【実施例】
【0085】
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例及び比較例で使用した化合物の略号は、以下のとおりである。
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
DA−A:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン
DA−1:1,2−ビス(4−アミノフェノキシ)エタン
DA−2:N−2−(4−アミノフェニルエチル)−N−メチルアミン
DA−3:2−tert−ブトキシカルボニルアミノメチル−p−フェニレンジアミン(Boc:tert−ブトキシカルボニル基
DA−4:N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ビス(tert−ブトキシカルボニル)−1,2−ジアミノエタン(式中、Bocは、tert−ブトキシカルボニル基を表す)
【0086】
DA−5:下記式(DA−5)
DA−6:下記式(DA−6)
DA−7:下記式(DA−7)
DA−8:下記式(DA−8)
DAH−1:下記式(DAH−1)
【化28】
【0087】
実施例における各特性の測定方法は、以下のとおりである。
[
1H NMR]
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)INOVA−400(Varian社製)400MHz
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
積算回数:8、又は32
【0088】
[
13C{
1H} NMR]
装置:フーリエ変換型超伝導核磁気共鳴装置(FT−NMR)INOVA−400(Varian社製)100MHz
溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d
6)
標準物質:テトラメチルシラン(TMS)
積算回数:256
【0089】
[DSC]
装置:示差走査熱量測定装置DSC1STAReシステム(メトラートレド社製)
パン:密閉型Auパン
昇温速度:10℃/min
融点:最も低温での吸熱ピーク温度を解析
【0090】
[粘度]
ポリイミド前駆体溶液の粘度は、E型粘度計TVE−22H(東機産業社製)を用い、サンプル量1.1mL、コーンロータTE−1(1°34’、R24)、温度25℃で測定した。
[分子量]
ポリイミド前駆体及び該イミド化重合体の分子量は、GPC(常温ゲル浸透クロマトグラフィー)装置によって測定し、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド換算値として数平均分子量(以下、Mnとも言う。)と重量平均分子量(以下、Mwとも言う。)を算出した。
GPC装置:Shodex社製(GPC−101)
カラム:Shodex社製(KD803とKD805の直列)
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H
2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
【0091】
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(重量平均分子量(Mw) 約900,000、150,000、100,及び000、30,000)、及びポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量(Mp)約12,000、4,000、及び1,000)。測定は、ピークが重なるのを避けるため、900,000、100,000、12,000、及び1,000の4種類を混合したサンプル、及び150,000、30,000、及び4,000の3種類を混合したサンプルの2サンプルを別々に測定した。
【0092】
<イミド化率の測定>
ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野化学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05質量%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500)(日本電子データム社製)にて、500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い、以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
【0093】
<密着性の評価>
シール密着性評価用サンプルを、島津製作所社製の卓上形精密万能試験機(AGS−X500N)にて、上下基板の端の部分を固定した後、基板中央部の上部から押し込みを行い、剥離する際の圧力(N)を測定した。
【0094】
<液晶配向性の評価>
液晶セルの配向状態を、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL)(ニコン社製)にて観察し、配向欠陥がないものを「良好」、配向欠陥があるものは「不良」とした。
【0095】
<ジアミン化合物の合成>
[芳香族ジアミン化合物(DA−A)の合成]
以下に示す3ステップで合成した。
【0096】
(合成例1)
第1ステップ:N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−1)の合成
【0097】
【化29】
2−(4−ニトロフェニル)エチルアミン塩酸塩(50.0g,247mmol)を水(300g),及びDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)(50.0g)に溶解し、炭酸ナトリウム(78.4g,740mmol)を加え、さらに、4−ニトロベンジルブロミド(53.3g,247mmol)のDMF溶液(200g)を25℃で1時間かけて滴下した。滴下中、DMF/水=1/1(w/w、100g)を追加し、析出物による撹拌不良を解消した。そのまま室温で20時間撹拌し、さらに、40℃で4時間撹拌した後、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと略す)で原料の消失を確認した。その後、反応液を室温に放冷し、析出物をろ過し、水(150g)で2回、2−プロパノール(50.0g)で2回洗浄し、50℃で減圧乾燥することで、N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−(4−ニトロベンジル)アミンを得た(白色固体、収量:73g、収率:99%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.18 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 8.15 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.59, (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 2H, C
6H
4), 3.87 (s, 2H, CH
2), 2.91 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 2.80 (t, J = 7.0 Hz, 2H, CH
2), 2.46 (s, 1H, NH).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 149.8, 149.5, 146.6, 146.3, 130.3, 129.2, 123.7, 123.6, 52.4, 50.0, 36.0 (each s).
