(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態について説明する。
【0020】
(A)実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係るレーダ装置を示す図である。この図に示すように、レーダ装置は、局部発振部10、送信部11、信号処理部14、受信部15、および、A/D(Analog to Digital)変換部20を主要な構成要素としている。
【0021】
ここで、局部発振部10は、所定の周波数のCW(Continuous Wave)信号を生成して、送信部11と受信部15に供給する。
【0022】
送信部11は、変調部12および送信アンテナ13を有し、局部発振部10から供給されるCW信号を、変調部12によってパルス変調し、送信アンテナ13を介してターゲットに対して送信する。
【0023】
送信部11の変調部12は、信号処理部14によって制御され、局部発振部10から供給されるCW信号をパルス変調して出力する。送信アンテナ13は、変調部12から供給されるパルス信号を、ターゲットに向けて送信する。
【0024】
信号処理部14は、変調部12、利得可変増幅部18、および、アンテナ切換部17を制御するとともに、A/D変換部20から供給される受信データに対して演算処理を実行することで、ターゲットを検知する。
【0025】
図2は、
図1に示す信号処理部14の詳細な構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、信号処理部14は、記憶部14a、演算部14b、処理部14c、および、制御部14dを有している。ここで、記憶部14aは、例えば、半導体メモリ等によって構成され、後述する基準データを一時的に記憶する。演算部14bは、A/D変換部20から供給されるデータと、記憶部14aに記憶されている基準データとの間で所定の演算を実行して処理部に供給する。処理部14cは、演算部14bによる所定の演算によって得られたデータに基づいて、ターゲットを検知する処理を実行する。制御部14dは、記憶部14a、演算部14b、および、処理部14cを制御するとともに、変調部12、利得可変増幅部18、および、アンテナ切換部17を制御する。
【0026】
受信部15は、受信アンテナ16、アンテナ切換部17、利得可変増幅部18、および、復調部19を有し、送信アンテナ13から送信され、ターゲットによって反射された信号を受信して復調処理を施した後、A/D変換部20に出力する。
【0027】
受信部15の受信アンテナ16は、1または複数のアンテナによって構成され、送信アンテナ13から送信され、ターゲットによって反射された信号を受信し、アンテナ切換部17に供給する。アンテナ切換部17は、信号処理部14の制御部14dによって制御され、受信アンテナ16のいずれか1つを選択して、受信信号を利得可変増幅部18に供給する。利得可変増幅部18は、信号処理部14の制御部14dによって利得が制御され、アンテナ切換部17から供給される受信信号を所定の利得で増幅して復調部19に出力する。復調部19は、利得可変増幅部18から供給される受信信号を、局部発振部10から供給されるCW信号に用いて復調して出力する。
【0028】
A/D変換部20は、復調部19から供給される受信信号を所定の周期でサンプリングし、デジタル信号に変換して信号処理部14に供給する。
【0029】
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作を説明する。
図3は
図1に示す実施形態の動作を説明するためのタイミング図である。ここで、
図3(A)はA/D変換部20から出力されるデータ(生データ)を示している。
図3(B)は利得可変増幅部18の利得が高利得の状態にされる区間を示している。また、
図3(C)は、A/D変換部20から出力されるデータに対して後述する減算処理が施された後のデータを示している。
【0030】
まず、時刻T0〜T2の区間では、送信部11は信号を送信しない状態となっている。より詳細には、信号処理部14は、変調部12をオフの状態に制御するので、局部発振部10から出力される信号は、送信アンテナ13から送信されない状態となる。なお、変調部12をオフの状態にした場合でも、局部発振部10から出力されるCW信号の一部は、送信アンテナ13へリークするいわゆるキャリアリークが発生する。このようなキャリアリーク信号は、レーダ装置の近傍に存在する物体(例えば、レーダ装置のレドームや、車載のレーダ装置の場合はバンパ等)や、ターゲット等によって反射され、受信アンテナ16によって受信される。このようなキャリアリークによる受信信号は、アンテナ切換部17、利得可変増幅部18、および、復調部19を経由してA/D変換部20に供給される。A/D変換部20は、受信したキャリアリーク信号を含む受信信号をデジタル信号に変換して信号処理部14に供給する。
【0031】
時刻T2〜T3の区間では、信号処理部14の制御部14dは、
図3(B)に示すように、利得可変増幅部18を高利得の状態に制御する。なお、「高利得」とは、後述する「低利得」に比較して利得が相対的に高いことをいうものとする。この結果、利得可変増幅部18が高利得の状態になることから、A/D変換部20から出力される受信データは、
図3(A)に示すように、キャリアリーク等のノイズ成分が増幅され、その前の区間に比較して信号レベルが高い状態となる。
