【実施例】
【0145】
以降、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。なお、実施例に対応する化合物を「本発明化合物」といい、比較例に対応する化合物を「比較化合物」という。
【0146】
<実施例I−1>
本発明化合物(Ir−4)の合成
【0147】
ステップ1 化合物(A)の合成
【化22】
【0148】
3−ブロモ−2,6−ジメチルピリジン3.01g、ビス(ピナコラト)ジボロン4.30g、酢酸カリウム3.34g、および、脱水1,4−ジオキサン60mlを、三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物0.391gを加え、アルゴン雰囲気下、100℃で17時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、2Mリン酸三カリウム水溶液20ml、エタノール6ml、2−クロロ−5−エチルピリミジン2.90g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.370g、および、トリフェニルホスフィン0.676gを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後に、セライトろ過を行い、得られた濾液に酢酸エチルを加え抽出し有機層を回収した。この溶液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、化合物(A)を収率74%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/Acetone−d
6)δ:8.76(s,2H),8.14(d,1H),7.16(d,1H),2.72−2.76(m,5H),2.49(s,3H),1.31(t,3H).
【0149】
ステップ2 化合物(B)の合成
【化23】
【0150】
3塩化イリジウムn水和物0.774g、化合物(A)1.30g、および、DMF30mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、化合物(B)を収率77%で得た。
【0151】
ステップ3 (Ir−4)の合成
【化24】
【0152】
化合物(B)0.314g、化合物(A)0.516g、炭酸カリウム0.314g、および、グリセリン3mlを三口フラスコへ入れ、アルゴン雰囲気下、150℃で14時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後に、ジクロロメタンと水を加え抽出した。有機層を減圧濃縮して析出した固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタン)を用いて精製し、メリジオナル体の(Ir−4)を収率35%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.67(d,1H),8.58(d,2H),8.04(d,1H),7.84(d,1H),7.53(d,1H),6.59(s,1H),6.23(s,1H),6.08(s,1H),2.93−2.96(m,9H),2.46−2.50(m,6H),2.27−2.28(m,9H),1.07−1.13(m,9H).
【0153】
ステップ4 メリジオナル体(Ir−4)の光異性化反応
メリジオナル体である本発明化合物(Ir−4)0.5mgをジクロロメタン−d
20.75mlに溶解させ、NMRチューブに入れた。これにUVランプ(波長:365nm)を5時間照射した。
1H−NMRで分析したところ、メリジオナル体は消失し、完全にフェイシャル体(Ir−4)に光異性化していることがわかった。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.73(d,1H),7.44(d,1H),6.54(s,1H),3.00(s,3H),2.52(q,2H),2.29(s,3H),1.13(t,3H).
【0154】
<実施例I−2>
本発明化合物(Ir−38)の合成
【化25】
【0155】
化合物(B)0.061g、ナトリウムアセチルアセトナート0.0364g、および、2−エトキシエタノール15mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下で15時間加熱還流した。反応溶液を室温まで冷却し、溶媒を減圧留去し得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンと酢酸エチル)を用いて精製し、(Ir−38)を収率53%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.75(d,2H),8.46(d,2H),5.99(s,2H),5.33(s,1H),2.93(s,6H),2.75(q,4H),2.22(s,6H),1.82(s,6H),1.33(t,6H).
【0156】
<実施例I−3>
本発明化合物(Ir−52)の合成
【化26】
【0157】
化合物(B)0.051g、ピコリン酸ナトリウム0.033g、DMF15mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し、水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、(Ir−52)を収率59%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/Acetone−d
6)δ:8.71−8.75(m,3H),8.27(d,1H),7.98(t,1H),7.75(d,1H),7.39−7.44(m,2H),6.10(s,1H),5.89(s,1H),2.96(s,3H),2.94(s,3H),2.69(q,2H),2.54(q,2H),2.28(s,3H),2.23(s,3H),1.27(t,3H),1.13(t,3H).
【0158】
<実施例I−4>
本発明化合物(Ir−60)の合成
【化27】
【0159】
化合物(B)0.072g、ピリジン−2−スルホン酸0.091g、炭酸カリウム0.080g、および、DMF20mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶し、(Ir−60)を収率47%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:9.06(s,1H),8.78(t,1H),8.72(s,1H),8.02−8.07(m,2H),7.71(s,1H),7.64(d,1H),7.38(t,1H),6.02(s,1H),5.81(s,1H),2.96(s,3H),2.92(s,3H),2.73(q,2H),2.60(q,2H),2.27(s,3H),2.21(s,3H),1.30(t,3H),1.18(t,3H).
