(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、DC−DCコンバータ1の回路図である。
図2は、DC−DCコンバータ1の1次側コイル基板10と2次側コイル基板20との配置を説明する模式図である。
【0011】
DC−DCコンバータ1では、トランスTの1次側に入力された直流電圧Vinが、半導体素子M1、M2のスイッチングにより交流電圧に変換される。
トランスTの2次側では、センタータップ式のコイルL1、L2と、センタータップ式のコイルL3、L4が並列に設けられている。
【0012】
DC−DCコンバータ1では、トランスTの1次側で直流電圧から変換された交流電圧が、1次側のコイルLと、2次側のコイルL1、L2およびコイルL3、L4との間で変圧される。
そして、変圧された交流電圧が、整流用のダイオードD1、D2およびダイオードD3、D4と、平滑用コンデンサCoで直流電圧に戻されて、2次側の負荷Routに供給される。
【0013】
DC−DCコンバータ1では、半導体素子M1、M2を、高周波でオン/オフさせるために、プレーナ型トランスをトランスTとして採用している。
【0014】
図2に示すように、プレーナ型トランスは、1次コイルを有する1次側コイル基板10と、2次コイル(プレーナ型コイル2)を有する2次側コイル基板20と、有している。
【0015】
1次側コイル基板10は、表面層と、裏面層との間に複数の中間層を配置した多層構造の基板である。
基板の各層(表面層、裏面層、中間層)には、コイルパターンが形成されており、基板の各層のコイルパターンが、直列に接続されて1次コイルを構成している。
【0016】
2次側コイル基板20は、絶縁層21の表面と裏面に、配線層22、23を配置した多層構造の基板である。
図3は、2次側コイル基板20を説明する図である。
図3の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。
図3の(b)は、
図3の(a)におけるA−A断面図である。
図3の(c)は、
図3の(b)におけるB−B断面図である。
図4は、2次側コイル基板20の分解斜視図である。なお、
図4では、配線層22、23におけるコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bを簡略的に標記している。
【0017】
図1に示すように本実施形態では、2次側コイル基板20に、合計4つのコイルL1〜L4が形成されている。
図3に示すように、配線層22には、各コイルL1〜L4の1周分の一部に相当するコイルパターンL1a〜L4aが形成されている。配線層23には、各コイルL1〜L4の1周分の残りの一部に相当するコイルパターンL1b〜L4bが形成されている。
【0018】
一例として、配線層22は、導電性材料からなるコイルパターン(L1a〜L4a、L1b〜Lf4)を、絶縁材材料で覆って形成される。
【0019】
図3の(b)に示すように、2次側コイル基板20では、配線層22に設けたコイルパターンL1a〜L4aと、配線層23に設けたコイルパターンL1b〜L4bとが、絶縁層21を貫通する導通点215を介して互いに連結されて、各コイルL1〜L4の1周分が形成されている。
【0020】
以下、各コイルL1〜L4の構成を説明する。
図5は、コイルL1を説明する図である。
図5の(a)は、コイルL1を配線層22側から見た平面図である。なお、
図5の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL1aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL1bを破線で示している。
図5の(b)は、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bを説明する図である。
図5の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bを示している。
2次側コイル基板20においてコイルパターンL1aとコイルパターンL1bは、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
【0021】
コイルL1は、配線層22に形成されたコイルパターンL1aと、配線層23に形成されたコイルパターンL1bの端部同士を、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点215、215で互いに連結して形成される。
【0022】
図5の(b)に示すように、コイルパターンL1bは、帯状の基部231を有している。基部231の長手方向の一端231aと他端231bには、リング状のランドが一体に形成されている。
基部231は、長手方向の一端231aと他端231bとの間の領域231fが、一端231aと他端231bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
【0023】
この湾曲した領域231fは、境界線Bを挟んだ一端231a側と、他端231b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域231fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点231pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
【0024】
コイルパターンL1aは、帯状の基部221を有している。帯状の基部221は、基本形状が、コイルパターンL1bの基部231と略同じである。
図5の(b)に示すように、コイルパターンL1aの基部221の基本形状は、中間線C1を間に挟んで、コイルパターンL1bの基部231と略対称となる形状である。
基部221の長手方向の一端221aと他端221bには、リング状のランドが一体に形成されている。
【0025】
基部221では、長手方向の一端221aと他端221bとの間の領域221fが、一端221aと他端221bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
この湾曲した領域221fは、境界線Bを挟んだ一端221a側と、他端221b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域221fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点221pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
【0026】
コイルパターンL1aの基部221は、一端221a側の基部221Aと、他端221b側の基部221Bとに分割されている。
一端221a側の基部221Aは、他端221b側の基部221Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
【0027】
基部221Aの端部221cと、基部221Bの端部221dは、間隔をあけて設けられている。
基部221Aの端部221cには、ダイオードD1との接続線221eが設けられている。接続線221eは、基部221Aにおける直線Lxとは反対側の外周から、直線Lxから離れる方向に直線状に延びている。接続線221eの先端に、ダイオードD1が接続されている。
【0028】
基部221Bの端部221dには、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点217が接続されている。基部221Bの端部221dは、導通点217を介して、配線層23側のセンタータップCT(
図6参照:センタータップの引出線)に接続されている。
【0029】
図5の(b)に示すように配線層22では、基部221Aの端部221cと、基部221Bの端部221dとの間に、ダイオードD2との接続線232eが設けられている。
接続線232eは、ダイオードD1の接続線221eに対して平行に設けられている。
接続線232eでは、基部221Aの端部221cと、基部221Bの端部221dとの間の領域に、絶縁層21を厚み方向に貫通した導通点216が接続されている。
接続線232eは、導通点216を介して、配線層23側のコイルパターンL2b(基部232A:
図6参照)に接続されている。
【0030】
図5の(a)に示すように、配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルパターンL1aと、コイルパターンL1bとが、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
