(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態の変倍光学系、光学装置、撮像装置及び変倍光学系の製造方法について説明する。
本実施形態の変倍光学系は、最も物体側に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群より像側に配置された負の屈折力を有する中間群と、前記中間群より像側に配置された正の屈折力を有し合焦時に移動する合焦群と、前記合焦群より像側に配置された正の屈折力を有する像側群とを有し、変倍時に、前記第1レンズ群と前記中間群との間隔、前記中間群と前記合焦群との間隔及び前記合焦群と前記像側群との間隔が変化し、以下の条件式(1)を満足する。
(1) 3.00<f1fw/ff<9.00
ただし、
f1fw:広角端状態における前記第1レンズ群から前記合焦群までの合成焦点距離
ff:前記合焦群の焦点距離
また本実施形態の変倍光学系は、前記合焦群が1つ又は2つのレンズ成分で構成されていることが望ましい。
また本実施形態の変倍光学系は、前記像側群が光軸に対して垂直な方向の変位成分を含むように移動可能に配置される防振群を有することが望ましい。
【0008】
ここで、本実施形態の合焦群は、少なくとも1つのレンズ群を有する。また、本実施形態の像側群は、少なくとも1つのレンズ群を有する。また、後述する本実施形態の第A群と第B群と第C群とは、それぞれ少なくとも1つのレンズを有する。なお、本実施形態においてレンズ群とは、変倍時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分をいう。また、本実施形態においてレンズ群に含まれるレンズ同士の間隔は、変倍時に変化しないこととするが、適宜変更可能である。
上記のように本実施形態の変倍光学系は、少なくとも4つのレンズ群を有し、変倍時にレンズ群同士の間隔が変化する。この構成により、変倍時に諸収差を良好に補正することができる。
また上記のように本実施形態の変倍光学系は、合焦群が1つ又は2つのレンズ成分で構成されている。これにより、合焦群の小型軽量化を図ることができる。なお、本実施形態においてレンズ成分とは単レンズ又は接合レンズをいう。また、本実施形態において、合焦群とは、合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分をいう。
また上記のように本実施形態の変倍光学系は、像側群中の防振群が光軸に対して垂直な方向の変位成分を含むように移動する。この構成により、手ブレ等による結像位置の変位を補正する、即ち防振を行うことができる。また、防振群の小径化を図ることができるとともに、防振時の光学性能の劣化を効果的に抑えることができる。なお、本実施形態において防振群とは、防振時に光軸に対して垂直方向の成分を持つように移動する部分をいう。
【0009】
上記条件式(1)は、広角端状態における第1レンズ群から合焦群までの合成焦点距離と合焦群の焦点距離の比を規定するものである。本実施形態の変倍光学系は、条件式(1)を満足することにより、広角端状態において無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系の条件式(1)の対応値が上限値を上回ると、合焦群の屈折力が大きくなり、広角端状態において無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の上限値を8.50にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(1)の上限値を8.00にすることが好ましい。
一方、本実施形態の変倍光学系の条件式(1)の対応値が下限値を下回ると、広角端状態において第1レンズ群から合焦群までの屈折力が大きくなり、広角端状態において無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(1)の下限値を3.30にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(1)の下限値を3.60にすることが好ましい。
【0010】
なお、本実施形態の変倍光学系は、広角端状態における焦点距離が50〜100mmであることが好ましい。また本実施形態の変倍光学系は、広角端状態における焦点距離が50〜80mmであることがより好ましい。また本実施形態の変倍光学系は、広角端状態における焦点距離が50〜75mmであることがより好ましい。
【0011】
以上の構成により、良好な光学性能を備え、合焦動作の高速化のために合焦群の軽量化を図った変倍光学系を実現することができる。
また本実施形態の変倍光学系は、前記像側群は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群と、負の屈折力を有する第B群と、第C群とから構成されることが望ましい。
また本実施形態の変倍光学系は、前記第A群と前記第B群との間隔は、前記第B群と前記第C群との間隔よりも大きいことが望ましい。
【0012】
また本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2) 1.50<f1/ff<2.35
ただし、
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
ff:前記合焦群の焦点距離
【0013】
条件式(2)は、第1レンズ群の焦点距離と合焦群の焦点距離の比を規定するものである。本実施形態の変倍光学系は、条件式(2)を満足することにより、無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系の条件式(2)の対応値が上限値を上回ると、合焦群の屈折力が大きくなり、無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑制することが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の上限値を2.30にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(2)の上限値を2.25にすることが好ましい。
一方、本実施形態の変倍光学系の条件式(2)の対応値が下限値を下回ると、第1レンズ群の屈折力が大きくなり、球面収差をはじめとする諸収差を補正することが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(2)の下限値を1.60にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(2)の下限値を1.70にすることが好ましい。
【0014】
また本実施形態の変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態への変倍時に前記第1レンズ群が物体側へ移動することが望ましい。この構成により、広角端状態で本実施形態の変倍光学系の全長を短縮することができ、本実施形態の変倍光学系の小型化を図ることができる。
また本実施形態の変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態への変倍時に前記合焦群と前記像側群との間隔が増加することが望ましい。この構成により、変倍時に諸収差を良好に補正することができる。特に、望遠端状態で合焦群の合焦のための移動スペースを十分に確保することができるので、望遠端状態の近距離物体合焦時に球面収差を良好に補正することができる。
【0015】
また本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3) 0.25<ff/fi<1.10
ただし、
ff:前記合焦群の焦点距離
fi:前記像側群の焦点距離
【0016】
条件式(3)は、合焦群の焦点距離と像側群の焦点距離の比を規定するものである。本実施形態の変倍光学系は、条件式(3)を満足することにより、無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系の条件式(3)の対応値が上限値を上回ると、像側群の屈折力が大きくなり、コマ収差をはじめとする諸収差を補正することが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の上限値を1.05にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(3)の上限値を1.00にすることが好ましい。
一方、本実施形態の変倍光学系の条件式(3)の対応値が下限値を下回ると、合焦群の屈折力が大きくなり、無限遠物体から近距離物体への合焦時に球面収差をはじめとする諸収差の変動を抑制することが困難になってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(3)の下限値を0.28にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(3)の下限値を0.31にすることが好ましい。
【0017】
