特許第6717810号(P6717810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6717810
(24)【登録日】2020年6月15日
(45)【発行日】2020年7月8日
(54)【発明の名称】2剤の組合せ
(51)【国際特許分類】
   C08J 3/20 20060101AFI20200629BHJP
   C08G 59/30 20060101ALI20200629BHJP
   C09J 183/04 20060101ALI20200629BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20200629BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20200629BHJP
【FI】
   C08J3/20 DCFC
   C08G59/30
   C09J183/04
   C09J163/00
   C09J11/06
【請求項の数】15
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-517031(P2017-517031)
(86)(22)【出願日】2015年9月25日
(65)【公表番号】特表2017-536440(P2017-536440A)
(43)【公表日】2017年12月7日
(86)【国際出願番号】EP2015072126
(87)【国際公開番号】WO2016050646
(87)【国際公開日】20160407
【審査請求日】2018年9月19日
(31)【優先権主張番号】14187372.9
(32)【優先日】2014年10月1日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506416400
【氏名又は名称】シーカ テクノロジー アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100170874
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 和哉
(72)【発明者】
【氏名】ウルス ブルクハルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテッフェン ケルヒ
(72)【発明者】
【氏名】ウルズラ シュタデルマン
【審査官】 鶴 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/131757(WO,A1)
【文献】 特開2011−256284(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/017218(WO,A1)
【文献】 特開2004−231880(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/004873(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/072449(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/20
C08G 59/30
C09J 11/06
C09J 163/00
C09J 183/04
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一剤及び第二剤を有する組合せであって、
−室温で液体の少なくとも1種のシラン基含有ポリマーと、
−少なくとも1種の液状エポキシ樹脂と、
200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有する、少なくとも1種のポリエーテルアミンであって、前記組合せの総重量に基づいて5〜30重量%の範囲である、少なくとも1種のポリエーテルアミンと、
−少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシランと
を含み、
前記ポリエーテルアミンと前記アミノシラン又は前記メルカプトシランとは、前記液状エポキシ樹脂と同一剤中に存在しない、組合せ。
【請求項2】
前記シラン基含有ポリマーが、シラン基含有ポリエーテルである、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
シラン基含有ポリマーの含有量が、前記組合せの総重量に基づいて、5〜60重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の組合せ。
【請求項4】
液状エポキシ樹脂の含有量が、前記組合せの総重量に基づいて、30〜70重量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項5】
エポキシ基に対して反応性を有する全ての基の50%以上が、前記少なくとも1種のポリエーテルアミン、及び前記少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシラン由来である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項6】
ポリエーテルアミンの含有量が、前記組合せの総重量に基づいて、10〜30重量%の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項7】
前記アミノシラン又はメルカプトシランが、式(I)のシランである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組合せ:
【化1】
[式中、
Xは、S又はNHであり、
は、1〜5個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、1〜8個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、環状部分及び/又は芳香族部分を有していてもよく、1個又は複数個のヘテロ原子を有していてもよい、1〜12個のC原子を有する二価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、0、1又は2である]。
【請求項8】
アミノシラン又はメルカプトシランの含有量が、前記組合せの総重量に基づいて、1〜10重量%の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項9】
前記液体エポキシ樹脂前記シラン基含有ポリマーに対する重量比(液体エポキシ樹脂/シラン基含有ポリマー)が、1.2〜10の範囲である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項10】
前記シラン基含有ポリマーと前記液体エポキシ樹脂との合計量を基準として、前記アミノシラン又は前記メルカプトシランの相対的な含有量が、2〜10重量%の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項11】
水又は水放出物質を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組合せ。
【請求項12】
1級アミンと縮合可能な化合物である少なくとも1種の水放出物質を含む、請求項11に記載の組合せ。
【請求項13】
前記第一剤と前記第二剤を混合することにより、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せから得られる硬化組成物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せの接着剤としての使用。
【請求項15】
請求項14に記載の使用から得られる、接着剤により接合した物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室温で硬化性であり、シラン基含有ポリマーとエポキシ樹脂との組み合わせをベースとする2剤の組合せ(composition)に関し、そしてまたそれらの使用、より詳細には強靭で弾力性のある接着剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
構造接合用の既知の接着剤として、2剤ポリウレタン系が挙げられる。これらの系は、急速に硬化して、高強度の強靭で弾力性のある材料を形成するが、有害なイソシアナートを含有する場合もあり、硬化の際にブリスタを形成することもある。
【0003】
同様に、2剤エポキシ樹脂の接着剤が、既知である。これらの接着剤は、非常に高い強度を達成するが、脆性で殆ど伸縮性でなく、強靭で弾力性ではないので、構造の接着剤での接合する多くの用途に不適切である。
【0004】
同様にシラン官能性ポリマー系の硬化性材料も既知である。これらの材料は、主として、大気中の湿分の反応により室温で架橋する1剤配合物である。それらは、ブリスタが起こらない硬化と高い接着力で知られているが、硬化は、比較的にゆっくりで、到達可能な最大強度に関して非常に限定されている。それらは、耐引裂き性が低いので、明らかに脆性であることが多い。さらに、それらは、熱的に比較的不安定である。故に、それらは、強靭で弾力性のある接着剤としての使用にあまり適さない。
【0005】
例えば、欧州特許第186,191号明細書及び欧州特許第370,464号明細書からのシラン官能性ポリマーとエポキシ樹脂との組み合わせをベースとする硬化性材料も同様に既知である。このような材料は、2つの剤の形態であり、シラン官能性ポリマーだけをベースとする硬化性材料よりも、大きい強度及び靭性を達成するが、この点でまだ改良可能である。既知の系は、さらに、一般的にマンニッヒ塩基、具体的には2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等を含み、それにより、エポキシ基の反応が促進される。しかしながら、マンニッヒ塩基は、材料に顕著に不快なアミン臭をもたらし、材料が徐々に黄変されることを意味する。マンニッヒ塩基が硬化中にポリマー中に組み込まれないので、さらに望ましくないマイグレーション効果や基材が変色する場合が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、低臭気の硬化性材料を提供することであり、その硬化性材料は、ブリスタリングを起こすことなく室温で急速に硬化して、高い強度、高い接着剤力、及び良好な熱安定性の強靭で弾力性のある材料を形成し、黄変しない傾向を有し、基材の変色もマイグレーション効果も呈しない。
【0007】
この目的は、驚くべきことに、以下の態様1に記載の組合せを用いることにより、達成された。この組合せは、低臭気、長い貯蔵性、及び効果的な室温での処理で知られている。この組合せは、昇温しないでも、ブリスタリングを起こすことなく急速に硬化し、驚くべき高い強度そして高い熱安定性の強靭で弾力性のある材料を生成する。特に驚くべきことは、その非常に高い強度にもかかわらず、組合せが、高い伸縮性を呈する事実である。さらに、この組合せが、室温での硬化において、80℃までさらに加熱した後に得られる実質的に最良の機械物性値を達成することは、驚くべきことである。純粋のエポキシ樹脂だけの系は、剤を混合した後に非常に強力に昇温することがあるがそれとは異なり、混合したばかりの組合せによってもたらされる低レベルの熱は、同様に非常に有利である。これらの特性を備えるので、この組合せは、建設事業や工業生産において構造接合用の強靭で弾力性のある接着剤として、抜群に優れている。驚くべきことに、このポリエーテルアミンは、例えばトリメチルヘキサメチレンジアミン又はイソホロンジアミン又はジエチレントリアミン又はアミン−エポキシアダクト等の他の通例の従来技術のアミンよりもかなり高い強度を可能にする。
【0008】
本発明のさらなる態様は、さらなる独立的態様の主題である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属的態様の主題である。
本発明の態様としては、以下の態様を挙げることができる:
《請求項1》
第一剤及び第二剤を有する組合せであって、
−室温で液体の少なくとも1種のシラン基含有ポリマーと、
−少なくとも1種の液状エポキシ樹脂と、
−少なくとも1種のポリエーテルアミンと、
−少なくともアミノシラン又はメルカプトシランと
を含み、
前記ポリエーテルアミンと前記アミノシラン又は前記メルカプトシランとは、前記液状エポキシ樹脂と同一剤中に存在しない、組合せ。
《請求項2》
