(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
従来、化学的生産技術(chemical manufacturing applications)は、再利用可能なステンレス鋼システム内で行われている。しかしながら、単回使用(例えば使い捨て)技術(SUT:single−use technology)、特にバッグなどの単回使用システム(SUS:single−use system)は、バイオテクノロジー及びバイオ医薬品生産マーケット用に急速に成長している革新技術である。SUSは、バイオ医薬品生産分野では(上流工程・下流工程いずれの用途でも)広範に、特に臨床試験及び研究開発において使用されている。
【0004】
SUSを用いると、汚染リスクが抑えられ、各プロセスで必要な洗浄時間及び化学物質の量が低減され、また、必要とされるシステム検証ステップ数が抑えられ且つ/又はそうした検証ステップが簡単になることによる、従来の再利用可能なステンレス鋼システムを上回るいくつかの利点がある。SUSを使用することによるさらなるメリットとしては、可撓性やスケーラビリティ、実装スピードなどが挙げられる。
【0005】
従って、SUSは現在、バイオリアクターから混合系まで幅広いシステムにおいて展開されている。上流工程において現在SUSが使用されている応用例としては、混合や浄化、殺菌濾過といった媒体調製プロセスなどが挙げられる。下流工程において現在SUSが使用されている応用例としては、細胞採取や浄化、クロマトグラフィー濃縮及び透析濾過、汚染物質除去、緩衝液調製などが挙げられる。
【0006】
このようなプロセスを制御するためには、例えばプロセスに関連する化学物質の温度又は濃度など多くのプロセスパラメータを正確に測定する必要がある。上記のようにSUSの使用が拡大しているため、これらのSUSと連動させてこれらのプロセスパラメータを測定することが望ましい。しかしながら、そのようなSUSを実現する容易性や有効性は明らかになっていない。センサーをSUSと一体化させなければならないため、そうしたSUSを実現しようとする試みは少なからず停滞している。バッグなどSUSに使用される容器にセンサーを接合した上でなお正確な測定を行うのは、困難である。これは少なからず、特定のセンサーでは、正確な測定を行うために化学物質そのものに接触することが必要な場合や、パラメータを間接的に測定(例えば、パラメータの代わりとなる別のパラメータを測定)する場合があるためであり得る。また、このようなセンサーの費用も問題である。プロセスの過程が完了すると、SUSはセンサーとともに廃棄され得る。センサーは高価な場合があるので、このようなセンサーをコンスタントに廃棄することにより、このようなSUSを使用して化学物質を生産する費用も増大し得る。
【0007】
よって、求められているのは、プロセス制御又は管理において使用するためのデータ収集を改善するために、センサーをSUSに効果的に一体化するシステム及び方法である。特に、これらのSUSにおいて化学物質濃度又は温度を有効に測定するための、有効であり且つ比較的安価なシステム及び方法を提供することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本明細書で開示される実施形態は、単回使用システムと接合されるように構成された、完全に一体化された単一の小型インターフェースパッケージにおける使い捨て式センサーを含むものとすることができる。このようなセンサーに係る各実施形態は、例えば化学物質濃度センサー又は温度センサーを含み得る。当該センサーは、電子制御・データ通信モジュールと接合され得る。当該電子制御・データ通信モジュールは、複数のセンサーに接合されるように構成され得る。
【0009】
各使い捨て式センサーは、ポリマーバッグやライナー、オーバーパックなどの使い捨て容器に容易に接合される。このような接合は殺菌式方法を使用して行われ得る。いくつかの実施形態では、容器の接合は、当該容器と一体化されたポートアセンブリを使用して行われ得る。当該ポートアセンブリは透光性窓を含み、センサーが例えばネジ式取付け具又はスナップインコネクタを使用して光学窓と接合されるようにポートアセンブリに機械的に取り付けられ得るように構成される。当該窓は、例えば、ホウケイ酸塩ガラス、サファイアその他の透光性材料であってよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、センサーは、屈折率に基づいて化学物質濃度を測定する屈折率(IoR)センサーを含む。この光学測定は真の濃度を測定し得るものであり、従来のSUS単独式センサーにより行われるpH及び伝導率の測定に勝る利点がある。
【0011】
光学センサーと透光性窓との間に空気が介在する(上記のような光学測定の結果を歪めるおそれがある)のを避けるために、透光性又はIoR整合性を有する流体がセンサーとフランジの窓との間に配置され得る。このような流体は、例えば、センサーをフランジに取り付ける前に、窓に接するように配置され得る。
【0012】
