(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光モジュールを例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0009】
(液晶ディスプレイ装置1000)
図1は、本実施形態にかかる液晶ディスプレイ装置1000の各構成を示す構成図である。
図1で示す液晶ディスプレイ装置1000は、上側から順に、液晶パネル120と、2枚のレンズシート110a、110bと、拡散シート110cと、発光モジュール100とを備える。本実施形態にかかる液晶ディスプレイ装置1000は、液晶パネル120の下方に発光モジュール100を配置するいわゆる直下型の液晶ディスプレイ装置である。液晶ディスプレイ装置1000は、発光モジュール100から照射される光を、液晶パネル120に照射する。なお、上述の構成部材のそれぞれは複数枚重ねてもよく、さらに偏光フィルムやカラーフィルタ、DBEF等の部材を備えてもよい。
【0010】
1.実施形態1
(発光モジュール100)
本実施形態の発光モジュールの構成を
図2A〜
図2Dに示す。
図2Aは、本実施形態にかかる発光モジュールの模式平面図である。
図2Bは、本実施形態にかかる発光モジュール100を示す一部拡大模式断面図である。
図2Cは、実施形態にかかる導光板の光学機能部と凹部の一例を示す平面図、縦断面図、横断面図、底面図である。
【0011】
発光モジュール100は、導光板1と、導光板1に配置された複数の発光素子11とを備える。各々の発光素子11は導光板1上にマトリクス状に配置されている。導光板1は、複数の発光セル5を一体構造に連結している。発光セル5は導光板1と発光素子11とを備える。導光板1は、発光素子11を中央部に配置している複数のセル領域6からなる。導光板1は、複数のセル領域6を縦横に並べて各々のセル領域6を四角形としている。発光セル5は、導光板1のセル領域6の中央部に発光素子11を配置している。各々の発光セル5は、発光素子11と導光板1との間に波長変換部12を配置している。発光モジュール100の導光板1は、外部に光を放射する発光面である第1主面1cと、第1主面1cと反対側の第2主面1dと、を備える。導光板1は、第2主面1dにおいて、隣接するセル領域6の境界に凹反射部1gを設けて、第1主面1cにおいては、発光セル5の中央部よりも境界線に近い位置に反射溝1jを設けている。導光板1の各々のセル領域6には波長変換部12を配置している。波長変換部12は、導光板1に設けた凹部1bに設けられており、発光素子11と導光板1との間に配置される。波長変換部12は、発光素子11の発光を波長変換して導光板1に入射する。波長変換部12のそれぞれに1つの発光素子11が配置されている。
【0012】
さらに、本開示に係る発光モジュールは、導光板1を一体構造に連結している複数の発光セル5からなる。導光板1は、発光素子11を中央部に配置している各々の発光セル5を構成する複数のセル領域6からなる。発光セル5は、セル領域6の中央部であって、導光板1の第1主面1c側に光学機能部2を配置して、第2主面1dには光学機能部2の対応位置に各々の発光素子11を配置している。さらに、導光板1は、第1主面1cには、隣接して配置しているセル領域6の境界部7に沿って伸びるように反射溝1jを設けている。
【0013】
本開示に係る発光モジュールは、薄型化しながら輝度ムラを抑制できる。導光板1の第2主面1dに設けている凹反射部1gと、第1主面1cに設けている反射溝1jが、対向する特定の位置に配置されて、輝度の低下しやすい発光セル5の境界部分において、導光板1の内部を透過する光を効率よく外部に放射して、境界部分における輝度の低下を抑制することができる。導光板1の内部を透過して境界面に入射する光は、発光素子11から離れた境界部分では入射角が大きくなって全反射する確率が高くなる。導光板の内面で全反射する光は外部に放出されず、境界部の輝度を低下させる原因となる。導光板の内面に入射する光は、入射角が臨界角よりも小さいと、導光板の内面で全反射することなく、外部に放射される。以上の発光モジュールは、導光板1の第2主面1dには境界部7に凹反射部1gを設け、第1主面1cには中央部より境界部7に近い位置に反射溝1jを設けているので、凹反射部1gが発光素子11から放射されて導光板1の内部を面方向に透過する光を境界部7の凹反射部1gで反射して方向転換し、中央部よりも境界部7に近い位置に配置している反射溝1jは、発光素子11から放射された光と、凹反射部1gで反射された光の両方を、第1主面1cの内面における入射角を小さくして導光板1の外部に放出して、境界部7の輝度の低下を抑制する。導光板1の第2主面1dの境界部7にある凹反射部1gは、導光板1の内部を面方向に透過する光を反射して、第1主面1cに向かう方向とする確率を高くして、反射光が第1主面1cから外部に放出される確率を高くしている。第1主面1cにおいて、発光セル5の中央部よりも境界部7に近い位置に配置している反射溝1jは、発光素子11から放射された光と、凹反射部1gで反射された光の両方を導光板1の外部に放出して、境界部7の輝度低下を抑制する。第1主面1cには反射溝1jを、第2主面1dには凹反射部1gを配置し、セル領域6の境界部7と中央部より境界部7に近い位置において、その両面に凹部を設けている導光板1は、凹反射部1gと反射溝1jとが互いに内部を透過する光を内面で反射し、また表面で屈折して外部に放出することで、導光板1を薄くしながら、輝度ムラを抑制できる効果がある。とくに、以上の発光モジュールは、発光セル5の中央部よりも境界部7に近い位置に反射溝1jを設けているので、反射溝1jを設けていない場合に比べて、反射溝1j表面への入射角を広い範囲で小さくして、光の全反射による輝度低下を抑制できる。反射溝1jで発光素子から離れた位置の輝度低下を抑制することで、発光素子11の配置のピッチを広くすることができ、安価に製造をすることが可能となる。
【0014】
凹反射部1gと反射溝1jに加えて、輝度が高くなる発光素子11の光軸上に、光学機能部2を配置する本開示の発光モジュールは、発光素子11の発光面11aから導光板1に入射される光を光学機能部2で光軸から周囲に拡散し、発光素子11の光軸上の強い発光を遮光して周囲に拡散し、拡散された光を反射溝1jで外部に放射することで、全体を薄型化しながら輝度ムラをより効果的に抑制できる。
【0015】
直下型の液晶ディスプレイ装置では、液晶パネルと発光モジュールとの距離が近いため、発光モジュールの輝度ムラが液晶ディスプレイ装置の輝度ムラに影響を及ぼす可能性がある。そのため、直下型の液晶ディスプレイ装置の発光モジュールとして、輝度ムラの少ない発光モジュールが望まれている。
【0016】
本実施形態の発光モジュール100の構成をとれば、発光モジュール100の厚みを、5mm以下、3mm以下、1mm以下等、薄くすることができる。
【0017】
図2Bに示す発光モジュール100は、光源として、発光素子11と、発光素子11の主発光面11cを覆う波長変換部12と、発光素子11の側面を覆う光反射性部材16とを備える発光素子ユニット10を備える。この発光素子ユニット10を、
図2Bに示すように、導光板1の凹部1bに接合することにより、導光板1の定位置に波長変換部12と発光素子11とを配置して、発光素子11から放射される光を波長変換部12を介して導光板1に入射するようにしている。ただ、発光モジュールは、必ずしも波長変換部や発光素子を発光素子ユニットとして導光板に配置する必要はなく、導光板に形成された凹部に波長変換材料を充填して波長変換部を形成すると共に、この波長変換部に発光素子を接合して導光板の定位置に波長変換部と発光素子とを配置することもできる。
【0018】
さらに、
図2Bに示す発光モジュール100は、導光板1の第1主面1c側に光学機能部2を設けている。光学機能部2は、発光素子11の光軸上に配置され、発光素子11の発光は、光学機能部2を介して外部に放射される。
【0019】