【0160】
<実施例I−5>
本発明化合物(Ir−67)の合成
【化28】
【0161】
化合物(B)0.309g、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.128g、メタノール5ml、および、ジクロロメタン10mlを三口フラスコへ入れ、アルゴン雰囲気下、50℃で5時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後に、セライトろ過を行い、溶媒を減圧留去した。ここへ、2−フェニルピリジン0.104g、メタノール5ml、および、エタノール10mlを加え、アルゴン雰囲気下、80℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後に、溶媒を減圧留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、メリジオナル体の(Ir−67)を収率70%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.54(t,2H),8.05(d,1H),7.98(d,1H),7.85(t,1H),7.78(d,1H),7.70−7.75(m,1H),7.60(d,1H),6.96−7.04(m,3H),6.82(dd,1H),6.31(s,1H),6.17(s,1H),2.98(s,3H),2.94(s,3H),2.38−2.51(m,4H),2.30−2.30(m,6H),1.08(t,3H),1.02(t,3H).
【0162】
ステップ2 メリジオナル体(Ir−67)の光異性化反応
メリジオナル体である本発明化合物(Ir−67)0.5mgをジクロロメタン−d
20.75mlに溶解させ、NMRチューブに入れた。これにUVランプ(波長:365nm)を7時間照射した。
1H−NMRで分析したところ、メリジオナル体は消失し、完全にフェイシャル体(Ir−67)に光異性化していることがわかった。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.72(d,1H),8.68(d,1H),7.98(d,1H),7.71−7.76(m,2H),7.54(d,1H),7.44−7.47(m,2H),6.97−7.00(m,2H),6.86(t,1H),6.70(t,1H),6.58(s,2H),3.00(s,3H),2.98(s,3H),2.48−2.54(m,4H),2.27(s,3H),2.25(s,3H),1.15(t,3H),1.09(t,3H).
【0163】
<実施例I−6>
本発明化合物(Ir−42)の合成
【0164】
ステップ1 化合物(C)の合成
【化29】
【0165】
5−ブロモ−2−メチルピリジン3.09g、ビス(ピナコラト)ジボロン4.87g、酢酸カリウム5.64g、および、脱水1,4−ジオキサン100mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物0.213gを加え、アルゴン雰囲気下、100℃で20時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却させた後、2Mリン酸三カリウム水溶液40ml、トルエン40ml、2−クロロ−5−エチルピリミジン2.44g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.407g、および、トリフェニルホスフィン0.744gを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で17時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却させた後にセライトろ過を行い、濾液へ酢酸エチルを加え抽出し、有機層を回収した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)を用いて精製し、さらに減圧蒸留することで化合物(C)を収率82%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:9.49(d,1H),8.64(s,2H),8.54(dd,1H),7.26(d,1H),2.69(q,2H),2.63(s,3H),1.32(t,3H).
【0166】
ステップ2 化合物(D)の合成
【化30】
【0167】
3塩化イリジウムn水和物0.271g、化合物(C)0.301g、DMF15ml、および、炭酸カリウム0.271gをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却後に、溶媒を減圧留去した。得られた生成物をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、化合物(D)を収率67%で得た。
【0168】
ステップ3 (Ir−42)の合成
【化31】
【0169】
化合物(D)0.159g、アセチルアセトン0.147g、炭酸カリウム0.313g、および、DMF20mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去し水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとメタノール)を用いて精製し、(Ir−42)を収率5%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/アセトン−d
6)δ:8.84(d,2H),8.73(s,2H),8.55(d,2H),6.20(s,2H),5.36(s,1H),2.83(q,4H),2.18(s,6H),1.77(s,6H),1.33(t,6H).
【0170】
<実施例I−7>
本発明化合物(Ir−53)の合成
【化32】
【0171】
化合物(D)0.20g、ピコリン酸0.20g、炭酸カリウム0.22g、および、DMF40mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し、水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、(Ir−53)を収率45%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2CL
2)δ:8.87(d,2H),8.74(d,1H),8.69(dd,2H),8.30(d,1H),8.01(t,1H),7.80(d,1H),7.45−7.49(m,1H),7.34(d,1H),6.31(s,1H),6.17(s,1H),2.72(q,2H),2.56(q,2H),2.38(s,3H),2.36(s,3H),1.29(t,3H),1.14(t,3H).
【0172】
<実施例I−8>
本発明化合物(Ir−47)の合成
【0173】
ステップ1 化合物(E)の合成
【化33】
【0174】
5−ブロモ−2−ターシャル−ブチルピリミジン3.67g、ビス(ピナコラト)ジボロン4.54g、酢酸カリウム5.36g、および、脱水1,4−ジオキサン100mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物0.263gを加え、アルゴン雰囲気下、100℃で17時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、2Mリン酸三カリウム水溶液30mL、トルエン20mL、2−クロロ−4−メチルピリミジン2.32g、および、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.314gを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後にセライトろ過を行い、濾液へ酢酸エチルを加え抽出した。有機層を減圧濃縮し得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、化合物(E)を収率87%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:9.60(s,2H),8.65(d,1H),7.11(d,1H),2.59(s,3H),1.47(s,9H).