また本実施形態の変倍光学系は、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4) 1.80<fi/(−fvr)<5.20
ただし、
fi:前記像側群の焦点距離
fvr:前記防振群の焦点距離
【0018】
条件式(4)は、像側群の焦点距離と防振群の焦点距離の比を規定するものである。本実施形態の変倍光学系は、条件式(4)を満足することにより、防振時の光学性能の劣化を効果的に抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系の条件式(4)の対応値が上限値を上回ると、防振群の屈折力が大きくなり、防振時の偏芯コマ収差の劣化が大きくなってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の上限値を5.00にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(4)の上限値を4.90にすることが好ましい。
一方、本実施形態の変倍光学系の条件式(4)の対応値が下限値を下回ると、像側群の屈折力が大きくなり、コマ収差をはじめとする諸収差を補正することが困難になってしまう。また、防振群の屈折力が小さくなり、防振時の防振群の移動量が大きくなる。このため、本実施形態の変倍光学系を収容する鏡筒が大型化してしまうため好ましくない。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(4)の下限値を1.90にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(4)の下限値を2.00にすることが好ましい。
【0019】
また本実施形態の変倍光学系は、前記第1レンズ群が少なくとも2枚の正レンズを有することが望ましい。この構成により、球面収差と色収差を効果的に補正することができる。
また本実施形態の変倍光学系は、前記合焦群が1つのレンズ成分で構成されていることが望ましい。この構成により、合焦群をより小型軽量化することができる。
また本実施形態の変倍光学系は、前記合焦群が1枚の単レンズで構成されていることが望ましい。この構成により、合焦群をさらに軽量化することができる。
【0020】
また本実施形態の変倍光学系は、前記合焦群が、少なくとも1枚の正レンズを有し、以下の条件式(5)を満足することが望ましい。
(5) 58.00<νFP
ただし、
νFP:前記合焦群に含まれる前記正レンズのd線(波長587.6nm)におけるアッベ数
【0021】
条件式(5)は、合焦群に含まれる正レンズのアッベ数を規定するものである。本実施形態の変倍光学系は、条件式(5)を満足することにより、無限遠物体から近距離物体への合焦時に色収差の変動を抑えることができる。
本実施形態の変倍光学系の条件式(5)の対応値が下限値を下回ると、合焦群での色収差の発生が大きくなり、無限遠物体から近距離物体への合焦時に色収差の変動が大きくなってしまう。なお、本実施形態の効果を確実にするために、条件式(5)の下限値を59.00にすることが好ましい。また、本実施形態の効果をより確実にするために、条件式(5)の下限値を60.00にすることが好ましい。
【0022】
本発明の実施形態の光学装置は、上述した構成の変倍光学系を有する。
本発明の実施形態の撮像装置は、上述した構成の変倍光学系と、前記変倍光学系によって形成される像を撮像する撮像部とを備えている。
これにより、良好な光学性能を備え、合焦動作の高速化のために合焦群の軽量化を図った光学装置、撮像装置を実現することができる。
【0023】
本発明の実施形態の変倍光学系の製造方法は、最も物体側に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群より像側に配置された負の屈折力を有する中間群と、前記中間群より像側に配置された正の屈折力を有し合焦時に移動する合焦群と、前記合焦群より像側に配置された正の屈折力を有する像側群とを、変倍時に、前記第1レンズ群と前記中間群との間隔、前記中間群と前記合焦群との間隔及び前記合焦群と前記像側群との間隔が変化するように配置することを含み、以下の条件式(1)を満足する。これにより、良好な光学性能を備え、合焦動作の高速化のために合焦群の軽量化を図った変倍光学系を製造することができる。
(1) 3.00<f1fw/ff<9.00
ただし、
f1fw:広角端状態における前記第1レンズ群から前記合焦群までの合成焦点距離
ff:前記合焦群の焦点距離
【0024】
以下、本発明の実施形態の変倍光学系に係る実施例を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1は第1実施例に係る変倍光学系の断面図である。なお、
図1及び後述する
図5、
図9、
図13、
図17、
図21、
図25及び
図29中の矢印は、広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍時の各レンズ群の移動軌跡を示している。
第1実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0025】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL43とからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL44と両凹形状の負レンズL45との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL46と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL47とからなる。
【0026】
第1実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第1実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0027】
第1実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、レンズ全系の焦点距離がf、防振係数(防振時の防振群の移動量に対する像面I上での像の移動量の比)がKであるレンズにおいて、角度θの回転ブレを補正するためには、防振群を(f・tanθ)/Kだけ光軸と直交する方向へ移動させればよい。したがって、第1実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.06、焦点距離が71.40(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.35(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が1.86、焦点距離が294.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.55(mm)となる。
【0028】
以下の表1に、第1実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
表1において、fは焦点距離、BFはバックフォーカス(最も像側のレンズ面と像面Iとの光軸上の距離)を示す。
[面データ]において、面番号は物体側から数えた光学面の順番、rは曲率半径、dは面間隔(第n面(nは整数)と第n+1面との間隔)、ndはd線(波長587.6nm)に対する屈折率、νdはd線(波長587.6nm)に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、物面は物体面、可変は可変の面間隔、絞りSは開口絞りS、像面は像面Iをそれぞれ示している。なお、曲率半径r=∞は平面を示している。空気の屈折率nd=1.00000の記載は省略している。
【0029】
[各種データ]において、FNOはFナンバー、2ωは画角(単位は「°」)、Ymaxは最大像高、TLは第1実施例に係る変倍光学系の全長(第1面から像面Iまでの光軸上の距離)、dnは第n面と第n+1面との可変の間隔をそれぞれ示す。なお、Wは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態、無限遠は無限遠物体への合焦時、近距離は近距離物体への合焦時をそれぞれ示す。
[レンズ群データ]には、各レンズ群の始面と焦点距離を示す。
[条件式対応値]には、第1実施例に係る変倍光学系の各条件式の対応値を示す。
【0030】
ここで、表1に掲載されている焦点距離f、曲率半径r及びその他の長さの単位は一般に「mm」が使われる。しかしながら光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるため、これに限られるものではない。
なお、以上に述べた表1の符号は、後述する各実施例の表においても同様に用いるものとする。
【0031】
(表1)第1実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 72.3688 6.972 1.51680 63.88
2 -604.5951 0.499
