特許第6705202号(P6705202)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6705202
(24)【登録日】2020年5月18日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】酸化物焼結体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/495 20060101AFI20200525BHJP
   C23C 14/34 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C04B35/495
   C23C14/34 A
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-29316(P2016-29316)
(22)【出願日】2016年2月18日
(65)【公開番号】特開2017-145179(P2017-145179A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】原 浩之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 謙一
(72)【発明者】
【氏名】原 慎一
【審査官】 小川 武
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−338354(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/132872(WO,A1)
【文献】 特開2010−248049(JP,A)
【文献】 特開2016−188164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/00−35/84
C23C 14/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結体密度が95%以上であり、焼結体粒径が5.5μm以下であり、X線回折でNbO相に帰属される酸化ニオブ(IV)が存在せず、抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする酸化ニオブ焼結体。
【請求項2】
形状が円筒形であることを特徴とする請求項に記載の酸化ニオブ焼結体。
【請求項3】
形状が平板形であり、ターゲットの面積が1000cm以上であることを特徴とする請求項に記載の酸化ニオブ焼結体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高屈折率膜などの薄膜形成用スパッタリングターゲットに使用される酸化物焼結体、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯型ディスプレイや建材ガラスにおいて屈折率調整用として高屈折率膜が採用されつつある。高屈折率膜の作製には一般的にスパッタリング法が使用されているが、高屈折率材料に用いられる酸化ニオブや酸化チタンは成膜速度が極めて遅く、生産性の観点から高出力下での成膜が望まれている。しかし、代表的な高屈折率材料である酸化ニオブは常圧焼結法を用いると強度が低く、高出力下で成膜をするとスパッタリングターゲットが割れるという課題がある。酸化ニオブの強度が低い原因は次に示す2点の理由からである。1点目は、熱膨張率が結晶方位のa軸、b軸、c軸方向で異なる点である。この熱膨張率の異方性により焼結体作製時時(降温工程)に応力が加わり、焼結体の粒径が大きいとマイクロクラックが生じるため、強度が低下する。
【0003】
そこで特許文献1、2ではホットプレス(HP)法で製造しているが、HP法を用いた場合、大型のターゲットの製造においては巨大なプレス機構が必要となり、現実的なプロセスではなく、ターゲットは小型で平板型などの単純形状に限定され、大面積や円筒型などの複雑形状を得ることができなかった。
【0004】
酸化ニオブが低強度になる理由の2点目は酸化ニオブNb相(密度4.542g/cm)は還元されやすく、還元雰囲気焼成でNbO相(密度5.916g/cm)などの異なる結晶相を形成するという点である。異なる結晶相を形成すると密度差により焼結体中に内部応力やマイクロクラックが内在し、焼結体の強度が低下し、場合によってはクラックが生じる。
【0005】
そのため、特許文献3、4に記載されている熱間静水圧プレス(HIP法)では別の結晶相が形成することから焼結体の強度が低下し、特に大型の焼結体でクラックが生じやすいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−256175号公報
【特許文献2】特開2004−059965号公報
【特許文献3】特開2002−338354号公報
【特許文献4】特開2014−194072号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、酸化ニオブからなる高強度な酸化物焼結体を安価に提供することであり、HP法によらず安価な設備で容易に得ることができる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、化学量論組成において酸化ニオブ(V)からなる焼結体の製造プロセスについて鋭意検討を行った結果、常圧焼結法の手法を用いて高強度な焼結体を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は