前記シラン基含有ポリマーが、シラン基含有ポリエーテルである、請求項1に記載の組合せ。
《請求項3》
シラン基含有ポリマーの含有量が、5〜60重量%の範囲である、請求項1又は2に記載の組合せ。
《請求項4》
液状エポキシ樹脂の含有量が、30〜70重量%の範囲である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項5》
前記ポリエーテルアミンが、200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項6》
ポリエーテルアミンの含有量が、5〜30重量%の範囲である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項7》
前記アミノシラン又はメルカプトシランが、式(I)のシランである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組合せ:
【化1】
[式中、
Xは、S又はNHであり、
は、1〜5個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、1〜8個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、環状部分及び/又は芳香族部分を有していてもよく、1個又は複数個のヘテロ原子を有していてもよい、1〜12個のC原子を有する二価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
nは、0、1又は2である]。
《請求項8》
アミノシラン又はメルカプトシランの含有量が、1〜10重量%の範囲である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項9》
前記液体エポキシ樹脂と前記シラン基含有ポリマーとの重量比が、1.2〜10の範囲である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項10》
前記シラン基含有ポリマーと前記液体エポキシ樹脂との合計量を基準として、前記アミノシラン又は前記メルカプトシランの相対的な含有量が、2〜10重量%の範囲である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項11》
水又は水放出物質を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組合せ。
《請求項12》
1級アミンと縮合可能な化合物である少なくとも1種の水放出物質を含む、請求項11に記載の組合せ。
《請求項13》
前記第一剤と前記第二剤を混合することにより、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せから得られる硬化組成物。
《請求項14》
請求項1〜12のいずれか一項に記載の組合せの接着剤としての使用。
《請求項15》
請求項14に記載の使用から得られる、接着剤により接合した物品。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、
−室温で液体の少なくとも1種のシラン含有ポリマーと、
−少なくとも1種の液状エポキシ樹脂と、
−少なくとも1種のポリエーテルアミンと、
−少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシランと
を含む第一剤及び第二剤を含む組合せを提供し、
ポリエーテルアミンとアミノシラン又はメルカプトシランは、液状エポキシ樹脂として、同一剤中に存在しない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、用語「アルコキシシラン基」又は略して「シラン基」は、有機ラジカルに結合し、かつケイ素原子に1〜3個、さらに具体的には2〜3個の加水分解性アルコキシラジカルを有するシリル基であるとみなす。
【0011】
それに対応して、用語「アルコキシシラン基」又は略して「シラン基」は、少なくとも1個のシラン基を有する有機化合物であるとみなす。
【0012】
「アミノシラン」、「メルカプトシラン」、「ヒドロキシシラン」又は「イソシアナートシラン」は、有機ラジカルに、シラン基に加えて、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基又はイソシアナート基をそれぞれ1個又は複数個有するオルガノシランであるとみなす。
【0013】
用語「シラン基含有ポリエーテル」は、ポリエーテル単位に加えて、ウレタン基、尿素基又はチオウレタン基も含有し得るシラン基含有ポリマーも包含する。この種のシラン基含有ポリエーテルも同様に、「シラン基を含有するポリウレタン」とみなされる。
【0014】
ポリオール又はポリイソシアナート等の「ポリ」で始まる物質名は、それらの名前にある官能基を1分子当たり2つ以上形式的に含む物質であるとみなす。
【0015】
「1級アミノ基」は、1つの有機ラジカルに結合するNH基であり、「2級アミノ基」は、2つの有機ラジカルに結合するNH基であり、2つの有機ラジカルは、一緒に環の一部であることも可能である。
【0016】
「アミン水素」は、1級アミノ基及び2級アミノ基の水素原子であるとみなす。
【0017】
「分子量」は、本明細書において、分子のモル質量(グラム/モル)又は「ラジカル」とも称される分子の一部のモル質量(グラム/モル)であると解釈される。「平均分子量」は、分子又はラジカルのオリゴマー混合物又はポリマー混合物の数平均Mであり、標準としてのポリスチレンに対してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて通例求められる。
【0018】
「貯蔵安定性」又は「貯蔵性」は、比較的長い期間、通常少なくとも3か月から6か月以上まで、その使用法に関連する全ての範囲で、貯蔵の結果としてその用途又はサービス性にいかなる変化もなく、好適な容器中に室温で保持できる物質又は組成物に適用される形容詞である。
【0019】
本明細書における式中の破線は、各場合において、置換基と会合分子の残基間の結合を表す。
【0020】
「室温」は、23℃の温度を指す。
【0021】
用語「高強度」は、高弾性率に関連し、そしてまた高い引張り強さにも恐らく関連する。
【0022】
用語「強靭で弾力性のある」は、高強度、良好な伸縮性、及び高い衝撃靭性を併せて呈する材料を説明する。
【0023】
2剤の組合せは、室温で液体である少なくとも1種のシラン基含有ポリマーを含む。
【0024】
2剤の組合せは、シラン基含有の有機ポリマー、さらに具体的にはポリオレフィン、ポリ(メタ)アクリラート又はポリエーテル、又はこれらのポリマーの混合形態であるのが好ましく、シラン基含有の有機ポリマーは、各場合において1個のシラン基又は好ましくは2個以上のシラン基を備える。シラン基は、側鎖でも末端でもよい。
【0025】
具体的には、シラン基含有ポリマーは、シラン基含有ポリエーテルである。シラン基含有ポリマーが、通例オキシアルキレン単位、さらに具体的には1,2−オキシプロピレン単位を有するのが好ましい。
【0026】
シラン基含有ポリマーは、分子当たり平均で好ましくは1.3〜4、さらに具体的には1.5〜3、非常に好ましくは1.7〜2.8個のシラン基を有する。シラン基は、末端であるのが好ましい。
【0027】
好ましいシラン基は、トリメトキシシラン基、ジメトキシメチルシラン基又はトリエトキシシラン基である。
【0028】
シラン基含有ポリマーは、GPCにより標準としてのポリスチレンに対して求められる平均分子量を1,000〜30,000g/モル、さらに具体的には2,000〜20,000g/モルの範囲で有するのが好ましい。
【0029】
シラン基含有ポリマーは、式(II)
【化1】
[式中、
xは、0又は1又は2、好ましくは0又は1、さらに具体的には0の値を有し、
は、1〜5個のC原子を有する直鎖又は分岐の一価の炭化水素ラジカルであり、
は、1〜8個のC原子を有する直鎖又は分岐の一価の炭化水素ラジカルであり、さらに具体的にはメチル又はエチルであり、
は、1〜12個のC原子を有する直鎖又は分岐の二価の炭化水素ラジカルであり、場合により環状部分及び/又は芳香族部分を有し、場合により1個又は複数個のヘテロ原子、さらに具体的には1個又は複数個の窒素原子を有し、
Yは、−O−、−S−、−N(R)−、−N(R)−CO−、−O−CO−N(R)−、−N(R)−CO−O−、及びN(R)−CO−N(R)−から選択される二価のラジカルであり、
ここで、Rは、水素原子であり、又は1〜20個のC原子を有する直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、場合により環状部分を有し、場合により、アルコキシシリル基、エーテル基又はカルボン酸エステル基を有する]
の末端基を含むのが好ましい。
【0030】
が、メチルであり、又はエチルであり、又はイソプロピルであるのが好ましい。
【0031】
がメチルであるのがさらに好ましい。この種のシラン基含有ポリマーは、特に反応性を有する。
【0032】
がエチルであるのがさらに特に好ましい。この種のシラン基含有ポリマーは、特に貯蔵安定性であり、毒物学的に有利である。
【0033】
が、メチルであるのが好ましい。
【0034】
は、好ましくは1,3−プロピレン又は1,4−ブチレンであり、ブチレンを1又は2個のメチル基と置換することが可能である。
【0035】
が、1,3−プロピレンであるのがさらに好ましい。
【0036】
シラン基含有ポリエーテルを調製するプロセスは、当業者ならば既知である。
【0037】
一プロセスにおいて、シラン基含有ポリエーテルは、アリル基含有ポリエーテルとヒドロシランとの反応により、場合により例えばジイソシアナートを用いる鎖延長を伴い、取得できる。
【0038】
別の一プロセスにおいて、シラン基含有ポリエーテルは、アルキレンオキシドとエポキシシランとの共重合から、場合により例えばジイソシアナートを用いる鎖延長を伴い、取得できる。
【0039】
別の一プロセスにおいて、シラン基含有ポリエーテルは、ポリエーテルポリオールとイソシアナートシランとの反応により、場合により例えばジイソシアナートを用いる鎖延長を伴い、取得できる。
【0040】
さらなる一プロセスにおいて、シラン基含有ポリエーテルは、イソシアナート基含有ポリエーテル、さらに具体的にはポリエーテルポリオールと化学量論量を超える量のポリイソシアナートとの反応からのNCO−末端のウレタンポリエーテルと、アミノシラン、ヒドロキシシラン又はメルカプトシランとの反応から取得できる。このプロセスからのシラン基含有ポリエーテルが、特に好ましい。このプロセスにより、容易に市販品から入手できる費用のかからない多数の出発材料を使用することが可能になり、それにより、例えば高い伸縮性、高強度、低いガラス転移温度又は高い加水分解安定性等の様々なポリマーの特性を得ることが可能となる。
【0041】
好ましいシラン基含有ポリエーテルは、NCO−末端のウレタンポリエーテルとアミノシラン又はヒドロキシシランとの反応から取得できる。この目的に好適なNCO−末端のウレタンポリエーテルは、ポリエーテルポリオール、さらに具体的にはポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、好ましくはポリオキシプロピレンジオール又はポリオキシプロピレントリオールと、化学量論量を超える量のポリイソシアナート、さらに具体的にはジイソシアナートとの反応により取得できる。
【0042】
ポリイソシアナートとポリエーテルポリオールとの反応は、好ましくは水分の不在下、50℃〜160℃の温度で、場合により好適な触媒の存在下で実施され、ポリイソシアナートの量は、ポリイソシアナートのイソシアナート基が、ポリオールのヒドロキシル基に対して化学量論的に過剰であるような量である。過剰のポリイソシアナートは、さらに具体的には、得られるウレタンポリエーテルにおいて、全てのヒドロキシル基が反応した後、残存する遊離のイソシアナート基の含有量が、全てのポリマーを基準として0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜4重量%、さらに好ましくは0.3〜3重量%であるように選択される。
【0043】
好ましいジイソシアナートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチルシクロヘキサン(つまり、イソホロンジイソシアナート又はIPDI)、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート及びこれらの異性体(TDI)の任意の所望の混合物、並びに4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアナート及びこれらの異性体(MDI)の任意の所望の混合物からなる群から選択される。IPDI又はTDIが特に好ましい。IPDIが最も好ましい。従って、特に良好な耐光性を有するシラン基含有ポリエーテルが取得される。
【0044】
ポリエーテルポリオールとして殊に好適であるのは、0.02meq/g未満、さらに具体的には0.01meq/gよりも低い不飽和度を有し、かつ400〜25,000g/モル、さらに具体的には1,000〜20,000g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオールである。
【0045】
ポリエーテルポリオールだけでなく、他のポリオール、さらに具体的にはポリアクリラートポリオール、そしてまた低分子質量のジオール又はトリオールを使用することも、比較的に可能である。
【0046】
NCO−末端のウレタンポリエーテルとの反応に好適なアミノシランは、1級及び2級アミノシランである。3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3−メチルブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1級アミノシランと、例えばアクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジエステル又はフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル又はイタコン酸ジエステル等のマイケル受容体とのアダクト、さらに具体的にはジメチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシナート又はジエチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシナートが、好ましい。メトキシ基の代わりにエトキシ基又はイソプロポキシ基をケイ素に有する上述のアミノシランの類似体も同様に好適である。
【0047】
NCO−末端のウレタンポリエーテルとの反応に好適なヒドロキシシランは、具体的にはアミノシランとラクトン、又はアミノシランと環状カーボナート、又はアミノシランとラクチドとの付加反応から取得できる。
【0048】
この種の好ましいヒドロキシシランは、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロパンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシペンタンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシオクタンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−5−ヒドロキシデカンアミド又はN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロピルカルバマートである。
【0049】
他の好適なヒドロキシシランは、アミノシランとエポキシドとの付加反応から、又はアミンとエポキシシランとの付加反応から取得できる。
【0050】
この種の好ましいヒドロキシシランは、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリメトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール、2−モルホリノ−4(5)−(2−トリエトキシシリルエチル)シクロヘキサン−1−オール又は1−モルホリノ−3−(3−(トリエトキシシリル)プロポキシ)プロパン−2−オールである。
【0051】
他の好適なシラン基含有ポリエーテルとして、市販製品、殊に以下の市販製品:MS Polymer(商標)(株式会社カネカ製;殊にグレードS203H、S303H、S227、S810、MA903、及びS943);MS Polymer(商標)及びSilyl(商標)(株式会社カネカ製;殊にグレードSAT010、SAT030、SAT200、SAX350、SAX400、SAX725、MAX450、MAX951);Excestar(商標)(旭硝子株式会社製;殊にグレードS2410、S2420、S3430、S3630);SPUR+(Momentive Performance Materials製;殊にグレード1010LM、1015LM、1050MM); Vorasil(商標)(Dow Chemical Co.製;殊にグレード602及び604);Desmoseal(商標)(Bayer MaterialScience AG製;殊にグレードS XP2458、S XP2636、S XP2749、S XP2774、及びS XP2821)、TEGOPAC(商標)(Evonik Industries AG製;殊にグレードSeal100、Bond150、Bond250)、Polymer ST(Hanse Chemie AG/Evonik Industries AG製、殊にグレード47、48、61、61LV、77、80、81);Geniosil(商標)STP(Wacker Chemie AG製;殊にグレードE10、E15、E30、E35)が挙げられる。
【0052】
この組合せは、好ましくは5〜60重量%の範囲、さらに好ましくは10〜50重量%の範囲、さらに具体的に15〜40重量%の範囲のシラン基含有ポリマー含有量を有する。
【0053】
この種の組合せは、良好な伸縮性及び強靭で弾力性のある特性と併せて高強度を呈する。
【0054】
2剤の組合せは、少なくとも1種の液状エポキシ樹脂をさらに含む。
【0055】
好適な液状エポキシ樹脂は、室温で流体でありかつ25℃未満のガラス転移温度を有する慣用技術のエポキシ樹脂を含む。それらは、従来の方法で、さらに具体的には少なくとも2個の活性水素原子を有する化合物、さらに具体的にはポリフェノール、ポリオール又はアミンの、エピクロロヒドリンとの反応によるグリシジル化により取得できる。
【0056】
液状エポキシ樹脂としての適性は、脂肪族又は脂環式エポキシ樹脂、さらに具体的には、
−飽和又は不飽和の、分岐又は未分岐の、環状又は開鎖型の2官能性、3官能性又は4官能性のC〜C30アルコール、さらに具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、蓖麻子油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビトール若しくはグリセロール、又はアルコキシ化グリセロール若しくはアルコキシ化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル;
−水素化ビスフェノールA、F若しくはA/F、又は環を水素化した液状ビスフェノールA、F若しくはA/F樹脂のグリシジルエーテル;
−ヒダントイン、アミド又は複素環式窒素塩基のN−グリシジル誘導体、具体的にはトリグリシジルシアヌラート又はトリグリシジルイソシアヌラート等
により備えらえている。
【0057】
液状エポキシ樹脂として好ましいのは、芳香族エポキシ樹脂、さらに具体的には以下である。
−ポリフェノール、さらに具体的にはレソルシノール、ヒドロキノン、ピロカテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビスフェノールA/F、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノールZ))1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールP)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスフェノールM)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(DOD)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフサ−1−イル)メタン、ビス(4−ヒドロキシナフサ−1−イル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル又はビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンのグリシジルエーテル;
−酸性条件下で得られる、フェノールとアルデヒドとの縮合物のグリシジルエーテル、さらに具体的にはフェノール−ホルムアルデヒドノボラック又はクレゾール−ホルムアルデヒドノボラックのグリシジルエーテル;
−芳香族アミン、さらに具体的には、アニリン、トルイジン、4−アミノフェノール、4,4’−メチレンジフェニルジアミン、4,4’−メチレンジフェニルジ(N−メチル)アミン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンP)又は4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンM)のグリシジル化生成物。
【0058】
液状エポキシ樹脂として特に好ましいのは、ビスフェノールA又はビスフェノールF又はビスフェノールA/Fのジグリシジルエーテルであり、それらは、例えばDow、Huntsman又はMomentiveから市販されている。これらの液状エポキシ樹脂は、容易に取り扱いできる粘度を有し、かつ高強度及び耐性を付与する。
【0059】
その組合せは、好ましくは30〜70重量%の範囲、さらに好ましくは35〜65重量%の範囲の液状エポキシ樹脂の含有量を有する。
【0060】
この種の組合せは、良好な伸縮性及び強靭で弾力性のある特性と併せて高強度を呈する。ここで特に驚くべきことは、このような材料が非常に高い強度と組み合わせても良好な伸縮性を示す状況である。
【0061】
2剤の組合せは、少なくとも1種のポリエーテルアミンをさらに含む。
【0062】
好適なポリエーテルアミンは、末端アミノ基を有するポリオキシアルキレン又はポリオキシアルキル化した化合物であり、それらの種は、例えばJeffamine(商標)(Huntsman製)、ポリエーテルアミン(BASF製)又はPC Amine(商標)(Nitroil製)の商品名で市販されており、さらに具体的には以下のようである:
−末端2−アミノプロピル基又は2−アミノブチル基を有するポリエーテルジアミン、さらに具体的にはJeffamine(商標)D−230、Jeffamine(商標)D−400又はJeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)D−4000、Jeffamine(商標)XTJ−582、Jeffamine(商標)XTJ−578、Jeffamine(商標)HK−511、Jeffamine(商標)ED−600、Jeffamine(商標)ED−900、Jeffamine(商標)ED−2003、Jeffamine(商標)XTJ−568、Jeffamine(商標)XTJ−569、Jeffamine(商標)THF−100、Jeffamine(商標)THF−140、Jeffamine(商標)THF−230、Jeffamine(商標)XTJ−533又はJeffamine(商標)XTJ−536(全てHuntsman製)
−ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールのアミノ化からの末端4−アミノブチル基を有するポリエーテルジアミン、さらに具体的にはJeffamine(商標)THF−170(Huntsman製)
−ジオールのポリアルコキシ化からのポリエーテルジアミン、さらに具体的には、Jeffamine(商標)RFD−270(Huntsman製)等のプロポキシ化1,4−ジメチロールシクロヘキサン
−ポリエーテルトリアミン、さらに具体的にはJeffamine(商標)T−403、Jeffamine(商標)T−3000、Jeffamine(商標)T−5000又はJeffamine(商標)XTJ−566(全てHuntsman製)
−2級アミノ基を有するポリエーテルアミン、さらに具体的にはJeffamine(商標)SD−231、Jeffamine(商標)SD−401、Jeffamine(商標)SD−2001又はJeffamine(商標)ST−404(全てHuntsman製)