3 88.4675 1.500 1.62004 36.40
4 32.5526 8.844 1.51680 63.88
5 149.4554 可変
6 -453.8182 1.000 1.69680 55.52
7 18.7304 3.761 1.80518 25.45
8 40.0562 3.501
9 -33.7169 1.000 1.69680 55.52
10 3769.5898 可変
11 91.7620 4.268 1.51680 63.88
12 -46.5887 可変
13 54.6217 5.361 1.48749 70.31
14 -31.8367 1.000 1.85026 32.35
15 829.9126 0.200
16 34.8197 4.124 1.48749 70.31
17 -190.4880 1.633
18(絞りS) ∞ 27.478
19 316.7035 2.575 1.80518 25.45
20 -37.0122 1.000 1.74400 44.81
21 28.1012 3.267
22 27.6380 3.921 1.54814 45.79
23 -54.2282 2.418
24 -22.4640 1.000 1.77250 49.62
25 -55.2971 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.12
W M T
f 71.4 105.0 294.0
FNO 4.17 4.18 6.38
2ω 22.84 15.30 5.48
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 166.32 183.64 219.32
BF 38.52 38.53 73.71
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 3.555 24.790 43.361 3.555 24.790 43.361
d10 26.610 21.614 2.000 27.368 22.723 3.114
d12 12.316 13.381 14.933 11.558 12.271 13.819
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 115.478
2 6 -26.653
3 11 60.427
4 13 138.481
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff = 6.400
(2) f1/ff = 1.911
(3) ff/fi = 0.436
(4) fi/(−fvr) = 3.064
(5) νFP = 63.88
【0032】
図2A、
図2B及び
図2Cはそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図3A、及び
図3Bはそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図4A、
図4B及び
図4Cはそれぞれ、第1実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0033】
各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高、NAは開口数をそれぞれ示す。詳しくは、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーFNO又は開口数NAの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高Yの最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、各収差図において、dはd線(波長587.6nm)、gはg線(波長435.8nm)における収差をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。コマ収差図は、各像高Yにおけるコマ収差を示す。なお、後述する各実施例の収差図においても、第1実施例と同様の符号を用いる。
【0034】
各収差図より、第1実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0035】
(第2実施例)
図5は第2実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第2実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0036】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42との接合正レンズからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL43と両凹形状の負レンズL44との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL45と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL46とからなる。
【0037】
第2実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第2実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0038】
第2実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第2実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.17、焦点距離が71.35(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.32(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が1.80、焦点距離が294.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.57(mm)となる。
以下の表2に、第2実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0039】
(表2)第2実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 84.0136 6.369 1.51680 63.88
2 -569.5201 0.287
3 111.7962 1.500 1.62004 36.40
4 36.8295 8.708 1.51680 63.88
5 239.6437 可変
6 -196.3998 1.000 1.69680 55.52
7 17.8250 4.472 1.80518 25.45
8 63.8758 2.220
9 -50.1550 1.000 1.80100 34.92
10 107.3132 可変
11 98.4276 3.799 1.51680 63.88
12 -44.7987 可変
13 33.5689 5.221 1.48749 70.31
14 -34.6171 1.000 1.75520 27.57
15 -464.1612 1.880
16(絞りS) ∞ 31.253
17 -215.7008 3.558 1.80610 40.97
18 -18.9067 1.000 1.69680 55.52
19 29.6933 2.000
20 25.4517 4.902 1.51742 52.20
21 -34.1288 6.212
22 -19.1689 1.000 1.77250 49.62
23 -46.3649 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.12
W M T
f 71.4 105.0 294.0
FNO 4.70 4.74 6.44
2ω 22.84 15.30 5.46
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 167.32 188.67 222.32
BF 38.52 39.12 64.52
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 3.000 27.419 53.254 3.000 27.419 53.254
d10 29.124 23.882 2.000 29.965 25.078 3.487
d12 9.294 10.871 15.165 8.453 9.675 13.679
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 128.484
2 6 -29.436
3 11 60.115
4 13 180.542
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 3.954
(2) f1/ff = 2.137
(3) ff/fi = 0.333
