【実施例】
【0119】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0120】
〔装置〕
試料の物性測定は、下記の条件のもとで下記の装置を使用して行った。
(1)液体クロマトグラフィー(反応の追跡)
装置:(株)島津製作所製
UV-VIS検出器:SPD-20A
カラムオーブン:CTO-20A
脱気ユニット:DGU-20A
送液ユニット:LC-20AB
オートサンプラ:SIL-20A
カラム:Poroshell 120 EC−C18(2.7μm、3.0×50mm、Agilent)
カラム温度:40℃
溶媒:アセトニトリル/水 アセトニトリル濃度:40%(0−0.01min)→40%−100%(0.01−5min)→100%(5−15min)(体積比)
検出器:UV
(2)ゲル浸透クロマトグラフィー(重合体の分子量測定)
装置:(株)島津製作所製
UV-VIS検出器:SPD-20A
示差屈折計検出器:RID-20A
カラムオーブン:CTO-20A
脱気ユニット:DGU-20A
送液ユニット:LC-20AD
オートサンプラ:SIL-20A
カラム:Shodex KF−G+KF−804L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:UV
(3)組成物の塗布:ミカサ(株)製、スピンコーターMS−A100
(4)素子の作製:長州産業(株)製 多機能蒸着装置システムC−E2L1G1−N
(5)素子の電流密度の測定:(有)テック・ワールド製 I−V−L測定システム
(6)ガラス転移温度(Tg)測定装置:Perkin elmer社製 Diamond DSC
測定条件:窒素雰囲気下
昇温速度:5℃/分(40〜300℃)
(7)5%重量減少温度(Td5%)測定
装置:(株)リガク製 TG8120
測定条件:空気雰囲気下
昇温速度:10℃/分(40〜500℃)
(8)自動カラムクロマトグラフィー装置(目的物の分取):昭光サイエンティフィック株式会社製 2CHパラレル精製装置 Purif−espoir2
(9)NMR:Bruker社製Avance III 500MHz
内部標準
19F-NMR化学シフト補正
Trifluoro toluene=-64ppm
13C-NMR化学シフト補正
Acetone-d6=206.68ppm
Chloroform-d1=77.23ppm
N,N-Dimethylformamide-d7=163.15ppm
Tetrahydrofuran-d8=67.57ppm
【0121】
〔試薬〕
下記の実施例および比較例で使用した試薬は以下のとおりである。
Pd(PPh
3)
4[東京化成工業(株)製]
Pd(DBA)
2[東京化成工業(株)製]
Pd(dppf)Cl
2[東京化成工業(株)製]
t−BuONa[キシダ化学(株)製]
BINAP[東京化成工業(株)製]
炭酸セシウム[純正化学(株)製]
硫酸マグネシウム[キシダ化学(株)製]
酢酸カリウム[純正化学(株)製]
リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液[東京化成工業(株)製]
リチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)1mol/Lトルエン溶液[Aldrich社製]
RuPhos[Aldrich社製]
t−BuXPhos[Aldrich社製]
SPhos[Aldrich社製]
t−BuMePhos[Aldrich社製]
JhonPhos[Aldrich社製]
CyJhonPhos[Aldrich社製]
N,N−ジメチルホルムアミド[純正化学(株)製]
酢酸エチル[東京化成工業(株)製または純正化学(株)製]
トルエン[純正化学(株)製または関東化学(株)製]
ジオキサン[関東化学(株)製]
ヘキサン[純正化学(株)製]
テトラヒドロフラン[純正化学(株)製]
テトラヒドロフルフリルアルコール[関東化学(株)製]
ペンタフルオロアニリン[東京化成工業(株)製]
フルオロベンゼン[東京化成工業(株)製]
クロロベンゼン[東京化成工業(株)製]
ブロモベンゼン[東京化成工業(株)製]
ヨードベンゼン[東京化成工業(株)製]
ブロモペンタフルオロベンゼン[東京化成工業(株)製]
2−フルオロアニリン[東京化成工業(株)製]
4−ブロモアニソール[東京化成工業(株)製]
4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル[東京化成工業(株)製]
1−ブロモ−4−t−ブチルベンゼン[東京化成工業(株)製]
1−ブロモナフタレン[純正化学(株)製]
2−ブロモナフタレン[東京化成工業(株)製]
4−ブロモトリフェニルアミン[東京化成工業(株)製]
4−ヨードトリフェニルアミン[東京化成工業(株)製]
4−ブロモ−4′−(ジフェニルアミノ)ビフェニル[富士フイルム和光純薬(株)製]
2−ブロモ−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン][東京化成工業(株)製]
4,4′−ジブロモビフェニル[東京化成工業(株)製]
1,4−ジブロモベンゼン[東京化成工業(株)製]
3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール[富士フイルム和光純薬(株)製]
2,7−ジブロモ−9,9−ジメチルフルオレン[東京化成工業(株)製]
4−フルオロブロモベンゼン[東京化成工業(株)製]
【0122】
[1]フッ化芳香族第二級アミン化合物の合成
(1)ペンタフルオロアニリンと4−ブロモアニソールとの反応
【化49】
【0123】
[比較例1−1]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(PPh
3)
40.05mmol(57.8mg)、t−BuONa1.2mmol(115.3mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0124】
[比較例1−2]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(PPh
3)
40.05mmol(57.8mg)、(±)BINAP0.075mmol(46.7mg)、炭酸セシウム1.2mmol(391.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0125】
[比較例1−3]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(PPh
3)
40.05mmol(57.8mg)、(±)BINAP0.075mmol(46.7mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、さらにLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0126】
[比較例1−4]
(±)BINAPの代わりに、下記式(L2)で表されるRuPhos0.075mmol(35.0mg)を用いた以外は、比較例1−3と同様にして作業を行ったが、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0127】
【化50】
(式中、i−Prはイソプロピル基を、Cyはシクロヘキシル基を表す。)
【0128】
[比較例1−5]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、さらにLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0129】
[比較例1−6]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、(±)BINAP0.075mmol(46.7mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)、炭酸セシウム1.2mmol(391.0mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0130】
[比較例1−7]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、(±)BINAP0.075mmol(46.7mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、さらにLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)が、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いた液体クロマトグラフィーにおいて、原料に帰属できるピークは確認できたが、目的物に帰属できるピークは確認できなかった。
【0131】
[実施例1−1]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、炭酸セシウム1.2mmol(391.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物67.2mgを得た(収率26%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.76 (s, 3H), 5.14 (brs, 1H), 6.72-6.75 (m, 6H), 6.8 (d, J = 9.0 Hz, 2 H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.8, 114.7, 119.5, 120.1, 135.4, 136.3, 138.5, 140.6, 155.9
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ = -167.6 (t, J = 21.7 Hz, 1F), -164.5 (td, J = 21.7, 5.2 Hz, 2F), -153.3 (brd, 2F); IR (neat)
ν~ = 3314 (w), 3063 (w), 2968 (w), 1694 (s), 1670 (m), 1653 (m), 1609 (m), 1590 (m), 1503 (s), 1460 (m), 1440 (s), 1414 (m), 1295 (m), 1196 (m), 1176 (m), 1138 (w), 1119 (m), 1106 (m), 1073 (w), 1022 (m), 1008 (m), 982 (s), 905 (m), 845 (m), 765 (s), 753 (m), 735 (m), 697 (m)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
8F
5NO (M+H)
+ 289.0526, found 290.0589.
