特許第6702952号(P6702952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6702952基板処理チャンバ内で使用するための冷却式プロセスツールアダプタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702952
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】基板処理チャンバ内で使用するための冷却式プロセスツールアダプタ
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/34 20060101AFI20200525BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C23C14/34 T
   H01L21/68 N
【請求項の数】15
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-516639(P2017-516639)
(86)(22)【出願日】2015年5月18日
(65)【公表番号】特表2017-523313(P2017-523313A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】US2015031441
(87)【国際公開番号】WO2015187354
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2018年5月18日
(31)【優先権主張番号】62/009,153
(32)【優先日】2014年6月6日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/713,386
(32)【優先日】2015年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】フラクターマン ウィリアム アール
(72)【発明者】
【氏名】ライカー マーティン リー
(72)【発明者】
【氏名】ミラー キース エイ
(72)【発明者】
【氏名】インファンテ アントニー
【審査官】 谷本 怜美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/033102(WO,A1)
【文献】 特表2011−518255(JP,A)
【文献】 特表2011−518950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバの内部体積においてプロセスツールを支持するための冷却式プロセスツールアダプタであって、
中心開口を取り囲む環状体であって、前記プロセスチャンバの接地アダプタ上に絶縁リングを介して配置されるように構成される下面と、前記プロセスチャンバのリッドアセンブリを支持するように構成される上面とを有する環状体と、
前記環状体内に配置された冷却剤チャネルと、
前記中心開口内でプロセスツールを支持しやすくするための1つまたは複数の特徴と、
前記環状体内に配置され、前記冷却剤チャネルに流体的に結合された入口および出口と、
前記環状体をバイアス電源に結合するための端子を有する前記環状体に結合された電力接続と
を備える冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項2】
前記プロセスツールを支持しやすくするための前記1つまたは複数の特徴が、前記環状体の内径に沿って配置された半径方向内方に延びる棚を備える、請求項1に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項3】
前記環状体にプロセスツールを結合しやすくするように前記棚を通って配置された複数の貫通孔
をさらに備える、請求項2に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項4】
前記冷却式プロセスツールアダプタに対するプロセスツールの位置合わせを容易にするための1つまたは複数のアライメントピン
をさらに備える、請求項2に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項5】
前記1つまたは複数のアライメントピンが3つのアライメントピンである、請求項4に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項6】
前記環状体の前記上面が、略平面の上面を更に備え、前記環状体の前記下面が、略平面の下面をさらに備える、請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項7】
前記略平面の上面に沿って配置された環状溝と、
前記略平面の下面に沿って配置された環状溝と
をさらに備える、請求項6に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項8】
前記冷却剤チャネルが、
前記環状体の外径に沿って配置されたチャネルと、
前記冷却剤チャネルを密封するように前記チャネルを覆って配置されたキャップとを備える、請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項9】
前記冷却式プロセスツールアダプタが設置されるプロセスチャンバに対する前記冷却式プロセスツールアダプタの中心合わせおよび配向を容易にするための複数の配向特徴をさらに備える、
請求項1から5までのいずれか1項に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項10】
前記複数の配向特徴が、
前記冷却式プロセスツールアダプタの上に配置された部品と前記冷却式プロセスツールアダプタを位置合わせするための上部アライメント特徴と、
