(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0015】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内のX軸と平行な方向をX軸方向、水平面内においてX軸と直交するY軸と平行な方向をY軸方向、X軸及びY軸のそれぞれと直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。X軸及びY軸を含むXY平面は、水平面と平行である。XY平面と直交するZ軸方向は、鉛直方向である。
【0016】
[ウェーハ加工システム]
図1は、本実施形態に係るウェーハ加工システム1の一例を示す概略構成図である。ウェーハ加工システム1は、交差する複数の分割予定ラインによって区画された複数の領域にデバイスが形成された表面を備えるウェーハ2に加工を施す。ウェーハ加工システム1は、ウェーハ2にレーザー光線を照射するレーザー光線照射ユニット110を備えるレーザー加工装置100と、ウェーハ2を研削する研削ユニット210を備える研削装置200と、フレームユニット形成手段310及び剥離手段320を備えるテープ貼着装置300と、保護テープが貼着されたウェーハ2を複数収容する第1カセット410を載置する第1カセット載置部400と、ダイシングテープで環状フレームの開口に支持されたウェーハ2を複数収容する第2カセット510を載置する第2カセット載置部500と、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、第1カセット410、及び第2カセット510の間でウェーハ2を搬送する搬送ユニット600と、ウェーハ加工システム1の各構成要素を制御する制御手段700と、を備える。
【0017】
(レーザー加工装置)
レーザー加工装置100は、レーザー光線照射ユニット110と、ウェーハ2を着脱可能に保持するチャックテーブル120と、チャックテーブル120を移動するテーブル移動装置130と、ウェーハ2を一時的に保持する仮置き部140とを有する。
【0018】
レーザー光線照射ユニット110は、チャックテーブル120に保持されているウェーハ2にレーザー光線を照射する。レーザー光線照射ユニット110は、ウェーハ2にレーザー光線を照射して、ウェーハ2の分割予定ラインに沿ってウェーハ2の内部に改質層を形成する。レーザー光線照射ユニット110は、ウェーハ2に対して透過性を有する波長のレーザー光線をウェーハ2に照射して、ウェーハ2をステルスダイシング加工する。
【0019】
レーザー光線照射ユニット110は、支持機構112に支持される。支持機構112は、支柱112Aと、支柱112Aから−Y方向に突出する支持アーム112Bとを有する。レーザー光線照射ユニット110は、支持アーム112Bの先端部に固定される。レーザー光線照射ユニット110は、レーザー発振器で生成されたレーザー光線をレンズ114で集光して、ウェーハ2に照射する。
【0020】
チャックテーブル120は、ウェーハ2を着脱可能に保持する保持面を有する。チャックテーブル120の保持面は、XY平面と実質的に平行である。チャックテーブル120は、真空チャック機構を含む。チャックテーブル120の保持面には真空吸引源と接続される吸引口が複数設けられる。チャックテーブル120の保持面にウェーハ2が載置された状態で真空吸引源が作動することにより、ウェーハ2はチャックテーブル120に吸着保持される。真空吸引源の作動が停止されることにより、ウェーハ2はチャックテーブル120から解放される。
【0021】
ウェーハ2に保護テープが貼着されている場合、チャックテーブル120は、保護テープを介して、ウェーハ2を保持する。
【0022】
また、チャックテーブル120の保持面の周囲にクランプ機構122が配置される。ウェーハ2がダイシングテープで環状フレームの開口に支持されている場合、クランプ機構122によって環状フレームが固定される。
【0023】
テーブル移動装置130は、チャックテーブル120をX軸方向及びY軸方向に移動する。テーブル移動装置130は、チャックテーブル120をX軸方向に移動可能に支持する第1ステージ132と、第1ステージ132をY軸方向に移動可能に支持する第2ステージ134と、第2ステージ134を支持するベース部材136とを有する。第1ステージ132は、チャックテーブル120をX軸方向にガイドするガイド部材と、チャックテーブル120をX軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。第2ステージ134は、第1ステージ132をY軸方向にガイドするガイド部材と、第1ステージ132をY軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。
【0024】
仮置き部140は、チャックテーブル120に搬入される前又はチャックテーブル120から搬出された後のウェーハ2を一時的に保持し、所定の位置に位置付ける。
【0025】
搬送ユニット600によってレーザー加工装置100に搬入されたウェーハ2は、仮置き部140に載置された後、チャックテーブル120に搬入される。テーブル移動装置130の作動により、ウェーハ2を保持したチャックテーブル120は、レーザー光線照射ユニット110から射出されるレーザー光線の照射位置に移動する。
【0026】
レーザー光線照射ユニット110から射出されたレーザー光線がチャックテーブル120に保持されているウェーハ2に照射されることにより、ウェーハ2の内部に改質層が形成される。
【0027】
ウェーハ2に対するレーザー光線の照射が終了した後、チャックテーブル120からウェーハ2が搬出される。チャックテーブル120から搬出されたウェーハ2は、仮置き部140に載置された後、搬送ユニット600によってレーザー加工装置100から搬出される。
【0028】
(研削装置)
研削装置200は、研削ユニット210と、ウェーハ2を着脱可能に保持するチャックテーブル220と、チャックテーブル220を移動するターンテーブル230と、ウェーハ2を一時的に保持する仮置き部240と、ウェーハ2を位置合わせする位置合わせユニット250と、ウェーハ2を洗浄する洗浄ユニット260と、ウェーハ2を搬送する第1搬送装置270及び第2搬送装置280とを有する。
【0029】
研削ユニット210は、チャックテーブル220に保持されているウェーハ2を研削する。研削ユニット210は、ウェーハ2の裏面を研削してウェーハ2を薄化する。本実施形態において、研削ユニット210は、2つ設けられる。
【0030】
研削ユニット210は、スピンドルハウジング212と、スピンドルハウジングに回転可能に支持されるスピンドルと、スピンドルの下端部に設けられZ軸と平行な研削回転軸を中心に回転可能な研削ホイールと、研削ホイールを回転させるための動力を発生するアクチュエータとを有する。研削ホイールの下面に研削砥石が配置される。研削砥石は、チャックテーブル220に保持されているウェーハ2の裏面と対向可能である。スピンドルハウジング212は、支持機構290に支持される。支持機構290は、スピンドルハウジング212をZ軸方向に移動可能に支持する。
【0031】
チャックテーブル220は、真空チャック機構を含み、ウェーハ2を着脱可能に保持する。ウェーハ2を保持するチャックテーブル220の保持面は、XY平面と実質的に平行である。チャックテーブル220は、アクチュエータの作動により、Z軸と平行なテーブル回転軸を中心に回転可能である。
【0032】
チャックテーブル220は、チャックテーブル220の保持面とウェーハ2の表面とが対向し、ウェーハ2の裏面が上方を向くように、ウェーハ2を保持する。ウェーハ2の表面に保護テープが貼着されている場合、チャックテーブル220は、保護テープを介して、ウェーハ2を保持する。チャックテーブル220は、研削ユニット210の直下の研削位置に移動可能である。本実施形態において、チャックテーブル220は、3つ設けられる。
【0033】
