【実施例】
【0046】
以下に、本発明の実施例を示すことにより、本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0047】
実施に際しては、以下のものを使用した。
【0048】
脱脂菜種(株式会社J−オイルミルズ社製)
NDICP(乾燥質量%) 6.8、ADICP(乾燥質量%) 3.3
脱脂大豆(株式会社J−オイルミルズ社製)
NDICP(乾燥質量%) 4.5、ADICP(乾燥質量%) 1.5
【0049】
また、実施に際し、以下の方法で測定をおこなった。
【0050】
酸性デタージェント不溶性蛋白質(ADICP)含量の測定
全窒素・全炭素測定装置(製品名スミグラフ 型番NC−22F、株式会社住化分析センター社製)を用いて測定をおこなった。
ADICPの測定方法の概要は、以下の通りである。
(1)飼料分析法・解説(2009年版 日本科学飼料協会発行)を参考として、試料に対して酸性デタージェント処理を行った。
(2)酸性デタージェント処理後の残渣に対して、タンパク質含量の測定を行った。
(3)酸性デタージェント処理後の残渣に含まれるタンパク質の質量を酸性デタージェント処理前の質量で除して、ADICP含量(乾燥質量%)を算出した。
【0051】
中性デタージェント不溶性蛋白質(NDICP)含量の測定
全窒素・全炭素分析装置(製品名スミグラフ 型番NC−22F、株式会社住化分析センター社製)を用いて測定をおこなった。
NDICPの測定方法の概要は、以下の通りである。
(1)飼料分析法・解説(2009年版 日本科学飼料協会発行)を参考として、試料に対して中性デタージェント処理を行った。尚、中性デタージェント処理の際にα−アミラーゼを添加し、亜硫酸ナトリウムを添加しなかった。
(2)中性デタージェント処理後の残渣に対して、タンパク質含量の測定を行った。
(3)中性デタージェント処理後の残渣に含まれるタンパク質の質量を中性デタージェント処理前の質量で除して、NDICP含量(乾燥質量%)を算出した。
【0052】
リジン含量の測定
リジン含量は、一般的に用いられる塩酸分解法とアミノ酸自動分析法(標識:ニンヒドリン)で測定した。
【0053】
メチオニン含量の測定
メチオニン含量は、一般的に用いられる過ギ酸酸化法とアミノ酸自動分析法(標識:ニンヒドリン)で測定した。
【0054】
〔調製例1〕
以下の手順で、飼料原料を得た。
(1)500mL容量のビーカーに脱脂菜種25g、脱脂大豆25gを入れた(実施に必要な数を作成した)。
(2)よく混合した後、水を5g添加し、さらに混合した。
(3)食品用ラップフィルムで蓋をし、オーブン(製品名WINDY OVEN 型番WFO−601SD、東京理化機械製)(130℃)に入れた。
(4)1時間ごとに撹拌し、2〜6時間加熱をした。
(5)加熱終了後、室温で空冷した。
【0055】
上記で得られた飼料原料の分析をおこない、その分析結果を表1に示す。
【0056】
ペプシン消化率の測定は、以下のようにおこなった。
(1)飼料分析法・解説(2009年度版 日本科学飼料協会発行)を参考として、試料に対してペプシン処理をおこない、ろ過した。
(2)ペプシン処理後の残渣に対して、タンパク質含量の測定をおこなった。
(3)この残渣に含まれるタンパク質の質量をペプシン処理前のタンパク質の質量から引き、ペプシン処理前のタンパク質の質量で除して、ペプシン消化率(%)を算出した。
【0057】
トリプシン消化率の測定は、以下のようにおこなった。
(1)試薬の調製
0.2%トリプシン入りトリス緩衝液:トリス(ヒドロキシメチルアミノメタン)6.05gと塩化カルシウム二水和物2.94gを900mLの水で溶かし、pHを8.2に調整後、1Lにメスアップした。そこに2gのトリプシンを溶かした。
(2)試料0.5gを100mL容量三角フラスコに正確に0.5g量り取った。
(3)これにあらかじめ37℃に加温した0.2%トリプシン入りトリス緩衝液75mLを加えて密栓し、37℃で16時間振り混ぜながら消化処理をおこなった。
(4)消化処理した後、ろ紙でろ過し、ろ紙上の残渣に対して、タンパク質含量の測定をおこなった。
