(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも一方に電極を有し、少なくとも一方に透明性を有する2枚の基板間にポリマーネットワーク(A)と液晶組成物(B)とを含有する液晶層が挟持されており、かつ該液晶層のレオメーター測定による25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)から算出される損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が0.2〜0.7の範囲であることを特徴とする液晶表示素子の製造方法であって、前記ポリマーネットワーク(A)を形成させる際に、前記該液晶層のレオメーター測定による25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)から算出される損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1以下となるまでの紫外線照射時間を25秒〜45秒の範囲にすることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
前記液晶層が、ポリマーネットワーク(A)の光軸方向又は配向容易軸方向と、前記液晶組成物(B)の配向容易軸方向が同一方向となっているものである請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
前記液晶組成物(B)に含まれる、一般式(L)で表される化合物として、誘電率異方性Δεの値が−2〜2の範囲である化合物を、少なくとも1種類含有する請求項9記載の液晶表示素子の製造方法。
液晶表示素子のセル構造がVAモード、IPSモード、FFSモード、VA−TNモード、TNモード又はECBモードである請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶表示素子の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の液晶表示素子は、前記した通り、少なくとも一方に電極を有し、少なくとも一方に透明性を有する2枚の基板間にポリマーネットワーク(A)と液晶組成物(B)とを含有する液晶層が挟持されており、かつ該液晶層のレオメーター測定による25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)から算出される損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が0.1〜1の範囲であることを特徴としている。本発明の液晶表示素子の様に、液晶層にポリマーを含む系では、該液晶層自体の弾性的な性質、つまり固体的な性質が強すぎると、電圧印加状態から無電界時(OFF時)にする際このオフ応答速度が速くなるものの、電圧印加して液晶材料の配向を変えるときに高い電圧が必要になってしまい、駆動電圧の上昇や透過率の低下を招いてしまう。一方、液晶層の粘性的な性質が強すぎると、駆動電圧の上昇や透過率の低下は招かないものの、オフ応答が速くならない、という二律背反にあるが、本発明では、上記した損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が0.1〜1の範囲とすることにより、駆動電圧の上昇や透過率の低下を招くことなく、オフ応答速度を向上させることができる。
【0019】
ここで、損失正接(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)は、粘弾性測定装置で測定することができ、25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)との比(損失弾性率/貯蔵弾性率(tanδ))として算出することができる。また、レオメータ測定は、市販のレオメータ測定器、例えばAnton Paar社製レオメータ「MCR」シリーズにて測定することができる。測定は25℃にて実施することができ、測定時における応力を与えるための歪量はセルギャップの20〜70%の範囲、より好ましくは30〜60%、とりわけ40〜55%の範囲にすることが好ましい。歪量が小さい場合、測定値の精度が悪化する傾向があり、歪量が大きいと内部に形成されたポリマーを測定作業によって破壊してしまう危険があり、真の値を得るのが困難になる。応力は正弦振動で与えるのが好ましい。
【0020】
測定周波数は、0.5〜5Hzの範囲であることが好ましい。即ち、例えば、ポリマーネットワークを含まない液晶材料の場合、1Hzでの損失正接は2前後であるのに対して、5Hzでの損失正接は4〜8となる。これに対して、本発明の液晶表示素子に用いる液晶層は、損失正接の周波数異存性は小さくなり、通常の液晶層に比べより固体に近い性質を示し、オフ応答速度と、駆動電圧及び透過率とのバランスに優れた特性が得られる。
【0021】
具体的には、本発明の液晶表示素子の液晶層の1Hzでの損失正接0.1〜1に対して、測定周波数4.6Hzでの損失正接が、0.11〜1の範囲であることがあることが好ましく、特に、測定周波数が1Hzと4.6Hzとの差が0.2以下であること、特に0.1以下であることが特に好ましい。また、本発明における1Hzでの損失正接は、特にオフ応答速度の点から0.8以下、特に0.7以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の液晶表示素子の液晶層は、液晶層がポリマーで担持されて液晶の配向の安定性が向上することから、3D形状や、曲面形状への適用が容易である。斯かる観点からは損失正接はより低く固体的な性質が強い方が望ましいが、一方固体的な性質が強すぎると、折り曲げ時の応力によって高分子構造の破壊が起きてしまい、これによって配向ムラが誘起されやすくなる。従って、本発明では、1Hzでの損失正接は0.1〜1、特に0.15〜0.8の範囲、なかでも0.2〜0.7の範囲であることが、液晶デバイスを折り曲げた際のムラ発生を抑制することができる点から好ましい。
【0023】
本発明の液晶表示素子の液晶層は、また、液晶の配向の安定性が高いことから、液晶デバイスに局所的に押圧した際の、配向乱れを抑制することが可能になる。但し、斯かる性能についても、固体的な性質が強すぎると、押圧時の応力によって高分子構造の破壊が起きてしまうため、これによって配向ムラが固定化されてしまう傾向がある。斯かる観点から1Hzでの損失正接は0.15〜0.8の範囲、特に0.2〜0.7の範囲であることが好ましい。
[液晶層]
次に、液晶表示素子における液晶層、例えば、
図1における液晶層5は、前記した通り、ポリマーネットワーク(A)と、液晶組成物(B)を含有することを特徴としている。
【0024】
(ポリマーネットワーク(A))
斯かる液晶層を構成するポリマーネットワーク(A)は、一軸性の光学異方性、又は一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有するものであることが好ましく、該ポリマーネットワークの光学軸又は配向容易軸と、液晶組成物(B)を構成する低分子液晶の配向容易軸が略一致するように形成されていることがより好ましい。尚、該ポリマーネットワークには、複数のポリマーネットワークが集合することにより高分子薄膜を形成したポリマーバインダも含まれる。該ポリマーバインダは、一軸配向性を示す屈折率異方性を有しており、該薄膜に低分子液晶が分散され、該薄膜の一軸性の光学軸と低分子液晶の光学軸が略同一方向へ揃っていることが特徴である。
【0025】
従って、これにより、光散乱型液晶である高分子分散型液晶又はポリマーネットワーク型液晶とは異なり光散乱が起こらず偏光を用いた液晶表示素子に於いて高コントラストな表示が得られる点と、立下り時間を短くして液晶素子の応答性を向上させる、という特徴を有するものとなる。更に、本発明の液晶表示素子を構成する液晶層では、ポリマーネットワーク層が液晶表示素子全体に形成されている為、液晶素子基板上にポリマーの薄膜層を形成させてプレチルトを誘起させるPSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶組成物と区別することができる。
【0026】
斯かる液晶層は、例えば、重合性単量体成分(a)及び前記液晶組成物(B)を必須成分とする重合性液晶組成物を重合させることにより製造することができる。具体的には、前記重合性液晶組成物が液晶相を示した状態で、該重合性液晶組成物中の重合性単量体成分(a)(以下、単に「モノマー(a)」と略記することがある。)を重合させることにより、分子量が増加して液晶組成物(B)と重合体(もしくは共重合体)とに相分離させることにより前記液晶層を形成することができる。
【0027】
ここで、二相に分離する形態は、含有する液晶組成物(B)の種類やモノマーの種類に依存する。例えば、液晶組成物(B)中にモノマー相が無数に島状の核として発生して成長するバイノーダル分解で相分離構造を形成しても良く、液晶組成物(B)中にモノマー相との濃度の揺らぎから相分離するスピノーダル分解により相分離構造を形成しても良い。バイノーダル分解によるポリマーネットワークを形成させるには、モノマーの反応速度が速い化合物を用いることにより可視光の波長より小さい大きさのモノマーの核を無数に発生させて線状に連結させる構造によりナノオーダーの相分離構造が形成されるので好ましい。結果としてモノマー相に於ける重合が進むと相分離構造に依存して可視光の波長より短い空隙間隔のポリマーネットワークが形成される。一方、ポリマーネットワークの空隙は液晶組成物(B)相の相分離によるもので、この空隙の大きさが可視光の波長より小さいと、光散乱性が無く高コントラストで、且つポリマーネットワークからのアンカーリング力の影響が強まり立下り時間が短くなり高速応答の液晶表示素子が得られるようになり特に好ましい。バイノーダル分解に於けるモノマー相の核生成は、化合物の種類や組合せによる相溶性の変化や、反応速度、温度等のパラメータに影響され適宜必要に応じて調整することが好ましい。反応速度は、紫外線重合の場合は、モノマーの官能基や重合開始剤の種類及び含有量、紫外線照射強度によるもので反応性を促進するように紫外線照射条件を適宜調整すれば良く、少なくとも2mW/cm
2以上の紫外線照射強度が好ましい。一方、スピノーダル分解では周期性のある二相の濃度の揺らぎによる相分離微細構造が得られるので可視光波長より小さい均一な空隙間隔を容易に形成するので好ましい。
【0028】
上述した何れの場合も、液晶組成物(B)の配向状態と同様の配向状態を保持しながらポリマーネットワークを形成させることができる。
【0029】
ここで、前記した重合性液晶組成物は、重合性単量体成分(a)、前記液晶組成物(B)、及び必要に応じて重合開始剤を含むものであるが、前記重合性単量体成分(a)を重合性液晶組成物中、0.5〜20質量%、好ましくは1〜10質量%となる割合で用いることが液晶組成物(B)相の相分離とポリマーネットの形成が容易である点から好ましい。従って、本発明では、前記液相層は、ポリマーネットワーク(A)と液晶組成物(B)との総質量に対して、ポリマーネットワーク(A)が0.5〜20質量%、特に1〜10質量%となる割合で存在していることが好ましい。
【0030】
本発明においてポリマーネットワーク(A)は、前記した通り、液晶組成物(B)の配向に倣うように光学異方性を示すことが好ましい。ポリマーネットワーク(A)中の液晶層の形態としては、ポリマーの3次元ネットワーク構造中に液晶組成物(B)が連続層をなす構造、液晶組成物(B)のドロップレットがポリマー中に分散している構造、又は両者が混在する構造、更に、両基板面を起点にポリマーネットワーク層が存在し、対面基板との中心付近では液晶層のみである構造が挙げられる。何れもの構造もポリマーネットワークの作用により0〜90度のプレチルト角が液晶素子基板界面に対して誘起されていることが好ましいが、前記各構造のなかでも特にポリマーの3次元ネットワーク構造中に液晶組成物(B)が連続層をなす構造のものが、液晶分子のプレチルトの安定性に優れる点から好ましい。ここで、液相層を構成するポリマーネットワークは、共存する液晶組成物(B)を液晶セルの配向膜が示す配向方向へ配向させる機能を有することが好ましく、更に、ポリマー界面方向に対してプレチルトされた低分子液晶を安定化する機能を有していることも好ましい。ポリマー界面に対して低分子液晶のプレチルトを安定化させるモノマーを導入すると透過率の向上や液晶素子の駆動電圧を低くさせるのに有用であり好ましい。又、ポリマーネットワーク(A)は、屈折率異方性を有しても良く、配向方向へ低分子液晶を配向させる機能は、メソゲン基を有するモノマーを用いることによって実現できる。
【0031】
斯かる観点から重合性単量体成分(a)は、液晶性のモノマーを使用することが好ましい。即ち、本発明の液晶表示素子は、液晶相中に液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され、液晶相が連続している構造であって、ポリマーネットワークの配向容易軸や一軸の光学軸が低分子液晶の配向容易軸と略同一方向であること、また、低分子液晶のプレチルト角を誘起するようにポリマーネットワークを形成させることが、オフ応答の速度を高めることができる点から好ましく、そのため重合性単量体成分(A)を構成する重合性モノマーは、分子構造中にメソゲン構造を持つ液晶性のモノマーであることが好ましい。なお、本発明における液晶表示素子は、前記ポリマーネットワーク層が、ポリマーネットワークの平均空隙間隔が可視光の波長より小さい大きさであること、即ち450nm以下の平均空隙間隔であることが、光散乱が起こらなくなる点から好ましい。
【0032】
更に、応答の立下り時間をポリマーネットワークと低分子液晶との相互作用効果(アンカーリング力)により低分子液晶単体の応答時間より短くするには、平均空隙間隔は50nm〜450nmの範囲にする事が好ましく、立下り時間が液晶のセル厚の影響が少なくなりセル厚が厚くても薄厚並の立下り時間を示すようにするには、200〜450nmの範囲であることが好ましい。また、駆動電圧の増加を25V以下に抑制して立ち下がり応答時間を短くするには250〜450nmの範囲であることが好ましく、駆動電圧が5V程度以内の増加に抑制するには、平均空隙間隔が300〜450nmの範囲にすることが好ましい。一方、駆動電圧を30V以上に高める場合には、平均空隙間隔を50〜250nmの範囲にすればよい。また、立下り時間を0.5msec以下にするには50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
【0033】
一方、ポリマーネットワークの平均直径は、平均空隙間隔と相反し、20nmから700nmの範囲にあることが好ましい。モノマーの含有量が増えると平均直径は増加する傾向にある。反応性を高くして重合相分離速度を高めるとポリマーネットワークの密度が増加してポリマーネットワークの平均直径が減少するので必要に応じて相分離条件を調整すれば良い。モノマー含有量が10%以下の場合は、平均直径が20nmから160nmにあることが好ましく、平均空隙間隔が200nmから450nm範囲に於いては、平均直径が40nmから160nmの範囲であることが好ましい。モノマー含有量が10%より大きくなると50nmから700nmの範囲が好ましく、50nmから400nmの範囲がより好ましい。
【0034】
斯かる液晶性のモノマーとしては、具体的には、下記一般式(P1)
【0035】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0037】
ここで、Z
p11は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Sp
p12−R
p12を表す。これらのなかでも、Z
p11としては、フッ素原子、酸素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基を使用することが液晶表示素子の電圧保持率を高くすることが可能になる点から好ましく、また、チルトの安定性の点から−Sp
p12−R
p12であることが好ましい。
【0038】
ここで、R
p11およびR
p12はそれぞれ独立に以下の式(RP11−1)から式(PP11−8)
【0039】
【化2】
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【0040】
のいずれかを表し(式中、*は結合点を示す)、前記式(RP11−1)〜(RP11−8)中、R
P111〜R
P112はお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基であり、t
M11は0、1または2を表す。これらのなかでも特に前記式(RP11−1)で表され、かつ、該式中のR
P111としては水素原子又はメチル基である、(メタ)アクリロイル基であることが、液晶表示素子の製造時にモノマーを重合させる際の紫外線照射量を低くすることが可能になる、液晶材料への紫外線照射量を必要最低限に保つことができ、液晶材料及び液晶表示素子の劣化を避けることができる点から好ましい。
【0041】
前記R
p11およびR
p12として挙げた式(RP11−1)から式(PP11−8)の中でも特に、下記式(RP11−1)から式(RP11−4)
【0042】
【化3】
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【0043】
で表されるものが反応性に優れる点から好ましく、特に式(RP11−1)で表されるものが好ましい。
【0044】
Sp
p11およびSp
p12は、それぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基、又は、この直鎖もしくは分岐状のアルキレン構造の炭素原子は、酸素原子が隣接しない条件で、酸素原子もしくはカルボニル基で置換された化学構造を有する構造部位を表す。これらのなかでも、特に、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基は、液晶材料(B)との相溶性を高めるので好ましく、液晶分子が持つアルキル基と同程度の炭素原子数1〜6のものが特に好ましい。
【0045】
ここで、炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基であるSp
p11とSp
p12とを有する場合、これらが同一のものであることが該モノマーの製造が容易であること、また、アルキレン鎖長の異なる複数種の化合物の使用割合を調整することによって物性調整が容易となる点から好ましい。一方、Sp
p11およびSp
p12が単結合である場合には、モノマーが基板面に集まり易く、ポリマーネットワークを形成する傾向よりも垂直配向膜表面に薄膜を形成する傾向が強くなるため、ポリマーネットワーク形成による高速応答の効果よりも配向膜にプレチルトを付与し固定化する効果がより強くなる。
【0046】
また、重合性液晶組成物中の重合性単量体成分(a)の含有率が0.5質量%〜20質量%の範囲である場合には、Sp
p11およびSp
p12は炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基であることがオフ応答速度を速めるポリマーネットワークの形成な容易になる点から好ましい。特にオフ応答速度と低駆動電圧の点から1質量%〜10質量%の範囲であることが好ましい。また、前記した直鎖もしくは分岐状アルキレン基は、炭素原子数としては、2〜8が好ましく、2〜6が更に好ましい。また、アルキレン基上の炭素原子を酸素原子が隣接しない条件で酸素原子もしくはカルボニル基で置換することは好ましい。特に酸素原子をM
P11やM
P13に結合する位置で導入すると、液晶材料全体としての液晶上限温度の拡大や重合時における紫外線感度を増加させることが可能になる点から好ましい。
【0047】
次に、前記一般式(P1)中、モノマーとして良好な液晶性を付与することは、液晶表示素子における配向ムラ抑止の観点から好ましい。このような観点からは、L
p11及びL
p12はそれぞれ独立して、単結合、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−CH=CR
P113−COO−、−OCO−CR
aP113=CH−、−(CH
2)
tm12−C(=O)−O−、−(CH
2)
tm12−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)
tm12−、−(C=O)−O−(CH
2)
tm12−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−C≡C−、−N=N−、又は−C=N−N=C−を選択することが好ましく、R
P113は水素原子を選択する事が好ましく、tm12は2を選択することが好ましい。また、M
p11、M
p12およびM
p13は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−1,4−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を選択することが好ましい。
【0048】
一方、モノマーとして液晶材料中における低温保存性を確保する観点からは、L
p11及びL
p12として−O−、−S−、−CH
2−、−CO−、−C
2H
4−、−OCOOCH
2−、−CH
2OCOO−、−OCH
2CH
2O−、−CO−NR
P113−、−NR
P113−CO−、−CH=CR
P113−COO−、−CH=CR
P113−OCO−、−COO−CR
P113=CH−、−OCO−CR
aP113=CH−、−COO−CR
P113=CH−COO−、−COO−CR
P113=CH−OCO−、−OCO−CR
P113=CH−COO−、−OCO−CR
P113=CH−OCO−、−(CH
2)
tm12−C(=O)−O−、−(CH
2)
tm12−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)
tm12−、−(C=O)−O−(CH
2)
tm12−、−CF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−を選択することが好ましく、R
P113は炭素原子数1〜4のアルキル基を選択することが好ましく、tm12は2〜4の整数を選択することが好ましい。
【0049】
これらのなかでも特に重合性単量体成分(a)の液晶性が高く、液晶表示素子における配向ムラ抑止の観点から、単結合、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−(CH
2)
2−C(=O)−O−、−(CH
2)
2−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)
2−、−(C=O)−O−(CH
2)
2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−、−C≡C−、−N=N−、又は−C=N−N=C−が好ましい。
【0050】
また、モノマーに光異性化する機能を付与することによりワイゲルト効果を用いた光による光配列機能が利用できることから、−CH=CH−、−CF=CF−、−CF=CH−、−CH=CF−、または−N=N−が好ましく、−CH=CH−と−N=N−を選択すること、なかでも−N=N−であることが好ましい。また、ポリマーネットワークの配向性を高くする観点から特に−N=N−であることが好ましい。
【0051】
次に、一般式(P1)中のM
p11、M
p12およびM
p13は、それぞれ独立に1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロヘキセニレン基、1,2−シクロヘキセニレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、ナフタレン−1,4−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−1,4−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基、アントラセン−1,4−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、或いは、これらの芳香核に炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基で置換された構造が挙げられる。
【0052】
また、前記M
p11、M
p12およびM
p13は、これらの構造の芳香核に−Sp
p11−R
p11が置換されたものが、反応性に優れたラジカル重合性単量体となる点から好ましい。この時のR
p11としては式(RP11−1)でかつ、R
P111としては水素原子、もしくはメチル基である(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。
【0053】
これらのなかでも特に1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、フルオレン−2,6−ジイル基、フルオレン−1,4−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、アントラセン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、2,3−ジフロロ−1,4−フェニレン基、2−フロロ−1,4−フェニレン基が液晶との相溶性の点から好ましい。
【0054】
また、一般式(P1)中、mp12は1又は2を表し、mp13及びmp14はそれぞれ独立して、0、1、2又は3を表し、m
p11及びm
p15はそれぞれ独立して1、2又は3を表す。ここで、Z
p11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
p11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
p12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
p11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
p12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、L
p11が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、L
p12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、M
p12が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、M
p13が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよいで表される化合物であることが好ましい。また、当該材料は1種又は2種以上含有することが好ましい。
【0055】
また、前記したm
p12〜m
p14は、それらの合計が1〜6の範囲であることが好ましく、2〜4の範囲、なかでも2であることが特に好ましい。2種以上のモノマーを使用する場合には、モノマー全体中の当該モノマーの濃度とm
p12〜m
p14の合計を乗じて計算する平均数が、1.6〜2.8になるように設定することが好ましく、1.7〜2.4にする事が更に好ましく、1.8〜2.2にすることが特に好ましい。
【0056】
m
p11及びm
p15の合計は1〜6が好ましく、2〜4が更に好ましく、2が特に好ましい。2種以上のモノマーを使用する場合には、モノマー全体中の当該モノマーの濃度とm
p1と
p15合計を乗じて計算する平均数が、1.6〜2.8になるように設定することが好ましく、1.7〜2.4にする事が更に好ましく、1.8〜2.2にすることが特に好ましい。平均数が1に近いと、液晶表示素子の駆動電圧を低減できる傾向があり、平均数が高いとオフ応答を速くできる傾向がある。
【0057】
M
p11、M
p12およびM
p13へのフッ素原子による置換は、液晶表示素子の電圧保持率を悪化させることなく、液晶材料と重合体もしくは共重合体との相互作用の大きさや溶解性を制御できるため好ましい。好ましい置換数は、1〜4である。
【0058】
以上詳述した式(P1)の中でも、下記式(P2−1)〜(P2−11)で表される化合物を使用することは、チルト角の経時変化を抑制に有効である。
【0059】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0060】
(式中、R
P21、R
P22はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表す)
このような化合物は有用であるものの、液晶材料中への溶解性が良好でない場合ある。従って、このような化合物は使用するモノマー全体において、90質量%以下含有することが好ましく、70質量%以下含有することが更に好ましく、50質量%以下含有することが特に好ましい。
【0061】
また、式(P1)の中でも、下記式(P3−1)〜(P3−11)で表される化合物を使用することは、チルト角の経時変化の抑制と液晶材料中への溶解性確保の両立を図れることから好ましい。
【0062】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0063】
(式中、R
P31、R
P32はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP31は0または1の整数を表し、mP31が0の場合、mP32は1〜6の整数を表し、mp31が1の場合、mP32は2〜6の整数を表す)
式(P1)の中でも、下記式(P4−1)〜(P4−11)で表される化合物を使用することは、オフ応答を効果的に改善するのに有用であることから好ましい。
【0064】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0065】
(式中、R
P41、R
P42はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP42及びmP43はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP42が0の場合、mP41は1〜6の整数を表し、mp42が1の場合、mP41は2〜6の整数を表し、mP43が0の場合、mP44は1〜6の整数を表し、mP43が1の場合、mp44は2〜6の整数を表す)
このような化合物は使用するモノマー全体において、40質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することが更に好ましく、60質量%以上含有することが特に好ましい。
【0066】
式(P1)の中でも、メソゲン中にアリールエステル構造を有する、式(P5−1)〜(P5−11)で表される化合物は紫外線照射によって重合開始できる能力を有するため、重合開始剤の添加量を低減できるので好ましい。
【0067】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
(式中、R
P51、R
P52はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP52及びmP53はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP52が0の場合、mP51は1〜6の整数を表し、mp52が1の場合、mP51は2〜6の整数を表し、mP53が0の場合、mP54は1〜6の整数を表し、mP53が1の場合、mp54は2〜6の整数を表す)
このような化合物の添加量が多いと液晶表示素子の電圧保持率が悪化する傾向があるので、使用するモノマー全体においで30質量%以下含有することが好ましく、20質量%以下含有することが更に好ましく、10質量%以下が特に好ましい。
【0069】
また、式(P1)の中でも式(P6−1)〜(P6−11)で表される化合物のようなメソゲン中に桂皮酸エステル基を導入することも好ましい。
【0070】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0071】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0072】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0073】
(式中、R
P61、R
P62はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP62及びmP63はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP62が0の場合、mP61は1〜6の整数を表し、mp62が1の場合、mP61は2〜6の整数を表し、mP63が0の場合、mP64は1〜6の整数を表し、mP63が1の場合、mp64は2〜6の整数を表す)
また、式(P1)の中でも下記式(P7−1)〜(P7−5)で表されるような縮合環を有する化合物は、紫外線吸収域を単環化合物より可視光側にシフトさせることができるので、モノマーの感度調節の観点から好ましい。
