(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
aが0または1であり、bが0または1であり、cが0または1であり、かつdが0または1である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の部分を含む自己組織化単分子膜。
有機電子デバイスが、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシタ、無線周波数識別(RFID)タグ、デバイスまたはコンポーネント、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電装置(OPV)、有機太陽電池(OSC)、フォトダイオード、レーザーダイオード、光伝導体、有機光検出器(OPD)、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機記憶装置、センサーデバイス、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティマーキング、セキュリティデバイス、およびDNA配列を検出し、同定するためのコンポーネントまたはデバイスからなる群から選択される、請求項12に記載の有機電子デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、トップゲート(top gate)有機電界効果トランジスタの概略の例示的表明を示す。
【
図2】
図2は、ボトムゲート(bottom gate)有機電界効果トランジスタの概略の例示的表明を示す。
【
図3】
図3は、例4のトランジスタの概略の上面図表明である。
【
図4】
図4は、例4のトランジスタの転移特性を示す。
【
図5】
図5は、例6のトランジスタの転移特性を示す。
【0013】
詳細な説明
本出願の目的のために、用語「自己組織化単分子膜」を、非限定的な様式で、本明細書中で定義する層を示すために使用する。用語「自己組織化単分子膜」を、本出願中で述べる場合がある任意の他の層とこの層を区別するために使用する。
【0014】
一般論として、本出願は、一般式(I)
【化3】
式中、X
1、X
2、X
3、X
4、R
1、R
2、R
3およびR
4は、以下に定義するとおりである、
で表される部分を含む自己組織化単分子膜を提供する。
【0015】
X
1は、−CH
2−、−CF
2−および芳香族C−R
5からなる群から選択され、R
5は、以下に定義するとおりである。
X
2は、−CH
2−、−CF
2−および−C(=O)−からなる群から選択される。
X
3は、−CH
2−、−CF
2−およびN−R
6からなる群から選択され、R
6は、以下に定義するとおりである。
X
4は、−CH
2−、−CF
2−、−C(=O)−およびN−R
7からなる群から選択され、R
7は、以下に定義するとおりである。
【0016】
X
1、X
2、X
3およびX
4は、互いに独立して選択され得、但しX
3がN−R
6であるかまたはX
4がN−R
7であるかのいずれかである。
X
1がC−R
5であり、X
2が−C(=O)−であり、X
3がN−R
6であり、X
4が−C(=O)−であるか、またはX
1が−CH
2−であり、X
2が−CH
2−であり、X
3が−CH
2−であり、X
4がNR
7であるのが好ましく、但しR
5、R
6およびR
7は以下に定義するとおりである。
【0017】
R
1および(存在する場合には)R
6は、互いに独立して、H、F、メチル、エチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているメチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているエチル、および−(C≡C)
a−(Ar
1)
b−(C≡C)
c−(R
8)
d−X
5−*からなる群から選択され、ここでAr
1、R
8、X
5、a、b、cおよびdは以下に定義するとおりであり、但しX
3がN−R
6である場合、R
1およびR
6は共に−(C≡C)
a−(Ar
1)
b−(C≡C)
c−(R
8)
d−X
5−*ではない。
【0018】
Ar
1は、パラ−フェニレンまたは1個以上の炭素環原子がNによって置換されているパラ−フェニレンである。好適なAr
1の例は、以下のものからなる群から選択され得る。
【化4】
それは、いずれの方向においても、つまり式(I)で表される部分の官能基X
5の方向におけるいずれの*でも使用され得る。これらの中で、パラ−フェニレン(II−1)が、好ましい。任意に、Ar
1に存在する水素の1個以上は、フッ素によって置き換えられていてもよい。
【0019】
R
8は、−CH
2−または−CF
2−である。好ましくは、R
8は、−CH
2−である。
官能基X
5は、−X
a−、−X
a−X
b−、−C(=X
a)−X
b−、−X
aO
3−、−X
a−X
bO
3−、−PO
2H−および−PO
3H−からなる群から選択され、ここでX
aおよびX
bは、各々独立してSまたはSeである。好ましくは、X
5は、−S−、−S−S−、−C(=S)−S−、−SO
3−、−S−SO
3−、−PO
2H−および−PO
3H−からなる群から選択される。最も好ましくは、X
5は、−S−である。
【0020】
−X
aO
3−、−X
a−X
bO
3−、−PO
2H−および−PO
3H−からなる群から選択された官能基X
1に関して、X
1と金属または金属酸化物表面との間の多数の可能な結合様式が、考えられ得る。理論によって束縛されることを望まずに、一般に、これらの官能基X
1と金属または金属酸化物表面との間の結合は、−O−によってなされると考えられる。かかる結合の例は、金属−O−P−である。これらの官能基X
1は例えば、金属または金属酸化物表面に、1つ以上の基−O−によって結合してもよい。1つより多いかかる結合様式が同時に存在することもまた、可能である。
【0021】
パラメーターaは、0、1または2である。好ましくは、aは、0または1である。
パラメーターbは、0、1または2である。好ましくは、bは、0または1である。
パラメーターcは、0、1または2である。好ましくは、cは、0または1である。
パラメーターdは、0、1または2である。好ましくは、dは、0または1である。
好ましくは、パラメーターa、b、cおよびdの少なくとも1つは、1であり、つまりa+b+c+d≧1である。
【0022】
a、b、cおよびdの好ましい組み合わせは、以下から選択され得る:
(i)a+cは1である;好ましくは、aは1であり、cは0である。
(ii)a、bおよびdはすべて1であり;かつcは0である。
(iii)dは1であり;かつa、bおよびcはすべて0である。
(iv)a、b、cおよびdはすべて1である。
(v)bおよびdはすべて1であり;かつaおよびcはすべて0である。
(vi)bは1であり;かつa、cおよびdはすべて0である。
【0023】
R
2、R
3、R
4、R
5およびR
7は、互いに独立して、H、F、メチル、エチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているメチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているエチルからなる群から選択され、かつR
2、R
3、R
4、R
5およびR
7の2つまたは3つの隣接する基は、合計で6〜24個の芳香環原子を有する脂肪族または芳香族環系を一緒に形成してもよい。例示的な脂肪族環系は、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナンおよびシクロデカンからなる群から選択され得る。シクロペンタンおよびシクロヘキサンは、脂肪族環系の好ましい例である。例示的な芳香族環系は、ベンゼン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、ナフタレン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、フタラジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、アントラセン、フェナントレン、アクリジン、フェナントリジンおよびフェナジンからなる群から選択され得る。ベンゼンおよびピリジンは、芳香族環系の好ましい例である。
