【実施例】
【0075】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0076】
<ブロック共重合体及び水素添加物>
後述の実施例及び比較例で得られたブロック共重合体又は水素添加物の物性評価方法を示す。
(1)重合体ブロック(A)の含有量
水添前のブロック共重合体をCDCl
3に溶解して
1H−NMR測定[装置:「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)、測定温度:30℃]を行い、スチレンに由来するピーク強度とジエンに由来するピーク強度の比から重合体ブロック(A)の含有量を算出した。
【0077】
(2)重量平均分子量(Mw)
下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により、ブロック共重合体又は水素添加物のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を求めた。
(GPC測定装置及び測定条件)
・装置 :GPC装置「HLC−8020」(東ソー株式会社製)
・分離カラム :東ソ−株式会社製の「TSKgel GMHXL」、「G4000HXL」及び「G5000HXL」を直列に連結した。
・溶離液 :テトラヒドロフラン
・溶離液流量 :0.7mL/min
・サンプル濃度:5mg/10mL
・カラム温度 :40℃
・検出器:示差屈折率(RI)検出器
・検量線:標準ポリスチレンを用いて作成
【0078】
(3)重合体ブロック(B)における水素添加率
1H−NMR測定によって求めた。
・装置:核磁気共鳴装置「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)
・溶媒:CDCl
3【0079】
(4)重合体ブロック(B)におけるビニル結合量
水添前のブロック共重合体をCDCl
3に溶解して
1H−NMR測定[装置:「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)、測定温度:30℃]を行った。イソプレン及び/又はブタジエン由来の構造単位の全ピーク面積と、イソプレン構造単位における3,4−結合単位及び1,2−結合単位、ブタジエン構造単位における1,2−結合単位、又は、イソプレンとブタジエンの混合物に由来する構造単位の場合はそれぞれの前記結合単位に対応するピーク面積の比からビニル結合量(3,4−結合単位と1,2−結合単位の含有量の合計)を算出した。
【0080】
(5)重合体ブロック(B)中の脂環式骨格(X)の含有量
水添前のブロック共重合体600mg及びCr(acac)
3 40mgをCDCl
34mlに溶解して10mmNMRチューブを用いて定量
13C−NMR測定(パルスプログラム:zgig、Inverse gated 1H decoupling法) [装置:「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)、測定温度:30℃]を行い、下記の方法にて重合体ブロック(B)中の脂環式骨格X、X1、及びX2それぞれの含有量を算出した。
なお、表3中、X、X1、及びX2は次の脂環式骨格を示す。
X:以下(i)〜(vi)の置換基の組み合わせを有する脂環式骨格
X1:以下(i),(iv)の置換基の組み合わせを有する脂環式骨格
X2:以下(ii),(iii),(v),(iv)の置換基の組み合わせを有する脂環式骨格
(i) :R
1=水素原子、R
2=水素原子、R
3=水素原子;(1,2Bd+Bd)
(ii) :R
1=水素原子、R
2=メチル基、R
3=水素原子;(1,2Bd+1,2Ip)
(iii) :R
1=水素原子、R
2=水素原子、R
3=メチル基;(1,2Bd+3,4Ip)
(iv) :R
1=メチル基、R
2=水素原子、R
3=水素原子;(1,2Ip+Bd)
(v) :R
1=メチル基、R
2=メチル基、R
3=水素原子;(1,2Ip+1,2Ip)
(vi) :R
1=メチル基、R
2=水素原子、R
3=メチル基;(1,2Ip+3,4Ip)
【0081】
〔算出方法〕
各ピークと由来する構造を表1−1に示す。それぞれのピークの積分値をa〜gとすると、各構造の積分値は表1−2のようになり、X,X1,X2の含有量はそれぞれ、(a+g−c)/(a+b+c−d+e/2+2f), (g−c)/(a+b+c−d+e/2+2f), a/(a+b+c−d+e/2+2f)で算出できる。
【0082】
【表1】
【0083】
(6)
13C−NMRのピーク面積比
(6−1)ブロック共重合体(未水添)
実施例9〜11及び比較例1のブロック共重合体について、上記定量
13C−NMR測定[装置:「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)、測定温度:30℃、溶媒:CDCl
3]を行いピーク面積比[ケミカルシフト値107〜110ppmのピーク面積]/[ケミカルシフト値110〜116ppmのピーク面積]を算出した。
