(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、基板に対して配向方向が逆向きである導電板が基板と連結されることを防止できる連結構造体及び導電板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、挿入孔が設けられた基板と、前記挿入孔に挿入する挿入突部を有する導電板とを連結する連結構造体であって、前記導電板は、前記基板に対する配向方向が設定された導電板本体と、
前記導電板本体に対して前記挿入孔に挿入する挿入方向に突出する前記挿入突部とで構成され、前記挿入突部は、前記挿入方向の所定の軸に対して対称的に配置され
た複数の挿入突片と、前記複数の挿入突片のうちの少なくとも1つの挿入突片に設けられた張出部とで構成され、前記基板に設けられた
前記挿入孔は、前記挿入突片が挿入される突片用挿入孔と、前記張出部を備えた前記挿入突片が挿入される張出突片用挿入孔とで構成され、前記張出部が前記挿入方向に交差する方向に張り出されるとともに、前記挿入突部が前記所定の軸に対して非対称形状であ
り、前記突片用挿入孔と前記張出突片用挿入孔とが所定の配置方向に配置され、前記導電板は、板材で構成されるとともに、前記複数の挿入突片が、所定の配列方向に沿って設けられ、前記張出部は、前記挿入突部における隣接する一組の前記挿入突片の一方に設けられるとともに、他方に向かって張り出され、前記複数の挿入突片は、前記所定の軸上に配置された中央挿入突片と、前記中央挿入突片の両外側に配置された外側挿入突片とで構成され、両外側に配置された前記外側挿入突片のうち、一方の外側挿入突片を第1外側挿入突片とするとともに、他方の外側挿入突片を第2外側挿入突片とし、前記張出部が前記中央挿入突片に設けられるとともに、前記第2外側挿入突片に向かって張り出され、前記突片用挿入孔に、前記第1外側挿入突片が挿入されるとともに、前記張出突片用挿入孔に、前記中央挿入突片及び前記第2外側挿入突片が挿入され、前記第1外側挿入突片の基部と前記張出部とにおける配列方向外側の側面同士の間隔を第1側面間距離とするとともに、前記第2外側挿入突片の基部と前記中央挿入突片とにおける配列方向外側の側面同士の間隔を第2側面間距離とし、前記張出突片用挿入孔における前記配置方向の長さが、前記第2側面間距離より長く且つ前記第1側面間距離より短く設定されたことを特徴とする。
【0007】
またこの発明は、基板に設けられた挿入孔に挿入する挿入突部を有する導電板であって、前記基板に対する配向方向が設定された導電板本体と、
前記導電板本体に対して前記挿入孔に挿入する挿入方向に突出する前記挿入突部とで構成され、前記挿入突部は、前記挿入方向の所定の軸に対して対称的に配置され
た複数の挿入突片と、前記複数の挿入突片のうちの少なくとも1つの挿入突片に設けられた張出部とで構成され、前記張出部が前記挿入方向に交差する方向に張り出されるとともに、前記挿入突部が前記所定の軸に対して非対称形状であ
り、前記導電板本体は、板材で構成されるとともに、前記複数の挿入突片が、所定の配置方向に沿って設けられ、前記張出部は、前記挿入突部における隣接する一組の前記挿入突片の一方に設けられるとともに、他方に向かって張り出され、前記複数の挿入突片は、前記所定の軸上に配置された中央挿入突片と、前記中央挿入突片の両外側に配置された外側挿入突片とで構成され、両外側に配置された前記外側挿入突片のうち、一方の外側挿入突片を第1外側挿入突片とするとともに、他方の外側挿入突片を第2外側挿入突片とし、前記張出部が前記中央挿入突片に設けられるとともに、前記第2外側挿入突片に向かって張り出され、前記第1外側挿入突片の基部と前記張出部とにおける配列方向外側の側面同士の間隔を第1側面間距離とするとともに、前記第2外側挿入突片の基部と前記中央挿入突片とにおける配列方向外側の側面同士の間隔を第2側面間距離とし、前記基板に前記所定の配置方向に配置された、前記第1外側挿入突片が挿入される突片用挿入孔と、前記中央挿入突片及び前記第2外側挿入突片が挿入される前記張出部を備えた前記挿入突片が挿入される張出突片用挿入孔とのうち、前記張出突片用挿入孔における前記配置方向の長さと比べ、前記第2側面間距離は短く且つ前記第1側面間距離は長く設定されたことを特徴とする。
【0008】
上述の所定の軸に対して対称は、所定の軸に対して線対称、あるいは、軸を中心とした点対称を意味する。したがって、上述の所定の軸に対して非対称は、所定の軸に対して線対称でないこと、あるいは、軸を中心とした点対称でないことを意味する。なお、所定の軸は、挿入方向であれば、導電板本体の幅方向中心を通る軸、あるいは、幅方向中心でない軸を含むものとする。
【0009】
上述の挿入方向に交差する方向は、複数の挿入突片の配列方向に沿う方向、あるいは、挿入方向及び配列方向に対して交差する方向を含むものとする。
上述の複数の挿入突片は、所定の方向に沿った一列や複数列、あるいは環状に配置された2つ以上の挿入突片を含むものとする。
【0010】
前記張出突片用挿入孔は、張出部を備えた挿入突片のみが挿入される挿入孔、あるいは、張出部を備えた挿入突片とともに隣接する挿入突片が挿入される挿入孔を意味している。
前記張出部は、ひとつの挿入突片のみならず、前記挿入突部が前記所定の軸に対して非対称形状となれば、複数の挿入突片、あるいはすべての挿入突片に設けられてもよい。
【0011】
この構成によれば、基板に対して逆向きに向けた導電板が基板と連結されることを防止できる。
詳述すると、複数の挿入突片のうちの少なくとも1つの挿入突片に設けられ、挿入方向に交差する方向に張り出された張出部によって前記挿入突部が前記所定の軸に対して非対称形状となるが、導電板本体を基板に対して所定の配向方向(以下において、順方向という)に向けた状態では複数の挿入突片を複数の挿入孔に挿入して、基板と導電板を連結することができる。