配線層22のコイルパターンL1aと、配線層23のコイルパターンL1bは、基部221、231の一端221a、231aと、他端221b、231bとが重なるように配置されている。
【0031】
2次側コイル基板20では、コイルパターンL1aの一端221aと他端221bが、コイルパターンL1bの一端231aと他端231bに、導通点215、215を介してそれぞれ連結されている。
配線層22側のコイルパターンL1aと、配線層23側のコイルパターンL1bと、から、コイルL1の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
【0032】
ここで、コイルL1の1周分とは、コイルパターンL1aにおけるダイオードD1との接続線221eから、コイルパターンL1aの基部221Aと、コイルパターンL1bの基部231を通って、コイルパターンL1aの基部221BにおけるセンタータップCT(センタータップCTの引出線)に接続された端部221dまでを意味する。
【0033】
図6は、コイルL2を説明する図である。
図6の(a)は、コイルL2を配線層22側から見た平面図である。なお、
図6の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL2aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL2bを破線で示している。
図6の(b)は、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bを説明する図である。
図6の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL2aとコイルパターンL2bを示している。
【0034】
2次側コイル基板20においてコイルパターンL2aとコイルパターンL2bは、中間線C2を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
なお、中間線C2は、前記した中間線C1に直交する直線であり、中間線C1と中間線C2との交点(後記する中心線C)は、後記する仮想円Im1(
図3参照)の中心に位置している。
【0035】
コイルL2は、配線層22に形成されたコイルパターンL2aと、配線層23に形成されたコイルパターンL2bの端部同士を、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点215、215で互いに連結して形成される。
【0036】
図6の(b)に示すように、コイルパターンL2aは、帯状の基部222を有している。基部222の長手方向の一端222aと他端222bには、リング状のランドが一体に形成されている。
基部222では、長手方向の一端222aと他端222bとの間の領域222fが、一端222aと他端222bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。なお、直線Lyは、前記した直線Lxに直交する。
【0037】
この湾曲した領域222fは、境界線Bを挟んだ一端222a側と、他端222b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域222fの直線Lyから最も離れた位置にある外周点222pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
【0038】
コイルパターンL2bは、帯状の基部232を有している。帯状の基部232は、基本形状が、コイルパターンL2aの基部222と略同じである。
図6の(b)に示すように、コイルパターンL2bの基部232の基本形状は、中間線C2を間に挟んで、コイルパターンL2aの基部222と略対称となる形状である。
基部232の長手方向の一端232aと他端232bには、リング状のランドが一体に形成されている。
【0039】
基部232では、長手方向の一端232aと他端232bとの間の領域232fが、一端232aと他端232bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
この湾曲した領域232fは、境界線Bを挟んだ一端232a側と、他端232b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域232fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点232pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
【0040】
コイルパターンL2bの基部232は、一端232a側の基部232Aと、他端232b側の基部232Bとに分割されている。
一端232a側の基部232Aは、他端232b側の基部232Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
【0041】
基部232Aの端部232cと、基部232Bの端部232dは、間隔をあけて設けられている。
基部232Aの端部232cは、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点216が接続されている。基部232Aの端部221cは、導通点216を介して、前記したダイオードD2の接続線232e(
図5参照)に接続されている。
【0042】
基部232Bの端部232dでは、直線Lyとは反対側の外周に、センタータップCTが接続されている。センタータップCTは、直線Lyから離れる方向に直線状に延びている。
【0043】
センタータップCTには、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点217が接続されている。センタータップCTは、導通点217を介して、コイルL1側のコイルパターンL1aの基部221B(端部221d)に接続されている。
【0044】
図6の(a)に示すように、配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルパターンL2aと、コイルパターンL2bとが、中間線C2を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
配線層22のコイルパターンL2aと、配線層23のコイルパターンL2bは、基部222、232の一端222a、232aと、他端222b、232bとが重なるように配置されている。
【0045】
2次側コイル基板20では、コイルパターンL2aの一端222aと他端222bが、コイルパターンL2bの一端232aと他端232bに、導通点215、215を介してそれぞれ連結されている。
配線層22側のコイルパターンL2aと、配線層23側のコイルパターンL2bと、から、コイルL2の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
【0046】
ここで、コイルL2の1周分とは、ダイオードD2との接続線232eから、コイルパターンL2bの基部232Aと、コイルパターンL2aの基部222を通って、コイルパターンL2bの基部232BにおけるセンタータップCTに接続された端部232dまでを意味する。
【0047】
図7は、センタータップCTを共用するコイル組(コイルL1、L2)を説明する図である。
図7の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。
図7の(b)は、コイルL1とコイルL2との接続関係を説明する図であって、配線層22と配線層23とを離間させて示した分解斜視図である。なお、
図7の(a)では、2次側コイル基板20に設けられたコイルL1、L2のみを示している。また、
図7の(b)では、絶縁層21の記載を省略している。
【0048】
図7の(a)に示すように、2次側コイル基板20では、コイルL1とコイルL2とが、中心線C周りに90度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0049】
配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルL1とコイルL2とが、互いに交差する交差領域を持って設けられている。
図7の(a)では、コイルL1とコイルL2の交差領域は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係となっている。なお、中心線Cは、前記した中間線C1、C2に直交すると共に、2次側コイル基板20を厚み方向に貫通する直線である。
【0050】
