特許第6758754号(P6758754)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758754
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】食用油脂組成物
(51)【国際特許分類】
   A23D 9/00 20060101AFI20200910BHJP
   A23D 9/007 20060101ALI20200910BHJP
   A23L 35/00 20160101ALI20200910BHJP
【FI】
   A23D9/00 506
   A23D9/007
   A23L35/00
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-83296(P2016-83296)
(22)【出願日】2016年4月19日
(65)【公開番号】特開2017-192318(P2017-192318A)
(43)【公開日】2017年10月26日
【審査請求日】2019年3月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227009
【氏名又は名称】日清オイリオグループ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽
(72)【発明者】
【氏名】疋田 久史
【審査官】 伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−062160(JP,A)
【文献】 特開2012−055172(JP,A)
【文献】 特開2011−055825(JP,A)
【文献】 特開2009−100734(JP,A)
【文献】 特許第5168749(JP,B2)
【文献】 特開2011−120543(JP,A)
【文献】 特開2013−236549(JP,A)
【文献】 特開昭49−030244(JP,A)
【文献】 特開平04−039397(JP,A)
【文献】 特開2004−254588(JP,A)
【文献】 特開平04−320645(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/063794(WO,A1)
【文献】 日本食品科学工学会誌, 2012, Vol.59, No.7, pp.301-318
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23D 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である、菜種油、高オレイン酸菜種油、から選ばれる1種以上の油脂を60質量%以上含み、トコフェロール類およびトコトリエノール類の合計含有量が3〜10質量%である米ぬか油抽出物を0.01〜0.04質量%含む食用油脂組成物(ただし、部分水素添加油を含む態様を除く)
【請求項2】
5質量%以上のコーン油を含む、請求項に記載の食用油脂組成物。
【請求項3】
加熱調理用である、請求項1または2に記載の食用油脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜の何れか1項に記載の食用油脂組成物を含む食品。
【請求項5】
構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である、菜種油、高オレイン酸菜種油、から選ばれる1種以上の油脂を60質量%以上含む食用油脂(ただし、部分水素添加油を含む態様を除く)の加熱臭を改善する方法であって、
前記食用油脂に、トコフェロール類およびトコトリエノール類の合計含有量が3〜10質量%である米ぬか油抽出物を0.01〜0.04質量%含有させる、前記方法。
【請求項6】
構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である、菜種油、高オレイン酸菜種油、から選ばれる1種以上の油脂を60質量%以上含む食用油脂に、トコフェロール類およびトコトリエノール類の合計含有量が3〜10質量%である米ぬか油抽出物を添加し、その含有量が0.01〜0.04質量%となるように調整する、請求項1〜の何れか1項に記載の食用油脂組成物(ただし、部分水素添加油を含む態様を除く)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食用油脂組成物、特に加熱調理に適した食用油脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
食用油脂の主な用途は、揚げ物、炒め物等の加熱調理であり、加熱調理の際に生じる臭気(加熱臭)の抑制が、家庭用業務用を問わず作業環境改善の面で求められて来た。また、消費者の嗜好としても、あっさりとした風味が好まれる傾向にある。加熱調理に使用される食用油脂は、精製工程の改善により、より雑味が取り除かれている。また、近年では、酸化安定性に強く加熱臭の少ない高オレイン酸系の植物油脂が市場に浸透している。
【0003】
食用油脂の加熱臭を抑制するために、例えば、高温での脱臭が行われうる。しかしながら、高温での脱臭は、健康に良くないとされるトランス脂肪酸を生じるので、好ましくない。特開2007−14263号公報には、薄膜式カラムを用いた精製処理とトレイ式装置を用いた精製処理とを組み合わせて、全構成脂肪酸中のトランス脂肪酸含量が1質量%以下の油脂を精製する工程が開示されている。しかしながら、上記工程は複雑であり、コストが高い。