−ポリエーテルアミンとアクリロニトリルとを反応させて、続いて水素化して得られるアミノプロピル化ポリエーテルアミン。
【0063】
ポリエーテルアミンは、200〜5,00g/モルの範囲で平均分子量を有するのが好ましい。
【0064】
特に好ましいポリエーテルアミンは、1級アミノ基を有しかつ200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有するポリエーテルジアミン又はポリエーテルトリアミンであり、さらに具体的にはJeffamine(商標)D−230、Jeffamine(商標)D−400 Jeffamine(商標)XTJ−582、Jeffamine(商標)HK−511、Jeffamine(商標)XTJ−568、Jeffamine(商標)T−403又はJeffamine(商標)XTJ−566(全てHuntsman製)、或いはBASF又はNitroilからの対応するグレードである。
【0065】
最も好ましいのは、Jeffamine(商標)D−230又はJeffamine(商標)D−400又はJeffamine(商標)T−403(全てHuntsman製)、或いはBASF又はNitroilからの対応するグレードである。
【0066】
特に高い強度が、好ましいポリエーテルアミンを用いて、得られる。
【0067】
その組合せは、好ましくは5〜30重量%の範囲、さらに好ましくは10〜30重量%の範囲のポリエーテルアミンの含有量を有する。
【0068】
この種の組合せは、良好な伸縮性及び強靭で弾力性のある特性と併せて高強度を呈する。
【0069】
2剤の組合せは、少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシランをさらに含む。
【0070】
アミノシラン又はメルカプトシランは、さらに具体的には、アルコキシシランであり、それは、加水分解型若しくは一部加水分解型及び/又はオリゴマー型で存在してもよく、従って、縮合部分を含むことが可能である。
【0071】
一実施形態における好適なアミノシラン又はメルカプトシランは、2級アミノシラン、さらに具体的にはN−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、或いは3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等の1級アミノシランと、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジエステル又はフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル又はイタコン酸ジエステル等のマイケル受容体とのアダクト、さらに具体的にはジメチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシナート若しくはジエチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシナートである。ケイ素にメトキシ基の代わりにエトキシ基を有する上述のアミノシランの類似体も同様に好適である。
【0072】
好ましいアミノシラン又はメルカプトシランは、式(I)
【化2】
[式中、
Xは、S又はNHであり、
は、1〜5個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、1〜8個のC原子を有する一価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、
は、1〜12個のC原子を有する二価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであり、場合により環状部分及び/又は芳香族部分を含有し、場合により1個又は複数個のヘテロ原子を含有し、
Nは、0又は1又は2である]
のシランである。
【0073】
Xは、NHであるのが好ましい。これらのシランは、特に低臭気組成物を可能にする。
【0074】
nは、好ましくは0又は1、さらに具体的には0である。これらのシランは、特に反応性を有する。
【0075】
が、メチルであり、又はエチルであり、又はイソプロピルであるのが好ましい。
【0076】
がメチルであるのがさらに好ましい。これらのシランは、特に反応性を有する。
【0077】
がエチルであるのがさらに特に好ましい。水との反応の際に、これらのシランは、エタノールを離脱させ、それは、環境に比較的に優しく、毒性学の観点からも比較的に安全である。
【0078】
がメチルであるのが好ましい。
【0079】
は、1〜6個のC原子を有する二価の直鎖又は分岐の炭化水素ラジカルであるのが好ましく、場合により窒素原子を有する。
【0080】
は、1,3−プロピレン、2−メチル−1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、2,2−ジメチル−2,4−ブチレン、及び3−アザ−1,6−ヘキシレンから選択されるラジカルであるのがさらに好ましい。これらのラジカルは、基HXから順に番号が付けられる。
【0081】
アミノシラン又はメルカプトシランは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、及びN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、又はケイ素にメトキシ基の代わりにエトキシ基を有するそれらの類似体からなる群から選択されるのが好ましい。
【0082】
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン又はN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシランが、これらのうちで特に好ましい。
【0083】
その組合せは、好ましくは1〜10重量%の範囲の、さらに好ましくは1.5〜8重量%の範囲の、さらに具体的には2〜6重量%の範囲の、最も好ましくは3〜5重量%の範囲のアミノシラン又はメルカプトシラン含有量を有する。
【0084】
この種の組合せは、良好な伸縮性及び強靭で弾力性のある特性と併せて特に高い強度を有する。ここで特に驚くべきことは、アミノシラン又はメルカプトシランの好ましい高いレベルは、従来技術で慣用であるものよりも高く、得られた材料は、低いレベルのアミノシラン又はメルカプトシランを有する材料と比較すると、伸縮性に見られる著しい減少もなく非常に高い強度を有する状況である。
【0085】
シラン基含有ポリマー及びアミノシラン又はメルカプトシランは、シラン基に同一のアルコキシラジカルを有するのが好ましい。結果として、その組合せの硬化の際に、1種類のアルコールだけが、放出される。従って、RとRは、同一のラジカルであるのが好ましく、さらに具体的にはメチルラジカル又はエチルラジカルである。
【0086】
その組合せにおいて、液状エポキシ樹脂とシラン基含有ポリマーとの重量比は、少なくとも1であるのが好ましい。この種の組合せは、硬化状態において、非常に高い引張り強さ、高い弾性率、良好な伸縮性を有し、従って、強靭で弾力性のある特性を有する接着剤として特に好適である。
【0087】
液状エポキシ樹脂とシラン基含有ポリマーとの重量比は、好ましくは1.2〜10、さらに好ましくは1.3〜9、さらに具体的には1.4〜5の範囲である。
【0088】
その組合せは、シラン基含有ポリマーと液状エポキシ樹脂との合計量を基準として、少なくとも2重量%の相対的なアミノシラン又はメルカプトシランの含有量を有するのが好ましい。
【0089】
その組合せは、シラン基含有ポリマーと液状エポキシ樹脂との合計量を基準として、2〜10重量%、好ましくは2.5〜8重量%、さらに具体的には3〜7重量%の範囲の相対的なアミノシラン又はメルカプトシランの含有量を有するのが特に好ましい。硬化状態において、この種の組合せは、非常に高い強度及び強靭で弾力性のある顕著な特性を備える。
【0090】
特に好ましいのは、
(i)1.2〜10、さらに具体的には1.3〜9、さらに具体的には1.4〜5の範囲の液状エポキシ樹脂とシラン基含有ポリマーとの重量比、及び
(ii)シラン基含有ポリマーと液状エポキシ樹脂との合計量を基準として、2〜10重量%、好ましくは2.5〜8、さらに具体的には3〜7重量%の範囲の相対的なアミノシラン又はメルカプトシランの含有量
を有する組合せである。
【0091】
さらに、
(i)5〜60重量%の範囲、好ましくは10〜50重量%の範囲、さらに具体的には15〜40重量%の範囲の含有量の、室温で液体のシラン基含有ポリマー、
(ii)30〜70重量%の範囲、好ましくは35〜65重量%の範囲の含有量の液状エポキシ樹脂、
(iii)5〜30重量%の範囲、好ましくは10〜30重量%の範囲の量の200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有するポリエーテルアミン、及び
(iv)1〜10重量%の範囲、好ましくは1.5〜8重量%の範囲、さらに好ましくは2〜6重量%の範囲、さらに具体的には3〜5重量%の範囲の含有量のアミノシラン又はメルカプトシラン
を有する組合せが、殊に好ましい。
【0092】
この種の組合せに関して、非常に高い強度を有する強靭で弾力性のある材料を実現することは可能である。具体的には、0.05〜0.25%の範囲の伸びにおける弾性率がおよそ400MPa〜約1000MPaであり、破断点伸びがおよそ8〜15%の範囲である材料が、取得できる。
【0093】
組合せにおいて、ポリエーテルアミンとアミノシラン又はメルカプトシランは、液状エポキシ樹脂と同一剤中に存在しない。
【0094】
本発明の一実施形態において、組合せは、
−少なくとも1種のシラン基含有ポリマー及び
−少なくとも1種の液状エポキシ樹脂
を含む第一剤と、
−少なくとも1種のポリエーテルアミン及び、
−少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシラン
を含む第二剤と
を含む。
【0095】
このような組合せの利点は、第一剤が特に貯蔵安定性であることである。
【0096】
本発明の別の一実施形態において、組合せは、
−少なくとも1種のシラン含有ポリマー、
−少なくとも1種のポリエーテルアミン及び、
−少なくとも1種のアミノシラン又はメルカプトシラン
を含む第一剤と、
−少なくとも1種の液状エポキシ樹脂、
を含む第二剤と
を含む。
【0097】
このような組合せの利点は、2剤を混合できる容易性が特に良好であることである。
【0098】
両方の実施形態の場合において、それら自体の剤は、水分の不在下での貯蔵に安定性である。2剤を混合する際に、1級アミノ基及び/又は2級アミノ基及び/又はメルカプト基は、存在するエポキシド基と反応する。シラン基は、反応し、その反応中にシラン基が水と接触する際にアルコールを放出する。
【0099】
本発明の好ましい一実施形態において、組合せは、水又は水放出物質を含む。この種の組合せは、大気からの水の取り込み量又は組合せを塗布する基材からの水の取り込み量が少ない用途に殊に好適である。このような用途として、具体的には、接着剤が大気と殆ど接触しない、金属、プラスチック、繊維強化複合材、ガラス、又はセラミック等の拡散密の材料間の接着剤としての使用が挙げられる。
【0100】
組合せに存在する水又は組合せに放出される水と、シラン基の加水分解及び架橋を完了するのに必要な水との比率は、好ましくは少なくとも0.5、さらに好ましくは少なくとも1かつ5以下、さらに好ましくは2.5以下である。
【0101】
組合せは、好ましくは総計で1重量%までの遊離水を含有してもよい。
【0102】
水は、遊離の形態で存在しても、キャリア材に物理的に又は化学的に結合してもよい。水に好適なキャリア材は、間隙内の水を封入する多孔質材、具体的には多孔質珪藻土又は分子ふるいである。他の好適なキャリア材は、不定比量で水を取り込み、ペースト様の稠性を有する又はゲルを形成する材料であり、例としては、シリカゲル、粘土、多糖又はポリアクリル酸であり、それらは、「高吸水性材料」として知られており、例えば衛生用品の製造に用いられる。追加的に好適なキャリア材は、安定したエマルションを形成するように水を乳化できるポリマーである。
【0103】
好適な水放出物質は、含水塩又はアクア錯体、殊に、配位結合した形態で又は晶析の水として水を含有する無機化合物、さらに具体的にはNaSO・10HO、CaSO・2HO、CaSO・1/2HO、Na・10HO、MgSO・7HO、鉄(II)、鉄(III)、コバルト(II)、コバルト(III)又はニッケル(II)、[(HO)Co(NH3+又は[Cl(HO)Co(NH2+のヘキサアクア錯体を含む。