【0074】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0075】
(式中、R
P71、R
P72はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP72及びmP73はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP72が0の場合、mP71は1〜6の整数を表し、mp72が1の場合、mP71は2〜6の整数を表し、mP73が0の場合、mP74は1〜6の整数を表し、mP73が1の場合、mp74は2〜6の整数を表す。)
上記では好ましい化合物として2官能モノマーを例示したが、式(P1)の中でも式(P5−1)〜(P5−11)で表される化合物のような3官能モノマーの使用も好ましい。重合体もしくは共重合体の機械的強度を向上させることができる。また、メソゲン中にエステル結合を有しているものは、紫外線照射によって重合開始できる能力を有するため、重合開始剤の添加量を低減できるのでより好ましい。
【0076】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0077】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0078】
(式中、R
P81、およびR
P83はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP72及びmP73はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP72が0の場合、mP71は1〜6の整数を表し、mp72が1の場合、mP71は2〜6の整数を表し、mP73が0の場合、mP74は1〜6の整数を表し、mP73が1の場合、mp74は2〜6の整数を表す。)
また、式(P1)の中でも液晶表示素子の駆動電圧を調整する目的から下記式(P9−1)〜(P9−11)で表される化合物のような単官能モノマーの使用も好ましい。
【0079】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0080】
(式中、R
P91は水素原子又はメチル基を表し、およびR
P92は水素原子、または炭素原子数1〜18のアルキル基を表す)
また、式(P1)の中でもモノマーとして光異性化する機能を付与することは、ワイゲルト効果を用いた光による光配列機能が利用できるので好ましい。このような観点からは(P10−1)〜(P10−11)で表される化合物が好ましい。
【0081】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
(式中、R
P101、R
P102はそれぞれ独立的に水素原子もしくはメチル基を表し、mP102及びmP103はそれぞれ独立的に0または1の整数を表し、mP102が0の場合、mP101は1〜6の整数を表し、mp102が1の場合、mP101は2〜6の整数を表し、mP103が0の場合、mP104は1〜6の整数を表し、mP103が1の場合、mp104は2〜6の整数を表す)
以上詳述した重合性単量体成分(a)は、上記した各種具体例で表される化合物を、下記一般式(V)
【0083】
【化16】
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【0084】
(式中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは1〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Uは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状の多価脂肪族炭化水素基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価脂肪族炭化水素基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、kは1〜5の整数を表す。式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH
3、−OCH
3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)
または、下記一般式(VI)
【0085】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0086】
(式中、X
3は、水素原子又はメチル基を表し、Sp
3は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
t−(式中、tは2〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Vは炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基、炭素原子数2〜20の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン構造中の酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換された構造部位、これらの化学構造は、該構造を構成する炭素原子上の水素原子が、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよい。Wは水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。なお、式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH
3、−OCH
3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)
で表すこともできる。
【0087】
ここで、前記一般式(V)におけるSp
1及びSp
2が同一となるものであることが、これらが例えば炭素原子数1〜12の直鎖もしくは分岐状アルキレン基である場合に、該化合物の合成が容易であり、また、アルキレン鎖長の異なる複数種の化合物の使用割合を調整することによって物性調整が容易となる点から好ましい。
【0088】
前記した通り、以上詳述した重合性単量体成分(a)は、重合性液晶組成物中、0.5質量%〜20質量%の範囲、特に1質量%〜10質量%の範囲となる割合で用いることが好ましいが、当該範囲内の何れの濃度に於いてもTgの異なる重合性単量体成分(A)を少なくとも二種類以上含有させて必要に応じてTgを調整することが好ましい。Tgが高いポリマーの前駆体である重合性単量体成分(a)は、架橋密度が高くなる分子構造を有する重合性単量体成分(a)であって、官能基数が2以上であることが好ましい。また、Tgが低いポリマーの前駆体は、官能基数が1であるか、又は2以上であって、官能基間にスペーサーとしてアルキレン基等を有し分子長を長くした構造であることが好ましい。ポリマーネットワークの熱的安定性や耐衝撃性向上に対応することを目的にポリマーネットワークのTgを調整する場合、多官能モノマーと単官能モノマーの比率を適宜調整することが好ましい。また、Tgはポリマーネットワークの主鎖、及び側鎖に於ける分子レベルの熱的な運動性とも関連しており、電気光学特性にも影響を及ぼしている。例えば、架橋密度を高くすると主鎖の分子運動性が下がり低分子液晶とのアンカーリング力が高まり駆動電圧が高くなると共に立下り時間が短くなる。一方、Tgが下がるように架橋密度を下げるとポリマー主鎖の熱運動性が上がることにより、低分子液晶とのアンカーリング力が下がり駆動電圧が下がり立下り時間が長くなる傾向を示す。ポリマーネットワーク界面に於けるアンカーリング力は、上述のTgの他にポリマー側鎖の分子運動性にも影響され、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートを重合性単量体成分(a)として用いることでポリマー界面のアンカーリング力が下げられる。また、このような重合性単量体成分(A)は、基板界面でプレチルト角を誘起させるのに有効で極角方向のアンカーリング力を下げる方向に作用する。
【0089】
(液晶組成物(B))
次に、本発明で用いる液晶組成物(B)、即ち、非重合性の液晶組成物としては、誘電率の異方性が正でも負のどちらを用いても良い。非重合性の液晶組成物の異方性が負の場合は、誘電率の異方性が負の液晶組成物(Δεが−2より小さい)、及び誘電率の異方性がほぼ無い(Δεの値が−2〜2)液晶組成物を含有するものが好ましい。また、非重合性の液晶組成物の異方性が正の場合は、誘電率の異方性が正の液晶組成物(Δεが2より大きい)、及び誘電率の異方性がほぼ無い(Δεの値が−2〜2)液晶組成物を含有するものが好ましい。
【0090】
非重合性の液晶組成物において、誘電率の異方性が負の場合、誘電率異方性Δεの値は、−1.0〜−7.0の範囲であることが好ましく、−1.5〜−6.5であることがより好ましく、−2.0〜−6.0であることがさら好ましく、−2.5〜−5.5であることが特に好ましいが、低電圧駆動を重視する際には−3.0〜−6.0の範囲が好ましく、高速応答を重視する際には−2.0〜−3.5の範囲が好ましい。
【0091】
屈折率異方性Δnの値は、高速応答を実現するためにセルギャップを薄くする場合には0.100〜0.140の範囲が好ましく、ディスプレイ製造における歩留まりを向上させるためにセルギャップを厚くする場合には0.080〜0.100の範囲が好ましいが、反射型のディスプレイを作製する場合には上記好ましい範囲はそれぞれ上記値の50%〜80%の値であることが好ましい。
【0092】
ネマチック−等方相転移温度T
NIの値は、65〜150℃の範囲であることが好ましいが、70〜130℃であることが好ましいが、高速応答を重視する場合や製造したディスプレイの使用環境が主に屋内である場合には70〜90℃の範囲であることが好ましく、製造したディスプレイの使用環境が主に屋外である場合には80〜120℃の範囲であることが好ましい。
【0093】
回転粘性の値は、200mPa・s以下が好ましく、180mPa・s以下がより好ましく、150mPa・s以下が更に好ましく、130mPa・s以下が特に好ましく、100mPa・s以下が最も好ましい。
【0094】
非重合性の液晶組成物において、誘電率の異方性が正の場合、誘電率異方性Δεの値は、1.0〜20.0の範囲であることが好ましく、1.5〜15.0であることがより好ましく、2.0〜10.0であることがさら好ましく、3.0〜8.5であることが特に好ましいが、低電圧駆動を重視する際には5.0〜12.0の範囲が好ましく、高速応答を重視する際には1.5〜5.0の範囲が好ましい。
【0095】
Δnの値は、高速応答を実現するためにセルギャップを薄くする場合には0.110〜0.160の範囲が好ましく、ディスプレイ製造における歩留まりを向上させるためにセルギャップを厚くする場合には0.090〜0.110の範囲が好ましいが、反射型のディスプレイを作製する場合には上記好ましい範囲はそれぞれ上記値の50%〜80%の値であることが好ましい。
【0096】
ネマチック−等方相転移温度T
NI範囲の好ましい範囲は、65〜150℃の範囲であることが好ましいが、70〜130℃であることが好ましいが、高速応答を重視する場合や製造したディスプレイの使用環境が主に屋内である場合には70〜90℃の範囲であることが好ましく、製造したディスプレイの使用環境が主に屋外である場合には80〜120℃の範囲であることが好ましい。
【0097】
回転粘性の値は、130mPa・s以下が好ましく、100mPa・s以下がより好ましく、90mPa・s以下が更に好ましく、75mPa・s以下が特に好ましく、60mPa・s以下が最も好ましい。
【0098】
前記した液晶組成物(B)は、一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)で表される化合物から選ばれる化合物を1種類又は2種類以上さらに含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に負の化合物(Δεの符号が負で、その絶対値が2より大きい。)に該当する。
【0099】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0100】
[前記一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31、R
N32、R
N41及びR
N42はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基、又は炭素原子数2〜8のアルキル鎖中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−が、それぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換された化学構造を持つ構造部位、
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31、A
N32、A
N41及びA
N42はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)は、その構造中の水素原子が、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
N11、Z
N12、Z
N21、Z
N22、Z
N31、Z
N32、Z
N41及びZ
N42は、それぞれ独立して、単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
X
N21は水素原子又はフッ素原子を表し、T
N31は−CH
2−又は酸素原子を表し、X
N41は、酸素原子、窒素原子、又は−CH
2−を表し、Y
N41は、単結合、又は−CH
2−を表し、n
N11、n
N12、n
N21、n
N22、n
N31、n
N32、n
N41、及びn
N42は、それぞれ独立して0〜3の整数を表すが、n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32はそれぞれ独立して1、2又は3であり、A
N11〜A
N32、Z
N11〜Z
N32が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
N41+n
N42は0〜3の整数を表すが、A
N41及びA
N42、Z
N41及びZ
N42が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良い。]
一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)で表される化合物は、Δεが負でその絶対値が2よりも大きな化合物であることが好ましい。
【0101】
一般式(N−1)、(N−2)及び(N−3)中、R
N11、R
N12、R
N21、R
N22、R
N31及びR
N32はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0102】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0103】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0104】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0105】
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31及びA
N32はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0106】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0108】
Z
N11、Z
N12、Z
N21、Z
N22、Z
N31及びZ
N32はそれぞれ独立して−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−CH
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CH
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0111】
n
N11+n
N12、n
N21+n
N22及びn
N31+n
N32は1又は2が好ましく、n
N11が1でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が0である組み合わせ、n
N11が1でありn
N12が1である組み合わせ、n
N11が2でありn
N12が1である組み合わせ、n
N21が1でありn
N22が0である組み合わせ、n
N21が2でありn
N22が0である組み合わせ、n
N31が1でありn
N32が0である組み合わせ、n
N31が2でありn
N32が0である組み合わせ、が好ましい。
【0112】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
【0113】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
【0114】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%であり、20質量%である。
【0115】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
【0116】
本発明に係る液晶組成物は、一般式(N−1)〜(N−4)で表される化合物のうち、特に一般式(N−1)で表される化合物が、液晶表示素子における電圧保持率に優れ、かつ、低い回転粘度を有する点から好ましい。
【0117】
斯かる一般式(N−1)で表される化合物としては、下記の一般式(N−1a)〜(N−1g)で表される化合物群を挙げることができる。
【0118】
【化21】
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【0119】
(式中、R
N11及びR
N12は一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表し、n
Na11は0又は1を表し、n
Nb11は1又は2を表し、n
Nc11は0又は1を表し、n
Nd11は1又は2を表し、n
Ne11は1又は2を表し、n
Nf11は1又は2を表し、n
Ng11は1又は2を表し、A
Ne11はトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表し、A
Ng11はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4−シクロヘキセニレン基を表し、Z
Ne 11は単結合又はエチレンを表すが少なくとも1つはエチレンを表す。)
これらのなかでも特に誘電率異方性Δεの絶対値が大きくなる点から一般式(N−1d)及び(N−1f)で表されるものが好ましい。
【0120】
一般式(N−1)で表される化合物は、更に具体的には、一般式(N−1−1)〜(N−1−21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0121】
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0122】
【化22】
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【0123】
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。R
N112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0124】
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0125】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0126】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0127】
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)〜(N−1−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)及び式(N−1−1.3)で表される化合物が好ましい。
【0128】
【化23】
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【0129】
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0130】
一般式(N−1−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0131】
【化24】
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【0132】
(式中、R
N121及びR
N122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。R
N122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
【0133】
一般式(N−1−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0134】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0135】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、37質量%であり、40質量%であり、42質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、48質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
【0136】
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)で表される化合物が好ましく、T
NIの改良を重視する場合には式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
【0137】
【化25】
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【0138】
式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0139】
一般式(N−1−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0140】
【化26】
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【0141】
(式中、R
N131及びR
N132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0142】
一般式(N−1−3)で表される化合物は、屈折率異方性Δnを高める効果に優れ単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0143】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0144】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0145】
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)から式(N−1−3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物が好ましい。
【0146】
【化27】
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【0147】
式(N−1−3.1)〜式(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N−1−3.1)及び式(N−1−3.2)の組み合わせ、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせが好ましい。本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0148】
一般式(N−1−4)で表される化合物は下記の化合物である。
【0149】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
(式中、R
N141及びR
N142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N141及びR
N142はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0151】
一般式(N−1−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0152】
該化合物は、粘度が低く誘電率異方性Δεを高める効果に優れ、Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。また、T
NIを高くしたい場合には重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0153】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0154】
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)から式(N−1−4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物が好ましい。
【0155】
【化29】
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【0156】
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.14)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、11質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0157】
一般式(N−1−5)で表される化合物は下記の化合物である。
【0158】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
(式中、R
N151及びR
N152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N151及びR
N152はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
【0160】
一般式(N−1−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0161】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0162】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0163】
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)から式(N−1−5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物が好ましい。
【0164】
【化31】
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【0165】
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0166】
一般式(N−1−10)で表される化合物は下記の化合物である。
【0167】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0168】
(式中、R
N1101及びR
N1102はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1101は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。R
N1102は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0169】
一般式(N−1−10)で表される化合物は、誘電率異方性Δεを高める効果に優れ単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0170】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0171】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0172】
さらに、一般式(N−1−10)で表される化合物は、式(N−1−10.1)から式(N−1−10.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.5)式(N−1−10.20)及び式(N−1−10.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)、式(N−1−10.2)、式(N−1−10.20)及び式(N−1−10.21)で表される化合物が好ましい。
【0173】
【化33】
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【0174】
式(N−1−10.1)、式(N−1−10.2)、式(N−1−10.11)及び式(N−1−10.12)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0175】
一般式(N−1−11)で表される化合物は下記の化合物である。
【0176】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
(式中、R
N1111及びR
N1112はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。R
N1112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0178】
一般式(N−1−11)で表される化合物は、誘電率異方性Δεを高める効果に優れ単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0179】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0180】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0181】
さらに、一般式(N−1−11)で表される化合物は、式(N−1−11.1)から式(N−1−11.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−11.2及び式(N−1−11.4)で表される化合物が好ましい。
【0182】
【化35】
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【0183】
式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0184】
一般式(N−1−12)で表される化合物は下記の化合物である。
【0185】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0186】
(式中、R
N1121及びR
N1122はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0187】
一般式(N−1−12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0188】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0189】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0190】
一般式(N−1−13)で表される化合物は下記の化合物である。
【0191】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0192】
(式中、R
N1131及びR
N1132はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0193】
一般式(N−1−13)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0194】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0195】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0196】
