特許第6706250号(P6706250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6706250
(24)【登録日】2020年5月19日
(45)【発行日】2020年6月3日
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 211/58 20060101AFI20200525BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 498/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 215/42 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 413/06 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 409/06 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 495/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20200525BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20200525BHJP
   C07F 5/02 20060101ALI20200525BHJP
   C07F 9/09 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/437 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/444 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/501 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/455 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/69 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4412 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4706 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4468 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/517 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/4535 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/675 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20200525BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20200525BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200525BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20200525BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20200525BHJP
【FI】
   C07D211/58CSP
   C07D471/04 106Z
   C07D471/04 106C
   C07D498/04 105
   C07D513/04 343
   C07D215/42
   C07D401/12
   C07D409/12
   C07D417/12
   C07D405/06
   C07D413/06
   C07D401/06
   C07D417/06
   C07D471/04 114
   C07D401/14
   C07D471/04 107E
   C07D409/06
   C07D471/04 101
   C07D417/14
   C07D471/04 108E
   C07D413/14
   C07D471/04 108A
   C07D405/14
   C07D401/04
   C07D471/04 104Z
   C07D487/04 146
   C07D487/04 144
   C07D495/04 105A
   C07D409/04
   C07D519/00 311
   C07F5/02 D
   C07F9/09 K
   A61K31/437
   A61K31/444
   A61K31/498
   A61K31/501
   A61K31/506
   A61K31/455
   A61K31/69
   A61K31/4412
   A61K31/4706
   A61K31/4709
   A61K31/4375
   A61K31/4468
   A61K31/5377
   A61K31/517
   A61K31/4545
   A61K31/454
   A61K31/4535
   A61K31/675
   A61K31/519
   A61K31/5025
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P3/00
【請求項の数】14
【全頁数】223
(21)【出願番号】特願2017-514141(P2017-514141)
(86)(22)【出願日】2016年4月19日
(86)【国際出願番号】JP2016062418
(87)【国際公開番号】WO2016171142
(87)【国際公開日】20161027
【審査請求日】2019年4月15日
(31)【優先権主張番号】特願2015-86195(P2015-86195)
(32)【優先日】2015年4月20日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 恭臣
(72)【発明者】
【氏名】小島 拓人
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 修
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ツーチン
(72)【発明者】
【氏名】平田 泰啓
(72)【発明者】
【氏名】岩村 直輝
(72)【発明者】
【氏名】齊▲藤▼ 文内
(72)【発明者】
【氏名】田中 雄太
(72)【発明者】
【氏名】荒井 良介
(72)【発明者】
【氏名】今村 真一
(72)【発明者】
【氏名】米森 和子
(72)【発明者】
【氏名】宮本 泰史
(72)【発明者】
【氏名】北村 周治
(72)【発明者】
【氏名】佐野 修
【審査官】 早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/038841(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/072643(WO,A1)
【文献】 特表2008−515987(JP,A)
【文献】 特表2010−513456(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 211/58
C07D 215/42
C07D 401/04
C07D 401/06
C07D 401/12
C07D 401/14
C07D 405/06
C07D 405/14
C07D 409/04
C07D 409/06
C07D 409/12
C07D 413/06
C07D 413/14
C07D 417/06
C07D 417/12
C07D 417/14
C07D 471/04
C07D 487/04
C07D 495/04
C07D 498/04
C07D 513/04
C07D 519/00
C07F 5/02
C07F 9/09
A61K 31/437〜69
A61P 3/00
A61P 35/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、
Ar環は、さらに置換されていてもよい芳香族複素環またはさらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環を示し;
A環は、さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環またはさらに置換されていてもよい複素環を示し;
は、置換されていてもよいC6−14アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよい複素環基を示し
(ただし、Rが置換されていてもよい複素環基である場合、Rは式
【化2】

(式中、B環は、さらに置換されていてもよい複素環を示し、
【化3】

は、単結合または二重結合を示す。)、または式
【化4】

(式中、D環は、さらに置換されていてもよい含窒素複素環を示す。)を示す。)、
は、水素原子を示すか、あるいは
およびRは、互いに結合して、置換されていてもよい5−6員芳香族複素環または置換されていてもよいベンゼン環を形成する。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(5)C3−10シクロアルキル基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、
(8)C3−10シクロアルキルオキシ基、
(9)C1−6アルキル−カルボニル基、
(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(11)アミノ基、
(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、
(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基、
(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、
(15)5ないし14員芳香族複素環基、および
(16)C1−6アルキルスルホニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環、または、
(II)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)C3−10シクロアルキル基、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、
(7)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基、および
(8)C1−6アルキルスルホニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環、または
(II)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(3)C3−10シクロアルキル基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基、
(11)5ないし14員芳香族複素環基、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基、
(13)C1−6アルキルスルホニル基、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環であり;
が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、および
(3)C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(II)C3−10シクロアルキル基であるか、または
(III)
(1)式:
【化5】

で示される、1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい、ピラゾリル、チエニルおよびピリジルから選ばれる複素環基、若しくは
(2)式:
【化6】

で示される、ピラゾ−ル−1−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−1−イルおよびピペリジニルから選ばれる含窒素複素環基
のいずれかで示される、置換されていてもよい複素環基であり;
が、水素原子であるか;あるいは、
およびRが、互いに結合して、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(3)C7−20アルキル基、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、
(7)C3−10シクロアルキル基、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、
(13)アミノ−C1−6アルキル基、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環、または、
(II)1個のハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン環、を形成する、
請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
は、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基および(3)C1−6アルコキシ基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
は、水素原子であるか、あるいは
およびRは、互いに結合して、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C7−20アルキル基、(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、(7)C3−10シクロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、(9)3ないし14員非芳香族複素環基、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、(13)アミノ−C1−6アルキル基、(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環を形成する、
請求項2記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
Ar環は、(1)ハロゲン原子、(2)シアノ基、(3)ヒドロキシ基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(5)C3−10シクロアルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、(8)C3−10シクロアルキルオキシ基、(9)C1−6アルキル−カルボニル基、(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基、(11)アミノ基、(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基、(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、(15)5ないし14員芳香族複素環基、および(16)C1−6アルキルスルホニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環を示す、
請求項2記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
(I)A環は、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C3−10シクロアルキル基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基、(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基、(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基、(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基、(11)5ないし14員芳香族複素環基、(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基、(13)C1−6アルキルスルホニル基、および(14)C1−6アルキルスルファニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環を示し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基および(3)C1−6アルコキシ基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
は、水素原子を示す、または
(II)A環は、(1)ハロゲン原子、(2)シアノ基、(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、および(5)C1−6アルキルスルホニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環を示し、
およびRは、互いに結合して、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C7−20アルキル基、(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、(7)C3−10シクロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、(9)3ないし14員非芳香族複素環基、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、(13)アミノ−C1−6アルキル基、(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κ2N(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環を形成する、
請求項4記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドまたはその塩。
【請求項7】
N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドまたはその塩。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか1項記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
【請求項9】
SPT阻害薬である、請求項8記載の医薬。
【請求項10】
癌の予防または治療剤である、請求項8記載の医薬。
【請求項11】
ニーマンピック病の予防または治療剤である、請求項8記載の医薬。
【請求項12】
SPT阻害薬を製造するための、請求項1〜7の何れか1項記載の化合物またはその塩の使用。
【請求項13】
癌の予防・治療剤を製造するための、請求項1〜7の何れか1項記載の化合物またはその塩の使用。
【請求項14】
ニーマンピック病の予防・治療剤を製造するための、請求項1〜7の何れか1項記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(Serine palmitoyltransferase(以下、「SPT」と略記する場合がある))に対する阻害作用を有し得る新規な化合物またはその塩に関する。さらに本発明は、該化合物またはその塩を含有してなる、癌、およびニーマンピック病を含むスフィンゴ脂質蓄積を伴う先天性疾患等を含むSPT関連疾患の予防または治療のための有用であり得る医薬に関する。
【0002】
[発明の背景]
SPTは、L−セリンとパルミトイル補酵素Aとを縮合して3−ケトジヒドロスフィンゴシンを合成する反応を触媒する酵素であり、スフィンゴ脂質の生合成に関与する。SPTは、複数のサブユニットから構成される。SPTのサブユニットとしては、SPT1(SPTLC1とも称される)、SPT2(SPTLC2とも称される)およびSPT3(SPTLC3とも称される)の3種類が知られている。サブユニットの複合体としてのSPTには、SPT1およびSPT2のサブユニットからなる複合体およびSPT1およびSPT3のサブユニットからなる複合体が知られている。
スフィンゴ脂質には、セラミド、スフィンゴミエリン、ガングリオシドなどが含まれる。スフィンゴ脂質は細胞膜の構成成分であり、膜の恒常性維持やシグナル伝達に重要な役割を果たすとともに、様々な生理活性を有することが知られている。SPTに対する阻害作用を有するミリオシンは、活性化リンパ球の増殖を阻害することや、マウス黒色腫細胞株の増殖を阻害すること、さらにマウス黒色腫腫瘍モデルにおける抗腫瘍効果を示すことが知られている(非特許文献1)。
またこれまでに、抗腫瘍効果を有する化合物として、特許文献1ないし6に記載された化合物などが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2010/032856号パンフレット
【特許文献2】国際公開WO2009/072643号パンフレット
【特許文献3】国際公開WO2008/038841号パンフレット
【特許文献4】国際公開WO2013/033270号パンフレット
【特許文献5】国際公開WO2012/013716号パンフレット
【特許文献6】国際公開WO2001/036403号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Cancer Biology & Therapy 2012、13:92−100
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、優れたSPT阻害作用を有し、医薬品として十分満足できる化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行ったところ、下記の式で表される化合物がSPTを阻害する活性を有し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は少なくとも下記発明に関する:
【0007】
[1] 式:
【化1】

[式中、
Ar環は、さらに置換されていてもよい芳香族複素環またはさらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環を示し;
A環は、さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環またはさらに置換されていてもよい複素環を示し;
は、置換されていてもよいC6−14アリール基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基または置換されていてもよい複素環基を示し
(ただし、Rが置換されていてもよい複素環基である場合、Rは式
【化2】

(式中、B環は、さらに置換されていてもよい複素環を示し、
【化3】

は、単結合または二重結合を示す。)、または式
【化4】

(式中、D環は、さらに置換されていてもよい含窒素複素環を示す。)を示す。)、
は、水素原子を示すか、あるいは
およびRは、互いに結合して、置換されていてもよい5−6員芳香族複素環または置換されていてもよいベンゼン環を形成する。]
で表される化合物またはその塩(本明細書中、「化合物(I)」と略記する場合がある)。
[2] Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(5)C3−10シクロアルキル基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、
(8)C3−10シクロアルキルオキシ基、
(9)C1−6アルキル−カルボニル基、
(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(11)アミノ基、
(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、
(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基、
(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、
(15)5ないし14員芳香族複素環基、および
(16)C1−6アルキルスルホニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環、または、
(II)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)C3−10シクロアルキル基、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、
(7)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基、および
(8)C1−6アルキルスルホニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環、または
(II)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(3)C3−10シクロアルキル基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基、
(11)5ないし14員芳香族複素環基、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基、
(13)C1−6アルキルスルホニル基、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環であり;
が、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、および
(3)C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基、
(II)C3−10シクロアルキル基であるか、または
(III)
(1)式:
【化5】

で示される、1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい、ピラゾリル、チエニルおよびピリジルから選ばれる複素環基、若しくは
(2)式:
【化6】

で示される、ピラゾ−ル−1−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−1−イルおよびピペリジニルから選ばれる含窒素複素環基
のいずれかで示される、置換されていてもよい複素環基であり;
が、水素原子であるか;あるいは、
およびRが、互いに結合して、
(I)(1)ハロゲン原子、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(3)C7−20アルキル基、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、
(7)C3−10シクロアルキル基、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、
(13)アミノ−C1−6アルキル基、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環、または、
(II)1個のハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン環、を形成する、
上記[1]記載の化合物またはその塩。
[3] Rは、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基および(3)C1−6アルコキシ基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
は、水素原子であるか、あるいは
およびRは、互いに結合して、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C7−20アルキル基、(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、(7)C3−10シクロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、(9)3ないし14員非芳香族複素環基、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、(13)アミノ−C1−6アルキル基、(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環を形成する、
上記[1]または[2]記載の化合物またはその塩。
[4] Ar環は、(1)ハロゲン原子、(2)シアノ基、(3)ヒドロキシ基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(5)C3−10シクロアルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、(8)C3−10シクロアルキルオキシ基、(9)C1−6アルキル−カルボニル基、(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基、(11)アミノ基、(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基、(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基、(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基、(15)5ないし14員芳香族複素環基、および(16)C1−6アルキルスルホニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環を示す、
上記[1]または[3]記載の化合物またはその塩。
[5] (I)A環は、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C3−10シクロアルキル基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基、(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基、(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基、(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基、(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基、(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基、(11)5ないし14員芳香族複素環基、(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基、(13)C1−6アルキルスルホニル基、および(14)C1−6アルキルスルファニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環を示し、
は、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基および(3)C1−6アルコキシ基、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基を示し、
は、水素原子を示す、または
(II)A環は、(1)ハロゲン原子、(2)シアノ基、(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、および(5)C1−6アルキルスルホニル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環を示し、
およびRは、互いに結合して、(1)ハロゲン原子、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、(3)C7−20アルキル基、(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基、(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基、(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基、(7)C3−10シクロアルキル基、(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基、(9)3ないし14員非芳香族複素環基、(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基、(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基、(12)カルバモイル−C1−6アルキル基、(13)アミノ−C1−6アルキル基、(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基、および(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κ2N(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環を形成する、
上記[1]ないし[4]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[6] N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミドまたはその塩。
[7] N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミドまたはその塩。
[8] 上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩を含有してなる医薬。
[9] SPT阻害薬である、上記[8]記載の医薬。
[10] 癌の予防または治療剤である、上記[8]または[9]記載の医薬。
[11] ニーマンピック病の予防または治療剤である、上記[8]または[9]記載の医薬。
[12] 哺乳動物に対し、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるSPTの阻害方法。
[13] 哺乳動物に対し、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物における癌の予防または治療方法。
[14] 哺乳動物に対し、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるニーマンピック病の予防または治療方法。
[15] 癌の予防・治療に使用するための、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[16] ニーマンピック病の予防・治療に使用するための、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
[17] 癌の予防・治療剤を製造するための、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩の使用。
[18] ニーマンピック病の予防・治療剤を製造するための、上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明化合物または医薬は、SPTに対する優れた阻害作用を有し得る。したがって、本発明化合物または医薬は、SPT阻害剤として使用することができ得、SPTにより影響される可能性のある疾患、例えば、癌の予防剤または治療剤として有用であり得る。
【0009】
(発明の詳細な説明)
以下、本発明化合物、これらの製造方法および用途について詳細に説明する。
【0010】
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2―ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニルが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC3−10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。
本明細書中、「C7−16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
【0011】
本明細書中、「C1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、3−メチルブタノイル、2−メチルブタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリール−カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C7−16アラルキル−カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0012】
本明細書中、「モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4−トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルが挙げられる。
【0013】
本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基が挙げられる。
【0014】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(7)C6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシ)、
(13)C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6−14アリール−カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基 、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基 、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
(26)C6−14アリール−カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(30)C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、
(35)C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、
(39)C6−14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルフィニル基、
(42)C6−14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ)、
(46)モノ−またはジ−C6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1−6アルキル)(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、
(52)C6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7−16アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(58)C2−6アルケニル基、
(59)C2−6アルキニル基、
(60)C3−10シクロアルキル基、
(61)C3−10シクロアルケニル基、及び
(62)C6−14アリール基。
【0015】
「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0016】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0017】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3−b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H−キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
【0018】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0019】
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素−スルホニル基、複素環−スルホニル基、炭化水素−スルフィニル基、複素環−スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素−スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環−スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素−スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環−スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1−6アルキル−カルボニル基、C2−6アルケニル−カルボニル基(例、クロトノイル)、C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3−10シクロアルケニル−カルボニル基(例、2−シクロヘキセンカルボニル)、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1−6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0020】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル基およびC6−14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ−またはジ−C2−6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ−またはジ−C6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ−またはジ−C7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル)−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ−またはジ−3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、(C1−6アルキル)(C6−14アリール−カルボニル)アミノ基(例、N−ベンゾイル−N−メチルアミノ)が挙げられる。
【0021】
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
【0022】
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
【0023】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N−エチル−N−メチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
【0024】
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル基およびC6−14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ)、C3−10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C7−16アラルキル−カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、tert−ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C7−16アラルキル−カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
【0025】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(−SH)基、C1−6アルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2−ブテニルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオ)、C3−10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7−16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1−6アルキル−カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6−14アリール−カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
【0026】
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基およびC7−16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ−C1−6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキレン基」としては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(C)−、−CH(C)−、−CH(CH(CH)−、−(CH(CH))−、−CH−CH(CH)−、−CH(CH)−CH−、−CH−CH−C(CH−、−C(CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−C(CH−、−C(CH−CH−CH−CH−が挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルケニレン基」としては、例えば、−CH=CH−、−CH−CH=CH−、−CH=CH−CH−、−C(CH−CH=CH−、−CH=CH−C(CH−、−CH−CH=CH−CH−、−CH−CH−CH=CH−、−CH=CH−CH−CH−、−CH=CH−CH=CH−、−CH=CH−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH=CH−が挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルキニレン基」としては、例えば、−C≡C−、−CH−C≡C−、−C≡C−CH−、−C(CH−C≡C−、−C≡C−C(CH−、−CH−C≡C−CH−、−CH−CH−C≡C−、−C≡C−CH−CH−、−C≡C−C≡C−、−C≡C−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−C≡C−が挙げられる。
【0027】
本明細書中、「炭化水素環」としては、例えば、C6−14芳香族炭化水素環、C3−10シクロアルカン、C3−10シクロアルケンが挙げられる。
本明細書中、「C6−14芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルケン」としては、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0028】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の好適な例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5ないし6員単環式芳香族複素環;
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3−b]チオフェン、フェノキサチイン、インド−ル、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0029】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の好適な例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパニン、ジアゼパン、アゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;
ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3−b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H−キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ−β−カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
【0030】
本明細書中、「C7−20アルキル基」としては、例えば、ヘプチル、オクチル、デシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルが挙げられる。
【0031】
以下、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
【0032】
Ar環で示される「さらに置換されていてもよい芳香族複素環」の「芳香族複素環」としては、キノキサリン、ピリジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、またはトリアゾロピリジンが好ましい。
Ar環で示される「さらに置換されていてもよい芳香族複素環」の「芳香族複素環」としては、キノキサリン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、またはトリアゾロピリジンがより好ましい。
Ar環で示される「さらに置換されていてもよい芳香族複素環」の「芳香族複素環」としては、キノキサリン、イミダゾピリジンがさらに好ましい。
別の態様では、Ar環で示される「さらに置換されていてもよい芳香族複素環」の「芳香族複素環」としては、ピリジン、フラン、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾピリジン、キノキサリンが好ましく、ピリジンがより好ましい。
Ar環で示される「さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環」の「C6−14芳香族炭化水素環」としては、ベンゼンまたはナフタレンが好ましく、ベンゼンがより好ましい。
Ar環は、好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、
(5)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、()メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、イソプロポキシ)、
(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(8)C3−10シクロアルキルオキシ基(特に、シクロヘキシルオキシ)、
(9)C1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチル)、
(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基(特に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(11)アミノ基、
(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、メチルアミノ、ジメチルアミノ)、
(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(特に、アセチルアミノ)、
(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基(特に、シクロプロピルカルボニルアミノ、ジ(シクロプロピルカルボニル)アミノ)、
(15)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
および
(16)C1−6アルキルスルホニル基(特に、イソプロピルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、キノキサリン、ピリジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、トリアゾロピリジン)、または、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、
(4)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(7)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基(特に、メチル−1,2,4−オキサジアゾリル)、および
(8)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)である。
【0033】
Ar環は、より好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)C1−6アルキル基(特に、メチル)、
(5)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、()メトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(7)C1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチル)、
(8)C1−6アルコキシ−カルボニル基(特に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(9)アミノ基、
(10)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(11)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(特に、アセチルアミノ)、
(12)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基(特に、シクロプロピルカルボニルアミノ、ジ(シクロプロピルカルボニル)アミノ)、
(13)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、および
(14)C1−6アルキルスルホニル基(特に、イソプロピルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、キノキサリン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、トリアゾロピリジン)または、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル)、
(4)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ)、および
(6)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)である。
【0034】
Ar環は、さらに好ましくは、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)
(2)C1−6アルキル基(特に、メチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい8ないし14員縮合2環式芳香族複素環(特に、キノキサリン、イミダゾピリジン)である。
【0035】
A環で示される「さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環」の「C6−14芳香族炭化水素環」としては、ベンゼン、ナフタレンが好ましく、特にベンゼンが好ましい。
A環で示される「さらに置換されていてもよい複素環」の「複素環」としては、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジンが好ましい。
A環で示される「さらに置換されていてもよい複素環」の「複素環」としては、ピラゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラジンがより好ましく、ピリジン、ピラゾールがさらに好ましい。
別の態様では、A環で示される「さらに置換されていてもよい複素環」の「複素環」としては、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフランがより好ましい。
A環は、好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)オキソ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(4)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(6)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(7)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(10)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(11)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(12)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(13)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(14)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(15)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環(特に、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジン)である。
【0036】
A環は、より好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(3)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(11)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(13)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラジン)、または、
(III)(1)C1−6アルキル基(特に、メチル)、および
(2)オキソ基
から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環(特に、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジン)
である。
【0037】
A環は、さらに好ましくは、ハロゲン原子(特に、塩素原子)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、およびハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、エトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジンまたはピラゾール)である。
【0038】
は、好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)、
(II)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)であるか、または
(III)
(1)式:
【化5】

で示される、1ないし3個のC1−6アルキル基(特に、メチル)で置換されていてもよい、ピラゾリル(特に、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル)、チエニル(特に、チオフェン−2−イル)およびピリジル(特に、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル)から選ばれる複素環基、若しくは
(2)式:
【化6】

で示される、ピラゾ−ル−1−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−1−イルおよびピペリジニルから選ばれる含窒素複素環基
のいずれかで示される、置換されていてもよい複素環基である。
【0039】
は、より好ましくは、1ないし3個(特に、1個)のハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニルである。
【0040】
は、好ましくは水素原子である。
【0041】
別の態様では、Ar環は、より好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(3)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(4)C3−10シクロアルキルオキシ基(特に、シクロヘキシルオキシ)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、メチルアミノ、ジメチルアミノ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、ピリジン、フラン、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾピリジン、キノキサリン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(5)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(6)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基(特に、メチル−1,2,4−オキサジアゾリル)、および
(7)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)である。
【0042】
別の態様では、Ar環は、さらに好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および
(2)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジン)、または
(II)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)である。
【0043】
別の態様では、A環は、より好ましくは、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(好ましくは、ベンゼン、ナフタレン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい複素環(特に、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン)である。
【0044】
別の態様では、A環は、さらに好ましくは、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、および
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、トリフルオロメトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)である。
【0045】
別の態様では、RおよびRは、より好ましくは、互いに結合して、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル)、
(3)C7−20アルキル基(特に、オクタデシル)、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基(特に、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基(特に、2−メトキシエチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基(特に、シクロプロピルメチル、1−フルオロシクロプロピルメチル)、
(7)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロブチル、シクロペンチル)、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基(特に、メトキシベンジル)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基(特に、テトラヒドロピラニル)、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基(特に、2,2,2−トリフルオロエチルアゼチジニル)、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基(特に、メチルオキセタニルメチル)、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基(特に、カルバモイルメチル)、
(13)アミノ−C1−6アルキル基(特に、アミノペンチル)、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、tert−ブトキシカルボニルアミノペンチル)、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、フルオレニルメトキシカルボニルアミノペンチル)、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、ジメチルピロリル−κN−メチレン−ピロリル−κN(ジフルオロホウ素)−プロパノイルアミノペンチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環(特に、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン)、または
(II)1個のハロゲン原子(特に、塩素原子)で置換されていてもよいベンゼン環
を形成する。
【0046】
別の態様では、RおよびRは、さらに好ましくは、互いに結合して、
(1)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、イソプロピル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール)を形成する。
【0047】
化合物(I)の好適な具体例としては、以下が挙げられる:
化合物(AB):
Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(5)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、()メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、イソプロポキシ)、
(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(8)C3−10シクロアルキルオキシ基(特に、シクロヘキシルオキシ)、
(9)C1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチル)、
(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基(特に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(11)アミノ基、
(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、メチルアミノ、ジメチルアミノ)、
(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(特に、アセチルアミノ)、
(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基(特に、シクロプロピルカルボニルアミノ、ジ(シクロプロピルカルボニル)アミノ)、
(15)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、および
(16)C1−6アルキルスルホニル基(特に、イソプロピルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、キノキサリン、ピリジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、トリアゾロピリジン)、または、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル)、
(4)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(7)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基(特に、メチル−1,2,4−オキサジアゾリル)、および
(8)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(3)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(11)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(13)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環(特に、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジン)
であり;
が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)、
(II)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)であるか、または
(III)
(1)式:
【化7】

で示される、1ないし3個のC1−6アルキル基(特に、メチル)で置換されていてもよい、ピラゾリル(特に、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル)、チエニル(特に、チオフェン−2−イル)およびピリジル(特に、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル)から選ばれる複素環基、若しくは
(2)式:
【化8】

で示される、ピラゾ−ル−1−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−1−イルおよびピペリジニルから選ばれる含窒素複素環基
のいずれかで示される、置換されていてもよい複素環基であり;
が、水素原子であるか;あるいは、
およびRが、互いに結合して、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル)、
(3)C7−20アルキル基(特に、オクタデシル)、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基(特に、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基(特に、2−メトキシエチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基(特に、シクロプロピルメチル、1−フルオロシクロプロピルメチル)、
(7)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロブチル、シクロペンチル)、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基(特に、メトキシベンジル)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基(特に、テトラヒドロピラニル)、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基(特に、2,2,2−トリフルオロエチルアゼチジニル)、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基(特に、メチルオキセタニルメチル)、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基(特に、カルバモイルメチル)、
(13)アミノ−C1−6アルキル基(特に、アミノペンチル)、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、tert−ブトキシカルボニルアミノペンチル)、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、フルオレニルメトキシカルボニルアミノペンチル)、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、ジメチルピロリル−κN−メチレン−ピロリル−κN(ジフルオロホウ素)−プロパノイルアミノペンチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環(特に、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン)、または、
(II)1個のハロゲン原子(特に、塩素原子)で置換されていてもよいベンゼン環
を形成する、化合物(I)。
【0048】
化合物(B−1):
Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)C1−6アルキル基(特に、メチル)、
(5)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、()メトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(7)C1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチル)、
(8)C1−6アルコキシ−カルボニル基(特に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(9)アミノ基、
(10)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(11)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(特に、アセチルアミノ)、
(12)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基(特に、シクロプロピルカルボニルアミノ、ジ(シクロプロピルカルボニル)アミノ)、
(13)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、および
(14)C1−6アルキルスルホニル基(特に、イソプロピルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、キノキサリン、チオフェン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、トリアゾロピリジン)または、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル)、
(4)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ)、および
(6)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)、
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(3)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(11)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(13)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラジン)、または、
(III)(1)C1−6アルキル基(特に、メチル)、および
(2)オキソ基
から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよい3ないし8員単環式非芳香族複素環(特に、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジン)
であり;
が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)、
(II)C3−10シクロアルキル(特に、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)であるか、または
(III)
(1)式:
【化9】

で示される、1ないし3個のC1−6アルキル基(特に、メチル)で置換されていてもよい、ピラゾリル(特に、ピラゾール−3−イル、ピラゾール−4−イル)、チエニル(特に、チオフェン−2−イル)およびピリジル(特に、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル)から選ばれる複素環基、若しくは
(2)式:
【化10】

