(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記金属材料が、Zn、Sn、Bi、Pb、Tl、Cs、In、Cd、Rb、Ga、K、Na、Se、および、Liの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載のカンチレバー。
前記結晶性炭素複合層が、前記結晶性炭素ナノ材料からなる結晶性炭素層と、前記金属材料からなる金属層と、を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のカンチレバー。
支持部とレバー部と探針である突起部とを含むカンチレバー本体の前記突起部の先端部に、結晶性炭素ナノ材料からなる結晶性炭素層が堆積されているカンチレバーの製造方法であって、
前記カンチレバー本体が作製される工程と、
前記突起部の前記先端部に、融点が420℃以下の金属材料と炭素原料とを含む炭素複合層が堆積される炭素複合層堆積工程と、
前記炭素複合層を、前記結晶性炭素層と前記金属材料からなる金属層とを含む結晶性炭素複合層とする温度が450℃以下の、加熱工程と、を具備することを特徴とするカンチレバーの製造方法。
前記金属材料が、Zn、Sn、Bi、Pb、Tl、Cs、In、Cd、Rb、Ga、K、Na、Se、および、Liの少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項8に記載のカンチレバーの製造方法。
前記加熱工程の前記温度が、(前記金属材料の融点−20℃)以上、前記金属材料の融点未満であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法。
前記炭素複合層堆積工程が、前記金属材料を含む金属層が堆積される工程と、前記金属層の上に前記炭素原料を含む炭素原料層が堆積される工程と、を含むことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法。
前記炭素複合層堆積工程が、前記炭素原料を含む炭素原料層が堆積される工程と、前記炭素原料層の上に前記金属材料を含む金属層が堆積される工程と、を含むことを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法。
前記炭素複合層堆積工程が、前記炭素原料と前記金属材料とが混合した混合層が堆積される工程であることを特徴とする請求項9から請求項13のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法。
前記加熱工程の後に、前記結晶性炭素複合層から、前記金属材料を除去する工程を、更に具備することを特徴とする請求項9から請求項16のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法。
前記金属材料を除去する工程が、前記金属材料からなる金属層と、前記金属層の上の第1の結晶性炭素層と、前記金属層の下の第2の結晶性炭素層と、を含む前記結晶性炭素複合層から、前記金属層および前記第1の結晶性炭素層が除去され、前記第2の結晶性炭素層は除去されないケミカルエッチング工程であることを特徴とする請求項17に記載のカンチレバーの製造方法。
支持部とレバー部と探針である突起部とを含むカンチレバー本体の前記突起部の先端部に、グラフェン層が堆積されている、走査型プローブ顕微鏡に用いられるカンチレバーの製造方法であって、
前記カンチレバー本体が作製される工程と、
前記突起部の前記先端部に、炭素原料を含む炭素原料層が堆積され、さらに前記炭素原料層の上に、SnまたはInを主成分する金属材料からなる金属層が堆積される炭素複合層堆積工程と、
加熱温度が、(前記金属材料の融点−20℃)以上(前記金属材料の前記融点+30℃)以下の加熱工程と、
前記金属層を除去するケミカルエッチング工程と、を具備することを特徴とするカンチレバーの製造方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
<実施形態>
<カンチレバーの構造>
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡用のカンチレバー1の断面図を
図1に、部分斜視図を
図2に示す。
【0026】
なお、以下の説明において、各実施形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、一部の構成要素の図示、符号の付与は省略する場合がある。
【0027】
カンチレバー1は、支持部10とレバー部20と探針である突起部30とを含む。片持ち梁であるレバー部20は支持部10から延設されている。テトラヘドラル(三角錐)形状の突起部30は、レバー部20の自由端側に形成されている、突起部30の尖鋭な先端部は、ナノスケールの微細な凹凸に追従する。
