特許第6754772号(P6754772)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6754772-複素環化合物 図000139
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6754772
(24)【登録日】2020年8月26日
(45)【発行日】2020年9月16日
(54)【発明の名称】複素環化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20200907BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20200907BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20200907BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20200907BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20200907BHJP
   A61K 31/554 20060101ALI20200907BHJP
   C07D 487/04 20060101ALI20200907BHJP
   C07D 513/04 20060101ALI20200907BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20200907BHJP
   A61K 31/551 20060101ALI20200907BHJP
【FI】
   C07D471/04 106Z
   C07D471/04CSP
   A61P43/00 111
   A61P3/00
   A61P1/04
   A61P25/00
   A61P13/12
   A61P1/16
   A61P31/14
   A61P31/20
   A61K31/553
   A61K31/55
   A61K31/554
   C07D487/04 153
   C07D487/04 138
   C07D487/04 144
   C07D487/04 145
   C07D513/04 325
   C07D513/04 343
   C07D471/04 113
   C07D487/04 141
   C07D471/04 107E
   C07D519/00 311
   C07D471/04 106H
   A61K31/551
【請求項の数】20
【全頁数】169
(21)【出願番号】特願2017-545832(P2017-545832)
(86)(22)【出願日】2016年10月21日
(86)【国際出願番号】JP2016081373
(87)【国際公開番号】WO2017069279
(87)【国際公開日】20170427
【審査請求日】2019年9月26日
(31)【優先権主張番号】特願2015-209280(P2015-209280)
(32)【優先日】2015年10月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2016-37703(P2016-37703)
(32)【優先日】2016年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002934
【氏名又は名称】武田薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】余郷 能紀
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真人
(72)【発明者】
【氏名】齋▲藤▼ 盛久
(72)【発明者】
【氏名】加藤 泰祐
(72)【発明者】
【氏名】関 倫宏
(72)【発明者】
【氏名】中田 善久
【審査官】 谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 特表2012−514601(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/125444(WO,A1)
【文献】 特表2017−524028(JP,A)
【文献】 特表2018−519319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 471/04
A61K 31/55
A61K 31/551
A61K 31/553
A61K 31/554
C07D 487/04
C07D 513/04
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

[式中、
環Aは、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールを、
環Bは、さらに置換されていてもよい5ないし6員の含窒素単環式芳香族複素環を、
環Cは、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカンを、
環Dは、さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環を、
は、C1−6アルキル基または水素原子を、
Xは、酸素原子、硫黄原子、−SO−、置換されていてもよいメチレン基または−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基または水素原子である。)を
およびYは、独立してそれぞれ、炭素原子または窒素原子を、
Lは、置換されていてもよいC1−2アルキレン基を示す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
環Dが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンである、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
環Bが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンである、請求項1または2記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
環Aが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基、および
(B)(1)C7−16アラルキル基、ハロゲン原子およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基、
(2)C1−6アルキル基、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基
から選ばれる1ないし4個の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールであり;
が、C1−6アルキル基または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、
(e)メチレン基、または
(f)−NR−(式中、Rが、C1−6アルキル基である。)
であり;
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子、
(c)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリール基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(f)C3−10シクロアルキル基、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(h)カルバモイル基、
(i)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基、および
(j)カルボキシ基
から選ばれる1または2個の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンであり;
環Dが、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンであり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
環Cが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子、
(c)C1−6アルキル基、
(d)C1−6アルコキシ基、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基
から選ばれる1ないし5個の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカンであり;かつ
Lが、C1−2アルキレン基である、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
式:
【化2】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)〜(9)、(11)、(16)、(17)、(19)または(21):
【化3】
(式中、
b1が、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子、
(d)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC6−14アリール基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(e)ヒドロキシ基、
(f)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(g)C3−10シクロアルキル基、
(h)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(i)カルバモイル基、
(j)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基、または
(k)カルボキシ基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である、請求項4記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
式:
【化4】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)および(22)〜(28):
【化5】
(式中、
が、C1−6アルキル基または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基、および
(B)(1)C7−16アラルキル基、ハロゲン原子およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基、
(2)C1−6アルキル基、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基で置換されていてもよいC1−6アルキル基、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基
から選ばれる置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0、1または2であり;
a2が、独立してそれぞれ、
(1)水素原子、または
(2)C1−6アルキル基
であり;かつ
a3が、共に水素原子である。)
で示される部分構造である、請求項4または5記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
環Aがさらに置換されていてもよいベンゼンの場合、置換基の位置は、式:
【化6】
で示される部分構造における矢印の位置から選択される、請求項4〜6のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
環Aが、
(a)シアノ基、および
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基
から選ばれる1または2個の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンであり;
が、C1−6アルキル基であり;
Xが、酸素原子であり;
環Bが、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、ピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
環Cが、1ないし5個のハロゲン原子でさらに置換されていてもよいベンゼンであり;かつ
Lが、−CH−である、
請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
式:
【化7】
で示される部分構造が、式(1):
【化8】
(式中、
b1が、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、または
(c)ハロゲン原子
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である、請求項8記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
式:
【化9】
で示される部分構造が、式(1):
【化10】
(式中、
が、C1−6アルキル基であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、および
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基
から選ばれる置換基であり;かつ
mが、0または1である。)
で示される部分構造である、請求項8または9記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
環Aの置換基の位置が、式:
【化11】
で示される部分構造における矢印の位置から選択される、請求項8〜10のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
環Cの置換基の位置がo位である、請求項8〜11のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
(3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩。
【請求項14】
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド、またはその塩。
【請求項15】
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩。
【請求項16】
請求項1記載の化合物またはその塩を含有する医薬。
【請求項17】
RIP1キナーゼ阻害薬である、請求項16記載の医薬。
【請求項18】
ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防又は治療薬である、請求項16記載の医薬。
【請求項19】
ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療に使用するための、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項20】
ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療薬を製造するための、請求項1記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、receptor-interacting protein-1(本明細書中「RIP1、またはRIPK1」と略記する場合がある)キナーゼ阻害作用を有し、ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の予防または治療に有用な複素環化合物に関する。
【0002】
(発明の背景)
RIP1キナーゼは、当初はRIPと称されており、自然免疫シグナリングに関与するTKLファミリーセリン/スレオニンプロテインキナーゼである。RIP1キナーゼは、N末端キナーゼドメイン及びC末端デスドメインとともに、RHIMドメインを含有するタンパク質である((2005)Trends Biochem. Sci. 30, 151-159)。RIP1のデスドメインが、Fas及びTNFR-1((1995)Cell 81 513-523)、TRAIL-R1及びTRAIL-R2((1997)Immunity 7, 821-830)並びにTRADD((1996)Immunity 4, 387-396)を含む他のデスドメイン含有タンパク質との相互作用を媒介する一方、RHIMドメインは、他のRHIMドメイン含有タンパク質、例えば、TRIF((2004)Nat Immunol. 5, 503-507)、DAI((2009)EMBO Rep. 10, 916-922)、RIP3((1999)J. Biol. Chem. 274, 16871-16875);(1999)Curr. Biol. 9, 539-542)などとの結合に不可欠であり、これらの相互作用を介してその作用の多くを発揮する。RIP1は、細胞シグナリングの中心的調節因子であり、以下に記載するように、生存促進性経路とプログラム細胞死経路の両方に関与する。
【0003】
細胞シグナリングにおいてRIP1が果たす役割は、様々な条件下で評価されているが[TLR3((2004)Nat Immunol. 5, 503-507)、TLR4((2005)J. Biol. Chem. 280, 36560-36566)、TRAIL((2012)J .Virol. Epub, ahead of print)、FAS((2004)J. Biol. Chem. 279, 7925-7933)を含む]、最も理解されているのは、デスレセプターTNFR1の下流シグナルの媒介に関連するものである((2003)Cell 114, 181-190)。TNFによるTNFRの関与によって、そのオリゴマー形成が導かれ、直鎖状K63結合型ポリユビキチン化RIP1((2006)Mol. Cell 22, 245-257)、TRAF2/5((2010)J. Mol. Biol. 396, 528-539)、TRADD((2008)Nat. Immunol. 9, 1037-1046)及びcIAPs((2008)Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 105, 11778-11783)を含む複数のタンパク質が受容体の細胞質ドメインへと動員される。足場タンパク質(すなわち、キナーゼ非依存性)としてのRIP1に依存するこの複合体は、複合体Iと称され、NFκB及びMAPキナーゼ経路の活性化を介した生存促進性シグナリングの基盤となる((2010)Sci. Signal. 115, re4)。或いは、RIP1の脱ユビキチン化を促進する条件下(A20やCYLDなどのタンパク質によるか、cIAPsの阻害による)でのTNFとその受容体との結合は、受容体の内在化、及び複合体II又はDISC(death-inducing signaling complex)の形成をもたらす((2011)Cell Death Dis. 2, e230)。RIP1、TRADD、FADD及びカスパーゼ8を含むDISCの形成は、同様にRIP1キナーゼ非依存性の様式で、カスパーゼ8の活性化及びプログラムされたアポトーシス細胞死の発生をもたらす((2012)FEBS J 278, 877-887)。アポトーシスは、ほぼ静止した状態(quiescent form)の細胞死であり、発生や細胞ホメオスタシスなどのプロセスに関与する。
【0004】
アポトーシスが阻害される条件下(例えば、FADD/カスパーゼ8の欠損、カスパーゼの阻害又はウイルス感染など)では、第三のRIP1キナーゼ依存性の機能が発揮される。ここでは、RIP1のホモログであるRIP3が、この複合体に結合し、RIP1によってリン酸化され、MLKL及びPGAM5の活性化を介して、カスパーゼ非依存性のプログラムされたネクローシス細胞死を誘導する((2012)Cell 148, 213-227);((2012)Cell 148, 228-243);((2012)Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 109, 5322-5327)。アポトーシスとは対照的に、プログラムされたネクローシス(プログラムされていない受動的ネクローシスと混同されるべきでない)は、細胞からダメージ関連分子パターン(DAMPs)の放出をもたらす。これらのDAMPsは、周囲の細胞及び組織に「危険シグナル」を提供し、インフラマソーム活性化、サイトカイン産生及び細胞動員を含む炎症促進性反応を引き起こす((2008)Nat. Rev. Immunol 8, 279-289)。
【0005】
RIP1キナーゼ媒介性のプログラム細胞死の調節異常は、RIP3ノックアウトマウス(ここでは、RIP1媒介性のプログラムされたネクローシスが完全に阻害される)やネクロスタチン-1(経口バイオアベイラビリティの低いRIP1キナーゼ活性の阻害剤ツール)等の使用により実証されるように、様々な疾患と関連している。RIP3ノックアウトマウスは、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)((2011)Nature 477, 330-334)、乾癬((2011)Immunity 35, 572-582)、網膜剥離が誘導する光受容体ネクローシス((2010)PNAS 107, 21695-21700)、網膜色素変性症((2012)Proc. Natl. Acad. Sci., 109:36, 14598-14603)、非アルコール性脂肪性肝炎・アルコール性脂肪性肝炎・B型およびC型肝炎((2015)Clinical Science 129(8), 723-739)、セルレイン誘発性急性膵炎((2009)Cell 137, 1100-1111)及び敗血症/全身性炎症反応症候群(SIRS)((2011)Immunity 35, 908-918)において保護作用を有することが示されている。ネクロスタチン-1は、虚血性脳障害((2005)Nat. Chem. Biol. 1, 112-119)、網膜虚血/再灌流障害((2010)J. Neurosci. Res. 88, 1569-1576)、ハンチントン病((2011)Cell Death Dis. 2 e115)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎及びクローン病を含む)((2011)Nature 477(7364, 335-339)、(2014) Am. J. Gastroenterol. 109, 279-287、(2015)Gut 64(4), 601-610)、急性腎障害((2015)J. Am. Soc. Nephrol. doi: 10.1681/ASN.2014080741)、慢性腎臓病((2015)Biochem. Biophys. Res. Commun. 461(4), 575-581)、急性肝不全・自己免疫性肝炎((2015)Cell Death and Disease, doi:10.1038/cddis.2015.126)腎虚血再灌流障害((2012)Kidney Int. 81, 751-761)、シスプラチン誘発性腎障害((2012)Ren. Fail. 34, 373-377)及び外傷性脳損傷((2012)Neurochem. Res. 37, 1849-1858)を緩和するのに有効であることが示され、その他のRIP1キナーゼ阻害薬を用いた実験系では、RIP1キナーゼ阻害薬が多発性硬化症((2015)Cell Reports,Volume 10, Issue 11, 1836-1849)の緩和に有効であることも示されている。RIP1依存性のアポトーシス、ネクローシス又はサイトカイン産生によって少なくとも部分的に制御される他の疾患又は障害には、血液学的及び実質臓器の悪性腫瘍((2013)Genes Dev. 27: 1640-1649)、細菌感染及びウイルス感染((2014)Cell Host & Microbe 15, 23-35)(結核及びインフルエンザ((2013)Cell 153, 1-14)を含むが、これらに限定されない)並びにリソソーム蓄積症(特にゴーシェ病((2014)Nature Medicine20, 204-208, doi: 10.1038/nm.3449))が含まれる。
【0006】
RIP1キナーゼ活性の強力な選択的小分子阻害剤は、RIP1依存性の細胞ネクローシスを阻害し、それにより、DAMPs、細胞死及び/又は炎症と関連する疾患又は事象において治療的有用性を提供する。
【0007】
複素環化合物として、特許文献1には、下記式(I):
【0008】
【化1】
【0009】
[式中、各記号は特許文献1で定義される通りである。]
で表される化合物が、RIP1キナーゼ阻害薬であって、急性腎障害、慢性腎臓病、自己免疫性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、炎症性腸疾患、多発性硬化症等の治療に有用であることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2014/125444号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】(2005)Trends Biochem. Sci. 30, 151-159
【非特許文献2】(1995)Cell 81 513-523
【非特許文献3】(1997)Immunity 7, 821-830
【非特許文献4】(1996)Immunity 4, 387-396
【非特許文献5】(2004)Nat Immunol. 5, 503-507
【非特許文献6】(2009)EMBO Rep. 10, 916-922
【非特許文献7】(1999)J. Biol. Chem. 274, 16871-16875
【非特許文献8】(1999)Curr. Biol. 9, 539-542
【非特許文献9】(2004)Nat Immunol. 5, 503-507)
【非特許文献10】(2005)J. Biol. Chem. 280, 36560-36566
【非特許文献11】(2012)J .Virol. Epub, ahead of print
【非特許文献12】(2004)J. Biol. Chem. 279, 7925-7933
【非特許文献13】(2003)Cell 114, 181-190
【非特許文献14】(2006)Mol. Cell 22, 245-257
【非特許文献15】(2010)J. Mol. Biol. 396, 528-539
【非特許文献16】(2008)Nat. Immunol. 9, 1037-1046
【非特許文献17】(2008)Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 105, 11778-11783
【非特許文献18】(2010)Sci. Signal. 115, re4
【非特許文献19】(2011)Cell Death Dis. 2, e230
【非特許文献20】(2012)FEBS J 278, 877-887
【非特許文献21】(2012)Cell 148, 213-227
【非特許文献22】(2012)Cell 148, 228-243
【非特許文献23】(2012)Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 109, 5322-5327
【非特許文献24】(2008)Nat. Rev. Immunol 8, 279-289
【非特許文献25】(2011)Nature 477, 330-334
【非特許文献26】(2011)Immunity 35, 572-582
【非特許文献27】(2010)PNAS 107, 21695-21700
【非特許文献28】(2012)Proc. Natl. Acad. Sci., 109:36, 14598-14603
【非特許文献29】(2015)Clinical Science 129(8), 723-739
【非特許文献30】(2009)Cell 137, 1100-1111
【非特許文献31】(2011)Immunity 35, 908-918
【非特許文献32】(2005)Nat. Chem. Biol. 1, 112-119
【非特許文献33】(2010)J. Neurosci. Res. 88, 1569-1576
【非特許文献34】(2011)Cell Death Dis. 2 e115
【非特許文献35】(2011)Nature 477(7364, 335-339)
【非特許文献36】(2014)Am. J. Gastroenterol. 109, 279-287
【非特許文献37】(2015)Gut 64(4), 601-610
【非特許文献38】(2015)J. Am. Soc. Nephrol. doi: 10.1681/ASN.2014080741
【非特許文献39】(2015)Biochem. Biophys. Res. Commun. 461(4), 575-581
【非特許文献40】(2015)Cell Death and Disease, doi:10.1038/cddis.2015.126
【非特許文献41】(2012)Kidney Int. 81, 751-761
【非特許文献42】(2012)Ren. Fail. 34, 373-377
【非特許文献43】(2012)Neurochem. Res. 37, 1849-1858
【非特許文献44】(2015)Cell Reports, Volume 10, Issue 11, 1836-1849
【非特許文献45】(2013)Genes Dev. 27: 1640-1649
【非特許文献46】(2014)Cell Host & Microbe 15, 23-35
【非特許文献47】(2013)Cell 153, 1-14
【非特許文献48】(2014)Nature Medicine, 20, 204-208, doi: 10.1038/nm.3449
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、RIP1キナーゼ阻害作用を有し、ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の予防または治療剤として有用な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記式(I)で表わされる化合物が、RIP1キナーゼ阻害作用を有し、従って、ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の予防または治療剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【0014】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1] 下記式(I):
【0015】
【化2】
【0016】
[式中、
環Aおよび環Bは、独立してそれぞれ、さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環を、
環Cは、さらに置換されていてもよい環を、
環Dは、さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環を、
は、C1−6アルキル基または水素原子を、
Xは、(a)酸素原子、(b)硫黄原子、(c)−SO−、(d)−SO−、(e)置換されていてもよいメチレン基または(f)−NR−を、
は、水素原子または置換基を示すか、あるいはRと架橋してもよく、
およびYは、独立してそれぞれ、炭素原子または窒素原子を、
Lは、(a)置換されていてもよいC1−3アルキレン基、(b)酸素原子、(c)硫黄原子、(d)−SO−、(e)−SO−または(f)−NR−を、
は、水素原子または置換基を示す。]
で表される化合物またはその塩(以下、化合物(I)ともいう)。
【0017】
[2] 環Dが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンである、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[3] 環Bが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンである、上記[1]または[2]記載の化合物またはその塩。
[4] 式:
【0018】
【化3】
【0019】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)〜(9)、(11)、(16)、(17)、(19)または(21):
【0020】
【化4】
【0021】
[式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、置換基または水素原子を示す]
で表される部分構造である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【0022】
[5] 環Aが、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジン、またはピラゾールであり、
Xが、酸素原子、硫黄原子、−SO−、置換されていてもよいメチレン基または−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基または水素原子である。)であり、
Lが、置換されていてもよいC1−2アルキレン基であり、かつ
環Cが、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカンである、
上記[1]〜[4]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【0023】
[6] 環Aが、さらに置換されていてもよいベンゼンであり、
が、C1−6アルキル基であり、
Xが、酸素原子であり、
環Dが、さらに置換されていてもよいピペリジンであり、
環Bが、さらに置換されていてもよいピラゾールであり、
Lが、置換されていてもよいメチレンであり、かつ
環Cが、さらに置換されていてもよいベンゼンである、
上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物またはその塩。
【0024】
[7] (3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩。
[8] (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド、またはその塩。
[9] (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩。
【0025】
[10] 上記[1]記載の化合物またはその塩を含有する医薬。
[11] RIP1キナーゼ阻害薬である、上記[10]記載の医薬。
[12] ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防又は治療薬である、上記[10]記載の医薬。
【0026】
[13] 哺乳動物に対し、上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるRIP1キナーゼの阻害方法。
[14] 哺乳動物に対し、上記[1]記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とする、該哺乳動物におけるゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療方法。
【0027】
[15] ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療に使用するための、上記[1]記載の化合物またはその塩。
[16] ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎または非アルコール性脂肪性肝炎の予防または治療薬を製造するための、上記[1]記載の化合物またはその塩の使用。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、優れたRIP1キナーゼ阻害作用を有し、ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の予防または治療剤として有用な化合物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】化合物Aを投与した多発性硬化症モデルマウスとVehicleを投与した多発性硬化症モデルマウスにおける実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)の臨床症状をスコアにより数値化し、累積値の平均値を示した図である。
【0030】
(発明の詳細な説明)
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0031】
以下、本明細書中で用いられる各置換基の定義について詳述する。特記しない限り各置換基は以下の定義を有する。
本明細書中、「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル、クロロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、エチル、2−ブロモエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、プロピル、2,2―ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、4,4,4−トリフルオロブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、5,5,5−トリフルオロペンチル、ヘキシル、6,6,6−トリフルオロヘキシルが挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルケニル基」としては、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニルが挙げられる。
本明細書中、「C2−6アルキニル基」としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニルが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルキル基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC3−10シクロアルキル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC3−10シクロアルキル基が挙げられる。具体例としては、シクロプロピル、2,2−ジフルオロシクロプロピル、2,3−ジフルオロシクロプロピル、シクロブチル、ジフルオロシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルケニル基」としては、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリール基」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントリル、2−アントリル、9−アントリルが挙げられる。
本明細書中、「C7−16アラルキル基」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、フェニルプロピルが挙げられる。
【0032】
本明細書中、「C1−6アルコキシ基」としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルコキシ基が挙げられる。具体例としては、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、エトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルキルオキシ基」としては、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシ、シクロオクチルオキシが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキルチオ基」としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキルチオ基が挙げられる。具体例としては、メチルチオ、ジフルオロメチルチオ、トリフルオロメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、4,4,4−トリフルオロブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノイル、3−メチルブタノイル、2−メチルブタノイル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキル−カルボニル基が挙げられる。具体例としては、アセチル、クロロアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイルが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルコキシ−カルボニル基」としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリール−カルボニル基」としては、例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルが挙げられる。
本明細書中、「C7−16アラルキル−カルボニル基」としては、例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニルが挙げられる。
本明細書中、「5ないし14員芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイルが挙げられる。
本明細書中、「3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基」としては、例えば、モルホリニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル、ピロリジニルカルボニルが挙げられる。
【0033】
本明細書中、「モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基」としては、例えば、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、N−エチル−N−メチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基」としては、例えば、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイルが挙げられる。
本明細書中、「C1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、tert−ブチルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基」としては、例えば、1ないし7個、好ましくは1ないし5個のハロゲン原子を有していてもよいC1−6アルキルスルホニル基が挙げられる。具体例としては、メチルスルホニル、ジフルオロメチルスルホニル、トリフルオロメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、4,4,4−トリフルオロブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニルが挙げられる。
本明細書中、「C6−14アリールスルホニル基」としては、例えば、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルが挙げられる。
【0034】
本明細書中、「置換基」としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換されていてもよい炭化水素基、置換されていてもよい複素環基、アシル基、置換されていてもよいアミノ基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよいチオカルバモイル基、置換されていてもよいスルファモイル基、置換されていてもよいヒドロキシ基、置換されていてもよいスルファニル(SH)基、置換されていてもよいシリル基が挙げられる。
本明細書中、「炭化水素基」(「置換されていてもよい炭化水素基」における「炭化水素基」を含む)としては、例えば、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基が挙げられる。
【0035】
本明細書中、「置換されていてもよい炭化水素基」としては、例えば、下記の置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。
[置換基群A]
(1)ハロゲン原子、
(2)ニトロ基、
(3)シアノ基、
(4)オキソ基、
(5)ヒドロキシ基、
(6)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、
(7)C6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフトキシ)、
(8)C7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ)、
(9)5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、
(10)3ないし14員非芳香族複素環オキシ基(例、モルホリニルオキシ、ピペリジニルオキシ)、
(11)C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセトキシ、プロパノイルオキシ)、
(12)C6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ、1−ナフトイルオキシ、2−ナフトイルオキシ)、
(13)C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ)、
(14)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ)、
(15)C6−14アリール−カルバモイルオキシ基(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ)、
(16)5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、
(17)3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、モルホリニルカルボニルオキシ、ピペリジニルカルボニルオキシ)、
(18)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ)、
(19)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ)、
(20)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基、
(21)5ないし14員芳香族複素環基、