ターンテーブル230は、複数のチャックテーブル220を支持する。ターンテーブル230は、アクチュエータの作動により、Z軸と平行なターン回転軸を中心に所定の角度(例えば120[°])で間欠的に回転する。ターンテーブル230が回転することにより、ターンテーブル230に支持されているチャックテーブル220が研削位置に移動する。本実施形態においては、3つのチャックテーブル220のうち2つのチャックテーブル220が、2つの研削ユニット210の直下の研削位置のそれぞれに配置されるように、研削ユニット210とチャックテーブル220との相対位置が定められている。また、2つのチャックテーブル220が研削位置に配置されている状態で、1つのチャックテーブル220は、ウェーハ2の搬入及び搬出が実施されるロードアンロード位置に配置される。
【0034】
仮置き部240は、チャックテーブル220に搬入される前又はチャックテーブル220から搬出された後のウェーハ2を一時的に保持する。仮置き部240は、真空チャック機構を含み、ウェーハ2を着脱可能に保持する。搬送ユニット600によって研削装置200に搬入されたウェーハ2は、仮置き部240に載置された後、位置合わせユニット250を経て、チャックテーブル220に搬入される。研削が終了しチャックテーブル220から搬出されたウェーハ2は、洗浄ユニット260を経て、仮置き部240に載置された後、搬送ユニット600によって研削装置200から搬出される。
【0035】
位置合わせユニット250は、ウェーハ2を所定の位置に位置付ける。なお、ウェーハ2がチャックテーブル220に搬入される前に、チャックテーブル220の保持面と対向するウェーハ2の表面又は保護テープの表面が洗浄されてもよい。
【0036】
洗浄ユニット260は、チャックテーブル220から搬出されたウェーハ2を洗浄する。洗浄ユニット260は、ウェーハ2の表面及び裏面に洗浄液を供給して、ウェーハ2を洗浄する。ウェーハ2の表面に保護テープが貼着されている場合、保護テープが洗浄ユニット260により洗浄される。
【0037】
第1搬送装置270は、仮置き部240と位置合わせユニット250との間でウェーハ2を搬送する。第1搬送装置270は、アーム272と、アーム272の先端部に設けられウェーハ2を保持するハンド274とを有する。アーム272が作動することにより、ハンド274は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動する。
【0038】
第2搬送装置280は、第1搬送アーム282及び第2搬送アーム284を有する。第1搬送アーム282の先端部及び第2搬送アーム284の先端部のそれぞれに、ウェーハ2を吸着保持する吸着パッドが設けられる。第1搬送アーム282は、位置合わせユニット250からウェーハ2を搬出して、チャックテーブル220に搬入する。第2搬送アーム284は、チャックテーブル220からウェーハ2を搬出して、洗浄ユニット260に搬入する。
【0039】
搬送ユニット600によって研削装置200に搬入され、仮置き部240に載置されたウェーハ2は、第1搬送装置270によって、位置合わせユニット250に渡される。位置合わせユニット250は、ウェーハ2の位置を所定の位置に合わせ込む位置合わせをする。位置合わせユニット250により位置合わせされたウェーハ2は、第1搬送アーム282によって、ロードアンロード位置に配置されているチャックテーブル220に搬入される。ターンテーブル230が回転することにより、ロードアンロード位置に配置されているチャックテーブル220は、研削位置に移動する。
【0040】
研削位置に移動したチャックテーブル220に保持されているウェーハ2と研削ユニット210の研削砥石とが接触した状態で、チャックテーブル220の回転と並行して、研削ユニット210の研削ホイールが研削回転軸を中心に回転する。これにより、ウェーハ2の裏面が研削され、ウェーハ2が薄化される。2つの研削ユニット210によって粗研削と仕上げ研削とが実施されることによりウェーハ2は薄化される。
【0041】
ウェーハ2の研削が終了したした後、ターンテーブル230が回転することにより、研削位置に配置されているチャックテーブル220は、ロードアンロード位置に移動する。
【0042】
第2搬送アーム284は、ロードアンロード位置に配置されているチャックテーブル220から研削後のウェーハ2を搬出する。第2搬送アーム284は、ウェーハ2を洗浄ユニット260に搬送する。洗浄ユニット260は、第2搬送アーム284により搬送されたウェーハ2又は保護テープを洗浄する。洗浄ユニット260により洗浄されたウェーハ2は、洗浄ユニット260から第1搬送装置270に渡される。第1搬送装置270は、ウェーハ2を仮置き部240に載置する。仮置き部240に載置されたウェーハ2は、搬送ユニット600によって研削装置200から搬出される。
【0043】
(テープ貼着装置)
テープ貼着装置300は、フレームユニット形成手段310と、剥離手段320と、ウェーハ2のアライメントを実施するアライメント部330と、ウェーハ2を一時的に保持する仮置き部340と、搬出されるウェーハ2を一時的に保持する搬出仮置き部350とを有する。
【0044】
フレームユニット形成手段310は、研削装置200で研削されたウェーハ2の裏面にダイシングテープを貼着するとともに、ダイシングテープの外周縁に環状フレームを固定する。フレームユニット形成手段310は、ウェーハ2の周囲に環状フレームが配置された状態で、ウェーハ2の裏面及び環状フレーム2の裏面にダイシングテープを貼着し、ダイシングテープを環状フレームに沿ってカットする。これにより、ダイシングテープの外周縁に環状フレームが固定される。ウェーハ2は、ダイシングテープを介して環状フレームに支持される。
【0045】
剥離手段320は、ウェーハ2の表面に貼着された保護テープを剥離する。
【0046】
アライメント部330は、環状フレームに対するウェーハ2の位置合わせを実施する。アライメント部330は、ウェーハ2が載置されるアライメントテーブルと、アライメントテーブルに載置されたウェーハ2の中心位置を規定位置に合わせるための複数のアライメントピンとを有する。アライメントピンがウェーハ2の半径方向に移動して、ウェーハ2の位置合わせを実施する。
【0047】
仮置き部340は、アライメント部330に搬入される前のウェーハ2を一時的に保持する。仮置き部340は、真空チャック機構を含み、ウェーハ2を着脱可能に保持する。搬送ユニット600によってテープ貼着装置300に搬入されたウェーハ2は、仮置き部340に載置された後、アライメント部330を経て、フレームユニット形成手段310及び剥離手段320に搬送される。
【0048】
フレームユニット形成手段310においてダイシングテープを介して環状フレームに支持され、剥離手段320において保護テープが剥離されたウェーハ2は、搬出仮置き部350に搬送される。
【0049】
(第1カセット載置部)
第1カセット載置部400は、表面に保護テープが貼着されたウェーハ2を複数収容する第1カセット410を載置する。本実施形態において、第1カセット410は、研削装置200と対向する位置に2つ設置される。また、第1カセット410は、レーザー加工装置100と対向する位置に1つ設置される。
【0050】
(第2カセット載置部)
第2カセット載置部500は、ダイシングテープで環状フレームの開口に支持されたウェーハ2を複数収容する第2カセット510を載置する。本実施形態において、第2カセット510は、レーザー加工装置100と対向する位置に1つ設置される。また、第2カセット510は、テープ貼着装置300と対向する位置に1つ設置される。
【0051】
(搬送ユニット)
搬送ユニット600は、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、第1カセット410、及び第2カセット510の間でウェーハ2を搬送する。本実施形態において、レーザー加工装置100と研削装置200とテープ貼着装置300とは、Y軸方向に配置される。Y軸方向において、レーザー加工装置100は、研削装置200とテープ貼着装置300との間に配置される。Y軸方向において、テープ貼着装置300と研削装置200との距離は、レーザー加工装置100と研削装置200との距離よりも長い。搬送ユニット600は、レーザー加工装置100よりも−X方向に配置される。
【0052】
図2は、本実施形態に係る搬送ユニット600の一例を模式的に示す側面図である。
図1及び