【0024】
一般式(I)で表される好ましい部分において、X
1はC−R
5であり、かつR
2およびR
5は一緒に−(C−R
9)
3−であり得、但しR
9は以下に定義するとおりである。
【0025】
一般式(I)で表される他の好ましい部分は、以下の1つから選択され得る:
(i) R
3およびR
4は、一緒に−(C−R
9)
4−であり得、但しR
9は以下に定義するとおりであり、または
(ii) X
4はN−R
7であり、かつR
3およびR
7は一緒に−(C−R
9)
3−、−(C−R
9)
2−および−(C−R
9)−からなる群から選択され得、但しR
9は以下に定義するとおりであり;または
(iii) X
4はN−R
7であり、かつR
3、R
4およびR
7は一緒に−(C−R
9)
2−N−(C−R
9)
3−であり得、但しR
9は以下に定義するとおりであり、または
(iv) X
3はN−R
6であり、または
(v) X
2は−C(=O)−であり、X
3はN−R
6であり、かつX
4は−C(=O)−であり、
任意に組み合わせて、X
1はC−R
5であり、かつR
2およびR
5は一緒に−(C−R
9)
3−であり、但しR
9は以下に定義するとおりである。
【0026】
R
9は、H、F、メチル、エチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているメチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているエチルからなる群から選択され得、または2つの隣接する基R
9は、一緒に6〜24個の芳香環原子を有する芳香族環系を形成してもよく、それは、次に、H、F、エチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているメチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているエチル、−X
a−、−X
a−X
b−、−C(=X
a)−X
b−、−X
aO
3H、−X
a−X
bO
3H、−PO
2H
2および−PO
3H
2からなる群から選択されたR
10によって置換されていてもよく、但しX
aおよびX
bは、各々独立してSまたはSeである。
【0027】
一般式(I)で表される部分の特定の例は、式(I−A)〜(I−D)からなる群から選択され得る。
【化5】
これらの中で、式(I−A)および(I−B)が、好ましい。
【0028】
式(I−A)で表される特定の例は、以下の式(I−A−1)〜(I−A−8)からなる群から選択され得る。
【化6】
【0029】
式(I−B)の特定の例は、以下の式(I−B−1)〜(I−B−7)からなる群から選択され得る。
【化7】
【0030】
本自己組織化単分子膜はまた、本発明の1つより多い部分を含んでもよいか、またはまた自己組織化単分子膜を形成すると知られている化合物、例えばBoudinet et al.によってOrganic Electronics 11 (2010) 227-237に、もしくはM. Malicki et al.によってLangmuir 2009, 25(14), 7967-7975に開示されている化合物を含んでもよい。
【0031】
好ましくは、本発明の自己組織化単分子膜は、1〜10、より好ましくは1〜5、さらにより好ましくは1〜3、および尚さらにより好ましくは1〜2分子層厚さ(かかる層の表面に対して垂直で測定して)を有してもよい。最も好ましくは、前記厚さは、1分子層である。
【0032】
得られた自己組織化単分子膜は、金属または金属酸化物表面の表面特性の修正に有用であると見出された。かかる金属または金属酸化物表面は、例えば電子デバイスにおける電極であり得る。電子デバイスにおけるかかる電極の特定の例は、例えば有機電界効果トランジスタにおけるソースおよびドレイン電極であり得る。
【0033】
本発明において使用してもよい金属および金属酸化物のタイプは、特に限定されず、また合金および金属の任意のブレンド、金属酸化物の任意のブレンドならびに金属および金属酸化物の任意のブレンドを含んでもよい。
【0034】
電子デバイスにおける、特に有機電子デバイスにおける電極として特に好適である例示的な金属は、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、パラジウム、白金、チタンおよびそれらの任意のブレンドからなる群から選択され得る。これらの中で、金および銀が、特に好ましい。銀が、最も好ましい。
【0035】
電子デバイスにおける、特に有機電子デバイスにおける電極として特に好適である例示的な合金は、ステンレス鋼(例えば332ステンレス鋼、316ステンレス鋼)、金の合金、銀の合金、銅の合金、アルミニウムの合金、ニッケルの合金、パラジウムの合金、白金の合金およびチタンの合金を含む。
【0036】
例示的な電気的に伝導性の金属酸化物は、酸化インジウムスズ、フッ素化された酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛およびそれらの任意のブレンドを含む。
【0037】
したがって、本出願はまた、本発明の部分を含む自己組織化単分子膜によって被覆された金属または金属酸化物表面に関する。用語「被覆された」は、かかる金属または金属酸化物表面の少なくとも10%、または20%または30%、または40%、または50%、または60%、または70%または80%または90%または95%または97%または99%が前記自己組織化単分子膜によって被覆されていることを意味する。言いかえれば、金属または金属酸化物表面は、前記自己組織化単分子膜と接触している。好ましくは、前記接触は、直接の物理的接触である。異なって表現すると、本自己組織化単分子膜が金属または金属酸化物表面に直接隣接しているのが、好ましい。
【0038】
本出願の目的のために、用語「金属」はまた、1種以上の金属および1種以上の金属酸化物のブレンド、ここで前記1種以上の金属の含量が、前記ブレンドの全重量に対し、50wt%より多い、を示し得る。同様に、用語「金属酸化物」はまた、1種以上の金属および1種以上の金属酸化物のブレンド、ここで前記1種以上の金属酸化物の含量が、前記ブレンドの全重量に対し、50wt%より多い、を示し得る。
【0039】
理論によって束縛されることを望まずに、前記自己組織化単分子膜中に含まれる一般式(I)で表される部分は、官能基X
5が金属または金属酸化物表面に近接しながら、一方で残りが金属または金属酸化物表面から外方に向くように配向していると考えられている。かかる配向の結果、金属または金属酸化物表面から外方に向いている自己組織化単分子膜の側上で改善された表面特性、例えば改善された電荷注入および電荷輸送がもたらされると考えられている。さらに、置換基によって、かかる自己組織化単分子膜のぬれ性を制御することを許容し、ひいてはさらなる層のその上へ堆積することを援助する。
【0040】
さらに、本出願はまた、本発明の前記自己組織化単分子膜によって被覆された金属または金属酸化物表面を含む、電子デバイス、好ましくは有機電子デバイスに関する。例えば、本出願は、本発明の自己組織化単分子膜によって被覆された金属または金属酸化物電極を含む、電子デバイス、好ましくは有機電子デバイスに関する。
【0041】
本発明の電子デバイスは例えば、有機電界効果トランジスタ(OFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、論理回路、キャパシタ、無線周波数識別(RFID)タグ、デバイスまたはコンポーネント、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電装置(OPV)、有機太陽電池(OSC)、フォトダイオード、レーザーダイオード、光伝導体、有機光検出器(OPD)、電子写真デバイス、電子写真記録デバイス、有機記憶装置、センサーデバイス、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティマーキング、セキュリティデバイス、およびDNA配列を検出し、同定するためのコンポーネントまたはデバイスからなる群から選択され得る。