(6−2)水素添加物(水添後)
実施例1〜8及び比較例2,3の水素添加物について、上記定量
13C−NMR測定[装置:「ADVANCE 400 Nano bay」(Bruker社製)、測定温度:30℃、溶媒:CDCl
3]を行いピーク面積比[ケミカルシフト値50.0〜52.0ppmのピーク面積]/[ケミカルシフト値43.0〜45.0ppmのピーク面積]を算出した。
なお、表3中の実施例4、5及び7において本測定結果が「0」とあるが、[ケミカルシフト値50.0〜52.0ppmのピーク面積]が小さすぎて観測不可能であったことを意味し、脂環式骨格(X)を有しないことを意味するものではない。
【0084】
(7)tanδのピークトップ温度、ピークトップ強度、tanδが1.0以上となる温度領域の最大幅、20℃及び30℃でのtanδ強度
以下の測定のため、ブロック共重合体又は水素添加物を、温度230℃、圧力10MPaで3分間加圧することで、厚み1.0mmの単層シートを作製した。該単層シートを円板形状に切り出し、これを試験シートとした。
測定には、JIS K7244−10(2005年)に基づいて、平行平板振動レオメータとして、円板の直径が8mmのゆがみ制御型動的粘弾性装置「ARES−G2」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いた。
上記試験シートによって2枚の平板間の隙間を完全に充填し、歪み量0.1%で、上記試験シートに1Hzの周波数で振動を与え、−70℃から100℃まで3℃/分の定速で昇温した。せん断損失弾性率及びせん断貯蔵弾性率の測定値に変化がなくなるまで、上記試験シートと円板の温度を保持し、tanδのピーク強度の最大値(ピークトップ強度)及び該最大値が得られた温度(ピークトップ温度)を求めた。また、tanδが1.0以上となる温度領域の最大幅、20℃及び30℃でのtanδ強度を求めた。該値が大きいほど、制振性に優れることを示す。
なお、比較例2において、tanδが1.0以上となる温度領域が存在しなかったため、該温度領域の最大幅を「0」と表記した。
【0085】
[実施例1]
水素添加物(H−TPE−1)の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン50kg、アニオン重合開始剤として濃度10.5質量%のsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液87g(sec−ブチルリチウムの実質的な添加量:9.1g)を仕込んだ。
耐圧容器内を50℃に昇温した後、スチレン(1)1.0kgを加えて1時間重合させ、容器内温度50℃で、ルイス塩基として2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(DTHFP)63gを加え、イソプレン8.16kg及びブタジエン6.48kgの混合液を表2に示す平均ジエンフィード速度で、5時間かけて加えた後2時間重合させ、さらにスチレン(2)1.0kgを加えて1時間重合させることにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応液を得た。
該反応液に、オクチル酸ニッケル及びトリメチルアルミニウムから形成されるチーグラー系水素添加触媒を水素雰囲気下で添加し、水素圧力1MPa、80℃の条件で5時間反応させた。該反応液を放冷及び放圧させた後、水洗により上記触媒を除去し、真空乾燥させることにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体の水素添加物(以下、H−TPE−1と称することがある)を得た。
各原料及びその使用量について表2に示した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0086】
[実施例2〜8]
水素添加物(H−TPE−2)〜(H−TPE−8)の製造
各成分及びそれらの使用量、並びに反応条件を表2に記載のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、水素添加物(H−TPE−2)〜(H−TPE−8)を製造した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0087】
[実施例9]
ブロック共重合体(TPE−9)の製造
窒素置換し、乾燥させた耐圧容器に、溶媒としてシクロヘキサン50kg、アニオン重合開始剤として濃度10.5質量%のsec−ブチルリチウムのシクロヘキサン溶液87g(sec−ブチルリチウムの実質的な添加量:9.1g)を仕込んだ。
耐圧容器内を50℃に昇温した後、スチレン(1)1.0kgを加えて1時間重合させ、容器内温度を60℃に昇温した後、ルイス塩基として2,2−ジ(2−テトラヒドロフリル)プロパン(DTHFP)63gを加え、イソプレン8.16kg及びブタジエン6.48kgの混合液を表2に示す平均ジエンフィード速度で、5時間かけて加えた後2時間重合させ、さらにスチレン(2)1.0kgを加えて1時間重合させることにより、ポリスチレン−ポリ(イソプレン/ブタジエン)−ポリスチレントリブロック共重合体を含む反応液を得た。