融点(DSC):123℃
【0098】
第2ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−ニトロフェニル)エチル)−N−(4−ニトロベンジル)アミン(DA−A−2)の合成
【化30】
N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(73g,0.24mol)をDMF(371g)に溶解し、二炭酸ジtert−ブチル(54g,0.24mol)を2〜8℃で10分かけて滴下した。その後、20℃で4時間撹拌し、原料の消失を、HPLCで確認した。続いて、DMFを減圧留去し、次いで、反応液に酢酸エチル(371g)を加え、水(371g)で3回洗浄した。その後、有機層を濃縮し、オレンジ色オイルを得た(粗収量:96g,粗収率:97%)。この粗物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=7/3(v/v,Rf=0.3)で精製することで黄色オイルを得た。(粗収量:82.0g、粗収率:82.8%(2ステップ))。
この黄色オイルにメタノール(118g)を加え、50℃で溶解させた後、撹拌しながら冷却し、0〜5℃で30分撹拌した後、ろ過し、乾燥することで、N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミンを得た(白色粉末, 収量:74.5 g, 収率:78%(2ステップ))。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 8.22 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 8.18-8.16 (br, 2H, C
6H
4), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 2H, C
6H
4), 7.48 (br, 2H, C
6H
4), 4.57-4.54 (br, 2H, CH
2), 3.55-3.49 (br, 2H, CH
2), 2.97 (br, 2H, CH
2), 1.36-1.32 (br, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.2, 154.8, 147.9, 147.5, 147.1, 147.0, 146.5, 130.6, 128.7, 128.4, 124.0, 123.8, 79.7, 50.3, 49.2, 48.4, 34.3, 34.0, 28.2 (each s).
融点(DSC):77℃
【0099】
第3ステップ:N−tert−ブトキシカルボニル−N−(2−(4−アミノフェニル)エチル)−N−(4−アミノベンジル)アミン(DA−A)の合成
【化31】
N−tert−ブトキシカルボニル−N−2−(4−ニトロフェニル)エチル−N−4−ニトロベンジルアミン(74g,0.18mol)をテトラヒドロフラン(370g)に溶解し、3質量%白金−炭素(7.4g)を加え、水素雰囲気下、室温で72時間撹拌した。原料の消失をHPLCで確認し、ろ過により触媒を除去して、ろ液を濃縮し、乾燥することでDA−Aの粗物を薄黄色オイルとして得た(粗収量:66g、粗収率:105%)。次いで、トルエン(198g)に80℃で溶解した後、2℃で1時間撹拌して結晶を析出させた。析出した固体をろ過し、乾燥することでDA−Aを得た(白色粉末、収量:56g、収率:90%)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ 6.92 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.84-6.76 (br, 2H, C
6H
4), 6.54 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 6.50 (d, J = 8.0 Hz, 2H, C
6H
4), 4.98 (s, 2H, NH
2), 4.84 (s, 2H, NH
2), 4.16 (br, 2H, CH
2), 3.13 (br, 2H, CH
2), 2.51 (br, 2H, CH
2), 1.41 (s, 9H, tert-Bu).
13C{
1H} NMR (DMSO-d
6):δ 155.4, 154.9, 148.2, 147.2, 129.5, 129.3, 129.1, 128.9, 126.6, 125.7, 114.5, 114.3, 78.9, 78.8, 50.2, 49.2, 48.4, 33.9, 33.3, 28.5 (each s).