発光素子11から放射される光は、波長変換部12を介して導光板1に入射される。以上の発光モジュール100においては、発光素子11の発光は、波長変換部12を介して導光板1に入射する。本明細書において、「発光素子の発光面」は、発光素子の光が導光板に入射される面を意味するので、発光素子の発光が波長変換部を介して導光板に入射する発光モジュールでは、波長変換部の表面(発光素子ユニットの表面)が発光素子の発光面となる。発光モジュールは、発光素子の発光を、波長変換部を介して導光板に入射する構造には特定しない。たとえば、発光モジュールは、光調整層を介して発光素子の光を導光板に入射することもできる。発光素子の光が光調整層を介して導光板に入射される発光モジュールは、発光素子の発光面が光調整層の表面となる。光調整層は、たとえば、発光素子の光を散乱して導光板に入射する層など、発光素子の光をコントロールして導光板に入射する全ての層とすることができる。また、この場合、波長変換部に代わって光調整層を備える発光素子ユニットを形成し、この発光素子ユニットを導光板に配置することにより、光調整層を介して発光素子の光を導光板に入射することができる。
【0020】
本実施形態にかかる発光モジュール100を構成する各部材および製造方法について以下に詳述する。
【0021】
(導光板1)
導光板1は、発光素子11からの光が入射され、面状の発光を行う透光性の部材である。本実施形態の導光板1は、発光面となる第1主面1cと、第1主面1cと反対側の第2主面1dとを備える。この導光板1の第2主面1dに複数の発光素子11を配置している。発光素子11は、導光板1のセル領域6の中央部に配置される。発光素子11を導光板1の第2主面1dの凹部1bに配置する構造は、導光板1と発光素子11との距離を縮めることができ、発光モジュール100の薄型化が可能になる。導光板1の大きさは、例えば、一辺が1cm〜200cm程度とすることができ、3cm〜30cm程度が好ましい。厚みは0.1mm〜5mm程度とすることができ、0.5mm〜3mmが好ましい。導光板1の平面形状は、例えば、略矩形や略円形等とすることができる。
【0022】
導光板1の材料としては、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂等の樹脂材料やガラスなどの光学的に透明な材料を用いることができる。特に、熱可塑性の樹脂材料は、射出成形によって効率よく製造することができるため、好ましい。なかでも、透明性が高く、安価なポリカーボネートが好ましい。導光板1に発光素子11を実装した後に配線基板を貼りつける発光モジュールは、リフロー半田のような高温がかかる工程を省略できるため、ポリカーボネートのような熱可塑性であり耐熱性の低い材料であっても用いることができる。
導光板1は、例えば、射出成形やトランスファーモールド、熱転写等で成形することができる。導光板1が後述する光学機能部2や凹部1bを備えている場合には、これらも一括して金型で形成することが好ましい。これにより、光学機能部2と凹部1bの成形位置ずれを低減することができる。
【0023】
本実施形態の導光板1は単層で形成されていてもよく、複数の透光性の層が積層されて形成されていてもよい。複数の透光性の層が積層されている場合には、任意の層間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けることが好ましい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した発光モジュールとすることができる。このような構成は、例えば、任意の複数の透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。
また、導光板1の第1主面1c上に透光性の層と、導光板1の第1主面1cと透光性の層の間に屈折率の異なる層、例えば空気の層等を設けてもよい。これにより、光をより拡散させやすくなり、輝度ムラを低減した液晶ディスプレイ装置とすることができる。このような構成は、例えば、任意の導光板1と透光性の層の間にスペーサを設けて離間させ、空気の層を設けることで実現することができる。
【0024】
(光学機能部2)
導光板1は、第1主面1c側に光学機能部2を備えている。
光学機能部2は、例えば、導光板1に入射される光を光学機能部2で面内に広げる機能を有することができる。光学機能部2は、例えば、導光板1の材料と屈折率の異なる材料で設けられる。光学機能部2は、具体的には、
図2Bに示すように、導光板1に設けた凹部1aで構成することができる。この図の光学機能部2は、凹部1aの内周面に傾斜面1xを設けている。傾斜面1xは、凹部1aの中央に向かって発光素子11に接近するように、図において上り勾配に傾斜する。
図2Bの断面図に示す光学機能部2は、第1主面1cと傾斜面1xとがなす傾斜角をγとしたとき、傾斜面1xを、中央部に向かって次第に傾斜角(γ)が大きくなる形状としている。このような形状の光学機能部2を設けることにより、発光素子11の発光面11aから導光板1に入射される光をより効果的に導光板1の面方向に広げることができる。さらに、光学機能部2は、底部に平面部1yを設けている。光学機能部2は、平面部1yを凹部1aの中央部に配置している。凹部1aの中央部に平面部1yを設けた光学機能部2は、凹部1aを設けて導光板1の強度が低下する弊害を少なくできる。中央部に設けた平面部1yが、導光板1の最小厚さを厚くできるからである。光学機能部2は、発光素子11の光軸上に配置することが好ましく、より好ましくは、光学機能部2に設けた平面部1yを発光素子11の光軸上に配置することが好ましい。平面部1yのある光学機能部2は、平面部のない光学機能部に比較して、発光素子11と光学機能部2との相対的な位置ずれによる輝度ムラを少なくできる。平面部1yが光入射面である発光素子11の発光面11aと平行に配置されて、平面部1yと光入射面との相対的な位置ずれによる輝度ムラが少なくなるからである。また、光学機能部は、図示しないが、第1主面側に設けられた逆円錐、逆四角錐、逆六角錐等の逆多角錐形等の凹みとして、底部に平面部を設け、あるいは平面部を設けない形状とすることもできる。
【0025】
光学機能部2は、導光板1と屈折率の異なる材料(例えば空気)と凹部1aの傾斜面1xとの界面で、発光素子11から入射される光を発光素子11の側方方向に反射するものを用いることができる。また、例えば、傾斜面1xを有する凹部1aに光反射性の材料(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等を設けたものであってもよい。光学機能部2の傾斜面1xは、断面視において曲線とするが、直線でもよい。
図2B及び
図2Cの断面図に示す光学機能部2の傾斜面1xは、断面視において凹部1aの中央に向かって次第に傾斜角(γ)を大きくする曲線とするが、断面視において傾斜角(γ)が異なる直線として、中央に向かって次第に傾斜角(γ)を大きくすることもできる。
【0026】
光学機能部2は、後述するように、それぞれの発光素子11に対応する、つまり、第2主面1d側に配置された発光素子11と反対側の位置に配置されることが好ましい。特に、発光素子11の光軸と、光学機能部2の中心軸とが略一致することが好ましい。
【0027】
光学機能部2の大きさは、適宜設定することができる。
図2Bに示す光学機能部2は、平面視において円形の開口部の外形を、発光素子11の発光面11aである、波長変換部12の外形よりも大きくしている。この光学機能部2は、発光素子11の発光面11aから導光板1に入射される光をより効果的に導光板1の内部に反射して導光板1の面方向に広げることができる。発光素子11の発光を波長変換部12を介して導光板1に入射する構造は、波長変換部12から全方向に光が導光板1に入射される。導光板1に入射される発光は、光学機能部2との界面で全反射して導光板1の面方向に効率よく広げられるが、導光板1の入射光は、一部が全反射して導光板1の面方向に反射され、一部は光学機能部2との界面で全反射することなく光学機能部2を透過して導光板1の第1主面1cから外部に放射される。
【0028】
(凹反射部1g)
発光モジュール100の導光板1は、セル領域6の境界部7に凹反射部1gを設けている。
図2A〜
図2Cに示す導光板1の凹反射部1gは、発光素子11からの光を反射させる光反射面1hを備える。光反射面1hは曲面であり、セル領域6の境界部7における中央部において最も深くなっている。この発光モジュール100は、境界部7に1列の凹反射部1gを設けて、凹反射部1gの両面に光反射面1hを設けている。光反射面1hは第2主面1dの略全域に渡って曲面としている。この構造の発光モジュール100は、発光素子11からの光を光反射面1hで効率よく反射させることができる。ただし、導光板は、凹反射部をこの形状に特定することなく、平坦な面を有していても構わない。
【0029】
凹反射部1gは、深さが1mm以下であって、好ましくは0.4〜0.8mm、さらに好ましくは、0.5〜0.6mmとする。