(22)3ないし14員非芳香族複素環基、
(23)ホルミル基、
(24)カルボキシ基、
(25)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル−カルボニル基、
(26)C6−14アリール−カルボニル基、
(27)5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、
(28)3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、
(29)C1−6アルコキシ−カルボニル基、
(30)C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル)、
(31)C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、
(32)カルバモイル基、
(33)チオカルバモイル基、
(34)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、
(35)C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、
(36)5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル、チエニルカルバモイル)、
(37)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(例、モルホリニルカルバモイル、ピペリジニルカルバモイル)、
(38)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニル基、
(39)C6−14アリールスルホニル基、
(40)5ないし14員芳香族複素環スルホニル基(例、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル)、
(41)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルフィニル基、
(42)C6−14アリールスルフィニル基(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル)、
(43)5ないし14員芳香族複素環スルフィニル基(例、ピリジルスルフィニル、チエニルスルフィニル)、
(44)アミノ基、
(45)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ)、
(46)モノ−またはジ−C6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、
(47)5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、
(48)C7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ)、
(49)ホルミルアミノ基、
(50)C1−6アルキル−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミノ)、
(51)(C1−6アルキル)(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、
(52)C6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ)、
(53)C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、
(54)C7−16アラルキルオキシ−カルボニルアミノ基(例、ベンジルオキシカルボニルアミノ)、
(55)C1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、
(56)C1−6アルキル基で置換されていてもよいC6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ、トルエンスルホニルアミノ)、
(57)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基、
(58)C2−6アルケニル基、
(59)C2−6アルキニル基、
(60)C3−10シクロアルキル基、
(61)C3−10シクロアルケニル基、及び
(62)C6−14アリール基。
【0036】
「置換されていてもよい炭化水素基」における上記置換基の数は、例えば、1ないし5個、好ましくは1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
本明細書中、「複素環基」(「置換されていてもよい複素環基」における「複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、(i)芳香族複素環基、(ii)非芳香族複素環基および(iii)7ないし10員複素架橋環基が挙げられる。
【0037】
本明細書中、「芳香族複素環基」(「5ないし14員芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環基が挙げられる。
該「芳香族複素環基」の好適な例としては、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニルなどの5ないし6員単環式芳香族複素環基;
ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル、ピラゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、イミダゾピラジニル、イミダゾピリミジニル、チエノピリミジニル、フロピリミジニル、ピロロピリミジニル、ピラゾロピリミジニル、オキサゾロピリミジニル、チアゾロピリミジニル、ピラゾロトリアジニル、ナフト[2,3−b]チエニル、フェノキサチイニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環基が挙げられる。
【0038】
本明細書中、「非芳香族複素環基」(「3ないし14員非芳香族複素環基」を含む)としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環基が挙げられる。
該「非芳香族複素環基」の好適な例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロイソチアゾリル、テトラヒドロオキサゾリル、テトラヒドロイソオキサゾリル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリダジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、アゼピニル、オキセパニル、アゾカニル、ジアゾカニルなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環基;
ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル、ジヒドロナフト[2,3−b]チエニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、4H−キノリジニル、インドリニル、イソインドリニル、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジニル、テトラヒドロベンゾアゼピニル、テトラヒドロキノキサリニル、テトラヒドロフェナントリジニル、ヘキサヒドロフェノチアジニル、ヘキサヒドロフェノキサジニル、テトラヒドロフタラジニル、テトラヒドロナフチリジニル、テトラヒドロキナゾリニル、テトラヒドロシンノリニル、テトラヒドロカルバゾリル、テトラヒドロ−β−カルボリニル、テトラヒドロアクリジニル、テトラヒドロフェナジニル、テトラヒドロチオキサンテニル、オクタヒドロイソキノリルなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基が挙げられる。
【0039】
本明細書中、「7ないし10員複素架橋環基」の好適な例としては、キヌクリジニル、7−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタニルが挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」としては、「複素環基」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、前記した置換基群Aから選ばれる置換基を有していてもよい複素環基が挙げられる。
「置換されていてもよい複素環基」における置換基の数は、例えば、1ないし3個である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0040】
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、「ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基およびカルバモイル基から選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C3−10シクロアルケニル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、5ないし14員芳香族複素環基および3ないし14員非芳香族複素環基から選ばれる1または2個の置換基」をそれぞれ有していてもよい、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、スルフィノ基、スルホ基、スルファモイル基、ホスホノ基が挙げられる。
また、「アシル基」としては、炭化水素−スルホニル基、複素環−スルホニル基、炭化水素−スルフィニル基、複素環−スルフィニル基も挙げられる。
ここで、炭化水素−スルホニル基とは、炭化水素基が結合したスルホニル基を、複素環−スルホニル基とは、複素環基が結合したスルホニル基を、炭化水素−スルフィニル基とは、炭化水素基が結合したスルフィニル基を、複素環−スルフィニル基とは、複素環基が結合したスルフィニル基を、それぞれ意味する。
「アシル基」の好適な例としては、ホルミル基、カルボキシ基、C1−6アルキル−カルボニル基、C2−6アルケニル−カルボニル基(例、クロトノイル)、C3−10シクロアルキル−カルボニル基(例、シクロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シクロヘキサンカルボニル、シクロヘプタンカルボニル)、C3−10シクロアルケニル−カルボニル基(例、2−シクロヘキセンカルボニル)、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、C6−14アリールオキシ−カルボニル基(例、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル)、C7−16アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル)、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)、スルフィノ基、C1−6アルキルスルフィニル基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル)、スルホ基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−14アリールスルホニル基、ホスホノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルホスホノ基(例、ジメチルホスホノ、ジエチルホスホノ、ジイソプロピルホスホノ、ジブチルホスホノ)が挙げられる。
【0041】
本明細書中、「置換されていてもよいアミノ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル基およびC6−14アリールスルホニル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいアミノ基が挙げられる。
置換されていてもよいアミノ基の好適な例としては、アミノ基、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、ジブチルアミノ)、モノ−またはジ−C2−6アルケニルアミノ基(例、ジアリルアミノ)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキルアミノ基(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、モノ−またはジ−C6−14アリールアミノ基(例、フェニルアミノ)、モノ−またはジ−C7−16アラルキルアミノ基(例、ベンジルアミノ、ジベンジルアミノ)、モノ−またはジ−(ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル)−カルボニルアミノ基(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニルアミノ基(例、ベンゾイルアミノ)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルボニルアミノ基(例、ベンジルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−5ないし14員芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ニコチノイルアミノ、イソニコチノイルアミノ)、モノ−またはジ−3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、ピペリジニルカルボニルアミノ)、モノ−またはジ−C1−6アルコキシ−カルボニルアミノ基(例、tert−ブトキシカルボニルアミノ)、5ないし14員芳香族複素環アミノ基(例、ピリジルアミノ)、カルバモイルアミノ基、(モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル)アミノ基(例、メチルカルバモイルアミノ)、(モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル)アミノ基(例、ベンジルカルバモイルアミノ)、C1−6アルキルスルホニルアミノ基(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ)、C6−14アリールスルホニルアミノ基(例、フェニルスルホニルアミノ)、(C1−6アルキル)(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ基(例、N−アセチル−N−メチルアミノ)、(C1−6アルキル)(C6−14アリール−カルボニル)アミノ基(例、N−ベンゾイル−N−メチルアミノ)が挙げられる。
【0042】
本明細書中、「置換されていてもよいカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいカルバモイル基の好適な例としては、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−カルバモイル基(例、ジアリルカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−カルバモイル基(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルバモイル基(例、フェニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−カルバモイル基(例、アセチルカルバモイル、プロピオニルカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−カルバモイル基(例、ベンゾイルカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環カルバモイル基(例、ピリジルカルバモイル)が挙げられる。
【0043】
本明細書中、「置換されていてもよいチオカルバモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいチオカルバモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいチオカルバモイル基の好適な例としては、チオカルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−チオカルバモイル基(例、メチルチオカルバモイル、エチルチオカルバモイル、ジメチルチオカルバモイル、ジエチルチオカルバモイル、N−エチル−N−メチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−チオカルバモイル基(例、ジアリルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−チオカルバモイル基(例、シクロプロピルチオカルバモイル、シクロヘキシルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−チオカルバモイル基(例、フェニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−チオカルバモイル基(例、ベンジルチオカルバモイル、フェネチルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−チオカルバモイル基(例、アセチルチオカルバモイル、プロピオニルチオカルバモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−チオカルバモイル基(例、ベンゾイルチオカルバモイル)、5ないし14員芳香族複素環チオカルバモイル基(例、ピリジルチオカルバモイル)が挙げられる。
【0044】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファモイル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基およびモノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基から選ばれる1または2個の置換基」を有していてもよいスルファモイル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファモイル基の好適な例としては、スルファモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−スルファモイル基(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、N−エチル−N−メチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C2−6アルケニル−スルファモイル基(例、ジアリルスルファモイル)、モノ−またはジ−C3−10シクロアルキル−スルファモイル基(例、シクロプロピルスルファモイル、シクロヘキシルスルファモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−スルファモイル基(例、フェニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−スルファモイル基(例、ベンジルスルファモイル、フェネチルスルファモイル)、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルボニル−スルファモイル基(例、アセチルスルファモイル、プロピオニルスルファモイル)、モノ−またはジ−C6−14アリール−カルボニル−スルファモイル基(例、ベンゾイルスルファモイル)、5ないし14員芳香族複素環スルファモイル基(例、ピリジルスルファモイル)が挙げられる。
【0045】
本明細書中、「置換されていてもよいヒドロキシ基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基、C7−16アラルキル−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環カルボニル基、3ないし14員非芳香族複素環カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、5ないし14員芳香族複素環基、カルバモイル基、モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基、モノ−またはジ−C7−16アラルキル−カルバモイル基、C1−6アルキルスルホニル基およびC6−14アリールスルホニル基から選ばれる置換基」を有していてもよいヒドロキシ基が挙げられる。
置換されていてもよいヒドロキシ基の好適な例としては、ヒドロキシ基、C1−6アルコキシ基、C2−6アルケニルオキシ基(例、アリルオキシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ)、C3−10シクロアルキルオキシ基(例、シクロヘキシルオキシ)、C6−14アリールオキシ基(例、フェノキシ、ナフチルオキシ)、C7−16アラルキルオキシ基(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ)、C1−6アルキル−カルボニルオキシ基(例、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ)、C6−14アリール−カルボニルオキシ基(例、ベンゾイルオキシ)、C7−16アラルキル−カルボニルオキシ基(例、ベンジルカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ニコチノイルオキシ)、3ないし14員非芳香族複素環カルボニルオキシ基(例、ピペリジニルカルボニルオキシ)、C1−6アルコキシ−カルボニルオキシ基(例、tert−ブトキシカルボニルオキシ)、5ないし14員芳香族複素環オキシ基(例、ピリジルオキシ)、カルバモイルオキシ基、C1−6アルキル−カルバモイルオキシ基(例、メチルカルバモイルオキシ)、C7−16アラルキル−カルバモイルオキシ基(例、ベンジルカルバモイルオキシ)、C1−6アルキルスルホニルオキシ基(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、C6−14アリールスルホニルオキシ基(例、フェニルスルホニルオキシ)が挙げられる。
【0046】
本明細書中、「置換されていてもよいスルファニル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基、C7−16アラルキル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C6−14アリール−カルボニル基および5ないし14員芳香族複素環基から選ばれる置換基」を有していてもよいスルファニル基、ハロゲン化されたスルファニル基が挙げられる。
置換されていてもよいスルファニル基の好適な例としては、スルファニル(−SH)基、C1−6アルキルチオ基、C2−6アルケニルチオ基(例、アリルチオ、2−ブテニルチオ、2−ペンテニルチオ、3−ヘキセニルチオ)、C3−10シクロアルキルチオ基(例、シクロヘキシルチオ)、C6−14アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフチルチオ)、C7−16アラルキルチオ基(例、ベンジルチオ、フェネチルチオ)、C1−6アルキル−カルボニルチオ基(例、アセチルチオ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチオ、ピバロイルチオ)、C6−14アリール−カルボニルチオ基(例、ベンゾイルチオ)、5ないし14員芳香族複素環チオ基(例、ピリジルチオ)、ハロゲン化チオ基(例、ペンタフルオロチオ)が挙げられる。
【0047】
本明細書中、「置換されていてもよいシリル基」としては、例えば、「置換基群Aから選ばれる1ないし3個の置換基をそれぞれ有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C3−10シクロアルキル基、C6−14アリール基およびC7−16アラルキル基から選ばれる1ないし3個の置換基」を有していてもよいシリル基が挙げられる。
置換されていてもよいシリル基の好適な例としては、トリ−C1−6アルキルシリル基(例、トリメチルシリル、tert-ブチル(ジメチル)シリル)が挙げられる。
【0048】
本明細書中、「炭化水素環」としては、例えば、C6−14芳香族炭化水素環、C3−10シクロアルカン、C3−10シクロアルケンが挙げられる。
本明細書中、「C6−14芳香族炭化水素環」としては、例えば、ベンゼン、ナフタレンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルカン」としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンが挙げられる。
本明細書中、「C3−10シクロアルケン」としては、例えば、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンが挙げられる。
本明細書中、「複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子をそれぞれ含有する、芳香族複素環および非芳香族複素環が挙げられる。
【0049】
本明細書中、「芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環が挙げられる。該「芳香族複素環」の好適な例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンなどの5ないし6員単環式芳香族複素環;
ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾトリアゾール、イミダゾピリジン、チエノピリジン、フロピリジン、ピロロピリジン、ピラゾロピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、イミダゾピラジン、イミダゾピリミジン、チエノピリミジン、フロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン、オキサゾロピリミジン、チアゾロピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピラゾロトリアジン、ナフト[2,3−b]チオフェン、フェノキサチイン、インド−ル、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジンなどの8ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)芳香族複素環が挙げられる。
【0050】
本明細書中、「非芳香族複素環」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1ないし4個のヘテロ原子を含有する3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環が挙げられる。該「非芳香族複素環」の好適な例としては、アジリジン、オキシラン、チイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロフラン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、オキサゾリン、オキサゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾリン、チアゾリジン、テトラヒドロイソチアゾール、テトラヒドロオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピリジン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロピリダジン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、モルホリン、チオモルホリン、アゼパニン、ジアゼパン、アゼピン、アゾカン、ジアゾカン、オキセパンなどの3ないし8員単環式非芳香族複素環;
ジヒドロベンゾフラン、ジヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイソチアゾール、ジヒドロナフト[2,3−b]チオフェン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリン、4H−キノリジン、インドリン、イソインドリン、テトラヒドロチエノ[2,3−c]ピリジン、テトラヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロキノキサリン、テトラヒドロフェナントリジン、ヘキサヒドロフェノチアジン、ヘキサヒドロフェノキサジン、テトラヒドロフタラジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロキナゾリン、テトラヒドロシンノリン、テトラヒドロカルバゾール、テトラヒドロ−β−カルボリン、テトラヒドロアクリジン、テトラヒドロフェナジン、テトラヒドロチオキサンテン、オクタヒドロイソキノリンなどの9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環」としては、「複素環」のうち、環構成原子として少なくとも1個以上の窒素原子を含有するものが挙げられる。
【0051】
上に記載の「ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキル基」は、2,2−ジフルオロエチルであってもよい。
【0052】
上に記載の「置換されていてもよいカルバモイル基」における置換基としての「C1−6アルキル基」(具体的にはモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基)は、
(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0053】
以下に、式(I)中の各記号の定義について詳述する。
【0054】
環Aは、さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環を示す。
環Aで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」としては、ベンゼンおよび5ないし6員単環式芳香族複素環が挙げられる。
当該5ないし6員単環式芳香族複素環としては、上記「芳香族複素環」のうちの5ないし6員単環のものが挙げられる。
【0055】
環Aで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」は、好ましくは、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、フラン、チオフェンまたはピロールであり、より好ましくは、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールであり、特に好ましくは、ベンゼンである。
【0056】
環Aで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」は、「置換基」でさらに置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1ないし4個(好ましくは1または2個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0057】
環Aは、好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼンである。
環Aは、より好ましくは、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
環Aは、さらに好ましくは、1個のシアノ基、または1個のシアノ基および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0058】
【化5】
【0059】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0060】
別の実施態様として、環Aは、より好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0061】
当該態様において、環Aは、さらに好ましくは、
(1)1個のシアノ基、
(2)1個のシアノ基および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)、
(3)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、または
(4)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)
でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0062】
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0063】
【化6】
【0064】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0065】
別の実施態様として、環Aは、好ましくは、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールである。
【0066】
当該態様において、環Aは、より好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールである。
【0067】
当該態様において、環Aがさらに置換されていてもよいベンゼンの場合、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0068】
【化7】
【0069】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0070】
当該態様において、環Aは、さらに好ましくは、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、
(2)ピリジン、または
(3)1または2個(好ましくは1個)のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよいピラゾール
である。
【0071】
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0072】
【化8】
【0073】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0074】
さらに別の実施態様として、環Aは、さらに好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0075】
当該態様において、環Aは、さらにより好ましくは、
(a)シアノ基、および
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0076】
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0077】
【化9】
【0078】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0079】
当該態様において、環Aは、さらに一層好ましくは、
(a)1個のシアノ基、または
(b)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0080】
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0081】
【化10】
【0082】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0083】
当該態様において、環Aは、特に好ましくは、
(a)1個のシアノ基、または
(b)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
でさらに置換されたベンゼンである。
【0084】
当該態様において、ベンゼン環における置換基の位置は、式:
【0085】
【化11】
【0086】
で示される部分構造における矢印の位置が好ましい。
【0087】
は、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子を示す。
は、好ましくは、C1−6アルキル基(例、メチル)である。
【0088】
Xは、(a)酸素原子、(b)硫黄原子、(c)−SO−、(d)−SO−、(e)置換されていてもよいメチレン基または(f)−NR−を示す。
は、水素原子または置換基を示すか、あるいはRと架橋してもよい。
【0089】
Xで示される「置換されていてもよいメチレン基」の「メチレン基」は、前記した置換基群Aから選ばれる置換基で置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1または2個(好ましくは1個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
Xで示される「置換されていてもよいメチレン基」の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(c)ヒドロキシ基、
(d)オキソ基
等が挙げられる。
【0090】
とRで形成される架橋構造としては、例えば、置換されていてもよいC1−3アルキレン基が挙げられる。
本明細書中、「C1−3アルキレン基」としては、例えば、−CH−、−(CH−、−(CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(C)−、−CH−CH(CH)−、−CH(CH)−CH−が挙げられる。
とRが架橋して形成される「置換されていてもよいC1−3アルキレン基」の「C1−3アルキレン基」は、前記した置換基群Aから選ばれる置換基で置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1または2個(好ましくは1個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0091】
は、好ましくは、水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)であるか、あるいはRと架橋して、C1−3アルキレン基を形成する。
【0092】
は、より好ましくは、
(1)水素原子、または
(2)1ないし3個のC3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)であるか、あるいはRと架橋して、C1−3アルキレン基を形成する。
【0093】
は、さらに好ましくは、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子である。
【0094】
Xは、好ましくは、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)置換されていてもよいメチレン基
である。
【0095】
Xは、より好ましくは、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)メチレン基
である。
【0096】
Xは、さらに好ましくは、酸素原子である。
【0097】
別の実施態様として、Xは、好ましくは、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、
(e)置換されていてもよいメチレン基、または
(f)−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子である。)
である。
【0098】
当該態様において、Xは、より好ましくは、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、
(e)メチレン基、または
(f)−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基(例、メチル)である。)
である。
【0099】
当該態様において、Xは、さらに好ましくは、酸素原子である。
【0100】
式:
【0101】
【化12】
【0102】
で示される部分構造としては、以下の式(1)〜(21):
【0103】
【化13】
【0104】
(式中、Ra1は、独立してそれぞれ、置換基を、Ra2およびRa3は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を、Xは、独立してそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または−NR2a−を、mは、独立してそれぞれ、0ないし4の整数を、nは1ないし3の整数を示し、RおよびRは前記と同義である。)
で示される部分構造が挙げられる。
【0105】
式:
【0106】
【化14】
【0107】
で示される部分構造は、好ましくは、式(1)〜(4):
【0108】
【化15】
【0109】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造であり、より好ましくは、式(1):
【0110】
【化16】
【0111】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造である。
【0112】
別の実施態様として、式:
【0113】
【化17】
【0114】
で示される部分構造としては、以下の式(1)〜(29):
【0115】
【化18】
【0116】
【化19】
【0117】
(式中、Ra1は、独立してそれぞれ、置換基を、Ra2およびRa3は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を、Xは、独立してそれぞれ、酸素原子、硫黄原子または−NR2a−を、mは、独立してそれぞれ、0ないし4の整数を、nは1ないし3の整数を示し、RおよびRは前記と同義である。)
で示される部分構造が挙げられる。
【0118】
当該態様において、式:
【0119】
【化20】
【0120】
で示される部分構造としては、好ましくは、式(1)〜(4)、(6)および(22)〜(28):
【0121】
【化21】
【0122】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造であり、より好ましくは、式(1):
【0123】
【化22】
【0124】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造である。
【0125】
a1で示される「置換基」は、好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
である。
【0126】
別の実施態様として、Ra1で示される「置換基」は、好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
である。
【0127】
a1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、または
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
である。
【0128】
別の実施態様として、Ra1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、または
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
である。
【0129】
別の実施態様として、Ra1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、または
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
である。
【0130】
当該態様において、Ra1は、より好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、または
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
である。
【0131】
mは、好ましくは、0、1または2である。
mは、より好ましくは、0または1である。
mは、特に好ましくは、1である。
【0132】
a2で示される「置換基」としては、例えば、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
等が挙げられる。
【0133】
別の実施態様として、Ra2で示される「置換基」としては、例えば、C1−6アルキル基(例、メチル)等が挙げられる。
【0134】
a2は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(1)水素原子、または
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)
である。
【0135】
a3で示される「置換基」としては、例えば、
(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(c)ヒドロキシ基、
(d)オキソ基
等が挙げられる。
a3は、好ましくは、水素原子である。
【0136】
環Bは、さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環を示す。
環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」としては、ベンゼンおよび5ないし6員単環式芳香族複素環が挙げられる。
当該5ないし6員単環式芳香族複素環としては、上記「芳香族複素環」のうちの5ないし6員単環のものが挙げられる。
【0137】
環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」は、好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環であり、より好ましくは、5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環であり、さらに好ましくは、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾールまたはピリジンであり、さらにより好ましくは、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンであり、特に好ましくは、ピラゾールである。
環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の「5ないし6員の芳香環」は、「置換基」でさらに置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1または2個(好ましくは1個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0138】
環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の置換基としては、例えば、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)ヒドロキシ基およびC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、イソプロピル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、
