特許第6722298号(P6722298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6722298成膜装置、マスクフレーム、アライメント方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6722298
(24)【登録日】2020年6月23日
(45)【発行日】2020年7月15日
(54)【発明の名称】成膜装置、マスクフレーム、アライメント方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/54 20060101AFI20200706BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20200706BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20200706BHJP
【FI】
   C23C14/54 G
   H05B33/10
   H05B33/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2018-553171(P2018-553171)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(86)【国際出願番号】JP2018021552
(87)【国際公開番号】WO2019003827
(87)【国際公開日】20190103
【審査請求日】2018年10月9日
(31)【優先権主張番号】特願2017-129466(P2017-129466)
(32)【優先日】2017年6月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100192773
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 亮
(72)【発明者】
【氏名】高橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】清水 豪
(72)【発明者】
【氏名】吉田 大介
(72)【発明者】
【氏名】湯山 明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄亮
【審査官】 神▲崎▼ 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−072478(JP,A)
【文献】 特開2013−237914(JP,A)
【文献】 特開2007−251153(JP,A)
【文献】 特開平07−153665(JP,A)
【文献】 特開2011−065868(JP,A)
【文献】 特開2013−227680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/54
H01L 51/50
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜装置であって、
チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持されたマスクフレームをアライメントするマスクアライメント手段を有し、
前記マスクアライメント手段が、
前記マスクフレームの下面における両端に設けられた係合部と、
前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされるとともに前記係合部に係合してアライメント可能とされる支持アライメント部と、
前記マスクフレームの上側の位置を、前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として、前記マスクフレームを支持及び解放可能な上部アライメント部と、
を有し、
前記マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームがアライメント可能とされ、
前記支持アライメント部は、前記マスクフレームの面に垂直な略水平方向であるX方向に位置調整する際に駆動可能なX駆動部と、前記マスクフレームの面に平行な略水平方向であるY方向に位置調整する際に駆動可能なY駆動部と、鉛直方向であるZ方向に位置調整する際に駆動可能なZ駆動部と、を有し、
前記上部アライメント部は、マスク面に直交する前記X方向に延在する軸線周りに回動可能とされ前記マスクフレームの上端を前記マスク面に直交する前記X方向にて挟持可能な挟持部を有し、前記挟持部が、前記X方向に延在する軸線方向に沿って移動可能とされ、前記挟持部は、成膜位置とされる前記マスクフレームの角部に当接し、
前記支持アライメント部により前記マスクフレームの重量を前記マスクフレームの下面における両端で前記Z方向に支持するとともに、前記支持アライメント部により前記マスクフレーム下端における前記XYZ方向となる三方向の位置設定と、前記上部アライメント部による前記マスクフレームの上端における前記X方向となる位置設定とにより、前記マスクフレームのZY面内二方向位置およびX方向となる直交する三軸方向位置と、これらの三軸線周り角度との六自由度としてアライメントをおこなう
成膜装置。
【請求項2】
前記支持アライメント部における前記マスクフレームの前記面に平行な横方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する方向においてアライメントを行う前記X駆動部と前記Y駆動部が、前記チャンバ内に設けられ、
前記X駆動部と前記Y駆動部としてステッピングモータを用いる、
請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記支持アライメント部における上下方向においてアライメントを行う前記Z駆動部及び前記上部アライメント部における前記マスクフレームの前記面に直交する方向においてアライメントを行う駆動部が前記チャンバの外部に設けられる、
請求項1又は請求項2に記載の成膜装置。
【請求項4】
前記係合部は、
前記マスクフレームの下面における一端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、
前記マスクフレームの下面における他端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部と、
を有し、
前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられ、
前記係合凹部及び前記凸部が互いに嵌合する際に、前記凸部が前記係合溝部に沿って移動する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成膜装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成膜装置の前記チャンバ内で成膜する前記基板に対して前記マスクアライメント手段によって略垂直保持されるマスクのマスクフレームであって、
前記マスクアライメント手段は、前記成膜装置において前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされる前記支持アライメント部を有し、
前記支持アライメント部に係合してアライメント可能とされる前記係合部が、前記マスクフレームの下面における両端に設けられる、
マスクフレーム。
【請求項6】
前記係合部は、
前記マスクフレームの下面における一端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、
前記マスクフレームの下面における他端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部と、を有し、
前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられる、
請求項5に記載のマスクフレーム。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成膜装置を用いて、
前記チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持された前記マスクフレームをアライメントするアライメント方法であって、
前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に前記支持アライメント部を前記マスクフレームの下面における両端に設けられた前記係合部に係合することにより、前記マスクフレームを支持し、
前記マスクフレームの上側の位置を、前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として前記マスクフレームを支持及び解放可能な前記上部アライメント部によって支持し、
前記マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームのアライメントを行う、
アライメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置、マスクフレーム、アライメント方法に関し、特に縦型搬送のスパッタリング装置等の成膜装置におけるマスクフレームのアライメントに用いられる好適な技術に関する。
本願は、2017年6月30日に日本に出願された特願2017−129466号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
例えば、有機ELディスプレイ等の製造工程において、ガラス等からなる基板上に対して、真空環境下で加熱処理、成膜処理等を行う成膜装置(スパッタリング装置)が用いられる。
【0003】
一般的なスパッタリング装置では、チャンバ内にスパッタリング用のカソードが設けられ、減圧したチャンバ内において、カソードに取り付けられたターゲットと所定の間隔を空けて対向するように被処理体(基板)が配置される。
【0004】
次に、チャンバ内にArガス(不活性ガス)等を導入し、被処理体をグラウンドに接続した状態でターゲットに負の電圧を印加することにより放電させ、放電によりArガスから電離したArイオンをターゲットに衝突させる。
