【実施例】
【0097】
実施例(使用例を含む)により本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、使用例1の組成物と使用例2の組成物との混合物を含む。本発明は、使用例の組成物の少なくとも2つを混合することによって調製した組成物をも含む。本発明はこれらの実施例によっては制限されない。
【0098】
1.化合物(1)の実施例
化合物(1)は、合成例に示す手順により合成した。特に記載のないかぎり、反応は窒素雰囲気下で行った。合成した化合物は、NMR分析などの方法により同定した。化合物の特性は、下記に記載した方法により測定した。
【0099】
NMR分析
測定には、ブルカーバイオスピン社製のDRX−500を用いた。
1H−NMRの測定では、試料をCDCl
3などの重水素化溶媒に溶解させ、室温で、500MHz、積算回数16回の条件で測定した。テトラメチルシランを内部標準として用いた。
19F−NMRの測定では、CFCl
3を内部標準として用い、積算回数24回で行った。核磁気共鳴スペクトルの説明において、sはシングレット、dはダブレット、tはトリプレット、qはカルテット、quinはクインテット、sexはセクステット、mはマルチプレット、brはブロードであることを意味する。
【0100】
GC分析
測定には、島津製作所製のGC−2010型ガスクロマトグラフを用いた。カラムは、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB−1(長さ60m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いた。キャリアーガスとしてはヘリウムを用い、流量は1ml/分に調整した。試料気化室の温度を300℃、検出器(FID)部分の温度を300℃に設定した。試料はアセトンに溶解して、1重量%の溶液となるように調製し、得られた溶液1μlを試料気化室に注入した。記録計には島津製作所製のGCSolutionシステムなどを用いた。
【0101】
HPLC分析
測定には、島津製作所製のProminence(LC−20AD;SPD−20A)を用いた。カラムはワイエムシー製のYMC−Pack ODS−A(長さ150mm、内径4.6mm、粒子径5μm)を用いた。溶出液はアセトニトリルと水を適宜混合して用いた。検出器としてはUV検出器、RI検出器、CORONA検出器などを適宜用いた。UV検出器を用いた場合、検出波長は254nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.1重量%の溶液となるように調製し、この溶液1μLを試料室に導入した。記録計としては島津製作所製のC−R7Aplusを用いた。
【0102】
紫外可視分光分析
測定には、島津製作所製のPharmaSpec UV−1700用いた。検出波長は190nmから700nmとした。試料はアセトニトリルに溶解して、0.01mmol/Lの溶液となるように調製し、石英セル(光路長1cm)に入れて測定した。
【0103】
測定試料
相構造および転移温度(透明点、融点、重合開始温度など)を測定するときには、化合物そのものを試料として用いた。ネマチック相の上限温度、粘度、光学異方性、誘電率異方性などの特性を測定するときには、化合物と母液晶との混合物を試料として用いた。
【0104】
測定方法
特性の測定は下記の方法で行った。これらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(JEITA;Japan Electronics and Information Technology Industries Association)で審議制定されるJEITA規格(JEITA・ED−2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法であった。測定に用いたTN素子には、薄膜トランジスター(TFT)を取り付けなかった。
【0105】
(1) 相構造
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート(メトラー社FP−52型ホットステージ)に試料を置き、3℃/分の速度で加熱しながら相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相の種類を特定した。
【0106】
(2) 転移温度(℃)
測定には、パーキンエルマー社製の走査熱量計、Diamond DSCシステムまたはエスアイアイ・ナノテクノロジー社製の高感度示差走査熱量計、X−DSC7000を用いた。試料は、3℃/分の速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸熱ピークまたは発熱ピークの開始点を外挿により求め、転移温度を決定した。化合物の融点、重合開始温度もこの装置を使って測定した。化合物が固体からスメクチック相、ネマチック相などの液晶相に転移する温度を「液晶相の下限温度」と略すことがある。化合物が液晶相から液体に転移する温度を「透明点」と略すことがある。
【0107】
結晶はCと表した。結晶の種類の区別がつく場合は、それぞれをC
1、C
2のように表した。スメクチック相はS、ネマチック相はNと表した。スメクチック相の中で、スメクチックA相、スメクチックB相、スメクチックC相、またはスメクチックF相の区別がつく場合は、それぞれS
A、S
B、S
C、またはS
Fと表した。液体(アイソトロピック)はIと表した。転移温度は、例えば、「C 50.0 N 100.0 I」のように表記した。これは、結晶からネマチック相への転移温度が50.0℃であり、ネマチック相から液体への転移温度が100.0℃であることを示す。
【0108】
(3) ネマチック相の上限温度(T
NIまたはNI;℃)
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。試料が化合物(1)と母液晶との混合物であるときは、T
NIの記号で示した。試料が化合物(1)と成分B、C、Dのような化合物との混合物であるときは、NIの記号で示した。
【0109】
(4) ネマチック相の下限温度(T
C;℃)
ネマチック相を有する試料を0℃、−10℃、−20℃、−30℃、および−40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が−20℃ではネマチック相のままであり、−30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、T
Cを≦−20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
【0110】
(5) 粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s)
測定には、東京計器株式会社製のE型回転粘度計を用いた。
【0111】
(6) 光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;Δn)
測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性(Δn)の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算した。
【0112】
(7) 比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm)
電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