融点(DSC):103℃
【0100】
(実施例1)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL(ミリリットル)四つ口フラスコに、DA−1を2.93g(12.00mmol)、DA−Aを4.43g(11.99mmol)量り取り、NMPを81.98g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.35g(23.88mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを9.11g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−1)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は205mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは10530、Mwは29900であった。
得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)15.00gを、100mL三角フラスコに量り取り、NMP9.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0101】
(実施例2)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、得られたポリアミック酸溶液(PAA−1)を20g量り取り、NMPを14.29g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を1.48g、ピリジンを0.38g加えて、60℃で3時間加熱し、化学的イミド化を行った。得られた反応液を139mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、139mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。
このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は75%、Mnは7120、Mwは12485であった。
撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、得られたポリイミド樹脂粉末1.80gを量り取り、NMPを13.20g加え、40℃で24時間撹拌して溶解し、ポリイミド溶液(PI−1)を得た。得られたポリイミド溶液(PI−1)10.00gを100mL三角フラスコに量り取り、NMP6.02g、及びBCS4.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−2)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0102】
(実施例3)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を1.91g(7.82mmol)、DA−2を1.56g(10.40mmol)、DA−Aを2.67g(7.81mmol)量り取り、NMPを55.18g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、ピロメリット酸二無水物を5.22g(23.92mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを28.04g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−2)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は600mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは17370、Mwは41450であった。
得られたポリアミック酸溶液(PAA−2)15.00gを100ml三角フラスコに量り取り、NMP9.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−3)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0103】
(実施例4)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を3.52g(14.40mmol)、DA−Aを3.55g(9.60mmol)量り取り、NMPを81.60g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.30g(23.64mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを9.07g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−3)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は230mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは19890、Mwは39960であった。
次いで、撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、得られたポリアミック酸溶液(PAA−3)の25gを量り取り、NMPを8.33g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を1.78g、ピリジンを0.46g加えて、55℃で3時間加熱し、化学的イミド化を行った。得られた反応液を137mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、140mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。
このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は67%、Mnは13480、Mwは24000であった。
次いで、撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、得られたポリイミド樹脂粉末2.42gを量り取り、NMPを17.75g加え、40℃で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(PI−2)を得た。さらに、得られたポリイミド溶液(PI−2)10.00gを100mL三角フラスコに量り取り、NMP6.00g、及びBCS4.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−4)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0104】
(実施例5)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を2.25g(9.20mmol)、DA−Aを5.10g(13.80mmol)量り取り、NMPを82.47g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.15g(22.98mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを9.07g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−4)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は120mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは12120、Mwは29310であった。
次いで、撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、得られたポリアミック酸溶液(PAA−4)の25gを量り取り、NMPを8.33g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を1.69g、ピリジンを0.44g加えて、55℃で3時間加熱し、化学的イミド化を行った。得られた反応液を136mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、136mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。
このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は68%、Mnは8300、Mwは22020であった。
次いで、撹拌子を入れた50mL三角フラスコに、得られたポリイミド樹脂粉末2.38gを量り取り、NMPを17.45g加え、40℃で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(PI−3)を得た。さらに、得られたポリイミド溶液(PI−3)10.00gを100ml三角フラスコに量り取り、NMP6.00g、BCS4.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−5)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0105】
(実施例6)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、p−フェニレンジアミンを0.54g(5.00mmol)、DA−1を1.83g(7.50mmol)、DA−Aを4.62g(12.50mmol)量り取り、NMPを82.57g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を5.57g(24.83mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを9.17g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−5)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は132mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは19150、Mwは34500であった。