そして、ターゲットから飛び出す粒子を被処理体に付着させることにより、成膜処理が行われる。
【0005】
従来のスパッタリングでは基板の周囲に配置される防着板が使用されることはあったが、基板面内での成膜領域を細かく制御するためのマスクは使用されることがなかった。基板とマスクとのアライメントは、ほぼ固定されたマスク(防着板)に対して基板側を位置合わせすることで行われていた(特許文献1)。
【0006】
最近、特許文献2に記載されるような有機ELディスプレイの製造においては、従来までは蒸着でしか成膜できなかった膜種がスパッタでも成膜できるようになった。このため、装置構造が複雑でコストもかかる装置が用いられていた蒸着に代えて、スパッタリングによって成膜を行うことが検討されている。
【0007】
蒸着による成膜では、特許文献3に記載されるように、エンドエフェクタのように、マスクアライメントのための駆動系を設けてアライメントを行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本国特許第5309150号公報
【特許文献2】日本国特許第5634522号公報
【特許文献3】日本国特許第5074368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、スパッタリング等の成膜工程でマスクを使用する場合には、成膜粒子の付着によりマスクの開口の形状が変わるために、マスクを頻繁に交換する必要が生じる。マスクの交換頻度が低い場合にはマスクの位置合わせを行う頻度も少なかったが、マスクの交換回数が増加するに伴って、マスクの位置合わせに必要な作業時間が増大し、この作業時間を削減したいという要求が出てきた。
【0010】
また、基板の周囲を囲むいわゆる枠として機能する防着板を用いる場合、防着板と基板との間の位置精度が0.1mm〜数mm程度である。これに対し、基板上の成膜領域を規制するために用いられるマスクと基板との間の位置精度は、ほぼ数μmから数十μm程度であり、作業員がアライメントを直接行うことができない精度が求められる。このため、マスクと基板との間のアライメントを自動化するとともに精度維持を可能としたいという要求があった。
【0011】
また、有機ELディスプレイ等の製造では、基板サイズが2000mmを越える場合、基板に対して設置されるマスクの重量が500kg〜数トンである。特に、エンドエフェクタのように、マスクアライメントのための駆動系をマスクに設けた場合には、重量が増大して作業員が直接取り扱って交換作業を行うことが難しくなる。さらに、このエンドエフェクタを含めたマスクアライメント機構が非常に複雑であり、かつ、重量が大きい構成であるためにメンテナンス作業に対する負担が大きい。このため、このようなメンテナンス作業を自動化したいという要求があった。
【0012】
同時に、重量物であるマスクを基板に対してアライメントする場合には、このマスクを駆動するために、駆動源であるモータ等の出力が充分でないとマスクを駆動できない。このため、真空雰囲気とされる処理室(チャンバ)内で充分な出力を得ようとすると駆動源からゴミが発生する可能性があった。しかしながら、この問題を解決するために、ゴミ等の発生原因とならないモータを採用した場合には、モータの出力が足りなくなってしまう。このため、チャンバの外部に配置した大出力の駆動源から連結した機構によってマスクを駆動することが必要となる。しかしながら、チャンバの外部に配置された大きな出力を有する駆動源とマスク機構とを連結した場合、基板に対して位置が設定されるマスクと駆動源までの距離が長くなり、基板とマスクとの間において精密な位置の設定(アライメント)ができなくなる可能性があった。
【0013】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、以下の目的を達成しようとするものである。
1.大重量となるマスクフレームを基板に対して精度よくアライメント可能とすること。
2.アライメントにおける作業時間の短縮を図ること。
3.大重量となるマスクフレームを動かす駆動系の巨大化を防止すること。
4.高精度のアライメントの実現と、チャンバ内でのゴミ発生の低減とを両立を図ること。
5.上記の目的を低コストで実現すること。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1態様に係る成膜装置は、成膜装置であって、
チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持されたマスクフレームをアライメントするマスクアライメント手段を有し、
前記マスクアライメント手段が、
前記マスクフレームの下面における両端に設けられた係合部と、
前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされるとともに前記係合部に係合してアライメント可能とされる支持アライメント部と、
前記マスクフレームの上側の位置を、前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として、前記マスクフレームを支持及び解放可能な上部アライメント部と、
を有し、
前記マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームがアライメント可能とされ、
前記支持アライメント部は、前記マスクフレームの面に垂直な略水平方向であるX方向に位置調整する際に駆動可能なX駆動部と、前記マスクフレームの面に平行な略水平方向であるY方向に位置調整する際に駆動可能なY駆動部と、鉛直方向であるZ方向に位置調整する際に駆動可能なZ駆動部と、を有し、
前記上部アライメント部は、マスク面に直交する前記X方向に延在する軸線周りに回動可能とされ前記マスクフレームの上端を前記マスク面に直交する前記X方向にて挟持可能な挟持部を有し、前記挟持部が、前記X方向に延在する軸線方向に沿って移動可能とされ、前記挟持部は、成膜位置とされる前記マスクフレームの角部に当接し、
前記支持アライメント部により前記マスクフレームの重量を前記マスクフレームの下面における両端で前記Z方向に支持するとともに、前記支持アライメント部により前記マスクフレーム下端における前記XYZ方向となる三方向の位置設定と、前記上部アライメント部による前記マスクフレームの上端における前記X方向となる位置設定とにより、前記マスクフレームのZY面内二方向位置およびX方向となる直交する三軸方向位置と、これらの三軸線周り角度との六自由度としてアライメントをおこなう
ことにより上記課題を解決した。
本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記支持アライメント部における前記マスクフレームの前記面に平行な横方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する方向においてアライメントを行う前記X駆動部と前記Y駆動部が、前記チャンバ内に設けられ、
前記X駆動部と前記Y駆動部としてステッピングモータを用いる、
ことがより好ましい。
本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記支持アライメント部における上下方向においてアライメントを行う前記Z駆動部及び前記上部アライメント部における前記マスクフレームの前記面に直交する方向においてアライメントを行う駆動部が前記チャンバの外部に設けられる、
ことが可能である。
また、本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記係合部は、前記マスクフレームの下面における一端(第1端)に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、前記マスクフレームの下面における他端(第1端とは反対側に位置する第2端)に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部とを有し、前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられ、前記係合凹部及び前記凸部が互いに嵌合する際に、前記凸部が前記係合溝部に沿って移動してもよい。
本発明の第2態様に係るマスクフレームは、上記のいずれか一項に記載の成膜装置の前記チャンバ内でする前記基板に対して前記マスクアライメント手段によって略垂直保持されるマスクのマスクフレームであって、前記マスクアライメント手段は、前記成膜装置において前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされる前記支持アライメント部を有し、前記支持アライメント部に係合してアライメント可能とされる前記係合部が、前記マスクフレームの下面における両端に設けられることにより上記課題を解決した。
また、本発明の第2態様に係るマスクフレームにおいては、前記係合部は、前記マスクフレームの下面における一端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、前記マスクフレームの下面における他端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部とを有し、前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられることが好ましい。
本発明の第3態様に係るアライメント方法は、上記のいずれか一項に記載の成膜装置を用いて、前記チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持された前記マスクフレームをアライメントするアライメント方法であって、前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に支持アライメント部を前記マスクフレームの下面における両端に設けられた前記係合部に係合することにより、前記マスクフレームを支持し、前記マスクフレームの上側の位置を、前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として前記マスクフレームを支持及び解放可能な前記上部アライメント部によって支持し、前記マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームのアライメントを行うことにより上記課題を解決した。