【0113】
(8) 電圧保持率(VHR−1;25℃で測定;%)
測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmであった。この素子は試料を入れたあと紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積であった。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率で表した。
【0114】
(9) 電圧保持率(VHR−2;80℃で測定;%)
25℃の代わりに、80℃で測定した以外は、上記と同じ手順で電圧保持率を測定した。得られた結果をVHR−2の記号で示した。
【0115】
(10)電圧保持率(VHR−3;25℃で測定;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmであった。この素子に試料を注入し、光を20分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH−500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmであった。VHR−3の測定では、16.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。VHR−3は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
【0116】
(11)電圧保持率(VHR−4;25℃で測定;%):試料を注入したTN素子を80℃の恒温槽内で500時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR−4の測定では、16.7ミリ秒のあいだ減衰する電圧を測定した。大きなVHR−4を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
【0117】
誘電率異方性が正の試料と負の試料とでは、特性の測定法が異なることがある。誘電率異方性が正であるときの測定法は、項(12a)から(16a)に記載した。誘電率異方性が負の場合は、項(12b)から(16b)に記載した。
【0118】
(12a)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
正の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。ツイスト角が0度であり、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5μmであるTN素子に試料を入れた。この素子に16Vから19.5Vの範囲で0.5V毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算で必要な誘電率異方性の値は、この回転粘度を測定した素子を用い、下に記載した方法で求めた。
【0119】
(12b)粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
負の誘電率異方性:測定は、M. Imai et al., Molecular Crystals and Liquid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された方法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmのVA素子に試料を入れた。この素子に39ボルト〜50ボルトの範囲で1ボルト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあと、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無印加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印加によって発生した過渡電流(transient current)のピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time)を測定した。これらの測定値とM.Imaiらの論文、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得た。この計算に必要な誘電率異方性は、下記の誘電率異方性の項で測定した値を用いた。
【0120】
(13a)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
正の誘電率異方性:2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、そしてツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(10V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。
【0121】
(13b)誘電率異方性(Δε;25℃で測定)
負の誘電率異方性:誘電率異方性の値は、Δε=ε‖−ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε‖およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε‖)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε‖)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
【0122】
(14a)弾性定数(K;25℃で測定;pN)
正の誘電率異方性:測定には横河・ヒューレットパッカード株式会社製のHP4284A型LCRメータを用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである水平配向素子に試料を入れた。この素子に0ボルトから20ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧(V)の値を「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.99)からK
11およびK
33の値を得た。次に171頁にある式(3.18)に、先ほど求めたK
11およびK
33の値を用いてK
22を算出した。弾性定数Kは、このようにして求めたK
11、K
22、およびK
33の平均値で表した。
【0123】
(14b)弾性定数(K
11およびK
33;25℃で測定;pN)
負の誘電率異方性:測定には株式会社東陽テクニカ製のEC−1型弾性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向素子に試料を入れた。この素子に20ボルトから0ボルト電荷を印加し、静電容量および印加電圧を測定した。静電容量(C)と印加電圧(V)の値を、「液晶デバイスハンドブック」(日刊工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を用いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定数の値を得た。
【0124】
(15a)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が0.45/Δn(μm)であり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に印加する電圧(32Hz、矩形波)は0Vから10Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が90%になったときの電圧で表した。
