特許第6704423号(P6704423)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6704423基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6704423
(24)【登録日】2020年5月14日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20200525BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20200525BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/31 B
   H01L21/02 Z
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-5411(P2018-5411)
(22)【出願日】2018年1月17日
(65)【公開番号】特開2019-125703(P2019-125703A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100145872
【弁理士】
【氏名又は名称】福岡 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100091362
【弁理士】
【氏名又は名称】阿仁屋 節雄
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】中田 高行
【審査官】 宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−060337(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/141793(WO,A1)
【文献】 特開2014−060338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/02
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理室と連通可能に構成された搬送領域と、
前記搬送領域の上方に設けられ、前記基板を収容する搬送容器を複数格納可能な第一棚を有する第一の棚領域と、
外部装置との間で授受する前記搬送容器が載置されるステージ部の下方に設けられ、前記搬送容器を多段で格納可能な積層棚として構成される第二棚を有する第二の棚領域と、
前記搬送領域、前記第一の棚領域および前記第二の棚領域を収容する筐体内に設けられ、前記ステージ部、前記第一棚、前記第二棚および前記搬送領域の間で前記搬送容器を搬送する搬送容器移載ロボットと、を備え、
前記搬送容器移載ロボットは、
前記筐体の底面上に設置された本体ベース部と、
前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、
前記本体ベース部の上方側位置に配され、前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、
前記第一テーブル部に装着され、前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、
前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、
前記第二テーブル部に装着され、搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、
を有する基板処理装置。
【請求項2】
前記積層棚は、三段である
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第一駆動部は、前記本体ベース部の上方側にて、接続機構を介して前記第一テーブル部を昇降させる駆動伝達機構に接続される
請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第一駆動部と前記第二駆動部とは、それぞれが別個の駆動源として構成されているとともに、それぞれが独立して制御されるように構成され、前記搬送容器を搬送する距離に応じて、前記第一駆動部と前記第二駆動部との両方を動作させるか、前記第一駆動部と前記第二駆動部とのいずれか一方を動作させるかが制御される
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第一駆動部の駆動トルクが前記第二駆動部の駆動トルクよりも大きくなるように構成されている
請求項1から4のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記本体ベース部と前記第一テーブル部との連結部を覆うようカバーが設けられている
請求項1から5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
更に、前記カバーに覆われた局排機構を有する
請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
基板を収容する搬送容器を、外部装置との間で授受するために前記搬送容器が載置されるステージ部から、搬送領域の上方に設けられた第一の棚領域で前記搬送容器を複数格納可能な第一棚または前記ステージ部の下方に設けられた第二の棚領域で前記搬送容器を多段で格納可能な積層棚として構成される第二棚の少なくとも一方に搬送して格納させるとともに、その搬送を、装置筐体の底面上に設置された本体ベース部と、前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、前記本体ベース部の上方側位置に配され前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、前記第一テーブル部に装着され前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、前記第二テーブル部に装着され搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、を有して構成された搬送容器移載ロボットを用いて行う工程と、
前記第一棚または前記第二棚に格納された前記搬送容器を、前記第一棚または前記第二棚から、基板を処理する処理室と連通可能に構成された前記搬送領域へ、前記搬送容器移載ロボットを用いて搬送する工程と、
前記搬送領域に搬送された前記搬送容器から前記基板を取り出して前記処理室に受け渡す工程と、
前記処理室にて前記基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板を収容する搬送容器を、外部装置との間で授受するために前記搬送容器が載置されるステージ部から、搬送領域の上方に設けられた第一の棚領域で前記搬送容器を複数格納可能な第一棚または前記ステージ部の下方に設けられた第二の棚領域で前記搬送容器を多段で格納可能な積層棚として構成される第二棚の少なくとも一方に搬送して格納させるとともに、その搬送を、装置筐体の底面上に設置された本体ベース部と、前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、前記本体ベース部の上方側位置に配され前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、前記第一テーブル部に装着され前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、前記第二テーブル部に装着され搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、を有して構成された搬送容器移載ロボットを用いて行う手順と、
前記第一棚または前記第二棚に格納された前記搬送容器を、前記第一棚または前記第二棚から、基板を処理する処理室と連通可能に構成された前記搬送領域へ、前記搬送容器移載ロボットを用いて搬送する手順と、
前記搬送領域に搬送された前記搬送容器から前記基板を取り出して前記処理室に受け渡す手順と、