【0028】
支持部10とレバー部20と突起部30とはシリコンウエハを加工して作製されている。
【0029】
そして、カンチレバー1では、突起部30が形成されている上面SAに、結晶性炭素複合層であるグラフェン複合層60が堆積されている。グラフェン複合層60は、金属層40と、金属層40の上の結晶性炭素層であるグラフェン層50とからなる。
【0030】
グラフェン層50は、結晶性炭素ナノ材料であるグラフェンで構成されている。本明細書でいうグラフェンには、炭素原子が二次元的に配列している層が1層である、厚さ約0.3nmの単層グラフェンおよび複数の単層グラフェンが積層されている多層グラフェンが含まれる。
【0031】
なお後述するように、本実施形態のグラフェン層50の厚さは、1.5nmであるので、単層グラフェン4〜5層の多層グラフェンである。
【0032】
また、金属層40の金属材料は、後述するように、グラフェン層50を形成するために用いられる触媒である。換言すると、金属材料は、グラフェンの形成反応に対して触媒作用を果たす。本実施形態では、金属材料はSnからなる。そして、金属層40の厚さは3nmである。すなわち、グラフェン層50と金属層40とからなるグラフェン複合層60の厚さは、4.5nmである。
【0033】
なお、厚さは、突起部30の先端部の複数箇所を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて測定した厚さの算術平均値である。すなわち、層の厚さは、突起部30の先端部に堆積された層の厚さをいう。また曲率半径Rは、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定した。また、抵抗値は原子間力顕微鏡(AFM)によりプローブ抵抗を測定した。
【0034】
そして、カンチレバー1では、グラフェン複合層60がコーティングされている先端部の曲率半径Rは、8nmであった。また、プローブ抵抗は1MΩ程度であり、20nmの白金層を堆積した場合と同等の低抵抗であった。
【0035】
なお、以上の説明では結晶性炭素材料がグラフェンの場合について説明した。しかし、結晶性炭素材料としては、全体の5at%以上が結晶化している炭素材料をいい、グラフェンと他の炭素結晶材料との複合層であってもよい。例えばグラフェンが、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブを含んでいてもよい。
【0036】
図3にカンチレバー1を用いた、走査型容量顕微鏡(SCM:Scanning Capacitance Microscope)の測定状態を示す。カンチレバー1は、治具2に固定され、上面SAに導線2Aが電気的に接続される。導線2Aは検出部(Detector)3と接続されている。カンチレバー1の突起部の先端が試料4と接することで、試料4の表面の局所的な電気容量が検出される。
【0037】
カンチレバー1を用いて検出された電気容量は、20nmの白金層を堆積したカンチレバー1と略同じであった。
【0038】
以上の説明のように、カンチレバー1は、極薄でも低抵抗のグラフェン層50が、転写法ではなく、低温の熱処理を含む非転写法により突起部30の先端部に堆積されている。このため製造が容易である。さらに、カンチレバー1には、極薄でも連続膜となり、かつ、電気抵抗の低いグラフェン層が堆積されているため、先端部の曲率半径Rが8nmであり、20nmの白金層を堆積した曲率半径Rが25nmのカンチレバーよりも高い空間分解能を示した。すなわち、カンチレバー1は、低抵抗で、かつ、空間分解能が高い。
【0039】
また、グラフェン層50は、化学的安定性および耐磨耗性が優れている。このため、カンチレバー1は、長期間使用しても、従来のカンチレバーよりも劣化が小さく、耐久性が優れており、長期間の使用が可能であった。特に、バイオ試料を測定した場合には、先端に汚れがつきにくく、そのため安定した像が長時間観察できた。
【0040】
<カンチレバーの製造方法>
次に、
図4のフローチャートに沿って、カンチレバー1の製造方法を説明する。
【0041】
<ステップS10>本体作製工程
支持部10とレバー部20と探針である突起部30とを含むカンチレバー本体が作製される。カンチレバー本体は、単結晶シリコンウエハを加工して作製される。突起部30はレバー部20の上面に対して垂直な2面と、角度約55度の(111)面と、からなる、テトラヘドラル型である。
【0042】
カンチレバー本体のレバー部20と突起部30がシリコンとは別の材料、例えば、窒化シリコンで構成されていてもよい。
【0043】
また、なお、突起部30の先端が、公知の方法、例えば、FIB(Focus Ion Beam)法または低温熱酸化処理により尖鋭化されていてもよい。なお、本実施形態のカンチレバー本体の先端部の曲率半径Rは、5nmであった。