【0175】
ステップ2 化合物(F)の合成
【化34】
【0176】
3塩化イリジウムn水和物0.071g、化合物(E)0.10g、炭酸カリウム0.060g、および、DMF20mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を3分間照射した。室温まで冷却し、炭酸カリウム0.136gを加え、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、化合物(F)を収率67%で得た。
【0177】
ステップ3 (Ir−47)の合成
【化35】
【0178】
化合物(F)0.739g、アセチルアセトン0.535g、炭酸カリウム0.731g、および、DMF80mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を40分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、(Ir−47)を収率40%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/アセトン−d
6)δ:8.65(d,2H),8.55(s,2H),7.43(d,2H),5.35(s,1H),2.76(s,6H),1.80(s,6H),1.06(s,18H).
【0179】
<実施例I−9>
本発明化合物(Ir−49)の合成
【0180】
【化36】
【0181】
化合物(F)0.1533g、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.0615g、アセトニトリル5ml、ジクロロメタン10mlを三口フラスコに入れ、50℃で3時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却し、セライトろ過した。濾液を減圧濃縮した。ここへ、トリフルオロアセチルアセトン0.0456g、炭酸カリウム0.1356g、および、エタノール10mlを入れ、アルゴンガス雰囲気下、50℃で5時間加熱反応させた。溶媒を減圧濃縮し得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタン)を用いて精製し、(Ir−49)を収率18%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.57(s,2H),8.42(d,1H),8.40(d,1H),7.18(d,1H),7.16(d,1H),5.72(s,1H),2.76(s,6H),2.01(s,3H),1.07(s,18H).
【0182】
<実施例I−10>
本発明化合物(Ir−59)の合成
【化37】
【0183】
化合物(F)0.61g、ピコリン酸0.60g、炭酸カリウム0.60g、および、DMF100mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し、水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)により精製し、(Ir−59)を収率45%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.66−8.72(m,3H),8.29(d,1H),7.99(dd,1H),7.83(d,1H),7.63(d,1H),7.48(dd,1H),7.14(d,1H),6.97(d,1H),2.71(s,3H),2.70(s,3H),1.15(s,9H),1.10(s,9H).
【0184】
<実施例I−11>
本発明化合物(Ir−22)の合成
【化38】
【0185】
酢酸イリジウム(ChemPur GmbH製)0.101g、化合物(E)0.3722g、および、ジエチレングリコール20mlを三口フラスコに入れ、アルゴン雰囲気下、235℃で12時間、加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却させた後、得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、メリジオナル体の(Ir−22)を収率15%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.87(s,1H),8.81(s,1H),8.65(s,1H),8.14(d,1H),7.88(d,1H),7.75(d,1H),6.97(d,1H),6.85(d,1H),6.82(d,1H),2.63(s,3H),2.61(s,6H),1.26(s,9H),1.18(s,18H).
【0186】
<実施例I−12>
本発明化合物(Ir−48)の合成
【0187】
ステップ1 化合物(G)の合成
【化39】
【0188】
5−ブロモ−2−ターシャル−ブチルピリミジン3.87g、ビス(ピナコラト)ジボロン5.48g、酢酸カリウム2.11g、および、脱水1,4−ジオキサン50mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物0.602gを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で5時間加熱反応させた。室温まで冷却し、セライトろ過を行った後、溶媒を減圧留去させた。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、反応中間体を2.68g得た。この反応中間体2.68g、2Mリン酸三カリウム水溶液20mL、トルエン30mL、エタノール10mL、2−クロロ−5−エチルピリミジン1.29gを三口フラスコへ入れ、アルゴンガスを30分間通気した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.588gを入れ、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後にセライトろ過を行い、濾液へ酢酸エチルを加え抽出した。有機層を減圧濃縮し得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンと酢酸エチル)を用いて精製し、化合物(G)を収率73%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:9.57(s,2H),8.69(s,2H),2.71(q,2H),1.46(s,3H),1.32(t,9H).
【0189】
ステップ2 化合物(H)の合成
【化40】
【0190】
3塩化イリジウムn水和物0.877g、化合物(G)1.20g、および、DMF50mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。さらに反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、化合物(H)を収率77%で得た。
【0191】
ステップ3 (Ir−48)の合成
【化41】
【0192】
化合物(H)0.120g、ナトリウムアセチルアセトナート0.0414g、および、2−エトキシエタノール15mlを三口フラスコへ入れ、アルゴン雰囲気下、120℃で17時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後に、反応溶液を濃縮し、水を入れ、析出物をろ過により回収した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンと酢酸エチル)を用いて精製し、(Ir−48)を収率60%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/アセトン−d
6)δ:8.85(d,2H),8.67(d,2H),8.53(s,2H),5.36(s,1H),2.85(q,4H),1.35(t,6H),1.81(s,6H),1.05(s,18H).
【0193】
<実施例I−13>
本発明化合物(Ir−56)の合成
【化42】
【0194】
化合物(H)0.100g、アセトニトリル10ml、および、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.0381gを三口フラスコへ入れ、アルゴン雰囲気下、50℃で3時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却後に、セライトろ過を行い、濾液を減圧濃縮した。ここへピコリン酸ナトリウム0.0422g、アセトニトリル10mlを加え、アルゴン雰囲気下、5時間加熱還流させた。反応溶液を室温まで冷却後に、溶媒を減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、(Ir−56)を収率19%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.77(d,1H),8.64−8.67(m,4H),8.31(d,1H),8.01(dd,1H),7.82(d,1H),7.61(d,1H),7.49(dd,1H),2.72(q,2H),2.52−2.60(m,2H),1.32(t,3H),1.17(t,3H),1.14(s,9H),1.08(s,9H).