【0042】
好ましくは、前記電子デバイスは、有機電界効果トランジスタ(OFET)、有機薄膜トランジスタ(OTFT)、有機発光ダイオード(OLED)、有機発光トランジスタ(OLET)、有機光起電装置(OPV)、有機光検出器(OPD)、有機太陽電池、レーザーダイオード、ショットキーダイオード、光伝導体および光検出器からなる群から選択される。
【0043】
かかる電子デバイスは、当業者に周知であり、有機電界効果トランジスタ(OFET)を使用して以下に例示する。有機電界効果トランジスタは、ゲート電極、絶縁(またはゲート絶縁)層、ソース電極、ドレイン電極、およびソース電極とドレイン電極とを接続する有機半導体チャネルを含んでもよく、ここで電極の任意またはすべての電極(金属もしくは金属酸化物または両方を含む場合)は、本発明による自己組織化単分子膜と接触していてもよい。OFETの他の特徴は、当業者に周知である。
【0044】
ゲート誘電体とドレインおよびソース電極との間に有機半導体材料が薄膜として配置されているOFETは、一般に知られており、例えばUS 5,892,244、US 5,998,804およびUS 6,723,394に記載されている。
【0045】
OFETデバイスにおいて、ゲート、ソースおよびドレイン電極ならびに絶縁層ならびに半導体層を、ソース電極およびドレイン電極がゲート電極から絶縁層によって分離され、ゲート電極および半導体層が共に絶縁層と接触しており、ソース電極およびドレイン電極が共に半導体層と接触している場合には、任意の順序で配置してもよい。
【0046】
本発明によるOFETデバイスは、好ましくは以下のものを含み:
− ソース電極、
− ドレイン電極、
− ゲート電極、
− 本発明による自己組織化単分子膜、
− 半導体層、
− 1つ以上のゲート絶縁体層、および
− 任意に、基板、
ここで電極の少なくとも1つは、金属または金属酸化物を含む。好ましくは、金属または金属酸化物を含む前記電極の少なくとも1つは、自己組織化単分子膜によって被覆されている。
【0047】
OFETデバイスは、トップゲートデバイスまたはボトムゲートデバイスであり得る。OFETデバイスの好適な構造および製作方法は、当業者に知られており、文献、例えばUS 2007/0102696 A1に記載されている。
【0048】
図1は、本発明による典型的なトップゲートOFETの略図を示し、それは、基板(1)に備えられたソース(S)およびドレイン(D)電極(2)、S/D電極に備えられた本発明の一般式(I)で表される部分の自己組織化単分子膜(3)、S/D電極および自己組織化単分子膜(3)に備えられた有機半導体材料の層(4)、有機半導体層(4)に備えられたゲート絶縁体層としての誘電材料の層(5)、ゲート絶縁体層(5)に備えられたゲート電極(6)、ならびにゲート電極(6)に備えられて後に提供され得るさらなる層もしくはデバイスからそれを遮蔽するかまたはそれを環境的影響から保護するための、任意の不動態化層または保護層(7)を含む。両矢印によって示したソースおよびドレイン電極(2)間の領域は、チャネル領域である。
【0049】
図2は、本発明による典型的なボトムゲートボトム接触OFETの略図を示し、それは、基板(1)に備えられたゲート電極(6)、ゲート電極(4)に備えられた誘電材料の層(5)(ゲート絶縁体層)、ゲート絶縁体層(6)に備えられたソース(S)およびドレイン(D)電極(2)、S/D電極に備えられた本発明の一般式(I)で表される部分の自己組織化単分子膜(3)、S/D電極および自己組織化単分子膜(3)に備えられた有機半導体材料の層(4)、および後に提供され得るさらなる層もしくはデバイスからそれを遮蔽するかまたはそれを環境的影響から保護するための、有機半導体層(4)に備えられた任意の保護層または不動態化層(7)を含む。
【0050】
好ましくは、ゲート絶縁体層を、例えばスピンコーティング、ドクターブレーディング、ワイヤーバーコーティング、噴霧もしくは浸漬コーティングまたは他の既知の方法によって、絶縁体材料および1個以上のフルオロ原子を有する1種以上の溶媒(フルオロ溶媒(fluorosolvent))、好ましくはパーフルオロ溶媒(perfluorosolvent)を含む配合物から堆積させる。好適なパーフルオロ溶媒は、例えばFC75(登録商標)(Acrosから入手可能、カタログ番号12380)である。他の好適なフッ素重合体およびフルオロ溶媒は、従来技術において知られており、例えばパーフルオロポリマーTeflon AF(登録商標)1600もしくは2400(DuPontから)またはFluoropel(登録商標)(Cytonixから)またはパーフルオロ溶媒FC 43(登録商標)(Acros、番号12377)である。例えばUS 2007/0102696 A1またはUS 7,095,044に開示される、1.0〜5.0、極めて好ましくは1.8〜4.0の誘電定数を有する有機誘電材料(「低κ材料」)である。
【0051】
セキュリティ適用において、本発明による半導体材料を有するOFETおよび他のデバイス、例えばトランジスタまたはダイオードを、RFIDタグまたはセキュリティマーキングのために使用して、有価証券、例えば紙幣、クレジットカードまたはIDカード、国のID文書、ライセンスまたは金銭価値を有するあらゆる物品、例えば切手、チケット、株式、小切手などを認証し、かつ偽造を防止することができる。
【0052】
あるいはまた、本発明による電子デバイスは、OLEDであり得る。一般的なOLEDは、多層構造を使用して実現される。発光層は、一般に1つ以上の電子輸送および/または正孔輸送層の間に挟持される。電圧を印加することによって、電荷担体としての電子および正孔は、発光層へと移動し、ここでそれらの再結合によって、発光層中に含まれるルモフォア(lumophor)単位の励起およびしたがってルミネセンスがもたらされる。OLEDにおいて使用するための好適なモノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物または材料の選択、特徴づけおよび加工は、当業者に一般に知られている。例えばMueller et al, Synth. Metals, 2000, 111-112, 31-34, Alcala, J. Appl. Phys., 2000, 88, 7124-7128およびその中で引用されている文献を参照されたい。
【0053】
別の使用において、本発明による材料、特にフォトルミネセンスの特性を示すものを、EP 0 889 350 A1に、またはC. Weder et al., Science, 1998, 279, 835-837によって記載されているように、例えばディスプレイデバイスにおける、光源の材料として使用してもよい。
【0054】
本発明の電子デバイスを、当業者に周知の標準的方法によって生産してもよい。デバイスの液体コーティングは、真空蒸着技術より望ましい。溶液蒸着方法が、特に好ましい。好ましい堆積技術は、限定されずに浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、ノズル印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、乾式オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、噴霧コーティング、カーテンコーティング、ブラシコーティング、スロットダイコーティングまたはパッド印刷を含む。
【0055】
有機半導体層を適用するための有機半導体材料および方法は、当業者に知られている標準的な材料および方法から選択され得、文献に記載されている。
有機半導体材料は、例えばn型またはp型有機半導体であり得、それを、真空蒸着もしくは蒸着によって堆積させるか、または好ましくは溶液から堆積させることができる。好ましくは、10
−5cm
2V
−1s
−1より大きなFET移動度を有する有機半導体材料を使用することができる。
【0056】
