(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)中央部に設けられる円形の吹き出し口と、前記吹き出し口を取り囲むようにして設けられる吸い込み口と、前記吹き出し口と前記吸い込み口との間に設けられ、洗浄対象物を覆う空間と、を有するノズルと、前記吹き出し口に接続される供給配管と、前記吸い込み口に接続される排出配管と、前記供給配管に粉末状のドライアイスを供給する手段と、前記吸い込み口から排出された異物を前記排出配管を介して回収する集塵ユニットと、を有する洗浄装置を備える半導体製造装置にバンプを有するダイを保持するウェハリングを搬入する工程と、
(b)前記ダイを実装する基板を搬入する工程と、
(c)前記ウェハリングから前記ダイをピックアップし上下反転する工程と、
(d)前記(c)工程後、前記洗浄対象物を前記洗浄装置で洗浄する工程と、
(e)前記(c)工程後、前記ダイをピックアップする工程と、
(f)前記(d)工程後、前記ダイを前記基板または既に実装されたダイの上に載置する工程と、
を備え、
前記(d)工程は、
前記洗浄対象物または前記ノズルを移動させて前記ノズルの開口を塞ぎ、
前記手段により前記供給配管を介して前記吹き出し口に粉末状のドライアイスを前記洗浄対象物に噴射し、
前記集塵ユニットにより前記排出配管を介して前記吸い込み口から排出された異物を回収する半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例および変形例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0010】
実施形態に係る半導体製造装置は、ウェハからダイをピックアップした後、基板等のワークまたはダイの上にボンディングする前にダイの表面のみ、裏面のみ、または表面と裏面の両方を洗浄する。ダイの他にコレットや中間ステージを洗浄してもよい。洗浄にはドライアイス(CO
2)を用いるのが好ましい。
【実施例1】
【0011】
図1は実施例1に係るフリップチップボンダの概略上面図である。
図2は、
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
フリップチップボンダ10は、大別して、ダイ供給部1と、ピックアップ部2、ボンディング部4と、搬送部5、洗浄装置6、基板供給部9Kと、基板搬出部9Hと、各部の動作を監視し制御する制御装置7と、を有する。
【0012】
まず、ダイ供給部1は、基板Pに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す突き上げユニット13と、を有する。ダイ供給部1は、図示しない駆動手段によってXY方向に移動し、ピックアップするダイDを突き上げユニット13の位置に移動させる。
【0013】
ピックアップ部2は、ダイ供給部1からダイDを吸着するコレット22と、コレット22を先端に備えダイをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY方向に移動させるY駆動部23を有する。第一ヘッドであるピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転、反転及びX方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0014】
このような構成によって、ピックアップヘッド21は、ダイをピックアップし、ピックアップヘッド21を180度回転させ、ダイDのバンプ面(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをボンディングヘッド41に渡す姿勢にする。
【0015】
ボンディング部4は、反転したダイDをピックアップヘッド21から受けとり、搬送されてきた基板Pのフラックス上のプレースまたは熱圧着でボンディングし、又は既に基板Pの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY方向に移動させるY駆動部43と、基板Pの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。
【0016】
このような構成によって、第二ヘッドであるボンディングヘッド41は、ピックアップヘッド21から反転したダイDを受け取り、アンダビジョンカメラ45の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板PにダイDをボンディングする。
【0017】
洗浄装置6はダイDの裏面を上方から洗浄する第一ノズル61とダイDの表面(バンプがある面)を下方から洗浄する第二ノズル62とを備える。第一ノズル61はウェハ11からダイDをピックアップするピックアップヘッド21のコレット22に保持されるダイDの他にコレット22の洗浄が可能である。第二ノズル62はピックアップヘッド21からダイDをピックアップするボンディングヘッド41のコレット42に保持されるダイDの他にコレット42の洗浄が可能である。
【0018】
搬送部5は、一枚又は複数枚のワーク(
図1では4枚)を載置した基板搬送パレット51と、基板搬送パレット51が移動するパレットレール52とを具備し、並行して設けられた同一構造の第1、第2搬送部とを有する。基板搬送パレット51は、基板搬送パレット51に設けられた図示しないナットをパレットレール52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。
【0019】
このような構成によって、基板搬送パレット51は、基板供給部9Kで基板Pを載置し、パレットレール52に沿って基板PにダイDをボンディングする位置(ボンディングステージBS(第一ボンディングステージBS1、第二ボンディングステージBS2))まで移動し、ボンディング後基板搬出部9Hまで移動して、基板搬出部9Hに基板Pを渡す。第1、第2搬送部は、互いに独立して駆動され、一方の基板搬送パレット51に載置された基板PにダイDをボンディング中に、他方の基板搬送パレット51は、基板Pを搬出し、基板供給部9Kに戻り、新たな基板Pを載置するなどの準備を行なう。
【0020】
制御装置7は、フリップチップボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。例えば、制御装置7は、基板認識カメラ44及びアンダビジョンカメラ45からの画像情報、ボンディングヘッド41の位置などの各種情報を取り込み、ボンディングヘッド41のボンディング動作及び洗浄装置6の洗浄動作など各構成要素の各動作を制御する。
【0021】
図3は
図1のダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。ダイ供給部1は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持されウェハリング14に保持され複数のダイDが粘着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、ダイDを上方に突き上げるための突き上げユニット13とを有する。所定のダイDをピックアップするために、突き上げユニット13は、図示しない駆動機構によって上下方向に移動し、ダイ供給部1は水平方向には移動するようになっている。
【0022】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16は引き伸ばされ、ダイDの間隔は広がる。そのような状態で、突き上げユニット13によりダイ下方よりダイDを突き上げることにより、ダイ供給部1はダイDのピックアップ性を向上させている。
【0023】
次に、実施例1に係るフリップチップボンダの洗浄装置について
図4〜6を用いて説明する。
図4は
図1の洗浄装置のブロック図である。
図5は
図4の第一ノズルの断面図である。
図6は
図4の第二ノズルの断面図である。
【0024】
図4に示すように、洗浄装置6は、第一ノズル61と、第二ノズル62と、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63と、圧縮されたエアー(加圧気体)を供給するエアー供給源64と、液体の二酸化炭素と圧縮エアーとが混合されて生成される粉末状のドライアイスを第一ノズル61および第二ノズル62に供給する供給配管65a〜65dと、を備える。洗浄装置6は、さらに、第一ノズル61および第二ノズル62でダイから除去された異物を搬送する排出配管66a〜66cと、異物を回収する集塵ユニット67と、供給配管間および排出配管間に設けられるバルブ68a〜68fと、イオナイザ69と、を備える。
