(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項1〜2の何れか一項に記載の校正方法。
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項8〜9の何れか一項に記載の校正システム。
前記コード密度検出モジュールは、前記複数のデジタルコード群における第2目標群の平均コード密度と第2基準コード密度とを比較して、第2比較結果を出力することに用いられ、
前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1比較結果に基づいて前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する場合、前記第2比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの第2被校正コンデンサユニットの容量値を校正し、
前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも大きい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも小さい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項8〜10の何れか一項に記載の校正システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、関連図面に合わせて本発明の実施例を説明する。図面において、同じ符号で同一又は類似な素子や方法工程を示す。
【0009】
図1は、本発明の一実施例による校正システム100の簡素化された機能ブロック図である。校正システム100は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110と、コード密度算出モジュール120と、コード密度検出モジュール130と、コンデンサ校正モジュール140と、を含む。コード密度算出モジュール120とコンデンサ校正モジュール140が逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に結合され、コード密度検出モジュール130がコード密度算出モジュール120とコンデンサ校正モジュール140との間に結合される。図面を簡単で且つ説明しやすくするために、校正システム100における他の素子及び接続関係を
図1に示していない。
【0010】
逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112と、コンパレータ114と、逐次比較論理回路116と、を含む。コンデンサアレイ112は、コンデンサ校正モジュール140に結合される。コンデンサアレイ112は、M個のコンデンサユニット118−1〜118−Mを含み、コンデンサユニット118−1〜118−Mのそれぞれは異なる容量値を有する。Mは正の整数である。コンデンサユニット118−1〜118−Mは、それぞれ選択的に入力信号Vin、基準電圧Vref又は接地端に結合されてよい。
【0011】
つまり、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、Mビットのアナログデジタルコンバータである。コンデンサアレイ112とコンパレータ114との協同動作によって、入力信号Vinに対してサンプリングと逐次比較を行ってよい。逐次比較論理回路116は、更に、逐次比較の結果に基づいて、入力信号Vinの大きさに対応する出力信号Voutを出力する。
【0012】
本願の明細書及び図面に使用された素子番号及び装置番号におけるインデックス1〜Mは、単に特定な素子及び信号を呼びやすくするためのものであり、意図的に前記素子と信号の数を特定な数に限定するものではない。本願の明細書及び図面において、ある素子番号と装置番号を利用する場合に、前記素子番号と装置番号のインデックスを明確に指さないときには、前記素子番号と装置番号とは、属する素子群と装置群における非特定な任意の素子と装置を指す。例えば、素子番号118−1の指す対象はコンデンサユニット118−1であるが、素子番号118の指す対象はコンデンサユニット118−1〜118−Mの中の非特定な任意のコンデンサユニット118である。
【0013】
注意すべきなのは、出力信号Voutは、複数のデジタルコード(digital code)を含む。例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである幾つかの実施例において、出力信号Voutは、最大2
4個のデジタルコード(例えば、デジタルコード0000〜1111)まで含んでよい。このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットである場合、出力信号Voutは、最大10進の値0〜(2
M−1)に対応する2
M個のバイナリデジタルコードまで含んでよい。
【0014】
コード密度算出モジュール120は、出力信号Voutを受信して、出力信号Voutの複数の特定のデジタルコードのコード密度(code density)を算出することに用いられる。コード密度検出モジュール130は、複数の特定のデジタルコードから1つ又は複数のデジタルコードを選択して目標群とし、且つ目標群の平均コード密度と基準コード密度とを比較して、更に比較結果をコンデンサ校正モジュール140に出力することに用いられる。
【0015】
目標群の平均コード密度と基準コード密度との間に偏差値を有し、且つ偏差値がプリセット偏差値を超えると、コンデンサアレイ112における複数のコンデンサユニット118の容量値と設計期待値との間に誤差があり、又は逐次比較型アナログデジタルコンバータ110における幾つかの素子が作動過程での各種の要因によって特性の変化が発生することを表す。この時、コンデンサ校正モジュール140は、選択された目標群及び対応する偏差値に基づいて、コンデンサアレイ112における対応するコンデンサユニット118を選択して校正を行うことができる。
【0016】
図2(a)〜2(b)は、本発明の一実施例による校正方法200の簡素化されたフローチャートである。校正システム100は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110を校正するように、校正方法200を実行することに用いられてよい。以下、
