特許第6738863号(P6738863)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6738863
(24)【登録日】2020年7月22日
(45)【発行日】2020年8月12日
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/012 20060101AFI20200730BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20200730BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20200730BHJP
   G01R 31/54 20200101ALI20200730BHJP
   G01R 31/55 20200101ALI20200730BHJP
   G01R 31/58 20200101ALI20200730BHJP
   G01R 31/67 20200101ALI20200730BHJP
   G01R 31/68 20200101ALI20200730BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20200730BHJP
【FI】
   H01B13/012 D
   H01B13/00 A
   B23P19/00 304K
   G01R31/54
   G01R31/55
   G01R31/58
   G01R31/67
   G01R31/68
   G05B19/418 Z
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-119202(P2018-119202)
(22)【出願日】2018年6月22日
(65)【公開番号】特開2019-220443(P2019-220443A)
(43)【公開日】2019年12月26日
【審査請求日】2019年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】荒巻 英司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 巧二
(72)【発明者】
【氏名】赤井 光幸
【審査官】 木村 励
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−277061(JP,A)
【文献】 特開平6−302234(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/074245(WO,A1)
【文献】 特開2017−91770(JP,A)
【文献】 特開2016−66525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/012
H01B 13/00
B23P 19/00
G01R 31/54
G01R 31/55
G01R 31/58
G01R 31/67
G01R 31/68
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤハーネスの検査対象部位を撮像する撮像部と、
前記撮像部で撮像された検査対象画像データと、前記検査対象部位の検査基準となる検査基準画像データとに基づいて、検査対象画像及び検査基準画像を同一の表示領域に表示する表示部と、を備え、
加工対象の電線束が載置された1つの作業盤を複数の作業区間に順次移動させて前記ワイヤハーネスを製造する製造ラインにおいて、前記撮像部は、前記複数の作業区間のうち、前記電線束を配線するための布線区間の下流側の検査区間に設けられている、検査装置。
【請求項2】
前記表示部に表示された前記検査対象画像の前記検査対象部位に関する判定結果を入力する判定結果入力部と、
前記表示部に表示された前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データと、前記判定結果入力部により入力された判定結果に基づく判定結果データとを対応づけて記憶する記憶部とを備える、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記検査区間に作業面を水平状態にして搬送された前記作業盤の搬送方向に沿って延びる一対の縁部のうち少なくとも一方の縁部に対向する位置、及び、前記作業盤の作業面に対向する位置に配置されている、請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記ワイヤハーネスの識別情報を設定する識別情報設定部と、
前記識別情報設定部により設定された前記識別情報に基づいて、前記ワイヤハーネスの前記検査対象部位を設定する検査条件設定部と、
前記検査条件設定部で設定された前記検査対象部位に基づいて、前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データを決定する画像設定部とを備え、
前記表示部は、前記画像設定部で決定された前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データに基づいて、前記検査対象画像及び前記検査基準画像を表示する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関し、特に、コネクタの接続状態、損傷の有無等、検査対象物の外観を検査する検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電線の両端部や中間部分にコネクタが接続されたワイヤハーネスの製造工程では、全ての加工工程を終えた完成品のワイヤハーネスを梱包する前に、そのワイヤハーネスが要求された仕様を満足しているか否かが検査される。