ここで、配線層22側から見てコイルL1とコイルL2の交差領域では、コイルL1とコイルL2とは電気的に接続されてない。コイルL1、L2のコイルパターンL1a、L2aが配線層22に設けられていると共に、コイルL1、L2のコイルパターンL1b、L2bが配線層23に設けられているからである。
【0051】
また、交差領域では、2次側コイル基板20の厚み方向(中心線C方向)で、コイルL1とコイルL2とが最も近接している。
本実施形態では、配線層22側から見てコイルL1とコイルL2とが互いに交差する交差領域を利用して、ダイオードD1、D2と、センタータップCTを設けている。
【0052】
具体的には、絶縁層21を間に挟んだ一方の配線層22に、ダイオードD1、D2を設けると共に、他方の配線層23にセンタータップCTを設けている。
【0053】
前記したように、コイルL1は、コイルパターンL1aの端部221dが、導通点217を介してセンタータップCTに接続されている。コイルL2は、コイルパターンL2bの端部232dが、センタータップCTに接続されている。
そのため、コイルL1、L2は、センタータップCTを共用して設けられている。
【0054】
本実施形態では、次の距離1と距離2とが同じになるように、コイルL1を構成するコイルパターンL1a、L1bの形状と、コイルL2を構成するコイルパターンL2a、L2bの形状が設定されている。
・コイルL1におけるセンタータップCTとの接続点(端部221d)から、ダイオードD1が接続された接続線221eまでの距離1
・コイルL2におけるセンタータップCTとの接続点(端部232d)から、ダイオードD2が接続された接続線232eまでの距離2
コイルL1とコイルL2との間で、インダクタンスにバラツキが生じないようにするためである。
【0055】
すなわち、センタータップCTを共用するコイルL1、L2では、コイルL1とコイルL2を直列に繋いだ状態で、コイルL1におけるダイオードD1との接続点から、コイルL2におけるダイオードD2との接続点までの距離の中間となる位置に、センタータップCTが接続されている。
【0056】
図8は、センタータップを共用するコイル組(コイルL1、L2と、コイルL3、L4)におけるセンタータップCTとの接続点Pcからダイオード(ダイオードD1〜D4)までの距離を説明する模式図である。
【0057】
ここで、距離1、距離2の関係を
図8に示す模式図を用いて説明すると、コイルL1におけるセンタータップCTとの接続点PcからダイオードD1までの距離1と、コイルL2におけるセンタータップCTとの接続点PcからダイオードD2までの距離2と、が同じになるように、コイルL1、L2の形状が設定されている。
【0058】
本実施形態では、配線層22側から見たコイルL1とコイルL2の形状が同じである場合を例示しているが(
図7の(a)参照)、コイルL1とコイルL2の形状は必ずしも同じである必要は無い。
距離1と距離2が同じである限りにおいて、コイルL1とコイルL2の形状が異なっていてもよい。
【0059】
なお、2次側コイル基板20では、コイルL3、L4もまた、センタータップCTを共用して設けられている。
【0060】
図9は、コイルL3を説明する図である。
図9の(a)は、コイルL3を配線層22側から見た平面図である。なお、
図9の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL3aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL3bを破線で示している。
図9の(b)は、コイルパターンL3aとコイルパターンL3bを説明する図である。
図9の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL3aとコイルパターンL3bを示している。
2次側コイル基板20においてコイルパターンL3aとコイルパターンL3bは、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
【0061】
コイルL3は、配線層22に形成されたコイルパターンL3aと、配線層23に形成されたコイルパターンL3bの端部同士を、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点215、215で互いに連結して形成される。
【0062】
図9の(b)に示すように、コイルパターンL3bは、帯状の基部233を有している。基部233の長手方向の一端233aと他端233bには、リング状のランドが一体に形成されている。
基部233では、長手方向の一端233aと他端233bとの間の領域233fが、一端233aと他端233bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
【0063】
この湾曲した領域233fは、境界線Bを挟んだ一端233a側と、他端233b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域233fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点233pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
【0064】
コイルパターンL3aは、帯状の基部223を有している。帯状の基部223は、基本形状が、コイルパターンL3bの基部233と略同じである。
基部223の長手方向の一端223aと他端223bには、リング状のランドが一体に形成されている。
【0065】
基部223では、長手方向の一端223aと他端223bとの間の領域223fが、一端223aと他端223bを結ぶ直線Lxの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
この湾曲した領域223fは、境界線Bを挟んだ一端223a側と、他端223b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lxの直交方向において、領域223fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点223pは、直線Lxから所定距離L’離れている。
【0066】
コイルパターンL3aの基部223は、一端223a側の基部223Aと、他端223b側の基部223Bとに分割されている。
一端223a側の基部223Aは、他端223b側の基部223Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
【0067】
基部223Aの端部223cと、基部223Bの端部223dは、間隔をあけて設けられている。
基部223Aの端部223cには、ダイオードD3との接続線223eが設けられている。接続線223eは、基部223Aにおける直線Lxとは反対側の外周から、直線Lxから離れる方向に直線状に延びている。接続線223eの先端に、ダイオードD3が接続されている。
【0068】
基部223Bの端部223dには、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点217が接続されている。基部223Bの端部223dは、導通点217を介して、配線層23側のセンタータップCT(
図10参照)に接続されている。
【0069】
図9の(a)に示すように配線層22では、基部223Aの端部223cと、基部223の端部221dとの間に、ダイオードD4との接続線234eが設けられている。
接続線234eは、ダイオードD3の接続線223eに対して平行に設けられている。
接続線234eでは、基部223Aの端部223cと、基部223Bの端部223dとの間の領域に、絶縁層21を厚み方向に貫通した導通点216が接続されている。
接続線234eは、導通点216を介して、配線層23側のコイルパターンL4b(基部234B:
図10参照)に接続されている。
【0070】
図9の(a)に示すように、配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルパターンL3aと、コイルパターンL3bとが、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
配線層22のコイルパターンL3aと、配線層23のコイルパターンL3bは、基部223、233の一端223a、233aと、他端223b、233bとが重なるように配置されている。
【0071】
2次側コイル基板20では、コイルパターンL3aの一端223aと他端223bが、コイルパターンL3bの一端233aと他端233bに、導通点215、215を介してそれぞれ連結されている。