従って、他の利点に加えて、いくつかの実施形態には、屈折率(IoR)濃度センサーなどの光学センサーをバッグなどのSUSに結合することにより得られる利点がある。これらの利点としては、感度、精度その他の機能的な利点などが挙げられる。例えば、特定の接続性センサーは非イオン性化学種では機能しないが、IoRセンサーは、このような化学種に対しても試料自体と物理的に接触することなく機能し得る。よって、いくつかの実施形態によると、非イオン性化学種を含む多種多様な化学物質とともに利用することができる真の濃度センサーが得られる。また、このようなセンサーは、試料を捉える必要があるものなど他のセンサーと比較すると、測定を比較的高速で行うことができる。
【0013】
また、後からセンサーをポートアセンブリに機械的に取り付けることができる容器のポートアセンブリを提供することにより、センサーを考慮することなく、照射殺菌などを含む多種多様な殺菌処理をこのようなバッグと併用することができる。この利点により、こうしたセンサーシステムとともに使用される単回使用センサーでは、このような殺菌処理に耐性を有するように設計する必要がないため、こうしたセンサー及びこれに対応する、単回使用センサーシステムを含むシステムの費用を抑えることができる。
【0014】
また、濃度及び温度センサーが単一のプラットフォームに一体化される実施形態では、従来のSUSセンサーシステムと比較していくつか利点が得られ得る。一体化により、単独式センサーそれぞれに対して必要であった複数のバッグポートが不要となる。複数のセンサーに接続されるように構成された単一の電子制御モジュールにより、SUSを構成する費用が抑えられるとともに、監視・制御システム用のデータ収集及び管理が改善され得る。
【0015】
本開示に係るこれらの態様及び利点並びにその他の態様及び利点は、以下の説明及び添付図面と併せて考えることによってさらに理解しやすくなる。以下の説明では、様々な実施形態及び数多くのそれらの具体的な詳細が記載されているが、これらは例示のための記載であり、本発明を限定するものではない。多数の置換えや修正、構成付加、再配置を本開示の範囲内で行うことができ、本開示は、このような置換えや修正、構成付加、再配置をすべて含むものである。
【0016】
よって、本発明について一般論的に記載してきたが、以下では添付図面が参照される。これらの図面は、必ずしも実際のスケールに従って図示されたものではない。各実施形態及びそれらの利点は、添付図面とともに以下の説明を参照することによって、より完全に理解することができる。添付図面において、類似の参照番号は類似の特徴を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示並びに本開示に係る様々な特徴及び有利な細部について、添付図面に図示するとともに以下の説明において詳述する非限定的な実施形態を参照して、さらに十分に説明する。詳細な開示が不必要にわかりにくくならないように、周知の出発物質、加工技術、構成要素、及び設備の説明は省略する。しかしながら、当業者であれば、当該詳細な説明及び具体例が、好ましい実施形態を開示するものではあるが、単に例示のために与えられたものであり、本発明を限定するものではないということは理解するはずである。本開示により、本発明の本質的なコンセプトの範囲内の様々な置換え、修正、付加、又は再配置が当業者に明らかになるであろう。
【0019】
上述のとおり、単回使用システム(SUS)には、従来の再利用可能なステンレス鋼(などの)システムに対していくつかの利点があり、現在、バイオリアクターから混合システムまで様々なシステムにおいて展開されている。特定の実施形態についてより詳細に説明する前に、まず簡単な背景情報を多少記載しておくのが有用であろう。生産用途を含む化学的応用技術において、ライフサイエンスやバイオ医薬品との関連で、ターンアラウンドの時間を短くすることを求められることが多い。しかしながら、多くの再利用可能な生産装置(例えばバイオリアクターなど)では、別のバッチの化学物質を生産するための洗浄、殺菌その他の準備に長い時間がかかる場合がある。従って、これらの生産プロセスの多くでSUSが利用され始めている。具体的には、単回使用容器はプロセスに使用された後廃棄される。SUSを用いると、汚染リスクが抑えられ、各プロセスで必要な洗浄時間及び化学物質の量が低減され、また、必要とされるシステム検証ステップ数が抑えられ且つ/又はそうした検証ステップが簡単になることによる、従来の再利用可能なステンレス鋼システムを上回るいくつかの利点がある。
【0020】
従って、SUSは、現在ではとりわけバイオリアクターから混合システムまで幅広いシステムにおいて展開されている。しかしながら、これらのSUSが利用されるプロセスは、多くの場合、特定のプロセスパラメータに対して非常に敏感である。従って、これらのプロセスを十分に管理又はその他の方法で制御するためには、このようなプロセスパラメータを正確に測定できることが重要である。しかしながら、これらのパラメータを測定するためにセンサーをSUSに使用される単回使用容器と一体化させることは、これまで成功していなかった。これらの単回使用容器(例えばバッグやライナー、オーバーパックなど)にセンサーを接合した上でなお正確な測定を行うというのは困難であり、またそれだけでなく、このようなセンサーの費用も問題となる。
【0021】
化学物質の加工や保存、輸送には、容器が使用され得る。ここで