で示される、ピラゾ−ル−1−イル、1,2,3−トリアゾ−ル−1−イルおよびピペリジニルから選ばれる含窒素複素環基
のいずれかで示される、置換されていてもよい複素環基であり;
が、水素原子である、化合物(AB)。
【0049】
化合物(B−2):
Ar環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)
(2)C1−6アルキル基(特に、メチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)、
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい8ないし14員縮合2環式芳香族複素環(特に、キノキサリン、イミダゾピリジン)であり;
A環が、ハロゲン原子(特に、塩素原子)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、およびハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、エトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジンまたはピラゾール)であり;
が、1ないし3個(特に、1個)のハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニルである、化合物(B−1)。
【0050】
化合物(A−1):
Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(3)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(4)C3−10シクロアルキルオキシ基(特に、シクロヘキシルオキシ)、
(5)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(6)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、メチルアミノ、ジメチルアミノ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、ピリジン、フラン、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾピリジン、キノキサリン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ)、
(5)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、ジメチルアミノ)、
(6)C1−6アルキル−5ないし14員芳香族複素環基(特に、メチル−1,2,4−オキサジアゾリル)、および
(7)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(好ましくは、ベンゼン、ナフタレン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい複素環(特に、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン)であり;
およびRが、互いに結合して、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル)、
(3)C7−20アルキル基(特に、オクタデシル)、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基(特に、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基(特に、2−メトキシエチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基(特に、シクロプロピルメチル、1−フルオロシクロプロピルメチル)、
(7)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロブチル、シクロペンチル)、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基(特に、メトキシベンジル)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基(特に、テトラヒドロピラニル)、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基(特に、2,2,2−トリフルオロエチルアゼチジニル)、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基(特に、メチルオキセタニルメチル)、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基(特に、カルバモイルメチル)、
(13)アミノ−C1−6アルキル基(特に、アミノペンチル)、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、tert−ブトキシカルボニルアミノペンチル)、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、フルオレニルメトキシカルボニルアミノペンチル)、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、ジメチルピロリル−κN−メチレン−ピロリル−κN(ジフルオロホウ素)−プロパノイルアミノペンチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環(特に、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン)、または
(II)1個のハロゲン原子(特に、塩素原子)で置換されていてもよいベンゼン環
を形成する、化合物(AB)。
【0051】
化合物(A−2):
Ar環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および
(2)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジン)、または
(II)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、および
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、トリフルオロメトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
およびRが、互いに結合して、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、イソプロピル)から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール)を形成する、化合物(A−1)。
【0052】
化合物(AB−1):
Ar環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、フッ素原子、臭素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ヒドロキシ基、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(5)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、()メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、イソプロポキシ)、
(7)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(8)C3−10シクロアルキルオキシ基(特に、シクロヘキシルオキシ)、
(9)C1−6アルキル−カルボニル基(特に、アセチル)、
(10)C1−6アルコキシ−カルボニル基(特に、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(11)アミノ基、
(12)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(特に、メチルアミノ、ジメチルアミノ)、
(13)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(特に、アセチルアミノ)、
(14)モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルボニルアミノ基(特に、シクロプロピルカルボニルアミノ、ジ(シクロプロピルカルボニル)アミノ)、
(15)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、および
(16)C1−6アルキルスルホニル基(特に、イソプロピルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環(特に、キノキサリン、ピリジン、チオフェン、フラン、ピロール、ピラゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリダジン、チエノピリジン、1H−インダゾール、2H−インダゾール、キノリン、キナゾリン、トリアゾロピリジン)であり、
(I)A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(3)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(11)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(13)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい複素環(特に、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、イミダゾール、ピラジン、ベンゾフラン、1,3−ベンゾジオキソール、2,3−ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロオキサゾール、ジヒドロピリジン)であり、
が、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)であり、
が、水素原子である、または
(II)A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン、ナフタレン)であり、
およびRが、互いに結合して、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル)、
(3)C7−20アルキル基(特に、オクタデシル)、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基(特に、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基(特に、2−メトキシエチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基(特に、シクロプロピルメチル、1−フルオロシクロプロピルメチル)、
(7)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロブチル、シクロペンチル)、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基(特に、メトキシベンジル)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基(特に、テトラヒドロピラニル)、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基(特に、2,2,2−トリフルオロエチルアゼチジニル)、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基(特に、メチルオキセタニルメチル)、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基(特に、カルバモイルメチル)、
(13)アミノ−C1−6アルキル基(特に、アミノペンチル)、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、tert−ブトキシカルボニルアミノペンチル)、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、フルオレニルメトキシカルボニルアミノペンチル)、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κ2N(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、ジメチルピロリル−κN−メチレン−ピロリル−κN(ジフルオロホウ素)−プロパノイルアミノペンチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環(特に、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン)を形成する、
化合物(AB)。
【0053】
化合物(AB−2):
(I)A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、ジフルオロメチル、2,2−ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル)、
(3)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロプロピル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、エトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ)、
(5)ヒドロキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−ヒドロキシエトキシ)、
(6)C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(特に、2−メトキシエトキシ)、
(7)3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルコキシ基(特に、モルホリニルエトキシ、モルホリニルプロポキシ)、
(8)3ないし14員非芳香族複素環オキシ−C1−6アルコキシ基(例、テトラヒドロピラニルオキシエトキシ)、
(9)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ−C1−6アルコキシ基(特に、ジメチルアミノ−エトキシ、ジメチルアミノ−プロポキシ)、
(10)モノ−またはジ−C7−16アラルキルホスファート−C1−6アルコキシ基(特に、ジベンジルホスファートエトキシ)、
(11)5ないし14員芳香族複素環基(特に、ピラゾリル)、
(12)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(特に、トリアゾロピリジニルオキシ)、
(13)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)、および
(14)C1−6アルキルスルファニル基(特に、メチルスルファニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール、ピリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラジン)であり;
が、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および
(3)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)である、または
(II)A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、フッ素原子、塩素原子)、
(2)シアノ基、
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、
(4)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、および
(5)C1−6アルキルスルホニル基(特に、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(好ましくは、ベンゼン、ナフタレン)であり;
およびRが、互いに結合して、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子、臭素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル)、
(3)C7−20アルキル基(特に、オクタデシル)、
(4)ヒドロキシ−C1−6アルキル基(特に、3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)、
(5)C1−6アルコキシ−C1−6アルキル基(特に、2−メトキシエチル)、
(6)ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル−C1−6アルキル基(特に、シクロプロピルメチル、1−フルオロシクロプロピルメチル)、
(7)C3−10シクロアルキル基(特に、シクロブチル、シクロペンチル)、
(8)C1−6アルコキシ−C7−16アラルキル基(特に、メトキシベンジル)、
(9)3ないし14員非芳香族複素環基(特に、テトラヒドロピラニル)、
(10)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環基(特に、2,2,2−トリフルオロエチルアゼチジニル)、
(11)C1−6アルキル−3ないし14員非芳香族複素環−C1−6アルキル基(特に、メチルオキセタニルメチル)、
(12)カルバモイル−C1−6アルキル基(特に、カルバモイルメチル)、
(13)アミノ−C1−6アルキル基(特に、アミノペンチル)、
(14)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、tert−ブトキシカルボニルアミノペンチル)、
(15)フルオレニル−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、フルオレニルメトキシカルボニルアミノペンチル)、および
(16)モノ−またはジ−C1−6アルキル含窒素複素環−C1−6アルキル−含窒素複素環−κN(ハロゲン化ホウ素)−C1−6アルキル−カルボニルアミノ−C1−6アルキル基(特に、ジメチルピロリル−κN−メチレン−ピロリル−κN(ジフルオロホウ素)−プロパノイルアミノペンチル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよい5−6員芳香族複素環(特に、ピラゾール、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン)を形成する、
化合物(AB−1)。
【0054】
化合物(AB−3):
(I)A環が、ハロゲン原子(特に、塩素原子)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、およびハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、エトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジン、ピラゾール)であり;
が、1ないし3個(特に、1個)のハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよいフェニルである、または
(II)A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、および
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、トリフルオロメトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
およびRが、互いに結合して、
(1)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2
−ジフルオロエチル、イソプロピル)
から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール)を形成する、
化合物(AB−2)。
化合物(B−3):
Ar環が、ハロゲン原子(特に、塩素原子)、およびC1−6アルキル基(特に、メチル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい8ないし14員縮合2環式芳香族複素環(特に、キノキサリン)であり;
A環が、ハロゲン原子(特に、塩素原子)、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、およびハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、エトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジンまたはピラゾール)であり;
が、1ないし3個(特に、1個)のハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)であり;
が、水素原子である、化合物(I)。
化合物(A−3):
Ar環が、(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および(2)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジン)であり;
A環が、
(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、
(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、および
(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、トリフルオロメトキシ)
から選ばれる1ないし3個(特に、1ないし2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
およびRが、互いに結合して、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、イソプロピル)から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール)を形成する、化合物(I)。
化合物(AB−4):
Ar環が、
(I)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、およびC1−6アルキル基(特に、メチル)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい8ないし14員縮合2環式芳香族複素環(特に、キノキサリン)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、および(2)C1−6アルコキシ基(特に、メトキシ)から選ばれる1ないし3個(特に、2個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジン)であり;
A環が、
(I)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、トリフルオロメチル)、および(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、ジフルオロメトキシ、エトキシ)、から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピリジンまたはピラゾール)、または
(II)(1)ハロゲン原子(特に、塩素原子)、(2)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、トリフルオロメチル)、および(3)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(特に、トリフルオロメトキシ)、から選ばれる1ないし3個(特に、1または2個)の置換基で置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(特に、ベンゼン)であり;
が、1ないし3個(特に、1個)のハロゲン原子(特に、フッ素原子)で置換されていてもよいC6−14アリール基(特に、フェニル)であり;
が、水素原子であるか、もしくは;
およびRが、互いに結合して、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基(特に、メチル、エチル、2,2−ジフルオロエチル、イソプロピル)から選ばれる1ないし3個(特に、1個)の置換基で置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(特に、ピラゾール)を形成する、化合物(I)。
【0055】
化合物(I)における塩としては、薬理学的に許容される塩が好ましく、例えば、無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩が挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン]、tert−ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジベンジルエチレンジアミンとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸との塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸との塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチンとの塩が挙げられる。
酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸との塩が挙げられる。
【0056】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
【0057】
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0058】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
【0059】
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
【0060】
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0061】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは10分〜8時間である。
【0062】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常−78℃〜300℃、好ましくは−78℃〜150℃である。
【0063】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常1気圧〜20気圧、好ましくは1気圧〜3気圧である。
【0064】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製InitiatorなどのMicrowave合成装置を用いることがある。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温〜300℃、好ましくは50℃〜250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは1分〜8時間である。
【0065】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量〜20当量、好ましくは0.8当量〜5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量〜1当量、好ましくは0.01当量〜0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0066】
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど ;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0067】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、など;
塩基性塩類:炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
【0068】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0069】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻〜19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻〜15巻(日本化学会編);精密有機化学 改定第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I〜VII(John Wiley & SonsInc);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1〜Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0070】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Wiley−Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、tert−ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;tert−ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基などが挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;1,3−ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O−メチルオキシムなどのオキシム型保護基;N,N−ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;N,N−ジメチルアミドなどのアミド型保護基などが挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;チオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N−トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基、メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0071】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸;トリエチルシランなどが挙げられる。炭素−炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム−カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法がある。
【0072】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、tert−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N−ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化ゼレン;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0073】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4−4’−アゾビス−4−シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0074】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、自体公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0075】
各工程において、Horner−Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;アルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0076】
各工程において、Friedel−Crafts反応を行う場合、使用される試薬としては、ルイス酸と、酸クロリドとの組み合わせ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)との組み合わせが挙げられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0077】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、塩基性塩類、有機塩基類など)が用いられる。
【0078】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4−付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0079】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;メチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0080】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0081】
各工程において、Vilsmeier−Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N−ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0082】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類をアジド化する場合、ジフェニルホスホリルアジドと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などがある。
【0083】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア、メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0084】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0085】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル体;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド−n−ハイドレート(DMT−MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);ヨウ化2−クロロ−1−メチル−ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸低級アルキル;O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);硫酸;あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤をさらに反応に加えてもよい。
【0086】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、無機塩基類、塩基性塩類などが挙げられる。
【0087】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられるが、五硫化二リンの他に、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson試薬)などの1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド構造を持つ試薬を用いてもよい。
【0088】
各工程において、Wohl−Ziegler反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応に加えることで、反応を加速させることができる。
【0089】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸と無機酸の酸ハロゲン化物、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などとの作用により、アルコールからハロゲン化アルキル体を得る方法を用いてもよい。あるいは、アルコールをスルホン酸エステルに変換の後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させるような2段階の反応を経てハロゲン化アルキル体を合成する方法を用いてもよい。
【0090】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;トリエチルホスファイトやトリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0091】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0092】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、tert−ブチルエステルの酸加水分解反応を行う場合、副生するtert−ブチルカチオンを還元的にトラップするためにギ酸やトリエチルシランなどを加えることがある。
【0093】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
【0094】
各工程において、アルコール類またはアミン類または環内にNH基を有する芳香族複素環 (例:イミダゾール、ピラゾール) 等のアルキル化反応を行う場合、アルキル化剤としては、置換されてもよいハロゲン化アルキル(例:ヨードメタン)または置換されても良いC1-6アルキルスルホニルオキシ基を脱離基として有する置換されてもよいアルキルまたは、C1-6アルキル基で置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ基を有する置換されてもよいアルキル、またはナトリウム 2-クロロ-2,2-ジフルオロアセタート、2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸等が挙げられる。また、用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0095】
各工程において、カップリング反応を行う場合、カップリング反応としては、鈴木カップリング、スティルカップリング、ブッフバルトカップリング、根岸カップリング、ヘック反応、シアン化銅またはシアン化亜鉛を用いたシアノ化反応等が挙げらる。カップリング反応で使用される金属触媒、ホスフィン配位子、および塩基などの試薬は、上述した試薬に加え、自体公知の方法 [例えば、J. F. Hartwig, S. Shekhar, Q. Shen, F. Barrios-Landeros, in The Chemistry of Anilines, Z. Rappoport, Ed., Wiley-Intersicence, New York (2007); L. Jiang, S. L. Buchwald, in Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions, 2nd Ed., A. de Meijere, F. Diederich, Eds., Wiley-VCH, Weinheim, Germany (2004); J. F. Hartwig, in Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis, A. de Meijere, F. Diederich, Eds., Wiley, New York (2002); J. F. Hartwig, in Modern Amination Methods, A. Ricci, Ed., Wiley-VCH, Weinheim, (2000) に記載の方法]、またはこれらに準ずる方法で使用することができる。
【0096】
各工程において、Michael反応を行う場合、使用される試薬としては、アクリル酸エステル類が挙げられる。反応条件としては、酢酸など酸溶媒中で行う条件と、塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)添加条件が挙げられる。
【0097】
各工程において、カルボン酸の脱炭酸反応を行う場合、酸または塩基が用いられる。エステルの加水分解とカルボン酸の脱炭酸が1工程で行われることもある。
【0098】
各工程において、ケトンのオキシム化反応およびイミン化反応を行う場合、使用される試薬としては、ヒドロキシルアミン、あるいはアミンが用いられる。酸や塩基(例、有機塩基類、無機塩基類)の添加や、Dean−Stark装置を用い反応系から水を除去することで反応を加速することが出来る。
【0099】
各工程において、芳香族環のハロゲン化反応を行う場合、使用される試薬としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。
【0100】
各工程において、Curtius反応を行う場合、使用される試薬としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。
【0101】
以下に化合物(I)の製造法を説明する。
以下の反応式中の各記号は、特に記載のない限り、前記と同意義を示す。原料化合物は、その具体的製法を述べない場合、市販されているものを容易に入手できるか、あるいは、自体公知の方法またはそれに準ずる方法により製造することができる。
【0102】
化合物(I)に含まれる化合物(Ia)は、以下の反応式1に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化11】

(式中、E環は、置換されてもよい5−6員芳香族複素環またはベンゼン環を示し、
およびPは、異なる反応条件で脱保護可能な、異なるアミノ基の保護基(例えば、ベンジル基とtert-ブトキシカルボニル基)を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
E環で示される「置換されてもよい5−6員芳香族複素環」としては、RおよびRが互いに結合して形成する「置換されてもよい5−6員芳香族複素環」が挙げられる。
【0103】
化合物 (8a) は、以下の反応式2に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化12】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0104】
化合物 (6a) は、化合物 (1a) より、以下の反応式3に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化13】

(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、C1−6アルキル基を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0105】
化合物 (1a) は、市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0106】
反応式1で使用される化合物 (16a) は、以下の反応式4に示す方法またはこれに準ずる方法によっても製造することができる。
【化14】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0107】
化合物 (17a) は、以下の反応式5に示す方法またはこれに準ずる方法によっても製造することができる。
【化15】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0108】
化合物 (21a) は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0109】
反応式4で使用される化合物 (18a) は、以下の反応式6に示す方法またはこれに準ずる方法によっても製造することができる。
【化16】

(式中、Xは、ハロゲン原子(例、臭素原子、ヨウ素原子)、ハロゲン化されていてもよいC1-6アルキルスルホニルオキシ基(例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(トリフラート))、または置換されていてもよいC6-14アリールスルホニルオキシ基(例、p−トルエンスルホニル基)を示し、その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0110】
化合物 (24a) は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0111】
化合物 (25a) は、化合物 (24a) より、塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)存在下に、4-ブロモ-1-ブテンとの反応により製造することができる。
【0112】
化合物 (27a) は、化合物 (26a) を分子内ヘック反応に付すことで製造することができる。金属触媒、ホスフィン配位子、および塩基は、上述した試薬および反応条件を用いることができる。
【0113】
化合物(18a)に含まれる化合物 (18a') は、以下の反応式7に示す方法またはこれに準ずる方法によって製造することができる。
【化17】

(式中、F環は、含窒素5員芳香族複素環を示し、
は、置換されていてもよいC1−20アルキル基を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
F環で示される含窒素5員芳香族複素環としては、RおよびRが互いに結合して形成する「置換されていてもよい5−6員芳香族複素環」における5−6員芳香族複素環のうち、環構成原子として1個以上の窒素原子を含む5員環が挙げられる。
【0114】
化合物 (1a') は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0115】
後述のように、化合物(I)の置換基を、自体公知の手段を適用して変換(すなわち、置換基の導入や官能基変換)することにより、化合物(I)に含まれる別の化合物またはその塩を製造することもできる。
例えば、以下の反応式8に示すように、化合物(Ia)に置換基を導入することにより化合物(Ia-1)や化合物(Ia-2)を製造することができる。
【化18】

(式中、Yは、ハロゲン原子(例、臭素原子、ヨウ素原子)を示し、
は、置換基を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0116】
化合物(I)に含まれる化合物 (Ib) は、以下の反応式9に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化19】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0117】
【化20】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0118】
化合物 (1b) は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0119】
化合物 (3b) は、以下の反応式11に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化21】

(式中、Rは、置換されていてもよいC7−16アラルキル基を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0120】
化合物(I)に含まれる化合物 (Ib) は、以下の反応式12に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化22】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0121】
後述のように、化合物(I)の置換基を、自体公知の手段を適用して変換(すなわち、置換基の導入や官能基変換)することにより、化合物(I)に含まれる別の化合物またはその塩を製造することもできる。
例えば、化合物(Ib)がA環に脱離基(例、ハロゲン原子、スルホニルエステル基)を有する場合には、以下の反応式13に示す方法またはこれに準ずる方法により化合物(Ib−1)を製造することができる。
【0122】
また、化合物 (Ib) がA環に保護された水酸基(例、メトキシ基、ベンジルオキシ基)を有する場合、以下の反応式13に示す方法またはこれに準ずる方法により化合物(Ib−2)製造することができる。
【化23】

(式中、Rは,置換されていてもよいC1-6アルコキシ基または置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ基を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0123】
化合物(I)に含まれる化合物 (Ib−3) は、以下の反応式14に示す方法またはこれに準ずる方法により製造することができる。
【化24】

(各式中、Pは、水酸基の保護基(例えば、tert-ブチルジメチルシリル基)を示し、
その他の記号は前記と同意義を示す。)
【0124】
化合物 (18b) は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0125】
化合物 (Ib−3) は、以下の反応式15に示す方法またはこれに準ずる方法によっても製造することができる。
【化25】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0126】
反応式12で使用される化合物 (16b) は、以下の反応式16に示す方法またはこれに準ずる方法によって製造することができる。
【化26】

