特許第6709020号(P6709020)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6709020光硬化性熱硬化性樹脂組成物、その硬化物およびプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6709020
(24)【登録日】2020年5月26日
(45)【発行日】2020年6月10日
(54)【発明の名称】光硬化性熱硬化性樹脂組成物、その硬化物およびプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/027 20060101AFI20200601BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20200601BHJP
   H05K 3/28 20060101ALI20200601BHJP
   C08G 59/16 20060101ALI20200601BHJP
   C08G 59/42 20060101ALI20200601BHJP
   C08L 63/10 20060101ALI20200601BHJP
   C08K 5/10 20060101ALI20200601BHJP
   C08K 5/45 20060101ALI20200601BHJP
   C08K 5/372 20060101ALI20200601BHJP
【FI】
   G03F7/027 515
   G03F7/031
   H05K3/28 D
   C08G59/16
   C08G59/42
   C08L63/10
   C08K5/10
   C08K5/45
   C08K5/372
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-32338(P2015-32338)
(22)【出願日】2015年2月20日
(65)【公開番号】特開2016-153864(P2016-153864A)
(43)【公開日】2016年8月25日
【審査請求日】2018年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】591021305
【氏名又は名称】太陽ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 昇司
【審査官】 塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−166843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004 − 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物との反応物および未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と、(d)水酸基含有モノマーとの反応物とを含み、前記未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物を含まない、無溶剤の活性エネルギー線硬化性樹脂ワニス、
(B)光重合開始剤、または光重合開始剤と増感剤との混合物、および
(C)熱硬化性成分、を含んでなる光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記(B)成分の増感剤がチオキサントン系化合物およびアミン系化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種を含む請求項1記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記(C)熱硬化性成分が、環状(チオ)エーテル基を有する化合物である請求項1または2記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を光硬化後熱硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
【請求項5】
請求項4に記載の硬化物からなる塗膜を有することを特徴とするプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化性熱硬化性樹脂組成物、その硬化物およびプリント配線板に関する。詳しくは、現像性、表面硬化性、解像性およびはんだ耐熱性に優れた、無溶剤非接触露光方式でアルカリ現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物、その硬化物およびプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プリント配線板の製造において永久皮膜に用いられるレジスト材料には、液状感光性樹脂組成物が広く用いられている。またその現像は、環境問題への配慮から、アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプが主流になっている。そして、このようなアルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプのレジスト材料としては、例えば特許文献1に、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の付加物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤及びエポキシ化合物からなる液状樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−243869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在市販されているプリント配線板製造に用いられるアルカリ現像型のフォトレジスト材料のほとんどが、塗布後、乾燥して得られるタックフリーの塗膜にネガフィルムを接触させ、露光を行う接触露光タイプの液状樹脂組成物である。しかしながら、このような接触露光タイプの液状樹脂組成物では、希釈剤として有機溶剤を用いるため、80℃前後の温度で30分程度の乾燥の工程が必要であり、かつ、乾燥時に大量の有機溶剤を大気中に放出するため、生産性、作業性を低下させると共に、作業環境や地球環境を悪化させるという問題がある。
