(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に開示されているように、熱シールド部に供給される液体窒素などの二次冷媒は、輻射熱により蒸発した二次冷媒を外部に放出する方式では、常に二次冷媒の補給が必要となるという問題がある。そのため、加速器などの大型の超電導設備では、大量の二次冷媒の補給が必要になるため、ランニングコストが無視できないほど高価となる。
特許文献2に開示された冷却システムは、超電導機器を冷却する一次冷媒の冷却を対象とするものであり、一次冷媒の貯留部を囲む熱シールド部に供給される二次冷媒の冷却を対象とするものではない。また、二次冷媒の循環路に設けられたリザーバタンク内の圧力制御のために、複雑な加圧装置及び減圧装置を必要とする。
特許文献3では、蒸発した二次冷媒を冷凍機によって又は液化ヘリウムの冷熱を利用して冷却し液化させ、液化した二次冷媒を熱シールド部に戻すようにしている。しかし、蒸発した二次冷媒は大きな潜熱を保有するため、これを液化させるために容量の大きな冷却設備が必要になる。従って、熱効率が低下すると共に、イニシャルコストが高コストとなる。
【0006】
幾つかの実施形態は、冷却装置において、熱シールド部に用いられる二次冷媒の補給を不要にしてランニングコストを削減すると共に、冷却装置の簡素化及び低コスト化を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)幾つかの実施形態に係る冷却装置は、
低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
を備える冷却装置であって、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度センサと、
前記熱シールド部の入口側の前記二次冷媒回路に設けられ、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の圧力を検出する第1圧力センサと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持するための制御部と、
を備える。
【0008】
上記(1)の構成によれば、上記制御部によって、上記二次冷媒回路を循環する二次冷媒の温度及び圧力を制御することで、二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持する。そのため、二次冷媒を放出することなく循環して再使用できる。これによって、二次冷媒の補給が不要となり、ランニングコストを削減できる。また、気化した二次冷媒を収容する貯留タンクや気化した二次冷媒を液化するための冷凍機が不要になるため、設備の小型化及び低コスト化が可能になる。
また、熱シールド部の入口側で二次冷媒の温度及び圧力を検出し、この検出値に基づいて二次冷媒を過冷却状態とすべく二次冷媒の温度及び圧力を制御するため、熱シールド部に供給される二次冷媒を確実に液状でかつ過冷却状態に保持できる。
【0009】
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に連通する第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する第2圧力センサと、
を備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記二次冷媒回路の圧力を前記第1閾値以上とするものである。
【0010】
上記(2)の構成において、上記第1閾値は、例えば、二次冷媒回路を循環する二次冷媒が液状でかつ過冷却状態を維持可能な下限値に設定される。貯留タンクと二次冷媒回路とは連通しているため、内部は同等の圧力となっている。
上記第2圧力センサの検出値が第1閾値未満となったとき、制御部は、上記第1加圧路を解放して第1加圧路に二次冷媒を導入する。第1加圧路に導入された二次冷媒は上記第1蒸発器で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは上記貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の圧力が増加するため、二次冷媒回路の圧力も増加し、上記第1閾値以上に回復する。こうして、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。
また、貯留タンクの気相部の圧力を制御対象とすることで、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。また、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状に保持することで、貯留タンクを小型化できる。
【0011】
(3)一実施形態では、前記(1)又は(2)の構成において、
前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに接続される第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記第2圧力センサの検出値が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記バックアップタンクから前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記貯留タンクの前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とするものである。
