特許第6737540号(P6737540)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737540
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】量子ドットバイオセンサー
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20200730BHJP
【FI】
   G01N27/414 301V
   G01N27/414 301K
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-520451(P2019-520451)
(86)(22)【出願日】2017年11月2日
(65)【公表番号】特表2019-536999(P2019-536999A)
(43)【公表日】2019年12月19日
(86)【国際出願番号】KR2017012332
(87)【国際公開番号】WO2018084601
(87)【国際公開日】20180511
【審査請求日】2019年5月30日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0144849
(32)【優先日】2016年11月2日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0145154
(32)【優先日】2017年11月2日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】505176556
【氏名又は名称】コリア ユニバーシティ リサーチ アンド ビジネス ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、クワン ソブ
(72)【発明者】
【氏名】シン、ハン ベウム
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヤン ド
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ビット ナ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ドン スン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジュ イェオン
【審査官】 黒田 浩一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/042210(WO,A1)
【文献】 特開2009−229341(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0216256(US,A1)
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0072888(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1616560(KR,B1)
【文献】 欧州特許出願公開第03163296(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00−27/49
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Scopus
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
基板上に設けられたゲート電極と、
ゲート電極上に設けられた絶縁層と、
絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、
ソース電極とドレーン電極との間に設けられたn型チャネルと、
n型チャネル上に設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含み、
量子ドットは、コロイド状量子ドットであるバイオセンサー。
【請求項2】
量子ドット層に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部を含む、請求項1に記載のバイオセンサー。
【請求項3】
捕集部は、一つ以上の捕集分子を含む、請求項2に記載のバイオセンサー。
【請求項4】
捕集分子は、量子ドットの曲面部に固定される、請求項3に記載のバイオセンサー。
【請求項5】
前記量子ドットは、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、CdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、Si、Ge、SiCおよびSiGeよりなる群から選択されるいずれか一つ以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
【請求項6】
量子ドットは、リガンド置換された量子ドットである、請求項1から5のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
【請求項7】
量子ドットは、有機リガンドおよび無機リガンドのうち少なくとも一つのリガンドに置換された量子ドットである、請求項6に記載のバイオセンサー。
【請求項8】
前記n型チャネルは、IGZO、ZnO、ZTO、IZO、IHZO、AlN、InN、GaNおよびInGaNよりなる群から選択されるいずれか一つのn型物質よりなる、請求項1から7のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