有機半導体材料を例えば、有機電界効果トランジスタにおける活性チャネル材料または有機整流ダイオードの層素子として使用する。液体コーティングによって堆積して周囲の加工を可能にせしめ得る有機半導体材料が、好ましい。有機半導体材料を、好ましくは噴霧、浸漬、ウェブもしくはスピンコートするか、または任意の液体コーティング技術によって堆積させる。インクジェット堆積は、また好適である。有機半導体材料を、任意に真空蒸着または蒸着させてもよい。
【0057】
半導体チャネルはまた、同一のタイプの半導体の2種以上の複合体であり得る。さらに、p型チャネル材料を例えば、層をドープする効果のためにn型材料と混合してもよい。多層の半導体層をまた、使用してもよい。例えば、半導体は絶縁体界面の付近で真性であってもよく、高度にドープした領域をさらに真性層の隣に被覆することができる。
【0058】
有機半導体材料は、モノマー化合物(ポリマーもしくは巨大分子と比較して「小分子」とも称する)またはポリマー化合物、あるいはモノマーおよびポリマー化合物のいずれかまたは両方から選択された1種以上の化合物を含む混合物、分散体またはブレンドであり得る。
【0059】
モノマーの材料の場合において、有機半導体材料は、好ましくは共役した芳香族分子であり、好ましくは少なくとも3つの芳香環を含む。好ましいモノマー有機半導体材料は、5、6または7員環芳香環を含む、より好ましくは5または6員環芳香環を含む共役した芳香族分子からなる群から選択される。
【0060】
これらの共役した芳香族分子において、芳香環の各々は、任意にSe、Te、P、Si、B、As、N、OまたはS、好ましくはN、OまたはSから選択された1個以上のヘテロ原子を含む。さらに、または代替的に、これらの共役した芳香族分子において、芳香環の各々は、アルキル、アルコキシ、ポリアルコキシ、チオアルキル、アシル、アリールまたは置換アリール基、ハロゲン、特にフッ素、シアノ、ニトロまたは−N(R’)(R’’)、式中R’およびR’’は互いに独立してH、任意に置換されているアルキル基、または任意に置換されているアリール、アルコキシもしくはポリアルコキシ基からなる群から選択される、によって表される任意に置換されている第二もしくは第三アルキルアミンもしくはアリールアミンで、任意に置換されている。ここで、R’およびR’’は、アルキルまたはアリール基であり、これらは、任意にフッ素化されている。
【0061】
これらの共役した芳香族分子において、芳香環は、任意に縮合しているか、または任意に共役した結合基、例えば−C(T
1)=C(T
2)−、−C≡C−、−N(R’’’)−、−N=N−、−C(R’’’)=N−、−N=C(R’’’)−により互いに結合しており、式中T
1およびT
2は、互いに独立して、H、Cl、F、−CNまたはC
1〜C
10アルキル基、好ましくはC
1〜C
4アルキル基からなる群から選択され;R’’’は、H、任意に置換されているC
1〜C
20アルキル基または任意に置換されているC
4〜C
30アリール基からなる群から選択される。R’’’がアルキルまたはアリール基である場合、これらは、任意にフッ素化されていてもよい。
【0062】
本発明において使用することができるさらなる好ましい有機半導体材料は、共役炭化水素ポリマー、例えばポリアセン、ポリフェニレン、ポリ(フェニレンビニレン)、それらの共役炭化水素ポリマーのオリゴマーを含むポリフルオレン;縮合した芳香族炭化水素、例えばテトラセン、クリセン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、コロネンまたはこれらの可溶性の置換誘導体;オリゴマーパラ置換フェニレン、例えばp−クアテルフェニル(p−4P)、p−キンケフェニル(p−5P)、p−セキシフェニル(p−6P)、またはこれらの可溶性の置換誘導体;共役複素環式ポリマー、例えばポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、任意に置換されているポリチエノ[2,3−b]チオフェン、任意に置換されているポリチエノ[3,2−b]チオフェン、ポリ(3−置換セレノフェン)、ポリベンゾチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)、ポリフラン、ポリピリジン、ポリ−1,3,4−オキサジアゾール、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(2−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−二置換アニリン)、ポリアズレン、ポリピレン;ピラゾリン化合物;ポリセレノフェン;ポリベンゾフラン;ポリインドール;ポリピリダジン;ベンジジン化合物;スチルベン化合物;トリアジン;置換メタロまたは金属フリーポルフィン、フタロシアニン、フルオロフタロシアニン、ナフタロシアニンまたはフルオロナフタロシアニン;C
60およびC
70フラーレン;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたは置換ジアリール−1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドおよびフルオロ誘導体;N,N’−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたは置換ジアリール3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド;バソフェナントロリン;ジフェノキノン;1,3,4−オキサジアゾール;11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン;α,α’−ビス(ジチエノ[3,2−b2’,3’−d]チオフェン);2,8−ジアルキル、置換ジアルキル、ジアリールまたはジアルキニルアントラジチオフェン;2,2’−ビベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェンからなる群から選択された化合物、オリゴマーおよび化合物の誘導体を含む。好ましい化合物は、有機溶媒に可溶である上記のリストからのものおよびそれらの誘導体である。
【0063】
特に好ましい有機半導体材料は、チオフェン−2,5−ジイル、3−置換チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、3−置換セレノフェン−2,5−ジイル、任意に置換されているチエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、任意に置換されているチエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、任意に置換されている2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル、任意に置換されている2,2’−ビセレノフェン−5,5’−ジイルから選択された1つ以上の繰り返し単位を含むポリマーおよびコポリマーからなる群から選択される。
【0064】
さらなる好ましい有機半導体材料は、例えばUS 6,690,029、WO 2005/055248 A1またはUS 7,385,221に開示される、置換オリゴアセン、例えばペンタセン、テトラセンもしくはアントラセン、またはそれらの複素環式誘導体、例えば6,13−ビス(トリアルキルシリルエチニル)ペンタセンもしくは5,11−ビス(トリアルキルシリルエチニル)アントラジチオフェンからなる群から選択される。
【0065】
本発明の別の好ましい態様において、電子デバイスの有機半導体層は、例えばWO 2005/055248 A1に記載されているレオロジー特性を調整するための1種以上の有機結合剤、特に1,000Hzで3.3以下の低い誘電率εを有する有機結合剤を含む。
【0066】
結合剤は、例えばポリ(アルファ−メチルスチレン)、ポリビニルシンナメート、ポリ(4−ビニルビフェニル)もしくはポリ(4−メチルスチレン、またはそれらのブレンドから選択される。結合剤はまた、例えばポリアリールアミン、ポリフルオレン、ポリチオフェン、ポリスピロビフルオレン、置換ポリビニレンフェニレン、ポリカルバゾールもしくはポリスチルベン、またはそれらのコポリマーから選択された半導体結合剤であり得る。
【0067】