(f)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、
(j)チオカルバモイル基、
(k)アミノ基、
(l)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)、
(m)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例、ジフルオロメチルチオ)、
(n)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、
(o)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル))、
(p)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、テトラヒドロフリル、アゼチジニル、モルホリニル))
等が挙げられる。
【0139】
環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の置換基は、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
が好ましく、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
がより好ましい。
【0140】
別の実施態様として、環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の置換基としては、例えば、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、
(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(iii)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、イソプロピル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、
(f)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、
(j)チオカルバモイル基、
(k)アミノ基、
(l)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)、
(m)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例、ジフルオロメチルチオ)、
(n)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、
(o)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル))、
(p)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、テトラヒドロフリル、アゼチジニル、モルホリニル))、
(q)カルボキシ基
等が挙げられる。
【0141】
当該態様において、環Bで示される「さらに置換されていてもよい5ないし6員の芳香環」の置換基は、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、および
(j)カルボキシ基
が好ましく、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
がより好ましく、
(a)ハロゲン原子(例、塩素原子)
が特に好ましい。
【0142】
環Bは、好ましくは、さらに置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)である。
【0143】
環Bは、より好ましくは、さらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)である。
【0144】
環Bは、具体的には、より好ましくは、それぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンである。
【0145】
環Bは、さらに好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)である。
【0146】
環Bは、さらにより好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールである。
【0147】
別の実施態様として、環Bは、さらに好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)である。
【0148】
当該態様において、環Bは、さらにより好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールである。
【0149】
別の実施態様として、環Bは、さらに好ましくは
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、および
(j)カルボキシ基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンである。
【0150】
さらに別の実施態様として、環Bは、さらに好ましくは、さらに置換されていてもよいピラゾールである。
【0151】
当該態様において、環Bは、さらにより好ましくは、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールである。
【0152】
当該態様において、環Bは、特に好ましくは、
(a)ハロゲン原子(例、塩素原子)
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールである。
【0153】
環Dは、さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環を示す。
環Dで示される「さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環」の「5ないし7員の含窒素複素環」としては、上記「含窒素複素環」のうち、5ないし7員のものが挙げられる。
環Dで示される「さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環」の「5ないし7員の含窒素複素環」は、好ましくは、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンである。
環Dで示される「さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環」の「5ないし7員の含窒素複素環」は、「置換基」でさらに置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1ないし3個(好ましくは1個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0154】
環Dは、好ましくは、それぞれさらに置換されていてもよい、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンである。
【0155】
環Dは、より好ましくは、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンである。
【0156】
別の実施態様として、環Dは、より好ましくは、さらに置換されていてもよいピペリジンである。
【0157】
当該態様において、環Dは、さらに好ましくは、ピペリジンである。
【0158】
別の実施態様として、環Dは、好ましくは、6員の含窒素複素環である。
当該態様において、環Dは、より好ましくは、ピペリジンである。
【0159】
およびYは、独立してそれぞれ、炭素原子または窒素原子を示す。
は、好ましくは、炭素原子である。
は、好ましくは、炭素原子である。
【0160】
式:
【0161】
【化23】
【0162】
で示される部分構造としては、例えば、以下の式(1)〜(20):
【0163】
【化24】
【0164】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を示す。)
で示される部分構造が挙げられる。
【0165】
式:
【0166】
【化25】
【0167】
で示される部分構造は、好ましくは、式(1)、(3)、(4)、(6)〜(9)、(11)、(17)または(19):
【0168】
【化26】
【0169】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造であり、より好ましくは、式(1):
【0170】
【化27】
【0171】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造である。
【0172】
別の実施態様として、式:
【0173】
【化28】
【0174】
で示される部分構造としては、例えば、以下の式(1)〜(21):
【0175】
【化29】
【0176】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を示す。)
で示される部分構造が挙げられる。
【0177】
当該態様において、式:
【0178】
【化30】
【0179】
で示される部分構造は、好ましくは、式(1)〜(4)、(6)〜(9)、(11)、(16)、(17)、(19)または(21):
【0180】
【化31】
【0181】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造であり、より好ましくは、式(1):
【0182】
【化32】
【0183】
(式中の各記号は前記と同義である。)
で示される部分構造である。
【0184】
別の実施態様として、式:
【0185】
【化33】
【0186】
で示される部分構造は、好ましくは、以下の式(1)〜(20):
【0187】
【化34】
【0188】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を示す。)
で示される部分構造である。
【0189】
当該態様において、式:
【0190】
【化35】
【0191】
で示される部分構造は、より好ましくは、式(1)、(3)〜(6)、(8)〜(20):
【0192】
【化36】
【0193】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基を示す。)
で示される部分構造である。
【0194】
b1で示される「置換基」としては、例えば、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)ヒドロキシ基およびC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、イソプロピル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、
(f)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、
(j)チオカルバモイル基、
(k)アミノ基、
(l)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)、
(m)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例、ジフルオロメチルチオ)、
(n)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、
(o)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル))、
(p)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、テトラヒドロフリル、アゼチジニル、モルホリニル))
等が挙げられる。
【0195】
b1で示される「置換基」は、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
が好ましく、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
がより好ましい。
【0196】
別の実施態様として、Rb1で示される「置換基」としては、例えば、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、
(ii)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(iii)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、イソプロピル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ)、
(f)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、
(j)チオカルバモイル基、
(k)アミノ基、
(l)モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例、メチルアミノ)、
(m)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルチオ基(例、ジフルオロメチルチオ)、
(n)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)、
(o)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル))、
(p)1ないし3個のヒドロキシ基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、テトラヒドロフリル、アゼチジニル、モルホリニル))、
(q)カルボキシ基
等が挙げられる。
【0197】
当該態様において、Rb1で示される「置換基」は、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、および
(j)カルボキシ基
が好ましく、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
がより好ましく、
(a)ハロゲン原子(例、塩素原子)
が特に好ましい。
【0198】
b1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、臭素原子)、
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)、または
(e)カルバモイル基
である。
【0199】
b1は、より好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、臭素原子)、または
(d)カルバモイル基
である。
【0200】
別の実施態様として、Rb1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)、または
(e)カルバモイル基
である。
【0201】
当該態様において、Rb1は、より好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、または
(d)カルバモイル基
である。
【0202】
別の実施態様として、Rb1は、好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(d)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(e)ヒドロキシ基、
(f)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(g)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(h)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(i)カルバモイル基、
(j)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、または
(k)カルボキシ基
である。
【0203】
当該態様において、Rb1は、より好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、または
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
である。
【0204】
当該態様において、Rb1は、特に好ましくは、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、または
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子)
である。
【0205】
b2は、好ましくは、水素原子である。
【0206】
環Cは、さらに置換されていてもよい環を示す。
環Cで示される「さらに置換されていてもよい環」の「環」としては、炭化水素環および複素環が挙げられる。
【0207】
環Cで示される「さらに置換されていてもよい環」の「環」は、好ましくは、
(1)C6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)C3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン))、
(3)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン))
である。
【0208】
別の実施態様として、環Cで示される「さらに置換されていてもよい環」の「環」は、好ましくは、
(1)C6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)C3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン))、
(3)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン))
である。具体的には、好ましくは、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)である。
【0209】
環Cで示される「さらに置換されていてもよい環」の「環」は、前記した置換基群Aから選ばれる置換基でさらに置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1ないし5個(好ましくは1または2個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0210】
環Cは、好ましくは、
(1)さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)さらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)さらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)さらに置換されていてもよい3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
である。
【0211】
環Cは、より好ましくは、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、
(2)1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
である。
【0212】
環Cは、さらに好ましくは、ベンゼンである。
別の実施態様として、環Cは、さらに好ましくは、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
【0213】
別の実施態様として、環Cは、より好ましくは、
(1)さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、または
(2)さらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))
である。
当該態様において、環Cは、より好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼンである。
当該態様において、環Cは、さらに好ましくは、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
当該態様において、環Cは、さらにより好ましくは、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
なお、当該態様においては、置換基の位置は、好ましくはo位である。
【0214】
別の実施態様として、環Cは、好ましくは、
(1)さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)さらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)さらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)さらに置換されていてもよい3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、テトラヒドロピラン))
である。具体的には、好ましくは、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)である。
【0215】
当該態様において、環Cは、より好ましくは、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、
(2)(a)ハロゲン原子(例、フッ素原子)、および
(b)C1−6アルキル基(例、メチル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、テトラヒドロピラン))
である。
【0216】
さらに別の実施態様として、環Cは、より好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)である。
【0217】
さらに別の実施態様として、環Cは、さらに好ましくは、さらに置換されていてもよいベンゼンである。
当該態様において、環Cは、さらにより好ましくは、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
当該態様において、環Cは、特に好ましくは、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンである。
なお、当該態様においては、置換基の位置は、好ましくはo位である。
【0218】
さらに別の実施態様として、環Cは、より好ましくは、さらに置換されていてもよい芳香環[好ましくは、C6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)または5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))]である。
【0219】
当該態様において、環Cは、さらにより好ましくは、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、または
(2)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))
である。
【0220】
Lは、(a)置換されていてもよいC1−3アルキレン基、(b)酸素原子、(c)硫黄原子、(d)−SO−、(e)−SO−または(f)−NR−を示す。
は、水素原子または置換基を示す。
【0221】
Lで示される「置換されていてもよいC1−3アルキレン基」の「C1−3アルキレン基」は、前記した置換基群Aから選ばれる置換基で置換されていてもよく、置換基の数は、例えば、1または2個(好ましくは1個)である。置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
Lで示される「置換されていてもよいC1−3アルキレン基」の置換基としては、例えば、ヒドロキシ基が挙げられる。
【0222】
は、好ましくは水素原子または置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)である。
は、より好ましくは水素原子またはC1−6アルキル基(例、メチル、エチル)である。
【0223】
Lは、好ましくは、置換されていてもよいC1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である。
Lは、より好ましくは、C1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である。
【0224】
別の実施態様として、好ましくは、置換されていてもよいC1−2アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である。
Lは、より好ましくは、C1−2アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である。
さらに別の実施態様として、Lは、より好ましくは、置換されていてもよいメチレンである。
Lは、さらに好ましくは、−CH−である。
【0225】
化合物(I)の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
[化合物A−1]
環Aが、さらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0226】
【化37】
【0227】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)置換されていてもよいメチレン基
であり;
[具体的には、式:
【0228】
【化38】
【0229】
で示される部分構造が、式(1)〜(4):
【0230】
【化39】
【0231】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数であり;かつ
a3が、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、さらに置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(好ましくは、さらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン))であり;
環Dが、さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環であり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0232】
【化40】
【0233】
で示される部分構造が、式(1)、(3)、(4)、(6)〜(9)、(11)、(17)または(19):
【0234】
【化41】
【0235】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、
(1)さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)さらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)さらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)さらに置換されていてもよい3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
であり;かつ
Lが、置換されていてもよいC1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0236】
[化合物B−1]
環Aが、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0237】
【化42】
【0238】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)メチレン基
であり;
[具体的には、式:
【0239】
【化43】
【0240】
で示される部分構造が、式(1)〜(4):
【0241】
【化44】
【0242】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
から選ばれる置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数であり;かつ
a3が、共に水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)であり;
環Dが、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンであり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0243】
【化45】
【0244】
で示される部分構造が、式(1)、(3)、(4)、(6)〜(9)、(11)、(17)または(19):
【0245】
【化46】
【0246】
(式中、
b1が、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、臭素原子)、
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)、または
(e)カルバモイル基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、
(2)1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
であり;かつ
Lが、C1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0247】
[化合物C−1]
環Aが、1個のシアノ基、または1個のシアノ基および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0248】
【化47】
【0249】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、酸素原子であり;
[具体的には、式:
【0250】
【化48】
【0251】
で示される部分構造が、式(1):
【0252】
【化49】
【0253】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)
から選ばれる置換基であり;かつ
mが、0、1または2である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、ピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0254】
【化50】
【0255】
で示される部分構造が、式(1):
【0256】
【化51】
【0257】
(式中、
b1が、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、臭素原子)、または
(d)カルバモイル基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、ベンゼンであり;かつ
Lが、−CH−である、
化合物(I)。
【0258】
[化合物A−2]
環Aが、さらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0259】
【化52】
【0260】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)置換されていてもよいメチレン基
であり;
[具体的には、式:
【0261】
【化53】
【0262】
で示される部分構造が、式(1)〜(4):
【0263】
【化54】
【0264】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数であり;かつ
a3が、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、さらに置換されていてもよい5ないし6員単環式芳香族複素環(好ましくは、さらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン))であり;
環Dが、さらに置換されていてもよい5ないし7員の含窒素複素環であり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0265】
【化55】
【0266】
で示される部分構造が、式(1)、(3)、(4)、(6)〜(9)、(11)、(17)または(19):
【0267】
【化56】
【0268】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、
(1)さらに置換されていてもよいC6−14芳香族炭化水素環(例、ベンゼン)、
(2)さらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)さらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)さらに置換されていてもよい3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
であり;かつ
Lが、置換されていてもよいC1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0269】
[化合物B−2]
環Aが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0270】
【化57】
【0271】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、または
(e)メチレン基
であり;
[具体的には、式:
【0272】
【化58】
【0273】
で示される部分構造が、式(1)〜(4):
【0274】
【化59】
【0275】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数であり;かつ
a3が、共に水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(d)カルバモイル基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよい5ないし6員含窒素単環式芳香族複素環(例、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン)であり;
環Dが、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンであり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0276】
【化60】
【0277】
で示される部分構造が、式(1)、(3)、(4)、(6)〜(9)、(11)、(17)または(19):
【0278】
【化61】
【0279】
(式中、
b1が、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(d)C1−6アルキル基(例、メチル)、または
(e)カルバモイル基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、
(1)(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、および
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼン、
(2)1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいC3−10シクロアルカン(好ましくは、C3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン))、
(3)1ないし3個(好ましくは1または2個)のC1−6アルキル基(例、メチル)でさらに置換されていてもよい5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素環(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環(例、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン))、または
(4)3ないし14員(好ましくは4ないし10員)の非芳香族複素環(好ましくは、3ないし8員単環式非芳香族複素環(例、ジオキサン))
であり;かつ
Lが、C1−3アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0280】
[化合物C−2]
環Aが、
(1)1個のシアノ基、
(2)1個のシアノ基および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)、
(3)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)、または
(4)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)および1ないし3個のハロゲン原子(例、臭素原子)
でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0281】
【化62】
【0282】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、酸素原子であり;
[具体的には、式:
【0283】
【化63】
【0284】
で示される部分構造が、式(1):
【0285】
【化64】
【0286】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、臭素原子)、および
(c)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる置換基であり;かつ
mが、0、1または2である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、および
(c)カルバモイル基
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、ピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0287】
【化65】
【0288】
で示される部分構造が、式(1):
【0289】
【化66】
【0290】
(式中、
b1が、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、または
(d)カルバモイル基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンであり;かつ
Lが、−CH−である、
化合物(I)。
【0291】
[化合物A−3]
環Aが、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールであり;
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、
(e)置換されていてもよいメチレン基、または
(f)−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子である。)
であり;
[具体的には、式:
【0292】
【化67】
【0293】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)および(22)〜(28):
【0294】
【化68】
【0295】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数であり;かつ
a2およびRa3が、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンであり;
環Dが、それぞれさらに置換されていてもよい、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンであり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0296】
【化69】
【0297】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)〜(9)、(11)、(16)、(17)、(19)または(21):
【0298】
【化70】
【0299】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、それぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)であり;かつ
Lが、置換されていてもよいC1−2アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0300】
[化合物B−3]
環Aが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
から選ばれる1ないし4個(好ましくは1または2個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、ピリジンまたはピラゾールであり(環Aがさらに置換されていてもよいベンゼンの場合、置換基の位置は、好ましくは、式:
【0301】
【化71】
【0302】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
Xが、
(a)酸素原子、
(b)硫黄原子、
(d)−SO−、
(e)メチレン基、または
(f)−NR−(式中、Rは、C1−6アルキル基(例、メチル)である。)
であり;
[具体的には、式:
【0303】
【化72】
【0304】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)および(22)〜(28):
【0305】
【化73】
【0306】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)または水素原子であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、
(c)カルボキシ基、
(d)カルバモイル基、
(e)(i)ヒドロキシ基、および
(ii)(A)C6−14アリールオキシ基(例、ナフチルオキシ)、および
(B)(1)C7−16アラルキル基(例、ベンジル)、ハロゲン原子(例、塩素原子)およびオキソ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環基(例、テトラヒドロピラゾロ[3,4-c]ピリジル))、
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)、および
(3)オキソ基
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい3ないし14員非芳香族複素環カルボニルアミノ基(9ないし14員縮合多環式(好ましくは2または3環式)非芳香族複素環カルボニルアミノ基(例、テトラヒドロベンゾオキサゼピニルカルボニルアミノ))
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ基(例、エトキシエトキシエトキシ)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、イソブチルカルバモイル)、
(f)1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(g)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル))、
(h)3ないし14員非芳香族複素環基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環基(例、オキセタニル、モルホリニル))、および
(i)3ないし14員非芳香族複素環カルバモイル基(好ましくは3ないし8員単環式非芳香族複素環カルバモイル基(例、オキセタニルカルバモイル))
から選ばれる置換基であり;
mが、独立してそれぞれ、0、1または2であり;
a2が、独立してそれぞれ、
(1)水素原子、または
(2)C1−6アルキル基(例、メチル)
であり;かつ
a3が、共に水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(c)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)ヒドロキシ基、
(e)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(f)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(g)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(h)カルバモイル基、
(i)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、および
(j)カルボキシ基
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ピラゾール、トリアゾール、イミダゾール、チアゾールまたはピリジンであり;
環Dが、ピペリジン、ピロリジン、ピロリン、ピぺラジン、テトラヒドロピリジンまたはジアゼパンであり;
が、炭素原子または窒素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0307】
【化74】
【0308】
で示される部分構造が、式(1)〜(4)、(6)〜(9)、(11)、(16)、(17)、(19)または(21):
【0309】
【化75】
【0310】
(式中、
b1が、独立してそれぞれ、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、
(d)(i)ヒドロキシ基、および
(iii) 1ないし3個のC1−6アルコキシ基(例、メトキシ)で置換されていてもよいC6−14アリール基(例、フェニル)
から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよいC1−6アルキル基(例、メチル)、
(e)ヒドロキシ基、
(f)ハロゲン化されていてもよいC1−6アルコキシ基(例、メトキシ、ジフルオロメトキシ)、
(g)C3−10シクロアルキル基(例、シクロプロピル)、
(h)C1−6アルコキシ−カルボニル基(例、エトキシカルボニル)、
(i)カルバモイル基、
(j)1ないし3個のC1−6アルキル基(例、メチル)で置換されていてもよい5ないし14員芳香族複素環基(好ましくは、5ないし6員単環式芳香族複素環基(例、ピラゾリル))、または
(k)カルボキシ基
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、
(a)シアノ基、
(b)ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子)、
(c)C1−6アルキル基(例、メチル)、
(d)C1−6アルコキシ基(例、メトキシ)、および
(e)C1−6アルキルスルホニル基(例、メチルスルホニル)
