(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6702982
(24)【登録日】2020年5月11日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】揚げ物用打ち粉ミックス
(51)【国際特許分類】
A23L 7/157 20160101AFI20200525BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20200525BHJP
【FI】
A23L7/157
A23L5/10 E
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-535514(P2017-535514)
(86)(22)【出願日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】JP2016073701
(87)【国際公開番号】WO2017030081
(87)【国際公開日】20170223
【審査請求日】2018年12月28日
(31)【優先権主張番号】特願2015-160039(P2015-160039)
(32)【優先日】2015年8月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】398012306
【氏名又は名称】日清フーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 葉
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 総一郎
(72)【発明者】
【氏名】榊原 通宏
(72)【発明者】
【氏名】西出 辰徳
【審査官】
松本 淳
(56)【参考文献】
【文献】
特表2002−538799(JP,A)
【文献】
国際公開第2001/008513(WO,A1)
【文献】
特開2007−028905(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/049076(WO,A1)
【文献】
特開2007−054029(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/043249(WO,A1)
【文献】
国際公開第2015/162972(WO,A1)
【文献】
国際公開第2016/012263(WO,A1)
【文献】
特開2007−244311(JP,A)
【文献】
五十嵐 脩 他編,丸善食品総合辞典,1998年,p.1151
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/117−9/20
CAplus/FSTA/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
もち種馬鈴薯澱粉と、該もち種馬鈴薯澱粉以外の他の澱粉に油脂加工を施した油脂加工澱粉とを含有する、揚げ物用打ち粉ミックス。
【請求項2】
前記もち種馬鈴薯澱粉の含有量が20〜80質量%である、請求項1に記載の揚げ物用打ち粉ミックス。
【請求項3】
前記油脂加工澱粉を10〜80質量%含有する、請求項1又は2に記載の揚げ物用打ち粉ミックス。
【請求項4】
さらに、膨張剤を0.1〜3質量%含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の揚げ物用打ち粉ミックス。
【請求項5】
前記油脂加工澱粉が、油脂加工アセチル化澱粉及び油脂加工酢酸澱粉から選択される1種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の揚げ物用打ち粉ミックス。
【請求項6】
具材に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の揚げ物用打ち粉ミックスと、衣材とを順次付着させた後、該具材を油ちょうする工程を有する、揚げ物の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載の製造方法によって製造された揚げ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣付きの揚げ物の製造において、具材に対する衣の結着性の向上等の目的で使用される揚げ物用打ち粉ミックスに関する。
【背景技術】
【0002】
衣付きの揚げ物は、各種の食材からなる具材の表面に衣材を付着させて、高温に加熱した食用油中で加熱調理即ち油ちょうすることにより得られる食品であり、フライ、天ぷらなどが典型である。具材に衣材を付着させる前に、必要に応じて、醤油、みりん、生姜等を用いて具材に下味を付ける場合もある。一般的な衣付き揚げ物の製造においては、フライのように、パン粉などの衣材を具材にまぶして付着させるか、天ぷらのように、水溶きした小麦粉などの衣材を具材に絡ませる。そうして表面に衣材が付着した具材を油ちょうすると、具材は衣材によって直接揚げ油に触れることなく加熱され、一方で、衣材は揚げ油により水分が蒸発して油と置換することでサクサクした良好な食感の衣となる。
【0003】
