【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度国立研究開発法人日本医療研究開発機構 医工連携事業化推進事業「オートプルバック式極細高画質血管内視鏡システムの開発・海外展開」に係る委託業務、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記接続プラグの前記中空カバーの内面に少なくとも1つのボスが設けられており、そして前記ライトガイドおよび前記イメージガイドの少なくとも1つが、該中空カバー内で該ボスを迂回することにより撓んで配置されている、請求項1から4のいずれかに記載の血管内視鏡。
前記接続プラグの前記中空カバー内で、前記イメージガイドが撓んで配置されており、そして前記ライトガイドが略直線的に配置されている、請求項1から5のいずれかに記載の血管内視鏡。
前記接続プラグが、前記第1の接続端子が設けられた側と前記第2の接続端子が設けられた側との間で異なる厚みを有する、請求項1から6のいずれかに記載の血管内視鏡。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(1.軟性内視鏡)
図1は、本発明の軟性内視鏡の一例を説明するための図である。
【0021】
軟性内視鏡100は、カテーテル部分102と接続プラグ104とを備える。カテーテル部分102は、全体として可撓性を有し、後述するように、遠位端にて得られた画像情報を医師側に伝送するための1つまたはそれ以上のイメージファイバと、複数のライトファイバから構成されるライトガイドと、当該イメージガイドおよびライトガイドを長軸方向に沿って包囲する、カテーテルチューブ103とを備える。イメージガイドおよびライトガイドはいずれもカテーテルチューブ103内で固定されておらず、それぞれ独立して摺動可能である。カテーテル部分102はまた、好ましくは略円柱状の形状を有し、そしてカテーテルチューブ103の遠位端上に先端金具160を備える。
【0022】
ここで、本明細書にて用いられる用語「遠位」とは、内視鏡のような器具および装置の位置を表す用語であって、当該器具または装置を医師が使用する際に、当該器具または装置のうち、医師に遠い側の部分を指し、そして用語「近位」とは、器具および装置の位置を表す用語であって、当該器具または装置を医師が使用する際に、当該器具または装置のうち、医師に近い側の部分を指して言う。
【0023】
図1において、カテーテル部分102を構成するカテーテルチューブ103の近位端から延びるライトガイドは、接続プラグ104内の第1の接続端子106と接続している。そして、カテーテル部分102を構成するカテーテルチューブ103の近位端から延びるイメージガイドは、接続プラグ104内の第2の接続端子108と接続している。
【0024】
さらに、
図1に示される接続プラグ104では、カテーテルチューブ103の近位端が、イメージガイドおよびライトガイドの近位端とともに、内部が中空となるように成形された2つのカバー105,105’に収容されている。そして、第1の接続端子106および第2の接続端子108は、接続プラグ104の中空カバー105,105’から突出して略平行になるように配置されている。ここで、カテーテルチューブ103は、中空カバー105,105’に取り付けられた可撓性チューブ107内を貫通して、当該中空カバー105,105’内で収容かつ固定されている。可撓性チューブ107は、適度な弾性を備えている材料から構成されていることが好ましく、具体的な材料の例としては、シリコーンゴム、天然または合成ゴム、ポリイミド、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミドなどが挙げられる。
【0025】
(1.1軟性内視鏡の接続プラグ)
本発明の軟性内視鏡では、イメージガイドおよびライトガイドの少なくとも1つが接続プラグの中空カバー内で撓んで配置されている。
【0026】
図2は、
図1に示す軟性内視鏡のうち、接続プラグの内部構造を説明するための図であって、当該軟性内視鏡の一部切欠断面図である。
【0027】
図2に示すように、カテーテルチューブ103の近位端116は、カテーテル部分102から可撓性チューブ107を介して接続プラグ104の中空カバー105内に収容されている。中空カバー105の材料は、特に限定されないが、例えば、成形が容易であるとの理由から、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂、エポキシ樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウレタンなどの合成樹脂であることが好ましい。