前記処理室にて前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程で用いられる基板処理装置として、フープ(FOUP:Front Open Unified Pod。以下、単に「ポッド」という。)と呼ばれる搬送容器を利用して、処理対象となる基板または処理済の基板の搬送を行うように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−270266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、搬送容器の格納量の増大に適切に対応し得る基板処理装置に関する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、
基板を処理する処理室と連通可能に構成された搬送領域と、
前記搬送領域の上方に設けられ、前記基板を収容する搬送容器を複数格納可能な第一棚を有する第一の棚領域と、
外部装置との間で授受する前記搬送容器が載置されるステージ部の下方に設けられ、前記搬送容器を多段で格納可能な第二棚を有する第二の棚領域と、
前記搬送領域、前記第一の棚領域および前記第二の棚領域を収容する筐体内に設けられ、前記ステージ部、前記第一棚、前記第二棚および前記搬送領域の間で前記搬送容器を搬送する搬送容器移載ロボットと、を備え、
前記搬送容器移載ロボットは、
前記筐体の底面上に設置された本体ベース部と、
前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、
前記本体ベース部の上方側位置に配され、前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、
前記第一テーブル部に装着され、前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、
前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、
前記第二テーブル部に装着され、搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、
を有する技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る技術によれば、搬送容器の格納量の増大に適切に対応し得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成例を示す斜透視図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置に用いられる処理炉の構成例を示す縦断面図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成例を模式的に示す側断面図である。
図4】本発明の比較例にかかる基板処理装置におけるポッド棚とポッド搬送装置との位置関係を模式的に示す側断面図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置におけるポッド棚とポッド搬送装置との位置関係を模式的に示す側断面図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる基板処理装置におけるポッド搬送装置のカバー構成を例示する模式図である。
図7】本発明の一実施形態に係る基板処理装置が有するコントローラの構成例を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0009】
(1)基板処理装置の概要
先ず、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の概要について簡単に説明する。
【0010】
本実施形態で説明する基板処理装置は、半導体装置の製造工程で用いられるもので、処理対象となる基板を処理室に収容した状態で当該基板をヒータによって加熱して処理を施すものである。さらに詳しくは、複数の基板を鉛直方向に所定の間隔で積層した状態で同時に処理を行う縦型の基板処理装置である。
【0011】
基板処理装置が処理対象とする基板としては、例えば、半導体集積回路装置(半導体デバイス)が作り込まれる半導体ウエハ基板(以下、単に「ウエハ」という。)が挙げられる。また、基板処理装置が行う処理としては、例えば、酸化処理、拡散処理、イオン打ち込み後のキャリア活性化や平坦化のためのリフローやアニール、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)反応による成膜処理等が挙げられる。
【0012】
(2)基板処理装置の概略構成
次に、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の概略構成例について説明する。
【0013】
(装置全体)
図1は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成例を示す斜透視図である。
基板処理装置10は、内部に処理炉40等の主要部が配置される筐体12を備えている。筐体12の正面側には、OHT(Overhead Hoist Transport)ステージと呼ばれるポッドステージ18が配置されている。ポッドステージ18上には、ウエハ14を収納する搬送容器としてのポッド16が搬送されて載置される。ポッド16は、その内部に例えば25枚のウエハ14が収納され、図示しない蓋が閉じられた状態でポッドステージ18上に載置されるように構成されている。つまり、基板処理装置10では、ポッド16がウエハキャリアとして使用され、そのポッド16が載置されるステージ部としてのポッドステージ18を利用しつつ外部装置(例えばポッド搬送システム)とポッド16の授受を行うようになっている。
【0014】
筐体12内の正面側であって、ポッドステージ18に対向する位置には、ポッド16を搬送する搬送容器移載ロボットとしてのポッド搬送装置20が配置されている。ポッド搬送装置20の近傍には、ポッド16を格納可能な第一棚としての回転ポッド棚22a、ポッド16を格納可能な第二棚としての積層ポッド棚22bおよびポッドオープナ24がそれぞれ配置されている。
ポッド搬送装置20は、ポッドステージ18と回転ポッド棚22aと積層ポッド棚22bとポッドオープナ24との間でポッド16を搬送するように構成されている。
回転ポッド棚22aは、ポッドオープナ24の上方の領域である第一の棚領域に配置され、ポッド16を複数個載置した状態で保持するように構成されている。回転ポッド棚22aは、複数段(例えば五段)の棚板を有して、モータ等の図示せぬ間欠回転駆動装置によって一方向にピッチ送り回転される、いわゆる回転棚によって構成することが考えられる。ただし、回転機能は必須ではない。また、回転ポッド棚22aの近傍には、供給ファンと防塵フィルタとを備えたクリーンユニットを設け、そのクリーンユニットから清浄化した雰囲気であるクリーンエアを流通させるように構成してもよい。
積層ポッド棚22bは、ポッドステージ18の下方の領域である第二の棚領域に配置され、ポッド16を複数個載置した状態で保持するように構成されている。積層ポッド棚22bは、複数段(例えば三段)の棚板を有して、それぞれの棚板上にポッド16が載置される、いわゆる積層棚によって構成することが考えられる。なお、積層ポッド棚22bにおける複数段の棚板のうち、少なくとも一つ(例えば、最下段)の棚板は、筐体12の正面側から手作業にてポッド16を載置し得るように構成されていてもよい。また、積層ポッド棚22bの近傍についても、回転ポッド棚22aと同様に、クリーンエアを流通させるように構成してもよい。
ポッドオープナ24は、ポッド16の蓋を開けるように構成されている。なお、ポッドオープナ24に対しては、蓋を開けられたポッド16内のウエハ14の枚数を検知する基板枚数検知器が隣接配置されていてもよい。
【0015】
ポッドオープナ24よりも筐体12内の背面側には、当該筐体12内において一つの部屋として区画される、搬送領域としての移載室50が形成されている。
移載室50内には、基板移載機28と、基板保持体としてのボート30と、が配置されている。
基板移載機28は、例えば5枚のウエハ14を取り出すことができるアーム(ツィーザ)32を有している。図示しない駆動手段によりアーム32を上下回転動作させることにより、ポッドオープナ24の位置に置かれたポッド16とボート30との間にて、ウエハ14を搬送させることが可能なように構成されている。