前記冷却式プロセスツールアダプタの下に配置された部品と前記冷却式プロセスツールアダプタを位置合わせするための下部アライメント特徴とをさらに備える、請求項9に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項11】
前記複数の配向特徴が、2つの直径方向に対向する配向特徴である、請求項9に記載の冷却式プロセスツールアダプタ。
【請求項12】
プロセスチャンバであって、
前記プロセスチャンバの内部体積を部分的に画定する接地アダプタおよびリッドアセンブリを含む本体と、
前記環状体の前記中心開口が前記プロセスチャンバの前記内部体積に面して前記プロセスチャンバの前記内部体積を取り囲むように前記接地アダプタと前記リッドアセンブリの間に配置される、請求項1から11までのいずれか1項に記載の冷却式プロセスツールアダプタと、
前記冷却式プロセスツールアダプタと前記リッドアセンブリとの間に配置された絶縁体リングと、
前記冷却式プロセスツールアダプタと前記接地アダプタとの間に配置された絶縁体リングと備えるプロセスチャンバ。
【請求項13】
前記冷却式プロセスツールアダプタの前記入口および前記出口を密閉し、冷却剤源に結合するための供給入口を有する冷却剤コネクタハウジング、または
前記接地アダプタ内に配置された冷却剤チャネル
の少なくとも1つをさらに備える、請求項12に記載のプロセスチャンバ。
【請求項14】
前記接地アダプタ内に配置された冷却剤チャネルをさらに備え、前記接地アダプタの前記冷却剤チャネルおよび前記冷却式プロセスツールアダプタの前記冷却剤チャネルが、直列に流体的に結合される、請求項12に記載のプロセスチャンバ。
【請求項15】
前記プロセスチャンバの前記本体が接地され、
前記冷却式プロセスツールアダプタに結合されたバイアス電源と、
前記冷却式プロセスツールアダプタに結合されたプロセスツールとをさらに備え、前記プロセスツールが、前記冷却式プロセスツールアダプタを介して前記バイアス電源に結合される、請求項12から14までのいずれか1項に記載のプロセスチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、半導体製造システム内で使用される基板処理チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
サブミクロン以下の特徴を確実に作り出すことは、半導体装置の次世代の超大規模集積(VLSI)および極超大規模集積(ULSI)に対する技術の1つである。しかし、回路技術の小型化が進むにつれて、VLSIおよびULSI技術における相互接続の寸法が縮小することで、処理能力に対する追加の要求が生じてきた。たとえば、次世代の装置に対して回路密度が増大するにつれて、ビア、トレンチ、コンタクト、ゲート構造、および他の特徴などの相互接続、ならびにそれらの間の誘電体材料の幅は減少するのに対して、誘電体層の厚さは実質上一定のままであり、その結果、特徴のアスペクト比が増大する。
物理的気相堆積(PVD)としても知られるスパッタリングは、集積回路内に金属特徴を形成する方法である。スパッタリングは、基板上に材料層を堆積させる。電界によって強く加速されたイオンが、ターゲットなどのソース材料に衝撃を与える。この衝撃により、ターゲットから材料が放出され、次いでこの材料は基板上に堆積する。堆積中、放出された粒子は、基板表面に略直交する方向ではなく、様々な方向に進むことがあり、その結果、望ましくないことに、基板内の高いアスペクト比の特徴の隅部上に張り出し構造が形成される。張り出しの結果、望ましくないことに、堆積した材料内に孔またはボイドが形成されることがあり、その結果、形成された特徴の導電率が低下する。形状寸法のアスペクト比がより高い場合、ボイド無く充填するのはより困難になる。
基板表面に到達するイオン分率またはイオン密度を所望の範囲に制御することで、金属層堆積プロセス中の底部および側壁の到達範囲を改善することができる(張り出しの問題を低減させる)。一例では、ターゲットから取り除かれた粒子は、特徴内への粒子のより垂直な軌道を提供しやすくするように、コリメータなどのプロセスツールを介して制御することができる。コリメータは、ターゲットと基板との間に比較的長くまっすぐな狭い通路を提供し、垂直に進まずコリメータの通路に衝突して付着した粒子を取り除く。基板表面に到達するイオン分率またはイオン密度をさらに制御するには、コリメータを電気的にバイアスすることができる。しかし、本発明者らは、コリメータの電気的なバイアスを提供するには、プロセスチャンバの接地表面からのコリメータの電気的な分離が必要であり、その結果、望ましくないことに、コリメータの熱的な分離および過度の加熱が生じ、それはさらに、プロセスチャンバの可用時間の低減を招くことを観察した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明者らは、良好な底部および側壁管理を伴う金属含有層を形成する装置の改善された実施形態を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
基板処理チャンバ内で使用するための冷却式プロセスツールアダプタの実施形態が、本明細書に提供される。いくつかの実施形態では、冷却式プロセスツールアダプタは、中心開口を取り囲む環状体と、環状体内に配置された冷却剤チャネルと、中心開口内でプロセスツールを支持しやすくするための1つまたは複数の特徴と、環状体内に配置され、冷却剤チャネルに流体的に結合された入口および出口と、環状体をバイアス電源に結合するための端子を有する環状体に結合された電力接続とを含む。