図1を参照すると、化学的混合その他の種類のプロセスのための典型的なSUS構成100の図が図示されている。混合プロセスは、ポリマーバッグやライナー、オーバーパックなどの容器内で実行され得る。このような容器は、単独の構成で利用されてもよく、再利用可能なステンレス鋼の(又はその他の種類の)器110などの器の中へ設置されてもよい。よって、この容器は、バッグ・イン・ボトル(BIB:bag in a bottle)又はバッグ・イン・コンテナ(BIC:bag in a container)システムの一部であってもよい。使い捨てポリマーバッグ120などの容器は、使用(例えば、容器を使用しての化学的混合プロセス、化学物質の輸送など)が終わった後で廃棄される。
【0022】
これらの種類の容器は、殺菌済容器又は未殺菌容器を使用する必要がある多種多様なプロセスにおいて使用することができ、多種多様な腐食性又は非腐食性の化学物質(例えば、フッ化水素や、硫化水素、水素過酸化物、水酸化アンモニウム、酸、溶媒、塩基、フォトレジスト、スラリー、洗浄配合物、ドーパント、無機溶液、有機溶液、有機金属溶液、生物学的溶液、医薬品、放射性化学物質、シリコン源化合物、化学的機械的平坦化(CMP)組成物など)とともに、多種多様な産業(例えば、ライフサイエンス、医薬品、半導体製造など)において使用することができるため、これらの種類の容器は多種多様な材料で形成され得る。これらの材料には、例えば、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィン、その他の天然ポリマー又は合成ポリマーなどのポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(ブチレン2、6−ナフタレート)(PBN)、ポリエチレン(PE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び/又はポリプロピレン(PP)、フルオロポリマー(非限定的な例として、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)(Tefzel(登録商標)としてDupontから販売されているものなど))などが挙げられる。
【0023】
図示された実施形態では、プロセスにおいて使用される化学物質は、バッグポートに取り付けられた化学物質送達管140を通ってバッグ120に入る。各化学物質送達チューブ140は、バッグの外面上のフランジ130において、各バッグポートに機械的に取り付けられている。従来、このようなバッグ120とともに使用する単独式センサーは、pHなどの化学的特性、伝導率、又は温度を測定するものである。これらの単独式センサーはそれぞれ、ポート中へ設置される。よって、複数の単独式センサーを使用するためには、バッグ120などの容器が複数のポートを有するように構成されている必要がある。バッグポートは、さらなるコスト及び汚染の原因となり、また、通常実装(較正など)及び取付けにあたりテクニカルサポートが必要となる。
【0024】
よって、SUS中の化学物質濃度や温度などの化学的パラメータの測定を改善する、費用対効果の高い解決策の提供が望まれている。この目的のために、本明細書で開示される実施形態は、バッグなどの容器であって当該容器と一体化されたポートアセンブリを有する容器を含むものとすることができ、当該ポートアセンブリは透光性窓を含む。この窓は、例えば、ホウケイ酸塩ガラスやサファイア、その他の透光性材料であってよい。センサーは、例えばネジ式接続やスナップイン接続、接着剤などを使用して、ポートアセンブリに機械的に取り付けられ得る(例えば、これによってセンサーを光学窓に接合することができる)。
【0025】
このようなセンサーの実施形態としては、例えば、化学物質濃度(例えば分析物の濃度など)センサー又は温度センサーが挙げられる。センサーは、一つ以上のセンサーと接続されるように構成され得る電子制御・データ通信モジュールと接続され得る。この接続は、例えば、センサーに対して機械的に又は通信式に結合されるように構成されたTurk又はHiroshiコネクタを使用して制御モジュールをセンサーに結合することにより実現され得る。このようなセンサーは、例えば、屈折率の原理に基づく光学測定を利用して化学物質濃度を測定するための光学的濃度センサーであってよい。このようなセンサーの実施形態は、化学物質の温度その他の性質を測定するものであってもよい。
【0026】
図2は、SUS200の一実施形態の図であり、SUS200は、例えば使い捨て式の液体化学物質濃度・温度センサーシステムなどの使い捨て式センサーシステムを含むように構成された、バッグやライナー、オーバーパックなどの容器205を含む。この使い捨て式の液体化学物質濃度・温度センサーシステムは、ケーブル(230a及び230b)を介してそれぞれ一つ以上の使い捨て式センサーに接続するように構成された電子制御・データ通信モジュール240を備える。
【0027】
