(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6737562
(24)【登録日】2020年7月20日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 10/058 20100101AFI20200730BHJP
H01M 2/02 20060101ALI20200730BHJP
H01M 2/04 20060101ALI20200730BHJP
H01M 2/34 20060101ALI20200730BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20200730BHJP
H01M 10/0566 20100101ALI20200730BHJP
H01M 10/0569 20100101ALI20200730BHJP
【FI】
H01M10/058
H01M2/02 A
H01M2/04 A
H01M2/34 B
H01M10/052
H01M10/0566
H01M10/0569
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-226490(P2013-226490)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-120469(P2014-120469A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2016年10月17日
【審判番号】不服2018-13274(P2018-13274/J1)
【審判請求日】2018年10月4日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0148089
(32)【優先日】2012年12月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2013-0011991
(32)【優先日】2013年2月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】魯 世源
【合議体】
【審判長】
亀ヶ谷 明久
【審判官】
池渕 立
【審判官】
土屋 知久
(56)【参考文献】
【文献】
特開平11−111246(JP,A)
【文献】
特開2007−188884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/058
H01M2/02
H01M2/04
H01M2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極板、第2電極板、及びこれらの間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、
20℃〜25℃で1mPa・s〜15mPa・sの粘性を有する電解質と、
前記電極組立体が挿入されるように、一側に開口が形成されており、内部に前記電極組立体及び前記電解質を収容する缶と、
前記缶の開口を密閉するキャッププレートと、を備える二次電池であって、
前記二次電池の厚さは8mm以下であり、
前記缶の断面積Ac(mm2)に対する前記缶の高さh1(mm)の比率(h1/Ac)は、12.5%ないし25%であり、
前記電極組立体の断面積は、前記缶の断面積に対して85%〜95%であり、
前記缶の断面積は、210mm2ないし560mm2であり、
前記缶の断面積は、前記缶の高さに垂直である方向の断面積である二次電池。
【請求項2】
前記缶の高さは、70mmないし110mmであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記電極組立体の高さは、前記缶の高さに対して90%〜98%であることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記キャッププレートは、電解質注入口を含むことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
前記缶の内部で、前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在される絶縁材をさらに含むことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記絶縁材は、前記電解質注入口に対応する位置に形成された貫通ホールを含むことを特徴とする請求項5に記載の二次電池。
【請求項7】
前記電解質は、環状カーボネート(Cyclic Carbonate)系物質、線形カーボネート(Linear Carbonate)系物質、及びリチウム塩を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
第1電極板、第2電極板、及びこれらの間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、
20℃〜25℃で1mPa・s〜15mPa・sの粘性を有する電解質と、
前記電極組立体が挿入されるように、一側に開口が形成されており、内部に前記電極組立体及び前記電解質を収容し、前記開口と平行な底面、及び前記開口と前記底面との間に介在される側面を含む全体的に六面体形状の缶と、
前記缶の開口を密閉し、前記電解質が注入される電解質注入口を含むキャッププレートと、を備える二次電池であって、
前記二次電池の厚さは8mm以下であり、
前記缶の断面積Ac(mm2)に対する前記缶の高さh1(mm)の比率(h1/Ac)は、12.5%ないし25%であり、
前記電極組立体の断面積は、前記缶の断面積に対して、85%〜95%であり、
前記缶の断面積は、210mm2ないし560mm2であり、
前記缶の断面積は、前記缶の高さに垂直である方向の断面積である二次電池。
【請求項9】