いくつかの実施形態では、冷却式プロセスツールアダプタは、中心開口を取り囲む環状体と、中心開口内でプロセスツールを支持しやすくするように環状体の内径に沿って配置された半径方向内方に延びる棚と、環状体にプロセスツールを結合しやすくするように棚を通って配置された複数の貫通孔と、環状体内に配置された冷却剤チャネルであって、環状体の外径に沿って配置されたチャネル、および冷却剤チャネルを密封するようにチャネルを覆って配置されたキャップを備える冷却剤チャネルと、環状体内に配置され、冷却剤チャネルに流体的に結合された入口および出口と、環状体をバイアス電源に結合するための端子を有する環状体に結合された電力接続とを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、プロセスチャンバは、プロセスチャンバの内部体積を部分的に画定する接地アダプタおよびリッドアセンブリを含む本体と、中心開口を取り囲む環状体を有する冷却式プロセスツールアダプタであって、中心開口がプロセスチャンバの内部体積に面する、冷却式プロセスツールアダプタと、冷却式プロセスツールアダプタとリッドアセンブリとの間に配置された絶縁体リングと、冷却式プロセスツールアダプタと接地アダプタとの間に配置された絶縁体リングとを含む。冷却式プロセスツールアダプタは、環状体内に配置された冷却剤チャネルと、環状体内に配置され、冷却剤チャネルに流体的に結合された入口および出口と、環状体をバイアス電源に結合するための端子を有する環状体に結合された電力接続とをさらに含む。
【0006】
本開示の他のさらなる実施形態は、以下に記載する。
上記で簡単に要約し、以下により詳細に論じる本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することによって理解することができる。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容することができるため、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって範囲を限定すると見なされるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示のいくつかの実施形態によるプロセスチャンバの概略横断面図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態によるコリメータの上面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による冷却式プロセスツールアダプタの斜視図である。
図4A】それぞれ図3に示す横断線4A−4Aおよび4B−4Bに沿って切り取った図3の冷却式プロセスツールアダプタの側面横断面図である。
図4B】それぞれ図3に示す横断線4A−4Aおよび4B−4Bに沿って切り取った図3の冷却式プロセスツールアダプタの側面横断面図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による堆積チャンバおよび冷却式プロセスツールアダプタの部分的な横断面詳細図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による堆積チャンバ内の冷却式プロセスツールアダプタへの冷却剤接続の概略部分図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による冷却式プロセスツールアダプタを有する堆積チャンバの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
理解を容易にするために、可能な場合、同一の参照番号を使用して、図に共通の同一の要素を指す。これらの図は、原寸に比例して描かれたものではなく、見やすいように簡略化されていることがある。いくつかの実施形態の要素および特徴は、さらなる記載がなくても、他の実施形態に有益に組み込むことができる。
半導体基板上での超小型電子装置の製造に使用されるものなど、基板処理システム内で使用するための冷却式プロセスツールアダプタの実施形態が、本明細書に提供される。本明細書に開示する冷却式プロセスツールアダプタは、有利には、プラズマからプロセスツールへ伝達される熱を除去することによって、プラズマ内でのプロセスツールの動作時間を増大させる。有利には、冷却式プロセスツールアダプタを使用して、様々なタイプのプロセスツールを基板処理チャンバに結合することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、バイアスコリメータなどのプロセスツールを冷却式プロセスツールアダプタに結合することができ、有利には、バイアスコリメータがより長く動作することを可能にする。
【0009】
本開示の実施形態は、連続冷却を容易にするためにアダプタの気圧側に配置された冷却チャネルを有するプロセスツールアダプタを提供する。異なるプロセスツール(バイアスコリメータなど)をアダプタに接続し、アダプタを介して冷却することを可能にするために、アダプタの真空側に沿ってフランジが配置される。いくつかの実施形態では、アダプタの内側が最高で超高真空圧などの真空圧で動作することを可能にするために、真空シールを設けることができる。いくつかの実施形態では、アダプタおよびアダプタに取り付けられた任意のプロセスツールを、バイアスジェネレータによって印加されるバイアス電圧で動作させることを可能にし、たとえばプラズマを調整するために、バイアス接続が設けられる。いくつかの実施形態では、バイアスジェネレータへ戻されるバイアス電圧からRF信号を除去するために、RFフィルタボックスを設けることができる。基板処理チャンバ内で処理中に生成される熱は、プロセスツールアダプタ内の冷却チャネルを通って流れる冷却剤へ伝達される。
【0010】
本開示の実施形態について、本明細書では物理的気相堆積(PVD)チャンバに関して例示的に記載する。しかし、冷却式プロセスツールアダプタは、概して、基板処理チャンバ内で支持して冷却する必要があるプロセスツールが使用される任意の基板処理チャンバ内で使用することができる。図1は、材料をスパッタ堆積させるに適切なPVDチャンバ(堆積チャンバ100)、たとえばスパッタプロセスチャンバを示し、本開示の実施形態によれば、このチャンバ内にコリメータ118が配置され、冷却式プロセスツールアダプタ138によって支持される。本開示からの利益を得るように適合することができる適切なPVDチャンバの説明的な例には、どちらもカリフォルニア州サンタクララのApplied Materials,Inc.から市販のALPS(登録商標)PlusおよびSIP ENCORE(登録商標)PVD処理チャンバが含まれる。Applied Materials,Inc.ならびに他の製造者から入手可能な他の処理チャンバも、本明細書に記載する実施形態に従って適合することができる。