【0195】
<実施例I−14>
本発明化合物(Ir−61)の合成
【化43】
【0196】
化合物(H)0.061g、ピリジン−2−スルホン酸0.0265g、炭酸ナトリウム0.0158g、および、DMF15mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、ろ過した。濾液を減圧濃縮し析出した固体をジクロロメタンに溶解し、不溶物をろ過により除去した。濾液を減圧濃縮して得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとメタノール)で精製し、(Ir−61)を収率48%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/アセトン−d
6)δ:9.15(d,1H),8.89(dd,2H),8.61(d,2H),8.27(t,1H),8.17(s,1H),8.08(d,1H),7.88(d,1H),7.68(t,1H),2.83(q,2H),2.68(q,2H),1.35(t,6H),1.05(s,18H).
【0197】
<
参考例I−15>
本発明化合物(Ir−62)の合成
【0198】
ステップ1 化合物(I)の合成
【化44】
【0199】
2−クロロ−5−エチルピリミジン0.679g、2,6−ジメトキシピリジン−3−ボロン酸MIDAエステル1.406g、2Mリン酸三カリウム水溶液10ml、および、ジオキサン60mlを、三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.291gを加え、アルゴン雰囲気下、60℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、セライトろ過を行い、得られた濾液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、化合物(I)を収率69%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.65(s,2H),8.18(d,1H),6.43(d,1H),4.06(s,3H),3.98(s,3H),2.67(q,2H),1.31(t,3H).
【0200】
ステップ2 化合物(J)の合成
【化45】
【0201】
3塩化イリジウムn水和物0.294g、化合物(I)0.402g、炭酸カリウム0.068g、および、DMF30mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を5分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、炭酸カリウム0.250gを加え、マイクロ波(2450MHz、700W)をさらに25分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、化合物(J)を収率67%で得た。
【0202】
ステップ3 (Ir−62)の合成
【化46】
【0203】
化合物(I)0.308g、ピコリン酸0.266g、炭酸カリウム0.301g、および、DMF40mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとメタノール)を用いて精製し、(Ir−62)を収率40%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:8.67(d,1H),8.63(d,1H),8.59(d,1H),8.25(d,1H),7.95(dd,1H),7.89(d,1H),7.42(dd,1H),7.26(d,1H),5.37(s,1H),5.18(s,1H),4.05(s,3H),4.02(s,3H),3.81(s,3H),3.77(s,3H),2.63(q,2H),2.45(q,2H),1.23(t,3H),1.08(t,3H).
【0204】
<
参考例I−16>
本発明化合物(Ir−65)の合成
【0205】
ステップ1 化合物(K)の合成
【化47】
【0206】
2−クロロ−4−メチルピリミジン0.0799g、2,6−ジメトキシ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオギザボロラン−2−イル)ピリジン0.151g、2M炭酸カリウム水溶液20ml、SPhos0.0091g、および、トルエン20mlを、三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0051g、を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で17時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、セライトろ過を行い、得られた濾液を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとヘキサン)を用いて精製し、化合物(K)を収率85%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.66(d,1H),8.16(d,1H),7.01(d,1H),6.42(d,1H),4.04(s,3H),3.98(s,3H),2.57(s,3H).
【0207】
ステップ2 化合物(L)の合成
【化48】
【0208】
3塩化イリジウムn水和物0.339g、化合物(K)0.434g、炭酸カリウム1.03g、および、DMF40mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧濃縮した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、化合物(L)を収率78%で得た。
【0209】
ステップ3 (Ir−65)の合成
【化49】
【0210】
化合物(L)0.401g、ピコリン酸0.358g、炭酸カリウム0.403g、DMF40mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧濃縮し、水を加えた。析出した生成物をろ過により回収し、ジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶し、さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとメタノール)を用いて精製し、(Ir−65)を収率86%で得た。
1H−NMR(400MHz/CD
2CL
2)δ:8.53(d,1H),8.21(d,1H),7.92(t,1H),7.85(d,1H),7.38(dd,1H),7.34(d,1H),6.88(d,1H),6.71(d,1H),5.42(s,1H),5.24(s,1H),4.04(s,3H),4.02(s,3H),3.82(s,3H),3.78(s,3H),2.68(s,3H),2.65(s,3H).
【0211】
<
参考例I−17>
本発明化合物(Ir−25)の合成
【0212】
ステップ1 化合物(M)の合成
【化50】
【0213】
2−ブロモ−ピリミジン8.02g、2,6−ジメトキシ−3−ピリジンボロン酸9.95g、2M炭酸カリウム水溶液120mlおよびテトラヒドロフラン100mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)3.86g、を加え、アルゴン雰囲気下、70〜77℃で45時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、有機層を回収し、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)を用いて精製し、化合物(M)を収率32%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.82(d,2H),8.24(d,1H),7.15(t,1H),6.44(d,1H),4.06(s,3H),3.99(s,3H).
