(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記支持部材を除去する工程が、前記支持部材を透過する波長のレーザを照射することで前記支持部材を除去する請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光モジュールの製造方法。
前記配線電極は、前記基板側の表面が、Al、Ag、Pt及びRhよりなる群から選択される少なくとも一つを含む材料で構成されてなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光モジュールの製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの概略断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図3】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図4】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図5】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図6】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図7】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図8】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図9】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図10】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図11】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図12】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図13】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの製造工程を示す概略断面図である。
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図14】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの概略断面図である。
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図15】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施形態について適宜図面を参照して説明する。但し、以下に説明する形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一もしくは同等の部分又は部材を示す。
さらに以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光モジュールを例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。また、図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
【0009】
図1は、本実施形態に係る製造方法によって得られる発光モジュールの概略断面図である。
発光モジュールは、基板60と、基板60の上面に設けられる光反射性樹脂層50と、基板60の上方に光反射性樹脂層50を介して設けられる配線電極40と、配線電極40の上面に載置される発光素子20と、を備えている。
【0010】
発光素子20は、正負の素子電極21を備える電極形成面20aと、電極形成面20aと反対側の発光面と、を有する。発光素子20は、素子電極21が配線電極40の上面に対向するように、直接又はバンプ等を介してフリップチップ実装される。
【0011】
以下、発光モジュールの製造方法について、
図2〜12に示す模式断面図に基づいて詳細に説明する。
【0012】
(発光素子20を配置する工程)
図2に示すように、支持部材10上に、発光素子20を配置する。発光素子20は、電極形成面20aを上に向け、かつ発光面を下に向けた状態で配置する。発光モジュールにおいて、複数の発光素子20を所定の間隔を空けて配置してもよい。この場合、後述する配線電極40を形成する工程において、各発光素子20の素子電極21同士を配線電極40によって電気的に接続することができる。
【0013】
支持部材10は、発光素子20を載置することが可能なものである。支持部材10の形状は、特に限定されないが、上面が平坦であることが好ましい。支持部材10と発光素子20とは、接着層13により貼り合わされている。接着層13としては、例えば、VPA等を用いることができる。
