特許第6751510号(P6751510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6751510
(24)【登録日】2020年8月19日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】鋳造羽根車およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20200831BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20200831BHJP
   F01D 5/04 20060101ALI20200831BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20200831BHJP
   B22D 25/02 20060101ALI20200831BHJP
   B22D 5/00 20060101ALI20200831BHJP
   B22D 27/04 20060101ALI20200831BHJP
   B22D 21/00 20060101ALN20200831BHJP
   C22C 19/05 20060101ALN20200831BHJP
【FI】
   F02B39/00 Q
   F02B39/00 U
   F01D25/00 L
   F01D25/00 X
   F01D5/04
   F02C7/00 C
   F02C7/00 D
   B22D25/02 Z
   B22D5/00 A
   B22D27/04 E
   !B22D21/00 C
   !C22C19/05 C
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-139876(P2016-139876)
(22)【出願日】2016年7月15日
(65)【公開番号】特開2017-31974(P2017-31974A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2019年6月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-149186(P2015-149186)
(32)【優先日】2015年7月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊達 正芳
【審査官】 北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−162041(JP,A)
【文献】 特開2002−283043(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3126582(JP,U)
【文献】 特開2012−025986(JP,A)
【文献】 特開2000−199025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
B22D 5/00
B22D 25/02
B22D 27/04
F01D 5/04
F01D 25/00
F02C 7/00
B22D 21/00
C22C 19/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根を有する羽根部とを含むAlloy713Cからなる鋳造羽根車であって、
前記ハブ・ディスク部の表面においては円相当径で表す平均粒径が0.5mm以上2mm以下の柱状晶が形成され、
前記羽根のブレード面の表面においては、リーディングエッジ面およびフィレット面から前記ハブ軸部に向かって4mm以上の範囲に、チル晶が形成されている、鋳造羽根車。
【請求項2】
前記ハブ・ディスク部の外径が35〜60mmである、請求項1に記載の鋳造羽根車。
【請求項3】
過給機用鋳造羽根車である、請求項1または2に記載の鋳造羽根車。
【請求項4】
ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根を有する羽根部とを含むAlloy713Cからなる鋳造羽根車の製造方法であって、