【0032】
信号処理部14は、利得可変増幅部18を高利得の状態に制御した後、A/D変換部20から出力される受信データを取得し、高利得区間の「基準データ」として、記憶部14aに記憶する。なお、高利得区間の基準データとしては、例えば、高利得区間における所定のタイミングの受信データを用いることができる。あるいは、高利得区間において、受信データを複数回取得し、これら複数回の受信データの平均値を用いるようにしてもよい。
【0033】
時刻T3〜T4の区間では、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を、前述した高利得状態よりも利得が低い低利得の状態にする。この結果、
図3(A)に示すように、A/D変換部20から出力される受信データは、高利得区間に比べて信号レベルが小さい状態となる。信号処理部14は、利得可変増幅部18を低利得の状態に制御した後、A/D変換部20から出力される受信データを取得し、低利得区間の「基準データ」として、記憶部14aに記憶する。なお、低利得区間の基準データとしては、高利得区間と同様に、例えば、低利得区間における所定のタイミングの受信データを用いることができる。あるいは、低利得区間において、受信データを複数回取得し、これら複数回の受信データの平均値を用いることもできる。
【0034】
低利得区間が終了すると、信号処理部14の制御部14dは、送信部11を制御して、パルス信号を送信させる。より詳細には、制御部14dは、変調部12のオン/オフする制御を実行する。この結果、局部発振部10から出力されるCW信号は、変調部12によってパルス変調される。変調部12から出力されるパルス信号は、送信アンテナ13を介してターゲットに向けて送信される。ターゲットによって反射された信号は、受信アンテナ16によって受信され、アンテナ切換部17を介して利得可変増幅部18に供給される。利得可変増幅部18は、パルス信号を送信する際には、低利得状態に設定される。このため、アンテナ切換部17から出力される受信信号は、利得可変増幅部18によって低利得で増幅された後、復調部19に供給される。復調部19は、利得可変増幅部18から供給される受信信号を、局部発振部10から供給されるCW信号を用いて復調し、A/D変換部20に供給する。A/D変換部20は、復調部19から供給される信号をデジタル信号に変換して信号処理部14に供給する。この結果、時刻T4〜T6の区間では、A/D変換部20から出力される受信データは、
図3(A)に示すようなパルス状の波形となる。
【0035】
A/D変換部20から出力される受信データの波形がピークを有する時刻T5のタイミング(レーダ検知区間の開始タイミング)になると、信号処理部14の演算部14bは、時刻T3〜T4の区間である低利得区間において取得して記憶部14aに記憶した低利得区間の基準データを読み出し、A/D変換部20から供給される受信データのそれぞれから減算する処理を実行する。なお、利得可変増幅部18が低利得状態に設定されるのは、レーダ装置の近傍からの反射波が受信される時刻T7までであるので、このような減算処理は、時刻T5〜T7の区間に亘って実行される。このような減算処理を実行することで、受信データに含まれているキャリアリークに対応する信号成分を除去することができる。すなわち、
図3(A)に示すように、A/D変換部20から出力される信号のDCレベルがL1の信号は、減算処理によって
図3(C)に示すようにDCレベルが略0の状態になる。なお、時刻T5〜T7の区間は、レーダ装置の近傍に存在するターゲットからの反射波を受信する区間に該当する。
【0036】
つぎに、時刻T7になると、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を高利得の状態に設定する。この結果、アンテナ切換部17から出力される受信信号は、高利得で増幅されるので、
図3(A)に示すように、A/D変換部20から出力される受信データは、信号レベルが増加した状態となる。利得可変増幅部18を高利得状態に設定した後、信号処理部14の演算部14bは、記憶部14aに記憶されている高利得区間の基準データを読み出し、A/D変換部20から出力される受信データのそれぞれから、高利得区間の基準データを減算する処理を実行する。この結果、受信データに含まれている増幅されたキャリアリークに対応する信号成分を除去することができる。すなわち、
図3(A)に示すように、A/D変換部20から出力されるDCレベルがL2の信号は、減算処理によって
図3(C)に示すようにDCレベルが略0の状態になる(破線の楕円の状態になる)。なお、時刻T7〜T12の区間は、レーダ装置の遠方に存在するターゲットからの反射波を受信する区間に該当する。
【0037】
以上のような処理は、受信アンテナ16毎に実行される。すなわち、アンテナ切換部17によって受信アンテナ16が切り換えられる毎に、高利得区間および低利得区間の基準データが取得され、レーダ検知区間において受信データから基準データを減算する処理を高利得区間および低利得区間においてそれぞれ実行する。これにより、それぞれの受信アンテナ16毎に取得した受信データによる減算処理を実行することで、受信アンテナ16の特性が個々に異なる場合であっても、特性のばらつきによる影響を低減することができる。
【0038】
つぎに、
図4を参照して、
図1に示す実施形態において実行される詳細な処理の一例について説明する。