【0025】
第一ノズル61には供給配管65aと排出配管66aとが接続されている。
図5に示すように、第一ノズル61は中央部に設けられる円形のエアー吹き出し口61aと、この吹き出し口をリング状に取り囲むようにして設けられるエアー吸い込み口61bと、エアー吹き出し口61aとエアー吸込み口61bとの間に設けられ、ダイDを覆う空間61cと、を備える。これにより、エアー吹き出し口61aから吐出したエアーによって吹き飛ばされた異物は
図3の矢印で示すようにエアー吸い込み口61bによってただちに吸引され、最終的には廃棄される。
【0026】
第二ノズル62には供給配管65bと排出配管66bとが接続されている。
図6に示すように、第二ノズル62は、第一ノズル61と同様に、中央部に設けられる円形のエアー吹き出し口62aと、この吹き出し口をリング状に取り囲むようにして設けられるエアー吸い込み口62bと、エアー吹き出し口62aとエアー吸込み口62bとの間に設けられ、ダイDを覆う洗浄空間62cと、を備える。
【0027】
第一ノズル61は、供給配管65a、バルブ68a、供給配管65c、65d、バルブ68c、供給配管65eを介して、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63に接続されている。また、第一ノズル61は、供給配管65a、バルブ68a、供給配管65c、65d、バルブ68d、供給配管65fを介して、圧縮されたエアー(圧縮エアー)を供給するエアー供給源64と接続されている。供給配管65cと供給配管65dとの間には、エアー供給源64から供給されたエアーをイオン化するイオナイザ(帯電防止手段)59が設けられている。第一ノズル61は、排出配管66a、バルブ68e、排出配管66cを介して、集塵ユニット67に接続されている。
【0028】
第二ノズル62は、供給配管65b、バルブ68a、供給配管65c、65d、バルブ68c、供給配管65eを介して、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63に接続されている。また、第二ノズル62は、供給配管65b、バルブ68a、供給配管65c、65d、バルブ68d、供給配管65fを介して、圧縮されたエアー(圧縮エアー)を供給するエアー供給源64と接続されている。第二ノズル62は、排出配管66b、バルブ68f、排出配管66cを介して、集塵ユニット67に接続されている。
【0029】
次に、実施例1に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図7を用いて説明する。
図7は実施例に係るフリップチップボンダで実施されるボンディング方法を示すフローチャートである。
【0030】
ステップS1:制御装置7はピックアップするダイDが突き上げユニット13の真上に位置するようにウェハ保持台12を移動し、剥離対象ダイを突き上げユニット13とコレット22に位置決めする。ダイシングテープ16の裏面に突き上げユニット13の上面が接触するように突き上げユニット13を移動する。このとき、制御装置7は、ダイシングテープ16を突き上げユニット13の上面に吸着する。制御装置7は、コレット22を真空引きしながら下降させ、剥離対象のダイDの上に着地させ、ダイDを吸着する。制御装置7はコレット22を上昇させ、ダイDをダイシングテープ16から剥離する。これにより、ダイDはピックアップヘッド21によりピックアップされる。
【0031】
ステップS2:制御装置7はピックアップヘッド21を移動させる。
【0032】
ステップS3:制御装置7はピックアップヘッド21を180度回転させ、ダイDのバンプ面(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをボンディングヘッド41に渡す姿勢にする。
【0033】
ステップS4:ステップS3の後または並行して、制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cをピックアップヘッド21のコレット22が保持しているダイDの上に移動させ、下降させる。
【0034】
ステップS5:制御装置7は二酸化炭素供給源63から液体の二酸化炭素を供給配管65eに供給すると共に、エアー供給源64からエアーを供給配管65fに供給する。
【0035】
制御装置7は、二酸化炭素供給源63から液体の二酸化炭素を供給配管65dに供給し、エアー供給源64からエアーを供給配管65dに供給して混合する。これにより、液体の二酸化炭素の一部が気化して熱を奪い(気化熱)、液体の二酸化炭素の温度が凝固点を下回り、ドライアイス(固体の二酸化炭素)が発生する。このように、液体の二酸化炭素を洗浄空間62cの大気に放出することで得られるドライアイスは、きわめて微細な粉末状となる。
【0036】
この粉末状のドライアイスがエアー吹き出し口61aから噴射されてダイDに衝突するとドライアイスは変形、破砕して、昇華する。ドライアイスの昇華で発生する膨張のエネルギーによって、ダイDの裏面に付着した異物が除去される。除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引され排出配管66a等を介して集塵ユニット67に排出される。なお、液体の二酸化炭素及びエアーの供給量は、ダイDの洗浄に適した分量のドライアイスがエアー吹き出し口61aから噴射されるように調整される。
【0037】
上述したドライアイスは、硬度が低く微細であるため、この洗浄でダイDが傷付くことはない。また、洗浄装置6は、エアー供給源64から供給された圧縮エアーを適切にイオン化するイオナイザ69を供給配管内に備えているので、粉末状のドライアイスの帯電を防止して、ダイDの破損を防ぐことができる。
【0038】
ステップS6:制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cを上昇させ、ピックアップヘッド21のコレット22が保持しているダイDの上から移動させる。
【0039】
ステップS7:制御装置7はピックアップヘッド21のコレット22からボンディングヘッド41のコレット42によりダイDをピックアップし、ダイDを受け渡す。
【0040】
ステップS8:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄位置(第二ノズル62の真上)に移動させ、第二ノズル62の洗浄空間62cにボンディングヘッド41のコレット42が保持しているダイDを移動させる。
【0041】
ステップS9:制御装置7は、ステップS5と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射させてダイDの表面に付着した異物を除去する。除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引され排出配管66b等を介して集塵ユニット67に排出される。
【0042】
ステップSA:制御装置7は、ボンディングヘッド41のコレット42が保持しているダイDを基板P上に移動する。
【0043】
ステップSB:制御装置7は、ピックアップヘッド21のコレット22からボンディングヘッド41のコレット42でピックアップしたダイDを基板P上に載置する。
【0044】
ステップSC:ステップS8の後または並行して、制御装置7は、ピックアップヘッド21を反転し、コレット22の吸着面を下に向ける。
【0045】
ステップSD:制御装置7は、ピックアップヘッド21をピックアップ位置に移動させる。
【0046】
なお、ステップS1の前に、ウェハ11から分割されたダイDが貼付されたダイシングテープ16を保持したウェハリング14をウェハカセット(不図示)に格納し、フリップチップボンダ10に搬入する。制御装置7はウェハリング14が充填されたウェハカセットからウェハリング14をダイ供給部1に供給する。また、基板Pを準備し、フリップチップボンダ10に搬入する。制御装置7は基板供給部9Kで基板Pを基板搬送パレット51に載置する。
【0047】
また、ステップSBの後に、制御装置7は基板搬出部9Hで基板搬送パレット51からダイDがボンディングされた基板Pを取り出す。フリップチップボンダ10から基板Pを搬出する。
【0048】
フリップチップボンダではバンプ面に糊のこりなどが発生し接続不良になる可能性ある。実施例1では、今後も更に狭ピッチ化するバンプ製品に対して実装直前にドライアイス(CO