【0044】
<ステップS12>炭素複合層堆積工程
カンチレバー本体の表面に金属材料と炭素原料とを含む炭素複合層61が堆積される。本実施形態の製造方法では、炭素複合層堆積工程は、金属層堆積工程と、金属層40の上に炭素原料層51を堆積する炭素原料層堆積工程とからなる。
【0045】
<ステップS14>金属層堆積工程
図5Aに示すように、Snからなる金属層40をカンチレバー本体(突起部30)の表面に堆積させた。
図5A等は、突起部30の先端部の部分断面図であるが、金属層40は支持部10とレバー部20にも堆積された。
【0046】
すなわち、レーザアブレーション法により真空中で、Snで構成される金属層40を3nm堆積させた。真空度は、1.0×10
−5Pa〜9.9×10
−5Paの範囲内、具体的には、3×10
−5Pa〜7×10
−5Paの範囲内であった。
【0047】
<ステップS16>炭素原料層堆積工程
図5Bに示すように、金属層40の上に非晶質炭素からなる炭素原料層51を堆積させた。炭素原料層51も、レーザアブレーション法により真空中で1.5nm堆積させた。真空度は金属層堆積工程と同じである。
【0048】
<ステップS18>加熱工程
真空中で250℃、1時間の加熱を行い、その後、室温まで冷却した。加熱は、基板加熱ホルダーにカンチレバーを装着し、加熱ホルダーの温度をもとに制御を行った。シリコンは熱伝導率が高いため、加熱ホルダーの温度をカンチレバーの温度と見なすことができる。なお、加熱時の真空度は、1.0×10
−4Pa〜9.9×10
−4Paの範囲内、具体的には、1×10
−4Pa〜7×10
−4Paの範囲内であった。
【0049】
図5Cに示すように加熱処理により炭素複合層61は、金属層40と金属層40の上の結晶性炭素であるグラフェン層50とからなる結晶性炭素複合層である、厚さ4.5nmのグラフェン複合層60に変化した。
【0050】
そして、すでに説明したように、炭素複合層61を堆積する前のカンチレバー本体の先端部の曲率半径Rは5nmで、結晶性炭素複合層60が堆積されたカンチレバー1の曲率半径Rは、8nmであった。すなわち、厚さ4.5nmのグラフェン複合層60を堆積すると、計算上では曲率半径Rは4.5nm増加するが、実際には3nmしか増加していなかった。この原因は曲率半径を測定している最先端部ではグラフェン複合層60の厚さが、4.5nmよりも薄いためと推定される。
【0051】
なお、炭素複合層61が加熱により、グラフェン複合層60に変化したことは、電気抵抗の測定結果および透過電子顕微鏡観察から明らかである。しかし、念のため、別途、作製した試料でも確認した。すなわち、熱酸化シリコン(SiO
2)基板上に、レーザアブレーション法により真空中で、Snで構成される金属層を15nm堆積させた。さらに、金属層の上に、レーザアブレーション法により真空中で、非晶質炭素層を5nm堆積させた。何れの層の堆積時も、真空度は、1.0×10
−5Pa〜9.9×10
−5Paの範囲内、具体的には、3×10
−5Pa〜7×10
−5Paの範囲内であった。その後、この試料を基板加熱ホルダー上に装着し、真空中で250℃、1時間の加熱を行った。加熱時の真空度は、1.0×10
−4〜9.9×10
−4Paの範囲内、具体的には、1×10
−4Pa〜7×10
−4Paの範囲内であった。その後、室温まで冷却された試料のラマン分光分析を行った。このラマン分光分析結果を
図6に示す。
【0052】
図6に示すように、基板のSiO
2(519cm
−1)に由来するピークの他に、グラフェンの形成を示す2D(2713cm
−1)ピーク、グラファイト化を示すG(1584cm
−1)ピーク、欠陥に由来するD(1352cm
−1)ピークが確認できる。2Dピークが確認されており、DピークがGピークに比べて非常に小さい(I
G/I
D=3.37)ことから、欠陥の少ない高品質のグラフェン層が形成されていることが分かる。また、2DピークとGピークとの強度比(I
2D/I
G=0.54)から、グラフェン層は3層以上の複数層からなる多層グラフェン層であることが分かる。なお、非晶質炭素層の厚さは5nmであったため、非晶質炭素がすべてグラフェンに変化すれば、理論的にはグラフェン層は16〜17層となる。また、基板上の全面で、同様のラマンスペクトルが得られたことから、グラフェン層は基板全面に形成されていることが確認された。
【0053】