【0028】
ここで、可撓性チューブ107を介して中空カバー105内に収容されたカテーテルチューブ103は、その外周の一部が中空カバー105内に設けられた、所定の長さを有するスロート部115内で固定されている。さらに、カテーテルチューブ103の近位端116は、中空カバー105内で終結しており、そしてカテーテルチューブ103の近位端116よりも近位側では、イメージガイド120およびライトガイド140がカテーテルチューブ103から露出し、それぞれが後述するような所定の方向に指向して分岐している。そして、分岐したイメージガイド120およびライトガイド140は2つのフェルール(すなわち、第2の接続端子108および第1の接続端子106)にそれぞれ接続されている。
【0029】
本発明の1つの実施形態では、イメージガイド120は、第2の接続端子108内を通って、その近位端121が第2の接続端子108の先端部112と略一致するようにして配置されている。ここで、イメージガイド120の近位端は第2の接続端子108内で接着されており、当該第2の接続端子108は、中空カバー105に設けられた端子配置部119で固定されている。これにより、イメージガイド120の近位端は中空カバー105によって固定されている。一方、ライトガイド140は、第1の接続端子106内を通って、その近位端141が第1の接続端子106の先端部110と略一致するようにして配置されている。ここで、ライトガイド140の近位端は第1の接続端子106内で接着されており、当該第1の接続端子106は、中空カバー105に設けられた端子配置部123で固定されている。これにより、ライドガイド140の近位端は中空カバー105によって固定されている。イメージガイド120およびライトガイド140の各近位端121,141が接続端子108,106内のこれらの位置にまで延びていることにより、接続端子108,106と、軟性内視鏡の接続プラグを通じて接続され得る中継器装置との間の接続ロス(例えば、光量の減衰)が低減され得る。
【0030】
さらに、これらの第1の接続端子106および第2の接続端子108では、それぞれに設けられたフェルールフランジ部117,121が中空カバー105の端子配置部119,123で係止されている。これにより、
図1に示す接続プラグ104の中空カバー105,105’から第1の接続端子106および第2の接続端子108が脱落することを防止することができる。
【0031】
再び
図2を参照すると、
図2に示す実施形態では、中空カバー105は、例えば円筒形の突起物である2つのボス152,154を有し、カテーテルチューブ103の近位端116から延びるイメージガイド120は、これらボス152,154を迂回して第2の接続端子108に指向している。ここで、イメージガイド120は、中空カバー105内において、ボス152,154の周囲およびボス152,154の間を、張力をかけて(すなわち、タイトに)配置されていない点に留意すべきである。むしろ、
図2において、イメージガイド120は、ボス152,154の周囲およびボス152,154の間を緩やかに(例えば、最短距離を上回る長さをもって)迂回して配置されている。
【0032】
本明細書中における用語「撓む」とは、本発明の軟性内視鏡を構成するイメージガイドおよび/またはライトガイドが、接続プラグ内において、このような張力をかけることなく充分な長さを持って緩やかに配置された状態を指して言う。
【0033】
本発明において、接続プラグ内でイメージガイドおよび/またはライトガイドのために設定される「撓み」の程度(例えば、長さ)は特に限定されず、例えば、中空カバーの大きさ、イメージガイドおよびライトガイドの軸径に応じて、当業者によって適宜選択され得る。
【0034】
上記のように、本発明では、可撓性チューブを介して中空カバー内に収容されるカテーテルチューブは中空カバー105内に設けられたスロート部115内で固定されている。これに対し、本発明では、イメージガイドおよびライトガイドが当該カテーテルチューブ内で摺動可能であり、そしてイメージガイドおよびライトガイドの少なくとも1つが、中空カバー内でこのような「撓み」をもって配置されている。これらにより、本発明の軟性内視鏡は、接続プラグを中継器装置に接続する際や軟性内視鏡を使用する際に、接続プラグ内のイメージガイドおよび/またはライトガイドに不用意な力の負荷がかけられたとしても、イメージガイドおよび/またはライトガイドは、接続プラグ内の「撓み」に応じて可撓性チューブ内を摺動することができ、接続プラグ内でイメージガイドおよび/またはライトガイドに過度の引張りまたは屈曲が起きることを回避し得る。その結果、イメージガイドまたはライトガイドを構成するファイバにかかる負荷が低減され、軟性内視鏡内のファイバの破損、ならびにそれに伴うイメージガイドおよびライトガイドの性能低下を防止することが可能となる。