2)洗浄を行う。これにより、ウェハの表面に貼付されるバックグラインディングテープやウェハの裏面に貼付されるダイシングテープからの糊残りやトレイ内での異物付着を基板への実装前に除去することができる。さらに、バンプにダメージを与えず異物を除去することができる。異物噛み込みによる接続不良を低減することができる。
【0049】
ダイDがTSV(Trough Silicon Via(Si貫通電極))を有する場合は、裏面に他のダイが積層されるので、ステップS5の洗浄は有効である。ダイDがTSVを有さない等積層しない場合は、ステップS5は実行しなくてもよい。基板側にも洗浄装置を設け同時に基板ランド側も洗浄してもよい。
【0050】
<変形例1>
次に、実施例1に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)の変形例1について
図8,9を用いて説明する。
図8は
図1のフリップチップボンダで実施される変形例1に係るボンディング方法を示すフローチャートである。
図8のフローチャートの端子A、Bは
図9の端子A、Bに接続される。
【0051】
変形例1に係るボンディング方法は、実施例に係るボンディング方法に加えて、洗浄装置6の第一ノズル61によってピックアップヘッド21のコレット22の洗浄も実施する。以下、追加になるステップについて説明する。
【0052】
ステップSE:ステップS7後、制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cをピックアップヘッド21のコレット22の上に移動させ、下降させる。
【0053】
ステップSF:制御装置7は、ステップS5と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射させてコレット22の吸着面の表面に付着した異物を除去する。除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引され排出配管66a等を介して集塵ユニット67に排出される。
【0054】
ステップSG:制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cを上昇させ、ピックアップヘッド21のコレット22の上から移動させる。
【0055】
<変形例2>
次に、実施例1に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)の変形例2について
図10を用いて説明する。
図10は
図1のフリップチップボンダで実施される変形例2に係るボンディング方法を示すフローチャートである。
図10のフローチャートの端子A、Bは
図8の端子A、Bに接続される。
【0056】
変形例2に係るボンディング方法は、変形例1に係るボンディング方法に加えて、洗浄装置6の第二ノズル62によってボンディングヘッド41のコレット42の洗浄も実施する。以下、追加になるステップについて説明する。
【0057】
ステップSH:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄位置(第二ノズル62の真上)に移動させ、第二ノズル62の洗浄空間62cにボンディングヘッド41のコレット42を移動させる。
【0058】
ステップSI:制御装置7は、ステップS5と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射させてコレット42の吸着面の表面に付着した異物を除去する。除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引され排出配管66b等を介して集塵ユニット67に排出される。
【0059】
ステップSJ:制御装置7は、ボンディングヘッド41のコレット42をダイDの受渡位置に移動させる。
【0060】
変形例1,2ではコレットを洗浄するが、ゴム系コレットを使用する場合、ドライアイス洗浄の低温でも耐寒性があり柔軟性もあるSiゴム系材料、特にFVMQ(商品名:フロロパワー)などを用いることが好ましい。また、コレットに耐寒性のある金属や樹脂を使用するのが好ましい。この場合、特にコレットに結露等が発生しないように、ヒータを組み込んだり洗浄中のダイを保持したコレットやコレット自体に赤外線を照射したりして温度が低下するのを防ぐ機能を設けるのが好ましい。以下の実施例および変形例で、コレットを洗浄する場合にも、上記コレットの材料や結露防止機能を適用するのが好ましい。
【実施例2】
【0061】
図11は実施例2に係るフリップチップボンダの概略を示す上面図である。
図12は
図11において矢印A方向から見たときに、ピックアップフリップヘッド、トランスファヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0062】
フリップチップボンダ10Aは、大別して、ダイ供給部1と、ピックアップ部2A、トランスファ部8と、中間ステージ部3と、ボンディング部4Aと、搬送部5、洗浄装置6Aと、基板供給部9Kと、基板搬出部9Hと、各部の動作を監視し制御する制御装置7と、を有する。
【0063】
ピックアップ部2Aは、ダイDをピックアップして反転するピックアップフリップヘッド21Aと、ピックアップフリップヘッド21AをY方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23Aと、コレット22を昇降、回転、反転及びX方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。このような構成によって、第一ヘッドであるピックアップフリップヘッド21Aは、ダイをピックアップし、ピックアップフリップヘッド21Aを180度回転させ、ダイDのバンプを反転させて下面に向け、ダイDを第二ヘッドであるトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0064】
トランスファ部8は、反転したダイDをピックアップフリップヘッド21Aから受けとり、中間ステージ31に載置する。トランスファ部8は、ピックアップフリップヘッド21Aと同様にダイDを先端に吸着保持するコレット82を備えるトランスファヘッド81と、トランスファヘッド81をY方向に移動させるY駆動部83と、を有する。
【0065】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31を有する。中間ステージ31は図示しない駆動部によりY方向に移動可能である。結露対策として、中間ステージ31にヒータ等の加熱手段を組み込むのが好ましい。以下の実施例および変形例の中間ステージにも同様な結露対策を適用するのが好ましい。
【0066】
ボンディング部4Aは、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板P上にボンディングし、又は既に基板Pの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4Aは、ピックアップフリップヘッド21Aと同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42部(
図12も参照)を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY方向に移動させるY駆動部43と、基板Pの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。
このような構成によって、第三ヘッドであるボンディングヘッド41は、アンダビジョンカメラ45の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板PにダイDをボンディングする。
【0067】
洗浄装置6AはダイDの裏面を上方から洗浄する第三ノズル61AとダイDの表面(バンプがある面)を下方から洗浄する第二ノズル62とを備える。第三ノズル61Aは中間ステージ31の上に載置されるダイDの裏面の他に中間ステージ31の上面の上方からの洗浄が可能である。第二ノズル62はボンディングヘッド41のコレット42に保持されるダイDの表面の他にコレット42の吸着面の下方からの洗浄が可能である。
【0068】
次に、実施例2に係る洗浄装置について
図13を用いて説明する。
図13は洗浄装置のブロック図である。
【0069】