【0014】
支持部材10の上面には、剥離層11として、感光性樹脂層が形成されている。剥離層11の上面には、保護層12を介して接着層13が形成されている。剥離層11は、後に、光を照射することにより、支持部材10から発光素子20を分離するためのものである。
次に、
図3に示すように、発光素子の載置領域以外の領域の接着層13をエッチングにより除去する。保護層12は、剥離層11がエッチングされるのを防ぐ役割を有している。保護層12の材料としては、金属を用いることが好ましい。保護層12の金属としては、Ti等を用いることができる。
【0015】
(被覆層30を形成する工程)
次に、支持部材上であって、発光素子20の周囲に被覆層30を形成する。被覆層30は、支持部材上に被覆層30の材料を塗布して設ける。塗布方法は、スピンコータによるスピンコート法、ディスペンサによる吐出など特に限定されない。被覆層30は、有機物で構成される部材を用いることが好ましい。これにより、後述する被覆層30を除去する工程において、エッチングにより容易に除去することができる。有機物としては、例えば、ポリイミドを用いることができる。
【0016】
例えば、被覆層30としてレジストを用いる場合は、
図4に示すように、支持部材10及び発光素子20を覆うようにレジストを設けた後、
図4に示すように、発光素子20の上方を覆う形状に形成されたマスクMを介して露光し、現像することで、
図5に示すように発光素子20の電極形成面20aが露出する開口部を形成する。
【0017】
(配線電極40を形成する工程)
次に、発光素子20の素子電極21から被覆層30の上にわたって配線電極40を形成する。配線電極は、第1金属層41及び第2金属層42を積層して形成する。
【0018】
配線電極を形成する工程においては、まず、
図6に示すように、発光素子20の素子電極21と被覆層30上の略全面に、第1金属層41をスパッタ等で形成する。第1金属層41は、後工程である第2金属層42を形成する工程において、第2金属層42を電解メッキ法で形成する際のシード層として用いられる。第1金属層41の積層構造としては、例えば、支持部材10側からAl/Ti/Cu等が挙げられる。
【0019】
次に、
図7に示すように、第1金属層41の上にレジストRを設ける。レジストRは、平面視において、素子電極21の少なくとも一部を含む開口部を有するように形成される。
【0020】
次に、
図8に示すように、レジストRの開口部内に、電解メッキ法によって第2金属層を形成する。第2金属層は、第1金属層を電解メッキのシード層、すなわち電流経路として用い、レジストの開口部内でメッキ成長させることで形成される。第2金属層としては、例えば、Cuが挙げられる。
【0021】
次に、
図9に示すように、レジストを除去すると、第2金属層が、配線電極の一部として現れる。
【0022】
続いて、
図10に示すように、エッチングにより第2金属層の一部を除去して第2金属層を薄膜化するとともに、第2金属層が形成されていない領域の第1金属層を除去する。これによって、発光素子20の素子電極21から被覆層30の上にわたって、第1金属層41と第2金属層42が積層されてなる配線電極が形成される。
【0023】
このように、配線電極は、発光素子20の素子電極21に対して形成するため、発光素子20を配置する工程において発光素子20の位置ズレが生じたとしても、配線電極40を設ける位置を調整することができる。これにより、基板上の配線電極に対して発光素子を配置する場合と比較して、発光素子20の素子電極21と配線電極40の位置ズレによる接続不良を抑制することができる。
【0024】
(光反射性樹脂層50を形成する工程)
次に、
図11に示すように、配線電極及び被覆層30の上に、光反射性樹脂層50を形成する。光反射性樹脂層50としては、例えば、酸化チタンとシリコーン樹脂が混合されたものを用いることができる。光反射性樹脂層50は、例えばトランスファーモールド、圧縮成形、ポッティング、印刷、スプレー等の方法で形成する。また、光反射性樹脂層50は、酸化チタンとシリコーン樹脂が混合された材料からなるシートを、配線電極及び被覆層30の上に貼り合わせることにより形成してもよい。
【0025】
(基板60を接合する工程)
次に、
図12に示すように、光反射性樹脂層50の上に別途準備した基板60を接合する。基板60には、ガラスやセラミック等を用いることができる。
【0026】
(支持部材10を除去する工程)
次に、
図13に示すように、レーザリフトオフ法を用いて支持部材を除去する。具体的には、支持部材を透過する波長のレーザを支持部材側から剥離層11に照射することによって、発光素子20と支持部材10とを分離する。
【0027】
(被覆層30を除去する工程)
次に、
図1に示すように、被覆層30を除去する。被覆層30の除去は、ドライエッチング等を用いることができる。剥離層11、保護層12及び接着層13とともに、被覆層30を除去することで、発光素子20の周囲に配線電極40及び光反射性樹脂層が露出する。