ロストワックス鋳造法による精密鋳造プロセスを適用し、金属材料の液相線温度をT、固相線温度をTとするとき、前記金属材料を溶融した溶融金属材料をT+100℃〜T+300℃の範囲に保持するプロセスと、鋳型をT−400℃〜T−100℃の範囲に保持するプロセスと、前記温度に保持された溶融金属材料を前記温度に保持された鋳型内に注入するプロセスと、前記溶融金属材料が注入された前記鋳型を100℃/分以上の降温速度で少なくとも1000℃まで冷却するプロセスとを含む、鋳造羽根車の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋳造羽根車およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に自動車産業では、車両の用途、排気量、燃料の種類などを問わず、過給機(ターボチャージャー)の搭載による燃料の燃焼効率向上を図る車両が増えている。一般的な車両用過給機の構成を大別すると、タービン部、コンプレッサ部、およびベアリング部となる。タービン部は、高温の燃焼ガス(排気ガス)を受けて高速回転するタービン羽根車を有し、排気ガスの運動エネルギーを回転エネルギーに変換することができる。
【0003】
高温環境下で大きな遠心力が作用するタービン羽根車は、優れた耐熱性と高温強度が要求され、例えば、ニッケル(Ni)が主成分であるAlloy713CなどのNi基超合金、コバルト(Co)が主成分であるCo基超合金、あるいはチタン(Ti)とアルミニウム(Al)が主成分であるTiAl合金などが用いられる(特許文献1、2参照)。こうした優れた耐熱性を有するNi基超合金などは、一般的に低延性で切削加工が難しい。そのため、空力特性が重視された複雑な形状を有するタービン羽根車には、ロストワックス鋳造法などの精密鋳造プロセスによって作製された鋳造羽根車が一般的に使用されている(特許文献2参照)。
【0004】
一般的なロストワックス鋳造法による精密鋳造プロセスは、鋳造パターンの作製、鋳型の作製、Ni基超合金などの金属材料の溶解および鋳造、鋳物の離型および清浄化、検査などのプロセスを含む。例えば、鋳造パターンの作製プロセスでは、消失性材料を用いて鋳物の形状に対応する複数の消失性模型を作製し、同様に消失性材料を用いて作製された湯口や湯道に対して前記消失性模型を接着し、ツリー状の鋳造パターンを作製する。また、鋳型の作製プロセスでは、ツリー状の前記鋳造パターンの表層を被覆するように無機粉末を主体とする耐火物層を形成する作業(コーティング)の後に、その耐火物層内からツリー状の前記鋳造パターンを構成する消失性材料を除去すること(脱ロウ)により、ツリー状の前記鋳造パターンの形状に対応する鋳型を作製する。
【0005】
また、溶解および鋳造のプロセスでは、鋳物の材質に対応するNi基超合金などの金属材料を溶解し、その溶融金属材料を鋳型に注入して凝固させることにより、ツリー状の前記鋳造パターンに対応する鋳物パターンを作製する。かかる溶解および鋳造のプロセスでは、溶融金属材料の凝固により赤熱鋳物が形成され、温度低下による収縮を経て鋳物が形成される。また、鋳物の離型および清浄化のプロセスでは、鋳型を解砕するとともに前記鋳物パターンを解体し、湯道から切断された個々の鋳物をショットブラストなどの処理により清浄化する。また、検査では、個々の鋳物の外観検査や非破壊検査などにより、所定の品質仕様を満たす健全な鋳物を選び出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−131162号公報
【特許文献2】特開2004−340080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した溶解および鋳造のプロセスでは、赤熱鋳物から温度低下による収縮を経て鋳物が形成される。この際、鋳物は線膨張係数がより小さい耐火物層である鋳型により拘束を受けるため、鋳物には応力が作用する。鋳造羽根車に用いられるNi基超合金などは、優れた耐熱性を有するものの延性が低い。そのため、上述した応力に起因して鋳物には大小の割れや亀裂(以下、まとめて「割れ」という。)が発生しやすい。鋳造羽根車では、凝固後の温度低下により収縮する際、空力学的な曲面を有する羽根において鋳型による拘束応力が作用しやすい。かかる応力の作用により、機械的強さが比較的小さい薄肉の羽根部や羽根の間のハブ面を含む厚肉のハブ・ディスク部では容易に割れが発生する。
【0008】
本発明の目的は、割れのない健全な鋳造羽根車を提供し、溶融金属材料の凝固から冷却の過程で生じる鋳型による拘束に起因する割れや亀裂を抑制することができる鋳造羽根車の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、鋳造羽根車に発生した幾多の割れについて検討し、鋳造羽根車の鋳造組織が割れに特段の影響を及ぼすこと、かつ、溶融金属材料の保持温度や鋳型温度が鋳造組織に特段の影響を及ぼすことを見出し、本発明に想到した。