図4に示すフローチャートが開始されると、以下のステップが実行される。
【0039】
ステップS10では、信号処理部14の制御部14dは、受信アンテナ16を切り換える処理を実行する。より詳細には、制御部14dは、アンテナ切換部17を制御し、複数の受信アンテナ16から所望のアンテナを選択する処理を実行する。
【0040】
ステップS11では、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を高利得の状態に設定する。この結果、利得可変増幅部18は、
図3(B)の時刻T2〜T3の区間に示すように、高利得の状態となる。
【0041】
ステップS12では、信号処理部14の記憶部14aは、A/D変換部20の出力O1を取得し、高利得区間の基準データO1として記憶する。
【0042】
ステップS13では、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を低利得の状態に設定する。この結果、利得可変増幅部18は、
図3(B)の時刻T3〜T4の区間に示すように、低利得の状態となる。
【0043】
ステップS14では、信号処理部14の記憶部14aは、A/D変換部20の出力O2を取得し、低利得区間の基準データO2として記憶する。
【0044】
ステップS15では、信号処理部14の制御部14dは、送信部11を制御して、パルス信号を送信させる。より詳細には、制御部14dは、変調部12を一時的にオンの状態にすることで、局部発振部10から供給されるCW信号を、
図3(A)に示すように、パルス信号として送信させる。
【0045】
ステップS16では、信号処理部14の演算部14bは、O2による減算処理を実行する。より詳細には、演算部14bは、ステップS14で取得して記憶した低利得区間の基準データO2を記憶部14aから読み出し、A/D変換部20から出力される各受信データから、基準データO2を減算する処理を実行する。この結果、キャリアリーク信号に対応する成分が受信データから除外される。
【0046】
ステップS17では、信号処理部14の制御部14dは、低利得区間であるか否かを判定し、低利得区間であると判定した場合(ステップS17:Yes)にはステップS16に戻って同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS17:No)にはステップS18に進む。より詳細には、レーダ装置の近傍に存在する物体(例えば、レーダ装置のレドームまたは車載のレーダ装置の場合にはバンパ等)によって反射された信号を受信する区間である場合には、低利得区間であると判定してステップS16に戻り、それ以外の場合にはステップS18に進む。
【0047】
ステップS18では、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を高利得の状態に設定する。この結果、利得可変増幅部18は、
図3(B)の時刻T7〜T12の区間に示すように、高利得の状態となる。
【0048】
ステップS19では、信号処理部14の演算部14bは、O1による減算処理を実行する。より詳細には、演算部14bは、ステップS12で取得して記憶した高利得区間の基準データO1を記憶部14aから読み出し、A/D変換部20から出力される各受信データから、基準データO1を減算する処理を実行する。この結果、キャリアリーク信号に対応する成分が受信データから除外される。
【0049】
ステップS20では、信号処理部14の制御部14dは、高利得区間であるか否かを判定し、高利得区間であると判定した場合(ステップS20:Yes)にはステップS19に戻って同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS20:No)にはステップS21に進む。より詳細には、レーダ装置の遠方に存在する物体(例えば、検知対象であるターゲット)によって反射された信号を受信する区間である場合には、高利得区間であると判定してステップS19に戻り、それ以外の場合にはステップS21に進む。
【0050】
ステップS21では、信号処理部14の制御部14dは、利得可変増幅部18を低利得の状態に設定する。この結果、利得可変増幅部18は、
図3(B)の時刻T12〜の区間に示すように、低利得の状態となる。
【0051】
ステップS22では、信号処理部14の制御部14dは、処理を繰り返すか否かを判定し、繰り返すと判定した場合(ステップS22:Yes)にはステップS10に戻って前述の場合と同様の処理を繰り返し、それ以外の場合(ステップS22:No)には処理を終了する。
【0052】
図4に示す処理によれば、
図2を参照して説明した動作を実現することができる。
【0053】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、A/D変換部20によってA/D変換された後の受信データに対して減算処理を施すようにしたので、回路を追加することなく、キャリアリークノイズを減少させることができる。
【0054】
また、本発明の実施形態では、レーダ検知区間を、低利得区間と高利得区間に分け、低利得区間の基準データと高利得区間の基準データを、それぞれの区間における受信データから減算するようにしたので、利得に応じてキャリアリークノイズを確実に減少させることができる。
【0055】
また、本発明の実施形態では、記憶部14aが記憶する基準データとしては、低利得区間と高利得区間の2種類だけであるので、記憶部14aの必要とされる記憶領域も少なくて済む。