ボート30は、複数枚(例えば、50枚〜175枚程度)のウエハ14を、水平姿勢で、かつ、その中心を揃えた状態で、鉛直方向に所定間隔を空けて整列積層させて、縦方向に多段保持するように構成されている。ウエハ14を保持したボート30は、図示せぬ昇降機構としてのボートエレベータによって、昇降させることが可能なように構成されている。
【0016】
筐体12内の背面側上部、すなわち移載室50の上方側には、処理炉40が配置されている。処理炉40内には、複数枚のウエハ14を装填した上述のボート30が、下方から搬入されるように構成されている。
【0017】
(処理炉)
続いて、上述した処理炉40について簡単に説明する。
図2は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置に用いられる処理炉の構成例を示す縦断面図である。
【0018】
処理炉40は、反応管41を備えている。反応管41は、例えば石英(SiO)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性を有する非金属材料から構成され、上端部が閉塞され、下端部が開放された円筒形状となっている。
【0019】
反応管41の筒内には、処理室42が形成されている。処理室42内には、基板保持体としてのボート30が下方から挿入されて、ボート30によって水平姿勢に保持されたウエハ14が鉛直方向に多段に整列した状態で収容されるように構成されている。処理室42内に収容されるボート30は、回転機構43によって回転軸44を回転させることで、処理室42内の気密を保持したまま、複数のウエハ14を搭載した状態で回転可能に構成されている。
【0020】
反応管41の下方には、この反応管41と同心円状にマニホールド45が配設されている。マニホールド45は、例えばステンレス鋼等の金属材料から構成され、上端部および下端部が開放された円筒形状となっている。このマニホールド45により、反応管41は、下端部側から縦向きに支持される。つまり、処理室42を形成する反応管41がマニホールド45を介して鉛直方向に立脚されて、処理炉40が構成されることになる。
マニホールド45の下端部は、図示せぬボートエレベータが上昇した際に、シールキャップ46により気密に封止されるように構成されている。マニホールド45の下端部とシールキャップ46との間には、処理室42内を気密に封止するOリング等の封止部材46aが設けられている。
また、マニホールド45には、処理室42内に原料ガスやパージガス等を導入するためのガス導入管47と、処理室42内のガスを排気するための排気管48とが、それぞれ接続されている。
【0021】
反応管41の外周には、反応管41と同心円状に加熱手段(加熱機構)としてのヒータユニット49が配されている。ヒータユニット49は、処理室42内が全体にわたって均一または所定の温度分布となるように、処理室42内に対する加熱を行うように構成されている。
【0022】
(3)基板処理工程の概要
次に、本実施形態にかかる基板処理装置10を用いて、半導体デバイス製造の一工程として、ウエハ14に対する処理を行う場合の動作手順について説明する。
【0023】
(ポッド搬送工程)
基板処理装置10にてウエハ14に対する処理を行う場合は、先ず、ポッドステージ18に複数枚のウエハ14を収容したポッド16を載置する。そして、ポッド搬送装置20によりポッド16をポッドステージ18から回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bに移載する。
【0024】
(ウエハ供給工程)
その後、ポッド搬送装置20により、回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bに載置されたポッド16をポッドオープナ24に搬送する。そして、ポッドオープナ24によりポッド16の蓋を開き、ポッド16に収容されているウエハ14の枚数を基板枚数検知器により検知する。
【0025】
(搬入前移載工程)
ポッドオープナ24がポッド16の蓋を開いたら、次いで、移載室50内に配置された基板移載機28が、ポッド16からウエハ14を取り出す。そして、ポッド16から取り出した未処理状態のウエハ14を、基板移載機28と同じく移載室50内に位置するボート30に移載する。つまり、基板移載機28は、移載室50内にて、処理室42内へ搬入する前のボート30に未処理状態のウエハ14を装填するウエハチャージ動作を行う。これにより、ボート30は、複数枚のウエハ14を鉛直方向にそれぞれが間隔を成す積層状態で保持することになる。ボート30が積層状態で保持して一括処理するウエハ14の枚数は、例えば50枚〜175枚である。これにより、量産性を高めることができる。
【0026】
(搬入工程)
ウエハチャージ動作後は、ボートエレベータの昇降動作により、未処理状態のウエハ14を複数枚保持したボート30を処理室42内へ搬入(ボートローディング)する。つまり、ボートエレベータを動作させて、未処理状態のウエハ14を保持したボート30を、移載室50内から処理室42内へ搬入する。これにより、シールキャップ46は、封止部材46aを介してマニホールド45の下端をシールした状態となる。
【0027】
(処理工程)
ボートローディング後は、処理室42内に搬入されたボート30が保持する未処理状態のウエハ14に対して、所定の処理を行う。具体的には、例えば熱CVD反応による成膜処理を行う場合であれば、排気管48を用いて排気を行い、処理室42内が所望の圧力(真空度)となるようにする。そして、ヒータユニット49を用いて処理室42内に対する加熱を行うとともに、回転機構43を動作させてボート30を回転させ、これに伴いウエハ14も回転させる。ウエハ14の回転は、後述するウエハ14の搬出まで継続する。さらには、ガス導入管47により処理室42内へ原料ガスやパージガス等を供給する。これにより、ボート30に保持された未処理状態のウエハ14の表面には、熱による分解反応や化学反応等を利用した薄膜形成が行われる。
【0028】
ウエハ14の表面への薄膜形成の完了後は、ヒータユニット49による過熱を停止して、処理済状態のウエハ14の温度を所定温度まで降温させる。そして、予め設定された時間が経過したら、処理室42内へのガス供給を停止するとともに、当該処理室42内への不活性ガスの供給を開始する。これにより、処理室42内を不活性ガスで置換するとともに、処理室42内の圧力を常圧に復帰させる。
【0029】
(搬出工程)
その後は、ボートエレベータの昇降動作により、シールキャップ46を下降させてマニホールド45の下端を開口させるとともに、処理済状態のウエハ14を保持したボート30をマニホールド45の下端から処理室42外へ搬出(ボートアンローディング)する。つまり、ボートエレベータを動作させて、処理済状態のウエハ14を保持したボート30を、処理室42内から移載室50内へ搬出する。そして、ボート30に支持された全てのウエハ14が冷えるまで、ボート30を所定位置で待機させる。
【0030】
(搬出後移載工程)
待機させたボート30のウエハ14が所定温度(例えば室温程度)まで冷えた後は、移載室50内に配置された基板移載機28が、ボート30からのウエハ14の脱装を行う。そして、ボート30から脱装した処理済状態のウエハ14を、ポッドオープナ24に載置されている空のポッド16に搬送して収容する。つまり、基板移載機28は、移載室50内にて、処理室42内から搬出されたボート30が保持する処理済状態のウエハ14を、当該ボート30から取り出してポッド16へ移載するウエハディスチャージ動作を行う。
【0031】
その後は、ポッド搬送装置20により、処理済状態のウエハ14を収容したポッド16を、回転ポッド棚22a、積層ポッド棚22bまたはポッドステージ18上へ搬送する。
このようにして、本実施形態にかかる基板処理装置10による基板処理工程の一連の処理動作が完了する。
【0032】
(4)基板処理装置の特徴的な構成
次に、本実施形態にかかる基板処理装置10の特徴的な構成例について説明する。
図3は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置の構成例を模式的に示す側断面図である。