【0104】
水放出物質として追加的に好適であるのは、ホウ酸、水酸化アルミニウム、又はシリカ等の、特に50〜150℃、殊に70〜130℃の範囲の温度で加熱の際に水を放出する化合物である。ホウ酸が殊に好適である。この化合物は、微細分散形態であるのが好ましい。この化合物は、具体的には0.01〜100μm、好ましくは0.1〜50μm、さらに具体的には0.3〜30μmの範囲の平均粒径を有する。
【0105】
1級アミンと縮合して、縮合において水を放出できる化合物が、水放出物質として追加的に好適である。1級アミンと縮合可能な好適な化合物は、特に:
−ケトン類、殊にアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソアミルケトン、シクロヘキサノン;
−ジケトン類、殊に1,3−ジケトン、具体的には2,4−ペンタンジオン若しくは3,5−ヘプタンジオン、又は1,4−ジケトン、具体的には2,5−ヘキサンジオン;
−アルデヒド類、具体的にはプロパナール、2−メチルプロパナール、ブタナール、2−メチルブタナール、2−エチルブタナール、ペンタナール、ピバルアルデヒド、2−メチルペンタナール、3−メチルペンタナール、4−メチルペンタナール、2,3−ジメチルペンタナール、ヘキサナール、2−エチルヘキサナール、ペプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2−メチルウンデカナール、ドデカナール、メトキシアセトアルデヒド、シクロプロパンカルバルデヒド、シクロペンタンカルバルデヒド、シクロヘキサンカルバルデヒド、2,2−ジメチル−3−フェニルプロパナール、1−ナフトアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド、3−メチルベンズアルデヒド、4−メチルベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2,2−ジメチル−3−(N,N−ビス(メトキシエチル))アミノプロパナール、2,2−ジメチル−3−(N−モルホリノ)プロパナール、2,2−ジメチル−3−(N−(2,6−ジメチル)モルホリノ)プロパナール、2,2−ジメチル−3−アセトキシプロパナール、2,2−ジメチル−3−イソブチロキシ(isobutyroxy)プロパナール、又は2,2−ジメチル−3−ラウロイルオキシプロパナール
である。
【0106】
本発明の特に好ましい一実施形態において、組合せは、1級アミンと縮合可能な化合物である少なくとも1種の水放出物質を含む。この化合物は、ポリエーテルアミンとアミノシラン又はメルカプトシランと同一剤中に存在しないのが好ましい。
【0107】
剤を混合する際に、1級アミンと縮合可能な化合物は、存在する1級アミンと反応して非常に急速に水を生成して組合せ内に超微細に分配できるので、存在するシラン基の特に効率的な架橋の形成が可能となる。
【0108】
このような組合せ中の1級アミノ基の量は、場合により存在する2級アミノ基及び/又はメルカプト基と共に、組合せ中に存在するエポキシド基を変換するのに十分な数が、剤を混合した後に残存するような量であるのが好ましい。
【0109】
この種の組合せは、式(I)においてXがNHである少なくとも1種のシランを含むのが好ましい。
【0110】
組合せは、上述の構成成分に加えてさらなる構成成分を含んでもよい。
【0111】
組合せは、シラン基含有ポリマーの架橋を促進する触媒を含むのが好ましい。金属触媒及び/又は窒素含有化合物が、この目的に殊に好適である。
【0112】
好適な金属触媒は、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、又はスズの化合物、殊に有機スズ化合物、オルガノチタネート、オルガノジルコネート、又はオルガノアルミネートであり、これらの金属触媒は、特にアルコキシ基、アミノアルコキシ基、スルホナート基、カルボキシル基、1,3−ジケトナート基、1,3−ケトエステラート基、リン酸ジアルキル基、又はピロリン酸ジアルキル基を含有する。
【0113】
特に好適な有機スズ化合物は、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズジクロリド、ジアルキルスズジカルボキシラート、又はジアルキルスズジケトナート、殊にジブチルスズオキシド、ジブチルスズジクロリド、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジラウラート、ジブチルスズジアセチルアセトナート、ジオクチルスズオキシド、ジオクチルスズジクロリド、ジオクチルスズジアセタート、ジオクチルスズジラウラート、又はジオクチルスズジアセチルアセトナート、及び同様にアルキルスズチオエステル類である。
【0114】
特に好適オルガノチタネートは、ビス(エチルアセトアセタト(acetoacetato))ジイソブトキシ−チタン(IV)、ビス(エチルアセトアセタト)ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト(acetylacetonato))ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(アセチルアセトナト)ジイソブトキシチタン(IV)、トリス(オキシエチル)アミンイソプロポキシチタン(IV)、ビス[トリス(オキシエチル)アミン]−ジイソプロポキシチタン(IV)、ビス(2−エチルヘキサン−1,3−ジオキシ)チタン(IV)、トリス[2−((2−アミノエチル)アミノ)エトキシ]エトキシチタン(IV)、ビス(ネオペンチル(ジアリル)オキシジエトキシ−チタン(IV)、チタン(IV)テトラブタンオキシド、テトラ(2−エチルヘキシルオキシ)チタナート、テトラ−(イソプロポキシ)チタナート、又はポリブチルチタナートである。市販製品Tyzor(商標)AA、GBA、GBO、AA−75、AA−65、AA−105、DC、BEAT、BTP、TE、TnBT、KTM、TOT、TPT若しくはIBAY(全てDorf Ketal製);Tytan PBT、TET、X85、TAA、ET、S2、S4若しくはS6(全てBorica Company Ltd.製)又はKen−React(商標)KR(商標)TTS、7、9QS、12、26S、33DS、38S、39DS、44、134S、138S、133DS、158FS若しくはLICA(商標)44(全てKenrich Petrochemicals製)が殊に好適である。
【0115】
特に好適なオルガノジルコネートは、市販製品Ken−React(商標)NZ(商標)38J、KZ(商標)TPPJ、KZ(商標)TPP、NZ(商標)01、09、12、38、44若しくは97(全てKenrich Petrochemicals製)又はSnapcure(商標)3020、3030、1020(全てJohnson Matthey&Brandenberger製)である。
【0116】
特に好適なオルガノアルミネートは、市販製品K−Kat5218(King Industries製)である。
【0117】
触媒適性を有する窒素含有化合物は、特にアミン類、具体的にはN−エチルジイソプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−アルキレンジアミン、ポリオキシアルキレンアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等;アミノシラン類、具体的には3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−N’−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、及びメトキシ基の代わりにエトキシ基又はイソプロポキシ基をケイ素に有するそれらの類似体等;アミジン類、具体的には、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(DBN)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等;グアニジン類、具体的にはテトラメチルグアニジン、2−グアニジノベンゾイミダゾール、アセチルアセトングアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、2−tert−ブチル−1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等、又はカルボジイミドと具体的にはポリエーテルアミン若しくはアミノシラン等のアミンとの反応生成物等;或いはイミダゾール類、具体的には、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール又はN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール等である。
【0118】
異なる触媒の組み合わせ、殊に少なくとも1種の金属触媒と少なくとも1種の窒素含有化合物との組み合わせもまた、殊に好適である。
【0119】
有機スズ化合物、オルガノチタネート、アミン、アミジン、グアニジン、又はイミダゾールが、触媒として好ましい。
【0120】
組合せは、エポキシド基に対して反応性である他の物質、さらに具体的には以下をさらに含んでもよい:
−ヘキシルアミン若しくはベンジルアミン、又はポリエーテルモノアミン等のモノアミン、殊にJeffamine(商標)M−600、Jeffamine(商標)M−1000、Jeffamine(商標)M−2005、Jeffamine(商標)M−2070、Jeffamine(商標)XTJ−581、Jeffamine(商標)XTJ−249若しくはJeffamine(商標)XTJ−435等のアルコール出発物、又はJeffamine(商標)XTJ−436(全てHuntsman製)等のアルキルフェノール出発物;
−脂肪族、脂環式若しくはアリール脂肪族1級ジアミン、殊に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(C11ネオジアミン)、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン若しくは1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン(H12−MDA)、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチルシクロヘキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン若しくはIPDA)、2−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン若しくは4−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン又はそれらの混合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,4−ジアミノ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、1,8−メンタンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン(MXDA)又は1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼン;
−脂肪族、脂環式若しくはアリール脂肪族1級トリアミン、殊に1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン又はトリス(3−アミノプロピル)アミン;
−エーテル基含有の脂肪族1級ジアミン若しくはエーテル基含有の脂肪族1級トリアミン、殊にビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−2,9−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、5,8−ジオキサドデカン−3,10−ジアミン又は4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン;