(4) fi/(−fvr) = 3.886
(5) νFP = 63.88
【0040】
図6A、
図6B及び
図6Cはそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図7A、及び
図7Bはそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図8A、
図8B及び
図8Cはそれぞれ、第2実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0041】
各収差図より、第2実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0042】
(第3実施例)
図9は第3実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第3実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0043】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42との接合正レンズからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL43と両凹形状の負レンズL44との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL45と、両凹形状の負レンズL46と両凸形状の正レンズL47との接合負レンズとからなる。
【0044】
第3実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第3実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0045】
第3実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第3実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.22、焦点距離が71.40(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.31(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が1.79、焦点距離が294.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.57(mm)となる。
以下の表3に、第3実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0046】
(表3)第3実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 85.0462 5.776 1.51680 63.88
2 -660.6172 0.468
3 127.3802 1.500 1.62004 36.40
4 39.1726 7.903 1.51680 63.88
5 338.5447 可変
6 -132.1891 1.000 1.69680 55.52
7 19.2602 4.667 1.80518 25.45
8 76.0183 2.071
9 -54.4201 1.000 1.80100 34.92
10 119.2030 可変
11 101.6158 3.707 1.51680 63.88
12 -48.1136 可変
13 32.8274 5.339 1.48749 70.31
14 -36.1413 1.000 1.80518 25.45
15 -208.8127 1.719
16(絞りS) ∞ 20.897
17 -111.8106 3.901 1.66755 41.87
18 -18.5066 1.000 1.58913 61.22
19 35.2076 2.000
20 26.2172 5.000 1.48749 70.31
21 -44.8232 10.387
22 -18.5590 1.000 1.77250 49.62
23 39.9065 4.006 1.60342 38.03
24 -29.6411 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.12
W M T
f 71.4 105.0 294.0
FNO 4.68 4.76 6.45
2ω 22.80 15.28 5.44
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 166.39 188.89 221.32
BF 38.52 39.12 64.52
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 3.000 27.909 54.414 3.000 27.909 54.414
d10 30.861 25.246 2.000 31.772 26.533 3.581
d12 9.676 12.274 16.047 8.765 10.987 14.466
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 130.814
2 6 -30.984
3 11 63.720
4 13 184.004
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 3.924
(2) f1/ff = 2.063
(3) ff/fi = 0.345
(4) fi/(−fvr) = 3.433
(5) νFP = 63.88
【0047】
図10A、
図10B及び
図10Cはそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図11A、及び
図11Bはそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図12A、
図12B及び
図12Cはそれぞれ、第3実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0048】
各収差図より、第3実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0049】
(第4実施例)
図13は第4実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第4実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0050】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42との接合正レンズからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL43と両凹形状の負レンズL44との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL45と、両凹形状の負レンズL46と両凸形状の正レンズL47との接合負レンズとからなる。
【0051】
第4実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第4実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0052】
第4実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第4実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.21、焦点距離が71.40(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.31(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が1.79、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.57(mm)となる。
以下の表4に、第4実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0053】
(表4)第4実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 86.4475 5.443 1.51680 63.88
2 -981.1690 0.200
3 146.3378 1.500 1.62004 36.40
4 41.2453 8.000 1.51680 63.88
5 1154.1773 可変
6 -105.1301 1.000 1.69680 55.52
7 20.4832 4.124 1.80518 25.45
8 77.3629 1.964
9 -62.6354 1.000 1.83400 37.18
10 142.2611 可変
11 123.7504 3.431 1.58913 61.22
12 -57.1062 可変
13 33.8130 5.634 1.49700 81.73