(式中、各記号は前記と同意義を示す。)
【0127】
化合物 (37b) は市販のものを用いるか、自体公知の方法、またはこれらに準ずる方法で製造することができる。
【0128】
化合物 (38b) は、塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)存在下に、化合物(37b)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物を反応させることにより製造することができる。
【0129】
化合物 (41b) から化合物 (42b)の変換においては、必要に応じて塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)を用い、異性化することができる。
【0130】
原料化合物の置換基の種類によっては、上記製造法によって製造された化合物を原料として、自体公知の手段を適用して置換基が異なる原料化合物を製造することができる。
【0131】
本反応における生成物である化合物(I)またはその塩は単一の化合物として、または混合物として製造されてもよい。
【0132】
かくして得られた化合物(I)またはその塩は、自体公知の分離手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィー等により単離、精製することができる。
【0133】
化合物(I)が遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または、目的とする他の塩に変換することができる。
【0134】
このようにして得られた化合物(I)の置換基を、自体公知の手段を適用して変換(すなわち、置換基の導入や官能基変換)することにより、化合物(I)に含まれる別の化合物またはその塩を製造することもできる。
置換基の導入や官能基変換の方法としては公知の一般的方法が用いられるが、例えば、ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)やハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル−オキシ基[例、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、トリクロロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ(トリフラート)]のメチル基、シクロプロピル基、ビニル基、シアノ基、ホルミル基、カルボニル基、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、ボリル基等への変換、ホルミル基のセイファース・ギルバート増炭反応によるエチニル基への変換、エステルの加水分解によるカルボキシ基への変換、カルボキシ基のアミド化によるカルバモイル基への変換、カルボキシ基の還元によるヒドロキシメチル基への変換、カルボニル基の還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニル基の還元的アミノ化、カルボニル基のオキシム化、アミノ基のアシル化、アミノ基のウレア化、アミノ基のスルホニル化、アミノ基のアルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換またはアミノ化、ヒドロキシ基のアルキル化、ヒドロキシ基の置換またはアミノ化が挙げられる。
この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起きる反応性部位が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性部位に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
例えば、原料化合物や中間体が、置換基としてアミノ基、カルボキシル基または水酸基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
【0135】
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(例、濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶)によりそれぞれを単品として得ることができる。
【0136】
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
また、化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的性質(例、構造、融点、融解熱、吸湿性、安定性)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は、水和物であっても、非水和物であっても、溶媒和物であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
同位元素(例、H、H、11C、14C、18F、35S、125I)等で標識または置換された化合物も、化合物(I)に包含される。同位元素で標識または置換された化合物(I)は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography:PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用であり得る。
【0137】
化合物(I)はプロドラッグであってもよい。
化合物(I)のプロドラッグとは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
【0138】
化合物(I)のプロドラッグとしては、例えば、
(1)化合物(I)のアミノがアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノが、エイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化、エトキシカルボニル化、tert−ブトキシカルボニル化、アセチル化、シクロプロピルカルボニル化された化合物等);
(2)化合物(I)のヒドロキシが、アシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、化合物(I)のヒドロキシが、アセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);
(3)化合物(I)のカルボキシが、エステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシが、エチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);
が挙げられる。これらの化合物は、自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
【0139】
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0140】
化合物(I)またはそのプロドラッグ(本明細書中、これらをまとめて「本発明化合物」と略記することがある)は、SPT阻害活性を有し得、癌の予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤、ニーマンピック病の予防または治療剤、抗炎症剤、免疫調節剤、抗不安剤、抗痙攣剤として有用であり得る。
本発明化合物は、SPTに対する選択的な阻害活性を有し得、かつ、本発明化合物は、薬効発現、薬物動態(例、吸収性、分布、代謝、排泄)、溶解性(例、水溶性)、他の医薬品との相互作用(例、薬物代謝酵素阻害作用)、安全性(例、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心臓毒性、癌原性、中枢毒性)、安定性(例、化学的安定性、酵素に対する安定性)の点でも優れていることが期待できるので、医薬として有用であり得る。
本発明化合物は、SPTに対する選択的な阻害活性を有し得ることから、正常細胞への毒性が軽減された、癌の予防・治療剤として有用であり得る。
従って、本発明化合物は、哺乳動物(例、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト)に対して、過剰(異常)なSPT作用を阻害し得る。
本発明化合物は、SPTにより影響される可能性のある疾患(本明細書中、「SPT関連疾患」と略記することがある)、例えば、癌[例、大腸癌(例、結腸癌、直腸癌、肛門癌、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍)、肺癌(例、非小細胞肺癌(肺腺癌など)、小細胞肺癌、悪性中皮腫)、中皮腫、膵臓癌(例、膵管癌、膵内分泌腫瘍)、咽頭癌、喉頭癌、頭頸部癌、食道癌、胃癌(例、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌)、十二指腸癌、小腸癌、乳癌(例、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌)、卵巣癌(例、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍)、精巣腫瘍、前立腺癌(例、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌、去勢療法抵抗性前立腺癌)、肝臓癌(例、肝細胞癌、原発性肝癌、肝外胆管癌)、甲状腺癌(例、甲状腺髄様癌)、腎臓癌(例、腎細胞癌(例、淡明細胞型腎細胞癌)、腎盂と尿管の移行上皮癌)、子宮癌(例、子宮頚部癌、子宮体部癌、子宮肉腫)、妊娠性絨毛癌、脳腫瘍(例、髄芽細胞腫、神経膠腫、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫、下垂体腺腫)、網膜芽細胞腫、皮膚癌(例、基底細胞腫、悪性黒色腫)、肉腫(例、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、軟部肉腫、紡錘細胞肉腫)、悪性骨腫瘍、膀胱癌、血液癌(例、多発性骨髄腫、白血病、悪性リンパ腫、ホジキン病、慢性骨髄増殖性疾患)、原発不明癌]の予防剤または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤、アポトーシス促進剤、前癌病変(例、骨髄異型性症候群)の治療剤等の医薬として用いられ得る。
【0141】
また、本発明は他のSPT関連疾患(例えば、心疾患(心肥大、急性心不全およびうっ血性を含む慢性心不全、心筋症、狭心症、心筋炎、不整脈、頻脈、心筋梗塞など)、心筋虚血、静脈機能不全、心筋梗塞後の心不全移行、高血圧症、肺性心、アテローム性を含む動脈硬化症(動脈瘤、冠動脈硬化症、脳動脈硬化症、末梢動脈硬化症など)、血管肥厚、インターベンション(経皮的冠動脈形成術、ステント留置、冠動脈内視鏡、血管内超音波、冠注血栓溶解療法など)後の血管肥厚または閉塞および臓器障害、バイパス手術後の血管再閉塞・再狭窄、呼吸器疾患(急性肺障害)、骨疾患(骨折,再骨折,骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性骨疾患、骨欠損、骨粗鬆症、骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨異栄養症、骨ペーチェット病,硬直性脊髄炎,慢性関節リウマチ,変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患における関節組織の破壊など)、糖尿病性合併症(網膜症、腎症、神経障害、大血管障害等)、慢性関節リウマチ、変形性関節炎、リウマチ様脊髄炎、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、エイズ脳症など)、中枢神経障害(脳出血および脳梗塞等の障害およびその後遺症・合併症、脊椎損傷、脳浮腫、脳脊髄炎など)、痴呆症、記憶障害、意識障害、健忘症、不安症状、緊張症状、虚血性末梢循環障害、深部静脈血栓症、閉塞性末梢循環障害、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓性血管炎、糖尿病性合併症(神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧昏睡、感染症、糖尿病性壊疽、口腔乾燥症、聴覚の低下、脳血管障害、末梢血行障害など)、代謝・栄養障害(高脂血症、高コレステロール血症、低HDL血症、耐糖能異常など)、インスリン抵抗性症候群、シンドロームX、内臓肥満症候群、脳血管障害(無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、脳卒中、脳血管性痴呆、高血圧性脳症、脳梗塞など)、脳浮腫、脳循環障害、脳血管障害の再発および後遺症(神経症候、精神症候、自覚症状、日常生活動作障害など)、腎疾患(腎炎、糸球体腎炎、糸球体硬化症、腎不全、血栓性微小血管症、糖尿病性ネフロパシー、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、透析の合併症、放射線照射による腎症を含む臓器障害など)、眼疾患(緑内障、高眼圧症など)、血栓症、多臓器不全、内皮機能障害、肝臓疾患(C型肝炎を含む肝炎、肝硬変など)、消化器疾患(胃炎、胃潰瘍、胃癌、胃手術後障害、食道潰瘍、膵炎、大腸ポリープ、胆石症、炎症性腸疾患(IBD)など)、血液・造血器疾患(赤血球増加症、血管性紫斑病、播種性血管内凝固症候群、多発性骨髄症など)、泌尿器・男性性器疾患(膀胱炎、前立腺肥大症、性感染症など)、婦人科疾患(更年期障害、妊娠中毒、子宮内膜症、卵巣疾患、乳腺疾患、性感染症など)、感染症(サイトメガルウイルス、インフルエンザウイルス、ヘルペスウイルス等のウイルス感染症、リケッチア感染症、細菌感染症など)、毒血症(敗血症、敗血症性ショック、内毒素性ショック、グラム陰性敗血症、トキシンショック症候群など)、スフィンゴ脂質蓄積を伴う先天性疾患(Fabry病、ニーマンピック病(例、A、B、C、D型)、ゴーシェ病、テイ−サックス病))、皮膚疾患(接触性皮膚炎など)、疼痛疾患(急性および慢性疼痛、疼痛持続(痛覚脱失症、鎮痛など)など)、炎症関連疾患、免疫関連疾患、の予防剤または治療剤としても有用であり得る。
特に、本発明化合物は、癌の予防または治療剤、ニーマンピック病の予防または治療剤として有用であり得る。
【0142】
本発明化合物は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、医薬として、哺乳動物(好ましくは、ヒト)に経口的または非経口的に投与し得る。
以下、本発明化合物を含有してなる医薬(「本発明の医薬」と略記する場合がある)について詳述する。本発明の医薬の剤形としては、例えば、錠剤(例、糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、バッカル錠、口腔内速崩錠)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(例、ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)等の経口剤が挙げられる。また、本発明の医薬の剤形としては、例えば、注射剤、点滴剤、経皮剤(例、イオントフォレシス経皮剤)、坐剤、軟膏剤、経鼻剤、経肺剤、点眼剤等の非経口剤も挙げられる。また、本発明の医薬は、速放性製剤、徐放性製剤(例、徐放性マイクロカプセル)などの放出制御製剤であってもよい。
【0143】
本発明の医薬は、製剤技術分野で一般的に用いられている公知の製造方法(例、日本薬局方に記載の方法)により製造し得る。また、本発明の医薬には、必要に応じて、製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等の添加剤を適宜、適量含有させ得る。
前記した薬理学的に許容される担体としては、これらの添加剤が挙げられる。
【0144】
例えば、錠剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いて製造し得、丸剤及び顆粒剤は、賦形剤、結合剤、崩壊剤を用いて製造し得る。また、散剤及びカプセル剤は賦形剤等を、シロップ剤は甘味剤等を、乳剤または懸濁剤は懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を用いて製造し得る。
【0145】
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、デンプン、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリンが挙げられる。
崩壊剤の例としては、デンプン、炭酸カルシウムが挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルクが挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップが挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイトが挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80が挙げられる。
【0146】
例えば、本発明の医薬が錠剤である場合、該錠剤は、自体公知の方法に従い、本発明化合物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000)を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより製造し得る。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合体)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタン)が用いられる。
【0147】
前記注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、腹腔内注射剤、点滴注射剤等が含まれる。
【0148】
かかる注射剤は、自体公知の方法、すなわち、本発明化合物を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製し得る。水性液としては、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム)等が挙げられる。該水性液は適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80、HCO−50)を含んでいてもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油等が挙げられる。該油性液は適当な溶解補助剤を含んでいてもよい。該溶解補助剤としては、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等が挙げられる。また、該注射剤には緩衝剤(例、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン)、安定剤(例、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール)、保存剤(例、ベンジルアルコール、フェノール)等を配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
【0149】
本発明の医薬中の本発明化合物の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし約100重量%、好ましくは約2ないし約85重量%、さらに好ましくは約5ないし約70重量%である。
【0150】
本発明の医薬中の添加剤の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約1ないし約99.9重量%、好ましくは約10ないし約90重量%である。
【0151】
本発明化合物は、安定かつ低毒性で安全に使用され得る。本発明化合物の1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なり得るが、例えば、癌の治療目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は、本発明化合物として約1ないし約1000mg、好ましくは約3ないし約300mg、さらに好ましくは約10ないし約200mgであり得、これらを1回または2ないし3回に分けて投与してもよい。
【0152】
本発明化合物を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例、注射剤)の形で投与する。本発明化合物の1回投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法等によっても異なり得るが、例えば、通常体重1kgあたり約0.01ないし約100mg、好ましくは約0.01ないし約50mg、より好ましくは約0.01ないし約20mgの本発明化合物を静脈注射により投与し得る。
【0153】
本発明化合物は、他の薬物と併用し得る。具体的には、本発明化合物は、ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等の薬物と併用し得る。さらには、本発明化合物は、ニーマンピック病を含むスフィンゴ脂質蓄積を伴う先天性疾患等においては、酵素補充療法剤、シャペロン療法剤、基質合成抑制療法剤、シクロデキストリン製剤、治療酵素蛋白質を発現させる遺伝子治療または骨髄移植などの細胞療法と併用し得る。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。
【0154】
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、酢酸リュープロレリン)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、エンザルタミド)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド、デュタステリド)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール)、甲状腺ホルモン、およびそれらのDDS(Drug Delivery System)製剤が用いられる。
【0155】
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤が用いられる。
【0156】
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
【0157】
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
【0158】
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンおよびそれらのDDS製剤(例、ドキソルビシン内包PEGリボゾーム)が用いられる。
【0159】
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、ビノレルビンおよびそれらのDDS製剤が用いられる。
【0160】
「免疫療法剤」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体(例、イピリムマブ、トレメリムマブ)、抗PD-1抗体(例、ニボルマブ、ペムブロリズマブ)、抗PD−L1抗体が用いられる。
【0161】
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、TGFα〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin−like growth factor)−1、IGF−2〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin−2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet−derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascularendothelial growth factor)、ヘレグリン、アンジオポエチン〕が用いられる。
【0162】
「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ヘレグリン受容体(例、HER3)、インシュリン受容体、IGF受容体−1、IGF受容体−2、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、VEGF受容体、アンジオポエチン受容体(例、Tie2)、PDGF受容体等が用いられる。
【0163】
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」としては、EGF阻害剤、TGFα阻害剤、ハーレギュリン阻害剤、インシュリン阻害剤、IGF阻害剤、FGF阻害剤、KGF阻害剤、CSF阻害剤、EPO阻害剤、IL−2阻害剤、NGF阻害剤、PDGF阻害剤、TGFβ阻害剤、HGF阻害剤、VEGF阻害剤、アンジオポエチン阻害剤、EGF受容体阻害剤、HER2阻害剤、HER4阻害剤、インシュリン受容体阻害剤、IGF−1受容体阻害剤、IGF−2受容体阻害剤、FGF受容体−1阻害剤、FGF受容体−2阻害剤、FGF受容体−3阻害剤、FGF受容体−4阻害剤、VEGF受容体阻害剤、Tie−2阻害剤、PDGF受容体阻害剤、Abl阻害剤、Raf阻害剤、FLT3阻害剤、c−Kit阻害剤、Src阻害剤、PKC阻害剤、Smo阻害薬、ALK阻害薬、ROR1阻害薬、Trk阻害剤、Ret阻害剤、mTOR阻害剤、Aurora阻害剤、PLK阻害剤、MEK(MEK1/2)阻害剤、MET阻害剤、CDK阻害剤、Akt阻害剤、ERK阻害剤、PI3K阻害剤等が用いられる。より具体的には、抗VEGF抗体(例、Bevacizumab、Ramucurumab)、抗HER2抗体(例、Trastuzumab、Pertuzumab)、抗EGFR抗体(例、Cetuximab、Panitumumab、Matuzumab、Nimotuzumab)、抗HGF抗体、Imatinib、Erlotinib、Gefitinib、Sorafenib、Sunitinib、Dasatinib、Lapatinib、Vatalanib、Ibrutinib、Bosutinib、Cabozantinib、Crizotinib、Alectinib、Vismodegib、Axitinib、Motesanib、Nilotinib、6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イルメチル)フェニル]−N−[1(R)−フェニルエチル]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(AEE−788)、Vandetanib、Temsirolimus、Everolimus、Enzastaurin、Tozasertib、リン酸 2−[N−[3−[4−[5−[N−(3−フルオロフェニル)カルバモイルメチル]−1H−ピラゾール−3−イルアミノ]キナゾリン−7−イルオキシ]プロピル]−N−エチルアミノ]エチル エステル(AZD−1152)、4−[9−クロロ−7−(2,6−ジフルオロフェニル)−5H−ピリミド[5,4−d][2]ベンズアゼピン−2−イルアミノ]安息香酸、N−[2−メトキシ−5−[(E)−2−(2,4,6−トリメトキシフェニル)ビニルスルホニルメチル]フェニル]グリシン ナトリウム塩(ON−1910Na)、Volasertib、Selumetinib、Trametinib、N−[2(R),3−ジヒドロキシプロポキシ]−3,4−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−4−ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド(PD−0325901)、Bosutinib、Regorafenib、Afatinib、Idelalisib、Ceritinib、Dabrafenib等が用いられる。
【0164】
上記の薬物の他に、L−アスパラギナーゼ、L−アルギナーゼ、アルギニンデイミナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン、indotecan,Indimitecan)、トポイソメラーゼII阻害薬(例、ソブゾキサン)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類)、他の血管新生阻害薬(例、フマギリン、さめ抽出物、COX−2阻害薬)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン)、ビスホスホン酸(例、パミドロネート、ゾレドロネート)、サリドマイド、レナリドマイド、ポマリドマイド、5アザシチジン、デシタビン、プロテアソーム阻害薬(例、ボルテゾミブ、カルフィゾミブ、イクサゾミブ)、NEDD8阻害薬(例、Pevonedistat)、UAE阻害薬、PARP阻害薬(例、Olaparib、Niraparib,Veliparib)、抗CD20抗体(例、Rituximab,Obinutuzumab)、抗CCR4抗体(例、Mogamulizumab)等の抗腫瘍性抗体、抗体薬物複合体(例、トラスツマブ エムタンシン、ブレンキシマブ ベドチン)等も挙げられる。
【0165】
「酵素補充療法剤」としては、アガルシダーゼα、アガルシダーゼβ、オリプダーゼアルファ、アルグルセラーゼ等が挙げられる。
「シャペロン療法剤」としては、ミガルスタット等が挙げられる。
「基質合成抑制療法剤」としては、ミグルスタット等が挙げられる。
「シクロデキストリン製剤」としては、ヒドロキシプロリル-β、γ-シクロデキストリン等が挙げられる。
「遺伝子治療」としては、正常遺伝子をアデノ随伴ウィルス(adeno-associated virus, AAV)などのベクターで導入する治療法などが挙げられる。
「細胞療法」としては、骨髄幹細胞や末梢血幹細胞などの造血幹細胞源を移植する治療法が挙げられる。
【0166】
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減し得る、(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択し得る、(3)治療期間を長く設定し得る、(4)治療効果の持続を図り得る、(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られ得る、等の優れた効果を得ることができ得る。
【0167】
以下、本発明化合物と併用薬物を併用する場合を「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分ないし3日以内、好ましくは10分ないし1日以内、より好ましくは15分ないし1時間以内に本発明化合物を投与すればよい。本発明化合物を先に投与する場合、本発明化合物を投与した後、1分ないし1日以内、好ましくは10分ないし6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与すればよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
【0168】
本発明化合物と併用薬物を併用する場合の投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物→併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)が挙げられる。
併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬物を0.01ないし100重量部用いればよい。
【0169】
さらに、本発明化合物または本発明の併用剤は、非薬剤療法と併用することができる。具体的には、本発明化合物または本発明の併用剤は、例えば、(1)手術、(2)アンジオテンシンII等を用いる昇圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法の非薬剤療法と組み合わせることもできる。
【0170】
例えば、本発明化合物または本発明の併用剤を前記手術等の前または後に、あるいはこれら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease−Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られる。
【0171】
また、本発明化合物または本発明の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリン等のβ−ラクタム系、クラリスロマイシン等のマクロライド系)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱等のような副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤の投与等〕を組み合わせることもできる。
【0172】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【実施例】
【0173】
以下の実施例中の「室温」は通常約 10 ℃ないし約 35 ℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、NHと記載した場合は、アミノプロピルシラン結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
mp: 融点
MS: マススペクトル
M: モル濃度
CDCl3: 重クロロホルム
DMSO-d6: 重ジメチルスルホキシド
1H NMR: プロトン核磁気共鳴
LC/MS: 液体クロマトグラフ質量分析計
ESI: エレクトロスプレーイオン化
APCI: 大気圧化学イオン化
DME: 1,2-ジメトキシエタン
DMA: N,N-ジメチルアセトアミド
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
HATU: 2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
DPPA: ジフェニルホスホリルアジド
mCPBA:m-クロロ過安息香酸
TBAF: テトラn-ブチルアンモニウムフルオリド
DBU: 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン
THF: テトラヒドロフラン
【0174】
1H NMRはフーリエ変換型NMRで測定した。解析にはACD/SpecManager (商品名) などを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を記載した。通常、分子イオンピーク ([M+H]+、[M-H]- など) が観測されるが、例えば、tert-ブトキシカルボニル基を有する化合物の場合は、フラグメントイオンとして、tert-ブトキシカルボニル基あるいはtert-ブチル基が脱離したピークが観測され、水酸基を有する化合物の場合は、フラグメントイオンとして、H2Oが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
【0175】
実施例1A
2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
A) メチル 1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(62 g) と炭酸カリウム (221 g) のDMF(700 mL)懸濁液に、氷冷下で硫酸ジメチル (121 g) を滴下し、室温で14時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (30 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.01 (3H, s), 4.03 (3H, s), 8.18 (1H, s).
【0176】
B) メチル 4-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
メチル 1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(10 g)のメタノール(200 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (2 g) を加え、水素雰囲気下(45psi)室温で6時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (8.57 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.86 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.08 (2H, brs), 6.96 (1H, s).
【0177】
C) メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(7.67 g)とメチルアクリラート (5.45 g) の混合物に酢酸(0.77 g)を加え、マイクロウェーブ照射下135℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後酢酸エチルで希釈した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (6.76 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.61 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.28-3.35 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.87 (3H, s), 3.89 (3H, s), 5.03 (1H, t, J = 6.4 Hz), 6.88 (1H, s).
【0178】
D) メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.2 g) 、ベンジルブロミド(1.0 g)と炭酸カリウム (1.4 g) の2-ブタノン(20 mL)混合物を還流下12時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (1.22 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.44 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.31 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.55 (3H, s), 3.80 (3H, s), 3.87 (3H, s), 4.16 (2H, s), 6.97 (1H, s), 7.14-7.28 (5H, m).
【0179】
E) メチル 4-ベンジル-2-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート
メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.22 g)のTHF(20 mL)溶液に、-20℃でリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(1M THF溶液)(6.3 mL)を滴下し2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (0.93 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.34 (1H, dd, J1 = 4.2 Hz, J2 = 11.4 Hz), 3.50-3.62 (2H, m), 3.68 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.08 (2H, d, J = 2.4 Hz), 6.62 (1H, s), 7.21-7.34 (5H, m).
【0180】
F) 4-ベンジル-2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
メチル 4-ベンジル-2-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート(3.2 g)の6規定塩酸(40 mL)溶液を還流下2時間撹拌した。反応混合物を2規定水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (1.83 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.69 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.25 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.85 (3H, s), 4.12 (2H, s), 6.67 (1H, s), 7.28-7.41 (5H, m).
【0181】
G) 2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
4-ベンジル-2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(1.83 g)のメタノール(50 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (0.3 g) と酢酸(50 mg)を加え、水素雰囲気下室温で12時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (0.73 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.64 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.46-3.51 (2H, m), 3.89 (3H, s), 6.93 (1H, s).
【0182】
H) 4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(0.73 g)とトリエチルアミン(1.47 g)のTHF(20 mL)溶液に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド(1.16 g)を徐々に加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (382 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.81 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.95 (3H, s), 3.98 (3H, s), 4.03 (3H, s), 4.19 (2H, t, J = 6.4 Hz), 6.95 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.10-7.17 (2H, m).
【0183】
I) (3,4-ジメトキシフェニル)(7-ヒドロキシ-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)メタノン
4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(380 mg)のメタノール(20 mL)溶液にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(137 mg)を徐々に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、更に30分撹拌した。ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (384 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.85-2.00 (2H, m), 3.70-3.80 (2H, m), 3.78 (3H, s), 3.86 (3H, s), 3.88 (3H, s), 4.68-4.74 (1H, m), 5.32 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.05-7.14 (3H, m) , 8.17(1H, brs).
【0184】
J) (7-アジド-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(3,4-ジメトキシフェニル)(7-ヒドロキシ-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)メタノン(384 mg)のトルエン(10 mL)とジクロロメタン(10 mL)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃でDPPA(0.84 g)を滴下した。10分間撹拌後、DBU(0.5 g)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物(330 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.91-2.02 (1H, m), 2.03-2.17 (1H, m), 3.63-3.72 (1H, m), 3.85 (3H, s), 3.87 (3H, s), 3.87-3.91 (1H, m), 3.93 (3H, s), 4.97 (1H, t, J = 4.0 Hz), 7.05-7.23 (3H, m), 8.26 (1H, brs).
【0185】
K) (7-アミノ-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(7-アジド-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(330 mg)のメタノール(10 mL)とジクロロメタン(3 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (30 mg)を加え、水素雰囲気下室温で5時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (295 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.76-1.90 (1H, m), 2.01-2.12 (1H, m), 2.48 (2H, brs), 3.58-3.72 (2H, m), 3.77 (3H, s), 3.79 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.15-4.21 (1H, m), 6.98- 7.07 (3H, m), 8.14 (1H, brs).
【0186】
L) 2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
(7-アミノ-2-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(283 mg) とトリエチルアミン(270 mg)のTHF(15 mL)とジクロロメタン(5 mL)溶液に2-クロロベンゾイル クロリド(188 mg)を氷冷下徐々に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタンを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (200 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.91-2.02 (1H, m), 2.05-2.16 (1H, m), 3.70-3.90 (11H, m), 5.17-5.24 (1H, m), 7.00-7.10 (3H, m), 7.35-7.51 (4H, m), 8.17 (1H, brs), 8.84 (1H, d, J = 8.0 Hz).
【0187】
実施例2A
2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
A) メチル 1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
4-ニトロ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸(37 g) と炭酸カリウム (97.6 g) のDMF(600 mL)懸濁液に、氷冷下で硫酸ジメチル (71.2 g) を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (8.62 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.02 (3H, s), 4.03 (3H, s), 8.01 (1H, s).
【0188】
B) メチル 4-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1-メチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(8.62 g)のメタノール(100 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (0.86 g) を加え、水素雰囲気下(40psi)室温で4時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (4.71 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.91 (3H, s), 4.03 (3H, s), 4.15 (2H, brs), 7.07 (1H, s).
【0189】
C) メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(4.71 g)とメチルアクリラート (3.14 g) の混合物に酢酸(0.4 g)を加え、マイクロウェーブ照射下165℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後酢酸エチルで希釈した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (2.25 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.61 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.38-3.46 (2H, m), 3.70 (3H, s), 3.89 (3H, s), 4.03 (3H, s), 5.04 (1H, brs), 7.06 (1H, s).
【0190】
D) メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(2.25 g) 、ベンジルブロミド(1.91 g)と炭酸カリウム (2.58 g) の2-ブタノン(50 mL)混合物を還流下16時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (2.38 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.51 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.34 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.62 (3H, s), 3.89 (3H, s), 4.10 (3H, s), 4.21 (2H, s), 7.28-7.41 (6H, m).
【0191】
E) メチル 4-ベンジル-1-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート
メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(2.38 g)のTHF(50 mL)溶液に、-20℃でリチウム ビス(トリメチルシリル)アミド(1M THF溶液)(18 mL)を滴下し2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (2.13 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.37 (1H, dd, J1 = 4.2 Hz, J2 = 11.4 Hz), 3.51 (1H, dd, J1 = 4.2 Hz, J2 = 8.4 Hz), 3.55-3.65 (1H, m), 3.74 (3H, s), 4.08 (3H, s), 4.27 (2H, d, J = 4.2 Hz), 7.01 (1H, s), 7.24-7.41 (5H, m).
【0192】
F) 4-ベンジル-1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
メチル 4-ベンジル-1-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート(2.13 g)の6規定塩酸(20 mL)溶液を還流下5時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (290 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.57 (2H, t, J = 7.2 Hz), 3.21 (2H, t, J = 7.2 Hz), 4.07 (3H, s), 4.24 (2H, s), 7.00 (1H, s), 7.24-7.41 (5H, m).
【0193】
G) 1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
4-ベンジル-1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(280 mg)のメタノール(20 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (30 mg) と酢酸(50 mg)を加え、水素雰囲気下室温で16時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (140 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.57 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.50 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.85 (1H, brs), 4.06 (3H, s), 7.05 (1H, s).
【0194】
H) 4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(570 mg)とトリエチルアミン(763 mg)のTHF(20 mL)溶液に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド(908 mg)を徐々に加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (950 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.75 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.78 (3H, s), 3.82 (3H, s), 3.98-4.15 (5H, m), 7.00-7.10 (1H, m), 7.12-7.23 (2H, m), 7.30-7.70 (1H, brs).
【0195】
I) (3,4-ジメトキシフェニル)(7-ヒドロキシ-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)メタノン
4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(400 mg)のメタノール(20 mL)溶液にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(144 mg)を徐々に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、更に30分撹拌した。ジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (418 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.02-2.12 (2H, m), 2.28-2.36 (1H, m), 3.50-3.65 (1H, m), 3.89 (6H, s), 3.92 (3H, s), 4.00-4.20 (1H, m), 4.88-4.94 (1H, m), 6.87 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.02-7.10 (2H, m).
【0196】
J) (7-アジド-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(3,4-ジメトキシフェニル)(7-ヒドロキシ-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)メタノン(412 mg)のトルエン(10 mL)とジクロロメタン(10 mL)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃でDPPA(1.07 g)を滴下した。10分間撹拌後、DBU(589 mg)を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ジクロロメタン/メタノール) で精製して標題化合物 (415 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.03-2.20 (2H, m), 3.18-3.30 (1H, m), 3.40-3.60 (1H, m), 3.79 (3H, s), 3.82 (3H, s), 3.86 (3H, s), 5.19 (1H, t, J = 4.0 Hz), 7.31 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.05-7.14 (2H, m).
【0197】
K) (7-アミノ-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(7-アジド-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(415 mg)のメタノール(20 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (40 mg)を加え、水素雰囲気下室温で3時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (350 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.86-2.05 (2H, m), 3.15-3.30 (1H, m), 3.60-3.75 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.83 (3H, s), 4.00-4.04 (1H, m), 7.00- 7.08 (3H, m), 7.70-8.10 (1H, brs).
【0198】
L) 2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
(7-アミノ-1-メチル-2,5,6,7-テトラヒドロ-4H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(340 mg) とトリエチルアミン(325 mg)のTHF(20 mL)溶液に2-クロロベンゾイル クロリド(226 mg)を氷冷下徐々に加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタンを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテルおよびジクロロメタン/メタノール) で精製し、酢酸エチル/石油エーテルから再結晶して標題化合物 (250 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.98-2.20 (2H, m), 3.57-3.72 (1H, m), 3.74-3.83 (9H, m), 3.84-4.00 (1H, m), 5.38-5.45 (1H, m), 6.98-7.10 (3H, m), 7.35-7.52 (4H, m), 7.70-8.30 (1H, brs), 9.07 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0199】
実施例3A
2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
A) メチル 3-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)プロパノアート
4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-アミン(3.50 g)、メチルアクリラート (8 mL)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン (0.49 g) およびDMF (3 mL) の混合物をマイクロウェーブ照射下、135 ℃で3時間30分撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、あわせた抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (3.20 g) を得た。
MS: [M+H]+ 261.8.
【0200】
B) メチル 3-(ベンジル(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)プロパノアート
メチル 3-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)プロパノアート (6.0 g)、炭酸カリウム (4.7 g) およびアセトニトリル (50 mL) の混合物に、ベンジルブロミド (4.3 g) を室温で加え、70 ℃で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (7.3 g) を得た。
MS: [M+H]+ 351.8.
【0201】
C) メチル 3-(ベンジル(4-シアノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)プロパノアート
メチル 3-(ベンジル(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)プロパノアート (6.0 g)、シアン化銅(I) (12.2 g) およびDMF (50 mL) の混合物を150 ℃で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (4.0 g) を得た。
MS: [M+H]+ 299.0.
【0202】
D) メチル 3-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート
メチル 3-(ベンジル(4-シアノ-1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)プロパノアート (4.0 g)、水酸化カリウム (9.8 g)、エタノール (4 mL) および水 (40 mL)の混合物を100 ℃で48時間撹拌した。反応混合物を2 N 塩酸で希釈し (pH8)、減圧下濃縮した。残渣、炭酸カリウム (7.4 g) およびDMF (50 mL) の混合物に、ヨードメタン(9.5 g)を加え、50 ℃で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (3.3 g) を得た。
MS: [M+H]+ 331.9.
【0203】
E) 7-ベンジル-2-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン
メチル 3-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート(2.8 g) のTHF溶液 (20 mL) に、1 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−THF溶液 (15.1 mL) を-5 ℃で加え、同温度で40分撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣、水酸化ナトリウム (1.5 g)、THF (20 mL) および水 (20 mL)の混合物を70 ℃で6時間撹拌した。反応混合物を1 N 塩酸で希釈し (pH9)、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (1.2 g) を得た。
MS: [M+H]+ 242.0.
【0204】
F) 7-ベンジル-2-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン オキシム
7-ベンジル-2-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン (1.2 g)、酢酸ナトリウム (1.7 g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.4 g) およびエタノール (15 mL) の混合物を加熱還流条件下で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈し (pH9)、生じた沈殿をろ取して標題化合物 (1.0 g) を得た。
MS: [M+H]+ 257.0.
【0205】