【0132】
[実施例1−2]
炭酸セシウムの代わりに、t−BuONa1.2mmol(115.3mg)を用いた以外は、実施例1−1と同様に反応および後処理を行い、目的物286.1mgを得た(収率>99%)。
【0133】
[実施例1−3]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で3時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物287.3mgを得た(収率>99%)。
【0134】
[実施例1−4]
RuPhos0.2mmol(93.3mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物286.0mgを得た(収率>99%)。
【0135】
[実施例1−5]
RuPhosの代わりに、下記式(L4)で表されるt−BuXPhos0.075mmol(31.8mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物243.9mgを得た(収率84%)。
【0136】
【化51】
(式中、i−Prはイソプロピル基を、t−Buはt−ブチル基を表す。)
【0137】
[実施例1−6]
RuPhosの代わりに、下記式(L1)で表されるSPhos0.075mmol(30.8mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物246.0mgを得た(収率85%)。
【0138】
【化52】
(式中、Meはメチル基を、Cyはシクロヘキシル基を表す。)
【0139】
[実施例1−7]
RuPhosの代わりに、下記式(L5)で表されるt−BuMePhos0.075mmol(23.4mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物246.3mgを得た(収率85%)。
【0140】
【化53】
(式中、Meはメチル基を、t−Buはt−ブチル基を表す。)
【0141】
[実施例1−8]
RuPhosの代わりに、下記式(L6)で表されるJhonPhos0.075mmol(22.4mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物268.2mgを得た(収率95%)。
【0142】
【化54】
(式中、t−Buはt−ブチル基を表す。)
【0143】
[実施例1−9]
RuPhosの代わりに、下記式(L7)で表されるCyJhonPhos0.075mmol(26.3mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−3と同様に反応および後処理を行い、目的物208.9mgを得た(収率73%)。
【0144】
【化55】
(式中、Cyはシクロヘキシル基を表す。)
【0145】
上記実施例1−1〜1〜9および比較例1―1〜1−7のまとめを表1に示す。
【0146】
【表1】
(実施例1−4:RuPhos使用量0.2mmol)
【0147】
(2)ペンタフルオロアニリンとハロゲン化アリールとの反応
【化56】
【0148】
[比較例1−8]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、フルオロベンゼン1mmol(96.1mg)を加え、室温で5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内から採取した微量の溶液を用いて液体クロマトグラフィーで反応を追跡したが、原料に帰属できるピークの他に、目的物に帰属できない多数の目立ったピークが確認できた。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、原料を主に含むフラクション以外のフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、固体を得た。しかし、得られた固体の
1H−NMRスペクトルにおいて、原料、目的物のいずれにも帰属できない多数のピークが認められた。この混合物は、複数の副生成物が含まれる混合物であり、これから目的物を単離することは困難と判断し、それ以上の精製を試みなかった。
【0149】
[実施例1−10]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mL、クロロベンゼン1mmol(112.6mg)を加え、室温で5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で3時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物195.7mgを得た(収率81%)。
【0150】
[実施例1−11]
クロロベンゼンの代わりに、ブロモベンゼン1mmol(157.0mg)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−10と同様に反応および後処理を行い、目的物256.6mgを得た(収率>99%)。
【0151】
[実施例1−12]
ジオキサンの代わりに、トルエンを用い、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液の代わりに、LHMDS1mol/Lトルエン溶液1.2mL(LHMDS1.2mmol相当)を用い、反応時間を5時間とした以外は、実施例1−10と同様に反応および後処理を行い、目的物243.5mgを得た(収率94%)。
【0152】
[実施例1−13]
クロロベンゼンの代わりに、ヨードベンゼン1mmol(204.0mg)を用いた以外は、実施例1−10と同様に反応および後処理を行い、目的物257.4mgを得た(収率>99%)。
【0153】
[実施例1−14]
【化57】
【0154】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、ペンタフルオロアニリン1.2mmol(219.7mg)、4−フルオロブロモベンゼン1mmol(175.0mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mLを加え、5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、50℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物242.9mgを得た(収率88%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 5.39 (brs, 1H), 6.84 (m, 2h), 7.00 (brt, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 116.0, 116.2, 118.9, 119.0,138.3, 157.8, 159.7
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ -165.6 (brt, 1F), -164.0 (brdt, F), 151.8 (brd, 2F), 122.6 (brs, 1 F);
IR (neat)ν~ = 3425.6 (m), 1656.9 (w), 1504.5 (s), 1205.5 (s), 1153.4 (m), 1101.4 (m), 1008.8 (s), 997.9 (s), 827.5 (s), 748.4 (m), 717.5 (m), 702.1 (m), 669.3 (m), 636.5 (m)
【0155】
上記実施例1−10〜1−14および比較例1−8のまとめを表2に示す。
【0156】
【表2】
【0157】
(3)モノ〜テトラフルオロアニリンと4−ブロモアニソールとの反応
【化58】
【0158】
[実施例1−15]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mLを加え、さらに2−フルオロアニリン1.2mmol(133.3mg)、4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、室温で5分間撹拌し、次いでLHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、室温で5分間撹拌した後、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物217.6mgを得た(収率98%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.84 (s, 3H), 5.68 (brs, 1H), 6.77-6.79 (m, 1H), 6.93 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.00 (brt, 1H), 7.07-7.12 (m, 2H); 7.15 (d, J = 9.0 Hz, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.7, 114.9, 115.2, 115.3, 119.1, 123.3, 124.5, 134.1, 134.7, 152.4, 156.1
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ -136.1 (brs); IR (neat)
ν~ = 3382 (m), 3010 (w), 2938 (w), 2906 (w), 2838 (w), 1617 (m), 1585 (w), 1504 (s), 1477 (m), 1464 (m), 1455 (m), 1442 (m), 1332 (m), 1296 (m), 1288 (m), 1255 (m), 1233 (s), 1222 (s), 1180 (s), 1171 (m), 1109 (m), 1095 (s), 1029 (s), 1008 (m), 925 (w), 917 (w), 886 (w), 838 (m), 821 (s), 757 (m), 742 (s), 707 (m), 696 (w)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
12FNO (M+H)
+ 217.0903, found 218.0963.
