特許第6710005号(P6710005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6710005
(24)【登録日】2020年5月28日
(45)【発行日】2020年6月17日
(54)【発明の名称】農用車両の除泥装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20200608BHJP
【FI】
   B60S3/04
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-72048(P2016-72048)
(22)【出願日】2016年3月31日
(65)【公開番号】特開2017-178230(P2017-178230A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】臼井 善彦
(72)【発明者】
【氏名】長澤 教夫
(72)【発明者】
【氏名】ファン ダン トー
(72)【発明者】
【氏名】藤井 幸人
【審査官】 小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−035525(JP,U)
【文献】 特開2002−362333(JP,A)
【文献】 特開平05−338518(JP,A)
【文献】 特開平09−164924(JP,A)
【文献】 特開2011−056991(JP,A)
【文献】 特開平11−334821(JP,A)
【文献】 特開平06−278580(JP,A)
【文献】 実開昭60−081938(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ及び/又はクローラを走行部とし、前記走行部に付着した土や汚泥を除去する農用車両の除泥装置であって、
前記農用車両を所定高さに維持する車両支持台と、
前記農用車両の高さを変更できる高さ変更部材と
を有し、
前記車両支持台は、左右一対の前記走行部の間に位置する前記農用車輌の腹面を支持し、
前記高さ変更部材を、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとして前記車両支持台に載置し、
前記走行部が乗降可能な4つの踏み台を有し、
前記踏み台は、前記農用車両の前輪側の前記走行部を載置する一対の前輪側踏み台と、前記農用車両の後輪側の前記走行部を載置する一対の後輪側踏み台とからなり、
前記踏み台を、それぞれ前記車両支持台の両側部に配置して用いるとともに、前記高さ変更部材により、前記農用車両を上方へ持ち上げることで前記走行部の下方から取り外して用いる
ことを特徴とする農用車両の除泥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行部に付着した泥を除去する農用車両の除泥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータリ耕うん作業をはじめとするトラクタを用いた農作業では、走行部や作業機に多量の土壌が付着することが多い。この様な状態で路面を走行すると車輪式、履帯式を問わず、タイヤに付着した土壌が路面に散乱し、地域の環境汚染や交通安全上の問題を引き起こす恐れがある。特に宅地化が進んでいる農村部では、近隣住民からのクレームが起こりやすく、生産者にとって深刻な問題となっている。また、野菜作においては、土壌に混在する病原菌の拡散防止が課題となっている地域もある。近年では地方自治体の環境美化条例によって、農業機械のタイヤ等に付着した土、汚泥、家畜排泄物等が走行中に道路及びその周辺に落下した際には生産者及び事業者に対して、清掃を行い原状回復に努める義務を課しているところも出てきている。このような背景から、農用車両の走行部に付着した泥を除去する除泥装置の開発が切望されている。
このような状況の中で下記のような装置が提案されている。
特許文献1には、車体の左右に取り付けた支持部材によってクローラを地面から浮かせ、クローラを回転駆動させることでクローラに付着した泥を振り落とす装置が開示されている。
また、特許文献2には、スタンド部材によって左右の一方の走行装置を持ち上げることができ、その走行装置に付着した泥を効率よく落とすことができる装置が開示されている。
また、特許文献3には、車輪に附着した泥土を除去するための車輌用タイヤクリーナーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−014603号公報
【特許文献2】特開2009−291113号公報
【特許文献3】特開昭57−134355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2の装置は、農用車両に改造を加えなければならず、特許文献3の装置は、持ち運びが困難で使用場所が限定されてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、農用車両に改造を加えることなく、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない農用車両の除泥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明の農用車両の除泥装置は、タイヤ及び/又はクローラを走行部とし、前記走行部に付着した土や汚泥を除去する農用車両の除泥装置であって、前記農用車両を所定高さに維持する車両支持台と、前記農用車両の高さを変更できる高さ変更部材とを有し、前記車両支持台は、左右一対の前記走行部の間に位置する前記農用車輌の腹面を支持し、前記高さ変更部材を、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとして前記車両支持台に載置し、前記走行部が乗降可能な4つの踏み台を有し、前記踏み台は、前記農用車両の前輪側の前記走行部を載置する一対の前輪側踏み台と、前記農用車両の後輪側の前記走行部を載置する一対の後輪側踏み台とからなり、前記踏み台を、それぞれ前記車両支持台の両側部に配置して用いるとともに、前記高さ変更部材により、前記農用車両を上方へ持ち上げることで前記走行部の下方から取り外して用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の農用車両の除泥装置によれば、農用車両に改造を加えることなく、走行部を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施例による農用車両の除泥装置の斜視図
図2】同除泥装置の側面図
図3】本発明の第2の実施例による農用車両の除泥装置の側面図
図4】走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図
図5】本発明の第3の実施例による農用車両の除泥装置の側面図
図6】走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図
図7】走行部を空転状態とした時の同除泥装置の斜視図
図8】本発明の第4の実施例による農用車両の除泥装置の側面図