【0004】
また、食用油脂の加熱臭を抑制するために、各種の添加剤が用いられる。国際公開第2001/096506号には、アスコルビン酸、エリソルビン酸及びリンゴ酸の中から選ばれた少なくとも1種の有機酸を2〜28ppm含有する、加熱臭が改善された油脂が開示されている。しかしながら、有機酸は熱分解が速く、効果が持続しない。また、特開2009−50234号公報には、0.1〜10.0ppmのリン分を含有する加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物が開示されている。しかしながら、当該組成物は、加熱臭を改善する効果に乏しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−14263号公報
【特許文献2】国際公開第2001/096506号
【特許文献3】特開2009−50234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、食用油脂の加熱臭を効果的に抑制する簡便な方法の開発が望まれていた。
【0007】
解決しようとする課題は、食用油脂の加熱臭を抑制する簡便な方法を開発することである。また、加熱臭の抑制された食用油脂を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、食用油脂が極微量の米ぬか油抽出物を含有することにより、本課題が解決できることが見いだされた。これにより、本発明が完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は以下を提供する。
(1)0.001〜0.1質量%の米ぬか油抽出物を含む食用油脂組成物。
(2)構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂を含む、(1)の食用油脂組成物。
(3)5質量%以上のコーン油を含む、(1)または(2)の食用油脂組成物。
(4)前記米ぬか油抽出物の、トコフェロール類およびトコトリエノール類の合計含有量が1質量%以上である、(1)〜(3)の何れか1つの食用油脂組成物。
(5)加熱調理用である、(1)〜(4)の何れか1つの食用油脂組成物。
(6)(1)〜(5)の何れか1つの食用油脂組成物を含む食品。
(7)食用油脂に0.001〜0.1質量%の米ぬか油抽出物を含有させる、食用油脂の加熱臭を改善する方法。
(8)食用油脂に米ぬか油抽出物を添加し、その含有量が0.001〜0.1質量%となるように調整する、(1)〜(5)の何れか1つの食用油脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、食用油脂の加熱臭を抑制する簡便な方法提供する。また、本発明は、加熱臭の抑制された、また、風味のよい、食用油脂組成物および当該食用油脂組成物の製造方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の食用油脂組成物は、米ぬか油抽出物を含有する。本発明の米ぬか油抽出物は、米ぬかから抽出された米ぬか油(米ぬか粗油)を精製する際に副生する、ソーダ油滓や脱臭スカムから得られる、不けん化物の濃縮物である。本発明の米ぬか油抽出物の製造方法は、特に制限されない。米ぬか油抽出物は、アルカリ脱酸工程で副生するソーダ油滓または脱臭工程で副生する脱臭スカムから、例えば、溶剤抽出、クロマト分離、蒸溜、その他の方法により回収される。より具体的には、米ぬか油抽出物は、例えば、アルカリ液により更にけん化されたソーダ油滓から、溶剤により抽出できる。また、米ぬか油抽出物は、例えば、遊離脂肪酸がアルカリ脱酸された脱臭スカムから、溶剤により抽出できる。溶剤は、ヘキサン、アセトン、及びエタノールから選ばれる1種以上を使用してもよく、好ましくはヘキサンである。溶剤抽出され、脱溶剤された米ぬか油抽出物は、脱色・脱臭等により精製されてもよい。本発明の米ぬか油抽出物は、好ましくは、脱臭スカムを原料として得られる。なお、脱ガム油滓から得られるレシチンは、本発明の米ぬか油抽出物ではない。
【0012】
本発明の米ぬか油抽出物は、ステロール類を合計で、好ましくは20質量%以上含有し、より好ましくは25〜50質量%含有する。上記ステロール類は、コレステロールまたはコレスタノールに類似した化合物の総称である。具体例としては、β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール等のステロール、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルタノール等のトリテルペンアルコール、及びそれらの脂肪酸エステルが挙げられる。しかし、その成分および含有量は限定されない。本発明の米ぬか油抽出物は、また、トコフェロール類及びトコトリエノール類を合計で、好ましくは1質量%以上含有し、より好ましくは3〜10質量%含有し、さらに好ましくは4〜8質量%含有する。トコフェロール類は、α−、β−、γ−、δ−の各トコフェロールの総称であり、トコトリエノール類は、α−、β−、γ−、δ−の各トコトリエノールの総称である。
【0013】
