特許第6752906号(P6752906)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6752906
(24)【登録日】2020年8月21日
(45)【発行日】2020年9月9日
(54)【発明の名称】校正方法及び校正システム
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/10 20060101AFI20200831BHJP
   H03M 1/38 20060101ALI20200831BHJP
【FI】
   H03M1/10 A
   H03M1/38
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-2715(P2019-2715)
(22)【出願日】2019年1月10日
(65)【公開番号】特開2020-65241(P2020-65241A)
(43)【公開日】2020年4月23日
【審査請求日】2019年1月10日
(31)【優先権主張番号】107136586
(32)【優先日】2018年10月17日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507185945
【氏名又は名称】創意電子股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】特許業務法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ティンハオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ユーチュ
【審査官】 竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−024509(JP,A)
【文献】 特開昭59−083418(JP,A)
【文献】 特開平07−086947(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/153372(WO,A1)
【文献】 特開2009−005139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 1/00−1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンデンサアレイを含む逐次比較型アナログデジタルコンバータに適用される校正方法であって、
入力信号を前記逐次比較型アナログデジタルコンバータに入力し、前記逐次比較型アナログデジタルコンバータが前記入力信号に基づいて複数の特定のデジタルコードを含む出力信号を生成し、前記入力信号は前記逐次比較型アナログデジタルコンバータのフルスケール範囲に符合する電圧又は電流信号である工程と、
前記複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出し、前記複数のデジタルコード群の各々が前記複数の特定のデジタルコードにおける1つ又は複数の特定のデジタルコードを含む工程と、
前記複数のデジタルコード群における第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して、第1比較結果を生成する工程と、
前記第1比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する工程と、
を含む校正方法。
【請求項2】
前記複数の特定のデジタルコードにおける前記複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出する工程は、
前記複数の特定のデジタルコードにおける第1デジタルコード群の前記出力信号での出現回数を算出して、第1累計回数を得ることと、
前記第1累計回数に基づいて前記第1デジタルコード群の前記出力信号に対応する第1平均コード密度を算出することと、
前記複数のデジタルコードにおける第2デジタルコード群の前記出力信号での出現回数を算出して、第2累計回数を得ることと、
前記第2累計回数に基づいて前記第2デジタルコード群の前記出力信号に対応する第2平均コード密度を算出することと、
を含む請求項1に記載の校正方法。
【請求項3】
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項1〜2の何れか一項に記載の校正方法。
【請求項4】
前記複数のデジタルコード群における第2目標群の平均コード密度と第2基準コード密度とを比較して、第2比較結果を生成することを更に含み、
前記第1比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する工程は、
前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する場合、前記第2比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの第2被校正コンデンサユニットの容量値を校正することを含み、
前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも大きい場合、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも小さい場合、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項1〜3の何れか一項に記載の校正方法。
【請求項5】
前記第1被校正コンデンサユニットは、メインコンデンサと、前記メインコンデンサに並列して結合される第1サブコンデンサと、第2サブコンデンサと、を含み、
且つ、前記比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を調整する工程は、