【請求項9】
基板と、
基板上に設けられたゲート電極と、
ゲート電極上に設けられた絶縁層と、
絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、
絶縁層上に設けられ、ソース電極およびドレーン電極を電気的に連結するように設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含み、
量子ドットは、コロイド状量子ドットであるバイオセンサー。
【請求項10】
量子ドット層に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部を含む、請求項9に記載のバイオセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオセンサーに関し、特に量子ドットを利用したバイオセンサーに関する。
【0002】
本出願は、2016年11月2日付けの韓国特許出願第10−2016−0144849号および2017年11月2日付けの韓国特許出願第10−2017−0145154号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【背景技術】
【0003】
量子ドット(Quantum dot)は、そのサイズを調節することにより、エネルギーバンドギャップを容易に調節でき、このような特性を利用して発光材料に使用できる。また、量子ドットは、多様な波長の光を吸収して電荷を発生させることができ、したがって、発光材料の他にもバイオセンサーおよび光感知センサーの素材に活用できる。
【0004】
なお、生体低分子である免疫グロブリンEなどのメタボライトやグルコース、変形された遺伝子、癌細胞、環境ホルモンなど特定のバイオ物質をリアルタイムでモニターするための研究開発および投資が非常に活発に進行している。
【0005】
通常使用されるバイオセンサーの技術的な方式としては、電気化学バイオセンサー、圧電バイオセンサー、光学バイオセンサー、サーマルーバイオセンサーなどがあり、多くの場合に、測定中に試料が破壊されてリアルタイム試料の濃度に対する平衡を変化させることができる。また、さらなるバイオ標識を用いて検出するので、バイオ標識物質を添加するさらなる手続が必要であり、グラフトされたバイオ標識の密度が低いという短所を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、量子ドット層とターゲットバイオ分子と電子−振動エネルギー伝達による量子ドット層の電位が変わるようになるが、この際に発生する微細な電位差を電流変化に誘導して測定できるバイオセンサーを提供することを解決しようとする課題とする。
【0007】
また、本発明は、捕集部の電荷を効果的に感知部に伝達し得るバイオセンサーを提供することを解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、基板と、基板上に設けられたゲート電極と、ゲート電極上に設けられた絶縁層と、絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、ソース電極とドレーン電極との間に設けられたn型チャネルと、n型チャネル上に設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含むバイオセンサーが提供される。
【0009】
また、前記量子ドット層を構成する量子ドットは、コロイド状量子ドットである。
【0010】
また、バイオセンサーは、量子ドット層に設けられ、分析しようとするバイオ物質を捕集するための捕集部をさらに含むことができる。
【0011】
また、本発明の他の態様によれば、基板と、基板上に設けられたゲート電極と、ゲート電極上に設けられた絶縁層と、絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、絶縁層上に設けられ、ソース電極およびドレーン電極を電気的に連結するように設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含むバイオセンサーが提供される。また、前記量子ドット層を構成する量子ドットは、コロイド状量子ドットである。また、バイオセンサーは、量子ドット層に設けられ、分析しようとするバイオ物質を捕集するための捕集部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の少なくとも一実施形態に係るバイオセンサーによれば、量子ドット層とターゲットバイオ分子と電子−振動エネルギー伝達による量子ドット層の電流変化を測定し得るので、バイオ物質を感知することができる。また、捕集部の電荷を効果的に感知部に伝達し得、バイオセンサーの効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態に係るバイオセンサーを示す概略断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係るバイオセンサーを示す概略断面図である。
図3】本発明の第3実施形態に係るバイオセンサーを示す概略断面図である。
図4】システインの感知結果を示すグラフである。
図5】システインの感知結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るガス感知センサーを添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