【0012】
これに対し、導電板本体を基板に対して順方向とは逆向きに向けた場合、前記所定の軸に対して非対称形状である前記挿入突部の挿入突片は張出突片用挿入孔に挿入できるものの、張出部は突片用挿入孔に挿入できず、張出部が基板の表面に当接して、挿入突片の挿入孔への挿入を禁止し、逆向きの導電板が基板に連結されることを防止できる。
【0013】
また、隣接する一組の挿入突片同士の間に張出部を配置できるため、厚み方向にかさばることなく、逆向きの連結を防止することができる。さらに、張出部を配置するスペースを確保し易く、張出部を備えても導電板が配列方向に大型化することを抑制できる。また、板材から切り出して導電板を構成する場合、挿入突片同士の間に張出部を配置することによって、板材のロス率を低減させ、歩留まりを向上することができる。
【0014】
さらにまた、複数の挿入突片が中央挿入突片とその両外側に配置された外側挿入突片とが備えられた導電板が逆向きで基板と連結されることを禁止することができ、基板に対して導電板を順方向に向けて連結することができる。
【0015】
また、張出突片用挿入孔における配置方向の長さが第2側面間距離よりも長いため、張出部が設けられた中央挿入突片を第2外側挿入突片とともに張出突片用挿入孔に挿入し、第1外側挿入突片を突片用挿入孔に挿入して、順方向の導電板と基板とを連結することができる。
【0016】
逆に、張出突片用挿入孔における配置方向の長さが第1側面間距離よりも短いため、張出部が設けられた中央挿入突片と第1外側挿入突片とを張出突片用挿入孔に挿入することができず、張出部または第1外側挿入突片が基板表面に当接することによって、逆向きの導電板が基板と連結することを確実に防止できる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記複数の挿入突片は、前記所定の軸の両外側に対称配置された外側挿入突片で構成され、前記張出部が両外側の前記外側挿入突片のうちの一方の外側挿入突片に設けられてもよい。
この構成によれば、所定の軸の両外側に対称配置された外側挿入突片が備えられた導電板が逆向きで基板の連結されることを禁止して、確実に、順方向の導電板を基板と連結することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、両外側の前記外側挿入突片のうち、一方の外側挿入突片を第1外側挿入突片とするとともに、他方の外側挿入突片を第2外側挿入突片とし、前記張出部は、前記第2外側挿入突片に設けられ、前記突片用挿入孔に、前記第1外側挿入突片が挿入されるとともに、前記張出突片用挿入孔に、前記第2外側挿入突片が挿入され、前記第2外側挿入突片の基部と前記張出部とにおける離間方向外側の側面同士の間隔を第3側面間距離とするとともに、前記突片用挿入孔における前記配置方向の長さが、前記第3側面間距離より短く設定されてもよい。
【0019】
この発明により、張出突片用挿入孔における配置方向の長さが第3側面間距離よりも長いため、張出部が設けられた第2外側挿入突片を張出突片用挿入孔に挿入でき、順方向の導電板と基板とを連結することができる。
【0020】
逆に、突片用挿入孔における配置方向の長さが第3側面間距離よりも短いため、張出部が設けられた第2外側挿入突片を突片用挿入孔に挿入することができず、張出部が基板表面に当接することによって、逆向きの導電板が基板と連結することを確実に防止できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記所定の軸上に配置された中央挿入突片が設けられるとともに、前記張出突片用挿入孔に、前記第2外側挿入突片とともに、前記中央挿入突片が挿入されてもよい。
この構成によれば、中央挿入突片とその両外側に配置された外側挿入突片とが備えられた導電板が逆向きで基板と連結されることを禁止することができ、基板に対して導電板を順方向に向けて連結することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記複数の挿入突片のうち、前記所定の軸に対して両外側に設けられた前記外側挿入突片における配列方向外側の外側面を互いに鏡像対称な形状としてもよい。
この構成によれば、挿入孔への挿入突片の挿入の際、あるいは挿入された状態において、外側面が鏡像対称でない場合に比べ、導電板を配列方向に安定させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記所定の軸に対して両外側に配置された外側挿入突片は、先端部と基部とで構成され、前記先端部に、前記基部より外側に突出する前記抜留め部が設けられ、前記抜留め部における外側面が、先端部側から基端部側に向かって外側に傾斜してもよい。
【0024】
この構成によれば、外側挿入突片が挿入孔に挿入された状態において、基板を貫通する外側挿入突片の抜留め部が挿入孔の周縁に係止するため、外側挿入突片が挿入孔から不用意に抜けることを規制できる。即ち、導電板が基板から不用意に外れることを規制できる。
【0025】
またこの発明の態様として、前記複数の挿入突片のそれぞれの先端面及び前記張出部の先端面を面一に形成してもよい。
この構成によれば、複数の挿入突片の挿入孔への挿入のタイミングで、張出部を基板表面に当接させて逆向きの連結を禁止して、確実に、順方向の導電板を基板と連結することができる。
【0026】
なお、この発明の態様として、前記複数の挿入突片のそれぞれの基部の形状、及び隣り合う前記基部の間隔を、前記所定の軸に対して対称に形成してもよく、この構成によれば、複数の挿入突片のそれぞれの基部の形状、及び隣り合う前記基部の間隔を対称とする導電板が逆向きで基板の連結されることを禁止して、確実に、順方向の導電板を基板と連結することができる。
