(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705191
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】アミノ化石油樹脂及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 8/32 20060101AFI20200525BHJP
C08F 8/34 20060101ALI20200525BHJP
C08F 240/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
C08F8/32
C08F8/34
C08F240/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-19110(P2016-19110)
(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-137412(P2017-137412A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2019年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】服部 晃幸
【審査官】
藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭49−001246(JP,B1)
【文献】
特開2015−196767(JP,A)
【文献】
特開2005−220224(JP,A)
【文献】
特開平05−009354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F8/00−8/50
C08F240/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるアミノ基及び/又はその塩を含む置換基を有する石油樹脂であり、下記一般式(1)で表されるアミノ基及び/又はその塩を含む置換基が、下記一般式(2)で表されるアミノ基含有メルカプト基及び/又はその塩であることを特徴とするアミノ化石油樹脂。
(R1)2N−R2− (1)
(ここで、R1はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R2は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
(R3)2N−R4−S− (2)
(ここで、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R4は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
【請求項2】
石油樹脂が、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂及びジシクロペンタジエン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の石油樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のアミノ化石油樹脂。
【請求項3】
下記一般式(3)で表されるメルカプタン及び/又はその塩により石油樹脂を変性することを特徴とするアミノ化石油樹脂の製造方法。
(R5)2N−R6−S−H (3)
(ここで、R5はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R6は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
【請求項4】
石油樹脂100重量部に対して、上記一般式(3)で表されるメルカプタン及び/又はその塩0.1〜25重量重量部をラジカル開始剤の存在下、反応温度20〜250℃、反応時間0.1〜50時間で反応することを特徴とする請求項3に記載のアミノ化石油樹脂の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なアミノ化石油樹脂及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくはタイヤ、印刷インキ、塗料、接着剤向け原料として好適な新規なアミノ化石油樹脂及びその製造方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
親油性の石油樹脂とシリカなどの無機フィラーとの複合化は、無機フィラーが親水性であるため無機フィラーの凝集が起こり一般的に難しい。そこで石油樹脂に対して極性のある官能基による変性を行い親水性を高めることにより無機フィラーとの親和性を改良することが行われる。石油樹脂の変性としては一般的にフェノール変性石油樹脂とマレイン酸変性石油樹脂が知られている。フェノール変性石油樹脂はC9留分とフェノール類をフリーデルクラフツ触媒の存在下で共重合して製造され、エポキシ樹脂とタルク、チタン白などの無機フィラーとをブレンドして船舶の防食塗料として使用されている(例えば特許文献1,2参照。)。一方、マレイン酸変性石油樹脂は石油樹脂と無水マレイン酸とを200℃前後で反応させる方法で製造され、流動性の向上効果により酸化チタンやガラズビーズなどの無機物フィラーを配合してトラフィックペイント用途などで用いられている(例えば特許文献3参照。)。
【0003】
近年、タイヤに対する要求性能として、低燃費性能が挙げられ、燃費性能を向上するためにタイヤを構成するゴム組成物の発熱の抑制により、タイヤにした時の転がり抵抗を小さくすることが行われている。ゴム組成物の発熱を抑制する方法として、シリカを配合することが広く知られている(例えば非特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭59−52656号公報
