特許第6758839号(P6758839)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ラム リサーチ コーポレーションの特許一覧

特許6758839基板処理システムにおいてハードマスクとして使用する非晶質炭素およびシリコン膜の金属ドーピング
<>
  • 特許6758839-基板処理システムにおいてハードマスクとして使用する非晶質炭素およびシリコン膜の金属ドーピング 図000003
  • 特許6758839-基板処理システムにおいてハードマスクとして使用する非晶質炭素およびシリコン膜の金属ドーピング 図000004
  • 特許6758839-基板処理システムにおいてハードマスクとして使用する非晶質炭素およびシリコン膜の金属ドーピング 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6758839
(24)【登録日】2020年9月4日
(45)【発行日】2020年9月23日
(54)【発明の名称】基板処理システムにおいてハードマスクとして使用する非晶質炭素およびシリコン膜の金属ドーピング
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/26 20060101AFI20200910BHJP
   C23C 16/24 20060101ALI20200910BHJP
   C23C 16/50 20060101ALI20200910BHJP
【FI】
   C23C16/26
   C23C16/24
   C23C16/50
【請求項の数】36
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-12914(P2016-12914)
(22)【出願日】2016年1月27日
(65)【公開番号】特開2016-166405(P2016-166405A)
(43)【公開日】2016年9月15日
【審査請求日】2019年1月24日
(31)【優先権主張番号】14/612,750
(32)【優先日】2015年2月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファヤズ・シャイク
(72)【発明者】
【氏名】シリッシュ・レディ
(72)【発明者】
【氏名】アリス・ホリスター
【審査官】 有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−531987(JP,A)
【文献】 特開2005−045053(JP,A)
【文献】 特開2013−044047(JP,A)
【文献】 特開平06−212429(JP,A)
【文献】 特表2001−524603(JP,A)
【文献】 特開2013−100262(JP,A)
【文献】 特開2014−187248(JP,A)
【文献】 特開2014−146786(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/180856(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205,21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための方法であって、
基板を処理チャンバ内の台座上に配置することと、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給することと、
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を前記基板上に堆積させることであって、前記金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜は、金属炭化物を含み、金属炭化物を含む前記金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜の堆積は、
炭化水素前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
前記台座に第1の周波数で第1の電力を供給することと、
前記台座に前記第1の周波数より小さい第2の周波数で第2の電力を供給することと、を含む、金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜の堆積と、
前記処理チャンバにおけるプラズマの発生または前記処理チャンバへのプラズマの供給の一方を行うことと、
含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記炭化水素前駆体ガスがCxyを含み、xが2〜10の整数であり、yが2〜24の整数である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記炭化水素前駆体ガスが、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが六フッ化タングステンを含み、前記炭化水素前駆体ガスがメタンを含み、前記キャリアガスが分子状水素を含む、方法。
【請求項11】
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を堆積させるための方法であって、
基板を処理チャンバ内に配置することと、
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を前記基板上に堆積させることであって、前記金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜は、金属ケイ化物を含み、金属ケイ化物を含む前記金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜の堆積は、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給することと、
シリコン前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
台座に第1の周波数で第1の電力を供給することと、
前記台座に前記第1の周波数より小さい第2の周波数で第2の電力を供給すること
と、を含む、金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜の堆積と、
前記処理チャンバにおけるプラズマの発生または前記処理チャンバへのプラズマの供給の一方を行うことと、を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記シリコン前駆体ガスが、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される、方法。
【請求項19】