G) 7-ベンジル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-アミン
7-ベンジル-2-メチル-6,7-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン オキシム (872 mg)、ラネーニッケル (1.6 g) およびメタノール (15 mL) の混合物を水素雰囲気下、40 ℃で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (800 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 243.0.
【0206】
H) tert-ブチル 7-ベンジル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4- イルカルバマート
7-ベンジル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-アミン(800 mg) のジクロロメタン溶液 (12 mL) に、トリエチルアミン (668 mg) とジ-tert-ブチル ジカルボナート (864 mg) を室温で加えた。同温度で2時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (715 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 343.0.
【0207】
I) tert-ブチル 2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イルカルバマート
tert-ブチル 7-ベンジル-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4- イルカルバマート (698 mg)、10%パラジウム−炭素 (50%含水、200 mg)、酢酸(0.5 mL) およびTHF (5 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で3日間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈し (pH9)、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (480 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 253.1.
【0208】
J) tert-ブチル 7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ [3,4-b]ピリジン-4-イルカルバマート
tert-ブチル 2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イルカルバマート (139 mg)、トリエチルアミン (89 mg) およびジクロロメタン (3 mL) の混合物に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (133 mg) を氷冷下で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を薄膜シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製して標題化合物(150 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 416.9.
【0209】
K) (4-アミノ-2-メチル-5,6-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシ フェニル)メタノン
tert-ブチル 7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ [3,4-b]ピリジン-4-イルカルバマート (150 mg) をジクロロメタン (2 mL) に溶解し、TFA (2 mL) を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈した後、飽和炭酸ナトリウム水溶液で希釈し (pH9)、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (106 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 317.0.
【0210】
L) 2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
(4-アミノ-2-メチル-5,6-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシ フェニル)メタノン (108 mg)、ピリジン (54 mg) およびジクロロメタン (1.5 mL) の混合物に2-クロロベンゾイル クロリド (77 mg) を氷冷下で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆相HPLCで精製して標題化合物 (89 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.11-2.17 (1H, m), 2.30-2.37 (1H, m), 3.72 (3H, s), 3.79-3.85 (1H, m), 3.87 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.05-4.11 (1H, m), 5.33-5.37 (1H, m), 6.42 (1H, d, J = 7.2 Hz), 6.82-6.84 (1H, m), 7.13-7.15 (2H, m), 7.33-7.42 (4H, m), 7.69-7.71 (1H, m).
【0211】
実施例17A
2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミド
A) 5-メチル-4-ニトロ-1,2-オキサゾール-3-カルボン酸
5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボン酸(50.84 g) の濃硫酸(500 mL)溶液に室温で硝酸ナトリウム(50.99 g) を徐々に加えた。反応混合物を50℃で16時間撹拌した。室温まで冷却後、反応液を氷に徐々に加えた後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して標題化合物 (51.6 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.28 (3H, s), 10.66 (1H, brs).
【0212】
B) メチル 5-メチル-4-ニトロ-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート
5-メチル-4-ニトロ-1,2-オキサゾール-3-カルボン酸(40 g) のメタノール(900 mL)溶液に氷冷下で塩化チオニル(80 mL) を滴下した。反応液を室温で3日間撹拌した後、メタノールを減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (44.22 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.86 (3H, s), 4.04 (3H, s).
【0213】
C) メチル 4-アミノ-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート
塩化アンモニウム(55.7 g) の水(400 mL)溶液に、メチル 5-メチル-4-ニトロ-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート(13 g) のメタノール(100 mL)溶液を加えた。反応混合物にに氷冷下で亜鉛粉末(54.5 g) を徐々に加え、その後5℃で1.5時間撹拌した。ろ過により不要物を除去し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (9.47 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.55 (2H, brs), 2.85 (3H, s), 4.03 (3H, s).
【0214】
D) メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート (27.8 g)とメチルアクリラート (55 mL) の混合物にBF3.Et2O (12.64 g)を室温で滴下し、その後80℃で9時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後酢酸エチルで希釈した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (35.7 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.48 (3H, s), 2.54 (2H, d, J = 6.4 Hz), 3.29 (2H, d, J = 6.8 Hz), 3.62 (3H, s) , 3.69 (3H, s) , 4.40 (1H, brs).
【0215】
E) メチル 4-[(4-メトキシベンジル)(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート(15.7 g) 、4-メトキシベンジルブロミド(19.5 g)と炭酸カリウム (17.97 g) の2-ブタノン(200 mL)混合物を還流下6時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (12.02 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.05 (3H, s), 2.36 (2H, d, J = 6.8 Hz), 3.36 (2H, d, J = 6.8 Hz), 3.62 (3H, s), 3.77 (3H, s), 4.00 (3H, s), 4.04 (2H, s), 6.77 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.07 (2H, d, J = 8.8 Hz).
【0216】
F) メチル 4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート
メチル 4-[(4-メトキシベンジル)(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-5-メチル-1,2-オキサゾール-3-カルボキシラート(12.02 g)のTHF(50 mL)溶液を、-20℃でt-BuOK (9.31 g)とTHF(200 mL)の混合物に滴下した。反応混合物を30分間撹拌した後に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (9.02 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.20 (3H, s), 3.79 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.90 (2H, s), 4.09 (2H, s), 6.88 (2H, d, J = 8.4 Hz), 7.18 (2H, d, J = 8.4 Hz).
【0217】
G) 4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-5,6-ジヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン
メチル 4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート(9.02 g)、酸化アルミニウム(100 g)と1,4-ジオキサン(700 mL)混合物を還流下30分間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去して標題化合物 (3.46 g) を得た。
MS: [M+H]+ 272.9.
【0218】
H) 4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オール
4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-5,-ジヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン(3.46 g)のメタノール(100 mL)溶液にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(960 mg)を徐々に加え、15℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、更に30分撹拌した。酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (1.2 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.94-2.05 (2H, m), 2.38 (3H, s), 2.56 (1H, s), 2.82-2.91 (1H, m), 3.03-3.11 (1H, m), 3.81 (3H, s), 4.11 (1H, d, J = 14.8 Hz), 4.24 (1H, d, J = 14.8 Hz), 4.94-5.01 (1H, m), 6.88 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.22 (2H, d, J = 8.0 Hz).
【0219】
I) 2-クロロベンズアミド
4M アンモニア−THF溶液 (40 mL) に、2-クロロベンゾイル クロリド(5 g)のTHF(20 mL)溶液を氷冷下滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (4.6 g) を得た。
MS: [M+H]+ 155.7.
【0220】
J) tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)カルバマート
60%水素化ナトリウム(油性) (0.32 g)のTHF (15 mL)懸濁液に、2-クロロベンズアミド(0.62 g)のTHF溶液を氷冷下滴下し、15℃で20分間撹拌した。反応混合物にBoc2O(0.87 g)のTHF (15 mL)溶液をゆっくり加え、15℃で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (0.88 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.29 (9H, s), 7.14-7.31 (3H, m), 7.37 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.64 (1H, brs).
【0221】
K) tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)[4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]カルバマート
窒素雰囲気下、tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)カルバマート(366 mg)、4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オール(356 mg)およびトリフェニルホスフィン(3.75 g)のTHF(20 mL)溶液に0℃でDEAD(2.26 g)を滴下した後30分間撹拌した。さらに、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製した。得られた残渣をHPLCで生成して標題化合物 (270 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.13 (9H, s), 2.06-2.15 (1H, m), 2.33 (3H, s), 2.60-2.73 (1H, m), 2.88-2.98 (1H, m), 3.08-3.14 (1H, m), 3.82 (3H, s), 4.03 (1H, d, J = 14.4 Hz), 4.30 (1H, d, J = 14.4 Hz), 5.84-5.94 (1H, m), 6.89 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.26-7.38 (5H, m), 7.51 (1H, d, J = 6.0 Hz).
【0222】
L) tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)[4-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]カルバマート(270 mg) と1-クロロエチル クロロホルマート(2.27 g)の1,2-ジクロロエタン(20 mL)溶液を還流下で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をメタノール(20 mL)に溶解し、還流下2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して標題化合物 (260 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 392.0.
【0223】
M) 2-クロロ-N-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
tert-ブチル (2-クロロベンゾイル)(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート(260 mg)、トリフルオロ酢酸(3 mL) およびジクロロメタン(12 mL)の混合物を15℃で3時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去して標題化合物 (240 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.90-2.03 (1H, m), 2.30 (3H, s), 2.52-2.61 (1H, m), 2.93 (1H, brs), 3.25-3.40 (2H, m), 5.33-5.42 (1H, m), 6.68 (1H, brs), 7.30-7.44 (3H, m), 7.69-7.74 (1H, m).
【0224】
N) 2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミド
2-クロロ-N-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]オキサゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド(240 mg) とトリエチルアミン(250 mg)のTHF(15 mL)溶液に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド(198 mg)を氷冷下徐々に加え、30分間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLCで精製して標題化合物 (75 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.96-2.10 (1H, m), 2.39 (3H, s), 2.50-2.60 (1H, m), 3.78-3.88 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.94 (3H, s), 4.05-4.15 (1H, m), 5.35-5.44 (1H, m), 6.78 (1H, d, J = 6.0 Hz), 6.91 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.12-7.21 (2H, m), 7.30-7.42 (3H, m), 7.71 (1H, d, J = 7.6 Hz).
【0225】
実施例18A
2-クロロ-N-{4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-[(3-メチルオキセタン-3-イル)メチル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル}ベンズアミド
2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミドおよび2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミドの異性体混合物(150 mg) 、3-(クロロメチル)-3-メチルオキセタン(45.1 mg)、炭酸カリウム(94 mg)およびDMF(10 mL)の混合物を50℃で15時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製して標題化合物(37 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.19 (3H, s), 1.90-2.21 (2H, m), 3.54-3.75 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.81 (3H, s), 3.83-3.98 (1H, m), 4.17-4.36 (4H, m), 4.62 (1H, d, J = 5.7 Hz), 4.71 (1H, d, J = 5.7 Hz), 5.26-5.42 (1H, m), 6.98-7.11 (3H,m), 7.34-7.54(4H, m), 8.03 (1H, brs), 9.10 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0226】
実施例30A
2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミド
A) エチル (2E)-シアノ({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}イミノ)アセタート
エチル (2E)-シアノ(ヒドロキシイミノ)アセタート(41.63 g) 、トリエチルアミン(45.53 g)の酢酸エチル(300 mL)溶液に氷冷下でp-トルエンスルホニルクロリド(57.2 g) を徐々に加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した。不溶物をろ過によって除去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣に水(300 mL)を加え15分間撹拌した。析出した沈殿をろ過し、減圧下乾燥することで標題化合物 (49.18 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.48 (3H, s), 4.41 (2H, q, J = 7.2 Hz), 7.41 (2H, d, J = 8.0 Hz), 7.92 (2H, d, J = 8.4 Hz).
【0227】
B) ジエチル 4-アミノ-1,2-チアゾール-3,5-ジカルボキシラート
エチル (2E)-シアノ({[(4-メチルフェニル)スルホニル]オキシ}イミノ)アセタート(37.1 g) とエチル 2-メルカプトアセタート(22.53 g)のエタノール混合物に、液温が35-40℃となるようにピリジン(12.36 g)を滴下した。反応液を室温で3時間撹拌した後、トリエチルアミン(20 mL)を加え更に30分撹拌した。反応混合物を氷水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (28.45 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.45 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.36 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.45 (2H, q, J = 7.2 Hz), 6.49 (2H, brs).
【0228】
C) 4-アミノ-1,2-チアゾール-3-カルボン酸 塩酸塩
ジエチル 4-アミノ-1,2-チアゾール-3,5-ジカルボキシラート(28.45 g) の濃塩酸(110 mL)溶液を還流下4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、一晩静置した。析出した結晶をろ取し、アセトンで洗浄後乾燥することで標題化合物 (11.79 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, D2O) δ 8.89 (1H, s).
【0229】
D) メチル 4-アミノ-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート
4-アミノ-1,2-チアゾール-3-カルボン酸 塩酸塩(23.4 g) のメタノール(800 mL)溶液に氷冷下で塩化チオニル(30 mL) を滴下した。反応液を室温で2日間撹拌した後、メタノールを減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (17.1 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.97 (3H, s), 4.93 (2H, brs), 7.56 (1H, s).
【0230】
E) メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート (18.2 g)とメチルアクリラート (18 mL) の混合物に酢酸(0.69 g)を加え、マイクロウェーブ照射下190℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後酢酸エチルで希釈した。飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (5.6 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.68 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.48 (2H, t, J = 5.6 Hz), 3.73 (3H, s), 3.98 (3H, s), 6.31 (1H, brs), 7.40 (1H, s).
【0231】
F) メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-[(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート(5.63 g) 、ベンジルブロミド(5.93 g)と炭酸カリウム (6.36 g) の2-ブタノン(100 mL)混合物を還流下8時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (6.43 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.55 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.43 (2H, t, J = 7.5 Hz), 3.61 (3H, s), 3.99 (3H, s), 4.29 (2H, s), 7.24-7.38 (5H, m), 7.95 (1H, s).
【0232】
G) メチル 4-ベンジル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート
メチル 4-[ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ]-1,2-チアゾール-3-カルボキシラート(6.45 g)のTHF(20 mL)溶液を、-20℃でt-BuOK (4.33 g)とTHF(80 mL)の混合物に滴下した。反応混合物を50分間撹拌した後に飽和塩化アンモニウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (6.12 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.73 (3H, s), 4.09 (2H, s), 4.21 (2H, s), 6.92 (1H, s), 7.20-7.38 (5H, m), 11.76 (1H, s).
【0233】
H) 4-ベンジル-5,6-ジヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン
メチル 4-ベンジル-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-6-カルボキシラート(6.12 g)、酸化アルミニウム(90 g)と1,4-ジオキサン(600 mL)混合物を還流下2時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、不溶物をろ過により除去した。ろ液を減圧下留去して標題化合物 (3.66 g) を得た。
MS: [M+H]+ 244.9.
【0234】
I) 4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オール
4-ベンジル-5,6-ジヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン(3.66 g)のメタノール(80 mL)溶液にテトラヒドロホウ酸ナトリウム(1.14 g)を徐々に加え、15℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (2.87 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.02-2.28 (2H, m), 2.88 (1H, brs), 3.10-3.22 (1H, m), 3.25-3.39 (1H, m), 4.33 (2H, s), 4.92 (1H, t, J = 5.1 Hz), 7.05 (1H, s), 7.25-7.46 (5H, m).
【0235】
J) 7-アジド-4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン
4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オール(370 mg)のトルエン(15 mL)とジクロロメタン(15 mL)の溶液に、窒素雰囲気下、0℃でDPPA(1.24 g)を滴下した。30分間撹拌後、DBU(680 mg)を加え、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (390 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.94-2.02 (1H, m), 2.02-2.14 (1H, m), 3.02-3.10 (1H, m), 3.17-3.25 (1H, m), 4.24 (1H, d, J = 15.6 Hz), 4.30 (1H, d, J = 15.2 Hz), 4.75 (1H, t, J = 4.4 Hz), 7.06 (1H, s), 7.11-7.38 (5H, m).
【0236】
K) 4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン
7-アジド-4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン(380 mg)のメタノール(20 mL)溶液に、パラジウム炭素(10%) (40 mg)を加え、水素雰囲気下室温で3時間撹拌した。パラジウム炭素をろ過により除去後、ろ液を濃縮して標題化合物 (280 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.65 (2H, brs), 1.76-1.90 (1H, m), 2.12-2.24 (1H, m), 3.05-3.36 (2H, m), 4.00-4.06 (1H, m), 4.25 (2H, s), 6.95 (1H, s), 7.20-7.38 (5H, m).
【0237】
L) N-(4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-クロロベンズアミド
4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(210 mg) とトリエチルアミン(261 mg)のTHF(10 mL)溶液に2-クロロベンゾイル クロリド(226 mg)を氷冷下徐々に加え、15℃で1時間撹拌した。反応混合物にジクロロメタンを加え、飽和炭酸ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (210 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.00-2.15 (1H, m), 2.68-2.70 (1H, m), 3.21-3.42 (2H, m), 4.34 (2H, s), 5.16-5.30 (1H, m), 6.89 (1H, d, J = 5.7 Hz), 7.05 (1H, s), 7.20-7.42 (8H, m), 7.72 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0238】
M) 2-クロロ-N-(4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
N-(4-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-クロロベンズアミド(180 mg)、塩化アルミニウム(313 mg)とトルエン(10 mL)混合物を50℃で4時間撹拌した。反応混合物室温まで冷却後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (120 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 293.8.
【0239】
N) 2-クロロ-N-[4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル]ベンズアミド
2-クロロ-N-(4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド(120 mg)とトリエチルアミン(124 mg)のTHF(10 mL)溶液に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド(98 mg)を15℃で徐々に加え、30分間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去し、残渣をHPLC で精製して標題化合物 (30 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.92-2.09 (1H, m), 2.74-2.84 (1H, m), 3.84-3.90 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.95 (3H, s), 4.09-4.20 (1H, m), 5.22-5.37 (1H, m), 6.93 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.03 (1H, d, J = 5.6 Hz), 7.05-7.13 (2H, m), 7.30-7.44 (3H, m), 7.72-7.80 (1H, m), 9.21 (1H, brs).
【0240】
実施例36A
2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
A) メチル 1-イソプロピル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボン酸 (10 g) とトシル酸一水和物 (0.605 g) とメタノール (120 mL) の混合物を65 ℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を過剰量の炭酸カリウム水溶液で希釈し、酢酸エチル (200 mL) で抽出した。水層を6規定塩酸を用いてpH7-8に調整し、酢酸エチル−テトラヒドロフラン混合液 (3/1, v/v, 200 mL) で抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をN,N'-ジメチルホルムアミド (200 mL) に溶解し、氷冷下、水素化ナトリウム (60%, 3.06 g) を小分けにして加えた。同温度で20分間撹拌後、2-ヨウ化プロピル (19.1 mL) を20分間かけて滴下した。混合物を同温度で1時間、室温で5時間撹拌した。反応混合物を10 ℃に冷却し、水 (500 mL) で希釈し、酢酸エチル (300 mL) で2回抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (3.59 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.43 (6H, d, J = 6.6 Hz), 3.99 (3H, s), 4.64-4.79 (1H, m), 8.41 (1H, s).
【0241】
B) メチル 4-アミノ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1-イソプロピル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(3.57 g) と10%パラジウム−炭素 (50%含水, 0.18 g) とメタノール (60 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。不溶物をセライトを用いて濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (3.02 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.30 (6H, d, J = 6.6 Hz), 3.79 (3H, s), 5.00 (2H, s), 5.21 (1H, dt, J = 13.1, 6.5 Hz), 7.05 (1H, s).
【0242】
C) メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(2.92 g) とメチルアクリラート (13.7 g) と4-(ジメチルアミノ)ピリジン (0.389 g) とN,N'-ジメチルホルムアミド (20 mL) の混合物を100 ℃で3日間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、余剰のメチルアクリラートを減圧下留去した。残渣にベンジルブロミド (2.84 mL) と炭酸カリウム (3.30 g) を加え、室温で8時間撹拌した。反応混合物を水 (200 mL) で希釈し、酢酸エチル (200 mL) で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (4.34 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.34 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.40-2.47 (2H, m), 3.22 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.50 (3H, s), 3.80 (3H, s), 4.14 (2H, s), 5.12-5.25 (1H, m), 7.17-7.26 (1H, m), 7.27-7.31 (4H, m), 7.41 (1H, s).
【0243】
D) 4-ベンジル-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン
メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(4.24 g) のテトラヒドロフラン溶液 (80 mL) に、1.9 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液 (6.83 mL) を室温で滴下した。同温度で1時間撹拌後、1.9 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液 (3.10 mL) 加え、さらに30分間撹拌後、1.9 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液 (1.86 mL) を加えた。同温度で1時間撹拌後、2 M 水酸化ナトリウム水溶液 (59 mL) を加え、反応混合物を70 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を水 (150 mL) で希釈し、酢酸エチル (150 mL + 50 mL) で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (2.89 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.33 (6H, d, J = 6.6 Hz), 2.45-2.53 (2H, m), 3.12-3.19 (2H, m), 4.30 (2H, s), 5.16 (1H, quin, J = 6.6 Hz), 7.25-7.42 (6H, m).
【0244】
E) 4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン
4-ベンジル-1-イソプロピル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン (900 mg) とピリジン (1.32 g) とヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.16 g) とエタノール (20 mL) の混合物を80-90 ℃で6時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣とラネーニッケル (8 g) とメタノール (20 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。不溶物をセライトを用いて濾去し、セライトをメタノール−水 (3/1) で洗浄した。ろ液を減圧下濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (643 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 271.0.
【0245】
F) N-(4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-クロロベンズアミド
4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(640 mg) のテトラヒドロフラン溶液 (12 mL) に、トリエチルアミン (0.66 mL) と2-クロロベンゾイル クロリド (0.36 mL) を室温で加えた。同温度で1時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (927 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.31-1.41 (6H, m), 1.87-2.07 (2H, m), 2.74-2.97 (2H, m), 3.92 (1H, d, J = 14.3 Hz), 4.23 (1H, d, J = 14.3 Hz), 4.36-4.46 (1H, m), 5.25-5.32 (1H, m), 7.00 (1H, s), 7.23-7.50 (9H, m), 9.03 (1H, d, J = 8.5 Hz).
【0246】
G) 2-クロロ-N-(1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
N-(4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-クロロベンズアミド (900 mg) のアセトニトリル溶液 (12 mL) に、クロロギ酸 1-クロロエチル (472 mg) を室温で加えた。混合物を80 ℃で1時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣にメタノール (5 mL) を加えた。混合物を70 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (416 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.35 (6H, dd, J = 6.5, 1.0 Hz), 1.78-1.92 (2H, m), 2.98-3.07 (2H, m), 4.39 (1H, dt, J = 13.0, 6.6 Hz), 4.47-4.51 (1H, m), 5.23-5.31 (1H, m), 6.91 (1H, s), 7.32-7.51 (4H, m), 9.01 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0247】
H) 2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
2-クロロ-N-(1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド (300 mg) のピリジン溶液 (5 mL) に3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (283 mg) を室温で加えた。同温度で1時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、酢酸エチル−ヘキサンに付した。析出物をろ取して標題化合物 (387 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.94-2.20 (2H, m), 3.57-3.98 (8H, m), 4.45-4.58 (1H, m), 5.38-5.49 (1H, m), 6.97-7.08 (3H, m), 7.34-7.53 (4H, m), 7.99 (1H, brs), 9.12 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0248】
実施例54A
N-(3-ブロモ-4-(3-クロロ-4-メトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-クロロベンズアミド
2-クロロ-N-(4-(3-クロロ-4-メトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド (95 mg) の酢酸エチル (2.0 mL) 溶液に氷冷下、N-ブロモスクシンイミド (38.7 mg) を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (37.5 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.04-2.20 (1H, m), 2.21-2.39 (1H, m), 3.70 (1H, t, J = 11.0 Hz), 3.85 (3H, s), 3.96 (3H, s), 4.08 (1H, d, J = 16.0 Hz), 5.51-5.66 (1H, m), 6.64 (1H, m), 6.95 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.31-7.45 (3H, m), 7.53 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.63-7.73 (2H, m).
【0249】
実施例74A
2-クロロ-N-((7S)-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド (400 mg) をSFC (カラム:CHIRALCEL ODH、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 770/230) にて分取し、保持時間の小さい方を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンに付した。析出物をろ取して標題化合物 (158 mg) を得た。実施例75Aの標題化合物をR体と決定したことから、本化合物をS体と決定した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.95-2.19 (2H, m), 3.56-3.95 (8H, m), 4.45-4.59 (1H, m), 5.39-5.47 (1H, m), 6.94-7.08 (3H, m), 7.34-7.54 (4H, m), 8.03 (1H, brs), 9.12 (1H, d, J = 8.7 Hz).
>99.9%ee
【0250】
実施例75A
2-クロロ-N-((7R)-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
実施例74Aの光学分割操作において、保持時間の大きい方を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサンに付した。析出物をろ取して標題化合物 (169 mg) を得た。単結晶X線解析により絶対構造をR体と決定した。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, d, J = 6.4 Hz), 1.95-2.20 (2H, m), 3.54-3.94 (8H, m), 4.44-4.59 (1H, m), 5.37-5.49 (1H, m), 6.98-7.07 (3H, m), 7.35-7.53 (4H, m), 8.00 (1H, brs), 9.12 (1H, d, J = 8.5 Hz).
>99.9%ee
【0251】
実施例113A
2-クロロ-N-(3-クロロ-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド
2-クロロ-N-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)ベンズアミド (200 mg) のDMF (2.0 mL) 溶液に、室温でN-クロロスクシンイミド(70.4 mg) を加え、同温度で終夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) および逆層HPLCで精製した後、THF/酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (16.5 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.90-2.04 (1H, m), 2.05-2.18 (1H, m), 3.76 (6H, s), 3.81 (3H, s), 3.88-4.00 (2H, m), 5.29-5.50 (1H, m), 7.01 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.07-7.24 (2H, m), 7.34-7.59 (4H, m), 9.13 (1H, d, J = 8.5 Hz).
【0252】
実施例117A
2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
A) メチル 3-メチル-5-((フェノキシカルボニル)アミノ)イソチアゾール-4-カルボキシラート
クロロギ酸フェニル (24.7 mL) のアセトニトリル (300 mL) 溶液に、0℃でチオシアン酸カリウム (19.1 g) を加え、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。3-アミノブタ-2-エン酸メチル(22.6 g) を加え、室温で30分撹拌した。反応混合液を0℃に冷却して、臭素 (10.1 mL) を加え、室温にて30分撹拌した。反応混合物を水/酢酸エチルに加え、不溶物をろ別し、 ろ液を酢酸エチルで抽出し、溶媒を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで洗浄して、標題化合物 (18.6 g) を得た。
MS: [M+H]+ 293.2.
【0253】
B) メチル 5-アミノ-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート
メチル 3-メチル-5-((フェノキシカルボニル)アミノ)イソチアゾール-4-カルボキシラート (36.3 g)と水 (25 mL) と、N,N-ジメチルホルムアミド (250 mL) の混合物に、炭酸ナトリウム (26.3 g) を加え、90℃ で1 時間撹拌した。反応混合物を水に加え、セライトを用いてろ過し、濾液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (12.3 g) を得た。
MS: [M+H]+ 173.2.
【0254】
C) メチル 5-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート
メチル 5-アミノ-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート (12.0 g) とメチルアクリラート (62.8 mL) と N,N-ジメチルホルムアミド (25 mL) の混合溶液に、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(0.85 g) を加えて、窒素雰囲気下100℃ で 15 時間撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物 (7.4 g) を得た。メチルアクリラート
MS: [M+H]+ 259.1.
【0255】
D) メチル 5-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート
メチル 5-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート (6.10 g) とヨウ化ナトリウム (0.35 g) と炭酸セシウム (23.1 g) と2-ブタノン(47 mL) の混合物に、(ブロモメチル)ベンゼン (8.4 mL) を加えて、5 時間還流した後に、室温に冷却した。反応混合物に N,N-ジメチルアセトアミド (47 mL) と(ブロモメチル)ベンゼン (5.5 mL) を加え、窒素雰囲気下、室温で 15 時間撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (5.1 g) を得た。
MS: [M+H]+ 349.3.
【0256】
E) メチル 7-ベンジル-3-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-カルボキシラート
メチル 5-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-3-メチルイソチアゾール-4-カルボキシラート (4.40 g) のテトラヒドロフラン (63 mL) 溶液に、1.9 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−テトラヒドロフラン溶液 (13.3 mL) を 0℃ で加えた。同温度で 5 分間撹拌後、飽和塩化アンモニウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.76 g) を得た。
MS: [M+H]+ 317.2.
【0257】
F) 7-ベンジル-3-メチル-6,7-ジヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4(5H)-オン
メチル 7-ベンジル-3-メチル-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-5-カルボキシラート (1.73 g) のテトラヒドロフラン (27 mL) 溶液に、2.0 M 水酸化ナトリウム水溶液 (27 mL) を室温で加えた。混合物を 60℃ で 3 d時間撹拌し、室温に冷却後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (983 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 259.1.
【0258】
G) 7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-オール
7-ベンジル-3-メチル-6,7-ジヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4(5H)-オン (970 mg) のメタノール (15 mL) 溶液に、水素化ホウ素ナトリウム (142 mg) を 0℃ で加え、窒素雰囲気下、混合物を室温で 30 分撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製して標題化合物 (972 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 261.2.
【0259】
H) 4-アジド-7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン
7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-オール(950 mg) と DBU (1.64 mL) のトルエン(15 mL) 溶液に、DPPA (2.35 mL) を 0℃ で滴下して、窒素雰囲気下、室温で 15 時間撹拌した。反応混合液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製して、溶媒を減圧下留去した。残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (833 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.76-2.02 (1H, m), 2.03-2.16 (1H, m), 2.38 (3H, s), 3.02-3.39 (2H, m), 4.38 (2H, s), 4.50-4.66 (1H, m), 7.19-7.48 (5H, m).
【0260】
I) 7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-アミン
4-アジド-7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン (820 mg) と10%パラジウム−炭素 (50%含水, 82 mg)とメタノール (15 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で 3 時間撹拌した。不溶物を濾去し、ろ液を減圧下留去して標題化合物 (742 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 260.2.
【0261】
J) N-(7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)-2-クロロベンズアミド
7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-アミン(730 mg)とトリエチルアミン (0.79 mL)のテトラヒドロフラン (10 mL) 溶液に、塩化 2-クロロベンゾイル (0.38 mL)を滴下し、混合物を室温で 15時間撹拌した。反応混合液の溶媒を減圧下留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH, 酢酸エチル) で精製して、酢酸エチルを減圧下留去した。残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (459 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 398.2.
【0262】
K) 2-クロロ-N-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
N-(7-ベンジル-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)-2-クロロベンズアミド(410 mg) のトルエン (10 mL) 溶液に塩化アルミニウム (687 mg) を加え、60℃で2時間撹拌した。反応混合液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/メタノール) で精製して、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで洗浄して、標題化合物(251 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 308.2.
【0263】
L) 2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
2-クロロ-N-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド (145 mg) のピリジン (2.0 mL) 溶液に、塩化 3,4-ジメトキシベンゾイル (113 mg) を滴下し、室温で30分撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル) で精製して、溶媒を減圧下留去した。残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して、溶媒を減圧下留去して得られた残渣を、酢酸エチル/ヘキサンで洗浄して、標題化合物 (23.6 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.94-2.22 (2H, m), 2.38 (3H, s), 3.69-3.97 (7H, m), 4.02-4.17 (1H, m), 5.24-5.38 (1H, m), 6.94-7.24 (3H, m), 7.28-7.59 (4H, m), 8.80 (1H, d, J = 8.3 Hz).
【0264】
実施例118A
2-クロロ-N-(7-(3-クロロ-4-メトキシベンゾイル)-3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ[1,2]チアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
2-クロロ-N-(3-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロイソチアゾロ[5,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド (102 mg) と3-クロロ-4-メトキシ安息香酸 (186 mg)とトリエチルアミン (0.231 mL)とN,N-ジメチルホルムアミド (2.0 mL) の混合物にHATU (504 mg) を加え、室温で18時間撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去した後に、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル) で精製して、溶媒を減圧下留去した。残渣を再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。残渣を酢酸エチル/ジイソプロピルーテルに付した。得られた析出物をろ取して標題化合物 (49.5 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.01-2.22 (2H, m), 2.38 (3H, s), 3.69-4.18 (5H, m), 5.09-5.51 (1H, m), 7.18-7.63 (6H, m), 7.68 (1H, d, J = 2.1 Hz), 8.77 (1H, d, J = 8.3 Hz).
【0265】
実施例126A
4-クロロ-N-(4-((5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
A) メチル 1-(2,2-ジフルオロエチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート (7.00 g)、2,2-ジフルオロエタノール (3.69 g)、トリフェニルホスフィン (14.0 g) およびTHF (120 mL) の混合物に、1.9 M アゾジカルボン酸ジイソプロピル−トルエン溶液 (28.0 mL) を氷冷下で滴下し、反応混合物を窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (7.11 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 4.03 (3H, s), 4.75 (2H, td, J = 13.2, 4.1 Hz), 5.80-6.41 (1H, m), 8.10 (1H, s).
【0266】