【0005】
一方、このような問題を解決できる方法として、希釈剤として有機溶剤を用いずに液状の光重合性モノマーを用いる非接触露光タイプの液状樹脂組成物が挙げられる。しかしながら、従来の非接触露光タイプの液状樹脂組成物では、光反応における酸素による反応阻害が生じることによってレジストの表面硬化性が低下するという問題があった。
また、上述したような非接触露光タイプの液状樹脂組成物では、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の付加物に酸無水物を付加した感光性樹脂を合成する際にも無溶剤とする必要があるためにその付加反応が遅く、未反応の酸無水物が合成された樹脂ワニス中に残存する結果、樹脂ワニス中に残存してしまう未反応の酸無水物が後から加えるエポキシ樹脂などとの熱硬化反応を起こし現像性が低下するという不具合があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、上記のような非接触露光タイプの液状樹脂組成物が抱える課題を解消するためになされたものであり、その主たる目的は、非接触露光タイプの液状樹脂組成物であっても、より優れた現像性、表面硬化性および解像性を発揮し得るアルカリ現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、はんだ耐熱性等の諸特性に優れた硬化物とその硬化物からなる塗膜を有するプリント配線板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、上記目的実現に向け鋭意研究した結果、以下に示すような構成とすることで、上記課題を解決し得ることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(A)(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応させ、未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と、(d)水酸基含有モノマーとを反応させることによって前記未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物を消失させてなる活性エネルギー線硬化性樹脂ワニス、(B)光重合開始剤、または光重合開始剤と増感剤との混合物、および(C)熱硬化性成分、を含んでなることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、前記(B)成分の増感剤がチオキサントン系化合物およびアミン系化合物から選ばれるいずれか少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0010】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、前記(C)熱硬化性成分が、好ましくは環状(チオ)エーテル基を有する化合物である。
【0011】
本発明の硬化物は、上記いずれかの光硬化性熱硬化性樹脂組成物を光硬化後熱硬化させて得られることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のプリント配線板は、上記の硬化物からなる塗膜を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水酸基含有モノマーを用いることにより未反応の飽和または不飽和多塩基酸無水物を消失させているので、非接触露光タイプの液状樹脂組成物であっても、より優れた現像性、表面硬化性および解像性を発揮し得るアルカリ現像可能な光硬化性熱硬化性樹脂組成物を提供することができる。その結果、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を用いれば、はんだ耐熱性等の諸特性に優れた硬化物およびその硬化物からなる塗膜を有するプリント配線板を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】合成例1におけるフェノールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸との反応の経時的変化を示す波数と吸収ピークとの関係を示すグラフである。
図2】合成例1における水酸基と無水テトラヒドロフタル酸との反応の経時的変化を示す波数と吸収ピークとの関係を示すグラフである。
図3】合成例1におけるHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)投入後の波数と吸収ピークとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物について具体的に説明する。
本発明に係る光硬化性熱硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」とも称する。)は、(A)(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応させ、未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と、(d)水酸基含有モノマーとを反応させることによって前記未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物を消失させてなる活性エネルギー線硬化性樹脂ワニス(以下、「(A)樹脂ワニス」とも称する。)を含む。
【0016】