【0010】
すなわち、本発明の鋳造羽根車は、ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根を有する羽根部とを含むAlloy713Cからなる鋳造羽根車であって、前記ハブ・ディスク部の表面においては円相当径で表す平均粒径が0.5mm以上2mm以下の柱状晶が形成され、前記羽根のブレード面の表面においては、リーディングエッジ面およびフィレット面から前記ハブ軸部に向かって4mm以上の範囲に、チル晶が形成されている。
前記ハブ・ディスク部の外径は35〜60mmであることが好ましい。
前記鋳造羽根車は過給機用鋳造羽根車として使用することができる。
【0011】
上述したハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根を有する羽根部とを含む本発明の鋳造羽根車は、溶融金属材料の保持温度、鋳型温度、および溶融金属材料を注入した後の鋳型の降温速度を適切に制御することにより、作製することができる。
【0012】
すなわち、本発明の鋳造羽根車の製造方法は、ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された複数の羽根を有する羽根部とを含むAlloy713Cからなる鋳造羽根車の製造方法であって、ロストワックス鋳造法による精密鋳造プロセスを適用し、金属材料の液相線温度をT、固相線温度をTとするとき、前記金属材料を溶融した溶融金属材料をT+100℃〜T+300℃の範囲に保持するプロセスと、鋳型をT−400℃〜T−100℃の範囲に保持するプロセスと、前記温度に保持された溶融金属材料を前記温度に保持された鋳型内に注入するプロセスと、前記溶融金属材料が注入された前記鋳型を100℃/分以上の降温速度で少なくとも1000℃まで冷却するプロセスとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、割れのない健全な鋳造羽根車を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の鋳造羽根車の構成例を示す図である。
図2】本発明の実施形態である鋳造羽根車の羽根部の一例であって、羽根部の表面に視認される鋳造組織(マクロ組織)を示す図(写真)である。
図3図2に示す鋳造組織を有する鋳造羽根車の模式図である。
図4】本発明例1の鋳造羽根車の一例であって、ハブ・ディスク部の外周が11角の星芒形のような形状(以下、「星形状」という。)であるバックフェイス面の表面に視認される鋳造組織(マクロ組織)の模式図である。
図5】本発明例2の鋳造羽根車の一例であって、図4と同様に示す鋳造組織の模式図である。
図6】本発明例3の鋳造羽根車の一例であって、図4と同様に示す鋳造組織の模式図である。
図7】本発明例4の鋳造羽根車の一例であって、図4と同様に示す鋳造組織の模式図である。
図8】比較例1の鋳造羽根車の一例であって、図4と同様に示す鋳造組織の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
一般的なロストワックス鋳造法により作製された鋳造羽根車の場合、相対的に冷却速度が小さい厚肉のハブ面を含むハブ・ディスク部においては、全体的に柱状晶が形成される傾向がある。また、相対的に冷却速度が大きい薄肉の羽根部においては、羽根のブレード面の先端側にはチル晶が、ハブ軸部側には柱状晶が形成される傾向がある。こうした鋳造羽根車の製造方法に特段の工夫を加え、好適な組織形態を有するに至った鋳造羽根車が、割れのない健全な本発明の鋳造羽根車である。
【0016】
本発明の鋳造羽根車における重要な特徴は、ハブ・ディスク部の表面においては、円相当径で表す平均粒径が2mm以下の柱状晶が形成され、かつ、羽根部のそれぞれの羽根のブレ−ド面の表面においては、リーディングエッジ面およびフィレット面からハブ軸部に向かって4mm以上の範囲にチル晶が形成されていることである。鋳型に注入された溶融金属材料は、鋳型の内壁に接触することで急冷されて多数の結晶核を生成する。結晶核は、急激に凝固すると微細で緻密なチル晶となり、凝固していない内部に向かって成長すると柱状の形態をした柱状晶となる。こうした鋳造組織の形成プロセスは、本発明の鋳造羽根車の製造方法により好適に制御することができる。
【0017】