また、衣付きの揚げ物においては、具材と衣との間に水や空気の層が存在すると、衣が剥がれる、油ちょうの際に衣が破裂する、などの不都合が生じるおそれがあるため、斯かる不都合を防止する目的で、具材に衣材を付着させる前に、打ち粉を直接まぶして具材に密着するように付着させることが従来行われている。例えば、衣材としてパン粉を使用したフライは、通常、具材に打ち粉をした後に卵液又はバッター液を絡ませ、さらにパン粉をまぶすという工程を経て製造されている。
【0004】
打ち粉としては、通常、小麦粉が単体で用いられているが、特に、衣材としてパン粉を用いた場合は、パン粉の具材に対する結着性が非常に低いため、小麦粉単体の打ち粉をしても、依然としてパン粉によって形成された衣が剥がれやすいというのが実情である。そこで、衣の結着性を向上させるために、打ち粉としての小麦粉に未加工の澱粉を配合することが従来行われているが、斯かる方法は、最終的に得られる揚げ物の衣が硬い食感となることがあるため、衣の結着性の向上手段として有効とは言い難い。
【0005】
打ち粉の改良技術に関し、例えば特許文献1には、油脂加工アセチル化澱粉を含有する揚げ物用打ち粉が提案されている。また特許文献2には、油脂加工リン酸架橋澱粉を含有する揚げ物用打ち粉が提案されている。しかしながら、油脂加工澱粉を打ち粉として使用すると、衣の結着性は向上するものの、衣の厚みが増したりネチャついた食感が強くなる。
【0006】
また、衣付きの揚げ物は、調理後に時間が経過すると、具材の水分が衣に移行し、衣が柔らかくなって独特の食感が失われやすいという課題がある。例えば、衣付きの揚げ物の一種であるとんかつは、スーパー等の店頭において調理済みの惣菜として販売される場合が少なくなく、そのような場合、調理後数時間経過後に食されることになるから、調理後に経時的に品質が低下し難いことが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−291431号公報
【特許文献2】特開2007−28905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、具材に対する結着性に優れ、ふわりと軽い良好な食感で、調理後の経時による品質低下の少ない衣を有する揚げ物が得られる揚げ物用打ち粉ミックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明者らは、打ち粉として高い効果を示す素材の探索を行った。その結果、揚げ物用打ち粉ミックスにもち種馬鈴薯澱粉を配合することで、前記課題が解決されることを見出して本発明を完成した。
即ち本発明は、もち種馬鈴薯澱粉を含有する揚げ物用打ち粉ミックスを提供することにより前記課題を解決したものである。
【0010】
また本発明は、具材に、前記の本発明の揚げ物用打ち粉ミックスと、衣材とを順次付着させた後、該具材を油ちょうする工程を有する揚げ物の製造方法である。
また本発明は、前記の本発明の製造方法によって製造された揚げ物である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスによれば、これを打ち粉として具材にまぶして付着させ、さらに衣材を付着させて油ちょうするだけの簡便な操作で揚げ物をつくることができる。こうして得られた揚げ物は、衣が具材との結着性に優れて剥がれにくく、衣の食感がふわりと軽い良好なものとなり、しかも調理後に時間が経過しても品質の低下が少ない。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスは、もち種馬鈴薯澱粉を含有する。もち種馬鈴薯澱粉とは、もち種のジャガイモから得られた、通常のジャガイモ(うるち種)由来の馬鈴薯澱粉に比べてアミロペクチン含量が高い馬鈴薯澱粉のことである。もち種馬鈴薯澱粉としては、アミロペクチン含量が、好ましくは85質量%以上、より好ましくは90質量%以上のものが好ましく用いられる。尚、通常のジャガイモ(うるち種)由来の馬鈴薯澱粉のアミロペクチン含量は75〜80質量%程度である。もち種馬鈴薯澱粉としては、特表2002−538799号公報や特表2002−538801号公報に記載のものなどを利用することができ、また市販のものを利用することもできる。
【0013】
もち種馬鈴薯澱粉の含有量は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの全質量に対して、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは25〜60質量%である。もち種馬鈴薯澱粉の含有量が少なすぎると、これを用いる意義(衣の結着性の向上等)に乏しく、逆に多すぎると、製造した揚げ物における衣の食感がネチャついたものとなるため、これらを考慮すると前記範囲が好ましい。
【0014】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスにおいては、もち種馬鈴薯澱粉に加えてさらに、もち種馬鈴薯澱粉以外の他の澱粉を含有させることができる。この他の澱粉としては、例えば、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、タピオカ澱粉、非もち種(うるち種)の馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の未加工澱粉、及びこれら未加工澱粉に油脂加工、α化、エーテル化、エステル化、架橋、酸化等の処理の1つ以上を施した加工澱粉が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。他の澱粉の含有量(他の澱粉を複数種使用する場合はそれらの合計含有量)は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの全質量に対して、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは15〜60質量%である。