非接触露光タイプの液状樹脂組成物とする場合、上記(A)樹脂ワニスの合成段階から無溶剤とする必要がある。しかしながら、(A)樹脂ワニスの合成段階から無溶剤とすると、(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和又は不飽和多塩基酸無水物との反応の進行が遅くなり、その結果、上記(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物の一部が未反応の状態で(A)樹脂ワニス中に残存してしまう。この未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物が残存したまま(A)樹脂ワニスを樹脂組成物の成分として使用すると、(A)樹脂ワニスと共に組成物中に配合されるエポキシ化合物などと未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物との硬化反応が進行し、それによって樹脂組成物の現像性が低下してしまう。
この点、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(A)樹脂ワニス中に未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物が残存しないように、樹脂合成後の未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と上記(d)水酸基含有モノマーとを反応させている。これによって、(A)樹脂ワニス中に未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物が残存しないので、組成物中に配合されるエポキシ化合物などと反応することもなく、得られる樹脂組成物は、より優れた現像性、表面硬化性および解像性を発揮し得る。その結果、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、非接触露光タイプの液状樹脂組成物に好適な組成物として有効である。
【0017】
ここで、本発明では、上記(A)樹脂ワニス中の樹脂合成過程で(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と(d)水酸基含有モノマーとを反応させるのではなく、(A)樹脂ワニス中の樹脂が合成された後に、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と(d)水酸基含有モノマーとを反応させ、樹脂合成の際に残留した(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物の未反応物を消失させることが好ましい。これは、(A)樹脂ワニス中の樹脂合成過程で(d)水酸基含有モノマーを添加した場合は、先に(d)水酸基含有モノマーが(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と反応してしまい、(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物との反応が不十分となり、この(A)樹脂ワニスを用いた樹脂組成物の現像性が低下してしまうからである。
【0018】
すなわち、本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(A)樹脂ワニス中の樹脂合成過程ではなく、樹脂合成後に(d)水酸基含有モノマーを配合して未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と反応させているので、これまで以上に現像性に優れた非接触露光タイプの樹脂組成物とすることができる。
【0019】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤、または光重合開始剤と増感剤との混合物を含む。
【0020】
本発明では、光重合開始剤を単独で用いた場合でも内部は十分に硬化するが、表面硬化性をさらに向上するために、光重合開始剤と組み合わせて増感剤を併用することが好ましい。
増感剤としては、チオキサントン系化合物やアミン系化合物等が挙げられる。チオキサントン系化合物は、深部硬化性の面から好ましい。また、アミン系化合物は、ラジカル反応の阻害要因である酸素を捕捉するため、表面硬化性に優れるため、好ましい。
ここで、チオキサントン系化合物やアミン系化合物を増感剤として用いる場合には、光重合開始剤はチオキサントン系化合物およびアミン系化合物以外のものを用い、それ以外は特に限定されるものではない。
【0021】
<(A)樹脂ワニス>
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(a)ノボラック型エポキシ化合物と(b)不飽和モノカルボン酸との反応物と、(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物とを反応させ、未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物と、(d)水酸基含有モノマーとを反応させることによって未反応の(c)飽和または不飽和多塩基酸無水物を消失させてなる(A)活性エネルギー線硬化性樹脂ワニスを使用する。
【0022】
上記(A)樹脂ワニスは、多官能のノボラック型エポキシ化合物のエポキシ基と不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基のエステル化反応によって生成した水酸基にさらに飽和または不飽和多塩基酸無水物が反応したものであり、前者のエステル化反応により生成したバックボーン・ポリマーの側鎖に上記後者の反応によって多数の遊離のカルボキシル基を付与したものであるため、アルカリ水溶液による現像が可能となると同時に、現像後、塗膜を後加熱することにより、別に熱硬化性の配合成分として加えた1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と上記側鎖の遊離のカルボキシル基との間で熱硬化反応が起こり、塗膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着性、電気特性、硬度などの諸特性に優れたソルダーレジスト膜が得られる。