得られた反応混合液に、メタノール200mLを加えることによって重合反応を停止させた。得られた混合液を水洗し、次いで大量のメタノール中に再沈させることによって、スチレン−(イソプレン/ブタジエン)−スチレントリブロック共重合体(以下、TPE−9と称することがある)を得た。
各原料及びその使用量について表2に示した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0088】
[実施例10及び11]
ブロック共重合体(TPE−10)及び(TPE−11)の製造
各成分及びそれらの使用量、並びに反応条件を表2に記載のとおりに変更したこと以外は実施例9と同様にして、ブロック共重合体TPE−10及びTPE−11を製造した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0089】
[比較例1]
ブロック共重合体(TPE−1’)の製造
各成分及びそれらの使用量、並びに反応条件を表2に記載のとおりに変更したこと以外は実施例9と同様にして、ブロック共重合体TPE−1’を製造した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0090】
[比較例2及び比較例3]
水素添加物(H−TPE−2’)及び(H−TPE−3’)の製造
各成分及びそれらの使用量、並びに反応条件を表2に記載のとおりに変更したこと以外は実施例1と同様にして、水素添加物(H−TPE−2’)及び(H−TPE−3’)を製造した。また、前記物性評価の結果を表3に示した。
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
実施例のブロック共重合体及びその水素添加物は、tanδのピークトップ強度が1.0以上を示し、また広い温度領域においてtanδのピークトップ温度が示されるため、制振材料として幅広い用途に好適であるといえる。特に、比較例1〜3と比較すると、実施例1〜8では20℃及び30℃のtanδ強度が比較的高く、室温付近での制振性に優れることが分かる。
また実施例から、共役ジエン化合物として、ブタジエン単独、イソプレン単独、又はブタジエンとイソプレンとの混合のいずれを用いても、ブロック共重合体又はその水素添加物の主鎖に脂環式骨格を有することにより、優れた制振性を示すことができることが分かる。さらに、実施例ではtanδが1.0以上となる一連の温度領域の最大幅が広く、幅広い温度領域において制振性に優れているといえる。
一方、比較例2の水添ブロック共重合体は、tanδのピークトップ強度が1.0未満であるが、これは主鎖に脂環式骨格を有しておらず、かつビニル結合量が比較的低いことが原因の一つと考えられる。
【0094】
<樹脂組成物>
後述の実施例及び比較例で得られた樹脂組成物の物性評価方法を示す。
(損失係数)
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、射出成型機(「EC75SX」、東芝機械株式会社製)により射出成型して、縦200mm×横40mm×厚み2mmのシートを作製した。このシートを長さ200mm×幅10mm×厚み2mmに切り抜いてサンプルとした。
次に、損失係数計測システム(ブリュエルケアー社製 複素弾性係数計測装置ME3930;電磁加振器MM0002;インピーダンスボックスMH9123−D)に上記サンプルをセットした。具体的には、上記複素弾性係数計測装置の上部にサンプルの片末端を固定した。そして、周波数0〜8,000Hzの範囲で、サンプルの逆の末端に振動を与えることにより、片持ち梁法による、サンプルのダンピング試験を行い、上記末端部における加振力と加速度波形を表す加速度信号とを検出した。各サンプルについて、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
得られた加振力と、加速度信号を積分して得られた速度信号に基づいて、加振点(振動を加えたサンプルの中央部)の機械インピーダンスを求めた。そして、横軸を周波数、縦軸を上記機械インピーダンスとして得られるインピーダンス曲線を作成し、低周波数側から数えて二つ目のピーク(2nd mode)の半値全幅から、サンプルの、それぞれの温度での損失係数を求めた。
なお、損失係数の値が大きいほど制振効果が高い。
【0095】
[実施例12〜22]及び[比較例4〜6]
二軸押出機(Coperion社製「ZSK26Mc」)を用い、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数300rpmの条件下で、表4に示す配合にしたがい、前記実施例及び比較例で得られたブロック共重合体又は水素添加物(H−TPE−1〜H−TPE−8)、(TPE−9〜TPE−11)、(TPE−1’〜H−TPE−3’)及び下記樹脂を供給して溶融混練し、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、前記物性評価を行い、結果を表4に示す。