B) メチル 4-アミノ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1-(2,2-ジフルオロエチル)-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(7.10 g)、10%パラジウム−炭素 (0.964 g) およびメタノール (200 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (4.62 g) を得た。
MS: [M+H]+ 205.9.
【0267】
C) メチル 1-(2,2-ジフルオロエチル)-4-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート (4.60 g)、メチルアクリラート (20.2 mL)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン (548 mg) およびDMF (25 mL) の混合物を窒素雰囲気下、100 ℃で2日間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (2.46 g) を得た。
MS: [M+H]+ 291.9.
【0268】
D) メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1-(2,2-ジフルオロエチル)-4-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート (2.45 g)、炭酸カリウム (2.33 g) およびDMF (30 mL) の混合物に、ベンジルブロミド (1.31 mL)の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (2.88 g) を得た。
MS: [M+H]+ 382.0.
【0269】
E) 4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン
メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート (2.10 g) のTHF溶液 (30 mL) に、1 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−THF溶液 (8.26 mL) を室温で加え、同温度で2時間撹拌した。2 M 水酸化ナトリウム水溶液 (27.5 mL) を加え、反応混合物を70 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を2 M 塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (910 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 291.9.
【0270】
F) 4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム
4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン (910 mg)、ピリジン (1.24 g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.09 g) およびエタノール (10 mL) の混合物を90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下留去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (933 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 306.9.
【0271】
G) 4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン
4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム (930 mg)、ラネーニッケル (10 g) およびメタノール (40 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (702 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 292.9.
【0272】
H) tert-ブチル (4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(700 mg) およびトリエチルアミン (0.668 mL)のTHF溶液 (7 mL) に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート (0.612 mL) を室温で滴下した。同温度で2時間撹拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (826 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 393.0.
【0273】
I) tert-ブチル (1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (4-ベンジル-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (825 mg)、10%パラジウム−炭素 (50%含水、112 mg)、酢酸 (2.0 mL) およびメタノール (20 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (625 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 302.9.
【0274】
J) tert-ブチル (4-(5-クロロ-6-メトキシニコチノイル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (310 mg)、5-クロロ-6-メトキシニコチン酸 (250 mg)、HATU (585 mg)、トリエチルアミン (0.429 mL) およびDMF (4.0 mL) の混合物を室温で3時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (466 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 472.0.
【0275】
K) (7-アミノ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩
tert-ブチル (4-(5-クロロ-6-メトキシニコチノイル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (466 mg) をメタノール (5 mL) に溶解し、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (2.47 mL) を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄して標題化合物 (422 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 371.9.
【0276】
L) 4-クロロ-N-(4-((5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
(7-アミノ-1-(2,2-ジフルオロエチル)-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩 (210 mg)、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸 (138 mg)、HATU (269 mg)、トリエチルアミン (0.197 mL) およびDMF (3.0 mL) の混合物を室温で4時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (101 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.91-2.24 (2H, m), 3.70 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.77-3.96 (1H, m), 4.01 (3H, s), 4.38-4.70 (2H, m), 5.41 (1H, d, J = 4.1 Hz), 6.14-6.68 (1H, m), 7.62 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.86 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.91 (1H, s), 8.04 (1H, s), 8.12 (1H, brs), 8.29 (1H, s), 9.22 (1H, d, J = 7.9 Hz).
【0277】
実施例132A
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) tert-ブチル (4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(811 mg)およびトリエチルアミン (0.836 mL)のテトラヒドロフラン溶液 (10 mL) に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート (0.766 mL) を室温で加えた。同温度で1時間撹拌後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.06 g) を得た。
MS: [M+H]+ 371.0.
【0278】
B) tert-ブチル (1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (4-ベンジル-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (1.06 g) と10%パラジウム−炭素 (50%含水、319 mg) とメタノール (20 mL) と酢酸 (2 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチル/THFで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (780 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 281.0.
【0279】
C) tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (260 mg)、5,6-ジメトキシニコチン酸 (221 mg)、HATU (529 mg)、トリエチルアミン (0.388 mL) およびDMF (4 mL) の混合物を室温で4時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (359 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 446.1.
【0280】
D) (7-アミノ-1-イソプロピル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩
tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (359 mg) をメタノール (3 mL) に溶解し、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (2.02 mL) を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄して標題化合物 (303 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 346.0.
【0281】
E) N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
(7-アミノ-1-イソプロピル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩 (300 mg)、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (192 mg)、HATU (409 mg)、トリエチルアミン (0.300 mL) およびDMF (3.0 mL) の混合物を室温で4時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、THF/酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (203 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.42 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.48 (3H, d, J = 6.4 Hz), 2.25 (2H, d, J = 3.8 Hz), 3.43-3.68 (1H, m), 3.91 (3H, s), 4.07 (3H, s), 4.14-4.33 (1H, m), 4.37-4.55 (1H, m), 5.48-5.70 (1H, m), 6.78 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.23-7.27 (1H, m), 7.32 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.41-7.49 (1H, m), 7.52-7.62 (1H, m), 7.89 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.99 (1H, dd, J = 7.7, 1.9 Hz), 8.20 (1H, brs).
【0282】
実施例133A
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) 4-ベンジル-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム
4-ベンジル-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン(26 g)、ピリジン(25.8 mL)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (11.0 g) およびエタノール (150 mL) の混合物を窒素雰囲気下で加熱還流条件下、終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (22 g) を得た。
MS: [M+H]+ 257.2.
【0283】
B) 4-ベンジル-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン
4-ベンジル-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム(16 g)、ラネーニッケル (10 g) およびメタノール (600 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (11 g) を得た。
MS: [M+H]+ 243.0.
【0284】
C) tert-ブチル (4-ベンジル-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
4-ベンジル-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(3.40 g)およびトリエチルアミン (3.91 mL) のTHF溶液 (50 mL) に、ジ-tert-ブチル ジカルボナート (3.37 g) を室温で滴下した。同温度で1時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (4.70 g) を得た。
MS: [M+H]+ 343.0.
【0285】
D) tert-ブチル (1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (4-ベンジル-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (4.70 g)、10%パラジウム−炭素 (50%含水、1.46 g)、酢酸 (5.0 mL) およびメタノール (100 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で10時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (2.06 g) を得た。
MS: [M+H]+ 253.0.
【0286】
E) tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (260 mg)、5,6-ジメトキシニコチン酸 (245 mg)、HATU (588 mg)、トリエチルアミン (0.431 mL) およびDMF (4 mL) の混合物を室温で4時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (411 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 418.0.
【0287】
F) (7-アミノ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩
tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (411 mg) をメタノール (4 mL) に溶解し、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (2.46 mL) を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を酢酸エチルで洗浄して標題化合物 (340 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 318.0.
【0288】
G) N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
(7-アミノ-1-メチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩 (340 mg)、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (233 mg)、HATU (497 mg)、トリエチルアミン (0.364 mL) およびDMF (4.0 mL) の混合物を室温で4時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、THF/酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (184 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6CDCl3) δ 2.15-2.37 (2H, m), 3.43-3.65 (1H, m), 3.82 (3H, s), 3.91 (3H, s), 4.07 (3H, s), 4.12-4.32 (1H, m), 5.49-5.68 (1H, m), 6.75 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.21-7.28 (1H, m), 7.31 (1H, s), 7.40-7.50 (1H, m), 7.51-7.62 (1H, m), 7.88 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.95-8.04 (1H, m), 8.06-8.42 (1H, m).
【0289】
実施例153A
4-クロロ-N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
A) メチル 1-エチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート (15 g) をDMF (250 mL) に溶解し、水素化ナトリウム (60%, 5.3 g) を氷冷下で小分けにして加えた。ヨウ化エチル (20.5 g) を加え、混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (3.7 g) を得た。
MS: [M+H]+ 200.1.
【0290】
B) メチル 4-アミノ-1-エチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 1-エチル-4-ニトロ-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(1.6 g)、10%パラジウム−炭素 (0.16 g) およびメタノール (50 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (1.2 g) を得た。
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 1.36 (3H, t, J = 7.0 Hz), 3.91 (3H, s), 4.44 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.09 (1H, s).
【0291】
C) メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-エチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-エチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(1.2 g)、メチルアクリラート (6.11 g)、4-(ジメチルアミノ)ピリジン (0.17 g) およびDMF (60 mL) の混合物を120 ℃で3日間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、余剰のメチルアクリラートを減圧下留去した。残渣にベンジルブロミド (1.42 g) と炭酸カリウム (2.28 g) を加え、80 ℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (2.0 g) を得た。
MS: [M+H]+ 346.0.
【0292】
D) 4-ベンジル-1-エチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン
メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-エチル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(2.0 g) のTHF溶液 (20 mL) に、2 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−THF溶液 (4.4 mL) を氷冷下加え、同温度で30分間撹拌した。6 M 水酸化ナトリウム水溶液 (16.9 mL) を加え、反応混合物を還流条件で終夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (2.2 g) を得た。
MS: [M+H]+ 256.2.
【0293】
E) 4-ベンジル-1-エチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム
4-ベンジル-1-エチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン (3.5 g)、ピリジン (3.25 g)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (1.42 g) およびエタノール (60 mL) の混合物を90 ℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/石油エーテル) で精製して標題化合物 (3.2 g) を得た。
MS: [M+H]+ 271.3
【0294】
F) 4-ベンジル-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン
4-ベンジル-1-エチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7(4H)-オン オキシム (2.8 g)、ラネーニッケル (2.8 g) およびメタノール (100 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (2.0 g) を得た。
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 1.30 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.65-1.69 (1H, m), 1.74 (2H, brs), 1.84-1.92 (1H, m), 2.70-2.79 (2H, m), 3.91-3.95 (2H, m), 4.00-4.13 (2H, m), 4.14 (1H, d, J = 7.5 Hz), 6.89 (1H, s), 7.24-7.27 (1H, m), 7.31-7.36 (4H, m).
【0295】
G) tert-ブチル (4-ベンジル-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
4-ベンジル-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-アミン(1.66 g) のTHF溶液 (32.4 mL) に、トリエチルアミン (1.81 mL) とジ-tert-ブチル ジカルボナート (1.58 mL) を室温で加えた。同温度で1時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.89 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.37-1.57 (12H, m), 1.93-2.13 (2H, m), 2.53-2.63 (1H, m), 2.98 (1H, d, J = 11.5 Hz), 3.93-4.13 (3H, m), 4.22 (1H, d, J = 14.3 Hz), 4.83 (1H, s), 4.93 (1H, d, J = 2.8 Hz), 7.25-7.38 (6H, m).
【0296】
H) tert-ブチル (1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (4-ベンジル-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (1.89 g)、10%パラジウム−炭素 (50%含水、282 mg)、酢酸 (4.82 mL) およびメタノール (48.2 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.22 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.40 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.47 (9H, s), 1.93-2.01 (2H, m), 3.00 (1H, d, J = 5.7 Hz), 3.12 (1H, brs), 3.17-3.28 (1H, m), 4.04 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.88-4.99 (2H, m), 7.06 (1H, s).
【0297】
I) tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (500 mg)、5,6-ジメトキシニコチン酸 (447 mg)、HATU (1.07 g)、トリエチルアミン (0.785 mL) およびDMF (9.39 mL) の混合物を室温で3時間撹拌後、反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (601 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 432.1.
【0298】
J) (7-アミノ-1-エチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩
tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (601 mg) をメタノール(6.96 mL) に溶解し、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液(3.48 mL) を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して標題化合物 (596 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.37 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.99-2.34 (2H, m), 3.72-3.78 (1H, m), 3.83 (3H, s), 3.93 (3H, s), 4.23 (1H, brs), 4.72-4.87 (1H, m), 7.39 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.85 (1H, d, J = 1.9 Hz), 8.57-8.83 (3H, m).
【0299】
K) 4-クロロ-N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
(7-アミノ-1-エチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩 (180 mg)、4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)安息香酸 (130 mg)、HATU (254 mg)、トリエチルアミン (0.248 mL) およびDMF (2.23 mL) の混合物を室温で終夜撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (110 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.37 (3H, t, J = 7.2 Hz), 2.01 (2H, d, J = 10.7 Hz), 3.56-3.73 (1H, m), 3.83 (3H, s), 3.93 (4H, s), 4.06 (2H, q, J = 7.1 Hz), 5.35-5.42 (1H, m), 7.36 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.60 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.81-7.86 (2H, m), 7.90 (1H, d, J = 1.9 Hz), 9.25 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0300】
実施例155A
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
(7-アミノ-1-エチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-4(5H)-イル)(5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)メタノン二塩酸塩(180 mg)、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (119 mg)、HATU (254 mg)、トリエチルアミン (0.248 mL) およびDMF (2.23 mL) の混合物を室温で終夜撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (139 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.35 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.61-3.76 (1H, m), 3.82 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.05 (2H, s), 5.37-5.48 (1H, m), 7.36 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.46 (2H, d, J = 1.4 Hz), 7.56-7.62 (2H, m), 7.82 (1H, d, J = 1.9 Hz), 9.08-9.19 (1H, m).
【0301】
実施例160A
(N-((7S)-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-(5-((3-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-3a-アゾニア-4-ボラ(IV)-4H-4a-アザ-s-インダセン-3-イル)プロパノイル)アミノ)ペンチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) メチル 4-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-アミノ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(6.2 g)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン (300 mg)のDMF (50 mL) 溶液に、メチルアクリラート (24.79 mL) を室温で加え、100 ℃で6日間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (8.08 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.53-1.74 (3H, m), 1.93-2.12 (3H, m), 2.63 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.34 (2H, q, J = 6.6 Hz), 3.62-3.69 (1H, m), 3.70 (3H, s), 3.90 (3H, s), 4.07 (1H, dd, J = 11.0, 2.3 Hz), 5.05 (1H, t, J = 6.3 Hz), 5.35 (1H, dd, J = 8.7, 3.3 Hz), 7.13 (1H, s).
【0302】
B) メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
メチル 4-((3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート (8.05 g)、炭酸カリウム (7.15 g) のDMF (100 mL) 溶液に、ベンジルブロミド (4.00 mL) を室温で加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し残渣を水と酢酸エチルに分配した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (10.18 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.56-1.74 (3H, m), 1.79-2.10 (3H, m), 2.48 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.34 (2H, t, J = 7.3 Hz), 3.58 (3H, s), 3.60-3.72 (1H, m), 3.92 (3H, s), 4.03 (1H, d, J = 11.1 Hz), 4.21 (2H, s), 5.34 (1H, d, J = 9.0 Hz), 7.07-7.40 (6H, m).
【0303】
C) 4-ベンジル-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
メチル 4-(ベンジル(3-メトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート (10.1 g) のTHF (150 mL) 溶液に、1.9 Mナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドTHF (19.86 mL) 溶液を室温で加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に2M 水酸化ナトリウム水溶液(126 mL)を室温で加え70℃で終夜撹拌した。反応溶液に室温で2M 塩酸を加えて中和し、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (4.26 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.48-1.72 (3H, m), 1.90-2.16 (3H, m), 2.64-2.74 (2H, m), 3.13-3.25 (2H, m), 3.59-3.72 (1H, m), 3.90-4.05 (1H, m), 4.14 (2H, s), 5.30-5.44 (1H, m), 7.03 (1H, s), 7.21-7.49 (5H, m).
【0304】
D) 2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
4-ベンジル-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン (4 g)、10%パラジウム−炭素(200 mg)、酢酸(10 mL)およびメタノール (100 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (4.06 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.55-1.73 (3H, m), 1.90-2.15 (3H, m), 2.62-2.72 (2H, m), 3.45-3.56 (2H, m), 3.61-3.76 (1H, m), 3.94-4.07 (1H, m), 5.33-5.43 (1H, m), 6.98 (1H, s), 7.19 (1H, s).
【0305】
E) 4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン (2.8 g) のピリジン (80 mL)溶液に、3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (3.81 g) を0℃で加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し残渣を1規定塩酸と酢酸エチルに分配した。有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.51 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.60-1.76 (3H, m), 1.94-2.03 (1H, m), 2.06-2.20 (2H, m), 2.71-2.84 (2H, m), 3.62-3.76 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.94 (3H, s), 3.99-4.07 (1H, m), 4.12-4.20 (2H, m), 5.47 (1H, dd, J = 8.1, 3.8 Hz), 6.88-6.96 (1H, m), 7.05-7.15 (2H, m), 8.13 (1H, brs).
【0306】
F) 4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン
4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン(1.5 g)に2 M塩化水素―メタノール溶液(20 mL) を0℃で加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム水溶液に分配した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出した固体をろ取することで標題化合物 (617.2 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.74 (2H, t, J = 6.4 Hz), 3.78 (3H, s), 3.82 (3H, s), 4.06 (2H, t, J = 6.2 Hz), 7.01-7.10 (1H, m), 7.12-7.23 (2H, m), 7.68 (1H, brs), 13.85 (1H, brs).
【0307】
G) tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート
4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-7H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-オン (300 mg)、tert-ブチル(5-ヒドロキシペンチル)カルバマート (0.30 mL)、トリブチルホスフィン (0.50 mL) およびトルエン (20 mL) の混合物に、(E)-ジアゼン-1,2-ジイルビス(ピペリジン-1-イルメタノン) (502 mg) を室温で加え、反応混合物を室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別した後に反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を1M 塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (497 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.15-1.66 (15H, m), 2.74 (2H, t, J = 6.5 Hz), 3.65 (2H, q, J = 6.0 Hz), 3.91 (3H, s), 3.94 (3H, s), 4.17 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.33-4.65 (3H, m), 6.90 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.03-7.17 (2H, m), 7.43 (1H, brs).
【0308】
H) tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-ヒドロキシ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート
tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート (484 mg) のメタノール (10 mL) 溶液に、水素化ホウ素ナトリウム (38 mg) を0℃で加え、室温で3時間撹拌した。過剰量の1規定塩酸をを0℃で加え、溶媒を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し標題化合物 (423.9 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.31-1.66 (14H, m), 1.83-2.01 (1H, m), 2.01-2.15 (1H, m), 2.98-3.20 (3H, m), 3.64 (1H, brs), 3.77 (1H, brs), 3.89 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.04-4.23 (2H, m), 4.57 (1H, brs), 4.68 (1H, brs), 4.76-5.04 (1H, m), 6.88 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.00-7.12 (2H, m), 7.75-8.56 (1H, m).
【0309】
I) tert-ブチル (5-(7-アジド-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート
tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-ヒドロキシ-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート (410 mg) のトルエン (10 mL)とDMF (1 mL)混合溶液に、DPPA (0.36 mL)、DBU (0.25 mL) を室温で加え、アルゴン雰囲気下50℃で終夜撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を10%クエン酸水溶液、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (368.2 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.30-1.57 (15H, m), 1.78-2.00 (2H, m), 2.09-2.35 (1H, m), 3.12 (2H, q, J = 6.5 Hz), 3.55-3.71 (1H, m), 3.90 (3H, s), 3.93 (3H, s), 4.12 (2H, q, J = 7.1 Hz), 4.57 (1H, brs), 4.67 (1H, t, J = 3.6 Hz), 6.89 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.96-7.16 (2H, m), 8.19 (1H, brs).
【0310】
J) tert-ブチル (5-(7-アミノ-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート
tert-ブチル (5-(7-アジド-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート (360 mg)、10%パラジウム−炭素 (40 mg) およびメタノール (10 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (313.6 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.27-2.00 (19H, m), 2.02-2.24 (1H, m), 3.11 (2H, q, J = 6.5 Hz), 3.51-3.72 (1H, m), 3.90 (3H, s), 3.92 (3H, s), 4.03-4.31 (3H, m), 4.63 (1H, brs), 6.88 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.02-7.15 (2H, m), 8.19 (1H, brs).
【0311】
K) tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-((2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート
tert-ブチル (5-(7-アミノ-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート (300 mg)、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (152 mg)、WSC (143 mg)、HOBt (125 mg) およびDMF (10 mL) の混合物に WSC (143 mg) を0℃で加え、室温で3時間撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルと飽和炭酸ナトリウム水溶液を加えた。分離した有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (410 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.25-1.51 (13H, m), 1.61-1.94 (3H, m), 2.22 (2H, brs), 2.89 (2H, d, J = 6.2 Hz), 3.55 (1H, brs), 3.90 (3H, s), 3.93 (3H, s), 3.98-4.09 (2H, m), 4.53 (1H, brs), 5.48-5.66 (1H, m), 6.90 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.02-7.11 (2H, m), 7.22 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.37-7.47 (1H, m), 7.49-7.60 (1H, m), 7.64-8.50 (2H, m).
【0312】
L) (N-((7S)-4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-(5-((3-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-3a-アゾニア-4-ボラ(IV)-4H-4a-アザ-s-インダセン-3-イル)プロパノイル)アミノ)ペンチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
tert-ブチル (5-(4-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-7-((2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル)アミノ)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-イル)ペンチル)カルバマート (161 mg) をSFC (カラム:CHIRALPAK IB、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 860/140) にて分取し、保持時間の小さい方を減圧下濃縮した。残渣に4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (5 mL) を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して得た残渣をDMF (3 mL) に溶解し、3-(4,4-ジフルオロ-5,7-ジメチル-3a-アゾニア-4-ボラ(IV)-4H-4a-アザ-s-インダセン-3-イル)プロピオン酸 (29.3 mg)、HOBt (20 mg)、トリエチルアミン (0.042 mL) を DMF (3 mL) に溶解し、WSC (23 mg) を0℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルと水に分配し、有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆相HPLCで精製して標題化合物 (21.2 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, METHANOL-d4) δ 1.26-1.37 (3H, m), 1.41-1.56 (2H, m), 1.76-1.98 (2H, m), 2.27 (4H, s), 2.49 (3H, s), 2.56 (2H, t, J = 7.6 Hz), 3.04-3.25 (5H, m), 3.55-3.77 (1H, m), 3.82 (3H, s), 3.87 (3H, s), 4.02-4.17 (3H, m), 5.54 (1H, t, J = 3.9 Hz), 6.20 (1H, s), 6.29 (1H, d, J = 4.1 Hz), 6.97-7.01 (1H, m), 7.03 (1H, s), 7.08 (2H, dt, J = 4.3, 2.2 Hz), 7.36-7.43 (2H, m), 7.46 (1H, dd, J = 7.5, 1.1 Hz), 7.52-7.63 (2H, m), 7.78-7.96 (1H, m), 8.11 (1H, brs).
【0313】
実施例162A
N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-イソプロピル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (300 mg) をSFC (カラム:CHIRALPAK AD、50 mmID×500 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 700/300) にて分取し、保持時間の大きい方を減圧下濃縮した。酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化して標題化合物 (123 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6CDCl3) δ 1.42 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.48 (3H, d, J = 6.6 Hz), 2.16-2.30 (2H, m), 3.45-3.66 (1H, m), 3.91 (3H, s), 4.07 (3H, s), 4.12-4.35 (1H, m), 4.47 (1H, quin, J = 6.6 Hz), 5.56-5.67 (1H, m), 6.78 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.24-7.28 (1H, m), 7.32 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.41-7.50 (1H, m), 7.52-7.61 (1H, m), 7.89 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.00 (1H, dd, J = 7.7, 1.9 Hz), 8.23 (1H, brs).
【0314】
実施例165A
4-クロロ-N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
4-クロロ-N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (90.0 mg) をSFC (カラム:CHIRALCEL OJ-H、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 840/160) にて分取し、保持時間の大きい方を減圧下濃縮した。酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化して標題化合物 (31.2 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.44 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.13-2.35 (2H, m), 3.44-3.61 (1H, m), 3.90 (3H, s), 4.04-4.27 (6H, m), 5.42-5.57 (1H, m), 6.27-6.45 (1H, m), 7.21-7.76 (1H, m), 7.48 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.57-7.64 (1H, m), 7.70-7.74 (1H, m), 7.83-7.86 (1H, m), 7.90-8.36 (1H, m).
【0315】
実施例170A
4-クロロ-N-((7S)-4-((5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド
4-クロロ-N-(4-((5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-(2,2-ジフルオロエチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメチル)ベンズアミド (1.08 g) をSFC (カラム:CHIRALPAK AS-H、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 840/160) にて分取し、保持時間の小さい方を減圧下濃縮した。酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化して標題化合物 (457 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.09-2.37 (2H, m), 3.36-3.72 (1H, m), 3.95-4.26 (4H, m), 4.35-4.61 (2H, m), 5.42-5.65 (1H, m), 5.90-6.45 (2H, m), 7.45-7.54 (1H, m), 7.56-7.65 (1H, m), 7.68-7.74 (1H, m), 7.78-7.85 (1H, m), 7.86-8.55 (2H, m).
【0316】
実施例171A
N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (976 mg) をSFC (カラム:CHIRALPAK AS-H、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 880/120) にて分取し、保持時間の小さい方を減圧下濃縮した。酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化して標題化合物 (380 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.12-2.35 (2H, m), 3.44-3.65 (1H, m), 3.82 (3H, s), 3.91 (3H, s), 4.07 (3H, s), 4.12-4.36 (1H, m), 5.51-5.66 (1H, m), 6.77 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.22-7.35 (2H, m), 7.40-7.49 (1H, m), 7.51-7.60 (1H, m), 7.88 (1H, s), 7.93-8.45 (2H, m).
【0317】
実施例172A
2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
A) 4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン (8.77 g) の酢酸エチル溶液 (180 mL) に、N-ブロモスクシンイミド (14.75 g) を氷冷下で加え、窒素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (12.6 g) を得た。
MS: [M+H]+ 189.9
【0318】
B) 4-ブロモ-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン
4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(12.3 g) をDMF (120 mL) に溶解し、室温で水素化ナトリウム (60%, 5.18 g) を小分けにして加えた。同温度で20分間撹拌後、4-ブロモブタ-1-エン (16.4 mL) を滴下し、混合物を窒素雰囲気下、同温度で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (4.75 g) を得た。
MS: [M+H]+ 243.9
【0319】
C) N-(4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-3,4-ジメトキシベンズアミド
4-ブロモ-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン(4.73 g) をピリジン (40 mL) に溶解し、3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (5.83 g) を加えた。混合物を窒素雰囲気下、90 ℃で5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (6.52 g) を得た。
MS: [M+H]+ 408.0
【0320】
D) (3,4-ジメトキシフェニル)(1,3-ジメチル-4-メチレン-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン
N-(4-ブロモ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-3,4-ジメトキシベンズアミド (6.51 g)、トリ-ortho-トリルホスフィン (728 mg)、酢酸パラジウム(II) (358 mg)、トリエチルアミン (4.84 g) およびアセトニトリル (150 mL) の混合物を窒素雰囲気下、80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.75 g) を得た。
MS: [M+H]+ 328.0
【0321】
E) 7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3-ジメチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン
(3,4-ジメトキシフェニル)(1,3-ジメチル-4-メチレン-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン (1.73 g)、過ヨウ素酸ナトリウム (4.52 g) および酸化オスミウム(固定化触媒I) (403 mg) のアセトニトリル (15 mL) -アセトン (15 mL) -水 (15 mL) の混合溶液を、室温にて終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (600 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 330.0
【0322】
F) (3,4-ジメトキシフェニル)(4-(ヒドロキシイミノ)-1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン
7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3-ジメチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン (593 mg)、ピリジン (712 mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (626 mg) およびエタノール (10 mL) の混合物を窒素雰囲気下、90 ℃で3時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、THF/酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (577 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 345.0
【0323】
G) (4-アミノ-1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(3,4-ジメトキシフェニル)(4-(ヒドロキシイミノ)-1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン (563 mg)、2 M アンモニア−メタノール溶液 (8.17 mL)、ラネーニッケル (1 g) およびメタノール (30 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (445 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 331.0
【0324】
H) 2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
(4-アミノ-1,3-ジメチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン (441 mg) のピリジン溶液 (4 mL) に、2-クロロベンゾイル クロリド (280 mg) を室温で加えた。同温度で3時間撹拌後、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、メタノール/酢酸エチルで結晶化して標題化合物 (255 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.07-2.21 (2H, m), 2.27 (3H, s), 3.50 (3H, s), 3.64-3.80 (1H, m), 3.93 (3H, s), 3.95 (3H, s), 4.06-4.20 (1H, m), 5.24-5.39 (1H, m), 6.24-6.40 (1H, m), 6.85-6.99 (1H, m), 7.23-7.28 (2H, m), 7.30-7.43 (3H, m), 7.62-7.75 (1H, m).