本発明において使用するための好ましい誘電材料は、好ましくは、1000Hzで1.5〜3.3の低い誘電率を有する材料を含む。かかる材料の例は、旭硝子から商業的に入手できるCytop
TM 809Mである。
本発明によるトランジスタデバイスはまた、p型半導体チャネルおよびn型半導体チャネルの両方を含む相補型有機薄膜トランジスタ(CTFT)であり得る。
【0068】
本発明の自己組織化単分子膜は、有機電界効果トランジスタにおいて有用であるのみならず、しかしまた金属電極または金属酸化物電極を含む任意の有機電子デバイス、例えば有機発光デバイス(OLED)または有機光起電(OPV)装置において使用することができる。当業者は、それを他の有機電子デバイスにおいて使用するために所要の修正を容易にすることができる。
【0069】
例えば、目下のものをまた、有機光起電装置中の、例えばバルクヘテロ接合(bulk heterojunction)(BHJ)太陽電池中の電極に適用することができる。有機光起電装置は、文献から知られている任意のタイプであり得る[例えばWaldauf et al., Appl. Phys. Lett. 89, 233517 (2006)を参照]。
【0070】
本発明による好ましい有機光起電装置は、以下のものを含む:
− 低い仕事関数の電極(例えば金属、例えばアルミニウム)、および高い仕事関数の電極(例えば酸化インジウムスズ、しばしば「ITO」と称される)、これらのうち一方が透明である、
− 低い仕事関数の電極と高い仕事関数の電極との間に位置する、好ましくは有機半導体材料から選択された、正孔輸送材料および電子輸送材料を含む層(「活性層」とも称される);活性層は、例えば2層もしくは2つの別個の層またはp型およびn型半導体のブレンドもしくは混合物として存在し、バルクヘテロ接合(BHJ)を形成することができる(例えばCoakley, K. M.およびMcGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533を参照)、
【0071】
− 抵抗接点を電子に提供するための、活性層に面する低い仕事関数の電極の側の、任意のコーティング(例えばLiFの)、
ここで、電極の少なくとも一方、好ましくは高い仕事関数の電極は、本発明による自己組織化単分子膜で被覆されている。
【0072】
本発明による別の好ましい有機光起電装置は、逆型有機光起電装置であり、それは、以下のものを含む:
− 低い仕事関数の電極(例えば金属、例えば金)、および高い仕事関数の電極(例えばITO)、これらのうち一方が透明である、
− 低い仕事関数の電極と高い仕事関数の電極との間に位置する、好ましくは有機半導体材料から選択された、正孔輸送材料および電子輸送材料を含む層(「活性層」とも称される);活性層は、例えば2層もしくは2つの別個の層またはp型およびn型半導体のブレンドもしくは混合物として存在し、BHJを形成することができる、
【0073】
− 抵抗接点を正孔に提供するための、活性層に面する高い仕事関数の電極の側の、任意のコーティング(例えばTiO
xの)、
ここで、電極の少なくとも一方、好ましくは高い仕事関数の電極は、本発明による自己組織化単分子膜で被覆されている。
【0074】
したがって、本発明の有機光起電装置において、好ましくは、電極の少なくとも一方、好ましくは高い仕事関数の電極は、活性層に面するその表面上で、本発明による部分を含む層によって被覆されている。前記層を、有利には、本明細書に記載するように、本発明による方法によって適用する。
【0075】
本発明による有機光起電装置は典型的には、p型(電子供与体)半導体およびn型(電子受容体)半導体を含む。p型半導体は、例えばポリマー、例えばポリ(3−アルキル−チオフェン)(P3AT)、好ましくはポリ(3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、または代替的に上に列挙した好ましいポリマーおよびモノマー有機半導体材料の群から選択された別のものである。n型半導体は、無機物質、例えば酸化亜鉛もしくはセレン化カドミウム、あるいは有機物質、例えばフラーレン誘導体、例えば、また、例えばG. Yu, J. Gao, J.C. Hummelen, F. Wudl, A.J. Heeger, Science 1995, Vol. 270, p. 1789 ffに開示される、「PCBM」もしくは「C
60PCBM」として知られており、以下に示す構造を有する(6,6)−フェニル−酪酸メチルエステル誘導体化メタノC
60フラーレン、または、例えばC
70フラーレン基を有する構造的に類似する化合物(C
70PCBM)、またはポリマーであり得る(例えばCoakley, K. M.およびMcGehee, M. D. Chem. Mater. 2004, 16, 4533を参照)。
【化8】
【0076】
このタイプの好ましい材料は、ポリマー、例えばP3HTまたは上に列挙した群から選択された別のポリマーの、C
60もしくはC
70フラーレンまたは改変フラーレン、例えばPCBMとのブレンドまたは混合物である。好ましくは、比率ポリマー:フラーレンは、重量で2:1〜1:2、より好ましくは重量で1.2:1〜1:1.2、最も好ましくは重量で1:1である。ブレンドした混合物のために、任意の焼きなましステップが、ブレンド形態および結果的に有機光起電装置性能を最適化するために必要であり得る。
【0077】
本自己組織化単分子膜を、式(I)で表される部分を含む化合物(以下において「前駆体化合物」と示す)を金属表面または金属酸化物表面に適用することにより製造してもよく、それは、基板上で支持される。好ましくは、前記前駆体化合物において、R
1、および(存在する場合には)R
6は、互いに独立して、H、F、メチル、エチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているメチル、1個以上の水素がフッ素によって置き換えられているエチル、および−(C≡C)
a−(Ar
1)
b−(C≡C)
c−(R
8)
d−X
5−H、ここでAr
1、R
8、X
5、a、b、cおよびdは、上に定義したとおりである、からなる群から選択され、但しX
3がN−R
6である場合、R
1およびR
6は共に−(C≡C)
a−(Ar
1)
b−(C≡C)
c−(R
8)
d−X
5−Hではない。
【0078】
あるいはまた、前記前駆体化合物はまた、−(C≡C)
a−(Ar
1)
b−(C≡C)
c−(R
8)
d−S−S−(R
8)
d−(C≡C)
c−(Ar
1)
b−(C≡C)
a−によって結合した式(I)、ここでAr
1、R
8、X
5、a、b、cおよびdは、上に定義したとおりである、で表される2つの部分、つまり第1および第2の部分を含んでもよい。これは、式(I)で表される2つの部分を含むかかる前駆体化合物の、第1の部分上のR
1が第2の部分上のR
1に結合してもよく、または第1の部分上のR
1が第2の部分上のR
6に結合してもよく、第1の部分上のR
6が第2の部分上のR
6に結合してもよいことを意味する。
【0079】
したがって本発明の方法は、金属表面または金属酸化物表面上の自己組織化単分子膜の製造、および最終的にかかる自己組織化単分子膜を含む電子デバイス、好ましくは有機電子デバイスの製造方法であって、以下のステップ
(a) 金属表面または金属酸化物表面を提供すること、および
(c) 上に定義した1種以上の前駆体化合物を前記金属表面または金属酸化物表面に適用すること、
を含み、
このようにして本発明による自己組織化単分子膜を前記金属表面または金属酸化物表面に得る、
前記方法を提供する。
【0080】
ステップ(a)の金属表面または金属酸化物表面は、電極の表面であり得る。有機電界効果トランジスタにおいて、前記電極は、例えばソース電極もしくはドレイン電極または両方であり得る。好ましくは、かかる電極を、支持層に設ける。好適な支持層または基板の例を、それらが電子デバイスの文脈において言及され得るとして、以下に示す。
【0081】
上で定義した前駆体化合物を、金属表面または金属酸化物表面に、真空蒸着もしくは蒸着方法によって、または液体コーティング法によって適用してもよい。例示的な堆積方法は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、昇華または液体コーティング法を含む。液体コーティング法が、好ましい。溶媒ベースの液体コーティング法が、特に好ましい。