【0033】
(ポッド棚)
上述したように、基板処理装置10では、ポッドステージ18に載置されたポッド16を、一旦、回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bに移載して格納する。このような処理動作を行う基板処理装置10において、ウエハ14に対する処理効率の向上を図るためには、より多くのポッド16を装置内に格納(ストック)し得ることが好ましい。
【0034】
このことから、ポッドオープナ24や移載室50等よりも上方の領域である第一の棚領域に配置された回転ポッド棚22aは、複数段(例えば五段)の棚板を有して構成されている。ただし、回転ポッド棚22aは、筐体12の高さ方向の大きさの関係上、棚板の段数が制限される。
【0035】
そこで、基板処理装置10は、ポッド搬送装置20がアクセスし得る領域であるポッドステージ18下方の第二の棚領域にも、複数段(例えば三段)の棚板を有する積層ポッド棚22bを配置し、これにより装置内に格納し得るポッド16の数を増大させている。
【0036】
(ポッド搬送装置)
装置内に格納し得るポッド16の数を増大させる場合、ポッド16を搬送するポッド搬送装置20については、最下位置と最上位置との間の長尺化に対応していることが好ましい。このことから、ポッド搬送装置20は、本体ベース部201と、第一テーブル部202と、第一駆動部203と、第二テーブル部204と、第二駆動部205と、容器支持部206と、を有して構成されている。
【0037】
本体ベース部201は、筐体12の底面上に、ポッド16が移動する長手方向(すなわち上下方向)に延在して設置されている。
第一テーブル部202は、本体ベース部201に設けられた図示せぬ案内機構としてのガイドレールおよび駆動伝達機構としてのボールねじを利用して、本体ベース部201に対して昇降可能に構成されている。
第一駆動部203は、第一テーブル部202を昇降させる駆動源となるモータ等からなるものである。第一駆動部203は、図示せぬ接続機構(カップリング等)を介して、本体ベース部201における駆動伝達機構としてのボールねじに接続されている。
第二テーブル部204は、第一テーブル部202に装着されている。そして、第一テーブル部202に設けられた図示せぬ案内機構としてのガイドレールおよび駆動伝達機構としてのボールねじを利用して、第一テーブル部202に対して昇降可能に構成されている。
第二駆動部205は、第二テーブル部204を昇降させる駆動源となるモータ等からなるものである。第二駆動部205は、図示せぬ接続機構(カップリング等)を介して、第一テーブル部202における駆動伝達機構としてのボールねじに接続されている。
容器支持部206は、第二テーブル部204に装着され、搬送対象となるポッド16を支持するアーム等からなるものである。
【0038】
このように、ポッド搬送装置20は、第一テーブル部202と第二テーブル部204とのそれぞれが昇降可能に構成されている。つまり、第一テーブル部202と第二テーブル部204との動作を制御することにより、ポッド16の搬送を、第一テーブル部202の上下動と第二テーブル部204の上下動との2段で行うことができる。したがって、ポッド16の搬送を1段のみで行う場合に比べると、搬送距離の長尺化に対応することができる。
【0039】
ところで、ポッド搬送装置20において、本体ベース部201や第一テーブル部202には、強度が求められる。また、第二テーブル部204は、本体ベース部201や第一テーブル部202にかける負荷を少しでも軽減できるようにする必要がある。したがって、本体ベース部201上にある第一テーブル部202については、強度を持たせた構成とすることで、ストローク(摺動する長さ)を長くすることが可能である。その一方で、第二テーブル部204のストロークは、軽量化により負荷軽減が図れるように、第一テーブル部202のストロークに比べ短くなるようにすることがよい。このようなストローク長さを実現するために、本体ベース部201の全長は、第一テーブル部202の全長より長くしたほうがよい。同様に、第一テーブル部202の全長は、第二テーブル部204の全長より長くしたほうがよい。
【0040】
例えば、第一テーブル部202のストロークと第二テーブル部204のストロークとの比を2:1とする。
その場合に、第一テーブル部202と第二テーブル部204を同期させて移動させるには、それぞれのボールねじのリード比も2:1とし、第一駆動部203と第二駆動部205を同じ回転数で動作させる。これにより、全ストロークにわたり、第一テーブル部202、第二テーブル部204を共にスムースに昇降することができる。ここで、第一駆動部203と第二駆動部205を同じ回転数で動作させるということは、1つの制御信号をそれぞれに供給することができるということである。つまり、上位コントローラからの指令を1つにすることで、第一テーブル部202と第二テーブル部204の同期運転を非常に容易にすることができる。
なお、それぞれのボールねじのリード比を1:1としても、第一駆動部203と第二駆動部205とが持つギヤ比を2:1にすることにより、第一テーブル部202、第二テーブル部204のスムースな動作を満足することができる。ここで、それぞれのギヤ比は、2:1に限らず、適宜自由に選択すればよいことは言うまでもない。
【0041】
第一駆動部203と第二駆動部205とに対しては、それぞれに個別の制御信号を供給するようにしてもよい。
例えば、第一駆動部203を制御して第一テーブル部202を距離A上昇させるとともに、第二駆動部205を制御して第二テーブル部204を距離B上昇させる場合を考える。その場合、結果として、第二テーブル部204は、A+Bだけ上昇することとなる。このように、第一駆動部203と第二駆動部205に別々の制御信号を送ることにより動作を制御すれば、第一テーブル部202と第二テーブル部204との役割分担が実現可能となる。具体的には、それぞれが役割分担することで、それぞれを同期運転する場合は実現困難である細かな位置調整を行うことができるようになる。
【0042】
また、第一駆動部203と第二駆動部205とについては、第一駆動部203の駆動トルクが第二駆動部205の駆動トルクよりも大きくなるように構成されていると好ましい。上述したように、第一テーブル部202については強度を持たせつつストロークを長くする一方で、第二テーブル部204については軽量化しつつストロークが短くなるように構成することが考えられるが、第一駆動部203の駆動トルクが第二駆動部205の駆動トルクよりも大きければ、このような構成に好適に対応し得るからである。
【0043】
なお、ポッド搬送装置20は、搬送対象となるポッド16を、上下方向に昇降させるだけではなく、平面視したときの回転方向にも移動させ得るように構成されている。これにより、ポッド搬送装置20は、ポッドステージ18、回転ポッド棚22a、積層ポッド棚22bおよびポッドオープナ24のそれぞれとの間で、搬送対象となるポッド16の受け渡しを行うことができる。
【0044】
(ポッド棚とポッド搬送装置との位置関係)
ここで、回転ポッド棚22aおよび積層ポッド棚22bとポッド搬送装置20との位置関係について説明する。
【0045】
回転ポッド棚22aは、ポッドオープナ24や移載室50等よりも上方の領域である第一の棚領域に配置される。そのため、回転ポッド棚22aが有する棚板の段数を増やそうとすると、最上段の棚板は、筐体12の天井面に近づいて配置されることになる。
また、積層ポッド棚22bは、ポッドステージ18下方の第二の棚領域に配置される。ポッドステージ18は、外部装置との間のポッド16の授受に利用されるものであることから、その高さ位置がSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格で決まっている。そのため、積層ポッド棚22bが有する棚板の段数を増やそうとすると、最下段の棚板は、筐体12の底面に近づいて配置されることになる。
ポッド搬送装置20は、上下動可能な最上位置が回転ポッド棚22aの最上段の棚板に対応しており、かつ、上下動可能な最下位置が積層ポッド棚22bの最下段の棚板に対応している必要がある。
【0046】
図4は、比較例にかかる基板処理装置におけるポッド棚とポッド搬送装置との位置関係を模式的に示す側断面図である。