【0325】
実施例178A
N-((7S)-4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1-エチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (90.0 mg) をSFC (カラム:CHIRALPAK AS-H、20 mmID×250 mmL、移動相:二酸化炭素/メタノール= 860/140) にて分取し、保持時間の小さい方を減圧下濃縮した。酢酸エチル/ヘキサンから結晶化して標題化合物 (31.1 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.42 (3H, t, J = 7.3 Hz), 2.16-2.32 (2H, m), 3.47-3.68 (1H, m), 3.91 (3H, s), 4.05-4.55 (6H, m), 5.52-5.65 (1H, m), 6.78 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.24-7.28 (1H, m), 7.29-7.35 (1H, m), 7.40-7.50 (1H, m), 7.52-7.64 (1H, m), 7.89 (1H, d, J = 1.9 Hz), 8.00 (1H, dd, J = 7.7, 1.9 Hz), 8.05-8.45 (1H, m).
【0326】
実施例192A
N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート
tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (400 mg) のアセトニトリル (2.40 mL) 溶液に氷冷下、N-ブロモスクシンイミド (171 mg) のアセトニトリル (2.40 mL) 溶液を加え、同温度で1時間、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、酢酸エチルで希釈し、水、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣(334 mg)、ジクロロ[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) (24.6 mg)、炭酸カリウム (186 mg)、2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン (169 mg) およびDME (3.37 mL) の混合物を110 ℃でマイクロウェーブ照射下、1時間撹拌した。反応混合物に2,4,6-トリメチル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリボリナン (101.4 mg)を加え、110 ℃でマイクロウェーブ照射下、1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (124 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 432.1
【0327】
B) N-(4-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
tert-ブチル (4-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-1,3-ジメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-7-イル)カルバマート (124 mg) をTHF (1.44 mL) に溶解し、TFA (1.07 mL) を加え、室温で4日間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。残渣と、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (177 mg)、HATU (163 mg)、トリエチルアミン (0.239 mL) およびDMF (2.0 mL) の混合物を窒素雰囲気下、室温で終夜撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、THF/酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (85.6 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.64-2.20 (4H, m), 2.21-2.36 (1H, m), 3.59-3.79 (4H, m), 3.92 (3H, s), 4.07 (3H, s), 4.11-4.25 (1H, m), 5.49-5.66 (1H, m), 6.71 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.29-7.39 (2H, m), 7.46 (1H, dd, J = 7.5, 1.1 Hz), 7.51-7.61 (1H, m), 7.93-8.01 (2H, m).
【0328】
実施例193A
2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
A) 4-ブロモ-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン
4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(5.00 g) をDMF (80 mL) に溶解し、室温で水素化ナトリウム (60%, 1.70 g) を小分けにして加えた。同温度で20分間撹拌後、4-ブロモブタ-1-エン (5.77 mL) を滴下し、窒素雰囲気下、混合物を50 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.27 g) を得た。
MS: [M+H]+ 229.8
【0329】
B) N-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-3,4-ジメトキシベンズアミド
4-ブロモ-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-5-アミン(1.25 g) をピリジン (15 mL) に溶解し、3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (1.64 g) を加え、混合物を窒素雰囲気下、90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物減圧下濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (2.01 g) を得た。
MS: [M+H]+ 393.9
【0330】
C) (3,4-ジメトキシフェニル)(1-メチル-4-メチレン-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン
N-(4-ブロモ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-N-(ブタ-3-エン-1-イル)-3,4-ジメトキシベンズアミド (2.00 g)、トリ-ortho-トリルホスフィン (232 mg)、酢酸パラジウム(II) (114 mg)、トリエチルアミン (1.54 g) およびアセトニトリル (50 mL) の混合物を窒素雰囲気下、80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (733 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 314.0
【0331】
D) 7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン
(3,4-ジメトキシフェニル)(1-メチル-4-メチレン-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン (730 mg)、過ヨウ素酸ナトリウム (1.99 g) および酸化オスミウム(固定化触媒I) (178 mg) のアセトニトリル (5 mL) -アセトン (5 mL) -水 (5 mL) の混合溶液を、室温にて5時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (195 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 316.0
【0332】
E) (3,4-ジメトキシフェニル)(4-(ヒドロキシイミノ)-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン
7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-6,7-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4(5H)-オン (193 mg)、ピリジン (242 mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (213 mg) およびエタノール (3 mL) の混合物を窒素雰囲気下、90 ℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (171 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 331.0
【0333】
F) (4-アミノ-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(3,4-ジメトキシフェニル)(4-(ヒドロキシイミノ)-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)メタノン (170 mg)、2 M アンモニア−メタノール溶液 (2.57 mL)、ラネーニッケル (1 g) およびメタノール (10 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (153 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 317.0
【0334】
G) 2-クロロ-N-(7-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1-メチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-4-イル)ベンズアミド
(4-アミノ-1-メチル-5,6-ジヒドロ-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-7(4H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン (153 mg) のピリジン溶液 (3.0 mL) に、2-クロロベンゾイル クロリド (93 mg) を室温で加えた。窒素雰囲気下、同温度で2時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (71.9 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.99-2.15 (1H, m), 2.17-2.33 (1H, m), 3.59 (3H, s), 3.77-3.90 (1H, m), 3.92 (3H, s), 3.95 (3H, s), 4.03-4.16 (1H, m), 5.26-5.41 (1H, m), 6.38 (1H, d, J = 7.2 Hz), 6.92 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.20-7.30 (2H, m), 7.30-7.43 (3H, m), 7.52 (1H, s), 7.64-7.72 (1H, m).
【0335】
実施例201A
2-クロロ-N-(7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド
A) N-(3-クロロフェニル)-N-((4-メチルフェニル)スルホニル)-beta-アラニン
3-クロロアニリン (25.50 g)、アクリル酸 (13.7 mL) およびトルエン (100 mL) の混合物を110 ℃で16時間撹拌した。反応混合物を1 N 塩酸で酸性にした後、水と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、あわせた抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣、p-トルエンスルホニルクロリド (41.00 g)、ピリジン (35 mL) およびトルエン (200 mL) の混合物を室温で100時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した後、1 N 塩酸で希釈した。酢酸エチルを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで抽出し、あわせた抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し標題化合物 (59.80 g) を得た。
MS: [M+H]+ 353.9.
【0336】
B) 7-クロロ-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン
N-(3-クロロフェニル)-N-((4-メチルフェニル)スルホニル)-beta-アラニン(30.00 g) のTHF溶液 (500 mL) に触媒量のDMFとオキサリルクロリド (17.5 mL) を0 ℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。得られた固体をニトロエタン (400 mL) に溶解し、塩化アルミニウム (47.60 g) を0 ℃で加えた後、室温で1時間撹拌した。反応混合物を氷に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (7.60 g) を得た。
MS: [M+H]+ 182.0.
【0337】
C) tert-ブチル 7-クロロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート
7-クロロ-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン (7.60 g) のTHF溶液 (100 mL) にジ-tert-ブチル ジカルボナート (10.1 mL) とN,N-ジメチル-4-アミノピリジン (2.10 g) を室温で加えた。同温度で14時間撹拌後、反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた油状物のTHF (150 mL) およびメタノール (75 mL) 溶液に水素化ホウ素ナトリウム (1.60 g) を0 ℃で加えた。同温度で1時間撹拌後、さらに室温で1時間撹拌した。反応液に水を加えた後、反応混合物を減圧下濃縮し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (10.30 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.54 (9H, s), 1.71-1.85 (1H, m), 1.86-2.12 (1H, m), 3.47-3.75 (1H, m), 3.89-4.08 (1H, m), 4.65-4.78 (1H, m), 7.04 (1H, dd, J = 8.3, 2.1 Hz), 7.30 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.91 (1H, d, J = 1.9 Hz).
【0338】
D) tert-ブチル 4-アミノ-7-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート塩酸塩
tert-ブチル 7-クロロ-4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート(5.00 g) のトルエン溶液 (100 mL) にジフェニルリン酸アジド (4.5 mL) およびジアザビシクロウンデセン (3.1 mL) を室温で加えた。同温度で18時間撹拌後、反応液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。溶媒を減圧下留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製した。得られた油状物、トリフェニルホスフィン (8.30 g)、THF (400 mL) および水 (40 mL) の混合物を を100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をジエチルエーテルで希釈し、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液を加えて得られた沈殿物をろ取して標題化合物 (2.50 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.49 (9H, s), 1.94-2.10 (1H, m), 2.10-2.24 (1H, m), 3.59-3.77 (1H, m), 3.79-3.92 (1H, m), 4.49 (1H, brs), 7.22 (1H, dd, J = 8.3, 2.3 Hz), 7.55 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.88 (1H, d, J = 2.3 Hz), 8.60 (3H, brs).
【0339】
E) tert-ブチル 7-クロロ-4-((2-クロロベンゾイル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート
tert-ブチル 4-アミノ-7-クロロ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート塩酸塩 (2.50 g)、2-クロロベンゾイル クロリド (1.1 mL)、トリエチルアミン (2.5 mL) およびTHF (50 mL) の混合物を室温で2時間撹拌後、反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を1N 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (3.10 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.55 (9H, s), 2.09-2.32 (2H, m), 3.65-3.81 (1H, m), 3.87-4.03 (1H, m), 5.29-5.39 (1H, m), 6.39 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.04 (1H, dd, J = 8.3, 2.3 Hz), 7.27-7.43 (4H, m), 7.67-7.75 (1H, m), 7.88 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0340】
F) 2-クロロ-N-(7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩
tert-ブチル 7-クロロ-4-((2-クロロベンゾイル)アミノ)-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-カルボキシラート (3.10 g) と4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (20 mL) の混合物を室温で1時間撹拌した。反応液にジエチルエーテルを加えて30分撹拌し、得られた沈殿物をろ取して標題化合物 (2.40 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.87-1.98 (2H, m), 3.27 (2H, t, J = 5.7 Hz), 4.98-5.18 (1H, m), 6.46 (2H, brs), 6.54-6.66 (2H, m), 7.13 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.32-7.53 (4H, m), 8.82 (1H, d, J = 8.3 Hz).
【0341】
G) 2-クロロ-N-(7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド
3, 4-ジメトキシ安息香酸 (0.48 g) のTHF溶液 (15 mL) に触媒量のDMFとオキサリルクロリド (0.28 mL) を加え、混合物を室温で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。得られた固体のTHF懸濁液 (15 mL) に、2-クロロ-N-(7-クロロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド塩酸塩(0.79 g) およびトリエチルアミン (0.69 mL) を加え、50 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.89 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.08-2.25 (1H, m), 2.28-2.49 (1H, m), 3.76-3.89 (1H, m), 3.84 (3H, s), 3.91 (3H, s), 4.00-4.17 (1H, m), 5.33-5.49 (1H, m), 6.56 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.80 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.98-7.15 (4H, m), 7.29-7.44 (4H, m), 7.68-7.78 (1H, m).
【0342】
実施例204A
2-クロロ-N-(1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド
A) N-((4-メチルフェニル)スルホニル)-N-フェニル-beta-アラニン
N-フェニル-beta-アラニン (18.90 g)、p-トルエンスルホニルクロリド (21.80 g)、ピリジン (18.5 mL) およびトルエン (100 mL) の混合物を100 ℃で15時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し標題化合物 (30.80 g) を得た。
MS: [M+H]+ 319.9.
【0343】
B) 2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン
N-((4-メチルフェニル)スルホニル)-N-フェニル-beta-アラニン(30.80 g) およびDMF (0.5 mL) のTHF溶液 (500 mL) にオキサリルクロリド (9.9 mL) を0 ℃で加えた。混合物を0 ℃で1時間撹拌した後、溶媒を減圧下留去し窒素雰囲気下で乾燥させた。得られた固体をニトロエタン (500 mL) に溶解し、塩化アルミニウム (27.00 g) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌した後、氷に注ぎ水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした後、不溶物をセライトろ過により除去した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた油状物に酢酸 (30 mL)および濃塩酸 (30 mL) を加え、加熱還流条件下で4時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、氷に注ぎ水酸化ナトリウム水溶液で塩基性にした。酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (9.80 g) を得た。
MS: [M+H]+ 148.0.
【0344】
C) 1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン
2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン (2.70 g)、エチレングリコール (2.1 mL)、p-トルエンスルホン酸 一水和物 (1.80 g)、モレキュラーシーブ (4Å、3.00 g) およびトルエン(100 mL) の混合物を条件下で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却後、炭酸水素ナトリウムを加え、水で希釈して酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。
3, 4-ジメトキシ安息香酸 (3.40 g) のTHF溶液 (50 mL) に触媒量のDMFとオキサリルクロリド (1.9 mL) を0 ℃で加え、室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下留去した後、窒素雰囲気下で乾燥させた。得られた固体をTHF (100 mL) に溶解させ、上で得られた油状物およびトリエチルアミン (3.9 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を6N塩酸で洗浄した後、溶媒を減圧下留去した。残渣にTHFと6N塩酸を加え、室温で1時間撹拌した。再び減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。トルエンを加えて不溶物をろ過により除去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.90 g) を得た。
MS: [M+H]+ 311.9.
【0345】
D) (3,4-ジメトキシフェニル)(4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メタノン
1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロキノリン-4(1H)-オン (0.90 g) のTHF (15 mL) およびメタノール (7 mL) 溶液に水素化ホウ素ナトリウム (0.11 g) を0 ℃で加えた。室温で2時間撹拌後、反応液に水を加え、反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.62 g) を得た。
MS: [M+H]+ 314.0.
【0346】
E) (4-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン塩酸塩
(3,4-ジメトキシフェニル)(4-ヒドロキシ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メタノン (0.62 g) のトルエン(10 mL) 溶液にトリフルオロボラン ジエチルエーテル錯体 (0.25 mL) を0 ℃で加え、ついでトリメチルシリルアジド (0.29 mL) を同温度で加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、50 ℃で1時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。残渣、10%パラジウム−炭素 (50%含水、200 mg)、酢酸エチル (10 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。不溶物をろ別し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に酢酸エチルを加えた後、4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (1 mL)、ついでジエチルエーテルを加えた。得られた沈殿物をろ取して標題化合物 (0.42 g) を得た。
MS: [M+H]+ 335.0 (M++Na).
【0347】
F) 2-クロロ-N-(1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-4-イル)ベンズアミド
(4-アミノ-3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン塩酸塩 (0.20 g)、2-クロロベンゾイル クロリド (0.075 mL)、トリエチルアミン (0.12 mL) およびTHF (15 mL) の混合物を50 ℃で4時間撹拌後、水で希釈して酢酸エチルで抽出した。抽出液を1N 塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去し酢酸エチル/ヘキサンで結晶化して標題化合物 (169 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.09-2.28 (1H, m), 2.33-2.53 (1H, m), 3.77 (3H, s), 3.79-3.96 (1H, m), 3.88 (3H, s), 4.06-4.23 (1H, m), 5.38-5.54 (1H, m), 6.59 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.75 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.89 (1H, dd, J = 8.0, 1.2 Hz), 6.96-7.06 (3H, m), 7.06-7.12 (1H, m), 7.30-7.49 (4H, m), 7.69-7.80 (1H, m).
【0348】
実施例217A
2-クロロ-N-(7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)ベンズアミド
A) N-(6-クロロピリジン-2-イル)-beta-アラニン
2-アミノ-6-クロロピリジン (100 g)、メチルアクリラートメチルアクリラート (117 g) および酢酸 (34 mL) の混合物を120 ℃で72時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、6N水酸化ナトリウム水溶液 (375 mL) を加え、加熱還流条件下で5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、ジエチルエーテルで未反応の原料2-アミノ-6-クロロピリジンを抽出した。残った水層を3N塩酸でpH=4-5に調整し、沈殿物をろ取した。ろ取した個体を酢酸エチルに溶解し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (60 g) を得た。
1HNMR (300 MHz, MeOD) δ 2.58 (2H, t, J = 6.8 Hz), 3.54 (2H, t, J = 6.8 Hz), 6.38 (1H, dd, J = 8.4, 0.6 Hz), 6.49 (1H, dd, J = 7.2, 0.6 Hz), 7.33 (1H, dd, J = 8.4, 7.4 Hz).
【0349】
B) 7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-4(1H)-オン
N-(6-クロロピリジン-2-イル)-beta-アラニン (40 g) およびイートン試薬 (600 mL) の混合物を75 ℃で3時間撹拌した。反応物を氷水に注ぎ水酸化ナトリウムで塩基性 (pH=10) にした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製して標題化合物を得た。
MS: [M+H]+ 182.8.
【0350】
C) 7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-4(1H)-オントリフルオロ酢酸塩
7-クロロ-2,3-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-4(1H)-オン(0.6 g) のTHF溶液 (30 mL) に1M リチウムビス(トリメチルシリル)アミド ヘキサン溶液 (3.3 mL) を−75 ℃から−70 ℃で加えた。反応混合液を同温度で30分間撹拌した後、3,4-ジメトキシベンゾイル クロリド (0.8 g) のTHF溶液 (5 mL) を30分かけて加えた。反応液を室温まで昇温し水に注いだ後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。逆相HPLCで精製して標題化合物 (28 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 346.9.
【0351】
D) (4-アミノ-7-クロロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-2,3-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-4(1H)-オントリフルオロ酢酸塩(28 mg)、ヒドロキシルアミン塩酸塩 (15 mg) およびピリジン (5 mL) の混合物を加熱還流条件下で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下で留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル) で精製した。得られた残渣、三酸化モリブデン (14 mg) のTHF (2 mL) およびメタノール (2 mL) 溶液に水素化ホウ素ナトリウム (12 mg) を加え、室温で14時間撹拌した。反応液に水を加え、混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (24 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 348.0.
【0352】
E) 2-クロロ-N-(7-クロロ-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-1,8-ナフチリジン-4-イル)ベンズアミド
(4-アミノ-7-クロロ-3,4-ジヒドロ-1,8-ナフチリジン-1(2H)-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(24 mg)、2-クロロベンゾイル クロリド (0.012 mL)、トリエチルアミン (0.020 mL) およびTHF (5 mL) の混合物を室温で64時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (12 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.19-2.33 (1H, m), 2.39-2.51 (1H, m), 3.84 (3H, s), 3.89 (3H, s), 3.91-4.03 (1H, m), 4.06-4.25 (1H, m), 5.38-5.59 (1H, m), 6.46-6.62 (1H, m), 6.73 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.85-6.93 (1H, m), 6.93-7.00 (1H, m), 7.12 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.31-7.46 (3H, m), 7.66-7.82 (2H, m).
【0353】
実施例4B
2-クロロ-N-(trans-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)ベンズアミド
A) tert-ブチル trans-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート
trans-1-(tert-ブトキシカルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-カルボン酸(1.0 g)のトルエン(25 mL)溶液にホスホルアジド酸ジフェニル (0.77 mL)、トリエチルアミン(0.50 mL) を室温で加え、1時間加熱還流した。反応混合物に室温でベンジルアルコール(0.41 mL)を加え、5時間加熱還流した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (1.35 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 2.10-2.27 (1H, m), 2.46-2.64 (1H, m), 2.67-2.98 (2H, m), 3.83-4.03 (1H, m), 4.11-4.30 (2H, m), 4.47 (1H, brs), 4.70 (1H, d, J = 5.8 Hz), 4.95 (2H, s), 7.09-7.49 (10H, m).
【0354】
B) tert-ブチル trans-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル trans-4-(((ベンジルオキシ)カルボニル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (1.3 g)、10%パラジウム−炭素 (200 mg) およびメタノール (30 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (863.5 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 1.74 (3H, brs), 1.83-2.04 (1H, m), 2.39 (1H, td, J = 11.0, 4.1 Hz), 2.66-2.93 (2H, m), 3.01 (1H, td, J = 10.7, 3.9 Hz), 3.99-4.35 (2H, m), 7.03-7.42 (5H, m).
【0355】
C) tert-ブチル trans-4-((2-クロロベンゾイル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル trans-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (484 mg)、トリエチルアミン (0.15 mL) およびTHF (10 mL) の混合物に0 ℃で塩化 2-クロロベンゾイル (0.11 mL) を加えた。室温で終夜撹拌後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を1規定塩酸、飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (247.6 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.47 (9H, s), 2.26-2.45 (1H, m), 2.61-2.76 (1H, m), 2.76-2.90 (1H, m), 2.90-3.06 (1H, m), 4.17-4.38 (2H, m), 4.38-4.59 (1H, m), 5.84 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.11-7.40 (10H, m).
【0356】
D) 2-クロロ-N-(trans-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)ベンズアミド
tert-ブチル trans-4-((2-クロロベンゾイル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (240 mg) に4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (10 mL) を氷冷下で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して得た残渣をピリジン (5 mL) に溶解し、塩化 3,4-ジメトキシベンゾイル (117 mg) を0 ℃で加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣を1規定塩酸と酢酸エチルとに分配し、有機相を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (217.3 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.37-1.68 (1H, m), 1.82-2.17 (1H, m), 2.70-2.90 (1H, m), 2.90-3.30 (2H, m), 3.78 (6H, s), 3.61-4.06 (1H, m), 4.42 (2H, d, J = 10.9 Hz), 6.88 (1H, d, J = 6.8 Hz), 6.92-7.05 (3H, m), 7.10-7.49 (8H, m), 8.27 (1H, d, J = 8.9 Hz).
【0357】
実施例23B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
A) メチル 8-クロロキノキサリン-6-カルボキシラート
メチル 3,4-ジアミノ-5-クロロベンゾアート(2.80 g)、オキサルアルデヒド40%水溶液 (2.43 g)、メタノール (20 mL) およびTHF (10 mL) の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、THF/酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで洗浄して標題化合物 (1.28 g) を得た。
MS: [M+H]+ 222.8.
【0358】
B) 8-クロロキノキサリン-6-カルボン酸
メチル 8-クロロキノキサリン-6-カルボキシラート (1.27 g)、8M 水酸化ナトリウム水溶液 (7.13 mL)、メタノール (2 mL) およびTHF (10 mL) の混合物を50 ℃で10時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を水とジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (1.11 g) を得た。
MS: [M+H]+ 209.0.
【0359】
C) (3S,4R)-tert-ブチル 3-フェニル-4-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート
(3S,4R)-tert-ブチル 4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (2.50 g) とトリエチルアミン (2.5 mL) のTHF (50 mL) 溶液に氷冷下、無水トリフルオロ酢酸 (1.4 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (2.80 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.46 (9H, s), 1.81 (2H, d, J = 4.9 Hz), 3.09-3.19 (1H, m), 3.19-3.69 (2H, m), 3.56-4.14 (2H, m), 4.31-4.45 (1H, m), 5.91 (1H, brs), 7.18-7.25 (2H, m), 7.29-7.38 (3H, m).
【0360】
D) 2,2,2-トリフルオロ-N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)アセトアミド塩酸塩
(3S,4R)-tert-ブチル 3-フェニル-4-(2,2,2-トリフルオロアセトアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート (2.77 g) のメタノール (5 mL) 溶液に、4 M 塩酸―シクロペンチルメチルエーテル溶液 (9.5 mL) を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (2.01 g) を得た。
MS: [M+H]+ 273.0.
【0361】
E) N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド
2,2,2-トリフルオロ-N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)アセトアミド塩酸塩(1.40 g)、8-クロロキノキサリン-6-カルボン酸 (1.23 g)、HATU (2.24 g)、トリエチルアミン (2.0 mL) およびDMF (10 mL) の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.99 g) を得た。
MS: [M+H]+ 463.1.
【0362】
F) ((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン
N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2,2,2-トリフルオロアセトアミド (1.98 g)のメタノール (10 mL) 溶液に、2M 水酸化ナトリウム水溶液 (9.5 mL) を室温で加え、同温度で2時間撹拌した。反応混合物を1M 塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.32 g) を得た。
MS: [M+H]+ 367.0.
【0363】
G) N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (200 mg)、1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(92 mg)、HATU (249 mg)、トリエチルアミン(0.228 mL) およびDMF (2 mL) の混合物を室温で2時間撹拌後、反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで結晶化して標題化合物 (209 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.74-2.15 (2H, m), 2.20 (3H, s), 3.11-3.48 (1H, m), 3.51-3.97 (2H, m), 4.02 (3H, s), 4.20-4.69 (2H, m), 5.48-5.79 (1H, m), 5.89 (1H, brs), 7.06-7.52 (6H, m), 7.63-8.25 (2H, m), 8.98 (2H, brs).
【0364】
実施例24B
N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-モルホリノエトキシ)ニコチンアミド
A) 6-クロロ-N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)ニコチンアミド
((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (200 mg)、6-クロロニコチン酸 (103 mg) 及びトリエチルアミン (0.227 ml) のDMF (2ml) 溶液に室温でHATU (249 mg )を加えた。乾燥雰囲気下、室温で1時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン)で精製した。得られた固体をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標題化合物(273 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 506.1
【0365】
B) N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-モルホリノエトキシ)ニコチンアミド
N-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン (0.072 ml)のTHF (1.3 ml) 溶液に 0 °Cで水素化ナトリウム(60%、24.17 mg)を加えた。0 °Cで20分間撹拌した後、6-クロロ-N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)ニコチンアミド (60 mg)を加えて、70 °C で 1.5 時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を室温で加えた後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン)で精製し、標題化合物(18.40 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 1.65-2.09 (2H, m), 2.34-2.47 (5H, m), 2.62-2.72 (2H, m), 3.50-3.68 (6H, m), 3.99-4.50 (4H, m, J = 5.5, 5.5 Hz), 4.52-4.76 (1H, m), 6.84 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.07-7.41 (5H, m), 7.87-8.29 (4H, m), 8.36-8.50 (1H, m), 9.01-9.20 (2H, m, J = 19.6 Hz).
【0366】
実施例31B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(ジフルオロメトキシ)ピリジン-2-カルボキサミド
3-(ジフルオロメトキシ)ピコリン酸 (70.5 mg)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (97.2 mg) および N-エチルジイソプロピルアミン (0.139 mL) の DMF (2.0 mL) 溶液に、HATU (161 mg) を室温で加え、3 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/THF で抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (121 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.61-2.15 (2H, m), 3.34-3.47 (1H, m), 3.48-3.74 (2H, m), 3.78-3.99 (1H, m), 4.09-4.49 (1H, m), 4.52-4.69 (1H, m), 6.72-7.45 (6H, m), 7.57 (1H, dd, J = 8.4, 4.6 Hz), 7.72 (1H, d, J = 7.7 Hz), 8.02 (1H, d, J = 11.1 Hz), 8.13 (1H, brs), 8.45 (1H, d, J = 3.8 Hz), 8.55-8.74 (1H, m), 8.97-9.20 (2H, m).
【0367】
実施例42B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボキサミド
A) N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-メトキシピコリンアミド
6-メトキシピコリン酸 (0.052 g)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (0.083 g) および N-エチルジイソプロピルアミン (0.12 mL) の DMF (2.0 mL) 溶液に、HATU (0.13 g) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/THF で抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.11 g) を得た。
MS: [M+H]+ 502.1.
【0368】
B) N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-オキソ-1,6-ジヒドロピリジン-2-カルボキサミド
窒素雰囲気下、N-((3S,4R)-1-(8-クロロキノキサリン-6-カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-メトキシピコリンアミド(0.077 g)、および DMF (0.2 mL) の混合物に、塩化ピリジニウム (0.18 g) を室温で加え、130 ℃ で 16 時間撹拌した。反応混合物に室温で 1 M 塩酸 を加え、析出物をろ取し、水で洗浄した。得られた個体を THF に溶かし、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (0.019 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.57-2.14 (2H, m), 3.35-4.45 (6H, m), 4.47-4.61 (1H, m), 6.60-6.79 (1H, m), 6.94-7.43 (6H, m), 7.58-7.73 (1H, m), 7.94-8.49 (3H, m), 9.01-9.25 (2H, m).
【0369】
実施例45B
N-((3S,4R)-1-((8-メトキシキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
A) tert-ブチル (3S,4R)-3-フェニル-4-(((3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート
3-(トリフルオロメチル)ピコリン酸 (2.57 g)、tert-ブチル(3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート(3.1 g)および HOBt (2.27 g) の DMF (40 mL) 溶液に、WSC (2.95 mL) を氷冷下加え、室温で 終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (5.02 g) を得た。
MS: [M+H-Boc]+ 350.2.
【0370】
B) N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド塩酸塩
tert-ブチル (3S,4R)-3-フェニル-4-(((3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)カルボニル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート(4.29 g) に、4 M 塩化水素−酢酸エチル溶液 (50 mL) を氷冷下加え、室温で 3 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去して標題化合物 (4.29 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.89 (1H, d, J = 13.4 Hz), 2.10-2.32 (1H, m), 2.92-3.15 (1H, m), 3.19-3.36 (2H, m), 3.39-3.55 (1H, m), 3.74 (1H, q, J = 11.4 Hz), 4.62 (1H, d, J = 6.2 Hz), 7.16-7.38 (5H, m), 7.69 (1H, dd, J = 7.8, 4.8 Hz), 8.24 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.83 (1H, d, J = 4.3 Hz), 8.94 (1H, d, J = 9.2 Hz), 9.27 (1H, d, J = 9.2 Hz), 9.77 (1H, d, J = 9.0 Hz).
【0371】
C) 2-メトキシ-6-ニトロアニリン
2-アミノ-3-ニトロフェノール (9.12 g)、炭酸カリウム(13.6 g)の DMF (100 mL) 溶液に、ヨードメタン (4.44 mL) を室温で加え、室温で 2時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加え、析出した固体をろ取し、水およびヘキサンで洗浄して標題化合物 (9.85 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.88 (3H, s), 6.61 (1H, dd, J = 8.9, 7.7 Hz), 6.95-7.17 (3H, m), 7.59 (1H, dd, J = 8.9, 1.3 Hz).
【0372】
D) 4-ブロモ-2-メトキシ-6-ニトロアニリン
2-メトキシ-6-ニトロアニリン (9.12 g) の アセトニトリル (100 mL) 溶液に、N-ブロモスクシンイミド (10.8 g) を室温で加え、70 ℃で4時間撹拌した。反応混合物にチオ硫酸ナトリウム水溶液を室温で加え、析出した固体をろ取し、水およびヘキサンで洗浄して標題化合物 (11.77 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.91 (3H, s), 7.20 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.25 (2H, brs), 7.72 (1H, d, J = 2.1 Hz).
【0373】
E) N-(4-ブロモ-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アセトアミド
4-ブロモ-2-メトキシ-6-ニトロアニリン (11.8 g) 、無水酢酸(6.74 mL) の酢酸 (40 mL) 溶液に、濃硫酸(2.54 mL) を室温で加え、70 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を室温で加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄した。トルエン共沸により固体を乾燥し、酢酸エチル中に懸濁した。固体をろ取し、酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (9.55 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 2.01 (3H, s), 3.93 (3H, s), 7.62 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.66 (1H, d, J = 2.1 Hz), 9.91 (1H, s).
【0374】
F) N-(4-シアノ-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アセトアミド
N-(4-ブロモ-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アセトアミド (2.04 g) 、亜鉛ジシアニド(1.76 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (857 mg)のDMF (20 mL) 溶液をマイクロウェーブ照射下、170 ℃にて1時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を加えて中和し、酢酸エチルとTHFで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルおよびジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (967 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 2.07 (3H, s), 3.97 (3H, s), 7.90 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.02 (1H, d, J = 1.7 Hz), 10.29 (1H, s).
【0375】
G) メチル 4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾアート
N-(4-シアノ-2-メトキシ-6-ニトロフェニル)アセトアミド (967 mg) のエタノール (10 mL) 溶液に8 M 水酸化ナトリウム水溶液 (5.14 mL) を室温で加え、3時間加熱還流した。反応混合物に2M 塩酸 (20.6 mL) を0 ℃で加え、析出した固体をろ取した。得られた個体と炭酸カリウム (1.11 g) のDMF (15 mL) 溶液に室温でヨードメタン(0.39 mL)加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体をろ取し、水とヘキサンで洗浄して標題化合物 (579 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.84 (3H, s), 3.94 (3H, s), 7.41 (1H, d, J = 1.7 Hz), 7.67 (2H, brs), 8.27 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0376】
H) メチル 3,4-ジアミノ-5-メトキシベンゾアート
メチル 4-アミノ-3-メトキシ-5-ニトロベンゾアート (579 mg)、10%パラジウム−炭素 (347 mg)、メタノール (20 mL)およびTHF (10 mL) の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (522.8 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.73 (3H, s), 3.76 (3H, s), 4.74 (2H, s), 4.81 (2H, s), 6.83 (1H, d, J = 1.7 Hz), 6.97 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0377】
I) メチル 8-メトキシキノキサリン-6-カルボキシラート
メチル 3,4-ジアミノ-5-メトキシベンゾアート (528 mg) のメタノール (5 mL)、 THF (10 mL) 溶液にオキサルアルデヒド40%水溶液(0.46 mL) を室温で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (249 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 3.96 (3H, s), 4.08 (3H, s), 7.66 (1H, d, J = 1.5 Hz), 8.22 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.01 (1H, d, J = 1.7 Hz), 9.06 (1H, d, J = 1.7 Hz).
【0378】
J) 8-メトキシキノキサリン-6-カルボン酸
メチル 8-メトキシキノキサリン-6-カルボキシラート (249 mg) のメタノール (2 mL)、 THF (4 mL) 溶液に1M水酸化ナトリウム水溶液 (5.14 mL) を室温で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に1M塩酸を室温で加え、析出した固体をろ取し、水とジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (160.4 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.07 (3H, s), 7.67 (1H, d, J = 1.5 Hz), 8.20 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.99 (1H, d, J = 1.7 Hz), 9.04 (1H, d, J = 1.7 Hz), 13.53 (1H, brs).
【0379】
K) N-((3S,4R)-1-((8-メトキシキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(100 mg)、8-メトキシキノキサリン-6-カルボン酸(62 mg)およびHOBt (61 mg)、トリエチルアミン(0.11 mL)の DMF (1 mL) 溶液に、WSC (0.07 mL) を室温で加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を室温で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、メタノール/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (79.6 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.62-2.12 (2H, m), 3.28-3.90 (4H, m), 3.91-4.11 (3H, m), 4.17-4.54 (1H, m), 4.55-4.71 (1H, m), 7.09-7.47 (6H, m), 7.50-7.77 (2H, m), 8.24 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.69-9.11 (4H, m).
【0380】
実施例47B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