【0159】
[実施例1−16]
2−フルオロアニリンの代わりに、3−フルオロアニリン1.2mmol(133.3mg)を用いた以外は、実施例1−15と同様に反応および後処理を行い、目的物210.6mgを得た(収率97%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.79 (s, 3H), 5.57 (brs, 1H), 6.47 (ddd, J = 8.3, 2.3, 0.9 Hz, 1H), 6.56 (dt, J = 11.4, 2.3 Hz, 1H), 6.59 (ddd, J = 8.3, 2.2, 0.9 Hz, 1H), 6.87 (d, J = 8.9, 6.7 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 8.9, 6.7 Hz, 2H), 7.11 (td, J = 8.3, 6.7 Hz, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.7, 101.9, 105.9, 111.0, 1145.0, 123.6, 130.6, 134.8, 147.7, 156.2, 164.2
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ = -113.7 (ms)
IR (neat): ν~ = 3361 (m), 3043 (w), 2966(w), 2915 (w), 2839 (w), 1600 (s), 1584 (m), 1526 (m), 1506 (s), 1490 (s), 1465 (m), 1334 (m), 1290 (m), 1251 (m), 1181 (w), 1174 (w), 1168 (w), 1138 (s), 1109 (s), 1072 (w), 827 (m), 755 (m), 742 (s)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
12FNO (M+H)
+ 217.0903, found 218.0969.
【0160】
[実施例1−17]
2−フルオロアニリンの代わりに、4−フルオロアニリン1.2mmol(133.3mg)を用いた以外は、実施例1−15と同様に反応および後処理を行い、目的物161.7mgを得た(収率74%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.79 (s, 3H), 5.36 (brs, 1H), 6.84-7.25 (m, 8H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.8, 115.0, 116.0, 118.0, 121.4, 136.8, 141.4, 155.3, 157.4
19F NMR (470.45 MHz, CDCl
3): δ = -125.6(s)
IR (neat): ν~ = 3392 (w), 3037 (w), 2955 (w), 2934 (w), 2834 (w), 1603 (w), 1590 (w), 1497 (s), 1464 (m), 1442 (m), 1316 (m), 1295 (m), 1245 (m), 1213 (s), 1179 (m), 1154 (w), 1109 (w), 1098 (w), 1034 (m), 818 (s), 773 (m), 696 (w)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
12FNO (M+H)
+ 217.0903, found 218.0965.
【0161】
[実施例1−18]
2−フルオロアニリンの代わりに、2,6−ジフルオロアニリン1.2mmol(154.9mg)を用いた以外は、実施例1−15と同様に反応および後処理を行い、目的物216.2mgを得た(収率92%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.77 (s, 3H), 5.37 (brs, 1H), 6.81 (brs, 4H), 6.91-6.93 (m, 3H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.8, 112.0, 114.6, 118.8, 121.0, 121.9, 137.1, 154.9, 156.1
19F NMR (470.45 MHz, CDCl
3): δ = -123.4 (m)
IR (neat): ν~ = 3411 (w), 2935 (w), 2835 (w), 1623 (w), 1598 (w), 1504 (s), 1456 (m), 1406 (w), 1294 (m), 1233 (s), 1179 (m), 1111 (w), 1060 (w), 1033 (m), 999 (s), 818 (m), 778 (w), 758 (m), 728 (w), 707 (w), 695 (w)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
11F
2NO (M+H)
+ 235.0809, found 236.0867.
【0162】
[実施例1−19]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.05mmol(28.8mg)、RuPhos0.075mmol(35.0mg)、2,4,6−トリフルオロアニリン1.2mmol(176.5mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン4mLを加え、さらに4−ブロモアニソール1mmol(187.0mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、110℃の浴中で4時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→97/3)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物237.4mgを得た(収率91%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.76 (s, 3H), 5.14 (brs, 1H), 6.72-6.75 (m, 3H), 6.80 (d, J = 9.0 Hz, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.8, 100.9, 114.7, 117.4, 117.9, 137.6, 154.8, 156.7, 157.8
19F NMR (470.45 MHz, CDCl
3): δ = -119.8 (brs), -116.9 (brs)
IR (neat): ν~ = 3396 (w), 3083 (w), 2913 (w), 2837 (w), 1636 (w), 1608 (w), 1504 (s), 1442 (m), 1288 (w), 1235 (s), 1173 (m), 1116 (s), 1030 (s), 996 (s), 837 (s), 817 (s)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
10F
3NO (M+H)
+ 253.0714, found 254.0772.
【0163】
[実施例1−20]
2,4,6−トリフルオロアニリンの代わりに、2,3,5,6−テトラフルオロアニリン1.2mmol(154.9mg)を用いた以外は、実施例1−19と同様に反応および後処理を行い、目的物243.9mgを得た(収率90%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 3.79 (s, 3H), 5.56 (brs, 1H), 6.63 (tt, J = 10.0, 7.1Hz, 1H), 6.84 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 6.92 (brd, J = 8.9 Hz, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 55.8, 96.8, 114.6, 121.1, 124.6, 134.9, 139.4, 146.8, 156.2
19F NMR (470.45 MHz, CDCl
3): δ = -154.00, -154.08 (m, 2F), -141.49, -141.57 (m, 2F); IR (neat): ν~ = 3398 (m), 3083 (w), 2927 (w), 2845 (w), 1646 (m), 1613 (w), 1526 (s), 1507 (s), 1497 (s), 1456 (s), 1409 (m), 1294 (m), 1261 (m), 1241 (s), 1172 (s), 1120 (m), 1112 (m), 1077 (m), 1031 (m), 949 (s), 820 (s), 804 (m), 769 (m), 726 (m), 709 (m), 691 (m)
HRMS (ESI): Calcd for C
13H
9F
4NO (M+H)
+ 271.0620, found 272.0694.