【0015】
本発明の第1態様に係る成膜装置は、チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持されたマスクフレームをアライメントするマスクアライメント手段を有し、前記マスクアライメント手段が、前記マスクフレームの下面における両端に設けられた係合部と、前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされるとともに前記係合部に係合してアライメント可能とされる支持アライメント部と、前記マスクフレームの上側の位置を、前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として、前記マスクフレームを支持及び解放可能な上部アライメント部と、を有し、前記マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームがアライメント可能とされる。これにより、マスクフレームの下部における両端の係合部を支持アライメント部に係合させるとともにマスクフレームの上部を上部アライメントで支持した状態で、支持アライメント部によってマスクフレームを上下方向及び前後左右となる水平方向に徴動させる。さらに、この状態で、上部アライメント部によってマスクフレームの上部をマスクフレーム面と直交する前後方向に徴動させる。これにより、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームをアライメント可能とすることができる。
【0016】
本発明の第1態様に係る成膜装置は、マスクを用いて、スパッタリング、蒸着、CVD等によって、被成膜基板に成膜を行うことが可能な装置とされる。
【0017】
本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記支持アライメント部における前記マスクフレームの前記面に平行な横方向及び面に直交する方向においてアライメントを行う駆動部が、前記チャンバ内に設けられる。これにより、駆動部がチャンバの外部にある場合に比べて、駆動部から当該駆動部によって位置が制御されるマスクフレームまでの距離を短縮することができる。これにより、マスクフレームの位置の制御をより高精度に行うことが可能となる。同時に、500kg以上となる場合もある重量を有するマスクフレームを直接支持された状態で、重力方向にマスクフレームを変位させる必要がない。このため、高出力が求められる駆動部を用いる必要がなく、ステッピングモータを用いることが可能となるため、高出力なサーボモータを用いる場合に比べてマスクフレームの位置の制御をより高精度に行うことが可能となる。さらに、省スペース型のステッピングモータを用いて、かつ、チャンバ内でステッピングモータをカバーすることが可能となる。このため、駆動に関してゴミ等の発塵を防止することが可能となり、成膜特性を向上するとともに、歩留まりを向上し、製造コストを低減することが可能となる。
【0018】
本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記支持アライメント部における上下方向においてアライメントを行う駆動部及び前記上部アライメント部における前記マスクフレームの前記面に直交する方向においてアライメントを行う駆動部が前記チャンバの外部に設けられる。これにより、500kg以上となる場合もある重量を有するマスクフレームを支持して、マスクフレームを直接駆動する際に、チャンバ内のスペースを気にせずに高出力の駆動部を用いることが可能となる。さらに、駆動部から発生したゴミは、重力によって下方に落下するが、成膜特性に影響するマスクフレームの上側位置では、駆動部がチャンバの外側に位置することで、このゴミが発生することがなく、成膜特性に悪影響を及ぼすことが防止できる。
【0019】
また、本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記係合部は、前記マスクフレームの下面における一端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、前記マスクフレームの下面における他端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部とを有し、前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられる。これにより、マスクフレームの下面における一端側で、係合凹部を支持アライメント部の凸部に係合すると同時に、マスクフレームの下面における他端側で、係合溝部を支持アライメント部の凸部に係合することで、マスクフレームの成膜位置へのおおまかな位置の設定を一動作で行うことができる。また、係合溝部により、多少の自由度を持たせて、マスクフレームが支持アライメント部に対して多少ずれた状態であっても、係合溝部の長さ寸法に応じてアライメントを行うことが可能となる。また、係合凹部及び係合溝部を支持アライメント部に係合させることによって、マスクフレームを微調整可能に支持することが可能となる。
【0020】
また、本発明の第1態様に係る成膜装置においては、前記上部アライメント部は、前記マスク面に直交する方向に延在する軸線周りに回動可能とされ前記マスクフレームの上端を前記マスク面に直交する方向にて挟持可能な挟持部を有し、前記挟持部が、軸線方向に沿って移動可能とされる。これにより、マスクフレームの上部の規制が解除された状態から挟持部を軸線周りに回動することで、マスクフレームの支持が規制された状態となる。挟持部を軸線に沿って移動することで、マスク面に直交する方向にてマスクフレームの位置を制御することにより、3つの軸方向と3つの回転方向とにおける6自由度にて前記マスクフレームをアライメント可能とすることができる。
【0021】
本発明の第2態様に係るマスクフレームは、成膜装置のチャンバ内で成膜する基板に対してマスクアライメント手段によって略垂直保持されるマスクのマスクフレームであって、前記マスクアライメント手段は、前記成膜装置において前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に設けられて前記マスクフレームを支持可能とされる支持アライメント部を有し、前記支持アライメント部に係合してアライメント可能とされる係合部が、前記マスクフレームの下面における両端に設けられる。これにより、省スペース化された支持アライメント部及びゴミのでない上部アライメント部を有する成膜装置において、容易にアライメント可能で成膜特性に優れたマスクフレームを低コストに提供することが可能となる。
【0022】
また、本発明の第2態様に係るマスクフレームにおいては、前記係合部は、前記マスクフレームの下面における一端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合凹部と、前記マスクフレームの下面における他端に配置され前記支持アライメント部の凸部に係合する係合溝部とを有し、前記係合溝部が、前記マスクフレームの下端に沿って設けられる。これにより、マスクフレームの下面における一端側(第1端)で、係合凹部を支持アライメント部の凸部に係合すると同時に、マスクフレームの下面における他端側(第1端とは反対側に位置する第2端)で、係合溝部を支持アライメント部の凸部に係合することで、マスクフレームの成膜位置へのおおまかな位置の設定を一動作で行うことができる。さらに、係合溝部により、多少の自由度を持たせて、マスクフレームが支持アライメント部に対して多少ずれた状態であっても、係合溝部の長さ寸法に応じてアライメントを行うことが可能となる。また、係合凹部及び係合溝部を支持アライメント部に係合させることによって、マスクフレームを微調整可能に支持することが可能となる。
【0023】
本発明の第3態様に係るアライメント方法は、チャンバ内で成膜する基板に対し、略垂直保持されたマスクフレームをアライメントするアライメント方法であって、前記マスクフレームの成膜位置における両端の下部に支持アライメント部を前記マスクフレームの下面における両端に設けられた係合部に係合することにより、前記マスクフレームを支持し、前記マスクフレームの上側の位置を前記マスクフレームの面に直交する方向に設定可能として、前記マスクフレームを支持及び解放可能な上部アライメント部によって支持し、マスクアライメント手段によって、前記マスクフレームの前記面に平行な2方向及び前記マスクフレームの前記面に直交する直交方向の3つの軸方向と、前記3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、前記マスクフレームのアライメントを行う。これにより、省スペース化された成膜装置において、ゴミのでない状態で、容易にアライメント可能であり、優れた成膜特性を低コストに実現することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の態様によれば、チャンバ内に位置する駆動系の巨大化を防止することができ、低コストで、必要な位置精度を実現することができるという効果を奏することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態に係る成膜装置を示す模式平面図である。
図2】本発明の実施形態に係る成膜装置における成膜室を示す模式側面図である。
図3】本発明の実施形態に係る成膜装置におけるアライメント装置を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係るマスクフレームを示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る成膜装置における支持アライメント部の係合状態を示す斜視図である。
図6】本発明の実施形態に係る成膜装置における支持アライメント部の係合状態を示す斜視図である。