本実施形態では、当該センサーのうち一つ以上は、使い捨て容器205の光学窓と接合されるように構成された光学センサーである。このような場合、ポートアセンブリは、フランジ210を含み、バッグと一体化され、透光性窓が(容器205内に流体が存在する場合に)容器205内の流体と接触するようにフランジ内に配置されたものとすることができる。この窓は、例えば、ホウケイ酸塩ガラス、サファイアその他の透光性材料(例えばエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などの透光性ポリマー材料)であってよい。各光学センサーはそれぞれ、機械的機序を使用して、バッグのフランジ210の光学窓のところで使い捨て容器205の外面に固定される。光学センサーは、例えば、レセプタクル220(例えば220a又は220b)を含むセンサーアセンブリにポッティングされ(potted into)てもよく、レセプタクル220は、センサーをフランジ210の光学窓と接合することができるように、例えばネジ式又はスナップイン式のコネクタを使用してフランジ210に機械的に結合され得る。
【0028】
特定の場合には、コネクタ(図示せず)は、レセプタクル220にポッティングされたセンサーに機械的に又は通信式に結合され得るとともに、それを通して電子制御・データ通信モジュール240がセンサーに(例えば機械的に又は通信式に)結合され得るコネクタ(例えばTurk又はHiroshiコネクタ)として機能し得る。このようなコネクタは、例えば、センサーのリード線その他の電子インターフェースに(例えばネジ式又はスナップイン式コネクタにより)機械的に取り付けられるように構成されたボンネットであってよく、電子制御・データ通信モジュール240が結合されたコネクタを通じて一つ以上のセンサー信号を提供することができる。
【0029】
図3A及び
図3Bはそれぞれ、センサーを使い捨て容器と接合するために、バッグなどの使い捨て容器に一体化されるように構成されたポートフィッティングの一実施形態の図を示す。具体的には、
図3Aは一実施形態の上面図を示し、
図3Bは当該実施形態の底面図を示す。ここで、ポートアセンブリ300は、ポートアセンブリ300の光学窓が使い捨てバッグの内部へ露出するとともに使い捨て式光学センサーが光学窓と接合されるように、使い捨てバッグと機械的に一体化されるように構成されている。ポートアセンブリ300は、ガンマ線に対して安定な材料から成るものとすることができる。このような材料としては、例えば塩化ポリビニルやフッ化ポリビニル、ポリ酢酸ビニルなどガンマ線に対して安定なポリマー材料、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)やエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、高密度ポリエチレン又は低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリイミドなどその他のポリマーが挙げられる。
【0030】
より具体的には、ポートアセンブリ300の上面図には、ポートフィッティング300のうちこれと一体化される使い捨てバッグの外面に面する部分が示されている。この図では、センサー310を使い捨てバッグの外面に機械的に取り付けたものが図示されている。いくつかの実施形態では、使い捨て式光学センサー310は、例えばアルミナ又はシリコン系材料(例えば室温加硫(RTV:Room Temperature Vulcanizing)シリコーン)から成るポッティング材料を使用して、キャップ330(これも上述のようなガンマ線に対して安定なポリマー材料から成るものであってよい)にポッティングされる。光学センサー310がキャップ330にポッティングされる実施形態では、ポッティング材料の熱伝導度によって熱センサー324による温度測定が容易になり得る。次いで、キャップ330は、使い捨てバッグと一体化された光学窓350のところに配置された使い捨て式光学コネクタフランジ320へ、光学エポキシを使用して溶接される。光学窓350の内面は使い捨てバッグの内部へ露出する。センサー310の一例は、カリフォルニア州プレザント・ヒルのEntegris−Jetalon Solutions,Inc.により販売されているSRSENSORである。このようなセンサーの別の実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/401、765号明細書、米国特許第7、319、523号明細書、及び米国特許第7、317、533号明細書に開示されている。
【0031】
図3Bには(光学コネクタフランジ320に溶接されたキャップ330内の)センサー310を見下ろす形でポートアセンブリ300の底面図が示されている。ポートアセンブリ300のこの部分により、光学窓が使い捨てバッグの内部へ露出する。この図では、センサー310、光学窓、及び使い捨てバッグ間の接合の様子が図示されている。光学センサー310は、液体濃度センサー322及び熱センサー324を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、光学センサー310が透光性窓360(ホウケイ酸塩ガラスやサファイアなど)に固着され、当該透光性窓360は光学窓350と接合される。光学窓350の内面は使い捨てバッグの内部へ露出する。いくつかの実施形態では、光学窓350は、化学的に不活性な透光性材料(例えば、ホウケイ酸塩ガラスやサファイア、ダイアモンド、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)やエチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)などの透光性ポリマー材料など)で構成される。センサーガラス窓360と光学窓350との間の接合部は、これらの間にエアギャップを生じることなく両面が確実に固着するように、屈折率(IoR)整合材(例えば油やゲル、エポキシなど)で充填される。特定の接合において使用されるIoR整合材は、使い捨てバッグの光学窓のIoRに整合するように選択され得る。