【0082】
溶媒ベースの液体コーティングにおいて、上で定義した前駆体化合物および溶媒を含む配合物を、金属表面または金属酸化物表面に堆積させる。任意に、堆積に続いて、溶媒を、少なくとも部分的に蒸発させてもよい。好ましい溶媒ベースの液体コーティング法は、限定されずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、ウェブ印刷、噴霧コーティング、ブラシコーティングまたはパッド印刷を含む。
【0083】
以下において、上で定義した前駆体化合物を電極に適用して、本発明の自己組織化単分子膜を得るステップはまた、「SAM処理」と言及され得る。
【0084】
上記のプロセスのステップ(a)において使用するための好適な溶媒は、アルコール、エーテル、ケトン、芳香族炭化水素およびこれらのいずれかの任意の混合物からなる群から選択され得る。好適なアルコールは、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびn−プロパノールからなる群から選択され得る。好適なエーテルは、直鎖または環状構造を有してもよく、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ブチルフェニルエーテル、メチルエチルエーテルおよび4−メチルアニソールからなる群から選択され得る。好適なケトンは例えば、アセトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンからなる群から選択され得る。好適な芳香族炭化水素は例えば、トルエン、メシチレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、シクロヘキシルベンゼンおよびハロゲン化芳香族炭化水素からなる群から選択され得る。かかるハロゲン化芳香族炭化水素の例は、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンおよびトリクロロベンゼンならびにこれらのいずれかの任意の混合物である。
【0085】
好ましくは、上で定義した前駆体化合物は、配合物または溶液中に、0.01wt%〜10wt%、好ましくは0.01wt%〜5wt%、および最も好ましくは0.05wt%〜2wt%で存在し、wt%は、配合物または溶液の全重量に対してである。
【0086】
金属または金属酸化物を、基板に、任意の慣用の方法によって適用してもよい。方法を、例えば真空蒸着、蒸着および液体コーティングから選択してもよい。典型的な堆積方法は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、昇華または液体コーティング法を含む。かかる方法は、当該分野における一般的知識の一部を形成し、当業者に周知である。
【0087】
SAM処理、つまり自己組織化単分子膜の生成の前に、金属または金属酸化物表面に、好ましくは洗浄ステップを施す。好ましい洗浄ステップは、酸または酸のブレンドでの酸性洗浄を含み、前記酸は、有機または無機酸である。好適な酸の例は、酢酸、クエン酸または塩酸である。あるいはまた、金属または金属酸化物表面に、プラズマ処理ステップを施してもよい。
【0088】
好ましい態様において、洗浄ステップおよびSAM処理を、単一ステップに併合する。例えば、本発明による配合物を金属または金属酸化物表面に適用することによって、この併合したステップを、行ってもよく、前記配合物は、上に定義した前駆体化合物および上に定義した酸を含む。
あるいはまた、洗浄ステップおよびSAM処理を、2つの別個のステップで連続的に行ってもよい。
【0089】
浸漬時間、つまり配合物を金属または金属酸化物表面に適用する間の時間は、好ましくは、少なくとも5sおよび高々72hである。
本発明の電子デバイス、好ましくは有機電子デバイスの他の層の製造において、標準的な方法を使用して、上に記載した様々な層および材料を堆積させてもよい。
【0090】
好ましくは、本電子デバイスの製造における個々の機能的な層、例えば有機半導体層または絶縁体層の堆積を、溶液加工技術を使用して行う。これを、例えば、有機半導体材料または誘電材料を含み、さらに1種以上の有機溶媒を含む配合物、好ましくは溶液を、先に堆積させた層に適用し、続いて溶媒(単数または複数)を蒸発させることにより行うことができる。好ましい堆積技術は、限定されずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、噴霧コーティング、ブラシコーティングまたはパッド印刷を含む。極めて好ましい溶液堆積技術は、スピンコーティング、フレキソ印刷およびインクジェット印刷である。
【0091】
本発明によるOFETデバイスにおいて、ゲート絶縁体層のための誘電材料は、好ましくは有機材料である。誘電体層が、周囲環境コーティングを許容する溶液コーティングされるのが好ましいが、様々な真空蒸着技術によって堆積させることもできるであろう。誘電体がパターン化されている場合、それは、中間層絶縁の機能を果たすか、またはOFETのためのゲート絶縁体として作用してもよい。
【0092】
好ましい堆積技術は、限定されずに、浸漬コーティング、スピンコーティング、インクジェット印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、噴霧コーティング、ブラシコーティングまたはパッド印刷を含む。
【0093】
インクジェット印刷が、それによって高い分解能の層およびデバイスを製造するのが可能になるので、特に好ましい。任意に、誘電材料を架橋または硬化させて、溶媒に対するより良好な耐性および/もしくは構造的完全性を達成し、かつ/またはパターン化を改善する(フォトリソグラフィー)ことができる。好ましいゲート絶縁体は、低誘電率界面を有機半導体に提供するものである。
【0094】
好適な溶媒は、炭化水素溶媒、芳香族溶媒、脂環式の環状エーテル、環状エーテル、酢酸塩、エステル、ラクトン、ケトン、アミド、環状炭酸塩または上記のものの多成分混合物を含むがそれらに限定されない溶媒から選択される。好ましい溶媒の例は、シクロヘキサノン、メシチレン、キシレン、2−ヘプタノン、トルエン、テトラヒドロフラン、MEK(メチルエチルケトン)、MAK(2−ヘプタノン)、シクロヘキサノン、4−メチルアニソール、ブチルフェニルエーテルおよびシクロヘキシルベンゼン、極めて好ましくはMAK、ブチルフェニルエーテルまたはシクロヘキシルベンゼンを含む。
【0095】
それぞれの機能性材料(有機半導体材料またはゲート誘電材料)の配合物中の合計濃度は、好ましくは、配合物(つまり機能性材料(単数または複数)および溶媒(単数または複数))の全重量に対して0.1〜30wt%、好ましくは0.1〜5wt%である。特に、高い沸点を有する有機ケトン溶媒は、インクジェットおよびフレキソ印刷のための溶液において使用するには有利である。
【0096】
スピンコーティングを堆積方法として使用する場合、OSCまたは誘電材料を、例えば30秒の期間にわたって例えば1000〜2000rpmでスピンさせて、0.5〜1.5μmの典型的な層厚さを有する層を得る。スピンコーティングの後、フィルムを、高い温度で加熱して、すべての残留する揮発性溶媒を除去することができる。
【0097】
任意に、誘電材料層を、放射線への露光の後に、例えば70℃〜130℃の温度で、例えば1〜30分、好ましくは1〜10分の期間にわたって焼きなます。高い温度での焼きなましステップを使用して、誘電材料の架橋性基の、光線照射への露光によって誘発された架橋反応を完了することができる。
【0098】
本明細書に記載したすべてのプロセスステップを、従来技術に記載されており、当業者に周知である既知の技術および標準的な設備を使用して行うことができる。例えば、光照射ステップにおいて、商業的に入手できるUVランプおよびフォトマスクを使用することができ、焼きなましステップをオーブン中で、またはホットプレート上で行うことができる。
【0099】
