(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射面は前記回転軸を含む断面において凹曲面であり、前記反射面の上端と下端とを結ぶ直線と、水平面との間の角度は、45度〜90度である、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の光源モジュール。
前記反射面は、前記第1入射領域の外側に、下面視において凸曲面の第1反射領域を備え、前記第2入射領域の外側に、下面視において凹曲面の第2反射領域を備える、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の光源モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための光源モジュールを例示するものであって、本発明は、光源モジュールを以下に限定するものではない。構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、以下の説明では、レンズ部の回転軸Cと平行な方向を上下方向(Z方向)とする。光源モジュールはZ方向に位置する上面が発光面(光取り出し面)である。また、Z方向に直交するXY平面において、横方向(X方向)と、横方向に直交する縦方向(Y方向)として説明する。さらに、平面視において回転軸Cを中心にして+Y方向(上方向)を0度、−Y方向(下方向)を180度、+X方向(右方向)を90度、−X方向(左方向)を270度として説明する。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、理解を容易にする等のために誇張している場合がある。また、各図面はわかりやすさを考慮して一部の図を省略して図示する場合がある。
【0010】
図1Aは、実施形態に係る光源モジュール1000の一例を示す概略平面図である。
図1Bは
図1AのIB−IB線における概略断面図、
図1Cは
図1AのIC−IC線における概略断面図、
図1Dは
図1AのID−ID線における概略断面図である。
【0011】
光源モジュール1000は、光源100と、光源100の上方(Z方向)に配置される導光部材300と、を備える。光源100は、上面に発光面110を備える。導光部材300は配光制御可能なレンズ機能を備えたレンズ部310を含む。導光部材300のレンズ部310は、発光面110の直上に位置するように配置されており、かつ、発光面110の中心をレンズ部310の回転軸Cとしている。レンズ部310の回転軸Cは、レンズ部310の光軸でもある。また、
図1B、
図1C等に示す例では光源100の光軸とレンズ部310の回転軸Cとは一致している。これにより、出射光の配光角度を制御し易くすることができる。ただし、光源100の光軸とレンズ部310の回転軸Cは一致していなくてもよい。
【0012】
レンズ部310は、光源100の発光面110と対向し光源100からの光が入射される凹状の入射面320を備える。レンズ部310は、入射面320の外側に配置される反射面330を備える。反射面330は入射面320から入射された光の一部を反射する面である。レンズ部310は、さらに出射面340を備える。出射面340は、入射面320から入射された光の一部と、反射面330で反射された光を外部に出射する面である。
【0013】
レンズ部310の入射面320は、回転軸Cに対して4回対称(90度回転対称、4回回転対称とも称する)である。詳細には、入射面320は、回転軸Cを含む断面において、凹曲面の第1入射領域321と、回転軸Cを含み第1入射領域321から45度回転した断面において、凸曲面の第2入射領域322と、を備える。
【0014】
レンズ部310の入射面320の第2入射領域322は凸曲面であるため、回転軸Cに直交する任意の水平面(XY面)において、凹曲面の第1入射領域321よりも光源100に近い位置に配置される。そのため、光源100から出射される光は、第1入射領域321よりも、第2入射領域322のほうに多く入射され易い。つまり、第2入射領域322から入射され、その後に反射面330で反射された後に出射面340から出射される出射光の量は、第1入射領域321から入射され、その後に反射面330で反射された後に出射面340から出射される出射光よりも多い。
【0015】
このような配光特性を備える光源モジュール1000を撮像カメラ用照明として用いる場合、レンズ部の回転軸方向にある被写体を含む撮像領域に向けて、回転軸を中心に0度、90度、180度、270度方向に拡がる光(第1入射領域から入射した光に由来する光)の量よりも、これらから45度回転した4つの方向に拡がる光(第2入射領域から入射した光に由来する光)の量を多くすることができる。撮像カメラの撮像領域は四角形であるため、その四角形の4つの角部に対応する位置に第2入射領域が位置するように、カメラのレンズと光源モジュール1000とを配置することで、四角形の撮像領域に照射される光をより均一にすることができる。
【0016】
以下、実施形態に係る光源モジュールの各構成について詳説する。
【0017】
(カバー部材)
図2A、
図2Bは、
図1A等に示す光源モジュール1000に用いられるカバー部材200を入射面側から見た下面図及び斜視図である。カバー部材200は、配光特性の制御に寄与するレンズ部310を備えた導光部材300と、その導光部材300の周囲に配置され導光部材300を支持する支持部材400と、を備える。
【0018】
カバー部材200は、光源100を覆うように設けられるものである。配線基板500とカバー部材200とで囲まれた領域に空間を形成しており、この空間内に光源100が配置される。なお、光源100以外にも、ツェナーダイオード(ZD)、トランジェントボルテージサプレッサー(TVS)等の保護素子や、明るさや色度、赤外線等の光学センサー等の電子部品等が、同じ空間内に配置されていてもよい。
【0019】