から選ばれる1ないし5個(好ましくは1または2個)の置換基でそれぞれさらに置換されていてもよい、ベンゼン、フラン、オキサゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ジオキサン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ピペリジン、ピロリジン、オキセタン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオフェン、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン、またはC3−6シクロアルカン(例、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン)であり;かつ
Lが、C1−2アルキレン基(例、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−)である、
化合物(I)。
【0311】
[化合物C−3]
環Aが、さらに置換されていてもよいベンゼンであり;
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、酸素原子であり;
[具体的には、式:
【0312】
【化76】
【0313】
で示される部分構造が、式(1):
【0314】
【化77】
【0315】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
a1が、独立してそれぞれ、置換基であり;かつ
mが、独立してそれぞれ、0ないし4の整数である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、さらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、さらに置換されていてもよいピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0316】
【化78】
【0317】
で示される部分構造が、式(1):
【0318】
【化79】
【0319】
(式中、Rb1およびRb2は、独立してそれぞれ、水素原子または置換基である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、さらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくはo位である);かつ
Lが、置換されていてもよいメチレンである、
化合物(I)。
【0320】
[化合物D−3]
環Aが、
(a)シアノ基、および
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる1または2個(好ましくは1個)の置換基でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0321】
【化80】
【0322】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、酸素原子であり;
[具体的には、式:
【0323】
【化81】
【0324】
で示される部分構造が、式(1):
【0325】
【化82】
【0326】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
a1が、独立してそれぞれ、
(a)シアノ基、および
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
から選ばれる置換基であり;かつ
mが、0または1である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)シアノ基、および
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、ピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0327】
【化83】
【0328】
で示される部分構造が、式(1):
【0329】
【化84】
【0330】
(式中、
b1が、
(a)水素原子、
(b)シアノ基、または
(c)ハロゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくはo位である);かつ
Lが、−CH−である、
化合物(I)。
【0331】
[化合物E−3]
環Aが、
(a)1個のシアノ基、または
(b)1個のモノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
でさらに置換されたベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくは、式:
【0332】
【化85】
【0333】
で示される部分構造における矢印の位置である。);
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
Xが、酸素原子であり;
[具体的には、式:
【0334】
【化86】
【0335】
で示される部分構造が、式(1):
【0336】
【化87】
【0337】
(式中、
が、C1−6アルキル基(例、メチル)であり;
a1が、
(a)シアノ基、または
(b)モノ−またはジ−C1−6アルキル−カルバモイル基(例、メチルカルバモイル)
であり;かつ
mが、1である。)
で示される部分構造である。]
環Bが、
(a)ハロゲン原子(例、塩素原子)
から選ばれる1個の置換基でさらに置換されていてもよいピラゾールであり;
環Dが、ピペリジンであり;
が、炭素原子であり;
が、炭素原子であり;
[具体的には、式:
【0338】
【化88】
【0339】
で示される部分構造が、式(1):
【0340】
【化89】
【0341】
(式中、
b1が、
(a)水素原子、または
(b)ハロゲン原子(例、塩素原子)
であり;かつ
b2が、水素原子である。)
で示される部分構造である。]
環Cが、1ないし5個(好ましくは1または2個)のハロゲン原子(例、フッ素原子)でさらに置換されていてもよいベンゼンであり(置換基の位置は、好ましくはo位である);かつ
Lが、−CH−である、
化合物(I)。
【0342】
[化合物F−3]
(3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩、
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド、またはその塩、および
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル、またはその塩。
【0343】
化合物(I)の具体例としては、例えば、実施例1〜70、72〜159および161〜174の化合物が挙げられる。
【0344】
化合物(I)が塩である場合、このような塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性、または酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩などのアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩などが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩など)などの無機塩、アンモニウム塩など、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩が挙げられる。
化合物(I)が、互変異性体、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体などの異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も本発明の化合物に包含される。さらに、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。
化合物(I)は、薬学的に許容され得る共結晶または共結晶塩であってもよい。ここで、共結晶または共結晶塩とは、各々が異なる物理的特性(例えば、構造、融点、融解熱、吸湿性、溶解性および安定性等)を持つ、室温で二種またはそれ以上の独特な固体から構成される結晶性物質を意味する。共結晶または共結晶塩は、自体公知の共結晶化法に従い製造することができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物など)であっても、無溶媒和物であってもよく、いずれも化合物(I)に包含される。
同位元素(例、H,H,11C,14C,18F,35S,125Iなど)などで標識、または置換された化合物も、化合物(I)に包含される。同位元素で標識または置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography,PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
【0345】
本発明化合物の製造法について以下に説明する。
【0346】
以下の製造方法における各工程で用いられた原料や試薬、ならびに得られた化合物は、それぞれ塩を形成していてもよい。このような塩としては、例えば、前述の本発明化合物の塩と同様のもの等が挙げられる。
【0347】
各工程で得られた化合物が遊離化合物である場合には、自体公知の方法により、目的とする塩に変換することができる。逆に各工程で得られた化合物が塩である場合には、自体公知の方法により、遊離体または目的とする他の種類の塩に変換することができる。
【0348】
各工程で得られた化合物は反応液のままか、または粗生成物として得た後に、次反応に用いることもできる、あるいは、各工程で得られた化合物を、常法に従って、反応混合物から濃縮、晶出、再結晶、蒸留、溶媒抽出、分溜、クロマトグラフィーなどの分離手段により単離および/または精製することができる。
【0349】
各工程の原料や試薬の化合物が市販されている場合には、市販品をそのまま用いることができる。
【0350】
各工程の反応において、反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは10分〜8時間である。
【0351】
各工程の反応において、反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常−78℃〜300℃、好ましくは−78℃〜150℃である。
【0352】
各工程の反応において、圧力は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載が無い場合、通常1気圧〜20気圧、好ましくは1気圧〜3気圧である。
【0353】
各工程の反応において、例えば、Biotage社製InitiatorなどのMicrowave合成装置を用いることがある。反応温度は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載がない場合、通常室温〜300℃、好ましくは50℃〜250℃である。反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なり得るが、特に記載の無い場合、通常1分〜48時間、好ましくは1分〜8時間である。
【0354】
各工程の反応において、試薬は、特に記載が無い場合、基質に対して0.5当量〜20当量、好ましくは0.8当量〜5当量が用いられる。試薬を触媒として使用する場合、試薬は基質に対して0.001当量〜1当量、好ましくは0.01当量〜0.2当量が用いられる。試薬が反応溶媒を兼ねる場合、試薬は溶媒量が用いられる。
【0355】
各工程の反応において、特に記載が無い場合、これらの反応は、無溶媒、あるいは適当な溶媒に溶解または懸濁して行われる。溶媒の具体例としては、実施例に記載されている溶媒、あるいは以下が挙げられる。
アルコール類:メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、2−メトキシエタノールなど;
エーテル類:ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなど;
芳香族炭化水素類:クロロベンゼン、トルエン、キシレンなど;
飽和炭化水素類:シクロヘキサン、ヘキサンなど ;
アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなど;
ハロゲン化炭化水素類:ジクロロメタン、四塩化炭素など;
ニトリル類:アセトニトリルなど;
スルホキシド類:ジメチルスルホキシドなど;
芳香族有機塩基類:ピリジンなど;
酸無水物類:無水酢酸など;
有機酸類:ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など;
無機酸類:塩酸、硫酸など;
エステル類:酢酸エチルなど;
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトンなど;
水。
上記溶媒は、二種以上を適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0356】
各工程の反応において塩基を用いる場合、例えば、以下に示す塩基、あるいは実施例に記載されている塩基が用いられる。
無機塩基類:水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウムなど;
有機塩基類:トリエチルアミン、ジエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、イミダゾール、ピペリジンなど;
金属アルコキシド類:ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシドなど;
アルカリ金属水素化物類:水素化ナトリウムなど;
金属アミド類:ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなど;
有機リチウム類:n−ブチルリチウムなど。
【0357】
各工程の反応において酸または酸性触媒を用いる場合、例えば、以下に示す酸や酸性触媒、あるいは実施例に記載されている酸や酸性触媒が用いられる。
無機酸類:塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸など;
有機酸類:酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸など;
ルイス酸:三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、ヨウ化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化亜鉛、無水塩化鉄など。
【0358】
各工程の反応は、特に記載の無い限り、自体公知の方法、例えば、第5版実験化学講座、13巻〜19巻(日本化学会編);新実験化学講座、14巻〜15巻(日本化学会編);精密有機化学 改訂第2版(L. F. Tietze,Th. Eicher、南江堂);改訂 有機人名反応 そのしくみとポイント(東郷秀雄著、講談社);ORGANIC SYNTHESES Collective Volume I〜VII(John Wiley & Sons Inc);Modern Organic Synthesis in the Laboratory A Collection of Standard Experimental Procedures(Jie Jack Li著、OXFORD UNIVERSITY出版);Comprehensive Heterocyclic Chemistry III、Vol.1〜Vol.14(エルゼビア・ジャパン株式会社);人名反応に学ぶ有機合成戦略(富岡清監訳、化学同人発行);コンプリヘンシブ・オーガニック・トランスフォーメーションズ(VCH Publishers Inc.)1989年刊などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
【0359】
各工程において、官能基の保護または脱保護反応は、自体公知の方法、例えば、Wiley−Interscience社2007年刊「Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.」(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著);Thieme社2004年刊「Protecting Groups 3rd Ed.」(P.J.Kocienski著)などに記載された方法、あるいは実施例に記載された方法に準じて行われる。
アルコールなどの水酸基やフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、メトキシメチルエーテル、ベンジルエーテル、t−ブチルジメチルシリルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテルなどのエーテル型保護基;酢酸エステルなどのカルボン酸エステル型保護基;メタンスルホン酸エステルなどのスルホン酸エステル型保護基;t−ブチルカルボネートなどの炭酸エステル型保護基などが挙げられる。
アルデヒドのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルアセタールなどのアセタール型保護基;環状1,3−ジオキサンなどの環状アセタール型保護基などが挙げられる。
ケトンのカルボニル基の保護基としては、例えば、ジメチルケタールなどのケタール型保護基;環状1,3−ジオキサンなどの環状ケタール型保護基;O−メチルオキシムなどのオキシム型保護基;N,N−ジメチルヒドラゾンなどのヒドラゾン型保護基などが挙げられる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチルエステルなどのエステル型保護基;N,N−ジメチルアミドなどのアミド型保護基などが挙げられる。
チオールの保護基としては、例えば、ベンジルチオエーテルなどのエーテル型保護基;チオ酢酸エステル、チオカルボネート、チオカルバメートなどのエステル型保護基などが挙げられる。
アミノ基や、イミダゾール、ピロール、インドールなどの芳香族ヘテロ環の保護基としては、例えば、ベンジルカルバメートなどのカルバメート型保護基;アセトアミドなどのアミド型保護基;N−トリフェニルメチルアミンなどのアルキルアミン型保護基、メタンスルホンアミドなどのスルホンアミド型保護基などが挙げられる。
保護基の除去は、自体公知の方法、例えば、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミド)を使用する方法や還元法などを用いて行うことができる。
【0360】
各工程において、還元反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化アルミニウムリチウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL−H)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化トリアセトキシホウ素テトラメチルアンモニウムなどの金属水素化物類;ボランテトラヒドロフラン錯体などのボラン類;ラネーニッケル;ラネーコバルト;水素;ギ酸などが挙げられる。炭素−炭素二重結合あるいは三重結合を還元する場合は、パラジウム−カーボンやLindlar触媒などの触媒を用いる方法がある。
【0361】
各工程において、酸化反応を行う場合、使用される酸化剤としては、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシドなどの過酸類;過塩素酸テトラブチルアンモニウムなどの過塩素酸塩類;塩素酸ナトリウムなどの塩素酸塩類;亜塩素酸ナトリウムなどの亜塩素酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸塩類;ヨードシルベンゼンなどの高原子価ヨウ素試薬;二酸化マンガン、過マンガン酸カリウムなどのマンガンを有する試薬;四酢酸鉛などの鉛類;クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、二クロム酸ピリジニウム(PDC)、ジョーンズ試薬などのクロムを有する試薬;N−ブロモスクシンイミド(NBS)などのハロゲン化合物類;酸素;オゾン;三酸化硫黄・ピリジン錯体;四酸化オスミウム;二酸化セレン;2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。
【0362】
各工程において、ラジカル環化反応を行う場合、使用されるラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)などのアゾ化合物;4−4’−アゾビス−4−シアノペンタン酸(ACPA)などの水溶性ラジカル開始剤;空気あるいは酸素存在下でのトリエチルホウ素;過酸化ベンゾイルなどが挙げられる。また、使用されるラジカル反応試剤としては、トリブチルスタナン、トリストリメチルシリルシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、ジフェニルシラン、ヨウ化サマリウムなどが挙げられる。
【0363】
各工程において、Wittig反応を行う場合、使用されるWittig試薬としては、アルキリデンホスホラン類などが挙げられる。アルキリデンホスホラン類は、自体公知の方法、例えば、ホスホニウム塩と強塩基を反応させることで調製することができる。
【0364】
各工程において、Horner−Emmons反応を行う場合、使用される試薬としては、ジメチルホスホノ酢酸メチル、ジエチルホスホノ酢酸エチルなどのホスホノ酢酸エステル類;アルカリ金属水素化物類、有機リチウム類などの塩基が挙げられる。
【0365】
各工程において、Friedel−Crafts反応を行う場合、使用される試薬としては、ルイス酸と酸クロリドの組み合わせ、あるいはルイス酸とアルキル化剤(例、ハロゲン化アルキル類、アルコール、オレフィン類など)の組み合わせが挙げられる。あるいは、ルイス酸の代わりに、有機酸や無機酸を用いることもでき、酸クロリドの代わりに、無水酢酸などの酸無水物を用いることもできる。
【0366】
各工程において、芳香族求核置換反応を行う場合、試薬としては、求核剤(例、アミン類、イミダゾールなど)と塩基(例、有機塩基類など)が挙げられる。
【0367】
各工程において、カルボアニオンによる求核付加反応、カルボアニオンによる求核1,4−付加反応(Michael付加反応)、あるいはカルボアニオンによる求核置換反応を行う場合、カルボアニオンを発生するために用いる塩基としては、有機リチウム類、金属アルコキシド類、無機塩基類、有機塩基類などが挙げられる。
【0368】
各工程において、Grignard反応を行う場合、Grignard試薬としては、フェニルマグネシウムブロミドなどのアリールマグネシウムハライド類;メチルマグネシウムブロミドなどのアルキルマグネシウムハライド類が挙げられる。Grignard試薬は、自体公知の方法、例えばエーテルあるいはテトラヒドロフランを溶媒として、ハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アリールと、金属マグネシウムとを反応させることにより調製することができる。
【0369】
各工程において、Knoevenagel縮合反応を行う場合、試薬としては、二つの電子求引基に挟まれた活性メチレン化合物(例、マロン酸、マロン酸ジエチル、マロノニトリルなど)および塩基(例、有機塩基類、金属アルコキシド類、無機塩基類)が用いられる。
【0370】
各工程において、Vilsmeier−Haack反応を行う場合、試薬としては、塩化ホスホリルとアミド誘導体(例、N,N−ジメチルホルムアミドなど)が用いられる。
【0371】
各工程において、アルコール類、アルキルハライド類、スルホン酸エステル類のアジド化反応を行う場合、使用されるアジド化剤としては、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、トリメチルシリルアジド、アジ化ナトリウムなどが挙げられる。例えば、アルコール類をアジド化する場合、ジフェニルホスホリルアジドと1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いる方法やトリメチルシリルアジドとルイス酸を用いる方法などがある。
【0372】
各工程において、還元的アミノ化反応を行う場合、使用される還元剤としては、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、水素、ギ酸などが挙げられる。基質がアミン化合物の場合は、使用されるカルボニル化合物としては、パラホルムアルデヒドの他、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、シクロヘキサノンなどのケトン類が挙げられる。基質がカルボニル化合物の場合は、使用されるアミン類としては、アンモニア、メチルアミンなどの1級アミン;ジメチルアミンなどの2級アミンなどが挙げられる。
【0373】
各工程において、光延反応を行う場合、試薬としては、アゾジカルボン酸エステル類(例、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)など)およびトリフェニルホスフィンが用いられる。
【0374】
各工程において、エステル化反応、アミド化反応、あるいはウレア化反応を行う場合、使用される試薬としては、酸クロリド、酸ブロミドなどのハロゲン化アシル体;酸無水物、活性エステル体、硫酸エステル体など活性化されたカルボン酸類が挙げられる。カルボン酸の活性化剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSCD)などのカルボジイミド系縮合剤;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド−n−ハイドレート(DMT−MM)などのトリアジン系縮合剤;1,1−カルボニルジイミダゾール(CDI)などの炭酸エステル系縮合剤;ジフェニルリン酸アジド(DPPA);ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ-トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬);
ヨウ化2−クロロ−1−メチル−ピリジニウム(向山試薬);塩化チオニル;クロロギ酸エチルなどのハロギ酸低級アルキル;O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩(HATU);
硫酸;あるいはこれらの組み合わせなどが挙げられる。カルボジイミド系縮合剤を用いる場合、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、N−ヒドロキシコハク酸イミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの添加剤をさらに反応に加えてもよい。
【0375】
各工程において、カップリング反応を行う場合、使用される金属触媒としては、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、塩化1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)などのパラジウム化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)などのニッケル化合物;塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(III)などのロジウム化合物;コバルト化合物;酸化銅、ヨウ化銅(I)などの銅化合物;白金化合物などが挙げられる。さらに反応に塩基を加えてもよく、このような塩基としては、無機塩基類などが挙げられる。
【0376】
各工程において、チオカルボニル化反応を行う場合、チオカルボニル化剤としては、代表的には五硫化二リンが用いられるが、五硫化二リンの他に、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(Lawesson試薬)などの1,3,2,4−ジチアジホスフェタン−2,4−ジスルフィド構造を持つ試薬を用いてもよい。
【0377】
各工程において、Wohl−Ziegler反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、N−ヨードコハク酸イミド、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)、N−クロロコハク酸イミド(NCS)、臭素、塩化スルフリルなどが挙げられる。さらに、熱、光、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルなどのラジカル開始剤を反応に加えることで、反応を加速させることができる。
【0378】
各工程において、ヒドロキシ基のハロゲン化反応を行う場合、使用されるハロゲン化剤としては、ハロゲン化水素酸と無機酸の酸ハロゲン化物、具体的には、塩素化では、塩酸、塩化チオニル、オキシ塩化リンなど、臭素化では、48%臭化水素酸などが挙げられる。また、トリフェニルホスフィンと四塩化炭素または四臭化炭素などとの作用により、アルコールからハロゲン化アルキル体を得る方法を用いてもよい。あるいは、アルコールをスルホン酸エステルに変換の後、臭化リチウム、塩化リチウムまたはヨウ化ナトリウムと反応させるような2段階の反応を経てハロゲン化アルキル体を合成する方法を用いてもよい。
【0379】
各工程において、Arbuzov反応を行う場合、使用される試薬としては、ブロモ酢酸エチルなどのハロゲン化アルキル類;トリエチルフォスファイトやトリ(イソプロピル)ホスファイトなどのホスファイト類が挙げられる。
【0380】
各工程において、スルホン酸エステル化反応を行う場合、使用されるスルホニル化剤としては、メタンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホン酸無水物、p−トルエンスルホン酸無水物などが挙げられる。
【0381】
各工程において、加水分解反応を行う場合、試薬としては、酸または塩基が用いられる。また、t−ブチルエステルの酸加水分解反応を行う場合、副生するt−ブチルカチオンを還元的にトラップするためにギ酸やトリエチルシランなどを加えることがある。
【0382】
各工程において、脱水反応を行う場合、使用される脱水剤としては、硫酸、五酸化二リン、オキシ塩化リン、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、アルミナ、ポリリン酸などが挙げられる。
【0383】
化合物(I)は下記の方法あるいはこれらに準ずる方法により製造することが出来る。
下記の式中、RおよびRは独立して水素原子、置換基を示し、RおよびRは独立して炭化水素基を示し、LG、LG、LG、LG、LGおよびLGは独立して脱離基を示し、mは0から2の整数を示し、nは1から3の整数を示す。その他の記号は前記と同義である。
脱離基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、置換スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、エタンスルホニルオキシ基などのC1−6アルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基などのC6−14アリールスルホニルオキシ基;ベンジルスルホニルオキシ基などのC7−16アラルキルスルホニルオキシ基など)などを示す。
【0384】
化合物(I)は化合物(II)から以下の方法で製造することができる。
【0385】
【化90】
【0386】
化合物(II)は自体公知[例、WO2014/125444A1]の方法に準じて製造できる。化合物(I)は化合物(II)の塩基とアルキルハライドを用いた環化反応により製造することが出来る。アルキルハライドとしては例えば1,2−ジブロモエタン、1,3−ジヨードプロパンなどが挙げられる。
化合物(II)が化合物(IIa)の時は、以下のようにして製造することが出来る。
【0387】
【化91】
【0388】
化合物(III)は自体公知(例、Chemical and Pharmaceutical Bulletin,1984,32,2536−2543)の方法に準じて製造できる。化合物(V)は化合物(III)と塩基を用いた化合物(IV)との環化反応により製造できる。
化合物(I)が化合物(Ia)の時は以下の方法で製造することができる。
【0389】
【化92】
【0390】
化合物(VII)は自体公知[例、Synthesis,1997,10,1140−1142]の方法に準じて製造することができる。化合物(IX)は、化合物(VII)と化合物(VIII)の塩基を用いた置換反応によって製造することが出来る。化合物(XI)は化合物(X)の塩基を用いたハロゲン化またはスルホン酸エステル化により製造することが出来る。ハロゲン化には例えばトリフェニルホスフィンとよう素を用いたものなどが挙げられる。化合物(Ia)は化合物(XII)のアミド化試薬を用いた環化反応により製造することができる。アミド化試薬としては、トリメチルアルミニウムなどが挙げられる。
化合物(X)が化合物(Xa)の時は以下の方法で製造することが出来る。
【0391】
【化93】
【0392】
化合物(XV)は化合物(XIII)と化合物(XIV)とのDerzens縮合により製造できる。化合物(XIV)としては例えば2,2−ジクロロ酢酸エチルなどが挙げられる。化合物(XVII)は化合物(XV)と化合物(XVI)の環化反応により製造できる。化合物(XVI)としては2−フェニルエタンチオアミドなどが挙げられる。
化合物(XII)が化合物(XIIa)の時は以下の方法で製造することができる。
【0393】
【化94】
【0394】
化合物(XX)は化合物(XIX)の酸存在下における加水分解により製造することが出来る。
化合物(XVIII)が化合物(XVIIIa)の時は以下の方法で製造することができる。
【0395】
【化95】
【0396】
化合物(XXIII)は化合物(XXI)と化合物(XXII)の塩基を用いた環化反応により製造できる。化合物(XVIIIa)は化合物(XXIII)のホルミル化、ハロゲン化により製造できる。ホルミル化、ハロゲン化には塩化ホスホリル、臭化ホスホリルなどが用いられる。
化合物(XII)が化合物(XIIb)の時は以下の方法で製造することができる。
【0397】
【化96】
【0398】
化合物(XXIV)は自体公知[例、Journal of Medicinal Chemistry,2003,46,3945−3951]の方法に準じて製造することができる。化合物(XXVI)は化合物(XXIV)と化合物(XXV)との置換反応により製造できる。化合物(XXV)としては1,2−ジブロモエタンなどが挙げられる。化合物(XIIb)は化合物(XXVI)と化合物(VI)の塩基を用いた置換反応で、必要に応じてマイクロウェーブを照射し、必要に応じて添加剤を用いることにより製造できる。添加剤としては例えばよう化カリウムなどが挙げられる。
化合物(I)が化合物(Ib)の時は以下の方法で製造することができる。
【0399】
【化97】
【0400】
化合物(Ib)は上記の製造法で得られる化合物(XXIX)とシアノメチレントリ−n−ブチルホスホランを用いた光延反応により製造することができる。
化合物(I)が化合物(Ic)の時、上記の製造法で得られる化合物(XXX)から以下のように製造することできる。
【0401】
【化98】
【0402】
化合物(Ic)は化合物(XXXI)の塩基を用いた置換反応で、必要に応じてマイクロウェーブを照射することにより製造することが出来る。
化合物(I)が化合物(Id)の時は以下の方法で製造することができる。
【0403】
【化99】
【0404】
化合物(XXXIII)は化合物(XXXII)の酸とメタノールを用いたエステル化により製造できる。化合物(XXXV)は化合物(XXXIII)と化合物(XXXIV)の配位子を用いたカップリング反応により製造することができる。配位子としては2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニルなどが挙げられる。化合物(XXXVI)は化合物(XXXV)の酸を用いた加水分解により製造することができる。化合物(XXXVII)は化合物(XXXVI)と化合物(VI)の還元アミノ化、酸を用いた環化反応により製造することができる。化合物(Id)は化合物(XXXVII)と置換基を有する亜鉛化合物の配位子を用いたカップリング反応により製造することができる。配位子としては2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどが挙げられる。
化合物(I)が化合物(Ie)の時、上記の製造法で得られる化合物(XXXVIII)から以下の方法で製造することができる。
【0405】
【化100】
【0406】
化合物(Ie)は化合物(XXXVIII)と置換基を有する亜鉛化合物または置換基を有するほう素化合物とのカップリング反応により製造することができる。
化合物(I)が化合物(If)の時、上記の製造法で得られる化合物(XXXIX)から以下の方法で製造することができる。
【0407】
【化101】
【0408】
化合物(If)は化合物(XXXIX)と置換基を有する亜鉛化合物または置換基を有するほう素化合物とのカップリング反応により製造することができる。
化合物(I)が化合物(Ig)、化合物(Ih)の時、上記の化合物(XIX)から以下の方法で製造することができる。
【0409】
【化102】
【0410】
化合物(Ig)は化合物(XLI)の酸を用いた環化反応により製造できる。化合物(Ih)は化合物(Ig)の塩基を用いたアルキルハライドとの置換反応により製造することが出来る。
【0411】
化合物(I)の原料化合物および/または製造中間体は、塩を形成していてもよく、反応が達成される限り特に限定されないが、例えば、化合物(I)等が形成していてもよい塩と同様の塩等が用いられる。
化合物(I)の配置異性体(E,Z体)については異性化が生じた時点で、例えば、抽出、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の通常の分離手段により単離、精製することができ、純粋な化合物を製造することができる。また、新実験化学講座14(日本化学会編)、第251ないし253頁、第4版実験化学講座19(日本化学会編)、第273ないし274頁記載の方法およびそれに準じる方法に従って、加熱、酸触媒、遷移金属錯体、金属触媒、ラジカル種触媒、光照射あるいは強塩基触媒等により二重結合の異性化を進行させ、対応する純粋な異性体を得ることもできる。
【0412】
なお、化合物(I)は置換基の種類如何によっては立体異性体が生ずるが、この異性体が単独の場合も、それらの混合物の場合も本発明に含まれる。
化合物(I)は水和物であっても非水和物であってもよい。
いずれの場合にも、さらに所望により、脱保護反応、アシル化反応、アルキル化反応、水素添加反応、酸化反応、還元反応、炭素鎖延長反応、ハロゲン化反応、置換基交換反応、カップリング反応、カルボアニオンによる求核付加反応、Grignard反応を各々、単独あるいはその二つ以上を組み合わせて行うことにより化合物(I)を合成することができる。
上記反応によって、目的物が遊離の状態で得られる場合には、常法に従って塩に変換してもよく、また塩として得られる場合には、常法に従って遊離体または他の塩に変換することもできる。かくして得られる化合物(I)は、公知の手段例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等により反応溶液から単離、精製することができる。
なお、化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりd体、l体に分離することができる。
【0413】
このようにして得られる化合物(I)、その他の反応中間体およびその原料化合物は、反応混合物から自体公知の方法、例えば抽出、濃縮、中和、濾過、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、分取用高速液体クロマトグラフィー(分取用HPLC)、中圧分取液体クロマトグラフィー(中圧分取LC)等の手段を用いることによって、単離、精製することができる。
【0414】
塩である化合物(I)は、それ自体公知の手段に従い、例えば化合物(I)が塩基性化合物である場合には無機酸又は有機酸を加えることによって、あるいは化合物(I)が酸性化合物である場合には有機塩基または無機塩基を加えることによって製造することができる。
化合物(I)に光学異性体が存在し得る場合、これら個々の光学異性体およびそれら混合物のいずれも当然本発明の範囲に包含されるものであり、所望によりこれらの異性体をそれ自体公知の手段に従い光学分割したり、個別に製造することもできる。
化合物(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記の分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、化合物(I)がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりS体およびR体に分離することができる。
化合物(I)に立体異性体が存在する場合には、この異性体が単独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
【0415】
本発明の化合物は、RIP1キナーゼ媒介性の疾患又は障害の予防または治療に特に有用であり得る。かかるRIP1キナーゼ媒介性の疾患又は障害は、RIP1キナーゼの活性化によって媒介される疾患又は障害であり、またそのようなものとして、RIP1キナーゼの阻害により有効性がもたらされるであろう疾患又は障害である。本発明の化合物は、プログラムされたネクローシスによって少なくとも部分的に制御される可能性の高い疾患/障害、特に、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性症、黄斑変性症、膵炎、アトピー性皮膚炎、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風、SoJIAを含む)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症候群(APS)、血管炎、変形性関節症、肝臓障害/疾患(非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、B型肝炎、C型肝炎、急性肝不全)、腎炎、セリアック病、自己免疫性ITP、移植拒絶反応、実質臓器の虚血再灌流障害、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、脳血管障害(CVA)、心筋梗塞(MI)、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、アレルギー性疾患(喘息及びアトピー性皮膚炎を含む)、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素(ICE)(カスパーゼ-1としても知られる)関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)及び歯周炎の予防または治療に特に有用であり得る。
【0416】
本発明の化合物は、プログラムされたネクローシス、アポトーシス又は炎症性サイトカインの産生によって少なくとも部分的に制御される可能性の高い疾患/障害、特に、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性症、黄斑変性症、膵炎、アトピー性皮膚炎、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風、全身型若年性特発性関節炎(SoJIA)、乾癬性関節炎を含む)、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症、抗リン脂質抗体症候群(APS)、血管炎、変形性関節症、肝臓障害/疾患(非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性肝胆道疾患、原発性硬化性胆管炎(PSC)、アセトアミノフェン中毒、肝毒性、B型肝炎、C型肝炎、急性肝不全)、腎障害/損傷(腎炎、腎移植、手術、腎毒性薬物(例、シスプラチン)の投与、急性腎障害(AKI)、慢性腎臓病)、セリアック病、自己免疫性特発性血小板減少性紫斑病(自己免疫性ITP)、移植拒絶反応、実質臓器の虚血再灌流障害、敗血症、全身性炎症反応症候群(SIRS)、脳血管障害(CVA、脳卒中)、心筋梗塞(MI)、アテローム性動脈硬化症、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アレルギー性疾患(喘息及びアトピー性皮膚炎を含む)、多発性硬化症、I型糖尿病、ウェゲナー肉芽腫症、肺サルコイドーシス、ベーチェット病、インターロイキン-1変換酵素(ICE)(カスパーゼ-1としても知られる)関連発熱症候群、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群(TRAPS)、歯周炎、NEMO(NFκB essential modulator)(IKKγ又はIKKGとしても知られる)欠損症、HOIL-1(heme-oxidized IRP2 ubiquitin ligase-1)(RBCK1としても知られる)欠損症、LUBAC(linear ubiquitin chain assembly complex)欠損症、血液学的及び実質臓器の悪性腫瘍、細菌感染及びウイルス感染(結核やインフルエンザなど)、並びにリソソーム蓄積症(特にゴーシェ病であり、GM2ガングリオシドーシス、α-マンノシドーシス、アスパルチルグルコサミン尿症、コレステロールエステル蓄積症、慢性ヘキソサミニダーゼA欠損症、シスチン症、ダノン病、ファブリー病、ファーバー病、フコシドーシス、ガラクトシアリドーシス、GM1ガングリオシドーシス、ムコリピドーシス、乳児性遊離シアル酸蓄積症、若年性ヘキソサミニダーゼA欠損症、クラッベ病、リソソーム酸リパーゼ欠損症、異染性白質ジストロフィー、ムコ多糖症障害、多種スルファターゼ欠損症、ニーマン・ピック病、神経セロイドリポフスチン症、ポンペ病、濃化異骨症、サンドホフ病、シンドラー病、シアル酸蓄積症、テイ・サックス病、及びウォルマン病を含む)の予防または治療に特に有用であり得る。
【0417】
上記疾患/障害の治療は、より具体的には、該疾患の結果として受けた臓器の損傷又はダメージの改善に関係し得る。例えば、本発明の化合物は、虚血性脳障害又は外傷性脳損傷後の脳組織の損傷又はダメージの改善に、或いは心筋梗塞後の心臓組織の損傷又はダメージの改善に、或いはハンチントン病、アルツハイマー病又はパーキンソン病と関連する脳組織の損傷又はダメージの改善に、或いは急性肝不全、非アルコール性脂肪性肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、自己免疫性肝胆道疾患又は原発性硬化性胆管炎と関連する肝臓組織の損傷又はダメージの改善に、或いは急性腎障害又は慢性腎臓病と関連する腎臓組織の損傷またはダメージの改善に特に有用であり得る。さらに、本明細書に記載のものから選択される疾患/障害の治療は、より具体的には、アセトアミノフェンの過量投与と関連する肝臓組織の損傷又はダメージの改善に、或いは腎移植後又は腎毒性の薬物若しくは物質(例、シスプラチン)投与後の腎臓組織の損傷又はダメージの改善に関係し得る。
【0418】