一般式(N−1−14)で表される化合物は下記の化合物である。
【0197】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
(式中、R
N1141及びR
N1142はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1141は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1142は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0199】
一般式(N−1−14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0200】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0201】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0202】
一般式(N−1−15)で表される化合物は下記の化合物である。
【0203】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
(式中、R
N1151及びR
N1152はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1151は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1152は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0205】
一般式(N−1−15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0206】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0207】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0208】
一般式(N−1−16)で表される化合物は下記の化合物である。
【0209】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0210】
(式中、R
N1161及びR
N1162はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1161は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1162は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0211】
一般式(N−1−16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0212】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0213】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0214】
一般式(N−1−17)で表される化合物は下記の化合物である。
【0215】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0216】
(式中、R
N1171及びR
N1172はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1171は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1172は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0217】
一般式(N−1−17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0218】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0219】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0220】
一般式(N−1−18)で表される化合物は下記の化合物である。
【0221】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
(式中、R
N1181及びR
N1182はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1181は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。R
N1182は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0223】
一般式(N−1−18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0224】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0225】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0226】
さらに、一般式(N−1−18)で表される化合物は、式(N−1−18.1)から式(N−1−18.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−18.1)〜(N−1−11.3)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−18.2及び式(N−1−18.3)で表される化合物が好ましい。
【0227】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0228】
一般式(N−1−20)で表される化合物は下記の化合物である。
【0229】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
(式中、R
N1201及びR
N1202はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1201及びR
N1202はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
【0231】
一般式(N−1−20)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0232】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0233】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−20)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0234】
一般式(N−1−21)で表される化合物は下記の化合物である。
【0235】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
(式中、R
N1211及びR
N1212はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1211及びR
N1212はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
【0237】
一般式(N−1−21)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0238】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0239】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0240】
一般式(N−1−22)で表される化合物は下記の化合物である。
【0241】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
(式中、R
N1221及びR
N1222はそれぞれ独立して、一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N1221及びR
N1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
【0243】
一般式(N−1−22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0244】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0245】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり20質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、35質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
【0246】
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)から式(N−1−22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.4)で表される化合物が好ましい。
【0247】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
一般式(N−3)で表される化合物は一般式(N−3−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0249】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0250】
(式中、R
N321及びR
N322はそれぞれ独立して、一般式(N−3)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
R
N321及びR
N322は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。
【0251】
一般式(N−3−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0252】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0253】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(N−3−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
【0254】
さらに、一般式(N−3−2)で表される化合物は、式(N−3−2.1)から式(N−3−2.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0255】
【化49】
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【0256】
一般式(N−4)で表される化合物として、下記の一般式(N−4−1)で表される化合物群を挙げることができる。
【0257】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0258】
(式中、R
N41及びR
N42はそれぞれ独立して、一般式(N−4)におけるR
N41及びR
N42と同じ意味を表す。)
R
N321及びR
N322は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルコキシ基が好ましく、プロピル基、ペンチル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
【0259】
一般式(N−4−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0260】
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、T
NIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0261】
非重合性の液晶組成物の総量に対しての式(N−4−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、非重合性の液晶組成物の総量に対して、50質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%である。
【0262】
さらに、一般式(N−4−1)で表される化合物は、式(N−4−1.1)から式(N−4−1.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0263】
【化51】
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【0264】
(p型化合物)
本発明で用いる液晶組成物(B)は、一般式(J)で表される化合物を1種類又は2種類以上さらに含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0265】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
(式中、R
J1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
J1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
J1、A
J2及びA
J3はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていても良く、
Z
J1及びZ
J2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
J1が2、3又は4であってA
J2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
J1が2、3又は4であってZ
J1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
J1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(J)中、R
J1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0267】
信頼性を重視する場合にはR
J1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0268】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0269】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0270】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
A
J1、A
J2及びA
J3はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、それらはフッ素原子により置換されていてもよく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0272】
【化54】
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【0273】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0274】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
Z
J1及びZ
J2はそれぞれ独立して−CH
2O−、−OCH
2−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−OCH
2−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−OCH
2−、−CF
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0276】
X
J1はフッ素原子又はトリフルオロメトキシ基が好ましく、フッ素原子が好ましい。
【0277】
n
J1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、T
NIを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0278】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0279】
本発明で用いる液晶組成物(B)において、一般式(J)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0280】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(J)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
【0281】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0282】
信頼性を重視する場合にはR
J1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0283】
一般式(J)で表される化合物としては一般式(M)で表される化合物及び一般式(K)で表される化合物が好ましい。
【0284】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
(式中、R
M1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
M1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
M1及びA
M2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
M1及びZ
M2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
M1が2、3又は4であってA
M2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
M1が2、3又は4であってZ
M1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
M1及びX
M3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
【0286】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
(式中、R
K1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
K1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
K1及びA
K2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
K1及びZ
K2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
K1が2、3又は4であってA
K2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
K1が2、3又は4であってZ
K1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
K1及びX
K3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
K2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)は、一般式(M)で表される化合物を1種類又は2種類以上さらに含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0288】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
(式中、R
M1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
M1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
M1及びA
M2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
M1及びZ
M2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
M1が2、3又は4であってA
M2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
M1が2、3又は4であってZ
M1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
M1及びX
M3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。
【0290】
一般式(M)中、R
M1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0291】
信頼性を重視する場合にはR
M1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0292】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0293】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0294】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0295】
A
M1及びA
M2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0296】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0298】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
Z
M1及びZ
M2はそれぞれ独立して−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−CF
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CF
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0300】
n
M1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、T
NIを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0301】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0302】
本発明で用いる液晶組成物(B)において、一般式(M)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0303】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
【0304】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0305】
一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0306】
【化62】
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【0307】
(式中、R
M11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M11からX
M15はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
M11はフッ素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0308】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0309】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0310】
さらに、一般式(M−1)で表される化合物は、具体的には式(M−1.1)から式(M−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物が好ましく、式(M−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(M−1.1)又は式(M−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0311】
【化63】
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【0312】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0313】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0314】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1.1)及び式(M−1.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0315】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、例えば一般式(M−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0316】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
(式中、R
M21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M21及びX
M22はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
M21はフッ素原子、塩素原子又はOCF
3を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0318】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0319】
さらに、一般式(M−2)で表される化合物は、式(M−2.1)から式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましく、式(M−2.3)又は/及び式(M−2.5)で表される化合物であることが好ましい。
【0320】
【化65】
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【0321】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0322】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0323】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0324】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−2.2)、(M−2.3)及び式(M−2.5)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、6質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0325】
含有量は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上がより好ましく、8質量%以上がさらに好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、14質量%以上がさらに好ましく、16質量%以上が特に好ましい。また、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性などを考慮して、最大比率を30質量%以下にとどめることが好ましく、25質量%以下がさらに好ましく、22質量%以下がより好ましく、20質量%未満が特に好ましい。
【0326】
本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−3)で表される化合物であることが好ましい。
【0327】
【化66】
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【0328】
(式中、R
M31は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M31からX
M36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
M31はフッ素原子、塩素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種から2種類以上組み合わせることが好ましい。
【0329】
一般式(M−3)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
【0330】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0331】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−3)で表される化合物は、具体的には式(M−3.1)から式(M−3.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−3.1)及び/又は式(M−3.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0332】
【化67】
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【0333】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0334】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0335】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−3.1)及び式(M−3.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0336】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−4)で表される群より選ばれる化合物であることが好ましい。
【0337】
【化68】
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【0338】
(式中、R
M41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M41からX
M48はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M41はフッ素原子、塩素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して1種、2種又は3種類以上組み合わせることが好ましい。
【0339】
一般式(M−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
【0340】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0341】
本発明で用いる液晶組成物(B)が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−4)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0342】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−4)で表される化合物は、具体的には式(M−4.1)から式(M−4.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−4.2)から式(M−4.4)で表される化合物を含有することが好ましく、式(M−4.2)で表される化合物を含有することがより好ましい。