【0164】
上記実施例1−15〜1−20のまとめを表3に示す。なお、実施例1−3の結果も併せて示す。
【0165】
【表3】
【0166】
[実施例1−21]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.2mmol(115.0mg)、RuPhos0.3mmol(140.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル2.5mmol(656.3mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、さらにブロモベンゼン4.8mmol(753.6mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液3.7mL(LHMDS4.8mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物0.88gを得た(収率92%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 5.45 (brs, 1H), 6.85 (brd, 2H), 7.02 (brt, 1H), 7.30 (brt, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 116.7, 122.2, 129.5, 142.3
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ = -164.9 (brt, 1F), -164.1 (dt, J = 22.1, 5.8 Hz, 2F), -150.7 (brd, 2F), IR (neat): ν~ = 3408.2 (m), 1602.9 (m), 1521.8 (s), 1500.6 (s), 1483.3 (s), 1462.0 (S), 1421.54 (S), 1315.5 (m), 1292.31 (m)
【0167】
[実施例1−22]
ブロモベンゼンの代わりに、1−ブロモ−4−t−ブチルベンゼン4.8mmol(1023.0mg)を用いた以外は、実施例1−21と同様に反応および後処理を行い、目的物1.07gを得た(収率91%)。
1H NMR (500.13 MHz, Acetone): δ = 1.31 (s, 18H), 7.03 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.36 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.78 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, Acetone): δ =31.9, 34.8, 98.5, 118.9, 125.9, 126.6, 140.4, 141.2, 146.0
19F NMR (470.45 MHz, Acetone): δ =-152.67 (brd, F), -143.45-(-143.1) (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3406 (w), 3394 (w), 2966 (w), 2909 (w), 2869 (w), 1651 (m), 1610 (m), 1487 (s), 1449 (m), 1403 (w), 1394 (w), 1364 (w), 1291 (w), 1263 (m), 1243 (m), 1191 (w), 1125 (w), 1115 (w), 1082 (m), 996 (m), 976 (s), 829 (m), 821 (s), 728 (m), 723 (s)
HRMS (ESI): Calcd for C
32H
28F
8N
2 (M+H)
+ 592.2125, found 593.2170.
【0168】
[実施例1−23]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.2mmol(115.0mg)、RuPhos0.3mmol(140.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル2.5mmol(656.3mg)、4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニル4.8mmol(1388.2mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液3.7mL(LHMDS4.8mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物892.6mgを得た(収率60%)。
1H NMR (500.13 MHz, THF): δ = 1.38 (s, 18H), 7.09 (brd, 4H), 7.47 (brd, 4H), 7.56 (brt, 8H), 8.07 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, THF): δ =31.9, 34.8, 98.5, 118.9, 125.9, 126.6, 140.4, 141.2, 146.0
19F NMR (470.45 MHz, THF): δ = -152.14 (brd, F), -143.24, -143.29 (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3421 (w), 3030 (w), 2960 (w), 2902 (w), 2866 (w), 1651 (m), 1608 (m), 1510 (s), 1484 (s), 1457 (s), 1452 (s), 1394 (w), 1366 (w), 1359 (w), 1314 (w), 1293 (w), 1262 (m), 1238 (w), 1198 (w), 1184 (w), 1121 (w), 1114 (w), 1085 (m), 997 (m), 972 (m), 816 (s), 778(w), 746 (w), 739 (w), 721 (s), 667 (w)
HRMS (ESI): Calcd for C
44H
36F
8N
2 (M+H)
+ 744.2751, found 745.2794.
【0169】
[実施例1−24]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、1−ブロモナフタレン4.8mmol(993.9mg)を用いた以外は、実施例1−23と同様に反応および後処理を行い、目的物617.0mgを得た(収率68%)。
1H NMR (500.13 MHz, DMF): δ = 7.27 (brd, 2H), 7.51 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.59-7.64 (m, 4H), 7.74 (brd, 2H), 8.00-8.03 (m, 2H), 8.47-8.50 (m, 2H), 8.82 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, DMF): δ = 98.3, 116.5, 124.0, 124.6, 126.8, 126.9, 127.4, 127.7, 128.6, 129126.9, 127.4, 127.7, 128.6, 129, 135.6, 141.4, 146.1
19F NMR (470.45 MHz, DMF): δ =-153.18 (brd, J = 13.9 Hz, 4F), -143.45-(-143.35) (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3396 (w), 3373 (w), 3063 (w), 1653 (m), 1595 (m), 1577 (w), 1522 (m), 1496 (s), 1489 (s), 1466 (s), 1430 (m), 1401 (m), 1391 (m), 1274 (m), 1267 (m), 1251 (w), 1241 (w), 1168 (w), 1154 (w), 1131 (w), 1106 (m), 1088 (w), 1075 (w), 1040 (w), 1017 (w), 986 (s), 955 (s), 794 (s), 772 (s), 727 (s)
HRMS (ESI): Calcd for C
32H
16F
8N
2 (M+H)
+ 580.1186, found 581.1249.
【0170】
[実施例1−25]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、2−ブロモナフタレン4.8mmol(993.9mg)を用いた以外は、実施例1−23と同様に反応および後処理を行い、目的物770.2mgを得た(収率53%)。
1H NMR (500.13 MHz, DMSO): δ = 7.23-7.35 (m, 6H), 7.43 (brt, 2H), 7.77 (brd, 2H), 7.83 (brt, 4H), 9.00 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, DMSO): δ = 98.2, 111.9, 119.9, 124.2, 124.4, 126.9, 127.0, 128.0, 129.0, 129.4, 134.3, 140.3, 140.9, 144.9
19F NMR (470.45 MHz, DMSO): δ =-148.08 (brd, 4F), -140.33 (brd, 4F)
IR (neat): ν~ = 3412 (m), 3054 (w), 1651 (m), 1627 (s), 1602 (m), 1591 (w), 1506 (s), 1484 (s), 1456 (s), 1425 (m), 1290, 1276, 1264, 1225 (s), 1183 (m), 1132 (m), 1091 (s), 999 (s), 967 (s), 846 (s), 823 (s), 746 (s), 732 (s), 708 (m), 641 (m)
HRMS (ESI): Calcd for C
32H
16F
8N
2 (M+H)
+ 580.1186, found 581.1249.