洗浄装置6Aは、実施例1の洗浄装置6の第一ノズル61に代えて第三ノズル61Aを備える。洗浄装置6Aは、第二ノズル62と、第三ノズル61Aと、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63と、圧縮されたエアー(加圧気体)を供給するエアー供給源64と、液体の二酸化炭素と圧縮エアーとが混合されて生成される粉末状のドライアイスを第二ノズル62および第三ノズル61Aに供給する供給配管65b〜65d、65gと、を備える。洗浄装置6Aは、さらに、第二ノズル62および第三ノズル61AでダイD等から除去された異物を搬送する排出配管66b〜66dと、異物を回収する集塵ユニット67と、供給配管間および排出配管間に設けられるバルブ68b〜68d、68f〜68hと、イオナイザ69と、を備える。
【0070】
第三ノズル61Aは実施例1の第一ノズル61と同様な構成であり同様な動作で洗浄を行う。
【0071】
次に、実施例2に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図14〜18を用いて説明する。
図14は第三ノズルのダイ洗浄時の断面図である。
図15は第三ノズルのダイ洗浄終了後の断面図である。
図16は第三ノズルの中間ステージ洗浄時の断面図である。
図17,18は実施例2に係るフリップチップボンダで実施されるボンディング方法を示すフローチャートである。
図17のフローチャートの端子A、Bは実施例1の
図9または10の端子A、Bに接続される。
図17の端子C、Dは
図18の端子C、Dに接続される。
【0072】
ステップS11:制御装置7は、ステップS1と同様に、ダイDをピックアップフリップヘッド21Aによりピックアップする。
【0073】
ステップS12:制御装置7は、ステップS2と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを移動させる。
【0074】
ステップS13:制御装置7は、ステップS3と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを180度回転させ、ダイDのバンプ(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0075】
ステップS14:制御装置7は、ステップS7と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aのコレット22からトランスファヘッド81のコレット82によりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0076】
ステップS15:制御装置7は、ピックアップフリップヘッド21Aを反転し、コレット22の吸着面を下に向ける。
【0077】
ステップS16:ステップS15の前または並行して、制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31に移動する。
【0078】
ステップS17:制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31に載置する。
【0079】
ステップS18:制御装置はトランスファヘッド81をダイDの受渡し位置に移動させる。
【0080】
ステップS19:ステップS18の後または並行して、制御装置7は中間ステージ31を第三ノズル61Aの下方に移動させる。
【0081】
ステップS1A:制御装置7は、第三ノズル61Aの洗浄空間61cを中間ステージ31に載置されているダイDの上に移動(下降)させる。
【0082】
ステップS1B:制御装置7は、ステップS5と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射して、ダイDの裏面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図14)。
【0083】
ステップS1C:制御装置7は、
図15に示すように、第三ノズル61Aを中間ステージ31から移動(上昇)させる。
【0084】
ステップS1D:ステップS1Cの後または並行して、制御装置7は中間ステージ31をボンディングヘッド41との受渡し位置に移動させる。
【0085】
ステップS1E:制御装置7は中間ステージ31からボンディングヘッド41のコレットによりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0086】
ステップS1F:制御装置7は中間ステージ31を第三ノズル61Aの下方に移動させる。
【0087】
ステップS1G:ステップS1Gの後または並行して、制御装置7は第三ノズル61Aの洗浄空間61cを中間ステージ31の上に移動(下降)させる。
【0088】
ステップS1H:制御装置7は、ステップS1Bと同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射させて中間ステージ31の表面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図16)。
【0089】
ステップS1I:制御装置7は第三ノズル61Aを中間ステージ31から移動(上昇)させる。
【0090】
ステップS1J:制御装置7は中間ステージ31をトランスファヘッド81との受渡し位置に移動させる。
【0091】
なお、ステップS1E以降のボンディング、第二ノズル62によるダイDの表面の洗浄およびコレット42の洗浄については変形例1(
図9)および変形例2(
図10)と同様である。また、ステップS11より前の動作は、実施例1のステップS1より前の動作と同様である。また、ボンディング後の基板Pの取出し搬出動作は実施例1と同様である。
【0092】
実施例2に係るフリップチップボンダは、中間ステージ上に洗浄装置を設け、ダイ裏面と中間ステージの両方の洗浄を行う。これにより、積層ボンディングを行うダイの裏面を洗浄し、積層ダイ上異物によるボイド等の防止と、中間ステージ上への異物の蓄積を防止することができる。
【0093】
実施例2に係る洗浄装置のノズルは粉末状のドライアイスの吹き出し・吸引を行う。ノズルのドライアイス吹き出し洗浄エリアは、搭載されるダイの最大サイズ以上のエリアである。洗浄装置はボンディングヘッド動作に干渉しない位置まで上昇、退避する機能を持つ。また、中間ステージとは別にダイを載置する洗浄ステージを設けて、洗浄装置のノズルを洗浄ステージおよび中間ステージの位置まで移動可能な構造としてもよい。実施例2によれば、ダイ裏面と中間ステージの両方を1つの機構の洗浄装置で洗浄することができる。
【0094】
なお、中間ステージ31の他に第三ノズル61Aは位置を移動可能とし、必要とするスループットに応じて中間ステージ31を複数のユニット数を設けるようにしてもよい。
【実施例3】
【0095】
図19は実施例3に係るフリップチップボンダの概略を示す上面図である。
図20は
図19において矢印A方向から見たときに、ピックアップフリップヘッド、トランスファヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0096】
フリップチップボンダ10Bは、大別して、ダイ供給部1と、ピックアップ部2A、トランスファ部8と、洗浄装置6Bを有する中間ステージ部3Bと、ボンディング部4Aと、搬送部5、基板供給部9Kと、基板搬出部9Hと、各部の動作を監視し制御する制御装置7と、を有する。
【0097】
中間ステージ部3Bは、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31Bと、中間ステージ31B上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32と、を有する。中間ステージ31Bは洗浄装置6Bの第五ノズル62BとダイDが載置されるシャッタ(ステージ)SSとで構成される。
【0098】
洗浄装置6Bは、中間ステージ31BのシャッタSSを開閉移動することにより、トランスファヘッド81のコレット82に保持されたダイDの表面、コレット82の下面(吸着面)およびボンディングヘッド41のコレット42の下面(吸着面)を下方から洗浄する。
【0099】
次に、実施例3に係る洗浄装置について
図21を用いて説明する。
図21は洗浄装置のブロック図である。
【0100】
洗浄装置6Bは、第五ノズル62Bと、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63と、圧縮されたエアー(加圧気体)を供給するエアー供給源64と、液体の二酸化炭素と圧縮エアーとが混合されて生成される粉末状のドライアイスを第五ノズル62Bに供給する供給配管65b、65c、65dと、を備える。洗浄装置6Bは、さらに、第五ノズル62Bでダイから除去された異物を搬送する排出配管66b、66cと、異物を回収する集塵ユニット67と、供給配管間および排出配管間に設けられるバルブ68b、68c、68d、68fと、イオナイザ69と、を備える。