【0015】
前記の他の澱粉の中でも特に好ましいものは、油脂加工澱粉である。後述する実施例から明らかなように、もち種馬鈴薯澱粉と油脂加工澱粉とを併用することで、揚げ物における衣の結着性及び食感、特に衣の結着性が一層向上し得る。油脂加工澱粉としては、例えば、油脂加工アセチル化澱粉、油脂加工リン酸架橋澱粉、油脂加工酢酸澱粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。油脂加工アセチル化澱粉としては、特許文献1記載のものを用いることができ、油脂加工リン酸架橋澱粉としては、特許文献2記載のものを用いることができる。
【0016】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスにおいては、もち種馬鈴薯澱粉及び他の澱粉(好ましくは油脂加工澱粉)に加えてさらに、膨張剤を含有させることができる。膨張剤を併用することで、揚げ物において衣が硬くなるのを抑制することができ、軽い食感の衣が一層得られやすくなる。膨張剤としては、例えば、重曹の他、ベーキングパウダーやイスパタ等の、重曹を含む公知の膨張剤を使用することができる。膨張剤の含有量は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの全質量に対して、好ましくは0.1〜3質量%、より好ましくは0.7〜2質量%である。
【0017】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスにおいては、前記のもち種馬鈴薯澱粉、他の澱粉及び膨張剤に加えてさらに、糖類を含有させることができる。そうすることで、揚げ物における衣のボリューム感やサクサク感が向上し得る。糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、キシロース、ガラクトース等の単糖類;マルトース、ラクトース、トレハロース等の二糖類;キシリトール、ソルビトール、ラクチトール等の糖アルコール類;イヌリン(フラクオリゴ糖)、ガラクトオリゴ糖の多糖類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。糖類として特に好ましいものは、単糖類である。糖類の含有量は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの全質量に対して、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは3〜5質量%である。
【0018】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスにおいては、前記成分以外に必要に応じて、その他の成分、例えば、小麦粉、米粉等の穀粉;全卵粉、卵白粉等の卵粉;増粘剤;食塩、粉末醤油、発酵調味料、粉末味噌、アミノ酸等の調味料;香辛料;香料;ビタミン等の栄養成分;着色料;粉末油脂などから選択される1種又は2種以上をさらに含有させることができる。その他の種類や含有量は、所望する揚げ物の特性に応じて適宜調整することができる。例えば、揚げ物としてパン粉付きフライを製造する場合、そのフライについて所望する風味(例えば中華風、和風、洋風等)に応じて、他の成分として適切な調味料や香辛料等を選択すればよい。調味料や香辛料等の他の成分の含有量は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの全質量に対して、好ましくは5〜60質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
【0019】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスは、従来の打ち粉と同様に、衣付きの揚げ物の製造に使用することができる。本発明が適用可能な揚げ物としては、例えば、とんかつなどのフライ、天ぷら、から揚げ、フライドチキン等が挙げられる。揚げ物の製造方法の典型例としては、具材に、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスと、衣材とを順次付着させた後、該ミックス及び衣材が付着した具材を油ちょうする工程を有する方法が挙げられる。
【0020】
揚げ物の具材としては、例えば鶏、豚、牛、羊、ヤギなどの畜肉類、イカ、エビ、アジなどの魚介類、野菜類などの種々のものを使用することができ、特に加熱により収縮する肉類や魚介類に好適に用いることができる。具材には、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスを適用する前に、必要に応じて下味を付けてもよい。
【0021】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスを具材に付着させる方法としては、該ミックスを水と混ぜずに、具材にまぶして付着させるのが典型的である。ここで「まぶす」とは、具材の表面にミックスをそのまま付着させる操作であり、例えば、1)具材の上方からミックスを振り掛ける操作、2)ミックス及び具材を袋の中に投入し、該袋の開口部を閉じた状態で振盪する操作、3)皿等に比較的広い範囲でミックスを散布し、散布されたミックス上で具材を転がす操作、などが挙げられるがこれらの操作に限定されない。