カバー部材200は、1又は複数の導光部材300と、導光部材300を支持する1又は複数の支持部材400と、を備える。ここでは、1つの支持部材400に1つの導光部材300が支持されたカバー部材200を例示する。
【0020】
(導光部材)
図3はカバー部材200の一部を構成する導光部材300を入射面側から見た下面図である。導光部材300は、光源100の発光面110から出射される光の配光を制御するレンズ機能を備えたレンズ部310と、レンズ部310を保持する鍔部350と、を備える。導光部材300は、光源100からの光を透過可能な透光性の部材で構成される。レンズ部310と鍔部350とは一体成形された部材である。導光部材300は、ポリカーボネイト、アクリル、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透光性部材で形成することができる。ここで透光性とは、光源100からの光を50%以上透過することを指し、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上透過することを指す。
【0021】
導光部材300は、1又は複数のレンズ部310を備えることができる。
図3は、2つのレンズ部310として、第1レンズ部311と第2レンズ部312とを備える導光部材300を例示する。尚、第1レンズ部311と第2レンズ部312の両方に共通する事項については、これらを区別せずレンズ部310として説明をする。
【0022】
1つの導光部材300が2以上の複数のレンズ部310を備える場合、レンズ部310間に配置される鍔部350を介して複数のレンズ部310が一体成形されていてもよい。あるいは、1つのレンズ部を備える導光部材を複数備えていてもよい。
【0023】
(レンズ部)
レンズ部310は、光源100から出射された光の配光を制御する部材である。レンズ部310は、主として下面に配置される入射面320と、主として側面に配置される反射面330と、主として上面に配置される出射面340と、を備える。レンズ部310は、光源100の発光面110の中心に回転軸Cを備えており、入射面320と出射面340は回転軸Cを含む位置にそれぞれ配置される。反射面330は回転軸Cからは離間する位置に配置されている。
【0024】
先ず、入射面320について説明する。レンズ部310の入射面320は、レンズ部310の下面側において全体的に凹状に窪んだ形状である。換言すると、レンズ部310の入射面320は、レンズ部310の下側に開口部を備える凹部の内面であるともいえる。入射面320の下端における開口の大きさ(開口径)は、光源100の発光面110の面積よりも広いことが好ましい。換言すると、光源100の発光面110の全面が、入射面320と対向することが好ましい。これにより、光源100からの光を効率よく入射面320に入射させることができる。
【0025】
入射面320は、レンズ部310の回転軸Cに位置する部分が入射面320の中心であり、入射面320の中心は
図1B等に示すようにZ方向において最も高い位置に配置されている。
【0026】
入射面320は、回転軸Cに対して4回対称である。4回対称とは、回転軸Cを中心に90度回転すると同じ形状となる形状である。
【0027】
入射面320は、回転軸Cを含む断面において凸曲面の第1入射領域321を備える。さらに入射面320は、第1入射領域321から回転軸Cを中心に45度回転した位置であって回転軸Cを含む断面において、凹曲面の第2入射領域322を備える。また、
図1B等に示すように、回転軸Cに位置する入射面320は、回転軸Cに直交する平面(XY面)に、平坦な面である第3入射領域323を有することができる。
【0028】
第1入射領域321と第2入射領域322とは、その境界において滑らかに形状が変化することが好ましい。そのような場合は、
図2Bに示すように、第1入射領域321と第2入射領域322との境界は明確には視認しにくいため、図示していない。このように、本実施形態に係る入射面320は、第1入射領域321と第2入射領域322との境界において、どちらにも属さない入射領域が存在する場合があり、本願はこのような入射領域を含む入射面であってもよい。なお、第1入射領域321と第2入射領域322との境界は明確に視認できてもよい。
【0029】
第3入射領域323は平面であるため、
図2Bに示すように、その外縁は明確である。換言すると、第1入射領域321及び第2入射領域322と、第3入射領域323との境界は明確である。なお、第1入射領域321及び第2入射領域322と、第3入射領域323との境界は、滑らかに形状が変化することで明確となっていなくてもよい。
【0030】
第1入射領域321は、
図1B、
図1D及び
図1Bの一部を拡大した
図4Aに示すように、回転軸Cを含む断面において凹曲面である。
図1Bは、回転軸Cを含むXZ平面における断面図であり、
図1Dは、回転軸Cを含むYZ平面における断面図である。本実施形態において、入射面320は4回対称であるため、
図1Bに示すレンズ部310の入射面320と
図1Dに示すレンズ部310の入射面320は同じ形状である。
【0031】
第1入射領域321は、これらの回転軸Cを含む断面において、回転軸Cまたはその近傍に位置する入射面320の上端324から、光源100に近接する入射面320の下端325にかけて連続する1つの凹曲面である。換言すると、第1入射領域321は、外側に凸となる曲面ともいえる。
【0032】
第2入射領域322は、
図1C及び
図4Bに示すように、回転軸Cを含む断面において凸曲面である。詳細には、回転軸Cを含む断面において、中心軸Cまたはその近傍に位置する入射面の上端324から、光源100に近接する下端325にかけて連続する1つの凸曲面である。
【0033】
第1入射領域321及び第2入射領域322は、
図3に示すように、回転軸Cを中心にして放射状に延びる破線で示す8本の境界線Ldによって区画することができる。ただし、形状が滑らかに変化する場合は、境界線Ldは視認することができない場合がある。入射面320には、境界線Ldによって区画された8つの領域として、4つの第1入射領域321と4つの第2入射領域322とで構成されている。詳細には、入射面320において第1入射領域321と第2入射領域322とは、回転軸Cを中心に回転方向に交互に配置されている。