本発明の鋳造羽根車は、ハブ・ディスク部の表面(特にバックフェイス面)において、円相当径で表す平均粒径(以下、単に「平均粒径」という。)が2mm以下の柱状晶の鋳造組織を視認することができる。こうした鋳造組織をハブ・ディスク部に有する鋳造羽根車は、鋳型による拘束に起因して作用する応力に耐える程度の延性を有することができるため、かかる応力に起因して発生する割れがハブ・ディスク部に発生し難くなる。また、ハブ・ディスク部の表面(特にバックフェイス面)において視認される柱状晶の平均粒径が0.5mm未満であると、鋳造組織の結晶粒径が小さくなってクリープ変形しやすくなる。その結果、延性は向上するものの高温強度が低下するため、例えばタービン用羽根車として使用される場合、高温の例えば800℃を超えるような環境下で、高速の例えば毎分10万〜20万の回転に耐えるだけの羽根車に必要なラプチャー寿命などの機械的特性が得られないこともあり得る。したがって、上記表面に視認される柱状晶の平均粒径は0.5mm以上2mm以下であることが好ましい。なお、ラプチャー寿命の観点からいえば、より好ましくは0mm以上2mm以下である。
【0018】
なお、本発明でいうハブ・ディスク部あるいは羽根のブレード面の表面とは、鋳肌のままでマクロ観察が可能である場合は鋳造羽根車の鋳肌面を意図し、鋳肌のままでマクロ観察が困難である場合は鋳肌をマクロ観察可能な程度に化学的に除去することによって得られた鋳造羽根車の化学的処理面を意図する。
【0019】
また、本発明の鋳造羽根車は、相対的に冷却速度が大きい薄肉の羽根部において、羽根のブレード面の外周辺を構成するリーディングエッジ面およびフィレット面の近傍(以下、「エッジ近傍」という。)に結晶サイズが小さなチル晶を有する。このチル晶の結晶サイズはハブ軸部に向かって徐々に大きくなるが、さらに大きくなると柱状晶へと変化する。こうした鋳造組織を羽根部に有する鋳造羽根車は、機械的強さが比較的小さい薄肉の羽根であっても適度な延性を有することができる。特に、羽根のブレード面の表面において、リーディングエッジ面およびフィレット面からハブ軸部に向かって4mm以上の範囲にチル晶の鋳造組織が視認される鋳造羽根車は、鋳型による拘束に起因して作用する応力に耐える程度の延性を有することができるため、かかる応力に起因する割れが羽根部に発生し難くなる。
【0020】
本発明の鋳造羽根車は、上述したように好適な機械的強さを有するため、高温環境下で大きな遠心力が作用する過給機用鋳造羽根車に使用すると有効である。以下、本発明の鋳造羽根車について、具体的に構成例を挙げて、適宜図面を参照して説明する。
【0021】
本発明の鋳造羽根車の構成例を示す図1において、鋳造羽根車(羽根車1)は、ハブ軸部2と、ハブ軸部2から半径方向に延在するハブ面3を有するハブ・ディスク部4と、ハブ面3に配設された複数の羽根を有する羽根部5とを含む。羽根部5を構成するそれぞれの羽根は、空力学的な曲面であるブレード面6と、ブレード面6の外周辺を構成するトレーリングエッジ面7、フィレット面8、およびリーディングエッジ面9とを有する。また、ハブ・ディスク部4は、それぞれの羽根の間のハブ面3と、底部のバックフェイス面10(図1に示す「10(底部)」)とを有する。なお、ハブ・ディスク部4の外周形状は、図1に示すような円形状に形成される他、正多角形状や、図4に示すような多角の星形状などに形成されることがある。
【0022】
図1に示す羽根車1は、羽根部5に6枚の羽根を有する。後述する本発明の製造方法を適用して本発明の鋳造羽根車を作製する場合、本発明の効果を容易に奏する好ましい羽根の枚数は6〜12枚の範囲である。同様に、羽根部5に係る構成では、羽根のブレード面のチル晶が形成される範囲の厚さが0.2〜2mmの範囲であることが好ましい。また、羽根のリーディングエッジ面9のハブ面3に連なる最下部から羽根のトレーリングエッジ面7の最上部までハブ軸方向に沿う長さを羽根の高さとするとき、かかる羽根の高さが10〜25mmの範囲であると好ましい。また、ハブ・ディスク部4に係る構成では、外径が35〜60mmであると好ましい。かかる鋳造羽根車に使用可能な金属材料は、例えば、Ni基超合金、Co基超合金、あるいはTiAl合金などが挙げられる。特に、Ni基超合金は多く使用され、例えばAlloy713Cなどは比較的安価で耐熱性に優れるので好ましい。
【0023】
本発明の鋳造羽根車は、ロストワックス鋳造法による精密鋳造プロセスを適用して作製することが好ましい。以下、本発明の鋳造羽根車の製造方法を具体的に説明するにあたり、図1に示す羽根車1の構成を参照する。
【0024】
(鋳造パターン作製プロセス)