図7】本発明の実施形態に係る成膜装置における上部アライメント部の解放状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る成膜装置における上部アライメント部の係止状態を示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態に係るマスクフレームにおける係合部を示す斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係るマスクフレームにおける係合部を示す斜視図である。
図11】本発明の実施形態に係る成膜装置及びマスクフレームにおける支持アライメント部と係合部との間の係合状態を示す斜視図である。
図12】本発明の実施形態に係る成膜装置及びマスクフレームにおける支持アライメント部と係合部との間の係合状態を示す斜視図である。
図13】本発明の実施形態に係る成膜装置及びアライメント方法におけるアライメント装置の支持前状態を示す正面図である。
図14】本発明の実施形態に係る成膜装置及びアライメント方法におけるアライメント装置の支持状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態に係る成膜装置、マスクフレーム、アライメント方法を、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)を示す模式平面図である。図2は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)における成膜室を示す模式側面図である。図3は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)におけるアライメント装置(マスクアライメント手段)を示す斜視図である。図1において、符号1は、スパッタリング装置(成膜装置)である。
【0027】
本実施形態に係るスパッタリング装置1(成膜装置)は、例えば、液晶ディスプレイの製造工程において、ガラス等からなる被処理基板S(基板)上にTFT(Thin Film Transistor)を形成する場合など、ガラスや樹脂からなる被処理基板Sに対して、真空環境下で加熱処理、成膜処理、エッチング処理等を行うインターバック式あるいはインライン式の真空処理装置とされる。
【0028】
スパッタリング装置1は、図1に示すように、例えば、略矩形のガラスからなるガラス基板(被処理基板)Sを搬入/搬出するロード・アンロード室2と、ガラス基板S上に、例えば、ZnO系やIn系の透明導電膜等の被膜をスパッタリング法により形成する耐圧の成膜室4(チャンバ)と、成膜室4とロード・アンロード室2(チャンバ)との間に位置する搬送室3と、を備えている。
【0029】
また、スパッタリング装置1において、複数の成膜室4A(チャンバ)と複数のロード・アンロード室2A(チャンバ)とを設けることも可能である。この場合、複数のチャンバ2,2A,4,4Aが搬送室3の周囲を取り囲むように形成されていることもできる。こうしたチャンバは、例えば、互いに隣接して形成された2つのロード・アンロード室(チャンバ)と、複数の処理室(チャンバ)とから構成されていればよい。例えば、ロード・アンロード室のうち、一方のロード・アンロード室2は、外部からスパッタリング装置1に向けてガラス基板Sを搬入するロード室、他方のロード・アンロード室2Aは、スパッタリング装置1から外部にガラス基板Sを搬出するアンロード室とすることもできる。また、成膜室4と成膜室4Aとが異なる成膜工程を行う構成とすることもできる。
【0030】
こうしたそれぞれのチャンバ2,2A,4,4Aと搬送室3との間、及びロード・アンロード室2(チャンバ)と外部との間には、それぞれ仕切りバルブが形成されていればよい。
搬送室3の内部には、搬送装置3a(搬送ロボット)が配置されていてもよい。
【0031】
成膜室4の内部には、図2に示すように、成膜中にガラス基板Sを保持する保持装置48(保持手段)が設けられている。保持装置48はガラス基板Sを加熱するためのヒータを備えていてもよい。また、成膜室4には、ヒータと対向する位置に立設された成膜材料を供給する供給装置(供給手段)として、バッキングプレート6(カソード電極)と、バッキングプレート6に負電位のスパッタ電圧を印加する電源7と、成膜室4内にガスを導入するガス導入装置8(ガス導入手段)と、成膜室4の内部を高真空引きするターボ分子ポンプ等の高真空排気装置9(高真空排気手段)とを備える。
更に、成膜室4には、マスクを保持するマスクフレームFと、マスクフレームFを基板Sに対してアライメントするアライメント装置10と、が設けられている。バッキングプレート6には、ガラス基板Sと略平行に対面する前面側にターゲットが固定される。
【0032】
図3は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)のアライメント装置を示す斜視図である。図4は、本実施形態におけるマスクフレームを示す斜視図である。
アライメント装置10は、図4に示すマスクフレームFを支持するとともに、マスクフレームFの面に平行な2方向及びマスクフレームFの面に直交する直交方向の3つの軸方向と、3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向とによる6自由度にて、マスクフレームFのアライメントを可能としている。
【0033】
具体的には、アライメント装置10は、図3に示すように、マスクフレームFの下側の両端位置を支持する支持アライメント部11,12と、マスクフレームFの上側の位置をマスクフレームFの面に直交する方向に設定可能として、マスクフレームFを支持及び解放可能な上部アライメント部13,14と、上側支持部16,16とを備える。
【0034】
マスクフレームFは、図3に示すように、略矩形の枠体Faの内側に、図示しない成膜領域を制限するマスクが張られた構成を有する。マスクは、金属の薄体であり、枠体Faに対して引張された状態で設けられている。
図3において、YZ面と略平行となるように成膜位置が設定されており、マスクフレームFの下端の両端部、つまり、Z方向における下側でY方向における両端位置に、係合部F1及び係合部F2がそれぞれ設けられている。
【0035】
図5は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)の支持アライメント部を示す斜視図である。図6は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)の支持アライメント部を示す斜視図である。
支持アライメント部11は、凸部11aと、X駆動部11Xと、Y駆動部11Yと、Z駆動部11Zとを有する。凸部11aは、後述するマスクフレームFに設けられた係合部F1に係合する。凸部11aは、支持アライメント部11の頂部にて上方に突出した状態に設けられている。X駆動部11Xは、凸部11aをマスク面に垂直な略水平方向(X方向)に位置調整する際に駆動可能である。Y駆動部11Yは、凸部11aをマスク面に平行な略水平方向(Y方向)に位置調整する際に駆動可能である。Z駆動部11Zは、凸部11aを鉛直方向(Z方向)に位置調整する際に駆動可能である。
【0036】
凸部11aは、図3図5に示すように、基部11bに対して上方向に付勢された状態で設けられている。凸部11aの上側は、球面あるいは半球面形状を有し、凸部11aは、例えば、金属で構成され、重量を有するマスクフレームFを支持可能とされている。
【0037】
X駆動部11Xは、図3図5に示すように、ステッピングモータとされるモータ11Xaと、モータ11Xaによって回転駆動されX方向に延在する回転軸11Xbと、回転軸11Xbに螺合されて回転軸11Xbの軸線方向に相対移動可能なX位置規制部11Xcと、このX位置規制部11Xcとモータ11Xaとの移動を規制する規制部11Xdとを有する。
【0038】
X駆動部11Xにおいては、モータ11Xaによって回転軸11Xbを回動することで、この回転軸11Xbの先端が回動可能な状態で回転軸11Xbの先端に接続された基部11bが、X位置規制部11Xcに対してX方向に移動するように構成されている。規制部11Xdによって、基部11bの移動方向が規制されている。
【0039】
X位置規制部11Xcの下端は、略平板状の水平板11cに接続固定されている。水平板11c上においては、基部11bの重量が水平板11cで支持され、水平板11cに対して基部11bは移動可能とされている。
【0040】
Y駆動部11Yは、図3図5に示すように、ステッピングモータとされるモータ11Yaと、モータ11Yaによって回転駆動されY方向に延在する回転軸11Ybと、回転軸11Ybに螺合されて回転軸11Ybの軸線方向に相対移動可能なY位置規制部11Ycと、このY位置規制部11Ycとモータ11Yaとの移動を規制する規制部11Ydとを有する。
【0041】
Y駆動部11Yにおいては、モータ11Yaによって回転軸11Ybを回動することで、この回転軸11Ybの先端が回動可能な状態で回転軸11Ybの先端に接続された台座11dが、Y位置規制部11Ycに対してY方向に移動するように構成されている。規制部11Ydによって、台座11dの移動方向が規制されている。
【0042】
Y位置規制部11Ycの上端は、略平板状の水平板11cに接続固定されている。台座11d上においては、水平板11c上に配置された部材の重量が台座11dで支持され、台座11dに対して水平板11cは移動可能とされている。
【0043】
Z駆動部11Zは、図3図5に示すように、ステッピングモータまたはサーボモータとされるモータ11Zaと、モータ11Zaによって回転駆動されZ方向に延在する回転軸11Zbと、回転軸11Zbに螺合されて回転軸11Zbの軸線方向に相対移動可能なZ位置規制部11Zcと、このZ位置規制部11Zcとモータ11Zaとの移動を規制する規制部11Zdとを有する。
【0044】
Z駆動部11Zにおいては、モータ11Zaによって回転軸11Zbを回動することで、この回転軸11Zbの先端が回動可能な状態で回転軸11Zbの先端に接続された台座11dが、Z位置規制部11Zcに対してZ方向に移動するように構成されている。規制部11Zdによって、台座11dの移動方向が規制されている。