【0034】
第1入射領域321及び第2入射領域322は、それぞれ所定の中心角θ1、θ2をそなえた領域である。そして、これら2つの領域が「45度回転した位置に配置される」とは、回転軸Cを通り第1入射領域321を2等分割する第1中心線L1と、回転軸Cを通り第2入射領域322を2等分割する第2中心線L2との間の角度が45度である、ことを意味する。本明細書において、第1入射領域321及び第2入射領域322に関する説明は、特に説明が無い限り、主としてこの第1中心線L1及び第2中心線L2に位置する部分に関する説明である。
【0035】
上述のように第1入射領域321と第2入射領域322は、境界線Ldによって区画されており、その中心角θ1及びθ2は、求める配光角度によって適宜調整することができる。例えば、
図3には、入射面320において、第1入射領域321の面積が第2入射領域322の面積よりも大きいレンズ部310を一例として図示している。例えば、厚みが2mm以下程度で、レンズ部310の出射面の径が4mm程度のレンズ部310の場合、第1入射領域321の面積を、第2入射領域322の面積よりも小さくすることで、45度方向に出射される出射光の量を多くすることができる。この場合、例えば、カメラ画角が120度以上のカメラ用照明として用いることで、被照射領域に均一な光を照射することができる。
【0036】
また、例えば、上述のサイズのレンズ部を備えた光源モジュールを、カメラ画角が120度程度以下のカメラ用照明とする場合、第2入射領域322の面積が第1入射領域321の面積よりも小さいレンズ部を用いることで、被照射領域に均一な光を照射することができる。このように、目的とする配光角度等に応じて、第1入射領域と第2入射領域の比率を調整することができる。また、反射部の角度も合わせて調整することで、種々の配光特性とすることができる。
【0037】
図3は、第1入射領域321の中心角θ1が、第2入射領域322の中心角θ2よりも大きい入射面320の一例である。入射面320の第1入射領域321の中心角θ1は、例えば10度〜80度とすることができ、
図3に示す例では、第1入射領域321の中心角θ1は68°であり、第2入射領域322の中心角θ2は22°である。
【0039】
これらの図面に示すように、回転軸Cに直交する任意の水平面(XY面)において、第2入射領域322は第1入射領域321よりも回転軸Cに近い位置に配置されている。これにより、第2入射領域322に、より多くの光を入射させることができる。
【0040】
第1入射領域321は、
図4Aに示すように、回転軸Cを含む断面において凹曲面である。詳細には、第1入射領域321は、第1入射領域321の上端324と下端325とを結ぶ直線よりも外側(回転軸Cとは反対側)に位置する。第1入射領域321の上端324と下端325とを結ぶ直線と水平面との間の角度θ3は、20度〜70度とすることができる。これにより、反射面330への光の入射角度を制御することができる。なお、このような、曲面の上端と下端とを結ぶ直線と水平面との間の角度を、例えば、「第1入射領域の角度θ3」等と簡略化して説明する場合がある。
【0041】
第2入射領域322は、
図4Bに示すように、回転軸Cを含む断面において凸曲面である。詳細には、第2入射領域322は、第2入射領域322の上端324と下端325とを結ぶ直線よりも内側(回転軸Cに近い側)に位置する。第2入射領域321の上端324と下端325とを結ぶ直線と水平面との間の角度θ4(第2入射領域の角度θ4)は、20度〜70度とすることができる。これにより、光源100から出射される光を、第1入射領域321よりも第2入射領域322の方により多く入射させることができる。θ4は、θ3よりも小さいことが好ましい。これにより、光源100から出射された光は、第1入射領域321よりも第2入射領域322の方に多く入射され易くなる。
【0042】
図6A、
図6B、
図6Cは、レンズ部310、310B、310Cの入射面320、320B、320Cの曲率半径が異なる場合の配光特性の変化について説明するための図である。各レンズ部の反射面330及び出射面340の形状は同じである。
【0043】
図6Aは、光源モジュール1000を搭載した電子機器2000の一例を示す部分拡大図である。電子機器2000は、例えば、スマートフォンやタブレット、デジタルカメラ等が挙げられ、ここでは光源モジュール1000を含む部分を拡大して図示している。光源モジュール1000は開口部610を備えたケース600の内部に収容されている。
【0044】
図6Bに示す電子機器2000Aは、
図6Aに示す電子機器2000とは、用いる光源モジュールが異なる。詳細には、光源モジュール1000Bのカバー部材に用いられる導光部材のレンズ部310Bの入射面320Bの曲率半径が、
図6Aに示すレンズ部310の入射面320の曲率半径よりも大きくなっている。つまり、入射面320Bは、入射面320よりも、平坦な面に近い凹曲面になっているため、反射面330で反射されて出射面340から出射される出射光は、
図6Aに示す出射光よりも配光角が狭くなる。換言すると、
図6Bに示す出射光は、
図6Aに示す出射光よりもZ軸方向に近づく角度で出射される。
【0045】
図6Cに示す電子機器2000Bは、レンズ部310Cの入射面320Cは、
図6Aに示すレンズ部310の入射面320の曲率半径よりも小さくなっている。つまり、入射面320Cは、入射面320よりも、大きく凹んだ凹曲面になっているため、反射面330で反射されて出射面340から出射される出射光は、
図6Aに示す出射光よりも配光角が広くなる。換言すると、
図6Cに示す出射光は、
図6Aに示す出射光よりもZ軸方向から遠く、XY面に近づく角度で出射される。
【0046】