【0035】
なお、
図2に示す実施形態では、中空カバー105内には、2つのボス152,154が設けられているが、当該ボスの数は限定されず、中空カバー内に少なくとも1つ設けられていることが好ましい。また、
図2に示すボス152は、カテーテルチューブ103の近位端からイメージガイド120およびライトガイド140が分岐するカテーテルチューブ103の近位端116よりも下流側(近位側)付近に設けられ、かつ当該分岐に対しイメージガイド120とライトガイド140の分離を妨げる方向、すなわち、点Aよりも近位側において、ボス152とライトガイド140との間にイメージガイド120が配置される方向に設けられている。ボス152がこのように配置されることにより、カテーテルチューブ103の近位端から延びるイメージガイド120およびライドガイド140が大きな角度で分岐して、イメージガイド120が過度に屈曲することや、カテーテルチューブ103の近位端を基点にして当該チューブが裂けることを防止する役割も果たす。
【0036】
図2に示す実施形態では、接続プラグ104の中空カバー105内で、上記のようにイメージガイド120が撓んで配置されているのに対し、ライトガイド140は略直線的に配置されている。本発明は、このような配置にのみ限定されない。例えば、イメージガイドおよびライトガイドは、接続プラグの中空カバー内で以下のように配置されていてもよい。
【0037】
図3は、本発明の軟性内視鏡を構成する接続プラグ内のイメージガイドおよびライトガイドの配置の他の例を説明するための模式断面図である。なお、
図3では、簡略化のため、軟性内視鏡のカテーテル部分およびカテーテルチューブの記載が省略されている。
【0038】
本発明では、
図3の(a)に示すように、接続プラグ104の中空カバー105内で、ボス152に対し、イメージガイド120およびライトガイド140はともに同一の方向(
図3の(a)中、ボス152の下方)を通っており、そしてボス154に対しては、イメージガイド120はボス154の上方を通りかつライトガイド140はボス154の下方を通って、第2の接続端子108および第1の接続端子106にそれぞれ接続されていてもよい。このような配置により、
図3の(a)では、イメージガイド120およびライトガイド140はともに中空カバー105内で撓んだ状態が形成されている。さらに、この配置において、可撓性チューブ107内では、イメージガイド120およびライトガイド140はいずれも固定されていない状態に保たれている。
【0039】
したがって、
図3の(a)に示す配置では、イメージガイド120およびライトガイド140は、接続プラグ104内の「撓み」に応じて可撓性チューブ107内をそれぞれが独立して摺動することができ、接続プラグ104内でイメージガイド120およびライトガイド140に過度の引張りまたは屈曲が起きることを回避し得る。
【0040】
あるいは、本発明では、
図3の(b)に示すように、接続プラグ104の中空カバー105内で、ボス152に対し、イメージガイド120およびライトガイド140はともに同一の方向(
図3の(b)中、ボス152の上方)を通っており、そしてボス154に対しては、イメージガイド120はボス154の上方を通りかつライトガイド140はボス154の下方を通って、第2の接続端子108および第1の接続端子106にそれぞれ接続されていてもよい。このような配置により、
図3の(b)では、イメージガイド120およびライトガイド140はともに中空カバー105内で撓んだ状態が形成されている。さらに、この配置において、可撓性チューブ107内では、イメージガイド120およびライトガイド140はいずれも固定されていない状態に保たれている。
【0041】
したがって、
図3の(b)に示す配置では、イメージガイド120およびライトガイド140は、接続プラグ104内の「撓み」に応じて可撓性チューブ107内をそれぞれが独立して摺動することができ、接続プラグ104内でイメージガイド120およびライトガイド140に過度の引張りまたは屈曲が起きることを回避し得る。
【0042】
あるいは、本発明では、
図3の(c)に示すように、接続プラグ104の中空カバー105内で、ボス152に対し、イメージガイド120およびライトガイド140はともに同一の方向(