本発明の食用油脂組成物は、上記米ぬか油抽出物を0.001〜0.1質量%含有する。本発明の食用油脂組成物は、米ぬか油抽出物を極微量に含有するので、米ぬか油抽出物由来の臭いがほとんど感じられない程度、或いは感じられない程度でありながら、食用油脂組成物の加熱臭が抑制される。本発明の食用油脂組成物における米ぬか油抽出物の含有量は、好ましくは0.006〜0.06質量%であり、より好ましくは0.01〜0.04質量%である。なお、本発明における加熱臭の抑制は、食用油脂組成物の加熱時に生じる不快な臭いの抑制を意味し、必ずしも揮発成分の量の抑制を意味しない。
【0014】
本発明の食用油脂組成物は、0.001〜0.1質量%の米ぬか油抽出物を含有する以外、通常、食用に供される油脂(食用油脂)を使用できる。食用油脂としては、例えば、菜種油、高オレイン酸菜種油、大豆油、高オレイン酸大豆油、コーン油、綿実油、紅花油、高オレイン酸紅花油、オリーブ油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、パーム油、胡麻油、紫蘇油、えごま油、亜麻仁油、ぶどう油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、かぼちゃ油、くるみ油、椿油、茶油、ボラージ油、小麦胚芽油、パーム核油、ヤシ油等の植物油脂、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物油脂、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)等の合成脂、及びこれらの硬化油、分別油あるいはエステル交換油が挙げられる。上記食用油脂は、1種類で使用されてもよいし、2種類以上の組み合せで使用されてもよい。なお、米ぬか油は使用されてもよいが、本発明の食用油脂組成物に占める米ぬか油の含有量は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは0〜10質量%である。また、硬化油は、水素添加臭を有するので、好ましくは、使用しないか、極度硬化して使用する。本発明の食用油脂組成物に占める硬化油の含有量は、好ましくは30質量%以下であり、より好ましくは0〜10質量%である。
【0015】
本発明の食用油脂組成物に含まれる食用油脂は、好ましくは、構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂を含む。構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂としては、例えば、菜種油、高オレイン酸菜種油、高オレイン酸大豆油、高オレイン酸紅花油、高オレイン酸ひまわり油、オリーブ油、パーム油分別軟質油等が挙げられる。構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂は、常温(20℃)で流動性があり、比較的加熱臭が弱いので、本発明の効果をより顕著に得やすい。構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂は、好ましくは、菜種油、高オレイン酸菜種油、及びパーム油分別軟質油から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、高オレイン酸菜種油、パーム油分別軟質油から選ばれる1種以上である。なお、パーム油分別軟質油は、パーム油ないしパーム油由来の分別油を、分別して得られる液状部であり、例として、パームオレイン、パームスーパーオレイン、パームトップオレイン等が挙げられる。
【0016】
上記構成脂肪酸全体に占めるオレイン酸の含有量が40質量%以上である油脂の、本発明の食用油脂組成物に占める含有量は、好ましくは40質量%以上であり、より好ましくは60質量%以上である。含有量の上限は特に限定されないが、食用油脂組成物の全量(100質量%)から米ぬか油抽出物の含有量を引いた値が、実際上の上限となる。
【0017】
本発明の食用油脂組成物に含まれる食用油脂は、好ましくはコーン油を含む。食用油脂組成物がコーン油を含有すると、米ぬか油抽出物の加熱臭抑制効果がより強められる。本発明の食用油脂組成物に占めるコーン油の含有量は、好ましくは5質量%以上であり、より好ましくは10〜50質量%であり、さらに好ましくは15〜40質量%である。
【0018】
本発明の食用油脂組成物の製造方法は、特に制限はない。例えば、1種または2種以上の食用油脂と米ぬか油抽出物とが混合され、米ぬか油抽出物の含有量が0.001〜0.1質量%となるように、調製されればよい。
【0019】
本発明の食用油脂組成物は、本発明の構成および特徴を損なわない限りにおいて、必要に応じて通常の食用油脂に用いられる添加剤を適宜添加することができる。具体的には、保存安定性向上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温下での結晶析出抑制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエンザイムQ、オリザノール、ジグリセリド、シリコーン、トコフェロール、レシチン、着色料、及び香料等が挙げられる。添加剤の添加量は食用油脂100質量%に対して、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
【0020】
本発明の食用油脂組成物は、加熱調理時の加熱臭が抑制されるので、食品の加熱調理用に適している。本発明の食用油脂組成物は、例えば、素揚げ、から揚げ、フライ、フリッター、天ぷら等の揚げ物、及び炒め物等の加熱調理、もしくは、食材の表面にコーティングしてオーブン等で輻射乃至対流加熱する加熱調理に好適に使用できる。