以上のように、入射面の曲率半径を小さくすることで、出射面から出射される出射光の配光角を広くすることができる。なお、
図6A〜
図6Cにおいては、反射面330を介して出射面から出射される出射光について説明したが、反射面330を介さず、入射面から入射してそのまま出射面から出射される出射光については、以下のようになる。すなわち、
図6Bに示す入射面320Bの第1入射領域は、
図6Aに示す入射面320の第1入射領域よりも曲率半径が大きいため、反射面330を介さずに出射面340に入射される光の入射角が大きくなるため、出射面340から出射される出射光の配光角度は小さくなり易い。また、
図6Cに示す入射面320Cの第1入射領域は、
図6Aに示す入射面320の第1入射領域よりも曲率半径が大きいため、反射面330を介さずに出射面340に入射される光の入射角が小さくなるため、出射面340から出射される出射光の配光角度は大きくなる。また、
図6A〜
図6Cにおいては、入射面320のうち、凹曲面である第1入射領域321の曲率半径を変化させて説明をしたが、凸曲面である第2入射領域322の曲率半径を変化させた場合は、第1入射領域とは逆の関係になる。すなわち、凸曲面である第2入射領域322は、その曲率半径を小さくすることで光源100から入射される光が増える。そのため、反射面330に入射される光も増えるため、出射面340から出射される出射光の配光角度を広くすることができる。
【0047】
本実施形態において、
図2B、
図5A等に示すように、入射面320の中心の回転軸Cを含む領域に、回転軸Cに直交するXY面と平行な平面状の第3入射領域323を備えることができる。この第3入射領域323は、4つの第1入射領域321及び4つの第2入射領域322で囲まれており、回転軸Cを中心に上下左右に突出した十字状に見える形状である。これは、回転軸Cを中心にして上下左右に位置する第1入射領域321が、その45度回転した位置にある第2入射領域322よりも離れた位置にあるため、第1入射領域321と第3入射領域323との界面が、第2入射領域322と第3入射領域323との界面よりも回転軸Cから遠い位置にあるためである。
【0048】
このような第3入射領域323を備えることで、導光部材300の強度の低下を抑制できる。凹状の入射面320を備える導光部材300は、回転軸Cに位置する部分で最も薄くなる。そのため、回転軸Cに位置する部分にこのような平面状の第3入射領域323を設けることで、導光部材300の厚みを厚くして導光部材300の強度の低下を抑制することができる。また、導光部材300を形成する際に、例えば液状の樹脂を金型内に注入する際に、第3入射領域323に相当する領域の金型を平坦な面とすることで、下面と上面との間の隙間を広くすることができる。これにより、樹脂の流れを抑制しにくくし、金型内に樹脂が流動し易くすることができる。第3入射領域323は、入射面320の開口部の大きさに比べて50%以下程度とすることができ、好ましくは30%以下、より好ましくは5%以下である。これにより、配光角度の制御に寄与する第1入射領域321及び第2入射領域322の面積を広くすることができ、効率よく配光角度を制御することができる。
【0049】
図1E、
図1Gに示す光源モジュール1000Aは、
図1B〜
図1Dに示す光源モジュール1000の変形例である。詳細には、光源モジュール1000Aに用いられるカバー部材200Aは、レンズ部材300Aとして、回転軸Cを含む入射面320Aに第3入射領域を備えないレンズ部310Aを備える点が異なる。レンズ部310Aの入射面320Aは、回転軸を含む断面において凹曲面の第1入射領域321Aと、そこから45度回転した位置であって回転軸Cを含む断面において凸曲面の第2入射領域322Aを備える。
【0050】
図1Eに示すように、第1入射領域321Aは、回転軸Cにおいて連続している。同様に、
図1Fに示すように、第2入射領域322Aは、回転軸Cにおいて連続している。このように回転軸Cに対して直交する水平な面を備えないことで、回転軸C方向に照射される光の配光角度を広げることができ、被照射領域において中心が他所より明るくなりすぎることを抑制し、被照射領域に均一な光を照射することができる。
【0051】
次に、反射面330について説明する。レンズ部310の反射面330は、レンズ部310の側面に配置されており、入射面320から入射した光の一部を反射する面である。反射面330は、
図4A、
図4B等に示すように、回転軸Cを含む断面において、反射面330の上端334は、反射面330の下端335が外側(回転軸Cから遠い側)に位置するように傾斜した面である。ここでは、反射面330は外側に凸となる凸曲面である。
【0052】
反射面330は、その上端334が下端335よりも外側に位置しているため、
図3に示す下面図に示すように、入射面320の外周を囲むように視認することができる。反射面330は、回転軸Cを含む断面において、直線状でもよく、また曲面状でもよい。好ましくは凹曲面である。反射面330が断面視において直線状の場合、水平面と反射面330との間の傾斜面の角度は45度以上90度以下が好ましい。また、反射面330が凹曲面である場合、反射面330の下端335と上端334とを結ぶ直線と水平面(XY面)との間の角度(反射面の角度)は、45度〜90度とすることが好ましく、さらに60度〜90度とすることが好ましく、70度〜90度とすることがより好ましい。これにより、反射面330で反射された光は、例えば
図6Aに示すように回転軸Cに向かう方向(回転軸Cと交差する方向)に反射させることができる。
【0053】
反射面330の角度を、上述のように水平面(XY面)に対して90度に近い角度で傾斜することで、反射面330で反射された光は、例えば
図6Aに示すように回転軸C側に向かう方向に反射される。つまり、光源100からの光は、回転軸Cを中心にして外側に広がる方向(回転軸Cから離れる方向)に出射され、入射面320に入射された後もさらに外側に向けて進む。これに対し反射面330で反射された光は、それまでの進行方向とは逆に回転軸C方向に向けて進む。その結果、被照射領域に照射される光は、光源100からの光が反転された状態で照射される。このようなレンズ部310を用いることで光をより広い角度で出射させることができる。