図2Bでは、凹反射部1gの深さは、凹部1bよりも深い例を図示している。これにより、発光素子11からの光を効率よく反射することができ、均一な面発光とすることができる。
【0030】
(反射溝1j)
図2A〜
図2Cに示す導光板1は、第1主面1cにおいて、セル領域6の中央部より境界部7に近い位置に反射溝1jを設けている。反射溝1jは、セル領域6の境界部7に沿って伸びる線状としている。また、セル領域6の外周の四角形の輪郭に沿う形状に配置されている。このように配置されていることで、セル領域6の内の光をセル内で有効に利用でき、1セルでの輝度を高くできる。さらに、四角形のセル領域6の境界部7に沿って配置されて、セル領域6の外周に沿う形状に配置されて、セル領域外6の境界部近傍における輝度低下を抑制している。反射溝1jは、第1主面1cに対して傾斜する傾斜面1kを有する形状の溝である。さらに、図に示す反射溝1jは、第1主面1cと傾斜面1kとがなす傾斜角(α)を、導光板1の第1主面1cに向かって次第に大きくなる形状としている。この形状の反射溝1jは、導光板1の第1主面1c側に光をより多く外部に取り出すことができ、セル領域6の境界部7における輝度ムラ、とくに反射溝1j両側の輝度ムラをより少なくできる。図の反射溝1jは、両面を傾斜面1kとするV溝で、さらに両面の傾斜面1kを対称とするV溝としているが、反射溝1jは必ずしも両面を対称とすることなく、またV溝に特定するものでない。
【0031】
図2Bに示す導光板1は、反射溝1jと凹反射部1gを、反対側の表面に互いに平行な姿勢として、境界部7に沿って伸びる形状としている。反射溝1jと凹反射部1gは、溝の最も深い部分である底部が、境界部7に沿って線状に伸びる形状としている。つまり反射溝1jと凹反射部1gの底部が線状に伸びる最深部ラインは、第1主面1cと第2主面1dにおいて、互いに対称でない位置、すなわち非対称位置に配置されている。図の導光板1は、凹反射部1gの最深部ラインを、セル領域6の境界部7の中央に配置して、反射溝1jの最深部ラインを、凹反射部1gの最深部ラインの両側に配置している。セル領域6の中央部及び、凹反射部1gの導光板1の第1主面1c側は、光の取り出しがよく、明るくなりやすい。前記領域に比べてその他のセル領域6は、暗くなりやすい。反射溝1jは、セル領域内で暗くなりやすい位置での光の取り出しを高めている。反射溝1jと凹反射部1gとの最深部ラインを、両面の非対向位置に配置している導光板1は、両面に線状に伸びる反射溝1jと凹反射部1gを設けながら、溝による導光板1の強度が低下するのを防止して、輝度ムラを抑制できる。薄い導光板1の両面に線状に溝を設ける構造は、溝による強度低下が問題となる。非対向位置に線状に溝を設ける構造は、溝を設けて薄くなる領域が両面で異なるので、両面に溝を設けながら、強度低下を少なく出来る特徴がある。とくに、極めて薄い導光板が使用される発光モジュールにおいて、この特徴は極めて大切な特性である。
また、セル内の光をセル内で有効に利用できる為、凹反射部1gの隣のセル側の光反射面1h上が暗くなることを抑制できる。このような効果は、ローカルディミングモードにて動作する場合や、ハイダイナミックレンジ(HDR)映像等を表示することに有効である。
【0032】
図2A及び
図2Bの導光板1は、各々のセル領域6の外周部において、境界部7に沿って伸びる1列の反射溝1jを設けているが、複数列の反射溝を平行に配置することもできる。
【0033】
各反射溝1jの開口幅と深さは、目的や用途、更に発光素子11の配光特性や導光板1の厚み等、種々の要因に応じて設計することができる。一例として、厚みが1.1mmのポリカーボネート製の導光板1を用いる例を示す。反射溝1jの開口幅は0.2mm、深さ0.30mmでとしている。
【0034】
(位置決め部、凹部1b)
導光板1は、第2主面1d側に、位置決め部を備えていてもよい。位置決め部は、発光素子11の実装位置の目標とすることができればどのような形態でもよい。具体的には、例えば、
図2B、
図2C、及び
図4Aに示すような凹部1bや、凸部、溝等とすることができる。凹部1bの平面視における大きさは、例えば、0.05mm〜10mmとすることができ、0.1mm〜1mmが好ましい。深さは0.05mm〜4mmとすることができ、0.1mm〜1mmが好ましい。光学機能部2と凹部1bの間の距離は光学機能部2と凹部1bが離間している範囲で適宜設定できる。
【0035】
凹部1bの平面視形状は、例えば、略矩形、略円形とすることができ、凹部1bの配列ピッチ等によって選択可能である。凹部1bの配列ピッチ(最も近接した2つの凹部の間の距離)が略均等である場合には、略円形または略正方形が好ましい。なかでも、略円形とすることで、発光素子11からの光を良好に広げることができる。
【0036】
図2Cに示す凹部1bは、平面視における外形を略正方形状としている。さらに、図に示す凹部1bは、その内周面を、正方形状の開口縁から凹部1bの底面に向かって下り勾配となる傾斜面1mとして、全体の形状を逆四角錐台形状としている。
図2に示す凹部1bは、平面状に形成される底面の大きさを、発光素子ユニット10の発光面11aである波長変換部12の対向面よりも大きくしている。これにより、発光ユニット10を凹部1bの底面に対して確実に配置できるようにしている。この凹部1bには、詳細には後述するが、内側に充填される透光性接合部材14を介して発光素子ユニット10が定位置に固定される。
以上の凹部1bは、内周面を傾斜面1mとしているが、凹部は、内周面を垂直面とすることもできる。
【0037】
(発光素子ユニット10)
発光素子ユニット10は、発光素子11と、発光素子11の主発光面11cを覆う波長変換部12と、発光素子11の側面を覆う光反射性部材16とを備えている。
図3の発光素子ユニット10は、波長変換部12の表面に発光素子11を接合して、発光素子11の主発光面11cを波長変換部12で被覆している。発光素子11は、透光性接着部材17を介して、波長変換部12の表面に接合している。
図3の発光素子ユニット10は、平面視において、波長変換部12の外形を発光素子11の外形よりも大きくしている。この発光素子ユニット10は、発光素子11の主発光面11cから照射されるより多くの光を波長変換部12に透過させて導光板1に入射して色ムラや輝度ムラを少なくできる。さらに、発光素子ユニット10は、発光素子11の側面を光反射性部材16で被覆している。図に示す発光素子ユニット10は、光反射性部材16の外側面と波長変換部12の外側面を略同一平面としている。
【0038】
(波長変換部12)
本実施形態の発光モジュール100は、発光素子11からの光を拡散して、発光素子11からの光の波長を変換する波長変換部12を備えていてもよい。
波長変換部12は、
図2Bに示すように、発光素子11と導光板1との間に設けられ、導光板1の第2主面1d側に配置されている。波長変換部12は、それに照射された発光素子11からの光を内部で拡散、均等化する。図の発光モジュール100は、発光素子ユニット10として、発光素子11と波長変換部12とを一体的に形成することにより、発光素子11の主発光面11cを波長変換部12で被覆している。波長変換部12は、発光モジュールの薄型化等の目的から、
図2Bに示すように、前述の導光板1の凹部1b内に配置されていることが好ましい。
【0039】
ただ、波長変換部12は、
図5に示す発光モジュール200のように、平坦な導光板201の第2主面201d上に配置することもできる。図に示す発光モジュール200は、平坦な導光板201の第2主面201d上に、発光素子ユニット10の波長変換部12を接合して固定することにより、導光板201と発光素子11の間に波長変換部12を配置している。この発光素子ユニット10は、例えば、透光性接着部材17を介して接合される。このように、波長変換部12は、第2主面201dの面から突出するように設けられていてもよい。
【0040】
図5に示す導光板1は、第2主面201dに凹部を設けることなく、発光素子ユニット10が配置される第2主面201dを平面状としている。さらに、導光板は光学機能部202となる凹部201aの形状を、逆円錐状の凹みとして、凹部201aの内周面に傾斜面201xを設けている。傾斜面201xは、凹部1aの中央に向かって発光素子11に接近するように、図において上り勾配に傾斜している。