また表4には、実施例及び比較例で得られた樹脂組成物の損失係数と、参考例1の樹脂単味の損失係数との差(Δ損失係数)を示す。
〈樹脂〉
・ポリプロピレン−1:「プライムポリプロF327」(MFR[230℃、荷重2.16kg(21N)]=7g/10分、株式会社プライムポリマー製)
【0096】
[参考例1]
実施例12〜22及び比較例4〜6で用いたポリプロピレンについて、前記物性評価方法に従い損失係数を測定した。その結果を表4に示す。
【0097】
【表4】
【0098】
実施例12〜22の樹脂組成物の損失係数は、0℃、20℃、及び40℃において、比較例4〜6の損失係数よりも概ね高い数値が得られており、本発明の樹脂組成物は良好な制振性を示すことが分かる。特に、20℃及び40℃において、実施例全般の損失係数は、ポリプロピレン単味よりもΔ損失係数が0.020以上高い結果が得られており、本発明の樹脂組成物は20℃及び40℃周辺において制振性に優れる傾向にあるといえる。
【0099】
[実施例23〜26]、[比較例7]及び[参考例2]
表5に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、参考のために、ポリピロピレン−2のみの場合の測定データも参考例2として示している。
(樹脂)
・ポリピロピレン−2:「Hypro−G PP−HP12」(ホモポリプロピレン、MFR[230℃、荷重2.16kg(21N)カタログ値]=12g/10分、Entec Polymers社製)
【0100】
<樹脂組成物の物性>
(tanδ(引張、10Hz))
JIS K 7244−4(1999年)に従って、測定を行った。具体的には、得られた樹脂組成物を、射出成型機(「EC75SX」、東芝機械株式会社製)により射出成型して、縦50mm×横30mm×厚み1mmのシートを作製した。このシートを長さ30mm×幅5mm×厚1mmに切り抜いてサンプルとし、日立ハイテクサイエンス社製動的粘弾性測定装置を用いて、測定温度−80℃〜100℃、周波数10Hzの条件で、測定することにより0℃、20℃、40℃におけるtanδ強度を測定した。
(引張特性)
JIS K 7161(2014年)に従って、測定を行った。具体的には、得られた樹脂組成物を射出成型してJIS多目的試験片A1を作製し、インストロン社製万能材料試験機5566型を用いて測定することにより、引張強度[MPa]、引張破断伸び[%]及び引張弾性率[MPa]を測定した。
(硬度(Shore A))
得られた樹脂組成物を用いて、30mm×25mm×厚さ5mmのサイズの硬度測定用試験片を作製し、JIS K 6253(2012年)に準じて、デュロメータ硬度計タイプA GS−619R−G(株式会社テクロック製)を用いてデュロメータ硬さ試験を行い、ショアA硬度を測定した。
(MFR(230℃、2.16kg))
JIS K 7210(2014年)に準拠して測定した。
【0101】
【表5】
【0102】
表5に示すように、実施例23〜26の樹脂組成物は、比較例7の樹脂組成物や、参考例2に比べて、引張破断伸び、引張弾性率、硬度が高く、また、比較例7の樹脂組成物に比べて、引張強度及びMFRの値が大きい。また、実施例23〜26の樹脂組成物は、力学物性に優れていることに加えて、比較例7の樹脂組成物や参考例2に比べて、0℃〜40℃の温度範囲においてtanδの値が大きく、低温から比較的高温までの広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。
【0103】
[実施例27〜31]及び[比較例8]
表6に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物(粘接着材)を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。
(粘着付与樹脂)
「アルコンP−125」、荒川化学工業株式会社製
(可塑剤)
「ダイアナプロセスオイルPW−32」、水添パラフィン系オイル、40℃における動粘度:31mm
2/s、出光興産株式会社製
【0104】
(tanδ(せん断、1Hz))
JIS K7244−10(2005年)に従って、測定を行った。具体的には、得られた樹脂組成物を、射出成型機(「EC75SX」、東芝機械株式会社製)により射出成型して、縦50mm×横30mm×厚み1mmのシートを作製した。このシートを直径8mmの円板形状に切り出したものをサンプルとし、ゆがみ制御型動的粘弾性装置「ARES−G2」(TAインスツルメント社製)を使用し、直径8mmの平面プレートに前記サンプルを挟み、歪み量0.1%、周波数1Hzで振動を与え、−70℃から100℃まで3℃/分で昇温して測定することにより0、20、40℃におけるtanδ強度を測定した。