また、上記(A)樹脂ワニスの酸価の好適な範囲は、40〜160mgKOH/gであり、より好ましくは50〜140mgKOH/gである。酸価が40mgKOH/g以上であると、アルカリ溶解性がより良好となる。また、酸価が160mgKOH/g以下であると、硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等のレジストとしての特性が良好となるため、好ましい。
【0023】
上記(A)樹脂ワニスは、後述するノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物と、無水フタル酸などの二塩基性酸無水物あるいは無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸無水物類とを反応せしめることによって得られる。この場合、上記ノボラック型エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸との反応物の有する水酸基1個当り0.15モル以上の上記酸無水物を反応せしめた樹脂ワニスが適している。
エポキシ化合物1分子中のエチレン性不飽和結合の存在数が少ない場合には、光硬化反応が遅いため、ノボラック型エポキシ化合物を原料とすることが望ましいが、樹脂組成物の粘度を下げる目的でビスフェノールA型エポキシ化合物の使用もできる。
【0024】
上記ノボラック型エポキシ化合物の代表的なものとしては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂などがあり、常法により、それぞれのノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応せしめて得られるような化合物を用いることができる。上記不飽和モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、飽和または不飽和二塩基酸無水物と1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート類との反応物等があり、これらを単独または2種以上組み合わせて用いることができるが、光硬化性の観点から、アクリル酸またはメタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物を総称する用語であり、他の類似の表現についても同様である。
【0025】
また、上記多塩基酸無水物類としては、代表的なものとして無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸などの二塩基性酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族多価カルボン酸無水物;その他これに付随する例えば5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体などが使用できる。
【0026】
上記水酸基含有モノマーの代表的なものとしては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、N−メチロ−ルアクリルアミド、または上記アクリレートに対応する各メタクリレート類などの水溶性モノマー;及びジエチレングリコールモノアクリレート、トリエチレングリコールモノアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、ジプロピレングリコールモノアクリレート、トリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジアクリレート、グリセリントリグリシジルエーテルトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、または上記アクリレートに対応する各メタクリレート類が挙げられる。特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を用いることが、希釈性と硬化性の観点から好ましい。
【0027】
上記のような水酸基含有モノマーは、単独でまたは2種以上の混合物として用いられる。その使用量の好適な範囲は、(A)樹脂ワニス100質量部に対して5〜100質量部、好ましくは10〜30質量部となる割合である。
【0028】
ここで、水酸基含有モノマーは、上記(A)樹脂ワニスを希釈せしめ、塗布しやすい状態にするとともに、光重合性を与えるもので、水溶性モノマーおよび非水溶性モノマーのうち、水溶性モノマーの配合比率が多い場合、アルカリ水溶液への溶解性は良好となるが、極端に多用すると完全硬化したレジスト材に耐水性が無くなるため、非水溶性モノマーの併用が有効な手段となる。また、非水溶性モノマーの併用量も、あまり多くするとアルカリ水溶液に難溶となるので、非水溶性モノマーの含有量は、好ましくは(A)樹脂ワニスの100質量%以下が望ましい。中でも、水溶性モノマーの多用が後の特性も落さず有効である。
【0029】
<(B)光重合開始剤、または光重合開始剤と増感剤との混合物>
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、(B)光重合開始剤、または光重合開始剤と増感剤との混合物を使用する。光重合開始剤としては、下記の群から選択される1種以上の光重合開始剤を使用することができる。また、光重合開始剤と増感剤との混合物の例としては、下記の群から選択される1種以上の光重合開始剤と、下記の群から選択される1種以上の増感剤とを組合せた混合物を使用することができる。
【0030】