また、参照符号に関係なく、同一または対応の構成要素は、同一または同様の参照番号を付与し、これに対する重複説明を省略することとし、説明の便宜のために図示された各構成部材のサイズおよび形状は、誇張されたり縮小され得る。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係るバイオセンサー10を示す概略断面図である。
【0017】
本発明は、n型チャネル上に形成された量子ドット層を含むバイオセンサー100を提供する。また、前記量子ドット層は、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられる。
【0018】
図1を参照すると、第1実施形態に係る前記バイオセンサー10は、基板11、ゲート電極14、絶縁層18、ソース電極12、ドレーン電極13、n型チャネル15、および量子ドット層16を含む
【0019】
具体的に、本発明の一実施形態に係るバイオセンサー10は、基板11と、基板11上に設けられたゲート電極14と、ゲート電極14上に設けられた絶縁層18と、絶縁層18上にそれぞれ設けられたソース電極12およびドレーン電極13とを含む。また、バイオセンサー10は、ソース電極12とドレーン電極13との間に設けられたn型チャネル15と、電流が流れるように設けられ、n型チャネル15上に設けられた量子ドット層16とを含む。
【0020】
また、前記n型チャネル15は、ソース電極12とドレーン電極13を電気的に連結するように設けられる。
【0021】
また、量子ドット層16は、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギー(帯内における電子遷移エネルギー)を有するように設けられる。
【0022】
また、量子ドット層16は、ソース電極12とドレーン電極13を電気的に連結するように設けられてもよく、量子ドット層16はソース電極12とドレーン電極13を電気的に連結しないように設けられてもよい。
【0023】
量子ドット層16は、球形状を有する複数の量子ドットが層を成すように配列されたものであり、量子ドットは、そのサイズと組成を調節することにより、電子構造のエネルギーギャップを容易に調節することができる。
【0024】
量子ドットを利用したバイオセンサー10の作動原理は、量子ドット層に流れる電流をリアルタイムで感知して、量子ドット層16の電流変化を利用するものである。例えば、量子ドットを利用したバイオセンサー10の場合、電界効果薄膜トランジスターTFTと結合してこれを応用できる。
【0025】
特に、量子ドット層16とターゲットバイオ物質と電子−振動エネルギー伝達による量子ドット層16の電位が変わるようになるが、この際に発生する微細な電位差を電流変化に誘導して測定できる。
【0026】
また、量子ドット層16は、フィルム形態で製造され得る。
【0027】
前記電界効果薄膜トランジスターにおいて量子ドット層16の表面で起こる官能基の変化は、量子ドットの電位を変化させるが、この微細な電位の変化を、電子がn型チャネルの伝導チャネル(conduction channel)の電流変化に変換および増幅させるようになる。つまり、量子ドットにおける表面電位の変化は、すなわち薄膜トランジスターにおける電流変化を示すようになるが、臨界電圧の変化にも現れ、これを測定してバイオセンサーに応用できる。
【0028】
具体的に、薄膜トランジスターTFTにおいてソース電極とゲート電極との間に臨界電圧(threshold voltage)以上の電圧が印加されると、n型チャネルで伝導チャネルが形成され、これを通じてソース電極12とドレーン電極13との間に電子が移動することができる。また、量子ドットの電位もやはり、n型伝導チャネルに影響を与えることができるので、臨界電圧に影響を及ぼすことができる。
【0029】
したがって、本発明によるバイオセンサー10は、ソース電極12とゲート電極14との間に電流をリアルタイムで測定する場合、量子ドット層16に誘導される電位差を観察することができ、ターゲットバイオ分子から量子ドット層16に伝達される特定の電子−振動エネルギー伝達(electronic−vibrational energy transfer)によって変化した電流を測定するように設けられる。また、測定しようとする電流は、ターゲットバイオ分子の特定の官能基の振動により量子ドットの帯内における遷移エネルギーが吸収されて、電流の変化が起こるようになる。
【0030】
また、ターゲットバイオ分子の振動による電位の増加は、新規な且つ実現可能性が高い測定方式であり、バイオ分子の濃度に応じて電位値が比例するようになる。
【0031】
また、量子ドット層16とバイオ分子振動との間のカップリングによるエネルギー伝達であるので、バイオ分子と量子ドット層16との間の物理的距離に関する情報も測定できる。
【0032】
なお、本発明で使用できるn型チャネル15は、IGZO、ZnO、ZTO、IZO、IHZO、AIN、InN、GaNおよびInGaNよりなる群から選択されるいずれか一つのn型物質よりなり得る。
【0033】
特に、IGZOよりなるn型チャネル15が好ましいが、これは、優れた光学透明性、非結晶構造、高い電子移動性を有しており、また、量子ドットが直接IGZOチャネル上に機能化され得るからである。ひいては、IGZOチャネルは、直接アクティブマトリックスバックプレーンとして機能し得、別途の集積化工程が省略され得るという長所がある。
【0034】
また、本発明で使用できる量子ドットは、コロイド状量子ドットを使用することが好ましい。コロイド状量子ドットを使用する場合、n型チャネル15上にスピンコーティングのような簡単な方法で形成することができ、量子ドットを均一に分布させることができる。