図3の(c)中、ボス152の下方)を通っており、そしてボス154に対しては、イメージガイド120はボス154の下方を通りかつライトガイド140はボス154の上方を通って、それぞれ第2の接続端子108および第1の接続端子106に接続していてもよい。このような配置により、
図3の(c)では、ライトガイド140が中空カバー105内で撓んだ状態が形成されている。さらに、この配置において、可撓性チューブ107内では、イメージガイド120およびライトガイド140はいずれも固定されていない状態に保たれている。
【0043】
したがって、
図3の(c)に示す配置では、ライトガイド140は、接続プラグ104内の「撓み」に応じて可撓性チューブ107内を摺動することができ、接続プラグ104内でライトガイド140に過度の引張りまたは屈曲が起きることを回避し得る。
【0044】
上記のように、本発明においては、イメージガイド120およびライドガイド140は、
図2に示した配置の他、
図3の(a)〜(c)のいずれの配置を有していてもよい。ただし、後述のように、本発明の軟性内視鏡において、イメージガイド120が1本のイメージファイバから構成されており、かつライトガイド140が複数のライトファイバから構成されている場合は、
図2に示すような、接続プラグ104の中空カバー105内で、イメージガイド120が撓んで配置されており、かつライトガイド140が略直線的に配置されていることが好ましい。この配置では、ライドガイド140の長さが均一な複数のライトファイバの遠位端が、第1の接続端子106の先端部110に揃って到達することにより、各ライトファイバ内の光源と接続端子との間で生ずる光量のロスのばらつきを低減することができる。その結果、カテーテル部分の遠位端においてライトガイドから発せられる光量の減衰を防止し得る。一方で、イメージガイド120自体の破損を防止することもできる。
【0045】
さらに、
図2、
図3の(a)〜(c)に示した配置において、イメージガイド120および/またはライトガイド140の「撓み」は、中空カバー105の長さ方向および幅方向から構成される二次元領域(平面)上に形成されるものだけでなく、中空カバー105の長さ方向、幅方向および厚み方向から構成される三次元領域(空間)上に形成されるものであってもよい。したがって、
図2、
図3の(a)〜(c)において、イメージガイド120および/またはライトガイド140の「撓み」には、例えば、中空カバー105の厚み方向に向かって形成される場合も含まれる。
【0046】
図4は、
図1に示す軟性内視鏡を構成する接続プラグ104の拡大図であって、(a)は接続プラグ104の平面図であり、(b)は接続プラグ104の上面図であり、そして(c)は、(a)に示す接続プラグ104の一部拡大図である。なお、
図4の(a)および(b)では、軟性内視鏡のカテーテル部分の記載が省略されている。
【0047】
本発明の軟性内視鏡において、接続プラグは、中空カバーから突出する第1の接続端子の先端部と第2の接続端子の先端部との間に段差を有していることが好ましい。
【0048】
例えば、
図4の(a)に示すように、接続プラグ104において、(
図2のライトガイド140から延びる)第1の接続端子106は第1のドーム状突起125を介して中空カバー105から突出するように設けられており、そして(
図2のイメージガイド120から延びる)第2の接続端子108は第2のドーム状突起127を介して中空カバー105から突出するように設けられている。
【0049】
図4の(a)に示す実施形態では、接続プラグ104に設けられる第2の接続端子108の先端部112が、第1の接続端子106の先端部110よりも突出するように記載されている。すなわち、本発明においては、接続プラグ104に設けられる第1の接続端子106の先端部110と、第2の接続端子108の先端部112との間に、好ましくは所定の段差t
1が設けられている。段差t
1の長さ(例えば、mm)自体は必ずしも限定されないが、
図4の(a)に示す実施形態では、第2の接続端子108の基端部111と、第1の接続端子106の先端部110との間に段差t
2を生じ、当該段差t
2がt
2>0の関係式を満たす(すなわち、第2の接続端子108の基端部が第1の接続端子106の先端部110よりも近位側に位置する)ような長さ(例えば、mm)を有するように設計されていることが好ましい。このような段差t
2を有していることにより、中継器装置の受入口に対し、第1の接続端子106および第2の接続端子108が互いに誤って挿入されたとしても、接続プラグ104が中継器装置の内部まで充分に入らないこととなり、簡単に誤接続に気付くことが可能となる。