−2級アミノ基と2個の1級脂肪族アミノ基を有するポリアミン、殊に3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、又は5〜7個のエチレンアミン単位を有するポリエチレンポリアミン(「高級エチレンポリアミン」、HEPAとして知られている)等の直鎖ポリエチレンアミンの高級同族体、ジプロピレントリアミン(DPTA)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(N3アミン)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン(N4アミン)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)−1,4−ジアミノブタン、N5−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、N3−(3−アミノペンチル)−1,3−ペンタンジアミン、N5−(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン又はN,N’−ビス(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン等の、1級アミノ基を少なくとも2個有する1級ジアミン及び1級ポリアミンの複数個所でのシアノエチル化若しくはシアノブチル化そして続いての水素化からの生成物;
−1又は2個の2級アミノ基を有するポリアミン、殊にN−ブチル−1,2−エタンジアミン、N−ヘキシル−1,2−エタンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,2−エタンジアミン、N−シクロヘキシル−1,2−エタンジアミン、4−アミノメチルピペリジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−ブチル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−エチルヘキシル)−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、3−メチルアミノ−1−ペンチルアミン、3−エチルアミノ−1−ペンチルアミン、3−シクロヘキシルアミノ−1−ペンチルアミン、例えばN−ココアルキル−1,3−プロパンジアミン等の脂肪族ジアミン、マイケル様(Michael−like)付加反応からの生成物で、1級脂肪族ジアミンと、アクリロニトリル、マレイン酸ジエステル若しくはフマル酸ジエステル、シトラコン酸ジエステル、アクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリルアミド若しくはメタクリルアミド又はイタコン酸ジエステルとの1:1のモル比で反応したマイケル様付加反応からの生成物、1級脂肪族ポリアミンとアルデヒド若しくはケトンとの還元アルキル化からの生成物、殊に、N−ベンジル−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N,N’−ジベンジル−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N−2−エチルヘキシル−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミン、N−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1,2−プロパンジアミン、又は部分的にスチレン化されたポリアミン、例えばスチレン化MXDA(三菱ガス化学株式会社からGaskamine(商標)240として入手可能)等;
−3級アミノ基と1級脂肪族アミノ基を有するポリアミン、具体的には、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアミン(DMAPA)、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミン(DEAPA)、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミン、1−(N,N−ジエチルアミノ)−4−アミノペンタン、N,N−ジメチルジ(1,3−プロピレン)トリアミン(DMAPAPA)、N,N’−ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)プロピルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)シクロヘキシルアミン、N,N−ビス(3−アミノプロピル)−2−エチルヘキシルアミン等、Triameen(商標)Y12D若しくはTriameen(商標)YT(Akzo Nobel製)として入手可能のN,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン又はN,N−ビス(3−アミノプロピル)牛脂アルキルアミン等の天然脂肪酸から誘導された脂肪族アミンの2個所でのシアノエチル化そして続いての還元からの生成物;トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミン、トリス(3−アミノプロピル)アミン若しくは4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン;
−芳香族ポリアミン、具体的にはm−フェニレンジアミン及びp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン及び/又は2,2’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、2,4−トリレンジアミン及び/又は2,6−トリレンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,4−トリレンジアミンと3,5−ジメチルチオ−2,6−トリレンジアミンとの混合物(AlbermarleからEthacure(商標)300として入手可能)、3,5−ジエチル−2,4−トリレンジアミンと3,5−ジエチル−2,6−トリレンジアミンの混合物(DETDA)、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−DEA)、3,3’,5,5’−テトラエチル−2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−CDEA)、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−MIPA)、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−DIPA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、4−アミノ−N−(4−アミノフェニル)ベンゼンスルホンアミド、5,5’−メチレンジアントラニル酸、ジメチル5,5’−メチレンジアントラニラート、1,3−プロピレンビス(4−アミノベンゾアート)、1,4−ブチレンビス(4−アミノベンゾアート)、ポリテトラメチレンオキシドビス(4−アミノベンゾアート)(Air ProductsからVersalink(商標)として入手可能)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、2−メチルプロピル4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾアート又はtert−ブチル4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾアート等;
−上述のポリアミンとエポキシド若しくはエポキシ樹脂とのアダクト、殊にモル比がおよそ2/1のジエポキシドとのアダクト、モル比がおよそ1/1のモノエポキシドとのアダクト、又はアミンとエピクロロヒドリンとの反応生成物、具体的には、Gaskamine(商標)328(三菱ガス化学株式会社製)として市販されている1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンの反応生成物;
−ポリアミドアミン、殊に、単塩基カルボン酸若しくは多塩基カルボン酸、及び/又はそれらのエステル若しくは無水物の反応生成物、殊に、二量体脂肪酸と、化学量論的に過剰に用いた脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン若しくは芳香族ポリアミン、さらに具体的には例えばDETA若しくはTETA等のポリアルキレンアミンとの反応生成物、より詳細には、市販のポリアミドアミンVersamid(商標)100、125、140若しくは150(Cognis製)、Aradur(商標)223、250若しくは848(Huntsman製)、Euretek(商標)3607若しくは530(Huntsman製)、又はBeckopox(商標)EH651、EH654、EH655、EH661若しくはEH663(Cytec製);
−フェノールと、アルデヒド、殊にホルムアルデヒド、及び脂肪族アミン若しくは脂環式アミン、殊にフェナルカミン(phenalkamines)との反応から得られるマンニッヒ塩基、つまり、カルダノール(主成分として3−(ペンタデカ−8,11,14−トリエニル)フェノールを含有するカシューシェルオイル抽出物の熱処理より得られる長鎖のアルカ(エン)イルフェノール及びレソルシノール)のマンニッヒ塩基、さらに具体的には、市販品Cardolite(商標)NC−541、NC−557、NC−558、NC−566、Lite2001若しくはLite2002(Cardolite製)、Aradur(商標)3440、3441、3442若しくは3460(Huntsman製)、又はBeckopox(商標)EH614、EH621、EH624、EH628若しくはEH629(Cytec製);
−銘柄名Thiokol(商標)(Morton Thiokol製、例えばSPI Supplies、若しくはToray Fine Chemicalsから入手可能)の下で既知である液状のメルカプタン末端ポリスルフィドポリマー、殊にその製品LP−3、LP−33、LP−980、LP−23、LP−55、LP−56、LP−12、LP−31、LP−32若しくはLP−2;そして同様にさらに、銘柄名Thioplast(商標)(Akzo Nobel製)の下で既知である、具体的には製品G10、G112、G131、G1、G12、G21、G22、G44若しくはG4;
−末端メルカプト基を有するポリエーテル、殊に、ポリエーテルポリオールとエピクロロヒドリンを反応させて、続いて例えば水硫化ナトリウムを用いてクロリド基をメルカプト基と置換して得られる生成物、さらに具体的には、市販品Capcure(商標)3−800若しくはGPM800(Gabriel Performance Products製);
−チオカルボン酸のポリエステル、又はポリオキシアルキレンジオール若しくはポリオキシアルキレントリオール、エトキシ化トリメチロールプロパン若しくはポリエステルジオールと、チオグリコール酸又は2−メルカプトプロピオン酸若しくは3−メルカプトプロピオン酸等のチオカルボン酸とのエステル化生成物;或いは
−メルカプト基を含む他の化合物、具体的には2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2,2’−(エチレンジオキシ)ジエタンチオール(トリエチレングリコールジメルカプタン)若しくはエタンジチオール等。
【0121】
ポリエーテルアミンとアミノシラン又はメルカプトシランに加えて、組合せは、エポキシド基に対して反応性を有する他の物質をほんの僅かだけ含有するのが好ましい。組合せ中のエポキシド基に対して反応性を有する全ての基の50%以下、さらに好ましくは25%以下、さらに具体的には10%以下が、ポリエーテルアミン由来でなく、アミノシラン又はメルカプトシラン由来でもないことが好ましい。
【0122】
さらに好適な組合せの構成成分は、具体的には、以下の助剤及び添加剤である:
−接着促進剤及び/又は架橋剤、殊に、2級アミノ基を有するアミノシラン、具体的にはN−フェニル−アミノシラン、N−シクロヘキシル−アミノシラン又はN−アルキルアミノシラン等、エポキシシラン、具体的には3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロシラン、アンヒドリドシラン、カルバマトシラン、アルキルシラン又はイミノシラン等、或いはこれらのシランのオリゴマーの形態、又は1級アミノシランとエポキシシラン若しくは(メタ)アクリロシラン若しくはアンヒドリドシランとのアダクト