比較例にかかる基板処理装置のポッド搬送装置21において、第一テーブル部212を昇降させる駆動源となる第一駆動部213は、本体ベース部211の下方側に連結するように配置されている。
このような構成のポッド搬送装置21は、例えば、図4(a)に示すように、筐体底面上に第一駆動部213が配置されている分、第一テーブル部212の下方側への移動域が制限され、ポッド16を搬送可能な最下位置が高くなってしまう。そのため、ポッド搬送装置21は、積層ポッド棚22bの最下段の棚板に搭載されたポッド16をピックアップできないおそれが生じる(図中×印参照)。また、ポッド16のピックアップを可能にしようとすると、積層ポッド棚22bの最下段の棚板を高くしなければならず、積層ポッド棚22bが格納し得るポッド16の数の減少を招いてしまう。
この点については、例えば、図4(b)に示すように、第一駆動部213が配置されている分、本体ベース部211に対して第一テーブル部212を下方側にオフセットさせて装着することが考えられる。ところが、第一テーブル部212を下方側にオフセットさせると、そのオフセットの分、ポッド16を搬送可能な最上位置が低くなってしまう。そのため、ポッド搬送装置21は、回転ポッド棚22aの最上段の棚板に搭載されたポッド16をピックアップできないおそれが生じる(図中×印参照)。また、ポッド16のピックアップを可能にしようとすると、回転ポッド棚22aの最上段の棚板を低くしなければならず、回転ポッド棚22aが格納し得るポッド16の数の減少を招いてしまう。
【0047】
このことから、本実施形態において、ポッド搬送装置20における第一駆動部203は、本体ベース部201の上方側位置に配されている。ここでいう「上方側位置」は、本体ベース部201の上端よりも上方側の位置の他に、本体ベース部201の上端の近傍領域の位置をも含むものとする。具体的には、例えば、第一駆動部203の駆動軸と第一テーブル部202を移動させるボールねじが同軸となるように、第一駆動部203が本体ベース部201の上端よりも上方側に位置している場合の他に、ギヤやベルト等の駆動伝達機構を介して第一駆動部203が本体ベース部201の上端の近傍領域に位置している場合も、上方側位置に配されている状態に含まれる。このように、第一駆動部203が本体ベース部201の上方側位置に配されていれば、上述した比較例の構成のように本体ベース部201の下端より下方側に第一駆動部203が位置してしまうことはない。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置におけるポッド棚とポッド搬送装置との位置関係を模式的に示す側断面図である。
上述したように、第一駆動部203は、本体ベース部201の上方側位置に配されている。そのため、本体ベース部201の下端が筐体12の底面上に位置するように、本体ベース部201を配置することが可能である。しかも、このように本体ベース部201を配置するのにあたり、筐体12の底面や基板処理装置10が設置されるクリーンルームの床面等に特別な加工を要してしまうこともない。
本体ベース部201が筐体12の底面上に配置されていれば、ポッド搬送装置20は、上下動可能な最下位置を低く設定することができる。したがって、積層ポッド棚22bの最下段の棚板が筐体12の底面に近づいて配置されていても、ポッド搬送装置20は、その最下段の棚板に搭載されたポッド16をピックアップすることが可能である。
また、本体ベース部201に対して第一テーブル部202を下方側にオフセットさせて装着する必要もないので、ポッド搬送装置20は、上下動可能な最上位置がオフセットの分だけ低くなってしまうこともない。つまり、回転ポッド棚22aの最上段の棚板が筐体12の天井面に近づいて配置されていても、ポッド搬送装置20は、その最上段の棚板に搭載されたポッド16をピックアップすることが可能である。
【0049】
以上のように、第一駆動部203が本体ベース部201の上方側位置に配されていれば、ポッド搬送装置20は、上下動可能な最上位置が回転ポッド棚22aの最上段の棚板に対応し、かつ、上下動可能な最下位置が積層ポッド棚22bの最下段の棚板に対応することが可能となる。したがって、そのポッド搬送装置20を備えて構成された基板処理装置10は、回転ポッド棚22aおよび積層ポッド棚22bの多段化によるポッド16の格納(ストック)数の増大に好適に対応することができ、その結果としてウエハ14に対する処理効率の向上が図れる。
【0050】
第一駆動部203は、接続機構(カップリング等)を介して、第一テーブル部202を昇降させるための駆動伝達機構としてのボールねじに接続されている。したがって、第一駆動部203が本体ベース部201の上方側位置に配されていれば、例えば、第一駆動部203に故障等のトラブルが発生した場合であっても、接続機構を介した接続状態を解除するだけで、第一駆動部203を本体ベース部201から取り外すことができる。これに対して、上述した比較例のように第一駆動部213が本体ベース部211の下方側に配置されていると、第一駆動部213を本体ベース部211から取り外すことに困難性が伴うおそれがある。つまり、本実施形態のように、第一駆動部203が本体ベース部201の上方側位置に配されていれば、本体ベース部201の上方側の空間を利用しつつ第一駆動部213に対するメンテナンスを行うことができるので、上述した比較例の場合のような困難性が伴うことなく、メンテナンス作業の容易化を実現することが可能となる。
【0051】
第二テーブル部204を昇降させる駆動源である第二駆動部205については、第一駆動部203とは別個の駆動源として構成されている。そして、第一駆動部203と第二駆動部205とは、それぞれが独立して制御されるように構成することが考えられる。
このようにすれば、例えば、ポッド16を長距離搬送する場合は第一駆動部203と第二駆動部205との両方を動作させ、ポッド16を短距離搬送する場合は第一駆動部203と第二駆動部205とのいずれか一方を動作させる、といったことが実現可能となる。さらに具体的には、第一テーブル部202が長ストロークであり、第一駆動部203の駆動トルクが大きいことから、第一駆動部203を動作させて第一テーブル部202を移動させる場合は、搬送速度が大きくなる傾向にある。一方、第二テーブル部204が短ストロークであり、第二駆動部205の駆動トルクが小さいことから、第二駆動部205を動作させて第二テーブル部204を移動させる場合は、搬送速度が小さくなる傾向にある。このことを踏まえ、例えば、長距離搬送の場合は第一駆動部203と第二駆動部205との両方を動作させ、短距離搬送の場合は第二駆動部205のみを動作させる、といったことが考えられる。
したがって、ポッド搬送装置20では、第一テーブル部202の移動動作と第二テーブル部204の移動動作との役割分担が実現可能となり、細かな位置調整を容易に実現できるようになる。しかも、第一テーブル部202と第二テーブル部204との役割分担を通じて、省電力化、搬送効率化、パーティクル低減等についても実現可能となる。例えば、第一駆動部203と第二駆動部205との一方のみを動作させる状態を含むことで、常に両方を動作させる場合に比べて省電力化が可能となる。また、第一駆動部203と第二駆動部205との役割分担により、搬送効率の向上を図ることが可能となる。さらには、各テーブル部202,204の移動動作は摺動によるパーティクル発生を招き得るが、いずれか一方のみを動作させる状態を含むことで、常に両方を動作させる場合に比べてパーティクル発生を抑制することが可能となる。
【0052】
その場合に、第二駆動部205は、第一駆動部203と同様に、第一テーブル部202の上方側位置に配置された構成とすることが考えられる。ただし、これに限定されることはなく、第二駆動部205については、第一テーブル部202の下方側位置に配置されていてもよい。ここでいう「下方側位置」は、第一テーブル部202の下端よりも下方側の位置の他に、第一テーブル部202の下端の近傍領域の位置をも含むものとする。
第一テーブル部202は、本体ベース部201に対して昇降可能に構成されている。そのため、本体ベース部201に対する第一テーブル部202の相対的な装着位置によっては、第二駆動部205が第一テーブル部202の下方側位置に配置されていても、ポッド搬送装置20は、上下動可能な最下位置を低く設定することができる。また、第二駆動部205が第一テーブル部202の下方側位置に配置されていても、第一テーブル部202を上方側に移動させれば、その第二駆動部205に対するメンテナンスのための空間を十分に確保し得るようになる。