【0045】
Z位置規制部11Zcは、成膜室4(チャンバ)の底部である。支持アライメント部11は、凸部11aの位置をXYZ方向の自由度にて調整可能であり、成膜室4(チャンバ)の底部に固定されている。
【0046】
支持アライメント部11においては、モータ11Xa,モータ11Yaがいずれもチャンバ4内に配置され、かつ、成膜領域であるマスクフレームFよりも下側に位置している。この構造においては、X駆動部11X,Y駆動部11Yが、いずれも重量物であるマスクフレームFの重量を支持しながら駆動する機能を有しておらず、水平方向の位置合わせのみを行うため、小出力のモータを採用すればよいため、チャンバ4内に配置することが可能となっている。
【0047】
このため、X駆動部11X,Y駆動部11Yにおいては、モータ11Xa,モータ11Yaがいずれもステッピングモータで構成されているため、駆動制御性を高めることができる。同時に、X駆動部11X,Y駆動部11Yは、被駆動物であるマスクフレームFに対して、チャンバ4内で、近接した位置に配置することができる。このため、シャフト、アームなどを備えた駆動機構を用いる場合、例えば、チャンバ4の外部から距離を隔てて駆動を行う場合に比べて、X駆動部11X,Y駆動部11Yは、高精度にマスクフレームFの位置の設定を行うことが可能となる。
【0048】
また、Z駆動部11Zは、重量物であるマスクフレームFの重量を支持しながら駆動するため、高出力である大型のモータであることが必要であり、同時に、チャンバ4の外部に配置してスペースに関して制限されることがないようになっている。
【0049】
支持アライメント部12は、凸部12aと、X駆動部12Xと、Y駆動部12Yと、Z駆動部12Zとを有する。凸部12aは、後述するマスクフレームFに設けられた係合部F2に係合する。凸部12aは、支持アライメント部12の頂部にて上方に突出した状態に設けられている。X駆動部12Xは、凸部12aをマスク面に垂直な略水平方向(X方向)に位置調整する際に駆動可能である。Y駆動部12Yは、凸部12aをマスク面に平行な略水平方向(Y方向)に位置調整する際に駆動可能である。Z駆動部12Zは、凸部12aを鉛直方向(Z方向)に位置調整する際に駆動可能である。
【0050】
凸部12aは、凸部11aと同等の構成とされ、図3図6に示すように、基部12bに対して上方向に付勢された状態で設けられている。凸部12aの上側は、球面あるいは半球面形状を有し、凸部12aは、例えば、金属で構成され、重量を有するマスクフレームFを支持可能とされている。
【0051】
X駆動部12Xは、図3図6に示すように、ステッピングモータとされるモータ12Xaと、モータ12Xaによって回転駆動されX方向に延在する回転軸12Xbと、回転軸12Xbに螺合されて回転軸12Xbの軸線方向に相対移動可能なX位置規制部12Xcと、このX位置規制部12Xcとモータ12Xaとの移動を規制する規制部12Xdとを有する。
【0052】
X駆動部12Xにおいては、モータ12Xaによって回転軸12Xbを回動することで、この回転軸12Xbの先端が回動可能な状態で回転軸12Xbの先端に接続された基部12bが、X位置規制部12Xcに対してX方向に移動するように構成されている。規制部12Xdによって、基部12bの移動方向が規制されている。
【0053】
X位置規制部12Xcの下端は、略平板状の水平板12cに接続固定されている。水平板12c上においては、基部12bの重量が水平板12cで支持され、水平板12cに対して基部12bは移動可能とされている。
【0054】
Y駆動部12Yは、図3図6に示すように、ステッピングモータとされるモータ12Yaと、モータ12Yaによって回転駆動されY方向に延在する回転軸12Ybと、回転軸12Ybに螺合されて回転軸12Ybの軸線方向に相対移動可能なY位置規制部12Ycと、このY位置規制部12Ycとモータ12Yaとの移動を規制する規制部12Ydとを有する。
【0055】
Y駆動部12Yにおいては、モータ12Yaによって回転軸12Ybを回動することで、この回転軸12Ybの先端が回動可能な状態で回転軸12Ybの先端に接続された台座12dが、Y位置規制部12Ycに対してY方向に移動するように構成されている。規制部12Ydによって、台座12dの移動方向が規制されている。
【0056】
Y位置規制部12Ycの上端は、略平板状の水平板12cに接続固定されている。台座12d上においては、水平板12c上に配置された部材の重量が台座12dで支持され、台座12dに対して水平板12cは移動可能とされている。
【0057】
Z駆動部12Zは、図3図6に示すように、ステッピングモータまたはサーボモータとされるモータ12Zaと、モータ12Zaによって回転駆動されZ方向に延在する回転軸12Zbと、回転軸12Zbに螺合されて回転軸12Zbの軸線方向に相対移動可能なZ位置規制部12Zcと、このZ位置規制部12Zcとモータ12Zaとの移動を規制する規制部12Zdとを有する。
【0058】
Z駆動部12Zにおいては、モータ12Zaによって回転軸12Zbを回動することで、この回転軸12Zbの先端が回動可能な状態で回転軸12Zbの先端に接続された台座12dが、Z位置規制部12Zcに対してZ方向に移動するように構成されている。規制部12Zdによって、台座12dの移動方向が規制されている。
【0059】
Z位置規制部12Zcは、成膜室4(チャンバ)の底部である。支持アライメント部12は、凸部12aの位置をXYZ方向の自由度にて調整可能であり、成膜室4(チャンバ)の底部に固定されている。
【0060】
支持アライメント部12においては、モータ12Xa,モータ12Yaがいずれもチャンバ4内に配置され、かつ、成膜領域であるマスクフレームFよりも下側に位置している。この構造においては、X駆動部12X,Y駆動部12Yが、いずれも重量物であるマスクフレームFの重量を支持しながら駆動する機能を有しておらず、水平方向の位置合わせのみを行うため、小出力のモータを採用すればよいため、チャンバ4内に配置することが可能となっている。
このため、X駆動部12X,Y駆動部12Yにおいては、モータ12Xa,モータ12Yaがいずれもステッピングモータで構成されているため、駆動制御性を高めることができる。同時に、X駆動部12X,Y駆動部12Yは、被駆動物であるマスクフレームFに対して、チャンバ4内で、近接した位置に配置することができる。このため、シャフト、アームなどを備えた駆動機構を用いる場合、例えば、チャンバ4の外部から距離を隔てて駆動を行う場合に比べて、X駆動部12X,Y駆動部12Yは、高精度にマスクフレームFの位置の設定を行うことが可能となる。
【0061】
また、Z駆動部12Zは、重量物であるマスクフレームFの重量を支持しながら駆動するため、高出力である大型のモータであることが必要であり、同時に、チャンバ4の外部に配置してスペースに関して制限されることがないようになっている。
【0062】
支持アライメント部11と支持アライメント部12とは、略同一の構成とされ、マスクフレームFにおける成膜位置の左右両端側に配置されている。
【0063】
図7は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)の上部アライメント部を示す斜視図である。図8は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)の上部アライメント部を示す斜視図である。
上部アライメント部13には、挟持部13Aが設けられている。挟持部13Aは、マスクフレームFの上端における左右方向(Y方向)における端部である角部の付近の部位を挟持して係止可能である。上部アライメント部13は、挟持部13Aをマスク面に垂直な略水平方向(X方向)に駆動して位置調整する際に駆動可能なX駆動部13Xと、挟持部13Aをマスク面に略平行なYZ面内で回動可能な回転駆動部13Rと、を有する。
【0064】
挟持部13Aは、図3図7に示すように、挟持片13Aa,13Abと、基部13Acとを有している。挟持片13Aa,13Abは、マスクフレームFの端部において、マスクフレームFの表面及び裏面のそれぞれに当接する。基部13Acは、挟持片13Aa,13Abを平行状態に維持し、挟持片13Aa,13Abの間の距離をマスクフレームFの厚さとほぼ同等に設定する。基部13Acには、挟持片13Aa,13Abの基端が固定されている。
【0065】
また、挟持部13Aの基部13Acにおいて、挟持片13Aa,13Abの延在方向における凸部13Ad,13Aeとは反対側の位置には、挟持片13Aa,13Abと略直交するように交差して回転軸13Bの先端が接続される。
挟持片13Aa,13Abの先端には、互いに対向する内側面に位置するように凸部13Ad,13Aeが設けられている。
【0066】
凸部13Ad,13Aeは、挟持片13Aa,13AbがマスクフレームFを挟持した状態で、挟持片13Aa,13AbとマスクフレームFとがX方向にずれないように、また、挟持片13Aa,13AbがマスクフレームFを挟持する際に、挟持片13Aa,13AbとマスクフレームFとがX方向にずれていた際にこのずれを吸収して挟持片13Aaと挟持片13Abとの間にマスクフレームFを維持することが可能なように、互いに近接する方向に付勢されている。
凸部13Ad,13Aeは、いずれも、互いに近接する方向に突出する球面あるいは半球面形状を有し、例えば、金属で構成され、マスクフレームFの重量を支持可能とされている。
【0067】
回転軸13Bは、マスク面に垂直な略水平方向(X方向)に延在して、回転軸13Bの軸線周りに回動可能とされる。また、回転軸13Bは、軸線方向(X方向)に進退可能とされている。
回転軸13Bの先端には、挟持部13Aの基部13Acが径方向に突出するように接続固定される。回転軸13Bの基端には、回転駆動部13Rのモータ13Raが接続され、回転軸13Bの軸線周りに駆動可能とされている。
【0068】
回転駆動部13Rのモータ13Raは、マスク面と平行に延在する平板部13Cに固定されている。この平板部13Cに対してX位置規制部13XcがX駆動部13Xによって駆動されることで、回転軸13B及び挟持部13Aが回転軸13Bの軸線方向に駆動可能とされている。