【0012】
上記(3)の構成において、第2閾値は、例えば、冷凍機又は二次冷媒を循環させる循環ポンプ等が故障したときの二次冷媒回路の圧力に設定される。
冷凍機又は循環ポンプ等の故障によって、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の温度が急激に上昇し、あるいは二次冷媒の圧力が急激に低下した時、上記バックアップタンク内の二次冷媒を上記二次冷媒供給路を介して貯留タンクに供給することで、二次冷媒回路における二次冷媒の循環を維持することができる。
また、制御部によって、上記第2加圧路を解放し、第2加圧路に二次冷媒を導入する。第2加圧路に導入した二次冷媒は上記第2蒸発器で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の気相部の圧力が上記第2閾値以上に回復するため、貯留タンクの気相部と連通した二次冷媒回路の圧力が第2閾値以上に回復し、熱シールド部への二次冷媒の供給を継続できる。
【0013】
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記液化回路は、
前記液化回路に設けられた圧縮機ユニットと、
前記液化回路の往路及び復路が導設されて前記往路及び前記復路間で冷媒同士の熱交換が行われ、前記往路及び前記復路に対して直列に配置された複数の熱交換器と、
前記内槽入口の前記往路に設けられたジュール・トムソン弁と、
を含み、
前記二次冷媒回路から分岐し前記複数の熱交換器の少なくとも一つに導設される予冷回路を備える。
【0014】
上記液化回路では、上記圧縮機ユニットで圧縮された冷媒ガスは、熱シールド部から戻る冷媒と複数の熱交換器で順々に熱交換して冷却される。そして、熱シールド部の入口で上記ジュール・トムソン弁を通って膨張し、膨張時に冷却されて低温液化冷媒となり、この低温液化冷媒が熱シールド部に供給される。
上記(4)の構成によれば、冷却装置の起動時などにおいて、上記予冷回路に冷凍機で冷却された二次冷媒を循環させることで、圧縮機ユニットから吐出された冷媒ガスの冷却を補助できる。このように、二次冷媒の冷熱を利用することで、冷却装置の成績係数(COP)を向上できる。
【0015】
(5)一実施形態では、前記(1)〜(4)の何れかの構成において、
前記冷凍機はブレイトンサイクルを構成する冷凍機である。
上記(5)の構成によれば、冷凍機としてブレイトンサイクルを構成する冷凍機を用いることで、熱シールド部に供給可能な低温の二次冷媒液を高効率で製造できる。
【0016】
(6)一実施形態では、前記(1)〜(5)の何れかの構成において、
前記貯留タンクにおいて、
前記二次冷媒回路の接続部は、前記二次冷媒の液面より下方に配置され、
前記二次冷媒の前記液面と前記接続部との間に設けられ横方向に延在する対流防止板と、
を備え、
前記対流防止板より下方に貯留する前記二次冷媒は前記冷凍機で冷却される。
【0017】
上記(6)の構成において、「横方向」とは、垂直方向と交差する方向を言う。
熱シールド部から貯留タンクに戻った二次冷媒は、上記対流防止板より下方の貯留領域に戻される。対流防止板より下方の領域に貯留する二次冷媒は冷凍機によって冷却されているため、熱シールド部から戻った二次冷媒はこの低温の二次冷媒で冷却される。このように、熱シールド部から戻った二次冷媒は、冷凍機以外に貯留タンクに貯留された二次冷媒によっても冷却されるため、被冷却物が急激に昇温しても冷凍機の負荷が過大にならず、二次冷媒回路を循環する二次冷媒も過冷却状態を保持できる。
【0018】
(7)幾つかの実施形態に係る冷却方法は、
低温液化冷媒が充填され、被冷却物が前記低温液化冷媒に浸漬される密閉状態の液室をもつ内槽と、
前記液室に前記低温液化冷媒を供給する液化回路と、
前記内槽を覆う熱シールド部と、
前記熱シールド部に二次冷媒を供給する二次冷媒回路と、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を冷却する冷凍機と、
前記熱シールド部出口側と前記冷凍機との間の前記二次冷媒回路に設けられた前記二次冷媒の貯留タンクと、
前記二次冷媒回路から分岐し、前記貯留タンクの気相部に連通する第1加圧路と、
前記第1加圧路に設けられた第1蒸発器と、
前記二次冷媒が貯留されたバックアップタンクと、
前記貯留タンクと前記バックアップタンクとに接続される二次冷媒供給路と、
前記貯留タンクの気相部と前記バックアップタンクとに接続される第2加圧路と、
前記第2加圧路に設けられた第2蒸発器と、
を備える冷却装置を用いる冷却方法であって、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度を検出する温度検出ステップと、
前記貯留タンクの前記気相部の圧力を検出する圧力検出ステップと、
前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒の温度及び前記貯留タンクの前記気相部の圧力を制御し、前記二次冷媒回路を循環する前記二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持する制御ステップと、