【0125】
(15b)しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧−透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧で表した。
【0126】
(16a)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
正の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が5.0μmであり、ツイスト角が80度であるノーマリーホワイトモード(normally white mode)のTN素子に試料を入れた。この素子に矩形波(60Hz、5V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。立ち上がり時間(τr:rise time;ミリ秒)は、透過率が90%から10%に変化するのに要した時間である。立ち下がり時間(τf:fall time;ミリ秒)は透過率10%から90%に変化するのに要した時間である。応答時間は、このようにして求めた立ち上がり時間と立ち下がり時間との和で表した。
【0127】
(16b)応答時間(τ;25℃で測定;ms)
負の誘電率異方性:測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプであった。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が3.2μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のPVA素子に試料を入れた。この素子を紫外線で硬化する接着剤を用いて密閉した。この素子にしきい値電圧を若干超える程度の電圧を1分間印加し、次に5.6Vの電圧を印加しながら23.5mW/cm
2の紫外線を8分間照射した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%であるとみなした。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)で表した。
【0128】
[合成例1]
化合物(1−2−1)を、下記の合成スキームに従って合成した。
【0129】
第1工程:化合物(T−1)の合成
水素化ホウ素ナトリウム(6.5g、172mmol)をテトラヒドロフラン(250mL)に懸濁させた。2,6−t−ブチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン(50g、227mmol)のテトラヒドロフラン(250mL)溶液を25℃で滴下し、さらに1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物をアセトン(100mL)と水(500mL)の混合物に注ぎ、メチルt−ブチルエーテル(500mL)を加えた。そのものを分液し、水層をメチルt−ブチルエーテル(500mLで2回)で抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)および水(500mL)にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、化合物(T−1)を淡黄色油状物として(46g、207mmol)得た。
【0130】
第2工程:化合物(T−2)の合成
1,3−ジチアン(61g、507mmol)をテトラヒドロフラン(420mL)に溶解させ、窒素雰囲気下−30℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6モル/Lのヘキサン溶液、350mL、560mmol)を、−30℃に保ちながら滴下した後、−30℃で1時間攪拌した。この混合物を−30℃に保ちながらクロロトリメチルシラン(66g、608mmol)を滴下した。−30℃で1時間攪拌した後、25℃まで昇温させた。反応混合物に10%塩酸(500mL)を加え、ヘキサン(500mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水(200mLで2回)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮することにより、化合物(T−2)を淡黄色油状物(90g、468mmol)として得た。
【0131】
第3工程:化合物(T−3)の合成
上記操作で得られた化合物(T−2)(90g、468mmol)をテトラヒドロフラン(500mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で−10℃に冷却した。n−ブチルリチウム(1.6モル/Lのヘキサン溶液、327mL、523mmol)を−10℃に保ちながら滴下し、さらに−10℃で1時間攪拌した。この混合物を−10℃に保ちながら、4−ペンチルシクロヘキサ−1−オン(73g、434mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液を滴下した。その後25℃で1時間攪拌した。反応混合物に10%塩酸(400mL)を加え、ヘキサン(500mLで3回)で抽出した。合わせた有機層を水(200mLで2回)で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。再結晶(エタノール)により精製し、化合物(T−3)を淡黄色固体(106g、392mmol)として得た。
【0132】
第4工程:化合物(1−2−1)の合成
上記操作で得られた化合物(T−3)(35g、129mmol)を塩化メチレン(150mL)に溶解させ、窒素雰囲気下で0℃に冷却した。この溶液を0℃に保ちながらトリフルオロメタンスルホン酸(20g、133mmol)を滴下し、さらに25℃で1時間攪拌した。この混合物を−70℃に冷却し、−70℃を保ちながら化合物(T−1)(32g、144mmol)とトリエチルアミン(19g、188mmol)の塩化メチレン(60mL)溶液を滴下した。−70℃で2時間攪拌した後、−70℃を保ちながらトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(69g、428mmol)を滴下し、さらに20分間攪拌した。−70℃を保ちながら臭素(69g、432mmol)を滴下し、−70℃で40分間攪拌し、さらに25℃で1時間攪拌した。反応混合物に飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(300mL)を加え分液した後、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液(300mL)、水(300mL)で洗浄した。この溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(ヘキサン)および再結晶(エタノール/酢酸エチルで2回)により精製し、化合物(1−2−1)を無色針状結晶(8g、19mmol)として得た。
【0133】
1H−NMR(δppm;CDCl
3):6.94(s,2H)、5.05(s,1H)、2.06−1.94(m,3H)、1.86(d,J=12.1Hz,2H)、1.42(s,18H)、1.40−1.18(m,11H)、0.96−0.86(m,5H).