【0054】
図6Aは、
図1Bに示す光源モジュール1000をスマートフォン等の電子機器2000に搭載した状態を示す概略断面図である。通常、電子機器に搭載される光源モジュール1000は、その出射面340が露出されるような開口部610を備えたケース600に収容されている。
【0055】
ケース600は、例えば0.5mm〜2mmの厚みがあるため、通常は、光源モジュールから出射された光はこのケース600の開口部610の側面620に当たってしまい、配光角度を広くすることを阻害され易い。特に、ケース600の開口部610の側面620が、光源モジュールの出射面に近接して配置される場合、光源モジュール1000から出射された出射光は、開口部610の側面620に当たりやすい。
【0056】
本実施形態にかかる光源モジュール1000は、上述のように、水平面(XY面)に対する反射面330の角度を大きくすることで、出射面340から出射される出射光を、回転軸C側に向けて(回転軸Cと交差する方向に向けて)、より低い角度(水平面に近くなる角度)で出射することができる。すなわち、上面視において光源100からの光は外方向に向けて放射状に出射されて入射面320に入射し、入射面320に入射した光が反射面330で反射されて、その対角方向に向けて反射される。そのため、ケース600の開口部610の側面620に達した光は、側面620の高さより高い位置に進むことになり、より広い配光角度で光を出射することができる。
【0057】
反射面330は、その上端が入射面320の上端より高い位置にあることが好ましい。例えば、
図4A、
図4Bに示すように、回転軸Cを含む断面において、入射面320の上端324よりも、反射面330の上端324の方が上側に位置する。換言すると、回転軸Cを含む断面において、入射面320の上端324よりも、反射面330の上端324の方が出射面340に近い。これにより、入射面320から入射した光を効率よく出射面340側に反射することができる。入射面320の上端324のうち、第1入射面321の上端及び第2入射領域322の上端の両方よりも高い位置に、反射面330の上端334が位置することで、第1入射領域321及び第2入射領域322から入射される光をそれぞれ効率よく反射することができる。
【0058】
ここで、反射面の角度が異なる場合の配光特性の変化について説明する。
図7に示す電子機器2000Bは、
図6Aに示す電子機器2000とは、レンズ部の入射面、出射面の角度や曲率は同じであり、反射面の角度が異なるものである。詳細には、
図7に示す光源モジュール1000Dのカバー部材に用いられる導光部材のレンズ部310Dの反射面330Bと水平面(XY面)との間の角度θ5B(反射面330Bの角度θ5B)が、
図6Aに示す光源モジュール1000のカバー部材に用いられる導光部材のレンズ部310の反射面330と水平面(XY面)の間の角度θ5(反射面330の角度θ5)よりも小さい。換言すると、
図7に示すレンズ部310Aの反射面330Bと回転軸Cとの間の角度は、
図6Aに示す導光部材300のレンズ部310の反射面330と回転軸Cの間の角度よりも大きい。例えば、
図6Aに示す反射面330の角度θ5は76度(回転軸Cと反射面330の間の角度は14度)であり、
図6Bに示す反射面330Bの角度θ5Bは70度(回転軸Cと反射面330Bの間の角度は20度)である。これにより、
図6Aに示す光源モジュール1000よりも
図7に示す光源モジュール1000Cの配光角度は狭くなる。
【0059】
以上のように、反射面の角度(XY面からの角度)が大きいほど、配光角度を広くすることができる。
【0060】
このような反射面330は、下面視において略円形とするか、あるいは、入射面320と同様に回転軸Cに対して4回対称または2回対称とすることができる。例えば、
図3に示すように、第1入射領域321の外側の反射面330は、下面視において凸曲面の第1反射領域331を備えることができる。さらに、第2入射領域322の外側の反射面330は、下面視において凹曲面の第2反射領域332を備えることができる。第2反射領域332を上面視において凹曲面とすることで、第2反射領域332の下端325近傍で反射された光が、再度、入射面320に入射されることを抑制することができる。これは、上面視において第2反射領域332を凹曲面とすることで、反射面330の下端335近傍において、水平面と反射面330の間の角度を小さくする、すなわち上方向に向けることができるためである。さらに、第2反射領域332の上端334の近傍で、第2反射領域332と水平面との間の角度を大きくすることができるため、回転軸Cと交差する方向に光を、より低い角度(水平面により近づく角度)で反射し、出射面340から出射される出射光の配光角度を広くすることができる。
【0061】
反射面330が第1反射領域331及び第2反射領域332を備える場合、これらの形成範囲、比率、角度等は、第1入射領域321及び第2入射領域322に対応するように調整される。また、第1反射領域331と第2反射領域332との境界は、第1入射領域321と第2入射領域322の境界と同様に、明確に視認しにくい場合がある。
【0062】
反射面330が、第1反射領域331及び第2反射領域332を備える場合、第1反射領域331は、
図4Aに示す第1反射領域331の上端334と下端335とを結ぶ直線と水平面との間の角度θ5は、45度〜90度とすることができる。また、第2反射領域332は、
図4Bに示す第2反射領域332の上端334と下端335とを結ぶ直線と水平面との間の角度θ6は、45度〜90度とすることができる。第2反射領域332の角度θ6は、第1反射領域331の角度θ5よりも大きくすることが好ましい。これにより、第2入射領域322から入射された光を、第2反射領域332によって、より広い配光角度で外部に出射できるような角度で反射させることができる。なお、