前記圧力検出ステップにおける検出値が第1閾値未満となったとき、前記第1加圧路を解放して前記第1加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第1閾値以上とする第1圧力制御ステップと、
前記貯留タンクの気相部の圧力が前記第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、前記第2加圧路を解放して前記第2加圧路に前記二次冷媒を導入し、前記気相部の圧力を前記第2閾値以上とする第2圧力制御ステップと、
前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒の液面が閾値を超えたら、前記二次冷媒供給路を介して前記貯留タンクに貯留される前記二次冷媒を前記バックアップタンクに移し、前記液面を前記閾値以下にする液面制御ステップと、
を含む。
【0019】
上記(7)の方法によれば、上記第1圧力制御ステップにおいて、貯留タンクの気相部の圧力が第1閾値未満となったとき、第1加圧路を解放して第1加圧路に二次冷媒を導入する。第1加圧路に導入された二次冷媒は第1蒸発器で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の気相部の圧力が増加するため、この気相部に連通する二次冷媒回路の圧力が増加し、上記第1閾値以上に回復する。
こうして、二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。また、貯留タンクの気相部の圧力を制御することで、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。
【0020】
また、冷凍機又は循環ポンプ等の故障によって、二次冷媒回路を循環する二次冷媒の温度が急激に上昇し、あるいは二次冷媒の圧力が急激に低下した時、上記バックアップタンク内の二次冷媒を上記二次冷媒供給路を介して貯留タンクに供給することで、二次冷媒回路における二次冷媒の循環を維持できる。
上記第2圧力制御ステップにおいて、上記第2加圧路を解放し、第2加圧路に二次冷媒を導入することで、第2加圧路に導入された二次冷媒は上記第2蒸発器で蒸発し、貯留タンクに流入する。これによって、貯留タンク内の気相部の圧力が上記第2閾値以上に回復するため、貯留タンクの気相部と連通した二次冷媒回路の圧力が回復し、二次冷媒回路を循環する二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。
【0021】
また、貯留タンク内の気相部の二次冷媒ガスは液化するため、貯留タンクの二次冷媒液の液面は次第に上昇する。そのため、上記液面制御ステップにおいて、二次冷媒液の液面が閾値を超えたら、貯留タンク内の二次冷媒液をバックアップタンクに移す。逆に、バックアップタンクでは二次冷媒が蒸発するため、貯留タンクから二次冷媒が供給されることで、所定の液量を維持できる。こうして、貯留タンク及びバックアップタンクに貯留される二次冷媒の液面を所定レベルに維持できる。
【発明の効果】
【0022】
幾つかの実施形態によれば、一次冷媒の貯留部を覆う熱シールド部に用いられる二次冷媒の補給が不要になるため、冷却装置のランニングコストを節減できると共に、冷却装置を簡素化かつ低コスト化でき、イニシャルコストを削減できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0025】
幾つかの実施形態に係る冷却装置10(10A、10B、10C、10D、10E)は、
図1〜
図5に示すように、密閉状態の液室12aをもつ内槽12と、液室12aに低温液化冷媒を供給する液化回路14とを備える。液室12aには低温液化冷媒LR
1が充填され、被冷却物(例えば、超電導コイルなどの超電導機器)Mが低温液化冷媒に浸漬される。
内槽12は輻射熱の侵入を防止するために熱シールド部16で覆われる。熱シールド部16に二次冷媒回路18が接続され、二次冷媒回路18から二次冷媒液LR
2が供給される。二次冷媒液LR
2は二次冷媒回路18を循環し、冷凍機20で冷却される。
【0026】
熱シールド部16の入口側の二次冷媒回路18に温度センサ22及び第1圧力センサ24が設けられる。これらセンサによって二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2の温度及び圧力が検出される。温度センサ22及び第1圧力センサ24の検出値は制御部26に入力される。制御部26は、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2の温度及び圧力を制御し、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2を液状でかつ過冷却状態に保持する。
低温液化冷媒として、例えば、沸点が非常に低いヘリウム、ネオン等が用いられ、二次冷媒として例えば窒素が用いられる。
【0027】
上記構成によれば、制御部26によって二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2の温度及び圧力を制御することで、この二次冷媒液LR
2を液状でかつ過冷却状態に保持できる。これによって、蒸発した二次冷媒を放出することなく、二次冷媒を循環して再使用できるため、二次冷媒の補給が原則として不要となる。そのため、二次冷媒の消費を抑制でき、ランニングコストを抑制できる。また、気化した二次冷媒を収容する貯留タンクや気化した二次冷媒を液化するための冷凍機が不要になるため、設備の小型化が可能になり、イニシャルコストを削減できる。