カンチレバー1は、電気特性測定用のカンチレバーとして用いることができる。例えば、電気力顕微鏡(EFM:Electric Force Microscope)、走査型容量顕微鏡(SCM:Scanning Capacitance Microscope)、走査型ケルビンプローブ顕微鏡(KPM:Kelvin Probe force Microscopy)、走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM:Scanning Spreading Resistance Microscope)、静電力顕微鏡、位相検波顕微鏡(PDM)、走査型化学力顕微鏡(SCFM)、走査型電気化学顕微鏡(SEcM)、走査型化学ポテンシャル顕微鏡(SCPM)、走査型イオン伝導顕微鏡(SICM)及びナノ電位差測定を含む電気特性測定用として用いることができる。
【0054】
なお、本実施形態では、カンチレバー1の突起部30の形状としてテトラヘドラル形状を示したが、頂角が鋭角であれば、ピラミダル形状もしくは多角形形状の角錐状、または円錐状の突起部であれば同様な効果が得られる。また、カンチレバー1の突起部30の材料は、シリコンである必要はなく、例えば、窒化シリコンでもよいし、さらに、レバー部20または支持部10と別の材料であってもよい。
【0055】
そして、本実施形態の金属層40は、Zn、Sn、Bi、Pb、Tl、Cs、In、Cd、Rb、Ga、K、Na、Se、および、Liの少なくともいずれかを含んでいればよく、特に、いずれかを主成分として含んでいることが好ましい。なお、主成分とは、50at%以上の成分をいう。金属層40は、1種類の金属原子で構成された単体の金属、1種類の金属原子で構成された金属が複数混合された混合物、複数種類の金属原子で構成された合金のいずれであってもよい。
【0056】
金属層40の堆積方法としては、基材の表面上に目的の材料を堆積させる種々の堆積方法が採用可能である。堆積方法としては、スパッタ法、蒸着法、レーザアブレーション法、インクジェット法、印刷法、スピンコート法、浸漬法、化学気相合成法(CVD法)などの物理堆積法および化学堆積法が挙げられる。インクジェット法は、インクジェットプリンターを用いて、原料液の液滴を飛ばして、基材の表面に目的の材料を堆積させる方法である。浸漬法は、原料液に基材を浸漬して、基材の表面上に目的の材料を堆積させる方法である。
【0057】
堆積雰囲気は、真空、不活性ガス雰囲気、大気のいずれでもよい。例えば、インクジェット法、または浸漬法で堆積させる場合、堆積雰囲気は大気である。なお、本明細書で言う真空とは、真空ポンプで実現可能な程度の圧力の真空度であることを意味する。真空中で堆積させる場合、1000Pa以下の真空度とすることが好ましく、10Pa以下の真空度とすることがより好ましい。
【0058】
一方、炭素原料層51として、非晶質炭素を示したが、これに限定されず、シリコンカーバイト(SiC)、グラッシーカーボン(g−C)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン(a−C)、炭化チタン(TiC)、タングステンカーバイト(WC)、クロムカーバイト(CrC)、バナジウムカーバイト(VC)またはニオブカーバイト(NbC)等の炭素元素を含む層であれば、同様な効果を得ることができる。更に、炭素原料層51の堆積方法は、CVD法等でもよい。
【0059】
すなわち、炭素原料層51は、炭素原子のみで構成されている場合に限られない。さらに、炭素原料層51は、無機物ではなく、酸素、水素、窒素等を含んでいる有機物であってもよい。炭素原料層51の堆積方法としては、金属層40の堆積方法と同様に、基材の表面上に目的の材料を堆積させる種々の堆積方法が採用可能である。堆積雰囲気は、金属層40の形成方法と同様に、真空、不活性ガス雰囲気、または大気のいずれでもよい。
【0060】
金属層40の厚さは、0.1nm以上が好ましく、1nm以上が特に好ましい。金属層40は前記範囲以上であれば、触媒作用を奏する。また、金属層40の厚さは、7nm以下であれば、カンチレバーの空間分解能を担保できる。
【0061】
炭素原料層51の厚さは、0.3nm以上7nm以下が好ましい。炭素原料層51の厚さは、グラフェン層50の厚さとなるため、前記範囲以上であれば、導電性を担保できる。すなわち、厚さ0.3nmの炭素原料層51は、単層グラフェン層50であるが、導電性は担保されている。
【0062】
また、金属層40の厚さと炭素原料層51の厚さとの合計の厚さ、すなわち、炭素複合層61の厚さが、7nm以下であれば、先端部の曲率半径Rを10nm以下にできるため、カンチレバーの空間分解能を担保できる。
【0063】
なお、窒素および炭素を含む原料、例えば、メラミン含む材料を炭素原料層として堆積しておくことで、加熱処理により窒素がドープされたグラフェン層を形成できる。窒素原子が、0.1at%〜20at%の炭素原子を置換している窒素ドープグラフェン層は、純粋なグラフェン層よりも導電性に優れているため、カンチレバーに好ましく用いることができる。ホウ素、フッ素、または塩素等の元素をドープすることでも、グラフェン層の電気特性を向上することができる。