【0003】
このような検査工程では、例えば、ワイヤハーネスを組み立てる製造エリアとは別の検査エリアに設けられた検査装置によってワイヤハーネスの外観を撮像し、撮像した画像に基づいてワイヤハーネスの外装部品の種類や取付状態、損傷の有無等、を検査する外観検査を行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017−188237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した検査装置でワイヤハーネスの外観検査を行うためには、製造エリアで組み立てられたワイヤハーネスを検査エリアへ移動させる必要があった。このため、外観検査を行う作業効率が低下するおそれがあり、作業効率の改善が求められていた。
【0006】
また、近年では、ワイヤハーネスの外観を撮像し、コンピュータを用いた画像処理を行うことにより、撮像した画像からワイヤハーネスの外装部品の種類や取付状態、損傷の有無等を自動で判断する自動検査が増えてきている。
【0007】
しかしながら、外装部品の種類や取付状態、損傷の有無等を確実に発見するためには、外観検査における複数の検査項目の全てを自動検査により行うことができず、一部の項目については作業者が目視で判断する必要があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ワイヤハーネスの外観検査における作業効率を向上させた検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る検査装置は、ワイヤハーネスの検査対象部位を撮像する撮像部と、前記撮像部で撮像された検査対象画像データと、前記検査対象部位の検査基準となる検査基準画像データとに基づいて、検査対象画像及び検査基準画像を同一の表示領域に表示する表示部と、を備え、加工対象の電線束が載置された1つの作業盤を複数の作業区間に順次移動させて前記ワイヤハーネスを製造する製造ラインにおいて、前記撮像部は、前記複数の作業区間のうち、前記電線束を配線するための布線区間の下流側の検査区間に設けられている。
【0010】
本発明の一態様に係る検査装置において、前記表示部に表示された前記検査対象画像の前記検査対象部位に関する判定結果を入力する判定結果入力部と、前記表示部に表示された前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データと、前記判定結果入力部により入力された判定結果に基づく判定結果データとを対応づけて記憶する記憶部とを備える。
【0011】
本発明の一態様に係る検査装置において、前記撮像部は、前記検査区間に作業面を水平状態にして搬送された前記作業盤の搬送方向に沿って延びる一対の縁部のうち少なくとも一方の縁部に対向する位置、及び、前記作業盤の作業面に対向する位置に配置されている。
【0012】
本発明の一態様に係る検査装置において、前記ワイヤハーネスの識別情報を入力する情報入力部と、前記情報入力部により入力された前記識別情報に基づいて、前記ワイヤハーネスの検査対象部位を設定する検査条件設定部と、前記検査条件設定部で設定された検査対象部位に基づいて、前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データを決定する画像決定部とを備え、前記表示部は、前記画像決定部で決定された前記検査対象画像データ及び前記検査基準画像データに基づいて、前記検査対象画像及び前記検査基準画像を表示する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ワイヤハーネスの外観検査における作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る検査装置を備えたワイヤハーネス検査システムの構成を示す図である。
図2】ワイヤハーネスの構成を模式的に示す図である。
図3】ワイヤハーネスの製造工程を説明するための概略図である。
図4】本発明の実施の形態に係る検査装置の撮像部の配置を説明するための概略図である。
図5】本発明の実施の形態に係る検査装置の機能ブロックの構成を示す図である。
図6】本発明の実施の形態に係る検査装置の表示部の表示例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態に係る検査装置による外観検査の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.ワイヤハーネスの検査システムの構成]
はじめに、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態に係る検査装置を備えたワイヤハーネス検査システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る検査装置を備えたワイヤハーネス検査システムの構成を示す図である。図2は、ワイヤハーネスの構成を模式的に示す図である。図3は、ワイヤハーネスの製造工程を説明するための概略図である。
【0016】