図5に示す光学機能部202は、傾斜面201xを、中央部に向かって次第に傾斜角が大きくなる形状としている。図に示す導光板は、第2主面201dに凹部を形成することなく平面状とするので、発光素子11の発光面11aに対向して第1主面201cに形成される凹部201aを深く形成しながら、導光板の強度を確保できる。このような形状の光学機能部202を設けることにより、発光素子11の発光面11aから導光板1に入射される光をより効果的に導光板1の面方向に広げることができる。また、光学機能部は、図示しないが、第1主面側に設けられた逆円錐、逆四角錐、逆六角錐等の逆多角錐形等の凹みとすることができる。さらに、光学機能部202においても、底部に平面部を設ける凹みとすることもできる。
【0041】
さらに、発光モジュールは、図示しないが、導光板に形成された凹部に波長変換材料を充填して波長変換部を形成することもできる。この発光モジュールは、それぞれ離間した複数の波長変換部を備えることが好ましい。これにより、波長変換材料を削減することができる。また、それぞれの発光素子の1つに対して、1つの波長変換部が設けられることが好ましい。これにより、発光素子からの光を波長変換部において均一化させることで、輝度ムラや色ムラを低減することができる。
【0042】
凹部に波長変換材料を充填して形成される波長変換部は、例えば、ポッティング、印刷、スプレー等の方法で形成することができる。導光板の凹部内に波長変換材料を配置して波長変換部を形成する場合には、例えば、液状の波長変換材料を導光板の第2主面に載せた後、スキージ等で複数の凹部内にすり込むことで、量産性良く波長変換部を形成することができる。
【0043】
また、凹部に充填される波長変換部は、あらかじめ成形されたものを準備し、その成形品を導光板の凹部内、又は、導光板の第2主面上に配置してもよい。波長変換部の成形品の形成方法は、例えば、板状又はシート状の波長変換材料を、切断、パンチング等によって個片化する方法が挙げられる。あるいは、金型等を用いて射出成形、トランスファーモールド法、圧縮成形などの方法によって小片の波長変換部の成形品を形成することができる。波長変換部の成形品は、接着剤等を用いて凹部内、又は、導光板の第2主面上に接着することができる。
【0044】
波長変換部12の大きさや形状は、例えば、上述の凹部1bと同程度とすることができる。波長変換部12の高さは、凹部1bの深さと同程度、またはそれ以上とすることが好ましい。
【0045】
なお、導光板1の第1主面2cは、光学機能部2以外の部分に光拡散、反射等をさせる加工を有していてもよい。例えば、光学機能部2から離間した部分に微細な凹凸を設ける、または粗面とすることで、さらに光を拡散させ、輝度ムラを低減するようにすることができる。
【0046】
波長変換部12は、例えば、母材の材料として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、これらを混合した樹脂、または、ガラスなどの透光性材料を用いることができる。波長変換部12の耐光性および成形容易性の観点からは、波長変換部12の母材としてシリコーン樹脂を選択すると有益である。波長変換部12の母材としては、導光板1の材料よりも高い屈折率を有する材料が好ましい。
【0047】
波長変換部12が含有する波長変換部材としては、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体またはKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、窒化物系蛍光体などが挙げられる。特に、複数種類の波長変換部材を1つの波長変換部12において用いること、より好ましくは、波長変換部12が緑色系の発光をするβサイアロン蛍光体と赤色系の発光をするKSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体とを含むことにより、発光モジュールの色再現範囲を広げることができる。また、例えば、青色系の光を出射する発光素子11を用いた際に、赤色系の光を得ることができるように、波長変換部12にKSF系蛍光体(赤色蛍光体)を60重量%以上、好ましくは90重量%以上含有させてもよい。つまり、特定の色の光を出射する波長変換部材を波長変換部12に含有させることで、特定の色の光を出射するようにしてもよい。また、波長変換部材は量子ドットであってもよい。
波長変換部12内において、波長変換部材はどのように配置されていてもよい。例えば、略均一に分布していてもよく、一部に偏在してもよい。また、波長変換部材をそれぞれ含有する複数の層が積層されて設けられていてもよい。
【0048】
波長変換部12は、例えば上述した樹脂材料にSiO
2やTiO
2等の微粒子を含有させて、発光素子11の光を散乱させる層とすることもできる。
【0049】
(発光素子11)
発光素子11は、発光モジュール100の光源である。導光板1は、複数の発光素子11を配置している。
【0050】
発光素子11は、主に発光を取り出す主発光面11cと、主発光面11cと反対側の電極形成面11dに一対の電極11bを有する。一対の電極11bは後述する配線基板20と対向して配置され、任意に配線15等を介して、適宜配線基板20の基板配線と電気的に接続される。発光素子11と導光板1とは透光性樹脂等の透光性を有する透光性接合部材14を介して接合される。
【0051】
発光素子11は、例えば、サファイア等の透光性基板と、透光性基板の上に積層された半導体積層構造とを有する。半導体積層構造は、発光層と、発光層を挟むn型半導体層およびp型半導体層とを含み、n型半導体層およびp型半導体層にn側電極およびp側電極11bがそれぞれ電気的に接続される。発光素子11は、例えば透光性基板を備える主発光面11cが導光板と対向して配置され、主発光面11cと反対側の電極形成面11dに一対の電極11bを有する。発光素子11は、波長変換部材を効率良く励起できる短波長の光を出射することが可能な窒化物半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を備えることが好ましい。
【0052】
発光素子11としては、縦、横および高さの寸法に特に制限は無い。発光素子11は、好ましくは平面視において縦および横の寸法が1000μm以下の半導体発光素子を用い、より好ましくは縦および横の寸法が500μm以下であり、さらに好ましくは、縦および横の寸法が250μm以下の発光素子を用いる。このような発光素子を用いると、液晶ディスプレイ装置のローカルディミングを行った際に、高精細な映像を実現することができる。また、縦および横の寸法が500μm以下の発光素子11を用いると、発光素子11のコスト効率がよくなり、発光モジュール100の低コスト化が可能になる。なお、縦および横の寸法の両方が250μm以下である発光素子は、発光素子の上面の面積が小さくなるため、相対的に発光素子の側面からの光の出射量が多くなる。つまり、このような発光素子は発光がバットウィング形状になりやすくなるため、発光素子11が導光板1に接合され、発光素子11と導光板1との距離がごく短い本実施形態の発光モジュール100に好ましく用いられる。
【0053】
さらに、発光モジュールは、導光板1にレンズ等の反射や拡散機能を有する光学機能部2を設けて、発光素子11からの光を側方に広げ、導光板1の面内における発光強度を平均化させることが好ましい。
【0054】
本実施形態における発光モジュール100は、導光板1に予め設けられた複数の位置決め部(特に、凹部1b)もしくは光学機能部2を目印とし、導光板1上に複数の発光素子ユニット10を実装することで、このような発光素子11の位置決めを容易に行うことができる。このことにより、発光素子11からの光を精度よく均一化させ、輝度ムラや色ムラの少ない良質なバックライト用光源とすることができる。
【0055】
また、上述のように、光学機能部2が設けられた面の反対側の面において光学機能部2と対応した、つまり平面透視において光学機能部2と重なる位置に、発光素子11を位置決め可能な位置決め部を設けることが好ましい。なかでも、位置決め部として凹部1bを形成し、この凹部1bに発光素子ユニット10の波長変換部12を接合することで、発光素子11と光学機能部2との位置決めをより容易に行うことができる。
また、発光素子を発光素子ユニットとして凹部に配置することなく、導光板に設けた凹部に波長変換材料を充填して波長変換部を設けて、この波長変換部に発光素子を接合する構造としてもよい。位置決め部として形成された凹部の内部に導光板1の部材とは異なる部材であって、製造装置の位置認識に利用可能な波長変換部を形成することで、発光素子と光学機能部との位置決めをより容易に行うことができる。
【0056】