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムであって、
基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバにプロセスガスを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
選択的に、前記処理チャンバにプラズマを発生させる、または前記処理チャンバにプラズマを供給するように構成されたプラズマ発生器と、
前記ガス供給システムおよび前記プラズマ発生器を制御し、金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を前記基板上に堆積させるように構成されるコントローラであって、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給し、
炭化水素前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
前記基板支持体に第1の周波数で第1の電力を供給し、
前記基板支持体に前記第1の周波数より小さい第2の周波数で第2の電力を供給し、
前記プラズマ発生器を制御することで、前記処理チャンバにプラズマを発生させ、または前記処理チャンバにプラズマを供給する、コントローラと、を備える、基板処理システム。
【請求項20】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む基板処理システム。
【請求項21】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、基板処理システム。
【請求項22】
請求項21に記載の基板処理システムであって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、基板処理システム。
【請求項23】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、基板処理システム。
【請求項24】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、基板処理システム。
【請求項25】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、基板処理システム。
【請求項26】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記炭化水素前駆体ガスがCxyを含み、xが2〜10の整数であり、yが2〜24の整数である、基板処理システム。
【請求項27】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記炭化水素前駆体ガスが、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される、基板処理システム。
【請求項28】
請求項19に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが六フッ化タングステンを含み、前記炭化水素前駆体ガスがメタンを含み、前記キャリアガスが分子状水素を含む、基板処理システム。
【請求項29】
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムであって、
基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバにプロセスガスを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
選択的に、前記処理チャンバにプラズマを発生させる、または前記処理チャンバにプラズマを供給するように構成されたプラズマ発生器と、
前記ガス供給システムおよび前記プラズマ発生器を制御し、金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を前記基板上に堆積させるように構成されるコントローラであって、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給し、
シリコン前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
前記基板支持体に第1の周波数で第1の電力を供給し、
前記基板支持体に前記第1の周波数より小さい第2の周波数で第2の電力を供給する、コントローラと、を備える、基板処理システム。
【請求項30】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、基板処理システム。
【請求項31】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む基板処理システム。
【請求項32】
請求項31に記載の基板処理システムであって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、基板処理システム。
【請求項33】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、基板処理システム。
【請求項34】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、基板処理システム。
【請求項35】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、基板処理システム。
【請求項36】
請求項29に記載の基板処理システムであって、
前記シリコン前駆体ガスが、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理システムおよび基板処理方法、特には非晶質炭素および非晶質シリコンハードマスクを基板上に堆積させるためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ここで述べる背景技術は、本開示の背景を全般的に紹介することを目的としたものである。ここで名前を挙げる発明者の研究および、この背景技術の項目に記載の範囲において、本来ならば出願の時点で先行技術と見なされないであろう記載内容の態様は、明示的にも黙示的にも、本開示に対する先行技術として自認するものではない。
【0003】
堆積および/またはエッチングを行うための基板処理システムは、台座を備えた処理チャンバを含む。半導体ウェハ等の基板はこの台座上に配置し得る。例えば、化学蒸着(CVD)法においては、1種以上の前駆体を含む気体混合物を処理チャンバに導入することで、基板上に膜を堆積させ得るまたは基板をエッチングし得る。一部の基板処理システムにおいては、プラズマを用いることで化学反応を活性化し得て、本明細書においてはプラズマCVD(PECVD)と称する。