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記第1サブコンデンサと前記メインコンデンサとの間の並列接続を切断することと、
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記第2サブコンデンサを前記メインコンデンサに並列して結合することと、
を更に含む請求項1〜4の何れか一項に記載の校正方法。
【請求項6】
前記複数の特定のデジタルコードはある数値範囲内に分布し、
前記複数の特定のデジタルコードにおける前記第1目標群の平均コード密度と前記第1基準コード密度とを比較する工程は、
前記第1目標群が選択される場合、前記第1目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、前記複数のデジタルコード群における前記第1目標群に近接する他のデジタルコード群を選択することと、
前記他のデジタルコード群の平均コード密度を平均して前記第1基準コード密度を取得することと、
を含む請求項1に記載の校正方法。
【請求項7】
前記コンデンサアレイはM個のコンデンサユニットを含み、且つMが正の整数であり、
前記第1比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する工程は、
前記数値範囲を2の昇順冪乗に基づいて順次等分し、複数のバイナリ等分点を得ることと、
前記第1目標群の前記数値範囲での位置に最も近い前記複数のバイナリ等分点における第1等分点を判断することと、
前記第1等分点に対応する2の冪乗に基づいて、前記M個のコンデンサユニットにおける1つを選択して前記第1被校正コンデンサユニットとすることと、
を更に含む請求項6に記載の校正方法。
【請求項8】
入力信号に基づいて複数の特定のデジタルコードを含む出力信号を生成するための、コンデンサアレイを含み、前記入力信号は前記逐次比較型アナログデジタルコンバータのフルスケール範囲に符合する電圧又は電流信号である逐次比較型アナログデジタルコンバータと、
前記出力信号を受信して、前記複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出することに用いられ、複数のデジタルコード群の各々が前記複数の特定のデジタルコードにおける1つ又は複数の特定のデジタルコードを含むコード密度算出モジュールと、
前記複数のデジタルコード群における第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して、第1比較結果を出力するためのコード密度検出モジュールと、
コンデンサアレイに結合されて、且つ前記第1比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正するためのコンデンサ校正モジュールと、
を含む校正システム。
【請求項9】
前記コード密度算出モジュールは、前記複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出するために、
前記複数の特定のデジタルコードにおける第1デジタルコード群の前記出力信号での出現回数を算出して、第1累計回数を得ることと、
前記第1累計回数に基づいて前記第1デジタルコード群の前記出力信号に対応する第1平均コード密度を算出することと、
前記複数の特定のデジタルコードにおける第2デジタルコード群の前記出力信号での出現回数を算出して、第2累計回数を得ることと、
前記第2累計回数に基づいて前記第2デジタルコード群の前記出力信号に対応する第2平均コード密度を算出することと、
という作動を実行する請求項8に記載の校正システム。
【請求項10】
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項8〜9の何れか一項に記載の校正システム。
【請求項11】
前記コード密度検出モジュールは、前記複数のデジタルコード群における第2目標群の平均コード密度と第2基準コード密度とを比較して、第2比較結果を出力することに用いられ、
前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1比較結果に基づいて前記第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する場合、前記第2比較結果に基づいて前記コンデンサアレイの第2被校正コンデンサユニットの容量値を校正し、
前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも大きい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を減少するが、前記第2目標群の平均コード密度が前記第2基準コード密度よりも小さい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第2被校正コンデンサユニットの容量値を増加する請求項8〜10の何れか一項に記載の校正システム。
【請求項12】
前記第1被校正コンデンサユニットは、
メインコンデンサと、
前記メインコンデンサに並列して結合された第1サブコンデンサと、
第2サブコンデンサと、
を含み、
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも大きい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1サブコンデンサと前記メインコンデンサとの間の並列接続を切断し、
前記第1目標群の平均コード密度が前記第1基準コード密度よりも小さい場合、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第2サブコンデンサを前記メインコンデンサに並列して結合する請求項8〜11の何れか一項に記載の校正システム。