図1と
図2(a)〜2(b)を合わせて校正システム100の作動形態を更に説明する。
図2(a)〜2(b)に示すフローチャートにおいて、特定装置の属する欄に位置する工程は、前記特定装置で行われる工程を表す。例えば、「逐次比較型アナログデジタルコンバータ」欄に標記された工程は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110で行われる工程を表し、「コード密度検出モジュール」欄に標記された工程は、コード密度検出モジュール130で行われる工程を表す。
【0017】
工程S202において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112によって入力信号Vinを受信する。次に、工程204において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112及びコンパレータ114によって入力信号Vinに逐次比較を行い、更に逐次比較論理回路116によって逐次比較の結果に基づいて出力信号Voutを生成してコード密度算出モジュール120に伝送する。
【0018】
本実施例において、入力信号Vinは、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110のフルスケール範囲(full scale range;FSRと略称)に符合する電圧又は電流信号である。例えば、入力信号Vinは、ランプ(ramp)信号又は正弦波(sine wave)信号であってよい。
【0019】
工程S206において、コード密度算出モジュール120は、受信された出力信号Voutに基づいて、複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれプリセット時間の長さの出力信号Voutでの総出現回数を累計する。
【0020】
例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータであり、且つ入力信号Vinがランプ信号である場合には、出力信号Voutは、
図3に示すようなものであり、且つ出力信号Voutの複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0001〜
1100である。コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第1デジタルコード群(例えば、デジタルコード0001〜0100)のプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、16回)を算出することで、第1累計回数を得ることができる。次に、コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第2デジタルコード群(例えば、デジタルコード0101〜1000)が同様なプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、15回)を算出することで、第2累計回数を得ることができる。また、コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第3デジタルコード群(例えば、デジタルコード1001〜1100)が同様なプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、16回)を算出することで、これにより第3累計回数を得ることができるが、他のものはこのように類推すればよい。各デジタルコード群は、1つ又は複数のデジタルコードを含んでよい。
【0021】
工程S208において、コード密度算出モジュール120は各デジタルコード群の総出現回数に基づいて、各デジタルコード群の平均コード密度を算出する。例えば、前記の第1デジタルコード群の平均コード密度が4であり、第2デジタルコード群の平均コード密度が3.75である。
【0022】
入力信号Vinがランプ信号であると、コード密度算出モジュール120で算出された平均コード密度が
図4(a)に示すように平坦分布を呈する。入力信号Vinが正弦波信号であると、コード密度算出モジュール120で算出された平均コード密度が
図4(b)に示すようにバスタブ(bathtub)分布を呈する。
【0023】
工程S210において、コード密度検出モジュール130は複数のデジタルコード群における1つを選択して目標群(例えば、前記第1デジタルコード群、第2デジタルコード群及び第3デジタルコード群における1つを選択する)とする。また、コード密度検出モジュール130は他のデジタルコード群(例えば、前記第1デジタルコード群、第2デジタルコード群及び第3デジタルコード群の他の両方により)によって、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。
【0024】
具体的には、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の複数のデジタルコードはある数値範囲内に分布する。例えば、
図3に示すように、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである幾つかの実施例において、複数のデジタルコードが0000〜1111の数値範囲内に分布される。このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットのアナログデジタルコンバータである場合には、複数のデジタルコードが10進の値0〜(2
M−1)に対応するバイナリ数値範囲内に分布される。コード密度検出モジュール130は目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。
【0025】
入力信号Vinがランプ信号である実施例において、目標群(例えば、第
2デジタルコード群0101〜1000)が選択された時、コード密度検出モジュール130は目標群の数値範囲での位置に基づいて、目標群に近接する他のデジタルコード群(例えば、第
1デジタルコード群