本発明の化合物は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性症、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風及びSoJIAを含む)、移植拒絶反応、実質臓器の虚血再灌流障害、多発性硬化症、及び/又は腫瘍壊死因子受容体関連周期性症候群の予防または治療に特に有用であり得る。より具体的には、本発明の化合物は、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む)、乾癬、網膜剥離、網膜色素変性症、関節炎(関節リウマチ、脊椎関節炎、痛風及び全身型若年性特発性関節炎(SoJIA)を含む)、移植拒絶反応、及び/又は実質臓器の虚血再灌流障害の予防または治療に特に有用であり得る。
【0419】
化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸などによる反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸などにより加水分解などを起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
【0420】
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、りん酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);化合物(I)のヒドロキシル基がアシル化、アルキル化、りん酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、化合物(I)のヒドロキシル基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など);化合物(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物は公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
【0421】
本発明の化合物は、体内動態(例、血中薬物半減期、脳内移行性、代謝安定性)に優れ、毒性が低く(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、薬物相互作用、癌原性等の点から医薬として、より優れている)、CYP誘導のリスクが軽減され、そのまま医薬として、又は薬学的に許容される担体等と混合された医薬組成物として、哺乳動物(例えば、ヒト、サル、ウシ、ウマ、ブタ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ等)に対して、経口的、又は非経口的に安全に投与できる。「非経口」には、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、腫瘍内部、腫瘍の近位などへの投与及び直接的な病巣への投与を含む。
【0422】
本発明の化合物の投与量は、投与ルート、症状などによって異なるが、例えば、潰瘍性大腸炎患者(成人、体重40〜80kg、例えば60kg)に経口投与する場合、例えば1日0.001〜1000mg/kg体重、好ましくは1日0.01〜100mg/kg体重、さらに好ましくは1日0.1〜10mg/kg体重である。この量を1日1回〜3回に分けて投与することができる。
【0423】
本発明の化合物を含有する医薬は、医薬製剤の製造法として自体公知の方法(例、日本薬局方記載の方法等)に従って、本発明の化合物を単独で、又は本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを混合した医薬組成物として使用することができる。本発明の化合物を含有する医薬は、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠、バッカル錠等を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、トローチ剤、シロップ剤、液剤、乳剤、懸濁剤、放出制御製剤(例、速放性製剤、徐放性製剤、徐放性マイクロカプセル剤)、エアゾール剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム、口腔粘膜貼付フィルム)、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤)、点滴剤、経皮吸収型製剤、軟膏剤、ローション剤、貼付剤、坐剤(例、肛門坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等として、経口的又は非経口的(例、静脈内、筋肉内、皮下、臓器内、鼻腔内、皮内、点眼、脳内、直腸内、膣内、腹腔内、病巣等)に安全に投与することができる。
【0424】
前記の「薬学的に許容される担体」としては、製剤素材(starting material)として慣用されている各種の有機あるいは無機担体が用いられる。例えば、固形製剤においては、賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等が用いられ、液状製剤においては、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、及び無痛化剤等が用いられる。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤等の製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0425】
医薬組成物は、剤型、投与方法、担体などにより異なるが、本発明の化合物を製剤全量に対して通常0.01〜100%(w/w)、好ましくは0.1〜95%(w/w)の割合で添加することにより、常法に従って製造することができる。
【0426】
本発明の化合物は、他の活性成分(以下、併用薬物と略記する)と併用して使用してもよい。
【0427】
本発明の化合物は、上記適応症のいずれかについて他の薬剤と組み合わせて投与されてよく、これには、経口、静注または局所コルチコステロイド(例、プレドニゾン、ブデソニドなど)、抗TNF製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ等の抗TNF生物学的薬剤を含む)、5-アミノサリチル酸製剤(メサラミン製剤及びスルファサラジン製剤を含む)、ヒドロキシクロロキン、チオプリン(アザチオプリン、メルカプトプリンを含む)、メトトレキサート、シクロホスファミド、シクロスポリン、カルシニューリン阻害薬(シクロスポリン、ピメクロリムス、タクロリムスを含む)、ミコフェノール酸製剤(ミコフェノール酸モフェチルを含む)、mTOR阻害薬(テムシロリムス、エベロリムスを含む)、JAK阻害薬(トファシチニブを含む)、CCR9阻害薬(ベルシルノン(vercirnon)を含む)、Syk阻害薬(フォスタマチニブを含む)、抗IL-6生物製剤、抗IL-1生物製剤(アナキンラを含む)、カナキヌマブ、リロナセプト、抗IL-12及びIL-23生物製剤(ウステキヌマブを含む)、抗IL-17生物製剤(セクキヌマブを含む)、抗CD22生物製剤(エプラツズマブを含む)、抗インテグリン製剤(ナタリズマブおよびベドリズマブを含む)、抗IFN-α生物製剤(シファリムマブを含む)、抗CD20又はCD4生物製剤、抗菌薬(メトロニダゾールおよびシプロフロキサシンを含む)、グラチラマーアセテート製剤、遺伝子組換え型インターフェロン-β製剤、フィンゴリモド、テクフィデラ、ラキニモド、並びにT細胞若しくはB細胞受容体又はインターロイキンに対する他のサイトカイン阻害薬または生物製剤が含まれる。
【0428】
適切な抗炎症性生物学的薬剤の例として、アクテムラ(登録商標)(抗IL-6R mAb)、抗CD20 mAbs(リツキシマブ(リツキサン(登録商標))及びオファツムマブ(アルゼラ(登録商標)))、アバタセプト(オレンシア(登録商標))、アナキンラ(キネレット(登録商標))、ウステキヌマブ(ステラーラ(登録商標))及びベリムマブ(ベンリスタ(登録商標))が挙げられる。他の適切な抗炎症性生物学的薬剤の例として、カナキヌマブ(イラリス(登録商標))、リロナセプト(アルカリスト(登録商標))、セクキヌマブ、エプラツズマブ、シファリムマブおよびウステキヌマブ(ステラーラ(登録商標))が挙げられる。適切な抗TNF剤の生物学的薬剤の例として、エタネルセプト(エンブレル(登録商標))、アダリムマブ(ヒュミラ(登録商標))、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、セルトリズマブ(シムジア(登録商標))、及びゴリムマブ(シンポニー(登録商標))が挙げられる。
【0429】
本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物又は併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症など)に応じて、本発明の化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
【0430】
以下、本発明の化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物又はその医薬組成物と併用薬物又はその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)などが挙げられる。
【0431】
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明の化合物又は(及び)上記併用薬物を公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等として、経口的又は非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下又は臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が挙げられる。例えば、固形製剤では、賦形剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤を用いることができる。液状製剤では、溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤及び無痛化剤等を用いることができる。更に必要に応じ、通常の防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加物を適宜、適量用いることもできる。
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカ等が挙げられる。
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、デンプン、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等が挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、L−ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ油等が挙げられる。
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等が挙げられる。
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤;例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子等が挙げられる。
【0432】
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、D−ソルビトール、塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトール等が挙げられる。
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩等の緩衝液等が挙げられる。
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコール等が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩、アスコルビン酸、α−トコフェロール等が挙げられる。
【0433】
本発明の併用剤における本発明の化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明の化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01〜100重量%、好ましくは約0.1〜50重量%、さらに好ましくは約0.5〜20重量%程度である。
本発明の併用剤における担体等の添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1〜99.99重量%、好ましくは約10〜90重量%程度である。
また、本発明の化合物及び併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
【実施例】
【0434】
本発明は、更に以下の実施例、試験例および製剤例によって詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約 10 ℃ないし約 35 ℃を示す。混合溶媒において示した比は、特に断らない限り容量比を示す。%は、特に断らない限り重量%を示す。
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいて、CO2Hと記載した場合は、N-(1)-オキソ-3-カルボキシプロピル)-3-アミノプロピルシラン結合シリカゲル、NHと記載した場合は、アミノプロピルシラン結合シリカゲル、Diolと記載した場合は、3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)プロピルシラン結合シリカゲル、DiNHと記載した場合は、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルシラン結合シリカゲルを用いた。HPLC (高速液体クロマトグラフィー) において、C18と記載した場合は、オクタデシル結合シリカゲルを用いた。溶出溶媒の比は、特に断らない限り容量比を示す。
【0435】
以下の実施例においては下記の略号を使用する。
mp:融点
MS:マススペクトル
[M+H]+、[M-H]-:分子イオンピーク
M:モル濃度
N:規定
CDCl3:重クロロホルム
DMSO-d6:重ジメチルスルホキシド
1H NMR:プロトン核磁気共鳴
LC/MS:液体クロマトグラフ質量分析計
ESI:ElectroSpray Ionization、エレクトロスプレーイオン化
APCI:Atomospheric Pressure Chemical Ionization、大気圧化学イオン化
THF:テトラヒドロフラン
DME:1,2-ジメトキシエタン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
DMA:N,N-ジメチルアセトアミド
HATU:2-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt:1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0436】
1H NMRはフーリエ変換型NMRで測定した。解析にはACD/SpecManager (商品名) などを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
MSは、LC/MSにより測定した。イオン化法としては、ESI法、または、APCI法を用いた。データは実測値 (found) を記載した。通常、分子イオンピークが観測されるが、tert-ブトキシカルボニル基を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、tert-ブトキシカルボニル基あるいはtert-ブチル基が脱離したピークが観測されることもある。また、水酸基を有する化合物の場合、フラグメントイオンとして、H2Oが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピークもしくはフラグメントイオンピークが観測される。
旋光度 ([α]D) における試料濃度 (c) の単位はg/100 mLである。
元素分析値 (Anal.) は、計算値 (Calcd) と実測値 (Found) を記載した。
【0437】
実施例1
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0438】
A) エチル 1-ベンジル-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.0 g)、炭酸カリウム(4.96 g)とDMF(20 mL)の混合物にベンジルブロミド(1.56 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.05 g)を得た。
MS: [M+H]+ 259.3.
【0439】
B) エチル 1-ベンジル-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(995 mg)とTHF(5 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(326 mg)を加え、室温で1時間撹拌した(混合物A)。エチル 1-ベンジル-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(500 mg)のTHF(5 mL)溶液を混合物Aに加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた混合物のTHF(5 mL)溶液を、新たに作成した混合物Aに加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(515 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 287.3.
【0440】
C) エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.22 g)のTHF(10 mL)溶液に6 M塩酸(8 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(1.13 g)を得た。
MS: [M+H]+ 273.2.
【0441】
D) (S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(0.69 g)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(0.753 g)、酢酸(0.5 mL)のメタノール(6 mL)溶液に2-ピコリンボラン(0.415 g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物の溶媒を減圧下留去し、残渣に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(702 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 449.2.
【0442】
E) (3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.07 g)のトルエン(5 mL)溶液に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(1.325 mL)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌し、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、室温で30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(0.903 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.70 (1H, dt, J = 15.5, 4.7 Hz), 3.02-3.21 (1H, m), 3.38 (3H, s), 3.54 (1H, ddd, J = 11.8, 10.7, 4.3 Hz), 4.22 (1H, dt, J = 11.8, 5.2 Hz), 4.42 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.63 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.34 (2H, s), 5.96 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.11-7.26 (7H, m), 7.29-7.39 (3H, m).
【0443】
実施例2
(3S)-3-(2-ベンジル-9-オキソ-6,7-ジヒドロ-5H-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a][1,4]ジアゼピン-8(9H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(99 mg)と水素化ナトリウム(60 %, 23 mg)のDMF(1 mL)溶液に1,3-ジヨードプロパン(0.036 mL)を加え60 ℃で24時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(2 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.09-2.30 (1H, m), 2.69-2.93 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.41-3.58 (1H, m), 3.77 (1H, dt, J = 15.2, 5.8 Hz), 4.00-4.18 (2H, m), 4.32-4.62 (4H, m), 5.77 (1H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 7.07-7.44 (9H, m).
【0444】
実施例3
3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
【0445】
A) エチル 1-ベンジル-4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(6.12 g)のエタノール(60 mL)溶液を0 ℃に冷却し水素化ほう素ナトリウム(1.28 g)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(4.39 g)を得た。
MS: [M+H]+ 275.3.
【0446】
B) エチル 1-ベンジル-4-(2-((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(264 mg)とメタンスルホニルクロリド(165 mg)のTHF(3 mL)溶液を0 ℃に冷却しトリエチルアミン(0.201 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をアセトニトリル(3 mL)に溶解し、よう化カリウム(32 mg)と3-アミノ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン(252 mg)を加え、封管中、マイクロ波照射下100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(133 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 433.3.
【0447】
C) 3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
エチル 1-ベンジル-4-(2-((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(133 mg)のトルエン(3 mL)溶液に1.4 Mトリメチルアルミニウムヘキサン溶液(0.546 mL)を加え、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え30分間撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製した。得られた固体を酢酸エチル/ヘプタン混合溶液で洗浄して標題化合物(27 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.28-2.52 (2H, m), 2.63-2.84 (2H, m), 2.90-3.11 (2H, m), 3.57 (1H, ddd, J = 12.0, 10.3, 4.5 Hz), 4.01-4.14 (1H, m), 5.34 (2H, s), 5.62 (1H, dd, J = 11.3, 8.7 Hz), 6.99 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.10-7.21 (2H, m), 7.22-7.41 (8H, m).
【0448】
実施例4
3-(2-ベンジル-6-オキソ-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(4H)-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
【0449】
A) エチル 1-ベンジル-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(500 mg)のエタノール(5 mL)溶液に水素化ほう素ナトリウム(110 mg)を0 ℃で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(478 mg)を得た。
MS, found: 283.3.
【0450】
B) エチル 1-ベンジル-4-(((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(ヒドロキシメチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(478 mg)とメタンスルホニルクロリド(0.284 mL)のTHF(3 mL)溶液を0 ℃に冷却しトリエチルアミン(0.512 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にメタンスルホニルクロリド(0.284 mL)とトリエチルアミン(0.512 mL)をさらに加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をアセトニトリル(10 mL)に溶解し、よう化カリウム(61 mg)と3-アミノ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン(648 mg)を加え、封管中、マイクロ波照射下120 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(25 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 419.3.
【0451】
C) 3-(2-ベンジル-6-オキソ-2,6-ジヒドロピロロ[3,4-c]ピラゾール-5(4H)-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
エチル 1-ベンジル-4-(((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)メチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(25 mg)のトルエン(2 mL)溶液に1.4 Mトリメチルアルミニウムヘキサン溶液(0.107 mL)を加え、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、室温で30分間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(1 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.29-2.45 (1H, m), 2.47-2.63 (1H, m), 2.78 (1H, dd, J = 14.2, 6.6 Hz), 2.93-3.09 (1H, m), 4.32 (1H, d, J = 15.5 Hz), 5.03 (1H, d, J = 15.5 Hz), 5.13 (1H, dd, J = 12.3, 8.1 Hz), 5.41 (2H, s), 7.03 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.14-7.42 (10H, m).
【0452】
実施例5
3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
【0453】
A) 1-ベンジル-4-(2-メトキシビニル)-N-(2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド
エチル 1-ベンジル-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(811 mg)のTHF(5 mL)、エタノール(5 mL)の混合溶液に2 M水酸化ナトリウム水溶液(4.25 mL)を加え、室温で1時間、50 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を1 M塩酸で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をDMF(7 mL)に溶解し、3-アミノ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン(426 mg)、HATU(1.19 g)とN,N'-ジイソプロピルエチルアミン(1.26 mL)を加え、室温で1時間、50 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(347 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 417.2.
【0454】
B) 3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
1-ベンジル-4-(2-メトキシビニル)-N-(2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)-1H-ピラゾール-3-カルボキサミド(347 mg)のTHF(5 mL)溶液とトリフルオロ酢酸(5 mL)の混合溶液を70 ℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。得られた固体を水で洗浄して標題化合物(106 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.44-2.63 (2H, m), 2.83 (1H, dd, J = 13.9, 4.9 Hz), 3.11 (1H, td, J = 13.5, 7.7 Hz), 5.51 (2H, s), 6.08 (1H, dd, J = 11.5, 8.8 Hz), 6.42 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.05 (1H, d, J = 7.8 Hz), 7.14 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.18-7.24 (1H, m), 7.27-7.41 (8H, m), 7.50-7.59 (1H, m).
【0455】
実施例6
3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1-メチル-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,7-ジヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン(103 mg)のDMF(1 mL)溶液に水素化ナトリウム(60%, 16 mg)を0 ℃で加え、0 ℃で5分間撹拌した。ヨードメタン(0.042 mL)を加え室温で終夜撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた混合物を酢酸エチルに溶解し、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチル/ヘプタンから再結晶し、標題化合物(38 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.30-2.60 (2H, m), 2.67-2.84 (1H, m), 2.91-3.12 (1H, m), 3.40 (3H, s), 5.50 (2H, s), 6.01 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 6.40 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.16-7.42 (10H, m), 7.53 (1H, s).
【0456】
実施例7
(3S)-3-(2-ベンジル-8-オキソ-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0457】
A) エチル 4-ベンジル-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート
1-アミノ-3-フェニルプロパン-2-オン塩酸塩(0.93 g)とエチル 2-エトキシ-2-イミノアセタート(0.727 g)の酢酸(10 mL)溶液に酢酸ナトリウム(0.74 g)を加え、封管中、110 ℃で6時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(105 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 231.3.
【0458】
B) (S)-4-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-イミダゾール-2-カルボキサミド
エチル 4-ベンジル-1H-イミダゾール-2-カルボキシラート(105 mg)のエタノール(1 mL)溶液に2 M水酸化ナトリウム水溶液(0.684 mL)を加え、100 ℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、DMF(2 mL)、HATU(225 mg)、N,N'-ジイソプロピルエチルアミン(0.238 mL)と(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(136 mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(101 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 377.2.
【0459】
C) (3S)-3-(2-ベンジル-8-オキソ-5,6-ジヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジン-7(8H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-4-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-1H-イミダゾール-2-カルボキサミド(89 mg)と1,2−ジブロモエタン(0.072 mL)のDMF(2 mL)溶液に炭酸セシウム(308 mg)を加え、100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製し、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(3 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ3.37 (3H, s), 3.74 (1H, td, J = 11.6, 4.0 Hz), 3.99 (2H, s), 4.06 (1H, dt, J = 12.6, 3.9 Hz), 4.28-4.66 (4H, m), 5.89 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 6.56 (1H, s), 7.15-7.34 (9H, m).
【0460】
実施例8
(3S)-3-(2-ベンジル-8-オキソ-5,6-ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピラジン-7(8H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-5-ベンジル-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキサミド(47 mg)と水素化ナトリウム(60%, 11 mg)のDMF(1 mL)溶液に1,2−ジブロモエタン(0.013 mL)を加え、60 ℃で24時間撹拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製し、得られた混合物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(11 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 3.38 (3H, s), 3.82 (1H, ddd, J = 12.4, 11.0, 4.2 Hz), 4.06-4.18 (2H, m), 4.34-4.80 (5H, m), 5.82 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.14-7.40 (9H, m).
【0461】
実施例9
(3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0462】
A) (S)-5-メチル-3-(7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(729 mg)、水酸化パラジウム/炭素(水酸化パラジウム20%、約50%水湿潤品)(382 mg)と1 M塩酸(5 mL)のメタノール(20 mL)混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をヘプタン/酢酸エチルで洗浄して標題化合物(545 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 313.2.
【0463】
B) (3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-5-メチル-3-(7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン(26 mg)と炭酸カリウム(35 mg)のDMF(1 mL)混合物に2-フルオロベンジル ブロミド(0.012 mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(18 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.71 (1H, dt, J = 15.5, 4.7 Hz), 3.11 (1H, ddd, J = 15.3, 10.4, 4.9 Hz), 3.38 (3H, s), 3.47-3.60 (1H, m), 4.22 (1H, dt, J = 12.0, 5.1 Hz), 4.41 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.62 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.40 (2H, s), 5.94 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.01-7.26 (8H, m), 7.27-7.36 (1H, m).
【0464】
実施例10
(3S)-3-(2-ベンジル-3-ブロモ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0465】
A) エチル 1-ベンジル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
ベンジルヒドラジン2塩酸塩(25 g)と炭酸カリウム(30.1 g)のエタノール(250 mL)混合物にジエチル ブタ-2-インジオアート(21.8 g)を加え、90 ℃で5時間撹拌した。反応混合物に6 M塩酸(65 mL)および水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(6.4 g)を得た。
MS: [M+H]+ 247.3.
【0466】
B) エチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(3.60 g)、臭化ホスホリル(7.80 g)と1,2-ジクロロエタン(60 mL)の混合物にDMF(2.1 mL)を加え、90 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、臭化ホスホリル(19.6 g)を追加し、90 ℃で19時間撹拌した。反応混合物に臭化ホスホリル(9.64 g)を追加し、90 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を氷水に加え、水層を酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(2.34 g)を得た。
MS: [M+H]+ 337.1.
【0467】
C) (E)-エチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(346 mg)とTHF(3 mL)の混合物にカリウムtert-ブトキシド(113 mg)を加え、アルゴン雰囲気下、氷冷下で5分撹拌した。反応混合物にエチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(170 mg)のTHF(2 mL)溶液を氷冷下で加え、アルゴン雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(55 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 365.1.
【0468】
D) エチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-(2-(((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(E)-エチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(55 mg)のTHF(5 mL)溶液に6M塩酸(1.0 mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた粗精製物、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(45 mg)、酢酸(0.5 mL)のメタノール(5 mL)溶液に2-ピコリンボラン(21 mg)を0 ℃で加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(55 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 527.1.
【0469】
E) (3S)-3-(2-ベンジル-3-ブロモ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
エチル 1-ベンジル-5-ブロモ-4-(2-(((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(55 mg)のトルエン(5 mL)溶液に1.4 Mトリメチルアルミニウムヘキサン溶液(0.22 mL)を氷冷下で加え、アルゴン雰囲気下、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(45 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.56-2.70 (1H, m), 2.71-2.84 (1H, m), 3.30 (3H, s), 3.63 (1H, ddd, J = 12.7, 8.2, 5.1 Hz), 3.95-4.10 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 10.2, 7.9 Hz), 4.83 (1H, dd, J = 12.1, 10.2 Hz), 5.44 (2H, s), 5.54 (1H, dd, J = 11.9, 7.7 Hz), 7.12-7.20 (2H, m), 7.21-7.40 (6H, m), 7.46-7.53 (1H, m).
【0470】
実施例11
(3S)-3-(2-ベンジル-3-メチル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-ベンジル-3-ブロモ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(25 mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6 mg)、トリメチルボロキシン(7 mg)のTHF(5 mL)溶液に 0.1 M水酸化カリウム水溶液(1.0 mL)を室温で加え、アルゴン雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌し、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた粗精製物をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、標題化合物(2 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.10 (3H, s), 2.60 (1H, dt, J = 15.3, 4.8 Hz), 3.01 (1H, ddd, J = 15.2, 10.4, 4.7 Hz), 3.38 (3H, s), 3.55 (1H, ddd, J = 11.8, 10.5, 4.3 Hz), 4.24 (1H, dt, J = 11.9, 5.2 Hz), 4.43 (1H, dd, J = 9.9, 8.2 Hz), 4.64 (1H, dd, J = 11.5, 10.0 Hz), 5.35 (2H, s), 5.97 (1H, dd, J = 11.6, 8.2 Hz), 7.07-7.36 (9H, m).