【0033】
なお、本実施形態では、使い捨てバッグの内部へ露出した光学窓350と接合されている透光性窓360に固着された光学センサー310が図示されているが、別の実施形態では、透光性窓360が設けられなくてもよい。このような実施形態では、光学センサー310は、光学窓350に直接接触してもよく、光学窓350から作動距離だけ離間されて、光学センサー310と光学窓350との間にIoR整合材が配置されてもよい。
【0034】
図4は、本発明の様々な実施形態に係る、使い捨てバッグ405の光学窓450に接合された使い捨て式光学センサー410の図である。光学センサー410は、上述のように、光学コネクタフランジ420を介して光学窓450のところで使い捨てバッグ405の外面に取り付けられたレセプタクル430にポッティングされる。光学センサー410は、光学窓450に隣接する液体化学物質濃度センサー422及び熱センサー424を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、光学センサー410は、ケーブル442を介して電子制御・データ通信モジュールに通信式に結合される。
図2に関して上述したように、SUSは、複数の光学センサーを含むように構成され得る。また、単一の電子制御モジュールは、これらの光学センサーすべてに同時に接続されるように構成され得る。
【0036】
使い捨て式光学センサーシステムの別の実施形態が
図5A及び
図5Bに図示されている。光学センサーシステム500は、ポートアセンブリ510及びセンサーアセンブリ520を含む。
図5Aには、ポートアセンブリ510及びセンサーアセンブリ520が取り外された状態で図示されており、
図5Bには、ポートアセンブリ510及びセンサーアセンブリ520が機械的に結合された状態で図示されている。ポートアセンブリ510(及び、場合によってはセンサーアセンブリ520)の材料は、ガンマ線に対して安定な(上述のような)ように、又はEビームやオゾン処理水などによるその他の殺菌処理に耐えられるように選択された材料を含むことができる。
【0037】
また、ポートアセンブリ510はポート窓512を含むこともできる。ポート窓512は、射出成型(オーバーモールドなどを含む)を行ったりネジ式挿入及び圧縮封止を使用したりするなど、窓512をバッグと封止する取付け技術を使用して、バッグと一体化され得る。このようにして、窓512の内面はバッグの内部へ露出し、窓512の内面と反対側の外面はバッグの外面上に露出することになる。
【0038】
図示された実施形態では、ポートアセンブリ510は、内径部がネジ状になった外側環状ニップル514と、内径部及び外径部がネジ状になった内側環状ニップル516と、を含み得る。また、ポートアセンブリ510は、外側環状リング518(外側ニップル514の一部として形成されてもよい)と内側環状リング522とを含んでもよい。窓512は、内側環状リング522に接するように配置されてもよく、いくつかの実施形態では、環状Oリングシール524が窓512と内側環状リング522との間に配置されてもよい。内側ニップル516が外側環状ニップル514の内ネジに螺合されると、内側ニップル516は、少なくとも窓512と接触し得る(さらに、いくつかの実施形態では外側環状リング518の少なくとも一部とも接触し得る)。内側ニップルは、窓512と内側環状リング522との間(又は内側のリング522と窓512とOリングとの間)に液密シールを形成することができるように、十分な力で締め付けられ得る。よって、センサーアセンブリ520は、窓512を備えたバッグに機械的に固定され得る。窓512はバッグ内に流体が存在する場合はこれと接触し、窓512の一部が内側ニップル516の開口部を通じて露出する。
【0039】
よって、ポートアセンブリ510は、システムの単回使用バッグ、管その他の構成要素と一体化され得る。これらバッグ、管その他の構成要素には殺菌処理が施され得る。場合によっては、このようなポートアセンブリ510は、チューブその他の構成要素といったフロースルー装置(flow through device)の一部であってもよい。当該構成要素は、システムの他の部分に接続された無菌性(殺菌済の)入力コネクタ及び/又は出力コネクタを使用することができる。よって、例えば、センサーポートを形成するフロースルー装置は、殺菌された環境において接続され/取り外され得る。
【0040】
場合によっては、ポートアセンブリ510は、液体がそれを通って流れるシステムの構成要素、例えばバッグの外側の管などに対して、結合されるか又は別の形で一体化され得る。本発明を限定するものではないが、例として、単回使用バッグ用の再循環ループを形成して、流体を当該単回使用バッグからループを通して当該バッグへ戻すように、ポンプ(例えば蠕動ポンプその他のポンプ)で流体のポンピングを行うことができる。ポートアセンブリ510は、流体がポート窓を越えて流れるように、当該ループの壁部に一体化され得る。