【0171】
[実施例1−26]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、4−ブロモトリフェニルアミン4.8mmol(1556.2mg)を用いた以外は、実施例1−23と同様に反応および後処理を行い、目的物1417.3mgを得た(収率87%)。
1H NMR (500.13 MHz, Acetone): δ = 6.98 (t, J = 7.3, 4H), 7.05 (m, 16H), 7.26 (dd, J = 8.6, 7.3 Hz, 8H), 8.86 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, Acetone): δ = 99.1, 120.9, 123.7, 124.7, 126.2, 127.3, 130.7, 139.4, 141.7, 143.8, 146.5, 149.6
19F NMR (470.45 MHz, Acetone): δ = -152.72 (brd, J = 13.9 Hz, 4F), -143.27 (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3394 (w), 3023 (w), 1649 (m), 1586 (m), 1485 (s), 1410 (m), 1333 (w), 1319 (w), 1293 (w), 1273 (m), 1260 (m), 1235 (m), 1175 (w), 1156 (w), 1152 (w), 1132 (w), 1118 (w), 1112 (w), 1085 (m), 995 (m), 974 (m), 968 (m), 899 (w), 891 (w), 826 (m), 817 (m), 749 (s), 739 (m), 722 (m), 714 (m), 693 (s)
HRMS (ESI): Calcd for C
48H
30F
8N
4 (M+H)
+ 814.2343, found 814.2312.
【0172】
[実施例1−27]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、4−ヨードトリフェニルアミン4.8mmol(1781.9mg)を用いた以外は、実施例1−23と同様に反応および後処理を行い、目的物1101.3mgを得た(収率68%)。
【0173】
[実施例1−28]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、4−ブロモ−4′−(ジフェニルアミノ)ビフェニル4.8mmol(1921.5mg)を用いた以外、実施例1−23と同様に反応および後処理行い、目的物1903.1mgを得た(収率99%)。
【0174】
[実施例1−29]
4−ブロモ−4′−t−ブチルビフェニルの代わりに、2−ブロモ−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]4.8mmol(1897.4mg)を用いた以外は、実施例24と同様に反応および後処理を行い、目的物1.88gを得た(収率98%)
1H NMR (500.13 MHz, Acetone): δ = 6.39 (brs, 2H), 6.62 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 2H), 6.73 (dd, J = 7.5, 1.0 Hz, 4H), 7.05-7.09 (m, 4H), 7.16 (td, J = 7.5, 1.0 Hz, 4 H), 7.36 (td, J = 7.5, 1.0 Hz, 2H), 7.40 (td, J = 7.5, 1.0 Hz, 4 H), 7.82 (s, 2H), 7.89 (brdd, 4 H) 7.97 (brd, J = 7.5, 4 H)
13C NMR (125.77 MHz, Acetone): δ = 66.9, 99.0, 114.6, 118.0, 120.5, 121.1, 121.5, 124.5, 124.8, 125.1, 127.9, 128.6, 128.88, 136.9, 141.2, 142.7, 142.8, 142.9, 145.8, 149.4, 149.9, 151.0
19F NMR (470.45 MHz, Acetone): δ = -152.3 (brd, 4F), -143.2 (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3391 (w), 3063 (w), 3042 (w), 3015 (w), 1653 (m), 1614 (m), 1488 (s), 1446 (s), 1346 (w), 1299 (m), 1290 (m), 1284 (m), 1267 (m), 1215 (m), 1167 (w), 1153 (w), 1120 (m), 1089 (m), 1078 (m), 979 (m), 967 (m), 851 (w), 821 (m), 750 (s), 735 (s), 725 (s), 717 (s), 636 (m)
HRMS (ESI): Calcd for C
62H
32F
8N
2 (M+H)
+ 956.2438, found 812.4212.
【0175】
[実施例1−30]
【化59】
【0176】
還流塔を取り付けた100mLの反応フラスコに、Pd(dppf)Cl
20.45mmol(367.5mg)、酢酸カリウム45mmol(4416.3mg)、3−ブロモ−N−フェニルカルバゾール15mmol(4833.2mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン11mmol(4190.0mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへN,N−ジメチルホルムアミド150mLを加え、5分間撹拌した後、90℃の浴中で3時間加熱撹拌した。なお、系中から採取した微量の反応混合物を用いたクロマトグラフィー(TLC)法によって、反応を追跡した。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物から減圧下で溶媒を取り除き濃縮し、濃縮物をイオン交換水50mLとともに分液漏斗に入れて洗浄し、次いでクロロホルム50mLを入れて抽出を行い、分液漏斗から有機層を回収した。そして、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液を濃縮し、得られた濃縮物を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→96/4)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、N−フェニルカルバゾール−3−イル−ボロン酸ピナコラト4.21gを得た(収率76%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 1.41(s、12H), 7.29 (ddd, J = 7.9, 6.0, 2.0 Hz, 1H), 7.37 (brd, J = 8.2 Hz, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.48 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 7.55 (m, 2H), 7.61 (m, 2H), 8.76 (dd, J = 8.2, 1.2 Hz, 2H), 8.18 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H)
【0177】
【化60】
【0178】
還流塔を取り付けた50mLの反応フラスコに、Pd(PPh
3)
40.09mmol(104.1mg)、水酸化ナトリウム9mmol(359.9mg)、N−フェニルカルバゾール−3−イル−ボロン酸ピナコラト3mmol(1107.8mg)、4−ブロモ−4′−ヨードビフェニル3.3mmol(1184.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへテトラヒドロフランと水の混合溶媒(2/1(v/v))13.5mLを加え、5分間撹拌した後、50℃の浴中で5時間加熱撹拌した。なお、系中から採取した微量の反応混合物を用いたクロマトグラフィー(TLC)法によって、反応を追跡した。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物から減圧下で溶媒を取り除き濃縮し、濃縮物をイオン交換水50mLとともに分液漏斗に入れて洗浄し、次いでテトラヒドロフラン50mLを入れて抽出を行い、分液漏斗から有機層を回収した。そして、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液を濃縮し、得られた濃縮物を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→96/4)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、4−ブロモ−4′−(N−フェニルカルバゾール−3−イル)−ビフェニル810mgを得た(収率57%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 7.30-7.33 (m, 1H), 7.43 (m, 2H), 7.50 (m, 4H), 7.57-7.70 (m, 9H), 7.79 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.20 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.39 (brs, 1H)