次いで、撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、得られたポリアミック酸溶液(PAA−5)の25gを量り取り、NMPを9.17g加え、30分撹拌した。得られたポリアミック酸溶液に、無水酢酸を3.66g、ピリジンを0.95g加えて、55℃で3時間加熱し、化学的イミド化を行った。得られた反応液を320mlのメタノールに撹拌しながら投入し、析出した沈殿物をろ取し、続いて、140mlのメタノールで3回洗浄した。得られた樹脂粉末を60℃で12時間乾燥することで、ポリイミド樹脂粉末を得た。
このポリイミド樹脂粉末のイミド化率は75%、Mnは13930、Mwは30010であった。
次いで、撹拌子を入れた50ml三角フラスコに、得られたポリイミド樹脂粉末3.60gを量り取り、NMPを26.40g加え、40℃で24時間撹拌し溶解させて、ポリイミド溶液(PI−4)を得た。さらに、得られたポリイミド溶液(PI−4)10.00gを100mL三角フラスコに量り取り、NMP6.00g、及びBCS4.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(A−6)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0106】
(実施例7)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−5を4.27g(20.00mmol)、DA−6を0.76g(5.00mmol)量り取り、NMPを31.31g、GBLを44.73gを加えて、窒素を送りながら撹拌し、溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、DAH−1を7.19g(24.45mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMP13.57gを加えて、室温で24時間撹拌し、ポリアミック酸(PAA−6)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は810mPa・sであった。
次いで、撹拌子を入れた100mLサンプル管に、得られたポリアミック酸溶液(PAA−6)を22.00g、実施例2で得られたポリイミド溶液(PI−1)を14.67g量り取り、NMPを27.33g、及びBCSを16.00g加えて、マグネチックスターラーで2時間撹拌し、液晶配向剤(A−7)を得た。
【0107】
(実施例8)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−7を1.43g(5.00mmol)、DA−8を2.98g(10.00mmol)、DA−2を1.50g(10.00mmol)量り取り、NMPを65.23g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.56g(23.25mmol)添加し、更に固形分濃度が10質量%になるようにNMP29.00gを加えて、室温で24時間撹拌し、ポリアミック酸(PAA−7)の溶液を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は190mPa・sであった。
さらに、撹拌子を入れた100mLサンプル管に、得られたポリアミック酸溶液(PAA−7)を22.00g、実施例2で得られたポリイミド溶液(PI−1)を14.65g量り取り、NMPを27.36g、及びBCSを16.00g加えて、マグネチックスターラーで2時間撹拌し液晶配向剤(A−8)を得た。
【0108】
(比較例1)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの100mL四つ口フラスコに、DA−1を5.37g(21.98mmol)量り取り、NMPを54.05g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を4.64g(20.70mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを36.04g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−8)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は520mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは17900、Mwは43950であった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液(PAA−8)18.00gを100mL三角フラスコに取り、NMP6.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(B−1)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0109】
(比較例2)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA−1を1.71g(7.00mmol)、DA−3を1.66g(7.00mmol)量り取り、NMPを41.93g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を2.98g(13.31mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを4.66g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−9)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は225mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは14780、Mwは30350であった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液(PAA−9)15.00gを100mL三角フラスコに取り、NMP9.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(B−2)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0110】
(比較例3)
撹拌装置付き及び窒素導入管付きの50mL四つ口フラスコに、DA−1を1.34g(5.50mmol)、DA−4を2.43g(5.50mmol)量り取り、NMPを40.39g加えて、窒素を送りながら撹拌し溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を2.35g(10.49mmol)添加し、更に固形分濃度が12質量%になるようにNMPを4.49g加え、室温で24時間撹拌してポリアミック酸溶液(PAA−10)を得た。このポリアミック酸溶液の温度25℃における粘度は185mPa・sであった。また、このポリアミック酸のMnは20600、Mwは42900であった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液(PAA−10)15.00gを100mL三角フラスコに取り、NMP9.00g及びBCS6.00gを加え、25℃にて8時間混合して、液晶配向剤(B−3)を得た。この液晶配向剤に、濁りや析出などの異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
【0111】
実施例1〜8で得られた液晶配向剤(A−1)〜(A−8)、及び比較例1〜3で得られた液晶配向剤(B−1)〜(B−3)の仔細を下記の表1に示す。なお、表1において、1,3−シクロブタンは、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を表し、ピロメリットは、ピロメリット酸二無水物を表し、シクロブタンは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物を表す。
【0112】
【表1】
【0113】
(実施例9)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)を、孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、縦30mm×横40mm×厚み1.1mmの長方形のITO基板に、スピンコート塗布した。80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで14分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面に偏光板を介して、消光比26:1の直線偏光した波長254nmの紫外線を200mJ/cm
2照射した。この基板を、純水に3分間浸漬させ、230℃のホットプレート上で14分間加熱し、液晶配向膜付き基板を得た。
【0114】
このようにして得られた2枚の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜面上に、粒径4μmビーズスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球SW−D1 4.0)を塗布した後、基板短辺側から5mmの位置に、シール剤(協立化学社製、XN−1500T)を滴下した。その際、貼り合わせ後のシール剤の直径が3mmとなるように、シール剤滴下量を調整した。次いで、他方の基板の液晶配向膜面を内側にし、基板の重なり幅が1cmになるように、貼り合わせを行った。貼り合わせた2枚の基板をクリップにて固定した後、150℃で1時間熱硬化させて、密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、12.7Nであった。
なお、上記シール密着性評価用のサンプルと同様に作製した液晶配向膜付き基板を2枚一組とし、一方の基板の液晶配向膜面を内側にして粒径4μmのスペーサー(日揮触媒化成社製、真絲球SW−D1 4.0)を塗布した後、シール剤(協立化学社製XN−1500T)を印刷した。次いで、もう1枚の基板を、液晶配向膜面が向き合い配向方向が0°になるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、液晶セルを得た。
得られた液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0115】