図2に示すように、搬送ユニット600を含むウェーハ加工システム1は、チャンバ900の内部に配置される。搬送ユニット600は、ウェーハ2を保持して搬送可能な搬送ユニット610A及び搬送ユニット610Bと、環状フレームを介してウェーハ2を搬送可能な搬送ユニット620とを有する。
【0053】
図2に示すように、搬送ユニット610Aは、チャンバ900の天井部に支持される。搬送ユニット610Aは、ウェーハ2を着脱可能に保持する吸着パッド612Aを有する。吸着パッド612Aは、ウェーハ2を吸着保持する保持面を有する。吸着パッド612Aの保持面は、下方を向く。吸着パッド612Aの保持面は、XY平面と実質的に平行である。吸着パッド612Aの保持面には真空吸引源と接続される吸引口が設けられる。吸着パッド612Aの保持面とウェーハ2とが接触した状態で真空吸引源が作動することにより、ウェーハ2は吸着パッド612Aに吸着保持される。真空吸引源の作動が停止されることにより、ウェーハ2は吸着パッド612Aから解放される。
【0054】
XY平面内における吸着パッド612Aの外形及び寸法と、ウェーハ2の外形及び寸法とは、実質的に同一である。吸着パッド612Aは、ウェーハ2の表面のほぼ全部を吸着保持することができる。
【0055】
また、搬送ユニット610Aは、Y軸方向に移動可能な移動テーブル614Aと、移動テーブル614Aに支持される可動アーム616Aとを有する。吸着パッド612Aは、可動アーム616Aの先端部に連結される。
【0056】
移動テーブル614Aは、移動機構630Aを介してチャンバ900の天井部に移動可能に支持される。移動テーブル614Aは、移動機構630AによりY軸方向に移動する。移動機構630Aは、チャンバ900の天井部に設けられ移動テーブル614AをY軸方向にガイドするガイド部材632Aと、移動テーブル614AをY軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータ634Aとを有する。アクチュエータ634Aは、例えばリニアモータ又はボールねじ機構を含む。
【0057】
吸着パッド612Aは、移動機構630A及び可動アーム616Aの作動により、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能である。
【0058】
搬送ユニット610Bは、チャンバ900の側壁部に支持される。搬送ユニット610Bは、搬送ユニット610Aよりも−Z側に設けられ、搬送ユニット610Aよりも下方で移動する。搬送ユニット610Bは、ウェーハ2を着脱可能に保持する吸着パッド612Bと、Y軸方向に移動可能な移動テーブル614Bと、移動テーブル614Bに支持される可動アーム616Bとを有する。吸着パッド612Bは、可動アーム616Bの先端部に連結される。
【0059】
移動テーブル614Bは、移動機構630Bを介してチャンバ900の側壁部に移動可能に支持される。移動テーブル614Bは、移動機構630BによりY軸方向に移動する。移動機構630Bは、チャンバ900の側壁部に設けられ移動テーブル614BをY軸方向にガイドするガイド部材642と、移動テーブル614BをY軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータ634Bとを有する。アクチュエータ634Bは、例えばリニアモータ又はボールねじ機構を含む。
【0060】
吸着パッド612Bは、移動機構630B及び可動アーム616Bの作動により、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動可能である。
【0061】
このように、本実施形態において、搬送ユニット610Bは、搬送ユニット610Aの下方において、搬送ユニット610Aとは別に移動可能である。したがって、例えば、搬送ユニット610Aによるウェーハ2の搬送動作と並行して、搬送ユニット610Bによるウェーハ2の搬送動作を実行可能である。
【0062】
図1に示すように、搬送ユニット620は、ウェーハ2を支持する環状フレームを保持する保持ハンド622を有する。保持ハンド622は、環状フレームの一方の面を支持する支持部材622Aと、支持部材622Aと間隙を介して対向する係合部材622Bとを有する。支持部材622Aと係合部材622Bとの間に環状フレームの一部が挿入されることによって、環状フレームが保持ハンド622に保持される。また、支持部材622Aの中央に開口622Mが設けられる。
【0063】
搬送ユニット610Bと同様、搬送ユニット620は、搬送ユニット610Aの下方において移動する。搬送ユニット620は、Y軸方向に移動可能な移動テーブル624と、移動テーブル624に支持される可動アーム626とを有する。保持ハンド622は、可動アーム626の先端部に連結される。
【0064】
移動テーブル624は、移動機構640によりY軸方向に移動する。移動機構640は、移動テーブル624をY軸方向にガイドするガイド部材642と、移動テーブル624をY軸方向に移動するための動力を発生するアクチュエータとを有する。移動機構640のアクチュエータは、例えばリニアモータ又はボールねじ機構を含む。
【0065】
保持ハンド622は、移動機構640及び可動アーム626の作動により、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向に移動可能である。
【0066】
搬送ユニット610A及び搬送ユニット610Bは、レーザー加工装置100へのウェーハ2の搬入、レーザー加工装置100からのウェーハ2の搬出、研削装置200へのウェーハ2の搬入、研削装置200からのウェーハ2の搬出、及びテープ貼着装置300へのウェーハ2の搬入を実施可能である。搬送ユニット620は、レーザー加工装置100へのウェーハ2の搬入、レーザー加工装置100からのウェーハ2の搬出、研削装置200へのウェーハ2の搬入、研削装置200からのウェーハ2の搬出、及びテープ貼着装置300からのウェーハ2の搬出を実施可能である。
【0067】
搬送ユニット610Aによるウェーハ2の搬送動作と並行して、搬送ユニット610Bはウェーハ2を搬送可能である。例えば、搬送ユニット610Aが第1カセット410からレーザー加工装置100にウェーハ2を搬入する動作と並行して、搬送ユニット610Bは研削後のウェーハ2をテープ貼着装置300に搬入することができる。また、搬送ユニット610A及び搬送ユニット610Bの少なくとも一方によるウェーハ2の搬送動作と並行して、搬送ユニット620は、ウェーハ2(環状フレーム)を搬送可能である。
【0068】
(制御手段)
図3は、本実施形態に係るウェーハ加工システム1を示すブロック図である。制御手段700は、ウェーハ加工システム1の構成要素である、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、及び搬送ユニット600を制御する。
【0069】
制御手段700は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置710と、ROM(Read Only Memory)又ストレージのような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含む記憶装置720と、入出力インターフェース装置730とを有する。演算処理装置710は、記憶装置720に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、入出力インターフェース装置730を介して、ウェーハ加工システム1を制御するための制御信号を出力する。
【0070】
演算処理装置710は、第1加工プログラム721に従って制御信号を出力する第1加工プログラム指示部711と、第2加工プログラム722に従って制御信号を出力する第2加工プログラム指示部712と、第3加工プログラム723に従って制御信号を出力する第3加工プログラム指示部713と、第4加工プログラム724に従って制御信号を出力する第4加工プログラム指示部714とを有する。
【0071】
記憶装置720は、第1加工プログラム721と、第2加工プログラム722と、第3加工プログラム723と、第4加工プログラム724とを記憶する。
【0072】