19F−NMR(δppm;CDCl
3):78.43(d,J=8.0Hz,2F).
【0134】
[合成例2]
化合物(1−3−1)を、合成例1に示した方法と同様にして合成した。出発原料として4’−プロピル−[1,1’−ビ(シクロヘキサ)]−4−ノン)を96g用いたところ、この化合物を無色針状結晶(14g)として得た。
【0135】
1H−NMR(δppm;CDCl
3):6.94(s,2H)、5.05(s,1H)、2.05(d,J=11.0Hz,2H)、2.01−1.94(m,1H)、1.84(d,J=11.0Hz,2H)、1.74(t,J=15.8Hz,4H)、1.42(s,18H)、1.37(d,J=12.0Hz,2H)、1.33−1.28(m,2H)、1.14(t,J=6.0Hz,3H)、1.06−0.97(m,6H)、0.89−0.84(m,5H).
19F−NMR(δppm;CDCl
3):78.47(d,J=8.5Hz,2F).
【0136】
[合成例3]
化合物(1−2−15)を、下記の合成スキームに従って合成した。
【0137】
第1工程:化合物(T−11)の合成
窒素雰囲気下、4−ペンチル安息香酸(8.06g、41.9mmol)、トルエン(40ml)、および2,2,4−トリメチルペンタン(40ml)を反応器に入れて、60℃に加熱した。そこへプロパンジチオール(5.0g、45.8mmol)を加え1時間撹拌したのち、トリフルオロメタンスルホン酸(13.9g、92.3mmol)をゆっくりと加え1時間撹拌した。続いて留出してくる水を除去しつつ、さらに2時間加熱還流を行った。反応混合物を室温まで冷却したのち、減圧下で濃縮し、残渣をt−ブチルメチルエーテルからの再結晶により精製して、化合物(T−11)(7.2g、17.4mmol;41%)を得た。
【0138】
第2工程:化合物(1−2−15)の合成
窒素雰囲気下、化合物(T−1)(5.0g、22.7mmol)、トリエチルアミン(2.3g、23.0mmol)、およびジクロロメタン(30ml)を反応器に入れて、−70℃に冷却した。そこへ化合物(T−11)(7.2g、17.4mmol)のジクロロメタン(80ml)溶液をゆっくりと加え1時間撹拌した。次にフッ化水素トリエチルアミン錯体(8.8g、54.5mmol)をゆっくりと加え30分間撹拌した。続いて臭素(14.2g、88.8mmol)をゆっくりと加えさらに1時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ込み、炭酸水素ナトリウムを用いて中和したのち、水層をジクロロメタンで抽出した。一緒にした有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン)で精製して、化合物(1−2−15)(0.7g、1.7mmol;10%)を得た。
【0139】
1H−NMR(δppm;CDCl
3):7.62(d,J=8.0Hz,2H)、7.26(d,J=8.0Hz,2H)、7.26(s,2H)、5.09(s,1H)、2.65(t,J=7.5Hz,2H)、1.66−1.59(m,2H)、1.42(s,18H)、1.36−1.29(m,4H)、0.90(t,J=7.0Hz,3H).