【0011】
堆積チャンバ100は、その内部体積106を密閉する本体105を画定する上部側壁102、下部側壁103、接地アダプタ104、およびリッドアセンブリ111を有する。上部側壁102と下部側壁103との間に、アダプタプレート107を配置することができる。ペデスタル108などの基板支持体が、堆積チャンバ100の内部体積106内に配置される。内部体積106の内外へ基板を移送する基板移送ポート109が、下部側壁103内に形成される。
いくつかの実施形態では、堆積チャンバ100は、物理的気相堆積(PVD)チャンバとしても知られるスパッタリングチャンバであり、たとえばチタン、酸化アルミニウム、アルミニウム、酸窒化アルミニウム、銅、タンタル、窒化タンタル、酸窒化タンタル、酸窒化チタン、タングステン、または窒化タングステンを基板101などの基板上に堆積させることが可能である。
【0012】
内部体積106内へプロセスガスを供給するために、ガス源110が堆積チャンバ100に結合される。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、必要な場合、不活性ガス、非反応性ガス、および反応性ガスを含むことができる。ガス源110によって提供することができるプロセスガスの例には、それだけに限定されるものではないが、とりわけアルゴンガス(Ar)、ヘリウム(He)、ネオンガス(Ne)、窒素ガス(N2)、酸素ガス(O2)、およびH2Oが含まれる。
内部体積106の圧力を制御するために、ポンピング装置112が、内部体積106と連通して堆積チャンバ100に結合される。いくつかの実施形態では、堆積チャンバ100の圧力レベルは、約1トル以下で維持することができる。いくつかの実施形態では、堆積チャンバ100の圧力レベルは、約500ミリトル以下で維持することができる。いくつかの実施形態では、堆積チャンバ100の圧力レベルは、約1ミリトル〜約300ミリトルで維持することができる。
【0013】
接地アダプタ104は、ターゲットなどのスパッタリング源114を支持することができる。いくつかの実施形態では、スパッタリング源114は、チタン(Ti)金属、タンタル金属(Ta)、タングステン(W)金属、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、これらの合金、これらの組合せなどを含有する材料から製造することができる。いくつかの実施形態では、スパッタリング源114は、チタン(Ti)金属、タンタル金属(Ta)、またはアルミニウム(Al)から製造することができる。
スパッタリング源114は、スパッタリング源114に対する電力供給117を備えるソースアセンブリ116に結合することができる。処理中にスパッタリング源114からの材料の効率的なスパッタリングを強化する1組の磁石を含むマグネトロンアセンブリ119を、スパッタリング源114に隣接して結合することができる。マグネトロンアセンブリの例には、とりわけ、電磁線形マグネトロン、蛇行したマグネトロン、螺旋状のマグネトロン、2重指状のマグネトロン、方形化された螺旋状のマグネトロンが含まれる。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の組の磁石194は、スパッタリング源114から取り除かれた金属イオンを案内するための磁界の生成を助けるように、アダプタプレート107と上部側壁102との間に配置することができる。第2の組の磁石196は、スパッタリング源114から取り除かれた材料を案内するための磁界の生成を助けるように、接地アダプタ104に隣接して配置することができる。堆積チャンバ100の周りに配置される磁石の数は、プラズマ解離およびスパッタリング効率を制御するように選択することができる。
スパッタリング源114とペデスタル108との間にバイアス電力を提供するために、ペデスタル108を通って堆積チャンバ100にRF電源180を結合することができる。いくつかの実施形態では、RF電源180は、約13.56MHzなど、約400Hz〜約60MHzの周波数を有することができる。
【0015】
内部体積106内でスパッタリング源114とペデスタル108との間に、コリメータ118または他のプロセスツールを位置決めすることができる。コリメータ118は、基板へのイオン束および基板での中性子角度分布を制御し、ならびに追加のDCバイアスによる堆積速度を増大させるために、電気的にバイアスすることができる。本発明者らは、コリメータを電気的にバイアスする結果、コリメータに対するイオン損失が低減され、有利には、基板でのより大きいイオン/中性子の比が可能になることを見出した。
いくつかの実施形態では、コリメータ118は、コリメータ118を通過するイオンの方向を制御するように、バイポーラモードで電気的にバイアスすることができる。たとえば、正または負の交流パルス電圧をコリメータ118に提供してコリメータ118をバイアスするために、制御可能な直流(DC)またはACコリメータ電源190をコリメータ118に結合することができる。いくつかの実施形態では、コリメータ電源190は、DC電源である。
【0016】