また、発光素子11の側面を光反射性部材16で被覆して発光の方向を限定し、また発光素子11の主発光面11cと対向する凹部1bの内部に波長変換部12を設け、この波長変換部12から主に光を取り出すことで、発光を内部で拡散させることが可能な波長変換部12を発光部とみなすことができる。これにより、波長変換部12と対向してはいるものの、平面視の範囲内において発生する発光素子11の位置ずれの影響をより低減することができる。
【0057】
発光素子11としては、平面視においてどのような形状のものを用いてもよい。例えば、正方形または長方形の発光素子を用いることが好ましい。高精細な液晶ディスプレイ装置の場合、使用する発光素子11の数は数千個以上となり、発光素子11の実装工程は重要な工程となる。長方形の発光素子を用いた場合は、実装工程において、複数の発光素子の一部の発光素子に回転ずれ(例えば±90度方向のずれ)が発生したとしても、平面視において長方形の発光素子を用いることで目視での確認が容易となる。また、p型電極とn型電極の距離を離して形成することができるため、後述する配線15の形成を容易に行うことができる。
一方、平面視において正方形の発光素子を用いる場合は、小さい発光素子を量産性良く製造することができる。
発光素子11の密度(配列ピッチ)は、発光素子11間の距離は、例えば、0.05mm〜20mm程度とすることができ、1mm〜10mm程度が好ましい。
【0058】
複数の発光素子11は、導光板1の平面視において、多段多列に配列される。好ましくは、複数の発光素子11は、
図2Aに示すように、直交する二方向、つまり、x方向およびy方向に沿って二次元的に配列される。複数の発光素子11のx方向の配列ピッチpxは、y方向の配列ピッチpyは、
図2Aの例に示すように、x方向およびy方向の間でピッチが同じであってもよいし、異なっていてもよい。配列の二方向が直交していなくてもよい。また、x方向またはy方向の配列ピッチは等間隔に限られず、不等間隔であってもよい。例えば、導光板1の中央から周辺に向かって間隔が広くなるように発光素子11が配列されていてもよい。なお、発光素子11間のピッチとは、発光素子11の光軸間の距離である。
【0059】
発光素子11には、公知の半導体発光素子を利用することができる。本実施形態においては、発光素子11として発光ダイオードを例示する。発光素子11は、例えば、青色光を出射する。また、発光素子ユニット10として、波長変換部材との組み合わせにより白色光を出射する光源を用いてもよい。また、複数の発光素子11として異なる色の光を発する発光素子を用いてもよい。例えば、発光モジュール100が、赤、青、緑の光を出射する発光素子を含み、赤、青、緑の光が混合されることにより白色光が出射されてもよい。
【0060】
発光素子11として、任意の波長の光を出射する素子を選択することができる。例えば、青色、緑色の光を出射する素子としては、窒化物系半導体(In
xAl
yGa
1−x−yN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)またはGaPを用いた発光素子を用いることができる。また、赤色の光を出射する素子としては、GaAlAs、AlInGaPなどの半導体を含む発光素子を用いることができる。さらに、これら以外の材料からなる半導体発光素子を用いることもできる。半導体層の材料およびその混晶度によって発光波長を種々選択することができる。用いる発光素子の組成、発光色、大きさ、個数などは、目的に応じて適宜選択すればよい。
【0061】
(透光性接着部材17)
透光性接着部材17は、波長変換部12の表面と発光素子11の主発光面11cとを接合している。さらに、透光性接着部材17は、
図3に示すように、発光素子11の側面の一部および波長変換部12の一部も被覆している。なお、透光性接着部材17の外側面は、発光素子11の側面から波長変換部12に向かって広がる傾斜面であることが好ましく、発光素子11側に凸状の曲面であることがより好ましい。
さらに、透光性接着部材17は、導光板1の第1主面1c側から見た平面視において、波長変換部12の外縁より内側の範囲に限定して配置されることが好ましい。これにより、発光素子11の側面から出る光を波長変換部12により効率的に入光させることができるため、光取り出し効率を高めることができる。
また、発光素子11の主発光面11cと波長変換部12の間には、透光性接着部材17を有してもよい。これにより、例えば、透光性接着部材17に拡散剤等を含有することで発光素子11の主発光面11cから出る光が、透光性接着部材17で拡散され、波長変換部12に入ることで輝度ムラを少なくできる。
透光性接着部材17は、後述する透光性接合部材14と同じ部材を使用することができる。
【0062】
(光反射性部材16)
さらに、発光素子ユニット10は、発光素子11に波長変換部12を設けた状態で、発光素子11の側面を光反射性部材16で被覆している。詳細には、透光性接着部材17で覆われていない発光素子11の側面および透光性接着部材17の外側面を光反射性部材16で被覆している。
光反射性部材16は、光反射性に優れた材質で、好ましくは、光を反射する添加物である白色粉末等を透明樹脂に添加している白色樹脂である。発光素子ユニット10は、発光素子11の主発光面11cを除く他の面をこの光反射性部材16で被覆することにより、主発光面11c以外の方向への光の漏れを抑制している。すなわち、光反射性部材16は、発光素子11の側面や電極形成面11dから出射される光を反射して、発光素子11の発光を有効に導光板1の第1主面1cから外部に放射させて、発光モジュール100の光取り出し効率を高めることができる。
【0063】
光反射性部材16は、発光素子11から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する白色樹脂が適している。この光反射性部材16は、白色粉末等の白色の顔料を含有させた樹脂であることが好ましい。特に、酸化チタン等の無機白色粉末を含有させたシリコーン樹脂が好ましい。
【0064】
光反射性部材16は、発光素子11の側面の少なくとも一部に接しており、発光素子11の周囲にあって発光素子11を埋設して、発光素子11の電極11bを表面に露出させている。光反射性部材16は、波長変換部12と接しており、光反射性部材16の外側面と波長変換部12の外側面は略同一平面である。しかし、光反射性部材16の外側面より波長変換部12の外側面が突出するような形としてもよい。その場合、後述する透光性接合部材14で発光素子ユニット10を導光板1に接着させたときの接合が強固になり好ましい。光反射性部材16は、発光素子11と波長変換部12と一体構造に接合された発光素子ユニット10を介して導光板1に配置される。
【0065】
(透光性接合部材14)
発光素子ユニット10は、透光性接合部材14によって導光板1に接合することができる。本実施形態においては、透光性接合部材14は、凹部1bの内側面および発光素子ユニット10の外側面と接している。また、透光性接合部材14は、凹部1bの外側に位置する光反射性部材16の一部と接するように、言い換えると、波長変換部12の外側面から光反射性部材16の外側面に跨がる領域を被覆するように配置されている。これにより、発光素子ユニット10の側面方向に出射された光を透光性接合部材14内に効率的に取り出し、発光モジュール100の発光効率を高めることができる。透光性接合部材14が発光素子ユニット10の側面を被覆する場合には、
図2Bに示すように、導光板1の方向に向かって断面視において広がる形状に形成することが好ましい。図の透光性接合部材14の上面は、なだらかな傾斜面としている。これにより、発光素子11の側面方向に出射された光を効率的に導光板1の方向に取り出すことができる。
また透光性接合部材14は、波長変換部12と凹部1bの底面の間に配置されてもよい。
【0066】
図2Bに示す導光板1は、凹部1bの内周面を開口縁から内側に向かって下り勾配となる傾斜面としている。このため、この凹部1bは、透光性接合部材14が充填される領域が広くなって、透光性接合部材14が安定して所定の形状に硬化される。とくに、透光性接合部材14が硬化する際に、透光性接合部材14の表面に引けが生じるのを有効に防止できる特長がある。また、凹部1bに充填された透光性接合部材14は、波長変換部12の外側面から光反射性部材16の外側面に跨がって被覆することで、発光素子ユニット10の周辺部において高くなる形状、すなわち、断面視において、上面が中央凸に膨らむ傾斜面となる。この形状は、透光性接合部材14を透過して傾斜面に入射する光を一様な状態で発光面側に反射できる。また、この透光性接合部材14は、傾斜面が形成される領域を広くして、多くの光を反射できるようになり、輝度ムラを低減できる。