【0343】
【化69】
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【0344】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−5)で表される化合物であることが好ましい。
【0345】
【化70】
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【0346】
(式中、R
M51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M51及びX
M52はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
M51はフッ素原子、塩素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して、実施形態ごとに適宜組み合わせて使用する。例えば、本発明の一つの実施形態では1種類、別の実施形態では2種類、さらに別の実施形態では3種類、またさらに別の実施形態では4種類、またさらに別の実施形態では5種類、またさらに別の実施形態では6種類以上組み合わせる。
【0347】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0348】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、焼きつきの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0349】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.1)から式(M−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0350】
【化71】
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【0351】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0352】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.11)から式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.11)、式(M−5.13)及び式(M−5.17)で表される化合物であることが好ましい。
【0353】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0355】
さらに、一般式(M−5)で表される化合物は、式(M−5.21)から式(M−5.28)で表される化合物であることが好ましく、式(M−5.21)、式(M−5.22)、式(M−5.23)及び式(M−5.25)で表される化合物であることが好ましい。
【0356】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、40質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0358】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−6)で表される化合物であることが好ましい。
【0359】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0360】
(式中、R
M61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
M61からX
M64はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M61はフッ素原子、塩素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることのできる化合物の種類に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などを考慮して実施形態ごとに適宜組み合わせる。
【0361】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0362】
本発明で用いる液晶組成物(B)が、駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−6)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0363】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.1)から式(M−6.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.2)及び式(M−6.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0364】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0366】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.11)から式(M−6.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.12)及び式(M−6.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0367】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0369】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.21)から式(M−6.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.21)、式(M−6.22)及び式(M−6.24)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0370】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0371】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0372】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.31)から式(M−6.34)で表される化合物が好ましい。中でも式(M−6.31)及び式(M−6.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0373】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0375】
さらに、一般式(M−6)で表される化合物は具体的には式(M−6.41)から式(M−6.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−6.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0376】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0378】
更に、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0379】
【化80】
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【0380】
(式中、X
M71からX
M76はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、R
M71は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、Y
M71はフッ素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜2種類含有することが好ましく、1種〜3種類含有することがより好ましく、1種〜4種類含有することが更に好ましい。
【0381】
一般式(M−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの特性を考慮して実施形態ごとに上限値と下限値がある。
【0382】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(M−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0383】
本発明で用いる液晶組成物(B)が、セルギャップの小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。駆動電圧の小さい液晶表示素子用に用いられる場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが適している。また、低温の環境で用いられる液晶表示素子用に用いられる場合は一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。応答速度の速い液晶表示素子に用いられる組成物である場合は、一般式(M−7)で表される化合物の含有量を少なめにすることが適している。
【0384】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.1)から式(M−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0385】
【化81】
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【0386】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0387】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.11)から式(M−7.14)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.11)及び式(M−7.12)で表される化合物であることが好ましい。
【0388】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0389】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0390】
さらに、一般式(M−7)で表される化合物は、式(M−7.21)から式(M−7.24)で表される化合物であることが好ましく、式(M−7.21)及び式(M−7.22)で表される化合物であることが好ましい。
【0391】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0393】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、一般式(M−8)で表される化合物であることが好ましい。
【0394】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
(式中、X
M81からX
M84はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M81はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M81は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、A
M81及びA
M82はそれぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基又は
【0396】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
を表すが、1,4−フェニレン基上の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよい。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0398】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0399】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.1)から式(M−8.4)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.1)及び式(M−8.2)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0400】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0402】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.11)から式(M−8.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0403】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0404】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0405】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.21)から式(M−8.24)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.22)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0406】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0407】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0408】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.31)から式(M−8.34)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.32)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0409】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0411】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.41)から式(M−8.44)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.42)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0412】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0413】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0414】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−8)で表される化合物は、具体的には式(M−8.51)から式(M−8.54)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−8.52)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0415】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0417】
さらに、一般式(M)で表される化合物は、その構造中に下記の部分構造を有していてもよい。
【0418】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0419】
(式中の黒点は上記部分構造が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
上記部分構造を有する化合物として、一般式(M−10)〜(M−18)で表される化合物であることが好ましい。
【0420】
一般式(M−10)で表される化合物は下記のものである。
【0421】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
(式中、X
M101及びX
M102はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M101はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M101は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M101及びW
M102はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0423】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0424】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−10)で表される化合物は、具体的には式(M−10.1)から式(M−10.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−10.5)から式(M−10.12)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0425】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0426】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0427】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0428】
一般式(M−11)で表される化合物は下記のものである。
【0429】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0430】
(式中、X
M111〜X
M114はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M111はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M111は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0431】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0432】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−11)で表される化合物は、具体的には式(M−11.1)から式(M−11.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−11.1)から式(M−11.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0433】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0435】
一般式(M−12)で表される化合物は下記のものである。
【0436】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0437】
(式中、X
M121及びX
M122はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M121はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M121は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M121及びW
M122はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0438】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0439】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−12)で表される化合物は、具体的には式(M−12.1)から式(M−12.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−12.5)から式(M−12.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0440】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0441】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0442】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0443】
一般式(M−13)で表される化合物は下記のものである。
【0444】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0445】
(式中、X
M131〜X
M134はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M131はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M131は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M131及びW
M132はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0446】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0447】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−13)で表される化合物は、具体的には式(M−13.1)から式(M−13.28)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−13.1)から(M−13.4)、(M−13.11)から(M−13.14)、(M−13.25)から(M−13.28)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0448】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0449】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0450】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0451】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0452】
一般式(M−14)で表される化合物は下記のものである。
【0453】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0454】
(式中、X
M141〜X
M144はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M141はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M141は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M141及びW
M142はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0455】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0456】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−14)で表される化合物は、具体的には式(M−14.1)から式(M−14.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−14.5)及び式(M−14.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0457】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0458】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0459】
一般式(M−15)で表される化合物は下記のものである。
【0460】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0461】
(式中、X
M151及びX
M152はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M151はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M151は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M151及びW
M152はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0462】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0463】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−15)で表される化合物は、具体的には式(M−15.1)から式(M−15.14)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−15.5)から式(M−15.8)、式(M−15.11)から式(M−15.14)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0464】
【化108】
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【0465】
【化109】
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【0466】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0467】
一般式(M−16)で表される化合物は下記のものである。
【0468】
【化110】
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【0469】
(式中、X
M161〜X
M164はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M161はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M161は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0470】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0471】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−16)で表される化合物は、具体的には式(M−16.1)から式(M−16.8)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−16.1)から式(M−16.4)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0472】
【化111】
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【0473】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0474】
一般式(M−17)で表される化合物は下記のものである。
【0475】
【化112】
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【0476】
(式中、X
M171〜X
M174はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M171はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M171は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、W
M171及びW
M172はそれぞれ独立して、−CH
2−又は−O−を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0477】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0478】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−17)で表される化合物は、具体的には式(M−17.1)から式(M−17.52)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−17.9)から式(M−17.12)、式(M−17.21)から式(M−17.28)、式(M−17.45)から式(M−17.48)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0479】
【化113】
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【0480】
【化114】
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【0481】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0482】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0483】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0484】
【化118】
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【0485】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0486】
一般式(M−18)で表される化合物は下記のものである。
【0487】
【化119】
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【0488】
(式中、X
M181〜X
M186はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表し、Y
M181はフッ素原子、塩素原子又は−OCF
3を表し、R
M181は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表す。)
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(M−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0489】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、焼き付きの発生しにくい組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0490】
さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)に使用される一般式(M−18)で表される化合物は、具体的には式(M−18.1)から式(M−18.12)で表される化合物であることが好ましく、中でも式(M−18.5)から式(M−18.8)で表される化合物を含有することが好ましい。
【0491】
【化120】
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【0492】
【化121】