コリメータ118へバイアスを印加しやすくするために、コリメータ118は、接地アダプタ104などの接地されたチャンバ部品から電気的に分離される。たとえば、図1に示す実施形態では、コリメータ118は、冷却式プロセスツールアダプタ138に結合される。冷却式プロセスツールアダプタ138は、堆積チャンバ100内の処理条件に適合している適切な導電性材料から作ることができる。冷却式プロセスツールアダプタ138を接地アダプタ104から電気的に分離するために、絶縁体リング156および絶縁体リング157が冷却式プロセスツールアダプタ138の両側に配置される。絶縁体リング156、157は、誘電体材料に適合している適切なプロセスから作ることができる。
【0017】
冷却式プロセスツールアダプタ138は、コリメータ118などの内部体積106内でプロセスツールを支持しやすくするために、1つまたは複数の特徴を含む。たとえば、図1に示すように、冷却式プロセスツールアダプタ138は、堆積チャンバ100の内部体積106内に支持されるべきコリメータ118または他のプロセスツールを支持するように半径方向内方の方向に延びる取付けリングまたは棚164を含む。いくつかの実施形態では、取付けリングまたは棚164は、冷却式プロセスツールアダプタ138の内径の周りの連続するリングであり、冷却式プロセスツールアダプタ138に取り付けられたプロセスツール(たとえば、コリメータ118)とのより均一な熱的接触を容易にする。
【0018】
冷却式プロセスツールアダプタ138に冷却剤を流して処理中に生成される熱を除去しやすくするために、冷却剤チャネル166が冷却式プロセスツールアダプタ138内に設けられる。たとえば、冷却剤チャネル166は、水などの適切な冷却剤を提供するように、冷却剤源153に結合することができる。冷却剤チャネル166は、有利には、接地アダプタ104などの他の冷却式チャンバ部品へ容易に伝達されないプロセスツール(たとえば、コリメータ118)からの熱を除去する。たとえば、冷却式プロセスツールアダプタ138と接地アダプタ104との間に配置された絶縁体リング156、157は、典型的には、不十分な熱伝導率を有する材料から作られる。したがって、絶縁体リング156、157は、コリメータ118から接地アダプタ104への熱伝達速度を低減させ、冷却式プロセスツールアダプタ138は、有利には、コリメータ118の冷却速度を維持しまたは増大させる。冷却式プロセスツールアダプタ138内に設けられる冷却剤チャネル166に加えて、接地アダプタ104はまた、処理中に生成される熱をさらに除去しやすくするために、冷却剤チャネル(図5に示す冷却剤チャネル524など)を含むことができる。
【0019】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による冷却式プロセスツールアダプタ138の斜視図を示す。図4A〜Bはそれぞれ、図3に示す横断線4A−4Aおよび4B−4Bに沿って切り取った冷却式プロセスツールアダプタ138の側面横断面図を示す。冷却式プロセスツールアダプタ138は、中心開口303を画定する環状体301を含む。環状体301は、略平面の上面302と、反対側の略平面の下面304とを含む。いくつかの実施形態では、冷却式プロセスツールアダプタ138と絶縁体リング156との間に真空密封シールを形成しやすくするために、Oリングまたは他の密封ガスケットなどのシールを受け取るように、環状溝306を上面302に沿って設けることができる。同様に、いくつかの実施形態では、冷却式プロセスツールアダプタ138と絶縁体リング157との間に真空密封シールを形成しやすくするために、環状溝402(図4A〜Bに示す)を下面304に沿って設けることができる。別法として、環状溝306、402の一方または両方を、絶縁体リング156または絶縁体リング157のそれぞれの対向表面内に形成することができる。別法として、環状溝306、402の一方または両方を、冷却式プロセスツールアダプタ138および絶縁体リング156、157のそれぞれの中に部分的に形成することができる。別法として、冷却式プロセスツールアダプタ138と絶縁体リング156、157のそれぞれとの間に真空シールをその他の方法で設けることができる場合、溝は不要である。
【0020】
図1に示すように、半径方向内方に延びるレッジ(たとえば、取付けリングまたは棚164)が、中心開口303内(たとえば、堆積チャンバの内部体積106内)にコリメータ118を支持するように設けられる。棚164は、環状体301の下面304と上面302との間の任意の位置から内方に延びることができる。しかし、いくつかの実施形態では、棚164は、コリメータ118から使用中に冷却剤チャネル166内を流れる冷却剤への熱伝達を最大にしやすくするために、冷却剤チャネル166近傍の位置に配置される。
冷却式プロセスツールアダプタ138にコリメータ118を結合しやすくするために、棚164を通って複数の貫通孔322を配置することができる。いくつかの実施形態では、複数の貫通孔322のうちのいくつかの貫通孔を使用して、ナットプレート(たとえば、図5に示すナットプレート526)を捕獲して、棚164および複数の貫通孔322のうちの残りの貫通孔に対して位置合わせすることができる。複数の貫通孔322のうちの残りの貫通孔のいくつかまたはすべては、コリメータ118を冷却式プロセスツールアダプタ138の棚164に締結するために使用することができる。
【0021】
冷却式プロセスツールアダプタ138に対するコリメータ118のアライメントを容易にするために、1つまたは複数のアライメントピン314を設けることができる。いくつかの実施形態では、図3に示すように、3つのアライメントピン314を設けることができる。アライメントピン314は、冷却式プロセスツールアダプタ138に対するコリメータ118の中心合わせおよび配向を容易にする。
加えて、接地アダプタ104、したがって堆積チャンバ100の内部体積106に対する、冷却式プロセスツールアダプタ138、したがってコリメータ118の中心合わせおよび配向を容易にするために、複数の配向特徴308を冷却式プロセスツールアダプタ138上に設けることもできる。いくつかの実施形態では、複数の配向特徴は、冷却式プロセスツールアダプタの上に配置された部品と冷却式プロセスツールアダプタを位置合わせするための上部アライメント特徴と、冷却式プロセスツールアダプタの上に配置された部品と冷却式プロセスツールアダプタを位置合わせするための下部アライメント特徴とを含む。たとえば、各配向特徴308は、リッドアセンブリ111から延びる位置決めピンに連結するための上部開口310と、接地アダプタ104から延びる位置決めピンに連結するための下部開口312とを含むことができる。いくつかの実施形態では、図3に示すように、1対の直径方向に対向する配向特徴308が設けられる。