(1)焼結体密度が95%以上であり、焼結体粒径が5.5μm以下であり、X線回折でNbO相に帰属される酸化ニオブ(IV)が存在しないことを特徴とする酸化ニオブ焼結体。
(2)抗折強度が100MPa以上であることを特徴とする(1)に記載の酸化ニオブ焼結体。
(3)形状が円筒形であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の酸化ニオブ焼結体。
(4)形状が平板形であり、ターゲット間の面積が1000cm以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の酸化ニオブ焼結体。
に関するものである。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明は、酸化ニオブからなる焼結体であって、焼結体密度が95%以上であり、焼結体粒径が5.5μm以下であり、X線回折で酸化ニオブ(IV)が存在しないことを特徴とする酸化物焼結体である。
【0012】
本発明の焼結体密度は、相対密度で95%以上であることを特徴とする。焼結体密度が95%より低いと、強度が減少する。さらに、スパッタリングターゲットとして用いた場合にアーキング発生の頻度が高くなるため、好ましくは97%以上、より好ましくは98%以上である。
【0013】
また、本発明の焼結体粒径は、5.5μm以下であることを特徴とする。5.5μmより大きくなると、結晶方位の熱膨張率の異方性から粒界に応力が加わりマイクロクラックが入るため、強度が急激に減少する。安定的に高い強度を得るためには、焼結体粒径は5μm以下が好ましく、4.5μm以下がより好ましい。
【0014】
さらに、本発明の結晶相は、XRDで酸化ニオブ(IV)相が存在しないことを特徴とする。酸化ニオブ(V)(密度4.542g/cm)と酸化ニオブ(IV)(密度5.916g/cm)は密度差が大きく、酸化ニオブ(IV)が生成されると体積変化で焼結体中に内部応力やマイクロクラックが内在し、特に大型の焼結体では割れ易く、歩留りよく焼結体を製造することができない。また、このような焼結体を用いて、スパッタリングで高パワーを投入した場合、放電中に割れが発生し易く、成膜工程の生産性を低下させる原因となるため、好ましくない。
【0015】
本発明の抗折強度は100MPa以上であることが好ましい。焼結体の強度が高ければ研削加工、ボンディング工程においても割れが発生しにくく、歩留りが高いために生産性が良い。特に形状が円筒形の場合、バッキングチューブの材質やハンダの厚みにもよるが、ボンディング工程で50〜80MPaの応力が加わるため、抗折強度が100MPa未満であると焼結体にクラックが入る可能性が高い。更に、スパッタリング中に高いパワーが投入した場合においても、割れの問題が発生しにくい。
【0016】
また、本発明の酸化物焼結体は、HP法を使用しないために、そのターゲット面の面積が500cm以上とすることが可能である。ここで言うターゲット面の面積とは、スパッタリングされる側の焼結体表面の面積を言う。なお、複数の焼結体から構成される多分割ターゲットの場合、それぞれの焼結体の中でスパッタリングされる側の焼結体表面の面積が最大のものを多分割ターゲットにおけるターゲット面の面積とする。焼結体の形状は特に制限はなく、平板形状、円筒形状のいずれであっても問題ない。平板形状の焼結体であれば、ターゲット面の面積が1000cm以上のものも製造可能であり、2000cm以上のものも製造可能である。
【0017】
本発明の酸化ニオブ焼結体は、電磁波加熱を用いて焼成することが可能である。
【0018】
電気炉のような外部加熱の場合、焼結体の外表面から焼結が進行するために、焼結体の中心部でクローズドポアとなりポアが残り易く、特に酸化ニオブのように単一組成の材料では、結晶粒子同士の焼結が早く粒成長しやすいため、高密度で微細な組織を持つ焼結体が得られ難い。
【0019】
一方、電磁波加熱による自己発熱の場合、焼結体自身が内部から加熱され、オープンポアの状態で焼結体の中心部から均一に焼結が進行し、ポアが焼結体の外に吐き出される理想的な焼結が可能である。また、電磁波加熱は、急速に加熱しても焼結体自身の内部から自己発熱により加熱されるため、大型品でも温度分布が少なく、焼成において割れ難く、さらに、自己発熱により均一に加熱されるために、焼結体中の熱拡散を考慮する必要がなく、焼成時間を短くすることができ、結晶粒子の粒成長を抑制することが可能である。
【0020】
しかし、電磁波加熱は、どのような材料にも適用できるものではなく、被加熱材料の電磁波吸収特性に依存する。電磁波吸収特性は、誘電損失が大きい物質ほど良く、誘電損失の小さい物質では電磁波を吸収せず、電磁波加熱ができない。誘電損失は個々の物質により決まるが、誘電損失には温度依存性があり、物質によっては温度により電磁波吸収特性が大きく異なり、酸化ニオブもその1つである。酸化ニオブは高温域では酸素欠損型構造が安定相となり、酸素欠損により物質内部の双極子が振動・回転・衝突・摩擦を引き起こしやすくなり、自己発熱によって加熱される。また、酸化ニオブは室温から600℃までは焼結が起きないため、上述したクローズドポアの生成は起きない。
【0021】