図6A及び
図7では、反射面のうち第2反射領域332を介して出射面から出射される出射光について説明したが、第1反射領域331を介して出射面340から出射される出射光についても同様である。
【0063】
次に、出射面340について説明する。レンズ部310の出射面340は、レンズ部310の上面において凹状に窪んだ形状である。好ましくは、レンズ部310の出射面340は凹曲面である。回転軸Cに位置する部分が出射面340の中心であり、入射面320の中心の直上に出射面340の中心が位置する。出射面340が凹状の場合は、
図1B等に示すように回転軸C上で最も低くなるような凹状とする。換言すると、出射面340は回転軸Cに位置する中心が、上面側から最も下側に窪んでいる。出射面340を凹曲面とすることで、入射面320から入射された光、及び、反射面330で反射された光が出射面340に入射する光の入射角を大きくすることができる。そのため、出射面340と外気との屈折率差を利用して、配光角度を広くすることができる。
【0064】
回転軸Cを含む断面において、出射面340の形状は、被照射領域やカメラ画角等に応じて、上述のような凹曲面のほか、凸曲面や平面とすることもできる。
【0065】
図1Aに示すように、出射面340が凹状である場合、上面視において円形をやや変形した形状とすることができる。上述のように、反射面330が第1反射領域331と第2反射領域332とを備える場合、
図5A〜
図5Dに示すように、回転軸Cに直交する任意の水平面において、反射面330は、上面視におい回転軸Cを中心に上下左右に突出した十字状に見える形状である。詳細には、上面視において第1反射領域331が上下左右方向(X方向及びY方向)に突出し、第2反射領域332はそれよりも回転軸Cに近い側に位置する。このような反射面330に対応して、出射面340も回転軸Cを中心とする凹部341を備えることができる。出射面340が凹部341を備える場合、その凹部341は上面視において4回対称となる形状である。尚、出射面340が凹部を備える場合、凹部とその周囲の平坦部342とは滑らかに変化することが好ましい。
図1Aでは、回転軸Cを含む出射面340の中央に凹部341であり、その外縁を破線で示しているが、実際にはこの外縁は明確には視認しにくい場合がある。また、出射面340が凹部341を備える場合、上面視において凹部341の大きさは入射面320の大きさよりも大きいことが好ましい。これにより、反射面330及び入射面320からの光の多くを、凹部341に入射させることができる。凹部341の外周の平坦部342は、鍔部350と連続しており、鍔部350と同様に光はほとんど入射されない。
【0066】
以上のように、本実施形態に係る光源モジュールに用いられるレンズ部は、4回対称であるため、出射される光も4回対称となる。そのため、レンズ部を複数用いる場合は、それぞれのレンズ部の向きを調整することが好ましい。
【0067】
例えば、
図1Aに示すように1つの光源モジュール1000が1つの2つのレンズ部310(311、312)を備える導光部材300を用いる場合、2つのレンズ部310を合わせたもの(レンズ群と称する)が、線対称となるよう各レンズ部310の向きを調整して配置することが好ましい。詳細には、
図1A、
図3等に示すように、第1レンズ部311と第2レンズ部312とを、それぞれの回転軸CがY方向に並んで配置されるようにした場合、それぞれの入射面の4つの第1入射領域321が、Y方向、及びX方向に配置されるように領域に配置することが好ましい。それぞれの第2入射領域322は、それからそれぞれ45度回転した位置に配置される。このように2つのレンズ部310の第1入射領域321と第2入射領域322を同じ方向になるように配置することで、上面視において、X方向及びY方向に出射される出射光の量よりも、それから45度回転した方向に出射される出射光の量を多くすることができる。
【0068】
光源モジュールが1つのレンズ部310を備える場合は、4回対称の入射面であるため、被照射領域を例えば正方形とすることができる。これに対し、光源モジュールが2つのレンズ部310を備え、かつ、
図1A、
図3等に示すように第1入射領域321及び第2入射領域322を揃えて配置することで、被照射領域を例えば長方形とすることができる。カメラの撮像領域は、例えば、縦横比が4:3、16:9等と長方形となる場合が多く、そのような場合は、上述のように配置された2つのレンズ部310を備える光源モジュール1000とすることで、撮像領域である被照射領域に対して均一な光を照射することができる。
【0069】
(鍔部)
次に、レンズ部310を囲む鍔部350について説明する。導光部材300の一部である鍔部350は、光の配光制御には寄与しない部位に備えられる部材であり、後述の支持部材400の支持部410と接合される部分に位置する部材でもある。鍔部350は、レンズ部310と一体成形されており、同じ部材で構成される。
【0070】
鍔部350は、断面視においてレンズ部310の出射面340側、つまり上側に位置している。鍔部350は、出射面340の周囲において光源モジュール1000の上面で露出されており、光源モジュール1000の上面の一部を構成する。さらに、鍔部350の上面は、レンズ部310の出射面340の外周と連続した同一面とすることができる。鍔部350の下面は、レンズ部310の反射面330の上端334と連続しており、反射面330の下端335から離間している。
【0071】
鍔部350は、その外縁において下側に突出する凸部を備えていてもよい。この凸部は
図1B、
図1Cに示すように、レンズ部310から離間しており、支持部材400の開口部の内壁と接続される部分である。鍔部350の外周にこのような凸部を設けることで、導光部材300の強度を向上させることができる。また、支持部材400との接合強度を向上させることができる。
【0072】