【0022】
冷却剤チャネル166は、概して、環状体301に外接しており、入口318および出口316を含む。いくつかの実施形態では、冷却剤チャネル166は、環状体301の外径に沿ってチャネルを形成し、環状体301の外径の周りにチャネルを覆ってキャップ320を設けて冷却剤チャネル166を密封することによって形成することができる(たとえば、溶接による)。図4Bおよび図5はまた、冷却剤チャネル166およびキャップ320を示す。環状体301の外径に沿って冷却剤チャネルを設けることで、有利には、冷却式プロセスツールアダプタ138の真空側からの潜在的な水漏れを防ぐ。
【0023】
コリメータ電源190へ電力を提供しやすくし、冷却式プロセスツールアダプタ138に結合されたコリメータ118または他のプロセスツールにバイアス電力を提供するために、環状体301に沿って電力接続324を配置することができる。いくつかの実施形態では、電力接続324は、環状体301から半径方向外方に延びる。
【0024】
図5は、本開示のいくつかの実施形態による堆積チャンバ100および冷却式プロセスツールアダプタ138の部分的な横断面詳細図を示す。図5に示すように、冷却式プロセスツールアダプタ138は、スパッタリング源114と接地アダプタ104との間に配置される。いくつかの実施形態では、スパッタリング源114は、ターゲットバッキング板502によって支持されたスパッタリングすべき材料ターゲットを含み、ボルトなどの締め具516を介して、堆積チャンバ100のリッドアセンブリ111に結合される。絶縁体リング156は、冷却式プロセスツールアダプタ138とスパッタリング源114のターゲットバッキング板502との間に配置される。絶縁体リング157は、冷却式プロセスツールアダプタ138と接地アダプタ104との間に配置される。
使用中に内部体積106内の真空圧を維持するために、隣接する部品間にOリング、ガスケットなどの1つまたは複数の真空シールを設けることができ、部品の一方の側では真空圧が維持され、部品の他方の側では気圧などのより高い圧力が存在する。たとえば、図5に示すように、真空シール508、510、512、および514が、隣接する部品間に配置される。
【0025】
真空シール508は、ターゲットバッキング板502と絶縁体リング156との間に設けられる。真空シール510は、絶縁体リング156と冷却式プロセスツールアダプタ138との間に設けられる。真空シール512は、冷却式プロセスツールアダプタ138と絶縁体リング157との間に設けられる。真空シール514は、絶縁体リング157と接地アダプタ104との間に配置される。
コリメータ118は、冷却式プロセスツールアダプタの棚164によって、堆積チャンバ100の内部体積106内に支持される。図5は、コリメータ118の外方に延びるフランジ504を冷却式プロセスツールアダプタ138に締結またはボルト留めしやすくするように棚164の下部部分上に配置されたナットプレート526を示す。アライメントピン314は、コリメータ118の外方に延びるフランジ504内に形成された相手側アライメント特徴内に配置される。
【0026】
電力接続324を介して冷却式プロセスツールアダプタ138にコリメータ電源190を結合しやすくするために、電力ボックス520を設けることができる。たとえば、電力接続324は、たとえばねじまたはボルト522を使用して電力ボックス520からの導体を電力接続324へ結合する端子を含むことができる。電力ボックス520はまた、プラズマ内でコリメータ118上に蓄積されるRF信号がコリメータ電源190内へ浸入するのを低減または防止するために、RFフィルタを含むことができる。電力ボックス520はまた、第2の組の磁石196(たとえば、電磁石)を電磁電源に結合する接続を含むことができる。
【0027】
図6は、本開示のいくつかの実施形態による堆積チャンバ100の冷却式プロセスツールアダプタ138への冷却剤接続の概略部分図を示す。いくつかの実施形態では、冷却式プロセスツールアダプタ138への冷却剤接続は、冷却剤接続ハウジング602内に配置することができ、有利には、堆積チャンバ100の外側にいる操作者などを電気ショックから保護する。冷却剤接続ハウジング602内の供給入口604に、冷却剤供給を結合することができる。供給入口604を冷却式プロセスツールアダプタ138の入口318へ接続するために、入口コネクタ606が使用される。使用の際、冷却剤は、冷却剤チャネル166の周りで入口318から出口316へ流れる。いくつかの実施形態では、接地アダプタ104の冷却剤チャネル524および冷却式プロセスツールアダプタ138の冷却剤チャネル166は、直列に流体的に結合することができる。したがって、冷却剤チャネル166からの冷却剤を接地アダプタ104の冷却剤チャネル524へ供給するために、出口316と接地アダプタ入口610との間に出口コネクタ608を配置することができる。入口コネクタ606、入口318、出口316、出口コネクタ608、および接地アダプタ入口610はすべて、冷却剤接続ハウジング602によって保護することができる(たとえば、冷却剤接続ハウジング602内に配置され、または冷却剤接続ハウジング602によって覆われる)。使用中、冷却剤は、接地アダプタ104の冷却剤チャネル524の周りを流れ、接地アダプタ出口612から出て冷却剤返却へ流れる。冷却剤は接地アダプタ104を離れるときに接地電位にあるため、接地アダプタ出口612は、冷却剤コネクタハウジング602によって密閉する必要はない。冷却剤接続ハウジング602の下部部分内に、漏れ検出器614を設けることができる。いくつかの実施形態では、漏れ検出器614は、冷却剤接続ハウジング602の下部部分内の小さい孔とすることができ、この孔に漏れている冷却剤が集まる。