【請求項13】
前記複数の特定のデジタルコードはある数値範囲内に分布し、前記第1目標群が選択される場合、前記コード密度検出モジュールは、前記第1目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、前記複数のデジタルコード群における前記第1目標群に近接する他のデジタルコード群を選択し、且つ前記コード密度検出モジュールは、前記他のデジタルコード群の平均コード密度を平均して前記第1基準コード密度を取得する請求項8に記載の校正システム。
【請求項14】
前記コンデンサアレイはM個のコンデンサユニットを含み、且つMが正の整数であり、
前記コンデンサ校正モジュールに前記数値範囲を2の昇順冪乗に基づいて順次等分して得られた複数のバイナリ等分点が記憶され、前記コンデンサ校正モジュールは、前記第1目標群の前記数値範囲での位置に最も近い前記複数のバイナリ等分点における第1等分点を判断し、且つ前記第1等分点の対応する2の冪乗に基づいて、前記M個のコンデンサユニットにおける1つを選択して前記被校正コンデンサユニットとする請求項13に記載の校正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、校正方法に関し、特に、逐次比較型アナログデジタルコンバータの出力誤差を校正するための校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
逐次比較型アナログデジタルコンバータ(successive approximation ADC;SAR ADCと略称)は、低消費電力及びコンパクトという特徴を有するので、現在の電子製品に広く適用されている。逐次比較型アナログデジタルコンバータは、コンデンサアレイによって入力信号に対してサンプリングと逐次比較を行い、コンデンサアレイの各コンデンサの容量値が正確的に2の昇順冪乗に基づいて配列される必要がある。例えば、4ビットの逐次比較型アナログデジタルコンバータのコンデンサアレイの容量値は、順次に8C、4C、2C及び1Cである。逐次比較型アナログデジタルコンバータのコンデンサアレイの容量値がプロセス要因で誤差が発生すると、必ず間違った出力結果を出力してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑み、逐次比較型アナログデジタルコンバータの出力誤差をリアルタイムに校正することのできる校正方法及び校正システムを如何に提供するかは、確実に業界で解決すべき問題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、コンデンサアレイを含む逐次比較型アナログデジタルコンバータに適用される校正方法において、入力信号をアナログデジタルコンバータに入力し、アナログデジタルコンバータが入力信号に基づいて複数のデジタルコードを含む出力信号を生成する工程と、複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出し、前記複数のデジタルコード群の各々が1つ又は複数の特定のデジタルコードを含む工程と、複数のデジタルコード群における第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して第1比較結果を生成する工程と、第1比較結果に基づいてコンデンサアレイの第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する工程と、を含む校正方法を提供する。
【0005】
本発明は、入力信号に基づいて複数の特定のデジタルコードを含む出力信号を生成するための、コンデンサアレイを含む逐次比較型アナログデジタルコンバータと、前記出力信号を受信して、複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれの平均コード密度を算出することに用いられ、複数のデジタルコード群の各々が複数の特定のデジタルコードにおける1つ又は複数の特定のデジタルコードを含むコード密度算出モジュールと、複数のデジタルコード群における第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して、第1比較結果を出力するためのコード密度検出モジュールと、コンデンサアレイに結合されて、且つ第1比較結果に基づいてコンデンサアレイの第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正するためのコンデンサ校正モジュールと、を含む校正システムを提供する。
【0006】
上記の校正方法及び校正システムは、逐次比較型アナログデジタルコンバータに対してリアルタイムに校正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
下記図面の説明は、本発明の前記、他の目的、特徴、メリット及び実施例をより分かりやすくするためのものである。
図1】本発明の一実施例による校正システムの簡素化された機能ブロック図である。
図2(a)】本発明の一実施例による校正方法の簡素化されたフローチャートである。
図2(b)】本発明の一実施例による校正方法の簡素化されたフローチャートである。
図3】本発明の一実施例による出力信号の模式図である。
図4(a)】本発明の一実施例による平均コード密度分布のヒストグラムである。
図4(b)】本発明の一実施例による平均コード密度分布のヒストグラムである。
図5図1における本発明の一実施例によるコンデンサユニットの簡素化された模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、関連図面に合わせて本発明の実施例を説明する。図面において、同じ符号で同一又は類似な素子や方法工程を示す。
【0009】