また、熱シールド部16の入口側で二次冷媒の温度及び圧力を検出し、この検出値に基づいて二次冷媒を液状でかつ過冷却状態とすべく二次冷媒の温度及び圧力を制御するため、熱シールド部16に供給される二次冷媒を確実に液状でかつ過冷却状態に保持できる。
【0028】
図示した実施形態では、
図1〜5に示すように、内槽12及び熱シールド部16は真空空間Svを形成した真空容器28の内部に配置される。二次冷媒回路18には、二次冷媒液LR
2を循環させるための循環ポンプ30が設けられる。
また、熱シールド部16の外側に真空空間Svを形成することで、外部からの輻射熱の侵入を効果的に抑制できる。
【0029】
幾つかの実施形態では、
図1〜5に示すように、熱シールド部16の出口側と冷凍機20との間の二次冷媒回路18に、二次冷媒を貯留するための貯留タンク32が設けられる。また、二次冷媒回路18から分岐し、貯留タンク32の気相部Sgに連通する第1加圧路34が設けられ、第1加圧路34に第1蒸発器36が設けられる。さらに、気相部Sgの圧力を検出する第2圧力センサ40が設けられる。第2圧力センサ40の検出値は制御部26に入力される。
【0030】
上記構成において、制御部26は、第2圧力センサ40の検出値が第1閾値未満となったとき、第1加圧路34を解放して二次冷媒回路18から第1加圧路34に二次冷媒液LR
2を導入する。第1閾値は、例えば、二次冷媒回路を循環する二次冷媒が液状でかつ過冷却状態を維持可能な下限値に設定される。貯留タンク32と二次冷媒回路18とは互いに連通しているため、これらの内部は同等の圧力を有する。第1加圧路34に導入された二次冷媒液は第1蒸発器36で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは気相部Sgに流入する。
これによって、気相部Sgの圧力は増加して第1閾値以上に回復でき、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2を液状でかつ過冷却状態に保持できる。また、貯留タンク32の気相部Sgの圧力を制御対象とすることで、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。また、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒を液状に保持することで、貯留タンク32を小型化できる。
【0031】
図1〜
図5に示す実施形態では、貯留タンク32に貯留された二次冷媒の温度及び二次冷媒液の液面レベルを検出する温度センサ42及び液面センサ44が設けられ、これらセンサの検出値は制御部26に入力される。
また、第1加圧路34には流量調整弁38が設けられる。図示した実施形態では、制御部26は、圧力センサ24の検出値が第1閾値未満となったとき、流量調整弁38を解放して第1加圧路34に二次冷媒液LR
2を導入する。
図1〜
図3に示す実施形態では、第1加圧路34は貯留タンク32より下流側の二次冷媒回路18に接続され、
図4及び
図5に示す実施形態では、第1加圧路34は貯留タンク32より上流側の二次冷媒回路18に接続されている。この相違は冷却装置10の機能に差をもたらすものではない。
【0032】
幾つかの実施形態では、
図2及び
図3に示すように、二次冷媒液が貯留されるバックアップタンク46を備える。貯留タンク32とバックアップタンク46とは二次冷媒供給路48で接続される。また、第2加圧路50が貯留タンク32の気相部Sgとバックアップタンク46とに接続される。第2加圧路50には第2蒸発器52が設けられる。
冷凍機20や循環ポンプ30等が故障し、二次冷媒回路18から熱シールド部16への二次冷媒液LR
2の供給が停止し、前記第2圧力センサ40の検出値が第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、制御部26は、第2加圧路50を解放してバックアップタンク46から第2加圧路50に二次冷媒を導入する。第2閾値は、例えば、冷凍機20又は二次冷媒を循環させる循環ポンプ30等が故障したときの二次冷媒回路18の圧力値に設定される。
第2加圧路50に導入された二次冷媒は、第2蒸発器52で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンク32に流入する。これによって、貯留タンク32の気相部Sgの圧力が第2閾値以上に回復するため、貯留タンク32と連通した二次冷媒回路18の圧力が第2閾値以上に回復し、熱シールド部16への二次冷媒の供給を継続できる。
【0033】
また、制御部26は、冷凍機20や循環ポンプ30等が故障し、二次冷媒回路18から熱シールド部16への二次冷媒液LR
2の供給が停止したとき、二次冷媒供給路48を解放してバックアップタンク46内の二次冷媒液を貯留タンク32に供給する。二次冷媒液は貯留タンク32を介して二次冷媒回路18に供給される。この手段によっても、熱シールド部16への二次冷媒液LR
2の供給を継続できる。
【0034】
図2及び
図3に示す実施形態では、第2加圧路50は貯留タンク32の気相部Sgとバックアップタンク46の液相部を接続する。第2加圧路50を開放したとき大量の二次冷媒液が第2加圧路50に導入され、第2蒸発器52で大量の二次冷媒ガスが生成する。これによって、二次冷媒回路18の圧力値を短時間で第2閾値以上に回復できる。