図9】走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による農用車両の除泥装置は、農用車両を所定高さに維持する車両支持台と、農用車両の高さを変更できる高さ変更部材とを有し、車両支持台は、左右一対の走行部の間に位置する農用車輌の腹面を支持し、高さ変更部材を、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとして車両支持台に載置し、走行部が乗降可能な4つの踏み台を有し、踏み台は、農用車両の前輪側の走行部を載置する一対の前輪側踏み台と、農用車両の後輪側の走行部を載置する一対の後輪側踏み台とからなり、踏み台を、それぞれ車両支持台の両側部に配置して用いるとともに、高さ変更部材により、農用車両を上方へ持ち上げることで走行部の下方から取り外して用いるものである。本実施の形態によれば、農用車両に改造を加えることなく、走行部を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。また、本実施の形態によれば、左右一対の走行部の間に位置する農用車輌の腹面を支持することで、安定した状態で空転を行える。また本実施の形態によれば、高さ変更部材を、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとしたことで気体の導入出によって踏み台と走行部との間に隙間を形成することができる。また本実施の形態によれば、車両支持台に載置した高さ変更部材によって農用車両の荷重を支えることで、踏み台を取り外すことができ、走行部を空転状態にすることができる。
【実施例】
【0010】
以下本発明の実施例について図面とともに説明する。
図1及び図2に、本発明の第1の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図1は本実施例による農用車両の除泥装置の斜視図、図2は同除泥装置の側面図である。
【0011】
本実施例による農用車両の除泥装置100は、農用車両1に用いられ、農用車両1のタイヤやクローラに付着した土や汚泥を除去する。農用車両1は、タイヤやクローラを走行部10とし、耕うん作業などの農作業に用いるトラクタなどの車両である。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置100は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台120と、農用車両1の高さを変更できる高さ変更部材130とを有している。車両支持台110は、左右一対の走行部10の間に位置する農用車輌1の腹面を支持する。従って、車両支持台110の横幅は、一対の前輪側の走行部10F及び一対の後輪側の走行部10Rより狭い。
踏み台120は、農用車両1の前輪側の走行部10Fを載置する一対の前輪側踏み台120Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rを載置する一対の後輪側踏み台120Rとを備えている。
一対の踏み台120F、120Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置する。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、高さ変更部材130を、車両支持台110に載置している。高さ変更部材130は、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとしている。
【0012】
以上のように構成された農用車両の除泥装置100の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、初期状態では図1に示すように、一対の踏み台120F、120Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置した状態で、農用車両1を運転し、走行部10を踏み台120に載置する。
走行部10を踏み台120に載置した後、高さ変更部材130により、農用車両1を上方へ持ち上げる。
図2は、4つの走行部10に対応する全ての踏み台120F、120Rを取り外した状態を示している。図2に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。なお、踏み台120F、120Rを取り外した後に、高さ変更部材130によって農用車両1を元の高さに戻してもよい。
なお、図2では、全ての踏み台120F、120Rを取り外した状態を示しているが、一対の前輪側踏み台120Fだけ、又は一対の後輪側踏み台120Rだけを取り外し、取り外した踏み台120に対応する走行部10だけを空転させてもよい。
また、図2では、4つの踏み台120F、120Rを別部材としているが、車両支持台110の一方の側部に配置される前輪側踏み台120Fと後輪側踏み台120Rとを一体とし、車両支持台110の他方の側部に配置される前輪側踏み台120Fと後輪側踏み台120Rとを一体としてもよい。また、4つの踏み台120F、120Rを一体としてもよい。
【0013】
以上のように本発明の第1の実施例による農用車両の除泥装置100は、踏み台120に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材130によって農用車両1を高くすることで、左右一対の走行部10の間に位置する農用車輌1の腹面を車両支持台110で支持でき、載置した走行部10を空転可能な状態とする。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台120に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置100は、車両支持台110に載置した高さ変更部材130によって農用車両1の荷重を支えることで、踏み台120を取り外すことができ、走行部10を空転状態にすることができる。
【0014】
図3及び図4に、本発明の第2の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図3は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、図4は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図である。なお、上記実施例と同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置200は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台220とを有している。
本実施例による農用車両の除泥装置200では、踏み台220を高さ変更部材としている。例えば、踏み台220を気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとすることで高さ変更部材としても機能させることができる。
踏み台220は、農用車両1の前輪側の走行部10Fを載置する一対の前輪側踏み台220Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rを載置する一対の後輪側踏み台220Rとを備えている。
一対の踏み台220F、220Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置する。
【0015】
以上のように構成された農用車両の除泥装置200の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置200は、初期状態では図3に示すように、一対の踏み台220F、220Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置した状態で、農用車両1を運転し、走行部10を踏み台220に載置する。
走行部10を踏み台220に載置した後、踏み台220の高さを低くすることで、車両支持台110によって農用車両1の荷重を支える状態とする。