図1に示すように、ワイヤハーネス検査システム500は、ワイヤハーネスの製造工程において、種々の加工工程を経て組み立てられた完成品としてのワイヤハーネス1の外装部品の装着等が正しいか否かの検査を、外観を撮像することによって検査する外観検査を行うためのシステムである。
【0017】
ワイヤハーネス検査システム500は、ワイヤハーネス1の製造工程において、コネクタ13が接続された複数の電線からなる部分組立品11(後述する図2参照)に外装品14(後述する図2参照)等を取り付ける加工作業と同じ製造ライン上(インライン)で、外観検査を行うことが可能になっている。
【0018】
図1に示すように、ワイヤハーネス検査システム500は、検査対象のワイヤハーネス1が載置される作業盤31と、検査装置5とを備えている。
【0019】
[2.ワイヤハーネスの構成]
図2に示すように、ワイヤハーネス1は、複数の電線12と、対応する電線12の端部に接続されるコネクタ13とを有する。なお、コネクタ13は、接続部品の一例であって、例えば接続部品が接続端子等である場合も、実施の形態の一例に含まれる。
【0020】
コネクタ13は、例えば、複数のコネクタ端子を有する多芯コネクタである。コネクタ13は、例えば、複数のコネクタ端子毎に形成された仕切り空間(端子部屋)を有する。ワイヤハーネス1において、コネクタ13の各端子部屋に電線12の端部が挿入されて固定されることにより、コネクタ13のコネクタ端子が形成される。
【0021】
ここで、コネクタ13のコネクタ端子とは、外部機器の外部端子等とコネクタ13の各電線12との電気的な接続を実現するためのコネクタ13の末端部分(コンタクト)である。例えば、電線12の端部に圧着端子が形成され、その圧着端子がコネクタ13の端子部屋に挿入されて固定されている場合には、その圧着端子がコネクタ13のコネクタ端子となる。また、コネクタ13の端子部屋内に金属部材を設け、その金属部材と電線12の端部とが半田付けなどにより接続されている場合には、その金属部材がコネクタ13のコネクタ端子となる。
【0022】
ワイヤハーネス1は、図1に示すように、コネクタ13が接続された複数の電線12が保護材41、テープ42、グロメット(図示せず)、結束バンド(図示せず)等の外装部品14(図2参照)によって互いに束ねられて形成されている。
【0023】
図3に示すように、ワイヤハーネス1は、製造装置100によって製造される。製造装置100は、ワイヤハーネス1の製造処理をする複数の処理区間(作業区間)2と、全ての処理区間2に沿って設けられたコンベア3と、所定の処理区間2においてコネクタ13が接続された複数の電線12からなる部分組立品11を分岐形状に配線する布線装置4とを有している。
【0024】
なお、以下では、説明の便宜上、作業盤31の搬送方向を「L」とし、上流側を「A」、下流側を「B」とする。また、作業盤31の幅方向を「W」とし、上流側Aから下流側Bを見て左方側を「C」、右方側を「D」とする。また、作業盤31の厚さ方向を「H」とし、上方側を「E」、下方側を「F」とする(図1参照)。
【0025】
処理区間2は、後述する作業盤31を供給する供給区間21と、搬送方向Lにおいて供給区間21の下流側Bに位置して、作業盤31上に部分組立品11を配線する区間(布線区間)22と、布線区間22の下流側Bに位置して、部分組立品11の電線12同士を撚り合わせる第1仕上げ区間23と、第1仕上げ区間23の下流側Bに位置して、撚り合わされた複数の電線12を束ねる第2仕上げ区間24と、第2仕上げ区間24の下流側Bに位置して、ワイヤハーネス1の外観を検査する検査区間25と、検査区間25の下流側Bに位置して、製造されたワイヤハーネス1を製造装置100から他の工程へ搬出する搬出区間26と、を有している。
【0026】
供給区間21、布線区間22、第1仕上げ区間23、第2仕上げ区間24、検査区間25及び搬出区間26(以下、「処理区間21〜26」などともいう。)は、コンベア3に沿ってワイヤハーネス1の製造工程順に配置されている。
【0027】
コンベア3は、作業盤31を各処理区間21〜26に順次搬送する。具体的には、コンベア3は、各処理区間21〜26に作業盤31が所定の時間滞在するように間欠的に駆動するように制御されている。
【0028】
[3.作業盤の構成]
図1に示すように、作業盤31は、平面視矩形状の板材により形成されており、処理区間22〜25においてワイヤハーネス1を組み立てるための台である。ワイヤハーネス1を組み立てる面である作業面31aが水平状態で上方側Eを向いて複数の処理区間21〜26に順次搬送される。
【0029】
なお、布線区間22では、水平状態又は略水平状態に横たえられた状態の作業盤31を起立させて布線装置4により作業盤31上に部分組立品11を配線し、布線装置4による配線作業が終了すると作業盤31が再び横たえられる(図3参照)。
【0030】
図1に示すように、作業盤31の作業面31aには、布線装置4によって部分組立品11が掛けられるキャッチ治具34と、コネクタ13と電気的に接続されるコネクタ治具35と、ワイヤハーネス1を保護材41において把持するクランプ治具36と、ワイヤハーネス1を電線12において支持する支持治具37とを有している。なお、各治具34〜37の数は特に限定されない。
【0031】
キャッチ治具34は、棒状部材34aの一端が作業面31aに取り付けられて、他端に部分組立品11が掛けられる二叉状の2つの脚部34bを有する。二叉状の脚部34bはそれぞれ、棒状部材34a側とは反対側の先端部において互いに接触して閉鎖状態を形成しており、両脚部34bは、弾性的に開閉自在に形成されている。
