特許第6758051号(P6758051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6758051液状エポキシ樹脂組成物、半導体封止剤、および半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758051
(24)【登録日】2020年9月3日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】液状エポキシ樹脂組成物、半導体封止剤、および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   C08L 63/00 20060101AFI20200910BHJP
   C08G 59/50 20060101ALI20200910BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20200910BHJP
   C08L 21/00 20060101ALI20200910BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20200910BHJP
   C08K 5/54 20060101ALI20200910BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20200910BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   C08L63/00 A
   C08L63/00 C
   C08G59/50
   C08L83/04
   C08L21/00
   C08K3/013
   C08K5/54
   H01L23/30 R
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-29490(P2016-29490)
(22)【出願日】2016年2月19日
(65)【公開番号】特開2017-145357(P2017-145357A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年2月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】591252862
【氏名又は名称】ナミックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148219
【弁理士】
【氏名又は名称】渡會 祐介
(72)【発明者】
【氏名】上村 剛
(72)【発明者】
【氏名】細野 洋平
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−272824(JP,A)
【文献】 特開2012−082281(JP,A)
【文献】 特開2006−282824(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/013326(WO,A1)
【文献】 特開2007−182560(JP,A)
【文献】 特開2002−146160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 63/00−63/10
C08G 59/50−59/60
H01L 23/29
H01L 23/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、および(C)一般式(1):
【化4】
(式中、nは1〜200である)で表されるジメチルポリシロキサンを、エポキシで変性したものを含み、
(C)成分が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、0.01〜0.30質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項2】
(D)ゴム粒子を含む、請求項1の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項3】
(E)無機充填剤を含む、請求項1または2記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項4】
(F)シランカップリング剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項記載の液状エポキシ樹脂組成物を用いる、半導体封止剤。
【請求項6】
請求項5記載の半導体封止剤の硬化物を有する、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状エポキシ樹脂組成物、半導体封止剤、および半導体装置に関し、特に、クリーピング抑制に優れる液状エポキシ樹脂組成物、この液状エポキシ樹脂組成物を用いる半導体封止剤、および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体装置には、半導体チップの電極と基板の配線との接合に、主に鉛フリーはんだが使用されている。ここで、半導体チップは、信頼性保持等のために、エポキシ樹脂を主成分とする半導体封止剤で封止されている。
【0003】
従来、エポキシ樹脂組成物の硬化剤として、フェノール系が主として使用されていた。しかし、現在、半導体装置の接合に使用されている鉛フリーはんだは、融点が高い、硬い、靱性が高い、という特徴がある。エポキシ樹脂組成物を、これらの特性を有する鉛フリーはんだに対応させるためには、ガラス転移点(Tg)を高くさせる必要があり、フェノール系硬化剤で対応させることは困難である。
【0004】
エポキシ樹脂組成物のTgを高くさせる方法として、アミン系硬化剤を使用することが考えられる。しかしながら、アミン系硬化剤は、耐湿性、耐サーマルサイクル性に優れるものの、硬化速度が遅いため、半導体封止剤として半導体チップに塗布した後、エポキシ樹脂組成物が硬化する前に、半導体チップ上にエポキシ樹脂が這い上がるクリーピングという現象が発生しやすい、という問題がある。
