【実施例】
【0066】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0067】
封止用フィルムを作製するために下記の成分を用意した。
(A成分:エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂A1:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製の商品名:グレード806、エポキシ当量:160、25℃において液状)
エポキシ樹脂A2:ナフタレン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(DIC株式会社製の商品名:EXA−4750、エポキシ当量:182)
エポキシ樹脂A3(エラストマーC4):平均粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂(株式会社カネカ製の商品名:MX−136、ブタジエンエラストマー含有量25質量%、25℃において液状)
エポキシ樹脂A4(エラストマーC5):平均粒径0.2μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社カネカ製の商品名:MX−267、ブタジエンエラストマー含有量37質量%、25℃において液状)
エポキシ樹脂A5(エラストマーC6):平均粒径0.1μmシリコーンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社カネカ製の商品名:MX−965、シリコーンエラストマー含有量25質量%、25℃において液状)
エポキシ樹脂A6(エラストマーC7):平均粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂(株式会社カネカ製の商品名:MX−217、ブタジエンエラストマー含有量25質量%、25℃において液状)
(B成分:硬化剤)
硬化剤B1:フェノールノボラック(旭有機材工業株式会社製の商品名:PAPS−PN2、フェノール性水酸基当量:104)
硬化剤B2:ナフタレンジオールノボラック(新日鉄住金化学株式会社製の商品名:SN−395)
(C成分:エラストマー)
エラストマーC1:シリコーンパウダ(信越化学工業株式会社製の商品名:KMP−605、平均粒径2μm)
エラストマーC2:シリコーンパウダ(信越化学工業株式会社製の商品名:KMP−600、平均粒径5μm)
エラストマーC3:シリコーンパウダ(信越化学工業株式会社製の商品名:KMP−602、平均粒径30μm)
(D成分:無機充填材)
無機充填材D1:シリカ(電気化学工業株式会社製の商品名:FB−5SDC、フェニルアミノシラン処理、平均粒径5.0μm)
無機充填材D2:シリカ(電気化学工業株式会社製の商品名:SFP−20M、フェニルアミノシラン処理、平均粒径0.5μm)
無機充填材D3:シリカ(株式会社アドマテックス製の商品名:SX−E2、フェニルアミノシラン処理、/平均粒径5.8μm)
(E成分:硬化促進剤)
硬化促進剤E:イミダゾール(四国化成工業株式会社製の商品名:2P4MZ)
(F成分:有機溶剤)
有機溶剤F:メチルエチルケトン
【0068】
<封止用フィルムの作製>
(実施例1)
10Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを673.2g入れ、これに無機充填材D3を3962g加え、撹拌羽で無機充填材D3を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を100g、25℃にて液状を示さないエポキシ樹脂A2を70g、粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A3を180g、及び25℃にて液状を示さない硬化剤B1を183g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B1が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを2.1g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0069】
その後、フィルムの厚みが185μm及び225μmの封止用フィルムについては、2枚の封止用フィルム同士が接するように重ね、真空加圧ラミネーターにより以下の条件で張り合わせた。
・ラミネーター装置:真空加圧ラミネーター(株式会社名機製作所製の商品名MVLP−500)
・ラミネート温度:90℃
・ラミネート圧力:0.15MPa
・真空引き時間:10秒
・ラミネート時間:5秒
【0070】
こうして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0071】
(実施例2)
10Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを1945g入れ、これに無機充填材D1を9700g、D2を1712g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示さないエポキシ樹脂A2を134g、粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A3を1206g、シリコーンパウダC1を106g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を684g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを5.4g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0072】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0073】
(実施例3)
10Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを1217g入れ、これに無機充填材D1を6070g、D2を1071g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、粒径0.2μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A4を808g、ブタジエンエラストマー含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂A6を90g、シリコーンパウダC1を66g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を369g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを2.7g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0074】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0075】