【0471】
実施例12
2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボニトリル
(3S)-3-(2-ベンジル-3-ブロモ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(15 mg)のDMF(5 mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4 mg)および亜鉛ジシアニド(7 mg)を室温で加え、アルゴン雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(12 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.86 (1H, dt, J = 16.2, 4.7 Hz), 3.24 (1H, ddd, J = 16.1, 10.6, 5.1 Hz), 3.38 (3H, s), 3.57 (1H, ddd, J = 12.1, 10.6, 4.2 Hz), 4.29 (1H, dt, J = 12.3, 5.0 Hz), 4.41 (1H, dd, J = 9.8, 8.3 Hz), 4.62 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.50 (2H, s), 5.88 (1H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 7.11-7.42 (9H, m).
【0472】
実施例13
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
【0473】
A) (S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(0.64 g)、(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(0.759 g)、酢酸(1.5 mL)のメタノール(15 mL)溶液に2-ピコリンボラン(0.327 g)を0 ℃で加え室温で30分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウムを加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.83 g)を得た。
MS: [M+H]+ 527.1.
【0474】
B) (3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(0.82 g)のトルエン(50 mL)溶液に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(2.59 mL)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した後、100 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物をセライトでろ過し、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.59 g)を得た。
MS: [M+H]+ 481.1.
【0475】
C) (3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(150 mg)のDMF(5 mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(36 mg)および亜鉛ジシアニド(73 mg)を加え、窒素雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(15 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.72 (1H, dt, J = 15.6, 4.7 Hz), 3.00-3.16 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.47-3.61 (1H, m), 4.12-4.24 (1H, m), 4.45 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 11.9, 10.0 Hz), 5.35 (2H, s), 5.94 (1H, dd, J = 11.9, 8.1 Hz), 7.15 (1H, s), 7.21-7.40 (6H, m), 7.47 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.56 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz).
【0476】
実施例14
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-7-カルボニトリル
【0477】
A) エチル 1-ベンジル-4-(2-ヨードエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.69g)、トリフェニルホスフィン(3.86 g)とよう素(3.73 g)のトルエン(20 mL)とTHF(20 mL)の混合物にイミダゾール(1.00 g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(3.66 g)を得た。
MS: [M+H]+ 385.1.
【0478】
B) (S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(S)-3-アミノ-7-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(700 mg)をメタノールに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール)で精製した。得られた化合物(573 mg)とエチル 1-ベンジル-4-(2-ヨードエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(700 mg)のアセトニトリル(10 mL)溶液にN,N'-ジイソプロピルエチルアミン(0.317 mL)を加え、マイクロウェーブ照射下100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(622 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 527.1.
【0479】
C) (3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-7-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((7-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(622 mg)のトルエン(6 mL)溶液に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.655 mL)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌し、100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、30分間室温で撹拌した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン、メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(175 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 481.1.
【0480】
D) (3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-7-カルボニトリル
(3S)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-7-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(76 mg)のDMF(1 mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18 mg)および亜鉛ジシアニド(37 mg)を加え、アルゴン雰囲気下、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、メタノールを用いて結晶化して標題化合物(18 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.71 (1H, dt, J = 15.6, 4.7 Hz), 3.00-3.16 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.48-3.59 (1H, m), 4.18 (1H, dt, J = 12.0, 5.1 Hz), 4.46 (1H, dd, J = 10.0, 7.7 Hz), 4.73 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.35 (2H, s), 5.93 (1H, dd, J = 11.9, 7.7 Hz), 7.15 (1H, s), 7.21-7.28 (3H, m), 7.31-7.39 (3H, m), 7.49-7.56 (2H, m).
【0481】
実施例15
3-(2-ベンジル-4-オキソ-4,6-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d][1,3]チアゾール-5-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
【0482】
A) エチル 2-ベンジル-5-((ベンジルオキシ)メチル)チアゾール-4-カルボキシラート
エチル 2,2-ジクロロアセタート(5 g)と2-(ベンジルオキシ)アセトアルデヒド(4.11 mL)のジエチルエーテル(200 mL)溶液に酢酸ナトリウム(10.84 g)を0 ℃で加え、0 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をエタノール(150 mL)に溶解し2-フェニルエタンチオアミド(3.85 g)を加え、90 ℃で4時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.600 g)を得た。
MS: [M+H]+ 368.2.
【0483】
B) エチル 2-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)チアゾール-4-カルボキシラート
エチル 2-ベンジル-5-((ベンジルオキシ)メチル)チアゾール-4-カルボキシラート(600 mg)、パラジウム/炭素(パラジウム10%、約50%水湿潤品)(1.91 g)と酢酸(1 mL)のメタノール(10 mL)混合物を水素雰囲気下、40 ℃で終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(35 mg)を得た。
MS: [M+H]+278.3.
【0484】
C) エチル 2-ベンジル-5-(((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)メチル)チアゾール-4-カルボキシラート
エチル 2-ベンジル-5-(ヒドロキシメチル)チアゾール-4-カルボキシラート(10 mg)とトリエチルアミン(7.3 mg)のTHF(3 mL)溶液にメタンスルホニルクロリド(8.26 mg)を0 ℃で加え、窒素雰囲気下、0 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をDMF(3 mL)に溶解し、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(4.66 mg)と 3-アミノ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン(6.35 mg)を加え、80 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(8 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 436.2.
【0485】
D) 3-(2-ベンジル-4-オキソ-4,6-ジヒドロ-5H-ピロロ[3,4-d][1,3]チアゾール-5-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
エチル 2-ベンジル-5-(((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)メチル)チアゾール-4-カルボキシラート(8 mg)のトルエン(3 mL)溶液に1.4 Mトリメチルアルミニウムヘキサン溶液(0.039 mL)を加え、アルゴン雰囲気下、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(1 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.30-2.58 (2H, m), 2.79 (1H, dd, J = 14.0, 5.9 Hz), 2.95-3.10 (1H, m), 4.39 (2H, s), 4.47 (1H, d, J = 17.6 Hz), 5.13 (1H, dd, J = 12.2, 8.2 Hz), 5.25 (1H, d, J = 17.6 Hz), 7.04 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.14-7.22 (1H, m), 7.24-7.39 (7H, m).
【0486】
実施例16
(3S)-3-(2-ベンジル-4-オキソ-6,7-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-5(4H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0487】
A) エチル 5-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2-オキソペンタノアート
3-(ベンジルオキシ)プロパナール(1.05 g)、エチル2,2-ジクロロアセタート(1.00 g)とTHF(6 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(0.718 g)を0 ℃で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を0 ℃に冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた化合物にTHF(5 mL)とテトラブチルアンモニウム クロリド(0.178 g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水に加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.03 g)を得た。
MS, found: 349.3.
【0488】
B) エチル 2-ベンジル-5-(2-(ベンジルオキシ)エチル)チアゾール-4-カルボキシラート
エチル 5-(ベンジルオキシ)-3-クロロ-2-オキソペンタノアート(1.03 g)、2-フェニルエタンチオアミド(0.547 g)のエタノール(10 mL)溶液を80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.355 g)を得た。
MS: [M+H]+ 382.2.
【0489】
C) (S)-2-ベンジル-5-(2-ヒドロキシエチル)-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)チアゾール-4-カルボキサミド
エチル 2-ベンジル-5-(2-(ベンジルオキシ)エチル)チアゾール-4-カルボキシラート(0.300 g)と6 M塩酸(2 mL)の混合物を室温で3時間、90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、得られた混合物(83 mg)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン 塩酸塩(108 mg)、トリエチルアミン(47.8 mg)とDMF(5 mL)の混合物に4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(131 mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(62.7 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 438.2.
【0490】
D) (3S)-3-(2-ベンジル-4-オキソ-6,7-ジヒドロ[1,3]チアゾロ[4,5-c]ピリジン-5(4H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-2-ベンジル-5-(2-ヒドロキシエチル)-N-(5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)チアゾール-4-カルボキサミド(40 mg)とTHF(2 mL)の混合物にシアノメチレントリ-n-ブチルホスホラン(26.5 mg)を0 ℃で加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌し、さらにマイクロウェーブ照射下80 ℃で24時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、THF)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール)で精製し、標題化合物(3.3 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.94 (1H, dt, J = 16.4, 4.8 Hz), 3.37-3.39 (4H, m), 3.63 (1H, t, J = 4.2 Hz), 4.31-4.34 (3H, m), 4.43 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.61 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.90 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.14-7.38 (9H, m).
【0491】
実施例17
(3S)-3-(2-ベンジル-8-オキソ-5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0492】
A) メチル 3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-カルボキシラート
3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-カルボン酸(5.00 g)のメタノール(90 mL)溶液に98%硫酸(889 mg)を加え、60 ℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し、標題化合物(5.05 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 3.93 (3H, s), 7.70 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.32 (1H, d, J = 8.4 Hz).
【0493】
B) メチル 6-クロロ-3-((E)-2-エトキシビニル)ピリジン-2-カルボキシラート
メチル 3-ブロモ-6-クロロピリジン-2-カルボキシラート(2.00 g)のアセトニトリル(30 mL)および水(20 mL)の混合物に2-((E)-2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(1.42 g)、リン酸三カリウム(3.39 g)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(328 mg)および酢酸パラジウム(II)(90 mg)を加え、窒素雰囲気下、60 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、不溶物をろ別した。ろ液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、標題化合物(560 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 3.88 (3H, s), 3.90-4.00 (2H, m), 6.27 (1H, d, J = 12.8 Hz), 7.43 (1H, d, J = 12.8 Hz), 7.60 (1H, d, J = 8.8 Hz), 8.16 (1H, d, J = 8.8 Hz).
【0494】
C) (3S)-3-(2-クロロ-8-オキソ-5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
メチル 6-クロロ-3-((E)-2-エトキシビニル)ピリジン-2-カルボキシラート(210 mg)のジクロロメタン(2.5 mL)溶液にトリフルオロ酢酸(3.23 g)を加え、室温下で12時間撹拌した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた粗精製物のメタノール(8 mL)溶液に(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(72 mg)を加え、室温下で3時間撹拌した。反応混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(30 mg)を加え、室温下で12時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣にp-トルエンスルホン酸1水和物(10 mg)およびトルエン(8 mL)を加え、110 ℃で3時間撹拌した。減圧下で溶媒を留去し、残渣に酢酸エチルを加え、水及び飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製し、標題化合物(100 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.90-3.00 (1H, m), 3.05-3.15 (1H, m), 3.32 (3H, s), 3.52-3.62 (1H, m), 3.95-4.05 (1H, m), 4.32-4.45 (1H, m), 4.87 (1H, t, J = 10.4 Hz), 5.51-5.61 (1H, m), 7.20-7.40 (3H, m), 7.52 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.62 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.89 (1H, d, J = 8.0 Hz).
【0495】
D) (3S)-3-(2-ベンジル-8-オキソ-5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-クロロ-8-オキソ-5,8-ジヒドロ-1,7-ナフチリジン-7(6H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(100 mg)のTHF(5 mL)溶液に0.5 Mベンジル亜鉛 ブロミドTHF溶液(1.12 mL)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(13 mg)、酢酸パラジウム(II)(6 mg)を加え、窒素雰囲気下、60 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、メタノール(15 mL)を加え、不溶物をろ別した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% NH3含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。得られた残渣を凍結乾燥し、標題化合物(21 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.85-2.95 (1H, m), 3.02-3.12 (1H, m), 3.32 (3H, s), 3.52-3.62 (1H, m), 3.90-4.05 (1H, m), 4.09 (2H, s), 4.38 (1H, t, J = 8.0 Hz), 4.85 (1H, t, J = 10.8 Hz), 5.59-5.69 (1H, m), 7.15-7.40 (9H, m), 7.51 (1H, d, J = 6.4 Hz), 7.70 (1H, d, J = 8.0 Hz).
【0496】
実施例18
3-(2-ベンジル-4-オキソ-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
【0497】
A) エチル 3-ベンジル-1-(2-ブロモエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
エチル 3-ベンジル-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(747 mg)と1,2−ジブロモエタン(2.81 mL)のアセトニトリル(10 mL)溶液に炭酸カリウム(538 mg)を加え、3時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.560 g)を得た。
MS: [M+H]+ 337.1.
【0498】
B) エチル 3-ベンジル-1-(2-((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート
エチル 3-ベンジル-1-(2-ブロモエチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(107 mg)、よう化カリウム(11 mg)と3-アミノ-4,5-ジヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-2(3H)-オン(559 mg)のアセトニトリル(1 mL)混合物をマイクロ波照射下100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(128 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 433.3.
【0499】
C) 3-(2-ベンジル-4-オキソ-6,7-ジヒドロピラゾロ[1,5-a]ピラジン-5(4H)-イル)-1,3,4,5-テトラヒドロ-2H-1-ベンゾアゼピン-2-オン
エチル 3-ベンジル-1-(2-((2-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1H-ベンゾ[b]アゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキシラート(108 mg)のトルエン(15 mL)溶液に1.4 Mトリメチルアルミニウムヘキサン溶液(0.446 mL)を加え、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、室温で30分間撹拌し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(25 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.22-2.54 (2H, m), 2.72-2.86 (1H, m), 2.91-3.11 (1H, m), 3.71-3.87 (1H, m), 3.98 (2H, s), 4.20-4.40 (2H, m), 4.45-4.59 (1H, m), 5.43 (1H, dd, J = 11.9, 8.5 Hz), 6.54 (1H, s), 7.00 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.13-7.32 (9H, m).
【0500】
実施例43
(3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
【0501】
A) エチル 1-(2-フルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(5.78 g)、炭酸カリウム(14.26 g)とDMF(50 mL)の混合物に2-フルオロベンジルブロミド(4.56 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体をろ取した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して標題化合物(3.47 g)を得た。
MS: [M+H]+ 277.3.
【0502】
B) エチル 1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(4.74 g)とTHF(60 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(1.55 g)を0 ℃で加え、アルゴン雰囲気下、0 ℃で5分間撹拌した。エチル1-(2-フルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(3.47 g)のTHF(40 mL)溶液を0 ℃で上記の混合物に加え、アルゴン雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)、およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.83 g)を得た。
MS: [M+H]+ 305.3.
【0503】
C) エチル 1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.83 g)のTHF(9.3 mL)溶液に6 M塩酸(1 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を0 ℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(2.69 g)を得た。
MS: [M+H]+ 291.3.
【0504】
D) (S)-エチル 4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(570 mg)、(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(462 mg)、酢酸(0.7 mL)のメタノール(7 mL)溶液に2-ピコリンボラン(85%, 208 mg)を0 ℃で加え、0 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(255 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 545.2.
【0505】
E) (S)-8-ブロモ-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル 4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1-(2-フルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(255 mg)とトルエン(5 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.260 mL)を0 ℃で加え、0 ℃で10分間撹拌し、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.130 mL)をさらに加え、100 ℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(132 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 499.1.
【0506】
F) (3S)-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
(S)-8-ブロモ-3-(2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン(132 mg)、亜鉛ジシアニド(46.6 mg)のDMF(3 mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(76 mg)を室温で加え、アルゴン雰囲気下100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(63 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.73 (1H, dt, J = 15.5, 4.9 Hz), 3.10 (1H, ddd, J = 15.4, 10.3, 4.9 Hz), 3.39 (3H, s), 3.54 (1H, td, J = 11.1, 4.5 Hz), 4.15-4.22 (1H, m), 4.44 (1H, dd, J = 10.2, 7.9 Hz), 4.68 (1H, dd, J = 11.9, 10.0 Hz), 5.40 (2H, s), 5.92 (1H, dd, J = 11.9, 8.1 Hz), 7.03-7.14 (2H, m), 7.22 (2H, d, J = 1.5 Hz), 7.29-7.39 (2H, m), 7.47 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.56 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz).
【0507】
実施例44
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
【0508】
A) エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
オキシ塩化りん(49.4 mL)をエチル 1-ベンジル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(16.3 g)とDMF(20 mL)の混合物に室温で滴下して加え、90 ℃で10時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に0 ℃で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(14.33 g)を得た。
MS: [M+H]+ 293.2.
【0509】
B) エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(1142 mg)とTHF(20 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(374 mg)を0 ℃で加え、アルゴン雰囲気下、0 ℃で5分間撹拌した。エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(650 mg)のTHF(10 mL)溶液を0 ℃で上記の混合物に加え、アルゴン雰囲気下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(700 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 321.2.
【0510】
C) エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(8.64 g)のTHF(90 mL)溶液を6 M塩酸(90 mL)に0 ℃で滴下して加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(8.32 g)を得た。
MS: [M+H]+ 307.0.
【0511】
D) (S)-エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート (136 mg)、(S)-3-アミノ-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキサミド(85 mg)、酢酸(0.3 mL)のメタノール(3 mL)溶液に2-ピコリンボラン(85%, 47 mg)を0 ℃で加え、0 ℃で10分間、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(88 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 540.3.
【0512】
E) (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
(S)-エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート (88 mg)とトルエン(4 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.226 mL)を0 ℃で加え、室温で10分間撹拌し、90 ℃で3時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(44 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.66 (1H, dt, J = 15.8, 4.8 Hz), 2.91-3.12 (4H, m), 3.38 (3H, s), 3.53 (1H, td, J = 11.1, 4.5 Hz), 4.17-4.28 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.62 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.39 (2H, s), 5.86 (1H, dd, J = 11.9, 8.1 Hz), 6.41 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.19-7.37 (6H, m), 7.54-7.69 (2H, m).
【0513】
実施例45
(3S)-3-(2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
【0514】
A) エチル 4-ブロモ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 4-ブロモ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.07 g)のTHF(10 mL)溶液を水素化ナトリウム(60%, 0.454 g)のTHF(10 mL)溶液に0 ℃で加え、0 ℃で5分間撹拌した。反応混合物に2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロベンゼン(2.152 g)を0 ℃で滴下して加え、徐々に室温に昇温し、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(3.16 g)を得た。
MS: [M+H]+ 345.1.
【0515】
B) (Z)-エチル 1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-エトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 4-ブロモ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.80 g)、(Z)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(2.89 g)、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.594 g)、炭酸セシウム(5.82 g)、水(10 mL)と1,2-ジメトキシエタン(80 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.37 g)を得た。
MS: [M+H]+ 337.2.
【0516】
C) エチル 1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(Z)-エチル 1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-エトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.37 g)のTHF(30 mL)溶液に6 M塩酸(15 mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(2.18 g)を得た。
MS: [M+H]+ 309.3.
【0517】
D) (S)-エチル 4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.0 g)、(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン 塩酸塩(0.998 g)、酢酸(0.5 mL)のメタノール(5 mL)溶液に2-ピコリンボラン(85%, 0.45 g)を氷冷下で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.05 g)を得た。
MS: [M+H]+ 563.2.
【0518】
E) (S)-8-ブロモ-3-(2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル 4-(2-((8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.05 g)とトルエン(30 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(3.11 mL)をアルゴン雰囲気下、室温で加え100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた固体を酢酸エチルから再結晶して標題化合物(567 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 517.1.
【0519】
F) (3S)-3-(2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル
(S)-8-ブロモ-3-(2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン(200 mg) 、亜鉛ジシアニド(68 mg)のDMF(5 mL)溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(112 mg)を加え、アルゴン雰囲気下100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(160 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.71 (1H, dt, J = 15.4, 4.8 Hz), 2.99-3.16 (1H, m), 3.38 (3H, s), 3.46-3.59 (1H, m), 4.12-4.21 (1H, m), 4.42 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.67 (1H, dd, J = 11.9, 10.0 Hz), 5.45 (2H, s), 5.91 (1H, dd, J = 11.9, 8.1 Hz), 6.88-7.00 (2H, m), 7.23 (1H, s), 7.28-7.41 (2H, m), 7.46 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.56 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz).
【0520】
実施例46
(3S)-3-(3-クロロ-2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
【0521】
A) エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 5-クロロ-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.7 g)、炭酸カリウム(5.53 g)とDMF(30 mL)の混合物に2-(ブロモメチル)-1,3-ジフルオロベンゼン(3.03 g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(538 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 329.2.
【0522】
B) エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(992 mg)とTHF(6 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(325 mg)をアルゴン雰囲気下0 ℃で加え、0 ℃で5分間撹拌した。エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(634 mg)のTHF(3 mL)溶液を0 ℃で上記の混合物に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(574 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 357.2.
【0523】
C) エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(574 mg)のTHF(6 mL)溶液を6 M塩酸(6 mL)に0 ℃で滴下して加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(523 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 343.2.
【0524】
D) (S)-エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(139 mg)、(S)-3-アミノ-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキサミド(101 mg)、酢酸(0.2 mL)のメタノール(2 mL)溶液に2-ピコリンボラン(85%, 61 mg)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(151 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 576.2.
【0525】
E) (3S)-3-(3-クロロ-2-(2,6-ジフルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
(S)-エチル 5-クロロ-1-(2,6-ジフルオロベンジル)-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(151 mg)とトルエン(15 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.364 mL)をアルゴン雰囲気下、室温で加え100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)で精製し、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、得られた画分を減圧濃縮した。残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(49 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.68 (1H, dt, J = 15.6, 4.9 Hz), 2.96-3.11 (4H, m), 3.38 (3H, s), 3.46-3.62 (1H, m), 4.18-4.28 (1H, m), 4.37 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.63 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.46 (2H, s), 5.85 (1H, dd, J = 11.7, 7.9 Hz), 6.22 (1H, d, J = 4.9 Hz), 6.83-6.93 (2H, m), 7.20-7.34 (2H, m), 7.53-7.68 (2H, m).
【0526】
実施例47
(3S)-3-(3-クロロ-2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
【0527】
A) エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
オキシ塩化りん(10.02 mL)をエチル 1-(2-フルオロベンジル)-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(3.55 g)とDMF(4.13 mL)の混合物に室温で滴下して加え、Ar雰囲気下90 ℃で7時間撹拌した。溶媒を減圧下濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を0 ℃で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.71 g)を得た。
MS: [M+H]+ 311.2.
【0528】
B) エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(2.681 g)とTHF(60 mL)の混合物にカリウム tert-ブトキシド(878 mg)をアルゴン雰囲気下0 ℃で加え、0 ℃で5分間撹拌した。エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-ホルミル-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1620 mg)のTHF(40 mL)溶液を0 ℃で上記の混合物に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.60 g)を得た。
MS: [M+H]+ 339.2.
【0529】
C) エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.60 g)のTHF(20 mL)溶液に6 M塩酸(10 mL)を室温で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(1.81 g)を得た。
MS: [M+H]+ 325.2.
【0530】
D) (S)-エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(130 mg)、(S)-3-アミノ-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキサミド(100 mg)、酢酸(0.5 mL)のメタノール(5 mL)溶液に2-ピコリンボラン(85%, 55.8 mg)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製して標題化合物(165 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 558.2.
【0531】
E) (3S)-3-(3-クロロ-2-(2-フルオロベンジル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
(S)-エチル 5-クロロ-1-(2-フルオロベンジル)-4-(2-((5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(165 mg)とトルエン(15 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.493 mL)をアルゴン雰囲気下、室温で加え100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(130 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.62-2.76 (1H, m), 3.02 (3H, d, J = 4.9 Hz), 3.04-3.15 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.50-3.64 (1H, m), 4.18-4.30 (1H, m), 4.35-4.46 (1H, m), 4.59-4.72 (1H, m), 5.47 (2H, s), 5.88 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 6.17-6.32 (1H, m), 6.99-7.11 (3H, m), 7.22-7.26 (1H, m), 7.27-7.32 (1H, m), 7.57-7.66 (2H, m).
【0532】
参考例1
(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン 塩酸塩
【0533】
A) (S)-3-(5-ブロモ-2-ニトロフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
水素化ナトリウム(60%, 10.23 g)のDMF(250 mL)溶液に、(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸(25 g)とDMF(50 mL)の混合物を混合物の温度が4 ℃から10 ℃の範囲になるように40分かけて加え、4 ℃で1.5時間撹拌した。4-ブロモ-2-フルオロ-1-ニトロベンゼン(26.8 g)のDMF(50 mL)溶液を反応混合物の温度が4 ℃から10 ℃の範囲になるように20分かけて加え、14 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に氷水と1 M塩酸(100 mL)を氷冷下で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(42.4 g)を得た。
MS: [M-H]- 403.0.