図1は、本発明の一実施例による校正システム100の簡素化された機能ブロック図である。校正システム100は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110と、コード密度算出モジュール120と、コード密度検出モジュール130と、コンデンサ校正モジュール140と、を含む。コード密度算出モジュール120とコンデンサ校正モジュール140が逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に結合され、コード密度検出モジュール130がコード密度算出モジュール120とコンデンサ校正モジュール140との間に結合される。図面を簡単で且つ説明しやすくするために、校正システム100における他の素子及び接続関係を図1に示していない。
【0010】
逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112と、コンパレータ114と、逐次比較論理回路116と、を含む。コンデンサアレイ112は、コンデンサ校正モジュール140に結合される。コンデンサアレイ112は、M個のコンデンサユニット118−1〜118−Mを含み、コンデンサユニット118−1〜118−Mのそれぞれは異なる容量値を有する。Mは正の整数である。コンデンサユニット118−1〜118−Mは、それぞれ選択的に入力信号Vin、基準電圧Vref又は接地端に結合されてよい。
【0011】
つまり、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、Mビットのアナログデジタルコンバータである。コンデンサアレイ112とコンパレータ114との協同動作によって、入力信号Vinに対してサンプリングと逐次比較を行ってよい。逐次比較論理回路116は、更に、逐次比較の結果に基づいて、入力信号Vinの大きさに対応する出力信号Voutを出力する。
【0012】
本願の明細書及び図面に使用された素子番号及び装置番号におけるインデックス1〜Mは、単に特定な素子及び信号を呼びやすくするためのものであり、意図的に前記素子と信号の数を特定な数に限定するものではない。本願の明細書及び図面において、ある素子番号と装置番号を利用する場合に、前記素子番号と装置番号のインデックスを明確に指さないときには、前記素子番号と装置番号とは、属する素子群と装置群における非特定な任意の素子と装置を指す。例えば、素子番号118−1の指す対象はコンデンサユニット118−1であるが、素子番号118の指す対象はコンデンサユニット118−1〜118−Mの中の非特定な任意のコンデンサユニット118である。
【0013】
注意すべきなのは、出力信号Voutは、複数のデジタルコード(digital code)を含む。例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである幾つかの実施例において、出力信号Voutは、最大24個のデジタルコード(例えば、デジタルコード0000〜1111)まで含んでよい。このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットである場合、出力信号Voutは、最大10進の値0〜(2M−1)に対応する2M個のバイナリデジタルコードまで含んでよい。
【0014】
コード密度算出モジュール120は、出力信号Voutを受信して、出力信号Voutの複数の特定のデジタルコードのコード密度(code density)を算出することに用いられる。コード密度検出モジュール130は、複数の特定のデジタルコードから1つ又は複数のデジタルコードを選択して目標群とし、且つ目標群の平均コード密度と基準コード密度とを比較して、更に比較結果をコンデンサ校正モジュール140に出力することに用いられる。
【0015】
目標群の平均コード密度と基準コード密度との間に偏差値を有し、且つ偏差値がプリセット偏差値を超えると、コンデンサアレイ112における複数のコンデンサユニット118の容量値と設計期待値との間に誤差があり、又は逐次比較型アナログデジタルコンバータ110における幾つかの素子が作動過程での各種の要因によって特性の変化が発生することを表す。この時、コンデンサ校正モジュール140は、選択された目標群及び対応する偏差値に基づいて、コンデンサアレイ112における対応するコンデンサユニット118を選択して校正を行うことができる。
【0016】
図2(a)〜2(b)は、本発明の一実施例による校正方法200の簡素化されたフローチャートである。校正システム100は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110を校正するように、校正方法200を実行することに用いられてよい。以下、図1図2(a)〜2(b)を合わせて校正システム100の作動形態を更に説明する。図2(a)〜2(b)に示すフローチャートにおいて、特定装置の属する欄に位置する工程は、前記特定装置で行われる工程を表す。例えば、「逐次比較型アナログデジタルコンバータ」欄に標記された工程は、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110で行われる工程を表し、「コード密度検出モジュール」欄に標記された工程は、コード密度検出モジュール130で行われる工程を表す。
【0017】
工程S202において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112によって入力信号Vinを受信する。次に、工程204において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は、コンデンサアレイ112及びコンパレータ114によって入力信号Vinに逐次比較を行い、更に逐次比較論理回路116によって逐次比較の結果に基づいて出力信号Voutを生成してコード密度算出モジュール120に伝送する。
【0018】