【0050】
本発明の軟性内視鏡を構成する接続プラグ104はまた、
図4の(b)に示すように、ライトガイドの第1の接続端子106とイメージガイドの第2の接続端子108との配置方向(すなわち、第1の接続端子106と第2の接続端子108との軸方向)に直交する方向に延びるフランジ114を備えることが好ましい。当該フランジ114を付勢するロック機構を中継器装置に設けることにより、中継器装置と接続プラグ104と着脱を一層容易にすることができるからである。なお、
図4の(b)では、中空カバー105,105’のそれぞれに1つのフランジ104が設けられているが、本発明はこの構成に必ずしも限定されない。例えば、フランジ104は、中空カバー105,105’のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。
【0051】
図5は、
図4に示す軟性内視鏡を構成する接続プラグの一部拡大図である。
図5の(a)は、
図4の(a)に示す接続プラグの一部拡大図であり、そして
図5の(b)は
図4の(b)に示す接続プラグの一部拡大図である。
【0052】
本発明の軟性内視鏡を構成する接続プラグ104は、中継器装置の受入口に対して第1の接続端子106および第2の接続端子108が互いに誤って挿入されることを回避するために、例えば、以下の(1)〜(3)の少なくとも1つを満たすように設計されていることが好ましい。
【0053】
(1)
図5の(a)を用いて説明すると、接続プラグ104は、第2の接続端子108の先端部112が、第1の接続端子106の先端部110よりも突出する場合、第2の接続端子108の軸径W
p2が第1の接続端子106の軸径W
p1よりも大きくなる(W
p2>W
p1)ように設計されていてもよい。W
p2>W
p1を満たすことにより、仮に、第2の接続端子108を、第1の接続端子106に対応する中継器装置の受入口に挿入しようとしても、当該軸径の相違によって挿入自体が困難となるからである。
【0054】
(2)
図5の(a)を用いて説明すると、接続プラグ104は、第2の接続端子108の軸長さL
2が第1の接続端子106の軸長さL
1よりも大きくなる(L
2>L
1)ように設計されていてもよい。ここで、第1の接続端子106の軸長さL
1とは、第1の接続端子106の基端部113から先端部110までの軸方向の長さ(最短距離)を言い、そして第2の接続端子108の軸長さL
2とは、第2の接続端子108の基端部111から先端部112までの軸方向の長さ(最短距離)を言う。L
2>L
1を満たすことにより、仮に、第2の接続端子108を、第1の接続端子106に対応する中継器装置の受入口に挿入しようとしても、当該軸長さの相違によって、第2の接続端子108は中継器装置の受入口に完全に挿入することが困難となる。
【0055】
(3)
図5の(b)を用いて説明すると、接続プラグ104は、中空カバー105,105’により構成される第2の接続端子108側の厚みW
d2が、当該中空カバー105,105’により構成される第1の接続端子106側の厚みW
d1よりも大きくなる(W
d2>W
d1)ように設計されていてもよい。W
d2>W
d1を満たすことにより、仮に、第2の接続端子108を第1の接続端子106に対応する中継器装置の受入口に挿入しようとしても、接続端子を包囲する中空カバー105、105’によって構成される厚み(W
d2およびW
d1)の相違によって挿入自体が困難となるからである。
【0056】
接続プラグにおいて上記(1)〜(3)のような設計が採用されることにより、本発明の軟性内視鏡では、接続プラグの接続端子を中継器装置に対して誤って挿入することを容易に回避することができる。
【0057】
さらに、
図4の(a)に示す実施形態に関して、接続プラグ104が、仮に中継器装置の受入口に対して第1の接続端子106および第2の接続端子108が互いに誤って挿入されることがあったとしても、誤って挿入された第2の接続端子108の先端部112が、第1の接続端子106との接続のために設けられている中継器装置内の部品に突き当たることにより、当該部品を破損する可能性を予め取り除いておくことが好ましい。この点について、
図6を用いて説明する。
【0058】
1つの好ましい実施形態では、接続プラグ104が、接続に際し、中継器装置の受入口に、接続プラグ104の最も先端部(第2の接続端子108の先端部112)からフランジ114の接続端子側の基端部114aまでの最短距離D
maxの範囲まで挿入するように設計されている場合、第2の接続端子108の軸長さL