また、二次冷媒供給路48は貯留タンク32の液相部とバックアップタンク46の液相部との間に接続される。
二次冷媒供給路48に流量調整弁54が設けられ、第2加圧路50に流量調整弁56が設けられる。制御部26はこれら流量調整弁54、56の開度を制御することで、二次冷媒供給路48及び第2加圧路50に導入される二次冷媒の流量を制御できる。制御部26は、第2圧力センサ40の検出値が第2閾値未満となったとき、流量調整弁56を解放して第2加圧路50に二次冷媒を導入する。
また、バックアップタンク46には、気相部Sgの圧力を検出する第3圧力センサ57と、バックアップタンク46に貯留される二次冷媒液の液面レベルを検出する液面センサ58が設けられる。これらセンサの検出値は制御部26に入力される。
【0035】
図1〜
図3に示す実施形態では、冷凍機20と熱シールド部16との間の二次冷媒回路18に開閉弁60が設けられ、熱シールド部16と貯留タンク32との間の二次冷媒回路18に開閉弁62が設けられる。さらに、熱シールド部16と開閉弁62との間の二次冷媒回路18に放出路64が分岐し、放出路64に開閉弁66が設けられる。
放出路64は、メンテナンス時などにおいて二次冷媒回路18から二次冷媒を放出する場合などに用いられる。また、冷却装置10の運転開始時において、二次冷媒を室温から予冷する際に、開閉弁60及び66を開放し、開閉弁62を閉鎖して、バックアップタンク46から貯留タンク32を介して二次冷媒回路18に二次冷媒液を供給すると共に、放出路64から蒸発ガスを放出する方法を採用できる。
【0036】
図1〜
図3に示す冷却装置10(10A〜10C)の運転中、冷凍機20や循環ポンプ30等が故障し、二次冷媒回路18から熱シールド部16への二次冷媒液LR
2の供給が停止した時、制御部26は、開閉弁62を閉じ、開閉弁60及び66を開放して、貯留タンク32から二次冷媒回路18に二次冷媒液LR
2を供給する。二次冷媒回路18を循環した二次冷媒は、放出路64が放出される。また、バックアップタンク46から二次冷媒液LR
2を貯留タンク32に補給する。この方法で熱シールド部16への二次冷媒液LR
2の供給を継続することができる。
【0037】
幾つかの実施形態では、
図1〜
図5に示すように、液化回路14には圧縮機ユニット70が設けられる。液化回路14の往路14a及び復路14bに複数の熱交換器72(72a、72b、72c)が直列に配置される。複数の熱交換器72に往路14a及び復路14bが導設され、複数の熱交換器72の各々で往路14a及び復路14bを流れる一次冷媒同士が熱交換を行う。複数の熱交換器72によって、圧縮機ユニットから吐出された一次冷媒ガスGは内槽12から戻る低温液化冷媒によって順々に冷却される。
内槽12の入口側の往路14aにジュール・トムソン弁74が設けられ、複数の熱交換器72で順々に冷却された一次冷媒ガスGは、最後にジュール・トムソン弁74を通って膨張し冷却されて液化し、低温液化冷媒LR
1となった後、熱シールド部16に供給される。
【0038】
一実施形態では、
図3に示すように、二次冷媒回路18から分岐し複数の熱交換器72の少なくとも一つに導設される予冷回路76を備える。
予冷回路76を備えることで、冷却装置10(10C)の起動時などにおいて、予冷回路76に二次冷媒液LR
2を循環させることで、圧縮機ユニット70から吐出された一次冷媒ガスGの冷却を補助できる。これによって、冷却装置10(10C)の成績係数(COP)を向上できる。
図3に示す実施形態では、予冷回路76には流量調整弁78が設けられる。制御部26が流量調整弁78の開閉を制御することで、必要時に予冷回路76に二次冷媒液LR
2を循環させることができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、
図1〜
図5に示す冷凍機20として、ブレイトンサイクルを構成する冷凍機を用いる。以下、ブレイトンサイクルを用いる冷凍機の一構成例を
図6及び
図7に基づいて説明する。
図6において、電動機80の共通の出力軸80aの両端に低段圧縮機81及び中段圧縮機82が設けられる。低段圧縮機81で加圧された冷媒ガスは、熱交換器83で冷却水wによって冷却された後、さらに、中段圧縮機82で加圧される。中段圧縮機82で加圧された二次冷媒ガスは熱交換器84で冷却水wによって冷却された後、さらに、高段圧縮機85で加圧される。高段圧縮機85で加圧された冷媒ガスは、熱交換器86で冷却水wによって冷却された後、さらに、冷熱回収熱交換器87で冷却部90から戻る冷媒ガスによって冷却され、膨張機88に送られる。
【0040】
電動機89の共通の出力軸89aの両端に高段圧縮機85及び膨張機88が設けられ、冷熱回収熱交換器87から膨張機88に送られた冷媒ガスは、膨張機88で膨張し冷却される。膨張機88で冷却された冷媒ガスは冷却部90で二次冷媒回路18を循環する二次冷媒と熱交換して二次冷媒を冷却する。なお、圧縮機の段数は冷凍機20の仕様、運転条件等によって適宜選択できる。
【0041】
冷凍機20は、熱サイクルとして
図7に示すブレイトンサイクルを構成する。
図7中に記載された符号a〜iは、
図6に記載された符号a〜iの部位の状態量を示す。複数段に亘って圧縮機81、82、85による断熱圧縮と、熱交換器83、84、86による冷却とを繰り返すことによって成績係数(COP)が向上する。即ち、断熱圧縮と冷却とを複数段に亘って行うことで、ブレイトンサイクルの圧縮工程を理想的な等温圧縮に近づけることができる。