【0027】
またこの発明の態様として、隣り合う前記挿入突片の間の部分に凹部を有してもよく、この構成によれば、複数の挿入突片が基板の複数の挿入孔に挿入された状態において、凹部の底部と基板との間隔(導電板本体と基板との間隔)を確保でき、導電板本体と基板との間の電気的短絡を防止することができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記外側挿入突片における前記配列方向の内側の内側面は、その基端から先端に向かって、前記外側挿入突片における前記配列方向の外側に傾斜していてもよく、この構成によれば、外側挿入突片の内側面は、外側挿入突片における配列方向の外側に傾斜しているため、外側挿入突片とその内側面の側に隣り合う挿入突片との間隔を十分に確保できる。これにより、外側挿入突片が基板の挿入孔に挿入された状態において、外側挿入突片がその内側面の側に傾倒されても、外側挿入突片とその内側面の側に隣り合う挿入突片とが互いに接触することを防止できる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、基板に対して配向方向が逆向きである導電板が基板と連結されることを防止できる連結構造体、及び導電板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面とともに説明する。
【0032】
(第1実施形態)
以下において、第1実施形態の連結構造体1について、
図1乃至
図5とともに説明する。
なお、
図1は、連結構造体1を斜め上から見た斜視図を示し、
図2は、分解状態の連結構造体1を斜め上から見た分解斜視図を示し、
図3は、分解状態の連結構造体1を正面側から見た分解正面図を示し、
図4及び
図5は、連結構造体1の説明図を示している。
【0033】
詳しくは、
図4(a)は
図3におけるa部の拡大図を示し、
図4(b)はプリント基板100における挿入孔110の周辺の拡大平面図を示している。
また、
図5(a)は、連結状態の連結構造体1のa部拡大正面図を示し、
図5(b)は、連結禁止状態の連結構造体1のa部の拡大背面図を示している。
【0034】
図1に示すように、連結構造体1は、導電板の一例である基板端子2と、基板の一例であるプリント基板100とで構成され、基板端子2がプリント基板100に対して垂直に連結される。
【0035】
基板端子2は、
図2及び
図3に示すように、当接部31を有する端子本体3と、端子本体3から挿入方向Hに突出する挿入突部4とで構成している。なお、基板端子2は、導電性を有する金属製板材により構成されている。
端子本体3は、例えば、正面視縦長矩形状であり、上部中央に正面側に突出する当接部31が設けられている。
【0036】
当接部31は正面視矩形状であり、突出する正面側に向かって下向きに傾斜する案内部32(
図2参照)を上端に形成している。
なお、正面側に突出する当接部31によって、基板端子2は、プリント基板100に対して連結する方向、すなわち配向方向F(
図2参照)が定められることとなる。
【0037】
換言すれば、当接部31が突出する端子本体3の正面側がプリント基板100に対して所定の配向方向Fに向けられた状態で、基板端子2はプリント基板100に連結される。
なお、所定の配向方向Fは、後述するように、プリント基板100において挿入孔110が配置された配置方向Wbに対して直交する方向となり、基板端子2に接続される外部部品(図示省略)が当接可能な方向である。
【0038】
また、端子本体3の下方には、幅方向(配列方向Wa)外側に突出する2個の支持突片33を備えている。支持突片33は、正面視矩形状であり、
図5(a)に示すように、連結状態において、下面34がプリント基板100の上面101に当接し、端子本体3がプリント基板100に対して垂直になるように、基板端子2を支持することができる。
【0039】
端子本体3の下端部から挿入方向Hに突出する挿入突部4は、
図3に示すように、幅方向(配列方向Wa)に所定間隔を隔てて配列された3個の挿入突片40で構成され、挿入方向Hに沿う仮想の所定の軸Zに対して対称的に配置されている。
なお、本実施形態において、所定の軸Zは挿入方向Hに沿うとともに、端子本体3の配列方向Waの中央を通る直線状の軸である。
【0040】
詳述すると、3個の挿入突片40は、所定の軸Z上に配置された中央挿入突片41と、中央挿入突片41の配列方向Waの両外側に配置された2つの外側挿入突片42,43とで構成され、配列方向Waに沿って正面視左側から、第1外側挿入突片42、中央挿入突片41及び第2外側挿入突片43がこの順で配列されている。
【0041】
中央挿入突片41は、正面視縦長矩形状であり、突出方向Hの先端側半分の先端部411と、突出方向Hの基端側半分の基部412とによって構成され、中央挿入突片411に張出部44を備えた中央挿入突片41は、正面視略L字型に形成されている。
【0042】
また、3個の挿入突片40のうち配列方向Waに隣接する中央挿入突片41と第2外側挿入突片43を一組とし、その一方である中央挿入突片41の先端部411において、後述する第2外側挿入突片43の側に、第2外側挿入突片43に向かって張り出す張出部44が設けられている。
【0043】
張出部44は、中央挿入突片41の半分程度の高さと幅の正面視縦長矩形状であり、中央挿入突片41における突出方向Hの先端面416と、張出部44における突出方向Hの先端面441とは面一に形成されている(
図4(a)参照)。
【0044】
また、張出部44が設けられた正面視L字型を構成する中央挿入突片41の突出方向Hの先端面416は、先細形状で形成されている。なお、中央挿入突片41における第1外側挿入突片42と対向する側の側面を側面413とし、張出部44における第2外側挿入突片43と対向する側の側面を張出側面442としている