【0028】
図7は、本開示のいくつかの実施形態による堆積チャンバ100および冷却式プロセスツールアダプタ138の分解図であり、堆積チャンバ100の様々な部品の位置を示す。
図1に戻ると、いくつかの実施形態では、コリメータ118に近接して、接地アダプタ104または上部側壁102の内部に、遮蔽管120を設けることができる。コリメータ118は、内部体積106内でガスおよび/または材料束を誘導するために、複数の開孔を含む。コリメータ118は、遮蔽管120に機械的および電気的に結合することができる。いくつかの実施形態では、コリメータ118は、溶接プロセスなどによって、遮蔽管120に機械的に結合され、コリメータ118は遮蔽管120に一体化される。コリメータ118は、冷却式プロセスツールアダプタ138を介して電源に結合することができる。
【0029】
遮蔽管120は、管状体121を含むことができ、管状体121の上面内には、半径方向外方に延びるフランジ122が配置される。フランジ122は、上部側壁102の上面との嵌合インターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、遮蔽管120の管状体121は、肩領域123を含むことができ、肩領域123の内径は、管状体121の残り部分の内径より小さい。いくつかの実施形態では、管状体121の内面は、テーパ状表面124に沿って肩領域123の内面へ半径方向内方に遷移する。堆積チャンバ100内で、遮蔽管120に隣接して遮蔽管120とアダプタプレート107との中間に、遮蔽リング126を配置することができる。遮蔽リング126は、遮蔽管120の肩領域123の反対側およびアダプタプレート107の内部側壁によって形成された凹部128内に、少なくとも部分的に配置することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、遮蔽リング126は、軸方向に突出する環状側壁127を含むことができ、環状側壁127の内径は、遮蔽管120の肩領域123の外径より大きい。半径方向フランジ130が、環状側壁127から延びる。半径方向フランジ130は、遮蔽リング126の環状側壁127の内径表面に対して約90度(90°)より大きい角度で形成することができる。半径方向フランジ130は、半径方向フランジ130の下面上に形成された突起132を含む。突起132は、遮蔽リング126の環状側壁127の内径表面に対して実質上平行の向きに半径方向フランジ130の表面から延びる円形の隆起とすることができる。突起132は、概して、ペデスタル108上に配置されたエッジリング136内に形成された凹部134と嵌合するように適合される。凹部134は、エッジリング136内に形成された円形の溝とすることができる。突起132および凹部134の係合により、遮蔽リング126をペデスタル108の長手方向軸に対して中心合わせする。基板101(リフトピン140上に支持された状態で示す)は、ペデスタル108とロボットブレード(図示せず)との間の座標位置決め較正によって、ペデスタル108の長手方向軸に対して中心合わせされる。したがって処理中、基板101は堆積チャンバ100内で中心合わせすることができ、遮蔽リング126は基板101の周りで半径方向に中心合わせすることができる。
【0031】
動作の際、基板移送ポート109を通ってロボットブレード(図示せず)が延ばされる。ロボットブレード上には基板101が配置されている。ペデスタル108を下降させて、ペデスタル108から延びるリフトピン140へ基板101を移送することを可能にすることができる。ペデスタル108および/またはリフトピン140の上昇および下降は、ペデスタル108に結合された駆動部142によって制御することができる。基板101は、ペデスタル108の基板受取り表面144上へ下降させることができる。基板101がペデスタル108の基板受取り表面144上に位置決めされた状態で、スパッタ堆積を基板101上で実行することができる。エッジリング136は、処理中に基板101から電気的に絶縁することができる。したがって、基板受取り表面144は、エッジリング136のうち基板101に隣接する部分の高さより大きい高さを含むことができ、それにより基板101は、エッジリング136に接触することから防止される。スパッタ堆積中、基板101の温度は、ペデスタル108内に配置された熱制御チャネル146を利用することによって制御することができる。
【0032】
スパッタ堆積後、基板101は、リフトピン140を利用して、ペデスタル108から隔置された位置へ持ち上げることができる。持ち上げられる位置は、アダプタプレート107に隣接している遮蔽リング126およびリフレクタリング148の一方または両方の近傍とすることができる。アダプタプレート107は、リフレクタリング148の下面とアダプタプレート107の凹面152との中間の位置でアダプタプレート107に結合された1つまたは複数のランプ150を含む。ランプ150は、赤外(IR)および/または紫外(UV)スペクトルなど、可視または近可視波長内の光および/または放射エネルギーを提供する。ランプ150からのエネルギーは、基板101の裏側(すなわち、下面)の方へ半径方向内方に集束されて、基板101および基板101上に堆積した材料を加熱する。基板101を取り囲むチャンバ部品上の反射面は、エネルギーが失われかつ/または利用されないはずである他のチャンバ部品から離れて、基板101の裏側の方へエネルギーを集束させる働きをする。アダプタプレート107は、加熱中にアダプタプレート107の温度を制御するように、冷却剤源153に結合することができる。
【0033】