【0214】
ステップ2 化合物(N)の合成
【化51】
【0215】
3塩化イリジウムn水和物1.86g、化合物(M)2.50g、DMF50ml、および純水10mlをフラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、500W)を45分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。これにメタノールおよび純水を投入後、これをろ過、純水で洗浄した。得られた固体をジクロロメタンに溶解させ、10%炭酸カリウム水溶液を用いて洗浄した後、有機層を回収し減圧留去した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、化合物(N)を収率73%で得た。
【0216】
ステップ3 (Ir−25)の合成
【化52】
【0217】
化合物(N)0.60g、化合物(M)4.98gおよびジグリム46mlを三口フラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガス雰囲気下、180℃で48時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。これにジエチルエーテル50ml投入し分散後、セライトろ過を行った。さらに、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとアセトン)を用いて精製し、粗生成物を0.172gを得た。この粗生成物0.105gを取り出し、THF100ml、純水25mlを投入した後、アルゴン雰囲気下、高圧水銀灯(400W)を用いて紫外可視光(>300nm)を45分間照射した。溶媒を減圧留去し、エタノールを投入し固体をろ過にて回収した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、フェイシャル体の(Ir−25)を収率10.1%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.78(dd,3H),7.59(dd,3H),6.75(t,3H),5.99(s,3H),4.10(s,9H),3.81(s,9H).
【0218】
<
参考例I−18>
本発明化合物(Ir−50)の合成
【0219】
ステップ1 化合物(O)の合成
【化53】
【0220】
2−クロロ−5−エチルピリミジン2.44g、2,6−ジメトキシ−3−ピリジンボロン酸5.00g、2M炭酸カリウム水溶液60mlおよびテトラヒドロフラン50mlを、三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)3.86g、を加え、アルゴン雰囲気下、70〜77℃で23時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、有機層を回収し、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、化合物(O)を収率99%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.66(s,2H),8.19(d,1H),6.43(d,1H),4.06(s,3H),3.99(s,3H),2.67(q,2H),1.31(t,3H).
【0221】
ステップ2 化合物(P)の合成
【化54】
【0222】
3塩化イリジウムn水和物1.86g、化合物(M)2.86g、DMF60mlおよび純水12mlをフラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、500W)を40分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。これに純水を投入し、懸濁液をろ過、純水で洗浄し、化合物(P)を収率83%で得た。
【0223】
ステップ3 (Ir−50)の合成
【化55】
【0224】
化合物(P)1.42g、(2,4−ペンタンジオナト)ナトリウム0.38gおよび2−エトキシエタノール75mlを三口フラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、500W)を15分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。これに純水50ml投入し懸濁させ、ろ過にて固体を回収した。ジクロロメタンに溶解後、活性アルミナを充填したカラムを通し、溶媒を減圧留去した。これをメタノールに懸濁させ、ろ過し、(Ir−50)を収率58%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.71(d,2H),8.35(d,2H),5.31(s,2H),5.23(s,1H),4.07(s,6H),3.75(s,6H),2.68(q,4H),1.79(s,6H),1.29(t,6H).
【0225】
<
参考例I−19>
本発明化合物(Ir−51)の合成
【化56】
【0226】
化合物(N)0.54g、(2,4−ペンタンジオナト)ナトリウム0.15gおよび2−エトキシエタノール25mlを三口フラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、400W)を15分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。これにメタノール10ml,純水10mlを投入し懸濁させ、ろ過にて固体を回収した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶させ、(Ir−51)を収率62%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.84(dd,2H),8.51(dd,2H),7.01(t,2H),5.32(s,2H),5.22(s,1H),4.08(s,6H),3.76(s,6H),1.79(s,6H).
【0227】
<
参考例I−20>
本発明化合物(Ir−66)の合成
【化57】
【0228】
化合物(N)0.38g、ピコリン酸ナトリウム0.10gおよび2−エトキシエタノール20mlを三口フラスコに入れ、ジムロート冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、300W)を7分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させ、溶媒を減圧留去した。これに純水15mlを投入し懸濁させた後、ろ過にて固体を回収した。これをジクロロメタンとヘキサンを用いて3回再結晶させ、(Ir−66)を収率74%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.82−8.85(m,2H),8.78(d,1H),8.33(d,1H),7.95(t,1H),7.88(d,1H),7.49−7.52(m,1H),7.42(t,1H),7.01(t,1H),6.80(t,1H),5.44(s,1H),5.25(s,1H),4.13(s,3H),4.08(s,3H),3.84(s,3H),3.79(s,3H).
