【実施例】
【0010】
以下本発明の実施例について図面とともに説明する。
図1及び
図2に、本発明の第1の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図1は本実施例による農用車両の除泥装置の斜視図、
図2は同除泥装置の側面図である。
【0011】
本実施例による農用車両の除泥装置100は、農用車両1に用いられ、農用車両1のタイヤやクローラに付着した土や汚泥を除去する。農用車両1は、タイヤやクローラを走行部10とし、耕うん作業などの農作業に用いるトラクタなどの車両である。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置100は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台120と、農用車両1の高さを変更できる高さ変更部材130とを有している。車両支持台110は、左右一対の走行部10の間に位置する農用車輌1の腹面を支持する。従って、車両支持台110の横幅は、一対の前輪側の走行部10F及び一対の後輪側の走行部10Rより狭い。
踏み台120は、農用車両1の前輪側の走行部10Fを載置する一対の前輪側踏み台120Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rを載置する一対の後輪側踏み台120Rとを備えている。
一対の踏み台120F、120Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置する。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、高さ変更部材130を、車両支持台110に載置している。高さ変更部材130は、気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとしている。
【0012】
以上のように構成された農用車両の除泥装置100の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、初期状態では
図1に示すように、一対の踏み台120F、120Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置した状態で、農用車両1を運転し、走行部10を踏み台120に載置する。
走行部10を踏み台120に載置した後、高さ変更部材130により、農用車両1を上方へ持ち上げる。
図2は、4つの走行部10に対応する全ての踏み台120F、120Rを取り外した状態を示している。
図2に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。なお、踏み台120F、120Rを取り外した後に、高さ変更部材130によって農用車両1を元の高さに戻してもよい。
なお、
図2では、全ての踏み台120F、120Rを取り外した状態を示しているが、一対の前輪側踏み台120Fだけ、又は一対の後輪側踏み台120Rだけを取り外し、取り外した踏み台120に対応する走行部10だけを空転させてもよい。
また、
図2では、4つの踏み台120F、120Rを別部材としているが、車両支持台110の一方の側部に配置される前輪側踏み台120Fと後輪側踏み台120Rとを一体とし、車両支持台110の他方の側部に配置される前輪側踏み台120Fと後輪側踏み台120Rとを一体としてもよい。また、4つの踏み台120F、120Rを一体としてもよい。
【0013】
以上のように本発明の第1の実施例による農用車両の除泥装置100は、踏み台120に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材130によって農用車両1を高くすることで、左右一対の走行部10の間に位置する農用車輌1の腹面を車両支持台110で支持でき、載置した走行部10を空転可能な状態とする。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台120に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置100は、車両支持台110に載置した高さ変更部材130によって農用車両1の荷重を支えることで、踏み台120を取り外すことができ、走行部10を空転状態にすることができる。
【0014】
図3及び
図4に、本発明の第2の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図3は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、
図4は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図である。なお、上記実施例と同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置200は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台220とを有している。
本実施例による農用車両の除泥装置200では、踏み台220を高さ変更部材としている。例えば、踏み台220を気体の導入出によって膨張収縮するエアマットとすることで高さ変更部材としても機能させることができる。
踏み台220は、農用車両1の前輪側の走行部10Fを載置する一対の前輪側踏み台220Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rを載置する一対の後輪側踏み台220Rとを備えている。
一対の踏み台220F、220Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置する。
【0015】
以上のように構成された農用車両の除泥装置200の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置200は、初期状態では
図3に示すように、一対の踏み台220F、220Rは、それぞれ車両支持台110の両側部に配置した状態で、農用車両1を運転し、走行部10を踏み台220に載置する。
走行部10を踏み台220に載置した後、踏み台220の高さを低くすることで、車両支持台110によって農用車両1の荷重を支える状態とする。