【0005】
図1に、クリーピングの発生を説明するための模式図を示す。図1の左図では、基板と半導体チップであるSiダイが、バンプで接続されている。なお、図1の左図では、基板とSiダイは、半導体封止剤の濡れ性を改善するため、プラズマ処理される。図1の中央図では、Siダイの周囲に、半導体封止剤の1種であるアンダーフィル剤(CUF)をディスペンスし、基板とSiダイ間に、アンダーフィル剤を表面張力等で侵入させる。その後、図1の右図に示すように、アンダーフィル剤を加熱硬化させるときに、アンダーフィル剤がSiダイの上部に這い上がるクリーピングが発生する。
【0006】
本発明者らは、アミン系硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物のクリーピングを抑制するため、エポキシ樹脂組成物にジメチルポリシロキサンを添加することを検討した。ここで、エポキシ樹脂へのジメチルポリシロキサンの添加としては、フェノール樹脂100重量部に対し、所定のシリコーン重合体100重量部以下を予め加熱溶融させた混融物を、エポキシ樹脂100重量部に対しシリコーン重合体4〜30を配合し溶融混練することを特徴とするエポキシ樹脂成形材料の製造法が、報告されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平05−194714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記エポキシ樹脂成形材料の製造法は、フェノール樹脂を使用しているため、上述のように、エポキシ樹脂のTgが低く、鉛フリーはんだを使用する半導体装置に使用しにくい、という問題がある。
【0009】
本発明は、エポキシ樹脂のTgを高くし、耐湿性、耐サーマルサイクル性に優れるアミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の構成を有することによって上記問題を解決した液状エポキシ樹脂組成物、半導体封止剤、および半導体装置に関する。
〔1〕(A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、および(C)一般式(1):
【0011】
【化1】
【0012】
(式中、nは1〜200である)で表されるジメチルポリシロキサン、または一般式(1)で表されるジメチルポリシロキサンを、エポキシで変性したものを含み、
(C)成分が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、0.01〜0.30質量部であることを特徴とする、液状エポキシ樹脂組成物。
【発明の効果】
【0013】
本発明〔1〕によれば、アミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物を提供することができる。
【0014】
本発明〔5〕によれば、アミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物による半導体封止剤を得ることができる。本発明〔6〕によれば、アミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる液状エポキシ樹脂組成物により、高信頼性の半導体装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】クリーピングの発生を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の液状エポキシ樹脂組成物(以下、樹脂組成物という)は、(A)エポキシ樹脂、(B)アミン系硬化剤、および(C)一般式(1):
【0017】
【化2】
【0018】
(式中、nは1〜200である)で表されるジメチルポリシロキサンを含み、
(C)成分が、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、0.01〜0.30質量部であることを特徴とする。
【0019】
(A)成分は、樹脂組成物に、接着性、硬化性を付与し、硬化後の樹脂組成物に、耐久性、耐熱性を付与する。(A)成分としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状脂環式エポキシ樹脂、液状アルコールエーテル型エポキシ樹脂、液状環状脂肪族型エポキシ樹脂、液状フルオレン型エポキシ樹脂、液状シロキサン系エポキシ樹脂等が挙げられ、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂が、接着性、硬化性、耐久性、耐熱性の観点から好ましい。また、エポキシ当量は、粘度調整の観点から、80〜250g/eqが好ましい。市販品としては、新日鐵化学製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF8170)、DIC製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(品名:EXA−850CRP)、新日鐵化学製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF870GS)、DIC製ナフタレン型エポキシ樹脂(品名:HP4032D)、三菱化学製アミノフェノール型エポキシ樹脂(グレード:JER630、JER630LSD)、モメンティブ・パフォーマンス製シロキサン系エポキシ樹脂(品名:TSL9906)、新日鐵化学株式会社製1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(品名:ZX1658GS)等が、挙げられる。(A)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
【0020】