配線層22側のコイルパターンL3aと、配線層23側のコイルパターンL3bと、から、コイルL3の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
【0072】
ここで、コイルL3の1周分とは、コイルパターンL3aにおけるダイオードD3との接続線223eから、コイルパターンL3aの基部223Aと、コイルパターンL3bの基部233を通って、コイルパターンL3aの基部223BにおけるセンタータップCTに接続された端部223dまでを意味する。
【0073】
図10は、コイルL4を説明する図である。
図10の(a)は、コイルL4を配線層22側から見た平面図である。なお、
図10の(a)では、配線層22に形成されたコイルパターンL4aを実線で示すと共に、配線層23に形成されたコイルパターンL4bを破線で示している。
図10の(b)は、コイルパターンL4aとコイルパターンL4bを説明する図である。
図10の(b)では、2次側コイル基板20の配線層22側から見たときの配置で、コイルパターンL4aとコイルパターンL4bを示している。
【0074】
2次側コイル基板20においてコイルパターンL4aとコイルパターンL4bは、中間線C2を間に挟んで対称となる位置関係で配置されている。
【0075】
コイルL2は、配線層22に形成されたコイルパターンL4aと、配線層23に形成されたコイルパターンL4bの端部同士を、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点215、215で互いに連結して形成される。
【0076】
図10の(b)に示すように、コイルパターンL4aは、帯状の基部224を有している。基部224の長手方向の一端224aと他端224bには、リング状のランドが一体に形成されている。
基部224では、長手方向の一端224aと他端224bとの間の領域224fが、一端224aと他端224bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
【0077】
この湾曲した領域224fは、境界線Bを挟んだ一端224a側と、他端224b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域224fの直線Lyから最も離れた位置にある外周点224pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
【0078】
コイルパターンL4bは、帯状の基部234を有している。帯状の基部234は、基本形状が、コイルパターンL3aの基部223と略同じである。
図10の(b)に示すように、コイルパターンL4bの基部234の基本形状は、中間線C2を間に挟んで、コイルパターンL3aの基部223と略対称となる形状である。
基部234の長手方向の一端234aと他端234bには、リング状のランドが一体に形成されている。
【0079】
基部234では、長手方向の一端234aと他端234bとの間の領域234fが、一端234aと他端234bを結ぶ直線Lyの径方向外側を迂回した湾曲形状を成している。
この湾曲した領域234fは、境界線Bを挟んだ一端234a側と、他端234b側が、異なる曲率半径r1、r2で形成されている。
直線Lyの直交方向において、領域234fの直線Lxから最も離れた位置にある外周点234pは、直線Lyから所定距離L’離れている。
【0080】
コイルパターンL4bの基部234は、一端234a側の基部234Aと、他端234b側の基部234Bとに分割されている。
一端234a側の基部234Aは、他端234b側の基部234Bよりも周長が長くなっており、曲率半径r1の部分と曲率半径r2の部分の両方を有している。
【0081】
基部234Aの端部234cと、基部234Bの端部234dは、間隔をあけて設けられている。
基部234Aの端部234cは、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点216が接続されている。基部234Aの端部234cは、導通点216を介して、前記したダイオードD4の接続線234e(
図9参照)に接続されている。
【0082】
基部234Bの端部234dでは、直線Lyとは反対側の外周に、センタータップCTが接続されている。センタータップCTは、直線Lyから離れる方向に直線状に延びている。
【0083】
センタータップCTには、絶縁層21を厚み方向に貫通する導通点217が接続されている。センタータップCTは、導通点217を介して、コイルL3側のコイルパターンL3aの基部223B(端部223d)に接続されている。
【0084】
図10の(a)に示すように、配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルパターンL4aと、コイルパターンL4bとが、中間線C2を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
配線層22のコイルパターンL4aと、配線層23のコイルパターンL4bは、基部224、234の一端224a、234aと、他端224b、234bとが重なるように配置されている。
【0085】
2次側コイル基板20では、コイルパターンL4aの一端224aと他端224bが、コイルパターンL4bの一端234aと他端234bに、導通点215、215を介してそれぞれ連結されている。
配線層22側のコイルパターンL4aと、配線層23側のコイルパターンL4bと、から、コイルL4の1周分に相当するコイルパターンが2次側コイル基板20上に形成されている。
【0086】
ここで、コイルL4の1周分とは、ダイオードD4との接続線234eから、コイルパターンL4bの基部234Aと、コイルパターンL4aの基部224を通って、コイルパターンL4bの基部234BにおけるセンタータップCTに接続された端部234dまでを意味する。
【0087】
図11は、センタータップCTを共用するコイルL3、L4を説明する図である。
図11の(a)は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。
図11の(b)は、コイルL3とコイルL4との接続関係を説明する図であって、配線層22と配線層23とを離間させて示した分解斜視図である。なお、
図11の(a)では、2次側コイル基板20に設けられたコイルL3、L4のみを示している。また、
図7の(b)では、絶縁層21の記載を省略している。
【0088】
図11の(a)に示すように、2次側コイル基板20では、コイルL3とコイルL4とが、中心線C周りに90度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0089】
配線層22側から見て2次側コイル基板20では、コイルL3とコイルL4とが、互いに交差する交差領域を持って設けられている。
図11の(a)では、コイルL3とコイルL4の交差領域は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係となっている。
【0090】
ここで、配線層22側から見てコイルL3とコイルL4の交差領域では、コイルL3とコイルL4とは電気的に接続されてない。コイルL3、L4のコイルパターンL3a、L4aが配線層22に設けられていると共に、コイルL3、L4のコイルパターンL3b、L4bが配線層23に設けられているからである。
【0091】
また、交差領域では、2次側コイル基板20の厚み方向(中心線C方向)で、コイルL3とコイルL4とが最も近接している。
本実施形態では、配線層22側から見てコイルL3とコイルL4とが互いに交差する交差領域を利用して、ダイオードD3、D4と、センタータップCTを設けている。
【0092】
具体的には、絶縁層21を間に挟んだ一方の配線層22に、ダイオードD3、D4を設けると共に、他方の配線層23にセンタータップCTを設けている。
【0093】
前記したように、コイルL3は、コイルパターンL3bの端部223dが、導通点217を介してセンタータップCTに接続されている。コイルL4は、コイルパターンL4bの端部234dが、センタータップCTに接続されている。
そのため、コイルL3、L4はセンタータップCTを共用して設けられている。
【0094】
本実施形態では、次の距離3と距離4とが同じになるように、コイルL3を構成するコイルパターンL3a、L3bの形状と、コイルL4を構成するコイルパターンL4a、L4bの形状が設定されている。
・コイルL3におけるセンタータップCTとの接続点(端部223d)から、ダイオードD3が接続された接続線223eまでの距離3