【0067】
透光性接合部材14として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の透光性の熱硬化性の樹脂材料等を用いることができる。また、透光性接合部材14は、光の透過率を60%以上とし、好ましくは90%以上とする。さらに、透光性接合部材14は、拡散材等を含み、あるいは光を反射する添加物である白色粉末等を含んでもよいし、拡散材や白色粉末等を含まない透光性の樹脂材料のみで構成されてもよい。
【0068】
透光性接合部材14は、発光素子11が透光性基板を備える場合、その透光性基板の少なくとも側面の一部を被覆することが好ましい。これにより、発光層から出射される光のうち透光性基板内を伝播して横方向に出射される光を、上方に取り出すことができる。透光性接合部材14は、高さ方向において透光性基板の側面の半分以上を被覆することが好ましく、発光素子11の側面と電極形成面11dとがなす辺に接触するように形成することがさらに好ましい。
【0069】
(封止部材13)
封止部材13は、複数の発光素子ユニット10の側面と導光板1の第2主面1dと透光性接合部材14の表面とを封止している。これにより、発光素子ユニット10と導光板1を補強することができる。また、この封止部材13を光反射性部材とすることで、発光素子ユニット10からの発光を導光板1に効率よく取り入れることができる。また、封止部材13が、発光素子11を保護する部材と導光板1の出射面と反対側の面に設けられる反射部材とを兼ねることにより、発光モジュール100の薄型化を図ることができる。
【0070】
封止部材13は、光反射性部材であることが好ましい。光反射性部材の封止部材13は、発光素子11から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する。光反射性部材の封止部材13の材料は、白色の顔料等を含有させた樹脂であることが好ましい。特に、酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂が好ましい。これにより、導光板1の一面を被覆するために比較的大量に用いられる材料として酸化チタンのような安価な原材料を多く用いることで、発光モジュール100を安価にすることができる。
【0071】
(配線15)
発光モジュール100には、複数の発光素子11の電極11bと電気的に接続される配線15が設けられていてもよい。配線15は、封止部材13等の表面であって、導光板1の第1主面1cと反対側の面に形成することができる。配線15を設けることにより、例えば複数の発光素子11同士を電気的に接続することができ、液晶ディスプレイ装置1000のローカルディミング等に必要な回路を容易に形成することができる。
配線15は、例えば、
図4G〜
図4Hに示すように、発光素子11の正負の電極11bを封止部材13の表面に露出させ、発光素子11の電極11b及び封止部材13の表面に金属膜15aを形成し、該金属膜15aをレーザ等で一部除去して、配線15を形成することができる。
【0072】
(配線基板20)
本開示の発光モジュール100は、
図4Hに示すように、配線基板20を有していてもよい。これにより、ローカルディミング等に必要な複雑な配線を容易に形成することができる。この配線基板20は、発光素子11を導光板1に実装し、任意に封止部材13及び配線15を形成した後に、別途配線層20bを備える配線基板20を発光素子の電極11bないし配線15と接合することで形成することができる。また、発光素子11と接続する配線15を設ける際、該配線15を発光素子11の電極11bの平面形状よりも大きい形状とすることで、この配線基板20と発光素子11等との電気的な接合を容易に行うことができる。
【0073】
配線基板20は、絶縁性の基材20aと、複数の発光素子11と電気的に接続される配線層20b等を備える基板である。配線基板20は、例えば、絶縁性の基材20aに設けられた複数のビアホール内に充填された導電性部材20cと、基材20aの両面側において導電性部材20cと電気的に接続された配線層20bが形成されている。
【0074】
配線基板20の材料としては、どのようなものであってもよい。例えば、セラミックスおよび樹脂を用いることができる。低コストおよび成形容易性の点から、樹脂を基材20aの材料として選択してもよい。樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、不飽和ポリエステル、ガラスエポキシ等の複合材料等を挙げることができる。また、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。本実施形態の発光モジュール100においては、発光素子11と導光板1との位置関係が予め定められているため、配線基板20の材料としては、熱等で反りが発生したり、伸びたりするような材料を基材20aに用いる場合であっても、発光素子11と導光板1との位置ずれの問題が発生しづらいため、ガラスエポキシ等の安価な材料や厚みの薄い基板を適宜用いることができる。
【0075】
配線層20bは、例えば、基材20a上に設けられた導電箔(導体層)であり、複数の発光素子11と電気的に接続される。配線層20bの材料は、高い熱伝導性を有していることが好ましい。このような材料として、例えば銅などの導電材料が挙げられる。また、配線層20bは、メッキや導電性ペーストの塗布、印刷などで形成することができ、配線層20bの厚みは、例えば、5〜50μm程度である。
【0076】
配線基板20は、どのような方法で導光板1等と接合されていてもよい。例えば、シート状の接着シートを、導光板1の反対側に設けられた封止部材13の表面と、配線基板20の表面との間に配置し、圧着することで、接合することができる。また、配線基板20の配線層20bと発光素子11との電気的接続はどのような方法で行われてもよい。例えば、ビアホール内に埋め込んだ金属である導電性部材20cを加圧と加熱により溶かして配線15と接合することができる。
【0077】
なお、配線基板20は、積層構造を有していてもよい。例えば、配線基板20として、表面に絶縁層が設けられた金属板を用いてもよい。また、配線基板20は複数のTFT(Thin−Film Transistor)を有するTFT基板であってもよい。
【0078】
(発光モジュール100の製造工程)
以下、本実施形態の発光モジュールの製造方法の一例を示す。
まず、発光素子ユニット10を準備する。
図3は、発光素子ユニット10の製造工程の一例を示している。
図3(a)に示す工程で、発光素子11の主発光面11cを覆う波長変換部12を形成する。この工程では、ベースシート41の表面に均一な厚さで波長変換部12を形成し、このベースシート41をプレート42に剥離できるように配置する。
【0079】
図3(b)に示す工程で、波長変換部12に発光素子11が接合される。発光素子11は、主発光面11c側を波長変換部12に接合する。発光素子11は、波長変換部12に所定の間隔で接合される。
発光素子11は、透光性接着部材17を介して波長変換部12に接合する。透光性接着部材17は、波長変換部12上および/または発光素子11の主発光面11c上に塗布されて、発光素子11と波長変換部12を接合する。この時、
図3(b)に示すように、塗布された透光性接着部材17が発光素子11の側面に這い上がり、発光素子11の側面の一部を透光性接着部材17が被覆する。また、波長変換部12と発光素子11の主発光面11cの間にも透光性接着部材17を配置してもよい。
発光素子11の間隔は、
図3(e)で示すように、発光素子11の間を切断して、波長変換部12の外形が所定の大きさとなる寸法に設定される。
【0080】
図3(c)に示す工程で、発光素子11を埋設するように、光反射性部材16を形成する。光反射性部材16は、好ましくは白色樹脂である。光反射性部材16は、波長変換部12上に配置され、発光素子11を埋設する状態で硬化する。光反射性部材16は、発光素子11を完全に埋設する厚さ、
図3(c)にあっては発光素子11の電極11bを埋設する厚さに配置される。光反射性部材16は、圧縮成形、トランスファー成形または塗布等で成形することができる。
【0081】