【0229】
<
参考例I−21>
本発明化合物(Ir−81)の合成
【化58】
【0230】
化合物(N)1.52g、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.62g、メタノール100mlおよびジクロロメタン150mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガス雰囲気下、室温で36時間反応させた。反応溶液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去した。ここへ2−フェニルピリジン0.37g、メタノール9mlおよびエタノール21mlを加え、アルゴン雰囲気下、85℃〜90℃で27時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却させた後に、溶媒を減圧留去した。これにジクロロメタンを100ml加え、セライトろ過し、ろ液を10%炭酸カリウム水溶液で洗浄した後、有機層を回収し減圧留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタンとメタノール)を用いて精製し、メリジオナル体の(Ir−81)を収率1.6%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.60−8.64(m,2H),8.13(dd,1H),7.95(d,1H),7.92(d,1H),7.73(d,1H),7.63−7.69(m,2H),6.98−7.04(m,3H),6.93(t,1H),6.61(q,2H),5.69(s,1H),5.47(s,1H),4.12(d,6H),3.84(s,3H),3.81(s,3H).
【0231】
<
参考例I−22>
本発明化合物(Ir−72)の合成
【化59】
【0232】
【化60】
【0233】
化合物(R)0.509g、化合物(E)0.294g、トリフルオロメタンスルホン酸銀0.267g、エタノール20ml、および、ジクロロメタン10mlを三口フラスコへ入れ、アルゴン雰囲気下、62時間加熱還流させた。反応溶液を室温まで冷却後に減圧留去した。これをジクロロメタンに溶解させ、セライトろ過を行った。濾液に10%炭酸水素ナトリウム水溶液を加え洗浄した。溶媒を減圧留去した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとメタノール)を用いて精製し、メリジオナル体の(Ir−72)を収率70%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CD
2Cl
2)δ:9.35(s,1H),8.19(d,1H),8.16(d,1H),8.12(d,1H),7.37−7.42(m,2H),7.24(d,1H),7.10−7.16(m,3H),7.03(dd,2H),6.96(d,1H),6.51−6.63(m,4H),2.75(s,3H),1.30(s,9H).
【0234】
<実施例I−23>
本発明化合物(Ir−46)の合成
【0235】
ステップ1 化合物(S)の合成
【化61】
【0236】
5−ブロモ−2−ターシャル−ブチルピリミジン0.936g、ビス(ピナコラト)ジボロン1.22g、酢酸カリウム1.45g、および、脱水1,4−ジオキサン20mlを三口フラスコに入れ、アルゴンガスを通気した後、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物0.0575gを加え、アルゴン雰囲気下、100℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後、2Mリン酸三カリウム水溶液20mL、トルエン20mL、2−クロロ−N,N,5−トリメチルピリミジン−4−アミン0.414g、および、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.0554g、SPhos0.0796gを加え、アルゴン雰囲気下、110℃で24時間加熱反応させた。反応溶液を室温まで冷却した後にセライトろ過を行い、濾液へ酢酸エチルを加え抽出した。有機層を減圧濃縮し得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタン)を用いて精製し、化合物(S)を収率42%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:9.55(s,2H),8.10(s,1H),3.18(s,6H),2.34(s,3H),1.46(9H).
【0237】
ステップ2 化合物(T)の合成
【化62】
【0238】
3塩化イリジウムn水和物0.0603g、化合物(S)0.102g、炭酸カリウム0.077g、および、DMF15mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンとヘキサンを用いて再結晶を行い、化合物(T)を収率86%で得た。
【0239】
ステップ3 (Ir−46)の合成
【化63】
【0240】
化合物(T)0.107g、アセチルアセトン0.0771g、炭酸カリウム0.0947g、および、DMF15mlをフラスコに入れ、アリーン冷却器を取り付け、アルゴンガスを通気しながら、マイクロ波(2450MHz、700W)を30分間照射した。反応溶液を室温まで冷却させた後、溶媒を減圧留去した。得られた固体をジクロロメタンで溶解し、水で洗浄後に、溶液を減圧留去した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチルとジクロロメタン)を用いて精製し、(Ir−46)を収率30%で得た。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMRのデータを以下に示す。
1H−NMR(400MHz/CDCl
3)δ:8.43(s,2H),7.86(s,2H),5.23(s,1H),3.25(s,12H),2.35(s,6H),1.88(s,6H),1.09(s,18H).