【0032】
コネクタ治具35は、棒状部材35aの一端が作業面31aに取り付けられて、他端にコネクタ13が接続される略直方体状のコネクタ35bを有する。コネクタ35bは、作業員が、キャッチ治具34から部分組立品11を取り外してコネクタ13を差し込むことにより嵌合される嵌合口部35cを有している。
【0033】
クランプ治具36は、棒状部材36aの一端が作業面31aに取り付けられて、他端に保護材41を保持する略直方体状のクランプ部材36bを有する。クランプ部材36bは、保護材41の収容部43を収容する凹部36cを有する。凹部36cは、クランプ部材36bの一面で作業盤31の作業面31aに沿った方向及び作業面31aとは反対側に開放している。
【0034】
支持治具37は、棒状部材37aの一端が作業面31aに取り付けられて、他端に電線12が掛けられる二叉状の2つの脚部37bを有している。
【0035】
図3に示すように、布線装置4は、多軸多関節型の本体部141と、本体部141の先端に取り付けられて作業盤31上に部分組立品11を取り付ける実装部142と、を有する。本体部141は、例えば、公知の6軸多関節型のロボットを使用することができる。
【0036】
なお、布線装置4が作業盤31上に配線する部分組立品11は、製造装置100の近傍に配置された、部分組立品11を自動で組み立てる部分組立品組立装置200から供給される。布線装置4が部分組立品組立装置200に接近して、部分組立品11の各コネクタ13を把持した後に、布線装置4は、作業盤31上に部分組立品11を布線経路に沿って配線する。ここで、布線処理装置4が部分組立品組立装置200に接近して部分組立品11を把持する代わりに、部分組立品組立装置200の一部が移動して布線処理装置4に部分組立品11を渡してもよく、部分組立品組立装置200自体が布線処理装置4の機能を持つようにしてもよい。
【0037】
検査装置5は、製造されたワイヤハーネス1の外観を撮像する撮像部51,52と、撮像部51,52で撮像された検査対象画像データに基づいてワイヤハーネス1の外観検査を行う検査サーバ53とを備えている。以下に検査装置5の構成を詳細に説明する。
【0038】
[4.検査装置の構成]
図4乃至図6を参照して、本発明の実施の形態に係る検査装置5の構成について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る検査装置5の撮像部51,52の配置を説明するための概略図である。図5は、本発明の実施の形態に係る検査装置5の機能ブロックの構成を示す図である。図6は、本発明の実施の形態に係る検査装置5による判定画像の表示例を示す図である。
【0039】
検査装置5では、撮像部51,52で撮像されたワイヤハーネス1の検査対象部位の画像(以下、検査対象画像ともいう。)、及び、検査対象部位が良好であると判定する基準となるマスター画像(以下、検査基準画像ともいう。)を後述する表示部502に表示することにより外観検査を行う。そして、表示部502に表示された検査対象画像及び検査基準画像を比較することにより作業者が目視により良否判定を行い、この良否判定の結果を記憶領域に記憶する。
【0040】
図4に示すように、検査装置5の撮像部51,52は、製造されたワイヤハーネス1の検査対象部位を撮像する、例えば、カラーCCD(Charge Coupled Device)カメラである。撮像部51,52は、加工対象の電線束(部分組立品11)が載置された1つの作業盤31を複数の処理区間21〜26に順次移動させてワイヤハーネス1を製造する製造ラインにおいて、複数の処理区間21〜26のうち、部分組立品11を配線するための布線区間22の下流側の作業区間である検査区間25に設けられている(図3参照)。なお、撮像部51,52は、検査区間25以外の区間に設けられていてもよい。
【0041】
撮像部51,52は、作業盤31の作業面31aに対向する位置、つまり、作業盤31の幅方向Wにおいてコンベア3(図3参照)に対して左方側C及び右方側D、及び、作業盤31の厚さ方向Hにおいて上方側E(図1参照)に複数設けられている。具体的には、撮像部51は、検査区間25(図3参照)に作業面31aを水平状態にして搬送された作業盤31の搬送方向Lに沿って延びる一対の縁部30c,30dに対向する位置に配置された複数(本発明の実施の形態では、4台。)の撮像部51a〜51dと、作業盤31の作業面31aに対向する位置に配置された複数(本発明の実施の形態では、8台。)の撮像部52a〜52hと、を有している。
【0042】
撮像部51a〜51dは、作業盤31の領域を撮像部51により撮像可能に分割した撮像領域S1〜S8のうち、撮像領域S1〜S7を左方側C及び右方側Dから撮像する。具体的には、撮像部51aは、左方側Cから撮像領域S1及びS2を撮像し、右方側Dから撮像部51bは、撮像領域S2及びS3を撮像し、撮像部51cは、右方側Dから撮像領域S3及びS4を撮像し、撮像部51dは、右方側Dから撮像領域S5、S6及びS7を撮像する。すなわち、撮像部51a〜51dは、撮像領域S1〜S8を1又は複数の撮像部により撮像する。
【0043】
撮像部52a〜52hは、作業盤31の領域を撮像部51により撮像可能に分割した撮像領域S1〜S8を上方側E(図1参照)から撮像する。具体的には、撮像部52aは撮像領域S1を撮像し、撮像部52bは撮像領域S2を撮像し、撮像部52cは撮像領域S3を撮像し、撮像部52dは撮像領域S4を撮像し、撮像部52eは撮像領域S5を撮像し、撮像部52fは撮像領域S6を撮像し、撮像部52gは撮像部S7を撮像し、撮像部52hは撮像部S8を撮像する。すなわち、撮像部52a〜52hは、1の撮像部によりそれぞれの撮像領域S1〜S8を撮像する。