図1Dに示すように、導光部材300が複数のレンズ部310(例えば、第1レンズ部311及び第2レンズ部312の2つのレンズ部)を備える場合、これらの間にも鍔部350を配置することができる。これにより複数のレンズ部310を一体的に有する導光部材300とすることができる。上述の凸部は、2つのレンズ部310の外周を囲むように設けることができる。鍔部350の凸部は、後述の支持部材400の脚部420の長さより小さい長さとすることが好ましい。さらに、レンズ部310の反射面330の下端335よりも上側に、鍔部350の下端(凸部の下端)が位置することが好ましい。
【0073】
(支持部材)
支持部材400は、カバー部材200の一部を構成する部材であり、導光部材300を支持する部材である。支持部材400は、導光部材300のレンズ部310が、光源100の直上に配置されるよう、詳細には、光源100の直上であって、光源100の発光面110に接しないような位置に導光部材300を支持する部材である。
【0074】
支持部材400は、導光部材300を支持する支持部410と、支持部410の下側に位置する脚部420と、を備える。支持部410は導光部材300の外周を囲んでおり、導光部材300の鍔部350と接合されている。脚部420は、光源100の外側に配置されており、光源100が載置されている配線基板500上に接合される。支持部材400の上面は光源モジュール1000の上面の一部を構成し、支持部材400の側面は光源モジュール1000の側面の一部を構成する。
【0075】
支持部材400は、光源100からの光が透過しない遮光性の部材で形成することができる。ここで、遮光性とは、光源100からの光が50%以上遮光されることを指し、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上遮光されることを指す。支持部材400は、ポリカーボネイト、アクリル、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の透光性部材で形成することができる。さらに、これらを母材として、遮光性の部材を含むことが好ましい。光反射性の遮光部材としては、酸化チタン、酸化アルミナ、酸化ジルコニウム等が挙げられる。また、光吸収性の遮光部材としては、カーボン、塗料等が挙げられる。これらは1種類、又は複数種類を混合して用いてもよい。
【0076】
(光源)
光源100は、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子、又は、半導体発光素子を含む発光装置等を用いることができる。例えば、
図8A〜
図8Cに示す光源100は、半導体発光素子を含む発光装置の一例である。詳細には、光源100である発光装置は、半導体発光素子120と、半導体発光素子120上に接合部材140を介して配置される透光性部材130を備える。接合部材140は、半導体発光素子120の側面にも配置されている。半導体発光素子120の側面は、接合部材140を介して被覆部材150で被覆されている。光源100は、上面に発光面110を備える。光源100は、側面にも発光面を備えていてもよい。好ましくは、上面のみ、又は、上面と側面の上端近傍に発光面を備える。発光面110の上面視形状は、四角形、三角形、五角形、六角形等の多角形や円形や楕円形とすることができる。好ましくは、発光面110の上面視形状、正方形である。発光面110が四角形の場合、レンズ部310の入射面320の第2入射領域322と発光面110の4つの角が対応するように、位置を調整することが好ましい。
【0077】
半導体発光素子120は、半導体積層体121と、素子電極122と、を備える。半導体積層体121は、発光層を含む半導体層を含む。半導体積層体121は、さらに、サファイア等の透光性基板を備えていてもよい。半導体積層体の一例としては、第1導電型半導体層(例えばn型半導体層)、発光層(活性層)および第2導電型半導体層(例えばp型半導体層)の3つの半導体層を含むことができる。紫外光や、青色光から緑色光の可視光を発光可能な半導体層としては、例えば、III−V族化合物半導体等の半導体材料から形成することができる。具体的には、In
XAl
YGa
1−X−YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系の半導体材料を用いることができる。赤色を発光可能な半導体積層体としては、GaAs、GaAlAs、GaP、InGaAs、InGaAsP等を用いることができる。半導体積層体121の厚みは、例えば3μm〜500μmとすることができる。このような半導体発光素子120は、これを単独で用いてもよい。
【0078】
素子電極122は、その側面が被覆部材150で被覆されており、下面は被覆部材150から露出している。素子電極122の下面は、そのまま外部に露出されていてもよいし、
図8B、
図8Cに示すように金属層160で被覆してもよい。
【0079】
素子電極122は、当該分野で公知の材料及び構成で、任意の厚みで形成することができる。例えば、素子電極122の厚みは、1μm〜300μmが好ましい。また、素子電極122としては、電気良導体を用いることができ、例えばCu等の金属が好適である。
【0080】
被覆部材150は光反射性であり、半導体発光素子120の側面を直接的又は間接的に被覆する。被覆部材150は、半導体発光素子120からの光を反射可能な部材であり、例えば光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。被覆部材150は、半導体発光素子120からの光に対する反射率が70%以上であることが好ましく、更に、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
【0081】
被覆部材150としては、例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。樹脂材料中に含有させる光反射性物質としては、例えば、白色物質を用いることができる。具体的には、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが好適である。光反射性物質は、粒状、繊維状、薄板片状などが利用できる。