つまり、第二駆動部205は、第一テーブル部202の上方側位置または下方側位置のいずれかに配されていればよい。
【0053】
(クリーンエアユニット)
基板処理装置10において、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域には、上方側から底面側に向けたダウンフローが生じるようになっている。
具体的には、図3に示すように、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域には、その筐体12の天井面の近傍に、清浄化された空気(クリーンエア)の流れを生じさせるクリーンエアユニット61が、ダウンフローを生じさせる気流発生部の一部として設けられている。また、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域には、その筐体12の底面の近傍に、領域内の雰囲気を排気するエアフロー排気口62が、ダウンフローを生じさせる気流発生部の他の一部として設けられている。
【0054】
このような構成により、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域には、上方側から底面側に向けてクリーンエアの流れが発生してダウンフローが生じることになる。したがって、第一テーブル部202または第二テーブル部204の移動によりポッド搬送装置20からパーティクルが発生し得る場合であっても、ダウンフローによってパーティクルを筐体12外に排出して、そのパーティクルの影響がポッド16等に及んでしまうのを抑制することができる。
【0055】
なお、クリーンエアユニット61およびエアフロー排気口62が発生させるクリーンエアの流れは、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域のみならず、回転ポッド棚22aや積層ポッド棚22b等の近傍を流通するものであってもよい。
【0056】
また、ポッド搬送装置20については、パーティクル等を装置外に排出し難い構成を有していることが好ましい。
図6は、本発明の一実施形態にかかる基板処理装置におけるポッド搬送装置のカバー構成を例示する模式図である。
具体的には、ポッド搬送装置20には、パーティクル等を装置外に排出し難い構成として、第一テーブル部202が昇降するために必要な開孔(スリット)を極力小さくするカバー207を設けたり、本体ベース部201と第一テーブル部202との連結部を覆う蛇腹状のカバー208を設けたり、ガイドレールやボールねじ等が配された本体ベース部201の内部空間を負圧にするための局排機構209を設けたりすることが考えられる。
このような構成を有していれば、ポッド搬送装置20は、その周辺領域にパーティクル等を排出し難くなるので、パーティクル等の影響がポッド16等に及ぶのを抑制する上で非常に好適なものとなる。
【0057】
(コントローラ)
次に、上述した各部の動作を制御するコントローラ260について説明する。コントローラ260は、基板処理装置10の全体の動作を制御するためのものである。したがって、ポッド搬送装置20における第一駆動部203および第二駆動部205についても、その動作がコントローラ260によって制御されることになる。
【0058】
図7は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置が有するコントローラの構成例を模式的に示すブロック図である。
コントローラ260は、CPU(Central Processing Unit)260a、RAM(Random Access Memory)260b、記憶装置260c、I/Oポート260dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM260b、記憶装置260c、I/Oポート260dは、内部バス260eを介して、CPU260aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ260には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置261や、外部記憶装置262が接続可能に構成されている。入出力装置261からは、コントローラ260に対して情報入力を行い得る。また、入出力装置261は、コントローラ260の制御に従って情報の表示出力を行うようになっている。さらに、コントローラ260には、受信部285を通じてネットワーク263が接続可能に構成されている。このことは、コントローラ260がネットワーク263上に存在するホストコンピュータ等の上位装置290とも接続可能であることを意味する。
【0059】
記憶装置260cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置260c内には、基板処理装置10の動作を制御する制御プログラムや、基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ、ウエハ14への処理に用いるプロセスレシピを設定するまでの過程で生じる演算データや処理データ等が、読み出し可能に格納されている。なお、プロセスレシピは、基板処理工程における各手順をコントローラ260に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、RAM260bは、CPU260aによって読み出されたプログラム、演算データ、処理データ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0060】
演算部としてのCPU260aは、記憶装置260cからの制御プログラムを読み出して実行するとともに、入出力装置261からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置260cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。また、受信部285から入力された設定値と、記憶装置260cに記憶されたプロセスレシピや制御データとを比較・演算して、演算データを算出可能に構成されている。また、演算データから対応する処理データ(プロセスレシピ)の決定処理等を実行可能に構成されている。そして、CPU260aは、読み出されたプロセスレシピの内容に沿うように、基板処理装置10における各部に対する動作制御を行うように構成されている。
【0061】
なお、コントローラ260は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)262を用意し、かかる外部記憶装置262を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係るコントローラ260を構成することができる。ただし、コンピュータにプログラムを供給するための手段は、外部記憶装置262を介して供給する場合に限らない。例えば、ネットワーク263(インターネットや専用回線)等の通信手段を用い、外部記憶装置262を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、記憶装置260cや外部記憶装置262は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において、記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置260c単体のみを含む場合、外部記憶装置262単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。
【0062】
ところで、コントローラ260のI/Oポート260dは、少なくとも、ポッド搬送装置20、基板移載機28、ボート30を昇降させるボートエレベータ31、等に接続されている。これにより、コントローラ260は、第一駆動部203および第二駆動部205の駆動を含むポッド搬送装置20の動作制御、基板移載機28によるウエハ14の移載制御、ボートエレベータ31によるボート30の昇降制御、等を行うことができる。