【0045】
中央挿入突片41の配列方向Waの両外側に備えられた第1外側挿入突片42と第2外側挿入突片43とは、
図3に示すように、所定の軸Zに対して対称な形状であるため、第1外側挿入突片42について以下で詳細に説明し、同構成の第2外側挿入突片43については説明を省略する。
【0046】
第1外側挿入突片42は、突出方向Hの先端側半分の先端部421と、突出方向Hの基端側半分の基部422とで構成され、挿入方向Hに向かって凸な正面視略三角形状である。
詳述すると、先端部421は、配列方向Waの外側面423が、先端から基部422に向かって、つまり挿入方向Hの逆方向に向かって配列方向Waの外側に傾斜する傾斜面であり、配列方向Waの外側に最も突出する部分で抜留め部45を構成している。また、先端部421には、先端面426が形成されている。
【0047】
基部422は、外側面423が抜留め部45より配列方向Waの内側位置で所定の軸Zに略平行であり、後述する凹部46を構成する配列方向Waの内側面424が、先端から基部422に向かって、つまり挿入方向Hの逆方向に向かって配列方向Waの内側に向かって傾斜する正面視略片傾斜台形状である。
【0048】
第2外側挿入突片43は、第1外側挿入突片42と同構成であり、所定の軸Zに対して対称な位置及び向きで配置されている。即ち、第2外側挿入突片43は、先端部431と基部432とで構成され、先端部431にも配列方向Waの外側に突出する抜留め部45が設けられている。また、先端部431には、先端面436が形成されている。
【0049】
このように構成された第1外側挿入突片42の外側面423と、第2外側挿入突片43の外側面433とは、互いに鏡像対称な形状に形成されている。
また、3個の挿入突片41,42,43の先端面416,426,436、及び、張出部44の先端面441が面一に形成されている。
【0050】
なお、
図4(a)に示すように、配列方向Waに隣接する挿入突片40同士の間、つまり、第1外側挿入突片42と中央挿入突片41との間及び中央挿入突片41と第2外側挿入突片43との間には凹部46が形成されている。
【0051】
凹部46は、第1外側挿入突片42(43)の基部422(432)の内側面424(434)と、中央挿入突片41の基部412との間隔より狭い直径の略半円形状である。また、凹部46の底部46aは、支持突片33の下面34より端子本体3側に位置している。
【0052】
このように、それぞれの間に凹部46が形成された3個の挿入突片41,42,43の基部412,422,432の形状、及び隣り合う前記基部の間隔は、所定の軸Zに対して対称となる。
なお、
図3及び
図4(a)に示すように、張出部44における張出方向側の張出側面442と、第1外側挿入突片42の基部422の外側面423との間の長さを第1側面間距離L1とし、中央挿入突片41の側面413と、第2外側挿入突片43の基部432の外側面433との間の長さを第2側面間距離L2としている。
【0053】
プリント基板100は、例えば、上面101に図示省略の電気部品(例えばリレー又はヒューズ)が実装される平面視矩形状であり、
図4(b)に示すように、所定の方向Wbに沿って互いに間隔を隔てて設けられ、プリント基板100を貫通する、2個の挿入孔110を有している。
【0054】
2個の挿入孔110は、略小判型の孔である突片用挿入孔111と、長楕円形の張出突片用挿入孔112とがあり、所定の配置方向Wに沿う方向に配置されている。なお、挿入孔110の内周面や周縁には基板端子2と電気的に接触するための導電部材(図示省略)が設けられている。
【0055】
なお、突片用挿入孔111は、第1外側挿入突片42が挿入可能な略小判型であり、張出突片用挿入孔112は、張出部44を備えた中央挿入突片41と第2外側挿入突片43とが挿入可能な長楕円形である。
【0056】
このように構成された張出突片用挿入孔112は、長手方向(配置方向Wb)の長さLaが、上述したように中央挿入突片41の側面413と、第2外側挿入突片43の基部432の外側面433との間の長さである第2側面間距離L2よりも長く又は同程度、且つ、張出部44における張出方向側の張出側面442と、第1外側挿入突片42の基部422の外側面423との間の長さである第1側面間距離L1よりも短く形成されている。
【0057】
また、突片用挿入孔111と張出突片用挿入孔112との配置方向Wbの外側同士の長さは、第1外側挿入突片42の基部422の外側面423と第2外側挿入突片43の基部432の外側面433との間隔と同程度の長さに形成されている。したがって、突片用挿入孔111と張出突片用挿入孔112との配置方向Wbの外側同士の長さは、第1外側挿入突片42の抜留め部45及び第2外側挿入突片43の抜留め部45の突出方向先端同士の間隔より短くなる。
【0058】
続いて、このように構成した基板端子2とプリント基板100との連結方法を
図5(a)に基づいて説明する。
図5に示すように、基板端子2をプリント基板100に連結させるとき、端子本体3をプリント基板100に対して所定の配向方向Fに向けるとともに、プリント基板100の配置方向Wbに対して配列方向Waを合わせた基板端子2における中央挿入突片41及び第2外側挿入突片43を張出突片用挿入孔112に挿入し、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入して連結する。
【0059】
より詳細に説明すると、プリント基板100に対して基板端子2を順方向に向けて連結する際、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入し、中央挿入突片41及び第2外側挿入突片43を張出突片用挿入孔112に挿入することになるが、