(40℃剥離強度)
長さ75mm×幅25mm×厚さ1mmのSUS板と得られた樹脂組成物のシートと、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシートをこの順で重ね、外寸200mm×200mm、内寸150mm×150mm、厚さ2mmの金属製スペーサーの中央部に配置した。この重ねたシートと金属製スペーサーをポリテトラフルオロエチレン製シートで挟み、さらに外側から金属板で挟み、圧縮成型機を用いて、160℃の温度条件化、荷重20kgf/cm
2で3分間圧縮成型することで、PET/上記得られた樹脂組成物/SUS板からなる積層体を得た。
上記積層体について、インストロン社製「インストロン5566」を使用して、JIS K 6854−2(1999年)に準じて、接触角度180°、引張速度100mm/minの条件で40℃での剥離接着強さ試験を行い、接着強さ(剥離強度)を測定した。
【0105】
【表6】
【0106】
表6から、実施例27〜31の樹脂組成物は比較例8の樹脂組成物よりも、0℃〜40℃で高いtanδを示し、また40℃での剥離強度に優れる。よって、実施例27〜31の樹脂組成物は、幅広い温度範囲において制振性を備える粘接着剤として好適に使用できる。
【0107】
[実施例32〜37]及び[比較例9]
表7に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物(オイルゲル)を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。
(可塑剤)
「ダイアナプロセスオイルPW−32」、水添パラフィン系オイル、40℃における動粘度:31mm
2/s、出光興産株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(tanδ(せん断、1Hz))
表6に示した「tanδ(せん断、1Hz)」と同様の方法で測定した。
【0108】
【表7】
【0109】
表7から、実施例32〜37の樹脂組成物は比較例9の樹脂組成物よりも、室温領域を含む0℃〜40℃でのtanδが高いため、制振性及び衝撃吸収性に優れていることがわかる。よって、実施例32〜37の樹脂組成物は靴底のクッション材等に適していることがわかる。
【0110】
[実施例38〜43]、[比較例10]及び[参考例3]
表8に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物(ガラス繊維強化ポリプロピレン組成物)を得た。なお、ガラス繊維は押出機中途からサイドフィードした。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ポリプロピレン−3、ポリプロピレン−4及びガラス繊維のみからなる樹脂組成物の測定値も参考例3として示している。
(樹脂)
・ポリピロピレン−3:「プライムポリプロJ705UG」、ブロックポリプロピレン、株式会社プライムポリマー製
・ポリピロピレン−4:「アドマーQE840」、三井化学株式会社製
(ガラス繊維)
「T−480」、チョップドストランド、日本電気硝子株式会社製
【0111】
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
得られた樹脂組成物を、射出成型機(「EC75SX」、東芝機械株式会社製)により射出成型して、縦200mm×横40mm×厚み2mmのシートを作製した。このシートを長さ200mm×幅10mm×厚み2mmに切り抜き、中央部にα-シアノアクリレートを主成分とする接着剤を用いてコンタクトチップを接着することでサンプルとした。
次に、損失係数計測システム(ブリュエルケアー社製 加振器4809型;インピーダンスヘッド80001型)に上記サンプルをセットした。
インピーダンスヘッドに内蔵された加振力検出器の先端部に、上記サンプルの中央部に接着したコンタクトチップを取り付けた。周波数0〜8,000Hzの範囲で前記積層体の中央部に振動を与え、この点の加振力と加速度波形を検出することで、中央加振法によるダンピング試験を行い、上記中央部における加振力と加速度波形を表す加速度信号とを検出した。各サンプルについて、温度0℃、20℃、40℃、60℃、80℃、100℃で測定を行なった。
得られた加振力と、加速度信号を積分して得られた速度信号に基づいて、加振点(振動を加えたサンプルの中央部)の機械インピーダンスを求めた。そして、横軸を周波数、縦軸を上記機械インピーダンスとして得られるインピーダンス曲線を作成し、低周波数側から数えて二つ目のピーク(2nd mode)の半値全幅から、サンプルの、それぞれの温度での損失係数を求めた。
なお、損失係数の値が大きいほど制振効果が高い。
【0112】
(引張特性)
表5に示した引張特性の測定方法と同様の方法で、引張強度[MPa]、引張破断伸び[%]を測定した。
(曲げ特性)