【0082】
透光性部材130は、半導体発光素子120からの光を透過可能な部材であり、光源100の発光面110を構成する。透光性部材130は、透光性の樹脂材料、ガラス等を用いることができる。例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。また、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂が好適である。透光性部材130は、半導体発光素子からの光に対する透過率が70%以上であることが好ましく、更に、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。透光性部材130は、後述の蛍光体や拡散材等を含んでもよい。
【0083】
蛍光体は、半導体発光素子120からの光を吸収し、異なる波長の光に変換するものが使用される。換言すると、半導体発光素子120からの発光で励起可能なものが使用される。例えば、青色発光素子又は紫外線発光素子で励起可能な蛍光体としては、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(YAG:Ce)、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(LAG:Ce)、ユウロピウムおよび/又はクロムで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム系蛍光体(CaO−Al
2O
3−SiO
2、)、ユウロピウムで賦活されたシリケート系蛍光体((Sr,Ba)
2SiO
4)、βサイアロン蛍光体、CASN系蛍光体、SCASN系蛍光体等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(K
2SiF
6:Mn)、硫化物系蛍光体、量子ドット蛍光体などが挙げられる。これらの蛍光体と、青色発光素子又は紫外線発光素子と組み合わせることにより、様々な色の発光装置(例えば白色系の発光装置)を製造することができる。これら蛍光体は、1種類又は複数用いることができる。複数用いる場合は、混合させてもよく、積層させてもよい。
また、波長変換部材には、粘度を調整する等の目的で、各種のフィラー等を含有させてもよい。
【0084】
接合部材140は、半導体発光素子120と透光性部材130を接合する部材である。さらに、接合部材140は半導体発光素子120の側面を被覆し、半導体発光素子120の側面から出射される光を透光性部材130に導光させるための部材である。接合部材140は、透光性の樹脂材料を用いることができる。例えば、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料が好ましい。接合部材140は、半導体発光素子からの光に対する透過率が70%以上であることが好ましく、更に、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
【0085】
金属層160は、半導体発光素子120の素子電極122よりも耐腐食性や耐酸化性に優れたものを選択することが好ましい。金属層160は単一の材料の一層のみで構成されてもよく、異なる材料の層が積層されて構成されていてもよい。特に、高融点の金属材料を用いるのが好ましく、例えば、Ru、Mo、Ta等を挙げることができる。また、これら高融点の金属材料を、半導体発光素子の素子電極と最表面の層との間に設けることにより、はんだに含まれるSnが、発光素子の電極や電極に近い層に拡散することを低減することが可能な拡散防止層とすることができる。このような拡散防止層を備えた積層構造の例としては、Ni/Ru/Au、Ti/Pt/Au等が挙げられる。また、拡散防止層(例えばRu)の厚みとしては、10Å〜1000Å程度が好ましい。
【0086】
(配線基板)
配線基板500は、基台と、その上面に配置された配線と、を備える。基台としては、例えば、セラミック、ガラエポ、紙フェノール等の絶縁性の材料を用いることができる。あるいは、基台として、アルミ等の金属を用いた導電性の材料を用いることもでき、その場合は、導電性の基台と配線との間に絶縁層を備える。また、配線基板の形状は、例えば、四角形や円形等とすることができる。配線の材料としては、例えば、Cu、Agを用いることができる。さらに、配線の表面にはAuめっきや半田めっき等を用いることができる。また、配線は、上述のめっきに代えて、水溶性フラックスを備えていてもよい。絶縁層は、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン等を用いることができる。
【0087】
(ケース)
ケース600は、光源モジュール1000等を収容するための筐体であり、電子機器2000の外表面の一部を構成する部材である。ケース600は、樹脂、木、金属等、目的や用途に応じて、さらにデザイン性を考慮して種々の材料や形状のものが用いられる。例えば、スマートフォンなどの小型の通信機器は、カメラ機能を備えており、光源モジュール1000はカメラ用のレンズの近傍に配置されており、カメラ用レンズと共にケース600内に収容される。
【0088】
ケース600は、光源モジュール1000からの光を外部に出射可能な開口部610を備える。開口部610の大きさは、光源モジュール1000の出射面340よりやや小さい大きさとすることができる。また、開口部610は、断面視においてその内側面が
図6Aに示すような、垂直な面とすることができる。あるいは、開口部610の内側面は、上面側の内径が下面側の内径よりも大きい形状とすることができる。換言すると、開口部の内側面は、上側に向かって広がった傾斜面とすることができる。このような傾斜面とすることで、光源モジュール1000からの光を遮りにくくすることができ、広い配光特性の光を照射することができる。