本実施例において、入力信号Vinは、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110のフルスケール範囲(full scale range;FSRと略称)に符合する電圧又は電流信号である。例えば、入力信号Vinは、ランプ(ramp)信号又は正弦波(sine wave)信号であってよい。
【0019】
工程S206において、コード密度算出モジュール120は、受信された出力信号Voutに基づいて、複数の特定のデジタルコードにおける複数のデジタルコード群のそれぞれプリセット時間の長さの出力信号Voutでの総出現回数を累計する。
【0020】
例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータであり、且つ入力信号Vinがランプ信号である場合には、出力信号Voutは、図3に示すようなものであり、且つ出力信号Voutの複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0001〜1100である。コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第1デジタルコード群(例えば、デジタルコード0001〜0100)のプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、16回)を算出することで、第1累計回数を得ることができる。次に、コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第2デジタルコード群(例えば、デジタルコード0101〜1000)が同様なプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、15回)を算出することで、第2累計回数を得ることができる。また、コード密度算出モジュール120は、複数の特定のデジタルコードにおける第3デジタルコード群(例えば、デジタルコード1001〜1100)が同様なプリセット時間の長さでの総出現回数(例えば、16回)を算出することで、これにより第3累計回数を得ることができるが、他のものはこのように類推すればよい。各デジタルコード群は、1つ又は複数のデジタルコードを含んでよい。
【0021】
工程S208において、コード密度算出モジュール120は各デジタルコード群の総出現回数に基づいて、各デジタルコード群の平均コード密度を算出する。例えば、前記の第1デジタルコード群の平均コード密度が4であり、第2デジタルコード群の平均コード密度が3.75である。
【0022】
入力信号Vinがランプ信号であると、コード密度算出モジュール120で算出された平均コード密度が図4(a)に示すように平坦分布を呈する。入力信号Vinが正弦波信号であると、コード密度算出モジュール120で算出された平均コード密度が図4(b)に示すようにバスタブ(bathtub)分布を呈する。
【0023】
工程S210において、コード密度検出モジュール130は複数のデジタルコード群における1つを選択して目標群(例えば、前記第1デジタルコード群、第2デジタルコード群及び第3デジタルコード群における1つを選択する)とする。また、コード密度検出モジュール130は他のデジタルコード群(例えば、前記第1デジタルコード群、第2デジタルコード群及び第3デジタルコード群の他の両方により)によって、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。
【0024】
具体的には、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の複数のデジタルコードはある数値範囲内に分布する。例えば、図3に示すように、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである幾つかの実施例において、複数のデジタルコードが0000〜1111の数値範囲内に分布される。このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットのアナログデジタルコンバータである場合には、複数のデジタルコードが10進の値0〜(2M−1)に対応するバイナリ数値範囲内に分布される。コード密度検出モジュール130は目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。
【0025】
入力信号Vinがランプ信号である実施例において、目標群(例えば、第デジタルコード群0101〜1000)が選択された時、コード密度検出モジュール130は目標群の数値範囲での位置に基づいて、目標群に近接する他のデジタルコード群(例えば、第デジタルコード群0001〜0100及び第3デジタルコード群1001〜1100)を選択する。次に、コード密度検出モジュール130は基準コード密度を算出するように選択された他のデジタルコード群の平均コード密度を再び平均させる。そして、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を2で割ってプリセット偏差値を算出する。
【0026】
入力信号Vinが正弦波信号である実施例において、基準コード密度の算出形態は入力信号Vinがランプ信号である実施例と類似で、相違点は、コード密度検出モジュール130が目標群の数値範囲での位置に基づいて、偏差値の算出形態を決定することである。目標群が数値範囲での中間部(例えば、数値範囲0000〜1111において、0101〜1011の範囲)にあると、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を2で割って、プリセット偏差値を得る。一方、目標群が数値範囲の辺縁(例えば、数値範囲0000〜1111において、0001〜0010又は1100〜1111の範囲)にあると、コード密度検出モジュール130は得られた基準コード密度を三分の二で割って大きいプリセット偏差値を得て、バスタブ分布における両側のコード密度変化程度が大きい状況に応答する。