得られた樹脂組成物を、射出成型機(「EC75SX」、東芝機械株式会社製)により射出成型してJIS多目的試験片A1を作製し、その中央部(80×10×t4mm)を使用した。JIS K 7171(2016年)に基づき、万能試験機(インストロン社製、5566型)を用いて曲げ強度試験を行い、曲げ強さ[MPa]、曲げ弾性率[MPa]を測定した。
【表8】
【0113】
表8から、実施例38〜43の樹脂組成物は、比較例10の樹脂組成物に比べて、引張強度及び曲げ強さの値が大きい。実施例38〜43の樹脂組成物は、参考例3の樹脂組成物に比べて、引張破断伸びの値が同等か大きい。加えて、実施例38〜43の樹脂組成物は、40℃〜100℃の幅広い温度範囲における損失係数の値が大きく、広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。特に、実施例38及び41の樹脂組成物は、比較例10や参考例3の樹脂組成物に比べて、0℃及び20℃においても損失係数の値が大きく、低温でも高い制振性を示すことがわかる。
【0114】
[実施例44〜47]、[比較例11]及び[参考例4]
表9に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ポリエチレンのみの場合の測定値も参考例4として示している。
(樹脂)
・ポリエチレン:「Hypel PEHD 8」(高密度ポリエチレン、MFR[190℃、荷重2.16kg(21N)カタログ値]6.6/10分、Entec Polymers社製)
【0115】
<樹脂組成物の物性>
(tanδ(引張、10Hz))
表5に示した「tanδ(引張、10Hz)」と同様の方法で測定した。
(引張特性)
表5に示した引張特性の測定方法と同様の方法で、引張強度[MPa]、引張破断伸び[%]を測定した。
(硬度(Shore A))
表5に示した「硬度(Shore A)」と同様の方法で測定した。
(MFR(190℃、2.16kg))
JIS K 7210(2014年)に準拠して測定した。
【0116】
【表9】
【0117】
表9から、実施例44〜47の樹脂組成物は、比較例11の樹脂組成物や、参考例4に比べて、引張強度及び引張破断伸びが大きく、硬度が同等か大きい。また、実施例44〜47の樹脂組成物は、比較例11の樹脂組成物に比べて、MFRの値が大きい。加えて、実施例44〜47の樹脂組成物は、0℃〜40℃の温度範囲において、比較例11や参考例4に比べてtanδの値が大きく、低温から比較的高温までの幅広い温度領域で高い制振性を示すことがわかる。
【0118】
[実施例48〜52]、[比較例12]及び[参考例5]
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、前述で得られた水素添加物、充填剤1及び2、並びに可塑剤を表10に示す配合組成の割合で、ニーダーを用いて、温度120℃で溶融混合してマスターバッチを得た。
次いで、得られたマスターバッチに、表10に示す配合組成の割合で、架橋剤及び発泡剤を加え、ロール温度110℃でロール混練して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、厚さ10mmの金型を用いて164℃で15分間プレス処理して発泡成形体を得た。
得られた樹脂組成物(発泡成形体)について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、水素添加物及びEVAを含まない場合の測定値も参考例5として示している。
【0119】
(樹脂)
・エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM):「エスプレン501A」、住友化学株式会社製
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA):「ウルトラセン640」、東ソー株式会社製
(架橋剤)
・パーオキサイド系架橋剤(「パーカドックス14/40」、化薬アクゾ株式会社製)〔ビス(t−ブチルジオキシイソプロピル)ベンゼン(40質量%)、炭酸カルシウム(55.3質量%)、無晶シリカ希釈品(4.7質量%)からなる混合物〕
(発泡剤)
・アゾジカルボンアミド系複合発泡剤(「セルマイクCAP−500」、三協化成株式会社製)(分解温度155℃、ガス量:160mL/g)
(充填剤)
・充填剤1:炭酸カルシウム
・充填剤2:カーボンブラック
(可塑剤)
・「ダイアナプロセスオイルPW−380」、パラフィン系オイル、40℃における動粘度:381.6mm
2/s、出光興産株式会社製
【0120】
<樹脂組成物の物性>
(tanδ(引張、10Hz))
表5に示した「tanδ(引張、10Hz)」と同様の方法で測定した。
【0121】
【表10】
【0122】
表10から、実施例48〜52の樹脂組成物は、比較例12の樹脂組成物や、参考例5の樹脂組成物に比べて、0℃〜40℃の温度範囲においてtanδの値が大きく、低温から比較的高温までの広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。