(実施例10)
偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1(体積比、以下同様である。)の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法でシール密着性評価用サンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、13.2Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例10においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0116】
(実施例11)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例2で得られた液晶配向剤(A−2)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、11.0Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例11においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0117】
(実施例12)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例2で得られた液晶配向剤(A−2)を用い、かつ偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、11.0Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例12においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0118】
(実施例13)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)を、孔径1.0μmのフィルターで濾過した後、縦30mm×横40mm×厚み0.1mmの長方形のITO基板に、スピンコート塗布した。80℃のホットプレート上で2分間乾燥させた後、230℃の熱風循環式オーブンで14分間焼成を行い、膜厚100nmの塗膜を形成させた。この塗膜面にロール径120mmのラビング装置を用いて、ロール回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.1mmの条件で、レーヨン布でラビング処理して、純水に1分間浸漬させて超音波洗浄し、80℃の熱循環オーブンで乾燥させ、液晶配向膜付き基板を得た。
【0119】
次いで、実施例9と同様の方法でシール密着性評価用のサンプルを作製し、シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、13.1Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例13においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0120】
(実施例14)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例3で得られた液晶配向剤(A−3)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、25.8Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例14においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0121】
(実施例15)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例4で得られた液晶配向剤(A−4)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、10.2Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例15においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0122】
(実施例16)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例4で得られた液晶配向剤(A−4)を用い、かつ偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、10.3Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例16においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0123】
(実施例17)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例5で得られた液晶配向剤(A−5)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、15.1Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例17においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0124】
(実施例18)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例5で得られた液晶配向剤(A−5)を用い、かつ偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、15.4Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例18においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0125】
(実施例19)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例6で得られた液晶配向剤(A−6)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、12.9Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例19においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0126】
(実施例20)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例6で得られた液晶配向剤(A−6)を用い、かつ、偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、13.1Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例20においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0127】
(実施例21)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例7で得られた液晶配向剤(A−7)を用い、かつ偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、25.2Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例21においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0128】
(実施例22)
実施例1で得られた液晶配向剤(A−1)の代わりに、実施例8で得られた液晶配向剤(A−8)を用い、かつ偏光紫外線を照射した後、基板を純水に3分間浸漬させる代わりに、純水/2−プロパノール=1/1の混合溶液に3分間浸漬させ、次いで、純水に1分間浸漬させた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、20.0Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、実施例22においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0129】
(比較例4)
比較例1で得られた液晶配向剤(B−1)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、3.7Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、比較例4においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、液晶セル中に光抜けが観察され、配向欠陥があり、不良であった。
【0130】
(比較例5)
比較例2で得られた液晶配向剤(B−2)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、8.0Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、比較例5においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、液晶セル中に光抜けが観察され、配向欠陥があり、不良であった。
【0131】
(比較例6)
比較例3で得られた液晶配向剤(B−3)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、7.3Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、比較例6においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、液晶セル中に光抜けが観察され、配向欠陥があり、不良であった。
【0132】
(比較例7)
比較例1で得られた液晶配向剤(B−1)を用いた以外は、実施例9と同様の方法で密着性評価用のサンプルを作製した。シール密着性の評価を行った結果、剥離する際の強度は、3.5Nであった。
また、実施例9の場合と同様にして、比較例7においても液晶セルを作製し、その液晶セルにおける液晶の配向状態を確認した結果、配向欠陥がなく、良好であった。
【0133】
【表2】