0001〜0100及び第3デジタルコード群1001〜1100)を選択する。次に、コード密度検出モジュール130は基準コード密度を算出するように選択された他のデジタルコード群の平均コード密度を再び平均させる。そして、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を2で割ってプリセット偏差値を算出する。
【0026】
入力信号Vinが正弦波信号である実施例において、基準コード密度の算出形態は入力信号Vinがランプ信号である実施例と類似で、相違点は、コード密度検出モジュール130が目標群の数値範囲での位置に基づいて、偏差値の算出形態を決定することである。目標群が数値範囲での中間部(例えば、数値範囲0000〜1111において、0101〜1011の範囲)にあると、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を2で割って、プリセット偏差値を得る。一方、目標群が数値範囲の辺縁(例えば、数値範囲0000〜1111において、0001〜0010又は1100〜1111の範囲)にあると、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を三分の二で割って大きいプリセット偏差値を得て、バスタブ分布における両側のコード密度変化程度が大きい状況に応答する。
【0027】
工程S212において、コード密度検出モジュール130は目標群の平均コード密度と基準コード密度とを比較する。目標群の平均コード密度と基準コード密度との間の偏差値の絶対値がプリセット偏差値よりも大きいと、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度に異常が出現すると判断する。目標群の平均コード密度と基準コード密度との間の偏差値の絶対値がプリセット偏差値より大きくないと、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度が正常であると判断する。
【0028】
以下、複数の実施例で前記工程S210〜S212の作動を更に説明する。
図3を参照されたい。一実施例において、複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0000〜1100を含み、目標群がデジタルコード0101〜1000を含み、目標群の平均コード密度が3.75であると仮定する。且つコード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード
0001〜0100及び1001〜1100を含む)によって、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果が以下の表1に示される。
【表1】
【0029】
目標群の平均コード密度(即ち、3.75)と基準コード密度(即ち、3.875)との間の偏差値の絶対値(即ち、0.125)がプリセット偏差値(即ち、
1.9375)よりも大きくないので、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度が正常であると判断する。
【0030】
再び
図3を参照されたい。他の実施例において、複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0000〜1100を含み、目標群がデジタルコード0110のみを含み、目標群の平均コード密度が6である。且つ、コード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード0100〜0101及び0111〜1000を含む)を使用して、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0031】
目標群の平均コード密度(即ち、6)と基準コード密度(即ち、3.25)との間の偏差値の絶対値(即ち、2.75)がプリセット偏差値(即ち、1.625)よりも大きいので、コード密度検出モジュール130は目標群0110のコード密度が異常であると判断する。
【0032】
別の実施例において、複数の特定のデジタルコードはデジタルコード0000〜1100を含み、目標群はデジタルコード1010のみを含むので、目標群の平均コード密度が4である。且つ、コード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード1100〜1011及び1001〜1000を含む)を使用して、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0033】
目標群の平均コード密度(即ち、4)と基準コード密度(即ち、3.75)との間の偏差値の絶対値(即ち、0.25)がプリセット偏差値(即ち、1.875)よりも大きくないので、コード密度検出モジュール130は目標群
1010のコード密度が正常であると判断する。
【0034】
工程S214において、コード密度検出モジュール130は比較結果を含む調整情報をコンデンサ校正モジュール140に出力する。次に、コンデンサ校正モジュール140が工程S216を実行し、これによりコード密度検出モジュール130から受信された調整情報によってコンデンサアレイ112の容量値を調整する必要があるかを判断する。
【0035】
コンデンサ校正モジュール140はコード密度が正常であると表す調整情報を受信した時、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサアレイ112の容量値を調整しない。この時、校正システム100は再度工程S202を実行し、これにより逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の作動過程においてリアルタイムに校正を行う。
【0036】
幾つかの実施例において、校正システム100は複数のデジタルコードのコード密度がすべて正常であると判断する場合には、校正方法200を終了しても良い。
【0037】
一方、コンデンサ校正モジュール140はコード密度の異常を表す調整情報を受信した場合、コンデンサ校正モジュール140は