第1加工プログラム721は、第1カセット410から搬出されたウェーハ2を、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、及び第2カセット510の順で搬送ユニット600によって搬送させ、1枚のウェーハ2に対してそれぞれの装置による加工を順次実施させるプログラムである。
【0073】
第1加工プログラム指示部711は、第1カセット410から搬出したウェーハ2を、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、及び第2カセット510の順で搬送し、それぞれの装置による加工を1枚のウェーハ2に順次施すための制御信号を出力する。
【0074】
第2加工プログラム722は、第1カセット410から搬出されたウェーハ2を、研削装置200、レーザー加工装置100、テープ貼着装置300、及び第2カセット510の順で搬送ユニット600によって搬送させ、1枚のウェーハ2に対してそれぞれの装置による加工を順次実施させるプログラムである。
【0075】
第2加工プログラム指示部712は、第1カセット410から搬出したウェーハ2を、研削装置200、レーザー加工装置100、テープ貼着装置300、及び第2カセット510の順で搬送し、それぞれの装置による加工を1枚のウェーハ2に順次施すための制御信号を出力する。
【0076】
第3加工プログラム723は、第1カセット410から搬出したウェーハ2を、研削装置200及びテープ貼着装置300の順で搬送ユニット600によって搬送させ、1枚のウェーハ2に対してそれぞれの装置による加工を順次実施させるプログラムである。
【0077】
第3加工プログラム指示部713は、第1カセット410から搬出したウェーハ2を、研削装置200、及びテープ貼着装置300の順序で搬送し、それぞれの装置による加工を1枚のウェーハ2に順次施すための制御信号を出力する。
【0078】
第4加工プログラム724は、第1カセット410又は第2カセット510から搬出したウェーハ2を、レーザー加工装置100に搬送ユニット600によって搬送させ、1枚のウェーハ2に対してレーザー加工装置100による加工を実施させるプログラムである。
【0079】
第4加工プログラム指示部714は、第1カセット410又は第2カセット510から搬出したウェーハ2を、レーザー加工装置100に搬送し、レーザー加工装置100による加工をウェーハ2に施すための制御信号を出力する。
【0080】
第3加工プログラム指示部713及び第4加工プログラム指示部714は、第3加工プログラム723と第4加工プログラム724とが並行して遂行されるように、制御信号を出力する。
【0081】
[ウェーハ]
図4は、本実施形態に係るウェーハ2の一例を示す斜視図である。
図4に示すように、ウェーハ2は、基板20と、基板20に設けられた機能層21とを有する。ウェーハ2は、実質的に円板状の部材であり、表面2Aと、表面2Aの逆方向を向く裏面2Bとを有する。基板20は、シリコン基板、サファイア基板、タンタル酸リチウム基板、ニオブ酸リチウム基板、及びセラミックス基板の少なくとも一つを含む。機能層21はデバイス22を形成する層であり、基板20の表面に積層される。機能層21は、格子状に形成された分割予定ライン23によって区画されている。
【0082】
ウェーハ2の表面2Aは、機能層21の表面を含む。ウェーハ2の裏面2Bは、基板20の裏面を含む。ウェーハ2は、交差する複数の分割予定ライン23によって区画された複数の領域にデバイス22が形成された表面2Aを有する。
【0083】
デバイス22は、ウェーハ2にマトリクス状に配置される。デバイス22は、格子状の分割予定ライン23によって区画される。ウェーハ2が分割予定ライン23に沿って分割されることにより、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)のようなデバイスチップが製造される。
【0084】
本実施形態において、ウェーハ2は、第1状態、第2状態、及び第3状態のいずれか一つの状態で、搬送、加工、又は保管される。
図5は、本実施形態に係る第1状態のウェーハ2の一例を示す斜視図である。
図6は、本実施形態に係る第2状態のウェーハ2の一例を示す斜視図である。
図7は、本実施形態に係る第3状態のウェーハ2の一例を示す斜視図である。
【0085】
図5に示すように、第1状態に係るウェーハ2は、表面2Aに保護テープ3を貼着される。保護テープ3は、シート状の部材である。保護テープ3は、合成樹脂製でもよいし、金属製でもよいし、セラミックス製でもよいし、ガラス製でもよい。保護テープ3の外形及び寸法と、ウェーハ2の外形及び寸法とは実質的に等しい。ウェーハ2の表面2Aの全部が保護テープ3により覆われる。ウェーハ2の表面2Aに保護テープ3が貼着されることにより、表面2Aに形成されたデバイス22が保護される。
【0086】
図6に示すように、第2状態に係るウェーハ2は、表面2Aにダイシングテープ4を貼着される。ダイシングテープ4は、シート状の部材である。ダイシングテープ4の外形の寸法は、ウェーハ2の外形の寸法よりも大きい。ダイシングテープ4の外周縁には環状フレーム5が固定される。ウェーハ2は、ダイシングテープ4を介して環状フレーム5の開口5Mに支持される。第2状態に係るウェーハ2は、ダイシングテープ4及び環状フレーム5と一体化されたフレームユニット6を形成する。
【0087】
図7に示すように、第3状態に係るウェーハ2は、裏面2Bにダイシングテープ7を貼着される。ダイシングテープ7は、シート状の部材である。ダイシングテープ7の外形の寸法は、ウェーハ2の外形の寸法よりも大きい。ダイシングテープ7の外周縁には環状フレーム8が固定される。ウェーハ2は、ダイシングテープ7を介して環状フレーム8の開口8Mに支持される。第3状態に係るウェーハ2は、ダイシングテープ7及び環状フレーム8と一体化されたフレームユニット9を形成する。
【0088】
図5を参照して説明した、第1状態に係るウェーハ2は、第1カセット410に収容される。
図6及び
図7を参照して説明した、第2状態に係るウェーハ2及び第3状態に係るウェーハ2は、第2カセット510に収容される。
【0089】
[ウェーハの加工方法]
(第1加工プログラムによるウェーハの加工方法)
次に、本実施形態に係るウェーハ2の加工方法について説明する。はじめに、第1加工プログラムによるウェーハ2の加工方法について説明する。
図8は、本実施形態に係る第1加工プログラムによるウェーハ2の加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0090】
図8に示すように、第1加工プログラムによるウェーハ2の加工方法は、第1カセット410から搬出した第1状態のウェーハ2をレーザー加工装置100に搬送する第1搬送ステップ(S11)と、レーザー加工装置100に搬送されたウェーハ2にレーザー光線を照射して、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層を形成する改質層形成ステップ(S12)と、改質層が形成されたウェーハ2を研削装置200に搬送する第2搬送ステップ(S13)と、研削装置200に搬送されたウェーハ2の裏面2Bを研削してウェーハ2を薄化する薄化ステップ(S14)と、薄化されたウェーハ2をテープ貼着装置300に搬送する第3搬送ステップ(S15)と、テープ貼着装置300に搬送されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着するとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定してフレームユニット9を形成した後、ウェーハ2の表面2Aに貼着されている保護テープ3を剥離する貼り替えステップ(S16)と、テープ貼着装置300で生成された第3状態のウェーハ2を第2カセット510に搬送する第4搬送ステップ(S17)と、を含む。
【0091】
第1搬送ステップ(S11)について説明する。
図9は、本実施形態に係る第1搬送ステップの一例を模式的に示す図である。