14 -38.7693 1.000 1.80518 25.45
15 -194.5892 1.688
16(絞りS) ∞ 21.000
17 -99.8095 3.775 1.66755 41.87
18 -18.8632 1.000 1.58913 61.22
19 36.8056 2.500
20 34.3226 3.724 1.51680 63.88
21 -51.2601 11.445
22 -20.6818 1.000 1.77250 49.62
23 51.2093 3.854 1.60342 38.03
24 -30.0976 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.09
W M T
f 71.4 100.0 292.0
FNO 4.70 4.69 6.48
2ω 22.78 16.04 5.48
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 169.32 189.52 221.32
BF 39.12 38.52 66.12
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 3.000 26.086 53.441 3.000 26.086 53.441
d10 32.425 27.561 2.000 33.360 28.885 3.621
d12 11.493 14.070 16.477 10.558 12.746 14.856
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 128.221
2 6 -31.614
3 11 66.796
4 13 176.525
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 4.017
(2) f1/ff = 1.920
(3) ff/fi = 0.378
(4) fi/(−fvr) = 3.308
(5) νFP = 61.22
【0054】
図14A、
図14B及び
図14Cはそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図15A、及び
図15Bはそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図16A、
図16B及び
図16Cはそれぞれ、第4実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0055】
各収差図より、第4実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0056】
(第5実施例)
図17は第5実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第5実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0057】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL42との接合正レンズからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL43と両凹形状の負レンズL44との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL45と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL46との接合正レンズと、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL47とからなる。
【0058】
第5実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第5実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0059】
第5実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第5実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.61、焦点距離が72.10(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.23(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が2.44、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.42(mm)となる。
以下の表5に、第5実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0060】
(表5)第5実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 90.0000 5.600 1.51680 63.88
2 -517.3850 0.200
3 123.0815 1.700 1.62004 36.40
4 39.0000 7.800 1.51680 63.88
5 324.1762 可変
6 -110.0000 1.300 1.69680 55.52
7 21.2201 3.957 1.84666 23.80
8 73.0429 1.848
9 -75.3714 1.200 1.85026 32.35
10 106.1768 可変
11 148.9696 3.374 1.58913 61.22
12 -56.4978 可変
13 28.2564 5.746 1.49700 81.73
14 -48.4258 1.200 1.84666 23.80
15 -580.3411 2.897
16(絞りS) ∞ 23.051
17 -77.0000 3.951 1.72825 28.38
18 -14.4874 1.000 1.67003 47.14
19 29.3362 2.500
20 29.8903 5.510 1.62004 36.40
21 -17.4201 1.000 1.84666 23.80
22 -35.2773 7.314
23 -22.7541 1.000 1.77250 49.62
24 -46.2730 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.70 4.63 6.53
2ω 22.62 16.08 5.50
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 169.32 187.97 221.32
BF 39.61 38.52 66.61
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 3.001 26.619 53.461 3.001 26.619 53.461
d10 33.373 28.524 2.000 34.372 29.969 3.698
d12 11.187 12.162 17.100 10.188 10.718 15.402
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 131.155
2 6 -32.550
3 11 69.956
4 13 165.331
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 4.519
(2) f1/ff = 1.902
(3) ff/fi = 0.417
(4) fi/(−fvr) = 4.755
(5) νFP = 61.22
【0061】
図18A、
図18B及び
図18Cはそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図19A、及び
図19Bはそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図20A、
図20B及び
図20Cはそれぞれ、第5実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0062】
各収差図より、第5実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0063】
(第6実施例)
図21は第6実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第6実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0064】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL43とからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL44と両凹形状の負レンズL45との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL46と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL47とからなる。