(B)成分であるアミン系硬化剤としては、エポキシ基と付加反応しうる活性水素を分子内に1個以上有するものであればよく、特に限定されない。アミン化合物としては、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン等の脂肪族アミン化合物;4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリン等の芳香族アミン化合物;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾリン、2−メチルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン等のイミダゾリン化合物等が挙げられる。(B)成分としては、反応性、信頼性の観点から、ジエチルトルエンジアミン、ジメチルチオトルエンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタンが、好ましい。
【0021】
(B)成分の市販品としては、三洋化成工業製アミン系硬化剤(商品名:T−12)、日本化薬製アミン4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(品名:カヤハードAA)等が、挙げられる。(B)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
【0022】
(C)成分は、一般式(1):
【化3】
【0023】
(式中、nは1〜200である)で表されるジメチルポリシロキサンであり、樹脂組成物のクリーピングを抑制する。なお、(C)成分は、一般式(1)で表されるジメチルポリシロキサンを、エポキシで変性したものであってもよい。(C)成分の市販品としては、信越シリコーン製ジメチルシリコーンオイル(品名:KF69)が挙げられる。ジメチルポリシロキサンをエポキシで変性したものの市販品としては、東レダウシリコーン製エポキシ変性シリコーンオイル(品名:SF8421)が、挙げられる。
【0024】
(A)成分は、良好な反応性、信頼性の観点から、(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、60〜90質量部であると好ましく、65〜80質量部であると、より好ましい。
【0025】
(B)成分は、良好な反応性、信頼性の観点から、(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、10〜40質量部であると好ましく、20〜35質量部であると、より好ましい。
【0026】
(C)成分は、クリーピングを抑制する観点から、(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、(C)成分が0.01〜0.30質量部であり、0.02〜0.10質量部であると、より好ましい。
【0027】
また、(C)成分は、(A)成分と(B)成分との合計100質量部に対して、(C)成分が0.01〜0.30質量部であり、0.02〜0.10質量部であると、より好ましい。ここで、樹脂組成物は、硬化時の質量減少が約1〜2質量%と少ないため、硬化物中での好ましい(C)成分の含有量は、樹脂組成物中での含有量と同様である。ここで、(C)成分の定量分析は、質量分析法で行う。
【0028】
樹脂組成物は、さらに、(D)ゴム粒子を含むと好ましい。(D)成分は、樹脂組成物に弾性を付与する。ゴム粒子は、特に限定されないが、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレンが、好ましい。(D)成分の市販品としては、カネカ製液状マスターバッチ(品名:カネエースMX−965、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に、25質量%のコアシェルゴムを単一分散させたもの)等が、挙げられる。
【0029】
樹脂組成物は、さらに、(E)充填剤を含むと好ましい。(E)成分により、樹脂組成物の線膨張係数を制御することができる。(E)成分としては、コロイダルシリカ、疎水性シリカ、微細シリカ、ナノシリカ等のシリカフィラー、アクリルビーズ、ガラスビーズ、ウレタンビーズ、ベントナイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が、挙げられる。また、(E)成分の平均粒径(粒状でない場合は、その平均最大径)は、特に限定されないが、0.05〜50μmであることが、樹脂組成物中に充填剤を均一に分散させるうえで好ましく、また、樹脂組成物を半導体封止剤として使用する際に、注入性に優れる等の理由から好ましい。0.01μm未満だと、樹脂組成物の粘度が上昇して、半導体封止剤として使用した際に注入性が悪化するおそれがある。50μm超だと、樹脂組成物中に充填剤を均一に分散させることが困難になるおそれがある。(E)成分の平均粒径は、0.1〜30μmであると、より好ましい。市販品としては、アドマテックス製高純度合成球状シリカ(品名:SO−E5、平均粒径:2μm;品名:SO−E2、平均粒径:0.6μm;SE2200−SEE、平均粒径:0.6μm)、デンカ製シリカ(品名:FB7SDX、平均粒径:7μm)、龍森製シリカ(品名:MSV−25G、平均粒径:29μm)等が、挙げられる。ここで、充填剤の平均粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分析計により測定する。(E)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
【0030】
樹脂組成物は、さらに、(F)成分であるシランカップリング剤を含有すると、密着性の観点から好ましく、(F)成分としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、密着性の観点から好ましい。市販品としては、信越化学工業製シランカップリング剤(品名:KBM403、KBE903、KBE9103)等が、挙げられる。(F)成分は、単独でも2種以上を併用してもよい。
【0031】
(D)成分は、樹脂組成物への適正な弾性付与の観点から、(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、0.5〜25質量部であると好ましく、1〜20質量部であると、より好ましい。