【0021】
次に、本発明の食用油脂組成物を使用した食品について説明する。本発明の食用油脂組成物を使用した、本発明の食用油脂組成物を含む食品は、具体例としては、例えば、素揚げ、から揚げ、竜田揚げ、カツ、コロッケ、フライ、ナゲット、フリッター、天ぷら、ドーナツ、せんべい、あられ、かりんとう、パン、ケーキ、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレークス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ、バターピーナツ、及びスナック菓子等が挙げられる。本発明の食用油脂組成物を使用して加熱調理された、本発明の食用油脂組成物を含む食品は、また、風味も改善され、嗜好性が向上するという効果も有する。
【0022】
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されない。
【実施例】
【0023】
実施に際しては、以下の素材が使用された。
(米ぬか油抽出物)
米ぬか油抽出物A(商品名:ライステロールエステル、築野食品工業(株)製、ステロール類含有量80質量%以上、トコフェロール類及びトコトリエノール類含有量0.03質量%)
米ぬか油抽出物B(商品名:ライストリエノール、築野食品工業(株)製、ステロール類含有量32.7質量%、トコフェロール類及びトコトリエノール類含有量6.9質量%)
(その他添加剤)
植物ステロール(商品名:フィトステロール−FK、タマ生化学(株)製、ステロール類含有量90質量%以上、大豆油および菜種油の油滓由来)
レシチン(商品名:ライスレシチン、築野食品工業(株)製)
【0024】
(食用油脂)
大豆油(商品名:日清大豆白絞油、日清オイリオグループ(株)製、オレイン酸含有量23.7質量%)
菜種油(商品名:日清キャノーラ油、日清オイリオグループ(株)製、オレイン酸含有量61.8質量%)
高オレイン酸菜種油(商品名:日清キャノーラ油ヘルシーライト、日清オイリオグループ(株)製、オレイン酸含有量73.4質量%)
コーン油(商品名:日清コーン油、日清オイリオグループ(株)製、オレイン酸含有量29.0質量%)
パームスーパーオレイン(日清オイリオグループ(株)社内製、オレイン酸含有量47.2質量%)
綿実油(商品名:日清綿実油、日清オイリオグループ(株)製、オレイン酸含有量21.7質量%)
【0025】
<加熱臭の評価1>
表1の配合に従って、実施例1〜3及び比較例1〜2の食用油脂組成物が調製された。すなわち、ベース油脂と添加剤とが混合され、表中の添加剤の含有量に調製された。それぞれのベース油脂を対照として、180℃に加熱した時の加熱臭が評価された。加熱臭の評価は、10名の専門パネラーにより、以下の方法に基づいて行われた。結果は、表1に示される。
【0026】
(加熱臭の評価方法)
各パネラーが以下の評価基準に従って、評点した。各パネラーの評点の平均値が算出され、平均値により、×、△、○、◎及び◎◎で最終評価された。

評価基準
対照と比較して、加熱臭が顕著に少なく感じられ、非常に良好 5点
対照と比較して、加熱臭が少なく感じられ、良好 4点
対照と比較して、やや加熱臭が少なく感じられ、良好 3点
対照と比較して、差がない 2点
対照と比較して、米油の風味など異臭が感じられる 1点

◎◎ 評価点の平均値が4.4点以上5点以下
◎ 評価点の平均値が3.7点以上4.4点未満
○ 評価点の平均値が3点以上3.7点未満
△ 評価点の平均値が2点以上3点未満
× 評価点の平均値が1点以上2点未満
【0027】
【表1】
【0028】
<加熱臭の評価2>
表2の配合に従って、実施例4〜8の食用油脂組成物が、<加熱臭の評価1>と同様に調製された。それぞれのベース油脂を対照として、180℃に加熱した時の加熱臭が、<加熱臭の評価1>と同様に評価された。結果は、表2に示される。
【0029】
【表2】
【0030】
<加熱臭の評価3>
表3の配合に従って、実施例9〜11及び比較例3〜4の食用油脂組成物が、<加熱臭の評価1>と同様に調製された。それぞれのベース油脂を対照として、180℃に加熱した時の加熱臭が、<加熱臭の評価1>と同様に評価された。結果は、表3に示される。
【0031】
【表3】
【0032】
<加熱臭および調理品の評価>
表4の配合に従って、実施例12及び比較例5の食用油脂組成物が、<加熱臭の評価1>と同様に調製された。それぞれのベース油脂を対照として、180℃に加熱した時の加熱臭が、<加熱臭の評価1>と同様に評価された。また、実施例12及び比較例5の食用油脂組成物を使用して、それぞれのベース油脂を対照として、コロッケが揚げられた。コロッケの風味評価は、10名の専門パネラーにより、以下の方法に基づいて行われた。結果は、表4に示される。
【0033】
(コロッケの風味評価方法)
各パネラーが以下の評価基準に従って、評点した。各パネラーの評点の平均値が算出され、平均値により、×、△、○、◎及び◎◎で最終評価された。

評価基準
対照と比較して、コク味があり、非常に良好 5点
対照と比較して、コク味があり、良好 4点
対照と比較して、コク味がややあり、良好 3点
対照と比較して、差がない 2点
対照と比較して、好ましくない異味が感じられる 1点

◎◎ 評価点の平均値が4.4点以上5点以下
◎ 評価点の平均値が3.7点以上4.4点未満
○ 評価点の平均値が3点以上3.7点未満
△ 評価点の平均値が2点以上3点未満
× 評価点の平均値が1点以上2点未満
【0034】
【表4】