すなわち、室温から低温の範囲ではSiCなどの電磁波吸収がよく自己発熱し易い物質で外部加熱により焼成を行い、高温では酸化ニオブの自己発熱により加熱する方法を用いて焼成することが可能となる。高密度化に必要な十分な焼成温度であるにも関わらず、急速加熱と短い保持時間で、結晶粒子の成長を抑制し、高密度・高強度な焼結体を得ることができる。
【0022】
本発明で用いる電磁波としてはマグネトロンまたはジャイロトロン等から発生する連続またはパルス状の2.45GHz等のマイクロ波、28GHz等のミリ波、またはサブミリ波が利用できる。電磁波の周波数の選択は、被焼成物の電磁波吸収特性から適切なものを選択することができるが、発振器のコスト等の経済性を考慮すると2.45GHzのマイクロ波が好ましい。
【0023】
以下、本発明の酸化ニオブ焼結体の製造方法について、工程毎に説明する。
【0024】
(1)原料調整工程
原料粉末は酸化ニオブ(V)粉末を用いる。原料粉末の純度は99.9%以上が好ましく、より好ましくは99.99%以上である。不純物が含まれると、焼成工程における異常粒成長の原因となる。
【0025】
原料粉末は成形性の改善のため、圧密、粉砕や造粒処理することが好ましい。圧密、粉砕処理としては特に限定されるものではないが、ジルコニア、アルミナ、ナイロン樹脂等のボールやビーズを用いた乾式、湿式のメディア撹拌型ミルや機械撹拌式ミル等の方法が例示される。具体的には、ボールミル、ビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル、二軸遊星撹拌式混合機等が挙げられる。湿式法のボールミルやビーズミル、アトライタ、振動ミル、遊星ミル、ジェットミル等を用いる場合には、粉砕後のスラリーを乾燥する必要がある。この乾燥方法は特に限定されるものではないが、例えば、濾過乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等が例示でき、乾燥と同時に造粒することもできる。
【0026】
最終的に得られる酸化ニオブ(V)粉末としては、BET比表面積が4〜15m/gのものを使用することが好ましい。BET比表面積が4m/g未満であると焼結体密度が上がり難く、15m/gを超えると成形性が悪化し、凝集等により粉末の取り扱いも困難になる。なお、成形性を考慮して、ポリビニルアルコール、アクリル系ポリマー、メチルセルロース、ワックス類、オレイン酸等の成形助剤を原料粉末に添加しても良い。
【0027】
(2)成形工程
成形方法は、原料粉末を目的とした形状に成形できる成形方法を適宜選択することが可能であり、特に限定されるものではない。プレス成形法、鋳込み成形法、射出成形法等が例示できる。
【0028】
成形圧力は成形体にクラック等の発生がなく、取り扱いが可能な強度を有する成形体であれば特に限定されるものではないが、成形密度は可能な限り高めた方が好ましい。そのために冷間静水圧プレス(CIP)成形等の方法を用いることも可能である。CIP圧力は充分な圧密効果を得るため1ton/cm以上が好ましく、さらに好ましくは2ton/cm以上、とりわけ好ましくは2〜3ton/cmである。
【0029】
(3)焼成工程
次に得られた成形体を電磁波焼成炉内に投入して焼成を行う。使用される焼成炉としては、バッチ式、連続式、外部加熱式とのハイブリット式等の種々の焼成炉を使用することができる。
【0030】
電磁波による焼成の場合、成形体はセッターの上に置かれ、断熱材で囲まれる。この際、断熱材の内側に等温熱障壁を設置することも可能である。セッターや等温熱障壁の材質は焼成温度にて耐熱性や各材質の電磁波吸収特性を考慮して適宜選択すればよく、アルミナ、ムライト、ジルコニア、SiC等が挙げられる。セッターとしては特に低温で電磁波吸収がよいSiCが好ましい。
【0031】
被焼成物の昇温速度については特に限定されないが、高強度の焼結体を得るために、400〜800℃/時間、好ましくは500〜800℃/時間、より好ましくは600〜800℃/時間とする。電磁波による焼成は自己発熱による加熱であるため、被焼成物内の温度分布が小さく、特に大型焼成物を速い昇温速度で加熱しても割れの発生が非常に少ない。なお水分やバインダーを含む成形体の場合、特に大型の成形体では水分やバインダー成分が揮発する際に、急激な体積膨張を伴うと成形体が割れることがある。このため、水分やバインダー成分が揮発している温度領域、例えば100〜400℃の温度域においては昇温速度を20〜100℃/時間とすることが好ましい。
【0032】
焼成温度は、1320℃〜1400℃とする。焼成温度での保持時間は1時間以内で十分であるが、焼成温度を1370〜1400℃で行う場合は、保持時間は10〜30分程度とすることが好ましい。また、降温速度は特に限定されず、焼結炉の容量、焼結体のサイズ及び形状、割れ易さなどを考慮して適宜決定することができる。
【0033】
焼成時の雰囲気としては特に制限されないが、大気または酸素雰囲気とすることが好ましい。また、焼結体表面の色むらの抑制や焼結体の比抵抗を下げる目的で、焼成温度からの降温時に、窒素等の非酸化性雰囲気とすることも可能である。
【0034】
(4)ターゲット化工程
得られた焼結体は、平面研削盤、円筒研削盤、旋盤、切断機、マシニングセンター等の機械加工機を用いて、板状、円状、円筒状等の所望の形状に研削加工する。さらに、必要に応じて無酸素銅やチタン等からなるバッキングプレート、バッキングチューブにインジウム半田等を用いて接合(ボンディング)することにより、本発明の焼結体をターゲット材としたスパッタリングターゲットを得ることができる。
