1部を添加し混ぜ合わせた。電子レンジで温めた後、食して、香ばしさの有無について評価した。その結果を表10、11に示す。

(材料)
酢配合米飯 200g
卵 50g
長ネギ 10g
塩 少々
胡椒 少々
醤油 2g
炒め油 15g

(香ばしさの評価基準)
○:香ばしさを感じる
×:香ばしさを感じられない
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
実施例1〜6に示したように加熱処理レシチン含有油脂を含む油脂組成物を添加油として使用すると香ばしさが付与された。一方、比較例2、4に示したように、炒め油として加熱処理していないレシチン含有油脂を使用しても、香ばしさは付与されなかった。また、比較例4に示したように、加熱処理していないレシチン含有油脂を添加油として使用しても香ばしさが付与されなかった。