【0004】
非晶質炭素およびシリコン膜は、基板処理中に高アスペクト比のフィーチャをエッチングするためのハードマスクとして使用し得る。例えば、3Dメモリ用途において、ハードマスク膜はエッチング選択性が高くなくてはならない。結果的に、ハードマスク膜は、より高い係数、より高い密度、およびより高いエッチング化学反応耐性の結合マトリックスを有していなくてはならない。開口処理中にハードマスク膜を除去可能であることと、ハードマスク膜を誘電エッチング処理に対して高選択性にすることとのバランスをとる。
【発明の概要】
【0005】
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための方法は、基板を処理チャンバ内に配置し、キャリアガスを処理チャンバに供給し、炭化水素前駆体ガスを処理チャンバに供給し、金属系前駆体ガスを処理チャンバに供給し、処理チャンバにおけるプラズマの発生または供給の一方を行い、金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を基板上に堆積させることを含む。
【0006】
他の構成において、処理チャンバはプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む。金属系前駆体ガスは金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む。金属ハロゲン化物前駆体ガスは、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeは1以上の整数である。金属系前駆体ガスは、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む。金属系前駆体ガスは、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む。キャリアガスは、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。炭化水素前駆体ガスはCxyを含み、xは2〜10の整数であり、yは2〜24の整数である。炭化水素前駆体ガスは、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される。金属系前駆体ガスは六フッ化タングステンを含み、炭化水素前駆体ガスはメタンを含み、キャリアガスは分子状水素を含む。
【0007】
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を堆積させるための方法は、基板を処理チャンバ内に配置し、キャリアガスを処理チャンバに供給し、シリコン前駆体ガスを処理チャンバに供給し、金属系前駆体ガスを処理チャンバに供給し、処理チャンバにおけるプラズマの発生または供給の一方を行い、金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を基板上に堆積させることを含む。
【0008】
他の構成において、処理チャンバはプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む。金属系前駆体ガスは金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む。金属ハロゲン化物前駆体ガスは、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeは1以上の整数である。金属系前駆体ガスは、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む。金属系前駆体ガスは、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む。キャリアガスは、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。シリコン前駆体ガスは、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される。
【0009】
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムは、基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバを含む。ガス供給システムは、この処理チャンバにプロセスガスを選択的に供給するように構成される。プラズマ発生器は、処理チャンバにプラズマを選択的に供給するように構成される。コントローラはガス供給システムおよびプラズマ発生器を制御するように構成され、またキャリアガスを処理チャンバに供給する、炭化水素前駆体ガスを処理チャンバに供給する、金属系前駆体ガスを処理チャンバに供給する、処理チャンバにプラズマを供給するおよび金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を基板上に堆積させるように構成される。
【0010】
他の構成において、処理チャンバはプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む。金属系前駆体ガスは金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む。金属ハロゲン化物前駆体ガスは、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeは1以上の整数である。金属系前駆体ガスは、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む。金属系前駆体ガスは、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む。キャリアガスは、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。炭化水素前駆体ガスはCxyを含み、xは2〜10の整数であり、yは2〜24の整数である。炭化水素前駆体ガスは、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される。金属系前駆体ガスは六フッ化タングステンを含み、炭化水素前駆体ガスはメタンを含み、キャリアガスは分子状水素を含む。
【0011】
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムは、基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバ、プロセスガスを処理チャンバに選択的に供給するように構成されたガス供給システム、処理チャンバにプラズマを選択的に供給するように構成されたプラズマ発生器、ガス供給システムおよびプラズマ発生器を制御するように構成され、かつキャリアガスを処理チャンバに供給する、シリコン前駆体ガスを処理チャンバに供給する、シリコン前駆体ガスを処理チャンバに供給する、金属系前駆体ガスを処理チャンバに供給する、プラズマを処理チャンバに供給するおよび金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を基板上に堆積させるように構成されたコントローラを含む。