【0035】
本発明によれば従来から知られた常圧焼結法を利用して焼結体を製造できるため、大型のターゲットを製造することが可能となる。平板型スパッタリングターゲットの場合、ターゲット面の面積1000cm以上の大型の焼結体を作製することができ、さらに複雑な形状である円筒型スパッタリングターゲットも作製することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の酸化ニオブ焼結体は高強度を有し、スパッタリングターゲットとして用いた場合、高出力下においても割れが無く、高い生産性を得ることが可能で、さらに大型や円筒形スパッタリングターゲットに利用することが可能である。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本実施例における各測定は以下のように行った。
(1)焼結体の密度
焼結体の相対密度は、JIS R 1634に準拠して、アルキメデス法によりかさ密度を測定し、真密度で割って相対密度を求めた。焼結体の真密度は、4.542(g/cm)を用いた。
(2)X線回折試験
鏡面研磨した焼結体試料の2θ=20〜70°の範囲のX線回折パターンを測定した。
走査方法 :ステップスキャン法(FT法)
X線源 :CuKα
パワー :40kV、40mA
ステップ幅:0.01°
(3)焼結体粒径
鏡面研磨し、サーマルエッチング処理した焼結体試料を走査電子顕微鏡で観察し、得られた焼結体組織画像から直径法で焼結体粒径を測定した。少なくとも任意の3点以上を観察し、300個以上の粒子の測定を行った。
(サーマルエッチング条件)
温度 :900℃
時間 :30分
(走査電子顕微鏡の観察条件)
加速電圧 :10kV
(4)抗折強度
JIS R 1601に準拠して測定した。
(抗折強度の測定条件)
試験方法 :3点曲げ試験
支点間距離 :30mm
試料サイズ :3×4×40mm
ヘッド速度 :0.5mm/分。
【0038】
(実施例1)
BET比表面積7.56m/gの酸化ニオブ(V)粉末を3ton/cmの圧力で冷間静水圧プレス(CIP)成形を行い、約390mm×770mm×12mmtの成形体を作製した。
【0039】
次にこの成形体をマイクロ波焼成炉(周波数=2.45GHz)でアルミナ製のセッターの上に設置して、SiC板ではさみ、以下の条件で焼成し、焼結体を得た。
(焼成条件)
焼成炉 :マイクロ波炉
昇温速度 :600℃/時間
昇温雰囲気:大気雰囲気
焼成温度 :1350℃
焼成時間 :30分
焼結体サイズ323mm×637mm×10mmt(2057cm)のマイクロクラックのない焼結体が得られた。焼結体特性を表1に示す。
【0040】
(実施例2〜8)
焼成条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0041】
(実施例9)
成形体サイズを外径180mm×内径157mm×長さ300mmの円筒形状に変更した以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0042】
(実施例10)
成形体サイズを約400×1300×12mmtとした以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体サイズ331mm×1076mm×10mmt(3561cm)のマイクロクラックのない焼結体が得られた。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0043】
(実施例11)
成形体サイズを約250×600×12mmtとした以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体サイズ207mm×497mm×10mmt(1029cm)のマイクロクラックのない焼結体が得られた。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0044】
(比較例1)
焼成条件を下記に変更した以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
(焼成条件)
焼成炉 :電気炉
昇温速度 :100℃/時間
昇温雰囲気:大気雰囲気
焼成温度 :1400℃
焼成時間 :180分。
【0045】
(比較例2〜3)
焼成条件を変更した以外は、比較例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0046】
(比較例4〜7)
焼成条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0047】
(比較例8)
比較例1と同様の方法で作製した焼結体をアルミナセッターの上に設置して、熱間静水圧プレス(HIP)装置内に設置し、以下の条件でHIP処理を実施した。
(HIP処理条件)
昇温速度 :100℃/hr
昇温雰囲気:アルゴン雰囲気
圧力 :2000気圧
加熱温度 :1200℃
加熱時間 :3hr
降温速度 :100℃/hr
降温雰囲気:アルゴン雰囲気
X線回折による同定でNbO相が検出された。焼結体特性を表1に示す。
【0048】
(比較例9)
焼成条件を変更した以外は、比較例8と同様の方法で焼結体を作製した。焼結体の焼結体特性を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】