【0035】
前記量子ドットとしては、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、CdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、Si、Ge、SiC、およびSiGeよりなる群から選択されるいずれか一つ以上が使用できる。
【0036】
特に、本発明の一実施形態に係るバイオセンサー10は、赤外線領域、特に中赤外線領域で電子遷移を有する量子ドット層16が使用できる。この場合、前記量子ドットの種類またはサイズを調節して赤外線領域、特に1,000nm〜20μmの波長、好ましくは1,000nm〜8,000nmの波長の光を吸収する量子ドットが使用できる。また、コロイド状量子ドットは、低費用で大面積の加工が可能であるので、本発明においてもコロイド状量子ドットを利用することが好ましい。
【0037】
また、前記量子ドットは、リガンド置換された量子ドットが使用できる。量子ドットは、有機リガンドおよび無機リガンドのうち少なくとも一つのリガンドに置換され得る。前記量子ドットである前記リガンドの例としては、 EDT(ethanedithol)、BDT(butanethiol)、MPA(mercaptocarboxylic acid)、CTAB(tyltrimethylammonium bromide)、HTAC(hexadecyltrimethylammonium chloride)、TBAI(tetrabutylammonium iodide)、またはNa2Sが挙げられる。
【0038】
量子ドットは、コロイド状溶液の分散性と安定性のためにオレイン酸リガンドで取り囲まれている構造を有している。この状態の量子ドットもバイオセンサーに適用できるが、オレイン酸リガンドは鎖構造が長いため、量子ドットで発生した電子がn型チャネル15に移動するのに妨げられる。したがって、より短い鎖構造のリガンドとして前記のリガンドに置換することが好ましい。前記リガンド置換された量子ドットを使用する場合、例えばオレイン酸リガンドで取り囲まれた量子ドットをn型チャネル15上に形成した後、前記リガンドと反応させて置換する方法で使用できる。
【0039】
これとは異なって、コロイド状量子ドット層の有機物質リガンドを単分子有機リガンドまたは無機リガンドに置換してターゲットバイオ分子の接近性を向上させ、バイオ分子の官能基の振動モードと量子ドット層の帯内における遷移の共鳴を容易にし得る。
【0040】
一実施形態において、電荷移動のための有機リガンドとしては、前述したEDT、BDT、MPAなどの長さが短い二座リガンド(bidentate ligand)を使用する計画であり、無機リガンドと混合してコロイド状量子ドット層のフィルム構造を均一に形成できる。
【0041】
CTAB(Cetyltrimethylammonium bromide)、CTACl(Cetyltrimethylammonium chloride)、TBAI(Tributylammonium iodide)などのハロゲンイオンを提供する化合物を利用して合成後に使用されている有機リガンドをBr、Cl、Iなどのハロゲンイオンに置換することができる。有機リガンドで取り囲まれたコロイド状量子ドット層で構成されたフィルム上に数分間ハロゲンイオンを存在するようにして常温で置換過程を進めることができる。フィルムの厚さは、順次に増加させることができ、厚さは、10nmから300nmまでであってもよい。ハロゲンの場合、原子リガンドであるので、リガンドによる振動運動がないため、中赤外線領域でターゲットバイオ分子以外の共鳴現象を起こす分子を除去することができる。これにより、より向上し且つ安定した電気信号を得ることができる。
【0042】
無機リガンドに置換する他の方法としては、極性溶液と無極性溶液との極性差を利用する方法が利用できる。無極性有機リガンドに改質されているコロイド状量子ドット溶液を極性無機リガンド溶液と常温で撹拌させる場合、コロイド状量子ドットの表面に極性リガンドが改質されるようになり、コロイド状量子ドットの誘電率が増加する。したがって、無機リガンドに改質されたコロイド状量子ドットは、極性溶液に存在するようになる。極性無機リガンドに改質されたコロイド状量子ドット溶液は、表面の上にコロイド溶液をコーティングさせることができるという長所がある。
【0043】
また、前記絶縁層18は、SiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2、HfO2、またはSiNxなどで形成され得る。
【0044】
また、前記ゲート電極14は、金属で形成され得、例えばCr、Mo、Al、Ti/Au、Ag、Cu、およびPtよりなる群から選択され得る。
【0045】
また、前記ソース電極12およびドレーン電極13は、それぞれ金属で形成され得、例えばCr、Ti/Au、Mo、Al、Ag、Cu、PtおよびWよりなる群から選択され得る。
【0046】
なお、前述した絶縁層18、n型チャネル15、量子ドット層16、ソースおよびドレーン電極12、13以外の残りの構成は、一般的にバイオセンサー10において使用できるものであれば、特に限定されない。
【0047】
例えば、前記基板11としては、ガラス基板やプラスチック基板が使用でき、バイオセンサー10に適用されるものであれば、特に限定されない。また、バイオセンサー10の各構成要素の配置などは、従来バイオセンサー100において適用されるものであれば、特に限定されない。
【0048】
図2は、本発明の第2実施形態に係るバイオセンサー100を示す概略断面図である。