【0069】
X駆動部13Xは、図3図7に示すように、ステッピングモータとされるモータ13Xaと、モータ13Xaによって回転駆動されX方向に延在する回転軸13Xbと、回転軸13Xbに螺合されて回転軸13Xbの軸線方向に相対移動可能なX位置規制部13Xcと、このX位置規制部13Xcとモータ13Xaとの移動をX方向に規制する規制部13Xdとを有する。
【0070】
X駆動部13Xにおいては、モータ13Xaによって回転軸13Xbを回動することで、この回転軸13Xbの基端側が接続されたX位置規制部13Xcが、平板部13Cに対してX方向に移動するように構成されている。規制部13Xdによって、X位置規制部13Xcの移動方向が規制されている。
平板部13Cは、成膜室4(チャンバ)の側部である。上部アライメント部13は、挟持部13Aの位置をX方向の自由度にて調整可能であり、成膜室4(チャンバ)の側部に固定されている。
【0071】
上部アライメント部13においては、まず、回転駆動部13Rのモータ13Raによって回転軸13Bを軸線周りに駆動する。これにより、挟持部13Aが、成膜位置とされるマスクフレームFと干渉しない位置となるように、回転軸13Bの軸線周りの角度位置を設定する。
【0072】
次に、図7に示すように、X駆動部13Xのモータ13Xaによって回転軸13Xbを回動して、X位置規制部13XcをX方向に移動させる。これにより、回転軸13Bを軸線方向に駆動して挟持部13AのX方向における位置を設定し、挟持片13Aa,13Abの間にマスクフレームFの上端が位置するようにする。
【0073】
この状態で、図8に示すように、回転駆動部13Rのモータ13Raによって回転軸13Bを軸線周りに回動する。これにより、挟持部13Aにおける挟持片13Aa,13Abの間にマスクフレームFの上端が位置するように、挟持部13Aにおける回転軸13Bの軸線周りの角度位置を設定する。これにより、凸部13Ad,13AeがそれぞれマスクフレームFの表面及び裏面に当接して、マスクフレームFが挟持片13Aa,13Abによって挟持された状態となる。
【0074】
この状態で、X駆動部13Xのモータ13Xaによって回転軸13Xbを回動して、X位置規制部13XcをX方向に移動させることで、回転軸13Bを軸線方向に駆動してマスクフレームFの上端におけるX方向における位置を微調整することが可能となる。
【0075】
上部アライメント部13においては、回転駆動部13Rのモータ13Raが成膜室4(チャンバ)の外側位置に配置されており、また、X駆動部13Xのモータ13Xaが成膜室4(チャンバ)の外側位置に配置されている。したがって、挟持部13Aにおける回転軸13Bの軸線周りの角度位置調整、及び、挟持部13Aにおける回転軸13Bの軸線方向の位置調整は、いずれも、成膜室4(チャンバ)の外側から行われる。これにより、チャンバ4内に発生したゴミが拡散することを防止できる。
【0076】
上部アライメント部13、14は、左右方向であるY方向において並ぶように配置されている。図3に示すように、上部アライメント部13、14は、マスクフレームFの中心線(Z方向、重力方向)に対して、略対称な構成を有するように設けられている。このため、上部アライメント部14は、以下に符号のみ記載され、図において隠れている構成もある。
【0077】
上部アライメント部14には、挟持部14Aが設けられている。挟持部14Aは、マスクフレームFの上端における左右方向(Y方向)における端部である角部の付近の部位を挟持して係止可能である。上部アライメント部14は、挟持部14Aをマスク面に垂直な略水平方向(X方向)に駆動して位置調整する際に駆動可能なX駆動部14Xと、挟持部14Aをマスク面に略平行なYZ面内で回動可能な回転駆動部14Rと、を有する。
【0078】
挟持部14Aは、図3に示すように、挟持片14Aa,14Abと、基部14Acと、を有している。挟持片14Aa,14Abは、マスクフレームFの端部において、マスクフレームFの表面及び裏面のそれぞれに当接する。基部14Acは、挟持片14a,14Abを平行状態に維持し、挟持片14a,14Abの間の距離をマスクフレームFの厚さとほぼ同等に設定する。基部14Acには、挟持片14a,14Abの基端が固定されている。
【0079】
また、挟持部14Aの基部14Acにおいて、挟持片14Aa,14Abの延在方向における凸部14Ad,14Aeとは反対側の位置には、挟持片14Aa,14Abと略直交するように交差して回転軸14Bの先端が接続される。
挟持片14Aa,14Abの先端には、互いに対向する内側面に位置するように凸部14Ad,14Aeが設けられている。
【0080】
凸部14Ad,14Aeは、挟持片14Aa,14AbがマスクフレームFを挟持した状態で、挟持片14Aa,14AbとマスクフレームFとがX方向にずれないように、また、挟持片14Aa,14AbがマスクフレームFを挟持する際に、挟持片14Aa,14AbとマスクフレームFとがX方向にずれていた際にこのずれを吸収して挟持片14Aaと挟持片14Abとの間にマスクフレームFを維持することが可能なように、互いに近接する方向に付勢されている。
凸部14Ad,14Aeは、いずれも、互いに近接する方向に突出する球面あるいは半球面形状を有し、例えば、金属で構成され、マスクフレームFの重量を支持可能とされている。
【0081】
回転軸14Bは、マスク面に垂直な略水平方向(X方向)に延在して、回転軸14Bの軸線周りに回動可能とされる。また、回転軸14Bは、軸線方向(X方向)に進退可能とされている。
回転軸14Bの先端には、挟持部14Aの基部14Acが径方向に突出するように接続固定される。回転軸14Bの基端には、回転駆動部14Rのモータ14Raが接続され、回転軸14Bの軸線周りに駆動可能とされている。
【0082】
回転駆動部14Rのモータ14Raは、マスク面と平行に延在する平板部14Cに固定されている。この平板部14Cに対してX位置規制部14XcがX駆動部14Xによって駆動されることで、回転軸14B及び挟持部14Aが回転軸14Bの軸線方向に駆動可能とされている。
【0083】
X駆動部14Xは、図3に示すように、ステッピングモータとされるモータ14Xaと、モータ14Xaによって回転駆動されX方向に延在する回転軸14Xbと、回転軸14Xbに螺合されて回転軸14Xbの軸線方向に相対移動可能なX位置規制部14Xcと、このX位置規制部14Xcとモータ14Xaとの移動をX方向に規制する規制部14Xdとを有する。
【0084】
X駆動部14Xにおいては、モータ14Xaによって回転軸14Xbを回動することで、この回転軸14Xbの基端側が接続されたX位置規制部14Xcが、平板部14Cに対してX方向に移動するように構成されている。規制部14Xdによって、X位置規制部14Xcの移動方向が規制されている。
平板部14Cは、成膜室4(チャンバ)の側部である。上部アライメント部14は、挟持部14Aの位置をX方向の自由度にて調整可能であり、成膜室4(チャンバ)の側部に固定されている。
【0085】
上部アライメント部14においては、まず、回転駆動部14Rのモータ14Raによって回転軸14Bを軸線周りに駆動する。これにより、挟持部14Aが、成膜位置とされるマスクフレームFと干渉しない位置となるように、回転軸14Bの軸線周りの角度位置を設定する。
【0086】
次に、X駆動部14Xのモータ14Xaによって回転軸14Xbを回動して、X位置規制部14XcをX方向に移動させる。これにより、回転軸14Bを軸線方向に駆動して挟持部14AのX方向における位置を設定し、挟持片14Aa,14Abの間にマスクフレームFの上端が位置するようにする。
【0087】
この状態で、回転駆動部14Rのモータ14Raによって回転軸14Bを軸線周りにこの回動する。これにより、図3に示すように、挟持部14Aにおける挟持片14Aa,14Abの間にマスクフレームFの上端が位置となるように、挟持部13Aにおける回転軸13Bの軸線周りの角度位置を設定する。これにより、凸部14Ad,14AeがそれぞれマスクフレームFの表面及び裏面に当接して、マスクフレームFが挟持片14Aa,14Abによって挟持された状態となる。
【0088】
この状態で、X駆動部14Xのモータ14Xaによって回転軸14Xbを回動して、X位置規制部14XcをX方向に移動させることで、回転軸14Bを軸線方向に駆動してマスクフレームFの上端におけるX方向における位置を微調整することが可能となる。
【0089】
上部アライメント部14においても、回転駆動部14Rのモータ14Raが成膜室4(チャンバ)の外側位置に配置されており、また、X駆動部14Xのモータ14Xaが成膜室4(チャンバ)の外側位置に配置されている。したがって、挟持部14Aにおける回転軸14Bの軸線周りの角度位置調整、及び、挟持部14Aにおける回転軸14Bの軸線方向の位置調整は、いずれも、成膜室4(チャンバ)の外側から行われる。これにより、チャンバ4内に発生したゴミが拡散することを防止できる。
【0090】
図9は、本実施形態におけるマスクフレームの係合部を示す斜視図である。図10は、本実施形態におけるマスクフレームの係合部を示す斜視図である。図11は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)における支持アライメント部とマスクフレームにおける係合部との係合状態を示す斜視図である。図12は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)における支持アライメント部とマスクフレームにおける係合部との係合状態を示す斜視図である。
マスクフレームFは、図3図9図10に示すように、略矩形の枠体Faの下端の両端部、つまり、Z方向における下側でY方向における両端位置に、係合部F1及び係合部F2がそれぞれ設けられている。
【0091】
係合部F1は、図3図9に示すように、マスクフレームFの一端側に設けられ、枠体Faの下端よりも下側に突出する。係合部F1の底面には、係合凹部F1aが設けられている。
【0092】
係合凹部F1aは、図9に示すように、略球面状の表面形状を有しており、支持アライメント部11の凸部11aが係合して、XY方向に位置規制が可能なように形成されている。