前記缶の高さは、70mmないし110mmであることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記電極組立体の高さは、前記缶の高さに対して、90%〜98%であることを特徴とする請求項8または9に記載の二次電池。
【請求項11】
前記缶の内部で、前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在される絶縁材をさらに含み、前記絶縁材は、前記電解質注入口に対応する位置に形成された貫通ホールを含むことを特徴とする請求項8から10の何れか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
前記缶は、上面に当たる位置に、前記開口が形成された全体的に六面体形状であり、
前記キャッププレートの反対側に位置する底面と、
前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられた第1側面と、
前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられ、前記第1側面に対向する第2側面と、
前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられた第3側面と、
前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられ、前記第3側面に対向する第4側面と、を含むことを特徴とする請求項8から11の何れか一項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
無線インターネットや通信技術の発達によって、電源供給装置なしに、二次電池を使用して運用可能な携帯電話、携帯用コンピュータの普及が急速に拡大している。一般的に、携帯電話または携帯用コンピュータは、小型であり、携帯が手軽で移動性に優れるという長所があって、業務用または個人用として広く使われており、それにより、二次電池に対する需要も次第に増加している。
【0003】
携帯電話及び携帯用コンピュータのような電子機器の性能が次第に向上するにつれて、二次電池に対する高いエネルギー性能、例えば、エネルギー密度/出力面で高性能が要求されている。一方、電子機器のスリム化の要求によって、電子機器に採用される二次電池の厚さを最小化する要求も増大している。
【0004】
二次電池は、高エネルギー密度及び/または高出力を提供するために、電極組立体及び電解質を十分に備えねばならない。しかし、二次電池の高性能を実現するためには、スリム化の達成に困難があり、スリム化のためには、高性能の二次電池の製造に困難がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0035132号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、厚さが比較的薄い二次電池、すなわち、電解質の含浸効率を最大化する二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を達成するために、本発明の一側面によれば、第1電極板、第2電極板、及びこれらの間に介在するセパレータを含む電極組立体と、20℃〜25℃で1
mPa・s〜15
mPa・sの粘性を有する電解質と、前記電極組立体が挿入されるように、一側に開口が形成されており、内部に前記電極組立体及び前記電解質を収容する缶と、前記缶の開口を密閉するキャッププレートと、を備え、前記缶の断面積に対する前記缶の高さの比率は、12.5%ないし25%である二次電池を提供する。
【0008】
本発明の一特徴によれば、前記缶の断面積は、前記缶の高さに垂直方向の断面積である。
【0009】
本発明の他の特徴によれば、前記缶の断面積は、210mm
2ないし560mm
2である。
【0010】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記缶の高さは、70mmないし110mmである。
【0011】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電極組立体の断面積は、前記缶の断面積に対して85%〜95%である。
【0012】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電極組立体の高さは、前記缶の高さに対して90%〜98%である。
【0013】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記キャッププレートは、電解質注入口を含む。
【0014】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記缶の内部で前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在する絶縁材をさらに含む。
【0015】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記絶縁材は、前記電解質注入口に対応する位置に形成された貫通ホールを含む。
【0016】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電解質は、環状カーボネート(Cyclic Carbonate)系物質、線形カーボネート(Linear Carbonate)系物質、及びリチウム塩を含む。
【0017】
本発明のさらに他の側面によれば、第1電極板、第2電極板、及びこれらの間に介在されるセパレータを含む電極組立体と、20℃〜25℃で1
mPa・s〜15
mPa・sの粘性を有する電解質と、前記電極組立体が挿入されるように、一側に開口が形成されており、内部に前記電極組立体及び前記電解質を収容し、前記開口に平行する底面、及び前記開口と底面との間に介在される側面を含む全体的に六面体形状である缶と、前記缶の開口を密閉し、前記電解質が注入される電解質注入口を含むキャッププレートと、を備え、前記缶の断面積に対する前記缶の高さの比率は、12.5%ないし25%である二次電池を提供する。