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【0493】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0494】
本発明で用いる液晶組成物(B)は、一般式(K)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。これら化合物は誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
【0495】
【化122】
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【0496】
(式中、R
K1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
K1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
K1及びA
K2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
K1及びZ
K2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
K1が2、3又は4であってA
K2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
K1が2、3又は4であってZ
K1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
K1及びX
K3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
K2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
一般式(K)中、R
K1は、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
【0497】
信頼性を重視する場合にはR
K1はアルキル基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合にはアルケニル基であることが好ましい。
【0498】
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0499】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点はアルケニル基が結合している環構造中の炭素原子を表す。)
【0500】
【化123】
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【0501】
A
K1及びA
K2はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0502】
【化124】
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【0503】
下記の構造を表すことがより好ましい。
【0504】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0505】
Z
K1及びZ
K2はそれぞれ独立して−CH
2O−、−CF
2O−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−又は単結合を表すことが好ましく、−CF
2O−、−CH
2CH
2−又は単結合が更に好ましく、−CF
2O−又は単結合が特に好ましい。
【0506】
n
K1は、0、1、2又は3が好ましく、0、1又は2が好ましく、Δεの改善に重点を置く場合には0又は1が好ましく、T
NIを重視する場合には1又は2が好ましい。
【0507】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類である。またさらに、本発明の別の実施形態では4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類以上である。
【0508】
本発明で用いる液晶組成物(B)において、一般式(K)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0509】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対して、例えば本発明の一つの形態では95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
【0510】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0511】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0512】
【化126】
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【0513】
(式中、R
K11は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K11〜X
K14はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K11はフッ素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0514】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0515】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0516】
さらに、一般式(K−1)で表される化合物は、具体的には式(K−1.1)から式(K−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物が好ましく、式(K−1.2)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−1.1)又は式(K−1.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0517】
【化127】
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【0518】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0519】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0520】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0521】
(式中、R
K21は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K21〜X
K24はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K21はフッ素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0522】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0523】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0524】
さらに、一般式(K−2)で表される化合物は、具体的には式(K−2.1)から式(K−2.6)で表される化合物であることが好ましく、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物が好ましく、式(K−2.6)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−2.5)又は式(K−2.6)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0525】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0526】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0527】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0528】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0529】
(式中、R
K31は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K31〜X
K36はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K31はフッ素原子又はOCF
3を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0530】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0531】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0532】
さらに、一般式(K−3)で表される化合物は、具体的には式(K−3.1)から式(K−3.4)で表される化合物であることが好ましく、式(K−3.1)又は式(K−3.2)で表される化合物であることがより好ましい。また、式(K−3.1)および式(K−3.2)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0533】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0534】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0535】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0536】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0537】
(式中、R
K41は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K41〜X
K46はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K41はフッ素原子又はOCF
3を表し、Z
K41は−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0538】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0539】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0540】
さらに、一般式(K−4)で表される化合物は、具体的には式(K−4.1)から式(K−4.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物がより好ましい。また、式(K−4.1)、式(K−4.2)、式(K−4.11)、(K−4.12)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0541】
【化133】
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【0542】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0543】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0544】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0545】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0546】
(式中、R
K51は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K51〜X
K56はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K51はフッ素原子又はOCF
3を表し、Z
K51は−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0547】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0548】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0549】
さらに、一般式(K−5)で表される化合物は、具体的には式(K−5.1)から式(K−5.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−5.11)から式(K−5.14)で表される化合物が好ましく、式(K−5.12)で表される化合物がさらに好ましい。
【0550】
【化136】
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【0551】
【化137】
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【0552】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0553】
一般式(K)で表される化合物は、例えば一般式(K−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0554】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0555】
(式中、R
K61は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を表し、X
K61〜X
K68はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表し、Y
K61はフッ素原子又はOCF
3を表し、Z
K61は−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−又は−CF
2O−を表す。)
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類以上である。
【0556】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対しての式(K−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、22質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0557】
本発明で用いる液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。さらに、本発明で用いる液晶組成物(B)のT
NIを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値を低めに、上限値を低めにすることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高めに、上限値を高めにすることが好ましい。
【0558】
さらに、一般式(K−6)で表される化合物は、具体的には式(K−6.1)から式(K−6.18)で表される化合物であることが好ましく、式(K−6.15)から式(K−6.18)で表される化合物が好ましく、式(K−6.16)及び式(K−6.17)で表される化合物がさらに好ましい。また、式(K−6.16)と式(K−6.17)で表される化合物を同時に使用することも好ましい。
【0559】
【化139】
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【0560】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0561】
本発明で用いる液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、4質量%であり、5質量%であり、8質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、5質量%である。
【0562】
誘電率の異方性がほぼ無い液晶組成物は、一般式(L)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。
【0563】
【化141】
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【0564】
(式中、R
L1及びR
L2はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
L1は0、1、2又は3を表し、
A
L1、A
L2及びA
L3はそれぞれ独立して
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられても良い。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)、基(b)及び基(c)はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていても良く、
Z
L1及びZ
L2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−OCF
2−、−CF
2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
n
L1が2又は3であってA
L2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
L1が2又は3であってZ
L2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良いが、一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)及び(J)で表される化合物を除く。)
一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類である。あるいは本発明の別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
【0565】
液晶組成物(B)において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0566】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、10質量%であり、20質量%であり、30質量%であり、40質量%であり、50質量%であり、55質量%であり、60質量%であり、65質量%であり、70質量%であり、75質量%であり、80質量%である。好ましい含有量の上限値は、95質量%であり、85質量%であり、75質量%であり、65質量%であり、55質量%であり、45質量%であり、35質量%であり、25質量%である。
【0567】
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
【0568】
信頼性を重視する場合にはR
L1及びR
L2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
【0569】
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
【0570】
R
L1及びR
L2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
【0571】
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい。(各式中の黒点は環構造中の炭素原子を表す。)
【0572】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0573】
n
L1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0574】
A
L1、A
L2及びA
L3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造を表すことがより好ましく、
【0575】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0576】
トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
【0577】
Z
L1及びZ
L2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
【0578】
一般式(L)で表される化合物は分子内のハロゲン原子数が0個又は1個であることが好ましい。
【0579】
一般式(L)で表される化合物は一般式(L−1)〜(L−8)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0580】
一般式(L−1)で表される化合物は下記の化合物である。
【0581】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0582】
(式中、R
L11及びR
L12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L11及びR
L12は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0583】
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0584】
好ましい含有量の下限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%であり、45質量%であり、50質量%であり、55質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、95質量%であり、90質量%であり、85質量%であり、80質量%であり、75質量%であり、70質量%であり、65質量%であり、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%である。
【0585】
液晶組成物(B)の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、液晶組成物(B)のTniを高く保ち、温度安定性の良い組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
【0586】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0587】
【化145】
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【0588】
(式中R
L12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)から式(L−1−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−1.2)又は式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0589】
【化146】
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【0590】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0591】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが、特に液晶組成物(B)の粘度を低減できる点から好ましい。
【0592】
【化147】
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【0593】
(式中R
L12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
【0594】
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)から式(L−1−2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−2.2)から式(L−1−2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は液晶組成物(B)の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−2.3)及び式(L−1−2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度を良くするために30質量%以上にすることは好ましくない。
【0595】
【化148】
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【0596】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、38質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
【0597】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10質量%であり、15質量%であり、20質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、43質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、32質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、22質量%である。
【0598】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0599】
【化149】
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【0600】
(式中R
L13及びR
L14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
R
L13及びR
L14は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0601】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、30質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、27質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
【0602】
また、一般式(L−1−3)で表される化合物は、具体的には、
式(L−1−3.1)から式(L−1−3.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)又は式(L−1−3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は液晶組成物(B)の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。
【0603】
これらの化合物の中でも、特に式(L−1−3.1)と式(L−1−3.3)とを併用した場合、液晶組成物(B)の相溶性に優れ、低温安定性が極めて良好なものとなる点から好ましい。
【0604】
【化150】
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【0605】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
【0606】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0607】
【化151】
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【0608】
(式中R
L15及びR
L16はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
R
L15及びR
L16は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
【0609】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
【0610】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%である。
【0611】
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)から式(L−1−5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−4.2)又は式(L−1−5.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0612】
【化152】
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【0613】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、17質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%である。
【0614】
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、13質量%であり、15質量%であり、18質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、33質量%であり、35質量%であり、上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、80質量%であり、70質量%であり、60質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、40質量%であり、37質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%であり、28質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%である。組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
【0615】
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0616】
【化153】
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【0617】
(式中R
L17及びR
L18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−1−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、5質量%であり、10質量%であり、15質量%であり、17質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、25質量%であり、27質量%であり、30質量%であり、35質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、60質量%であり、55質量%であり、50質量%であり、45質量%であり、42質量%であり、40質量%であり、38質量%であり、35質量%であり、33質量%であり、30質量%である。
【0618】
さらに、一般式(L−1−6)で表される化合物は、式(L−1−6.1)から式(L−1−6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
【0619】
【化154】
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【0620】
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
【0621】
【化155】
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【0622】
(式中、R
L21及びR
L22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0623】
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0624】
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0625】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0626】