冷凍機20に用いられる冷媒は、例えば、低沸点を有するヘリウム、ネオン等が用いられる。従って、液化回路14で用いられる一次冷媒と共通の冷媒を用いることができる(ブレイトンサイクルを用いる冷凍機の詳細は、例えば、特開2014−219125号公報などを参照)。
【0042】
幾つかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、貯留タンク32において、二次冷媒回路18の接続部P
1及びP
2は貯留タンク32に貯留される二次冷媒液の液面Lより下方に配置される。また、高さ方向で液面Lと接続部P
1及びP
2との間に横方向(垂直方向と交差する方向)に延在する対流防止板92が設けられる。対流防止板92より下方に貯留する二次冷媒液LR
2は冷凍機20によって冷却される。
上記構成において、熱シールド部16から貯留タンク32に戻った二次冷媒は、接続部P
1から対流防止板92より下方の貯留領域に戻される。貯留タンク32内に流入した二次冷媒は比較的温度が高いので、上方へ移動しようとするが、上方への移動は対流防止板92で阻止される。
【0043】
対流防止板92より下方の領域に貯留された二次冷媒液LR
2は冷凍機20によって冷却されているため、熱シールド部16から戻った二次冷媒は低温の二次冷媒液LR
2で冷却される。このように、熱シールド部16から戻った二次冷媒は、冷凍機20以外に貯留タンク32に貯留された低温の二次冷媒液LR
2と混合しかつ熱交換しながら冷却され、接続部P
2から流出する。これによって、冷凍機20の冷却負荷を軽減できると共に、被冷却物Mが急激に昇温しても冷凍機20の負荷が過大にならず、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒も液状でかつ過冷却状態を保持できる。
【0044】
図4及び
図5に示す実施形態では、貯留タンク32は、上下方向に延びた円筒状の胴部32aと、胴部32aの下部に接続されて下方に突出して湾曲する底部32bと、胴部32aの上部に接続されて上方に突出して湾曲する頂部32cと、を有し、内部が中空に形成されている。貯留タンク32は、この外側に配置された外側槽94内に収容され、貯留タンク32と外側槽94との間の空間は、真空ポンプ(不図示)によって減圧されて真空空間Svが形成されている。貯留タンク32内には、二次冷媒液LR
2の液面Lよりも上方に気相部Sgが形成されている。
【0045】
図4に示す実施形態では、貯留タンク32の底部32bの一方側端部には、二次冷媒回路18の往路18aが接続され、底部32bの他方側端部には二次冷媒回路18の復路18bが接続されている。復路18bは底部32bの他方側端部の下部に接続され、往路18aは復路18bよりも上方であって底部32bの一方側端部の上部に接続されている。
図5に示す実施形態では、復路18bはその端部が対流防止板92より下方の貯留タンク32の底部32bに接続され、往路18aは貯留タンク32の底部32bの一方側に接続されている。
往路18aには循環ポンプ30が設けられる。循環ポンプ30は往路18aを介して熱シールド部16に冷却した二次冷媒液LR
2を圧送し、被冷却物Mが収納された液室12aに輻射熱が侵入するのを抑制する。二次冷媒液LR
2は熱シールド部16から復路18bを介して貯留タンク32に戻る。
【0046】
図示した実施形態では、対流防止板92は、ほぼ水平方向に延在し、貯留タンク32に貯留する二次冷媒液LR
2に浸漬され、底部32bよりも上方の胴部32aの下側に配置される。対流防止板92は平面視において胴部32aの断面形状と相似する形状を有した板状部材であり、対流防止板92の外縁部と胴部32a内面との間には隙間sが形成されている。この隙間sによって対流防止板92を胴部32a内に挿入し易くしている。また、対流防止板92は断熱性を有した材料で形成される。このため、対流防止板92よりも上方に貯留される二次冷媒液LR
2’の熱が対流防止板92よりも下方に貯留する二次冷媒液LR
2に伝わって二次冷媒液LR
2の温度上昇を招く事態を防止している。なお、対流防止板92の比重は二次冷媒液LR
2と同程度又は若干大きい方が好ましい。
【0047】
ここで、復路18bから貯留タンク32内に流入する二次冷媒液LR
2は、熱シールド部16の冷却に供された後の二次冷媒液LR
2であるので、その温度は熱シールド部16に供される前の二次冷媒液LR
2の温度よりも高くなる。このため、貯留タンク32内に対流防止板92が設けられない場合には、温度が高くなった二次冷媒液LR
2が貯留タンク32内に流入すると、貯留タンク32内に貯留する二次冷媒液LR
2との間の温度差によって、二次冷媒液LR
2は貯留タンク32内で上下方向に移動する対流が発生する。
【0048】
従って、貯留タンク32内に貯留する二次冷媒液LR
2の上部に温度が比較的に高い二次冷媒液LR
2’が溜まり、貯留タンク32の下部に温度が比較的に低い二次冷媒液LR
2が溜まるので、熱シールド部16から戻る二次冷媒液LR
2を冷却することが出来ない虞がある。しかしながら、本実施形態では、貯留タンク32内に貯留タンク32の横方向に延びる対流防止板92を設けることで、上下方向に移動する二次冷媒液の対流が阻止される。これによって、熱シールド部16から戻る二次冷媒液と貯留タンク32の底部32bに貯留する比較的低温の二次冷媒液との間で熱交換が行われ、熱シールド部16から戻る二次冷媒液を冷却することができる。