【0101】
第五ノズル62Bは実施例1の第二ノズル62と同様な構成であり同様な動作で洗浄を行う。
【0102】
次に、実施例3に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図22〜29を用いて説明する。
図22は第四ノズルのダイ洗浄時の断面図である。
図23は第五ノズルのダイ洗浄終了後の断面図である。
図24は第五ノズルのトランスファヘッドのコレット洗浄時の断面図である。
図25は第五ノズルのボンディングヘッドのコレット洗浄時の断面図である。
図26〜29は実施例3に係るフリップチップボンダで実施されるボンディング方法を示すフローチャートである。
図26のフローチャートの端子E、Fは
図27の端子E、Fに接続される。
図27の端子G〜Lは
図28の端子G〜Lに接続される。
【0103】
ステップS21:制御装置7は、ステップS1と同様に、ダイDをピックアップフリップヘッド21Aによりピックアップする。
【0104】
ステップS22:制御装置7は、ステップS12と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを移動させる。
【0105】
ステップS23:制御装置7は、ステップS13と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを180度回転させ、ダイDのバンプ(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0106】
ステップS24:制御装置7は、ステップS14と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aのコレット22からトランスファヘッド81のコレット82によりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0107】
ステップS25:制御装置7は、ピックアップフリップヘッド21Aを反転し、コレット22の吸着面を下に向ける。
【0108】
ステップS26:ステップS25の前または並行して、制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31Bの上方に移動する。
【0109】
ステップS27:制御装置7は洗浄装置6Bの第五ノズル62BのシャッタSSを閉める。
【0110】
ステップS28:ステップS27の後または並行して、制御装置7はトランスファヘッド81を下降させる。
【0111】
ステップS29:制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31Bに載置する。
【0112】
ステップS2A:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させてダイDからコレット82を上昇させる(
図22)。
【0113】
ステップS2I:制御装置7はボンディングヘッド41を下降させ、中間ステージ31B上のダイDをピックアップする。このとき、トランスファヘッド81は移動退避されている。
【0114】
ステップS2J:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させる。
【0115】
ステップS2B:ステップS2Aの後または並行して、並びにステップS2Jの後または並行して、制御装置7は洗浄装置6Bの第五ノズル62BのシャッタSSを開ける。
【0116】
ステップS2K:制御装置7はボンディングヘッド41を下降させてコレット42により保持しているダイDを洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0117】
ステップS2C:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、ダイDの裏面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図23)。
【0118】
ステップS2L:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させて第五ノズル62BからダイDを移動(上昇)させる。
【0119】
ステップS2M:制御装置7はボンディングヘッド41をボンディングステージ上に移動する。
【0120】
ステップS2N:制御装置7は、中間ステージ31Bからボンディングヘッド41のコレット42でピックアップしたダイDをダイボンディングステージ上の基板P上に搭載する。
【0121】
ステップS2D:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させてコレット82を洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0122】
ステップS2E:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット82の下面(吸着面)に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図24)。
【0123】
ステップS2F:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させる。
【0124】
ステップS2G:制御装置7はトランスファヘッド81をトランスファヘッド受渡し位置に移動させる。
【0125】
ステップS2O:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの上に移動させる。
【0126】
ステップS2P:制御装置7はボンディングヘッド41のコレット42を下降させて第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0127】
ステップS2H:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット42の下面(吸着面)に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図25)。
【0128】
ステップS2Q:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させ移動退避させる。
【0129】
なお、ステップS21より前の動作は、実施例1のステップS1より前の動作と同様である。また、ステップS2Nの後の基板Pの取出し搬出動作は実施例1と同様である。
【0130】
実施例3に係るフリップチップボンダは、中間ステージに洗浄装置機能を設ける。中間ステージは粉末状のドライアイスの吹き出し・吸引を行うノズルと、さらにその上部にダイを載置できるシャッタとを設ける。シャッタを閉じてシャッタの上にダイを設置する。その後、ボンディングヘッドでダイを受け取り、中間ステージのシャッタを開けて、ピックアップされボンディングヘッドのコレットに保持されたダイの裏面をドライアイス洗浄機能で洗浄する。ボンディングヘッド移動している時にドライアイス洗浄機能でトランスファヘッドのコレットの吸着面を洗浄する。その後、ボンディングを終えたボンディングヘッドのコレットの吸着面の洗浄も行うことができる。
【0131】
実施例3によれば、1つのドライアイス洗浄機能で、ダイの表面、トランスファヘッドのコレットの吸着面およびボンドヘッドのコレットの吸着面を洗浄することができる。これにより、異物の蓄積を防止することができ、さらにウェハ表面の異物付着リスクを低減することができる。
【0132】
<変形例3>
次に、実施例3の変形例(変形例3)に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図22〜25、29、30を用いて説明する。
図29、30は
図19のフリップチップボンダで実施される変形例3に係るボンディング方法を示すフローチャートである。
【0133】
変形例3に係るボンディング方法は、実施例3に係るボンディング方法のステップS21〜S25はと、同様であるが、その他のステップが異なる。
図29のフローチャートの端子E、Fは
図26の端子E、Fに接続される。
図29の端子M〜Oは