【0056】
また、本発明の実施形態では、複数の受信アンテナ16毎に、低利得区間の基準データと高利得区間の基準データをそれぞれ取得して記憶部14aに記憶し、記憶されたこれらの基準データに基づいて演算部14bが減算処理を実行するようにしたので、受信アンテナ16の性能のばらつきによる影響(アンテナ間のDCレベル差等)を低減することができる。
【0057】
(C)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の実施形態では、低利得区間と高利得区間の双方で、減算処理を実行するようにしたが、これらのいずれか一方で実行するようにしてもよい。
【0058】
また、以上の実施形態では、受信データから、基準データを減算することで、キャリアリークの影響を低減するようにしたが、減算処理以外の処理でもよい。例えば、受信データを、基準データを所定倍した値によって除算するようにしたりしてもよい。もちろん、キャリアリークノイズの影響を低減する計算処理であれば、減算または除算以外の計算処理であってもよい。
【0059】
また、以上の実施形態では、減算処理としてはスカラー演算を例に挙げて説明したが、ベクトル演算処理を実行するようにしてもよい。
【0060】
また、以上の実施形態では、基準データは、パルス信号を送信する「直前」のタイミングで取得するようにしたが、例えば、同じ受信アンテナ16によって受信された「以前」のタイミングのデータを格納して用いるようにしてもよい。例えば、1つまたは2つ前の区間において受信した受信データを用いるようにしたり、複数の区間の平均値を用いるようにしたりしてもよい。
【0061】
また、以上の実施形態では、
図1に示すように、復調部19は利得可変増幅部18の後段に配置するようにしたが、例えば、
図5に示すように、復調部19を利得可変増幅部18の前段に配置するようにしてもよい。このような構成の場合であっても、
図1の場合と同様に、利得可変増幅部18の利得を高く設定する遠方における基準データを、パルス信号を送信する前のタイミングにおいて、利得可変増幅部18の利得を高く設定することで取得することができる。
【0062】
また、以上の実施形態では、
図4に示すように、低利得区間において受信される受信データと、高利得区間において受信される受信データのそれぞれに対して、即時に減算処理を実行するようにしたが、例えば、
図6に示すように、受信データを全てサンプリングした後に、一括して減算処理を実行するようにしてもよい。なお、
図6において、
図4と対応する部分には同一の符号を付してある。より詳細には、
図6に示すフローチャートでは、ステップS15においてパルス信号を送信すると、ステップS31およびステップS17のループ処理によって低利得区間の受信データをサンプリングによって取得し、ステップS32およびステップS20のループ処理によって高利得区間の受信データをサンプリングによって取得する。そして、ステップS21において利得可変増幅部18を低利得状態に設定した後、ステップS33において低利得区間の受信データに対して基準データO2による減算処理を実行し、ステップS34において高利得区間の受信データに対して基準データO1による減算処理を実行するようにしている。このような実施形態によっても、前述の
図4と同様の効果を期待することができる。
【0063】
また、以上の実施形態では、パルス信号を送信する前のタイミングで、基準データを取得して記憶部14aに記憶するようにしたが、例えば、パルス信号を送信した後のタイミングで基準データを取得して記憶部14aに記憶するようにしてもよい。より詳細には、例えば、パルス信号を送信した後であって、利得可変増幅部18の利得が低い区間(
図3の時刻T6〜T7の区間)の所定のタイミング(例えば、冒頭のタイミング)で受信データをA/D変換部20の出力データから取得して基準データO2として記憶部14aに記憶し、その後に利得可変増幅部18の利得が高い区間(
図3の時刻T7〜T12の区間)の所定のタイミング(例えば、冒頭のタイミング)で受信データをA/D変換部20の出力データから取得して基準データO1として記憶部14aに記憶する。そして、時刻T6〜T7の区間では、演算部14bが、A/D変換部20から供給されるデータから、記憶部14aに記憶されている基準データO2を減算し、演算結果を処理部14cに供給する。時刻T7〜T12の区間では、演算部14bが、A/D変換部20から供給されるデータから、記憶部14aに記憶されている基準データO1を減算し、演算結果を処理部14cに供給する。なお、基準データO1,O2を取得して記憶するタイミングとしては、時刻T6〜T7の区間の冒頭および時刻T7〜T12の区間の冒頭が望ましい。また、基準データO1,O2を、パルス信号を送信した後に取得して記憶する場合には、
図3において、パルスを送信する前に高利得区間(時刻T2〜T3の区間)を設ける必要がない。
【0064】
また、基準データO1,O2は、パルス信号を送信する前後のいずれかの区間でそれぞれ取得するようにすればよい。例えば、基準データO1はパルス信号の送信前に取得し、基準データO2はパルス信号の送信後に取得したり、逆に、基準データO1はパルス信号の送信後に取得し、基準データO2はパルス信号の送信前に取得したりするようにしてもよい。もちろん、基準データO1,O2を、パルス信号の送信の前後の双方の区間で取得し、その平均値を用いるようにしてもよい。