【0049】
一実施形態では、
図4に示すように、貯留タンク32は冷却部96を備える。冷却部96は対流防止板92より下方に設けられ、対流防止板92より下方に貯留する二次冷媒液LR
2を冷却する。冷却部96には冷凍機20から往復配管98を介して冷却媒体が導入される。
これによって、接続部P
1から貯留タンク32に流入する二次冷媒液LR
2は、貯留タンク32に貯留される二次冷媒液との熱交換によって冷却されるだけでなく、冷却部96によっても冷却される。そのため、被冷却物Mが急激に昇温しても冷凍機20の負荷が過大にならず、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2も過冷却状態を保持できる。
【0050】
図8は、一実施形態に係る貯留タンク32において、熱シールド部16から戻った二次冷媒を冷却する過程を説明するための部分断面図であり、
図9は、
図8中のA部の拡大断面図である。冷却部96は、
図8に示すように、対流防止板92よりも下方に貯留する二次冷媒液LR
2を冷却する位置、即ち、対流防止板92よりも下方に貯留する二次冷媒液LR
2のうち、対流防止板92に近接する二次冷媒液を冷却する位置に配設される。
【0051】
図示した実施形態では、冷却部96は、対流防止板92よりも下方の貯留タンク32に貯留された二次冷媒液LR
2のうち対流防止板92に近接した二次冷媒液を囲む貯留タンク32の胴部32aの側壁32a1の外側面を囲むように配設される。この冷却部96は、熱交換器で構成される。冷却部96は、
図9に示すように、冷媒が流れる流路を形成する複数の配管100を有する。これらの複数の配管100は、貯留タンク32の胴部32aの外側面に接触しながら胴部32aの周方向に巻回されている。
図4に示すように、配管100には冷凍機20から往復配管98を介して冷媒が導入される。冷凍機20の作動は制御部26によって制御される。
冷却部96によって、対流防止板92よりも下方であって対流防止板92に近接して温度が上昇した二次冷媒液LR
2を効果的に冷却できる。
【0052】
対流防止板92よりも下方の貯留タンク32内には、
図8に示すように、復路18bから接続部P
1に戻る二次冷媒液LR
2を往路18aの接続部P
2に案内するための案内流路102が形成されている。この案内流路102は、貯留タンク32内において、貯留タンク32の横方向に延在し、かつ上下方向に間隔を有して配設された複数の敷板104を有する。
【0053】
図示した実施形態では、
図8に示すように、複数の敷板104は上下方向に一定の間隔を有して配設されるとともに、上下に隣接する2つの敷板104が貯留タンク32の横方向に互い違いにずれて配設される。このため、復路18bの接続部P
1から貯留タンク32内に戻された二次冷媒液が敷板104の下方に形成された案内流路102に沿って流れる。敷板104の横方向端部を超えた位置には、敷板104の上方で横方向に延在する他の敷板104によって二次冷媒液の流れの方向を変える方向変換流路102aが形成されている。この方向変換流路102aの体積は、上方に位置するものほど大きくなるように形成されている。このため、上方に位置する方向変換流路102aでは、下方に位置する方向変換流路102aと比較して二次冷媒液の流れが比較的に遅くなる。従って、冷却部96の内側を流れる二次冷媒液は、体積が比較的に大きな方向変換流路102aを流れるので、冷却部96との間で十分な熱交換を行うことができる。このため、二次冷媒液を効果的に且つ所望の温度に冷却できる。
【0054】
なお、
図8及び
図9で図示した実施形態では、複数の敷板104は略水平方向に延在するように設けられているが、複数の敷板104は水平方向に対して斜め方向に傾いた状態で延在してもよい。
【0055】
図示した実施形態では、
図4に示すように、温度センサ42の温度検出部は、貯留タンク32から延出する往路18aのうち冷却部96に近接した位置に設けられる。このため、冷却部96で冷却された直後の二次冷媒液の温度を検出できる。
【0056】
一実施形態では、
図5に示すように、対流防止板92よりも下方の貯留タンク32内に貯留された二次冷媒液LR
2を導出する導出管106と、導出管106によって導出された二次冷媒液LR
2を冷却する冷凍機20と、冷凍機20によって冷却された二次冷媒液LR
2を対流防止板92よりも下方の貯留タンク32内に戻す導入管108と、導出管106に設けられて貯留タンク32内の二次冷媒液LR
2を導出管106に送り出す導出ポンプ110と、を備える。
【0057】
導入管108は、二次冷媒液LR
2を導入する側の端部が対流防止板92よりも下方の貯留タンク32の他方側上部に接続されている。導出管106は、二次冷媒液LR
2の導出側端部が貯留タンク32の底部の他方側に接続されている。
導出ポンプ110によって導出管106を介して導出された貯留タンク32内の二次冷媒液LR
2は、冷凍機20で冷却され、導入管108を介して貯留タンク32に戻される。このように、導出管106及び導入管108は循環ループ112を形成し、二次冷媒液LR
2は導出ポンプ110によって循環ループ112を循環するように構成されている。
【0058】
このように、対流防止板92よりも下方の貯留タンク32内に貯留する二次冷媒液LR
2は、循環ループ112によって強制的に冷却される。このため、熱シールド部16の冷却に供され温度上昇して貯留タンク32内に戻された二次冷媒は、循環ループ112によって強制的に冷却された二次冷媒液LR