−可塑剤、殊にフタラート、さらに具体的にはジオクチルフタラート、ジイソノニルフタラート若しくはジイソデシルフタラート等、アジパート、さらに具体的にはジオクチルアジパート、アゼラート、セバケート等のカルボン酸エステル、ポリオール、さらに具体的にはポリオキシアルキレンポリオール若しくはポリエステルポリオール、グリコールエーテル、グリコールエステル、有機リン酸及びスルホン酸エステル、ポリブテン、又は天然油脂又はオイルから誘導され、また「バイオディーゼル」と称される脂肪酸メチルエステル若しくは脂肪酸エチルエステル
−溶剤又は希釈剤、殊にキシレン、メトキシプロピルアセタート、ジブチルエーテル、エチレングリコール若しくはジエチレングリコール若しくはプロピレングリコール若しくはジプロピレングリコールのジエーテル、オクタン、ジフェニルメタン、ジイソプロピルナフタレン、石油留分、例えばSolvesso(商標)製品(Exxon製)等、N−メチルピロリドン若しくは高級N−アルキルピロリドン、又はエトキシ化フェノール若しくはプロポキシ化フェノール
−エポキシ樹脂に反応性の希釈剤、殊にクレシルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、天然アルコールのグリシジルエーテル、具体的には、C〜C10アルキルグリシジルエーテル若しくはC12〜C14アルキルグリシジルエーテル等、又はポリプロピレングリコール等のジオール若しくはポリオールのグリシジルエーテル、ジメチロールシクロヘキサン、グリセロール、ネオペンチルグリコール又はトリメチロールプロパン
−他のエポキシ樹脂、殊に固体状ビスフェノールA、F若しくはA/F樹脂、ビスフェノールFノボラック、ポリプロピレングリコールのグリシジルエーテル又は水素化液状ビスフェノールA、F若しくはA/F樹脂
−ポリマー、殊にポリアミド、ポリスルフィド、ポリビニルホルマール(PVF)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン(PU)、カルボキシル基を有するポリマー、ポリアミド、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、不飽和モノマーのホモポリマー若しくはコポリマー、さらに具体的にはエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニル又はアルキル(メタ)アクリラートを包含する群からのポリマー、殊にクロロスルホン化ポリエチレン若しくはフッ素含有ポリマー、スルホンアミド変性メラミン、又は精製モンタン蝋;
−無機及び有機充填剤、殊に場合により脂肪酸で、さらに具体的にはステアリン酸で被覆した重質炭酸カルシウム若しくは沈降炭酸カルシウム、又はブライト(重晶石)、タルク、微細に粉砕した石英、珪砂、具体的にはカリ雲母、白雲石等の雲母、珪灰石、カオリン、焼成カオリン、分子ふるい、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、熱分解プロセスからの微粉末シリカを含むシリカ、セメント、石膏、飛散灰、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム、銅、鉄、銀若しくは鋼等の金属粉末、PVC粉末又は中空ビーズ
−繊維、殊にガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維又はポリアミド繊維若しくはポリエチレン繊維等の高分子繊維
−染料
−顔料、殊に二酸化チタン又は酸化鉄
−エポキシド基の反応用の促進剤、具体的には加水分解されて酸をもたらすことができる酸若しくは化合物等、殊に酢酸、安息香酸、サリチル酸、2−ニトロ安息香酸、乳酸等の有機カルボン酸、又はメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又は4−ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸、又はスルホン酸エステル、或いは他の有機酸若しくは無機酸、具体的にはリン酸、又は前述の酸の混合物及びそれらの酸のエステル等;或いは3級アミン、具体的には1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等、イミダゾール、具体的にはN−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾール又は1,2−ジメチルイミダゾール等、このような3級アミンの塩、4級アンモニウム塩、具体的にはベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等、アミジン、具体的には1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等、グアニジン、具体的には1,1,3,3−テトラメチルグアニジン等、フェノール、具体的にはtert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、カルダノール(主成分として3−(ペンタデカ−8,11,14−トリエニル)フェノールを含有する、カシューシェルオイル抽出物の熱処理により得られる長鎖のアルカ(エン)イルフェノール及びレソルシノール、具体的にはCardoliteからCardolite(商標)NC−700として市販されている)、スチレン化フェノール、ビスフェノール、フェノール基を含有する芳香族炭化水素樹脂、さらに具体的にはNovares(商標)製品LS500、LX200、LA300若しくはLA700(Ruetgers製)、ノボラック等のフェノール樹脂、又はマンニッヒ塩基、具体的には2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール又はフェノールのポリマー、ホルムアルデヒド及びN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン等、ホスフィット、具体的にはジフェニルホスフィット若しくはトリフェニルホスフィット等、又はメルカプト基を含有する化合物
−乾燥剤、殊にテトラエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン若しくはビニルトリエトキシシラン、又はシラン基に対してα位に官能基を有するオルガノアルコキシシラン、殊にN−(メチルジメトキシシリルメチル)−O−メチル−カルバマート、(メタクリロイルオキシメチル)シラン、メトキシメチルシラン、オルトギ酸エステル、及びまた酸化カルシウム又は分子ふるい
−レオロジー改質剤、さらに具体的には増粘剤、殊にベントナイト等のフィロ珪酸塩、蓖麻子油の誘導体、水素化蓖麻子油、ポリアミド、ポリウレタン、尿素化合物、ポリ塩化ビニル、ヒュームドシリカ、セルロースエーテル、又は疎水変性ポリオキシエチレン
−酸化、熱、光又は紫外線に対する安定剤
−天然樹脂、ロジン、シェラック、亜麻仁油、蓖麻子油又は大豆油等の油脂又はオイル
−難燃剤、殊に水酸化アルミニウム(ATH)、二水酸化マグネシウム(MDH)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸(B(OH))、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸メラミン、メラミンシアヌラート、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリ臭素化ジフェニルオキシド又はジフェニルエーテル、ホスファート、具体的にはジフェニルクレシルホスファート、レソルシノールビス(ジフェニル)、レソルシノールジホスファートオリゴマー、テトラフェニルレソルシノールジホスフィット、エチレンジアミンジホスファート又はビスフェノールAビス(ジフェニルホスファート)、トリス(クロロエチル)ホスファート、トリス(クロロプロピル)ホスファート若しくはトリス(ジクロロイソプロピル)ホスファート、トリス[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスファート等、テトラブロモビスフェノールA、ビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、臭素化エポキシ樹脂、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキスイミド)、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌラート、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタン、又は塩素化パラフィン;
−表面活性物質、殊に湿潤剤、流動調整剤、脱気剤又は脱泡剤
−殺生物剤、殊に殺藻剤、殺菌剤又は真菌生育阻害剤。
【0123】
特定の構成成分を組合せ中で混合する前に、特にそれらを第一剤の構成成分として使用するならば、それらを化学的若しくは物理的に乾燥させることが推奨されることがある。
【0124】
組合せのこのようなさらなる構成成分が、第一剤又は第二剤の構成成分として、存在してもよい。遊離水は、シラン基含有ポリマー及びアミノシラン又はメルカプトシランと同一剤でないのが好ましい。エポキシド基に対して反応性を有するさらなる構成成分は、液状エポキシ樹脂と同一剤でないのが好ましい。
【0125】
組合せ内で、エポキシド基に対して反応性を有する基の数とエポキシド基の数との比は、好ましくは0.5〜1.5の範囲、さらに具体的には0.8〜1.2の範囲である。
【0126】
好ましい一実施形態において、記載の組合せは、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含有しない。この化合物により、不快臭が発生し、組合せが黄変され、場合によっては基材の汚損が生じることもある。
【0127】
記載の組合せの2剤は、生成されて、水分の不在下に別々に保管される。それらは、通常、個々の容器中で各々保管される。個々の剤は、貯蔵安定性であり、その使用に関連する全ての範囲でそれぞれのその特性がいかなる変化を被ることなく、数か月間から1年以上まで使用前の各剤を保持できることを意味する。それぞれの剤を保管するのに好適な容器は、具体的には、ドラム、ペール缶(hobbock)、パウチ、バケツ、キャニスター、カートリッジ又は管である。
【0128】
記載の組合せの塗布に応じて、その2剤は、塗布の直前、又は塗布中に互いに混合される。混合比は、エポキシド基に対して反応性を有する基が、上述のように、エポキシド基に対して適切な比で存在するように、選択されるのが好ましい。重量部において、2剤間の混合比は、通例1:10〜10:1の範囲である。
【0129】
2剤は、好適な方法により混合される。この混合は、スタティックミキサーを介して、又はダイナミックミキサーを用いて、連続でもバッチ式でも行われてよい。塗布の前に混合を行うならば、可使時間内でない場合には、例えば基材への接着阻害若しくは接着不良の発生、又は早期ゲル化等の混乱が生じるので、組合せの可使時間内に塗布を行うことを確実にされたい。この「可使時間」は、剤を混合した後にその時間内に組合せを塗布する時間である。
【0130】
混合は、具体的には、通常約5〜50℃、好ましくは約10〜30℃の範囲である周囲温度で行われるのが好ましい。
【0131】
2剤の混合は、化学反応による硬化の開始とみなされる。この反応において、1級アミノ基、2級アミノ基及びメルカプト基が、存在するエポキシド基と反応し、エポキシド基が開環する。水と接触すると、存在するシラン基は、アルコールの放出により加水分解反応を起こし、シランオール基(Si−OH基)を形成し、続いての縮合反応により、シロキサン基(Si−O−Si基)を形成する。これらの反応の結果として、組合せは、架橋プラスチックに硬化する。シラン基の加水分解反応に用いる水が、組合せ中に既に存在しなく、組合せに放出されていないならば、大気(大気中の湿分)から又は基材からの水を用いてよく、或いは例えば、拡散、噴霧又は混合により、組合せを水含有成分と接触させてもよい。
【0132】
硬化は、具体的には0〜150℃の範囲の温度で行われる。硬化は、具体的には周囲温度で行われてよく、周囲温度の場合には、硬化が一般的な条件下で大部分完結するまで、硬化は、通常数日から数週間に及ぶ。別の方法として、昇温で、さらに具体的には50〜130℃の範囲の温度で硬化を実施してもよい。その場合には、組合せは、水、又は特に水放出物質を含むのが好ましい。特定の場合において、周囲温度で部分的に硬化した組合せをその後に硬化すること、又は昇温で十分に硬化することは、有利であり得る。