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
【0627】
【化156】
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【0628】
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
【0629】
【化157】
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【0630】
(式中、R
L31及びR
L32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L31及びR
L32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0631】
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0632】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%である。好ましい含有量の上限値は、液晶組成物(B)の総量に対して、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%であり、7質量%であり、6質量%であり、5質量%であり、3質量%である。
【0633】
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
【0634】
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.1)から式(L−3.7)で表される化合物であることが好ましく、特に高いΔnを保持しつつくかつ低粘度であること、或いはTniを高めつつ低粘度であることから、式(L−3.1)で表される化合物が好ましい。
【0635】
【化158】
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【0636】
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
【0637】
【化159】
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【0638】
(式中、R
L41及びR
L42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0639】
液晶組成物(B)において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0640】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
【0641】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
【0642】
【化160】
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【0643】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していても良いし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいても良い。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0644】
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、液晶組成物(B)の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0645】
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0646】
【化161】
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【0647】
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していても良い。
【0648】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、9質量%であり、11質量%であり、12質量%であり、13質量%であり、18質量%であり、21質量%である。好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、8質量%である。
【0649】
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、液晶組成物(B)の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%であり、19質量%であり、24質量%であり、30質量%であり、好ましい上限値は、45であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、13質量%である。
【0650】
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
【0651】
【化162】
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【0652】
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
【0653】
【化163】
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【0654】
(式中、R
L51及びR
L52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
R
L51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、R
L52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
【0655】
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0656】
液晶組成物(B)において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0657】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが他の液晶化合物との相溶性に優れ、かつ、少量の添加でΔn及びネマチック−等方相転移温度T
NIの値を上げることができ、低温安定性が良好となる点からこのましい。とりわけ、前記式(L−1−3.1)で表される化合物との併用した場合に、低温安定性が極めて優れたものとなる。
【0658】
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
【0659】
【化164】
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【0660】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
【0661】
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
【0662】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
【0663】
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
【0664】
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
【0665】
【化166】
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【0666】
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
【0667】
【化167】
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【0668】
(式中、R
L61及びR
L62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、X
L61及びX
L62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
R
L61及びR
L62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、X
L61及びX
L62のうち一方がフッ素原子他方が水素原子であることが好ましい。
【0669】
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
【0670】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%であり、23質量%であり、26質量%であり、30質量%であり、35質量%であり、40質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%であり、40質量%であり、35質量%であり、30質量%であり、20質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
【0671】
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
【0672】
【化168】
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【0673】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0674】
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0675】
【化169】
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【0676】
液晶組成物(B)の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%であり、15質量%であり、13質量%であり、10質量%であり、9質量%である。
【0677】
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
【0678】
【化170】
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【0679】
(式中、R
L71及びR
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、A
L71及びA
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるA
L2及びA
L3と同じ意味を表すが、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、Z
L71は一般式(L)におけるZ
L2と同じ意味を表し、X
L71及びX
L72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、R
L71及びR
L72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、A
L71及びA
L72はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、Z
L71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましく、X
L71及びX
L72は水素原子が好ましい。
【0680】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0681】
液晶組成物(B)において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0682】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
【0683】
液晶組成物(B)が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0684】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
【0685】
【化171】
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【0686】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
【0687】
【化172】
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【0688】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
【0689】
【化173】
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【0690】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)又は/及び式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
【0691】
【化174】
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【0692】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)又は/及び式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
【0693】
【化175】
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【0694】
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)から式(L−7.53)で表される化合物であることが好ましい。
【0695】
【化176】
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【0696】
一般式(L−8)で表される化合物は下記の化合物である。
【0697】
【化177】
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【0698】
(式中、R
L81及びR
L82はそれぞれ独立して一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、A
L81は一般式(L)におけるA
L1と同じ意味又は単結合を表すが、A
L81上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、X
L81〜X
L86はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、R
L81及びR
L82はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、A
L81は1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、一般式(L−8)中の同一の環構造上にフッ素原子は0個又は1個が好ましく、分子内にフッ素原子は0個又は1個であることが好ましい。
【0699】
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば本発明の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
【0700】
液晶組成物(B)において、一般式(L−8)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
【0701】
液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%であり、2質量%であり、3質量%であり、5質量%であり、7質量%であり、10質量%であり、14質量%であり、16質量%であり、20質量%である。液晶組成物(B)の総量に対しての式(L−8)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%であり、25質量%であり、23質量%であり、20質量%であり、18質量%であり、15質量%であり、10質量%であり、5質量%である。
【0702】
液晶組成物(B)が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−8)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
【0703】
さらに、一般式(L−8)で表される化合物は、式(L−8.1)から式(L−8.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−8.3)、式(L−8.5)、式(L−8.6)、式(L−8.13)、式(L−8.16)から式(L−8.18)、式(L−8.23)から式(L−8.28)で表される化合物であることがより好ましい。
【0704】
【化178】
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【0705】
【化179】
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【0706】
【化180】
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【0707】
液晶組成物(B)の総量に対しての一般式(L)、(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)及び(J)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。ただし、Δεの絶対値が大きい組成物を得る観点からは、一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)、(N−4)又は(J)で表される化合物のいずれか一方は0質量%であることが好ましい。
【0708】
液晶組成物(B)の総量に対して一般式(L−1)から(L−7)、一般式(M−1)から(M−8)、一般式(N−1)から(N−4)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、80質量%であり、85質量%であり、88質量%であり、90質量%であり、92質量%であり、93質量%であり、94質量%であり、95質量%であり、96質量%であり、97質量%であり、98質量%であり、99質量%であり、100質量%である。好ましい含有量の上限値は、100質量%であり、99質量%であり、98質量%であり、95質量%である。
【0709】
液晶組成物(B)は、分子内に過酸(−CO−OO−)構造等の酸素原子同士が結合した構造を持つ化合物を含有しないことが好ましい。
【0710】
組成物の信頼性及び長期安定性を重視する場合にはカルボニル基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましく、1質量%以下とすることが更に好ましく、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0711】
UV照射による安定性を重視する場合、塩素原子が置換している化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して15質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0712】
分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を多くすることが好ましく、分子内の環構造がすべて6員環である化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して80質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることがより好ましく、95質量%以上とすることが更に好ましく、実質的に分子内の環構造がすべて6員環である化合物のみで組成物を構成することが最も好ましい。
【0713】
組成物の酸化による劣化を抑えるためには、環構造としてシクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を少なくすることが好ましく、シクロヘキセニレン基を有する化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0714】
粘度の改善及びTniの改善を重視する場合には、水素原子がハロゲンに置換されていてもよい2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を少なくすることが好ましく、前記2−メチルベンゼン−1,4−ジイル基を分子内に持つ化合物の含有量を前記組成物の総質量に対して10質量%以下とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、3質量%以下とすることが好ましく、実質的に含有しないことが更に好ましい。
【0715】
本願において実質的に含有しないとは、意図せずに含有する物を除いて含有しないという意味である。
【0716】
液晶組成物(B)に含有される化合物が、側鎖としてアルケニル基を有する場合、前記アルケニル基がシクロヘキサンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は2〜5であることが好ましく、前記アルケニル基がベンゼンに結合している場合には当該アルケニル基の炭素原子数は4〜5であることが好ましく、前記アルケニル基の不飽和結合とベンゼンは直接結合していないことが好ましい。
【0717】
液晶組成物(B)に使用される液晶組成物の平均弾性定数(K
AVG)は10から25が好ましいが、その下限値としては、10が好ましく、10.5が好ましく、11が好ましく、11.5が好ましく、12が好ましく、12.3が好ましく、12.5が好ましく、12.8が好ましく、13が好ましく、13.3が好ましく、13.5が好ましく、13.8が好ましく、14が好ましく、14.3が好ましく、14.5が好ましく、14.8が好ましく、15が好ましく、15.3が好ましく、15.5が好ましく、15.8が好ましく、16が好ましく、16.3が好ましく、16.5が好ましく、16.8が好ましく、17が好ましく、17.3が好ましく、17.5が好ましく、17.8が好ましく、18が好ましく、その上限値としては、25が好ましく、24.5が好ましく、24が好ましく、23.5が好ましく、23が好ましく、22.8が好ましく、22.5が好ましく、22.3が好ましく、22が好ましく、21.8が好ましく、21.5が好ましく、21.3が好ましく、21が好ましく、20.8が好ましく、20.5が好ましく、20.3が好ましく、20が好ましく、19.8が好ましく、19.5が好ましく、19.3が好ましく、19が好ましく、18.8が好ましく、18.5が好ましく、18.3が好ましく、18が好ましく、17.8が好ましく、17.5が好ましく、17.3が好ましく、17が好ましい。消費電力削減を重視する場合にはバックライトの光量を抑えることが有効であり、液晶表示素子は光の透過率を向上させることが好ましく、そのためにはK
AVGの値を低めに設定することが好ましい。応答速度の改善を重視する場合にはK
AVGの値を高めに設定することが好ましい。
【0718】
液晶組成物(B)では、回転粘度と屈折率異方性の関数であるZが特定の値を示すことが好ましい。
【0719】
【数1】
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【0720】
(式中、γ
1は回転粘度を表し、Δnは屈折率異方性を表す。)
Zは、13000以下が好ましく、12000以下がより好ましく、11000以下が特に好ましい。
【0721】
液晶組成物(B)は、アクティブマトリクス表示素子に使用する場合においては、10
12(Ω・m)以上の比抵抗を有することが必要であり、10
13(Ω・m)が好ましく、10
14(Ω・m)以上がより好ましい。
【0722】
本発明で用いる重合性液晶組成物の重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、熱又は光によるラジカル重合により重合することが好ましく、光フリース転位によるラジカル重合、光重合開始剤によるラジカル重合がより好ましい。
【0723】
ここでラジカル重合を行う際の重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。斯かる光重合開始剤としては、具体的には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、4′−フェノキシアセトフェノン、4′−エトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系; ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系; 2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。これらの重合開始剤は単独で使用してもよいが、ラジカルの寿命や反応性を考慮して複数の重合開始剤を用いることも好ましい。
【0724】
上記した素子製造用の重合性液晶組成物は、本発明の液晶表示素子をVAモード等の垂直配向セルに適用する場合には、重合性モノマーとして垂直配向を誘起するメソゲン基を有さず、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートを併用してもよい。
【0725】
以上詳述した液晶層を形成させる方法は、具体的には、2枚の基板を透明電極層が内側となるように対向させ、スペーサーを介して、基板の間隔を調整し、基板間に重合性液晶組成物を狭持させ、該組成物中の重合性単量体成分(a)を重合させる方法が挙げられる。
【0726】
ここで、液晶層の厚さは1〜100μmとなるように調整するのが好ましく、1.5〜10μmの範囲が更に好ましく、偏光板を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。又、二枚の偏光板がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
【0727】
ここで、スペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。
(液晶表示素子の製造方法)
2枚の基板間に重合性液晶組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又はODF法などを用いることができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーンまたはフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の
重合性液晶組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本発明に用いられる重合性液晶組成物は、ODF工程における液晶及び重合性単量体成分(a)の複合材料の滴下が安定的に行えるため、好適に使用することができる。
【0728】
重合性単量体成分(a)を重合させる方法としては、液晶の良好な配向性能を得るためには、適度な重合速度が望ましいので、活性エネルギー線である紫外線又は電子線を単一又は併用して照射することによって重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良いし、非偏光光源を用いても良い。また、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合には、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性を有するものを使用する。また、電圧印加によって液晶分子にプレチルトを付与する場合には、重合性単量体成分(a)を含有した重合性液晶組成物に対し、−50℃から20℃の温度範囲で交流電界を印加するとともに、紫外線又は電子線を照射することが好ましい。印加する交流電界は、周波数10Hzから10kHzの交流が好ましく、周波数100Hzから5kHzがより好ましく、電圧は液晶表示素子の所望のプレチルト角に依存して選択することができる。すなわち、印加する電圧により液晶表示素子のプレチルト角を制御することができる。横電界型MVAモードの液晶表示素子においては、配向安定性及びコントラストの観点からプレチルト角を80度から89.9度に制御することが好ましい。
【0729】
照射時の温度は、前記した通り、重合性液晶組成物の温度が−50℃から30℃の範囲であることが好ましい。さらに20℃〜−10℃の範囲であることが、液晶分子の配向度が上昇した状態で重合できること、重合性単量体成分(a)の重合体と液晶組成物(B)との相溶性が低下し相分離が容易になってポリマーネットワーク(A)の空隙間隔が微細になり、オフ応答速度がより向上する点から好ましい。
【0730】
紫外線を発生させるランプとしては、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を用いることができる。また、照射する紫外線の波長としては、液晶組成物の吸収波長域でない波長領域の紫外線を照射することが好ましく、必要に応じて、365nm未満の紫外線をカットして使用することが好ましい。照射する紫外線の強度は、0.1mW/cm
2〜100W/cm
2が好ましく、2mW/cm
2〜50W/cm
2がより好ましい。照射する紫外線のエネルギー量は、適宜調整することができるが、10mJ/cm
2から500J/cm
2が好ましく、100mJ/cm
2から200J/cm
2がより好ましい。紫外線を照射する際に、強度を変化させても良い。紫外線を照射する時間は照射する紫外線強度により適宜選択されるが、10秒から3600秒が好ましく、10秒から600秒がより好ましい。
【0731】
垂直配向セルを用いて液晶層を形成する場合、ポリマーネットワーク(A)が繊維状、又は柱状の形態を有し、液晶セル基板に対して液晶組成物(B)の垂直方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。また、セル基板表面にある垂直配向膜に液晶が傾斜配向を誘起するようにラビング処理等を施してプレチルト角を誘起するようにした垂直配向膜が用いられた場合は、プレチルトして配向している液晶組成物(B)と同方向に繊維状、又は柱状のポリマーネットワーク(A)が傾斜して形成されていることが好ましい。
【0732】
ここで垂直配向用の所謂VAモードにおいて、低分子液晶化合物にプレチルトを付与し、かつ、ポリマーネットワーク(A)を傾斜させる方法としては、
(1)電圧を印加して低分子液晶化合物を傾斜配向状態にして紫外線等を照射させてポリマーネットワーク(A)を形成させる方法、
(2)ポリマーネットワーク中に光配向機能を組み込む方法、
が挙げられ、必要に応じてこれらの中から選択して本発明の液晶素子を作製することができる。
【0733】
具体的には、電圧を印加しながらプレチルト角を誘起する方法(1)としては、液晶組成物(B)の閾値電圧よりも0.9V程度低い電圧から2V程度高い電圧の範囲で電圧を印加しながら重合させる方法、或いは、閾値電圧以上の電圧をポリマーネットワーク(A)形成過程中に数秒〜数十秒の短時間印加した後、閾値電圧未満にしてポリマーネットワークを形成させる方法、或るいは閾値電圧以上の電圧を印加させながら重合させる方法が挙げられる。
【0734】
液晶層中に形成された繊維状又は柱状のポリマーネットワーク(A)は、垂直配向型の液晶表示素子の場合、透明基板平面に対して90度〜80度のプレチルト角を誘起するように傾斜して形成されていることが好ましく、斯かるプレチルト角は、90度〜85度の範囲、89.9度〜85度の範囲、89.9度〜87度の範囲、89.9度〜88度の範囲であることが特に好ましい。何れの方法で形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、二枚のセル基板間を連結していることが特徴である。これにより、プレチルト角の熱的安定性が向上して液晶表示素子の信頼性を高めることができる。
【0735】
次に、ポリマーネットワーク中に光配向機能を組み込む方法(2)としては、例えば、ワイゲルト効果を示すような、つまり光異性化反応するようなモノマーをポリマーネットワーク材料の一部として用いる方法が挙げられる。ポリマーネットワークを形成するための紫外線照射時に、紫外線の進行方向に対して、光異性化するモノマーの骨格部分が平行に配向しようとする効果を有するので、紫外線の照射方向を変えることによってプレチルトを制御することができる。光異性化反応するようなモノマーの添加量は0.01質量%以上1質量%以下の範囲が好ましい。