A) N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エタノール (0.59 mL) のTHF (10 mL) 溶液に水素化ナトリウム(60%、178 mg)を0 ℃で加え、0 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に6-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(500 mg)加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を室温で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、メタノール/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (313 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.43-1.59 (3H, m), 1.66-1.91 (2H, m), 2.05-2.29 (2H, m), 3.24-3.57 (2H, m), 3.57-4.08 (6H, m), 4.30-4.81 (5H, m), 5.66 (1H, brs), 7.02 (1H, s), 7.14-7.49 (6H, m), 7.60-8.23 (3H, m), 8.97 (2H, brs).
【0381】
B) N-((3S,4R)-1-((8-メトキシキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルオキシ)エトキシ)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(300 mg)に4 M 塩化水素―酢酸エチル溶液 (20 mL) を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (161.3 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.51-1.96 (1H, m), 1.98-2.15 (1H, m), 3.35-4.02 (6H, m), 4.21-4.53 (3H, m), 4.59 (1H, brs), 4.86 (1H, t, J = 5.5 Hz), 6.90-7.48 (6H, m), 7.86 (1H, d, J = 10.5 Hz), 7.96-8.21 (2H, m), 8.72 (1H, d, J = 8.3 Hz), 9.10 (2H, d, J = 19.4 Hz).
【0382】
実施例48B
ジベンジル 2-((5-(((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)カルバモイル)-4-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)オキシ)エチル ホスファート
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-6-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド(120 mg)、二リン酸テトラベンジル(151 mg)およびTHF (5 mL) の混合物に0 ℃で1.9 M ナトリウム ビス(トリメチルシリル)アミド−THF溶液(0.26 mL) を加えた。0 ℃で2時間撹拌後、反応混合物に飽和炭酸ナトリウム水溶液を0 ℃で加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (47.9 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.79 (2H, brs), 2.13 (2H, brs), 3.31 (1H, brs), 3.67 (2H, brs), 3.84-4.01 (1H, m), 4.20-4.32 (2H, m), 4.37-4.57 (3H, m), 4.73 (1H, brs), 4.83-5.12 (4H, m), 6.15 (1H, brs), 6.86 (1H, s), 7.05-7.42 (13H, m), 7.51-8.22 (3H, m), 8.96 (2H, brs).
【0383】
実施例55B
N-(cis-1'-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3'-ビピペリジン-4'-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) (cis-4-アジド-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
tert-ブチル 5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシラート (5.1 g) のトルエン (50 mL) 溶液に、70% m-CPBA (7.4 g) を室温で加え、室温で 16 時間撹拌した。析出物をろ過して除去し、濾液の溶媒を減圧下留去した。残渣にチオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和重曹水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去してtert-ブチル 7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシラート (6.8 g) を得た。
tert-ブチル 7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシラート(8.1 g) の DMF (80 mL)、THF (60 mL) および水 (20 mL) 溶液に、アジ化ナトリウム (8.0 g) を室温で加え、窒素雰囲気下、90 ℃ で 3 時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に、4 M 塩化水素−酢酸エチル溶液 (50 mL) を室温で加え、室温で 20 分間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、3,4-ジメトキシ安息香酸 (7.5 g)、HOBt (8.1 g) およびトリエチルアミン (28 mL) の DMF (80 mL) 溶液に、WSC (7.1 mL) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/THF で抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (3.6 g) を得た。
MS: [M+H]+ 307.0.
【0384】
B) (cis-4-アジド-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン
(cis-4-アジド-3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン (1.0 g)、イミダゾール (1.24 g) の DMF (10 mL) 溶液に、TBSCl (1.6 g) を室温で加え、2 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.3 g) を得た。
MS: [M+H]+ 421.2.
【0385】
C) tert-ブチル(cis-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)ピペリジン-4-イル)カルバマート
(cis-4-アジド-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ピペリジン-1-イル)(3,4-ジメトキシフェニル)メタノン(1.3 g)、10 % パラジウム炭素 (0.76 g)、THF (20 mL) の混合物を水素雰囲気下 (1 atm) 室温で 16 時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濾液の溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣およびトリエチルアミン (1.3 mL) の THF (20 mL) 溶液に、二炭酸ジ tert-ブチル (0.84 mL) を室温で加え、10 分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.3 g) を得た。
MS: [M+H]+ 495.3.
【0386】
D) tert-ブチル (cis-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)カルバマート
tert-ブチル (cis-3-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)ピペリジン-4-イル)カルバマート (1.3 g) の THF (20 mL) 溶液に、1.0 M TBAF−THF 溶液 (7.5 mL) を室温で加え、10 分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、メタノール/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (0.83 g) を得た。
MS: [M+H]+ 381.2.
【0387】
E) N-(cis-3-アジド-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)ピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
tert-ブチル (cis-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)カルバマート (0.40 g) およびトリエチルアミン (0.44 mL) の THF (5 mL) 溶液に、塩化メタンスルホン酸 (0.12 mL) を氷冷下で加え、10 分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣の DMF (5 mL) 溶液に、アジ化ナトリウム (0.16 g) および酢酸ナトリウム (0.18 g) を室温で加え、窒素雰囲気下、80 ℃ で 30 分間、100 ℃ で 30 分間、120 ℃ で 1 時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣に、4 M 塩化水素−酢酸エチル溶液 (5.0 mL) を室温で加え、室温で 10 分間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣の DMF (5.0 mL) 溶液に、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸(0.32 g) 、HOBt 1 水和物 (0.25 g)、トリエチルアミン (0.74 mL) および WSC (0.37 mL) を室温で加え、室温で 16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.092 g) を得た。
MS: [M+H]+ 494.1.
【0388】
F) N-(cis-1'-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-1,3'-ビピペリジン-4'-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-(cis-3-アジド-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)ピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (0.092 g)、10 % パラジウム炭素 (0.092 g)、メタノール (5.0 mL) の混合物を水素雰囲気下 (1 atm) 室温で 1 時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濾液の溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、グルタルアルデヒド (0.20 mL)、DMF (3.0 mL) および酢酸 (1.0 mL) の混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム (0.25 g) を室温で加え、 室温で 30 分間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を 2 N 塩酸で逆抽出し、炭酸カリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.020 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.22-1.59 (7H, m), 1.60-1.87 (2H, m), 2.28-2.50 (6H, m), 3.08-3.28 (1H, m), 3.35-3.70 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.79 (3H, s), 4.45-4.66 (1H, m), 6.89-7.04 (3H, m), 7.40-7.64 (4H, m), 8.46 (1H, d, J = 8.1 Hz).
【0389】
実施例59B
5-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
A) (3S,4R)-tert-ブチル 4-(5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシラート
5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(148 mg)、HATU (420 mg) およびN-エチルジイソプロピルアミン (0.3 mL) の DMF (3 mL) 溶液を室温で15分撹拌した。5-クロロ-N-((3S,4R)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(250 mg)を室温で反応混合物に加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (210 mg) を得た。
MS: [M+H-100]+ 450.9.
【0390】
B) 5-クロロ-N-((3S,4R)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
(3S,4R)-tert-ブチル 4-(5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシラート(0.73 g) にのジクロロメタン (4 mL) 溶液に、TFA (1 mL) を室温で加え、室温で 2 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物の粗生成物を得た。この化合物は精製せずに次工程で用いた。
MS: [M+H]+ 350.9.
【0391】
C) 5-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
8-クロロキノキサリン-6-カルボン酸 (65.4 mg)、HATU (163 mg) およびN-エチルジイソプロピルアミン (0.13 mL)の DMF (2 mL) 溶液を室温で15分撹拌した。5-クロロ-N-((3S,4R)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(100 mg)を室温で反応混合物に加え、室温で16時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (110 mg) を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.70-2.21 (5H, m), 3.39-3.41 (1H, m), 3.50-3.68 (5H, m), 3.79-3.88 (1H, m), 4.15-4.40 (1H, m), 4.55 (1H, brs), 7.03-7.05 (1H, m), 7.11-7.22 (2H, m), 7.34 (1H, brs), 7.78-7.85 (1H, m), 7.98-8.02 (1H, m), 8.12 (1H, brs), 9.07-9.13 (2H, m).
【0392】
実施例74B
N-((3S,4R)-1-((8-メチルキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
A) メチル 8-メチルキノキサリン-6-カルボキシラート
メチル 8-クロロキノキサリン-6-カルボキシラート (199 mg) 、2,4,6-トリメチルボロキシン(449 mg)、2 M炭酸カリウム水溶液 (0.67 mL)、1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド-ジクロロメタン錯体 (62 mg)とDMF (20 mL) の混合物をマイクロウェーブ照射下、140 ℃にて30分間撹拌した。反応混合物に水を加えてセライトでろ過した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (89.3 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 2.79 (3H, s), 3.96 (3H, s), 8.20 (1H, dd, J = 1.7, 0.9 Hz), 8.49 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.08 (1H, d, J = 1.7 Hz), 9.09 (1H, d, J = 1.9 Hz).
【0393】
B) 8-メチルキノキサリン-6-カルボン酸
メチル 8-メチルキノキサリン-6-カルボキシラート (89.3 mg) のメタノール (1 mL)、 THF (2 mL) 溶液に1M 水酸化ナトリウム水溶液 (2 mL) を室温で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に1M 塩酸を室温で加え、溶媒を減圧下留去した。残渣を水で洗浄し、酢酸エチルとトルエンに溶解した。溶媒を減圧下留去して標題化合物 (46 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 2.78 (3H, s), 8.18 (1H, d, J = 0.8 Hz), 8.46 (1H, d, J = 1.5 Hz), 9.05 (1H, d, J = 1.8 Hz), 9.06 (1H, d, J = 1.8 Hz), 13.43 (1H, brs).
【0394】
C) N-((3S,4R)-1-((8-メチルキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(80 mg)、8-メチルキノキサリン-6-カルボン酸(39 mg)および HOBt (42 mg)、トリエチルアミン(0.04 mL)の DMF (5 mL) 溶液に、WSC (0.06 mL) を0 ℃で加え、室温で終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を水と酢酸エチルで希釈した。分離した有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物 (43.9 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.64-2.12 (2H, m), 2.79 (1H, brs), 3.32 (3H, s), 3.36 (1H, brs), 3.42-3.67 (2H, m), 3.68-4.01 (1H, m), 4.20-4.52 (1H, m), 4.63 (1H, brs), 7.04-7.48 (5H, m), 7.60-7.80 (2H, m), 7.81-8.04 (1H, m), 8.24 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.68-8.87 (1H, m), 9.00 (2H, d, J = 18.8 Hz).
【0395】
実施例81B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸 (0.075 g)、0.24 M ((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン DMF 溶液 (1.1 mL)、HOBt (0.052 g) およびトリエチルアミン (0.11 mL) の DMF (1.0 mL) 溶液に、WSC (0.071 mL) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチル/THF で抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.10 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.57-2.12 (2H, m), 3.34-3.48 (1H, m), 3.51-3.83 (2H, m), 3.87 (3H, s), 3.91-4.10 (1H, m), 4.11-4.46 (1H, m), 4.48-4.76 (1H, m), 7.07-7.45 (6H, m), 8.03 (1H, d, J = 9.6 Hz), 8.13 (1H, brs), 8.46 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.99-9.19 (2H, m).
【0396】
実施例97B
2-クロロ-N-(cis-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド
A) エチル 1-ベンジル-5-[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボキシラート
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200 mL) にエチル 1-ベンジル-3-オキソピペリジン-4-カルボキシラート塩酸塩(25 g) を加え、エーテル(200 mL)で抽出した。このエーテル溶液を水素化ナトリウム(60%、6.68 g)のエーテル(100 mL)懸濁溶液に0 ℃で滴下し、0 ℃で30分間撹拌した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(17.7 mL)を0 ℃で加え、2時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を0 ℃で加えた。分離した有機相と水相に分配し、有機相を和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し標題化合物 (28 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.31 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.57-2.59 (2H, m), 2.63-2.65 (2H, m), 3.18 (2H, s), 3.63 (2H, s), 4.24-2.43 (2H, m), 7.27-7.35 (5H, m).
【0397】
B) エチル 1-ベンジル-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボキシラート
1-ベンジル-5-[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]-1,2,3,6-テトラヒドロ ピリジン-4-カルボキシラート (10 g) 、ピリジン-3- ボロン酸 (3.2 g)、炭酸カリウム (7.02 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム (2.06 g)のDMF (20 mL) 溶液を90 ℃で16時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過し酢酸エチルで洗浄した。ろ液の溶媒を減圧下留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (4.0 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 0.81 (3H, t, J = 7.1 Hz), 2.45-2.50 (2H, m), 2.60-2.64 (2H, m), 3.22 (2H, m), 3.63 (2H, s), 3.85 (2H, q, J = 7.0 Hz), 7.24-7.27 (2H, m), 7.31-7.40 (3H, m), 7.56-7.62 (4H, m).
【0398】
C) cis- エチル 1-ベンジル-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボキシラート
1-ベンジル-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボキシラート (1.5 g)、10%パラジウム−炭素 (200 mg) 、10%水酸化パラジウム−炭素 (500 mg)、酢酸(0.5 mL) およびエタノール (60 mL) の混合物を300psi水素雰囲気下、65 ℃で48時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物 (800 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 235.2.
【0399】
D) cis-エチル 1-[(3,4-ジメトキシフェニル)カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート
(cis-1-ベンジル-5-(ピリジン-3-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボキシラート (5.5 g)のジクロロメタン (25 mL) 溶液に0 ℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン (12.83 mL)を加え、3,4-ジメトキシベンゾイルクロリドのジクロロメタン (3 mL) 溶液を加えた。室温で30分間撹拌後、ジクロロメタンで希釈し飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を逆相HPLCで精製して標題化合物 (1.6 g) を得た。
MS: [M+H]+ 398.9.
【0400】
E) 2-(トリメチルシリル)エチル N-[cis-1-[(3,4-ジメトキシフェニル) カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル]カルバマート
cis-エチル 1-[(3,4-ジメトキシフェニル)カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート (200 mg) のメタノール (5 mL)、 THF (5 mL) 溶液に水酸化リチウム(72 mg)の水 (1 mL) 溶液を室温で加え、室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を水で希釈し、4M 塩酸を加えて液性をpH = 4付近に調整した。ジクロロメタンで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去してを得た固体 (150 mg) のトルエン(10 mL)溶液にDPPA (0.2 mL)、トリエチルアミン(0.2 mL) を室温で加え、50 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に室温でトリメチルシリ エタノール(0.75 mL)を加え、100 ℃で6時間撹拌した。溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (100 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 486.4.
【0401】
F) 2-クロロ-N-(cis-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド
2-(トリメチルシリル)エチル N-[cis-1-[(3,4-ジメトキシフェニル) カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル]カルバマート (130 mg) のTHF (1 mL) 溶液に1 MTBAF−THF溶液 (2 mL) を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を減圧下濃縮して得た残渣をジクロロメタン (5 mL) に溶解し0 ℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.1 mL)を加え、2-クロロベンゾイルクロリド (0.04 mL) を0 ℃で加えた。室温で30分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (70 mg) を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.66-1.68 (1H, m), 1.90-2.07 (2H, m), 3.18-3.37 (2H, m), 3.55-3.60 (1H, m), 3.78 (3H, s), 3.80 (3H, s), 3.81-4.64 (2H, m), 6.98-7.10 (3H, m), 7.26-7.49 (4H, m), 7.66-7.68 (2H, m), 7.73-8.50 (3H, m).
【0402】
実施例117B
2-クロロ-N-(trans-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド
A) 2-(トリメチルシリル)エチル N-[trans-1-[(3,4-ジメトキシフェニル) カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル]カルバマート
cis-エチル 1-[(3,4-ジメトキシフェニル)カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-カルボキシラート(500 mg)のTHF(10 mL)溶液に-78 ℃で1 Mリチウムジイソプロピルアミド−THF(3.75 mL)溶液を滴下し、-78 ℃で4時間撹拌した。エタノール(10 mL)を-78 ℃で加え、室温で10分間撹拌した。溶媒を減圧下留去して得た固体(420 mg) のうち300 mgをエタノール (6 mL) と THF (6 mL) に溶解し、水酸化リチウム(90 mg)の水 (1 mL) 溶液を室温で加え、室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を水で希釈し、4M塩酸を加えて液性をpH = 5付近に調整した。ジクロロメタンで抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去してを得た固体 (250 mg) のトルエン(10 mL)溶液にDPPA (0.41 mL)、トリエチルアミン(0.35 mL) を室温で加え、50 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に室温でトリメチルシリ エタノール(0.75 mL)を加え、100 ℃で6時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し標題化合物 (210 mg) を得た。
MS: [M+H]+ 486.0.
【0403】
B) 2-クロロ-N-(trans-1-(3,4-ジメトキシベンゾイル)-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル)ベンズアミド
2-(トリメチルシリル)エチル N-[trans-1-[(3,4-ジメトキシフェニル) カルボニル]-3-(ピリジン-3-イル)ピペリジン-4-イル]カルバマート (800 mg) のTHF (1 mL) 溶液に1 MTBAF−THF溶液 (3 mL) を加え、2時間加熱還流した。反応混合物を減圧下濃縮して得た残渣(500 mg)のうち70 mgをジクロロメタン (5 mL) に溶解し0 ℃でN,N-ジイソプロピルエチルアミン (0.11 mL)を加え、2-クロロベンゾイルクロリド (40 mg) を0 ℃で加えた。室温で30分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (22 mg) を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.64-1.70 (1H, m), 1.79-1.84 (2H, m), 2.04-2.07 (1H, m), 3.18-3.24 (2H, m), 3.81 (6H, s), 4.41-4.43 (2H, m), 6.98-7.03 (4H, m), 7.27-7.35 (4H, m), 7.72-7.74 (1H, m), 7.99-8.01 (1H, m), 8.43-8.50 (2H, m).
【0404】
実施例166B
5-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド
5-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-カルボン酸(0.012 g)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (0.022 g) およびN-エチルジイソプロピルアミン (0.013 mL) のDMF (1.0 mL) 溶液に、HATU (0.027 g) を室温で加え、90分間撹拌した。反応混合物を水 (1 mL) で希釈し、酢酸エチル (3 mL) で抽出した後、水層に酢酸エチル(2 mL) を加えて再度反応混合物を抽出し、抽出液をあわせて60 ℃で吹き付け濃縮した。残渣を分取高速液体クロマトグラフィー (C18、移動相:アセトニトリル/10mM重炭酸アンモニウム水溶液) で精製して標題化合物 (20.4 mg) を得た。
【0405】
実施例170B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-エトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
3-エトキシ-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(0.012 g)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (0.022 g) およびN-エチルジイソプロピルアミン (0.013 mL) のDMF (1.0 mL) 溶液に、HATU (0.027 g) を室温で加え、90分間撹拌した。反応混合物を水 (1 mL) で希釈し、酢酸エチル (3 mL) で抽出した後、水層に酢酸エチル(2 mL) を加えて再度反応混合物を抽出し、抽出液をあわせて60 ℃で吹き付け濃縮した。残渣を分取高速液体クロマトグラフィー (C18、移動相:アセトニトリル/10mM重炭酸アンモニウム水溶液) で精製して標題化合物 (23.1 mg) を得た。
【0406】
実施例241B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
3-(トリフルオロメトキシ)ピコリン酸 (67.5 mg)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (99.0 mg)、HOBt (51.8 mg) および トリエチルアミン (0.113 mL) の DMF (1 mL) 溶液に、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド(62.9 mg) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (84 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.60-2.12 (2H, m), 3.30-3.70 (3H, m), 3.71-4.12 (1H, m), 4.18-4.52 (1H, m), 4.53-4.72 (1H, m), 7.08-7.50 (5H, m), 7.61-7.77 (1H, m), 7.93-8.17 (2H, m), 8.24 (1H, d, J = 8.9 Hz), 8.66-8.89 (2H, m), 9.00-9.21 (2H, m).
【0407】
実施例242B
6-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-4-(トリフルオロメチル)ニコチンアミド
((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン(300 mg)、6-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(221 mg)、トリエチルアミン (0.34 mL)の DMF (1.1 mL) 溶液に、HATU (373 mg) を室温で加え、室温で 4時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (284 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.60-1.95 (1H, m), 2.01-2.13 (1H, m), 3.34-3.50 (2H, m), 3.53-3.98 (2H, m), 4.22-4.55 (1H, m), 4.56-4.67 (1H, m), 7.10-7.45 (5H, m), 7.98-8.17 (4H, m), 8.78-8.92 (1H, m), 9.02-9.19 (2H, m, J = 18.8 Hz).
【0408】
実施例245B
N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
A) エチル 3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-2-(4-フルオロフェニル)プロパノアート
エチル 2-(4-フルオロフェニル)アセタート (29 g) の DMF (120 mL) 溶液に、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール (32 mL) を室温で加え、窒素雰囲気下、140 ℃ で 16 時間撹拌した。反応混合物に β-アラニンエチルエステル塩酸塩 (33 g) を室温で加え、80 ℃ で 2 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣の DMF (300 mL) および酢酸 (300 mL) 溶液に、テトラヒドロほう酸ナトリウム (36 g) を氷冷下、徐々に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル (150 mL) で希釈し、2 N 水酸化ナトリウム水溶液 (300 mL) を氷冷下、ゆっくり加えた。反応混合物に水 (300 mL) を加え、酢酸エチル (100 mL 、3 回) で抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水 (100 mL、2 回) 、および飽和食塩水 (100 mL) で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチル (500 mL) に溶かし、シュウ酸 (30 mL) を室温で加え、30 分間加熱還流した。析出物をろ取し、酢酸エチルで洗浄した。得られた個体を酢酸エチルに懸濁して炭酸カリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物 (26 g) を得た。
MS: [M+H]+ 312.1.
【0409】
B) tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート
エチル 3-((3-エトキシ-3-オキソプロピル)アミノ)-2-(4-フルオロフェニル)プロパノアート (26 g) の THF (250 mL) 溶液に、60% 水素化ナトリウム (60%、11 g) を氷冷下加え、窒素雰囲気下、30 分間加熱還流した。反応混合物に水 (250 mL) を加え、酢酸エチル (250 mL、 100 mL、3 回) で抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、濃塩酸 (110 mL) および酢酸 (110 mL) の混合物を 16 時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣およびトリエチルアミン (35 mL) の THF (200 mL) 溶液に、二炭酸ジtert-ブチル (19 mL) を室温で加え、30 分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (15 g) を得た。
MS: [M+H-Boc]+ 194.1.
【0410】
C) (3S,4R)-tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-オキソピペリジン-1-カルボキシラート (11 g) および (R)-1-フェニルエタンアミン (6.1 mL) のトルエン (120 mL) 溶液に塩化アルミニウム (0.34 g) を加え、窒素雰囲気下、 16 時間加熱還流した。溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、展開ニッケル触媒 (2.1 g) およびエタノール (55 mL) の混合物を水素雰囲気下 (0.5 MPa) 室温で 24 時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濾液の溶媒を減圧下留去した。残渣をトルエンに懸濁し、固体をろ過して除去した。濾液の溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、標題化合物 (2.4 g) を得た。
MS: [M+H]+ 399.1.
【0411】
D) (3S,4R)-tert-ブチル 4-アミノ-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシラート
(3S,4R)-tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-(((R)-1-フェニルエチル)アミノ)ピペリジン-1-カルボキシラート(2.4 g)、10 % パラジウム炭素 (1.1 g)、メタノール (30 mL) および酢酸 (3 mL) の混合物を水素雰囲気下 (1 atm) 室温で 6 時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濾液の溶媒を減圧下留去した。残渣の固体をろ取し、ヘキサンで洗浄して標題化合物 (0.95 g) を得た。
MS: [M+H-100]+ 238.9.
【0412】
E) (3S,4R)-tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-(3-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート
3-(トリフルオロメチル)ピコリン酸 (0.41 g)、(3S,4R)-tert-ブチル 4-アミノ-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-1-カルボキシラート (0.53 g) および HOBt (0.37 g) の DMF (10 mL) 溶液に、WSC (0.47 mL) を氷冷下加え、室温で 3 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去して反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (0.74 g) を得た。
MS: [M+H-100]+ 368.0.
【0413】
F) N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-カルボキサミド
(3S,4R)-tert-ブチル 3-(4-フルオロフェニル)-4-(3-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート(0.73 g) に、4 M 塩化水素酢酸エチル溶液 (50 mL) を氷冷下加え、室温で 3 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去してN-((3S,4R)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド塩酸塩を得た(0.64 g)。8-クロロキノキサリン-6-カルボン酸 (0.063 g)、N-((3S,4R)-3-(4-フルオロフェニル)ピペリジン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピコリンアミド ヒドロクロリド (0.10 g)、HOBt (0.061 g) およびトリエチルアミン (0.17 mL) の DMF (1.0 mL) 溶液に、WSC (0.066 mL) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製し、得られた個体をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (0.079 g) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.58-2.16 (2H, m), 3.34-3.70 (3H, m), 3.72-4.00 (1H, m), 4.10-4.51 (1H, m), 4.54-4.66 (1H, m), 6.94-7.31 (3H, m), 7.32-7.51 (1H, m), 7.70 (1H, dd, J = 7.3, 5.1 Hz), 8.01 (1H, d, J = 11.5 Hz), 8.12 (1H, brs), 8.24 (1H, d, J = 7.5 Hz), 8.74-8.89 (2H, m), 9.10 (2H, d, J = 18.6 Hz).
【0414】
実施例246B
3-クロロ-N-((3S,4R)-1-((8-クロロキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)ピリジン-2-カルボキサミド
3-クロロピコリン酸 (62.4 mg)、((3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-イル)(8-クロロキノキサリン-6-イル)メタノン (99.0 mg)、HOBt (57 mg) および トリエチルアミン (0.113 mL) の DMF (1 mL) 溶液に、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミド(62.9 mg) を室温で加え、16 時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸カリウム水溶液、水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (82 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.62-2.17 (2H, m), 3.33-3.69 (3H, m), 3.71-4.06 (1H, m), 4.14-4.54 (1H, m), 4.56-4.74 (1H, m), 7.07-7.42 (5H, m), 7.48 (1H, dd, J = 8.2, 4.6 Hz), 7.95 (1H, dd, J = 8.3, 1.3 Hz), 8.02 (1H, d, J = 10.2 Hz), 8.13 (1H, brs), 8.46-8.54 (1H, m, J = 4.6, 1.2 Hz), 8.65-8.83 (1H, m), 8.99-9.21 (2H, m).
【0415】
実施例253B
N-(trans-1'-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1,3'-ビピペリジン-4'-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) trans-tert-ブチル 4-アジド-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル 7-オキサ-3-アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-カルボキシラートの粗生成物 (7.0 g)、アジ化ナトリウム (3.4 g)、塩化アンモニウム (2.8 g) のエタノール (80 mL) および水 (80 mL) 溶液を 80 ℃ で6 時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル/酢酸エチル) で精製し、標題化合物 (5.5 g) を得た。
MS: [M+H-100]+ 143.1.
【0416】
B) trans-tert-ブチル 3-ヒドロキシ-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート
trans-tert-ブチル 4-アジド-3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボキシラート (11 g)、10 % パラジウム炭素(1.1 g)、メタノール (100 mL) の混合物を水素雰囲気下 (1 atm) 室温で 4 時間撹拌した。反応混合物をろ過し、濾液の溶媒を減圧下留去した。得られた残渣、2-(トリフルオロメトキシ)安息香酸 (9.0 g)、およびトリエチルアミン (13 g) の DMF (50 mL) 溶液に、HATU (25 g) を室温で加え、12 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (石油エーテル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (14 g) を得た。
MS: [M+H-56]+ 349.1.
【0417】
C) N-(trans-1-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
trans-tert-ブチル 3-ヒドロキシ-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート(14 g) に、4 M 塩化水素酢酸エチル溶液 (70 mL) を室温で加え、室温で 6 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去してN-((3RS,4RS)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド塩酸塩を得た。得られた N-(trans-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド ヒドロクロリド (6.0 g)、5,6-ジメトキシニコチン酸 (3.3 g)、およびトリエチルアミン (5.3 g) の DMF (30 mL) 溶液に、HATU (10 g) を室温で加え、12 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を 逆相HPLCで精製して標題化合物 (4.0 g) を得た。
MS: [M+H]+ 470.2.
【0418】
D) N-(trans-1'-((5,6-ジメトキシピリジン-3-イル)カルボニル)-1,3'-ビピペリジン-4'-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-(trans-1-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-3-ヒドロキシピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (0.94 g)、塩化メタンスルホン酸 (0.69 g)、トリエチルアミン (0.61 g) およびジクロロメタン (10 mL) の混合物を室温で 1 時間撹拌した。反応混合物に重曹水溶液を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して(3RS,4RS)-1-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-3-イル メタンスルホナートを得た。得られた trans-1-(5,6-ジメトキシニコチノイル)-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-3-イル メタンスルホナート (0.25 g) のアセトニトリル (5.0 mL) 溶液にピペリジン (0.078 g)、および炭酸セシウム (0.30 g) を室温で加え、室温で 14 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を分取 TLC で精製して標題化合物 (0.060 g) を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.38-1.58 (7H, m), 2.43-2.55 (3H, m), 2.74-2.77 (5H, m), 3.91-4.90 (9H, m), 7.18 (2H, d, J = 2.0 Hz), 7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.39-7.43(1H, m), 7.50-7.54 (1H, m), 7.80 (1H, d, J = 2.0 Hz), 7.98-8.00 (1H, m).
【0419】
実施例255B
N-((3S,4R)-1-(5-シアノ-6-メトキシニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
A) (3S,4R)-tert-ブチル 3-フェニル-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (5.00 g)のピリジン (50 mL) 溶液に、2-(トリフルオロメトキシ)ベンゾイル クロリド (4.88 g) を氷冷下加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (1.80 g) を得た。
1H NMR (300MHz, CDCl3) δ 1.45 (9H, brs), 1.85-2.03 (2H, m), 3.13-3.29 (1H, m), 3.30-3.69 (2H, m), 3.79-4.12 (2H, m), 4.52-4.72 (1H, m), 6.15-6.43 (1H, m), 7.26 (7H, s), 7.41-7.51 (1H, m), 7.79-7.87 (1H, m).
【0420】
B) N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド塩酸塩
(3S,4R)-tert-ブチル 3-フェニル-4-(2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ピペリジン-1-カルボキシラート(1.79 g) のメタノール (3 mL) 溶液に、4 M 塩化水素−シクロペンチルメチルエーテル溶液 (9.63 mL) を室温で加え、室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物 (1.30 g) を得た。
MS: [M+H]+ 365.0.
【0421】
C) N-((3S,4R)-1-(5-ブロモ-6-クロロニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド塩酸塩 (267.2 mg), 5-ブロモ-6-クロロニコチン酸 (173 mg) 及びトリエチル アミン (0.278 ml)の乾燥 DMF (3.0 ml)溶液に室温でHATU (330 mg) を加え、30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、生じた固体をろ取して水で洗浄した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン)で精製した後、酢酸エチル/へキサンから結晶化し、標題化合物(317 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 582.0
【0422】
D) N-((3S,4R)-1-(5-ブロモ-6-メトキシニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
メタノール(0.017 ml)の乾燥 THF (1.5ml)溶液に0 °Cで水素化ナトリウム(60%、17.02 mg)加えた後、0 °Cで40分間撹拌した。反応混合物にN-((3S,4R)-1-(5-ブロモ-6-クロロニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (80 mg)を加えた後、窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を0 °Cで加えた後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル/へキサンから結晶化し、標題化合物(37.9 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 578.0
【0423】
E) N-((3S,4R)-1-(5-シアノ-6-メトキシニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド
N-((3S,4R)-1-(5-ブロモ-6-メトキシニコチノイル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-2-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド (69 mg), トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム), 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル (19.59 mg), 亜鉛 シアニド (28.0 mg), 乾燥DMF (1.2 ml) 及び水 (0.012 ml)の混合物をマイクロウェーブ照射下、120℃で20分間撹拌した。反応混合物を水に室温で加えた後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/へキサン)で精製した後、酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから結晶化し、標題化合物(7.60 mg)を得た。。
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 1.54-1.89 (1H, m), 1.91-2.04 (1H, m), 3.17-3.39 (1H, m), 3.40-3.67 (2H, m), 3.69-3.93 (1H, m), 4.02 (3H, brs), 4.12-4.42 (1H, m), 4.53-4.63 (1H, m), 7.07-7.15 (1H, m), 7.17-7.44 (7H, m), 7.48-7.58 (1H, m), 8.22-8.66 (3H, m).
【0424】
実施例412B
N-((3S,4R)-1-((8-メトキシキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
A) tert-ブチル(3S,4R)-4-(((1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)カルボニル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート
tert-ブチル (3S,4R)-4-アミノ-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (3.00 g)、1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボン酸(2.53 g)および HOBt (2.20 g) の DMF (40 mL) 溶液に、WSC (2.86 mL) を氷冷下加え、室温で 終夜撹拌した。溶媒を減圧下留去して反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (4.42 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (9H, brs), 1.60-1.91 (2H, m), 3.14 (1H, d, J = 3.6 Hz), 3.37-3.51 (1H, m), 3.58-3.87 (3H, m), 3.90 (3H, s), 4.49 (1H, brs), 6.80-7.47 (6H, m), 8.31 (1H, d, J = 8.9 Hz).
【0425】
B) N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド塩酸塩
tert-ブチル (3S,4R)-4-(((1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル)カルボニル)アミノ)-3-フェニルピペリジン-1-カルボキシラート (4.42 g) に、4 M 塩化水素酢酸エチル溶液 (50 mL) を氷冷下加え、室温で 3 時間撹拌した。溶媒を減圧下留去して標題化合物 (3.81 g) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.87 (1H, d, J = 12.6 Hz), 2.23 (1H, ddd, J = 14.1, 10.1, 4.1 Hz), 3.13-3.34 (3H, m), 3.45 (1H, dt, J = 13.4, 3.9 Hz), 3.83 (3H, s), 4.05 (1H, t, J = 13.0 Hz), 4.66 (1H, dd, J = 9.7, 3.1 Hz), 7.08-7.34 (5H, m), 7.40 (1H, s), 8.75 (1H, d, J = 9.8 Hz), 9.08 (1H, brs), 9.65 (1H, brs).
【0426】
C) N-((3S,4R)-1-((8-メトキシキノキサリン-6-イル)カルボニル)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド
N-((3S,4R)-3-フェニルピペリジン-4-イル)-1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド塩酸塩 (200 mg)、8-メトキシキノキサリン-6-カルボン酸(105 mg)および HOBt (104 mg)、トリエチルアミン(0.11 mL)の DMF (5 mL) 溶液に、WSC (0.14 mL) を室温で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水と酢酸エチルで希釈し、分離した有機相を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (メタノール/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (231.9 mg) を得た。
1H NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.63-2.11 (2H, m), 3.35-3.45 (1H, m), 3.49-3.78 (2H, m), 3.88 (3H, s), 3.92-4.12 (4H, m), 4.13-4.50 (1H, m), 4.62 (1H, brs), 7.02-7.43 (7H, m), 7.49-7.72 (1H, m), 8.45 (1H, d, J = 8.7 Hz), 8.95 (2H, t, J = 19.4 Hz).
【0427】
上記の実施例に示した方法、またはそれらに準じた方法に従って、以下の表中の実施例4A〜10A、12A〜16A、19A〜29A、31A〜35A、37A〜40A、43A〜53A、55A〜73A、76A〜92A、95A、97A〜112A、114A〜116A、119A〜125A、127A〜131A、134A〜142A、144A〜147A、149A〜152A、154A、156A〜159A、161A、163A、164A、166A〜169A、173A〜177A、179A〜186A、188A、191A、195A、197A〜200A、202A、203A、205A〜216A、218A、1B〜3B、5B〜22B、25B〜30B、32B〜41B、43B、44B、46B、49B〜54B、56B〜58B、60B〜73B、75B〜80B、82B〜96B、98B〜116B、118B〜165B、167B〜169B、171B〜210B、213B、214B、216B〜219B、221B〜240B、243B、244B、247B〜252B、254B、256B〜411B、413B〜462Bの化合物を製造した。実施例化合物を以下の表に示す。表中のMSは実測値を示す。
【0428】
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表1-4】