【0064】
すなわち、炭素原料層51は、炭素および触媒金属以外の原子、例えば、酸素、水素、窒素、ホウ素、フッ素、または塩素を含んでいてもよい。特に、炭素原料層51に窒素、フッ素または塩素が含まれる場合加熱処理により、窒素、ホウ素、フッ素または塩素がドープされ、導電性が向上したグラフェン層が形成される。
【0065】
本実施形態の製造方法では、触媒である金属材料が加熱によって溶融し液体化した金属材料に炭素原子が溶解すると考えられる。そして、金属材料に溶解していた炭素原子が拡散し、金属層の表面に析出し規則的に配列することで、グラフェン層50が形成される。
【0066】
炭素原子の溶解量および拡散速度は、金属が固体から液体に変化すると大幅に増加する。金属層40は低融点金属材料からなる。このため、従来の金属触媒によるグラフェン層形成法と比べて本実施形態の製造方法では、低温でグラフェン層が形成される。
【0067】
加熱工程の加熱温度は、金属層40の融点温度(MP)以上であればよいが、(MP+10℃)以上がより好ましい。加熱温度の上限は、シリコンまたは/および窒化シリコンからなるカンチレバー本体を損傷することのない450℃以下である。加熱温度は、融点温度MPより大幅に高温にする必要はなく、例えば(MP+30℃)以下であることが好ましい。
【0068】
加熱温度の下限は、金属層の融点MPに応じて、300℃未満でもよく、例えば250℃以下でもよい。なお、金属層の融点MPの下限は、特に制限はないが、安定性の観点から、室温以上が好ましく、特に好ましくは80℃以上である。さらに本実施形態の製造方法は無転写法のため、細径の突起部の先端部にも簡単にグラフェン層を堆積できる。
【0069】
なお、金属材料は溶融していなくとも、融点MPより僅かに低い温度まで加熱されると、炭素原子の拡散速度は、大幅に増加する。
【0070】
このため、加熱温度が金属層40の融点温度MP以下でもグラフェン層が得られる。加熱温度は、カンチレバー1の耐熱温度以下であればよいが、熱による損傷を最小限とするためには、金属層40の金属材料の融点MPより僅かに低い温度、例えば、(MP−20℃)以上が好ましく、(MP−10℃)以上が特に好ましい。
【0071】
例えば、金属層40の金属材料として、Sn(MP=230℃)を用いた場合には、加熱温度は220℃以上、すなわち(MP−10)℃以上、260℃以下、すなわち、(MP+30℃)が特に好ましい。同様に、金属材料としてSn−3at%Ag−3at%Bi−3at%In合金(MP=200℃)を用いた場合には、加熱温度は190℃以上230℃以下が特に好ましい。同様に、金属層としてZn(MP=420℃)を用いた場合には、加熱温度は410℃以上450℃以下が特に好ましい。
【0072】
すなわち、Zn(MP=420℃)、Sn(MP=230℃)、Bi(MP=271℃)、Pb(MP=328℃)、Tl(MP=304℃)、Cs(MP=29℃)、In(MP=157℃)、Cd(MP=321℃)、Rb(MP=38.5℃)、Ga(MP=30℃)、K(MP=64℃)、Na(MP=98℃)、Se(MP=217℃)、および、Li(MP=179℃)のいずれかの元素を主成分として含む金属で構成されている金属層40を有するカンチレバーの製造方法は低温プロセスである。
【0073】
金属層40は、生体安全性、層堆積の容易性、炭素の溶解度、およびコスト等を考慮すると、Sn、Zn、Bi、In、およびSeの少なくともいずれかを含んでいることが好ましく、いずれかを主成分とすることが特に好ましい。さらに、金属層40は、融点MPが、80℃以上420℃以下であることが好ましい。
【0074】
例えば、融点MPが、631℃のアンチモン(Sb)は、本発明の金属層40として用いることは出来ない。
【0075】
なお、炭素が溶解しない全率非固溶系と言われている金属、例えば、ガリウム(Ga)であっても、本実施形態の製造方法によりグラフェン層が形成されることがある。これは、炭素固溶体を形成する金属が不純物として含まれているためと推定される。
【0076】
しかし、金属層40が、炭素と固溶体を形成する金属または合金からなることが好ましいことは言うまでも無い。
【0077】
<実施形態の変形例>
実施形態の変形例のカンチレバーおよび変形例のカンチレバーの製造方法は、実施形態のカンチレバー1等と類似し同じ効果を有するため、同じ機能の構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。なお、各層の構成/層厚等、例えば、金属膜の組成は、実施形態のカンチレバー1等と同じである。
【0078】
<変形例1>
図7Aに示すように、本変形例のカンチレバー1Aの製造方法では、金属層40Aの構造は連続層ではなく、アイランド状(島状)である。