鋳造パターンの作製プロセスでは、鋳造羽根車の羽根車形状に対応する羽根車模型、湯口模型、湯道模型などを作製して鋳造パターンを作製する。例えば、作製しようとする羽根車形状に対応するキャビティを備える射出成形用金型を準備し、かかるキャビティに消失性材料を射出して充填し、羽根車形状に対応する消失性の羽根車模型を作製する。同様に、消失性の湯口模型や湯道模型などを準備する。次いで、これら消失性の羽根車模型、湯口模型、湯道模型などをツリー状に組み立てて、ツリー状の消失性の鋳造パターン(以下、「消失性パターン」ということがある。)を作製する。
【0025】
(鋳型作製プロセス)
鋳型の作製プロセスでは、ツリー状の消失性パターンを各種の耐火物粒子や液剤を含むスラリーに浸漬し、かかる消失性パターンの表面上をスラリー層でコーティングし、乾燥前のスラリー層の表面上にスタッコ(スラリーに含まれる耐火物粒子よりも粗い耐火物粒子)を塗布する。こうしたスラリー層のコーティングおよびスタッコの塗布を適切に繰り返すことにより、消失性パターンの表層に、無機物である耐火物粒子を主成分とする耐火物殻を形成する。その後、かかる耐火物殻の内部の消失性材料を例えばオートクレーブ処理により溶融して除去し、ツリー状の消失性パターンの形状に対応するキャビティを有する耐火物殻を得る。さらに、かかる耐火物殻を焼成し、消失性材料などの残留物を除去し、鋳造羽根車を作製するための鋳型を得ることができる。
【0026】
(溶解・鋳造プロセス)
溶解および鋳造のプロセスでは、鋳造羽根車となる例えばAlloy713Cなどの金属材料を、溶解炉や坩堝内で加熱して溶融し、溶融金属材料(以下、「溶湯」という。)を作製する。次いで、溶湯と鋳型を所定の温度に保持するプロセスを経た後に、溶湯を鋳型に注入(以下、「注湯」という。)するプロセスに至る。鋳型内の溶湯は、時間経過とともに凝固して赤熱鋳物となり、鋳型の冷却による温度低下とともに収縮し、ツリー状の鋳造パターンに対応するツリー状の鋳物となる。こうした一連の過程において、液相線温度がTで、固相線温度がTである前記金属材料を溶融して作製した溶湯をT+100℃〜T+300℃の範囲に保持するプロセスと、溶湯を注入する前の鋳型をT−400℃〜T−100℃の範囲に保持するプロセスとを含むことが重要である。
【0027】
溶湯や鋳型を上述した温度の範囲に保持するプロセスは、鋳型内での溶湯の流れ(湯廻り)や凝固に影響を及ぼし、特に薄肉の羽根部5への影響は大きい。
(溶湯温度保持プロセス)
溶湯を所定の温度範囲に保持するプロセスでは、溶湯の保持温度がT+100℃未満であると、鋳型全体の湯廻りが不十分になりやすく、特に薄肉の羽根部では溶湯が充満する前に凝固する不具合(湯廻り不良)が発生しやすい。また、溶湯の温度がT+300℃を超えると、鋳型の内壁と接触した際に溶湯が急冷されても、結晶核が生成されはじめるTとの温度差(過冷度)が過大となり、溶湯の凝固速度が著しく低下する。その結果、薄肉の羽根部5における上述したチル晶の領域が小さくなり、厚肉のハブ・ディスク部4における上述した柱状晶の平均粒径が必要を超えて大きくなりやすい。加えて、高温で保持された溶湯は密度が低く、凝固時の収縮量が大きくなるため、鋳物に空洞が形成される不具合(引け巣欠陥)が発生しやすい。よって、本発明では、各部位の組織形態を目標とする好適な鋳造組織に形成するために、溶湯の温度をT+100℃〜T+300℃の範囲に保持する。
【0028】
(鋳型温度保持プロセス)
鋳型を所定の温度範囲に保持するプロセスでは、鋳型の温度が上述した固相線温度Tに近くなるほど湯廻り不良が抑制されるので好ましい。しかし、鋳型温度が高すぎると溶湯の凝固速度を著しく低下させ、薄肉の羽根部5や厚肉のハブ・ディスク部4の鋳造組織に上述したような影響が及ぶ。よって、本発明では、各部位の組織形態を目標とする好適な鋳造組織に形成するために、鋳型の温度をT−400℃〜T−100℃の範囲に保持する。鋳型の温度がT−400℃未満であると湯廻り不良が発生しやすく、T−100℃を超えると特に薄肉の羽根部5が影響を受けて、チル晶の領域が目標よりも小さくなりやすい。
【0029】
上述した溶湯の温度と鋳型の温度は互いに影響を及ぼし合う。例えば、羽根車の羽根部への湯廻りを確保する観点からいえば、鋳型の温度を高温側のT−300℃〜T−100℃の範囲に設定できると、溶湯の温度を低温側のT+100℃〜T+200℃の範囲に設定することができる。また、溶湯の温度を高温側のT+200℃〜T+300℃の範囲に設定できると、鋳型の温度を低温側の例えばT−400℃〜T−200℃の範囲に設定することができる。
【0030】
(冷却プロセス)