【0041】
次いでセンサーアセンブリ520について見ると、センサーアセンブリ520は、ネジ式キャップ532及び当該ネジ式キャップ532に固着されたセンサー534を含み得る。ネジ式キャップ532は、円筒状で外径部にネジ部を有するものとすることができる。例えば、センサー534はネジ式キャップ532にポッティングされ得る。必要に応じて、センサーアセンブリ520はセンサー窓536を含んでもよく、センサー534は、接着剤などを使用してセンサー窓536に固着されてもよい。
【0042】
センサーアセンブリ520は、ネジ式キャップ532の外面のネジが内側ニップル516の内面のネジに係合するように、内側ニップル516に螺合され得る。次いで、ネジ式キャップ532は、センサー534(特定の実施形態ではセンサー窓536)が窓512に接触するまで、又は窓512から所望の作動距離のところに達するまで、締められ得る。このようにして、センサー534がポート光学窓512の外面と接合され得る。センサーをポートに機械的に取り付けるためのネジ式ニップルを使用した実施形態について説明したが、別の実施形態ではポートアセンブリが別の仕組みを使用してセンサーを受容することもできるということは理解されよう。例えば保持クリップなどの使用が挙げられる。
【0043】
センサーアセンブリ520が所定位置に配置されると、センサー光学窓536とポート光学窓512とが接触し得る(又は互いに作動距離だけ離間し得る)。あるいは、センサーアセンブリ520がセンサー窓536を含まない場合は、センサー534の表面がポート光学窓512と接触し得る(又はポート光学窓512から作動距離だけ離間し得る)。このような場合、両表面(例えば、ポート窓512の表面及びセンサー窓536の表面、又はポート窓512の表面及びポート窓512と接触しているセンサー534の表面)が固着され得る。一実施形態では、両表面がファンデルワールス力を通じて固着されてもよく、別の実施形態では、中間材料、例えばシリコーン油、光学エポキシその他の材料を使用することもできる。中間材料は、例えばポート窓又はセンサー窓のIoRと整合し得るIoR整合材であってもよい。また、このような固着を強化するために、各表面は磨かれて滑らかなものとしてもよい。
【0044】
次いで、センサー534を制御モジュールその他のデバイスに結合するために、スナップ式コネクタがセンサーに取り付けられ得る。一実施形態では、ボンネット540は、センサーに機械的に、また通信式に結合されるように構成されたスナップ式コネクタを含み得る。ボンネット540はコネクタ(例えばTurk又はHiroshiコネクタ)を含んでもよく、当該コネクタには、センサーから電子制御又はデータ通信モジュールへ信号を提供するようにケーブルが接続され得る。いくつかの実施形態では、信号増幅その他の処理のために中間マイクロプロセッサがボンネット540に含まれる。
【0045】
いくつかの実施形態では、光学センサー(例えば光学センサー310、410、又は534)は、屈折率の原理に基づいて液体化学物質の濃度を測定する屈折率センサーである。従来、屈折率は、高価で嵩張る研究室用の機器(例えば、卓上型屈折計や複雑なインライン化学監視装置)を使用して測定されている。バッグの内部の液体化学物質の屈折率は、光源とプリズムと反射窓と光学反射光用の検出器とを含む少なくとも一つの使い捨て式小型光路を使用する使い捨て式センサーで計算され得る。
【0046】
SUS中で屈折率センサーを使用すると、従来SUS中で使用されているセンサーに対していくつか利点がある。pHセンサー及び伝導率センサー(SUS中で通常使用される単独式センサー)はそれぞれ液体のH
+成分及びイオン性成分のみに限られるものだが、屈折率からは液体中の全成分の総濃度が測定される。屈折率は濃度と線形関係にあり、容易に較正される。よって、屈折率センサーにより、流体又は化学物質の濃度を、それらが透明か不透明かにかかわらず測定することができる。屈折率センサーは、屈折率の波長分散性を利用することにより化学物質スペシエーション装置として使用され得る。スペシエーションの決定は通常、高価な吸収分光技術(例えば近赤外吸収分光)を使用して行われるが、こうした技術はSUS系システムとは相容れないものである。また、屈折率センサーは、上述のような殺菌式方法を使用して、使い捨てバッグの光学窓に容易に接合される。
【0047】
いくつかの実施形態では、SUSとともに利用されるような屈折率センサーは、ダイマウントLEDを保持するための小型プリント回路基板(以下、「PCB」という)や、LED制御用電気回路、光学反射光用の受光電子機器などの小型構成要素を使用して生産され得る。光学反射光用の受光電子機器は、センサーから送信されたアナログ信号又はデジタル信号をスケールし、増幅し、読み出すために使用され、いくつかの実施形態では、フォトダイオードアレイ及び/又は回路ドライバを備えた電荷結合素子を含み得る。
【0048】