このようにして、発光モジュール100を得ることができる。発光モジュール100は、配線電極40の上面と、配線電極40の周囲に設けられる光反射性樹脂層50の上面とは、同一面を形成している。
【0028】
以下、発光モジュールの各構成要素について説明する。
【0029】
(基板60)
基板60は、上面に光反射性樹脂層50を形成することが可能なものであれば、その形状は特に限定されないが、上面が平坦であることが好ましい。基板60は、絶縁性のものを用いることができ、例えば、ガラスやセラミック等を用いることが好ましい。
【0030】
(光反射性樹脂層50)
光反射性樹脂層50は、基板60の上面に配置されている。光反射性樹脂層50を発光素子20と基板との間に設けることで、発光素子20から基板60側に向かう光を導光板側へ反射させることができる。
【0031】
光反射性樹脂層50は、発光素子20から出射される光に対して60%以上の反射率を有し、好ましくは90%以上の反射率を有する。光反射性樹脂層は、白色の顔料等を含有させた樹脂であることが好ましい。特に、酸化チタンを含有させたシリコーン樹脂が好ましい。これにより、基板60の一面を被覆するために比較的大量に用いられる材料として酸化チタンのような安価な原材料を多く用いることで、発光モジュールを安価にすることができる。
【0032】
(配線電極40)
配線電極40は、発光素子20の素子電極21と電気的に接続される。配線電極40を設けることにより、例えば複数の発光素子20同士を電気的に接続することができ、ローカルディミング等に必要な回路を容易に形成することができる。
【0033】
配線電極40の材料としては、電気抵抗が低い材料が好ましく、Cu、Au及びAlよりなる群から選択される少なくとも一つを含むものが挙げられる。なかでも、Cuを用いることが好ましい。また、配線電極40は、基板側の表面が発光素子20からの光に対する反射率が高い材料で構成されていることが好ましく、Al、Ag、Pt、Rhよりなる群から選択される少なくとも一つを含むものが挙げられる。なかでも、発光素子20からの光に対して反射率の高いAl、Ag又はこれらの金属を含む合金が好ましい。特に、Alは、発光素子20からの光に対する反射性の他、配線回路として必要である導電性にも優れているため好ましい。配線電極40の厚みは特に限定されるものではないが、例えば、0.1μm〜5μm程度である。
【0034】
(発光素子20)
発光素子20は、一対の電極を同じ面側に設けている。発光素子20は、窒化物半導体等から構成される既知の半導体発光素子を適用できる。また、発光素子20は、所望の発光色を得るために任意の波長のものを選択することができる。
【0035】
発光素子20としては、様々な発光波長の発光ダイオードを利用することができる。また、所望の発光色を得るために、後述する蛍光体と組み合わせてもよい。特に、白色の発光を得るには、青色を発光する窒化物半導体発光素子と、青色光を吸収して黄色光や緑色光や赤色光を発する蛍光体とを組み合わせることが好ましい。
【0036】
(光反射性部材70)
図14に示すように、発光モジュール100は、光反射性樹脂層及び配線電極40の上であって、発光素子20の周囲に光反射性部材70を設けてもよい。光反射性部材70によって発光素子20の電極形成面20aおよび側面を覆うことにより、光の利用効率を向上させ得る。また、互いに隣接する発光素子20間に光反射性部材70を配置し得るので、複数の発光素子のうちの一部の発光素子を選択的に発光させた場合に、発光領域からの非発光領域への光の漏れを抑制し得る。
【0037】
図15に示すように、発光素子20の上方に透光性部材80と、波長変換部材90とをさらに設けてもよい。
【0038】
(透光性部材80)
透光性部材80は、発光素子20と後述する波長変換部材90との間に設けることが好ましい。これにより、発光素子20から出射された光を効率良く波長変換部材90に入射させることができる。透光性部材80としては、透明樹脂、ガラス等を用いることができる。透明樹脂としては、耐久性、成形のしやすさ等の観点から、シリコーン樹脂等を用いることが好ましい。
【0039】
(波長変換部材90)
波長変換部材90は、透光性部材80の上面に配置されている。波長変換部材90は、発光素子20からの光を吸収して他の波長の光を発光することが可能な蛍光体を含む。これにより、発光モジュール100は、発光素子20からの光と波長変換部材90で波長変換された光との混色光、例えば、白色光を外部に出射することができる。発光素子20の種類及び蛍光体の種類を選択することにより、出射光の色を適宜調整することができる。
【0040】
図15に示すように、発光モジュール100においては、複数の発光素子20に対して1つの透光性部材80及び波長変換部材90が設けられている。これにより、大面積の面状発光が可能な発光モジュール100を構成することができる。なお、透光性部材80及び波長変換部材90は、発光素子20毎に設けてもよい。