【0044】
図5に示すように、検査サーバ53は、機能ブロックとして、外観検査実行部501と、表示部502と、入力部503と、記憶部504とを有している。
【0045】
検査サーバ53を構成する各機能ブロックは、検査サーバ53が有するハードウェア資源とソフトウェアとが協働することによって実現される。すなわち、検査サーバ53は、例えば、ハードウェア資源として、MCU等のプログラム処理装置と、RAMやROMなどの記憶装置と、電源回路、AC/DCコンバータ、DC/ACコンバータ、通信回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路を有し、上記プログラム処理装置が上記記憶装置に記憶されたプログラムに従って演算処理を実行して上記周辺回路を制御することにより、外観検査実行部501及び記憶部504が実現される。
【0046】
なお、上記プログラム(外観検査用プログラム)は、ネットワークを介して流通可能であってもよいし、CD−ROM等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体(Non−transitory computer readable medium)に書き込まれて流通可能であってもよい。
【0047】
外観検査実行部501は、識別情報設定部511と、検査条件設定部512と、撮像制御部513と、画像設定部514と、表示制御部515と、判定結果設定部516と、自動判定部517とを有している。
【0048】
識別情報設定部511は、ワイヤハーネス1の識別情報を設定する機能部である。具体的には、第2仕上げ区間24(図3参照)から検査区間25(図3参照)へ作業盤31が搬送されると、ワイヤハーネス1の識別情報の入力を受け付ける。ワイヤハーネス1の識別情報は、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等の二次元コードとして記憶されており、その二次元コードは、ワイヤハーネス1の外装部品等や作業盤31に貼付されている。そして、例えば、入力部503によりワイヤハーネス1に貼付された二次元コードをスキャンして、ワイヤハーネス1の識別情報を識別情報設定部511に読み込ませて識別情報を設定する。
【0049】
検査条件設定部512は、ワイヤハーネス1の検査対象部位を設定する機能部である。具体的には、検査条件設定部512は、識別情報設定部511で設定されたワイヤハーネス1の識別情報に基づいて検査項目を決定し、決定した検査項目に対応する検査対象部位を決定することにより検査条件を設定する。
【0050】
撮像制御部513は、撮像部51,52の動作を制御する機能部である。撮像制御部513は、通信インターフェース(図示せず。)を介して撮像部51,52へ撮像を開始するための撮像開始信号を出力する。具体的には、検査条件設定部512により検査対象が設定されると、撮像部51,52に撮像開始信号を出力する。なお、撮像開始信号の出力は、入力部503で受け付けた操作入力に基づいて出力してもよい。また、撮像部51,52による撮像は、全ての撮像部51,52により同時に撮像を開始してもよいし、個別に撮像を開始してもよい。
【0051】
画像設定部514は、表示部502に表示する検査対象画像及び検査基準画像の画像データを設定する機能部である。具体的には、画像設定部514は、検査条件設定部512で設定された検査項目のうち、作業者が目視で検査を行う検査項目の検査対象部位に基づいて、表示部502に表示する検査対象画像の検査対象画像データ及び検査基準画像の検査基準画像データを決定する。
【0052】
表示制御部515は、表示部502を制御して、表示部502の画面521上に各種情報及び画像を表示させる機能部である。具体的には、表示制御部515は、画像設定部514で設定された検査対象画像データ及び検査基準画像データに基づいて検査対象画像及び検査基準画像を表示部502の画面521上に表示させる(図6(a),(b)参照)。また、表示制御部515は、検査対象画像531aと検査基準画像532aとを比較することが可能に、表示部502の画面521上の同一の表示領域に並べて表示させる。
【0053】
例えば、図6(a)に示すように、電線12を束ねたテープ42が正しく装着されているかの検査項目について検査する場合、表示制御部515は、表示部502の画面521上の表示領域522に検査項目に対応する検査対象部位の画像である検査対象画像531a及び検査対象画像531aと比較する検査基準画像532aを表示させる。具体的には、表示制御部515は、撮像部51,52で撮像されたテープ42の画像(検査対象画像531a)と、検査対象画像531aと比較するテープ42の画像(検査基準画像532a)とを表示領域522に左右に並べて表示させる。
【0054】
また、表示制御部515は、検査対象画像531a及び検査基準画像532aとともに、検査対象画像531aが撮像部51,52で撮像された実際の画像であることを示す「現物」という画像情報533aと、検査基準画像532aが検査対象画像531を良好であると判定する基準となるマスター画像であることを示す「マスター」という画像情報533bを表示部502の画面521上に表示する。さらに、表示制御部515は、検査対象のワイヤハーネス1の識別情報、電線12の情報(例えば、線種、線径、および線色等)等のワイヤハーネス情報534を表示させる。