【0049】
図2を参照すると、前記バイオセンサー100は、基板110、ゲート電極140、絶縁層180、ソース電極120、ドレーン電極130、n型チャネル150、および量子ドット層160および捕集部170を含む。すなわち、第2実施形態によるバイオセンサー100は、量子ドット層160に設けられ、タケッバイオ物質を捕集するための捕集部170をさらに含むことができる。第2実施形態において、その他、他の構成要素は、第1実施形態で説明したバイオセンサー10の構成要素と同一である。
【0050】
第2実施形態に係るバイオセンサー100は、基板110と、基板110上に設けられたゲート電極140と、ゲート電極140上に設けられた絶縁層180と、絶縁層180上にそれぞれ設けられたソース電極120およびドレーン電極130とを含む。また、バイオセンサー100は、ソース電極120とドレーン電極130との間に、ソース電極120とドレーン電極130を電気的に連結するように設けられたn型チャネル150を含む。前記ソース電極120とドレーン電極130は、それぞれ絶縁層180およびn型チャネル150上にわたって設けられる。また、バイオセンサー100は、電流が流れるように設けられ、n型チャネル150上に設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層160と、量子ドット層160に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部170とを含む。
【0051】
前記捕集部170は、複数の捕集分子を含むことができる。また、複数の捕集分子は、量子ドットの曲面部に固定され得る。すなわち、量子ドット層160は、屈曲した表面を有するように設けられる。また、量子ドット層160は、フィルム形態で製造され得る。
【0052】
前記電界効果薄膜トランジスターにおいて量子ドット層の電流変化は、その電子がn型チャネルの伝導チャネルに移動して臨界電圧の変化を発生させ、これを測定してバイオセンサーに応用できる。
【0053】
具体的に、薄膜トランジスターTFTにおいてソース電極とゲートとの間に臨界電圧(threshold voltage)以上の電圧が印加されると、n型チャネル150で伝導チャネルが形成され、これを通じてソース電極120とドレーン電極130との間に電子が移動し得る。
【0054】
したがって、本発明によるバイオセンサー100は、ソース電極とゲート電極との間に臨界電圧の前後+/−5V以内での一定量の電圧が印加された後、量子ドット層160に流れる電流に対するリアルタイム測定で、捕集部に捕集されたターゲットバイオ分子と量子ドット層160との間の特定の電子−振動エネルギー伝達により量子ドット層160に微細な電位差を誘導し、これは、n型チャネル150で電流が変化して測定するように設けられる。測定しようとする電流は、ターゲットバイオ分子の特定の官能基の振動により帯内における遷移エネルギーが吸収されて、電流の変化が起こるようになる。
【0055】
また、ターゲットバイオ分子の振動による量子ドットにおける電位の変化は、新規な且つ実現可能性が高い測定方式であり、バイオ分子の濃度に応じて電流値の変化が比例するようになる。
【0056】
また、このような方式の量子ドット層160による薄膜トランジスターは、特定のエネルギーのバイオ分子の変化に特徴的に反応し得、その信号を増幅させることができるという長所がある。
【0057】
また、量子ドット層160とバイオ分子振動との間のカップリングによるエネルギー伝達であるので、バイオ分子と量子ドット層160との間の物理的距離に対する情報も測定できる。
【0058】
また、前記絶縁層180は、SiO2、Al2O3、TiO2、ZrO2、HfO2、またはSiNxなどで形成され得る。
【0059】
また、前記ゲート電極140は、金属で形成され得、例えばCr、Mo、Al、Ti/Au、Ag、Cu、およびPtよりなる群から選択され得る。
【0060】
また、前記ソース電極120およびドレーン電極130は、それぞれ金属で形成され得、例えばCr、Ti/Au、Mo、Al、Ag、Cu、PtおよびWよりなる群から選択され得る。
【0061】
なお、前述した絶縁層180、n型チャネル150、量子ドット層160、捕集部170、ソースおよびドレーン電極120、130以外の残りの構成は、通常、バイオセンサー100において使用できるものであれば、特に限定されない。
【0062】
例えば、前記基板110としては、ガラス基板やプラスチック基板が使用でき、バイオセンサー100に適用されるものであれば、特に限定されない。また、バイオセンサー100の各構成要素の配置などは、従来バイオセンサー100において適用されるものであれば、特に限定されない。
【0063】
また、量子ドット層160には捕集分子が固定化され得る。前記捕集分子は、分析しようとするターゲットバイオ物質と特異的に結合して前記バイオ物質を捕集することができる。前記捕集分子らと前記バイオ物質の反応は、例えば、核酸ハイブリダイゼーション、抗原−抗体反応または効果結合反応であり得る。また、前記バイオ物質は、前記捕集分子の表面に固定され得る。例えば、前記捕集分子は、例えば、蛋白質、細胞、ウイルス、核酸有機分子または無機分子であり得る。前記捕集分子が蛋白質である場合、前記蛋白質は、例えば、抗原、抗体、基質蛋白質、酵素または助酵素であり得る。前記捕集分子が核酸である場合、前記核酸は、例えば、DNA、RNA、PNA、LNAまたはこれらの混成体であり得る。
【0064】