【0241】
次に本発明に係るイリジウム錯体の溶液中の発光特性について記載する。
【0242】
<実施例II−1>
本発明化合物(Ir−4)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−4)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:507nm)を示した。発光量子収率は0.62であった。
【0243】
<
参考例II−2>
本発明化合物(Ir−25)のクロロホルム中の発光特性
本発明化合物(Ir−25)をクロロホルムに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:492nm)を示した。発光量子収率は0.78であった。
【0244】
<実施例II−3>
本発明化合物(Ir−38)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−38)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:496nm)を示した。発光量子収率は0.83であった。
【0245】
<実施例II−4>
本発明化合物(Ir−42)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−42)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:489nm)を示した。発光量子収率は0.62であった。
【0246】
<実施例II−5>
本発明化合物(Ir−47)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−47)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:475,504nm)を示した。発光量子収率は0.55であった。
【0247】
<実施例II−6>
本発明化合物(Ir−48)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−48)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:476,504nm)を示した。発光量子収率は0.55であった。
【0248】
<
参考例II−7>
本発明化合物(Ir−50)のクロロホルム中の発光特性
本発明化合物(Ir−50)をクロロホルムに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:481,504nm)を示した。発光量子収率は0.85であった。
【0249】
<
参考例II−8>
本発明化合物(Ir−51)のクロロホルム中の発光特性
本発明化合物(Ir−51)をクロロホルムに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:478,500nm)を示した。発光量子収率は0.80であった。
【0250】
<実施例II−9>
本発明化合物(Ir−52)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−52)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青緑色発光(発光極大波長:480nm)を示した。発光量子収率は0.87であった。
【0251】
<実施例II−10>
本発明化合物(Ir−53)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−53)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、
図1に示すように、青色発光(発光極大波長:471,497nm)を示した。発光量子収率は0.72であった。
【0252】
<実施例II−11>
本発明化合物(Ir−56)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−56)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:462,494nm)を示した。発光量子収率は0.53であった。
【0253】
<実施例II−12>
本発明化合物(Ir−59)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−59)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、
図2に示すように、青色発光(発光極大波長:462,491nm)を示した。発光量子収率は0.53であった。
【0254】
<実施例II−13>
本発明化合物(Ir−60)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−60)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:470,500nm)を示した。発光量子収率は0.03であった。
【0255】
<実施例II−14>
本発明化合物(Ir−61)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−61)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:457,489nm)を示した。発光量子収率は0.03であった。
【0256】
<
参考例II−15>
本発明化合物(Ir−62)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−62)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:473,498nm)を示した。発光量子収率は0.88であった。
【0257】
<
参考例II−16>
本発明化合物(Ir−65)のTHF中の発光特性
本発明化合物(Ir−65)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:462,489nm)を示した。発光量子収率は0.81であった。
【0258】
<
参考例II−17>
本発明化合物(Ir−66)のクロロホルム中の発光特性
本発明化合物(Ir−66)をクロロホルムに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:463,489nm)を示した。発光量子収率は0.83であった。
【0259】
<比較例II−1>
比較化合物(A)のTHF中の発光特性
国際公開第2011/024737号公報(特許文献5)に記載の比較化合物(A)をTHFに溶解させ、アルゴンガスを通気した後、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:350nm)を測定したところ、緑色発光(発光極大波長:532nm)を示した。発光量子収率は0.67であった。
【化64】
【0260】
本発明化合物(Ir−42)および(Ir−48)と、比較化合物(A)の発光極大波長を比較すると、表8に示すように、本発明化合物の発光は43〜56nmブルーシフトしていることがわかる。したがって、本発明化合物の方が青色発光材料として優れていることが明らかとなった。
【表8】
【0261】
次に本発明に係るイリジウム錯体の薄膜中での発光特性について記載する。
【0262】
<実施例III−1>
本発明化合物(Ir−47)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−47)と1,3-ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(以降、mCPという)とを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:472,502nm)を示した。発光量子収率は0.89であった。
【0263】
<
参考例III−2>