また、光学センサーは、例えば、実行中の化学的プロセスから収集されてリアルタイムで処理されるデータを保存するための不揮発性メモリを含んでもよい。収集されるデータの種類の例としては、較正表やセンサー識別子、温度補償係数、圧力/流量補償係数などが挙げられる。
【0049】
いくつかの実施形態では、光学センサーはさらに熱センサーを含む。本技術分野で知られているように、屈折率には、化学物質濃度に対してだけでなく温度に対しても関数的依存性がある。屈折率は、理論的には一定の温度(例えば20℃)で作業が行われることを基準としているが、化学的プロセス中で測定を行うセンサーは、通常、温度の変動に曝される。屈折率を濃度のリアルタイム監視に使用する場合、温度のずれもそれぞれ濃度変化として検知され得る。
【0050】
実行中の化学的プロセスの間に生じた温度変化を検知するために、第1熱センサーを特定の実施形態における光学センサー窓に配置することができ、また第2熱センサーを光学センサーのプリント回路基板に一体化することができる。検知した温度変化を示すデータは、収集されて光学センサーの不揮発性メモリ内に保存され得る。
【0051】
熱センサーにより収集される温度データは、実行中の化学的プロセスの間リアルタイムで温度補償を行うために光学センサーにより(又は別の形で)実行され得るソフトウェア及び/又はファームウェアとして実装される様々なメソッドに入力され得る。例えば、いくつかの実施形態において、第1方法では、テスト中の化学物質及びSUS内の熱的環境に依存する相関係数を計算することができる。当該計算は、温度変化が遅いことを示す収集したデータと化学物質濃度の変化を示す収集したデータとの比較に基づくものである。これに加え、又はその代わりに、第2方法では、温度の微分(derivative)に対して変化する各化学物質濃度間の相関から導かれる温度変動率補正項(temperature fluctuation rate correction term)を計算することができる。この率補正項は、温度の急速な過渡変化を補正するために使用され得る。こうした温度の急速な過渡変化は、新しい化学物質を既存のバイオリアクターに添加するといった状況で現れる特徴であり、また、温度変化を鈍らせるほどの熱質量を有しない小さなセンサー上で非平衡的に流れる化学物質に起因する場合もある。実行中の化学的プロセス(例えば、化学的注入サイクルや反応サイクルなど)の間に全体的な温度補償を行うことができるようにするために、変化の遅い温度に対する補正を急速な過渡変化に対する補正とともに利用することができる。
【0052】
図6は、本発明の様々な実施形態に係る二つの使い捨て式光学センサーに接続されるように構成された、例示的な電子制御モジュール600の図である。例示的な電子制御モジュール640は、Jetalon CR−288型汎用液体化学物質濃度モニターである。二つのケーブル630の各々の端には、それぞれセンサーヘッドを含むフローセルが設けられている。いくつかの実施形態では、二つのケーブル630の終端には、上述のような光学センサーに結合されたコネクタ(例えばTurk又はHiroshiコネクタ)と結合されるように構成されたコネクタを設けることができる。
【0053】
本明細書の記載においては、「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」との語又はこれらの語の他の活用形は、非排他的な包含をカバーするものとして意図されたものである。例えば、列挙された構成要素を備える方法、物、物品、又は装置とは、必ずしもそれらの構成要素のみを備えるものに限定されることはなく、明示的に列挙されていない構成要素やそうした方法、物品、又は装置に内在する構成要素など、その他の構成要素を含んでもよい。さらに、別段の明示的な記載がない限り、「又は(or)」とは包括的な「又は」を意味するものであり、排他的な「又は」を指すものではない。例えば、「A又はB」という条件は、Aが真(又は存在する)でBが偽(又は不存在)の場合、Aが偽(又は不存在)でBが真(又は存在)の場合、並びにA及びBがともに真(又は存在)の場合のいずれでも満たされる。
【0054】
また、本明細書に記載された任意の例や図は、いかなる形であろうとも、それらとともに用いられる任意の用語の制限、限定、又は定義とみなしてはならない。そうではなく、これらの例や図は、特定の一実施形態についての記載であり単なる例示とみなすべきものである。例えば、上述のように、本明細書に記載された各実施形態ではポリマーバッグを利用するものが図示されているが、本明細書に記載された各実施形態は、ライナー(例えばポリマーライナー)又はオーバーパックとともに利用する場合、例えば貯蔵又は分配システム(例えばBIBシステムやBICシステム)などの用途に基づくライナーにおいて利用する場合でも、等しく効果的に利用することができることに留意されたい。このようなライナーとしては、例えば、溶接本体部を有する管状又は円筒形状のライナー、折畳み式又は可撓性のライナー、剛性ライナー、押出ライナー、ガセット付き又はガセットなしライナー、単独式ライナー、レセプタクルや器中で利用されるライナーなどが挙げられる。