図30の端子M〜Oに接続される。変形例3に係るボンディング方法のステップS24より後のステップを以下説明する。
【0134】
ステップS36:制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31Bの上方に移動する。
【0135】
ステップS37:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させてコレット82により保持しているダイDを洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0136】
ステップS38:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、ダイDの裏面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図23)。
【0137】
ステップS39:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させて第五ノズル62BからダイDを移動(上昇)させる。
【0138】
ステップS3A:ステップS39後、制御装置7は洗浄装置6Bの第五ノズル62BのシャッタSSを閉める。
【0139】
ステップS3B:ステップS3Aの後または並行して、制御装置7はトランスファヘッド81を下降させる。
【0140】
ステップS3C:制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31Bに載置する。
【0141】
ステップS3D:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させてダイDからコレット22を上昇させ(
図22)、トランスファヘッド81を中間ステージ31Bの上方から移動退避させる。
【0142】
ステップS3K:ステップ3D後、制御装置7はボンディングヘッド41を下降させ、中間ステージ31B上のダイDをピックアップする。このとき、トランスファヘッド81は移動退避されている。
【0143】
ステップS3L:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させる。
【0144】
ステップS3E:ステップ3K後、制御装置7は洗浄装置6Bの第五ノズル62BのシャッタSSを開ける。
【0145】
ステップS3M:制御装置7はボンディングヘッド41をボンディングステージ上に移動する。
【0146】
ステップS3N:制御装置7は、中間ステージ31Bからボンディングヘッド41のコレット42でピックアップしたダイDをダイボンディングステージ上の基板P上に搭載する。
【0147】
ステップS3F:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させてコレット82を洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0148】
ステップS3G:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット82の下面(吸着面)に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図24)。
【0149】
ステップS3H:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させる。
【0150】
ステップS3J:制御装置7はトランスファヘッド81をトランスファヘッド受渡し位置に移動させる。
【0151】
ステップS3O:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄装置6Bの第五ノズル62Bの上に移動させる。
【0152】
ステップS3P:制御装置7はボンディングヘッド41のコレット42を下降させて第五ノズル62Bの洗浄空間62cに入れる。
【0153】
ステップS3I:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット42の下面(吸着面)に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図25)。
【0154】
ステップS3Q:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させ移動退避させる。
【0155】
なお、ステップS21より前の動作は、実施例1のステップS1より前の動作と同様である。また、ステップS3Nの後の基板Pの取出し搬出動作は実施例1と同様である。
【0156】
変形例3に係るフリップチップボンダは、中間ステージに洗浄装置機能を設ける。中間ステージは粉末状のドライアイスの吹き出し・吸引を行うノズルと、さらにその上部にダイを載置できるシャッタとを設ける。中間ステージのシャッタを開けて、ピックアップされトランスファヘッドのコレットに保持されたダイの表面をドライアイス洗浄機能で洗浄後、シャッタを閉じてシャッタの上にダイを設置する。その後、ボンディングヘッドでダイを受け取り、移動している時にシャッタを再び明開けてドライアイス洗浄機能でトランスファヘッドのコレットの吸着面を洗浄する。その後、ボンディングを終えたボンディングヘッドのコレットの吸着面の洗浄も行うことができる。
【実施例4】
【0157】
図31は実施例4に係るフリップチップボンダの概略を示す上面図である。
図32は
図31において矢印A方向から見たときに、ピックアップフリップヘッド、トランスファヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0158】
フリップチップボンダ10Cは、大別して、ダイ供給部1と、ピックアップ部2C、中間ステージ部3Cと、ボンディング部4Aと、搬送部5、洗浄装置6Cと、基板供給部9Kと、基板搬出部9Hと、各部の動作を監視し制御する制御装置7と、を有する。
【0159】
ピックアップ部2Cは、ピックアップ部2Aの構成に加え、ダイDの裏面およびコレット22の上面(吸着面)を認識する為のステージ認識カメラ24と、を有する。
【0160】
中間ステージ部3Cは、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31を認識するステージ認識カメラ32と、ダイDの裏面およびコレット22の下面(吸着面)を認識する為のアンダビジョンカメラ33と、を有する。
【0161】
洗浄装置6Cは中間ステージ31の上に載置されたダイDの裏面および中間ステージ31の表面を上方から洗浄し、ピックアップフリップヘッド21Aのコレット22に保持されたダイDの裏面およびコレット22の下面(吸着面)を上方から洗浄することが可能である。また、洗浄装置6Cはトランスファヘッド81のコレット82に保持されたダイDの表面およびコレット82の下面(吸着面)を下方から洗浄し、ボンディングヘッド41のコレット42に保持されたダイDの表面およびコレット42の下面(吸着面)を下方から洗浄することが可能である。
【0162】
次に、実施例4に係る洗浄装置について
図33を用いて説明する。
図33は洗浄装置のブロック図である。
【0163】
洗浄装置6Cは、第一ノズル61と、第二ノズル62と、第三ノズル61Aと、第四ノズル62Cと、液体の二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給源63と、圧縮されたエアー(加圧気体)を供給するエアー供給源61と、液体の二酸化炭素と圧縮エアーとが混合されて生成される粉末状のドライアイスを第一ノズル61、第二ノズル62、第三ノズル61Aおよび第四ノズル62Cに供給する供給配管65a〜65d、65g、65hと、を備える。洗浄装置6Cは、さらに、第一ノズル61、第二ノズル62、第三ノズル61Aおよび第四ノズル62Cでダイから除去された異物を搬送する排出配管66a〜66eと、異物を回収する集塵ユニット67と、供給配管間および排出配管間に設けられるバルブ68a〜68jと、イオナイザ69と、を備える。
【0164】
第四ノズル62Cは第二ノズル62と同様な構成であり同様な動作で洗浄を行う。
【0165】
次に、実施例4に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図35〜38を用いて説明する。
図34は第四ノズルのダイ洗浄時の断面図である。
図35は第四ノズルのトランスファヘッドのコレット洗浄時の断面図である。