(実施例4)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A3を104g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を52g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.4g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0076】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0077】
(実施例5)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を34g、粒径0.2μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A4を71g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を52g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.4g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmのフィルム状エポキシ樹脂組成物をそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0078】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0079】
(実施例6)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを41g入れ、これに無機充填材D1を204g、D2を36g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を0.2g、シリコーンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂A5)を30g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を15g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.1g加え、更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0080】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0081】
(実施例7)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を78g、シリコーンパウダC2を26g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を53g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.3g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0082】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0083】
(実施例8)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を78g、シリコーンパウダC3を26g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を53g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.3g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0084】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0085】
(実施例9)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を78g、シリコーンパウダC1を26g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を53g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.3g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0086】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0087】
(比較例1)
10Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを406.8g入れ、これに無機充填材D3を2394g加え、撹拌羽で無機充填材D3を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を160g、25℃にて液状を示さないエポキシ樹脂A2を40g、25℃にて液状を示さない硬化剤B1を122g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B1が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを1.2g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過し、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0088】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0089】
(比較例2)
10Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを1329.1g入れ、これに無機充填材D3を7821g加え、撹拌羽で無機充填材D3を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を382g、25℃にて液状を示さないエポキシ樹脂A2を134g、粒径0.1μmブタジエンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂A3を111g、シリコーンエラストマー含有ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂A5)を43g、25℃にて液状を示さない硬化剤B1を382g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B1が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを4.0g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過して、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0090】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0091】
(比較例3)