上記光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノープロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類またはキサントン類などが挙げられる。上記のような光重合開始剤の使用量の好適な範囲は、(A)樹脂ワニス100質量部に対して0.2〜30質量部、好ましくは2〜20質量部となる割合である。
【0031】
上記増感剤としては、チオキサントン系化合物およびアミン系化合物などを挙げることができる。
【0032】
チオキサントン系化合物としては、具体的には、例えば2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物は、上述の深部硬化性の面だけでなく、吸収波長が長波長側にあるため、着色剤との相性の観点からも、好ましい。
【0033】
このようなチオキサントン系化合物の配合量としては、(A)樹脂ワニス100質量部に対して、5質量部以下であることが好ましい。チオキサントン系化合物の配合量が5質量部以下であると、厚膜硬化性がより向上するとともに、製品のコストダウンに繋がる。より好ましくは2質量部以下である。
【0034】
アミン系化合物としては、具体的には、例えばエタノールアミン化合物、ジアルキルアミノベンゼン構造を有する化合物、例えば、市販品では、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(日本曹達(株)製ニッソキュアーMABP)、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学工業(株)製EAB)などのジアルキルアミノベンゾフェノン、7−(ジエチルアミノ)−4−メチル−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(7−(ジエチルアミノ)−4−メチルクマリン)などのジアルキルアミノ基含有クマリン化合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬(株)製カヤキュアーEPA)、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure DMB)、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル(インターナショナルバイオ−シンセエティックス社製Quantacure BEA)、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエチルエステル(日本化薬(株)製カヤキュアーDMBI)、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル(Van Dyk社製Esolol 507)などが挙げられる。
【0035】
このようなアミン系化合物の配合量としては、(A)樹脂ワニス100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましい。アミン系化合物の配合量が0.1質量部以上であると、より表面硬化性が向上する。また、5質量部以下であると、内部硬化性を含めた増感効果を得ると同時に塗膜物性低下を抑制することができる。より好ましくは0.1〜2質量部である。
【0036】
光重合開始剤および増感剤の総量は、(A)樹脂ワニス100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。20質量部以下であると、深部硬化性および塗膜中に残存する光重合開始剤による物性の低下を抑制できる。
【0037】
なお、これら光重合開始剤および増感剤は、特定の波長を吸収するため、場合によっては感度が低くなり、紫外線吸収剤として働くことがある。しかしながら、これらは樹脂組成物の感度を向上させることだけの目的に用いられるものではない。必要に応じて特定の波長の光を吸収させて、表面の光反応性を高め、レジストのライン形状および開口を垂直、テーパー状、逆テーパー状に変化させるとともに、ライン幅や開口径の加工精度を向上させることができる。
【0038】
<(C)熱硬化性成分>
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、耐熱性を付与するために、(C)熱硬化性成分を配合する。本発明に用いられる熱硬化性成分としては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などのアミン樹脂、ブロックイソシアネート化合物、シクロカーボネート化合物、多官能エポキシ化合物、多官能オキセタン化合物、エピスルフィド樹脂、メラミン誘導体、ビスマレイミド、オキサジン化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド樹脂などの公知慣用の熱硬化性樹脂が使用できる。特に好ましいのは分子中に2個以上の環状エーテル基および/または環状チオエーテル基(以下、環状(チオ)エーテル基と略称する。)を有する(C)熱硬化性成分である。
また、本発明の(C)熱硬化成分は、1種を単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
上記の分子中に複数の環状(チオ)エーテル基を有する熱硬化性成分は、分子中に3、4または5員環の環状(チオ)エーテル基を複数有する化合物であり、例えば、分子内に複数のエポキシ基を有する化合物、すなわち多官能エポキシ化合物、分子内に複数のオキセタニル基を有する化合物、すなわち多官能オキセタン化合物、分子内に複数のチオエーテル基を有する化合物、すなわちエピスルフィド樹脂等が挙げられる。