19F−NMR(δppm;CFCl
3):−65.57(s,2F).
【0140】
[合成例4]
化合物(1−3−34)を、合成例3に示した方法と同様にして合成した。出発原料として2−フルオロ−4−(4−プロピルシクロヘキシル)安息香酸を用いたところ、この化合物を無色針状結晶(1.8g)として得た。
【0141】
1H−NMR(δppm;CDCl
3):7.58(dd,J=8.0Hz,2H)、7.07−6.97(m,4H)、5.09(s,1H)、2.56−2.45(m,1H)、1.93−1.83(m,4H)、1.47−1.18(m,7H)、1.42(s,18H)、1.10−0.99(m,2H)、0.90(t,J=7.0Hz,2H).
19F−NMR(δppm;CFCl
3):−65.57(d,J=13.5Hz,2F)、−115.212−−115.425(m,1F).
【0142】
合成例1から4に記載された実験操作と「2.化合物(1)の合成」とを参照することによって、以下に示す化合物(1−1−1)、(1−1−2)、(1−2−1)から(1−2−35)、(1−3−1)から(1−3−61)を合成することが可能である。
【0143】
【0144】
【0145】
【0146】
【0147】
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
[比較実験]
化合物(1)は酸化防止剤として有用である。この効果を調べるために、化合物(1)を液晶組成物Aに添加した。この組成物を入れたTN素子を作製し、電圧保持率(VHR−2およびVHR−3)を測定した。測定法は上の項(9)と項(10)に記載したとおりである。液晶組成物Aの成分とその割合は以下のとおりである。記号による化合物の表記法は、表2を参照のこと。
【0155】
(液晶組成物A)
3−HH−V (2−1) 18%
3−HH−4 (2−1) 10%
3−HB−O2 (2−5) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 10%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 6%
3−HHB−1 (3−1) 6%
3−HHB−3 (3−1) 5%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 14%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 9%
3−BB(F)B(F,F)−F (6−69) 7%
3−GHB(F,F)−F (6−109) 4%
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 3%
【0156】
本発明の化合物として、化合物(1−2−1)と化合物(1−3−1)を選んだ。化合物の構造式を表1に記載した。比較の酸化防止剤としては、公知の化合物(BH7)を選んだ。この化合物は、国際公開第2014/162587号の実施例8で使われているからである。特開平9−124529号公報の実施例に記載された化合物(BH3L)も選んだ。各化合物を液晶組成物Aに0.10%の割合で添加した。この組成物をTN素子に入れ、電圧保持率を測定した。結果を表1にまとめた。80℃の温度で測定した電圧保持率はVHR−2で表した。この条件では、本発明の化合物と比較化合物のいずれも、電圧保持率は99%であり、ほぼ同一であった。次に、紫外線処理したあと測定した。紫外線を20分間照射したところ、電圧保持率(VHR−3)のカラムに示したように、大きな差が見られた。比較化合物では、4.8%と6.3%のように電圧保持率が激減したが、化合物(1−2−1)と化合物(1−3−1)は、それぞれ46.2%と41.4%にとどまった。したがって、化合物(1−2−1)と化合物(1−3−1)は、比較化合物と比べて大きなVHR−3を有したので、紫外線に対して高い安定性を有すると結論できる。
【0157】
【0158】
2.液晶組成物の実施例
実施例(使用例を含む)における化合物は、下記の表2の定義に基づいて記号により表した。表2において、1,4−シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(−)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の含有量(百分率)は、液晶組成物の重量に基づいた重量百分率(重量%)である。最後に、液晶組成物の特性値をまとめた。特性は、先に記載した方法にしたがって測定し、測定値を(外挿することなく)そのまま記載した。
【0159】
【0160】
[使用例1]
3−HB−O2 (2−5) 11%
5−HB−CL (5−2) 15%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 7%
3−PyB(F)−F (5−15) 10%
5−PyB(F)−F (5−15) 10%
3−PyBB−F (6−80) 10%
4−PyBB−F (6−80) 9%
5−PyBB−F (6−80) 9%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 10%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 9%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.08%の割合で添加した。
NI=94.4℃;η=37.9mPa・s;Δn=0.185;Δε=7.8.