【0055】
また、例えば、図6(b)に示すように、次にクランプ治具36に正しく保護材41の収容部43が収容されているかの検査項目について検査する場合、表示制御部515は、撮像部51,52で撮像されたクランプ治具36の凹部36cと保護材41の収容部43の画像(検査対象画像531b)と、検査対象画像531bと比較するクランプ治具36の凹部36cと保護材41の収容部43の画像(検査基準画像532b)とを表示領域522に左右に並べて表示させる。
【0056】
なお、図6(a),(b)は、表示制御部515により、検査対象画像531と検査基準画像532とを比較することが可能に、表示部502の画面521上の同一の表示領域に左右に並べて表示させた場合を示しているが、検査対象画像531と検査基準画像532との配置は適宜変更が可能である。すなわち、同一の表示領域に表示することにより検査対象画像と検査基準画像とを比較することが可能であれば、例えば同一の表示領域に上下に表示してもよい。
【0057】
判定結果設定部516は、作業者が検査対象画像と検査基準画像とを比較して良否判定した結果を設定する機能部である。具体的には、判定結果設定部516は、作業者が検査対象画像と検査基準画像とを比較することにより良否を判定した結果を入力部503で入力した入力信号に基づいて外観検査の良否判定の結果を設定する。
【0058】
自動判定部517は、作業者の目視によらずワイヤハーネス1の外観を良否判定する機能部である。例えば、自動判定部517は、検査項目のうち作業者の目視によらず良否半判定する検査項目に対応する検査対象画像データと検査基準画像データとを比較して画像の色や形状等の類似度合いを判定する画像マッチングによりワイヤハーネス1の外観を良否判定する。
【0059】
表示部502は、表示制御部515により表示制御され、撮像部51,52で撮像された検査対象画像データと、検査対象部位の検査基準となる検査基準画像データとに基づいて、検査対象画像及び検査基準画像を同一の表示領域に表示する装置である。表示部502は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。
【0060】
入力部(判定結果入力部)503は、作業者の操作入力が行われるキーボード、マウス、バーコードリーダ等の入力機器である。具体的には、入力部503により、表示部502に表示された検査対象画像の検査対象部位に関する判定結果が作業者により入力される。
また、入力部503での入力により、識別情報設定部511でワイヤハーネス1の識別情報が設定される。
【0061】
記憶部504は、外観検査実行部501における処理を実行するための記憶領域を有し、例えば、検査条件データ格納領域541と、検査対象画像データ格納領域542と、検査基準画像データ格納領域543と、検査条件データ格納領域544と、判定データ格納領域544とを有している。
【0062】
検査条件データ格納領域541は、検査条件設定部512で設定される検査条件を示す検査条件データを格納する領域である。検査条件データ格納領域541は、例えば、入力部503の入力で受け付けた入力信号に基づいて検査条件データを格納する領域である。具体的には、検査条件データ格納領域541には、ワイヤハーネス1の識別情報を示す識別情報データと、識別情報データに基づいて検査を行う検査項目を示す検査項目データと、検査項目データに対応する検査対象部位を示す検査対象部位データとが検査条件番号に紐づけられて格納されている。
【0063】
検査対象画像データ格納領域542は、撮像部51,52で撮像されたワイヤハーネス1の検査対象画像データを格納する領域である。
【0064】
検査基準画像データ格納領域543は、入力部503の入力等で受け付けた操作入力に基づいて、画像検査基準画像データを予め格納している領域である。
【0065】
判定データ格納領域544は、表示部502に表示された検査対象画像データ及び検査基準画像データと、入力部503により入力された判定結果に基づく判定データとを対応づけて格納する領域である。具体的には、識別情報設定部511で設定された識別情報を示す識別情報データ及び検査項目を示す検査項目データと、画像設定部で設定された検査項目に対応する検査対象画像データ及び検査基準画像データと、判定結果設定部で設定された外観検査の良否判定の結果を示す判定結果データとを判定番号で紐付けて判定データとして格納する。
【0066】
[5.検査装置による外観検査]
次いで、本発明の実施の形態に係る検査装置5の検査サーバ53による外観検査の処理について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る検査装置5による外観検査の流れを示すフローチャートである。
【0067】
先ず、検査サーバ53の識別情報設定部511は、ワイヤハーネス1の識別情報を設定する(ステップS1)。例えば、第2仕上げ区間24(図3参照)から検査区間25(図3参照)へ作業盤31が搬送されると、表示部502にワイヤハーネスの識別情報の入力を促す画像を表示し、作業者が入力部503で二次元コードをスキャン等することによりワイヤハーネス1の識別情報を読み込んで設定する。
【0068】