【0179】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.5mmol(28.8mg)、RuPhos0.75mmol(35.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル0.5mmol(164.1mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、さらに4−ブロモ−4′−(N−フェニルカルバゾール−3−イル)−ビフェニル1.05mmol(498.1mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(1.2mmol)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物457mgを得た(収率82%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 5.94 (brs、2H), 7.11 (brd, 2H), 7.32(brquin, 1H), 7.43 (brd, 2H), 7.48-7.51 (m, 2H), 7.60-7.66 (m, 6H), 7.70-7.72 (brm, 3H), 7.80-7.82 (m, 3H), 8.21 (brd, 2H), 8.41 (brs, 1H)
【0180】
[実施例1−31]
【化61】
【0181】
還流塔を取り付けた100mLの反応フラスコに、Pd(dppf)Cl
20.45mmol(367.5mg)、酢酸カリウム45mmol(4416.3mg)、2−ブロモ−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]15mmol(5929.5mg)、ビス(ピナコラト)ジボロン16.5mmol(4190.0mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへN,N−ジメチルホルムアミド150mLを加え、5分間撹拌した後、90℃の浴中で3時間加熱撹拌した。なお、系中から採取した微量の反応混合物を用いたクロマトグラフィー(TLC)法によって、反応を追跡した。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物から減圧下で溶媒を取り除き濃縮し、濃縮物をイオン水50mLとともに分液漏斗に入れて洗浄し、次いでクロロホルム50mLを入れて抽出を行い、分液漏斗から有機層を回収した。そして、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液を濃縮し、得られた濃縮物を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→96/4)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル−ボロン酸ピナコラト1.85gを得た(収率28%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 1.25 (s、12H), 6.68 (brd, J = 7.5 Hz 1H), 6.71 (brd, J = 7.5 Hz, 2H), 7.09 (dt, J = 7.5, 1.1 Hz 2H), 7.11 (dt, J = 7.5, 1.1 Hz 1H), 7.18 (brs、1H), 7.35 (dt, J = 7.5, 1.1 Hz 1H), 7.36 (dt, J = 7.5, 1.1 Hz 2H), 7.33-7.37 (m, 5H)
【0182】
【化62】
【0183】
還流塔を取り付けた50mLの反応フラスコに、Pd(PPh
3)
40.09mmol(104.1mg)、水酸化ナトリウム9mmol(359.9mg)、9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]−2−イル−ボロン酸ピナコラト3mmol(1327.1mg)、4−ブロモ−4′−ヨードビフェニル3.3mmol(1184.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへテトラヒドロフランと水の混合溶媒(2/1(v/v)13.5mLを加え、5分間撹拌した後、50℃の浴中で5時間加熱撹拌した。なお、系中から採取した微量の反応混合物を用いたクロマトグラフィー(TLC)法によって、反応を追跡した。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物から減圧下で溶媒を取り除き濃縮し、濃縮物をイオン交換水50mLとともに分液漏斗に入れて洗浄し、次いでテトラヒドロフラン50mLを入れて抽出を行い、分液漏斗から有機層を回収した。そして、回収した有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液を濃縮し、得られた濃縮物を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→96/4)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、2−(4′−ブロモビフェニル−4−イル)−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]836.4mgを得た(収率51%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 6.73 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.78 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 6.97 (s, 1H), 7.12 (brt, 3H), 7.36-7.42 (m, 5 H), 7.49 (s, 4H), 7.53 (d,2H), 7.66 (dd, J = 7.9, 1.8 Hz, 1H), 7.86 (d, J = 7.6 Hz, 2 H), 7.87 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.92 (d, J = 7.9 Hz, 1H)
【0184】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.5mmol(28.8mg)、RuPhos0.75mmol(35.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル0.5mmol(164.1mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、さらに2−(4′−ブロモビフェニル−4−イル)−9,9′−スピロビ[9H−フルオレン]1.05mmol(574.9mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液0.923mL(LHMDS1.2mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物532mgを得た(収率86%)。
1H NMR (500.13 MHz, CDCl
3): δ = 6.78 (brd, 2H), 6.83 (brd, 4H), 7.05 (brm, 6H), 7.15 (brt, 6H), 7.41 (brt, 6H), 7.54 (brm, 12H), 7.70 (brd, 2H), 7.90 (brd, 6H), 7.95 (brd, 2H),
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 118.7, 120.2, 120.3, 120.5, 122.8, 124.3, 124.4, 126.9, 127.1, 127.6, 127.8, 128.0, 128.1, 135.5, 139.4, 139.7, 140.4, 140.6, 141.3, 141.6, 142.0, 18.9, 149.4, 149.8
19F NMR (470.45 MHz, CDCl
3): δ =-151.41 (brd, 4F), -140.63 (m, 4F)
IR (neat): ν~ = 3387.0 (w), 3059.1 (w), 3030.2 (w), 2953.0 (w), 2926.0 (w), 2856.6 (w), 1653.0 (m), 1606.7 (m), 1485.2 (s), 1446.6 (s), 1236.4 (m), 1085.9 (m), 975.98 (m), 813.96 (s), 750.31 (s), 727.16 (s)
【0185】
上記実施例1−21〜1−31のまとめを表4に示す。
【0186】
【表4】
【0187】
(4)ペンタフルオロアニリンと4,4′−ジブロモビフェニルとの反応
【化63】
【0188】
[実施例1−32]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.1mmol(57.5mg)、RuPhos0.15mmol(69.8mg)、4,4′−ジブロモビフェニル1mmol(312.7mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLとペンタフルオロアニリン2.4mmol(439.3mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液1.84mL(LHMDS2.4mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液50mL、酢酸エチル30mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル20mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をトルエン3mLに溶解させて得られた溶液を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)を行い、目的物を含むフラクションを分取した。