【0018】
本発明の一特徴によれば、前記缶の断面積は、210mm
2ないし560mm
2である。
【0019】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記缶の高さは、70mmないし110mmである。
【0020】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電極組立体の断面積は、前記缶の断面積に対して85%〜95%である。
【0021】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記電極組立体の高さは、前記缶の高さに対して90%〜98%である。
【0022】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記缶の内部で、前記電極組立体と前記キャッププレートとの間に介在される絶縁材をさらに含み、前記絶縁材は、前記電解質注入口に対応する位置に形成された貫通ホールを備える。
【0023】
本発明のさらに他の特徴によれば、前記缶は、上面に当たる位置に、前記開口が形成された全体的に六面体形状であり、前記キャッププレートの反対側に位置する底面と、前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられた第1側面と、前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられ、前記第1側面に対向する第2側面と、前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられた第3側面と、前記キャッププレートと前記底面との間に備えられ、前記底面に対してほぼ垂直に折り曲げられ、前記第3側面に対向する第4側面と、を含む。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、20℃〜25℃で1
mPa・s〜15
mPa・sの粘性を有する電解質の含浸効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例による二次電池を概略的に示す斜視図である。
【
図3】
図1のIII−III線による断面図である。
【
図4】本発明の実施例及び比較例の二次電池の含浸量を経時的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、多様な変換が可能であり、多様な実施例を有するので、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施例に限定せず、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変換、均等物ないし代替物を含むと理解されねばならない。本発明の説明において、関連した公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を不明確にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。第1、第2の用語は、多様な構成要素の説明に使われるが、構成要素は、用語によって限定されない。用語は、一つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的として使われねばならない。本願明細書で使われた用語は、単に特定の実施例を説明するために使われたものに過ぎず、本発明を限定しようとするものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本願明細書で、“含む”または“有する”の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品または、これらの組合わせの存在を指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品または、それらの組合わせの存在または付加可能性を、予め排除していないと理解されねばならない。一方、下記の“/”は、状況によって、“及び”とも解釈され、“または”とも解釈される。
【0027】
図面で、多様な領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。明細書全体で類似した部分については、同じ図面符号を使用した。いずれか一つの構成要素が、他の構成要素“上に”または“の上に”あるという時、これは、他の構成要素の真上にある場合だけでなく、その中間にさらに他の構成要素がある場合も含む。
【0028】
図1は、本発明の一実施例による二次電池100を概略的に示した斜視図であり、
図2は、
図1の分解斜視図であり、
図3は、
図1のIII−III線による断面図であり、
図4は、本発明の実施例及び比較例の含浸量を経時的に示したグラフである。
【0029】
図1に図示された、X−X方向は、二次電池100の幅方向であり、Y−Y方向は、二次電池100の厚み方向であり、Z−Z方向は、二次電池100の高さ方向を示す。二次電池100の断面積は、XY平面に沿って延び、二次電池の高さは、二次電池の断面積に対して垂直である方向、すなわち、厚み方向に対して垂直である方向(Z−Z方向)を示す。
【0030】
図1ないし
図3を参照すれば、本発明の実施例による二次電池100は、厚さが比較的薄い電池であって、二次電池100の厚さは、約8mmと同一か、またはそれより薄い。さらに具体的に、二次電池の厚さは、約7mmと同一か、またはそれより薄い。二次電池100は、電極組立体110、電解質E、電解質E及び電極組立体110を収容する缶120、缶120の内部を密閉するキャッププレート130、第1絶縁材150を含む。
【0031】