【0079】
すなわち、金属層は、その材料(元素)の種類によっては、厚さが薄い場合に島状となりやすい。例えば、Snでは、厚さが3nm未満では島状となりやすい。なお、島状の金属層40Aの厚さは、積分平均値とする。言い替えれば、島状の金属層40Aが溶融して連続膜となったときの厚さを島状の金属層の厚さとみなす。
【0080】
そして、
図7Bに示すように、Snからなる厚さ2nmのアイランド状の金属層40Aの上に、非晶質炭素からなる厚さ2nmの炭素原料層51が堆積される。
【0081】
加熱工程において炭素原料層51の炭素は金属に固溶(溶解)する。一般に、A/B積層体が加熱され固溶すると、表面エネルギーが小さい元素が拡散し、上の層になるように分離する。本変形例の場合、炭素は金属(Sn)に比べて表面エネルギーが小さい。このため、
図7Cに示すように、金属に固溶(溶解)していた炭素は金属層40を覆うようにグラフェン層50を形成する。
【0082】
すなわち、
図7B〜
図7Bに示すように、金属材料と直接、接していない炭素原料層51も、加熱処理によりグラフェン層50に変化する。この理由は明らかではないが、アイランド状の金属層40Aが加熱され溶融すると連続膜となるためとも考えられる。
【0083】
本変形例のカンチレバー1Aの製造方法では、薄くすると、アイランド状になりやすい金属材料であっても、触媒金属として用いることができる。また、平均厚さが薄い金属層40を有するため、カンチレバー1Aは、グラフェン複合層の厚さが4nmであり、先端部の曲率半径Rは6nmであった。
【0084】
特に、突起部30の最先端部に触媒金属を下地としないグラフェン層を形成することも可能である。例えば、カンチレバーの空間分解能に影響を及ぼす突起部の先端から1μm未満(例えば500nm)の最先端部に金属材料が堆積されていなくとも、先端から1μm超の場所に島状の金属材料が堆積されていれば、最先端部にグラフェン層を配設できる。
【0085】
<変形例2>
図8に示すように、本変形例のカンチレバー1Bの製造方法では、炭素複合層堆積工程12Bが、炭素原料層が堆積される工程(S14B)と、炭素原料層の上に前記金属層が堆積される工程(S14B)と、からなる。
【0086】
すなわち、
図9Aに示すように、非晶質炭素からなる厚さ1.5nmの炭素原料層51をカンチレバー本体(突起部30)の表面に、堆積させた。
【0087】
ついで、
図9Bに示すように、炭素原料層51の上にSnで構成される厚さ3nmの金属層40を堆積させた。なお、堆積された金属層40は、島状であってもよい。
【0088】
真空中で250℃、1時間の加熱を行い、その後、室温まで冷却した。すると、
図9Cに示すように、カンチレバー1Bの結晶性炭素複合層60Bは、カンチレバー1の結晶性炭素複合層60と同じように、金属層40と金属層40の上のグラフェン層50とに変化する。
【0089】
すでに説明したように、炭素は金属(Sn)に比べて表面エネルギーが小さい。このため、
図9Cに示すように、加熱工程において金属に固溶(溶解)していた炭素は、金属層40を覆うように析出しグラフェン層50を形成するためであると推定される。
【0090】
なお、加熱工程において金属に固溶(溶解)していた炭素の一部は、カンチレバー本体(突起部30)と金属層40との界面にも析出しグラフェン層50を形成するが、
図9Cでは図示していない。
【0091】
<変形例3、4>
図10に示すように、変形例3のカンチレバー1Cの製造方法では、炭素複合層堆積工程12Cが、炭素原料と金属材料とが混合した混合層が堆積される工程(S12B)である。
【0092】
すなわち、
図11Aに示すように、50at%非晶質炭素と50at%Snとからなる厚さ5nmの混合層63をカンチレバー本体(突起部30)の表面に堆積させた。
【0093】
混合層63は加熱処理(250℃)により、
図11Bに示す結晶性炭素複合層60に変化した。
【0094】
混合層63のSnの含有率は、全体の1at%〜99at%の範囲内とすることができる。
【0095】
なお、混合層63のSnの含有率および加熱/冷却条件によっては、
図11Cに示すように、内部に金属材料(Sn)を含む結晶性炭素層(グラフェン層50D)からなる結晶性炭素複合層60Dが形成される場合もある。表面に結晶性炭素複合層60Dが堆積されている変形例4のカンチレバー1Dでも、最表面はグラフェンで覆われているため、カンチレバー1等と同じ効果を有する。
【0096】
なお、変形例2のカンチレバーの製造方法においても、条件によっては、晶性炭素複合層は、カンチレバー1Dと同じ構成、すなわち、金属内包構造となることがある。
【0097】
<変形例5>
本変形例のカンチレバーの製造方法では、炭素原料層が堆積される工程と前記加熱工程とが同時に行われると見なされる。