【特許文献2】特開平9−263713号公報
【特許文献3】特許第2912408号
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】竹中克彦,高分子,64巻,511頁(2015年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
シリカ配合タイヤでは、シリカの凝集を抑えて高分散させることが転がり抵抗、耐摩耗性及び加工性の改善に繋がる。シリカ表面のシラノール基は弱酸性を示し、石油樹脂に塩基性が付与できればシラノール基と分子レベルで反応してシリカ表面が親油性になり、ゴムとブレンドした際にシリカの分散性が向上すると考えた。しかし、従来の変性石油樹脂はカルボン酸基やフェノール性水酸基といった酸性の官能基による変性に限られ、塩基性の官能基による変性は全く知られていない。
【0007】
そこで、本発明は、一般的な石油樹脂に対して、アミノ基を含有した置換基を付与した新規なアミノ化石油樹脂及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、前記課題を解決しうる可能性のあるものとしてアミノ基を含有する新規なアミノ化石油樹脂、その製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表されるアミノ基及び/又はその塩を含む置換基を有する石油樹脂であることを特徴とするアミノ化石油樹脂及びその製造方法に関するものである。
(R1)
2N−R2− (1)
(ここで、R1はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R2は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明のアミノ化石油樹脂は、上記一般式(1)で表されるアミノ基及び/又はその塩を含む置換基により変性された石油樹脂であり、上記一般式(1)で表されるアミノ基及び/又はその塩を含む置換基を有することにより、例えばシリカと配合した際には、シリカ表面の弱塩基性のシラノール基との反応性を示すことが可能となるものである。そして、本発明でいうアミノ化、アミノ基とは、アミノと称されるものは無論のこと、アミノに類すると認知されているアミン塩、アンモニウム塩等のアミノ基より誘導される置換基をも含むものである。
【0011】
ここで、上記一般式(1)で表されるアミノ基のR1は、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R2は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。一般式(1)で表されるアミノ基としては、例えば2−アミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−ジイソプロピルアミノエチル基、及びそれらの塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などが挙げられ、中でも2−アミノエチル基、2−ジエチルアミノエチル基、2−ジメチルアミノエチル基、2−アミノエチル基の塩酸塩、2−ジエチルアミノエチル基の塩酸塩、2−ジメチルアミノエチル基の塩酸塩であることが好ましい。
【0012】
さらに、該アミノ基を含む置換基としては、その置換基の一部に該アミノ基を有するものであってもよく、例えば、下記一般式(2)で表されるアミノ基を有するメルカプト基を挙げることができる。
(R3)
2N−R4−S− (2)
(ここで、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R4は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
そして、R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R4は炭素数1〜5の炭化水素基を示すものであり、上記一般式(2)で表されるアミノ基を有するメルカプト基としては、例えば2−アミノエチルメルカプト基、2−ジエチルアミノエチルメルカプト基、2−ジメチルアミノエチルメルカプト基、2−ジイソプロピルアミノエチルメルカプト基及びそれらの塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などが挙げられ、中でも2−アミノエチルメルカプト基、2−ジエチルアミノエチルメルカプト基、2−ジメチルアミノエチルメルカプト基、2−アミノエチルメルカプト基の塩酸塩、2−ジエチルアミノエチルメルカプト基の塩酸塩、2−ジメチルアミノエチルメルカプト基の塩酸塩であることが好ましい。
【0013】
本発明のアミノ化石油樹脂を構成する石油樹脂としては、一般的に石油樹脂として知られている範疇に属するものであれば特に限定はなく、例えば脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂、DCPD樹脂を挙げることができる。
【0014】
脂肪族共重合系石油樹脂とは、その原料として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が15〜70℃の範囲にあるC5留分、例えばメチルブテン、ペンテン、イソプレン、ピペリレン、シクロペンテン、シクロペンタジエンなどを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
【0015】