【0161】
[使用例2]
2−HB−C (8−1) 6%
3−HB−C (8−1) 10%
3−HB−O2 (2−5) 15%
2−BTB−1 (2−10) 4%
3−HHB−F (6−1) 5%
3−HHB−1 (3−1) 7%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
3−HHB−3 (3−1) 14%
3−HHEB−F (6−10) 4%
5−HHEB−F (6−10) 4%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.05%の割合で添加した。
NI=99.6℃;η=17.5mPa・s;Δn=0.101;Δε=4.5.
【0162】
[使用例3]
7−HB(F,F)−F (5−4) 5%
3−HB−O2 (2−5) 5%
2−HHB(F)−F (6−2) 10%
3−HHB(F)−F (6−2) 9%
5−HHB(F)−F (6−2) 9%
2−HBB(F)−F (6−23) 9%
3−HBB(F)−F (6−23) 9%
5−HBB(F)−F (6−23) 16%
2−HBB−F (6−22) 4%
3−HBB−F (6−22) 5%
5−HBB−F (6−22) 4%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 5%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 10%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.05%の割合で添加した。
NI=83.6℃;η=25.3mPa・s;Δn=0.115;Δε=5.6.
【0163】
[使用例4]
5−HB−CL (5−2) 13%
3−HH−4 (2−1) 15%
3−HH−5 (2−1) 4%
3−HHB−F (6−1) 4%
3−HHB−CL (6−1) 3%
4−HHB−CL (6−1) 4%
3−HHB(F)−F (6−2) 10%
4−HHB(F)−F (6−2) 9%
5−HHB(F)−F (6−2) 8%
7−HHB(F)−F (6−2) 9%
5−HBB(F)−F (6−23) 4%
1O1−HBBH−5 (4−1) 3%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
4−HHBB(F,F)−F (7−6) 2%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
4−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.1%の割合で添加した。
NI=117.0℃;η=19.2mPa・s;Δn=0.090;Δε=3.6.
【0164】
[使用例5]
3−HHB(F,F)−F (6−3) 10%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 8%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 8%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 10%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 19%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 20%
3−H2BB(F,F)−F (6−27) 8%
5−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
5−HHEBB−F (7−17) 2%
3−HH2BB(F,F)−F (7−15) 3%
1O1−HBBH−4 (4−1) 4%
1O1−HBBH−5 (4−1) 4%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.1%の割合で添加した。
NI=100.3℃;η=35.3mPa・s;Δn=0.115;Δε=8.9.
【0165】
[使用例6]
5−HB−F (5−2) 12%
6−HB−F (5−2) 9%
7−HB−F (5−2) 7%
2−HHB−OCF3 (6−1) 7%
3−HHB−OCF3 (6−1) 8%
4−HHB−OCF3 (6−1) 7%
5−HHB−OCF3 (6−1) 3%
3−HH2B−OCF3 (6−4) 4%
5−HH2B−OCF3 (6−4) 4%
3−HHB(F,F)−OCF2H (6−3) 5%
3−HHB(F,F)−OCF3 (6−3) 5%
3−HH2B(F)−F (6−5) 3%
3−HBB(F)−F (6−23) 10%
5−HBB(F)−F (6−23) 10%
5−HBBH−3 (4−1) 3%
3−HB(F)BH−3 (4−2) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.1%の割合で添加した。
NI=84.9℃;η=15.2mPa・s;Δn=0.092;Δε=4.6.
【0166】
[使用例7]
5−HB−CL (5−2) 11%
3−HH−4 (2−1) 8%
3−HHB−1 (3−1) 6%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 8%
3−HBB(F,F)−F (6−24) 19%
5−HBB(F,F)−F (6−24) 15%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 4%
5−HHEB(F,F)−F (6−12) 4%
2−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 4%
5−HBEB(F,F)−F (6−39) 3%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 4%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.05%の割合で添加した。
NI=79.2℃;η=21.7mPa・s;Δn=0.101;Δε=8.6.