量子ドット層の表面に捕集分子25を固定化させる方法としては、化学的な吸着(chemical adsorption)、共有結合(covalent−binding)、電気的な結合(electrostatic attraction)、共重合体(copolymerization)、またはアビジン−バイオチン結合システム(avidin−biotin affinity system)などが利用できる。
【0065】
例えば、前記量子ドット層160の表面に前記捕集分子を固定化させるために官能基(functional group)が提供され得る。前記官能基は、例えば、カルボキシル基−COOH、チオール基−SH、水酸基−OH、シラン基Si−H、アミン基−NH、またはエポキシ基であり得る。
【0066】
図3は、本発明の第3実施形態に係るバイオセンサー200を示す概略断面図である。
【0067】
図3を参照すると、バイオセンサー200は、基板210と、基板210上に設けられたゲート電極240と、ゲート電極240上に設けられた絶縁層280と、絶縁層280上にそれぞれ設けられたソース電極220およびドレーン電極230とを含む。また、バイオセンサー200は、絶縁層280上に位置し、ソース電極220とドレーン電極230との間に電流が流れるように設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層260を含む。また、前記バイオセンサー200は、量子ドット層260に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部270をさらに含むことができる。
【0068】
第3実施形態では、第1実施形態とは異なって、n型層150が設けられなくてもよく、量子ドット層260がソース電極220とドレーン電極230を電気的に連結する。
【0069】
なお、図4および図5は、システインの感知結果を示すグラフである。
【0070】
薄膜トランジスターTFT素子の上に何も積載しない状態(Blank)を測定した後、HgSeサンプルをスピンコーティング方法で薄膜トランジスターTFT素子の上に蒸着して測定した。
【0071】
図4で、A3_Blank_HgSe_HDAから明らかなように、ブランク(Blank)状態の臨界電圧は、HgSe_HDAが蒸着された後の臨界電圧より小さい値を有するので、駆動エネルギーが変わったことを確認することができる。
【0072】
図5のA領域を参照すると、さらに薄膜トランジスターTFT素子の上に、システインが水溶液相で存在する溶液を塗布すると、臨界電圧がHgSe_HDAグラフからシステイングラフに変わることを確認することができた。
【0073】
具体的に、薄膜トランジスターTFT素子は、化学的湿式方法で合成されたコロイド量子ドットを活動層として使用した素子であって、物質は、II−VI族半導体化合物、III−V族半導体化合物、IV−VI族半導体化合物、IV族半導体化合物、またはこれらの組み合わせを含む。
【0074】
具体的な量子ドットは、AuS、AuSe、AuTe、AgS、AgSe、AgTe、AgO、CuS、CuSe、CuTe、CuO、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、AuSeS、AuSeTe、AuSTe、AgSeS、AgSeTe、AgSTe、CuSeS、CuSeTe、CuSTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、AuAgS、AuAgSe、AuAgTe、AuCuS、AuCuSe、AuCuTe、AuZnS、AuZnSe、AuZnTe、AuCdS、AuCdSe、AuCdTe、AuHgS、AuHgSe、AuHgTe、AgZnS、AgZnSe、AgZnTe、AgCuS、AgCuSe、AgCuTe、AgCdS、AgCdSe、AgCdTe、AgHgS、AgHgSe、AgHgTe、CuZnS、CuZnSe、CuZnTe、CuCdS、CuCdSe、CuCdTe、CuHgS、CuHgSe、CuHgTe、ZnCdS、ZnCdSe、ZnCdTe、ZnHgS、ZnHgSe、ZnHgTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、CdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、Si、Ge、SiC、およびSiGeよりなる群から選択された1種以上であることを特徴とする量子ドットナノ粒子である。
【0075】
化学的湿式方法で製造された量子ドットの表面は、有機・無機リガンドで取り囲まれており、これを置換することによって、化学および物理的性質を変えることができる。本発明では、製造された量子ドットの表面が様々なリガンドに置換されることによって変わる性質を利用すると、バイオ物質を選択的に検出することができる。初期のHgSe活動層のリガンドをHADに置換することにより、システインがHDAを除去し、活動層に新しくリガンドとして結合されたときに大きい変化が現れるように制御し、単純システインだけでなく、他のバイオ物質においても同じ効果が現れるように誘導することができる。
【0076】
バイオセンサーに量子ドットを塗布する方法として、スピンコーティング(spin coating)方法を使用する。層間(layer−by−layer)蒸着を通じてセンサーの表面に量子ドットを蒸着し、これを活動層として活用してバイオ物質を検出することができる。量子ドットがスピンコーティングされているセンサーの上に検出しようとするバイオ物質が溶けている溶液を塗布すると、量子ドットの表面でリガンド置換反応が起こり、これによる活動層の電気的特性が変わることにより、臨界電圧が変わることを確認することができる。