図5(a)に示すように、第1側面間距離L1が張出突片用挿入孔112の長さLaよりも短いため、中央挿入突片41及び第2外側挿入突片43を、張出突片用挿入孔112に挿入することができる。
【0060】
また、3個の挿入突片40が挿入孔110(111、112)に挿入する際、突片用挿入孔111と張出突片用挿入孔112との配置方向Wbの外側同士の長さが第1外側挿入突片42の抜留め部45及び第2外側挿入突片43の抜留め部45の突出方向先端同士の間隔より短いため、第1外側挿入突片42及び第2外側挿入突片43の抜留め部45,45が突片用挿入孔111及び張出突片用挿入孔112の外側の内周面に当接して、第1外側挿入突片42及び第2外側挿入突片43が配列方向Waにおいて近接する方向に傾倒しながら挿入される。
【0061】
抜留め部45が挿入孔110(111、112)を通過するとともに、支持突片33の下面34がプリント基板100の上面101に当接するまで挿入することで、基板端子2とプリント基板100との連結は完了する。この連結状態では、通過する際に傾倒した第1外側挿入突片42及び第2外側挿入突片43は復元し、抜留め部45が挿入孔110(111、112)の下面側の周縁に係止するとともに、抜留め部45と下面34とでプリント基板100を挿入方向Hの両側から挟み込むこととなる。
【0062】
このように、基板端子2の3個の挿入突片40がプリント基板100の2個の挿入孔110(111、112)に挿入された基板端子2とプリント基板100との連結状態では、基板端子2がプリント基板100に対して垂直な状態で連結される(
図5(a)参照)。
【0063】
次に、端子本体3をプリント基板100に対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けた状態で、基板端子2をプリント基板100に連結しようとする場合を
図5(b)に基づいて説明する。
【0064】
図5(b)に示すように、端子本体3をプリント基板100に対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けるとともに、プリント基板100の配置方向Wbに対して配列方向Waが沿うように向けた状態で、3個の挿入突片40をプリント基板100の2個の挿入孔110に挿入しようとする。
【0065】
具体的には、張出部44を備えた中央挿入突片41及び第1外側挿入突片42を張出突片用挿入孔112に挿入しようとするとともに、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入しようとすることになる。しかし、第1側面間距離L1が張出突片用挿入孔112の長さLaよりも長いため、中央挿入突片41に設けられた張出部44の先端面441がプリント基板100の上面101に当接し、3個の挿入突片40を挿入孔110へ挿入することができない。これにより、基板端子2のプリント基板100との連結を禁止することができる。
【0066】
上述したように、挿入孔110が設けられたプリント基板100と、挿入孔110に挿入する挿入突部4を有する基板端子2とを連結する連結構造体1において、基板端子2を、プリント基板100に対する配向方向Fが設定された端子本体3と、端子本体3に対して挿入孔110に挿入する挿入方向Hに突出する挿入突部4とで構成し、挿入突部4を、挿入方向Hの所定の軸Zに対して対称的に配置された3個の挿入突片40と、3個の挿入突片40のうちの中央挿入突片41に設けられた張出部44とで構成し、プリント基板100に設けられた挿入孔110を、挿入突片40が挿入される突片用挿入孔111と、張出部44を備えた挿入突片40が挿入される張出突片用挿入孔112とで構成し、張出部44が挿入方向Hに交差する配列方向Waに張り出すとともに、挿入突部4が所定の軸Zに対して非対称形状であるため、プリント基板100に対する端子本体3の配向方向Fを逆向きに向けた状態で基板端子2とプリント基板100とが連結されることを防止できる。
【0067】
詳述すると、3個の挿入突片40のうちの中央挿入突片41に設けられ、挿入方向Hに交差する配列方向Waに張り出す張出部44によって、挿入突部4が所定の軸Zに対して非対称形状となるが、端子本体3を順方向に向けた基板端子2の3個の挿入突片40を挿入孔110(111,112)に挿入して、プリント基板100と基板端子2を連結することができる。
【0068】
これに対し、端子本体3をプリント基板100に対して逆向きに向けた場合、所定の軸Zに対して非対称形状である挿入突部4の第1外側挿入突片42は張出突片用挿入孔112に挿入されるものの、張出部44は突片用挿入孔111に挿入できず、張出部44がプリント基板100の上面101に当接して、挿入突片40の挿入孔110への挿入を禁止し、プリント基板100と基板端子2の連結を禁止することができる。
【0069】
また、プリント基板100において、突片用挿入孔111と張出突片用挿入孔112とが配置方向Wbに配置されるとともに、板材で構成された基板端子2の3個の挿入突片40を配列方向Waに沿って設け、張出部44が挿入突部4における隣接する一組の挿入突片40のうち中央挿入突片41に設けられるとともに、第2外側挿入突片43に向かって張り出しているため、張出部44が厚み方向にかさばることなく、逆向きの連結を防止することができる。
【0070】
さらに、張出部44を配置するスペースを確保し易く、張出部44を備えても基板端子2が配列方向Waに大型化することを抑制できる。また、板材から切り出して基板端子2を構成しているため、挿入突片40同士の間に張出部44を配置することによって、板材のロス率を低減させ、歩留まりを向上することができる。
【0071】