【0022】
本発明の揚げ物用打ち粉ミックスの付着後に具材に付着させる衣材としては、この種の衣付き揚げ物に通常用いられる衣材を特に制限なく用いることができ、例えば、パン粉、小麦粉、米粉、コーンフラワー、でん粉等が挙げられる。衣材は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスを付着させた具材に、任意の方法でさらに付着させることができる。例えば、1)本発明の揚げ物用打ち粉ミックスを付着させた具材に直接付着させる、2)水などの液体に溶かしていわゆるバッター液として付着させる、3)つなぎ液(水、牛乳、卵液、バッター液など)を付着させた後、さらに衣材を付着させる、などが挙げられるが、これらの操作に限定されない。具体的な例としては、天ぷらを製造する場合は、本発明の揚げ物用打ち粉ミックスが付着した具材にさらにバッター液を付着させ、また、フライを製造する場合は、該具材に卵液又はバッター液を付着させた後さらにパン粉を付着させ、また、から揚げやフライドチキンを製造する場合は、該具材に必要に応じてつなぎ液を付着させた後さらに衣材を付着させ、しかる後、油ちょうする。油ちょうは常法に従って行うことができ、例えば、底の深い油槽で全体に加熱するディープフライ法、フライパンなど底の浅いもので一部や片面ずつ加熱する揚げ焼き法などがある。
【実施例】
【0023】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、斯かる実施例に制限されない。
尚、実施例1、9、16及び17は参考例である。
【0024】
〔実施例1〜24及び比較例1〜3〕
下記表1〜表3に示す原料を適宜混合して、各実施例及び比較例の揚げ物用打ち粉ミックスを製造した。使用した原料の詳細は下記の通り。
・もち種馬鈴薯澱粉(アミロペクチン含量99質量%以上)
・油脂加工澱粉(日食バッタースターチIP:日本食品化工製)
・小麦粉(フラワー:日清フーズ製)
・ワキシーコーンスターチ(J−オイルワキシーコーンスターチ:J−オイルミルズ製)
・膨張剤(ベーキングパウダー:日清フーズ製)
【0025】
〔試験例〕
各実施例及び比較例の揚げ物用打ち粉ミックスを用いて、下記手順でとんかつを製造した。先ず、豚ロース肉を厚さ8mmに切り分け、切り分けた肉に評価対象のミックスをまぶして、表面全体にまんべんなく付着させた。次に、ミックスが付着した豚ロース肉を、薄力粉30%、全卵10%及び冷水60%を混合したバッター液にくぐらせた後、パン粉をつけてとんかつ用肉を成形した。次に、このとんかつ用肉を170℃に熱したサラダ油で4分間油ちょうして、とんかつを製造した。
そして、10名のパネラーに、製造直後のとんかつを包丁で切り分けてもらい、その切り分けの際の衣の結着性を下記評価基準によって評価してもらった。また、10名のパネラーに、製造直後のとんかつ及び製造後に室温(約25℃)で1時間放置したとんかつの両方を食してもらい、その際の衣の食感を下記評価基準によって評価してもらった。以上の結果を下記表1に示す。
【0026】
(衣の付着性の評価基準)
5点:とんかつを包丁で切断してもまったく衣が剥がれず、極めて良好。
4点:とんかつを包丁で切断してもほとんど衣が剥がれず、良好。
3点:とんかつを包丁で切断すると切断面に対して10〜20%の部分で衣が剥がれるが、問題ないレベル。
2点:とんかつを包丁で切断すると切断面に対して20%超〜50%の部分で衣が剥がれ、やや不良。
1点:とんかつを包丁で切断すると切断面に対して50%超の部分で衣が剥がれ、不良。
(衣の食感の評価基準)
5点:サクサクとして歯もろさに富み、極めて良好。
4点:サクサクとしており、良好。
3点:ややサクサク感に欠ける。
2点:やや硬いかややネチャついており、サクサク感に乏しく、やや不良。
1点:硬すぎるかネチャつきが大きく、サクサク感がなく、不良。
【0027】
【表1】
【0028】
表1は主として、揚げ物用打ち粉ミックスにおけるもち種馬鈴薯澱粉の有効性を示したものである。表1に示す通り、もち種馬鈴薯澱粉を含有する各実施例は、これを含有しない各比較例に比して、衣の結着性及び食感の両方に優れていた。また表1から、もち種馬鈴薯澱粉の含有量は20〜80質量%が好ましく、25〜60質量%がさらに好ましいことがわかる。
【0029】
【表2】
【0030】
表2は主として、揚げ物用打ち粉ミックスにおける油脂加工澱粉の有効性を示したものである。表2に示す通り、油脂加工澱粉を含有する実施例5及び10〜15は、これを含有しない他の実施例に比して、特に衣の結着性に優れていた。また表2から、油脂加工澱粉の含有量は、下限値が10〜15質量%程度が好ましく、60質量%が最も好ましいことがわかる。
【0031】
【表3】
【0032】
表3は主として、揚げ物用打ち粉ミックスにおける膨張剤の有効性を示したものである。表3に示す通り、膨張剤の含有量が0.1〜3質量%の範囲にある実施例18〜23は、これを含有しない実施例5及び膨張剤の含有量が4質量%の実施例24に比して、特に衣の食感に優れていた。また表3から、膨張剤の含有量は0.7〜2質量%が特に好ましいことがわかる。