【0027】
工程S212において、コード密度検出モジュール130は目標群の平均コード密度と基準コード密度とを比較する。目標群の平均コード密度と基準コード密度との間の偏差値の絶対値がプリセット偏差値よりも大きいと、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度に異常が出現すると判断する。目標群の平均コード密度と基準コード密度との間の偏差値の絶対値がプリセット偏差値より大きくないと、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度が正常であると判断する。
【0028】
以下、複数の実施例で前記工程S210〜S212の作動を更に説明する。図3を参照されたい。一実施例において、複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0000〜1100を含み、目標群がデジタルコード0101〜1000を含み、目標群の平均コード密度が3.75であると仮定する。且つコード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード0001〜0100及び1001〜1100を含む)によって、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果が以下の表1に示される。
【表1】
【0029】
目標群の平均コード密度(即ち、3.75)と基準コード密度(即ち、3.875)との間の偏差値の絶対値(即ち、0.125)がプリセット偏差値(即ち、1.9375)よりも大きくないので、コード密度検出モジュール130は目標群のコード密度が正常であると判断する。
【0030】
再び図3を参照されたい。他の実施例において、複数の特定のデジタルコードがデジタルコード0000〜1100を含み、目標群がデジタルコード0110のみを含み、目標群の平均コード密度が6である。且つ、コード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード0100〜0101及び0111〜1000を含む)を使用して、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果を以下の表2に示す。
【表2】
【0031】
目標群の平均コード密度(即ち、6)と基準コード密度(即ち、3.25)との間の偏差値の絶対値(即ち、2.75)がプリセット偏差値(即ち、1.625)よりも大きいので、コード密度検出モジュール130は目標群0110のコード密度が異常であると判断する。
【0032】
別の実施例において、複数の特定のデジタルコードはデジタルコード0000〜1100を含み、目標群はデジタルコード1010のみを含むので、目標群の平均コード密度が4である。且つ、コード密度検出モジュール130は目標群に近接する2つのデジタルコード群(例えば、それぞれデジタルコード1100〜1011及び1001〜1000を含む)を使用して、基準コード密度及びプリセット偏差値を算出する。基準コード密度及びプリセット偏差値の算出結果を以下の表3に示す。
【表3】
【0033】
目標群の平均コード密度(即ち、4)と基準コード密度(即ち、3.75)との間の偏差値の絶対値(即ち、0.25)がプリセット偏差値(即ち、1.875)よりも大きくないので、コード密度検出モジュール130は目標群1010のコード密度が正常であると判断する。
【0034】
工程S214において、コード密度検出モジュール130は比較結果を含む調整情報をコンデンサ校正モジュール140に出力する。次に、コンデンサ校正モジュール140が工程S216を実行し、これによりコード密度検出モジュール130から受信された調整情報によってコンデンサアレイ112の容量値を調整する必要があるかを判断する。
【0035】
コンデンサ校正モジュール140はコード密度が正常であると表す調整情報を受信した時、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサアレイ112の容量値を調整しない。この時、校正システム100は再度工程S202を実行し、これにより逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の作動過程においてリアルタイムに校正を行う。
【0036】
幾つかの実施例において、校正システム100は複数のデジタルコードのコード密度がすべて正常であると判断する場合には、校正方法200を終了しても良い。
【0037】
一方、コンデンサ校正モジュール140はコード密度の異常を表す調整情報を受信した場合、コンデンサ校正モジュール140は図2(b)の工程S218を実行し、これにより目標群の前記数値範囲での位置に基づいて、コンデンサアレイ112からあるコンデンサユニット118を選択して被校正コンデンサユニットとして容量値の校正を行う。以下、コンデンサ校正モジュール140が被校正コンデンサユニットを選択する作動形態を更に説明する。
【0038】
幾つかの実施例において、コンデンサ校正モジュール140には、数値範囲を2の昇順冪乗に基づいて順次等分して複数のバイナリ等分点が得られることが記憶される。例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータであるので、デジタルコードが数値範囲0000〜1111に分布される実施例において、コンデンサ校正モジュール140に数値範囲0000〜1111を2の冪乗〜2の4乗によって等分した後1個の二等分点、3個の四等分点、7個の八等分点及び15個の十六等分点を得ることが記憶される。
【0039】