(5)この残渣に含まれるタンパク質の質量をトリプシン処理前のタンパク質の質量から引き、トリプシン処理前のタンパク質の質量で除して、トリプシン消化率(%)を算出した。
【0058】
【表1】
【0059】
表1で示したように、脱脂菜種と脱脂大豆を1:1で配合した原料を加熱処理することでADICP含量が6.6〜17.8乾燥質量%の飼料原料を調製することができた。また、3〜5時間の加熱でNDICP含量が24乾燥質量%以上となり、より好ましいルーメンバイパス性を有する飼料原料が得られた。
また、加熱時間が6時間である実施例1−5では、やや苦い風味があり、適度な加熱処理が風味のよい飼料原料の調製に必要であることがわかった。
【0060】
〔調製例2〕
実施例1−2で用いた脱脂菜種と脱脂大豆の配合を表2に記載の量としたこと以外は実施例1−2と同様におこなった。得られた飼料原料の分析をおこない、その分析結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
表2で示したように、脱脂菜種と脱脂大豆を1:4〜4:1で混合した後、加熱処理をすると、ADICP含量が4.9〜11.9乾燥質量%の飼料原料を調製することができた。また、NDICP含量は21.8〜25.4乾燥質量%であり、特に、脱脂菜種と脱脂大豆を2:3〜3:2に配合することでNDICP含量の高い飼料原料を得ることができた。
【0063】
〔調製例3〕
実施例1−2で用いた脱脂菜種と脱脂大豆の配合を表3に記載の量としたこと以外は実施例1−2と同様におこなった(実施例3−1、比較例3−1〜2)。また、比較例3−1と比較例3−2を等量混合した比較例3−3を調製した。得られた飼料原料の分析をおこない、その分析結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】
表3で示したように、脱脂大豆単独では、ADICP含量が2.7乾燥質量%と低く、また、脱脂菜種単独では、脱脂菜種と脱脂大豆との混合に比較して、リジン含量やペプシン消化率、トリプシン消化率が低く、飼料原料として十分ではなかった。一方、脱脂菜種と脱脂大豆を1:1で混合した後、加熱処理をすると、トリプシン消化率は85.4%であり、加熱後混合した場合の82.0%に比べ、大きくトリプシン消化率が向上し、飼料原料として非常に有効であることが判った。
【0066】
〔調製例4〕
実施例1−4で用いた脱脂菜種と脱脂大豆の配合を表4に記載の量としたこと以外は実施例1−4と同様におこなった(実施例4−1、比較例4−1〜2)。また、比較例4−1と比較例4−2を等量混合した比較例4−3を調製した。得られた飼料原料の分析をおこない、その分析結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】
表4で示したように、脱脂大豆単独では、ADICP含量が6.2乾燥質量%と低く、また、脱脂菜種単独では、リジン含量やペプシン消化率、トリプシン消化率が低く、飼料原料として十分ではなかった。一方、脱脂菜種と脱脂大豆を1:1で混合した後、加熱処理をすると、ADICP含量は15.8乾燥質量%であり、加熱後混合した場合の14.7乾燥質量%に比べ、効率よくADICP含量を高めることができた。
また、さらに、ペプシン消化率及びトリプシン消化率は84.5%及び67.8%であり、加熱後混合した場合の78.3%及び50.3%に比べ、大きくペプシン消化率及びトリプシン消化率が向上し、飼料原料として非常に有効であることが判った。
【0069】
〔実施例5〕
実施例1−2の飼料原料を用いて、以下の配合で飼料を作成した。
トウモロコシ 19.8質量%、
実施例1−2の飼料原料 10.0質量%、
フスマ 6.75質量%、
コーングルテンミール 6.75質量%、
アルファルファミール 5.4質量%、
マイロ 4.5質量%、
炭酸カルシウム 0.765質量%、
リン酸二石灰 0.585質量%、
食塩 0.27質量%、
ビタミンADE 0.09質量%、
微量ミネラル 0.09質量%、
チモシー乾草 45.0質量%