最後に、80℃、減圧下で分取したフラクションから溶媒を取り除き、目的物451.7mgを得た(収率58%)。
1H NMR (500.13 MHz, DMSO): δ = 6.86 (brd, J = 8.1 Hz, 4H), 7.45 (brd, J =8.1 Hz, 4H), 8.32 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, DMSO): δ =116.1, 118.1, 126.9, 132.4, 137.0, 138.3, 142.3, 142.7
19F NMR (470.45 MHz, DMSO): δ =-165.04 (brt, 2F), -163.81 (brt, 4F), -148.47 (brd, 4H)
IR (neat): ν~ = 3410 (m), 3029 (w), 1611 (m), 1577 (w), 1517 (s), 1502 (s), 1482 (s) 1446 (s), 1327 (m), 1277 (m), 1238 (m), 1183 (m), 1159 (m), 1136 (m), 977 (s), 817 (s), 779 (m), 727 (m), 710 (m); HRMS (ESI)
【0189】
(5)ペンタフルオロアニリンとブロモベンゼンとの反応:塩基の影響
【化64】
【0190】
[実施例1−33]
ペンタフルオロアニリン(1mmol)、ブロモベンゼン(2.4mmol)、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液1.85mL(LHMDS2.4mmol相当)を用いた以外は、実施例1−11と同様に反応および後処理を行い、目的物179.8mgを得た(収率69%)。
【0191】
[実施例1−34]
ペンタフルオロアニリン(2.4mmol)、ブロモベンゼン(1mmol)、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液1.85mL(LHMDS2.4mmol相当)を用いた以外は、実施例1−11と同様に反応および後処理を行い、目的物193.6mgを得た(収率75%)。
【0192】
実施例1−33および実施例1−34のまとめを表5に示す。これらの結果から、系中に過剰の塩基が存在すると収率が低下する傾向があることがわかる。
【0193】
【表5】
【0194】
(6)重合体の合成
【化65】
【0195】
[実施例2−1]
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.08mmol(46.0mg)、RuPhos0.12mmol(56.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル4.2mmol(1378.3mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mL、1,4−ジブロモベンゼン10mmol(943.6mg)を加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液7.1mL(LHMDS9.2mmol相当))を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液100mL、酢酸エチル50mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル30mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン10mLに溶解して得られた溶液を、ヘキサンとトルエンの混合溶媒(2/1(v/v))500mLに滴下し、生じた固体をろ過により回収し、得られたろ物を80℃、減圧下で乾燥し、目的物0.47gを得た。
1H NMR (500.13 MHz, DMSO): δ = 7.08 (brd, J = 7.7 Hz, 4H), 7.56 (brd, J = 7.7 Hz, 4H), 8.68 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, DMSO): δ = 97.2, 117.6, 123.9, 126.1, 127.8, 128.5, 132.9, 140.0, 140.7, 144.2
19F NMR (470.45 MHz, DMSO): δ =-148.76 (d, J = 17.3 Hz, 4F), -140.67 (s, 4F)
IR (neat): ν~ = 3421 (w), 3398 (w), 3030 (w), 1652 (m), 1610 (m), 1575 (w), 1482 (s), 1410 (m), 1394 (m), 1291 (m), 1261 (s), 1234 (s), 1183 (m), 1118 (m), 1085 (s), 995 (s), 973 (s), 938 (m), 812 (s), 721 (s)
【0196】
[実施例2−2]
Pd(DBA)
20.4mmol(230.0mg)、RuPhos0.6mmol(280.0mg)を用いた以外は、実施例2−1と同様に反応および後処理を行い、目的物1.60gを得た。
【0197】
実施例2−1および実施例2−2のまとめを表6に示す。表6に示されるように、触媒量を変えることで得られる重合体の分子量を制御できることがわかる。
【0198】
【表6】
【0199】
【化66】
【0200】
[実施例2−3]
【化67】
【0201】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.5mmol(287.5mg)、0.75mmol(350.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル2.5mmol(820.4mg)、4,4′−ジブロモビフェニル2.38mmol(742.9mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液7.1mL(LHMDS9.2mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液100mL、酢酸エチル50mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル30mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン10mLに溶解して得られた溶液を、ヘキサンとトルエンの混合溶媒(2/1(v/v))500mLに滴下し、生じた固体をろ過により回収し、得られたろ物を80℃、減圧下で乾燥し、目的物1.01gを得た。得られた重合体は、Mw=32,000、Mn=15,000、Mw/Mn=2.13であり、また、ΔT5が321.6℃でTgは観察されなかった。
【0202】
[実施例2−4]
【化68】
【0203】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.3mmol(172.5mg)、RuPhos0.45mmol(210.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル1.5mmol(492.3mg)、3,6−ジブロモ−9−フェニルカルバゾール1.43mmol(572.3mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液2.54mL(LHMDS3.3mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液100mL、酢酸エチル50mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル30mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン10mLに溶解して得られる溶液を、ヘキサンとトルエンの混合溶媒(2/1(v/v))500mLに滴下し、生じた固体をろ過により回収し、得られたろ物を80℃、減圧下で乾燥し、目的物928mgを得た。得られた重合体は、Mw=12,000、Mn=7,000、Mw/Mn=1.71であり、また、ΔT5が340.1℃でTgは観察されなかった。
1H NMR (500.13 MHz, THF): δ = 5.39 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.52 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 5.62 (brs, H), 5.80 (brs, 4H), 6.07 (d, 2H), 7.62 (brd, J = 8.0 Hz, 2H), 8.06 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, THF): δ = 96.7, 110.8, 113.5, 121.4, 124.6, 126.2, 127.7, 127.8, 128.2, 129.1, 129.8, 130.9, 136.0, 139.1, 139.4, 140.2, 146.3
19F NMR (470.45 MHz, THF): δ =-151.34 (brd, 4F), -145.89 (brd, 4F)