図3(d)に示す工程で、硬化した光反射性部材16の一部を除去して発光素子11の電極11bを露出させる。また、電極11bに金属層を別途設けてもよい。電極11bに金属層を設けることにより、電極11bを保護できる。
【0082】
図3(e)に示す工程で、光反射性部材16と、波長変換部12を裁断して発光素子ユニット10に個片化する。個片化された発光素子ユニット10は、波長変換部12に発光素子11が接合され、発光素子11の周囲には光反射性部材16が設けられて、電極11bを光反射性部材16の表面に露出させている。
以上、発光素子ユニットの準備について、上述の全ての工程を行ってもよいし、一部の工程を行ってもよい。あるいは、発光素子ユニットを購入によって準備してもよい。
【0083】
以上の工程で製造された発光素子ユニット10は、
図4A〜
図4Cに示す工程で、導光板1の凹部1bに接合される。
【0084】
まず、
図4Aに示すように、導光板1を準備する。導光板1は、材料としては例えばポリカーボネートを用い、第1主面1cに凹部1aの光学機能部2と反射溝1jを設け、第2主面1dには発光素子ユニット10の波長変換部12を定位置に配置するために、開口部を略四角形とする凹部1bを設け、さらにセル領域6の境界部7に凹反射部1gを設けている。発光モジュール100は、発光素子11の光を波長変換部12を介して導光板1に入射するので、平面視において、光学機能部2の外形は、発光素子の発光面11aとなる波長変換部12よりも大きくする。光学機能部2は導光板1に設けた中空の凹部1aで実現し、凹部1aの内周面には傾斜面1xを設ける。傾斜面1xは、凹部1aの中央に向かって発光素子11に接近する方向に傾斜し、かつ中央部に向かって傾斜角(γ)が次第に大きくなる形状として、凹部1aの底部には平面部1yを設ける。平面部1yは、光学機能部2を構成する凹部1aの中央部にあって、発光素子の発光面11aと平行な面とする。光学機能部2の凹部1aに平面部1yを設ける導光板1は、最も薄くなる凹部1aと波長変換部12との間を厚くして、導光板1の強度を高くできる。光学機能部2は、平面部1yを発光素子11の光軸上に配置する。導光板1は、光学機能部2の凹部1aと、波長変換部12の凹部1bの中心を発光素子11の光軸上に配置して、光学機能部2の凹部1aを波長変換部12の中心、すなわち発光素子11の光軸上に配置できる。また、例えば、凹部1aに光反射性の部材(例えば金属等の反射膜や白色の樹脂)等をポッティング等により設けたものであってもよい。
【0085】
以上の導光板1の凹部1bに、発光素子ユニット10が接合される。発光素子ユニット10は、
図4Bに示すように、液状である透光性接合部材の材料14aを塗布した凹部1b内に、発光素子ユニット10の一部を配置する。詳細には、発光素子ユニット10の波長変換部12が、凹部1bの底面に対向するように配置する。また、透光性接合部材14の一部は、凹部1bから盛り上がるように凹部1bの外に位置する。
発光素子ユニット10は、平面視において、波長変換部12の中心と凹部1bの中心が一致するように配置し、透光性接合部材14を硬化させて導光板1に接合される。
【0086】
ここで、平面視において、凹部1bの底面は、発光素子ユニット10の底面より大きく、凹部1b内に発光素子ユニット10の一部を配置した際、凹部1bの内側面と発光素子ユニット10の外側面との間にスペースが形成される。図の凹部1bは、内周面が傾斜しており、発光素子ユニット10の外側面との間にスペースを形成している。このスペースは、凹部1bに塗布される未硬化状態の透光性接合部材14で充填される。
【0087】
また、凹部1b内に塗布する透光性接合部材の材料14aの塗布量を調整することで、凹部1bの内側面と発光素子ユニット10の外側面との間のスペースから凹部1bの外側まで透光性接合部材14が押し出される。凹部1bから押し出される透光性接合部材14は、
図4C及び
図2Bに示すように、光反射性部材16の一部と接する位置まで這い上がって光反射性部材16の一部を被覆する。さらに、透光性接合部材14は、第2主面1dと接する位置まで広がって、第2主面1dの一部を被覆してもよい。この状態で、透光性接合部材14の上面は、垂直断面視において、発光素子ユニット10の上端部から外側に向かって傾斜面が形成される。透光性接合部材14の傾斜面は、光反射性部材16の外側面との間でなす角を90度以下とし、好ましくは傾斜角が5°〜90°、より好ましくは45°〜85°となるように形成される。
【0088】
凹部1bに塗布する透光性接合部材の材料14aの塗布量は、発光素子ユニット10を凹部1bに接合する状態で、発光素子ユニット10の外側面を被覆する透光性接合部材14が導光板1の第2主面1dよりも高くなる量、すなわち凹部1bから外側に溢れるような量とすることができる。
【0089】
次に、
図4Dに示すように、導光板1の第2主面1dと複数の発光素子ユニット10と複数の透光性接合部材14を埋め込むように、封止部材の材料13aを形成する。封止部材の材料13aは、酸化チタンとシリコーン樹脂が混合された光反射性の部材である。封止部材の材料13aは、例えばトランスファーモールド、ポッティング、印刷、スプレー等の方法で形成する。この時、発光素子11の電極11bの上面(導光板1と反対側の面)を完全に被覆するように封止部材の材料13aを厚く形成する。次に、
図4Eに示すように、封止部材の材料13aの一部を除去し、発光素子11の電極11bを露出させ、封止部材13を形成する。封止部材の材料13aを除去する方法としては、砥石による研削、ブラスト等を用いることができる。
【0090】
次に、
図4Fに示すように、発光素子11の電極11bと封止部材13上の略全面に、導光板1側からCu/Ni/Auの金属膜15aをスパッタ等で形成する。
【0091】
次に、
図4Gに示すように、金属膜15aをレーザアブレーションによってパターニングし、配線15を形成する。
【0092】
次に、
図4Hに示すように、この配線15と別途準備した配線基板20の配線層20bと接着シートを間に介して圧着して接合する。この時、配線層20bの一部(例えばビア)内に充填された導電性材料を加圧と加熱によって一部溶解させることで、配線15と配線層20bとを電気的に接続する。
このようにして、本実施形態の発光モジュール100を得ることができる。
【0093】
複数の発光素子11は、それぞれが独立で駆動するように配線されてもよい。また、導光板1を複数の範囲に分割し、1つの範囲内に実装された複数の発光素子11を1つのグループとし、該1つのグループ内の複数の発光素子11同士を直列又は並列に電気的に接続することで同じ回路に接続し、このような発光素子グループを複数備えるようにしてもよい。このようなグループ分けを行うことで、ローカルディミング可能な発光モジュールとすることができる。
【0094】
このような発光素子グループの例を
図6A及び
図6Bに示す。この例では、
図6Aに示すように、導光板1を4列×4行の16個の領域Rに分割している。この1つの領域Rには、それぞれ4列×4行に並べられた16個の発光素子11が備えられている。この16個の発光素子11は例えば、
図6Bに示すような4並列4直列の回路に組まれて電気的に接続されている。
【0095】
本実施形態の発光モジュール100は、1つが1つの液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとして用いられてもよい。また、複数の発光モジュール100が並べられて1つの液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとして用いられてもよい。小さい発光モジュール100を複数作り、それぞれ検査等を行うことで、大きく実装される発光素子11の数が多い発光モジュール100を作成する場合と比べて、歩留まりを向上させることができる。
【0096】
1つの発光モジュール100は1つの配線基板20に接合されてもよい。また、複数の発光モジュール100が、1つの配線基板20に接合されてもよい。これにより、外部との電気的な接続端子(例えばコネクタ20e)を集約できる(つまり、発光モジュール1つごとに用意する必要がない)ため、液晶ディスプレイ装置1000の構造を簡易にすることができる。
【0097】
また、この複数の発光モジュール100が接合された1つの配線基板20を複数並べて一つの液晶ディスプレイ装置1000のバックライトとしてもよい。この時、例えば、複数の配線基板20をフレーム等に載置し、それぞれコネクタ20e等を用いて外部の電源と接続することができる。
【0098】
このような複数の発光モジュール100を備える液晶ディスプレイ装置の例を