【0032】
(E)成分は、樹脂組成物の熱膨張率と注入性の観点から、(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、40〜450質量部であると好ましく、50〜350であると、より好ましい。
【0033】
また、(E)成分は、樹脂組成物の硬化後の(A)成分と(B)成分との合計:100質量部に対して、40〜450質量部であると好ましく、50〜350であると、より好ましい。ここで、樹脂組成物は、硬化時の質量減少が約1〜2質量%と少ないため、硬化物中での好ましい(E)成分の含有量は、樹脂組成物中での含有量と同様である。ここで、(E)成分の定量分析は、質量分析法で行う。
【0034】
(F)成分は、樹脂組成物:100質量部に対して、好ましくは0.03〜15質量部、より好ましくは0.1〜10質量部含有される。0.03質量部以上であると、密着性が向上し、15質量部以下であると、樹脂組成物の発泡が抑制される。
【0035】
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、更に必要に応じ、カーボンブラック等の着色剤、消泡剤、硬化促進剤、レベリング剤、イオントラップ剤、難燃剤、その他の添加剤等を配合することができる。
【0036】
本発明の樹脂組成物は、例えば、(A)成分〜(C)成分およびその他添加剤等を同時にまたは別々に、必要により加熱処理を加えながら、撹拌、溶融、混合、分散させることにより得ることができる。これらの混合、撹拌、分散等の装置としては、特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えたライカイ機、3本ロールミル、ボールミル、プラネタリーミキサー、ビーズミル等を使用することができる。また、これら装置を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、温度:25℃での粘度が250Pa・s以下であると、注入性の観点から好ましい。ここで、粘度は、ブルックフィールド製HB型粘度計で測定する。
【0038】
本発明の樹脂組成物は、ディスペンサー、印刷等で、基板や光半導体等の電子部品の所望の位置に形成・塗布される。ここで、樹脂組成物を半導体封止剤として使用する場合には、半導体チップと基板間を埋めるように形成する。
【0039】
本発明の樹脂組成物の硬化は、80〜200℃で0.2〜6時間で硬化させることが好ましい。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂のTgを高くし、耐湿性、耐サーマルサイクル性に優れるアミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる。この樹脂組成物は、半導体封止剤として適している。また、Tgを高くし、耐湿性、耐サーマルサイクル性に優れるアミン硬化剤を使用し、クリーピングが抑制された樹脂組成物を用いる半導体封止剤の硬化物を含む半導体装置は、高信頼性である。
【実施例】
【0041】
本発明について、実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部、%はことわりのない限り、質量部、質量%を示す。
【0042】
実施例、比較例では、
(A)成分として、新日鐵化学製ビスフェノールF型エポキシ樹脂(品名:YDF8170)を、
(B)成分として、日本化薬製アミン4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(品名:カヤハードAA)を、
(C)成分として、信越シリコーン製ジメチルシリコーンオイル(品名:KF69)、東レダウシリコーン製エポキシ変性シリコーンオイル(品名:SF8421)を、
(D)成分として、カネカ製液状マスターバッチ(品名:カネエースMX−965、ビスフェノールF型エポキシ樹脂に、25質量%のコアシェルゴムを単一分散させたもの)を、
(E)成分として、アドマテックス製シリカフィラー(品名:アドマファインSE2200−SEE、平均粒径:0.6μm)を、
使用した。
【0043】
〔実施例2、4、比較例1、参考例1、2
表1に示す配合で原料を混合した後、室温で3本ロールミルを用いて分散し、液状エポキシ樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」という)を作製した。作製した樹脂組成物は、すべて液状であった。
【0044】
〔クリーピングの評価〕
プリント基板(FR4基板)上に、幅:10mm、長さ:10mm、高さ:0.6mmのSiチップが搭載された試料を準備し、Siチップにプラズマ処理を行った。作製した樹脂組成物を、試料のSiチップの周囲に、ディスペンサーを用いて常温で塗布した後、2〜3時間放置した。放置後の試料を、90℃のホットプレートで2時間加熱した後、150℃の乾燥機で2時間硬化させた。硬化後の試料を、金属顕微鏡を用い、5倍で観察し、クリーピングの距離を測定した。クリーピングの距離が300μm未満の場合を「○」、300μm以上の場合を「×」とした。表1に、結果を示す。
【0045】
〔粘度の評価〕
作製後、24時間以内の樹脂組成物の粘度を、ブルックフィールド社製HB型粘度計を用い、スピンドル:SC4−14、回転数:50rpm、温度:25℃で、測定した。粘度は、250Pa・s以下の場合を「○」、250Pa・sを超える場合を「×」とした。であると、好ましい。表1に、結果を示す。
【0046】
【表1】
【0047】
表1からわかるように、実施例2、4の全てで、クリーピング、粘度の結果が○であった。これに対して、(C)成分を含有しない比較例1は、クリーピングの結果が×であった。
【0048】
上記のように、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂のTgを高くし、耐湿性、耐サーマルサイクル性に優れるアミン系硬化剤を使用し、かつクリーピングを抑制することができる。
図1