芳香族系石油樹脂とは、その原料油として石油類の熱分解により得られる分解油のうち沸点範囲が140〜280℃の範囲にあるC9留分、例えばスチレン、そのアルキル誘導体であるα−メチルスチレンやβ−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン及びそのアルキル誘導体、ジシクロペンタジエン及びその誘導体などを、単独重合又は共重合して得られた樹脂である。
【0016】
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂とは、その原料として前述のC5留分とC9留分とを共重合して得られた樹脂である。
【0017】
また、DCPD樹脂とは、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、これらの2〜5量体などを、単独重合、共重合して得られた樹脂である。
【0018】
本発明のアミノ化石油樹脂を構成する石油樹脂の軟化点、分子量は特に制限はなく、液状又は固体状であってもよく、その際にアミノ化石油樹脂を構成する石油樹脂は液状又は固体状であってもよい。
【0019】
本発明のアミノ化石油樹脂の製造方法としては、該アミノ化石油樹脂を製造することが可能である限りにおいて如何なる方法を用いてもよく、その中でも特に効率よく本発明のアミノ化石油樹脂を製造することが可能となることから、例えば下記一般式(3)で表されるメルカプタンにより石油樹脂を変性する方法により製造することができる。
(R5)
2N−R6−S−H (3)
(ここで、R5はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜5の炭化水素基、R6は炭素数1〜5の炭化水素基を示す。)
その際のメルカプタンの具体的例示としては、2−アミノエタンチオール、2−ジエチルアミノエタンチオール、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−ジイソプロピルアミノエタンチオール、及びそれらの塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩などが挙げられ、特に2−アミノエタンチオール、2−ジエチルアミノエタンチオール、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−アミノエタンチオール塩酸塩、2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩、2−ジメチルアミノエタンチオール塩酸塩が好ましい。また、これらは単独または混合して使用することもできる。
【0020】
本発明のアミノ化石油樹脂を製造する際には、効率よく製造することが可能となることから石油樹脂100重量部に対して、メルカプタン0.1〜25重量部の割合で用いることが好ましく、特に0.1〜20重量部であることが好ましい。その際の反応は特に制限はなく、中でもラジカル開始剤の存在下、反応温度20〜250℃で反応時間0.1〜50時間の範囲で行うことが好ましい。また、THF、クロロホルム、トルエン、キシレンなどの石油樹脂とメルカプタンを溶解する不活性な溶剤の存在下で実施しても構わない。そして、未反応物として残存するメルカプタンは、加熱下で不活性ガスを吹き込み除去することが出来る。また、アミン変性後にテトラヒドロフランなどに溶解させた後、アルコールに滴下して再沈精製することで未反応のメルカプタンをアルコールに溶解除去することもできる。さらに、溶媒を用いる場合は反応後に溶媒を除去するための蒸留設備を設置していてもよい。
【0021】
本反応で用いられるラジカル開始剤は公知のラジカル開始剤を用いてもよく、例えば、過酸化物系(パーオキサイド)開始剤、アゾ系開始剤等を選択することができる。ラジカル開始剤の使用量に特に制限はなく、一般的には石油樹脂100重量部に対して0.1〜3重量部の範囲で用いられる。
【0022】
さらに、本発明のアミノ化石油樹脂は、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、通常樹脂組成物に配合される添加剤として、例えばフェノール系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、硫黄系抗酸化剤、ラクトン系抗酸化剤、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、紫外線吸収剤、顔料などを配合しても良い。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、新規なアミノ化石油樹脂を提供することが出来る。本アミノ化石油樹脂は、タイヤ、接着剤や印刷インキ、塗料などの用途で幅広く用いることができる。アミノ化石油樹脂を用いてシリカ配合タイヤを製造にした場合、転がり抵抗性、耐摩耗性、加工性の改良が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】;石油樹脂A及び実施例1で得られたアミノ化石油樹脂の1H NMRチャートである。
【実施例】
【0025】
以下に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例において用いた原料、分析、試験法は下記の通りである。
【0026】
1.原料
(1)石油樹脂
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A(東ソー株式会社製、(商品名)ペトロタック70)。
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂B(東ソー株式会社製、(商品名)ペトロタック90)。
芳香族系石油樹脂C(東ソー株式会社製、(商品名)ペトコールLX)。
【0027】
(2)メルカプタン