1Lのポリエチレン容器に有機溶剤Fを100g入れ、これに無機充填材D1を713g、D2を126g加え、撹拌羽で無機充填材D1及びD2を分散させた。この分散液に、25℃にて液状を示すエポキシ樹脂A1を93g、25℃にて液状を示さない硬化剤B2を64g加えて撹拌した。25℃にて液状を示さない硬化剤B2が溶解したのを目視にて確認した後、分散液に、硬化促進剤Eを0.4g加えて更に1時間撹拌した。この分散液をナイロン製#200メッシュ(開口75μm)でろ過して、ろ液を採取してワニス状エポキシ樹脂組成物を作製した。このワニス状エポキシ樹脂組成物を、塗工機を使用して支持体(38μm厚のポリエチレンテレフタレート)上に、以下の条件で塗布し、フィルムの厚みが185μm、200μm及び225μmの封止用フィルムをそれぞれ作製した。
・塗布ヘッド方式:コンマ
・塗布及び乾燥速度:1m/分
・乾燥条件(温度/炉長):110℃/3.3m、130℃/3.3m、140℃/3.3m
【0092】
その後、実施例1と同様にして、フィルムの厚みが370μm及び450μmである封止用フィルムをそれぞれ用意した。
【0093】
実施例及び比較例の封止用フィルムの組成について、表1に示す。
なお、封止用フィルムにおける(F)成分の含有量は以下のように算出した。得られた支持体付きの封止用フィルムを5cm角の試料に切り出した。この試料を予め質量を測定したアルミカップに入れて、試料が入ったアルミカップの質量を測定した。次いで、試料をアルミカップに入れたまま、180℃のオーブンで10分間加熱し、室温にて10分間放置した後、試料が入ったアルミカップの質量を再度測定した。次いで、加熱前又は加熱後の試料が入ったアルミカップの質量の測定値から、別途測定した5cm角にカットした支持体の質量及びアルミカップの質量を差し引いて、加熱前及び加熱後の封止用フィルムの質量をそれぞれ求めた。そして、加熱前の封止用フィルムの質量から加熱後の封止用フィルムの質量を差し引いた値を封止用フィルムに含まれる有機溶剤の量とした。そして、加熱前の封止用フィルムの質量に対する有機溶媒の量の割合を有機溶媒の含有率とした。
【0094】
【表1】
【0095】
<評価方法>
(1)封止用フィルムを用いてシリコンチップを封止し、eWLBパッケージとした際の硬化物の反り評価方法
封止用フィルムとしては、厚みが185μmの封止用フィルムを2枚重ね、厚みを370μmとしたフィルムを用いた。以下の手順で、封止用フィルムを用いて、SUS板上の厚さ350μmのシリコンチップを封止し、8インチサイズのeWLBパッケージを作製した。実施例に示す方法で作製した封止用フィルムを直径20cmの円に切り取った。支持体を全て剥離し、SUS板上に配置されたシリコンチップの上に載せ、コンプレッションモールド装置を用いて、以下の条件でチップを封止し、封止体を作製した。
図2には、本測定系におけるシリコンチップの配置図を示す。SUS板50上に、7.3mm角シリコンチップ60及び3mm角シリコンチップ70を
図2のように配置した。
・コンプレッションモールド装置:アピックヤマダ株式会社製の商品名WCM−300
・コンプレッションモールド成型温度:140℃
・コンプレッションモールド圧力:2.5MPa
・コンプレッションモールド時間:10分
作製した封止体を以下の条件で硬化し、硬化体を作製した。
・オーブン:エスペック株式会社製の商品名SAFETY OVEN SPH−201
・オーブン温度:140℃
・時間:120分
作製した硬化体の反り量を、以下の装置を用いて測定した。
・反り測定ステージ装置名:コムス株式会社製の商品名CP−500
・反り測定レーザー光装置名:株式会社キーエンス製の商品名LK−030
硬化体表面の中心部を0(基準点)として、端部の高さを反り量として測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
○:反り量≦2.0mm
×:反り量>2.0mm
【0096】
(2)封止用フィルムを12インチのシリコンウェハにラミネートし、硬化させた際の硬化物の反り評価方法
封止用フィルムとしては、厚み200μmであるフィルムを用いた。以下の手順で、封止用フィルムを用いて、厚さが800μmであり、12インチサイズのシリコンウェハにラミネートし、硬化させて封止体を作製した。ラミネートは以下の条件で実施した。
・ラミネーター装置:真空加圧ラミネーター(株式会社名機製作所製の商品名MVLP−500)
・ラミネート温度:90℃
・ラミネート圧力:0.5MPa
・真空引き時間:30秒
・ラミネート時間:40秒
作製した封止体を以下の条件で硬化し、硬化体を作製した。
・オーブン:エスペック株式会社製の商品名SAFETY OVEN SPH−201
・オーブン温度:140℃
・時間:120分
作製した硬化体の反り量を以下の装置を用いて測定した。
・反り測定ステージ装置名:コムス株式会社製の商品名CP−500
・反り測定レーザー光装置名:株式会社キーエンス製の商品名LK−030
ウェハ表面の中心部を0(基準点)として、ウェハ端部の高さを反りとして測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
○:反り量≦2.0mm
×:反り量>2.0mm
【0097】
(3)封止用フィルムを個片化したシリコンウェハにプレス成型で圧着して硬化させた硬化体の反り評価方法
封止用フィルムとしては、厚みが225μmの封止用フィルムを2枚重ね、厚みを450μmとしたフィルムを用いた。封止用フィルムを120mm×10mmのサイズにカットし、120mm×10mmのサイズにカットした厚さ725μmのシリコンウェハ上に載せ、プレス成型で圧着し、封止体を得た。プレス成型は、以下の条件で実施した。
・圧着装置:株式会社マサダ製作所製の商品名MH−50Y
・圧着温度:140℃
・ラミネート圧力:1.0MPa
・圧着時間:20分
作製した封止体を以下の条件で硬化し、硬化体を作製した。
・オーブン:エスペック株式会社製の商品名SAFETY OVEN SPH−201
・オーブン温度:140℃
・時間:120分
作製した硬化体の反り量を、以下の装置を用いて測定した。
・反り測定ステージ装置名:コムス株式会社製の商品名CP−500
・反り測定レーザー光装置名:株式会社キーエンス製の商品名LK−030
個片化したシリコンウェハ表面の中心部を0(基準点)として、端部の高さを反りとして測定し、以下の評価基準に基づいて評価した。
○:反り量≦1.5mm
×:反り量>1.5mm
【0098】
<評価結果>
表2に示す実施例1及び比較例1、2の結果から、エラストマー成分の添加量の増加により、eWLBパッケージで評価した硬化体の反りに関して所望の効果を得られることが分かった。また、実施例2、3及び比較例2の結果から、12インチのシリコンウェハで評価した硬化体の反りに関しても、エラストマーの添加量の増加により所望の効果が得られることが分かった。
【0099】
表3に示す実施例4〜9及び比較例3の結果から、いずれのエラストマー成分を添加した場合でも、硬化体の反りを改善できることが分かる。また、ブタジエンエラストマーと比較して、シリコーンエラストマーの方が、反りの低減に対して効果的であることが分かった。シリコーンエラストマーの中でも、粒径が小さい程、反りの低減に効果があることが分かった。
【0100】
以上の結果から、封止用フィルム中にエラストマー成分を、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の総質量を基準として0.5〜7.0質量%添加することで、硬化体の反り量を抑制できることが分かった。
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】