【表1-5】

【表1-6】

【表1-7】

【表1-8】

【表1-9】

【表1-10】

【表1-11】

【表1-12】

【表1-13】

【表1-14】

【表1-15】

【表1-16】

【表1-17】

【表1-18】

【表1-19】

【表1-20】

【表1-21】

【表1-22】

【表1-23】

【表1-24】

【表1-25】

【表1-26】

【表2-1】

【表2-2】

【表2-3】

【表2-4】

【表2-5】

【表2-6】

【表2-7】

【表2-8】

【表2-9】

【表2-10】

【表2-11】

【表2-12】

【表2-13】

【表2-14】

【表2-15】

【表2-16】

【表2-17】

【表2-18】

【表2-19】

【表2-20】

【表2-21】

【表2-22】

【表2-23】

【表2-24】

【表2-25】

【表2-26】

【表2-27】

【表2-28】

【表2-29】

【表2-30】

【表2-31】

【表2-32】

【表2-33】

【表2-34】

【表2-35】

【表2-36】

【表2-37】

【表2-38】

【表2-39】

【表2-40】

【表2-41】

【表2-42】

【表2-43】

【表2-44】

【表2-45】

【表2-46】

【表2-47】

【表2-48】

【表2-49】

【表2-50】

【表2-51】

【表2-52】

【表2-53】

【表2-54】

【表2-55】

【表2-56】

【表2-57】

【表2-58】
【0429】
製剤例1
本発明化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
【数1】

(1)、(2)、(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0430】
【数2】

(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
【0431】
製剤例2
日局注射用蒸留水50mLに実施例1で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mLとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mLずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
【0432】
試験例1 SPT酵素阻害試験
全長のヒトSPT1、ヒトSPT2、およびヒトssSPTaはそれぞれNCBIアクセッション番号NM_006415、NM_004863、およびNM_138288と同一のアミノ酸配列を使用した。目的配列を挿入したpcDNA3.1ベクターを作製し、FreeStyle293細胞(Life Technologies, Carlsbad, CA, US)にFreestyle293 Expression systemのプロトコルに従って、ヒトSPT1、ヒトSPT2、およびヒトssSPTaの発現ベクターを同時にトランスフェクトした。3日間の培養の後、細胞を回収し−80℃で凍結させ、発現細胞を得た。凍結細胞を250 mM スクロース、5 mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、5 mM ジチオスレイトール(DTT)、Complete, EDTA-free (Roche Applied Science, Penzberg, Upper Bavaria, Germany)を含む50 mM Hepesバッファ(pH 7.5)で懸濁した。ポリトロン(セントラル科学貿易社)を用い、細胞を破砕(氷上、20,000 rpm、20secを2回)し、2000 rpm(850×g)で10分間遠心後、上清を回収した。次いで、40,000 rpm(186,010×g)で60分間遠心し、上清を廃棄した。ペレットを5 mM EDTA、5 mM DTT、Complete, EDTA-freeを含む50 mM Hepesバッファ(pH 7.5)に懸濁し、40μmのセルストレイナーに通したものを−80℃で保存した。これをSPT2発現膜画分とした。タンパク質濃度はウシ血清アルブミンをスタンダードとしてCBB Protein Assayにより定量した。
アッセイバッファ(2.5 mM EDTA、5 mM DTT、0.01% 脂肪酸不含のウシ血清アルブミンを含む100 mM Hepes (pH 8.0))を用いて、5 μLの被験化合物と、10 μLの100 μg/mLのSPT2発現膜画分を混合し、60分室温で静置した。次いで、2 mM L-セリンおよび20 μM パルミトイルCoAを含む5μLの基質溶液を添加し、全量20μLの反応系により、384ウェルプレートで酵素反応を行った。室温で15分間反応させた後、20μLの2% ギ酸水溶液を添加することで反応を停止した。次いで、内部標準として600 nMのC17-スフィンガニン (Avanti Polar Lipids, Alabaster, AL, US)を含む40μLのアセトニトリルを添加した。反応サンプルはRapidFire 300(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, US)を用いてオンラインで固層抽出を行った。ESIプローブを備えたAPI-4000 (AB SCIEX, Framingham, MA, US)を用いて、ポジティブSRMモードにより、3-ケトジヒドロスフィンゴシン(反応生成物)およびC17-スフィンガニン(内部標準)のSRMトランジションをそれぞれ、300.5/270.3および288.4/60.2に設定し、Analystソフトウェア(version 1.5.0, AB SCIEX)でマスクロマトグラムを取得した。マスクロマトグラムのエリア面積をそれぞれ計算し、反応生成物を内部標準で割ったエリア比を用いて、被験化合物の阻害率(%)を算出した。
試験結果を表3に示す。
【表3-1】

【表3-2】

この結果から、本発明化合物がSPTに対する阻害作用を有することが示された。
【0433】
試験例2 HCC4006細胞増殖阻害試験
肺腺癌細胞株HCC4006 (ATCC)を10% ウシ胎児血清とペニシリン/ストレプトマイシンを含むRPMI-1640培地(和光純薬)を用いて培養した。384ウェル培養プレートに、ウェルあたり250個の細胞を、40μLの培地中に播種した。翌日、細胞に10μLの被験化合物を添加した。5日間培養した後、培地を除き、30μLのCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay溶液(Promega, Fitchburg, WI, US)を添加した。発光シグナルをEnVision (PerkinElmer, Waltham, MA, US)を用いて測定した。被験化合物の阻害率(%)は、下記の式にて算出した。
阻害率(%) = (1−(被験化合物のカウント−ブランク) ÷(コントロール−ブランク))×100
なお、上記式では化合物非添加条件のカウントをコントロール、細胞を含まない条件のカウントをブランクと表記した。
試験結果を表4に示す。
【表4-1】

【表4-2】

この結果から、本発明化合物が肺腺癌細胞の増殖を阻害することが示された。
【0434】
試験例3 PL-21細胞を用いた抗腫瘍試験
本発明化合物のヒト白血病細胞株 PL-21 担癌マウスに対する抗腫瘍作用を以下の方法により評価した。
ヒト白血病細胞株 PL-21 (JCRB)を、6週齢 Icr-scid系雌マウス(日本クレア)に3.0×106個ずつ皮下に注入移植した。移植13日後に生着した腫瘍の腫瘍径を測定し、以下の式で腫瘍体積を算出した。
腫瘍体積 = 長径×短径×短径×(1/2)
腫瘍体積が100から150 mm3の大きさに腫瘍が生着した個体を選び1群あたり5もしくは6匹を実験に使用した。試験化合物の0.5%メチルセルロース懸濁液を、表5に示す投与量(1回あたりの投与量を示す)、投与回数、投与期間で、マウスに経口投与した。投与開始前日と投与終了1日後の腫瘍径を測定し腫瘍体積を算出した。
対照投与群と比較した試験化合物投与群の腫瘍増殖率(T/C (%))は以下の式で算出した。
T/C (%) =(試験化合物投与群の投与終了後の腫瘍体積 − 試験化合物投与群の投与開始前の腫瘍体積)/(対照投与群の投与終了後の腫瘍体積 − 対照投与群の投与開始前日の腫瘍体積)×100
試験結果を表5に示す。
【表5】

この結果から、本発明化合物は抗腫瘍効果を有することが示された。
【0435】
試験例4 ニーマンピック病モデル細胞を用いた薬効評価試験
正常株およびニーマンピック病の原因である酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損細胞株(ニーマンピック病モデル細胞)を10% ウシ胎児血清とペニシリン/ストレプトマイシンを含むIsocove's Modified Dulbecco's Mediumを用いて培養する。培養プレートに播種後翌日に培地を交換して、4日間、SPT阻害薬を含む培地で培養する。培養後、培地を除き、細胞中のスフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質をヘキサン抽出して、TLCやガスクロマトグラフィーなどを用いて定量する。
【0436】
試験例5 ニーマンピック病モデルマウスを用いた薬効評価試験
SPT阻害薬のニーマンピック病改善作用についてニーマンピック病モデルマウス(例えば、酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損マウス(FASEB J. 2000;14:1988)や、スフィンゴミエリン蓄積が認められるNPCマウス(Nat Med. 2008;14:1247))を用いて確認する。本モデルマウスは肝臓や肺などへのスフィンゴミエリン蓄積などを伴うヒトニーマンピック病と同様の症状を示す。さらにこのマウスは肝臓障害と神経機能不全を示し、治療なしでは約12週齢程度で死亡する。
4週齢のニーマンピック病モデルマウスを用いて4週齢を開始として、2あるいは4週間、0.5%メチルセルロース懸濁液として経口投与する。連投後、臓器サンプルを採取する。SPT阻害薬の改善作用の評価パラメータとして、肝臓障害のマーカーである血清AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)およびALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)の低下作用を検証する。また、肝臓や中枢神経など各組織像の改善作用も検証する。さらにSPT阻害活性の確認として、組織中のスフィンゴミエリンなどのスフィンゴ脂質の低下作用を検討する。
【産業上の利用可能性】
【0437】
本発明化合物は、SPT阻害剤として使用され得、癌等を含むSPT関連疾患の予防または治療剤として有用であり得る。
【0438】
本出願は、日本で出願された特願2015−086195を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。