図9に示すように、第1カセット410に、表面2Aに保護テープ3が貼着されたウェーハ2が複数収容されている。第1カセット410は、Z軸方向に配置される複数の棚420を有する。第1状態のウェーハ2は、棚420のそれぞれに支持されている。制御手段700は、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出して、レーザー加工装置100に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。本実施形態においては、搬送ユニット610A又は搬送ユニット610Bによって第1状態のウェーハ2が第1カセット410から搬出される。例えば搬送ユニット610Bは、第1カセット410に設けられている開口420Mを介して、第1カセット410の内部に吸着パッド612Bを進入させる。搬送ユニット610Bは、吸着パッド612Bでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出し、レーザー加工装置100に搬送する。
【0092】
次に、改質層形成ステップ(S12)について説明する。
図10は、本実施形態に係る改質層形成ステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、ウェーハ2に改質層24を形成させるための制御信号をレーザー加工装置100に出力する。
図10に示すように、レーザー加工装置100のチャックテーブル120に第1状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル120は、保護テープ3を介してウェーハ2を保持する。保護テープ3とチャックテーブル120の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、チャックテーブル120がウェーハ2を保持する。
【0093】
第1状態のウェーハ2がチャックテーブル120に保持された後、制御手段700は、テーブル移動装置130を制御して、レーザー光線照射ユニット110から射出されるレーザー光線LBの照射位置に、ウェーハ2の分割予定ライン23を配置する。制御手段700は、テーブル移動装置130を制御して、レーザー光線LBに対してチャックテーブル120を移動する。
【0094】
改質層形成ステップにおいては、レーザー光線照射ユニット110は、ウェーハ2に対して透過性を有する波長のレーザー光線LBを射出する。レーザー光線LBは、ウェーハ2の裏面2B側から分割予定ライン23に沿って照射される。これにより、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層24が形成される。
【0095】
次に、第2搬送ステップ(S13)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2をレーザー加工装置100から研削装置200に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。改質層24が形成されチャックテーブル120から搬出されたウェーハ2は、搬送ユニット600の搬送ユニット610A又は搬送ユニット610Bによってレーザー加工装置100から搬出され、研削装置200に搬送される。例えば搬送ユニット610Bは、吸着パッド612Bでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、レーザー加工装置100から第1状態のウェーハ2を搬出し、研削装置200に搬送する。
【0096】
次に、薄化ステップ(S14)について説明する。
図11は、本実施形態に係る薄化ステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、ウェーハ2の裏面2Bを研削してウェーハ2を薄化させるための制御信号を研削装置200に出力する。
図11に示すように、研削装置200のチャックテーブル220に第1状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル220は、保護テープ3を介してウェーハ2を保持する。保護テープ3とチャックテーブル220の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、チャックテーブル220がウェーハ2を保持する。チャックテーブル220は、アクチュエータの作動により、Z軸と平行なテーブル回転軸AX1を中心に回転可能である。
【0097】
研削装置200の研削ユニット210は、スピンドルハウジング212と、スピンドルハウジング212に回転可能に支持されるスピンドル214と、スピンドル214の下端部に設けられる研削ホイール216と、研削ホイール216の下面に配置された研削砥石218とを有する。研削ホイール214は、アクチュエータの作動により、Z軸と平行な研削回転軸AX2を中心に回転可能である。
【0098】
XY平面内において、研削砥石218は円環状に設けられる。研削砥石218は、チャックテーブル220に保持されているウェーハ2の裏面2Bと対向可能である。
【0099】
ウェーハ2が保護テープ3を介してチャックテーブル220に保持された後、チャックテーブル220がテーブル回転軸AX1を中心に回転されつつ、研削ユニット210の研削ホイール216が研削回転軸AX2を中心に回転される。チャックテーブル220及び研削ホイール216が回転している状態で、研削砥石218とウェーハ2の裏面2Bとが接触される。これにより、ウェーハ2の裏面2Bが研削され、ウェーハ2が薄化される。
【0100】
次に、第3搬送ステップ(S15)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2を研削装置200からテープ貼着装置300に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。改質層24が形成され薄化されたウェーハ2は、チャックテーブル220から搬出される。チャックテーブル220から搬出されたウェーハ2は、洗浄された後、搬送ユニット600の搬送ユニット610Aによって研削装置200から搬出され、テープ貼着装置300に搬送される。搬送ユニット610Aは、吸着パッド612でウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、研削装置200から第1状態のウェーハ2を搬出し、テープ貼着装置300に搬送する。
【0101】
次に、貼り替えステップ(S16)について説明する。
図12は、本実施形態に係る貼り替えステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、研削装置200で研削されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着させるとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定させるための制御信号をテープ貼着装置300のフレームユニット形成手段310に出力する。また、制御手段700は、ウェーハ2の表面2Aに貼着された保護テープ3を剥離させるための制御信号をテープ貼着装置300の剥離手段320に出力する。これにより、
図12に示すように、テープ貼着装置300において、環状フレーム8に支持されたダイシングテープ7が裏面2Bに貼着され、表面2Aから保護テープ3から剥離された第3状態のウェーハ2が生成される。
【0102】
次に、第4搬送ステップ(S17)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2をテープ貼着装置300から第2カセット510に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。第3状態のウェーハ2は、搬送ユニット600によってテープ貼着装置300から搬出され、第2カセット510に搬送される。本実施形態において、第3状態のウェーハ2を含むフレームユニット9は、搬出仮置き部350に載置された後、ガイドレールにガイドされながら、第2カセット510にスライドして挿入され、収容される。
【0103】
(第2加工プログラムによるウェーハの加工方法)
次に、第2加工プログラムによるウェーハ2の加工方法について説明する。