・コイルL4におけるセンタータップCTとの接続点(端部234d)から、ダイオードD4が接続された接続線234eまでの距離4
【0095】
すなわち、センタータップCTを共用するコイルL3、L4では、コイルL3とコイルL4を直列に繋いだ状態で、コイルL3におけるダイオードD3との接続点から、コイルL4におけるダイオードD4との接続点までの距離の中間となる位置に、センタータップCTが接続されている。
【0096】
ここで、距離3、4の関係を
図8に示す模式図を用いて説明すると、コイルL3におけるセンタータップCTとの接続点PcからダイオードD3までの距離3と、コイルL4におけるセンタータップCTとの接続点PcからダイオードD4までの距離4と、が同じになるように、コイルL3、L4の形状が設定されている。
【0097】
本実施形態では、配線層22側から見たコイルL3とコイルL4の形状が同じである場合を例示しているが(
図11の(a)参照)、コイルL3とコイルL4の形状は必ずしも同じである必要は無い。
距離3と距離4が同じである限りにおいて、コイルL3とコイルL4の形状が異なっていてもよい。
【0098】
なお、本実施形態では、以下の条件を満たすように、各コイルL1〜L4のコイルパターンL1a〜L4aとコイルパターンL1b〜L4bの形状が決められている。
・配線層22側から見たときの各コイルL1〜L4の基本形状が同じとなる。
・各コイルL1〜L4におけるダイオードD1〜D4からセンタータップCTとの接続点Pcまでの距離1、距離2、距離3、距離4が同じである。
【0099】
このように、センタータップCTを共用するコイル組(コイルL1、L2)と、コイル組(コイルL3、L4)が2次側コイル基板20に設けられている。
本実施形態では、4つのコイルL1〜L4が電気的に接続されないようにするために、コイルL1〜L4のコイルパターンL1a〜L4aが、絶縁層21を間に挟んだ一方側の配線層22に設けられている。コイルL1〜L4のコイルパターンL1b〜L4bが、配線層23に設けられている。
【0100】
図3の(a)に示すように、配線層22には、コイルパターンL1a〜L4aの基部221〜224が、中心線C周りに90度間隔で設けられている。
前記したように、平面視において基部221〜224は、基本形状が実質的に同じ円弧形状を成している。基部221〜224の長手方向の他端221b〜224bは、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im2上に位置している。
【0101】
基部221〜224は、他端221b〜224bから一端221a〜224aに向かうにつれて、中心線Cとの離間距離が短くなる弧状を成している。
基部221〜224の一端221a〜224aは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im2よりも外径が小さい仮想円Im1上に位置している。
【0102】
基部221〜224の長手方向の一端221a〜224a側は、隣接する他のコイルパターンL1a〜L4aの内径側(中心線C側)を、中心線C周りの周方向に沿って延びている。
コイルパターンL1a〜L4a同士の接触を避けつつ、コイルパターンL1a〜L4aの周長を確保している。
【0103】
基部221、223の一端221a、223aと他端221b、223bは、同一の中間線C1上に位置しており、基部221、223は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0104】
基部222、224の一端222a、224aと他端222b、224bは、同一の中間線C2上に位置しており、基部222、224は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0105】
図3の(b)に示すように、配線層23には、コイルパターンL1b〜L4bの基部231〜234が、中心線C周りに90度間隔で設けられている。
前記したように、平面視において基部231〜234は、基本形状が実質的に同じ円弧形状を成している。基部231〜234の長手方向の他端231b〜234bは、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im2上に位置している。
【0106】
基部231〜234は、他端231b〜234bから一端231a〜234aに向かうにつれて、中心線Cとの離間距離が短くなる弧状を成している。
基部231〜234の一端231a〜234aは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im2よりも外径が小さい仮想円Im1上に位置している。
【0107】
基部231〜234の長手方向の一端231a〜234a側は、隣接する他のコイルパターンL1b〜L4bの内径側(中心線C側)を、中心線C周りの周方向に沿って延びている。
コイルパターンL1b〜L4b同士の接触を避けつつ、コイルパターンL1b〜L4bの周長を確保している。
【0108】
基部231、233の一端231a、233aと他端231b、233bは、同一の中間線C1上に位置しており、基部231、233は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0109】
基部232、234の一端232a、234aと他端232b、234bは、同一の中間線C2上に位置しており、基部232、234は、中心線C周りの周方向に180度位相をずらした位置関係で設けられている。
【0110】
2次側コイル基板20を配線層22側から見ると、コイルパターンL1a、L3aと、コイルパターンL1b、L3bが、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。さらに、コイルパターンL2a、L4aと、コイルパターンL2b、L4bが、中間線C2を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
【0111】
そのため、コイルパターンL1a〜L4aの一端221a〜224aおよび他端221b〜224bと、コイルパターンL1b〜L4bの一端231a〜234aおよび他端231b〜234bを、それぞれ導通点215、215で連結すると、合計4つのコイルL1〜L4が、互いに電気的に接続されることなく形成される。
【0112】
配線層22側から見てこれら4つのコイルL1〜L4は、中心線Cを囲むように設けられている。略環状を成すコイルL1〜L4の内側の中心線C寄りの領域(仮想円Im1よりも内側の中心線C寄りの領域)が、合成された磁場の磁力線が通過する領域となっている。
【0113】
さらに、コイル組(L1、L2)のダイオードD1、D2と、センタータップCTと、が2次側コイル基板20の厚み方向で重なる位置関係で配置される。コイル組(L3、L4)のダイオードD3、D4と、センタータップCTと、が2次側コイル基板20の厚み方向で重なる位置関係で配置される。
【0114】
図12は、2次側コイル基板20を配線層22側から見た平面図である。
図12の(a)は、コイルL1〜L4を構成するコイルパターンL1a〜L4aと、コイルパターンL1b〜L4bの配置を示した図である。
図12の(b)は、ダイオードとセンタータップの引出方向を説明する図である。なお、
図12の(b)では、説明の便宜上、一部のコイルパターンのみを示している。
【0115】
図12の(a)に示すように、2次側コイル基板20では、センタータップCTを共用するコイル組(コイルL1、コイルL2)と、センタータップCTを共用するコイル組(コイルL3、コイルL4)は、中心線C周りに180度位相をずらして設けられている。
そのため、コイルL1、L2で共用するセンタータップCTの引出方向と、コイルL3、L4で共用するセンタータップCTの引出方向と、が中心線C周りの周方向で180度オフセットしており、互いに干渉しないようになっている。
【0116】
さらに、配線層22、23の重畳方向から見て、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1b同士の導通点215、215が、他のコイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2b同士の導通点215、215と重ならないように、コイルパターンが配置されている。
【0117】
前記したように、配線層22側から見ると、コイルL1、L2のダイオードD1、D2は、コイルL1、L2で共用するセンタータップCTと重なる位置に配置されている。さらに、コイルL3、L4のダイオードD3、D4は、コイルL3、L4で共用するセンタータップCTと重なる位置に配置されている。