溶湯と鋳型の保持温度が上述した適切な範囲に制御された状態で溶湯を鋳型内に注入するプロセスを実施した後に、溶湯が注入された鋳型を100℃/分以上の降温速度で少なくとも1000℃まで降温する冷却プロセスを経ることもまた重要である。なお、本発明における鋳型の温度は、放射温度計もしくは熱電対により、耐火物で形成された鋳型の無駄な肉盛がない適切な厚さの表面を対象として測定された温度を意図する。溶湯は鋳型に注入された直後から凝固し始める。溶湯の注入に続く冷却プロセスでは、鋳型が100℃/分以上の降温速度で少なくとも1000℃まで冷却される間に、溶湯の凝固が進行して各部位の鋳造組織が形成される。例えば、ハブ・ディスク部4の外径が35〜60mmであるような羽根車1の相対的に冷却速度が大きい薄肉の羽根部5では、本発明の適用により、図2に示すような鋳造組織(マクロ組織)が形成される。また、羽根部5のブレード面6の特に冷却速度が大きいリーディングエッジ面9およびフィレット面8からハブ軸部2に向かって、4mm以上の範囲(図3にWで示す範囲)に、チル晶が形成される。
【0031】
図3において、Wで表す範囲では、チル晶は、リーディングエッジ面9およびフィレット面8の近傍がより小さく形成され(図2に示すチル晶11)、ハブ軸部2に向かうほど大きく形成される(図2に示すチル晶12)。Wで示す範囲を超えてハブ軸部2に近づくと、チル晶よりも結晶サイズの大きな柱状晶に変化する(図2に示す柱状晶13)。本発明の鋳造羽根車は、図3において便宜的に二点鎖線で区分して示すように、羽根のブレード面6の表面において、チル晶11a(図2に示すチル晶11、12)の領域と、柱状晶13の領域とを有する鋳造羽根車となる。
【0032】
また、薄肉の羽根部5よりも凝固が遅れて完了する厚肉のハブ・ディスク部4では、羽根部5に形成されるようなチル晶よりも結晶サイズが大きい柱状晶が形成されやすい。かかる柱状晶は、ハブ面3やバックフェイス面10などの表層において容易に視認できる。
【0033】
ハブ・ディスク部4の外径が例えば35〜60mmであるような羽根車1の相対的に冷却速度が小さい厚肉のハブ・ディスク部4では、本発明の適用により、例えばバックフェイス面10に図4図7に示す模式図のような鋳造組織(マクロ組織)が形成される。また、ハブ・ディスク部4の特にバックフェイス面10(図4図7参照)においては、その表面で視認できる結晶粒径にばらつきがあるが、全体として平均粒径が2mm以下の柱状晶の鋳造組織が形成される。バックフェイス面10で視認できる結晶粒径は柱状晶の成長方向によって大きく変化し、例えば、ハブ軸2に沿う方向に成長した柱状晶の結晶粒径は小さく視認され、バックフェイス面10に沿う方向に成長した柱状晶の結晶粒径は大きく視認される。
【0034】
視認される結晶粒径に影響を及ぼす柱状晶の成長方向は、ハブ面3とハブ・ディスク部4の外周面とバックフェイス面10に囲まれた部分の熱バランスによって決まり、バックフェイス面10で視認される柱状晶の成長方向は、冷却速度の遅速によって大きく変化する。例えば、バックフェイス面10における冷却速度が速くなるほど柱状晶がハブ軸方向に沿うように成長し、視認される結晶粒径が小さい柱状晶がハブ軸部2付近に形成されやすい(例えば図6に示す柱状晶16a)。また、例えば、冷却速度が遅くなるほど柱状晶がバックフェイス面10に沿う方向に成長し、視認される結晶粒径が大きい柱状晶が中央部(ハブ軸部2付近)の周囲部の領域に形成されやすい(例えば図6に示す柱状晶16b)。また、ハブ・ディスク部4の外周面とその近傍の領域が薄肉であると、鋳型の内壁に接して抜熱が速いためチル晶が形成されやすい。
【0035】
羽根部5とハブ・ディスク部4において上述した鋳造組織を有する羽根車1は、鋳型による拘束に起因する応力に耐えることができる程度の延性を有することができ、割れの発生が抑制される。しかし、図3にWで示す羽根のブレード面6の表面に形成されるチル晶の範囲が4mm未満であると、相対的に柱状晶の領域が広がって延性が不足し、羽根部5に割れが発生しやすくなる。また、1000℃までの鋳型の降温速度が100℃/分未満であると、溶湯の冷却速度が小さいことに起因してハブ・ディスク部4に形成される柱状晶の平均粒径が2mmを超えるようになって延性が不足し、ハブ・ディスク部4に割れが発生しやすくなる。上述したチル晶の範囲や柱状晶の平均粒径に起因する鋳造羽根車各部の割れは、ハブ・ディスク部4の外径が35〜60mmの鋳造羽根車に限らず、前記外径が例えば100mm程度の鋳造羽根車にも発生する。
【0036】