IR (neat): ν~ = 3403 (w), 3029 (w), 2927 (w), 1651 (m), 1597 (w), 1483 (s), 1460 (s), 1364 (w), 1328 (w), 1291 (w), 1282 (w), 1211 (m), 1166 (w), 1121 (w), 1080 (m), 1027 (w), 994 (m), 976 (s), 951 (m), 939 (m), 925 (w), 863 (w), 757 (m), 723 (s)
【0204】
[実施例2−5]
【化69】
【0205】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.4mmol(230.0mg)、RuPhos0.6mmol(280.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル2mmol(656.3mg)、2,7−ジブロモ−9,9−ジメチルフルオレン1.90mmol(670.6mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液3.2mL(LHMDS4.2mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液100mL、酢酸エチル50mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル30mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン10mLに溶解して得られた溶液を、ヘキサンとトルエンの混合溶媒(2/1(v/v))500mLに滴下し、生じた固体をろ過により回収し、80℃、減圧下で乾燥し、目的物926mgを得た。得られた重合体は、Mw=20,000、Mn=11,000、Mw/Mn=1.82であり、また、ΔT5が340.1℃でTgは観察されなかった。
1H NMR (500.13 MHz, THF): δ = 1.52 (s, 6H), 7.02 (brd, J = 8.0 Hz, 2H), 7.18 (s, 2H), 7.62 (brd, J = 8.0 Hz, 2H), 8.06 (brs, 2H)
13C NMR (125.77 MHz, THF): δ = 26.6, 46.5, 97.1, 113.1, 117.4, 119.3, 125.0, 127.9, 128.7, 133.8, 139.9, 140.7, 145.1, 154.3
19F NMR (470.45 MHz, THF): δ =-151.76 (brd, 4F), -142.20 (brd, 4F)
IR (neat): ν~ = 3423 (w), 2958 (w), 2925 (w), 2859 (w), 1651 (m), 1613 (w), 1587 (w), 1518 (m), 1485 (s), 1464 (s), 1417 (m), 1295 (m), 1259 (w), 1239 (m), 1220 (w), 1195 (w), 1089 (m), 995 (m), 979 (s), 971 (s), 809 (m), 724 (m), 718 (m)
【0206】
[実施例2−6]
【化70】
【0207】
還流塔を取り付けた30mLの反応フラスコに、Pd(DBA)
20.3mmol(172.5mg)、RuPhos0.45mmol(210.0mg)、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル1.5mmol(492.3mg)、9,10−ジブロモアントラセン1.43mmol(480mg)を量り入れ、系中を窒素置換した。そこへジオキサン8mLを加え、5分間撹拌した後、LHMDS1.3mol/Lテトラヒドロフラン溶液2.54mL(LHMDS3.3mmol相当)を加え、110℃の浴中で5時間加熱撹拌した(内温92℃)。なお、途中、フラスコ内の溶液を微量採取し、液体クロマトグラフィーを用いて反応を追跡した。原料に帰属できるピークの面積の減少に伴い目的物に帰属できるピークの面積が増加した。その際、副生成物に対応するような目立ったピークは確認されなかった。
反応混合物を室温まで冷却した後、冷却した反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液100mL、酢酸エチル50mLとともに分液漏斗に入れて抽出を行い、分液漏斗に有機層を残し、水層を回収した。飽和食塩水50mLを分液漏斗に入れて残った有機層を洗浄し、水層、有機層をそれぞれ回収した。そして、回収した全ての水層を併せて分液漏斗に入れ、そこへ酢酸エチル30mLを入れて抽出を行い、有機層を回収し、回収した全ての有機層を併せ、これを硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムを濾過により除去し、得られたろ液からロータリーエバポレーターにより溶媒を留去した。得られた残渣をテトラヒドロフラン10mLに溶解して得られた溶液を、ヘキサンとトルエンの混合溶媒(2/1(v/v))500mLに滴下し、生じた固体をろ過により回収し、ろ物を80℃、減圧下で乾燥し、目的物928mgを得た。得られた重合体は、Mw=18,000、Mn=8,100、Mw/Mn=2.22であった。
1H NMR (500.13 MHz, DMSO): δ = 7.60 (brs, 2H), 8.31 (brs, 2H), 9.30 (brs, 1H)
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ = 123.9, 126.4, 128.7, 129.3, 131.3, 135.8, 137.7, 143.5, 145.5
19F NMR (470.53 MHz, CDCl
3): δ = -160.0 (brs, 4F), -143.2 (brs, 4F)
IR (neat): ν~ = 3361.9 (w), 1651.1 (m), 1485.1 (s), 1435.0 (m), 1377.2 (m), 12771.1 (w), 1178.5 (w), 1134.1 (w), 1111.0 (w), 1045.4 (w), 970.2 (s), 950.9 (m), 763.8 (s), 723.3 (s)
【0208】
[2]電荷輸送性組成物および電荷輸送性薄膜の作製
[実施例3−1]
サンプル瓶(10mL)に実施例1−24で合成した下記式(H1)で表されるナフチル基を有するフッ化アリールアミン化合物35.9mgと下記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物56.2mgを量りとり、テトラヒドロフルフリルアルコール3gを加えて均一になるまで室温で撹拌し、固形分3質量%の溶液を得た。この溶液を、ITO基板上にスピンコーターを用いて塗布した後、大気下で、80℃で1分間乾燥し、次いで230℃で15分間焼成し、厚さ50nmの薄膜を作製した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚50nmで形成されたガラス基板を用いた。この薄膜の上に、蒸着装置(真空度4.0×10
-5Pa)を用いてアルミニウム薄膜を形成して単層素子を得た。蒸着は、蒸着レート0.2nm/秒の条件で行った。アルミニウム薄膜の膜厚は80nmとした。なお、下記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物は、国際公開第2006/025342号に記載の方法に従い合成した。
【0209】
【化71】
【0210】
[実施例3−2]
サンプル瓶(10mL)に実施例1−26で合成した下記式(H2)で表されるトリフェニルアミン基を有するフッ化アリールアミン化合物44mgと上記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物49mgを量りとり、テトラヒドロフルフリルアルコール3gを加えて均一になるまで室温で撹拌し、固形分3質量%の溶液を得た。この溶液を用いた以外は、実施例3−1と同様にして単層素子を作製した。
【0211】
【化72】
【0212】
[実施例3−3]
サンプル瓶(10mL)に実施例2−3で合成した下記式(H3)で表されるビフェニル骨格を有するフッ化アリールアミン共重合体21.6mgと上記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物40mgを量りとり、テトラヒドロフルフリルアルコール3gを加えて均一になるまで室温で撹拌し、固形分2質量%の溶液を得た。この溶液を用いた以外は、実施例3−1と同様にして単層素子を作製した。
【0213】
【化73】
【0214】
[実施例3−4]
サンプル瓶(10mL)に実施例2−4で合成した下記式(H4)で表されるフェニルカルバゾール基を有するフッ化アリールアミン共重合体36mgと、上記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物57mgを量りとり、テトラヒドロフルフリルアルコール3gを加えて均一になるまで室温で撹拌し、固形分3質量%の溶液を得た。この溶液を用いた以外は、実施例3−1と同様にして単層素子を作製した。
【0215】
【化74】
【0216】
[実施例3−5]
サンプル瓶(10mL)に実施例2−5で合成した下記式(H5)で表される9,9−ジメチルフルオレン基を有するフッ化アリールアミン共重合体34mgと、上記式(D2)で表されるアリールスルホン酸化合物59mgを量りとり、テトラヒドロフルフリルアルコール3gを加えて均一になるまで室温で撹拌し、固形分3質量%の溶液を得た。この溶液を用いた以外は、実施例3−1と同様にして単層素子を作製した。
【0217】
【化75】
【0218】
得られた各単層素子について駆動電圧5Vにおける電流密度を測定した。結果を表7に示す。
【0219】
【表7】
【0220】
表7に示されるように、本発明のフッ化アリールアミン化合物または重合体を電荷輸送性物質として含む薄膜は、良好な導電性を示すことがわかる。