電極組立体110は、電極活物質が塗布された第1電極板111、第2電極板112、及びそれらの間に介在されたセパレータ113を含む。電極組立体110は、第1電極板111、セパレータ113及び第2電極板112が順次に積層された積層体を形成した後、ゼリーロール形態となるように巻き取って作製される。第1電極板111及び第2電極板112のそれぞれは、化学反応によって形成された電荷を、外部に引き出すための第1電極タブ114及び第2電極タブ115と電気的に連結されている。第1電極タブ114と第2電極タブ115とは、同じ方向に延びる。例えば、第1電極タブ114及び第2電極タブ115は、缶120の開口OPに向かって延びる。
【0032】
本実施例では、電極組立体110がゼリーロール形態を有する場合を説明したが、本発明は、それに制限されない。さらに他の実施例において、電極組立体110は、第1電極板111、第2電極板112及びこれらの間に介在されるセパレータ113を含む積層構造である。
【0033】
電解質Eは、20℃〜25℃で1
mPa・s〜15
mPa・sの粘性を有する。例えば、電解質Eは、環状カーボネート(Cyclic Carbonate)系物質、線形カーボネート(Linear Carbonate)系物質、及びリチウム塩を含む。環状カーボネート系物質としては、エチレンカーボネート(Ethylene Carbonate:EC)、プロピレンカーボネート(Propylene Carbonate:PC)、ビニレンカーボネート(Vinylene Carbonate:VC)、ビニルエチレンカーボネート(VinylEthylene Carbonate:VEC)のうち少なくともいずれか一つを含む。線形カーボネート系物質としては、エチルメチルカーボネート(Ethylmethyl Carbonate:EMC)、ジメチルカーボネート(Dimethyl Carbonate:DMC)、ジエチルカーボネート(Diethyl Carbonate:DEC)のうち少なくともいずれか一つを含む。リチウム塩としては、LiPF
6、LiBF
4のうち少なくともいずれか一つを含む。他の実施例において、リチウム塩は、LiPF
6、LiBF
4、LiAsF
6、LiClO
4、LiCF
3SO
3、LiC(SO
2CF
3)
3、LiN(CF
3SO
2)
2及びLiCH(CF
3SO
2)
2で構成された群から選択された少なくともいずれか一つを含む。
【0034】
缶120は、一面、すなわち、上面に対応する面が開放された六面体形状であり、強度を確保するために、金属性素材で作製される。
図2に示したように、缶120は、上面に対応する位置に形成された開口OPを含み、開口OPの反対側に位置する底面120bt、開口OPと底面120btとの間に位置し、底面120btに対して垂直に折り曲げられた第1側面120s1、第2側面120s2、第3側面120s3及び第4側面120s4を含む。第1側面120s1及び第2側面120s2は、平行した状態で互いに反対側に備えられ、第3側面120s3及び第4側面120s4は、平行した状態で互いに反対側に備えられる。缶120は、ほぼ六面体形状に作製され、その場合、第1側面120s1及び第2側面120s2の幅は、第3側面120s3及び第4側面120s4の幅より狭く形成される。
【0035】
缶120の内部には、電解質E、及び電解質Eに含浸された電極組立体110が収容される。この時、金属性素材で形成された缶120と不要な短絡が発生しないように、電極組立体110は、絶縁シート170によって取り囲まれたまま、上記缶120の内部に収容される。電極組立体110が缶120の内部に収容された後、開口OPは、キャッププレート130によって密閉される。キャッププレート130と缶120とが接する部分は、レーザ溶接によって結合されることによって、内部気密を維持する。
【0036】
キャッププレート130には、電解質注入口131が備えられる。キャッププレート130と缶120とが結合された後、電解質Eは、電解質注入口131を通じて注入され、電解質注入口131は、栓132によって密閉される。
【0037】
キャッププレート130上には、電極端子140が配される。電極端子140の上面は、キャッププレート130の上部を通じて外部に露出し、下部は、キャッププレート130を貫通して缶120の内部に向かう。
【0038】
缶120と同様に、キャッププレート130は、金属性素材で作製される。
図3に示したように、電極端子140は、電極組立体110の第1電極タブ114と電気的に連結されて、第1極性を有し、キャッププレート130は、電極組立体110の第2電極タブ115と電気的に連結されて、第2極性を有する。この時、溶接を通じてキャッププレート130と連結された缶120も、第2極性を有する。
【0039】
例えば、キャッププレート130は、二次電池100の正極として、電極端子140は、二次電池100の負極としての役割を果たす。この時、キャッププレート130と電極端子140との間には、これらの間のショートを防止するために、絶縁性素材を含む第1ガスケット145及び第2ガスケット146が備えられる。第1ガスケット145は、キャッププレート130の上面と接触するように配され、第2ガスケット146は、キャッププレート130の下面と接触するように配される。
図2では、第1ガスケット145及び第2ガスケット146が別途の部材で示されたが、第1ガスケット145及び第2ガスケット146は、一体型でもあり得る。一方、キャッププレート130との溶接を通じて、第2極性を有する缶120を、外部の物体または他の二次電池100から電気的に絶縁させるために、缶120の両側面には、缶120の第1側面120s1及び第2側面120s2をカバーする絶縁フィルム160が付着される。
【0040】