【0012】
他の構成において、処理チャンバはプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む。金属系前駆体ガスは金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む。金属ハロゲン化物前駆体ガスは、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeは1以上の整数である。金属系前駆体ガスはテトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む。金属系前駆体ガスは、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む。キャリアガスは、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される。シリコン前駆体ガスは、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される。
【0013】
本開示が適用可能なさらなる分野は、発明を実施するための形態、請求項および図面から明らかとなる。発明を実施するための形態および特定例は説明を目的としたものにすぎず、本開示の範囲を限定しようとするものではない。
【0014】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより完全に理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示による、金属ドープ非晶質炭素またはシリコンハードマスクを堆積させるための基板処理チャンバの一例を描いた機能ブロック図である。
【0016】
図2】本開示による、金属ドープ非晶質炭素ハードマスクを堆積させるための方法の一例を描いたフローチャートである。
【0017】
図3】本開示による、金属ドープ非晶質シリコンハードマスクを堆積させるための方法の一例を描いたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面においては、参照番号を、類似したおよび/または同一の要素を識別するために再使用し得る。
【0019】
非晶質炭素およびシリコン膜は、高アスペクト比のフィーチャをエッチングするためのハードマスクとして使用される。3Dメモリ等の一部の用途において、ハードマスク膜は高エッチング選択性である必要がある。結果的に、ハードマスク膜は硬く、高密度で、除去し易さとエッチング選択性とのバランスがとれていなくてはならない。本明細書に記載のシステムおよび方法は、非晶質炭素またはシリコンハードマスク膜を高密度化することで誘電エッチング化学反応に対するエッチング選択性を上昇させることに使用し得る。
【0020】
本明細書に記載のシステムおよび方法では、非晶質炭素またはシリコンハードマスク膜に金属系ドーパントをドープする。単なる例ではあるが、金属系ドーパントは金属ハロゲン化物前駆体によりもたらされ得る。幾つかの例において、金属ハロゲン化物前駆体は、フッ化タングステン(WFa)、塩化チタン(TiClb)、塩化タングステン(WClc)、塩化ハフニウム(HfCld)、塩化タンタル(TaCle)および他の適切な金属ハロゲン化物前駆体を含み得て、a、b、c、dおよびeはゼロより大きい整数である。前述の金属ハロゲン化物前駆体例はフッ素および塩素を含むが、臭素(Br)またはヨウ素(I)を含む他の金属ハロゲン化物前駆体も使用し得る。他の例において、金属系ドーパントは、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体または他の適切な金属前駆体によりもたらされ得る。
【0021】
幾つかの例においては、非晶質炭素またはシリコン前駆体を処理チャンバ内でキャリアガスに添加する。例えば、非晶質炭素前駆体は炭化水素前駆体を含み得る。炭化水素前駆体はCxyを含み得て、xは2〜10の整数であり、yは2〜24の整数である。幾つかの例において、炭化水素前駆体は、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンまたはトルエン(それぞれCH4、C22、C24、C36、C410、C66、C612およびC78)を含み得る。単なる例ではあるが、非晶質シリコン前駆体は、シランまたはオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)様前駆体を含み得る。幾つかの例において、キャリアガスは分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせを含み得る。本明細書に記載のPECVD法では、より高密度、かつ高エッチング選択性である金属ドープ非晶質炭素またはシリコン膜を堆積させる。
【0022】
本明細書に記載の金属系前駆体を使用してドープされる非晶質炭素またはシリコンハードマスク膜は、より高い架橋度により、それぞれ金属炭化物または金属ケイ化物を含むハードマスク膜を作り出す。ドーピングレベルが高いと選択性は上昇するが、続くステップにかかるコストも上昇する傾向がある。したがって、ドーピングレベルと選択性とのバランスをとる。得られる金属ドープ非晶質炭素またはシリコンハードマスク膜はより硬く、より高密度であり、それでいて半導体ハードマスク用途向けに除去可能なままである。
【0023】
ここで図1を参照するが、PECVD堆積またはエッチングを行うための基板処理システム100の一例を示す。前述の例はPECVDシステムに関するものだが、他のプラズマ系基板処理法も使用し得る。他のタイプのプラズマ処理法には原子層堆積、誘導結合プラズマ、容量結合プラズマ、マイクロ波プラズマCVD、リモートプラズマCVDおよび他の同様の処理法が含まれる。
【0024】
基板処理システム100は、基板処理システム100の他のコンポーネントを取り囲み、かつRFプラズマを収容する処理チャンバ102を含む。基板処理システム100は、上方電極104と下方電極107を含む台座106とを含む。基板108は、上方電極104と下方電極107との間の台座106上に配置される。
【0025】
単なる例ではあるが、上方電極104は、プロセスガスを導入および分配するシャワーヘッド109を含み得る。あるいは、上方電極104は導電板を含み得て、プロセスガスは別のやり方で導入し得る。下方電極107は非導電性の台座上に配置し得る。あるいは、台座106は、下方電極107として働く導電板を含む静電チャックを含み得る。