図13は、本実施形態に係る第2加工プログラムによるウェーハ2の加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0104】
図13に示すように、第2加工プログラムによるウェーハ2の加工方法は、第1カセット410から搬出した第1状態のウェーハ2を研削装置200に搬送する第5搬送ステップ(S21)と、研削装置200に搬送されたウェーハ2の裏面2Bを研削してウェーハ2を薄化する薄化ステップ(S22)と、薄化されたウェーハ2をレーザー加工装置100に搬送する第6搬送ステップ(S23)と、レーザー加工装置100に搬送されたウェーハ2にレーザー光線を照射して、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層を形成する改質層形成ステップ(S24)と、改質層が形成されたウェーハ2をテープ貼着装置300に搬送する第7搬送ステップ(S25)と、テープ貼着装置300に搬送されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着するとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定してフレームユニット9を形成した後、ウェーハ2の表面2Aに貼着されている保護テープ3を剥離する貼り替えステップ(S26)と、テープ貼着装置300で生成された第3状態のウェーハ2を第2カセット510に搬送する第8搬送ステップ(S27)と、を含む。
【0105】
第5搬送ステップ(S21)について説明する。制御手段700は、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出して、研削装置200に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。上述の第1搬送ステップS11と同様、第5搬送ステップS21においては、搬送ユニット610Bによって第1状態のウェーハ2が第1カセット410から搬出される。搬送ユニット610Bは、吸着パッド612Bでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出し、研削装置200に搬送する。
【0106】
次に、薄化ステップ(S22)について説明する。
図14は、本実施形態に係る薄化ステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、ウェーハ2の裏面2Bを研削してウェーハ2を薄化させるための制御信号を研削装置200に出力する。
図14に示すように、研削装置200のチャックテーブル220に第1状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル220は、保護テープ3を介してウェーハ2を保持する。
【0107】
ウェーハ2が保護テープ3を介してチャックテーブル220に保持された後、チャックテーブル220がテーブル回転軸AX1を中心に回転されつつ、研削ユニット210の研削ホイール216が研削回転軸AX2を中心に回転される。チャックテーブル220及び研削ホイール216が回転している状態で、研削砥石218とウェーハ2の裏面2Bとが接触される。これにより、ウェーハ2の裏面2Bが研削され、ウェーハ2が薄化される。
【0108】
次に、第6搬送ステップ(S23)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2を研削装置200からレーザー加工装置100に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。薄化されたウェーハ2は、チャックテーブル220から搬出される。チャックテーブル220から搬出されたウェーハ2は、搬送ユニット600の搬送ユニット610Bによって研削装置200から搬出され、レーザー加工装置100に搬送される。搬送ユニット610Bは、吸着パッド612Bでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、研削装置200から第1状態のウェーハ2を搬出し、レーザー加工装置100に搬送する。
【0109】
次に、改質層形成ステップ(S24)について説明する。
図15は、本実施形態に係る改質層形成ステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、ウェーハ2に改質層24を形成させるための制御信号をレーザー加工装置100に出力する。
図15に示すように、レーザー加工装置100のチャックテーブル120に、薄化された第1状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル120は、保護テープ3を介してウェーハ2を保持する。保護テープ3とチャックテーブル120の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、チャックテーブル120がウェーハ2を保持する。
【0110】
第1状態のウェーハ2がチャックテーブル120に保持された後、制御手段700は、テーブル移動装置130を制御して、レーザー光線照射ユニット110から射出されるレーザー光線LBの照射位置に、ウェーハ2の分割予定ライン23を配置する。制御手段700は、テーブル移動装置130を制御して、レーザー光線LBに対してチャックテーブル120を移動する。
【0111】
改質層形成ステップにおいては、レーザー光線照射ユニット110は、ウェーハ2に対して透過性を有する波長のレーザー光線LBを射出する。レーザー光線LBは、ウェーハ2の裏面2B側から分割予定ライン23に沿って照射される。これにより、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層24が形成される。
【0112】
次に、第7搬送ステップ(S25)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2をレーザー加工装置100からテープ貼着装置300に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。改質層24が形成されチャックテーブル120から搬出されたウェーハ2は、搬送ユニット600の第1搬送ユニット610によってレーザー加工装置100から搬出され、テープ貼着装置300に搬送される。搬送ユニット610Aは、吸着パッド612Aでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、レーザー加工装置100から第1状態のウェーハ2を搬出し、テープ貼着装置300に搬送する。
【0113】
次に、貼り替えステップ(S26)について説明する。制御手段700は、研削装置200で研削されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着させるとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定させるための制御信号をテープ貼着装置300のフレームユニット形成手段310に出力する。また、制御手段700は、ウェーハ2の表面2Aに貼着された保護テープ3を剥離させるための制御信号をテープ貼着装置300の剥離手段320に出力する。これにより、上述の貼り替えステップS16と同様、テープ貼着装置300において、環状フレーム8に支持されたダイシングテープ7が裏面2Bに貼着され、表面2Aから保護テープ7から剥離された第3状態のウェーハ2が生成される。
【0114】
次に、第8搬送ステップ(S27)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2をテープ貼着装置300から第2カセット510に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。上述の第4搬送ステップS17と同様、第3状態のウェーハ2は、テープ貼着装置300から搬出され、第2カセット510に搬送される。第3状態のウェーハ2を含むフレームユニット9は、搬出仮置き部350に載置された後、ガイドレールにガイドされながら、第2カセット510にスライドして挿入され、収容される。
【0115】
(第2カセットに収容されているウェーハの加工方法)