鋳物の離型および清浄化のプロセスでは、機械的振動(ノックアウト)装置などを用いて鋳型を解砕し、上述した一連のプロセスを経て作製された複数の鋳造羽根車を含むツリー状の鋳物を取り出すとともに解体する。解体後、湯口や湯道が残っていれば切断し、製品部分(鋳造羽根車)を個別化する。続いて、ショットブラスト処理などにより、製品部分(鋳造羽根車)の表面に付着した鋳型片などの残留物を除去して清浄化する。その後、検査で良品を分別し、ハブ・ディスク部4の表層には円相当径で表す平均粒径が2mm以下の柱状晶が形成され、羽根のブレード面6の表面においてはリーディングエッジ面9およびフィレット面8からハブ軸部2に向かって4mm以上の範囲にチル晶が形成されている、本発明の鋳造羽根車を得ることができる。
【実施例】
【0037】
本発明の鋳造羽根車の製造方法により、表1に示す化学成分を有する金属材料を用いるとともに、溶湯および鋳型の保持温度と、1000℃までの鋳型の降温速度(冷却速度)を表2に示す条件として、表3に示す形状を有する本発明の鋳造羽根車(以下、「羽根車」という)を作製した。作製した羽根車は、ハブ軸部と、該ハブ軸部から半径方向に延在するハブ面を有するハブ・ディスク部と、前記ハブ面に配設された11枚の羽根(図2に示す羽根部)とを含む。かかる羽根部は、羽根のハブ軸方向の長さ(羽根の高さ)が14〜21mmで、トレーリングエッジ面およびフィレット面の平均的な厚さが0.5mmである。また、ハブ・ディスク部は、最外径が37〜52mmで、外周が11角の星形状または円形状のバックフェイス面を有する。なお、表1に示す液相線温度Tおよび固相線温度Tは、材料物性値計算ソフトウェア(Sente Software社製JMatPro)を用いて求めた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
図4図7は、本発明例1〜4の鋳造羽根車の底部のバックフェイス面の鋳造組織の観察像に基づく模式図である。また、図8は、比較例1の鋳造羽根車の同様な模式図である。なお、本発明例1〜4の鋳造羽根車の観察像では、バックフェイス面の最外周を含む領域においてチル晶が視認されるが、本発明例1〜4に対応する図4図7では簡便のために個々の結晶粒の記載を略して空白化している。
【0042】
図4図8(模式図)に示すように、ハブ・ディスク部の鋳造組織は、結晶粒径が異なる多数の柱状晶により構成されていた。そこで本発明では、作製した鋳造羽根車のハブ・ディスク部と羽根部の鋳造組織を、画像解析ソフトウェア(OLYMPUS Stream)を用いて定量化した。具体的には、ハブ・ディスク部のバックフェイス面の表層に視認された鋳造組織を撮像し、その撮像を紙面に印画して視認できる結晶粒界を別の紙面にトレースし、その結晶粒界画像を走査してデジタル化し、そのデジタル化された情報を上記の画像解析ソフトウェアへの入力情報とした。かかる画像解析ソフトウェアでは、入力情報を二値化して解析し、結晶粒の個数と、個々の結晶粒の粒界内部の面積を求めた後に、個々の結晶粒について求めた面積に対応する円相当径を求め、さらに個々の結晶粒の円相当径の平均値を求めた。ハブ・ディスク部のバックフェイス面の表層に視認された柱状晶の領域について、上述したアルゴリズムにより求めた柱状晶の円相当径の平均値を柱状晶の平均粒径(以下、「柱状晶組織の平均粒径」という。)と定義した。また、羽根車の割れや亀裂の有無を、蛍光浸透探傷装置を用いて調べた。
【0043】
また、羽根部の鋳造組織は、図2および図3に示すように、リーディングエッジ面およびフィレット面からハブ軸部に向かうそれぞれの羽根の先端部の範囲がチル晶で構成され、その先端部からさらにハブ軸部に至るそれぞれの羽根の基部の範囲が柱状晶で構成されていた。そこで本発明では、羽根の先端部からハブ軸に向かって形成されているチル晶の組織において、羽根のトレーリングエッジ面7に沿って視認されるチル晶の組織の長さLSi(iは羽根の枚数)を求め、かかるn個のチル晶の組織の長さLSi(i=1〜n)の平均値を、羽根のリーディングエッジ面およびフィレット面からハブ軸部に向かってチル晶が形成されている範囲の長さ(以下、「チル晶組織の長さ」という。)と定義した。表3に示す羽根数が11枚の本発明例1〜4および比較例1の場合、11枚の羽根のそれぞれについてLS〜LS11(n=11)を測定して平均値を求めて、かかる鋳造羽根車のチル晶組織の長さとした(表4参照)。
【0044】