本発明化合物(Ir−51)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−51)とmCPとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:474,499nm)を示した。発光量子収率は0.89であった。
【0264】
<実施例III−3>
本発明化合物(Ir−52)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−52)とmCPとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:474,501nm)を示した。発光量子収率は0.90であった。
【0265】
<実施例III−4>
本発明化合物(Ir−53)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−53)とmCPとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、
図3に示すように、青色発光(発光極大波長:468,496nm)を示した。発光量子収率は0.88であった。
【0266】
<実施例III−5>
本発明化合物(Ir−59)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−59)とmCPとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、
図4に示すように、青色発光(発光極大波長:460,489nm)を示した。発光量子収率は0.62であった。
【0267】
<実施例III−6>
本発明化合物(Ir−59)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−59)と2,7−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−カルバゾールとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:462,489nm)を示した。発光量子収率は0.74であった。
【0268】
<
参考例III−7>
本発明化合物(Ir−66)の薄膜中の発光特性
本発明のイリジウム錯体(Ir−66)とmCPとを、真空度1×10
−4Paで、石英基板上に5:95(質量濃度比)で共蒸着(30nm)し、浜松ホトニクス株式会社製の絶対PL量子収率測定装置(C9920)を用いて、室温での発光スペクトル(励起波長:340nm)を測定したところ、青色発光(発光極大波長:465,492nm)を示した。発光量子収率は0.72であった。
【0269】
次に本発明に係る一般式(1)で表されるイリジウム錯体を用いて作製した有機電界発光素子の特性について記載する。
【0270】
本実施例で使用した化合物(E−1)〜(E−9)の構造式を以下に示す。
【0271】
【化65】
【0272】
<実施例IV−1>
本発明化合物(Ir−47)を用いて作製した有機電界発光素子の特性評価
陽極として、酸化錫インジウム(ITO)を100nmの膜厚で線幅2mmの櫛形にパターニングして成膜された無アルカリガラス基板(厚木ミクロ社製)を透明導電性支持基板として用いた。これを超純水、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。次いで、UV/オゾン洗浄したものを透明導電性支持基板として使用した。
【0273】
上記透明導電性支持基板上に、以下の有機層(正孔注入層、正孔輸送層、ホスト材料層、発光層、正孔阻止層および電子輸送層)を1×10
−4Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着で順次製膜し、次いでマスク交換して線幅2mmの電極層(電子注入層および金属電極層)を順次製膜して、有機電界発光素子を作製した。次いで、素子が大気に曝されないよう窒素雰囲気のグローブボックス内で封止する作業を行った。厚さ3mmのガラス板の中央部に1.5mmの掘り込みを付けた封止ガラス(泉陽商事社製)の周囲にUV硬化性エポキシ樹脂デナタイトR(ナガセケミテック社製)を塗布して蒸着済素子に被せ圧着した後、素子部分をアルミニウム板で覆ってマスキングしシャッター付きUV照射装置で1分間照射後1分間遮蔽のサイクルを5回繰り返して封止した。
【0274】
正孔注入層(10nm):化合物(E−1)
第1正孔輸送層(40nm):化合物(E−2)
第2正孔輸送層(10nm):化合物(E−3)
発光層(20nm):本発明化合物(Ir−47)(質量濃度15%)と化合物(E−3)(質量濃度85%)とを共蒸着
正孔阻止層(10nm):化合物(E−4)
電子輸送層(30nm):化合物(E−5)
電子注入層(1nm):化合物(E−6)
金属電極層(100nm):Al
【0275】
得られた有機電界発光素子を浜松ホトニクス社製のEL外部量子収率計測用積分球ユニットA10094のサンプルホルダーにセットし、Keithley社製ソースメーター2400を用いて、直流定電圧を印加し、発光させ、その輝度、発光波長およびCIE色度座標を、浜松ホトニクス社製マルチチャンネル分光器PMA−12を用いて測定した。その結果、CIE色度が(x,y)=(0.21,0.44)、発光ピーク波長が475,503nmの青色発光が得られ、最高輝度は34500cd/m
2、外部量子効率は4.8%(1000cd/cm
2のとき)の発光特性が得られた。
【0276】
<実施例IV−2>
本発明化合物(Ir−52)を用いて作製した有機電界発光素子の特性評価
実施例IV−1で用いた本発明化合物(Ir−47)の代わりに本発明化合物(Ir−52)を用いて、本発明化合物(Ir−52)と化合物(E−3)との質量濃度をそれぞれ5%と95%に変更した以外は、同様に有機電界発光素子を作製し、特性評価を行った。その結果、CIE色度が(x,y)=(0.18,0.42)、発光ピーク波長が477,503nmの青色発光が得られ、最高輝度は30300cd/m
2、外部量子効率は4.9%(1000cd/cm
2のとき)の発光特性が得られた。
【0277】
<実施例IV−3>
本発明化合物(Ir−53)を用いて作製した有機電界発光素子の特性評価
実施例IV−1で用いた本発明化合物(Ir−47)の代わりに本発明化合物(Ir−53)を用いて、本発明化合物(Ir−53)と化合物(E−3)との質量濃度をそれぞれ5%と95%に変更した以外は、同様に有機電界発光素子を作製し、特性評価を行った。その結果、CIE色度が(x,y)=(0.18,0.39)、発光ピーク波長が469,497nmの青色発光が得られ、最高輝度は21000cd/m
2、外部量子効率は5.4%(1000cd/cm
2のとき)の発光特性が得られた。
【0278】
<実施例IV−4>
本発明化合物(Ir−59)を用いて作製した有機電界発光素子の特性評価
実施例IV−1の発光素子を以下のような構成に変更し、同様に有機電界発光素子を作製し、特性評価を行った。
【0279】
正孔注入層(10nm):化合物(E−1)
第1正孔輸送層(30nm):化合物(E−7)
第2正孔輸送層(10nm):化合物(E−3)
発光層(30nm):本発明化合物(Ir−59)(質量濃度15%)と化合物(E−8)(質量濃度85%)とを共蒸着
電子輸送層(30nm):化合物(E−9)
電子注入層(1nm):化合物(E−6)
金属電極層(100nm):Al
【0280】
その結果、CIE色度が(x,y)=(0.17,0.31)、
図5に示すように発光ピーク波長が462,490nmの青色発光が得られ、最高輝度は4720cd/m
2、外部量子効率は10.1%(1000cd/m
2のとき)の発光特性が得られた。
【0281】
以上述べてきたように、本発明に係わる一般式(1)で表されるイリジウム錯体は、熱的安定性および昇華性に優れ、可視光領域(特に青色領域)に高い発光量子収率を示す新規化合物であり、有機発光素子に用いた場合、良好な発光特性を有する有機発光素子を作ることができる。また該化合物を用いた有機発光素子は、可視光領域(特に青色領域)に高輝度発光を示すことから、表示素子、ディスプレイ、バックライト、照明光源等の分野に好適である。