図2(b)の工程S218を実行し、これにより目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、コンデンサアレイ112からあるコンデンサユニット118を選択して被校正コンデンサユニットとして容量値の校正を行う。以下、コンデンサ校正モジュール140が被校正コンデンサユニットを選択する作動形態を更に説明する。
【0038】
幾つかの実施例において、コンデンサ校正モジュール140には、数値範囲を2の昇順冪乗に基づいて順次等分して複数のバイナリ等分点が得られることが記憶される。例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータであるので、デジタルコードが数値範囲0000〜1111に分布される実施例において、コンデンサ校正モジュール140に数値範囲0000〜1111を2の冪乗〜2の4乗によって等分した後1個の二等分点、3個の四等分点、7個の八等分点及び15個の十六等分点を得ることが記憶される。
【0039】
このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットのアナログデジタルコンバータである場合には、コンデンサ校正モジュール140に数値範囲を2の1乗〜2のM乗によって等分した後得られた複数のバイナリ等分点が記憶される。
【0040】
図1を参照されたい。コンデンサアレイ112のM個のコンデンサユニット118において、コンデンサユニット118−1が最大の容量値を有し、コンデンサユニット118−2が2番目に大きい容量値を有し、コンデンサユニット118−Mが最小の容量値を有し、このように類推すればよい。コンデンサ校正モジュール140は複数のバイナリ等分点から、目標群の数値範囲での位置と最も近いバイナリ等分点を判断し、更に前記最も近いバイナリ等分点によって対応するコンデンサユニット118を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0041】
例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである実施例において、目標群が1000であると、目標群が数値範囲0000〜1111での位置が二等分点に最も近い。このため、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−1を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0042】
更に例えば、同様に逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータの実施例において、目標群が1100であると、目標群が数値範囲0000〜1111での位置が四等分点に最も近い。このため、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−2を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0043】
即ち、目標群の数値範囲での位置は任意の2のX乗等分点に最も近いと、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−Xを被校正コンデンサユニットとして設定する。XはM以下の正の整数である。
【0044】
次に、コンデンサ校正モジュール140は工程S220を実行し、被校正コンデンサユニットの容量値の校正方向を判断する。コンデンサ校正モジュール140は受信された比較結果に基づいて、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きいと判断する場合、コンデンサ校正モジュール140は被校正コンデンサユニットの容量値を減少する必要があると判断する。コンデンサ校正モジュール140は受信された比較結果に基づいて、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さいと判断する場合、コンデンサ校正モジュール140は被校正コンデンサユニットの容量値を増加する必要があると判断する。
【0045】
工程S222において、コンデンサ校正モジュール140は校正命令を逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に伝送し、校正命令は被校正コンデンサユニットの容量値の校正方向を含む。工程S224において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は受信された校正命令によって被校正コンデンサユニットの容量値を校正する。
【0046】
以下、
図5を組み合わせて工程S224における被校正コンデンサユニットの容量値の校正形態を更に説明する。
図5に示すように、コンデンサユニット118−1を例として、コンデンサユニット118−1はメインコンデンサCM、第1サブコンデンサC1、第2サブコンデンサC2、第1単極双投スイッチSW1及び第2単極双投スイッチSW2を含む。メインコンデンサCMが第1ノードN1と第2ノードN2との間に結合される。第1サブコンデンサC1の第1端が第1ノードN1に結合され、第1サブコンデンサC1の第2端が第1単極双投スイッチSW1によって第2ノードN2に結合される。第2サブコンデンサC2の第1端が第1ノードN1に結合され、第2サブコンデンサC2の第2端が第2単極双投スイッチSW2によって接地端に結合される。
【0047】
つまり、メインコンデンサCMが第1サブコンデンサC1に並列して結合されるが、メインコンデンサCMが第2サブコンデンサC2に並列して結合されない。
【0048】
コンデンサユニット118−1は被校正コンデンサユニットとして選択される場合、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さいと、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は工程S224においてコンデンサユニット118−1の容量値を増加する校正命令を受信する。この時、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第2単極双投スイッチSW2によって第2サブコンデンサC2の第2端を接地端への結合から第2ノードN2への結合に切り替える。
【0049】