【0118】
そのため、センタータップCTを共用するコイルL1およびコイルL2と、センタータップCTを共用するコイルL3およびコイルL4を、共通の2次側コイル基板20に設けても、ダイオードの引出方向もまた、互いに干渉しないようになっている。
【0119】
よって、センタータップを共用するコイル組の総数を増やした場合、各コイル組を中心線C周りに位相をずらして配置することで、各コイル組のセンタータップの引出方向が、互いに干渉しないようにすることができる。
【0120】
例えば、コイル組の総数を8組にした場合には、
図12の(b)に示すように、センタータップCTの引出方向d1、d3、d5、d7が、中心線C周りの周方向にオフセットすることになる。
これにより、2次側コイル基板20を大型化させることなく、センタータップを共用するコイル組の総数を増やすことができるようになっている。
【0121】
本実施形態にかかる2次側コイル基板20の作用を説明する。
図17は、センタータップを共用するコイル組(La、Lb)、コイル組(Lc、Ld)を有する比較例にかかる2次側コイル基板20Fを説明する図である。
【0122】
図17に示す2次側コイル基板20Fは、同一形状のコイルパターンLa〜Ldが形成された配線層202と、絶縁層200とを交互に積層した基本形状を有している。
2次側コイル基板20Fは、コイル組(コイルパターンLa、Lb)、コイル組(コイルパターンLc、Ld)を二つ備えている。これらコイル組では、コイルパターンLa、Lbが、センタータップCT1を共用しており、コイルパターンLc、Ldが、センタータップCT2を共用している。
【0123】
2次側コイル基板20Fでは、コイル組(コイルパターンLa、Lb)からのダイオードとセンタータップの引出方向と、コイル組(コイルパターンLc、Ld)からのダイオードとセンタータップの引出方向が同じである。
そのため、ダイオードDa〜Ddを設置する基板の取り回しによっては、コイルパターンLa、Lbのコイル組でのセンタータップCT1からダイオードDa、Dbまでの距離と、コイルパターンLc、Ldのコイル組でのセンタータップCT2からダイオードDc、Ddまでの距離とが異なる場合が生じる。
かかる場合、コイル組の間でのインダクタンスに差異が生じてしまう。
【0124】
前記したように、本実施形態にかかる2次側コイル基板20では、当該2次側コイル基板20に設けられた複数のコイルL1〜L4は、センタータップCTからダイオードD1〜D4までの距離が等しくなる形状で、形成されている。
例えば、同一のコイル組を構成するコイルL1、L2において、センタータップCTからダイオードD1、D2までの距離が異なると、コイルL1、L2の間でのインダクタンスに差異が生じる。
そうすると、インダクタンスの差異が、コイルL1、L2における電流密度が不均一になる結果、ダイオードD1、D2での導通損失や発熱に影響する。これらの影響を考慮すると、ダイオードなどの素子選定時には過大なマージンを見込む必要が発生し、コスト増加を招く可能性もある。また、それらの影響は、半導体素子M1、M2を、より高周波でオン/オフさせる仕様になるほど顕著になる。
【0125】
上記のとおり、2次側コイル基板20に設けられた複数のコイルL1〜L4は、センタータップCTからダイオードD1〜D4までの距離が等しくなる形状で、形成されているので、かかる問題が生じないようになっている。
【0126】
以上の通り、トランスTの2次側コイルに使用されるプレーナ型コイル2は、以下の構成を有している。
(1)複数の配線層22、23が重畳配置された2次側コイル基板20(基板)と、
2次側コイル基板20に設けられた複数のコイルL1〜L4と、を有する。
配線層22では、コイルL1〜L4の1周分の一部に相当するコイルパターンL1a〜L4aが形成されている。
配線層22では、コイルL1〜L4の1周分の残りの一部に相当するコイルパターンL1b〜L4bが形成されている。
異なる配線層22、23に設けられたコイルパターンL1a〜L4aと、コイルパターンL1b〜L4bとが、配線層22、23の重畳方向で導通点215を介して互いに連結されて、コイルL1〜L4各々の1周分が形成されている。
【0127】
コイルL1〜L4の1周分のコイルパターンが1つ形成された配線層を、複数積層して基板を作成すると、コイルパターンの長さが配線層毎に異なるものとなり、インダクタンスにバラツキが生じることになる(
図17参照)。
上記のように構成すると、各コイルL1〜L4の1周分の長さを等しくできるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
また、同一平面上に配置された各コイルパターンL1a〜L4と、コイルパターンL1b〜L4bでは、互いに隣り合う他のコイルパターンと平行にならないレイアウトで、コイルパターンが形成される。そのため、各コイルパターンに発生する渦電流が干渉することによる損失を低減することが可能になる。
【0128】
(2)トランスTの2次側のコイルは、センタータップ方式のコイル組(コイルL1、L2)を有している。
コイルL1、L2の各々では、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bと、コイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bの周上に、整流用のダイオードD1、D2と、他のコイルと共用するセンタータップCTの引出線と、が設けられている。
センタータップCTからダイオードD1、D2までの長さが、複数のコイルL1、L2の総てにおいて同じ長さとなるように、コイルパターンL1a、L1bと、コイルパターンL2a、L2bの各々が形成されている。
【0129】
このように構成すると、他のコイルと共用するセンタータップCTの引出線を間に挟んだ一方側のコイルL1と他方側のコイルL2において、センタータップCTの引出線からダイオードD1、D2までの長さが等しくなる。
すなわち、複数のコイルL1、L2の形状が同じである場合だけでなく、複数のコイルL1、L2の形状が異なる場合であっても、センタータップCTの引出線からダイオードD1、D2までの長さが等しくなるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
【0130】
(3)トランスTは、センタータップ方式のコイル組(コイルL1、L2)を有するトランスである。
コイルL1、L2の各々では、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bと、コイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bの周上に、整流用のダイオードD1、D2が設けられている。
センタータップCTの引出線を共用する2つのコイルL1、L2のうちの一方のコイルL1のダイオードD1からの距離と、他方のコイルL2のダイオードD2からの距離が同じとなる位置に、センタータップCTの引出線が接続されている。
【0131】
このように構成すると、センタータップCTの引出線からダイオードD1、D2までの長さが、一方のコイルL1と他方のコイルL2の両方で等しくなるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
【0132】
(4)コイルパターンL1a、L1bと、コイルパターンL2a、L2bは、コイルパターンL1a、L1b同士を連結して形成したコイルL1の1周分の長さと、コイルパターンL2a、L2b同士を連結して形成したコイルL2の1周分の長さが、同じとなるように形成されている。
【0133】
このように構成すると、インダクタのバラツキを低減できる。
【0134】
(5)配線層22、23の重畳方向から見て、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1b同士の導通点215、215が、他のコイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2b同士の導通点215、215と重ならないように、コイルパターンが配置されている。
コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bは、他のコイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bとの電気的な接続を避けて設けられている。
【0135】