【0534】
B) (S)-3-(2-アミノ-5-ブロモフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
(S)-3-(5-ブロモ-2-ニトロフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(10 g)、塩化アンモニウム(5.28 g)、鉄(13.78 g)、エタノール(100 mL)と水(30 mL)の混合物を80 ℃で1.5時間撹拌した。不溶物をセライトを用いてろ過し、ろ液を減圧下留去した。残渣に酢酸エチルを加えた後、不溶物をろ過して、ろ液を減圧下濃縮し標題化合物(8.40 g)を得た。
MS: [M-H]- 372.9.
【0535】
C) (S)-tert-ブチル(8-ブロモ-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート
トリエチルアミン(3.43 mL)を (S)-3-(2-アミノ-5-ブロモフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(8.4 g)とHATU(8.94 g)のジメチルスルホキシド(40 mL)溶液に加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、析出した固体をろ取した。得られた固体を水で洗浄した後、酢酸エチルに溶解し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.29 g)を得た。
MS: [M-H]- 355.0.
【0536】
D) (S)-tert-ブチル(8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート
(S)-tert-ブチル (8-ブロモ-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート(4 g)、炭酸セシウム(4.01 g)、ヨードメタン(0.770 mL)とDMF(30 mL)の混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(3.11 g)を得た。
MS, found: 271.2
【0537】
E) (S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン 塩酸塩
(S)-tert-ブチル (8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート(1.22 g)、4 M塩化水素酢酸エチル溶液(8.22 mL)と酢酸エチル(10 mL)の混合物を室温で終夜撹拌した。析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄して標題化合物(0.871 g)を得た。
MS, found: 271.2
【0538】
参考例2
(S)-3-アミノ-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキサミド
【0539】
A) (S)-3-(5-((ベンジルオキシ)カルボニル)-2-ニトロフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸
(S)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-3-ヒドロキシプロパン酸(28.7 g)のDMF(100 mL)溶液を水素化ナトリウム(60%, 11.75 g)のDMF(100 mL)溶液に、混合物が10 ℃以下になるようにゆっくり加え、0 ℃で1時間撹拌した。ベンジル 3-フルオロ-4-ニトロベンゾアート(38.49 g)のDMF(100 mL)溶液を0 ℃で加え、0 ℃で1時間、室温で終夜撹拌した。反応混合物に1 M塩酸(100 mL)を0 ℃で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた混合物をさらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CO2H、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(16 g)を得た。
MS: [M-H]- 459.1.
【0540】
B) (S)-ベンジル 3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキシラート
(S)-3-(5-((ベンジルオキシ)カルボニル)-2-ニトロフェノキシ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)プロパン酸(14.98 g)の酢酸(150 mL)溶液に亜鉛粉末(21.27 g)を0 ℃で加え、0 ℃で10分間、室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、溶媒を減圧下留去した。得られた化合物にDMF(215 mL)、HATU(13.61 g)とN,N'-ジイソプロピルエチルアミン(7.37 mL)を0 ℃で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.27 g)を得た。
MS: [M-H]- 411.1.
【0541】
C) (S)-ベンジル 3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキシラート
(S)-ベンジル 3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキシラート(1.27 g)とヨードメタン(0.327 mL)のDMF(13 mL)溶液に炭酸カリウム(0.723 g)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.31 g)を得た。
MS: [M-H]- 425.0.
【0542】
D) (S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボン酸
(S)-ベンジル 3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキシラート(100 mg)、パラジウム/炭素(パラジウム10%、約50%水湿潤品)(24.95 mg)とTHF(3 mL)の混合物を水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮して標題化合物(78 mg)を得た。
MS: [M-H]- 335.1.
【0543】
E) (S)-tert-ブチル(5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート
(S)-3-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボン酸(156 mg) 2 MメチルアミンTHF溶液(0.348 mL)、HATU(229 mg) をDMF(2 mL)に溶解し、N,N'-ジイソプロピルエチルアミン(0.162 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水、10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(162 mg)を得た。
MS: [M-H]- 348.1.
【0544】
F) (S)-3-アミノ-N,5-ジメチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキサミド
(S)-tert-ブチル (5-メチル-8-(メチルカルバモイル)-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)カルバマート(162 mg)を4 M塩化水素酢酸エチル溶液(2 mL)に加え、室温で2時間撹拌した。反応溶液にメタノールを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール)で精製して標題化合物(85 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 250.3.
【0545】
実施例48
(3S)-3-(2-ベンジル-3-メトキシ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0546】
A) エチル 1-ベンジル-4-ブロモ-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(2.3 g)と酢酸(80 mL)の混合物に臭素(0.718 mL)を加え、室温で30分間撹拌した。混合物を減圧下留去し、残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(2.97 g)を得た。
MS: [M+H]+ 325.1.
【0547】
B) エチル 1-ベンジル-4-ブロモ-5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-ブロモ-5-ヒドロキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(0.5 g)と無水炭酸カリウム(0.319 g)、DMF(5 mL)の混合物にヨードメタン(0.144 mL)を加え、70 ℃で一時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(309 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 339.1.
【0548】
C) (E)-エチル 1-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-ブロモ-5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(239.5 mg)と(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(210 mg)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)(51.7 mg)、炭酸セシウム(690 mg)、1,2-ジメトキシエタン(9 mL)、水(1 mL)の混合物を窒素雰囲気下90 ℃で終夜撹拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(124 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 331.3.
【0549】
D) エチル 1-ベンジル-5-メトキシ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
(E)-エチル 1-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-5-メトキシ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(124 mg)とTHF(1 mL)の混合物に6 M塩酸(1 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に0 ℃で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し標題化合物(113 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 303.3.
【0550】
E) (S)-エチル 1-ベンジル-5-メトキシ-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-メトキシ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(112.8 mg)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(108 mg)、酢酸(1.5 mL)とアセトニトリル(2 mL)の混合物に2-ピコリンボラン(43.9 mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH, 酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(51.4 mg)を得た。
MS: [M+H]+479.3.
【0551】
F)(3S)-3-(2-ベンジル-3-メトキシ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-エチル1-ベンジル-5-メトキシ-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(23.8 mg)とトルエン(2 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.037 mL)を窒素雰囲気下で加え、室温で20分間撹拌し、100 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(15.0 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.82 (1H, dt, J = 15.01, 4.58 Hz), 3.21 (1H, ddd, J = 15.01, 10.48, 4.72 Hz), 3.37 (3H, s), 3.48-3.60 (1H, m), 3.90 (3H, s), 4.20 (1H, dt, J = 11.80, 5.05 Hz), 4.37-4.46 (1H, m), 4.60 (1H, dd, J = 11.52, 10.01 Hz), 5.19 (2H, s), 5.93 (1H, dd, J = 11.71, 8.31 Hz), 7.09-7.38 (9H, m).
【0552】
実施例49
(3S)-3-(2-ベンジル-3-ヒドロキシ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-ベンジル-3-メトキシ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(10.0 mg)とアセトニトリル(1.0 mL)の混合物にクロロトリメチルシラン(0.029 mL)とヨウ化ナトリウム(34.7 mg)を加え、マイクロウェーブ照射下80 ℃で一時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液で希釈後、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(5.0 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.34 (1H, t, J = 7.55 Hz), 2.60 - 2.75 (1H, m), 2.80 - 2.96 (1H, m), 3.32 (3H, s), 3.46 - 3.60 (1H, m), 4.11 - 4.25 (1H, m), 4.27 - 4.40 (1H, m), 4.63 - 4.79 (1H, m), 4.93 (2H, s), 5.61 (1H, dd, J = 11.33, 7.93 Hz), 6.94 - 7.51 (9H, m).
【0553】
実施例50
2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキサミド
2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボニトリル(40 mg)、炭酸カリウム(15.5 mg)とジメチルスルホキシド(3 mL)の混合物に35%過酸化水素水(0.041 mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた固体を酢酸エチルで洗浄して標題化合物(25 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.79-2.92 (1H, m), 2.99-3.12 (1H, m), 3.30 (3H, s), 3.52-3.67 (1H, m), 3.94-4.08 (1H, m), 4.34 (1H, dd, J = 10.0, 7.7 Hz), 4.85 (1H, dd, J = 11.9, 10.4 Hz), 5.55 (1H, dd, J = 12.1, 7.9 Hz), 5.63 (2H, s), 7.12-7.20 (2H, m), 7.21-7.37 (6H, m), 7.50 (1H, dd, J = 7.6, 1.9 Hz), 7.70 (1H, brs), 7.79 (1H, brs).
【0554】
実施例51
エチル 2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキシラート
【0555】
A) ジエチル 1-ベンジル-4-ヨード-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート
ジエチル 4-ヨード-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート(15.41 g)、ベンジルブロミド(5.95 mL)とDMF(100 mL)の混合物に炭酸カリウム(9.45 g)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(10.19 g)を得た。
MS: [M+H]+ 429.1.
【0556】
B) (E)-ジエチル 1-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート
ジエチル 1-ベンジル-4-ヨード-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート(1.0 g)、(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.833 g)、[1,1′-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.171 g)、炭酸セシウム(1.674 g)と水(1 mL)と1,2-ジメトキシエタン(11 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下、90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.771 g)を得た。
MS: [M+H]+ 373.3.
【0557】
C) ジエチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート
(E)-ジエチル 1-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート(771 mg)とTHF(7 mL)の混合物を6 M塩酸(7 mL)に0 ℃でゆっくり加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して標題化合物(588 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 345.3.
【0558】
D) (S)-ジエチル 1-ベンジル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート
ジエチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート(588 mg)と(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(508 mg)とメタノール(2 mL)の混合物に酢酸(0.2 mL)を室温で加え、10分間撹拌した。反応混合物に2-ピコリンボラン(85%, 279 mg)を加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(690 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 521.3.
【0559】
E) エチル 2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキシラート
(S)-ジエチル 1-ベンジル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシラート(690 mg)とトルエン(7 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.810 mL)を0 ℃で加え、室温で1時間、100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(27 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.40 (3H, t, J = 7.2 Hz), 3.02-3.17 (1H, m), 3.23-3.41 (4H, m), 3.58 (1H, ddd, J = 12.2, 9.9, 4.7 Hz), 4.20-4.32 (1H, m), 4.34-4.50 (3H, m), 4.66 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.60-5.85 (3H, m), 7.09-7.32 (9H, m).
【0560】
実施例52
(3S)-3-(2-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
エチル 2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキシラート(100 mg)とTHF(1 mL)の混合物に水素化ほう素リチウム(10.20 mg)を0 ℃で加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製した後、さらにHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(6 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.08 (1H, brs), 2.63 (1H, dt, J = 15.7, 4.8 Hz), 2.96 (1H, ddd, J = 15.4, 10.5, 5.1 Hz), 3.38 (3H, s), 3.50 (1H, ddd, J = 11.9, 10.6, 4.3 Hz), 4.11-4.22 (1H, m), 4.38-4.53 (3H, m), 4.63 (1H, dd, J = 11.5, 10.0 Hz), 5.26-5.56 (2H, m), 5.92 (1H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 7.06-7.46 (9H, m).
【0561】
実施例53
2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボン酸
エチル 2-ベンジル-6-((3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル)-7-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-3-カルボキシラート(50 mg)のTHF(0.8 mL)と水(0.2 mL)の混合物に4 M水酸化リチウム水溶液(39.5 μL)を室温で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に0.1 M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(13 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.92-3.10 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.56-3.70 (1H, m), 3.98-4.09 (1H, m), 4.35 (1H, dd, J = 10.2, 7.9 Hz), 4.77-4.96 (1H, m), 5.55 (1H, dd, J = 11.9, 7.7 Hz), 5.67-5.85 (2H, m), 7.09-7.18 (2H, m), 7.20-7.40 (6H, m), 7.50 (1H, dd, J = 7.6, 1.9 Hz), 13.80 (1H, brs).
【0562】
実施例54
(3S)-3-(2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0563】
A) メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
メチル 2-ベンジル-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(1.37 g)、炭酸水素カリウム(0.76 g)とDMF(20 mL)の混合物に臭素(0.39 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄して標題化合物(1.04 g)を得た。
MS: [M+H]+ 295.1.
【0564】
B) メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(1.04 g)、4-メトキシベンジルクロリド(0.285 mL)、炭酸カリウム(0.42 g)、DMF(10 mL)の混合物を室温で1日、50 ℃で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.30 g)を得た。
MS: [M+H]+ 415.2.
【0565】
C) (E)-メチル 2-ベンジル-5-(2-エトキシビニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1-(4-メトキシベンジル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(0.30 g)、(E)-2-(2-エトキシビニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.286 g)、炭酸セシウム(0.518 g)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.059 g)、1,2-ジメトキシエタン(8 mL)、水(1 mL)の混合物をアルゴン雰囲気下90 ℃で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.22 g)を得た。
MS: [M+H]+ 407.3.
【0566】
D) メチル 2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-5-(2-オキソエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
(E)-メチル 2-ベンジル-5-(2-エトキシビニル)-1-(4-メトキシベンジル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(110 mg)とTHF(5 mL)の混合物に6 M塩酸(1 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。さらに6 M塩酸(2 mL)を加え、室温で2時間、60 ℃で30分撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、塩化ナトリウムを飽和するまで加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去し標題化合物(100 mg)を得た。
MS: [M-H]-377.1.
【0567】
E) (S)-メチル 2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-5-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
メチル 2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-5-(2-オキソエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(100 mg)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(60 mg)、酢酸(0.5 mL)、メタノール(5 mL)の混合物に2-ピコリンボラン(37 mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.095 g)を得た。
MS: [M+H]+ 555.3.
【0568】
F) (3S)-3-(2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-メチル 2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-5-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(95 mg)とトルエン(10 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.285 mL)を加え、100 ℃で4時間、120 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで希釈した後、飽和酒石酸カリウムナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(45 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.53 (1H, dt, J = 16.1, 4.6 Hz), 2.94-3.09 (1H, m), 3.36 (3H, s), 3.58 (1H, td, J = 11.6, 4.7 Hz), 3.79 (3H, s), 4.09 (2H, s), 4.18-4.30 (1H, m), 4.36-4.48 (1H, m), 4.51-4.63 (1H, m), 4.69-4.89 (2H, m), 5.93 (1H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 6.70-6.85 (4H, m), 7.10-7.31 (9H, m).
【0569】
実施例55
(3S)-3-(2-ベンジル-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン トリフルオロ酢酸塩
(3S)-3-(2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(10 mg)、10%水酸化パラジウム/炭素(約50%水湿潤品)(2.4 mg)、メタノール(5 mL)の混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応混合物に10%水酸化パラジウム/炭素(7 mg)、6 M塩酸(1 mL)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間、50 ℃で30分撹拌した。触媒をろ過により除いた後、ろ液を減圧下濃縮した。
また、(3S)-3-(2-ベンジル-1-(4-メトキシベンジル)-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(22 mg)、10%水酸化パラジウム/炭素(約50%水湿潤品)(16 mg)、6 M塩酸(1 mL)、メタノール(5 mL)の混合物を水素雰囲気下、50 ℃で2.5時間撹拌した。不溶物をろ過により除いた後、ろ液を減圧下濃縮した。併せた粗生成物をHPLC (C18、移動相:水/アセトニトリル (0.1% TFA含有系)) にて分取し、得られた画分を減圧下濃縮し、標題化合物 (21 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ3.01-3.17 (1H, m), 3.20-3.39 (4H, m), 3.63-3.79 (1H, m), 3.89-4.13 (2H, m), 4.29-4.46 (2H, m), 4.74 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.64 (1H, dd, J = 11.9, 7.7 Hz), 6.77-6.89 (1H, m), 6.95-7.21 (5H, m), 7.28-7.35 (3H, m).
【0570】
実施例56
(3S)-3-(2-ベンジル-1-メチル-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0571】
A) メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート、メチル 2-ベンジル-4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-5-カルボキシラート
メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(0.63 g)、ヨウ化メチル(0.200 mL)、炭酸カリウム(0.885 g)、DMF(10 mL)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、メチル 2-ベンジル-5-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート(0.18 g、MS: [M+H]+ 309.2)、メチル 2-ベンジル-4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-5-カルボキシラート(0.38 g、MS: [M+H]+ 309.2)を得た。
【0572】
B) (E)-メチル 2-ベンジル-5-(2-エトキシビニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
実施例54工程Cと同様にして、標題化合物(140 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 301.3.
【0573】
C) メチル 2-ベンジル-1-メチル-5-(2-オキソエチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
実施例54工程Dと同様にして、標題化合物(130 mg)を得た。
MS: [M-H]-271.0.
【0574】
D) (S)-メチル 2-ベンジル-1-メチル-5-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-イミダゾール-4-カルボキシラート
実施例54工程Eと同様にして、標題化合物(130 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 449.3.
【0575】
E) (3S)-3-(2-ベンジル-1-メチル-4-オキソ-1,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
実施例54工程Fと同様にして、標題化合物(51 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.67 (1H, dt, J = 15.9, 4.7 Hz), 3.09-3.24 (1H, m), 3.26-3.34 (3H, m), 3.31 (3H, s), 3.37 (3H, s), 3.63 (1H, td, J = 11.5, 4.9 Hz), 4.15 (2H, s), 4.23-4.36 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J = 9.8, 8.3 Hz), 4.60 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.93 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.13-7.35 (9H, m).
【0576】
実施例57
(3S)-3-(2-ベンジル-3-メチル-4-オキソ-3,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0577】
A) (E)-メチル 2-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-カルボキシラート
実施例56工程Aで得たメチル 2-ベンジル-4-ブロモ-1-メチル-1H-イミダゾール-5-カルボキシラートを用いて、実施例54工程Cと同様にして、標題化合物(310 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 301.3.
【0578】
B) (S)-メチル 2-ベンジル-1-メチル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシラート
(E)-メチル 2-ベンジル-4-(2-エトキシビニル)-1-メチル-1H-イミダゾール-5-カルボキシラート(310 mg)とTHF(5 mL)の混合物に6 M塩酸(5 mL)を加え、室温で終日撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、塩化ナトリウムを飽和するまで加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣に、酢酸(0.5 mL)、メタノール(1.5 mL)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(0.236 g)、2-ピコリンボラン(0.143 g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、塩化ナトリウムを飽和するまで加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.17 g)を得た。
MS: [M+H]+ 449.3.
【0579】
C) (3S)-3-(2-ベンジル-3-メチル-4-オキソ-3,4,6,7-テトラヒドロ-5H-イミダゾ[4,5-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(S)-メチル 2-ベンジル-1-メチル-4-(2-((5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-イミダゾール-5-カルボキシラートを用い、実施例54工程Fと同様にして、標題化合物(20 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.75-2.91 (1H, m), 3.06-3.23 (1H, m), 3.38 (3H, s), 3.55-3.64 (1H, m), 3.65 (3H, s), 4.10 (2H, s), 4.21-4.32 (1H, m), 4.36 (1H, dd, J = 9.8, 7.9 Hz), 4.70 (1H, dd, J = 12.1, 9.8 Hz), 5.75 (1H, dd, J = 12.1, 7.9 Hz), 7.11-7.25 (7H, m), 7.27-7.34 (2H, m).
【0580】
実施例58
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0581】
A) エチル 1-ベンジル-4-(2-{[(3S)-8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アミノ}エチル)-5-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート (1.20 g)、(S)-3-アミノ-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(1.20 g)、酢酸(3.0 mL)とメタノール(30 mL)の混合物に2-ピコリンボラン(459 mg)を氷冷下で加え、室温下で1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を室温下で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(2.19 g)を得た。
MS: [M+H]+ 561.1, 563.1.
【0582】
B) (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
エチル 1-ベンジル-4-(2-{[(3S)-8-ブロモ-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アミノ}エチル)-5-クロロ-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.42 g)とトルエン(15 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(4.21 mL)を0 ℃で加え、100 ℃で10分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を室温で加え、不溶物をろ別した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.08 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.67 (1H, dt, J = 15.9, 4.7 Hz), 3.05 (1H, ddd, J = 15.5, 10.4, 5.1 Hz), 3.35 (3H, s), 3.54 (1H, ddd, J = 12.0, 10.5, 4.3 Hz), 4.23 (1H, dt, J = 12.1, 5.3 Hz), 4.41 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.64 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.39 (2H, s), 5.90 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.11 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.23-7.42 (7H, m).
【0583】
実施例59
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-8-(オキセタン-3-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(80 mg)、1,10-フェナントロリン(5.6 mg)、4-エチルピリジン(8.3 mg)、テトラフルオロほう酸ナトリウム(8.5 mg)、マンガン粉末(325メッシュ、99.9%)(17 mg)、3-ブロモオキセタン(21 mg)とメタノール(5 mL)の混合物に塩化ニッケル(II)(ジメトキシエタン付加物)(6.8 mg)を室温下で加え、アルゴン雰囲気下60 ℃で4時間撹拌した。反応混合物に3-ブロモオキセタン(42.5 mg)、塩化ニッケル(II)(ジメトキシエタン付加物)(13.6 mg)、4-エチルピリジン(16.6 mg)、1,10-フェナントロリン(11.2 mg)、テトラフルオロほう酸ナトリウム(17 mg)、マンガン粉末(325メッシュ、99.9%)(34 mg)を室温下で加え、アルゴン雰囲気下60 ℃で1時間撹拌した。不溶物をろ別し、ろ液を室温下で水に加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。得られた残渣にジイロプロピルエーテル、ヘキサンおよび酢酸エチルを加え固体をろ取し、標題化合物(5 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.67 (1H, dt, J = 15.7, 4.6 Hz), 3.06 (1H, ddd, J = 15.6, 10.5, 5.3 Hz), 3.37 (3H, s), 3.49-3.63 (1H, m), 4.16-4.31 (2H, m), 4.42 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.64 (1H, dd, J = 11.5, 10.0 Hz), 4.73-4.84 (2H, m), 5.04-5.16 (2H, m), 5.40 (2H, s), 5.92 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.19-7.37 (8H, m).
【0584】
実施例60
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-8-(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(150 mg)、トリフェニルホスフィン(38 mg)、炭酸カリウム(121 mg)、酢酸銅(II)(11 mg)と1-メチル-1H-イミダゾール(72 mg)と脱水トルエン(10 mL)の混合物に酢酸パラジウム(II)(13 mg)を室温下で加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下100 ℃で4時間撹拌した。反応混合物に水を室温下で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)およびシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。残渣にジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルを加え、固体をろ取し、標題化合物(9 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.60-2.75 (1H, m), 2.99-3.14 (1H, m), 3.41 (3H, s), 3.51-3.63 (1H, m), 3.83 (3H, s), 4.19-4.30 (1H, m), 4.38-4.52 (1H, m), 4.60-4.73 (1H, m), 5.40 (2H, s), 5.97 (1H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 6.97-7.02 (1H, m), 7.12-7.16 (1H, m), 7.21-7.38 (6H, m), 7.48-7.57 (2H, m).
【0585】
実施例61
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボン酸
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(50 mg)、酢酸パラジウム(II)(2.2 mg)、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(5.6 mg)および2,4,6-トリクロロフェニル ホルマート(33 mg)と脱水アセトニトリル(5 mL)の混合物にトリエチルアミン(0.026 mL)を室温下で加えた。アルゴン雰囲気下で封管し、80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで洗浄した。水層を1 M塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去することで標題化合物(10 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.61-2.89 (2H, m), 3.30 (3H, brs), 3.64 (1H, ddd, J = 12.8, 8.1, 4.8 Hz), 3.94-4.08 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J = 9.9, 8.0 Hz), 4.82-4.95 (1H, m), 5.43 (2H, s), 5.53 (1H, dd, J = 12.0, 7.8 Hz), 7.13-7.22 (2H, m), 7.25-7.40 (3H, m), 7.61 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.73 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.87 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz), 13.05 (1H, brs).
【0586】
実施例62
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
【0587】
A) 2,4,6-トリクロロフェニル (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキシラート
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(50 mg)、酢酸パラジウム(II)(2.2 mg)、(9,9-ジメチル-9H-キサンテン-4,5-ジイル)ビス(ジフェニルホスフィン)(5.6 mg)および2,4,6-トリクロロフェニル ホルマート(33 mg)と脱水アセトニトリル(5 mL)の混合物にトリエチルアミン(0.026 mL)を室温下で加えた。アルゴン雰囲気下で封管し、80 ℃で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(32 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 661.0.