基板101を所定の温度に制御した後、基板101は、ペデスタル108の基板受取り表面144上の位置へ下降させられる。基板101は、ペデスタル108内の熱制御チャネル146を利用して、伝導を介して急速に冷却することができる。基板101の温度は、第1の温度から第2の温度へほんの数秒から約1分で減少させることができる。基板101は、基板移送ポート109を通って堆積チャンバ100からさらなる処理のために取り出すことができる。基板101は、摂氏250度未満などの所定の温度範囲で維持することができる。
【0034】
コントローラ198が、堆積チャンバ100に結合される。コントローラ198は、中央処理装置(CPU)160、メモリ158、および支持回路162を含む。コントローラ198は、プロセスシーケンスを制御して、ガス源110から堆積チャンバ100に入るガス流を調節し、スパッタリング源114のイオン衝撃を制御するために利用される。CPU160は、工業的な環境で使用することができる任意の形式の汎用コンピュータプロセッサとすることができる。ソフトウェアルーチンは、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、フロッピー、もしくはハードディスクドライブ、または他の形式のデジタルストレージなどのメモリ158内に記憶することができる。支持回路162は、従来の方法でCPU160に結合され、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電力供給などを備えることができる。ソフトウェアルーチンは、CPU160によって実行されるとき、CPUを特別目的コンピュータ(コントローラ)198に変換する。コントローラ198は、本開示の実施形態に従ってプロセスが実行されるように堆積チャンバ100を制御する。ソフトウェアルーチンはまた、堆積チャンバ100から遠隔に位置する第2のコントローラ(図示せず)によって記憶および/または実行することもできる。
【0035】
処理中、スパッタリング源114から材料がスパッタリングされ、基板101の表面上に堆積する。スパッタリング源114およびペデスタル108は、ガス源110によって供給されるプロセスガスから形成されたプラズマを維持するように、電力供給117またはRF電源180によって互いに対してバイアスされる。コリメータ118に印加されるDCパルスバイアス電力もまた、コリメータ118を通過するイオンと中性子の比を制御し、有利にはトレンチ側壁および底部の充填能力を強化するのを助ける。プラズマからのイオンは、スパッタリング源114の方へ加速されてスパッタリング源114に当たり、ターゲット材料をスパッタリング源114から取り除く。取り除かれたターゲット材料およびプロセスガスは、所望の組成物を有する層を基板101上に形成する。
【0036】
図2は、図1の堆積チャンバ100内に配置することができるコリメータ電源190に結合されたコリメータ118の上面図を示す。いくつかの実施形態では、コリメータ118は、最密配置で六角形の開孔244を分離する六角形の壁226を有する略ハニカム構造を有する。しかし、他の形状寸法の構成を使用することもできる。六角形の開孔244のアスペクト比は、開孔244の深さ(コリメータの長さに等しい)を開孔244の幅246で割った値として画定することができる。いくつかの実施形態では、壁226の厚さは、約0.06インチ〜約0.18インチである。いくつかの実施形態では、壁226の厚さは、約0.12インチ〜約0.15インチである。いくつかの実施形態では、コリメータ118は、アルミニウム、銅、およびステンレス鋼から選択された材料から構成される。
【0037】
コリメータ118のハニカム構造は、コリメータ118を通過するイオンの流路、イオン分率、およびイオン軌道挙動を最適化するための一体型フラックスオプティマイザ210として働くことができる。いくつかの実施形態では、遮蔽部分202に隣接する六角形の壁226は、チャンファー250および半径を有する。コリメータ118の遮蔽部分202は、堆積チャンバ100内へコリメータ118を設置するのを助けることができる。
いくつかの実施形態では、コリメータ118は、一塊のアルミニウムから機械加工することができる。コリメータ118は、任意選択で、被覆または陽極酸化することができる。別法として、コリメータ118は、処理環境に適合している他の材料から作ることができ、1つまたは複数の区分から構成することもできる。別法として、遮蔽部分202および一体型フラックスオプティマイザ210は、別個の部品として形成され、溶接などの適切な取付け手段を使用してともに結合される。
【0038】
コリメータ118は、基板101に対してほぼ直角の選択された角度を超過する角度でスパッタリング源114からの材料から放出されたイオンおよび中性子を捕らえるためのフィルタとして機能する。コリメータ118は、コリメータ118の幅方向にアスペクト比の変化を有することができ、スパッタリング源114からの材料の中心または周辺領域から放出された異なる割合のイオンが、コリメータ118を通過することを可能にする。その結果、基板101の周辺領域および中心領域上へ堆積するイオンの数とイオンの到達角度が調整および制御される。したがって、基板101の表面において材料をより均一にスパッタ堆積させることができる。加えて、高いアスペクト比の特徴、特に基板101の周辺部付近に位置する高いアスペクト比のビアおよびトレンチの底部および側壁上に、材料をより均一に堆積させることができる。
【0039】
したがって、冷却式プロセスツールアダプタおよびそれを使用するプロセスチャンバの実施形態を、本明細書に開示した。冷却式プロセスツールアダプタは、有利には、プロセスチャンバ内でプロセスツールを支持しながら、使用中に生成されるプロセスツールから熱を除去しやすくする。
【0040】
上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態も考案することができる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7