このように構成すると、配線層22、23の重畳方向から2次側コイル基板20を見たときに、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンL1a、L1bが、他のコイルL2の1周分を形成するコイルパターンL2a、L2bと交差する位置関係で設けられている場合であっても、コイルL1、L2がそれぞれ電気的に独立して形成される。
これにより、コイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点215による接続位置が、他のコイルの1周分を形成するコイルパターン同士の導通点215による接続位置と交差しない範囲で、複数のコイルを2次側コイル基板20の中央部に集めて配置することができる。
これにより、インダクタのバラツキを低減しつつ、2次側コイル基板20のコンパクト化が可能になる。
【0136】
(6)2次側コイル基板20(基板)には、合計4個のコイルL1〜L4が設けられている。配線層22に形成されるコイルパターンL1a〜L4aは4本であり、配線層23に形成されるコイルパターンL1b〜L4bは4本である。
配線層22、23において、コイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bは、コイルの巻き線(中心線C)を中心として90度ごとに形成されている。
【0137】
このように構成すると、コイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bを互いに接触させずに適切に形成できる。
【0138】
(7)2次側コイル基板20は、配線層22、23が2つ重畳された基板である。
重畳方向から見て、配線層22に形成されたコイルパターンL1a〜L4aと、配線層23に形成されたコイルパターンL1b〜L4bの各々は、コイルL1、L2の1周分の半分の長さで形成されている。
【0139】
このように構成すると、コイルパターンL1a〜L4aとコイルパターンL1b〜L4bとを連結する導通点215の数を最小に抑えつつ、コイルの1周分を適切に形成できる。
【0140】
(8)重畳方向から見てコイルパターンL1a〜L4aは、長手方向の一端221a〜224aが、2次側コイル基板20に直交する中心線C(基準軸)の径方向で、他端221b〜224bよりも内径側に位置している。
重畳方向から見てコイルパターンL1b〜L4bは、長手方向の一端231a〜234aが、2次側コイル基板20に直交する中心線C(基準軸)の径方向で、他端231b〜234bよりも内径側に位置している。
配線層22に形成されたコイルパターンL1a〜L4aの各々は、中心線C周りの周方向に位相をずらして設けられている。
配線層23に形成されたコイルパターンL1b〜L4bの各々は、中心線C周りの周方向に位相をずらして設けられている。
コイルパターンL1a〜L4aの一端221a〜224a側は、中心線C周りの周方向で隣接する他のコイルパターンL1a〜L4aの内径側を、周方向に沿って延びている。
コイルパターンL1b〜L4bの一端231a〜234a側は、中心線C周りの周方向で隣接する他のコイルパターンL1b〜L4bの内径側を、周方向に沿って延びている。
【0141】
このように構成すると、配線層22、23の重畳方向から2次側コイル基板20を見たときに、コイルL1の1周分を形成するコイルパターンが、他のコイルL2〜L4の1周分を形成するコイルパターンと交差する位置関係で設けられている場合であっても、複数のコイルがそれぞれ電気的に独立して形成される。
【0142】
また、同一の配線層22(平面)に形成されたコイルパターンL1a〜L4aは、互いに隣り合う他のコイルパターンL1a〜L4aに対して、中心線C回りの位相をずらしつつ、それぞれ、基本形状が同じ湾曲形状で設けられている。
そのため、同一平面上に配置された各コイルパターンL1a〜L4aが、互いに並行にならないレイアウトで設けられているので、各コイルパターンに発生する渦電流が干渉することによる損失を低減することが可能になる。
同一の配線層23(平面)に形成されたコイルパターンL1b〜L4bもまた、同様である。
【0143】
[変形例1]
前記した実施形態では、センタータップを共用するコイル組が、2次側コイル基板20に2つ設けられている場合を例示した。
図13に示すように、センタータップを共用するコイル組が3つ設けられた2次側コイル基板20Aとしても良い。
【0144】
図13は、変形例にかかる2次側コイル基板20Aを説明する図である。
図13の(a)は、変形例にかかる2次側コイル基板20Aを配線層22側から見た平面図である。
図13の(b)は、2次側コイル基板20Aの回路図である。
なお、
図13の(a)では、説明の便宜上、センタータップCTとダイオードD1〜D6の図示を省略して、これらの引出方向を矢印で示している。
図14は、変形例にかかる2次側コイル基板20Aでのコイルパターンを説明する図である。
図14の(a)は、配線層22AにおけるコイルパターンL1a〜L6aの配置を説明する図である。
図14の(b)は、配線層23AにおけるコイルパターンL1b〜L6bの配置を説明する図である。
【0145】
図13に示すように、2次側コイル基板20Aには、第1のコイル組(コイルL1、L2)と、第2のコイル組(コイルL3、L4)と、第3のコイル組(コイルL5、L6)と、が設けられている。
これら3つのコイル組は、中心線C周りの周方向に、大凡120度ずつ位相をずらして設けられている。
【0146】
第1のコイル組(コイルL1、L2)におけるセンタータップCTとダイオードD1、D2の引出方向は、
図13の(a)における右斜め上方である。
第2のコイル組(コイルL3、L4)におけるセンタータップCTとダイオードD3、D4の引出方向は、
図13の(a)における右斜め下方である。
第3のコイル組(コイルL5、L6)におけるセンタータップCTとダイオードD5、D6の引出方向は、
図13の(a)における左方向である。
【0147】
これらコイルL1〜L6もまた、配線層22Aに設けたコイルパターンL1a〜L6aと、配線層23Aに設けたコイルパターンL1b〜L6bと、に分けて形成されている。
そのため、配線層22A側から見て重なる位置関係で設けられたコイルL1〜L6は、互いに電気的に接続されることなく、独立して形成されている。
【0148】
図14の(a)に示すように、配線層22Aでは、コイルパターンL1a〜L6aの長手方向の一端221a〜226aが、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im1上に位置している。
コイルパターンL1a〜L6aは、一端221a〜226aから他端221b〜226b側に向かうにつれて、中心線Cからの離間距離が大きくなる弧状を成している。
【0149】
コイルパターンL1a〜L6aの他端221b〜226bは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im1よりも外径が大きい仮想円Im2上に位置している。
【0150】
コイルパターンL1a〜L6bの一端221a〜226a側は、隣接する他のコイルパターンL1a〜L6aの内径側(中心線C側)を中心線C周りの周方向に沿って延びている。
【0151】
図14の(b)に示すように、配線層23Aでは、コイルパターンL1b〜L6bの長手方向の一端231a〜236aが、中心線Cを所定間隔で囲む仮想円Im1上に位置している。
コイルパターンL1b〜L6bは、一端231a〜236aから他端231b〜236b側に向かうにつれて、中心線Cからの離間距離が大きくなる弧状を成している。
【0152】
コイルパターンL1a〜L6aの他端231b〜236bは、中心線Cを所定間隔で囲むと共に、仮想円Im1よりも外径が大きい仮想円Im2上に位置している。
【0153】
コイルパターンL1b〜L6bの一端231a〜236a側は、隣接する他のコイルパターンL1b〜L6bの内径側(中心線C側)を中心線C周りの周方向に沿って延びている。
【0154】
そのため、コイルパターンL1a〜L6aの一端221a〜226aおよび他端221b〜226bと、コイルパターンL1b〜L6bの一端231a〜236aおよび他端231b〜236bを、それぞれ導通点215、215で連結すると、合計6つのコイルL1〜L6が、互いに電気的に接続されることなく形成される(
図13参照)。
【0155】
配線層22A側から見てこれら6つのコイルL1〜L6は、中心線Cを囲むように設けられている。略環状を成すコイルL1〜L6の中心線C側(仮想円Im1の内側の中心線C寄りの領域)が、合成された磁場の磁力線が通過する領域となっている。
【0156】
配線層22Aに設けたコイルパターンL1a〜L6aと、配線層23Aに設けたコイルパターンL1b〜L6bは、中心線C周りの周方向に位相をずらして設けられている。