即ち、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さい場合、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第2サブコンデンサC2をメインコンデンサCMに並列して結合することによって、コンデンサユニット118−1の容量値を増加する。
【0050】
一方、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きいと、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は工程S224においてコンデンサユニット118−1の容量値を減少する校正命令を受信する。この時、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第1単極双投スイッチSW1によって第1サブコンデンサC1の第2端を第2ノードN2への結合から接地端への結合に切り替える。
【0051】
即ち、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きい場合、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第1サブコンデンサC1とメインコンデンサCMとの間の並列接続を切断し、これによりコンデンサユニット118−1の容量値を減少させる。
【0052】
幾つかの実施例において、コンデンサユニット118−1は複数の第1サブコンデンサC1、複数の第2サブコンデンサC2、複数の第1単極双投スイッチSW1及/又は複数の第2単極双投スイッチSW2を含む。各第1サブコンデンサC1は対応的に第1単極双投スイッチSW1によってメインコンデンサCMに並列して結合され、且つ複数の第2サブコンデンサC2はすべてメインコンデンサCMに並列して結合されない。校正システム100は校正方法200を実行する度に、前記の規則によって複数の第1サブコンデンサC1における1つとメインコンデンサCMとの並列接続を切断するか、又は複数の第2サブコンデンサC2における1つをメインコンデンサCMに結合する。このように、校正方法200の校正精度を更に向上させることができる。
【0053】
コンデンサアレイ112の他のコンデンサユニット118に含まれた素子と接続形態、及び適用された容量値校正方法は、すべてコンデンサユニット118−1に類似し、簡単にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0054】
次に、工程S224が終了した後、校正システム100は再び工程S202を実行して逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に対してリアルタイムに校正を行うことができる。
【0055】
ある実施例において、校正システム100は工程S224を実行した後校正方法200の実行を終了する。
【0056】
他の実施例において、校正システム100は工程S210〜S220を複数回実行する。即ち、校正システム100はデジタルコード群から複数の目標群を選択して、複数の目標群のそれぞれの平均コード密度と対応する基準コード密度とを比較して、複数の比較結果を生成する。次に、校正システム100は工程S222を実行して、複数の比較結果に基づいて校正命令を出力する。このように、校正システム100は複数の目標群に対応する複数の被校正コンデンサユニットの容量値を1回校正することができる。
【0057】
例えば、校正システム100はデジタルコード群から第1目標群と第2目標群を選択することができる。次に、第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して、第1比較結果を生成し、及び第2目標群の平均コード密度と第2基準コード密度とを比較して、第2比較結果を生成する。校正システム100は第1比較結果と第2比較結果に基づいて校正命令を出力し、第1目標群に対応する第1被校正コンデンサユニット及び第2目標群に対応する第2被校正コンデンサユニットを1回校正する。つまり、コンデンサ校正モジュール140は第1比較結果に基づいて第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する場合、コンデンサ校正モジュール140は第2比較結果に基づいて第2被校正コンデンサユニットの容量値をともに校正する。
【0058】
以上から分かるように、校正システム100は逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の作動過程において、校正方法200を並列に実行することができる。このように、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に対するリアルタイムな校正を実現することで、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がプロセス又は作動過程における各種の要因によって発生した出力誤差を克服することができる。
【0059】
明細書及び請求の範囲において幾つかの語彙によって特定な素子を指す。しかし、当業者は、同様な素子が異なる名詞で称される可能性があることを理解すべきである。明細書及び請求の範囲は名称の違いを、素子を区別する基準とせず、素子の機能での違いを区別する基準とする。明細書及び請求の範囲に言及された「含む」がオープンな言語であるので、「含むがこれらに限定されない」と解釈すべきである。また、「結合」はここで任意の直接及び間接的な接続手段を含む。このため、本文に第1素子が第2素子に結合されると記載されることは、第1素子が電気的な接続又は無線伝送、光伝送等の信号接続形態によって第2素子に直接接続されるか、又は他の素子又は接続手段によって間接的に前記第2素子に電気的又は信号接続されることを表す。
【0060】
ここで使用された「及び/又は」の記載形態は、挙げられた1つ又は複数の項目の任意の組み合わせを含む。また、明細書に特に説明しない限り、任意の単数形の用語はすべて複数形の意味を同時に含む。
【0061】
上記は本発明の好ましい実施形態だけで、本発明の請求項に対して行った均等変化及び修飾は、本発明の保護範囲に属すべきである。