【0065】
第6実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第6実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0066】
第6実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第6実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.54、焦点距離が72.10(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.25(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が2.42、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.42(mm)となる。
以下の表6に、第6実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0067】
(表6)第6実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 94.0000 5.600 1.51680 63.88
2 -475.5757 0.200
3 128.0000 1.700 1.62004 36.40
4 39.6000 8.000 1.51680 63.88
5 425.5305 可変
6 -190.0000 1.300 1.69680 55.52
7 20.4656 4.300 1.84666 23.80
8 66.5049 2.063
9 -61.8359 1.200 1.85026 32.35
10 109.1965 可変
11 128.7113 3.300 1.58913 61.22
12 -63.7222 可変
13 37.0000 5.400 1.49700 81.73
14 -45.9212 1.300 1.85026 32.35
15 148.3744 0.200
16 45.1050 3.600 1.48749 70.31
17 -172.8812 4.000
18(絞りS) ∞ 26.764
19 -95.3704 3.900 1.74950 35.25
20 -14.2257 1.000 1.69680 55.52
21 24.1570 2.279
22 26.2427 4.000 1.62004 36.40
23 -55.0000 2.250
24 -20.2886 1.000 1.84666 23.80
25 -34.0000 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.69 4.66 6.54
2ω 22.56 16.04 5.50
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 169.32 189.24 221.32
BF 38.93 38.52 65.93
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.500 25.118 52.806 2.500 25.118 52.806
d10 33.481 28.557 2.155 34.454 29.917 3.849
d12 11.047 13.692 17.068 10.075 12.332 15.373
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 130.472
2 6 -32.352
3 11 72.809
4 13 142.608
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 6.295
(2) f1/ff = 1.792
(3) ff/fi = 0.511
(4) fi/(−fvr) = 4.779
(5) νFP = 61.22
【0068】
図22A、
図22B及び
図22Cはそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図23A、及び
図23Bはそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図24A、
図24B及び
図24Cはそれぞれ、第6実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0069】
各収差図より、第6実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0070】
(第7実施例)
図25は第7実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第7実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4とから構成されている。
【0071】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL43とからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL44と両凹形状の負レンズL45との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL46と、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL47とからなる。
【0072】
第7実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔及び第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔が変化するように、第1〜第4レンズ群G1〜G4が光軸に沿って移動する。
第7実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0073】
第7実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第7実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.61、焦点距離が72.10(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.23(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が2.42、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.42(mm)となる。
以下の表7に、第7実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0074】
(表7)第7実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 94.0000 5.600 1.51680 63.88
2 -477.1369 0.200
3 127.9954 1.700 1.62004 36.40
4 39.7182 8.000 1.51680 63.88
5 477.0326 可変
6 -133.8008 1.300 1.69680 55.52
7 20.5210 4.000 1.84666 23.80
8 68.1000 2.028
9 -63.5000 1.200 1.85026 32.35
10 113.2367 可変
11 102.3130 3.400 1.58913 61.22
12 -69.1650
13 39.2000 5.500 1.49700 81.73
14 -39.2000 1.300 1.85026 32.35
15 209.5771 0.200
16 50.7811 3.700 1.48749 70.31
17 -101.5494 1.393
18(絞りS) ∞ 22.905
19 -80.0000 3.300 1.80100 34.92
20 -18.0344 1.000 1.70000 48.11
21 29.8801 2.000
22 34.2607 3.800 1.60342 38.03
23 -54.3498 7.014
24 -20.2978 1.000 1.77250 49.62
25 -34.3298 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.71 4.68 6.51
2ω 22.58 16.04 5.50
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 169.32 188.35 221.32
BF 42.82 42.30 69.82
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.500 25.131 52.658 2.500 25.131 52.658