また、張出部44が中央挿入突片41に設けられるとともに、第2外側挿入突片43に向かって張り出され、第1外側挿入突片42の基部422の外側面423と張出部44の張出側面442との間隔を第1側面間距離L1とするとともに、第2外側挿入突片43の基部432の外側面433と中央挿入突片41の側面413との間隔を第2側面間距離L2とし、張出突片用挿入孔112における配置方向Wbの長さLaが、第2側面間距離L2より長く且つ第1側面間距離L1より短く形成されているため、張出部44が設けられた中央挿入突片41を第2外側挿入突片43とともに張出突片用挿入孔112に挿入するとともに、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入して、順方向の基板端子2とプリント基板100とを連結することができる。
【0072】
逆に、張出突片用挿入孔112における配置方向Wbの長さLaが第1側面間距離L1よりも短いため、張出部44が設けられた中央挿入突片41と第1外側挿入突片42とを張出突片用挿入孔112に挿入することができず、張出部44または第1外側挿入突片42がプリント基板100の上面101に当接することによって、逆向きの基板端子2がプリント基板100と連結することを確実に防止できる。
【0073】
また、所定の軸Zに対して両外側に設けられた外側挿入突片42,43の外側面423,433を互いに鏡像対称な形状としているため、挿入孔110への挿入突片40の挿入の際、あるいは挿入された状態において、外側挿入突片42,43の外側面423,433が鏡像対称でない場合に比べ、連結状態における基板端子2の配列方向Waの安定性を向上することができる。
【0074】
また、所定の軸Zに対して両外側に配置され、先端部421,431と基部422,432とで構成された外側挿入突片42,43は、基部422,432より外側に突出する抜留め部45が先端部421,431に設けられ、抜留め部45における外側面が、先端426,436から基部422,432に向かって外側に傾斜しているため、外側挿入突片42,43が挿入孔110に挿入された状態において、プリント基板100を貫通する外側挿入突片42,43の抜留め部45が挿入孔110の周縁に係止して、外側挿入突片42,43が挿入孔110から不用意に抜けることを規制できる。即ち、基板端子2がプリント基板100から不用意に外れることを規制できる。
【0075】
また、3個の挿入突片41,42,43の先端面416,426,436及び張出部44の先端面441とが面一に形成されているため、3個の挿入突片40の挿入孔110への挿入のタイミングで、張出部44をプリント基板100の上面101に当接させて逆向きの連結を禁止して、確実に、順方向の基板端子2をプリント基板100と連結することができる。
【0076】
また、外側挿入突片42,43における配列方向Waの内側の内側面424,434は、その基端から先端に向かって配列方向Waの外側に傾斜しているため、外側挿入突片42,43とその内側面424,434の側に隣り合う挿入突片40との間隔を十分に確保できる。
【0077】
これにより、外側挿入突片42,43がプリント基板100の挿入孔110に挿入された状態において、外側挿入突片42,43がその内側面424,434の側に傾倒されても、外側挿入突片42,43とその内側面424,434の側に隣り合う挿入突片40とが互いに接触することを防止できる。
【0078】
また、連結状態において3個の挿入突片40の基部に位置する突片用挿入孔111及び張出突片用挿入孔112の配置方向Wbの外側同士の長さが、第1外側挿入突片42の基部422の外側面423及び第2外側挿入突片43の基部432の外側面433の間隔と同程度の長さであるため、3個の挿入突片40が挿入孔110(111、112)に挿入された基板端子2は、プリント基板100に対して、配置方向Wbにずれることなく、確実に連結することができる。
【0079】
さらに、第2外側挿入突片43とともに中央挿入突片41が張出突片用挿入孔112に挿入されるとともに、支持突片33の下面34がプリント基板100の上面101に当接し、抜留め部45が挿入孔110(111、112)の下面側の周縁に係止して、抜留め部45と下面34とでプリント基板100を挿入方向Hの両側から挟み込むため、端子本体3は、プリント基板100に対して垂直になるように堅固に支持することができる。
【0080】
さらに、凹部46の底部46aは、支持突片33の下面34より端子本体3側に配置されているため、下面34が上面101に当接した連結状態では、端子本体3とプリント基板100との間隔が確保され、プリント基板100の上面101に形成された電気回路(図示省略)と不用意に接触した場合の電気的短絡を防止することができる。
【0081】
(第2実施形態)
以下において、第2実施形態の連結構造体1aについて、
図6及び
図7とともに説明する。
なお、
図6は、分解状態の連結構造体1aを正面側から見た分解正面図を示し、
図7は、連結構造体1aの説明図を示している。詳しくは、
図7(a)は、連結状態の連結構造体1aのa部拡大図を示し、
図7(b)は、連結禁止状態の連結構造体1aのa部の拡大背面図を示している。
【0082】
上述の第1実施形態の連結構造体1では、中央挿入突片41の先端部411に張出部44を設けたが、第2実施形態の連結構造体1aでは、3個の挿入突片40aのうち配列方向Waに隣接する中央挿入突片41aと第2外側挿入突片43aとを一組とし、その一方である第2外側挿入突片43aの先端部431aに、中央挿入突片41aに向かって張り出す張出部44aを設けている。
以下の説明において、第1実施形態と同じ構成については同じ参照符号を付して説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0083】
図6に示すように、基板端子2aにおける第2実施形態の張出部44aは、第2外側挿入突片43aの先端部431aに設けられている。詳しくは、張出部44aは、先端部431aにおける内側面434aから中央挿入突片41aに向かって張り出している。