2と第2のドーム状突起127のドーム高さH
2との合計W
i2が、接続プラグ104を第2の接続端子108の軸方向に沿って上記D
maxの深さにまで中継器装置の受入口に挿入した際に生じる境界線C
Lと第1の接続端子106の先端部110との最短距離D
1よりも小さく(W
i2<D
1)なるように設計されていることが好ましい。W
i2<D
1を満たすことにより、仮に、第2の接続端子108が、第1の接続端子106に対応する中継器装置の受入口に誤って挿入されたとしても、第2の接続端子108の先端部112は、中継器装置内で第1の接続端子の先端部との当接のために設けられた部品にまで到達する(すなわち、接触する)ことができず、当該誤った挿入によって、第2の接続端子108の先端部112および中継器装置内の部品が汚損または破損する可能性が排除され得る。
【0059】
あるいは、1つの好ましい実施形態では、第2の接続端子108の軸長さL
2と第2のドーム状突起127のドーム高さH
2との合計W
i2が、第1の接続端子106の軸長さL
1と第1のドーム状突起125のドーム高さH
1との合計W
i1よりも小さく(W
i2<W
i1)なるように設計されていることが好ましい。W
i2<W
i1を満たすことにより、この場合もまた、中継器装置の受入口で誤った挿入がなされたとしても、第2の接続端子108の先端部112は、中継器装置内で第1の接続端子の先端部との当接のために設けられた部品にまで到達する(すなわち、接触する)ことができず、当該誤った挿入によって中継器装置内の部品が破損する可能性が排除され得る。
【0060】
(1.2軟性内視鏡のカテーテル部分)
図1に示す本発明の軟性内視鏡100において、カテーテル部分102の長さは特に限定されないが、好ましくは、1000mm〜2500mm、より好ましくは1200mm〜2300mmであるように設計されている。これに対し、カテーテル部分102の平均外径は、好ましくは0.3mm〜3mmであり、より好ましくは0.5mm〜2mmである。
【0061】
図7は、
図1に示す軟性内視鏡を構成するカテーテル部分102の長さ方向の断面図であって、(a)は、
図1中の符号Aによって示される範囲の、カテーテル部分102の中間部分の断面図であり、そして(b)は、
図1中の符号Bによって示される範囲の、カテーテル部分102の遠位端部分の断面図である。
【0062】
本発明の1つの実施形態によれば、カテーテル部分102の中間部分では、
図7の(a)に示すようにカテーテルチューブ103内にイメージガイド120およびライトガイド140が、互いに接着されることなく配置されている。
【0063】
カテーテルチューブ103は、ポリイミド、フッ素系樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン、ポリウレタン、ポリプロピレン、塩化ビニルなどの材料で構成されており、好ましくは0.1mm〜3mm、より好ましくは0.2mm〜0.7mmの平均内径を有する。
【0064】
イメージガイド120は、例えば、長軸かつ略円柱状の1本のイメージファイバから構成されている。当該イメージファイバの具体例としては、画像伝送用ファイバとして公知のもの(例えば、好ましくは8000本〜20000本のグラスファイバを規則的に配列して束ねたもの、または束ねかつ接着したもの、またはそれらを延伸したものが挙げられる。イメージガイド120の平均外径は、好ましくは0.05mm〜1mmであり、より好ましくは0.1mm〜0.5mmである。
【0065】
ライトガイド140は、例えば、長軸かつ略円柱状の、複数のライトファイバから構成されている。当該ライトファイバの具体例としては、照明用ファイバとして公知のものが挙げられる。各ライトファイバの平均外径は、好ましくは0.001mm〜1mmであり、より好ましくは0.01mm〜0.1mmである。このようなライトファイバは、例えば、ライトガイド140の中間部分(すなわち、ライトガイド140のうち、遠位端近傍および近位端近傍の各部分を除いた部分)では、互いに接着されていない状態に保持されている。ライトガイド140はまた、当該ライトファイバを好ましくは1本〜100本、より好ましくは10本〜50本含む。なお、
図7の(a)では、ライトガイド140は、ライトファイバ140A,140B,140C,140Dおよび140Eから構成されており、イメージガイド120と間隔をあけて配置されているように記載されているが、これに限定されない。例えば、ライトガイド140を構成するライトファイバ140A,140B,140C,140Dおよび140Eは、イメージファイバ120の周囲に分散して、例えば円周状に配置されていてもよい。