d10 32.209 27.505 2.151 33.116 28.781 3.756
d12 11.251 12.875 16.152 10.345 11.599 14.546
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 128.381
2 6 -31.506
3 11 70.567
4 13 143.423
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 6.330
(2) f1/ff = 1.819
(3) ff/fi = 0.492
(4) fi/(−fvr) = 4.048
(5) νFP = 61.22
【0075】
図26A、
図26B及び
図26Cはそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図27A、及び
図27Bはそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図28A、
図28B及び
図28Cはそれぞれ、第7実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0076】
各収差図より、第7実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0077】
(第8実施例)
図29は第8実施例に係る変倍光学系の断面図である。
第8実施例に係る変倍光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する後続群GRとから構成されている。後続群GRは、物体側から順に、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。
【0078】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、両凸形状の正レンズL11と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13との接合正レンズとからなる。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹形状の負レンズL21と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22との接合負レンズと、両凹形状の負レンズL23とからなる。
第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL31からなる。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第A群G4Aと、負の屈折力を有する第B群G4Bと、正の屈折力を有する第C群G4Cとから構成されている。なお、第A群G4Aと第B群G4Bの間には、開口絞りSが配置されている。
第A群G4Aは、物体側から順に、両凸形状の正レンズL41と両凹形状の負レンズL42との接合正レンズと、両凸形状の正レンズL43とからなる。
第B群G4Bは、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL44と両凹形状の負レンズL45との接合負レンズからなる。
第C群G4Cは、両凸形状の正レンズL46からなる。
第5レンズ群G5は、物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL51からなる。
【0079】
第8実施例に係る変倍光学系では、広角端状態と望遠端状態との間での変倍時に、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間隔、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間隔、第3レンズ群G3と第4レンズ群G4との間隔及び第4レンズ群G4と第5レンズ群G5との間隔が変化するように、第1〜第5レンズ群G1〜G5が光軸に沿って移動する。
第8実施例に係る変倍光学系では、合焦群として第3レンズ群G3を光軸に沿って像側へ移動させることにより無限遠物体から近距離物体への合焦を行う。
【0080】
第8実施例に係る変倍光学系では、防振群として第B群G4Bを光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させることにより防振を行う。なお、防振時、第A群G4A及び第C群G4Cの光軸に垂直な方向における位置は固定である。
ここで、第8実施例に係る変倍光学系は、広角端状態において防振係数が1.62、焦点距離が72.10(mm)であるため、0.30°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.23(mm)となる。また、望遠端状態においては防振係数が2.42、焦点距離が292.00(mm)であるため、0.20°の回転ブレを補正するための第B群G4Bの移動量は0.42(mm)となる。
以下の表8に、第8実施例に係る変倍光学系の諸元の値を掲げる。
【0081】
(表8)第8実施例
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞
1 94.0000 5.600 1.51680 63.88
2 -475.1178 0.200
3 128.0000 1.700 1.62004 36.40
4 39.6000 8.000 1.51680 63.88
5 485.7465 可変
6 -132.5210 1.300 1.69680 55.52
7 20.5172 4.000 1.84666 23.80
8 68.1000 2.042
9 -63.5000 1.200 1.85026 32.35
10 115.6235 可変
11 101.8918 3.400 1.58913 61.22
12 -69.9544 可変
13 39.2000 5.500 1.49700 81.73
14 -39.2000 1.300 1.85026 32.35
15 212.6596 0.200
16 51.4164 3.700 1.48749 70.31
17 -99.0728 1.373
18(絞りS) ∞ 23.152
19 -80.0000 3.300 1.80100 34.92
20 -17.8244 1.000 1.70000 48.11
21 29.4302 2.000
22 34.1234 3.800 1.60342 38.03
23 -54.6969 可変
24 -20.3466 1.000 1.77250 49.62
25 -34.1069 BF
像面 ∞
[各種データ]
変倍比 4.05
W M T
f 72.1 100.0 292.0
FNO 4.71 4.69 6.49
2ω 22.58 16.06 5.50
Ymax 14.25 14.25 14.25
TL 169.32 188.16 221.32
BF 43.07 42.89 70.02
W M T W M T
無限遠 無限遠 無限遠 近距離 近距離 近距離
d5 2.500 24.944 52.518 2.500 24.944 52.518
d10 32.517 27.845 2.150 33.434 29.131 3.779
d12 10.875 12.288 16.347 9.958 11.001 14.718
d23 6.586 6.430 6.515 6.586 6.430 6.515
[レンズ群データ]
群 始面 f
1 1 128.138
2 6 -31.607
3 11 70.925
4 13 71.734
5 24 -67.420
[条件式対応値]
(1) f1fw/ff= 6.215
(2) f1/ff = 1.807
(3) ff/fi = 0.989
(4) fi/(−fvr) = 2.046
(5) νFP = 61.22
【0082】
図30A、
図30B及び
図30Cはそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における無限遠物体合焦時の諸収差図である。
図31A、及び
図31Bはそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態における無限遠物体合焦時に0.30°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図、及び望遠端状態における無限遠物体合焦時に0.20°の回転ブレに対して防振を行った際のメリディオナル横収差図である。
図32A、
図32B及び
図32Cはそれぞれ、第8実施例に係る変倍光学系の広角端状態、中間焦点距離状態及び望遠端状態における近距離物体合焦時の諸収差図である。
【0083】
各収差図より、第8実施例に係る変倍光学系は、広角端状態から望遠端状態にわたって諸収差を良好に補正し優れた結像性能を有しており、さらに防振時や近距離物体合焦時にも優れた結像性能を有していることがわかる。
【0084】