缶120の内部には、電極組立体110の上部に位置する第1絶縁材150が配される。第1絶縁材150は、電極組立体110をキャッププレート130と絶縁させることができる。他の実施例において、第1絶縁材150は、電極組立体110をキャッププレート130と絶縁させると同時に、缶120の内部での電極組立体110の動きを制限する。第1絶縁材150は、第1電極タブ114及び第2電極タブ115が開口OPに向かって延びるように、貫通ホールを含み、電解質注入口131を通じて注入された電解質Eが通過するように、電解質注入口131に対応する位置に形成されたホール151を含む。一方、電極組立体110の下部には、第2絶縁材180が配され、金属性素材の缶120と電極組立体110との間の不要な短絡を防止する。
【0041】
本発明の実施例による二次電池100は、厚さが約8mmと同一か、またはそれより薄い電池である。さらに具体的に、二次電池の厚さは、約7mmと同一か、またはそれより薄い。このように、厚さの薄い二次電池100において、電解質Eの含浸効率を高めるために、二次電池100は、次のような構成及び条件を備える。
【0042】
例えば、缶120は、ほぼ六面体形状であって、缶120の内部に電極組立体110及び電解質Eが収容される時、缶120の断面積に対する缶120の高さh1の比率は、次の条件式を満足する。ここで、缶120の断面積Acは、缶120の高さに対して垂直方向の断面積、すなわち、XY平面による缶120の断面積を意味する。
【0043】
<条件式1>
12.5%≦h1/Ac≦25%
【0044】
条件式1は、缶120の断面積Acに対する缶120の高さh1の比率を定義したものであって、上記条件を満足する時、20℃〜25℃で1
mPa・s〜15
mPa・sの粘性を有する電解質Eに、電極組立体110の含浸効率を高めることができる。もし、上記条件式1の値が下限値より小さいか、または上限値より大きい場合、電解質Eに対する電極組立体110の含浸速度及び効率が低下して、二次電池100は、十分な性能が発揮できない。
【0045】
図4は、本発明の実施例及び比較例の含浸量を経時的に示したグラフである。
図4における実施例及び比較例による二次電池の厚さは、いずれも8mm以下であり、かつ同じ厚さを有するように設計した。実施例は、条件式1を満足する二次電池に対してテストし、比較例は、条件式1を満足しない二次電池に対してテストした。
【0046】
実施例1−1、1−2、1−3の二次電池は、断面積が354mm
2であり、高さが80mmである二次電池であって、条件式1の値が約22.60%である場合である。実施例2−1、2−2、2−3の二次電池は、断面積が270mm
2であり、高さが65mmである二次電池であって、条件式1の値が約24.07%である場合である。一方、比較例1−1、1−2、1−3の二次電池は、断面積が170mm
2であり、高さが80mmである二次電池であって、条件式1の値が約47.06%である場合である。
図4を参照すれば、実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3の含浸量は、約150sec以後に約2.8mg〜3.4mgである一方、比較例による実施例1−1〜1−3の含浸量は、約150sec以後に約1.0mg〜1.3mgに過ぎないということが分かる。すなわち、条件式1を満足する実施例1−1〜1−3、実施例2−1〜2−3の含浸量は、条件式1を満足しない比較例による実施例1−1〜1−3の含浸量に対して、同一時間で約3倍ほど増加することが分かる。
【0047】
一実施例において、缶120の断面積は、210mm
2ないし560mm
2であり、この時、缶120の高さは、70mmないし110mmである。もし、缶120の高さが70mmより低ければ、二次電池100が携帯電話のような小型機器に使われても、十分な出力が出せないので、二次電池100としての使用が不可能であり、一方、缶120の高さが110mmより高ければ、電極組立体110の電解質Eに対する含浸効率が低下する。
【0048】
前述した条件式1の缶120に収容される電極組立体110は、次のような条件を満足する場合に、電解質Eの含浸効率を高めることができる。
【0049】
<条件式2>
85%≦Ae/Ac≦95%
【0050】
条件式2は、缶120の断面積Acに対する電極組立体110の断面積Aeの比率を定義したものであって、上記条件式2の値が下限値から外れる場合、電池のエネルギー密度及び出力Whが低下し、上限値から外れる場合、含浸効率が低下し、長期間に充放電を繰り返す二次電池100の動作に必要な十分な量の電解質Eを収容し難い。
【0051】
一方、電極組立体110の高さは、次の条件式3を満足する。
【0052】
<条件式3>
90%≦h2/h1≦98%
【0053】
条件式3は、缶120の高さh1に対する電極組立体110の高さh2の比率を定義したものであって、上記条件式3の値が下限値から外れる場合、二次電池100のエネルギー密度が低下し、缶120の内部で電極組立体110の動きが発生し、特に、落下のような問題の発生時、二次電池の安全性が低下し、上限値から外れる場合、二次電池100の組立性が悪化して、電池の安全性及び信頼性が低下する。
【0054】
本発明は、前述した望ましい実施例と関連して説明されたが、発明の要旨及び範囲から離脱せず、多様な修正や変形が可能である。したがって、特許請求の範囲に記載の発明は、本発明の要旨に属する限り、このような修正や変形を含むものである。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電池関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0056】
100 二次電池
110 電極組立体
111 第1電極板
112 第2電極板
113 セパレータ
114 第1電極タブ
115 第2電極タブ
120 缶
120s1 缶の第1側面
120s2 缶の第2側面
120s3 缶の第3側面
120s4 缶の第4側面
120bt 缶の底面
130 キャッププレート
131 電解質注入口
132 栓
140 電極端子
145 第1ガスケット
146 第2ガスケット
150 第1絶縁材
151 ホール
160 絶縁フィルム
170 絶縁シート
180 第2絶縁材
E 電解質
h1 缶の高さ
h2 電極組立体の高さ
OP 開口