【0077】
これは、全体的なセンサーの電気的特性が変化することにより現れる現象であり、物質の濃度に影響を受ける。
【0078】
薄膜トランジスターTFT素子と半導体分析器(Semiconductor analyzer)を使用してセンサーの電気的特性を測定できる。測定電圧は、−10V〜10Vの間にゲートの電圧を変えることにより、活動層の電気的特性変化を測定し、これに対する変化値を測定し得るように設計された素子の上に量子ドットを蒸着することができ、以後、検出しようとする物質を表面に塗布して、電気的特性変化を感知することができる。また、TFT素子の特性上、ゲートの電圧値を変化させることにより、本実験例で使用されたHgSe量子ドットだけでなく、他の物質が蒸着された状態の特性を活用して、他の様々な種類のバイオ物質の検出も可能である。
【0079】
本実験例は、HgSeの特性を使用してn型ドープされている物質にリガンドを置換して臨界電圧の変化を測定したのである。また、測定された電流値は、オフ電流(off current)が10−8であり、オン電流(on current)が10−4であり、表面に塗布されたバイオ物質が活動層の性質変化を起こすことにより現れる現象である。
【0080】
P型の活動層を活用する場合、電圧値を10〜−10Vの逆方向に印加することも可能であり、オン/オフ(on/off)ポイントがさらに高かったり、低い電圧を必要とするとき、電圧を変化させながら測定が可能である。
【0081】
上記で説明された本発明の好適な実施形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明における通常の知識を有する当業者であれば、本発明の思想と範囲内で多様な修正、変更、付加が可能であり、このような修正、変更および付加は、下記の特許請求の範囲に属すると見なすべきである。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の少なくとも一実施形態に係るバイオセンサーによれば、量子ドット層とターゲットバイオ分子と電子−振動エネルギー伝達による量子ドット層の電流変化を測定し得るので、バイオ物質を感知することができる。
【0083】
[項目1]
基板と、
基板上に設けられたゲート電極と、
ゲート電極上に設けられた絶縁層と、
絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、
ソース電極とドレーン電極との間に設けられたn型チャネルと、
n型チャネル上に設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含み、
量子ドットは、コロイド状量子ドットであるバイオセンサー。
[項目2]
量子ドット層に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部を含む、項目1に記載のバイオセンサー。
[項目3]
捕集部は、一つ以上の捕集分子を含む、項目2に記載のバイオセンサー。
[項目4]
捕集分子は、量子ドットの曲面部に固定される、項目3に記載のバイオセンサー。
[項目5]
量子ドットは、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、ZnO、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、CdHgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe;GaN、GaP、GaAs、GaSb、InN、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSb、InNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、SnS、SnSe、SnTe、PbS、PbSe、PbTe、SnSeS、SnSeTe、SnSTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTe、SnPbSTe、Si、Ge、SiCおよびSiGeよりなる群から選択されるいずれか一つ以上である、項目1から4のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
[項目6]
量子ドットは、リガンド置換された量子ドットである、項目1から5のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
[項目7]
量子ドットは、有機リガンドおよび無機リガンドのうち少なくとも一つのリガンドに置換された量子ドットである、項目6に記載のバイオセンサー。
[項目8]
n型チャネルは、IGZO、ZnO、ZTO、IZO、IHZO、AlN、InN、GaNおよびInGaNよりなる群から選択されるいずれか一つのn型物質よりなる、項目1から7のいずれか一項に記載のバイオセンサー。
[項目9]
基板と、
基板上に設けられたゲート電極と、
ゲート電極上に設けられた絶縁層と、
絶縁層上にそれぞれ設けられたソース電極およびドレーン電極と、
絶縁層上に設けられ、ソース電極およびドレーン電極を電気的に連結するように設けられ、ターゲットバイオ物質の振動エネルギーと共鳴が起こり得る電子遷移エネルギーを有するように設けられた量子ドット層と、を含み、
量子ドットは、コロイド状量子ドットであるバイオセンサー。
[項目10]
量子ドット層に設けられ、ターゲットバイオ物質を捕集するための捕集部を含む、項目9に記載のバイオセンサー。
図1
図2
図3
図4
図5