【0026】
RF発生システム110はRF電圧を発生させ、上方電極および下方電極の一方に出力する。上方電極および下方電極のもう一方はDC接地、AC接地またはフロートさせ得る。単なる例ではあるが、RF発生システム110はRF電圧を発生させるRF電圧発生器111を含み得て、RF電圧は整合および配電ネットワーク112により上方電極104または下方電極107に送られる。
【0027】
ガス送出システム130の一例を図1に示す。ガス送出システム130は1つ以上のガス源132−1、132−2、・・・および132−N(集合的にガス源132)を含み、Nはゼロより大きい整数である。ガス源は1種以上の前駆体およびこれらの混合物を供給する。気化させた前駆体も使用し得る。ガス源132はバルブ134−1、134−2、・・・および134−N(集合的にバルブ134)ならびにマスフローコントローラ136−1、136−2、・・・および136−N(集合的にマスフローコントローラ136)によりマニホールド140に連結される。マニホールド140から出たものは処理チャンバ102に送られる。単なる例ではあるが、マニホールド140から出たものはシャワーヘッド109に送られる。
【0028】
ヒータ142を、台座106に配置されたヒーターコイル(図示せず)に連結して台座106を加熱し得る。ヒータ142を使用して台座106および基板108の温度を制御し得る。バルブ150およびポンプ152を使用して処理チャンバ102から反応物を抜き出し得る。コントローラ160を使用して基板処理システム100の様々なコンポーネントを制御し得る。単なる例ではあるが、コントローラ160を使用してプロセスガス、キャリアガスおよび前駆体ガスの流れ、点弧および消弧プラズマ、反応物の除去、チャンバパラメータのモニタリング等を制御し得る。
【0029】
ここで図2を参照するが、本開示の金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための方法200を示す。204で、基板を、PECVD処理チャンバ等の処理チャンバ内に位置決めする。208で、キャリアガスを処理チャンバに供給する。幾つかの例において、キャリアガスは分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0030】
216で、炭化水素前駆体を処理チャンバに供給する。幾つかの例において、炭化水素前駆体はCxyを含み得て、xは2〜10の整数であり、yは2〜24の整数である。幾つかの例において、炭化水素前駆体はメタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンまたはトルエンを含み得る。
【0031】
220で、金属系前駆体またはドーパントを処理チャンバに供給する。幾つかの例において、金属系前駆体は、WFa、TiClb、WClc、HfCld、TaCle等の金属ハロゲン化物前駆体または他の適切な金属ハロゲン化物前駆体を含み、a、b、c、dおよびeはゼロより大きい整数である。前述の金属ハロゲン化物前駆体例はフッ素および塩素を含むが、臭素(Br)またはヨウ素(I)を含む他の金属ハロゲン化物前駆体も使用し得る。他の例において、金属系前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体または他の適切な金属前駆体によりもたらされ得る。
【0032】
222で、プラズマを処理チャンバで発生させるまたは処理チャンバに供給する。224で、金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を基板上に堆積させる。金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜は、基板処理中、ハードマスクとして使用し得る。
【0033】
ここで図3を参照するが、本開示の金属ドープ非晶質シリコン膜を堆積させるための方法250を示す。254で、基板を、PECVD処理チャンバ等の処理チャンバ内に位置決めする。258で、キャリアガスを処理チャンバに供給する。幾つかの例において、キャリアガスは分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0034】
266で、シリコン前駆体を処理チャンバに供給する。単なる例ではあるが、非晶質シリコン前駆体はシランまたはオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)様前駆体を含み得る。
【0035】
270で、金属系前駆体またはドーパントを処理チャンバに供給する。幾つかの例において、金属系前駆体は、WFa、TiClb、WClc、HfCld、TaCle等の金属ハロゲン化物前駆体または他の適切な金属ハロゲン化物前駆体を含み、a、b、c、dおよびeはゼロより大きい整数である。前述の金属ハロゲン化物前駆体例はフッ素および塩素を含むが、臭素(Br)またはヨウ素(I)を含む他の金属ハロゲン化物前駆体も使用し得る。他の例において、金属系前駆体は、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体または他の適切な金属前駆体によりもたらされ得る。
【0036】
272で、プラズマを処理チャンバで発生させるまたは処理チャンバに供給する。274で、金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を基板上に堆積させる。金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜は、基板処理中、ハードマスクとして使用し得る。
【0037】
以下の表は、本開示の金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜のための炭化水素前駆体ガス、キャリアガス、金属系前駆体および他の工程パラメータの一例を示す。
【表1】
【0038】
この例において、処理チャンバ温度は400〜500℃の温度範囲内にある。処理チャンバの真空圧は0.2〜9Torrの範囲内にある。高周波RF電力は800〜2500Wの範囲に設定する。低周波RF電力は1000〜2500Wの範囲に設定する。キャリアガスは分子状水素であり、金属系前駆体ガスはフッ化タングステンであり、炭素前駆体はメタンである。他の前駆体は同様のまたは異なる処理チャンバ設定を用い得る。
【0039】
他の例において、工程温度は最高650℃になり得る。他の例においては、WFaを6〜75sccmで供給し、CH4を750sccmで供給し、ArおよびN2を5000sccmで供給し、工程圧力は2〜7Torrであり、工程温度は400〜500℃である。
【0040】