【0588】
B) (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
2,4,6-トリクロロフェニル (3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキシラート(32 mg)とN,N-ジメチルピリジン-4-アミン(0.6 mg)とTHF(3 mL)の混合物に1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール(6.5 mg)を室温下で加えた。反応混合物を50 ℃で終夜撹拌した。混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)で精製した。得られた固体にジイソプロピルエーテルを加え、固体をろ取することで標題化合物(23 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.32 (6H, s), 2.16 (1H, s), 2.68 (1H, dt, J = 15.5, 4.7 Hz), 3.06 (1H, ddd, J = 15.6, 10.5, 5.3 Hz), 3.39 (3H, s), 3.45-3.68 (3H, m), 4.17-4.29 (1H, m), 4.43 (1H, dd, J = 10.0, 8.1 Hz), 4.66 (1H, dd, J = 11.7, 10.2 Hz), 5.39 (2H, s), 5.90 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 6.63 (1H, t, J = 5.7 Hz), 7.22-7.36 (6H, m), 7.63 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.69 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz).
【0589】
実施例63
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル(化合物A)
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-8-ブロモ-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン(1.08 g)と亜鉛シアニド(0.369 g)とDMF(20 mL)の混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.484 g)を室温下で加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を室温下で加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製した。残渣にジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテルおよび酢酸エチルを加え、固体をろ取することで標題化合物(0.60 g)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.69 (1H, dt, J = 15.7, 4.8 Hz), 3.05 (1H, ddd, J = 15.6, 10.3, 5.1 Hz), 3.39 (3H, s), 3.51-3.61 (1H, m), 4.15-4.27 (1H, m), 4.45 (1H, dd, J = 10.2, 7.9 Hz), 4.69 (1H, dd, J = 11.9, 10.0 Hz), 5.40 (2H, s), 5.89 (1H, dd, J = 11.7, 7.9 Hz), 7.20-7.38 (6H, m), 7.48 (1H, d, J = 1.9 Hz), 7.57 (1H, dd, J = 8.3, 1.9 Hz).
【0590】
実施例64
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボニトリル(76.9 mg)、過酸化水素水(30%, 0.3 ml)とジメチルスルホキシド(0.5 mL)の混合物に炭酸カリウム(16.1 mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和塩化アンモニウム水溶液、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH, 酢酸エチル/メタノール) で精製して標題化合物 (31.6 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.60-2.72 (1H, m), 2.96-3.11 (1H, m), 3.37 (3H, s), 3.47-3.59 (1H, m), 4.22 (1H, dt, J = 12.1, 5.1 Hz), 4.37 (1H, dd, J = 9.8, 7.9 Hz), 4.63 (1H, dd, J = 11.7, 9.8 Hz), 5.39 (2H, s), 5.86 (1H, dd, J = 11.7, 7.9 Hz), 5.91-6.87 (2H, m), 7.17-7.37 (6H, m), 7.63-7.75 (2H, m).
【0591】
実施例65
7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
【0592】
A) エチル 4-(3-アミノピリジン-2-イル)ブタノアート
酢酸パラジウム(65.0 mg)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル(276 mg)とTHF(5 mL)の混合物を窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌した。反応混合物に2-ブロモピリジン-3-アミン(500 mg)とTHF(5 mL)の混合物、続いて(4-エトキシ-4-オキソブチル)亜鉛(II)ブロミドのTHF溶液(0.5 M, 8.67 mL)を加え、窒素雰囲気下、50 ℃で1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (酢酸エチル/ヘキサン) で精製して標題化合物 (346 mg) を得た。
MS: [M+1]+ 209.4.
【0593】
B) 8,9-ジヒドロ-5H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6(7H)-オン
エチル 4-(3-アミノピリジン-2-イル)ブタノアート(346 mg)とトルエン(10 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.92 mL)を加え、窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌した後、100 ℃で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (NH、ヘキサン/酢酸エチル) で精製して標題化合物 (213 mg) を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.30-2.46 (4H, m), 3.08 (2H, t, J = 7.2 Hz), 7.15-7.24 (1H, m), 7.25-7.31 (1H, m), 7.58 (1H, brs), 8.38 (1H, dd, J = 4.7, 1.7 Hz).
【0594】
C) 5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
8,9-ジヒドロ-5H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6(7H)-オン(330 mg)とDMF(10 mL)の混合物に水素化ナトリウム(60%, 98 mg)を氷冷下で加え、氷冷下で5分間撹拌した。反応混合物にヨウ化メチル(347 mg)を氷冷下で加え、室温で30分間撹拌した。反応混合物に室温で水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(180 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 177.4.
【0595】
D) 7-ヨード-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(130 mg)とTHF(5 mL)の混合物に1.5 MリチウムジイソプロピルアミンTHFおよびエチルベンゼンおよびヘプタン溶液(0.541 mL)を-78 ℃で加え、アルゴン雰囲気下1時間撹拌した。よう素(206 mg)とTHF(5 mL)の混合物を-78 ℃で加え、アルゴン雰囲気下1時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール/酢酸エチル)で精製することで標題化合物(166 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 303.1.
【0596】
E) 7-アジド-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
7-ヨード-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(166 mg)とDMF(5 mL)の混合物にアジ化ナトリウム(179 mg)を室温で加えた。反応混合物をアルゴン雰囲気下室温で2時間撹拌した。反応混合物に室温で水を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)で精製することで標題化合物(90 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 218.3.
【0597】
F) 7-アミノ-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
7-アジド-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(90 mg)とパラジウム/炭素(パラジウム10%、約50%水湿潤品、88 mg)のエタノール(10 mL)混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌した。反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下濃縮し、標題化合物(90 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 192.4.
【0598】
G) エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-{2-[(5-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[3,2-b]アゼピン-7-イル)アミノ]エチル}-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(188 mg)と7-アミノ-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(90 mg)のメタノール(10 mL)と酢酸(1 mL)の混合物に2-ピコリンボラン(55 mg)を氷冷下で加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物に室温下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製することで標題化合物(85 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 482.2, 484.2.
【0599】
H) 7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン
エチル 1-ベンジル-5-クロロ-4-{2-[(5-メチル-6-オキソ-6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ピリド[3,2-b]アゼピン-7-イル)アミノ]エチル}-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(60 mg)のトルエン(10 mL)混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.21 mL)を0 ℃で加え、100 ℃で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、不溶物をろ別し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、メタノール/酢酸エチル)で精製して標題化合物(27 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.32-2.60 (2H, m), 2.62-2.73 (1H, m), 2.92-3.15 (3H, m), 3.37 (3H, s), 3.61 (1H, ddd, J = 12.1, 9.8, 4.5 Hz), 4.13-4.20 (1H, m), 5.38 (2H, s), 5.52 (1H, dd, J = 11.7, 8.3 Hz), 7.21-7.36 (6H, m), 7.53 (1H, dd, J = 8.1, 1.3 Hz), 8.41 (1H, dd, J = 4.7, 1.3 Hz).
【0600】
実施例66
7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(光学異性体)
7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オンのラセミ体 (47 mg) をHPLC (カラム:CHIRALCEL OJ、4.6 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/エタノール= 500/500) にて分取し、保持時間の小さい方を標題化合物 (14 mg)として得た。
【0601】
実施例67
7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オン(光学異性体)
7-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-5,7,8,9-テトラヒドロ-6H-ピリド[3,2-b]アゼピン-6-オンのラセミ体 (47 mg) をHPLC (カラム:CHIRALCEL OJ、4.6 mmID×250 mmL、移動相:ヘキサン/エタノール= 500/500) にて分取し、保持時間の大きい方を標題化合物 (13 mg)として得た。
【0602】
実施例68
(3S)-3-(2-ベンジル-5-メチル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0603】
A) エチル 1-ベンジル-4-(2-ヒドロキシプロピル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソエチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(3.18 g)とTHF(40 mL)の混合物を-78 ℃に冷却し、3.0 MメチルマグネシウムクロリドTHF溶液(3.89 mL)を加え、-78 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(1.09 g)を得た。
MS: [M+H]+ 289.3.
【0604】
B) エチル 1-ベンジル-4-(2-オキソプロピル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-4-(2-ヒドロキシプロピル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(1.09 g)と三酸化硫黄 - ピリジン錯体(1.805 g)とDMF(15 mL)の混合物にトリエチルアミン(3.16 mL)を室温で加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に三酸化硫黄 - ピリジン錯体(1.805 g)をさらに加え、50 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製して標題化合物(0.23 g)を得た。
MS: [M+H]+ 287.3.
【0605】
C) エチル 1-ベンジル-4-(2-(((S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)プロピル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
実施例1工程Dと同様にして、標題化合物(53 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 463.4.
【0606】
D) (3S)-3-(2-ベンジル-5-メチル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
エチル 1-ベンジル-4-(2-(((S)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-3-イル)アミノ)プロピル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート(53 mg)とトルエン(2 mL)の混合物に1.8 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.191 mL)を0 ℃で加え、100 ℃で3時間撹拌した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NH、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、HPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% TFA含有系))にて分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して標題化合物(5.3 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.14 (3H, d, J = 6.4 Hz), 2.57 (1H, dd, J = 15.3, 1.3 Hz), 3.36 (3H, s), 3.58 (1H, dd, J = 15.3, 5.1 Hz), 4.37-4.48 (1H, m), 4.51 (1H, dd, J = 9.6, 7.7 Hz), 4.75 (1H, dd, J = 12.1, 9.8 Hz), 5.28-5.43 (2H, m), 6.03 (1H, dd, J = 12.3, 7.7 Hz), 7.13-7.26 (7H, m), 7.29-7.38 (3H, m).
【0607】
実施例69
(3R)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン-4(5H)-オン 1,1-ジオキシド
【0608】
A) (R)-tert-ブチル(5-メチル-1,1-ジオキシド-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン-3-イル)カルバマート
(R)-tert-ブチル (5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン-3-イル)カルバマート(300 mg)とジクロロメタン(8 mL)の混合物に、メタクロロ過安息香酸(538 mg, 78% purity)を0 ℃で加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を石油エーテル/酢酸エチルで洗浄して、標題化合物(300 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.33 (9H, s), 3.26 (3H, s), 3.61-3.70 (1H, m), 3.96-4.05 (1H, m), 4.22-4.28 (1H, m), 7.39 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.62 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.78 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.87-7.95 (2H, m).
【0609】
B) (R)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン-4(5H)-オン 1,1-ジオキシド塩酸塩
(R)-tert-ブチル (5-メチル-1,1-ジオキシド-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン-3-イル)カルバマート(300 mg)と4 M塩酸ジオキサン溶液(10 mL)の混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下留去し、標題化合物(240 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ3.34 (3H, s), 3.87-3.97 (1H, m), 4.10-4.18 (1H, m), 4.25-4.32 (1H, m), 7.67 (1H, t, J = 7.6 Hz), 7.80 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.93-7.99 (2H, m), 8.70 (3H, brs).
【0610】
C) (R)-エチル 1-ベンジル-4-(2-((5-メチル-1,1-ジオキシド-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]チアゼピン-3-イル)アミノ)エチル)-1H-ピラゾール-3-カルボキシラート
実施例1の工程Dと同様にして、標題化合物(110 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 497.2.
【0611】
D) (3R)-3-(2-ベンジル-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾチアゼピン-4(5H)-オン 1,1-ジオキシド
実施例1の工程Eと同様にして、標題化合物(45 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.70-2.77 (1H, m), 3.00-3.11 (1H, m), 3.39 (3H, s), 3.46-3.55 (1H, m), 3.64-3.72 (1H, m), 3.83-3.94 (1H, m), 4.24-4.33 (1H, m), 5.32 (2H, s), 5.85-5.93 (1H, m), 7.15 (1H, s), 7.21-7.26 (2H, m, overlap with CDCl3signal), 7.30-7.35 (3H, m), 7.47 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.53 (1H, t, J = 8.0 Hz), 7.80 (1H, t, J = 8.0 Hz), 8.05 (1H, d, J = 7.6 Hz).
【0612】
実施例70
(3S)-3-(2-ベンジル-4-オキソ-2,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
【0613】
A) エチル 4-tert-ブトキシ-3-オキソ-ブタノアート
2-メチルプロパン-2-オール(18 g)とDMF(200 mL)の混合物に水素化ナトリウム(60%、24.3 g)を0 ℃で加え、0 ℃で30分間撹拌した。反応混合物にエチル 4-クロロ-3-オキソ-ブタノアート(20 g)を滴下して加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(12 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.21 (9H, s), 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 3.55 (2H, s), 4.01 (2H, s), 4.19 (2H, q, J = 7.2 Hz).
【0614】
B) エチル 3-(tert-ブトキシメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 4-tert-ブトキシ-3-オキソ-ブタノアート(12 g)とトルエン(100 mL)の混合物にN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(10.6 g)を加え、65 ℃で16時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、酢酸(20 mL)とヒドラジン一水和物(4.55 g)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(7.00 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.23 (9H, s), 1.27 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.21 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.69 (2H, s), 7.80 (1H, s), 13.27 (1H, brs).
【0615】
C) エチル 1-ベンジル-3-(tert-ブトキシメチル)ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 3-(tert-ブトキシメチル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート(10.00 g)とベンジルクロリド(4.42 g)とアセトニトリル(100 mL)の混合物に炭酸カリウム(29.0 g)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(9.00 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.31 (3H, t, J = 6.8 Hz), 1.33 (9H, s), 4.25 (2H, q, J = 6.8 Hz), 4.71 (2H, s), 5.28 (2H, s), 7.20-7.30 (2H, m), 7.35-7.45 (3H, m), 7.73 (1H, m).
【0616】
D) エチル 1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-3-(tert-ブトキシメチル)ピラゾール-4-カルボキシラート(9.00 g)とジクロロメタン(10 mL)の混合物にトリフルオロ酢酸(5 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に1 M水酸化ナトリウム水溶液を溶液のpHが10になるまで加えた。得られた混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(6.40 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.19 (2H, q, J = 7.2 Hz), 4.58 (2H, d, J = 6.0 Hz), 4.84 (1H, t, J = 6.0 Hz), 5.32 (2H, s), 7.25-7.40 (5H, m), 8.38 (1H, s).
【0617】
E) エチル 1-ベンジル-3-ホルミル-ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-3-(ヒドロキシメチル)ピラゾール-4-カルボキシラート(4.60 g)とジクロロメタン(50 mL)の混合物に酸化マンガン(IV)(15.00 g)を加え、40 ℃で14時間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(2.70 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.28 (3H, t, J = 7.6 Hz), 4.27 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.47 (2H, s), 7.25-7.45 (5H, m), 8.63 (1H, s), 10.26 (1H, s).
【0618】
F) エチル 1-ベンジル-3-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム クロリド(15.8 g)とTHF(50 mL)の混合物に1 Mカリウムtert-ブトキシドTHF溶液(44.9 mL)を0 ℃で加え、0 ℃で10分撹拌した。反応混合物にエチル 1-ベンジル-3-ホルミル-ピラゾール-4-カルボキシラート(2.70 g)とTHF(20 mL)の混合物を0 ℃で加え、0 ℃で30分間、室温で12時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加え、水と飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、標題化合物(1.60 g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.26 (3H, t, J = 7.2 Hz), 4.19 (2H, q, J = 7.2 Hz), 5.28 (2H, s), 6.16 (1H, d, J = 13.2 Hz), 7.25-7.45 (6H, m), 8.34 (1H, s).
【0619】
G) エチル 1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-3-(2-メトキシビニル)-1H-ピラゾール-4-カルボキシラート(200 mg)とTHF(5 mL)の混合物に6 M塩酸を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物に水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去し、標題化合物(120 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 273.0.
【0620】
H) エチル 1-ベンジル-3-[2-[[(3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アミノ]エチル]ピラゾール-4-カルボキシラート
エチル 1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)ピラゾール-4-カルボキシラート(120 mg)、(S)-3-アミノ-5-メチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-4(5H)-オン塩酸塩(75 mg)と酢酸(0.2 mL)のメタノール(2 mL)に2-ピコリンボラン(53 mg)を0 ℃で加え、0 ℃で30分間撹拌した。反応混合物に水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル)で精製して標題化合物(120 mg)を得た。
MS: [M+H]+ 449.3.
【0621】
I) (3S)-3-(2-ベンジル-4-オキソ-2,4,6,7-テトラヒドロ-5H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル)-5-メチル-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-4(5H)-オン
エチル 1-ベンジル-3-[2-[[(3S)-5-メチル-4-オキソ-2,3-ジヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-3-イル]アミノ]エチル]ピラゾール-4-カルボキシラート(120 mg)とトルエン(2 mL)の混合物に2 Mトリメチルアルミニウムトルエン溶液(0.253 mL)を室温で加え、窒素雰囲気下100 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を20 ℃に冷却し、水を加え酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLC(C18、移動相:水/アセトニトリル(0.1% アンモニア含有系))にて分取し、得られた混合物を減圧下濃縮した後、凍結乾燥して標題化合物(18 mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.75-2.85 (1H, m), 3.10-3.20 (1H, m), 3.31 (3H, s), 3.45-3.55 (1H, m), 4.15-4.25 (1H, m), 4.31 (1H, dd, J = 10.0, 8.4 Hz), 4.60 (1H, dd, J = 11.6, 10.0 Hz), 5.18 (2H, s), 5.75 (1H, dd, J = 11.6, 8.0 Hz), 7.05-7.20 (6H, m), 7.25-7.35 (3H, m), 7.66 (1H, s).
【0622】
実施例174
(3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-N-(13-((3S)-3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-2,4,5,7-テトラヒドロ-6H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-イル)-13-オキソ-3,6,9-トリオキサ-12-アザトリデカ-1-イル)-5-メチル-4-オキソ-2,3,4,5-テトラヒドロ-1,5-ベンゾオキサゼピン-8-カルボキサミド
(S)-2,4,6-トリクロロフェニル3-(2-ベンジル-3-クロロ-7-オキソ-4,5-ジヒドロ-2H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-6(7H)-イル)-5-メチル-4-oxo-2,3,4,5-テトラヒドロベンゾ[b][1,4]オキサゼピン-8-カルボキシラート(50 mg)とテトラヒドロフラン(2 mL)の混合物に、2,2'-((オキシビス(エタン-2,1-ジイル))ビス(オキシ))ジエタンアミン(7.28 mg)、トリエチルアミン(7.66 mg)、4-ジメチルアミノピリジン(0.46 mg)を室温で加え、50 ℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1 M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製して標題化合物(27.1 mg)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.66 (2H, dt, J = 15.9, 4.7 Hz), 3.03 (2H, ddd, J = 15.5, 10.4, 5.1 Hz), 3.29-3.39 (5H, m), 3.45-3.81 (17H, m), 4.15-4.27 (2H, m), 4.29-4.43 (2H, m), 4.52-4.71 (2H, m), 5.38 (4H, s), 5.85 (2H, dd, J = 11.5, 8.1 Hz), 7.11 (2H, brs), 7.18-7.35 (10H, m), 7.62-7.76 (4H, m).
【0623】
上記の実施例に示した方法、またはそれらに準じた方法に従って、以下の表中の実施例19〜42、72〜159および161〜174の化合物を製造した。実施例化合物を以下の表に示す。表中のMSは実測値を示す。
【0624】
【表1-1】
【0625】
【表1-2】
【0626】
【表1-3】
【0627】
【表1-4】
【0628】
【表1-5】
【0629】
【表1-6】
【0630】
【表1-7】
【0631】
【表1-8】
【0632】
【表1-9】
【0633】
【表1-10】
【0634】
【表1-11】
【0635】
【表1-12】
【0636】
【表1-13】
【0637】
【表1-14】
【0638】
【表1-15】
【0639】
【表1-16】
【0640】
【表1-17】
【0641】
【表1-18】
【0642】
【表1-19】
【0643】
【表1-20】
【0644】
試験例1 ヒトRIPK1 酵素阻害効果
ヒトRIPK1 (1-375)遺伝子をSf-9昆虫細胞に形質導入し、GSTアフィニティカラムによって精製した酵素を調製し、酵素活性評価を実施した。酵素は-70 ℃で保存した上で使用した。被検化合物のRIPK1 酵素阻害活性は ADP-GloTM Kinase Assay (Promega社製) を用い以下の実験法で測定した。アッセイバッファー (25 mM HEPES (pH 7.5)、10 mM MgCl2、0.01% Tween-20、2 mM DTT) で希釈した被検化合物を384ウェルプレートに2μLずつ添加した。次に、アッセイバッファーで希釈した RIPK1 酵素溶液を2μLずつ添加し、室温にて 20 分間インキュベーションした。インキュベーション後、0.6 mM ATP 溶液を2μLずつ添加し酵素反応を開始した。室温で 120 分間インキュベーション後、Promega 社プロトコールに従い調製した ADP-Glo 溶液を384ウェルプレートに3μLずつ添加し、室温にて40分間反応させた。その後、Kinase-Detection 溶液を384ウェルプレートに6μLずつ添加し、室温にて40分間反応させた。反応後、プレートリーダーEnvision (PerkinElmer社製) にて発光強度を測定した。各化合物の阻害活性は、酵素なしのウェルの発光強度を100 %阻害とする相対活性値として算出した。その結果を表2に示す。
【0645】
【表2-1】
【0646】
【表2-2】
【0647】
【表2-3】
【0648】
【表2-4】
【0649】
試験例2:多発性硬化症モデルマウスにおける化合物Aの効果の検討
(1-1)多発性硬化症モデルマウスの作製
多発性硬化症の研究モデルとして使用されているモデル動物として、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(myelin oligodendrocyte glycoprotein、以下「MOG」という。)で誘導したマウス実験的自己免疫性脳脊髄炎(experimental autoimmune encephalomyelitis、以下「EAE」という。)モデルを用いた。具体的には、2 mg/mL MOG35-55(MEVGWYRSPFSRVVHLYRNGK)(BEX社, 受託合成)のぺプチド溶液に5 mg/mLのH37Ra(DIFCO)を懸濁したFCA(DIFCO)を等量混和し、ソニケーターを用いてエマルジョンを作成した。C57BL/6Jマウス(10週齢、雌、チャールスリバー)は体重を元に群分けし、背部後肢関節部2箇所にMOGエマルジョンを100μL/site、200μL/mouseとなるように皮下投与した。さらに、Pertussis toxin(Merck)を感作当日と2日後の2回、400ng/200μL/mouseの用量で腹腔内投与した。
(1-2)多発性硬化症モデルマウスへの化合物A投与による臨床症状の観察
MOG投与後に動物を3群に分け、免疫日から26日後まで第一群にはvheicle(メチルセルロース懸濁液)を、第2群には化合物Aの6 mg/kg/日を、第3群には化合物Aの20 mg/kg/日を各10 ml/kgで経口投与した。第1群及び第3群は12匹、第2群は10匹のEAEマウスで構成した。臨床スコアは以下の基準に準じて0-5点でスコア化し(0:正常、0.5:尻尾の部分麻痺、1:尻尾の完全麻痺、2:後肢の部分麻痺、3:下半身の麻痺、4:前足の部分麻痺、5:両前足の麻痺または死亡)、発症開始から毎日(休日を除く)観察した。また、臨床スコアの評価は、26日間の臨床スコアの積算値を用いて、コントロール群に対する被験化合物投与群の抑制率を算出した。
観察期間中のコントロール群及び化合物A投与群の臨床スコアの積算値のグラフを図1に示す。EAEスコアは平均値および標準誤差で示した。コントロール群に対する化合物A投与群の抑制率は、6 mg/kg/日と20 mg/kg/日でそれぞれ49%及び42%であった。また、ダン(Dunns)検定の結果、それぞれP<0.01で両群間に統計的有意差が認められた。これらの結果は、化合物Aの投与が、EAEの症状発現の抑制および進行の抑制に有効であることを示すものである。
【0650】
製剤例
本発明化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例1で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 90mg
(3)微結晶セルロース 70mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 10mg
1カプセル 180mg
上記(1)、(2)および(3)の全量と5mgの(4)を混和した後、顆粒化し、これに残りの(4)を5mg加えて、全体をゼラチンカプセルに封入する。
【0651】
2.錠剤
(1)実施例1で得られた化合物 10mg
(2)ラクトース 35mg
(3)コーンスターチ 150mg
(4)微結晶セルロース 30mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 5mg
1錠 230mg
上記(1)、(2)および(3)の全量と20mgの(4)および2.5mgの(5)を混和した後、顆粒化し、この顆粒に残りの(4)を10mgおよび(5)を2.5mg加えて加圧成型し、錠剤とする。
【産業上の利用可能性】
【0652】
本発明によれば、RIP1キナーゼ阻害作用を有し、ゴーシェ病、ニーマンピック病、炎症性腸疾患、多発性硬化症、慢性腎臓病、急性腎障害、急性肝不全、自己免疫性肝炎、B型肝炎、C型肝炎、アルコール性脂肪性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎等の予防または治療剤として有用な化合物を提供できる。
【0653】
本出願は、日本で2015年10月23日に出願された特願2015−209280号および2016年2月29日に出願された特願2016−037703号を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含される。
図1