次に、検査条件設定部512は、ステップS1において設定した識別情報に基づいて検査条件を設定する(ステップS2)。具体的には、外観検査を実行するための検査条件を、検査条件データ格納領域541からワイヤハーネス1の識別情報に基づいて検査条件番号を指定する。そして、指定した検査条件番号に基づいて検査項目を決定し、設定した検査項目に対応する検査対象部位を決定することにより検査条件を設定する。
【0069】
例えば、識別情報設定部511で設定されたワイヤハーネス1の識別情報が「A01」の場合には、検査条件設定部512は、検査条件データ格納領域541から検査条件番号「1」を指定する。そして、指定した検査条件番号に紐付けされた検査項目データに基づいて検査項目として「A01,B03,D07」等と、検査対象部位データに基づく検査対象部位として「電線12を束ねたテープ42」、「クランプ治具36の凹部36cと保護材41の収容部43」、「コネクタ治具35のコネクタ35bとコネクタ13」等を決定することにより検査対象を設定する。
【0070】
次に、撮像制御部513は、撮像部51,52によるワイヤハーネス1の撮像を開始する(ステップS3)。具体的には、撮像制御部513は、撮像部51,52に撮像開始信号を出力することによりワイヤハーネス1の撮像を開始する。撮像部51,52で撮像された画像データは、通信インターフェース(図示せず)を介して撮像部51,52から検査サーバ53に送信され、検査対象画像データ格納領域542に格納される。
【0071】
次に、画像設定部514は、検査対象画像と検査基準画像を設定する(ステップS4)。具体的には、画像設定部514は、検査条件設定部512で設定された検査対象部位に基づいて検査対象画像データ格納領域542から検査対象画像データを設定する。例えば、検査条件設定部512で検査対象部位が「テープ42」と設定された場合には、検査対象画像データ格納領域542から「テープ42」の画像データを決定して検査対象画像データとして設定する。
【0072】
また、画像設定部514は、検査条件設定部512で設定された検査対象部位に基づいて検査基準画像データ格納領域543から検査基準画像データを設定する。例えば、検査条件設定部512で検査対象部位が「テープ42」と設定された場合には、検査基準画像データ格納領域543から「テープ42」の画像データを決定して検査基準画像データとして設定する。
【0073】
次に、表示制御部515は、表示部502の画面521上に検査対象画像及び検査基準画像を表示する(ステップS5)。具体的には、表示制御部515は、画像設定部514で設定された検査対象画像データ及び検査基準画像データに基づいて検査対象画像及び検査基準画像を表示部502の画面521上の同一の表示領域に表示する。
【0074】
次に、判定結果設定部516は、作業者が検査対象画像と検査基準画像とを比較して入力部503により良否判定の結果が入力されると、入力された良否判定の結果を示す判定結果データを設定する(ステップS6)。
【0075】
次に、外観検査実行部501は、検査データを判定データ格納領域544に格納する(ステップS7)。具体的には、ステップS1で設定された識別情報データ及び検査項目データ、ステップS4で設定された検査対象画像データ及び検査基準画像データ、ステップS6で設定された外観検査の良否判定の結果を示す判定結果データを判定番号で紐付けて判定データとして判定データ格納領域544に格納する。
【0076】
次に、外観検査実行部501は、全ての検査項目の検査が終了したか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、ステップS2で設定した検査条件の検査項目の全てについて判定結果データを判定データ格納領域544に格納したか否かを判定する。
【0077】
全ての検査項目の検査が終了していない場合、すなわち、作業者が目視で検査を行う検査項目の全ての検査対象部位に基づいて、検査対象画像及び検査基準画像を表示部502に表示していない場合には、ステップS5の処理に戻る。そして、残りの検査項目について判定結果データを判定データ格納領域544に格納するまでステップS5からステップS8の処理を繰り返す。一方、全ての検査項目の検査が終了した場合には、外観検査の処理を終了する。
【0078】
なお、ステップS7の後、自動判定部517による作業者の目視によらずワイヤハーネス1の外観を自動で良否判定する外観検査を行う処理を実行してもよい。また、ステップS3からステップS8の処理を実行する間に自動判定部517による外観検査を行う処理を実行してもよい。
【0079】
このように検査装置5において、撮像部51,52は、ワイヤハーネス1の製造処理を行う複数の処理区間21〜26のうち、部分組立品11を配線する布線区間22の下流側の作業区間である検査区間24設けられている。このため、ワイヤハーネス1を製造する製造エリア(処理区間21〜26)で外観検査を行うことができるため、製造効率を向上することができる。すなわち、撮像部51,52がワイヤハーネス1を製造する製造ライン上(インライン)に設けられているため、ワイヤハーネス1を別の検査エリアへ移動して外観検査を行う必要がない。
【0080】
また、検査対象画像及び検査基準画像を表示部502の画面521上の同一の表示領域に表示する。すなわち、検査対象画像(実際の画像)と検査基準画像(マスター画像)とを比較可能に表示部502に表示されるため、作業者はワイヤハーネス1の良否判定を容易に行うことができる。このため、経験豊富な作業者のみならず、経験の浅い作業者であっても、検査対象部位の良否を判定することが容易となるので、ワイヤハーネス1の外観検査における作業効率を向上させることができる。