上記は本質的に説明上のものにすぎず、決して開示、その応用または用途を限定しようとするものではない。開示の広範にわたる教示は、多種多様な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定例を含むが、開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。これは図面、明細書および後出の請求項を検討することで他の変化形が明らかとなるからである。本明細書において、A、BおよびCの少なくとも1つという句は、非排他的な論理的ORを使用して論理的(AまたはBまたはC)を意味すると解釈すべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つおよびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈すべきではない。方法における1つ以上のステップは、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または同時に)実行し得ると理解すべきである。
【0041】
幾つかの実装例において、コントローラはあるシステムの一部であり、このシステムは上記の例の一部になり得る。そのようなシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用のプラットフォームおよび/または特定の処理用コンポーネント(ウェハ台座、ガスフローシステム等)を含めた半導体処理設備を備え得る。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中および処理後のその動作を制御するための電子機器と統合し得る。電子機器は「コントローラ」と称し得て、コントローラはシステムの様々なコンポーネントまたは副部品を制御し得る。コントローラを処理要件および/またはシステムのタイプに応じてプログラムすることで、処理用ガスの送出、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および動作設定、ツールおよび他の搬送ツールおよび/または特定のシステムに連結されたもしくはインターフェースされたロードロックへのウェハ搬入および搬出を含めた本明細書で開示の工程のいずれをも制御し得る。
【0042】
概して、コントローラは、命令を受け取る、命令を出す、動作を制御する、クリーニング作業を可能にする、終点の測定を可能にする等の各種集積回路、論理回路、メモリおよび/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義し得る。集積回路は、プログラム命令を格納したファームウェアの形態のチップ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)と定義されるチップおよび/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコンロトーラを含み得る。プログラム命令は、様々な個別設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに送られる命令になり得て、半導体ウェハにもしくは半導体ウェハについてまたはシステムに対して特定の工程を行うための動作パラメータを定義する。動作パラメータは、幾つかの実施形態において、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化ケイ素、表面、回路および/またはウェハのダイの形成中に1つ以上の処理ステップを成し遂げるためにプロセス技術者が定義したレシピの一部になり得る。
【0043】
幾つかの実装例において、コントローラは、システムに統合された、システムに連結された、別の形でシステムにネットワーク接続されたまたはこれらの組み合わせのコンピュータの一部になり得る、あるいはそのようなコンピュータに連結し得る。例えば、コントローラは「クラウド」内に置き得るまたは製造工場内ホストコンピュータシステムの全てもしくは一部になり得るため、ウェハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムにリモートアクセスして作製作業の現在の進捗状況をモニタする、過去の作製作業の履歴を検討する、複数の作製作業からのトレンドまたはパフォーマンスメトリックを検討する、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に沿うように処理ステップを設定するまたは新しい工程を開始させることを可能にし得る。幾つかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワーク上のシステムにプロセスレシピを送ることができる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザーインターフェースを含み得て、パラメータおよび/または設定はリモートコンピュータからシステムに送られる。幾つかの例において、コントローラは命令をデータの形態で受け取り、データは1つ以上の作業中に行う各処理ステップについてパラメータを指定する。パラメータは、行う工程のタイプおよびコントローラとインターフェースするまたはコントローラで制御するツールのタイプに特有なものになり得ることを理解すべきである。したがって、上述したように、例えばネットワーク接続され、かつ共通の目的(例えば、本明細書に記載の工程および制御)に向かって働く1つ以上の別個のコントローラを備えさせることでコントローラを分散させ得る。そのような目的のための分散コントローラの一例は、遠隔地にあり(例えば、プラットフォームレベルにあるまたはリモートコンピュータの一部としてある)チャンバに対して協働して工程の制御を行う1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上の1つ以上の集積回路である。
【0044】
限定するものではないが、システム例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピン−リンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュールならびに半導体ウェハの作製および/または製造に関連し得るまたは使用し得る他の半導体処理システムを含み得る。
【0045】
上述したように、ツールが行う工程ステップに応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツールコンポーネント、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、周辺ツール、工場中に在るツール、メインコンピュータ、別のコントローラまたは半導体製造工場内のツール位置および/もしくはローディングポート内外にウェハの入った容器を運ぶ材料輸送用ツールの1つ以上と通信し得る。