図36〜38は実施例4に係るフリップチップボンダで実施されるボンディング方法を示すフローチャートである。
図36のフローチャートの端子E、Fは
図37の端子E、Fに接続される。
図37の端子A、Bは
図38の端子A、Bに接続される。
【0166】
ステップS51:制御装置7は、ステップS1と同様に、ダイDをピックアップフリップヘッド21Aによりピックアップする。
【0167】
ステップS52:制御装置7は、ステップS2と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを移動させる。
【0168】
ステップS53:制御装置7は、ステップS3と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aを180度回転させ、ダイDのバンプ(表面)を反転させて下面に向け、ダイDをトランスファヘッド81に渡す姿勢にする。
【0169】
ステップS54:ステップS53の後または並行して、制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cをピックアップフリップヘッド21Aのコレット22が保持しているダイDの上に移動させ、下降させる。
【0170】
ステップS55:制御装置7は、ステップS5と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射させてダイDの裏面に付着した異物を除去する。除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引され排出配管66a等を介して集塵ユニット67に排出される。
【0171】
ステップS56:制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cを上昇させ、ピックアップヘッド21のコレット22が保持しているダイDの上から移動させる。
【0172】
ステップS57:制御装置7は、ステップS7と同様に、ピックアップフリップヘッド21Aのコレット22からトランスファヘッド81のコレット82によりダイDをピックアップして、ダイDの受渡しが行われる。
【0173】
ステップS58:ステップS57後、制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cをピックアップフリップヘッド21Aのコレット22の上に移動させ、下降させる。
【0174】
ステップS59:制御装置7は、ステップS5と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射させてコレット22の吸着面の表面に付着した異物を除去する。除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引され排出配管66a等を介して集塵ユニット67に排出される。
【0175】
ステップS5A:制御装置7は第一ノズル61の洗浄空間61cを上昇させ、ピックアップフリップヘッド21Aのコレット22の上から移動させる。
【0176】
ステップS5B:制御装置7は、ピックアップフリップヘッド21Aを反転し、コレット22の吸着面を下に向ける。
【0177】
ステップS42:ステップ57の後、制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31に移動する。
【0178】
ステップS43:制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31に載置する。
【0179】
ステップS44:ステップ4Cの後、制御装置7は第三ノズル61Aの洗浄空間61cを中間ステージ31に載置されているダイDの上に移動(下降)させる。
【0180】
ステップS45:制御装置7は、ステップS3と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射して、ダイDの表面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図14)。
【0181】
ステップS46:制御装置7は、
図15に示すように、第三ノズル61Aを中間ステージ31から移動(上昇)させる。
【0182】
ステップS47:制御装置7は中間ステージ31からボンディングヘッド41のコレットによりダイDをピックアップする。
【0183】
ステップS48:制御装置7はステージ認識カメラ32によって中間ステージ31の洗浄が必要かどうかを判断する。YESの場合はステップS49に移動し、NOの場合はステップ43に戻る。
【0184】
ステップS49:制御装置7は第三ノズル61Aの洗浄空間61cを中間ステージ31の上に移動(下降)させる。
【0185】
ステップS4A:制御装置7は、ステップS15と同様に、ドライアイスをエアー吹き出し口61aから噴射させて中間ステージ31の表面に付着した異物を除去して洗浄すし、除去された異物はエアー吸込み口61bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図14)。
【0186】
ステップS4B:制御装置7は第三ノズル61Aを中間ステージ31から移動(上昇)させる。
【0187】
ステップS4C:制御装置7はトランスファヘッド81をアンダビジョンカメラ33の上方に移動させ、コレット82の下面(吸着面)を撮像する。
【0188】
ステップS4D:制御装置7はコレット22の下面(吸着面)の撮像画像から洗浄が必要かどうかを判断する。YESの場合はステップS4Eに移動し、NOの場合はステップS41に戻る。
【0189】
ステップS4E:制御装置7はトランスファヘッド81を洗浄装置の上方に移動させ、下降させてコレット82を第四ノズル62Cの洗浄空間62cに入れる。
【0190】
ステップS4F:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット82の吸着面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図34)。
【0191】
ステップS4G:制御装置7はボンディングヘッド41をアンダビジョンカメラ45の上方に移動させ、ボンディングヘッド41のコレット42に保持されているダイDの下面(表面)を撮像する。
【0192】
ステップS4H:制御装置7はボンディングヘッド41のコレット42に保持されているダイDの下面(表面)の撮像画像から洗浄が必要かどうかを判断する。YESの場合はステップS4Iに移動し、NOの場合はステップS4Kに移動する。
【0193】
ステップS4I:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄装置の上方に移動させ、下降させてダイDを第二ノズル62の洗浄空間62cに入れる。
【0194】
ステップS4J:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、ダイDの表面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される。
【0195】
ステップS4K:制御装置7はボンディングヘッド41を上昇させて第二ノズル62からダイDを移動(上昇)させ、ボンディングヘッド41をボンディングステージに移動させる。
【0196】
ステップS4L:制御装置7はボンディングヘッド41を下降させ、ボンディングヘッド41に保持しているダイDを基板P上に搭載する
ステップS4M:制御装置7はボンディングヘッド41をアンダビジョンカメラ45の上方に移動させ、コレット42の下面(吸着面)を撮像する。
【0197】
ステップS4N:制御装置7はボンディングヘッド41のコレット42の下面(吸着面)の撮像画像から洗浄が必要かどうかを判断する。YESの場合はステップS4Oに移動し、NOの場合はステップS47に移動する。
【0198】
ステップS4O:制御装置7はボンディングヘッド41を洗浄装置の上方に移動させ、下降させてコレット42を第二ノズル62の洗浄空間に入れる。
【0199】
ステップS4P:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレット42の下面(吸着面)に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される。
【0200】
なお、ステップS51より前の動作は、実施例1のステップS1より前の動作と同様である。また、ステップS4Lの後の基板Pの取出し搬出動作は実施例1と同様である。