【0081】
そして、表示部502に表示された検査対象画像データ及び検査基準画像データと、入力部503により入力された判定結果に基づく判定結果データとを対応づけて判定データ格納領域544に格納する。このため、判定データ格納領域544に格納された判定データを自動判定部517で自動判定するためのデータに活用することができる。
【0082】
具体的には、例えば、判定データ格納領域544に格納された検査対象画像データの中から新たに撮像部51,52で撮像された検査対象画像データと近似する検査対象画像データを決定することができる。そして、決定した検査対象画像データの判定結果データに基づいて、新たな検査対象画像データを良否判定してもよい。
【0083】
また、判定データ格納領域544に格納された検査対象画像データと判定結果データとを対応づけたデータ対は、人工知能の学習用データ(サンプルデータ)として活用することができる。すなわち、検査装置5によれば、ワイヤハーネス1の外観検査を行うたびに、上記データ対が蓄積されるので、蓄積された大量のデータ対を用いて学習モデルを作成し、その学習モデルを用いることで、将来的には、検査対象部位の合否判定を自動で行うことが可能となる。
【0084】
さらに、撮像部51,52は、検査区間25の作業区間に作業面31aを水平状態にして搬送された作業盤31の搬送方向Lに沿って延びる一対の縁部30c,30dに対向する位置、及び、作業盤31の作業面31aに対向する位置に配置されている。すなわち、水平線に対して傾斜した状態及び垂直の状態の作業盤31を撮像する場合には、作業面31aを撮像するために、作業盤31で作業する作業者が撮像されないような位置に撮像部51,52を配置しなければならず、撮像部51,52を自由に配置することができないおそれがある。しかしながら、検査区間25に作業面31aを水平状態にして搬送された作業盤31を撮像部51,52で撮像するため、撮像部51,52の配置の自由度を向上させることができる。なお、撮像部51,52は、移動可能に設置されていてもよい。撮像部51,52を移動可能とすることで、作業者との干渉をより効果的に防いだり、撮像部51,52の台数を減らしたりすることなどが可能となる。
【0085】
そして、ワイヤハーネス1の識別情報に基づいて検査項目を決定し、設定した検査項目に対応する検査対象部位を決定することにより検査条件を設定する。このため、ワイヤハーネス1の種類に応じた検査項目で外観検査を行うことができる。
【0086】
[6.他の実施の形態]
なお、上述した実施の形態においては、検査区間25に設けられた撮像部51,52で作業盤31を撮像することによりワイヤハーネス1の外観検査を行う場合について説明したが、外観検査の後、ワイヤハーネス1のコネクタ13間の接続が正しいか否かを導通の有無によって検査する導通検査を行ってもよい。
【0087】
また、上述した実施の形態においては、検査装置5の撮像部51a〜51dは、一対の縁部30c,30dに対向する位置に配置されている場合について説明したが、一対の縁部30c,30dのうちいずれか一方の縁部30c,30dに対向する位置に配置されていてもよい。また、撮像部51,52の数は、作業盤31の種類によって適宜変更が可能である。さらに、撮像部51,52が撮像する撮像領域S1〜S8の範囲及び数も適宜変更が可能である。
【0088】
また、上述した実施の形態においては、検査装置5が、撮像部51,52と、検査サーバ53とを備えている例について説明したが、撮像部51,52に、検査サーバ53の機能の少なくとも一部を持たせてもよい。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る検査装置5に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…ワイヤハーネス、2…作業区間(処理区間)、3…コンベア、4…布線装置、5…検査装置、11…部分組立品、12…電線、13…コネクタ、14…外装部品、15…収容部、21…供給区間、22…布線区間、23…第1仕上げ区間、24…第2仕上げ区間、25…検査区間、26…搬出区間、30c…縁部、30d…縁部、31…作業盤、31a…作業面、34…キャッチ治具、34a…棒状部材、34b…脚部、35…コネクタ治具、35a…棒状部材、35b…コネクタ、35c…嵌合口部、36…クランプ治具、36a…棒状部材、36b…クランプ部材、36c…凹部、37…支持治具、37a…棒状部材、37b…脚部、41…保護材、42…テープ、43…収容部、51a〜51d…撮像部、52a〜52h…撮像部、53…検査サーバ、100…製造装置、141…本体部、142…実装部、200…部分組立品組立装置、500…ワイヤハーネス検査システム、501…外観検査実行部、502…表示部、503…入力部、504…記憶部、511…識別情報設定部、512…検査条件設定部、513…撮像制御部、514…画像設定部、515…表示制御部、516…判定結果設定部、517…自動判定部、521…画面、522…表示領域、531a,531b…検査対象画像、532a,532b…検査基準画像、533a,533b…画像情報、534…ワイヤハーネス情報、541…検査条件データ格納領域、542…検査対象画像データ格納領域、543…検査基準画像データ格納領域、544…判定データ格納領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7