本発明による電子デバイス中の機能的な層(有機半導体層または誘電体層)の厚さは、好ましくは1nm(単分子膜の場合)〜10μm、極めて好ましくは1nm〜1μm、最も好ましくは5nm〜500nmである。
【0100】
様々な基板、例えばシリコンウェーハ、ガラスまたはプラスチックを、有機電子デバイスの製作に使用してもよく、プラスチック材料が好ましく、例は、アルキド樹脂、アリルエステル、ベンゾシクロブテン、ブタジエン−スチレン、セルロース、酢酸セルロース、エポキシド、エポキシポリマー、エチレンクロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン、繊維ガラス増強プラスチック、フルオロカーボンポリマー、ヘキサフルオロプロピレンビニリデンフルオリドコポリマー、高密度ポリエチレン、パリレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアラミド、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリケトン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーンゴムおよびシリコーンを含む。
【0101】
好ましい基板材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドおよびポリエチレンナフタレートである。基板は、上記の材料で被覆された任意のプラスチック材料、金属またはガラスであり得る。基板は、好ましくは、良好なパターン定義を確実にするために均質でなければならない。基板をまた、押出、伸長、ラビングによって、または光化学的技術によって均一にあらかじめ配列させて、有機半導体の配向を誘発し、担体移動度を強化してもよい。
【0102】
本発明による有機電子デバイスの好ましい製造方法は、以下のステップを含む。
(a) 金属または金属酸化物を堆積させて、ソース電極およびドレイン電極を基板に形成すること、
(b) 任意に、前記ソース電極および前記ドレイン電極の表面を洗浄すること;ならびに
(c) 上に定義した1種以上の前駆体化合物を前記ソース電極および前記ドレイン電極に適用し、それにより自己組織化単分子膜を前記ソース電極および前記ドレイン電極の表面に得ること;
(d) 有機半導体材料をソースおよびドレイン電極ならびに自己組織化単分子膜に堆積させ、このように有機半導体層を形成すること。
【0103】
任意に、ステップ(b)および(c)を、単一のステップに併合してもよい。
任意に、ステップ(c)において、上に定義した1種以上の前駆体化合物の適用に、存在するあらゆる溶媒の少なくとも部分的な除去、または自己組織化単分子膜の焼きなまし、または両方を後続させてもよい。
任意に、ステップ(d)において、有機半導体材料の堆積に、存在するあらゆる溶媒の少なくとも部分的な除去、または有機半導体材料の焼きなまし、または両方を後続させてもよい。
【0104】
上のステップ(a)〜(d)に加えて、本発明による有機電子デバイスの製造方法は、さらに以下のステップを含んでもよい:
(e) ゲート絶縁体材料を前記有機半導体層に堆積させ、それによりゲート絶縁体層を堆積させること;
(f) ゲート電極を前記ゲート絶縁体層に堆積させること;および
(g) 任意に、不動態化層を前記ゲート電極に堆積させること。
【0105】
トップゲートトランジスタの製造のために、ソースおよびドレイン電極を、通常は上に定義した基板に適用し、続いてその上に本発明による自己組織化単分子膜を堆積させる。ゲート絶縁体を、次に有機半導体層に適用することができ、その上に、次にゲート電極を堆積させてもよい。
【0106】
ボトムゲートトランジスタの製造のために、ゲート電極を通常、基板に適用する。次いでゲート絶縁体層を、前記ゲート電極の上に形成する。次いでソースおよびドレイン電極を、ゲート絶縁体に適用し、続いて本発明による自己組織化単分子膜をその上に堆積させる。
【0107】
製造するべき電子デバイスのタイプおよびそれぞれの構造に依存して、有機電子デバイスを製造する上記のプロセスを、例えば、上記のステップ(a)〜(g)のいずれか中に含まれるものとは異なる追加の層の形成を包含させることにより修正してもよい。
【0108】
プロセス条件はまた、所望の電子デバイスの生産において使用される特定の材料の性質を考慮する困難なしに、適合され得る。
文脈が他に明確に示さない限り、本明細書中で使用する用語の複数形は、本明細書中で単数形を含むと解釈されるべきであり、逆もまた同様である。
【0109】
本明細書の詳細な説明および特許請求の範囲の全体にわたって、用語「含む(comprise)」および「含む(contain)」ならびに当該用語の変化形、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むがそれらには限定されない」を意味し、他の構成要素を除外することを意図しない(かつ除外しない)。
【0110】
本発明の前述の態様に対する変化が、なおも本発明の範囲内にありながら、なすことができることが、考えられるであろう。本明細書に開示した各特徴は、他に述べない限り、同一の、均等の、または類似した目的を果たす代替の特徴によって置き換えられ得る。したがって、他に述べない限り、開示した各特徴は、総括的な一連の均等のまたは類似の特徴の一例であるのみにすぎない。
【0111】
本明細書に開示した特徴のすべてを、かかる特徴および/またはステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。特に、本発明の好ましい特徴は、本発明のすべての観点に適用可能であり、任意の組み合わせで使用され得る。同様に、必須でない組み合わせで記載した特徴を、別々に(組み合わせでではなく)使用してもよい。
【0112】
本明細書中においては、他に述べない限り、百分率は重量パーセントであり、温度を摂氏度で示す。誘電定数εの値(「誘電率」)は、20℃および1,000Hzで採用した値を指す。
【実施例】
【0113】
本発明の有利を、以下の非限定的な実施例によって、さらに例示する。
他に示さない場合には、出発物質を、商業的供給源、例えばAldrich Chemicalsを通じて購入した。
【0114】
例1 − 合成
ステップa
【化9】
25mlの脱気したDMF(窒素流;約2時間)に、4−クロロ−1,8−ナフタル酸無水物1(1.17g、5.00mmol、1.00eq)および硫化ナトリウム(780mg、10.0mmol、2.00eq)を加え、室温で16時間撹拌した。溶液は、暗い紫色に変化した。反応の完了の際に、100mlの水を加え、溶液が無色になるまで濃塩酸で酸性化した。黄色沈殿物の生成を、観察することができた。固体をろ過によって採集し、蒸留水で洗浄した。1.05g(92%の粗製の収率)の黄色固体2を、粗生成物として採集した。乏しい可溶性のために、粗生成物を、後の合成においてさらに精製せずに使用した。さらに、可溶性の欠如のために、満足なNMRスペクトルを得ることができなかった。特徴づけを、質量分析法によって行った。モルピークを、適する分子断片と同様に観察することができた。言及すべき不純物を、質量スペクトルにおいて検出することができなかった。
【0115】
【数1】
【0116】
ステップb
【化10】
40mlの脱気した(窒素流;約2時間)エタノール(99%純粋)に、粗製の4−チオ−1,8−ナフタル酸無水物2(469mg、2.00mmol、1.00eq)およびn−オクチルアミン(0.5ml、387mg、3.00mmol、1.50eq)を、加えた。反応混合物は、赤みがかったオレンジ色および最終的に暗い紫色に色が変化した。次に反応混合物を、還流および窒素雰囲気の下で16時間撹拌した。反応の完了に際して、フラスコを、室温に冷却した。黄色沈殿物をろ過によって採集し、エタノールで洗浄し、真空下で乾燥して、162mg(23%)の純粋な生成物3a(黄色固体)を得た。
【0117】
【数2】
【0118】
代替のアミンによって、以下に示すように、環の窒素原子で種々の基の導入が可能になる。
【化11】