【0167】
[使用例8]
3−HB−CL (5−2) 5%
5−HB−CL (5−2) 5%
3−HHB−OCF3 (6−1) 5%
3−H2HB−OCF3 (6−13) 5%
5−H4HB−OCF3 (6−19) 15%
V−HHB(F)−F (6−2) 5%
3−HHB(F)−F (6−2) 6%
5−HHB(F)−F (6−2) 6%
3−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 8%
5−H4HB(F,F)−CF3 (6−21) 10%
5−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
5−H4HB(F,F)−F (6−21) 7%
2−H2BB(F)−F (6−26) 5%
3−H2BB(F)−F (6−26) 8%
3−HBEB(F,F)−F (6−39) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.08%の割合で添加した。
NI=70.5℃;η=25.3mPa・s;Δn=0.096;Δε=8.3.
【0168】
[使用例9]
5−HB−CL (5−2) 20%
3−HH−4 (2−1) 10%
3−HH−5 (2−1) 5%
3−HB−O2 (2−5) 15%
3−HHB−1 (3−1) 8%
3−HHB−O1 (3−1) 5%
2−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F)−F (6−2) 7%
5−HHB(F)−F (6−2) 7%
3−HHB(F,F)−F (6−3) 6%
3−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
4−H2HB(F,F)−F (6−15) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.06%の割合で添加した。
NI=73.1℃;η=13.0mPa・s;Δn=0.076;Δε=2.8.
【0169】
[使用例10]
5−HB−CL (5−2) 5%
7−HB(F)−F (2−1) 5%
3−HH−4 (2−1) 11%
3−HH−EMe (2−2) 10%
3−HHEB−F (6−10) 9%
5−HHEB−F (6−10) 10%
3−HHEB(F,F)−F (6−12) 10%
4−HHEB(F,F)−F (6−12) 6%
4−HGB(F,F)−F (6−103) 6%
5−HGB(F,F)−F (6−103) 7%
2−H2GB(F,F)−F (6−106) 6%
3−H2GB(F,F)−F (6−106) 6%
5−GHB(F,F)−F (6−109) 9%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.12%の割合で添加した。
NI=80.4℃;η=22.4mPa・s;Δn=0.064;Δε=6.7.
【0170】
[使用例11]
3−HB−O1 (2−5) 15%
3−HH−4 (2−1) 6%
3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 10%
5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 10%
2−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 13%
3−HHB(2F,3F)−1 (10−1) 13%
3−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 14%
5−HHB(2F,3F)−O2 (10−1) 15%
3−HHB−1 (3−1) 4%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.12%の割合で添加した。
NI=90.5℃;η=35.7mPa・s;Δn=0.090;Δε=−3.4.
【0171】
[使用例12]
2−HH−5 (2−1) 5%
3−HH−4 (2−1) 15%
3−HH−5 (2−1) 4%
3−HB−O2 (2−5) 10%
3−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 13%
5−H2B(2F,3F)−O2 (9−4) 14%
3−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 5%
2−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 4%
3−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 10%
5−HBB(2F,3F)−O2 (10−7) 10%
3−HHB−1 (3−1) 3%
3−HHB−3 (3−1) 4%
3−HHB−O1 (3−1) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.1%の割合で添加した。
NI=79.9℃;η=19.9mPa・s;Δn=0.095;Δε=−4.0.
【0172】
[使用例13]
2−HH−3 (2−1) 20%
3−HH−4 (2−1) 8%
1−BB−3 (2−8) 8%
3−HB−O2 (2−5) 4%
3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 9%
5−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 7%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 15%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 18%
3−HHB−1 (3−1) 5%
3−HHB−O1 (3−1) 3%
5−B(F)BB−2 (3−8) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.07%の割合で添加した。
NI=73.6℃;η=15.9mPa・s;Δn=0.100;Δε=−3.2.