2と混合されて冷却される。このため、被冷却物Mの温度が急激に上昇しても、冷却装置10(10E)の負荷が過大にならずに、被冷却物Mを所望の温度に冷却することができる。
【0059】
なお、一実施形態として、
図2及び
図3に示すように、バックアップタンク46を備える冷却装置10(10B、10C)に、
図4及び
図5に示す冷却装置10(10C、10D)の貯留タンク32が備える対流防止板92や、
図8及び
図9に示す冷却部96及び敷板104等を具備させるようにすることができる。
【0060】
次に、一実施形態に係る冷却方法を説明する。この冷却方法は、少なくとも以下の構成を備える冷却装置を用いて行われる。この冷却装置は、
図1〜
図5に示すように、内槽12と、液化回路14と、を備える。内槽12は密閉状態の液室12aを有し、液室12aに低温液化冷媒が充填され、被冷却物Mがこの低温液化冷媒に浸漬される。液化回路14は液室12aに低温液化冷媒を供給する。内槽12はその周囲を熱シールド部16で覆われる。さらに、二次冷媒回路18によって熱シールド部16に二次冷媒液LR
2が供給され、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒液LR
2は冷凍機20によって冷却される。熱シールド部16の出口側と冷凍機20との間の二次冷媒回路18に貯留タンク32が設けられ、第1加圧路34が二次冷媒回路18から分岐し、貯留タンク32の気相部Sgに連通する。第1加圧路34には第1蒸発器36が設けられる。
【0061】
上記冷却装置は、
図2及び
図3に示すように、さらに、バックアップタンク46を備える。バックアップタンク46には二次冷媒が貯留される。二次冷媒供給路48が貯留タンク32とバックアップタンク46とに接続され、第2加圧路50が貯留タンク32の気相部Sgとバックアップタンク46とに接続される。第2加圧路50に第2蒸発器52が設けられる。
【0062】
一実施形態に係る冷却方法は、
図10に示すように、まず、温度検出ステップS10で、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の温度を検出し、かつ圧力検出ステップS12で、貯留タンク32の気相部Sgの圧力を検出する。次に、制御ステップS14で、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の温度及び貯留タンク32の気相部Sgの圧力を制御し、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に保持する。
さらに、第1圧力制御ステップS16では、検出した圧力検出値が第1閾値未満となった時、第1加圧路34を解放して二次冷媒を導入する。第1加圧路34に導入された二次冷媒は第1蒸発器36で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンク32に流入する。これによって、貯留タンク32内の気相部Sgの圧力が増加するため、気相部Sgに連通する二次冷媒回路18の圧力が増加し、二次冷媒回路18の二次冷媒の圧力が第1閾値以上に回復する。
【0063】
こうして、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の圧力を回復できるため、二次冷媒を液状でかつ過冷却状態に維持できる。また、貯留タンク32の気相部Sgの圧力を制御することで、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の圧力制御を容易かつ正確に行うことができる。
また、冷凍機20又は循環ポンプ30等の故障によって、二次冷媒回路18を循環する二次冷媒の温度が急激に上昇し、あるいは二次冷媒の圧力が急激に低下した時、バックアップタンク46内の二次冷媒を二次冷媒供給路48を介して貯留タンク32に供給することで、二次冷媒回路18における二次冷媒の循環を維持できる。
【0064】
また、冷凍機20又は循環ポンプ30等の故障によって、貯留タンク32の気相部Sgの圧力が第1閾値より小さい第2閾値未満となったとき、第2加圧路50を解放して第2加圧路50に二次冷媒を導入する。第2加圧路50に導入された二次冷媒は第2蒸発器52で蒸発し、蒸発した二次冷媒ガスは貯留タンク32に流入するので、貯留タンク32内の気相部Sgの圧力が第2閾値以上に回復する(第2圧力制御ステップS18)。
こうして、貯留タンク32の気相部Sgと連通した二次冷媒回路18の圧力が回復し、二次冷媒回路18における二次冷媒の循環を維持し、熱シールド部16に対する二次冷媒のを供給を継続できる。
【0065】
また、貯留タンク32内の気相部Sgの二次冷媒ガスは液化するため、貯留タンク32内の二次冷媒液の液面は次第に上昇する。そのため、液面制御ステップS20において、貯留タンク32に貯留される二次冷媒液LR
2の液面が閾値を超えたら、二次冷媒供給路48を介して貯留タンク32に貯留される二次冷媒液をバックアップタンク46に移し、貯留タンク32内の液面を閾値以下にする。
逆に、バックアップタンク46では二次冷媒が蒸発するため、貯留される二次冷媒液の液面が低下する。これに対し、貯留タンク32から二次冷媒液が供給されることで、所定の液量を維持できる。
これによって、貯留タンク32及びバックアップタンクに貯留される二次冷媒の液面を所定レベルに維持できる。