上述のように、第1加工プログラム及び第2加工プログラムの少なくとも一方によるウェーハ2の加工方法により、第2カセット510には、第3状態のウェーハ2が収容される。薄化され改質層24が形成されたウェーハ2は、分割ステップにおいて複数のデバイスチップに分割される。
図16及び
図17は、本実施形態に係る分割ステップに使用される分割装置800の動作を模式的に示す図である。
【0116】
第2カセット510から搬出された第3状態のウェーハ2が分割装置800に設置される。
図16に示すように、分割装置800は、環状フレーム8を保持するフレーム保持手段810と、フレーム保持手段810に保持された環状フレーム8に装着されたダイシングテープ7を拡張するテープ拡張手段820とを備える。フレーム保持手段810は、環状のフレーム保持部材811と、フレーム保持部材811の外周に配置された複数のクランプ機構812とを有する。フレーム保持部材811の上面は、環状フレーム8が載置される載置面811Aである。載置面811Aに載置された環状フレーム8は、クランプ機構812によってフレーム保持部材811に固定される。フレーム保持手段810は、テープ拡張手段820によって上下方向に移動可能である。
【0117】
テープ拡張手段820は、フレーム保持部材811の内側に配置される拡張ドラム821を有する。拡張ドラム821は、環状フレーム8の内径よりも小さく、ウェーハ2の外径より大きい内径及び外径を有する。テープ拡張手段820は、フレーム保持部材811を上下方向に移動可能な支持手段830を有する。支持手段830は、複数のエアシリンダ831を有する。エアシリンダ831のピストンロッド832がフレーム保持部材811の下面に連結される。複数のエアシリンダ831を含む支持手段830は、フレーム保持部材811の載置面811Aが、拡張ドラム821の上端と略同一高さとなる基準位置と、拡張ドラム821の上端より所定量下方の拡張位置との間を上下方向に移動するように、フレーム保持部材811を移動させる。
【0118】
次に、分割装置800を用いる分割ステップについて説明する。分割予定ライン23に沿って改質層24が形成されているウェーハ2がダイシングテープ7に支持される。
図16に示すように、ダイシングテープ7を介してウェーハ2を支持する環状フレーム8が、フレーム保持手段810のフレーム保持部材811の載置面811Aに載置され、クランプ機構812によってフレーム保持部材811に固定される。このとき、フレーム保持部材811は、
図16に示す基準位置に位置付けられている。
【0119】
次に、支持手段830の複数のエアシリンダ831が作動され、フレーム保持部材811が
図17に示す拡張位置に下降される。これにより、フレーム保持部材811の載置面811Aに固定されている環状フレーム8も下降する。そのため、
図17に示すように、環状フレーム8に装着されたダイシングテープ7は、拡張ドラム821の上端部に当接し、拡張する。その結果、ダイシングテープ7に貼着されているウェーハ2には放射状の引張力が作用する。ウェーハ2に放射状の引張力が作用すると、分割予定ライン23に沿って形成された改質層24を破断起点として、ウェーハ2の基板20が分割予定ライン23に沿って分割される。これにより、ウェーハ2が複数のデバイスチップ25に分割される。
【0120】
(第3加工プログラム及び第4加工プログラムによるウェーハの加工方法)
次に、第3加工プログラム及び第4加工プログラムによるウェーハ2の加工方法について説明する。
図18は、本実施形態に係る第3加工プログラム及び第4加工プログラムによるウェーハ2の加工方法の一例を示すフローチャートである。
【0121】
図18に示すように、第3加工プログラムによるウェーハ2の加工方法は、第1カセット410から搬出した第1状態のウェーハ2を研削装置200に搬送する第9搬送ステップ(S31)と、研削装置200に搬送されたウェーハ2の裏面2Bを研削してウェーハ2を薄化する薄化ステップ(S32)と、薄化されたウェーハ2をテープ貼着装置300に搬送する第10搬送ステップ(S33)と、テープ貼着装置300に搬送されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着するとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定してフレームユニット9を形成した後、ウェーハ2の表面2Aに貼着されている保護テープ3を剥離する貼り替えステップ(S34)と、テープ貼着装置300で生成された第3状態のウェーハ2を第2カセット510に搬送する第11搬送ステップ(S35)と、を含む。
【0122】
また、
図18に示すように、第4加工プログラムによるウェーハ2の加工方法は、第2カセット510から搬出した第2状態のウェーハ2をレーザー加工装置100に搬送する第12搬送ステップ(S41)と、レーザー加工装置100に搬送されたウェーハ2にレーザー光線を照射して、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層を形成する改質層形成ステップ(S42)と、改質層が形成された第2状態のウェーハ2を第2カセット510に搬送する第13搬送ステップ(S43)と、を含む。
【0123】
第3加工プログラムによるウェーハ2の加工方法と、第4加工プログラムによるウェーハ2の加工方法とは、並行して遂行される。
【0124】
第9搬送ステップ(S31)について説明する。制御手段700は、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出して、研削装置200に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。上述の第1搬送ステップS11と同様、第9搬送ステップS21においては、搬送ユニット610Bによって第1状態のウェーハ2が第1カセット410から搬出される。搬送ユニット610Bは、吸着パッド612Bでウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、第1カセット410から第1状態のウェーハ2を搬出し、研削装置200に搬送する。
【0125】
次に、薄化ステップ(S32)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2の裏面を研削してウェーハ2を薄化させるための制御信号を研削装置200に出力する。研削装置200のチャックテーブル220に第1状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル220は、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、保護テープ3を介してウェーハ2を保持する。ウェーハ2の裏面2Bが研削ユニット210によって研削されることにより、ウェーハ2が薄化される。
【0126】
次に、第10搬送ステップ(S33)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2を研削装置200からテープ貼着装置300に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。薄化されたウェーハ2は、チャックテーブル220から搬出される。チャックテーブル220から搬出されたウェーハ2は、搬送ユニット600の搬送ユニット610Aによって研削装置200から搬出され、テープ貼着装置300に搬送される。第1搬送ユニット610は、吸着パッド612でウェーハ2の裏面2Bを吸着保持して、研削装置200から第1状態のウェーハ2を搬出し、テープ貼着装置300に搬送する。
【0127】
次に、貼り替えステップ(S34)について説明する。制御手段700は、研削装置200で研削されたウェーハ2の裏面2Bにダイシングテープ7を貼着させるとともに、ダイシングテープ7の外周縁に環状フレーム8を固定させるための制御信号をテープ貼着装置300のフレームユニット形成手段310に出力する。また、制御手段700は、ウェーハ2の表面2Aに貼着された保護テープ3を剥離させるための制御信号をテープ貼着装置300の剥離手段320に出力する。これにより、テープ貼着装置300において、環状フレーム8に支持されたダイシングテープ7が裏面2Bに貼着され、表面2Aから保護テープ7から剥離された第3状態のウェーハ2が生成される。