このため、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がMビットのアナログデジタルコンバータである場合には、コンデンサ校正モジュール140に数値範囲を2の1乗〜2のM乗によって等分した後得られた複数のバイナリ等分点が記憶される。
【0040】
図1を参照されたい。コンデンサアレイ112のM個のコンデンサユニット118において、コンデンサユニット118−1が最大の容量値を有し、コンデンサユニット118−2が2番目に大きい容量値を有し、コンデンサユニット118−Mが最小の容量値を有し、このように類推すればよい。コンデンサ校正モジュール140は複数のバイナリ等分点から、目標群の数値範囲での位置と最も近いバイナリ等分点を判断し、更に前記最も近いバイナリ等分点によって対応するコンデンサユニット118を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0041】
例えば、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータである実施例において、目標群が1000であると、目標群が数値範囲0000〜1111での位置が二等分点に最も近い。このため、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−1を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0042】
更に例えば、同様に逐次比較型アナログデジタルコンバータ110が4ビットのアナログデジタルコンバータの実施例において、目標群が1100であると、目標群が数値範囲0000〜1111での位置が四等分点に最も近い。このため、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−2を被校正コンデンサユニットとして設定する。
【0043】
即ち、目標群の数値範囲での位置は任意の2のX乗等分点に最も近いと、コンデンサ校正モジュール140はコンデンサユニット118−Xを被校正コンデンサユニットとして設定する。XはM以下の正の整数である。
【0044】
次に、コンデンサ校正モジュール140は工程S220を実行し、被校正コンデンサユニットの容量値の校正方向を判断する。コンデンサ校正モジュール140は受信された比較結果に基づいて、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きいと判断する場合、コンデンサ校正モジュール140は被校正コンデンサユニットの容量値を減少する必要があると判断する。コンデンサ校正モジュール140は受信された比較結果に基づいて、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さいと判断する場合、コンデンサ校正モジュール140は被校正コンデンサユニットの容量値を増加する必要があると判断する。
【0045】
工程S222において、コンデンサ校正モジュール140は校正命令を逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に伝送し、校正命令は被校正コンデンサユニットの容量値の校正方向を含む。工程S224において、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は受信された校正命令によって被校正コンデンサユニットの容量値を校正する。
【0046】
以下、図5を組み合わせて工程S224における被校正コンデンサユニットの容量値の校正形態を更に説明する。図5に示すように、コンデンサユニット118−1を例として、コンデンサユニット118−1はメインコンデンサCM、第1サブコンデンサC1、第2サブコンデンサC2、第1単極双投スイッチSW1及び第2単極双投スイッチSW2を含む。メインコンデンサCMが第1ノードN1と第2ノードN2との間に結合される。第1サブコンデンサC1の第1端が第1ノードN1に結合され、第1サブコンデンサC1の第2端が第1単極双投スイッチSW1によって第2ノードN2に結合される。第2サブコンデンサC2の第1端が第1ノードN1に結合され、第2サブコンデンサC2の第2端が第2単極双投スイッチSW2によって接地端に結合される。
【0047】
つまり、メインコンデンサCMが第1サブコンデンサC1に並列して結合されるが、メインコンデンサCMが第2サブコンデンサC2に並列して結合されない。
【0048】
コンデンサユニット118−1は被校正コンデンサユニットとして選択される場合、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さいと、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は工程S224においてコンデンサユニット118−1の容量値を増加する校正命令を受信する。この時、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第2単極双投スイッチSW2によって第2サブコンデンサC2の第2端を接地端への結合から第2ノードN2への結合に切り替える。
【0049】
即ち、目標群のコード密度が基準コード密度よりも小さい場合、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第2サブコンデンサC2をメインコンデンサCMに並列して結合することによって、コンデンサユニット118−1の容量値を増加する。
【0050】
一方、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きいと、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は工程S224においてコンデンサユニット118−1の容量値を減少する校正命令を受信する。この時、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第1単極双投スイッチSW1によって第1サブコンデンサC1の第2端を第2ノードN2への結合から接地端への結合に切り替える。