【0736】
次に、IPSやFFSモード等の平行配向セルを適用する場合には、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物を用いて相分離重合により繊維状、又は柱状のポリマーネットワーク(A)が液晶セル基板面に有る配向膜の配向方向に対して液晶組成物(B)は平行配向するが、形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸方向と液晶組成物(B)の配向方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。更に、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、液晶組成物(B)が分散している空隙を除いて略セル全体に存在していることがより好ましい。ポリマー界面方向に対して該プレチルト角を誘起させることを目的に、1価もしくは2価であり、かつ炭素原子数が8〜18のアルコール化合物のアクリレートもしくはメタクリレートをモノマーとして、メソゲン基を有するモノマーと用いることが好ましい。
【0737】
本発明の液晶表示素子において、高いコントラストの表示を得るには光散乱が起こらないようにすることが望ましい。例えば、重合性液晶組成物中の重合性単量体(a)の含有率を増加させて、得られるポリマーネットワークの空隙間隔を可視光の波長よりも小さくすることによって光散乱を防止することができる。
【0738】
本発明の液晶表示素子中の液晶層は、基板表面の極性が高い場合には、重合性単量体成分(a)が液晶セル基板界面付近に集まり易く、基板表面からポリマーネットワークが成長して基板界面に付着するようにポリマーネットワーク層が形成され、セル基板表面からポリマーネットワーク層、液晶層、ポリマーネットワーク層、対向基板の順で積層されるように形成される。本発明ではこの様なポリマーネットワーク層/液晶層/ポリマーネットワーク層の積層構造を示し、且つセル断面方向に対して少なくともセル厚の0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上の厚さのポリマーネットワーク層が形成されているとポリマーネットワークと低分子液晶とのアンカーリング力の作用により立下り時間が短くなる効果が発現して好ましい傾向を示す。但し、セル厚の影響が大きくなるのでセル厚を増すと立ち下がり時間が長くなる場合は、ポリマーネットワーク層の厚さを必要に応じて増加させれば良い。ポリマーネットワーク層に於けるポリマーネットワークの構造は、低分子液晶と配向容易軸や一軸の光学軸が略同一の方向へ揃っていれば良く、低分子液晶がプレチルト角を誘起するように形成されていれば良い。ポリマーネットワーク(A)の平均空隙間隔は90nmから450nmの範囲が好ましい。
【0739】
また、本発明において、重合性液晶組成物中のモノマー含有量は、該含有量が低く過ぎる場合には、セル全体にポリマーネットワーク層が被うのに必要な量が不足しポリマーネットワーク層が不連続に形成されやすくことから、前記した通り、0.5〜20質量%の範囲であることが好ましい。ここで、液晶表示素子製造用の液晶組成物中のモノマー濃度が高いほど、液晶組成物(B)とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなり、立ち下りの応答時間(τd)は高速化する。一方、液晶組成物(B)とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなると、駆動電圧は上昇してしまう傾向がある。このような傾向から、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物中の重合性単量体(a)の濃度は、1〜10質量%の範囲、なかでも1.5〜8質量%の範囲、特に1.8〜5質量%の範囲であることが好ましい。
また、オフ応答速度と低駆動電圧の観点からは前記した通り、1〜10質量%の範囲がより好ましいが、更に高速のオフ応答速度を得たい場合には6〜10質量%の範囲が好ましい。斯かる6〜10質量%の範囲とする場合、該二官能モノマーとアンカーリング力が低い単官能モノマーとの組み合わせが好ましく、必要に応じて25℃から−20℃の範囲で重合を行い、重合相分離構造を形成させることが好ましい。また、重合を行う際、重合性単量体(a)の融点が室温以上であれば該融点より5℃程度低くすると低温重合と同様な効果が得られるので好ましい。
【0740】
本発明の液晶表示素子をTFT駆動液晶表示素子に用いる場合は、フリッカーの抑制、焼付けによる残像等の信頼性を向上させる必要があり電圧保持率が重要な特性になる。電圧保持率を低下させる原因は、液晶表示素子製造用の液晶組成物内に含有しているイオン性不純物、特に、可動イオンがある為、少なくとも比抵抗を10
14Ω・cm以上が得られるように精製処理等を施し可動イオンを取り除くことが好ましい。又、ラジカル重合でポリマーネットワークを形成させると光重合開始剤等から発生するイオン性不純物により電圧保持率が低下する場合があるが、有機酸や低分子の副生成物発生量が少ない重合開始剤を選定することが好ましい。
【0741】
更に、本発明の液晶表示素子が、配向膜を有する場合、該配向膜の配向容易軸方向とポリマーネットワーク(A)の配向容易軸方向が同一であることが好ましい。この場合、偏光板、位相差フィルムなどを具備させることにより、この配向状態を利用して表示させることができる。
【0742】
本発明の液晶表示素子は、少なくとも一方に透明性を有する2枚の基板間にポリマーネットワーク(A)と液晶組成物(B)とを含有する液晶層が挟持されており、かつ該液晶層のレオメーター測定による25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)から算出される損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が0.1〜1の範囲であることを特徴とする。本発明の液晶表示素子の製造方法としては、前記ポリマーネットワーク(A)を形成させる際に、前記該液晶層のレオメーター測定による25℃・測定周波数1Hzで正弦振動させたときの貯蔵弾性率(Pa)と損失弾性率(Pa)から算出される損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1以下となるまでの紫外線照射時間を25秒〜45秒とすることにより、液晶のバランスの良い駆動電圧及び透過率を兼ね備えながらも速い応答速度を実現できるようになるため好ましく、紫外線照射を27秒〜43秒とすることがより好ましく、紫外線照射を30秒〜40秒とすることが特に好ましい。なお、損失係数(tanδ)(損失弾性率/貯蔵弾性率)が1以下となるまでの紫外線照射時間を前述の範囲にするには、液晶組成物(B)に含有する重合開始剤の含有量を調節する方法、電圧の印加時間を調節する方法、ポリマーネットワーク(A)を形成させるために用いる重合性単量体成分(a)として最適材料を用いる方法、重合性単量体成分(a)の含有量を調節する方法、紫外線照射強度を調節する方法などが挙げられ、これらの方法を適宜組み合わせることにより達成することが可能である。
【0743】
以上、詳述した液晶層を有する本発明の液晶表示素子の具体的な構造につき、
図1〜
図11を用いて説明する。
【0744】
(FFS型液晶表示素子)
図1は、液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。
図1では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。本発明の一実施形態の液晶表示素子10の構成は、
図1に記載するように、対向に配置された第一の透明絶縁基板2と、第二の透明絶縁基板7との間に挟持された液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物(または液晶層5)を有する横電界方式(図では一例としてIPSの一形態としてのFFSモード)の液晶表示素子である。第一の透明絶縁基板2は、液晶層5側の面に電極層3が形成されている。また、液晶層5と、第一の透明絶縁基板2及び第二の透明絶縁基板7のそれぞれの間に、液晶層5を構成する液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4(4a,4b)を有し、該素子製造用の重合性液晶組成物中の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板2,7に対して略平行になるように配向されている。
【0745】
図1および
図3に示すように、前記第二の基板7および前記第一の基板2は、一対の偏光板1,8により挟持されてもよい。さらに、
図1では、前記第二の基板7と配向膜4との間にカラーフィルター6が設けられている。
【0746】
なお、本発明に係る液晶表示素子の形態としては、いわゆるカラーフィルターオンアレイ(COA)であってもよく、薄膜トランジスタを含む電極層と液晶層との間にカラーフィルターを設けても、または当該薄膜トランジスタを含む電極層と第一の基板との間にカラーフィルターを設けてもよい。
【0747】
すなわち、本発明の一実施形態の液晶表示素子10は、第一の偏光板1と、第一の基板2と、薄膜トランジスタを含む電極層3と、配向膜4と、液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物を含む液晶層5と、配向膜4と、カラーフィルター6と、第二の基板7と、第二の偏光板8と、が順次積層された構成である。
【0748】
第一の基板2と第二の基板7はガラス又はプラスチックの如き柔軟性をもつ透明な材料を用いることができ、一方はシリコン等の不透明な材料でも良い。2枚の基板2、7は、周辺領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサーまたはフォトリソグラフィ法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されていてもよい。
【0749】
図2は、
図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
図3は、
図2におけるIII−III線方向に
図1に示す液晶表示素子を切断した断面図である。
図2に示すように、第一の基板2の表面に形成されている薄膜トランジスタを含む電極層3は、走査信号を供給するための複数のゲート配線24と表示信号を供給するための複数のデータ配線25とが、互いに交差してマトリクス状に配置されている。なお、
図2には、一対のゲート配線24及び一対のデータ配線25のみが示されている。
【0750】
複数のゲート配線24と複数のデータ配線25とにより囲まれた領域により、液晶表示装置の単位画素が形成され、該単位画素内には、画素電極21及び共通電極22が形成されている。ゲート配線24とデータ配線25が互いに交差している交差部近傍には、ソース電極27、ドレイン電極26およびゲート電極28を含む薄膜トランジスタが設けられている。この薄膜トランジスタは、画素電極21に表示信号を供給するスイッチ素子として、画素電極21と連結している。また、ゲート配線24と並行して、共通ライン(図示せず)が設けられる。この共通ラインは、共通電極22に共通信号を供給するために、共通電極22と連結している。
【0751】
薄膜トランジスタの構造の好適な一態様は、例えば、
図3で示すように、基板2表面に形成されたゲート電極11と、当該ゲート電極11を覆い、且つ前記基板2の略全面を覆うように設けられたゲート絶縁層12と、前記ゲート電極11と対向するよう前記ゲート絶縁層12の表面に形成された半導体層13と、前記半導体層13の表面の一部を覆うように設けられた保護層14と、前記保護層14および前記半導体層13の一方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたドレイン電極16と、前記保護層14および前記半導体層13の他方の側端部を覆い、かつ前記基板2表面に形成された前記ゲート絶縁層12と接触するように設けられたソース電極17と、前記ドレイン電極16および前記ソース電極17を覆うように設けられた絶縁保護層18と、を有している。ゲート電極11の表面にゲート電極との段差を無くす等の理由により陽極酸化被膜(図示せず)を形成してもよい。
【0752】
前記半導体層13には、アモルファスシリコン、多結晶ポリシリコンなどを用いることができるが、ZnO、IGZO(In−Ga−Zn−O)、ITO等の透明半導体膜を用いると、光吸収に起因する光キャリアの弊害を抑制でき、素子の開口率を増大する観点からも好ましい。
【0753】
さらに、ショットキー障壁の幅や高さを低減する目的で半導体層13とドレイン電極16またはソース電極17との間にオーミック接触層15を設けても良い。オーミック接触層には、n型アモルファスシリコンやn型多結晶ポリシリコン等のリン等の不純物を高濃度に添加した材料を用いることができる。
【0754】
ゲート配線26やデータ配線25、共通ライン29は金属膜であることが好ましく、Al、Cu、Au、Ag、Cr、Ta、Ti、Mo、W、Ni又はその合金がより好ましく、Al又はその合金の配線を用いる場合が特に好ましい。また、絶縁保護層18は、絶縁機能を有する層であり、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、ケイ素酸窒化膜等で形成される。
【0755】
図2及び
図3に示す実施の形態では、共通電極22はゲート絶縁層12上のほぼ全面に形成された平板状の電極であり、一方、画素電極21は共通電極22を覆う絶縁保護層18上に形成された櫛形の電極である。すなわち、共通電極22は画素電極21よりも第一の基板2に近い位置に配置され、これらの電極は絶縁保護層18を介して互いに重なりあって配置される。画素電極21と共通電極22は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、IZTO(Indium Zinc Tin Oxide)等の透明導電性材料により形成される。画素電極21と共通電極22が透明導電性材料により形成されるため、単位画素面積で開口される面積が大きくなり、開口率及び透過率が増加する。
【0756】
また、画素電極21と共通電極22とは、これらの電極間にフリンジ電界を形成するために、画素電極21と共通電極22との間の電極間距離(最小離間距離とも称する):Rが、第一の基板2と第二の基板7との距離:Gより小さくなるように形成される。ここで、電極間距離:Rは各電極間の基板に水平方向の距離を表す。
図3では、平板状の共通電極22と櫛形の画素電極21とが重なり合っているため、電極間距離:R=0となる例が示されており、最小離間距離:Rが第一の基板2と第二の基板7との距離(すなわち、セルギャップ):Gよりも小さくなるため、フリンジの電界Eが形成される。したがって、FFS型の液晶表示素子は、画素電極21の櫛形を形成するラインに対して垂直な方向に形成される水平方向の電界と、放物線状の電界を利用することができる。画素電極21の櫛状部分の電極幅:l、及び、画素電極21の櫛状部分の間隙の幅:mは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に形成することが好ましい。また、画素電極と共通電極との最小離間距離Rは、ゲート絶縁層12の(平均)膜厚として調整することができる。また、本発明に係る液晶表示素子は、
図3とは異なり、画素電極21と共通電極22との間の電極間距離(最小離間距離とも称する):Rが、第一の基板2と第二の基板7との距離:Gより大きくなるように形成されてもよい(IPS方式)。この場合、例えば、櫛状の画素電極および櫛状の共通電極が略同一面内に交互になるよう設けられる構成など挙げられる。
【0757】
本発明に係る液晶表示素子の好ましい一形態は、
図3に示す様にフリンジ電界を利用するFFS方式の液晶表示素子であることが好ましく、共通電極22と画素電極21との隣接する最短離間距離dが、配向膜4同士(基板間距離)の最短離間距離Dより短いと、共通電極と画素電極との間にフリンジ電界が形成され、液晶分子の水平方向および垂直方向の配向を効率的に利用することができる。本発明のFFS方式液晶表示素子の場合、長軸方向が、配向層の配向方向と平行になるように配置している液晶分子に電圧を印加すると、画素電極21と共通電極22との間に放物線形の電界の等電位線が画素電極21と共通電極22の上部にまで形成され、液晶層5内の液晶分子の長軸が形成された電界に沿って配列する。したがって、低い誘電異方性でも液晶分子が駆動することができる。
【0758】
本発明に係るカラーフィルター6は、光の漏れを防止する観点で、薄膜トランジスタおよびストレイジキャパシタに対応する部分にブラックマトリックス(図示せず)を形成することが好ましい。また、カラーフィルター6は、通常R(赤)G(緑)B(青)の3つフィルター画素から映像や画像の1ドットからなり、例えば、これら3つのフィルターはゲート配線の延びる方向に並んでいる。当該カラーフィルター6は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作製することができる。顔料分散法によるカラーフィルターの作製方法を一例に説明すると、カラーフィルター用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルター用の画素部を作製することができる。その他、該基板上に、TFT、薄膜ダイオード等の能動素子を設けた画素電極を設置したいわゆるカラーフィルターオンアレイでもよい。
【0759】
電極層3及びカラーフィルター6上には、液晶層5を構成する素子製造用の重合性液晶組成物と直接当接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜4が設けられている。
【0760】
また、偏光板1及び偏光板8は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することができ、それらの透過軸がノーマリーブラックモードで作動するように、互いに直行する透過軸を有することが好ましい。特に、偏光板1及び偏光板8のうちいずれかは、液晶分子の配向方向と平行な透過軸を有するように配置することが好ましい。また、コントラストが最大になるように液晶の屈折率異方性Δnとセル厚dとの積を調整することが好ましい。更に、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。
【0761】
また、他の液晶表示素子の実施形態として、IPS方式の場合は、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い条件であり、例えば、共通電極と画素電極とが同一基板上に形成され、かつ当該共通電極と当該画素電極とが交互に配置されている場合であって、近接する共通電極と画素電極との最短離間距離dが液晶配向膜間の最短離間距離Gより長い構造などが挙げられる。
【0762】
本発明に係る液晶表示素子の製造方法において、電極層を有する基板および/または基板表面に被膜を形成した後、当該被膜が内側となるように一対の基板を離間して対向させた後、液晶組成物を基板間に充填することが好ましい。その際、スペーサーを介して、基板の間隔を調整することが好ましい。
【0763】
前記基板間の距離(得られる液晶層の平均厚さであり、被膜間の離間距離とも称する。)は、1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。前記被膜間の平均離間距離は、1.5〜10μmが更に好ましい。
【0764】
本発明において、基板間の距離を調整するために使用するスペーサーとしては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料などからなる柱状スペーサー等が挙げられる。
【0765】
(FFS型又はIPS型液晶表示素子)
本発明に係る液晶表示素子の他の実施形態を
図4および
図5を用いて以下説明する。
例えば、
図4は、
図1における基板2上に形成された電極層3のII線で囲まれた領域を拡大した平面図の他の実施形態である。
【0766】
図4に示すように、画素電極21がスリットを有する構成としてもよい。また、スリットのパターンを、ゲート配線24又はデータ配線25に対して傾斜角を持つようにして形成してもよい。
【0767】
当該
図4に示す画素電極21は、略長方形の平板体の電極を略矩形枠状の切欠き部でくり抜かれた形状である。また、当該画素電極21の背面には絶縁保護層18(図示せず)を介して櫛歯状の共通電極22が一面に形成されている。そして、隣接する共通電極と画素電極との最短離間距離Rは配向層同士の最短離間距離Gより短い場合はFFS方式になり、長い場合はIPS方式になる。また、前記画素電極の表面には保護絶縁膜及び配向膜層によって被覆されていることが好ましい。なお、上記と同様に、前記複数のゲート配線24と複数のデータ配線25とに囲まれた領域にはデータ配線25を介して供給される表示信号を保存するストレイジキャパシタ23を設けてもよい。なお、切欠き部の形状は特に制限されるものではなく、
図4で示す略矩形だけでなく、楕円、円形、長方形状、菱形、三角形、または平行四辺形など公知の形状の切欠き部を使用できる。また、隣接する共通電極と画素電極との最短離間距離Rが配向層同士の最短離間距離Gより長い場合はIPS方式の表示素子となり、短い場合はFFS方式の表示素子となる。
【0768】
図5は、
図3とは別の実施形態であり、
図2におけるIII−III線方向に
図1に示す液晶表示素子を切断した断面図の他の例である。配向層4および薄膜トランジスタ20を含む電極層3が表面に形成された第一の基板2と、配向層4が表面に形成された第二の基板8とが所定の間隔Gで配向層同士向かい合うよう離間しており、この空間に液晶組成物を含む液晶層5が充填されている。第一の基板2の表面の一部にゲート絶縁層12、共通電極22、絶縁保護層18、画素電極21および配向層4の順で積層されている。また、
図4にも示すように、画素電極21は、平板体の中央部および両端部が三角形状の切欠き部でくり抜かれ、さらに残る領域を長方形状の切欠き部でくり抜かれた形状であり、かつ共通電極22は前記画素電極21の略楕円形状の切欠き部と略平行に櫛歯状の共通電極が前記画素電極より第一の基板側に配置されてなる構造である。
【0769】
図5に示す例では、櫛形あるいはスリットを有する共通電極22を用いており、画素電極21と共通電極22との電極間距離はR=αとなる(なお、
図5では便宜上電極間距離の水平成分をRとして記載している)。さらに、
図3では共通電極22がゲート絶縁層12上に形成されている例が示されていたが、
図5に示されるように、共通電極22を第一の基板2上に形成して、ゲート絶縁層12を介して画素電極21を設けるようにしてもよい。画素電極21の電極幅:l、共通電極22の電極幅:n、及び、電極間距離:Rは、発生する電界により液晶層5内の液晶分子が全て駆動され得る程度の幅に適宜調整することが好ましい。さらに、
図5では画素電極21と共通電極22の厚み方向の位置が異なるが、両電極の厚み方向における位置を同一にしてもまたは共通電極が液晶層5側に設けてもよい。
(垂直電界型の液晶表示素子)
本発明の好ましい他の実施形態は、液晶組成物を用いた垂直電界型の液晶表示素子である。
図6は、垂直電界型の液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。また、
図6では、説明のために便宜上各構成要素を離間して記載している。
図7は、当該
図6における基板上に形成された薄膜トランジスタを含む電極層300(または薄膜トランジスタ層300とも称する。)のVII線で囲まれた領域を拡大した平面図である。
図8は、
図7におけるVIII−VIII線方向に
図6に示す液晶表示素子を切断した断面図である。以下、
図6〜8を参照して、本発明に係る垂直電界型の液晶表示素子を説明する。
【0770】
本発明に係る垂直配向型の液晶表示素子1000の構成は、
図6に記載するように透明導電性材料からなる透明電極(層)600(または共通電極600とも称する。)を具備した第二の基板800と、透明導電性材料からなる画素電極および各画素に具備した前記画素電極を制御する薄膜トランジスタを形成した薄膜トランジスタ層300を含む第一の基板200と、前記第一の基板200と第二の基板800との間に挟持された液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物(または液晶層500)を有し、該素子製造用の重合性液晶組成物に係る中の液晶分子の電圧無印加時の配向が前記基板200,800に対して略垂直である液晶表示素子である。また
図6および
図8に示すように、前記第二の基板800および前記第一の基板200は、一対の偏光板100,900により挟持されてもよい。
【0771】
さらに、
図6では、前記第一の基板200と共通電極600との間にカラーフィルター700が設けられている。さらに、本発明に係る液晶層500と隣接し、かつ、当該液晶層500を構成する液晶表示素子製造用の重合性液晶組成物と直接接するよう一対の配向膜400が透明電極(層)600,1400表面に形成されている。
【0772】
すなわち、本発明に係る垂直配向型の液晶表示素子1000は、第一の偏光板100と、第一の基板200と、薄膜トランジスタを含む電極層(又は薄膜トランジスタ層とも称する)300と、光配向膜400と、液晶組成物を含む層500と、配向膜400と、共通電極600と、カラーフィルター700と、第二の基板800と、第二の偏光板900と、が順次積層された構成である。尚、配向膜400は光配向膜であることが好ましい。
【0773】
配向膜は、配向処理(マスクラビングあるいは光配向)を用いて製造された液晶セルで、液晶セルの透明電極の内側(液晶層側)には、ガラス基板の法線方向から僅かに傾いた(0.1〜5.0°)垂直配向膜が形成されている。
【0774】
ここで、液晶層500は、本発明の重合液晶組成物を基板間に挟持させた際、垂直配向膜の配向規制力を受け重合性モノマーが垂直方向に配列することとなり、次いで、紫外線光照射によって重合性モノマーを重合・固定化させてポリマーネットワーク(A)が生成することによって形成される。このようにして形成されたポリマーネットワーク(A)は、(1)上下基板にまたがってポリマーネットワークを形成、(2)上(下)基板から液晶方向に向かってポリマーネットワークを形成するが途中までのもの、(3)配向膜の表面近傍のみポリマーネットワークを形成。(主に単官能モノマーの場合)、(4)液晶層内でポリマーネットワーク同士が結合(Floatingはしていない)の、およそ4種類の構造を有するものと推定される。これらの形態は、何れも、ポリマーネットワークの屈折率異方性、又は配向容易軸は、閾値電圧以上の配向状態を安定化させるように形成されたものと、閾値電圧以下の配向状態を安定化させるように形成された二種類の異なる配向状態を安定化させるポリマーネットワークが混在している。
【0775】
この様にして形成された異方性を有するポリマーポリマネットワーク(A)は、液晶組成物(B)とはほぼ完全に分離しており、これら高分子ネットワーク(A)の間に液晶分子は配向配列しているものと考えられる。このように液晶分子と高分子ネットワークが混在し、電圧無印加時に光散乱を起こす所謂ポリマーネットワーク型液晶の分子配列構造とは明らかに異なり、またPSA等で用いられる配向膜近傍に偏在する配向維持層のそれとも全く異なる構造を有するものである。
【0776】
図6〜8では、マスクラビングあるいは光配向膜を用いた方法によるポリマーネットワークと液晶分子配列構造を示したが、リブやスリット等の構造物を有する所謂MVA方式や、PVA等においても、基板界面近傍のポリマーネットワークや液晶分子のプレチルトが、構造物やスリットを介して印加される斜め電界強度などによって形成され、前記
図6と同等な素子構造となる。
この様なポリマーネットワークと液晶分子による液晶分子配列を有するすいVA型液晶表示装置では、電圧無印加時の液晶分子に対するアンカーリング力が、液晶配向膜とポリマーネットワークの持つアンカーリング力の相乗作用により、より強く作用する事となって、結果的に電圧OFF時の応答速度を速くすることが可能となる。
【0777】
以上詳述した垂直配向型の液晶表示素子は、視野角依存を改善する為に画素が2分割乃至8分割されたマルチドメインを有する分割配向させたものが好ましい。斯かる分割配向は配向膜4をマスクラビングによって作成してもよいが、
1)第1の基板2側及び第2の基板7の双方にリブを形成させる手段、
2)第1の画素電極21に電極スリットを用い、第2の基板7上にリブを形成させる手段、
3)第1の画素電極21に微細スリット電極を用い、第2の基板7上にリブを形成させる手段、
4)第1の画素電極21、及び第2の共通電極22にスリット電極を用いる手段、
5)第1の画素電極21に微細スリット電極を用い、かつ、ポリマーによって液晶にプレチルトを形成させる手段、
6)配向膜として直線偏光紫外線照射によって均一な配向方位を液晶に付与できる所謂光配向膜を用いる手段等によって液晶の配向方位が規定されたマルチドメイン型のVA素子であることが、素子の製造が容易であることから好ましい。これらのなかでも、特に、液晶層5のポリマーネットワークを形成しやすいこと、また、液相層5内でポリマーネットワーク(A)の光軸方向又は配向容易軸方向と、前記液晶組成物(B)の配向容易軸方向が同一乃至略同一方向に制御することが容易であることから、前記5)ポリマーによって液晶にプレチルトを形成させる手段、又は前記6)の光配向膜を用いる手段によって得られた液晶表示素子であることが好ましい。
【0778】
ここで、前記した画素電極22として微細スリット電極を用いる場合、
図11に示す様な所謂フィッシュボーン型電極であることが配向方位の安定性の点から好ましい。該フィッシュボーン型電極を
図24に基づいて詳述すれば、該電極はITOなどの透明電極から構成され、その電極材料(ITO)の一部を抜いたスリット部512cが設けられている。長方形のセルの各対向辺の中点を結ぶ十字状で幅3〜5μm程度のスリット部512cが配向規制用構造物として機能し、スリット部512cから斜め45°方向に延びて幅5μmのスリット部512cがピッチ8μmで複数形成されており、これらが傾斜時の方位角方向の乱れを抑える補助的な配向制御因子として機能する。表示用画素電極の幅は例えば3μmである。
図24では、画素幹部電極512aと画素枝部電極512bは45度の角度を有しながら、画素中央を対称中心として90度ずつ異なる4方向に枝部電極が延在された構造を有している。液晶分子は電圧印加により傾斜配向するが、傾斜配向の方位がこれらの4方向と一致しするように傾斜配向するので、4分割されたドメインを一つの画素内に形成させて表示の視野角を広くすることができる。
【0779】
(横・斜め電界型による配向分割された液晶表示素子)
配向膜に対してマスクラビングやマスク照射等の煩雑な工程を行なわず、電極構造を工夫するだけの簡便な手法で液晶表示領域を配向分割できる新たな表示技術として、斜め電界と横電界を液晶層に作用させる方法が提案されている。
【0780】
この方式によれば、配向膜に対してマスクラビングや、光配向膜を用いたマスク照射等の煩雑な工程を行なわず、電極構造を工夫するだけの簡便な手法で液晶表示領域を配向分割できる。
【0781】
図9は、TFT液晶表示素子の一画素PXにおける最小の単位構成体を概略的に示す平面図である。以下に、横・斜め電界モード液晶表示装置の構造及び動作について、簡単に説明する。
画素電極PEは、主画素電極PA及び副画素電極PBを有している。これらの主画素電極PA及び副画素電極PBは、互いに電気的に接続されており、これらの主画素電極PA及び副画素電極PBがともにアレイ基板ARに備えられている。主画素電極PAは、第2方向Yに沿って延出しており、副画素電極PBは、第2方向Yとは異なる第1方向Xに沿って延出している。
図9に図示した例では、画素電極PEは、略十字状に形成されている。副画素電極PBは、主画素電極PAの略中央部に結合し、主画素電極PAからその両側、即ち画素PXの左側及び右側に向かって延出している。これらの主画素電極PA及び副画素電極PBは、互いに略直交している。画素電極PEは、画素電極PBにおいて図示を省略したスイッチング素子と電気的に接続されている。
【0782】
共通電極CEは、主共通電極CA及び副共通電極CBを有しており、これらの主共通電極CA及び副共通電極CBは、互いに電気的に接続されている。共通電極CEは、画素電極PEとは電気的に絶縁されている。共通電極CEにおいて、主共通電極CA及び副共通電極CBの少なくとも一部は、対向基板CTに備えられている。主共通電極CAは、第2方向Yに沿って延出している。この主共通電極CAは、主画素電極PAを挟んだ両側に配置されている。このとき、X−Y平面内において、主共通電極CAのいずれも主画素電極PAとは重ならず、主共通電極CAのそれぞれと主画素電極PAとの間には略等しい間隔が形成されている。つまり、主画素電極PAは、隣接する主共通電極CAの略中間に位置している。副共通電極CBは、第1方向Xに沿って延出している。副共通電極CBは、副画素電極PBを挟んだ両側に配置されている。このとき、X−Y平面内において、副共通電極CBのいずれも副画素電極PBとは重ならず、副共通電極CBのそれぞれと副画素電極PBとの間には略等しい間隔が形成されている。つまり、副画素電極PBは、隣接する副共通電極CBの略中間に位置している。