【0123】
[実施例53〜56]、[比較例13]及び[参考例6]
表11に示す配合に従い、シリンダー温度を230℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、TPVのみの場合の測定値も参考例6として示している。
(樹脂)
・オレフィン系動的架橋熱可塑性エラストマー(TPV):「サントプレン201−55」、エクソンモービル社製
【0124】
<樹脂組成物の物性>
(tanδ(引張、10Hz))
表5に示した「tanδ(引張、10Hz)」と同様の方法で測定した。
(引張特性)
表5に示した引張特性の測定方法と同様の方法で、引張強度[MPa]、引張破断伸び[%]を測定した。
(硬度(Shore A))
表5に示した「硬度(Shore A)」と同様の方法で測定した。
(MFR(230℃、2.16kg))
JIS K 7210(2014年)に準拠して測定した。
【0125】
【表11】
【0126】
表11から、実施例53〜56の樹脂組成物は、比較例13の樹脂組成物に比べて、引張強度の値が大きい。また、実施例53〜56の樹脂組成物は、比較例13の樹脂組成物及び参考例6に比べて、引張破断伸び及びMFRの値が大きい。加えて、実施例53〜56の樹脂組成物は、比較例13や参考例6に比べて0℃〜40℃の温度範囲においてtanδの値が大きく、低温から比較的高温までの幅広い温度領域で高い制振性を示すことがわかる。
【0127】
[実施例57〜60]、[比較例14]及び[参考例7]
表12に示す配合に従い、シリンダー温度を230℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ABSのみの場合の測定値も参考例7として示している。
(樹脂)
・アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS):「テクノABS110N」、テクノUMG株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
【0128】
【表12】
【0129】
表12から、実施例57〜60の樹脂組成物は、比較例14の樹脂組成物や、参考例7に比べて、0℃〜40℃の温度範囲において、損失係数の値が比べて大きく、低温から比較的高温までの幅広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。
【0130】
[実施例61〜64]、[比較例15]及び[参考例8]
表13に示す配合に従い、シリンダー温度を250℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ナイロン6のみの場合の測定値も参考例8として示している。
(樹脂)
・ナイロン6:「UBEナイロン1013B」、宇部興産株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
【0131】
【表13】
【0132】
表13から、実施例61〜64の樹脂組成物は、比較例15の樹脂組成物や、参考例8に比べて、0℃〜40℃の温度範囲における損失係数の値が大きく、低温から比較的高温までの広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。
【0133】
[実施例65〜68]、[比較例16]及び[参考例9]
表14に示す配合に従い、シリンダー温度を270℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、PBTのみの場合の測定値も参考例9として示している。
(樹脂)
・ポリブチレンテレフタレート(PBT):「トレコン1401X31」、東レ株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
【0134】
【表14】
【0135】
表14に示すように実施例65〜68の樹脂組成物は、比較例16の樹脂組成物や、参考例9に比べて、20℃〜40℃の温度範囲における損失係数の値が大きく、実使用に適した温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。特に、実施例65及び67の樹脂組成物は、比較例16の樹脂組成物や参考例9に比べて、0℃においても損失係数の値が大きく、低温でも高い制振性を示すことがわかる。
【0136】
[実施例69〜72]、[比較例17]及び[参考例10]
表15に示す配合に従い、シリンダー温度を280℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ポリカーボネートのみの場合の測定値も参考例10として示している。
(樹脂)
・ポリカーボネート:「ユーピロンS−3000」、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