このようなバッグ、ライナー、及びオーバーパックは、「Liquid Chemical Dispensing and Recirculating System」と題されて1994年7月1日に出願された米国特許第5、526、956号;「Returnable and Reusable, Bag−in−Drum Fluid Storage and Dispensing Container System」と題されて200年5月3日に出願された米国特許第6、698、619号;「Substantially Rigid Collapsible Liner and Flexible Gusseted or Non−Gusseted Liners and Methods of Manufacturing the Same and Methods for Limiting Choke−Offs in Liners」と題されて2012年10月25日に出願された米国特許出願公開第2012/0267388号及び「Generally Cylindrically−Shaped Liner for Use in Pressure Dispense Systems and Methods of Manufacturing the Same」と題されて2011年12月9日に出願された国際PCT出願第PCT/US2011/064141号、;「Liner−based Shipping and Dispensing Systems」と題されて2012年12月20日に出願された国際PCT出願第PCT/US2012/070866号;「Substantially Rigid Collapsible Liner, Container and/or Liner for Replacing Glass Bottles, and Enhanced Flexible Liners」と題されて2011年10月10日に出願された国際PCT出願第PCT/US11/55558号;「Nested Blow Molded Liner and Overpack and Methods of Making Same」と題されて2011年10月10日に出願された国際PCT出願第PCT/US11/55560号;「Generally Cylindrically−Shaped Liner for Use in Pressure Dispense Systems and Methods of Manufacturing the Same」と題されて2011年12月9日に出願された国際PCT出願第PCT/US11/64141号;「Liner−Based Dispenser」と題されて2011年3月29日に出願された米国仮出願第61/468、832号;「Liner−Based Dispensing Systems」と題されて2011年8月19日に出願された米国仮出願第61/525、540号;「Fluid Storage and Dispensing Systems and Processes」と題されて2006年6月5日に出願された米国特許出願第11/915、996号;「Material Storage and Dispensing System and Method With Degassing Assembly」と題されて2010年10月7日に出願された国際PCT出願第PCT/US10/51786号、国際PCT出願第PCT/US10/41629号、米国特許第7、335、721号、米国特許出願第11/912、629号、米国特許出願第12/302、287号、及び国際PCT出願第PCT/US08/85264号に示されている。これらはいずれも、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。当業者には、これらの例や図とともに用いられる用語が他の実施形態並びにその実装例及び修正例をも包含するものであり、こうした実施形態並びに実装例及び修正例は当該用語の記載箇所又は本明細書のその他の箇所に記載されていようといまいと構わないことや、このような実施形態はすべて当該用語の範囲内に含まれるように意図されていることが理解されよう。このように非限定的な例及び図であることを示す記載としては、これらに限定するものではないが、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「例えば(e.g.)」、「一実施形態では(in one embodiment)」、「など(and the like)」などが挙げられる。
【0055】
本開示の様々な態様に係るさらなる修正例及び代替的実施形態は、本説明に基づき当該技術分野における当業者には明らかとなろう。従って、本説明は単なる例示として解釈されるべきものであり、本開示の内容を実施する一般的な方法を当業者に教示するという目的で記載されたものである。本明細書に示され記載された本開示に係る形態は現在好ましい実施形態として捉えるべきものであることが理解されよう。本開示に係る上記説明の恩恵を受けた当業者にとって明らかなものであれば、本明細書に図示及び記載された構成要素及び材料は、別のもので代替させることができ、各部品及び各プロセスは逆の構成としてもよく、本開示の特定の特徴はすべて独立に利用することができる。以下の特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲を逸脱しない限り、本明細書に記載された各構成要素は変更されてもよい。