図4に示す本発明例1の星形状の鋳造羽根車では、バックフェイス面10のハブ軸部2を含む中央部の領域にはハブ軸方向に沿うように成長した柱状晶14aが形成され、その柱状晶14a領域の周囲部から最外周部までの領域には、チル晶14cが形成されている。かかるチル晶14cは、溶湯の凝固速度(冷却速度)が特に速いハブ・ディスク部4の薄肉の最外周部からバックフェイス面10に沿うように前記中央部に向かって成長したと考えられる。そのため、前記中央部(柱状晶14a領域)の周囲部の領域においてバックフェイス面10に沿う方向に柱状晶が成長できなかったと考えられる。
【0045】
本発明例1と同じ形状である図5に示す本発明例2の星形状の鋳造羽根車では、バックフェイス面10のハブ軸部2を含む中央部の領域にはハブ軸方向に沿うように成長した柱状晶15aが形成され、その柱状晶15a領域の周囲部にはバックフェイス面10に沿う方向に成長した柱状晶15bが形成され、ハブ・ディスク部4の薄肉の最外周部からバックフェイス面10に沿うように柱状晶15a領域および柱状晶15b領域に向かってチル晶15cが形成されている。上記の柱状晶15bは本発明例1のバックフェイス面10では認められないが、柱状晶15bの形成は本発明例1よりも溶湯の保持温度が60℃高い(表2参照)ことに起因すると考えられる。
【0046】
本発明例1、2とは形状が異なる図6図7に示す本発明例3、4の円形状の鋳造羽根車では、バックフェイス面10を含む中央部の領域にはハブ軸方向に沿うように成長した柱状晶16a、17aが形成され、ハブ・ディスク部4の薄肉の最外周部にはチル晶16c、17cが形成され、柱状晶16a領域とチル晶16c領域あるいは柱状晶17a領域とチル晶17c領域に挟まれた比較的広い領域にはバックフェイス面10に沿う方向に成長した柱状晶16b、17bが形成されている。また、円形状の本発明例3は、本発明例2に比べて溶湯の保持温度が20℃低くハブ・ディスク部4の最外径が5mm小さいが、柱状晶16b領域が比較的広い範囲に形成されている。このことから、円形状のバックフェイス面10は星形状に比べて冷却速度が遅くなると考えられる。
【0047】
本発明例2と同じ形状である図8に示す比較例1の星形状の鋳造羽根車では、バックフェイス面10のハブ軸部2を含む中央部の領域にはハブ軸方向に沿うように成長した柱状晶18aが形成され、その柱状晶18a領域の周囲部にはバックフェイス面10に沿う方向に成長した柱状晶18bが形成され、その柱状晶18b領域はバックフェイス面10の最外周部に至っている。なお、比較例1の鋳造羽根車の実体には、薄肉のリーディングエッジ面9に連なるハブ・ディスク部4の最外周部(図8では鋳造羽根車の輪郭線とほぼ重複する領域)にチル晶が視認される。比較例1における柱状晶18b領域は、溶湯の保持温度が同じ本発明例2よりも広く外周部まで成長しているが、これは鋳型の冷却速度が70℃/分ほど遅いことに起因して凝固の初期にチル晶が形成され難かったと考えられる。
【0048】
表4は、本発明例1〜4と比較例1の観察像から求めた組織形態の特徴と、それぞれの鋳造羽根車を製造した際の割れの発生率をまとめたものである。
【0049】
【表4】
【0050】
表4に示すように、羽根車のハブ・ディスク部(バックフェイス面)の表層に視認された柱状晶組織の平均粒径は、2mmを超えた比較例1よりも、2mm以下だった本発明例1〜4の方が明らかに小さくなっていた。また、羽根車の羽根部におけるチル晶組織の長さは、4mm未満だった比較例1よりも、4mm以上だった本発明例1〜4の方が明らかに大きくなっていた。また、割れや亀裂は、本発明例1〜4では確認されず、比較例1ではハブ・ディスク部や羽根部に確認された。比較例1の場合、手直しによる救済ができない割れであったため、不良品となった。
【0051】
以上より、本発明によれば、溶湯の凝固から冷却の過程で鋳型による拘束に起因する割れや亀裂の発生が抑制され、ハブ・ディスク部および羽根部に好適な鋳造組織が形成され、割れのない健全な鋳造羽根車を得ることができることが確認できた。
【符号の説明】
【0052】
1.羽根車、2.ハブ軸部、3.ハブ面、4.ハブ・ディスク部、5.羽根部、6.ブレード面、7.トレーリングエッジ面、8.フィレット面、9.リーディングエッジ面、10.バックフェイス面、11.チル晶、11a.チル晶、12.チル晶、13.柱状晶、14a.柱状晶、14c.チル晶、15a.柱状晶、15b.柱状晶、15c.チル晶、16a.柱状晶、16b.柱状晶、16c.チル晶、17a.柱状晶、17b.柱状晶、17c.チル晶、18a.柱状晶、18b.柱状晶、W.チル晶の範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8