【0173】
[使用例14]
2−HH−3 (2−1) 20%
7−HB−1 (2−5) 8%
5−HB−O2 (2−5) 8%
3−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 16%
5−HB(2F,3F)−O2 (9−1) 15%
3−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 3%
4−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 3%
5−HHB(2F,3CL)−O2 (10−12) 3%
3−HH1OCro(7F,8F)−5 (13−6) 5%
5−HBB(F)B−2 (4−5) 10%
5−HBB(F)B−3 (4−5) 9%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.09%の割合で添加した。
NI=76.0℃;η=22.2mPa・s;Δn=0.100;Δε=−2.4.
【0174】
[使用例15]
1−BB−3 (2−8) 12%
3−HH−V (2−1) 27%
3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 12%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 13%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 22%
3−HHB−1 (3−1) 7%
5−B(F)BB−2 (3−8) 7%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.05%の割合で添加した。
NI=76.1℃;η=14.8mPa・s;Δn=0.110;Δε=−3.0.
【0175】
[使用例16]
2−HH−3 (2−1) 6%
3−HH−V1 (2−1) 10%
1V2−HH−1 (2−1) 8%
1V2−HH−3 (2−1) 7%
3−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 8%
5−BB(2F,3F)−O2 (9−3) 4%
3−H1OB(2F,3F)−O2 (9−5) 7%
2−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 9%
3−HH1OB(2F,3F)−O2 (10−5) 17%
3−HDhB(2F,3F)−O2 (10−3) 8%
3−HHB−1 (3−1) 4%
3−HHB−3 (3−1) 3%
2−BB(2F,3F)B−3 (11−1) 9%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.1%の割合で添加した。
NI=85.7η=21.2mPa・s;Δn=0.105;Δε=−4.4.
【0176】
[使用例17]
1V2−BEB(F,F)−C (8−15) 6%
3−HB−C (8−1) 18%
2−BTB−1 (2−10) 10%
5−HH−VFF (2−1) 30%
3−HHB−1 (3−1) 4%
VFF−HHB−1 (3−1) 8%
VFF2−HHB−1 (3−1) 9%
3−H2BTB−2 (3−17) 5%
3−H2BTB−3 (3−17) 5%
3−H2BTB−4 (3−17) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−1)を0.1%の割合で添加した。
NI=81.8℃;η=11.8mPa・s;Δn=0.132;Δε=6.5.
【0177】
[使用例18]
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−41) 4%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 4%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 5%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 5%
3−HH−V (2−1) 41%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHEH−5 (3−13) 3%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB−F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 11%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−16)を0.1%の割合で添加した。
NI=82.0℃;η=12.1mPa・s;Δn=0.106;Δε=6.4.
【0178】
[使用例19]
3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−53) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 41%
3−HH−V1 (2−1) 6%
3−HHEH−5 (3−13) 4%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB−F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 5%
3−GB(F,F)XB(F,F)−F (6−113) 4%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 5%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−1)を0.12%の割合で添加した。
NI=86.0℃;η=14.1mPa・s;Δn=0.104;Δε=7.0.
【0179】
[使用例20]
5−HB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−41) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 41%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−HHB−1 (3−1) 3%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB−F (5−1) 3%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 11%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−2−15)を0.15%の割合で添加した。
NI=82.0℃;η=10.9mPa・s;Δn=0.107;Δε=6.4.
【0180】
[使用例21]
3−GB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−53) 5%
3−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
4−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 7%
5−BB(F)B(F,F)XB(F,F)−F (7−47) 3%
3−HH−V (2−1) 41%
3−HH−V1 (2−1) 7%
3−HHB−1 (3−1) 4%
V−HHB−1 (3−1) 5%
V2−HHB−1 (3−1) 3%
V2−BB(F)B−1 (3−6) 5%
1V2−BB−F (5−1) 3%
3−HHXB(F,F)−F (6−100) 5%
3−BB(F,F)XB(F,F)−F (6−97) 6%
3−HHBB(F,F)−F (7−6) 3%
上記の組成物に下記の化合物(1−3−34)を0.1%の割合で添加した。
NI=86.3℃;η=11.2mPa・s;Δn=0.105;Δε=6.6.