【0066】
本発明の1つの実施形態によれば、カテーテル部分の遠位端部分において、イメージガイド120およびライトガイド140は、カテーテルチューブ103ならびに後述する鏡筒171およびレンズ172とともに、例えばエポキシ系接着剤のような接着材料170によって接着されている(
図7の(b))。
【0067】
このように、本発明では、イメージガイド120およびライトガイド140は、遠位端および近位端のそれぞれにおいて、互いに接着または固定されていることにより一体化されている一方で、中間部分では、イメージガイド120およびライドガイド140は互いに接着されておらず、それぞれ独立して湾曲することが可能である。これにより、カテーテル部分の長軸方向にかかる応力を分散することができる。
【0068】
さらに、本発明の1つの実施形態によれば、カテーテル部分の遠位端部分では、
図7の(b)に示すようにカテーテルチューブ103の外周に先端金具160が設けられていてもよい。先端金具160は、カテーテルチューブ103の遠位端が貫通し、かつ当該遠位端の外周面と密着した第1の貫通孔162を有する。先端金具160はまた、外周の一部に隆起部分164を有し、かつ隆起部分164において、当該第1の貫通孔162と略平行に設けられた第2の貫通孔166を備える。第2の貫通孔166は、本発明の軟性内視鏡と一緒に使用され得るガイドワイヤ(図示せず)を通すために使用される。第1の貫通孔162の平均内径は、例えば、使用するカテーテルチューブ103の平均外径と一致するサイズが選択され得る。第2の貫通孔166の平均内径は、特に限定されず、使用するガイドワイヤの平均内径を考慮して、当該ガイドワイヤの貫通および移動を妨げないサイズが選択され得る。先端金具160は、例えば、ステンレス、アルミニウム合金、プラチナ系合金、チタン、金などの金属、またはセラミックスなどの材料から構成されている。
【0069】
カテーテル部分102の遠位端部分では、イメージガイド140の先端部(遠位端)には、必要に応じてレンズ172が設けられている。さらに、イメージガイド140およびレンズ172は、当該遠位部分に充分な強度を提供するために、軸方向に沿って鏡筒171で包囲されていてもよい。一方、
図7の(b)では、ライトガイド140は、ライトファイバ140A,140B,140C,140Dおよび140Eから構成されており、イメージガイド120と間隔をあけて配置されているように記載されているが、これに限定されない。例えば、ライトガイド140を構成するライトファイバ140A,140B,140C,140Dおよび140Eは、イメージファイバ120の周囲に分散して配置されていてもよい。
【0070】
本発明の軟性内視鏡は、上記のような接続プラグおよびカテーテル部分を含み、例えば、血管内視鏡、尿管鏡、または卵管鏡として使用され得る。本発明の軟性内視鏡は、血管内視鏡であることが好ましい。
【0071】
(2.内視鏡システム)
図8は、
図1に示す本発明の軟性内視鏡を、中継器装置および医療用コンソールに接続した内視鏡システムの一例を示す図である。
【0072】
図8に示すように、本発明の軟性内視鏡100は、接続プラグを介して中継器装置200に接続される。さらに中継器装置200はケーブル320を介して医療用コンソール300に接続される。このようにして、内視鏡システム400が構築される。
【0073】
本発明において、内視鏡システム400は、医師が軟性内視鏡100のカテーテル部分102を、例えば患者の血管内を通じて所望の位置にまで移動させ、中継器装置200を用いてカテーテル部分102の遠位端から得られた患部の画像を医療用コンソール300のディスプレイ340に表示することができる。この際、医師は、中継器装置200に設けられた操作ボタンを通じて、ディスプレイに表示された画像の拡大および縮小、明るさの調整、ならびに画像の録画またはその停止、あるいは録画画像の再生などを医療用コンソールに指示することが可能となる。
【0074】
なお、上記では、中継器装置200と医療用コンソール300とがケーブル320を介して接続される例について説明したが、本発明はこのような実施形態にのみ限定されるものではない。例えば、中継器装置の構成部品が、上記ケーブル320を介することなく、コンソール内に直接組み込まれ、全体として1つのコンソール装置を形成されているものであってもよい。すなわち、このようなコンソール装置もまた、本発明の軟性内視鏡とともに内視鏡システムを構成し得る。この場合、軟性内視鏡の接続プラグは、コンソール装置内に設けられた受入口を介して当該コンソール装置と接続される。