【0133】
組合せの硬化プロセスは、具体的には、一方で組合せの適切な塗布に十分な可使時間又は開放時間が確保され、他方で組合せがさらに硬化し、又は具体的には組合せを用いてなされる接合剤による接合が自力で保持され、かつ輸送可能である状態まで硬化が急速に進む。
【0134】
本発明は、従って、第一剤と第二剤とを混合することにより、本明細書に記載の組合せから得られる硬化組成物を提供する。
【0135】
硬化中に組成物が不粘着性になるまでに要する時間が、シラン基含有ポリマーの架橋速度により、決められることが、浮かび上がってきた。これは、硬化組成物において、硬化済みのシラン基含有ポリマーは、通常、連続相を形成し、硬化済みのエポキシ樹脂は、通常、分散相を形成することを示唆し、ラマン顕微鏡の研究により支持される結論である。アミノシラン又はメルカプトシランは、2つの相を化学的に結合し得る。
【0136】
実施例から、組合せが、充填剤を添加することなく、硬化後に不透明で白色から半透明を介して透明に変わる外観を有し、半透明及び透明な組成物が、特に高い強度を伴うことは、明白である。
【0137】
液状エポキシ樹脂及びアミノシラン又はメルカプトシランが好ましい量で存在するならば、特に高い強度が、得られる。
【0138】
この硬化組成物は、顕著な機械物性、非常に良好な熱安定性、及び良好な接着性を有する。この硬化組成物は、従って、接着剤、密封材としての使用に、強靭で弾力性のある材料をコーティング又は流延する使用に特に好適である。その強靭で弾力性のある特性が高い熱安定性及び良好な接着と一緒に観察されることは、特に硬い弾性接合に特に有利であるので、硬化組成物は、接着剤としての使用が殊に好適である。
【0139】
職業上の衛生及び健康保護の理由から、イソシアナート無含有の製品の使用が指示される場合に殊に、この組合せはまた、有利である。
【0140】
この組合せは、以下の基材の接合、封止又はコーティングに殊に好適である:
−ガラス、ガラスセラミック、スクリーン印刷したセラミック、コンクリート、モルタル、煉瓦、タイル、石膏、花崗岩又は大理石等の天然石、又はガラスミネラル繊維マット;
−アルミニウム、鉄、鋼、若しくは非鉄金属等の金属又は合金、或いは亜鉛めっき金属又はクロムめっき金属等の表面強化金属又は合金;
−皮、織物、紙、木材、フェノール樹脂、メラミン樹脂若しくはエポキシ樹脂等の樹脂とした木質材料、樹脂と織物の複合材、又は他の所謂ポリマー複合材;
−プラスチック、殊に剛性若しくは可撓性のPVC、ABS、ポリカーボナート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、PMMA、エポキシ樹脂、PU、POM、PO、PE、PP、EPM又はEPDM、プラスチックは、場合によりプラズマ、コロナ又は炎により表面処理される;
−炭素繊維強化プラスチック(CRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GRP)又はシートモールディングコンパウンド(SMC)等の繊維強化プラスチック;
−粉末コートした金属又は合金等のコート基材;
−ペイント又はニス、殊に自動車用トップコート。
【0141】
必要に応じて、組合せを塗布する前に、基材を前処理してよい。このような前処理として、具体的には、例えば、研磨、砂吹き、ショットブラスト、ブラッシング及び/又は吹き分け、そしてまたさらに、洗浄剤若しくは溶剤での処理、又は接着促進剤、接着促進液若しくはプライマーの塗布のような物理及び/又は化学洗浄技術が挙げられる。
【0142】
本発明は、上述の組合せの使用、さらに具体的には建築業又は製造業において構造接合に接着剤として、殊に組立用接着剤、車体用接着剤、サンドイッチ材用接着剤、風力タービンの動翼用の半シェル接着剤、又は建築化粧材用接着剤としての使用をさらに提供する。
【0143】
この種の接着剤は、各チャンバが接着剤の第一剤又は第二剤のどちらかを収容する、互いに別々の2つのチャンバを有する包装体からなるパック中で、使用前に保持されるのが好ましい。
【0144】
このようなパックは、並列ツインカートリッジ又は同軸カートリッジであるのが好ましく、2つの管状チャンバは、互いに並んで又は互いに内側に配置され、ピストンで気密及び湿密封止が付与される。剤は、これらのピストンの往動によりカートリッジから押し出されることが可能である。ピストンの向かい側の管の側面は、チャンバの開口部が、開口部の区画における分割壁を介して互いと直接に通じるように、場合によりアダプターを介して、修正されている。チャンバの出入り口の区画に作られたスレッドが存在するのは有利であり、スタティックミキサー又はダイナミックミキサーを直近に実装させる。この種のパックは、特に小規模の塗布、具体的には1リットルまでの体積に好ましい。多量の塗布用には、特に工業的製造の塗布用には、2剤は、ドラム又はペール缶に保管されるのが有利である。接着剤の塗布において、剤は、輸液ポンプを介して押し出され、工業製造において2剤接着剤に通例使用される型の混合装置にラインを介して計量供給される。この場合の混合は、通常、スタティックミキサーを介して、又はダイナミックミキサーにより、行われる。混合量の目視監視に関して、2剤が2つの異なる色を有するならば、その監視は有利になり得る。その場合の効果的な混合は、混合済みの接着剤が縞模様も条痕も見えることなく均質に着色されている場合に存在する。
【0145】
接着剤は、より具体的には第一基材を第二基材に接着剤で接合する方法において使用され、前記方法は:
−上述の第一剤と第二剤を混合するステップ、
−混合済みの接着剤を基材表面の少なくとも1面に塗布して接合するステップ、
−基材をつないで開放時間内に接合するステップ、
−接着剤を硬化するステップ
を備える。
【0146】
本明細書における2つの基材は、同一材料で構成されても、異なる材料で構成されてもよい。特に好適な基材は、上に明記した基材である。
【0147】
この接着剤の使用により、接着剤が2枚の基材を互いにつなぐ物品が得られる。その物品は、従って、少なくとも部分的に上述の硬化組成物を含む。
【0148】
この物品は、具体的には、家、バスルーム、キッチン、屋根、橋梁、トンネル、道路、軽量構造のサンドイッチ材、太陽電池モジュール又はソーラーヒーティングモジュール等のソーラーパネル、ガラス建築外装、窓、パネル、鏡、とい、白物家庭用品、家庭電気製品、食洗器、洗濯機、オーブン、風力タービン動翼、自動車、バス、トラック、鉄道車両、船、航空機、ヘリコプター、又はヘッドライト、或いはこのような物品の部品である。
【実施例】
【0149】
記載される本発明をより詳細に明瞭にすることを意図する実施例は、以下の通りである。本発明は、当然ながら、これらの記載される実施例に限定される物ではない。
【0150】
「標準条件」は、23±1℃及び50±5%相対雰囲気湿度を指す。
【0151】
「AHEW」は、アミン水素当量を表す。
【0152】
「EEW」は、エポキシド当量を表す。
【0153】
使用するシラン基含有ポリマー:
STPポリマー−1:
水分の不在下、1,000gのAcclaim(商標)12200ポリオール(Bayer製;低モノオールポリオキシプロピレンジオール、OH数11.0mgKOH/g、水含有量約0.02wt%)、43.6gのイソホロンジイソシアナート(Vestanat(商標)IPDI、Evonik Industries製)、126.4gのジイソデシルフタラート及び0.12gのジブチルスズジラウラートを連続して撹拌しながら90℃まで加熱し、滴定測定により求めた遊離のイソシアナート基含有量が、0.63wt%の濃度に達するまで、その温度で放置した。次に、62.3gのジエチルN−(3−トリメトキシシリルプロピル)アミノスクシナートを混合し、FT−IRスペクトル分析によりいかなる遊離のイソシアナートも検出されなくなるまで、混合物を90℃で撹拌した。シラン官能性ポリマーを室温まで冷却し、水分の不在下で保持した。
【0154】
STPポリマー−1は、10重量%の可塑剤(ジイソデシルフタラート)を含有する。
【0155】
STPポリマー−2:
水分の不在下、600gのAcclaim(商標)12200ポリオール(Bayer製;低モノオールポリオキシプロピレンジオール、OH数11.0mgKOH/g、水含有量約0.02wt%)、24.9gのイソシアナートプロピルトリメトキシシラン及び0.6gのジブチルスズジラウラートを連続して撹拌しながら80℃まで加熱し、FT−IRスペクトル分析によりさらなる反応進行が認められなくなるまで、その温度で2時間放置した。70℃で30分間2.0gのメタノールを添加して、残存するイソシアナート基を反応させた後、30分間80℃、およそ2mbarで、混合物を後処理した。シラン官能性ポリマーを室温まで冷却し、水分の不在下で保持した。
【0156】
STPポリマー−3:
Geniosil(商標)STPE15(Wacker Chemie製のトリメトキシシリルプロピルカルバマート末端のポリエーテル)
【0157】
【表1】
【0158】
2剤の組合せの製造
実施例1〜36:
各実施例に関して、表1〜7に示す原料を指示量(重量部)の剤−1中で、遠心ミキサー(SpeedMixer(商標)DAC150、FlackTek Inc.)を用いて混合し、混合物を水分の不在下で保管した。
【0159】
同様に、表1〜7に示す剤−2の原料を処理し、保持した。
【0160】
続いて、遠心ミキサーを用いて、各組合せの2つの剤を均質な液体になるまで処理し、この液体を直ちに以下のように試験した:
「TFT」と略される不粘着時間を測定するために、室温の混合済みの組成物の少量を層厚およそ3mmで厚紙に塗布し、標準条件下で、LDPEピペットを用いて、組成物の表面と適度に接触させる際に、残留物が初めてピペットにこれ以上残らなくなるまでに要した時間を求めた。
【0161】
指示される特定の条件下で硬化した組成物のフィルムである、厚さ約2mmのフィルムから打ち抜いて作製した、バー長さ30mm及びバー幅4mmを有する長さ75mmのダンベルで、DIN EN53504(引張り速度10mm/分)に準拠して、引張り強さ、破断点伸び、0.05〜0.25%伸びでの弾性率(E−弾性率1)及び0.5〜5.0%伸びでの(E−弾性率2)を求めた。表に「10d SC」と示す値は、10日の貯蔵時間後、標準条件下で求めた。「+2d80℃」で示す値は、標準条件下で10日間保管し、続いて80℃の強制空気オーブン内で2日間保管したダンベルで求めた。「+7d100℃」と示す値は、標準条件下で10日間保管した後、強制空気オーブン内で、100℃で7日間保管したダンベルで求めた。「+7d60℃/100%rh」と示す値は、標準条件下で10日間保管し、続いて60℃、相対湿度100%で7日間保管したダンベルで求めた。
【0162】
引張せん断強度を測定するために、混合時間が終了した後、各場合において、イソプロパノールで脱脂した2枚のH420鋼板(鋼板厚1.5mm)の間に、層厚0.3mmで、重なり合う接合区画10×25mmで、1分間、組成物を塗布することにより、試験片を作製した。DIN EN1465に準拠して室温でこれらの試験片で、引張せん断強度を求め、測定の前に、試験片を7日間、標準条件下で保存した後、強制空気オーブン内で、80℃で3時間保管した後、室温まで冷却した。
【0163】
硬化後、全てのフィルムは、完全に不粘着性で、不透明な白色から十分に透明であり、光沢のある表面からシルク−無光沢(silk−matt)表面を有した。透明の程度を光学的に評価し、「不透明」又は「半透明」(場合によっては「semitransp.」と略す)又は「透明」として分類し、「外観」として報告した。「不均質」と分類したフィルムは、透明性とは異なる面又は縞模様を呈した。
【0164】
その結果を表1〜7に報告する。
【0165】
「(Ref)」で分類される実施例は、比較例である。
【0166】
表中の「EP/STP」は、各場合において、液状エポキシ樹脂とシラン基含有ポリマー(可塑剤無含有)との重量比を表す。
【0167】
表中の「rel.シラン含有量」は、各場合において、シラン基含有ポリマーと液状エポキシ樹脂(可塑剤無含有)との合計量を基準として、重量%での、相対的なアミノシラン又はメルカプトシランの含有量を表す。
【0168】
【表2】
【0169】
【表3】
【0170】
【表4】
【0171】
【表5】
【0172】
【表6】
【0173】
【表7】
【0174】
【表8】