分子内に複数のエポキシ基を有する化合物としては、ジシクロペンタジエン(DCPD)型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、N−グリシジル型エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂などの1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物が挙げられる。あるいは、さらにこれに反応促進のため公知のエポキシ硬化促進剤を少量併用することもできる。このような(C)熱硬化性成分を配合した光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、塗布、露光、現像後、塗膜を後加熱することにより、光硬化性樹脂成分の重合促進ならびに上記(C)熱硬化性成分との共重合を通して、得られるレジスト被膜の耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐メッキ性、密着性、電気特性および硬度などの諸特性を向上せしめることができ、特にソルダーレジストとして有用である。上記のような(C)熱硬化性成分は、予め上記光硬化性樹脂組成物に混合してもよいが(一液型)、増粘し易いので、回路板ブランクへの塗布前に、使用に際して両者を混合して用いる(二液型)ことが望ましい。本発明においては、特に、ジシクロペンタジエン(DCPD)型エポキシ樹脂を使用することにより、無溶剤でも樹脂組成物の低粘度化が可能となり薄膜化によるプリント配線板の高密度化を実現できるため、好ましい。また、ジシクロペンタジエン(DCPD)型エポキシ樹脂を用いた場合は、樹脂組成物の低粘度化が可能となることによりレベリングが向上し、表面光沢が良好となる。
上記(C)熱硬化性成分の配合量は、(A)樹脂ワニスの100質量部に対して5〜100質量部、好ましくは10〜40質量部である。
【0040】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物には、さらに必要に応じて硫酸バリウム、酸化珪素、タルク、クレー、炭酸カルシウムなどの公知慣用の充填剤、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、酸化チタン、カーボンブラックなどの公知慣用の着色剤、消泡剤、密着性付与剤またはレベリング剤などの各種添加剤類、あるいはハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、ターシャリーブチルカテコール、フェノチアジンなどの公知慣用の重合禁止剤類を加えてもよい。
【0041】
本発明の光硬化性熱硬化性樹脂組成物は、例えば、プリント配線板用基板上にスクリーン印刷法、ロールコーター法、あるいはカーテンコーター法などにより全面に塗布し、レジストパターンフィルムを通して活性エネルギー線を照射し、必要部分を硬化後、アルカリ水溶液で未露光部を溶かしさり、次いで加熱硬化させることにより、目的とするソルダーレジスト皮膜を形成せしめることができる。
【0042】
上記現像に使用されるアルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。また、光硬化させるための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプまたはメタルハライドランプなどが適当である。その他、レーザー光線なども露光用活性光線として利用できる。
【実施例】
【0043】
以下、実施例および比較例を示して、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」とあるのは、特に断りのない限り全て質量基準である。
【0044】
[合成例1(樹脂ワニス1の合成)]
500cc三口セパラブルフラスコにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製D.E.N.431)を116.7g量り取り、ここにアクリル酸52.8g(1.1当量)とフェノチアジン0.07g、テトラメチルアンモニウムクロライド0.2gを加え、還流条件下、空気0.5L/minを吹き込みながら105℃で撹拌を行った。
105℃、4時間でアクリル酸のカルボキシル基の1710cm−1付近のピークが消失し、6時間後でも大きく変化がなかったため(図1参照)、この条件で反応はほぼ終了した。
次いで、無水テトラヒドロフタル酸60.8g(水酸基に対して0.6当量)を加え、100℃で6時間撹拌し反応させた後、希釈剤としてHEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)86.7gを加え、常温で液体の樹脂ワニス1を合成した。ここで水酸基と無水テトラヒドロフタル酸との反応は、酸無水物特有の1780cm−1付近および1830,1860cm−1付近のピークの消失で反応を確認し、100℃、6時間では未反応の酸無水物が確認された(図2参照)。しかし、HEA投入後には未反応の酸無水物が完全に消失したことが確認できた(図3参照)。なお、合成して得られた樹脂ワニス1の酸価は91mKOH/gであった。
【0045】
[合成例2(樹脂ワニス2の合成)]
500cc三口セパラブルフラスコにフェノールノボラック型エポキシ樹脂(ダウケミカル社製D.E.N.431)を116.7gとポリエチレングリコール#200ジアクリレート(新中村化学工業(株)製A−200)33.3gとフェノキシエチルアクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルPO)33.3gを量り取り、ここにアクリル酸52.8g(1.1当量)とフェノチアジン0.07g、テトラメチルアンモニウムクロライド0.2gを加え、還流条件下、空気0.5L/minを吹き込みながら105℃で撹拌を行った。次いで、最後にHEAを投入することを除き、合成例1と同じ方法を用いて樹脂ワニス2を合成した。
【0046】
<実施例1〜4および比較例1,2の光硬化性熱硬化性樹脂組成物の調製>
下記表1に示す各成分を表中に記載の割合(質量部)にて配合し、光硬化性熱硬化性樹脂組成物を調製した。
なお、上記で合成した樹脂ワニス1および2とエポキシ樹脂との反応により可使時間が短くなることを避けるため、光硬化性成分側の組成物と熱硬化性成分側の組成物に分け、(株)井上製作所製3本ロールミルでそれぞれの組成物を分散させた。