【0093】
すなわち、平面視において、係合凹部F1aの中心位置に対して凸部11aの中心位置が径方向にずれた状態で、凸部11aが係合凹部F1aに当接した場合でも、Z方向において凸部11aと係合凹部F1aとが近接することに伴って、凸部11aの外面が係合凹部F1aの内面に沿ってXY方向に移動する。
【0094】
そして、最終的に、図11に示すように、Z方向において凸部11aと係合凹部F1aとが最も近接した状態、すなわち、係合凹部F1aが凸部11aに載置された状態で、凸部11aの全周が係合凹部F1aの全周に、円を形成するように線接触する。これにより、平面視において、係合凹部F1aの中心位置に対して凸部11aの中心位置がXY方向に一致した状態となるように、マスクフレームFの位置が設定される。
【0095】
なお、係合凹部F1a及び凸部11aの形状は、それぞれが互いに中心位置をXY方向における位置を設定可能な形状であれば、上述した形状に限られるものではなく、他の形状を用いることも可能である。
例えば、係合凹部F1a及び凸部11aが互いに嵌合する凹凸形状が上述した実施形態とは逆に設定されている構造が採用されてもよい。具体的に、マスクフレームFに凸形状の部材が設けられ、支持アライメント部11に凹形状の部材が設けられている構造が採用されてもよい。また、係合凹部F1aと凸部11aとのいずれかの形状として、球面形状ではなく円錐状に形成された形状、または、多角錐などの形状を採用することもできる。
【0096】
係合部F2は、図3図10に示すように、マスクフレームFの一端側に設けられ、枠体Faの下端よりも下側に突出する。係合部F2の底面には、係合溝部F2aが設けられている。
【0097】
係合溝部F2aは、図10に示すように、枠体Faの下端に延在する方向、つまり、Y方向に略同一形状を有するように延在している。さらに、係合溝部F2aは、係合溝部F2aのXZ方向の断面が、係合溝部F2aの延在する方向において略同一である、円弧状の表面形状を有する。係合溝部F2aの円弧形状は、支持アライメント部12の凸部12aが係合して、Y方向に自由度を有して、X方向における凸部12aの位置が設定可能なように形成されている。
【0098】
すなわち、平面視において、係合溝部F2aの中心位置に対して凸部12aの中心位置が凸部12aの径方向であるX方向またはY方向のいずれかにずれた状態で、凸部12aが係合溝部F2aに当接した場合でも、Z方向において凸部12aと係合溝部F2aとが近接することに伴って、凸部12aの外面が係合溝部F2aの内面に沿ってXY方向に移動する。
【0099】
そして、最終的に、図12に示すように、Z方向において凸部12aと係合溝部F2aとが最も近接した状態、すなわち、係合溝部F2aが凸部12aに載置された状態で、凸部12aのX方向に沿う断面における円弧が、係合溝部F2aの内面に、係合溝部F2aのX方向に沿う断面と一致するように線接触する。これにより、平面視において、係合溝部F2aのX方向中心位置に対して凸部12aの中心位置がX方向に一致した状態となるように、マスクフレームFの位置が設定される。同時に、Y方向に延在する係合溝部F2aに対して凸部12aのY方向における位置は、係合溝部F2aのY方向の長さに対応する自由度を有してY方向の位置に設定される。
【0100】
上側支持部16,16は、図3に示すように、マスクフレームFの上側の中央位置で、Y方向の上部アライメント部13及び上部アライメント部14の間に位置するように設けられている。
上側支持部16,16は、支持アライメント部11,12によってマスクフレームFを支持し、上部アライメント部13,14によってマスクフレームFを支持・アライメントする直前に、マスクフレームFが倒れないようにマスクフレームFの上側を支持する。
【0101】
上側支持部16,16は、図3図4に示すように、マグネット部16aと、Z駆動部16Zとを有する。マグネット部16aは、マスクフレームFの上端の中央部を含む部分、具体的には、マスクフレームFの左右両端の位置を除いたマスクフレームFの全長に設けられている。マグネット部16aは、マスクフレームFを構成するマグネット等の上側フレーム支持体F6と引き付け合って、マスクフレームFの重量を支持可能である。Z駆動部16Zは、マグネット部16aをZ方向に駆動可能である。
【0102】
上側支持部16,16においては、Y方向に延在するマグネット部16aがマスクフレームFの上端に沿って複数配置されている。例えば、図3に示すように、マグネット部16aは2分割されているが、マグネット部16aは、さらに多数の部材に分割されていてもよい。
【0103】
Z駆動部16Zは、図3図7に示すように、ステッピングモータまたはサーボモータとされるモータ16Zaと、モータ16Zaによって回転駆動されZ方向に延在する回転軸16Zbと、回転軸16Zbに螺合されて回転軸16Zbの軸線方向に相対移動可能なZ板部16cと、このZ板部16cとモータ16Zaとの移動を規制する規制部16Zdと、Z板部16cとマグネット部16aとを接続する接続部16bと、回転軸16Zbの下端が接続されるZ位置規制部16Zcと、を有する。
【0104】
Z駆動部16Zにおいては、回転軸16Zbの下端(先端)は、回動可能な状態でZ位置規制部16Zcに接続されている。モータ16Zaによって回転軸16Zbを回動することで、Z位置規制部16Zcに対してZ方向には移動しないように回転軸16Zbは、回動する。規制部16Zdによって、Z板部16cの移動方向が規制されている。Z板部16cは、Z位置規制部16Zcに対してZ方向に移動するように構成されている。これにより、Z板部16cと接続部16bによって接続されたマグネット部16aとがZ方向に往復移動可能とされている。
【0105】
Z位置規制部16Zcは、成膜室4(チャンバ)の頂部である。Z駆動部16Zは、マグネット部16aをZ方向への伸張又は後退させることが可能であり、成膜室4(チャンバ)の頂部に固定されている。
【0106】
上側支持部16,16においては、モータ16Zaが、成膜室4(チャンバ)の頂部に位置するZ位置規制部16Zcの外側、つまり、チャンバ4の外部に配置されている。接続部16bが密閉状態に維持されたままZ方向に伸退可能とされていることで、チャンバ4内に発生したゴミが拡散することを防止できる。
【0107】
図13は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)、マスクフレーム、アライメント方法におけるアライメント前の状態を示す正面図である。図14は、本実施形態における成膜装置(スパッタリング装置)、マスクフレーム、アライメント方法におけるアライメント状態を示す正面図である。
本実施形態に係るスパッタリング装置1において、マスクフレームFのアライメントを行う際には、まず、図13に示すように、マスクフレームFを成膜位置の付近に位置する。
【0108】
このとき、マスクフレームFの上端は、上側支持部16とマスクフレームFの上側フレーム支持体F6(マグネット部)とが互いに引きつけ合うことにより、倒れないように支持されている。また、マスクフレームFの下部は支持アライメント部11,12以外の支持装置(支持手段)により支持されていることが好ましい。この支持装置としては、支持アライメント部11,12の凸部11a,12aの位置よりも高い位置に設定されるとともに、後述する支持アライメント部11,12のアライメント動作にともなって上昇する凸部11a,12aの上止点よりも低い位置となるように設定できる。
【0109】
ここで、上側支持部16,16は、図13に示すように、Z駆動部16Zにおいては、マグネット部16aがマスクフレームFの上端に近接するように最下位置に設定されている。
【0110】
マスクフレームFのアライメント動作前において、支持アライメント部11,12は、図13に示すように、凸部11a,12aの位置がZ方向の最低位置になるようにZ駆動部11Z,12Zにおいて設定されている。X駆動部11X,12X及びY駆動部11Y,12Yにおいては、凸部11a,12aがXY面内方向において成膜位置の近い位置にあればよい。これは、凸部11aの上昇に伴って係合凹部F1aの内面のいずれかの位置に凸部11aが当接可能であること、及び、凸部12aの上昇に伴って係合溝部F2aの内面のいずれかの位置に凸部12aが当接可能であることを意味する。
【0111】
同時に、マスクフレームFのアライメント動作前において、上部アライメント部13は、図13に示すように、回転駆動部13Rにおいて回転軸13Bの軸線周りにおける挟持部13Aの角度が、マスクフレームFを成膜位置の付近に位置する際にマスクフレームFに干渉しない角度とされている。具体的には、挟持部13AがマスクフレームFの近くに位置するとともに、回転軸13Bの軸線周りで挟持部13Aが少なくとも上向きに傾くような角度で挟持部13Aの位置が設定されることが好ましい。
【0112】
また、上部アライメント部13では、X駆動部13Xにおいて、挟持部13Aにおける挟持片13Aa,13Abの間にマスクフレームFの上端が位置するように設定しておく。
【0113】
同様に、マスクフレームFのアライメント動作前において、上部アライメント部14は、図13に示すように、回転駆動部14Rにおいて回転軸14Bの軸線周りにおける挟持部14Aの角度が、マスクフレームFを成膜位置の付近に位置する際にマスクフレームFに干渉しない角度とされている。具体的には、挟持部14AがマスクフレームFの近くに位置するとともに、回転軸14Bの軸線周りで挟持部14Aが少なくとも上向きに傾くような角度で挟持部13Aの位置が設定されることが好ましい。
【0114】
また、上部アライメント部14では、X駆動部14Xにおいて、挟持部14Aにおける挟持片14Aa,14Abの間にマスクフレームFの上端が位置するように設定しておく。
【0115】
次いで、アライメント動作を行うには、図14に示すように、上部アライメント部13の回転駆動部13Rを駆動して、図14の矢印r13で示すように、挟持部13Aを回転軸13Bの軸線周りに回動する。これにより、挟持部13Aの角度は、挟持片13Aa及び挟持片13Abの間に位置する2つの対向面に設けられた凸部13Ad及び凸部13AeがマスクフレームFの表面及び裏面に当接して支持可能な角度とする。