メルカプタンa:2−アミノエタンチオール(東京化成工業株式会社製)。
メルカプタンb:2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩(東京化成工業株式会社製)。
【0028】
(3)ラジカル開始剤
ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド((商品名)パーロイル355、日油株式会社製)。
【0029】
2.分析方法
(1)軟化点
JIS K−2207に従って測定。
【0030】
(2)硫黄含有量
酸素フラスコ燃焼−イオンクロマトグラフィーにより測定。
【0031】
(3)重量平均分子量
ポリスチレンを標準物質としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定した。
【0032】
3.タイヤ性能評価
(1)評価サンプル調整
バンバリーミキサー(容量1.7リットル)にて、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(S−SBR)((株)JSR製、(商品名)SL552)80重量部とポリイソプレンゴム(IR)((株)JSR製、(商品名)IR2200)20重量部(合計ジエン系ゴム成分100重量部)を30秒間素練り後、ステアリン酸(新日本理化製)を2重量部、シリカ(東ソー・シリカ製、(商品名)Nipsil AQ)を45重量部、シランカップリング剤(信越シリコーン製、(商品名)KBE46)を3.6重量部、及び実施例1〜3で得られたアミノ化石油樹脂、比較例1〜3の未変性石油樹脂を投入し、全練り時間5分後取り出した。取り出し時のコンパウンド温度を140〜150℃となるようにラム圧や回転数で調整した。得られたコンパウンドを室温にて冷却した後、更に老化防止剤(大内新興製、(商品名)810NA)を1重量部、亜鉛華(井上石灰工業製)を3重量部、加硫促進剤1(大内新興製、(商品名)ノクセラーCZ)を1.2重量部、加硫促進剤2(大内新興製、(商品名)ノクセラーD)を1.5重量部、加硫剤として硫黄(鶴見化学工業製)1.5重量部を添加して約1分間混練り(取り出し時の温度を110℃以下とする)後、8インチロールを用いてシーティングして未加硫物の物性(ムーニー粘度)を測定した。更に蒸気加熱プレスを用い、加硫温度150℃、加硫時間30分で加硫し加硫物特性(耐摩耗性、転がり抵抗性)を測定した。
【0033】
(2)物性評価方法
(a)ムーニー粘度
ムーニー粘度計(島津製作所製 (商品名)SMV−200型)を用い125℃、L型ロータにて測定した。石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。
【0034】
(b)耐摩耗性
JIS K−6301の試験法に準じて測定した。摩耗試験はアルロン型摩耗試験機で測定した。傾角15°、分銅6ポンド、試験回数1000rpmでの摩耗減容を測定した。石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。この値が小さい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
【0035】
(c)転がり抵抗性
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度50℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定し、60℃の値を転がり抵抗性とし、石油樹脂が無添加の値を100として指数表示した。この値が小さい程、低発熱性が良好であることを示す。
【0036】
実施例1
脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A(軟化点68℃、重量平均分子量(Mw)1460)500gとクロロホルム500gを攪拌機の付いたガラス製フラスコに入れて、60℃で加熱溶融させた。そこにメルカプタンb:2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩(東京化成工業株式会社製)を67.9g加えた後、開始剤(商品名)パ−ロイル355(日油株式会社製)5gを滴下し、63℃、8時間反応させた。その後、窒素気流化220℃、15分で溶媒、未反応メルカプタンbを除去し、アミノ化石油樹脂を得た。
【0037】
このアミノ化石油樹脂の軟化点、硫黄含有量及び分子量を表1に示す。一方、アミノ化石油樹脂のプロトンNMRのチャートは
図1の通りで、それぞれのピークの帰属から2−ジエチルアミノエタンチオール塩酸塩で変性されたアミノ化石油樹脂であることが確認できた。
【0038】
また、表1にアミノ化石油樹脂のタイヤ性能評価の結果を示す。
【0039】
実施例2,3
石油樹脂の種類、メルカプタンの使用量、種類を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてアミノ化石油樹脂を調製した。
【0040】
それぞれのアミノ化石油樹脂の軟化点、硫黄含有量、分子量を表1に示す。
【0041】
また、表1に各種アミノ化石油樹脂のタイヤ性能評価の結果を示す。
【0042】
【表1】
比較例1〜3
アミノ化石油樹脂1の代わりに、それぞれ脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂A、脂肪族/芳香族共重合系石油樹脂B、芳香族系石油樹脂Cを用いた以外は、実施例1と同様の方法により評価した結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は新規なアミノ化石油樹脂およびその製造方法を提供するものであり、該アミノ化石油樹脂は、タイヤ、接着剤や印刷インキ、塗料などの用途で幅広く用いることが期待できる。