車両支持台110によって農用車両1の荷重を支えることで、走行部10と踏み台220との間には隙間を形成することができ、走行部10を空転状態にすることができる。
図4に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。
なお、
図4では、全ての踏み台220F、220Rの高さを低下させた状態を示しているが、一対の前輪側踏み台220Fだけ、又は一対の後輪側踏み台220Rだけの高さを低下させ、高さを低下させた踏み台220に対応する走行部10だけを空転させてもよい。
また、高さを低下させた踏み台220を取り外してもよい。
また、4つの踏み台220F、220Rは別部材としてもよいが、車両支持台110の一方の側部に配置される前輪側踏み台220Fと後輪側踏み台220Rとを一体とし、車両支持台110の他方の側部に配置される前輪側踏み台220Fと後輪側踏み台220Rとを一体としてもよい。また、4つの踏み台220F、220Rを一体としてもよい。
【0016】
以上のように本発明の第2の実施例による農用車両の除泥装置200は、踏み台220に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材である踏み台220の高さを車両支持台110に対して低くすることで、農用車両1を車両支持台110に載置するとともに、載置した走行部10を空転可能な状態とするものである。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台220に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置200は、走行部10を載置する踏み台220を降下させることで走行部10を空転状態にでき、空転状態に変更するための負荷が小さい。
【0017】
図5から
図7に、本発明の第3の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図5は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、
図6は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図、
図7は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の斜視図である。なお、上記実施例と同一構成部材には同一符号を付して説明を省略する。
図に示すように、本実施例による農用車両の除泥装置300は、農用車両1を所定高さに維持する車両支持台110と、走行部10が乗降可能な踏み台320と、車両支持台110に対して踏み台320の高さを変更できる高さ変更部材330とを有している。
踏み台320は、走行部10が乗降可能な乗降面321と、走行部10を載置する載置面322とを有している。乗降面321は、載置面322の少なくとも一方に配置すればよいが、載置面322の両側に設けることが好ましい。乗降面321は、載置面322に対して傾斜角を変更可能としている。載置面322は、農用車両1の前輪側の走行部10Fと、農用車両1の後輪側の走行部10Rとを載置できる長さを有する。
図7に示すように、一対の踏み台320を、車両支持台110の両側部に配置する。
本実施例による農用車両の除泥装置300は、高さ変更部材330を昇降台としている。
高さ変更部材330は、踏み台320の下方に配置し、リンク機構331や油圧シリンダ332から構成される。なお、油圧シリンダの代わりに電動シリンダを使うこともでき、動力源はこれらに限られない。
【0018】
以上のように構成された農用車両の除泥装置300の動作について説明する。
本実施例による農用車両の除泥装置300は、初期状態では
図5に示すように、高さ変更部材330によって踏み台320を上昇させている。
図5に示す状態で、農用車両1を運転し、乗降面321から農用車両1を載置面322に進入させ、前輪側の走行部10Fと後輪側の走行部10Rとを載置面322に載置する。
走行部10を踏み台320に載置した後、高さ変更部材330により、踏み台320を降下させる。
図6及び
図7は、踏み台320を降下させ、車両支持台110によって農用車両1の荷重を支えている状態であり、走行部10は空転可能な状態である。
図6及び
図7に示す状態で、農用車両1は、4輪駆動で運転を行い、全ての走行部10を空転させる。
【0019】
以上のように本発明の第3の実施例による農用車両の除泥装置300は、踏み台320に走行部10を載置した状態で、高さ変更部材330によって踏み台320の高さを車両支持台110に対して変更することで、農用車両1を車両支持台110に載置するとともに、載置した走行部10を空転可能な状態とするものである。
このように本実施例によれば、農用車両1に改造を加えることなく、走行部10を空転させることができるため、迅速な除泥を行うことができるとともに、持ち運びが可能であり、使用場所が限定されない。
また、本実施例によれば、農用車両1を、自走により踏み台320に乗せ、車両支持台110に載置することで空転を行えるため、除泥の作業性に優れるとともに安定した空転を行える。
また、本実施例による農用車両の除泥装置300は、高さ変更部材330を昇降台とし、昇降台によって踏み台320の高さを変更できるため、踏み台320を降下させることで走行部10を空転状態にでき、空転状態に変更するための負荷が小さい。
また、本実施例による農用車両の除泥装置300は、載置面322の少なくとも一方に乗降面321を配置したことで、農用車両1の乗降を容易にすることができる。
【0020】
図8及び
図9に、本発明の第4の実施例による農用車両の除泥装置を示す。
図8は本実施例による農用車両の除泥装置の側面図、
図9は走行部を空転状態とした時の同除泥装置の側面図である。
本発明の第4の実施例による農用車両の除泥装置100は、踏み台120F、120Rを備えていない以外は第1の実施例と同様である。
本実施例による農用車両の除泥装置100は、車両支持台110自体が高さ変更部材130であり、高さ変更部材130が車両支持台110の機能を備えている。
また、本実施例による車両支持台110は、前輪側の走行部10F及び後輪側の走行部10Rを支持するものであるが、一対の前輪側の走行部10Fだけを支持し、又は一対の後輪側の走行部10Rだけを支持するものであってもよい。この場合には、一対の前輪側の走行部10Fだけを空転させ、又は一対の後輪側の走行部10Rだけを空転させることができる。