【0098】
すなわち、
図12に示すように、金属層堆積工程(S14)の後に、炭素原料供給工程(S16E)と加熱工程(S18E)とが同時に行われるグラフェン層堆積工程S17が行われる。
【0099】
すなわち、
図13Aに示すように、Snからなる厚さ1.5nmの金属層40をカンチレバー本体(突起部30)の表面に堆積させた。
【0100】
ついで、炭素原料を供給しながら加熱処理を行うことで、冷却後には、
図13Bに示すように、金属層40の上に、厚さ2nmのグラフェン層50が形成されたカンチレバー1Eが作製された。
【0101】
具体的には、炭素原子を含む炭素原料ガスを供給しつつ加熱する。加熱は、真空中、不活性ガス雰囲気中、水素などの還元雰囲気中、大気中いずれでもよい。
【0102】
なお、変形例2〜5のカンチレバーにおいても、変形例1のカンチレバー1Aのように金属層が島状でもよいことは言うまでも無い。
【0103】
<変形例6、7>
カンチレバー1、1A〜1Eの製造方法において、炭素複合層を金属材料と結晶性炭素とを含む結晶性炭素複合層に変化するための加熱工程の後に、さらに金属層40を除去する工程を有していてもよい。金属層除去工程は、例えば加熱工程と同じ温度で加熱工程の2倍以上の処理時間の追加加熱工程、加熱工程よりも高温の追加加熱工程、または、エッチング工程である。
【0104】
追加加熱工程により金属層を構成している金属材料は、加熱温度が融点MP以上の場合には蒸発し、加熱温度が融点以下の場合には昇華し、消失する。
【0105】
例えば、
図14Aに示す変形例6のカンチレバー1Fでは、グラフェン層(結晶性炭素層)50の下の金属層40Fの一部が空洞40Xである。さらに
図14Bに示す変形例7のカンチレバー1Gでは、金属層が消失し、グラフェン層(結晶性炭素層60G)50Gの一部が空洞40Xとなっている。
【0106】
また、金属層除去工程により、カンチレバーは、見かけ上、グラフェン層が基体に直接、堆積されたようになる。金属層が除去されたカンチレバーは、先端部の曲率半径Rがより小さくなるため、より高い空間分解能を示す。
【0107】
<変形例8、9>
以上の説明では、グラフェン層50が、突起部30が形成されている上面SAを覆っているカンチレバー1、1A〜1Gについて説明した。しかし、分解能に影響を及ぼすのは、突起部30の先端部に堆積された導電層の厚さである。
【0108】
図15Aに示す変形例8のカンチレバー1Hでは、突起部30の根元部、レバー部および支持部に、厚さの0.2μmのアルミニウムからなる導電金属層70が堆積されている。例えば、グラフェン層50を堆積後にカンチレバーの全面をアルミニウム層で覆い、その後、先端部のアルミニウム層を選択的に除去することでカンチレバー1Hは作製される。
【0109】
突起部30の先端部には、厚さが薄くでも高い導電性を示すグラフェン層50だけが堆積されている。すなわち、グラフェン層50は電気抵抗が低いが、厚さが十分に厚い金、白金、またはアルミニウム等からなる導電金属層70は、グラフェン層50よりも更に電気抵抗が小さく堆積が容易である。このため、カンチレバー1Hは、カンチレバー1等と同じ空間分解能であり、かつ、より電気抵抗が低い。
【0110】
なお、導電金属層70は、あまり厚いとカンチレバーのレバー部20の厚さを厚くし、機械的特性が劣化する。このため導電金属層70の厚さは、1μm以下が好ましく、0.3μm以下が特に好ましい。
【0111】
なお、
図15Bに示す変形例9のカンチレバー1Iのように、突起部30の先端部だけに、グラフェン層50と金属層40を含むグラフェン複合層60が堆積されていてもよいことは言うまでも無い。なお、カンチレバー1Iでは、グラフェン複合層60の堆積後に、導電金属層70が堆積されている。これに対して、導電金属層70を堆積後にグラフェン複合層60を堆積してもよい。
【0112】
<変形例10>
図16Aに示すように、変形例10のカンチレバー1Jでは、まず、非晶質炭素からなる厚さ1.5nmの炭素原料層51をカンチレバー本体(突起部30)の表面に、堆積させた。さらに、炭素原料層51の上に、In(インジウム)からなる厚さ3nmの金属層40を堆積させた。すなわち、炭素複合層62は、炭素原料層51と炭素原料層51の上の金属層40とからなる。
【0113】
真空中で170℃、1時間の加熱を行い、その後、室温まで冷却した。すると、
図16Bに示すように、炭素複合層62は、金属層40と、金属層40の上の第1のグラフェン層50Aと、金属層40の下の第2のグラフェン層50Bと、からなる結晶性炭素複合層60Jに変化した。
【0114】
インジウムの融点(MP)は、157℃である。このため、170℃の加熱工程ではインジウムは溶融し、溶融インジウムに溶解した炭素が拡散し、第1のグラフェン層50Aとして金属層40の上に再析出する。