【0201】
実施例4によれば、ウェハよりダイをピックアップ時に発生したダイ表面及び裏面異物、それにより蓄積する中間ステージ上異物、ダイ搬送中にコレットに付着するピックアップヘッドと、ボンディングヘッドの両方を洗浄することで、積層ボンディングを行うダイの表面、裏面の異物を大幅に低減することができる。
【0202】
<変形例4>
次に、実施例4の変形例(変形例4)に係るフリップチップボンダにおいて実施されるボンディング方法(半導体装置の製造方法)について
図34、35、39〜41を用いて説明する。
図39〜41は
図31のフリップチップボンダで実施される変形例4に係るボンディング方法を示すフローチャートである。
【0203】
変形例4に係るボンディング方法は、実施例4に係るボンディング方法のステップS51〜S54はと、同様であるが、その他のステップが異なる。
図39のフローチャートの端子E、Fは
図36の端子E、Fに接続され、
図39の端子G、Hは
図40のG、Hに接続され、
図40の端子C、Dは
図41のC、Dに接続される。
【0204】
変形例4に係るボンディング方法のステップS57より後のステップを以下説明する。
【0205】
ステップS61:制御装置7はトランスファヘッド81を洗浄装置6Cの第四ノズル62Cの上方に移動する。
【0206】
ステップS62:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させてコレット82により保持しているダイDを洗浄装置6Cの第四ノズル62Cの洗浄空間62cに入れる。
【0207】
ステップS63:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、ダイDの表面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図33)。
【0208】
ステップS64:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させて第四ノズル62CからダイDを移動(上昇)させる。
【0209】
ステップS65:制御装置7はトランスファヘッド81を中間ステージ31の上方に移動させる。
【0210】
ステップS66:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させる。
【0211】
ステップS67:制御装置7はトランスファヘッド81に保持しているダイDを中間ステージ31に載置する。
【0212】
ステップS68:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させてダイDからコレット22を上昇させる。
【0213】
ステップS69:制御装置7はトランスファヘッド81を洗浄装置6Cの第四ノズル62Cの上方に移動する。
【0214】
ステップS6A:制御装置7はトランスファヘッド81を下降させてコレット82を洗浄装置6Cの第四ノズル62Cの洗浄空間62cに入れる。
【0215】
ステップS6B:制御装置7は、ステップS6と同様に、粉末状のドライアイスをエアー吹き出し口62aから噴射して、コレットの吸着面に付着した異物を除去して洗浄し、除去された異物はエアー吸込み口62bから吸引されて集塵ユニット67に排出される(
図33)。
【0216】
ステップS6C:制御装置7はトランスファヘッド81を上昇させて第四ノズル62CからダイDを移動(上昇)させる。
【0217】
ステップS6D:制御装置7はトランスファヘッド81をダイDの受渡し位置に移動させる。
【0218】
ステップS68の後、
図40のステップS44以降を行う。変形例4のステップS44〜S4Bは実施例4のステップS44〜S4Bと同様である。また、
図40のステップ47の後、
図41のステップS4K以降を行う。変形例4のステップS4K〜S4Pは実施例4のステップS4K〜S4Pと同様である。
【0219】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態、実施例および変形例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施例および変形例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0220】
例えば、実施例および変形例では、洗浄装置は液体の二酸化炭素と圧縮エアーとを混合して粉末状のドライアイスを生成することを説明したが、これに限定されるものではなく、ペレタイザで液体の二酸化炭素からペレット状のドライアイスを形成し、粉砕機でこのペレット状のドライアイスから粉砕状のドライアイス(粒砕状のドライアイス)を形成し、粉砕状のドライアイスを所定の圧力のキャリアガスでノズルに供給するようにしてもよい。
【0221】
また、実施例および変形例ではダイ全体を覆うノズルで覆って洗浄することを説明したが、これに限定されるものではなく、ダイ幅の横長ノズルがダイ長分スキャンして洗浄するようにしてもよい。また、細いノズルが複数でダイ全体をカバーして洗浄するようにしてもよい。また、細いノズルがダイ全体をスキャンして洗浄するようにしてもよい。
【0222】
また、実施例1、2、4では、洗浄装置が複数のノズルを備えていることを説明したが、これに限定されるものではなく、1つのノズルを備える洗浄装置を複数設けるようにしてもよい。
【0223】
また、実施例4および変形例4では洗浄前にアンダビジョンカメラで洗浄が必要かどうかを判断して洗浄していることを説明したが、これに限定されるものではなく、洗浄装置でボンディング前に洗浄したダイの裏面をアンダビジョンカメラで確認し、所定の異物数以上の場合、再び清浄を実施した後ボンディングを行うようにしてもよい。また、アンダビジョンカメラでダイの裏面を確認し、異物がなくなるまで洗浄を行うようにしてもよい。また、アンダビジョンカメラでコレットを確認し、異物がなくなるまで洗浄を行うようにしてもよい。これにより、異物のあるダイを積層実装することがないので、製品不良を低減することができる。
【0224】
また、実施例4および変形例4ではピックアップフリップヘッドのコレットの洗浄前にカメラで洗浄が必要かどうかを判断していていないが、洗浄が必要かどうかを判断して洗浄するようにしてもよい。
【0225】
また、実施例4および変形例4ではピックアップフリップヘッドのコレットに保持されているダイDの裏面を洗浄していないが、第一ノズルで洗浄するようにしてもよい。この場合、カメラで洗浄が必要かどうかを判断して洗浄するようにしてもよい。
【0226】
また、実施例4および変形例4ではダイの裏面を第一ノズルおよび第三ノズルで2回洗浄を行っているが、いずれか一方の洗浄であってもよいし、第一ノズルでの洗浄後、洗浄が必要かどうかを判断して必要な場合に第三ノズルで洗浄をするようにしてもよい。
【0227】
また、実施例1、変形例1、変形例2、実施例2、実施例3および変形例3は、実施例4および変形例4とは異なり、基板認識カメラやアンダビジョンカメラで撮像を行っていないが、実施例4および変形例4と同様に撮像を行って、撮像情報に基づいて、洗浄の要否を判断するようにしてもよい。
【0228】
また、実施例および変形例では、静電気対策、イオナイザを通してドライアイスを吹き出すことを説明したが、これに限定されるものではなく、ノズルや中間ステージを導電性材(金属、カーボン樹脂等)で構成し、アースを行ってもよい。イオナイザとアースする導電性材料の両方を行ってもよい。
【0229】
また、実施例1および変形例1、2では、ダイ供給部からダイをピックアップヘッドでピックアップしフリップ(反転)してボンディングヘッドにダイを受渡しボンディングヘッドで基板にボンディングするフリップチップボンダについて説明したが、これに限定されるものではなく、ダイ供給部からダイをピックアップヘッドでピックアップし、中間ステージに載置し、中間ステージに載置されたダイを中間ステージで反転させ別の中間ステージに受け渡し、ボンディングヘッドでピックアップして基板にボンディングするようにしてもよい。
【0230】
また、フリップしたダイをボンドするボンディングヘッドは、ボンディング時間と洗浄時間が長くなる場合、複数のボンディングヘッドを設け交互にチップ洗浄、ボンディング及びコレット洗浄を実施してもよい。
【0231】
また、実施例および変形例では、フリップチップボンダについて説明したが、これに限定されるものではなく、ダイ供給部からダイをピックアップして反転しトレイ等に載置するダイソータに適用可能である。