本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。

適用例1:金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための方法であって、
基板を処理チャンバ内に配置することと、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給することと、
炭化水素前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
前記処理チャンバにおけるプラズマの発生または前記処理チャンバへのプラズマの供給の一方を行うことと、
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を前記基板上に堆積させることと、を含む、方法。

適用例2:適用例1の方法であって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、方法。

適用例3:適用例1の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、方法。

適用例4:適用例3の方法であって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、方法。

適用例5:適用例1の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、方法。

適用例6:適用例1の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、方法。

適用例7:適用例1の方法であって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。

適用例8:適用例1の方法であって、
前記炭化水素前駆体ガスがCxyを含み、xが2〜10の整数であり、yが2〜24の整数である、方法。

適用例9:適用例1の方法であって、
前記炭化水素前駆体ガスが、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される、方法。

適用例10:適用例1の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが六フッ化タングステンを含み、前記炭化水素前駆体ガスがメタンを含み、前記キャリアガスが分子状水素を含む、方法。

適用例11:金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を堆積させるための方法であって、
基板を処理チャンバ内に配置することと、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給することと、
シリコン前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給することと、
前記処理チャンバにおけるプラズマの発生または前記処理チャンバへのプラズマの供給の一方を行うことと、
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を前記基板上に堆積させることと、を含む、方法。

適用例12:適用例11の方法であって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、方法。

適用例13:適用例11の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、方法。

適用例14:適用例13の方法であって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、方法。

適用例15:適用例11の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、方法。

適用例16:適用例11の方法であって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、方法。

適用例17:適用例11の方法であって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。

適用例18:適用例11の方法であって、
前記シリコン前駆体ガスが、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される、方法。

適用例19:金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムであって、
基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバにプロセスガスを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
選択的に、前記処理チャンバにプラズマを発生させる、または前記処理チャンバにプラズマを供給するように構成されたプラズマ発生器と、
前記ガス供給システムおよび前記プラズマ発生器を制御するように構成され、かつキャリアガスを前記処理チャンバに供給するコントローラであって、
炭化水素前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
前記プラズマ発生器を制御することで、前記処理チャンバにプラズマを発生させ、または前記処理チャンバにプラズマを供給し、および
金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を前記基板上に堆積させるように構成されたコントローラと、を備える、基板処理システム。

適用例20:適用例19の基板処理システムであって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、適用例19の基板処理システム。

適用例21:適用例19の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、基板処理システム。

適用例22:適用例21の基板処理システムであって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、基板処理システム。

適用例23:適用例19の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、基板処理システム。

適用例24:適用例19の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、基板処理システム。

適用例25:適用例19の基板処理システムであって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、基板処理システム。

適用例26:適用例19の基板処理システムであって、
前記炭化水素前駆体ガスがCxyを含み、xが2〜10の整数であり、yが2〜24の整数である、基板処理システム。

適用例27:適用例19の基板処理システムであって、
前記炭化水素前駆体ガスが、メタン、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンからなる群から選択される、基板処理システム。

適用例28:適用例19の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが六フッ化タングステンを含み、前記炭化水素前駆体ガスがメタンを含み、前記キャリアガスが分子状水素を含む、基板処理システム。

適用例29:金属ドープ非晶質炭素ハードマスク膜を堆積させるための基板処理システムであって、
基板を支持するように構成された基板支持体を含む処理チャンバと、
前記処理チャンバにプロセスガスを選択的に供給するように構成されたガス供給システムと、
選択的に、前記処理チャンバにプラズマを発生させる、または前記処理チャンバにプラズマを供給するように構成されたプラズマ発生器と、
前記ガス供給システムおよび前記プラズマ発生器を制御するように構成されるコントローラであって、
キャリアガスを前記処理チャンバに供給し、
シリコン前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
金属系前駆体ガスを前記処理チャンバに供給し、
前記プラズマ発生器を制御することで、前記処理チャンバにプラズマを発生させ、または前記処理チャンバにプラズマを供給し、および
金属ドープ非晶質シリコンハードマスク膜を前記基板上に堆積させるように構成されたコントローラと、を備える、基板処理システム。

適用例30:適用例29の基板処理システムであって、
前記処理チャンバがプラズマ化学蒸着(PECVD)処理チャンバを含む、基板処理システム。

適用例31:適用例29の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが金属ハロゲン化物前駆体ガスを含む、適用例29の基板処理システム。

適用例32:適用例31の基板処理システムであって、
前記金属ハロゲン化物前駆体ガスが、WFa、TiClb、WClc、HfCldおよびTaCleからなる群から選択され、a、b、c、dおよびeが1以上の整数である、基板処理システム。

適用例33:適用例29の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン(TDMAT)前駆体ガスを含む、基板処理システム。

適用例34:適用例29の基板処理システムであって、
前記金属系前駆体ガスが、ビス(tert−ブチルイミド)−ビス−(ジメチルアミド)タングステン(BTBMW)前駆体ガスを含む、基板処理システム。

適用例35:適用例29の基板処理システムであって、
前記キャリアガスが、分子状水素(H2)、アルゴン(Ar)、分子状窒素(N2)、ヘリウム(He)および/またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、基板処理システム。

適用例36:適用例29の基板処理システムであって、
前記シリコン前駆体ガスが、シランおよびオルトケイ酸テトラエチルからなる群から選択される、基板処理システム。
図1
図2
図3