【0116】
同時に、アライメント動作を行うには、図14に示すように、上部アライメント部14の回転駆動部14Rを駆動して、図14の矢印r14で示すように、挟持部14Aを回転軸14Bの軸線周りに回動する。これにより、挟持部14Aの角度は、挟持片14Aa及び挟持片14Abの間に位置する2つの対向面に設けられた凸部14Ad及び凸部14AeがマスクフレームFの表面及び裏面に当接して支持可能な角度とする。
【0117】
さらに、図14の矢印r13,r14で示す上部アライメント部13,14における回転駆動部13R,14Rの動作の後に、或いは、この動作と同時に、支持アライメント部11,12において、Z駆動部11Z,12Zを駆動する。これにより、図14の矢印r11,r12で示すように、凸部11a,12aを上昇させ、凸部11aを係合凹部F1aの内面に当接させるとともに、凸部12aを係合溝部F2aの内面に当接させる。
【0118】
この図14の矢印r11,r12で示すZ駆動部11Z,12Zの動作により、支持アライメント部11,12によって、マスクフレームFの重量が支持された状態となる。
【0119】
図14の矢印r11,r12で示すZ駆動部11Z,12Zの動作に同期して、上側支持部16,16におけるZ駆動部16Zを駆動する。これにより、図14の矢印r16で示すように、マグネット部16aを上昇させ、マグネット部16aが、上昇するマスクフレームFに当接しないように動作させる。
【0120】
このように、図14の矢印r11,r12で示すように、凸部11aが係合凹部F1aの内面に当接するとともに、凸部12aが係合溝部F2aの内面に当接する。これにより、マスクフレームFの下端は、凸部11a,12aによって設定されるXY面内の位置に規制されることになる。同時に、図14の矢印r13で示すように、挟持片13Aaの凸部13Ad及び挟持片13Abの凸部13AeがそれぞれマスクフレームFの表面及び裏面に当接する。また、図14の矢印r14で示すように、挟持片14Aa凸部14Ad及び挟持片14Abの凸部14AeがそれぞれマスクフレームFの表面及び裏面に当接する。これにより、マスクフレームFの上端は、挟持部13A,14Aによって設定されるX方向における位置に規制されることになる。
【0121】
さらに、図示しないカメラ等の検出装置によって検出されたガラス基板Sと、マスクフレームFとの位置関係の情報から、図示しない制御部等の演算装置によって演算されるとともに出力されるアライメント信号に基づいて、アライメント装置10を動作させる。これによって、ガラス基板Sと、マスクフレームFとの位置関係をあらかじめ設定されたスパッタリングの成膜位置となるように制御する。
【0122】
このとき、支持アライメント部11,12において、X駆動部11X,12X、Y駆動部11Y,12Y、Z駆動部11Z,12Zを駆動する。さらに、上部アライメント部13,14におけるX駆動部13Xを駆動する。これによって、マスクフレームFのZY面における2方向の位置、及び、マスクフレームFのZY面に直交するX方向の位置、即ち、3つの軸方向における位置と、3つの軸方向の軸線周りの3つの回転方向(角度)とによる6自由度にて、マスクフレームFのアライメントを行う。
【0123】
具体的には、支持アライメント部11によるマスクフレームFの下端における係合部F1の側端部のXYZ方向となる3方向の位置設定、及び、支持アライメント部12によるマスクフレームFの下端における係合部F2の側端部のXYZ方向となる3方向の位置設定、上部アライメント部13によるマスクフレームFの上端における係合部F1の側端部のX方向となる位置設定、上部アライメント部14によるマスクフレームFの上端における係合部F2の側端部のX方向となる位置設定、を行うことになる。
【0124】
これにより、ガラス基板SとマスクフレームFとの面内方向の位置設定と、ガラス基板SとマスクフレームFとの面どうしの傾き設定とを同時に行うことが可能となる。
【0125】
本実施形態においては、支持アライメント部11,12において、X駆動部11X,12X、Y駆動部11Y,12Yが、チャンバ4内に設けられている。これにより、駆動部11X,12X,11Y,12Yがチャンバ4の外部に設けられている場合に比べて、駆動部11X,12X,11Y,12Yから当該駆動部によって位置が制御されるマスクフレームFまでの距離を短縮することができる。これにより、マスクフレームFの位置の制御をより高精度に行うことが可能となる。同時に、駆動部11X,12X,11Y,12Yにステッピングモータを用いることが可能となるため、高出力なサーボモータを用いる場合に比べてマスクフレームFの位置の制御をより高精度に行うことが可能となる。
【0126】
さらに、駆動部11X,12X,11Y,12Yに省スペース型のステッピングモータを用いて、チャンバ4内で密閉することが可能となる。このため、駆動部11X,12X,11Y,12Yの駆動に関してゴミ等の発生を防止することが可能となる。これにより、ガラス基板Sに対するスパッタリングの成膜特性を向上するとともに、歩留まりを向上し、製造コストを低減することが可能となる。
【0127】
本実施形態においては、支持アライメント部11,12におけるZ駆動部11Z,12Z、及び、上部アライメント部13,14における回転駆動部13R,14RとX駆動部13X,14Xが、チャンバ4の外部に設けられる。これにより、500kg以上となる場合もある重量を有するマスクフレームFを支持して、マスクフレームFを直接駆動する際に、チャンバ4内のスペースを気にせずに高出力のモータを用いることが可能となる。さらに、駆動部11Z,12Zから発生したゴミは、重力によって下方に落下するが、成膜特性に影響するマスクフレームFの上側位置に配置されている回転駆動部13R,14R及びX駆動部13X,14Xはチャンバ4の外側に位置することで、このゴミが発生することがなく、ガラス基板Sに対するスパッタリング成膜特性に悪影響を及ぼすことが防止できる。
【0128】
本実施形態においては、係合部F1,F2及び支持アライメント部11,12の凸部11a,12aが、上記の構成を有することにより、マスクフレームFを凸部11a,12aで支持し、これを支持アライメント部11,12におけるZ駆動部11Z,12Zの駆動のみで、マスクフレームFの下端部における位置設定を行うことが可能となる。
さらに、係合凹部F1a及び係合溝部F2aを支持アライメント部11,12の凸部11a,12aに係合させることのみによって、マスクフレームFを微調整可能に支持することが可能となる。
【0129】
本実施形態においては、上部アライメント部13,14が上記の構成とされたことにより、駆動部13X,14Xで挟持部13A,14Aを回転軸13B,14Bに沿って移動することで、X方向に位置制御することができ、これにより、三軸線周りとの6自由度としてマスクフレームFをアライメント可能とすることができる。
【0130】
本実施形態においては、省スペース化されたスパッタリング装置1において、簡単な構成、かつ、ゴミのでない状態で、容易にアライメント可能とすることができ、優れた成膜特性を低コストに実現することが可能となる。
【0131】
なお、本実施形態においては、支持アライメント部11,12の凸部11a,12aが、上記のように駆動することが可能であればX駆動部11X,12X、Y駆動部11Y,12Y、Z駆動部11Z,12Zは、この構成に限定されるものではない。
【0132】
なお、本実施形態においては、上部アライメント部13,14の挟持部13A,14Aが、上記のように駆動することが可能であればX駆動部13X,14X、回転駆動部13R,14Rは、この構成に限定されるものではない。
【0133】
また、上側支持部16も、マスクフレームFの上側をアライメント前に支持することが可能な構成であれば、この構成に限定されるものではない。
【0134】
また、本実施形態においては、基板S及びマスクフレームFが立位とされる縦型搬送・縦型成膜として説明したが、水平搬送とすることもできる。
【0135】
本発明の好ましい実施形態を説明し、上記で説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、請求の範囲によって制限されている。
【符号の説明】
【0136】
1…スパッタリング装置(成膜装置)
2…ロード・アンロード室
3…搬送室
4…成膜室(チャンバ)
48…保持装置(保持手段)
6…バッキングプレート(カソード電極)
7…電源
8…ガス導入装置(ガス導入手段)
9…高真空排気装置(高真空排気手段)
10…アライメント装置(マスクアライメント手段)
11,12…支持アライメント部
11a,12a…凸部
11b,12b…基部
11c,12c…水平板
11d,12d…台座
11X,12X…X駆動部
11Xa,12Xa…モータ
11Xb,12Xb…回転軸
11Xc,12Xc…X位置規制部
11Xd,12Xd…規制部
11Y,12Y…Y駆動部
11Ya,12Ya…モータ
11Yb,12Yb…回転軸
11Yc,12Yc…Y位置規制部
11Yd,12Yd…規制部
11Z,12Z…Z駆動部
11Za,12Za…モータ
11Zb,12Zb…回転軸
11Zc,12Zc…Z位置規制部
11Zd,12Zd…規制部
13,14…上部アライメント部
13A,14A…挟持部
13Aa,13Ab,14Aa,14Ab…挟持片
13Ac,14Ac…基部
13Ad,13Ae,14Ad,14Ae…凸部
13B,14B…回転軸
13C,14C…平板部
13R,14R…回転駆動部
13Ra,14Ra…モータ
13X,14X…X駆動部
13Xa,14Xa…モータ
13Xb,14Xb…回転軸
13Xc,14Xc…X位置規制部
13Xd,14Xd…規制部
16…上側支持部
16a…マグネット部
16b…接続部
16c…Z板部
16Z…Z駆動部
16Za…モータ
16Zb…回転軸
16Zc…Z位置規制部
16Zd…規制部
F…マスクフレーム
Fa…枠体
F1,F2…係合部
F1a…係合凹部
F2a…係合溝部
F6…上側フレーム支持体
S…ガラス基板(被処理基板)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14