【0157】
2次側コイル基板20Aにおけるコイルの総数が6個であるので、各配線層22A、23Aに形成されるコイルパターンL1a〜L6aと、コイルパターンL1b〜L6bの本数が6本である。
そして、コイルパターンL1a〜L6aと、コイルパターンL1b〜L6bを、それぞれ中心線Cを中心として、60度(=360度/6本)ずつ位相をずらして形成している。
これにより、配線層22AにおけるコイルパターンL1a〜L6a同士の接触と、配線層23AにおけるコイルパターンL1b〜L6b同士の接触を好適に防止している。
【0158】
すなわち、変形例にかかる2次側コイル基板20Aは、以下の構成を有している。
(9)2次側コイル基板20Aにおけるコイルの総数がN個である場合、
コイルパターンは、1つの配線層に形成される本数がN本であり、
コイルパターンは、コイルの巻き線(中心線C:仮想円Im1の中心)を中心として、(360/N)度ずつ位相をずらして成形される。
【0159】
このように構成すると、N本のコイルパターンが、互いに交差しないようにしつつ(360/N)度ごとに形成されるので、コイルの総数に応じて、対応するコイルパターンを適切に形成できる。
【0160】
[変形例2]
前記した実施形態では、コイルL1〜L4が、二つの配線層22、23に設けたコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4bから構成される場合を例示した。
コイルL1〜L4が、三つの配線層22B、23B、24Bに設けたコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4b、L1c〜L4cから構成されるようにしてもよい。
【0161】
図15は、三つの配線層22B、23B、24Bを有する2次側コイル基板20Bを説明する図である。
図15の(a)は、2次側コイル基板20Bを配線層22B側から見た平面図である。
図15の(b)は、
図15の(a)におけるA−A断面図である。
図15の(c)は、
図15の(a)におけるB−B断面図である。
図15の(c)は、2次側コイル基板20Bに設けたコイルL1を構成するコイルパターンL1a〜L1cを説明する図である。
図16は、各配線層22B、23B、24Bにおけるコイルパターンを説明する図である。
【0162】
一つのコイルL1を、三つの配線層22B、23B、24Bに分けて設ける場合には、コイルL1の1周分が3つに分けられることになる。
変形例では、中間線C1を挟んで対称な形状のコイルパターンL1a、L1bと、コイルパターンL1a、L1bの端部同士を接続するコイルパターンL1cとで、コイルL1の1周分が形成される(
図15の(c)参照)。
【0163】
図16に示すように、コイルパターンL1a、L1bは、長手方向の一端221a、231aが、中間線C1上に位置すると共に、他端221b、231bが、中間線C1の径方向外側に所定距離Ly離間した位置に配置されている。
コイルパターンL1a、L1bは、一端221a、231aと他端221b、231bとの間の領域が、中間線C1の径方向外側を迂回する湾曲形状を成している。
【0164】
コイルパターンL1aとコイルパターンL1bは、中間線C1を間に挟んで対称となる位置関係で設けられている。
コイルパターンL1a、L1bの他端221b、231bには、コイルパターンL1cの一端241aと他端241bが接続されて、コイルL1の1周分が形成されている。
コイルパターンL1cは、中間線C1を境にして一端241a側と他端241b側が対称となる形状を成している。
【0165】
図15の(d)に示すように、コイルパターンL1cは、中間線C1上の点Pを扇頂とした扇形状の扇端に対応する形状を成している。コイルパターンL1cは、扇形状の扇端に沿う形状で、点Pを中心とした大凡90度の角度範囲に設けられている。
そのため、コイルパターンL1aとコイルパターンL1bは、中間線C1上の点Pを中心とした大凡135度の角度範囲に設けられている。
【0166】
2次側コイル基板20Bでは、配線層24Bに設けたコイルパターンL1c、L2c、L3C、L4cの長手方向の一端241a〜244aが、配線層22Bに設けたコイルパターンL1a〜L4aの他端221b、222b、223b、224bに、絶縁層21と配線層23Bと絶縁層21を貫通する導通点215を介して接続されている(
図14の(c)参照)。
【0167】
さらに、配線層24Bに設けたコイルパターンL1c、L2c、L3C、L4cの長手方向の他端241b〜244bが、配線層23Bに設けたコイルパターンL1b〜L4bの他端231b、232b、233b、234bに、絶縁層21を貫通する導通点215を介して接続されている(
図15の(b)参照)。
【0168】
このように、コイルL1〜L4が、三つの配線層22B、23B、24Bに設けたコイルパターンL1a〜L4a、L1b〜L4b、L1c〜L4cから構成されるようにしてもよい。
この場合にも、コイルL1〜L4におけるセンタータップCTからダイオードD1〜D4までの距離を等しくすることができるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
【0169】
[変形例3]
前記した実施形態では、
図2に示すように、プレーナ型トランスが、1次コイルを有する1次側コイル基板10と、2次コイル(プレーナ型コイル2)を有する2次側コイル基板20と、有している場合を例示した。
例えば、
図18に示すように、4つのコイルを有する2次側コイル基板20、20の間に、1次側コイル基板10を配置した構成のトランスTC(プレーナ型トランス)としてもよい。
一方の2次側コイル基板20は、コイルL1〜L4を有しており、他方の2次側コイル基板20は、コイルL5〜L8を有している。
【0170】
(10)すなわち、プレーナ型コイルを、2次側コイルとして採用し、入力側としての1次側コイルと、2つの前記2次側コイルとを積層配置したプレーナ型トランスTCであって、
積層方向に間隔をあけて配置した2次側コイル基板20、20(2次側コイル)の間に、1次側コイル基板10(1次側コイル)を配置した構成としてもよい。
【0171】
このように構成すると、プレーナ型トランスの1次側に発生した磁束が、1次側コイル基板10の両側から2次側コイル基板20に伝わるため、トランスとしての効率が良くコンパクト化が可能である。
【0172】
[変形例4]
図19は、変形例にかかる2次側コイル基板20Cを説明する図である。
図19の(a)は、2次側コイル基板20Cを配線層22C側から見た平面図である。
図19の(b)は、
図19の(a)におけるA−A断面図である。
図19の(c)は、
図3の(b)におけるB−B断面図である。
【0173】
前記した2次側コイル基板20(
図3参照)では、配線層22側から見て、複数のコイルL1〜L4のコイルパターンが、中心線Cを囲むように設けられている。そして、略環状を成すコイルL1〜L4の内側の中心線C寄りの領域が、磁力線が通過する領域となっている場合を例示した。
【0174】
図19に示す2次側コイル基板20Cのように、磁力線が通過する領域に、フェライトコア(図示せず)を設置するための挿通孔210を設けた構成としても良い。
【0175】
このように、
(11)2次側コイル基板20Cでは、配線層22Cに設けられたコイルパターンL1a〜L4aと、配線層23Cに設けられたコイルパターンL1b〜L4bとが、配線層22C、23Cの重畳方向で導通点215を介して互いに連結されて、コイルL1〜L4各々の1周分が形成されている。
配線層22C側から見て、各コイルL1〜L4の1周分は、フェライトコア(図示せず)が設置される挿通孔210を囲む略環状に設けられている。
各コイルL1〜L4の1周分は、挿通孔210の中心を通る中心線C回りの周方向で、位相をずらして設けられている。
【0176】
このような構成の2次側コイル基板20Cとすることによっても、コイルL1〜L4の1周分のコイルパターンを、同じ長さで形成できるので、インダクタンスのバラツキを低減できる。
【解決手段】複数の配線層22、23が重畳配置された2次側コイル基板と、2次側コイル基板に設けられた複数のコイルと、絶縁層21と、を有する。配線層22では、コイルの1周分の一部に相当するコイルパターンL1a〜L4aが形成されている。配線層23では、コイルの1周分の残りの一部に相当するコイルパターンL1b〜L4bが形成されている。異なる配線層22、23に設けられたコイルパターンL1a〜L4aと、コイルパターンL1b〜L4bとが、配線層22、23の重畳方向で絶縁層21の導通点215を介して互いに連結されて、コイル各々の1周分が形成されている。