【0051】
即ち、目標群のコード密度が基準コード密度よりも大きい場合、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110は第1サブコンデンサC1とメインコンデンサCMとの間の並列接続を切断し、これによりコンデンサユニット118−1の容量値を減少させる。
【0052】
幾つかの実施例において、コンデンサユニット118−1は複数の第1サブコンデンサC1、複数の第2サブコンデンサC2、複数の第1単極双投スイッチSW1及/又は複数の第2単極双投スイッチSW2を含む。各第1サブコンデンサC1は対応的に第1単極双投スイッチSW1によってメインコンデンサCMに並列して結合され、且つ複数の第2サブコンデンサC2はすべてメインコンデンサCMに並列して結合されない。校正システム100は校正方法200を実行する度に、前記の規則によって複数の第1サブコンデンサC1における1つとメインコンデンサCMとの並列接続を切断するか、又は複数の第2サブコンデンサC2における1つをメインコンデンサCMに結合する。このように、校正方法200の校正精度を更に向上させることができる。
【0053】
コンデンサアレイ112の他のコンデンサユニット118に含まれた素子と接続形態、及び適用された容量値校正方法は、すべてコンデンサユニット118−1に類似し、簡単にするために、ここで繰り返して説明しない。
【0054】
次に、工程S224が終了した後、校正システム100は再び工程S202を実行して逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に対してリアルタイムに校正を行うことができる。
【0055】
ある実施例において、校正システム100は工程S224を実行した後校正方法200の実行を終了する。
【0056】
他の実施例において、校正システム100は工程S210〜S220を複数回実行する。即ち、校正システム100はデジタルコード群から複数の目標群を選択して、複数の目標群のそれぞれの平均コード密度と対応する基準コード密度とを比較して、複数の比較結果を生成する。次に、校正システム100は工程S222を実行して、複数の比較結果に基づいて校正命令を出力する。このように、校正システム100は複数の目標群に対応する複数の被校正コンデンサユニットの容量値を1回校正することができる。
【0057】
例えば、校正システム100はデジタルコード群から第1目標群と第2目標群を選択することができる。次に、第1目標群の平均コード密度と第1基準コード密度とを比較して、第1比較結果を生成し、及び第2目標群の平均コード密度と第2基準コード密度とを比較して、第2比較結果を生成する。校正システム100は第1比較結果と第2比較結果に基づいて校正命令を出力し、第1目標群に対応する第1被校正コンデンサユニット及び第2目標群に対応する第2被校正コンデンサユニットを1回校正する。つまり、コンデンサ校正モジュール140は第1比較結果に基づいて第1被校正コンデンサユニットの容量値を校正する場合、コンデンサ校正モジュール140は第2比較結果に基づいて第2被校正コンデンサユニットの容量値をともに校正する。
【0058】
以上から分かるように、校正システム100は逐次比較型アナログデジタルコンバータ110の作動過程において、校正方法200を並列に実行することができる。このように、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110に対するリアルタイムな校正を実現することで、逐次比較型アナログデジタルコンバータ110がプロセス又は作動過程における各種の要因によって発生した出力誤差を克服することができる。
【0059】
明細書及び請求の範囲において幾つかの語彙によって特定な素子を指す。しかし、当業者は、同様な素子が異なる名詞で称される可能性があることを理解すべきである。明細書及び請求の範囲は名称の違いを、素子を区別する基準とせず、素子の機能での違いを区別する基準とする。明細書及び請求の範囲に言及された「含む」がオープンな言語であるので、「含むがこれらに限定されない」と解釈すべきである。また、「結合」はここで任意の直接及び間接的な接続手段を含む。このため、本文に第1素子が第2素子に結合されると記載されることは、第1素子が電気的な接続又は無線伝送、光伝送等の信号接続形態によって第2素子に直接接続されるか、又は他の素子又は接続手段によって間接的に前記第2素子に電気的又は信号接続されることを表す。
【0060】
ここで使用された「及び/又は」の記載形態は、挙げられた1つ又は複数の項目の任意の組み合わせを含む。また、明細書に特に説明しない限り、任意の単数形の用語はすべて複数形の意味を同時に含む。
【0061】
上記は本発明の好ましい実施形態だけで、本発明の請求項に対して行った均等変化及び修飾は、本発明の保護範囲に属すべきである。
【符号の説明】
【0062】
100 校正システム
110 逐次比較型アナログデジタルコンバータ
112 コンデンサアレイ
114 コンパレータ
116 逐次比較論理回路
118−1〜118−M コンデンサユニット
120 コード密度算出モジュール
130 コード密度検出モジュール
140 コンデンサ校正モジュール
200 校正方法
S202〜S224 工程
CM メインコンデンサ
C1 第1サブコンデンサ
C2 第2サブコンデンサ
SW1 第1単極双投スイッチ
SW2 第2単極双投スイッチ
T1 出力信号の周期
N1〜N2 ノード
Vin 入力信号
Vout 出力信号
Vref 基準電圧
図1
図2(a)】
図2(b)】
図3
図4
図5