40mlの脱気した(窒素流;約2時間)エタノール(99%純粋)に、粗製の4−チオ−1,8−ナフタル酸無水物2(460mg、2.00mmol、1.00eq)および2−エチルヘキシルアミン(0.8ml、387mg、3.00mmol、1.50eq)を、加えた。反応混合物は、直ちに色が暗い紫色に変化した。次に反応混合物を、還流および窒素雰囲気の下で16時間撹拌した。反応の完了に際に、フラスコを、室温に冷却した。黄色沈殿物をろ過によって採集し、エタノールで洗浄し、真空下で乾燥して、248mg(36%)の純粋な生成物3bを黄色固体として得た。
【0119】
【数3】
【0120】
例2 − Jul−S−S−Julの合成
ステップa
【化12】
ジュロリジン(Julolidin)臭化水素酸塩4(6.35g、25.0mmol、1.00eq)およびチオシアン酸アンモニウム(3.81g、50.0mmol、2.00eq)を、氷酢酸に溶解し、10〜15℃に冷却した。この温度を維持して、5mlの氷酢酸中の臭素(1.3ml、4.00g、25.0mmol、1.00eq)を、20分の期間にわたって滴加した。反応混合物を、800mlの水中に注ぎ、それによって白色沈殿物が形成した。固体をろ過によって採集し、水で洗浄し、真空下で乾燥した。白色固体をエタノールから再結晶して、3.90g(67%)の純粋な生成物5を白色針状結晶として得た。
【数4】
【0121】
ステップb
【化13】
ジュロリジンチオシアン酸塩5(3.90g、16.9mmol、1.00eq)を、丸底フラスコ中に置いた。3.80gの水酸化カリウム(過剰)を、40mlのあらかじめ加熱したエタノール(約50℃)に溶解した。暖かい溶液を丸底フラスコ中に注ぎ、周囲条件下で16時間撹拌した。ファーニッシュされた(furnish)固体が溶解し、その後続いて褐色を帯びた沈殿物が生成したことが、見られる。固体をろ過によって採集し、エタノールで洗浄し、真空下で乾燥した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;ガソリンエーテル:酢酸エチル 10:1)によって精製し、1.99g(58%)の赤色の結晶性固体を純粋な生成物6として得た。
【0122】
【数5】
【0123】
例3 − 合成
【化14】
1,8−ナフタル酸無水物7(1.00g、5.00mmol、1.00eq)および4−アミノチオフェノール(688mg、5.50mmol、1.10eq)を、20mlのピリジンに溶解し、16時間加熱して還流させた(120℃)。反応混合物は、最初に黄色溶液に転じた。反応時間が増加するとともに、黄色沈殿物が生成した。反応の完了に際して、溶媒を真空下で除去した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル;2×約10cm)によって精製した。溶離剤としての酢酸エチルによって、少量の不純な生成物画分が得られた。前もって洗浄したカラムの抽出によって、1.34g(87%)の純粋な生成物8が白色固体として得られた。
【0124】
【数6】
【0125】
例4 − トランジスタ製作および性能測定
50μmのチャネル幅および1000μmのチャネル長さを有するボトム接触−トップゲートトランジスタ(略図について
図3を参照)を、ガラス基板上に製造した。Ag電極を、ガラス基板上に、シャドウマスクでの側方構造化を使用して、熱的蒸発によって堆積させた。次に、得られた構造体を、化合物6をクロロベンゼンに溶解した1mmol/l溶液に浸漬し、このようにAg表面上にJul−Sを含む自己組織化単分子膜を形成した。その後、n型半導体(ActivInk
TM N2200 [P(NDI2OD-T2)]), Polyera Corporation, Skokie, Ill., USA)を、1wt%クロロベンゼン溶液からその上にスピンコートし、100℃で180s焼きなました。次に、誘電体層を、アモルファスフッ素重合体(CYTOP
TM、旭硝子社)をスピンコートすることによって形成し、100℃で300s焼きなました。すべてのスピンコーティングステップを、窒素雰囲気下でグローブボックス中で行った。最後に、Agゲート電極を、熱的蒸発によって誘電体層に堆積させた。
【化15】
【0126】
それぞれの層厚さを、Dektak表面形状測定装置で決定し、以下の結果であった:
【表1】
【0127】
トランジスタ転移および出力測定を、周囲雰囲気中で、Agilentパラメーターアナライザーを使用して行った。転移特性を、
図4に示す。表2は、それぞれの移動度、オン電流とオフ電流との間の比率、しきい値電圧ならびにAgソースおよびドレイン電極を例1の化合物の溶液に浸漬した時間を示す。
【0128】
【表2】
【0129】
結果は、本発明の利点を明確に示す。未処理のAgソースおよびドレイン電極を含むデバイスに対する比較において、本発明による自己組織化単分子膜を含むデバイスは、驚くべきことに、所与の電圧における増大した電流に関する極めてはるかに改善された特性、オン電流とオフ電流との間の改善された比率およびより低いしきい値電圧を示す。
【0130】
例5 − 仕事関数および接触角
本発明の部分の効率を定量するために、Au表面のそれぞれの仕事関数(WF)および前駆体化合物6(Jul−S−S−Jul)の接触角を、前駆体化合物ベンジルチオール(C
6H
5−CH
2−SH)および4−メトキシ−α−トルエンチオールに対する比較で試験した。結果を、表3に示す。
【0131】
【表3】
【0132】
化合物6、本発明による前駆体化合物が、仕事関数をシフトさせ、また接触角に対して重要な影響を有することが、示される。したがって、Jul−SHによって証拠づけられるように、本出願の化合物は、ベンジルチオールおよび4−メトキシ−α−トルエンチオールについてのデータによって証拠づけられるように、慣用の化合物より仕事関数および湿潤性に対する影響の種々の組み合わせを付与することができる。これらのデータに基づいて、本発明の前駆体化合物によって、電子デバイスの製造において、溶媒のはるかにより広い選択が可能になるであろうことが、予想される。したがって、電子デバイスの製造が、使用され得る溶媒が電子デバイスの既に決定された層に対してより破壊的でない場合があるので促進されるであろうことが、予想される。
【0133】
例6 − トランジスタ製作および性能測定
50μmのチャネル幅および1000μmのチャネル長さを有するボトム接触−トップゲートトランジスタ(略図について
図3を参照)を、超音波浴中でアセトンおよびイソプロパノールで清浄にしたガラス基板に製造した。Au電極を、シャドウマスクを使用して、熱的蒸発によってガラス基板に堆積させた。次に、得られた構造体を、Jul−S−S−Jul6をクロロベンゼンに溶解した0.1mmol/l溶液中に1000s浸漬した。その後、グローブボックス中で窒素雰囲気下で、n型半導体(ActivInk
TM N2200 [P(NDI2OD-T2)]), Polyera Corporation, Skokie, Ill., USA)を、10mg/mlクロロベンゼン溶液からその上にスピンコートし、100℃で180sホットプレート上で加熱した。次に、Parylene Nの誘電体層を、SPS
TMによるPDS2010 Coating Systemを使用して、気相堆積によって形成した。最後に、約100nmの厚さのAgゲート電極を、熱的蒸発によって誘電体層に、シャドウマスクを使用して堆積させた。得られたデバイスを、いかなるさらなる封入層なしで、周囲条件下でそれ自体で使用することができた。
【0134】
それぞれの層厚さを、Dektak表面形状測定装置で決定し、以下の結果であった:
【表4】
【0135】
トランジスタ転移および出力測定を、周囲雰囲気中で、Agilentパラメーターアナライザーを使用して、15Vのソース−ドレイン電圧で行った。転移特性を、
図5に示す。表5は、それぞれの接触抵抗、チャネル抵抗およびしきい値電圧を示す。
【0136】
【表5】
【0137】
結果は、本発明の利点を明確に示す。未処理のAuソースおよびドレイン電極を含むデバイスに対する比較において、本自己組織化単分子膜を含むデバイスは、驚くべきことに、極めてはるかに改善された特性、すなわち所与の電圧における増大した電流を示す(
図5を参照)。本出願による自己組織化単分子膜の存在の正の効果はまた、抵抗における改善において明確に見られ、それは、接触抵抗およびチャネル抵抗である。また、しきい値電圧が0の方向に強度にシフトすることは、顕著のものである。