車両支持台110によって農用車両1の荷重を支えることで、走行部10と踏み台220との間には隙間を形成することができ、走行部10を空転状態にすることができる。
図4に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。
なお、図4では、全ての踏み台220F、220Rの高さを低下させた状態を示しているが、一対の前輪側踏み台220Fだけ、又は一対の後輪側踏み台220Rだけの高さを低下させ、高さを低下させた踏み台220に対応する走行部10だけを空転させてもよい。
また、高さを低下させた踏み台220を取り外してもよい。
また、4つの踏み台220F、220Rは別部材としてもよいが、車両支持台110の一方の側部に配置される前輪側踏み台220Fと後輪側踏み台220Rとを一体とし、車両支持台110の他方の側部に配置される前輪側踏み台220Fと後輪側踏み台220Rとを一体としてもよい。また、4つの踏み台220F、220Rを一体としてもよい。
【0016】
以上のように本発明の第2の実施例による農用車両の除泥装置200は、踏み台220に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材である踏み台220の高さを車両支持台110に対して低くすることで、農用車両1を車両支持台110に載置するとともに、載置した走行部10を空転可能な状態とするものである。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台220に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置200は、走行部10を載置する踏み台220を降下させることで走行部10を空転状態にでき、空転状態に変更するための負荷が小さい。
【0017】
図5から図7に、本発明の第3の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図5は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、図6は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図、図7は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の斜視図である。なお、上記実施例と同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置300は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台320と、車両支持台110に対して踏み台320の高さを変更できる高さ変更部材330とを有している。
踏み台320は、走行部10が乗降可能な乗降面321と、走行部10を載置する載置面322とを有している。乗降面321は、載置面322の少なくとも一方に配置すればよいが、載置面322の両側に設けることが好ましい。乗降面321は、載置面322に対して傾斜角を変更可能としている。載置面322は、農用車両1の前輪側の走行部10Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rとを載置できる長さを有する。
図7に示すように、一対の踏み台320を、車両支持台110の両側部に配置する。
本実施例による農用車両の除泥装置300は、高さ変更部材330を昇降台としている。
高さ変更部材330は、踏み台320の下方に配置し、リンク機構331や油圧シリンダ332から構成される。なお、油圧シリンダの代わりに電動シリンダを使うこともでき、動力源はこれらに限られない。
【0018】
以上のように構成された農用車両の除泥装置300の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置300は、初期状態では図5に示すように、高さ変更部材330によって踏み台320を上昇させている。
図5に示す状態で、農用車両1を運転し、乗降面321から農用車両1を載置面322に進入させ、前輪側の走行部10Fと後輪側の走行部10Rとを載置面322に載置する。
走行部10を踏み台320に載置した後、高さ変更部材330により、踏み台320を降下させる。
図6及び図7は、踏み台320を降下させ、車両支持台110によって農用車両1の荷重を支えている状態であり、走行部10は空転可能な状態である。図6及び図7に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。
【0019】
以上のように本発明の第3の実施例による農用車両の除泥装置300は、踏み台320に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材330によって踏み台320の高さを車両支持台110に対して変更することで、農用車両1を車両支持台110に載置するとともに、載置した走行部10を空転可能な状態とするものである。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台320に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置300は、高さ変更部材330を昇降台とし、昇降台によって踏み台320の高さを変更できるため、踏み台320を降下させることで走行部10を空転状態にでき、空転状態に変更するための負荷が小さい。
また、本実施例による農用車両の除泥装置300は、載置面322の少なくとも一方に乗降面321を配置したことで、農用車両1の乗降を容易にすることができる。
【0020】
図8及び図9に、本発明の第4の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図8は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、図9は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図である。
本発明の第4の実施例による農用車両の除泥装置100は、踏み台120F、120Rを備えていない以外は第1の実施例と同様である。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、車両支持台110自体が高さ変更部材130であり、高さ変更部材130が車両支持台110の機能を備えている。
また、本実施例による車両支持台110は、前輪側の走行部10F及び後輪側の走行部10Rを支持するものであるが、一対の前輪側の走行部10Fだけを支持し、又は一対の後輪側の走行部10Rだけを支持するものであってもよい。この場合には、一対の前輪側の走行部10Fだけを空転させ、又は一対の後輪側の走行部10Rだけを空転させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明の農用車両の除泥装置は、農業機械などを牽引するトラクタに限らず、タイヤ及び/又はクローラを走行部とする車両に広く適用できる。
【符号の説明】
【0022】
1 農用車両
10、10F、10R 走行部
100 除泥装置
110 車両支持台
120 踏み台
120F 前輪側踏み台
120R 後輪側踏み台
130 高さ変更部材
200 除泥装置
220 踏み台
220F 前輪側踏み台
220R 後輪側踏み台
300 除泥装置
320 踏み台
321 乗降面
322 載置面
330 高さ変更部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9