図7に示す。
この例では、2つの発光モジュール100が接合された、コネクタ20eを備える配線基板20が4つ備えられ、フレーム30に載置されている。つまり、8つの発光モジュール100が2行×4列に並べられている。このようにすることで、大面積の液晶ディスプレイ装置のバックライトを安価に製造することができる。
【0099】
なお、導光板1上には、拡散等の機能を有する透光性の部材をさらに積層してもよい。その場合、光学機能部2が凹みである場合には、凹みの開口(つまり、導光板1の第1主面1cに近い部分)を塞ぐが、凹みを埋めないように、透光性の部材を設けることが好ましい。これにより、光学機能部2の凹み内に空気の層を設けることができ、発光素子11からの光を良好に広げることができる。
【0100】
1−1.実施形態1の変形例1
図8Aは、実施形態1の変形例1に係る発光モジュール300の拡大断面図である。
図8Bは、発光モジュール300に用いられる導光板301の平面図、縦断面図、横断面図底面図を、また、
図8Cは、
図8Aに示す導光板1の凹反射部1gの周辺領域を拡大した図をそれぞれ示す。
変形例1に係る発光モジュール300の導光板301は、第2主面301dに凹反射部301gを備える。
図8A〜
図8Cに示す導光板301は、1つのセル領域6に複数の凹反射部1gを設けている。複数の凹反射部1gを、凹凸反射部1fとする。凹反射部1gは、発光セル5の境界部7に向かって下り勾配に傾斜する凹凸傾斜面を両側に有する谷形である。この傾斜面を、発光素子11からの光を反射させる光反射面1hとしている。図においては、各々のセル領域6に第1凹反射部1ga、第2凹反射部1gb、第3凹反射部1gc、第4凹反射部1gdから形成される凹凸反射部1fを備える導光板1を例示する。凹反射部1gは、それぞれ、発光素子11側に向いた光反射面1ha、1hb、1hc、1hcと光反射補助面1ib、1ic、1idを備える。凹反射部1gの数は、これに限らず2以上の複数個備えることができる。各凹反射部1g内には、反射性の材料である封止部材13を充填している。
【0101】
第1凹反射部1gaは深さ0.6mmであり、光反射面1haは、第2主面1dに対して16度傾斜している。第2凹反射部1gbは深さ0.50mmであり、光反射面1hbは、第2主面1dに対して32度傾斜している。第3凹反射部1gcは深さ0.31mmであり、光反射面1hcは第2主面1dに対して45度傾斜している。第4凹反射部1gdは深さ0.15mmであり、光反射面1hdは第2主面1dに対して58度傾斜している。
【0102】
2.実施形態2
図9Aは、実施形態2に係る発光モジュール400の拡大断面図である。
図9Bは、発光モジュール400に用いられる導光板401の平面図、縦断面図、横断面図、底面図をそれぞれ示す。
図9Aに示す発光モジュール400は、導光板1と、導光板1に配置された複数の発光素子11と、導光板1の表面に積層している遮光散乱層3とを備える。実施形態2に係る発光モジュール400は、
図9A及び
図9Bに示すように、導光板1の表面に積層する遮光散乱層3を備える点が異なる。他の部材については、実施形態1に示す発光モジュール100と同様であるため、説明を省略する。
【0103】
(遮光散乱層3)
実施形態2に係る発光モジュール400は、光学機能部2を覆う位置に遮光散乱層3を設けている。遮光散乱層は、導光板1の強度低下を防止しながら、光学機能部2を透過した発光素子11からの入射光を散乱し、遮光することで、光学機能部2の弊害を少なくして、輝度ムラを抑制する。発光モジュール400は、光学機能部2と遮光散乱層3を積層構造に配置する独特の構造で、発光素子11からの光を精度よく均一化して、輝度ムラの少ない良質なバックライト用光源とする。
図9Aの発光モジュール400は、透光性シート4を介して遮光散乱層3を定位置に配置している。
【0104】
遮光散乱層3は、導光板1の第1主面1cに、光学機能部2を覆う位置に配置される。遮光散乱層3は、光学機能部2を透過する光を拡散し、遮光して輝度集中を緩和する。遮光散乱層3は、具体的には、透光性のプラスチックやガラス等のシート材に、顔料や染料を添加した層である。顔料や染料は好ましくは白色で、光の反射率を高くして、遮光散乱層3による発光モジュール400の輝度低下を防止しながら輝度ムラを抑制する。遮光散乱層3は、透過する光を吸収して遮光するのではなく、透過光を散乱して遮光する。ただし、遮光散乱層3の顔料や染料は、着色された顔料、たとえば赤色、橙色、黄色等として、透過光の一部を吸収して発光モジュール400の発光色をコントロールして散乱し、遮光することもできる。とくに、発光素子11を青色発光ダイオードとする発光モジュールは、遮光散乱層3に、青色を吸収する顔料や染料を使用することで、青色発光ダイオードの青色を波長変換して外部に放射することもできる。
【0105】
遮光散乱層3は、好ましくは白色の顔料等を含有させた樹脂であることが好ましい。遮光散乱層3は、顔料や染料の添加量で遮光量をコントロールできる。遮光散乱層3は、シリコーン樹脂に、白色顔料として酸化チタンを添加したものが好ましい。遮光散乱層3は、白色顔料の添加量で透過光の透過率をコントロールする。遮光散乱層3は、樹脂に添加する白色顔料の添加量を多くして、透過光の透過率を低くできる。透過率は、遮光散乱層3を厚さ方向に直線状に透過する光の減衰比率で、「遮光散乱層3を厚さ方向に透過する光強度/入射光の強度」の比率である。遮光散乱層3は、好ましくは、60重量%以下の白色顔料を添加して、透過率を最適値に設定する。遮光散乱層3は、顔料や染料の添加率をコントロールして透過率を調整できる。
【0106】
遮光散乱層3は、透過する光を反射し、散乱して遮光する。遮光散乱層3は、平面視において、光学機能部2を覆っている。導光板1の第1主面1cに設けている光学機能部2は、波長変換部12から入射する光を導光板1の面方向に広げて輝度ムラを抑制する。光学機能部2は、
図9Aの矢印Bで示すように、導光板1との境界で全反射する光の一部を反射して導光板1の面方向に拡散する。光の全反射は、入射角(θ)が臨界角を越える状態で発生する。光の入射角(θ)が臨界角よりも小さい光は、光学機能部2と導光板1との境界で全反射することなく、外部にも放射される。
図9Aにおいて矢印Aで示す光は、入射角(θ)が小さく、光学機能部2の平面部1yを透過する。遮光散乱層3は、光学機能部2を透過して外部に放射される光学機能部2の透過光を遮光して発光モジュール400の輝度ムラを抑制する。
【0107】
遮光散乱層3の大きさは、適宜設定することができる。図の発光モジュール400は、平面視において、遮光散乱層3の外形が、光学機能部2の外形よりも大きく、光学機能部2の全面を覆うように配置している。また、遮光散乱層は、図示しないが、その外形を光学機能部の外形に実質的に等しくすることができ、あるいは、光学機能部2の平面部1yよりも大きくして、光学機能部2の外形より小さくすることもできる。
【0108】
凹反射部1gと反射溝1jに加えて、輝度が高くなる発光素子の光軸上に、光学機能部2と遮光散乱層3とを多層に配置する発光モジュール400は、発光素子11の発光面11aから導光板1に入射される光を光学機能部2で光軸から周囲に拡散し、さらに、導光板1と光学機能部2を透過した光軸上の光を遮光散乱層3で遮光して、発光素子11の光軸上の強い発光を遮光して周囲に拡散し、拡散された光を反射溝1jで外部に放射することで、全体を薄型化しながら輝度ムラをより効果的に抑制できる。また、発光素子11の光軸上に配置した光学機能部2を覆うように遮光散乱層3を配置しているので、光学機能部2を透過した発光を遮光散乱層3で遮光、拡散して、輝度ムラをさらに少なくできる。さらに、光学機能部2と発光素子11との位置ずれによる輝度ムラを遮光散乱層3で抑制して、薄型化しながら輝度ムラの少ない発光モジュール400を効率よく多量生産できる。
【0109】
さらに、
図9Aに示す発光モジュール400は、導光板1の第1主面1c側に光学機能部2を設けて、平面視において光学機能部2を覆う位置に遮光散乱層3を配置している。光学機能部2は、発光素子11の光軸上に配置され、この光軸上には遮光散乱層3も配置され、発光素子11の発光は、光学機能部2と遮光散乱層3を介して外部に放射される。
【0110】
以上、本発明に係るいくつかの実施形態について例示したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り任意のものとすることができることは言うまでもない。