【0084】
そのため、中央挿入突片41aは正面視縦長矩形状となり、張出部44aが備えられた第2外側挿入突片43aは正面視略逆L字型となる。
もちろん、3個の挿入突片40aのうち配列方向Waに隣接する一組の中央挿入突片41aと第1外側挿入突片42の一方である第1外側挿入突片42の先端部421に、中央挿入突片41aに向かって張り出す張出部44aを設けてもよい。
【0085】
また、第2外側挿入突片43aにおける突出方向Hの先端面436aと、張出部44aにおける突出方向Hの先端面441aとが面一となるとともに、中央挿入突片41aの先端部411aの先端面416a及び第1外側挿入突片42の先端部421の先端面426とも面一となるように形成している。
【0086】
なお、第2外側挿入突片43aの基部432aにおける配列方向Waの外側の外側面433aと、張出部44aにおける張出方向側の張出側面442aとの間の長さを第3側面間距離L3としている。
【0087】
プリント基板100aには、第1外側挿入突片42を挿入する突片用挿入孔111と、張出部44aを備えた第2外側挿入突片43a及び中央挿入突片41aを挿入する張出突片用挿入孔112aとが、配置方向Wbに沿って設けられている。
【0088】
なお、突片用挿入孔111は、第1外側挿入突片42が挿入可能な略小判型であり、張出突片用挿入孔112aは、張出部44aを備えた中央挿入突片41aと第2外側挿入突片43aとが挿入可能な長楕円形である。このように構成された突片用挿入孔111の長手方向(配置方向Wb)の長さLbは、上述したように第2外側挿入突片43aの基部432aにおける配列方向Waの外側の外側面433aと、張出部44aにおける張出方向側の張出側面442aとの間の長さである第3側面間距離L3よりも短く形成されている。
【0089】
この基板端子2aとプリント基板100aとの連結方法を
図7(a)に基づいて説明する。
図7(a)に示すように、基板端子2aをプリント基板100aに連結させる際、第1実施形態の場合と同様に、端子本体3をプリント基板100aに対して所定の配向方向Fに向けるとともに、プリント基板100aの配置方向Wbに対して配列方向Waを合わせた基板端子2aにおける中央挿入突片41a及び第2外側挿入突片43aを張出突片用挿入孔112aに挿入し、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入して連結する。これにより、第1実施形態と同様に、基板端子2aがプリント基板100aに対して起立した状態で連結される。
【0090】
次に、端子本体3をプリント基板100aに対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けた状態で、基板端子2aをプリント基板100aに連結しようとする場合について、
図7(b)に基づいて説明する。
【0091】
図7(b)に示すように、端子本体3をプリント基板100aに対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けるとともに、プリント基板100aの配置方向Wbに対して配列方向Waを合わせた基板端子2aの3個の挿入突片40aをプリント基板100aの2個の挿入孔110aに挿入しようとすることになる。
【0092】
具体的には、中央挿入突片41a及び第1外側挿入突片42を張出突片用挿入孔112aに挿入しようとするとともに、第2外側挿入突片43aを突片用挿入孔111に挿入しようとすることになる。
【0093】
しかし、第3側面間距離L3が突片用挿入孔111の長さLbよりも長いため、張出部44aの先端面441aがプリント基板100aの上面101に当接し、3個の挿入突片40aを挿入孔110aに挿入させることができない。これにより、基板端子2aのプリント基板100aとの連結を禁止することができる。
【0094】
このように第2実施形態の連結構造体1aでは、3個の挿入突片40aのうち第2外側挿入突片43aに、中央挿入突片41aに向かって配列方向Waに張り出す張出部44aを設けたが、突片用挿入孔111の長さLbを第3側面間距離L3より短く設定することで、逆向きの基板端子2aがプリント基板100aに連結されることを防止できる。
【0095】
(第3実施形態)
以下において、第3実施形態の連結構造体1bについて、
図8及び
図9とともに説明する。
なお、
図8は、分解状態の連結構造体1bを正面側から見た分解正面図を示し、
図9は、連結構造体1bの説明図を示している。詳しくは、
図9(a)は、連結状態の連結構造体1bのa部拡大図を示し、
図9(b)は、連結禁止状態の連結構造体1bのa部の拡大背面図を示している。
【0096】
図8に示すように、第3実施形態の連結構造体1bは、第1実施形態の連結構造体1及び第2実施形態の連結構造体1aと比べて、基板端子2,2aにおける中央挿入突片41,41aが設けられず、張出突片用挿入孔112bの配置方向Wbの長さが、中央挿入突片41aが省略された分短く形成されている。
以下おいて、第2実施形態と同じ部分については同じ参照符号を付して説明を省略し、第2実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0097】
詳細に説明すると、中央挿入突片41aのない第3実施形態の基板端子2bの挿入突部4bは、2個の挿入突片40b(外側挿入突片42,43a)で構成されている。このため、基板端子2bは、基板端子2や基板端子2aに比べ、配列方向Waの幅が狭く、端子本体3bの幅も狭く形成されている。
【0098】