【0128】
次に、第11搬送ステップ(S35)について説明する。制御手段700は、ウェーハ2をテープ貼着装置300から第2カセット510に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。第3状態のウェーハ2は、テープ貼着装置300から搬出され、第2カセット510に搬送される。第3状態のウェーハ2を含むフレームユニット9は、搬出仮置き部350に載置された後、ガイドレールにガイドされながら、第2カセット510にスライドして挿入され、収容される。
【0129】
第3加工プログラムにおいては、研削装置200により薄化されたものの、レーザー加工装置100による改質層24の形成は行われていない第3状態のウェーハ2が第2カセット510に収容される。
【0130】
次に、第12搬送ステップ(S41)について説明する。第2カセット510には、
図6を参照して説明したような、表面2Aにダイシングテープ4が貼着された第2状態のウェーハ2も収容されている。制御手段700は、第2カセット510から第2状態のウェーハ2を搬出して、レーザー加工装置100に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。第12搬送ステップS41においては、搬送ユニット620によって第2状態のウェーハ2が第2カセット510から搬出される。搬送ユニット620は、保持ハンド622で、フレームユニット6の環状フレーム5を保持して、第2カセット510から第2状態のウェーハ2を搬出し、レーザー加工装置100に搬送する。
【0131】
図19及び
図20は、本実施形態に係る第12搬送ステップの一例を模式的に示す図である。
図19は、搬送ユニット620によってフレームユニット6が搬送されている状態を示す平面図である。
図20は、搬送ユニット620によってフレームユニット6が搬送されている状態を示す側断面図である。
図19及び
図20に示すように、搬送ユニット620の保持ハンド622は、フレームユニット6の環状フレーム5を支持する支持部材622Aを有する。支持部材622Aは、例えばセラミックスで形成された平板状の部材である。支持部材622Aの中央部に開口622Mが設けられる。開口622Mにより、保持ハンド622の軽量化が図られる。
【0132】
フレームユニット6が接触する支持部材622Aの一方側の面の先端部には、環状フレーム5の端部に係合する2つの係合部材622Bが配置される。支持部材622Aと係合部材622Bとの間には、環状フレーム5の少なくとも一部が挿入される隙間が設けられる。環状フレーム5の少なくとも一部が支持部材622Aと係合部材622Bと隙間に挿入されることによって、フレームユニット6が保持ハンド622に保持される。
【0133】
支持部材622Aの一方側の面の基端部側には、環状フレーム5の外周縁を押圧してフレームユニット6を所定の位置に位置付ける押圧機構628が設けられる。押圧機構628は、環状フレーム8に接触可能な押圧部材629を有する。押圧部材629は、環状フレーム5に接触して環状フレーム8を係合部材622Bに押し付ける固定位置と、環状フレーム5から離れて環状フレーム8の固定を解除する解除位置との間で移動可能である。
【0134】
第2状態のウェーハ2を含むフレームユニット6は、搬送ユニット620によって、第2カセット510から搬出され、レーザー加工装置100の仮置き部140に搬送される。
【0135】
本実施形態において、第2カセット510からレーザー加工装置100に搬送される第2状態のウェーハ2は、裏面2Bが既に研削され薄化されている。なお、第2カセット510からレーザー加工装置100に搬送される第2状態のウェーハ2は、薄化されていなくてもよい。
【0136】
次に、改質層形成ステップ(S42)について説明する。
図21は、本実施形態に係る改質層形成ステップの一例を模式的に示す図である。制御手段700は、ウェーハ2に改質層24を形成させるための制御信号をレーザー加工装置100に出力する。
図21に示すように、レーザー加工装置100のチャックテーブル120に、第2状態のウェーハ2が保持される。チャックテーブル120は、ダイシングテープ4を介してウェーハ2を保持する。ダイシングテープ4とチャックテーブル120の保持面とが対向し、ウェーハ2の裏面2Bが上方を向くように、チャックテーブル120がウェーハ2を保持する。チャックテーブル120は、ダイシングテープ4を介してウェーハ2を吸着保持する。環状フレーム5は、チャックテーブル120の保持面の周囲に配置されているクランプ機構122に保持される。
【0137】
第2状態のウェーハ2がチャックテーブル120に保持された後、制御手段700は、テーブル移動装置130を制御して、レーザー光線照射ユニット110から射出されるレーザー光線LBの照射位置に、ウェーハ2の分割予定ライン23を配置する。制御手段700は、移動装置130を制御して、レーザー光線LBに対してチャックテーブル120を移動する。レーザー光線照射ユニット110から射出されたレーザー光線LBは、ウェーハ2の裏面2B側から分割予定ライン23に沿って照射される。これにより、分割予定ライン23に沿ってウェーハ2の内部に改質層24が形成される。
【0138】
次に、第13搬送ステップ(S43)について説明する。制御手段700は、第2状態のウェーハ2をレーザー加工装置100から第2カセット510に搬送させるための制御信号を搬送ユニット600に出力する。改質層24が形成されチャックテーブル120から搬出された第2状態のウェーハ2は、搬送ユニット600の搬送ユニット620によってレーザー加工装置100から搬出され、第2カセット510に搬送される。第2搬送ユニット620は、保持ハンド622で環状フレーム5を保持して、レーザー加工装置100から第2状態のウェーハ2を搬出し、第2カセット510に搬送する。
【0139】
なお、第4加工プログラムによるウェーハ2の加工方法の第12搬送ステップ(S41)において、第1カセット410から第1状態のウェーハ2が搬送ユニット610Bによって搬出され、レーザー加工装置100に搬送されて改質層24を形成されてもよい。また、改質層形成ステップ(S42)により改質層24が形成された第1状態のウェーハ2が、第13搬送ステップ(S43)において、搬送ユニット610Bによってレーザー加工装置100から搬出され、第2カセット510に搬送されてもよい。
【0140】
[作用及び効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、レーザー加工装置100、研削装置200、及びテープ貼着装置300が共通の搬送ユニット600により一体化され、カセットを使用することなく、レーザー加工装置100、研削装置200、テープ貼着装置300、第1カセット410、及び第2カセット510の間でウェーハ2を搬送することができる。したがって、ウェーハ2の搬送におけるウェーハ2の破損が抑制される。また、カセットを使用することなく、予め登録されたプログラムに従ってウェーハ2を搬送可能であるため、レーザー加工装置100、研削装置200、及びテープ貼着装置300のいずれか一つの装置にウェーハ2を投入する場合、誤って異なる装置に投入してしまうことが抑制される。
【0141】
また、本実施形態によれば、ウェーハ加工システム1は、第1加工プログラム及び第2加工プログラムの両方のプログラムが実施可能であり、ウェーハ2の破損を抑制しつつ、高い汎用性でウェーハ2を加工することができる。
【0142】
また、本実施形態によれば、ウェーハ加工システム1は、研削装置200及びテープ貼着装置300を使用する第3プログラムと、レーザー加工装置100を使用する第4プログラムとを並行して遂行可能である。これにより、レーザー加工装置100、研削装置200、及びテープ貼着装置300それぞれの稼働率の低下が抑制され、レーザー加工装置100、研削装置200、及びテープ貼着装置300はそれぞれ有効活用される。
【0143】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。