【0047】
<硬化塗膜の作製>
次に、調製した光硬化性成分側の組成物と熱硬化性成分側の組成物とを混合し、予め35μmの銅箔をパターンエッチングした銅張積層板上にスクリーン印刷で塗布を行い、乾燥させることなく、ウシオ電機(株)製投影露光装置UFX−2223B(ランプ2Kw)を用い、所定の光量を照射した。
その後、30℃1質量%の炭酸ナトリウム水溶液を用いスプレー圧0.2MPa/cmで60秒、循環水洗20秒、流水で20秒の条件で現像を行い、熱風循環式乾燥炉で150℃60分のポストキュアをすることにより硬化塗膜を得た。得られた光硬化性熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を用いて、特性を評価した。
【0048】
【表1】
*1:樹脂ワニス1中に、2−ヒドロキシエチルアクリレートが19.5質量部含まれている。
*2:光重合開始剤、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(BASF社製)
*3:チオキサントン系増感剤、2,4−ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)製)
*4:アミン系増感剤、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン(保土ヶ谷化学工業(株)製)
*5:硫酸バリウム、B−30(堺化学工業(株)製)
*6:FASTOGEN Blue FA5380(DIC(株)製)
*7:Cromophtal Yellow AGR(Pigment Yellow 147)(BASF社製)
*8:消泡・レベリング剤(共栄社化学(株)製)
*9:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂((株)ADEKA製)
*10:ビフェニル型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
*11:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製)
*12:多官能アクリレート(日本化薬(株)製)
【0049】
(評価方法)
<現像性>
実施例および比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、80℃で30分乾燥し、液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてスプレー圧0.2MPa/cmでソルダーレジストを溶解させすべて除去されるまでの時間を測定した。得られた結果を下記表2に示す。
〇:10秒未満
△:10秒以上、20秒未満
×:20秒以上
【0050】
<表面硬化性>
実施例および比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、パターン形成された銅箔基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、この基板に高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて所定の露光量(500mJ/cm、750mJ/cm、1000mJ/cm)でソルダーレジストパターンを露光し、露光後、レジスト表面をウエスで拭い、ウエスが着色するかで判断した。得られた結果を下記表2に示す。
〇:ウエスに汚れがつかない
△:わずかに緑色が転写
×:レジスト表面が硬化せず、液状成分でウエスが汚れた
【0051】
<銅上解像性>
実施例および比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、銅張積層板の銅箔上にスクリーン印刷で全面塗布し、露光パターンとして、ライン/スペースが30/30〜100/100μmの縦横ラインを描画させるネガを使用して、所定の光量(500mJ/cm、1000mJ/cm)を高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて照射した。露光後、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa/cmの条件で60秒間現像を行い、150℃で60分の熱硬化をすることにより硬化塗膜を得た。得られた光硬化性熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の最小残存ラインを200倍に調整した光学顕微鏡を用いて求め、これを銅上解像性とした。得られた結果を下記表2に示す。
【0052】
<基材上解像性>
実施例および比較例の光硬化性熱硬化性樹脂組成物を、銅張積層板の銅箔をエッチング除去したガラスエポキシ基材上にスクリーン印刷で全面塗布し、露光パターンとして、ライン/スペースが30/30〜100/100μmの縦横ラインを描画させるネガを使用して、1000mJ/cmの光量を高圧水銀灯(ショートアークランプ)搭載の露光装置を用いて照射した。露光後、30℃の1質量%NaCO水溶液をスプレー圧0.2MPa/cmの条件で60秒間現像を行い、150℃で60分の熱硬化をすることにより硬化塗膜を得た。得られた光硬化性熱硬化性樹脂組成物の硬化塗膜の最小残存ラインを200倍に調整した光学顕微鏡を用いて求め、これを基材上解像性とした。得られた結果を下記表2に示す。
【0053】
<はんだ耐熱性>
JIS C 60068−2−58の試験方法に従い、ロジン系フラックスを塗布した評価基板を、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒浸漬し、変性アルコールでフラックスを洗浄した後、目視によるレジスト層の膨れ・剥がれについて目視にてレジストの膨れ、剥れを確認した。得られた結果を下記表2に示す。
〇:膨れ、剥れなし
△:わずかに膨れ、剥れ発生
×:膨れ、剥れ発生
【0054】
【表2】
図1
図2
図3