上記各実施例によれば、広角端状態から望遠端状態への変倍時の諸収差の変動と、無限遠物体から近距離物体への合焦時の諸収差の変動とを良好に抑え、合焦群の小型軽量化を図った変倍光学系を実現することができる。そしてこの変倍光学系は、合焦群の小型軽量化により、小型のモータやメカ機構で合焦群を駆動することができるので、鏡筒が大型化することなく高速で静粛な合焦動作を達成することができる。
【0085】
なお、上記各実施例は本願発明の一具体例を示しているものであり、本願発明はこれらに限定されるものではない。以下の内容は、本実施形態の変倍光学系の光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
【0086】
本実施形態の変倍光学系の実施例として4群又は5群構成のものを示したが、本願はこれに限られず、その他の群構成(例えば、6群等)の変倍光学系を構成することもできる。具体的には、上記各実施例の変倍光学系の最も物体側や最も像側にレンズ又はレンズ群を追加した構成でも構わない。
また、上記各実施例では、第1レンズ群より像側に配置された負の屈折力を有する中間群として第2レンズ群を示したがこの限りではない。また、上記各実施例では、中間群としての第2レンズ群より像側に配置された正の屈折力を有する合焦群として第3レンズ群を示したがこの限りではない。また、上記各実施例では、合焦群より像側に配置された正の屈折力を有する像側群として第4レンズ群を示したがこの限りではない。具体的には、第1レンズ群と中間群(第2レンズ群)との間に、正又は負の屈折力を有するレンズ群を配置し、変倍時に各レンズ群間隔が変化することとしてもよい。また、中間群(第2レンズ群)と合焦群(第3レンズ群)との間に、正又は負の屈折力を有するレンズ群を配置し、変倍時に各レンズ群間隔が変化することとしてもよい。また、合焦群(第3レンズ群)と像側群(第4レンズ群)との間に、正又は負の屈折力を有するレンズ群を配置し、変倍時に各レンズ群間隔が変化することとしてもよい。
【0087】
また、上記各実施例の変倍光学系は、合焦群より像側に防振群を配置することが好ましく、合焦群と防振群との間に他のレンズを配置することがより好ましい。また、後続群は、合焦群と防振群との間に他のレンズを配置する場合、防振群の物体側に対向するレンズと防振群との空気間隔は、後続群の空気間隔の中で最も大きい空気間隔とすることが好ましい。
また、後続群は、合焦群と防振群との間に開口絞りを配置することが好ましく、防振群の物体側に対向する位置に開口絞りを配置することがより好ましい。なお、開口絞りとしての部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
また、第C群の屈折力は、各実施例では正の屈折力としたが、負の屈折力としてもよい。
また、各実施例の特徴群のサブコンビネーションもまた発明となりうる。
【0088】
また、上記各実施例の変倍光学系は、第3レンズ群全体を合焦群とすることとしたが、レンズ群の一部或いは複数のレンズ群を合焦群としてもよい。また、合焦群は、正の屈折力を有することが好ましい。また、合焦群は、1つ又は2つのレンズ成分から構成されていればよく、1つのレンズ成分からなる構成がより好ましい。斯かる合焦群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ、ステッピングモータ、VCMモータ等による駆動にも適している。
【0089】
また、上記各実施例の変倍光学系において、いずれかのレンズ群全体又はその一部を、防振群として光軸に対して垂直な方向の成分を含むように移動させ、又は光軸を含む面内方向へ回転移動(揺動)させることにより、防振を行う構成とすることもできる。特に、上記各実施例の変倍光学系では第B群を防振群とすることが好ましい。また、防振群は、上記各実施例のように1つの接合レンズから構成してもよいが、レンズ枚数に特に限定はなく、1枚の単レンズや複数のレンズ成分から構成することとしてもよい。また、防振群は、負の屈折力を有することが好ましい。また、防振群は、1つのレンズ群の一部からなる構成であることが好ましく、1つのレンズ群を3つの部分に分けた中央の部分からなる構成であることがより好ましい。さらに、防振群は、1つのレンズ群を正負正又は正負負の3つの部分に分けて、中央の負の部分から構成することが好ましい。
【0090】
また、上記各実施例の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面は、球面又は平面としてもよく、或いは非球面としてもよい。また、各レンズは、ガラス素材で形成されていても、樹脂素材で形成されていても、又はガラス素材と樹脂素材との複合でもよい。レンズ面が球面又は平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、レンズ加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防ぐことができるため好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないため好ましい。レンズ面が非球面の場合、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。また、レンズ面は回折面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
【0091】
また、上記各実施例の変倍光学系を構成するレンズのレンズ面に、反射防止膜を施してもよい。これにより、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成することができる。特に、上記各実施例の変倍光学系は最も物体側から数えて2番目のレンズの物体側のレンズ面に反射防止膜を施すことが好ましい。
【0092】
次に、本実施形態の変倍光学系を備えたカメラを
図33に基づいて説明する。
図33は本実施形態の変倍光学系を備えたカメラの構成を示す図である。
図33に示すようにカメラ1は、撮影レンズ2として上記第1実施例に係る変倍光学系を備えたレンズ交換式の所謂ミラーレスカメラである。
【0093】
本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、不図示のOLPF(Optical low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子によって被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic view finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介して被写体を観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3で生成された被写体の画像が不図示のメモリに記憶される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。
【0094】
ここで、本カメラ1に撮影レンズ2として搭載した上記第1実施例に係る変倍光学系は、上述のように良好な光学性能を備え、合焦群の軽量化が図られている。即ち本カメラ1は、合焦動作の高速化と良好な光学性能を実現することができる。なお、上記第2〜第8実施例に係る変倍光学系を撮影レンズ2として搭載したカメラを構成しても、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。また、クイックリターンミラーを有し、ファインダ光学系によって被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに上記各実施例に係る変倍光学系を搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
【0095】
最後に、本実施形態の変倍光学系の製造方法の概略を
図34に基づいて説明する。
図34は本実施形態の変倍光学系の製造方法の概略を示す図である。
【0096】
図34に示す本実施形態の変倍光学系の製造方法は、最も物体側に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と、前記第1レンズ群より像側に配置された負の屈折力を有する中間群と、前記中間群より像側に配置された正の屈折力を有し合焦時に移動する合焦群と、前記合焦群より像側に配置された正の屈折力を有する像側群とを準備するステップS1と、前記第1レンズ群と前記中間群と前記合焦群と前記像側群とを変倍時に、前記第1レンズ群と前記中間群との間隔、前記中間群と前記合焦群との間隔及び前記合焦群と前記像側群との間隔が変化するように配置するステップS2を含み、以下の条件式(1)を満足する。
(1) 3.00<f1fw/ff<9.00
ただし、
f1fw:広角端状態における前記第1レンズ群から前記合焦群までの合成焦点距離
ff:前記合焦群の焦点距離
【0097】
斯かる本実施形態の変倍光学系の製造方法によれば、良好な光学性能を備え、合焦動作の高速化のために合焦群の軽量化を図った変倍光学系を製造することができる。