また、第2実施形態の基板端子2aにおける第2外側挿入突片43aと同様に、2個の挿入突片40bにおいて配列方向Waに隣接する第1外側挿入突片42と第2外側挿入突片43aを一組とし、その一方である第2外側挿入突片43aに張出部44aを備えている。もちろん、第1外側挿入突片42に張出部44aを備えてもよい。
【0099】
また、挿入突部4bは、2個の挿入突片40bで構成されているため、凹部46はひとつしか形成されない。
なお、第2実施形態の第3側面間距離L3と同様に、第2外側挿入突片43aの基部432aにおける配列方向Waの外側の外側面433aと、張出部44aにおける張出方向側の張出側面442aとの間の長さを第3側面間距離L3としている。
【0100】
さらに、プリント基板100bは2つの挿入孔110bを有するものの、張出突片用挿入孔112bの配置方向Wbの長さが、中央挿入突片41aを備えていない分短く形成されている。
換言すると、第2実施形態の連結構造体1aでは、張出部44aが備えられた第2外側挿入突片43aと中央挿入突片41aとを張出突片用挿入孔112aに挿入したが、第3実施形態の連結構造体1bでは、中央挿入突片41,41aを備えていないため、張出突片用挿入孔112bに、張出部44bが備えられた第2外側挿入突片43bのみを挿入することとなり、張出突片用挿入孔112bの配置方向Wbの長さを短く形成している。
【0101】
より詳しくは、張出突片用挿入孔112bの配置方向Wbの長さは、第2外側挿入突片43aにおける第3側面間距離L3よりも長く形成し、突片用挿入孔111の配置方向Wbの長さLbを第3側面間距離L3よりも短く形成している。
【0102】
次に、基板端子2bとプリント基板100bとの連結方法を
図9(a)に基づいて説明する。
図9(a)に示すように、基板端子2をプリント基板100bに連結させるときは、端子本体3をプリント基板100bに対して所定の配向方向Fに向けるとともに、プリント基板100aの配置方向Wbに対して配列方向Waを合わせた基板端子2bの第2外側挿入突片43aを張出突片用挿入孔112に挿入するとともに、第1外側挿入突片42を突片用挿入孔111に挿入する。これにより、基板端子2がプリント基板100bに対して垂直な状態で連結される。
【0103】
次に、端子本体3をプリント基板100bに対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けた状態で、基板端子2をプリント基板100bに連結しようとする場合を
図9(b)に基づいて説明する。
【0104】
図9(b)に示すように、端子本体3をプリント基板100bに対して所定の配向方向Fとは逆向きに向けるとともに、プリント基板100aの配置方向Wbに対して配列方向Waを合わせた基板端子2bの2個の挿入突片40bをプリント基板100bの2個の挿入孔110bに挿入しようとすることになる。
【0105】
具体的には、第1外側挿入突片42を張出突片用挿入孔112bに挿入しようとするとともに、第2外側挿入突片43aを突片用挿入孔111に挿入させるようとする。しかし、第3側面間距離L3が突片用挿入孔111の長さLbよりも長いため、張出部44aの先端面441がプリント基板100bの上面101に当接し、2個の挿入突片40bを2個の挿入孔110bに挿入させることができない。これにより、基板端子2をプリント基板100bに連結させることを禁止できる。
【0106】
このように第3実施形態の連結構造体1bでは、2個の挿入突片40bのうち第2外側挿入突片43aに、第1外側挿入突片42に向かって配列方向Waに張り出す張出部44aを設けたが、突片用挿入孔111の長さLbを第3側面間距離L3より短く設定することで、逆向きの基板端子2aがプリント基板100aに連結されることを防止できる。
【0107】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の導電板は、実施形態の基板は、プリント基板100,100a,100bに対応し、
以下同様に、
導電板は、基板端子2,2a,2bに対応し、
導電板本体は、端子本体3,3bに対応し、
第1外側挿入突片の基部おける配列方向外側の側面は、外側面423に対応し、
張出部おける配列方向外側の側面は、張出側面442,442aに対応し、
第2外側挿入突片の基部における離間方向外側の側面は、外側面433,433aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0108】
上述の説明では、挿入突片40のいずれかに張出部44を設けて所定の軸Zに対して挿入突部4が非対称形状となるように構成したが、例えば、第1外側挿入突片42や第2外側挿入突片43に、配列方向Waの外側向きの張出部44を設けてもよい。
【0109】
また、張出部44を、挿入方向H及び配列方向Waに対して交差する方向、例えば基板端子2の厚み方向に張り出す張出部44を設けて、所定の軸Zを中心とした非点対称形状の挿入突部4を構成してもよい。
【0110】
また、上述の説明では2個または3個の挿入突片40のいずれかに張出部44を設けたが、挿入突部4が所定の軸Zに対して非対称形状であれば、挿入突片40を4個以上設けてもよいし、複数の張出部44を設けてもよい。
さらに、3個の挿入突片40に対して、プリント基板100に2個の挿入孔110を設けたが、挿入突片40と同数の挿入孔110を設けてもよい。
【0111】
また、2個または3個の挿入突片40を配列方向Waに沿って配列するとともに、2個の挿入孔110を配置方向Wbに沿って配置したが、複数の挿入突片40や挿入孔110を複数列設けてもよいし、環状に配置してもよい。
【0112】
さらに、上述の説明では、所定の軸Zが端子本体3の中心を通り、突出する当接部31によって端子本体3の配向方向Fが設定されたが、複数の挿入突片40が所定の軸Zに対して対称に配置されていれば、所定の軸Zから中心がずれることで配向方向Fが設定される端子本体3であってもよい。