【0063】
つまり、コントローラ260は、CPU260aが記憶装置260cからプログラムを読み出して実行することにより、基板処理装置10を構成するポッド搬送装置20、基板移載機28、ボートエレベータ31等に対して、以下のような手順を実行させる。
【0064】
具体的には、コントローラ260は、コンピュータとしての機能により、
(i)ポッド16をポッドステージ18から回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bの少なくとも一方にポッド搬送装置20を用いて搬送して、回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bに格納させる手順と、
(ii)回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bに格納されたポッド16を、回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bからポッドオープナ24へポッド搬送装置20を用いて搬送する手順と、
(iii)移載室50内にて、ポッドオープナ24に搬送されたポッド16から基板移載機28を用いてウエハ14を取り出して、取り出したウエハ14をボート30に保持させる手順と、
(iv)ウエハ14を装填したボート30を処理室42内へ搬入(ボートローディング)して、その処理室42にてウエハ14を処理する手順と、
を基板処理装置10に実行させる。
【0065】
また、コントローラ260は、コンピュータとしての機能により、
(v)処理済のウエハ14を装填したボート30を処理室42内から搬出(ボートアンローディング)する手順と、
(vi)移載室50内にて、ボート30に保持された処理済のウエハ14を、基板移載機28を用いて取り出して、ポッドオープナ24に支持されているポッド16に収容する手順と、
(vii)処理済のウエハ14を収容したポッド16を、ポッドオープナ24から回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bへポッド搬送装置20を用いて搬送する手順と、
(viii)処理済のウエハ14を収容したポッド16を、回転ポッド棚22aまたは積層ポッド棚22bからポッドステージ18へポッド搬送装置20を用いて搬送する手順と、
を基板処理装置10に実行させる。
【0066】
(5)本実施形態の効果
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果を奏する。
【0067】
(a)本実施形態においては、基板処理装置10が回転ポッド棚22aに加えて積層ポッド棚22bを備えているので、基板処理装置10内に格納し得るポッド16の数の増大に対応することが可能となり、ウエハ14に対する処理効率の向上を図る上で好ましいものとなる。
しかも、本実施形態において、ポッド16を搬送するポッド搬送装置20は、ポッド16の搬送を、第一テーブル部202の上下動と第二テーブル部204の上下動との2段で行う。したがって、ポッド16の搬送距離の長尺化に対応することができ、基板処理装置10内に格納し得るポッド16の数の増大に対応する上で非常に好ましいものとなる。
その上、本実施形態において、ポッド搬送装置20における第一駆動部203は、本体ベース部201の上方側位置に配されている。したがって、ポッド搬送装置20は、上下動可能な最下位置を低く設定することができ、上下動可能な最上位置が低くなってしまうこともない。つまり、ポッド搬送装置20は、回転ポッド棚22aおよび積層ポッド棚22bの多段化によるポッド16の格納数の増大に好適に対応することができる。
以上のように、本実施形態においては、基板処理装置10内におけるポッド16の格納数の増大に対応し得るようになるので、その結果としてウエハ14に対する処理効率の向上が図れる。
【0068】
(b)本実施形態においては、本体ベース部201の上方側にて、第一駆動部203と第一テーブル部202を昇降させるための駆動伝達機構としてのボールねじとが、接続機構(カップリング等)を介して接続されている。したがって、例えば、第一駆動部203に故障等のトラブルが発生した場合であっても、接続機構を介した接続状態を解除するだけで、第一駆動部203を本体ベース部201から取り外すことができる。つまり、本体ベース部201の上方側の空間を利用しつつ第一駆動部213に対するメンテナンスを行うことができるので、メンテナンス作業の容易化を実現することが可能となる。
【0069】
(c)本実施形態において、ポッド搬送装置20における第一駆動部203と第二駆動部205とは、それぞれが別個の駆動源として構成されているとともに、それぞれが独立して制御されるように構成されている。したがって、ポッド搬送装置20では、第一テーブル部202と第二テーブル部204との役割分担が可能となり、細かな位置調整を容易に実現できるようになる。しかも、第一テーブル部202と第二テーブル部204との役割分担を通じて、省電力化、搬送効率化、パーティクル低減等についても実現可能となる。
【0070】
(d)本実施形態において、第二駆動部205は、第一テーブル部202の上方側位置に配置された構成であってもよいし、または第一テーブル部202の下方側位置に配置された構成であってもよい。第一テーブル部202が本体ベース部201に対して昇降可能に構成されていることから、第二駆動部205については、例えば第一テーブル部202の下方側位置に配置されている場合であっても、上下動可能な最下位置を低く設定することができ、またメンテナンスのための空間を十分に確保し得るからである。つまり、第二駆動部205については、配置の自由度を十分に確保することができる。
【0071】
(e)本実施形態において、第一駆動部203と第二駆動部205とは、第一駆動部203の駆動トルクが第二駆動部205の駆動トルクよりも大きくなるように構成されている。したがって、例えば、第一テーブル部202については強度を持たせつつストロークを長くする一方で、第二テーブル部204については軽量化しつつストロークが短くなるように、ポッド搬送装置20が構成されている場合に、このような構成のポッド搬送装置20に好適に対応することができる。
【0072】
(f)本実施形態において、ポッド搬送装置20が配置された筐体12内の領域には、上方側から底面側に向けてクリーンエアの流れによるダウンフローが生じるように構成されている。したがって、第一テーブル部202または第二テーブル部204の移動によりポッド搬送装置20からパーティクルが発生し得る場合であっても、ダウンフローによってパーティクルを筐体12外に排出して、そのパーティクルの影響がポッド16等に及んでしまうのを抑制することができる。
【0073】
<他の実施形態>
以上に、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本開示が上述の実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0074】
上述した実施形態では、基板処理工程として、主に、ウエハ表面への薄膜形成を行う場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはない。すなわち、本発明は、上述した実施形態で例に挙げた薄膜形成の他に、上述した実施形態で例示した薄膜以外の成膜処理にも適用できる。また、基板処理の具体的内容は不問であり、成膜処理だけでなく、熱処理(アニール処理)、プラズマ処理、拡散処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を行う場合にも適用できる。
【0075】
また、上述した実施形態では、半導体デバイス製造の一工程として、ウエハに対する処理を行う場合を例に挙げたが、本発明がこれに限定されることはない。すなわち、処理対象となる基板は、本発明は、ウエハに限らず、ホトマスク、プリント配線基板、液晶パネル、磁気ディスク、光ディスク等であってもよい。
【0076】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0077】
[付記1]