【0115】
そして、変形例2のカンチレバー1Bに対する説明のように、炭素原料層51の一部は、再析出により金属層40の下の第2のグラフェン層50Bとなる。なお、第2のグラフェン層50Bは第1のグラフェン層50Aよりも薄い。
【0116】
また、カンチレバー1Jは、加熱工程の温度が150℃、すなわち、インジウムの融点MP未満であっても、結晶性炭素複合層62は、金属層40と、金属層40の上の第1のグラフェン層50Aと、金属層40の下の第2のグラフェン層50Bとなった。
【0117】
さらに、金属層40として、主成分の金属よりも低融点の合金材料を用いても良い。例えば、SnIn合金の融点は、Snの融点(230℃)およびInの融点(157℃)よりも低い、例えば117℃である。低融点の金属層40を有するカンチレバーは、さらに低温の加熱処理により作製できる。例えば、融点MPが117℃の金属層を有するカンチレバーは、100℃以下の97℃(MP−20℃)でも作製できる。
【0118】
<変形例11>
図17のフローチャートに示すように、変形例11のカンチレバー1Kの製造方法は、金属層40を除去する工程(ステップS19)を更に具備する。
【0119】
カンチレバー1Kの製造方法では、まず、非晶質炭素からなる厚さ10nmの炭素原料層51をカンチレバー本体(突起部30)の表面に、堆積させた。さらに、炭素原料層51の上に、融点MPが120℃のIn−Sn合金からなる厚さ50nmの金属層40を堆積させた。すなわち、炭素複合層62は、炭素原料層51と炭素原料層51の上の金属層40とからなる。
【0120】
そして、窒素中で100℃、1時間の加熱を行い、その後、室温まで冷却する加熱処理を行った。炭素複合層62は加熱処理により、
図16Bに示した結晶性炭素複合層62と同じように、金属層40と、金属層40の上の第1のグラフェン層50Aと、金属層40の下の第2のグラフェン層50Bに変化する
【0121】
さらに、カンチレバー1Kの製造方法では、加熱工程(ステップS18)の後に金属層40を除去する工程(ステップS19)が行われた。すなわち、酸性溶液(10重量%硝酸)によるケミカルエッチング工程により、金属層40および第1のグラフェン層50Aが除去された。第1のグラフェン層50Aは酸性溶液には溶解しない。しかし、ケミカルエッチング工程により金属層40が溶解すると、その上の第1のグラフェン層50Aもカンチレバーから剥離される。
【0122】
図18に示すように、カンチレバー1Kの先端部には、第2のグラフェン層50Bだけが堆積されている。第2のグラフェン層50Bの厚さは、2nmであり、先端部の曲率半径Rは、6nmであった。すなわち、第2のグラフェン層50Bの厚さは、8nmであると推定される第1のグラフェン層50Aの厚さよりも薄い。そして、厚い第1のグラフェン層50Aおよび金属層40は除去され薄い第2のグラフェン層50Bだけがカンチレバー1Kの先端部に残っている。
【0123】
なお、加熱処理として、真空中で130℃、0.5時間の加熱を行った場合にも、カンチレバー1Kと略同じ構成のカンチレバーが作製された。
【0124】
また、変形例9のカンチレバー1Iのように、第2のグラフェン層50Bが突起部30の先端部だけに堆積されていてもよい。
【0125】
本発明の製造方法によって製造されたカンチレバーは、その製造方法を特定することは現実的ではない。例えば、
図18に示した変形例11のカンチレバー1Kが、金属層除去工程(S19)において第1の金属層50Aおよび第1のグラフェン層50Aが除去されていることを立証することは非常に困難である。例えば、本発明のカンチレバーの製造方法により製造されたカンチレバーは、基体とグラフェン層との界面の状態が、従来の製造方法により製造されたカンチレバーと異なっている可能性がある。しかし、界面の構造、例えば、結晶構造が、透過型電子顕微鏡等を用いて解析できたとしても、その構造から製造方法を立証することはできない。
【0126】
また、加熱工程の温度が450℃以下であることも、製造後に特定することは出来ない。すなわち、本発明のカンチレバーの製造方法により製造されたカンチレバーは、従来技術との相違に係る構造又は特性を特定する文言を見いだすことができず、かつ、かかる構造又は特性を測定に基づき解析し特定することも不可能又は非実際的である。
【0127】
本発明は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変、例えば、実施形態の構成要素の組み合わせ等が可能である。
【0128】
本出願は、2016年3月17日に日本国に出願された特許出願2016−054095号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。