【0783】
図9に図示した例では、主共通電極CAは、第2方向Yに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。副共通電極CBは、第1方向Xに沿って直線的に延出した帯状に形成されている。なお、主共通電極CAは第1方向Xに沿って間隔をおいて2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の左側の主共通電極をCALと称し、図中の右側の主共通電極をCARと称する。また、副共通電極CBは第2方向Yに沿って間隔をおいて2本平行に並んでおり、以下では、これらを区別するために、図中の上側の主共通電極をCBUと称し、図中の下側の主共通電極をCBBと称する。主共通電極CAL及び主共通電極CARは、副共通電極CBU及び副共通電極CBBと同電位である。
図9に図示した例では、主共通電極CAL及び主共通電極CARは、副共通電極CBU及び副共通電極CBBとそれぞれ繋がっている。
【0784】
主共通電極CAL及び主共通電極CARは、それぞれ当該画素PXと左右に隣接する画素間に配置されている。すなわち、主共通電極CALは図示した当該画素PXとその左側の画素(図示せず)との境界に跨って配置され、主共通電極CARは図示した当該画素PXとその右側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されている。副共通電極CBU及び主共通電極CBBは、それぞれ当該画素PXと上下に隣接する画素間に配置されている。すなわち、副共通電極CBUは図示した当該画素PXとその上側の画素(図示せず)との境界に跨って配置され、副共通電極CBBは図示した当該画素PXとその下側の画素(図示せず)との境界に跨って配置されている。
【0785】
図9に図示した例では、一画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとで区画された4つの領域が主として表示に寄与する開口部あるいは透過部として形成される。この例では、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと略平行な方向である。第1配向膜AL1は、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第1配向膜AL1は、画素電極PEを覆っており、第2層間絶縁膜13の上にも配置されている。このような第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成されている。他方、第2配向膜AL2は、対向基板CTのアレイ基板ARと対向する面に配置されて、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。なお、アレイ基板ARは、さらに、共通電極の一部として第1主共通電極及び第1副共通電極を備えている場合もある。
【0786】
図10は、8分割斜め電界モード液晶セルの電極構造の模式図である。この様に1画素を8つに分割することで更なる広視野角化を実現できる。
【0787】
次に、上記構成の液晶表示パネルの動作について説明する。液晶層に電圧が印加されていない状態、つまり画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていない無電界時(OFF時)には、
図9において破線で示したように液晶層LQの液晶分子LMは、その長軸が第1配向膜AL1の第1配向処理方向PD1及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向PD2を向くように配向している。このようなOFF時が初期配向状態に相当し、OFF時の液晶分子LMの配向方向が初期配向方向に相当する。
【0788】
厳密には、液晶分子LMは、X−Y平面に平行に配向しているとは限らず、プレチルトしている場合が多い。このため、液晶分子LMの厳密な初期配向方向とは、OFF時の液晶分子LMの配向方向をX−Y平面に正射影した方向である。
【0789】
第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、ともに第2方向Yと略平行な方向である。OFF時においては、液晶分子LMは、
図9に破線で示したように、その長軸が第2方向Yと略平行な方向を向くように初期配向する。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと平行(あるいは、第2方向Yに対して0°)である。
【0790】
図示した例のように、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が平行且つ同じ向きである場合、液晶層LQの断面において液晶分子LMは、液晶層LQの中間部付近で略水平(プレティルト角が略ゼロ)に配向し、ここを境界として第1配向膜AL1の近傍及び第2配向膜AL2の近傍において対称となるようなプレチルト角を持って配向する(スプレイ配向)。このように液晶分子LMがスプレイ配向している状態では、基板の法線方向から傾いた方向においても第1配向膜AL1の近傍の液晶分子LMと第2配向膜AL2の近傍の液晶分子LMとにより光学的に補償される。
【0791】
したがって、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行、且つ、同じ向きである場合には、黒表示の場合に光漏れが少なく、高コントラスト比を実現することができ、表示品位を向上することが可能となる。なお、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2が互いに平行且つ逆向きである場合、液晶層LQの断面において、液晶分子LMは、第1配向膜AL1の近傍、第2配向膜AL2の近傍、及び、液晶層LQの中間部において略均一なプレチルト角を持って配向する(ホモジニアス配向)。バックライト4からのバックライト光の一部は、第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光は、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光である。このような直線偏光の偏光状態は、OFF時の液晶表示パネルLPNを通過した際にほとんど変化しない。このため、液晶表示パネルLPNを透過した直線偏光は、第1偏光板PL1に対してクロスニコルの位置関係にある第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
【0792】
一方、液晶層LQに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が形成された状態(ON時)では、画素電極PEと共通電極CEとの間に基板と略平行な横電界(あるいは斜め電界)が形成される。液晶分子LMは、電界の影響を受け、その長軸が図中の実線で示したようにX−Y平面と略平行な平面内で回転する。
【0793】
図9に示した例では、画素電極PEと主共通電極CALとの間の領域のうち、下側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の左下を向くように配向し、また、上側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の左上を向くように配向する。画素電極PEと主共通電極CARとの間の領域のうち、下側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の右下を向くように配向し、上側半分の領域内の液晶分子LMは、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の右上を向くように配向する。このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態では、液晶分子LMの配向方向は、画素電極PEと重なる位置を境界として複数の方向に分かれ、それぞれの配向方向でドメインを形成する。つまり、一画素PXには複数ドメインが形成される。
【0794】
このようなON時には、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光は、液晶表示パネルLPNに入射し、その偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。このようなON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。このような構造によれば、一画素内に4つのドメインを形成することが可能となるため、4方向での視野角を光学的に補償することができ、広視野角化が可能となる。したがって、階調反転がなく、高い透過率の表示を実現することができ、表示品位の良好な液晶表示装置を提供することが可能となる。また、一画素内において、画素電極PEと共通電極CEとで区画される4つの領域それぞれについて開口部の面積を略同一に設定することにより、各領域の透過率が略同等となり、それぞれの開口部を透過した光が互いに光学的に補償し合い、広い視野角範囲に亘って均一な表示を実現することが可能となる。
【0795】
以上詳述した本発明の液晶表示素子は、TN、STN、ECB、VA、VA−TN、IPS、FFS、πセル、OCB、コレステリック液晶などの動作モードに適用できる。これらの中でも、VA、IPS、FFS、VA−TN、TN、ECBが特に好ましい。尚、本発明の液晶表示素子は、液晶層中にポリマーネットワークを形成する点において配向膜上に重合体又は共重合体を有するPSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶表示素子と区別することができる。
【実施例】
【0796】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0797】
参考例中の液晶組成物の低温での溶解性評価は、液晶組成物を調製後、2mLのサンプル瓶に液晶組成物を1g秤量し、-20℃で保存し、目視にて液晶組成物からの析出物の発生を観察し、以下の4段階評価を行った。
【0798】
○240時間後でも析出物が観察されなかった。
【0799】
△120時間以内に析出物が観察された。
【0800】
×60時間以内に析出物が観察された。
【0801】
また、実施例中、測定した特性は以下の通りである。
【0802】
T
ni :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)
Δn :20℃における屈折率異方性
no :20℃における常光屈折率
Δε :20℃における誘電率異方性
ε⊥ :20℃における液晶短軸方向の誘電率
η :20℃における粘度(mPa・s)
γ
1 :20℃における回転粘度(mPa・s)
VHR:周波数60Hz,印加電圧1Vの条件下で60℃における電圧保持率(%)
焼き付き :
液晶表示素子の焼き付き評価は、表示エリア内に所定の固定パターンを1000時間表示させた後に、全画面均一な表示を行ったときの固定パターンの残像のレベルを目視にて以下の4段階評価で行った。
【0803】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
滴下痕 :
液晶表示装置の滴下痕の評価は、全面黒表示した場合における白く浮かび上がる滴下痕を目視にて以下の4段階評価で行った。
【0804】
◎残像無し
○残像ごく僅かに有るも許容できるレベル
△残像有り許容できないレベル
×残像有りかなり劣悪
プロセス適合性 :
プロセス適合性は、ODFプロセスにおいて、定積計量ポンプを用いて1回に50pLずつ液晶を滴下することを100000回行い、次の「0〜100回、101〜200回、201〜300回、・・・・99901〜100000回」の各100回ずつ滴下された液晶量の変化を以下の4段階で評価した。
【0805】
◎変化が極めて小さい(安定的に液晶表示素子を製造できる)
○変化が僅かに有るも許容できるレベル
△変化が有り許容できないレベル(斑発生により歩留まりが悪化)
×変化が有りかなり劣悪(液晶漏れや真空気泡が発生)
尚、実施例において化合物の記載について以下の略号を用いる。
(側鎖)
-n -C
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルキル基
-On -OC
nH
2n+1 炭素原子数nの直鎖状アルコキシ基
-V -C=CH
2 ビニル基
-V1 -CH=CH-CH
3
-2V -CH
2-CH
2-CH=CH
2
-2V1 -CH
2-CH
2-CH=CH-CH
3
(連結基)
-CFFO- -CF
2-O-
-1O- -CH
2-O
-COO- -COO-
(環構造)
【0806】
【化181】
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【0807】
【化182】
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【0808】
参考例1
N型液晶組成物として下記の液晶ホスト(LCN−1)を調製した。
【0809】
【化183】
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【0810】
T
ni(ネマチック相−等方性液体相転移温度)は75.6(℃)、 Δn (25℃における屈折率異方性)は0.108、n
o(25℃における常光屈折率)は1.485、Δε(25℃における誘電率異方性)は−2.8、ε⊥(25℃における液晶短軸方向の誘電率)は6.2、γ
1(25℃における回転粘度)は113(mPa・s)であった。
【0811】
参考例2〜17
表1及び表2に示すように液晶ホスト(LCN−2〜17)を調製した。
【0812】
【表1】
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【0813】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0814】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0815】
参考例18〜34
表4〜表6に示すように液晶ホスト、モノマー、光重合開始剤を含有する液晶組成物(LCN−1−1)〜(LCN−17−1)を調製した。
【0816】
【表4】
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【0817】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0818】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0819】
なお、モノマー(P1−1)〜(P1−4)の構造は以下に示すとおりである。
【0820】
また、本発明において、開始剤欄の「651」は、Irgacure−651(BASF社製)を示す。
【0821】
【化184】
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【0822】
実施例1
セルギャップ3.5μmのポリイミド垂直配向膜を塗布したフィッシュボーン型パターン電極垂直配向(PVA)のセルを用い、重合性液晶組成物(LCN−1−1)を真空注入法によりセル内に注入した。
【0823】
セルには、電圧を印加により液晶がスリット方向へ傾斜配向するようにスリットが多数刻まれている。フィッシュボーン型パターン電極のライン電極幅とスリット幅は、ともに3.5μmであり、ライン電極の長さは100μmであった。
【0824】
周波数1kHzで2.43Vの矩形波の電圧を印加しながら、波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を12秒間照射した後、紫外線照射を継続した状態で、電圧を0Vにして垂直配向に戻し、電圧を0Vに戻した時点から紫外線を68秒間照射してフィッシュボーン型PVAセルを作製した。
【0825】
得られた本発明の液晶表示素子に電圧を印加して明視野が一番明るくなるようにスリット方向がクロスニコル偏光板の2つの偏光軸の何れかに対して45度に配置して偏光顕微鏡でセルの液晶配向状態を観察した。電圧を印加しない状態は、暗視野で完全に略垂直配向状態であることが確認された。電圧を徐々に上げて印加するとスリットの部分は垂直配向から傾斜配向へ変化して明さが増していくことを確認した。
【0826】
60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、パラレルニコル時の光透過量を100%としたときの最大透過率は71.3%、透過率が90%となる駆動電圧(V90)は、8.6Vであった。また、V90の電圧を0Vにしたときの応答時間(オフ応答)は、4.6msであった。
【0827】
(粘弾性測定)
重合前の前記重合性液晶組成物を2枚のガラス板(ガラス板間距離100μm)に挟持させ、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0828】
次いで、この重合性液晶組成物を挟持させたガラス板に波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を80秒間照射した後、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0829】
粘弾性測定条件は以下の通りである。
【0830】
粘弾性測定装置:Anton Paar社製「MCR301」
温度:25℃
変形量:最大0.4μm(正弦波)
硬化前の周波数1Hz損失正接が2.0、周波数4.6Hzでの損失正接(tanδ)は5.0であった。
【0831】
硬化後の波数1Hzでの損失正接は0.4、周波数4.6Hzでの損失正接は0.5であった。
【0832】
周波数1Hzでの損失正接(tanδ)が1になるまでの紫外線照射時間は30秒であった。
【0833】
実施例2〜17
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表7、表8、表9にまとめた。
【0834】
【表7】
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【0835】
【表8】
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【0836】
【表9】
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【0837】
参考例35〜41
表10に示すように液晶ホスト、モノマー、光重合開始剤を含有する液晶組成物(LCN−1−2)〜(LCN−7−2)を調製した。
【0838】
【表10】
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【0839】
比較例1〜7
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表11にまとめた。
【0840】
【表11】
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【0841】
実施例1〜7との比較から光重合開始剤の濃度が適切でないと、粘弾性データが適切な範囲とならず、オフ応答が5ms以上と長くなってしまっているのがわかる。
【0842】
比較例8〜14
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表12にまとめた。
【0843】
【表12】
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【0844】
実施例8〜14との比較からUV照射時間が適切でないと、粘弾性データが適切な範囲とならず、オフ応答が5ms以上と長くなってしまっているのがわかる。
【0845】
参考例42〜49
表13に示すように液晶ホスト、モノマー、光重合開始剤を含有する液晶組成物(LCN−10−2)〜(LCN−10−9)を調製した。
【0846】
【表13】
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【0847】
実施例18〜22
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表14に示した。
【0848】
【表14】
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【0849】
比較例15〜17
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表15に示した。
【0850】
【表15】
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【0851】
液晶ホストLCN-10を用いた実験結果(実施例18、実施例10、実施例19、実施例20、実施例21、実施例22、比較例15、比較例16、比較例17)から、モノマー濃度の変化に伴って、オフ応答(
図14)、V90(
図15)、硬化後の正接損失(測定周波数1Hz)(
図16)がどのように変化するかをまとめた。モノマーが0.686%以下になると、オフ応答を高速化する効果がなくなり、モノマー濃度が7.84%以上になると急激にV90が上昇してしまい、液晶表示素子としてのバランスが悪くなり、有用性を失う。この液晶表示素子の各種特性のバランスが良い範囲は、硬化後の正接損失(測定周波数1Hz)が、0.1〜1の範囲である。
【0852】
実施例23
ラビングしたポリイミド垂直配向膜(チルト角は88°)を形成したベタ電極付きプラスチック製基板を使用し、ODF(One Drop Filling)プロセスを用いて、液晶組成物(LCN−10−1)を3.5μmの間隙で挟持した4cm角の液晶セルを作成した。上下基板のラビング方向の関係はアンチパラレルになるように設定した。この液晶セルに、波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を120秒間照射して液晶セルを作製した。
【0853】
この液晶のV90の電圧を0Vにしたときの応答時間(オフ応答)は、4.3msであった。
【0854】
この液晶セルを曲率半径15cmで折り曲げて、観察したところムラの発生は無かった。
【0855】
実施例24〜28
実施例23と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、応答時間、ムラ評価、押圧時の配向乱れの結果を表15にまとめた。押圧は、半径5mm、長さ2cmの円柱状ポリカーボネートの円状の面をデバイス表面に接触させ、これを通じて30g重の力をかけることによって行った。配向乱れは直行する偏光板の間に液晶デバイスを挟んだ状態で観察を行い、押圧部周辺の透過率の変化の様子から判断した。
【0856】
【表16】
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【0857】
比較例18〜20
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、応答時間、ムラ評価、押圧時の配向乱れの結果を表16にまとめた。押圧は、半径5mm、長さ2cmの円柱状ポリカーボネートの円状の面をデバイス表面に接触させ、これを通じて30g重の力をかけることによって行った。配向乱れは直行する偏光板の間に液晶デバイスを挟んだ状態で観察を行い、押圧部周辺の透過率の変化の様子から判断した。
【0858】
【表17】
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【0859】
液晶ホストLCN-10を用いた実験結果(実施例23〜28、比較例18〜20)から、モノマー濃度を適切に設定すれば(正接損失の値を適切に設定すれば)、折り曲げた際のムラ発生を抑制できることが分かる。また、押圧時の配向乱れ発生を抑制できるようになることが分かる。このことから、本発明の液晶表示素子は、画面が折り曲がったカーブドディスプレイに好適である。また、スマートフォンやタブレットにおいて液晶表示素子はタッチパネルと貼り合せて使われる。本発明の液晶表示素子は、タッチパネルへの押圧によって、配向変化が置きにくいので、好適に使用できる。
参考例50〜51
表18に示すように液晶ホスト、モノマー、光重合開始剤を含有する液晶組成物(LCN−1−3)〜(LCN−1−4)を調製した。
【0860】
【表18】
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【0861】
実施例29〜30
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表19にまとめた。
【0862】
【表19】
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【0863】
液晶ホストと濃度が同一の実施例1ではtanδが1になるまでの時間は30秒であった。開始剤を減量した実施例28ではtanδが1になるまでの時間は50秒であり、透過率や駆動電圧は実施例1と同等であるものの応答速度が劣っている。開始剤を増量した実施例29ではtanδが1になるまでの時間は50秒であり、駆動電圧や応答速度は実施例1と同等であるものの液晶の配向性が悪化したため透過率が劣っている。tanδが1になるまでの時間は、ある程度のポリマーネットワークが出来上がるまでに必要な紫外線照射時間と考えることができ、その速度をある一定範囲内にすると特性バランスに優れた素子が得られることがわかる。
実施例31〜32
実施例1と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表20に示した。
【0864】
【表20】
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【0865】
実施例1との変更点は、紫外線照射量は変えずに紫外線照射強度を変化させた点にある。実施例1ではtanδが1になるまでの時間は30秒であった。紫外線強度を弱くした
実施例31ではtanδが1になるまでの時間は80秒であり、透過率や駆動電圧は実施例1と同等であるものの応答速度が劣っている。紫外線強度を強くした
実施例32ではtanδが1になるまでの時間は19秒であり、駆動電圧や応答速度は実施例1と同等であるものの液晶の配向性が悪化したため透過率が劣っている。tanδが1になるまでの時間は、一定範囲内にすると特性バランスに優れた素子が得られることがわかる。
【0866】
参考例52
下表の組成物LCP-1を調製した。
【0867】
【表21】
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【0868】
参考例53
下表の組成物LCP-2を調製した。
【0869】
【表22】
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【0870】
参考例54
下表の組成物LCP-3を調製した。
【0871】
【表23】
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【0872】
参考例55
下表の組成物LCP-4を調製した。
【0873】
【表24】
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【0874】
参考例56
下表の組成物LCP-5を調製した。
【0875】
【表25】
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【0876】
参考例57〜61
表26に示すように液晶ホスト、モノマー、光重合開始剤を含有する液晶組成物(LCP−1−1)〜(LCP−5−1)を調製した。
【0877】
【表26】
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【0878】
実施例33
セルギャップ3.5μmのポリイミド水平配向膜を塗布したFFSセル(櫛歯電極間のL/S=3/4μm、櫛歯電極と共通電極を隔てるSiNx絶縁層の厚みは0.4ミクロン)を用い、重合性液晶組成物(LCP−1−1)を真空注入法によりセル内に注入した。このセルに、波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を80秒間照射して、本発明の液晶表示素子を作製した。
【0879】
60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、パラレルニコル時の光透過量を100%としたときの最大透過率は50.1%、透過率が90%となる駆動電圧(V90)は、5.6Vであった。また、V90の電圧を0Vにしたときの応答時間(オフ応答)は、3.7msであった。
【0880】
(粘弾性測定)
重合前の前記重合性液晶組成物を2枚のガラス板(ガラス板間距離100μm)に挟持させ、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0881】
次いで、この重合性液晶組成物を挟持させたガラス板に波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を80秒間照射した後、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0882】
粘弾性測定条件は以下の通りである。
【0883】
粘弾性測定装置:Anton Paar社製「MCR301」
温度:25℃
変形量:最大0.4μm(正弦波)
硬化前の周波数1Hz損失正接が2.3、周波数4.6Hzでの損失正接(tanδ)は4.2であった。硬化後の波数1Hzでの損失正接は0.5、周波数4.6Hzでの損失正接は0.7であった。
実施例34〜36
実施例33と同様にして、本発明の液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表27にまとめた。
【0884】
【表27】
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【0885】
比較例21〜24
実施例33と同様にして、液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表28にまとめた。
【0886】
【表28】
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【0887】
実施例33〜36との比較からUV照射時間が適切でないと、粘弾性データが適切な範囲とならず、オフ応答が長くなってしまっているのがわかる。
(実施例37)
実施例33において、FFSセルに変えてセルギャップ3.0μmのポリイミド水平配向膜を塗布したIPSセル(櫛歯電極間のL/S=4/12μm)を用い、重合性液晶組成物(LCP−4−1)を真空注入法によりセル内に注入した。このセルに、波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を80秒間照射して、本発明の液晶表示素子を作製した。
【0888】
60Hzの矩形波を印加して電圧―透過率特性を測定した所、パラレルニコル時の光透過量を100%としたときの最大透過率は41.5%、透過率が90%となる駆動電圧(V90)は、9.2Vであった。また、V90の電圧を0Vにしたときの応答時間(オフ応答)は、5.5msであった。
【0889】
(粘弾性測定)
重合前の前記重合性液晶組成物を2枚のガラス板(ガラス板間距離100μm)に挟持させ、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0890】
次いで、この重合性液晶組成物を挟持させたガラス板に波長365nmの紫外線LEDの光源を用いて照射強度が15mW/cm
2の紫外線を80秒間照射した後、レオメータを用いて粘弾性測定を行った。
【0891】
粘弾性測定条件は以下の通りである。
【0892】
粘弾性測定装置:Anton Paar社製「MCR301」
温度:25℃
変形量:最大0.4μm(正弦波)
硬化前の周波数1Hz損失正接が2.3、周波数4.6Hzでの損失正接(tanδ)は4.2であった。硬化後の波数1Hzでの損失正接は0.6、周波数4.6Hzでの損失正接は0.7であった。
【0893】
【表29】
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【0894】
比較例25
実施例37と同様にして、液晶表示素子を作製した。使用した液晶組成物、作製条件、粘弾性特性、液晶表示特性を表30にまとめた。
【0895】
【表30】
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【0896】
実施例37との比較からUV照射時間が適切でないと、粘弾性データが適切な範囲とならず、オフ応答が長くなってしまっているのがわかる。