【0137】
【表15】
【0138】
表15から、実施例69〜72の樹脂組成物は、比較例17の樹脂組成物や、参考例10に比べて、0℃〜40℃の温度範囲における損失係数の値が同等か大きく、低温から比較的高温までの広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。
【0139】
[実施例73〜76]、[比較例18]及び[参考例11]
表16に示す配合に従い、実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、POMのみの場合の測定値も参考例11として示している。
(樹脂)
・ポリアセタール(POM):「ジュラコンM90−44」、ポリプラスチック株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した「損失係数」と同様の方法で測定した。
【0140】
【表16】
【0141】
表16に示すように、実施例73〜76の樹脂組成物は、比較例18の樹脂組成物や、参考例11に比べて、20℃〜100℃の温度範囲において、損失係数の値が同等か大きく、幅広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。特に、実施例73及び75の樹脂組成物は、比較例18の樹脂組成物や参考例11に比べて、0℃においても損失係数の値が大きく、低温でも高い制振性を示すことがわかる。
【0142】
[実施例77〜80]、[比較例19]及び[参考例12]
表17に示す配合に従い、シリンダー温度を250℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、PPE及びポリスチレンのみを用いて作製した樹脂組成物の測定値も参考例12として示している。
(樹脂)
・ポリフェニレンエーテル(PPE):「NORYL640」、SABICイノベーションプラスチックス社製
・ポリスチレン:「トーヨースチロールG210C」、東洋スチレン株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した「損失係数」と同様の方法で測定した。
【0143】
【表17】
【0144】
表17から、実施例77〜80の樹脂組成物は、比較例19の樹脂組成物や、参考例12の樹脂組成物に比べて、20℃〜100℃の温度範囲における損失係数の値が大きく、幅広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。特に、実施例77及び79の樹脂組成物は、比較例19の樹脂組成物や参考例12に比べて、0℃においても損失係数の値が大きく、低温でも高い制振性を示すことがわかる。
【0145】
[実施例81〜84]、[比較例20]及び[参考例13]
表18に示す配合に従い、シリンダー温度を270℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、ナイロン6、PPE及び無水マレイン酸のみを用いて作製した樹脂組成物の測定値も参考例13として示している。
(樹脂)
・ナイロン6:「UBEナイロン1013B」、宇部興産株式会社製
・ポリフェニレンエーテル(PPE):「NORYL640」、SABICイノベーションプラスチックス社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃で測定を行なった。
【0146】
【表18】
【0147】
表18から、実施例81〜84の樹脂組成物は、比較例20の樹脂組成物や、参考例13の樹脂組成物に比べて、20℃〜40℃の温度範囲における損失係数の値が大きく、実使用に適した温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。特に、実施例81及び83の樹脂組成物は、比較例20や参考例13に比べて、0℃においても損失係数の値が大きく、低温でも高い制振性を示すことがわかる。
【0148】
[実施例85〜89]、[比較例21]及び[参考例14]
表19に示す配合に従い、シリンダー温度を300℃に変更したこと以外は実施例12と同様の方法により樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、後述の測定方法に従って物性評価を行った。なお、表には参考のため、PPSのみの場合の測定値も参考例14として示している。
(樹脂)
・ポリフェニレンサルファイド(PPS):「トレリナA900」、東レ株式会社製
<樹脂組成物の物性>
(損失係数)
表8に示した損失係数の測定方法と同様の方法で、温度0℃、20℃、40℃、60℃で測定を行なった。
【0149】
【表19】
【0150】
表19に示すように、実施例85〜89の樹脂組成物は、比較例21の樹脂組成物や、参考例14に比べて、0℃〜60℃の温度範囲における損失係数の値が大きく、低温から高温までの幅広い温度範囲で高い制振性を示すことがわかる。