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理室と連通可能に構成された搬送領域と、
前記搬送領域の上方に設けられ、前記基板を収容する搬送容器を複数格納可能な第一棚を有する第一の棚領域と、
外部装置との間で授受する前記搬送容器が載置されるステージ部の下方に設けられ、前記搬送容器を多段で格納可能な第二棚を有する第二の棚領域と、
前記搬送領域、前記第一の棚領域および前記第二の棚領域を収容する筐体内に設けられ、前記ステージ部、前記第一棚、前記第二棚および前記搬送領域の間で前記搬送容器を搬送する搬送容器移載ロボットと、を備え、
前記搬送容器移載ロボットは、
前記筐体の底面上に設置された本体ベース部と、
前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、
前記本体ベース部の上方側位置に配され、前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、
前記第一テーブル部に装着され、前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、
前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、
前記第二テーブル部に装着され、搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、
を有する基板処理装置が提供される。
【0078】
[付記2]
好ましくは、
前記第一駆動部は、前記本体ベース部の上方側にて、接続機構を介して前記第一テーブル部を昇降させる駆動伝達機構に接続される
付記1に記載の基板処理装置が提供される。
【0079】
[付記3]
好ましくは、
前記第一駆動部と前記第二駆動部とは、それぞれが別個の駆動源として構成されているとともに、それぞれが独立して制御されるように構成されている
付記1または2に記載の基板処理装置が提供される。
【0080】
[付記4]
好ましくは、
前記第二駆動部は、前記第一テーブル部の上方側位置または下方側位置のいずれかに配されている
付記1から3のいずれか1態様に記載の基板処理装置が提供される。
【0081】
[付記5]
好ましくは、
前記第一駆動部の駆動トルクが前記第二駆動部の駆動トルクよりも大きくなるように構成されている
付記1から4のいずれか1態様に記載の基板処理装置が提供される。
【0082】
[付記6]
好ましくは、
前記搬送容器移載ロボットが配置された前記筐体内の領域に、上方側から底面側に向けたダウンフローを生じさせる気流発生部
を備える付記1から5のいずれか1態様に記載の基板処理装置が提供される。
【0083】
[付記7]
本発明の他の一態様によれば、
基板を収容する搬送容器を、外部装置との間で授受するために前記搬送容器が載置されるステージ部から、搬送領域の上方に設けられた第一の棚領域で前記搬送容器を複数格納可能な第一棚または前記ステージ部の下方に設けられた第二の棚領域で前記搬送容器を多段で格納可能な第二棚の少なくとも一方に搬送して格納させるとともに、その搬送を、装置筐体の底面上に設置された本体ベース部と、前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、前記本体ベース部の上方側位置に配され前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、前記第一テーブル部に装着され前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、前記第二テーブル部に装着され搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、を有して構成された搬送容器移載ロボットを用いて行う工程と、
前記第一棚または前記第二棚に格納された前記搬送容器を、前記第一棚または前記第二棚から、基板を処理する処理室と連通可能に構成された前記搬送領域へ、前記搬送容器移載ロボットを用いて搬送する工程と、
前記搬送領域に搬送された前記搬送容器から前記基板を取り出して前記処理室に受け渡す工程と、
前記処理室にて前記基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0084】
[付記8]
本発明のさらに他の一態様によれば、
基板を収容する搬送容器を、外部装置との間で授受するために前記搬送容器が載置されるステージ部から、搬送領域の上方に設けられた第一の棚領域で前記搬送容器を複数格納可能な第一棚または前記ステージ部の下方に設けられた第二の棚領域で前記搬送容器を多段で格納可能な第二棚の少なくとも一方に搬送して格納させるとともに、その搬送を、装置筐体の底面上に設置された本体ベース部と、前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、前記本体ベース部の上方側位置に配され前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、前記第一テーブル部に装着され前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、前記第二テーブル部に装着され搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、を有して構成された搬送容器移載ロボットを用いて行う手順と、
前記第一棚または前記第二棚に格納された前記搬送容器を、前記第一棚または前記第二棚から、基板を処理する処理室と連通可能に構成された前記搬送領域へ、前記搬送容器移載ロボットを用いて搬送する手順と、
前記搬送領域に搬送された前記搬送容器から前記基板を取り出して前記処理室に受け渡す手順と、
前記処理室にて前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラムが提供される。
【0085】
[付記9]
本発明のさらに他の一態様によれば、
基板を収容する搬送容器を、外部装置との間で授受するために前記搬送容器が載置されるステージ部から、搬送領域の上方に設けられた第一の棚領域で前記搬送容器を複数格納可能な第一棚または前記ステージ部の下方に設けられた第二の棚領域で前記搬送容器を多段で格納可能な第二棚の少なくとも一方に搬送して格納させるとともに、その搬送を、装置筐体の底面上に設置された本体ベース部と、前記本体ベース部に対して昇降可能に構成された第一テーブル部と、前記本体ベース部の上方側位置に配され前記第一テーブル部を昇降させる駆動源となる第一駆動部と、前記第一テーブル部に装着され前記第一テーブル部に対して昇降可能に構成された第二テーブル部と、前記第二テーブル部を昇降させる駆動源となる第二駆動部と、前記第二テーブル部に装着され搬送対象となる前記搬送容器を支持する容器支持部と、を有して構成された搬送容器移載ロボットを用いて行う手順と、
前記第一棚または前記第二棚に格納された前記搬送容器を、前記第一棚または前記第二棚から、基板を処理する処理室と連通可能に構成された前記搬送領域へ、前記搬送容器移載ロボットを用いて搬送する手順と、
前記搬送領域に搬送された前記搬送容器から前記基板を取り出して前記処理室に受け渡す手順と、
前記処理室にて前記基板を処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラムが格納されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【符号の説明】
【0086】
10…基板処理装置、12…筐体、14…ウエハ(基板)、16…ポッド(搬送容器)、18…ポッドステージ(ステージ部)、20…ポッド搬送装置(搬送容器移載ロボット)、22a…回転ポッド棚(第一棚)、22b…積層ポッド棚(第二棚)、24…ポッドオープナ、28…基板移載機、30…ボート、40…処理炉、42…処理室、50…移載室、61…クリーンエアユニット、62…エアフロー排気口、63…、201…本体ベース部、202…第一テーブル部、203…第一駆動部、204…第二テーブル部、205…第二駆動部、206…容器支持部、260…コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7